史上最強の弟子ケンイチ (1) (少年サンデーコミックス)前→
五条「ククク… ここが学園都市ですか」その21最初から→
五条「ククク… ここが学園都市ですか」644 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12 /20(月) 23:26:28.18
ID:.E7s5uAo ────── 眼前に広がる光景に、驚愕を隠せなかった。
随分と遠くに、つい先刻まで自分が立っていたハズの学園都市の河原が見える。
その河原より今自分が立っている場所へと伸びている、ゆらゆらと中空に漂う一条の炎の線。
思わずため息を吐くと、その線が火の粉へと姿を変え、虚空へと霧散していく様が見て取れた。
──────自分は今、学園都市の外部に居る。
正確に表現するのならば、学園都市の外部にある、名も知らぬ山の中腹。
……何と言うものを渡してくれたのだろうか。
半ば呆れがちに周囲を見回してみると、自分が今立っている場所を中心として半径20メートル程のクレーターが開いており、その中心に自分が立ち尽くしているのが理解出来た。
使い方がいまいち良く判らなかった為、認識阻害を展開したまま試してみて本当に良かった。
もしも眼の力無しでコレを使用していたなら、学園都市による外部侵攻の鏑矢と取られても何らおかしくはなかっただろう。
再度メガネを外して認識阻害を展開し、その場で軽く上方に向かって飛び上がった。
軽く跳躍しただけにも関わらず、地面から三メートル程身体が浮き上がる。
そのまま中空で再び足を曲げ、先に地面を蹴った感覚よりも強く、足を下に向かい蹴り出す。
本来宙を蹴るはずのその足が"何か"に当たり、轟音と共に視界が急激に加速するのが判った。
人体には余りに過負荷であるだろう重力を感じないのは、外套の成せる業なのだろうか。
足元を見下ろすと、スパイクの底面が緋色に輝き、空気との摩擦で炎を巻き起こしているのが目に入った。
そしてそのスパイクの向こうに見える、小さくなったクレーター。
おおよそ、秒間で500m程上昇しただろうか。
重力に引かれ、次第に加速度が低下して行き、やがてその身体に掛かっていた加速が完全に静止する。
……しかし、身体が一向に自由落下を始める気配は無い。
まるで今自身が立っている中空に、当たり前の様に透明の地面が存在しているかの様な感覚だ。
試しに一歩足を踏み出してみる。
と、途端に足場が消失した様に身体が自由落下を始めた。
五条(……地上までの高度は、下層雲の高さから仮定しておおよそ500m……高い電波塔よりは低い、といった所ですか……)
受身の態勢を取らず、重力に引かれるまま身体を投げ出す。
五条(ヘリの高度よりも少し低いですかね……終端速度はどの程度でしょうか……?)
645 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12 /20(月) 23:28:53.60
ID:.E7s5uAo 迫る地面を見つめる事に若干の抵抗を覚えたので、敢えて仰向けの体制になり落下を続ける。
次第に自身の身体が加速を帯び、地面へと向っているのが理解出来た。
五条(……)
徐々に遠ざかる雲と比例して、加速を帯びる体。
数瞬の後、ぽふ、という感触と共に身体の落下が停止した。
まるで跳び箱を跳んだ後に、背中から厚手のマットに落下した時の様な感覚だ。
上体を起こし、周囲を見回す。
先に飛び上がった場所と殆ど同じ位置に落下している点を考えると、やはり風や空気の影響は随分とカットされている様だ。
そのまま立ち上がり、ぽんぽんと背の埃を払う。
……埃らしい埃がまるで付着していない。
その場で構え、ハイキックの動作で軽く足を振る。
異様なまでに足が速く回り、蹴った軌跡に沿って炎が揺らめいていた。
……常識の範疇を逸脱している。
予備知識無しで使うのは、どう考えても危険だ。
学園都市の方向に向かい軽く駆け、一気に跳躍。
空中で体制を変え、学園都市の河原に向かい空を蹴る。
方角が少しズレたので、幾たびも空を蹴り、徐々に方角を修正しながらジグザグに河原へと向かう。
空を蹴るたびに、轟々と足元のスパイクから炎が巻き起こるのがわかった。
随分遠くに見えていた河原が、あっという間に眼前へと迫る。
────────────
646 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12/20(月) 23:30:10.39
ID:.E7s5uAo 『…… ああ、ボクの独断で許可をさせて貰った。あんな中に放り込んで報酬の一つも無しってのも気が引けたからね』
ジャージにアタッシュケースを抱えるというワケの判らない格好で歩を進めながら、空いた手で携帯電話を耳に押し当てていた。
五条「……オマエにも礼を言うところですね……ありがとうございます……で、先に放した金属についてですが……」
『オリハルコンと火廣金ね……専門じゃないから詳しくはわからないな。禁書目録に聞いた方が早いと思うよ』
五条「……そうですか……わかりました……ではそうさせて貰いましょう……」
『近い内に時間があったら一度ボクにも見せてくれ。天才錬金術師一族最後の傑作なんて、随分と面白そうなものじゃないか』
五条「えぇ……ではまた連絡しますよ」
『BadLuck Scarecrow.』
五条「ではまた、[ピーーー] 神父さん」
互いに罵倒のスラングを交わし、電話を切った。
折り良く目的地に辿り着き、足が止まる。
────── 風紀委員 第一七七支部。
そのドアをノックし、中の反応を確かめる。
『……開いてます』
普段の甘い声色とは少し違う、緊張感を感じる声を耳にして、そのドアを開いた。
────────────
648 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12 /20(月) 23:31:46.29 ID:KmwEAQAO
五条さんのキックで地球がヤバい650 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12/20(月) 23:32:26.11
ID:.E7s5uAo 五条「……何度もすみません……」
『いえ……』
手に持ったハーブティーから、胸の透く様な香りが立ち上った。
その湯気の向こうで、頭部に色とりどりの花を飾りつけた風紀委員、初春飾利がせわしなくキーボードをタイピングしている。
初春「私も……五条さんと御坂さんに謝らなければならない事がありますから」
彼女の指が、エンターキーをタイプするのが見えた。
次いで傍らのプリンタから、次々と航空地図が吐き出される。
初春「この間のパスをデコードした後、気になって少し探りを入れちゃったんです」
五条「……」
地図を手に取った彼女が再度PCのモニタと向かい合い、その地図に次々と赤ペンで丸印を書き入れていく。
初春「……人道的に、絶対許される事じゃありません」
普段のどこか甘えた表情を浮かべる彼女とは異なり、その瞳には確たる決意の色が宿っている。
……知ってしまったのならば、やはり憤慨しているのだろうか。
五条「……ククク……頼み事ばかりですみませんが……この件は黒子には」
初春「勿論、告げるつもりはありません。安心して下さい」
全ての丸印を記入し終わったのだろうか。
彼女が手に持った地図をこちらに差し出してきた。
初春「……この地図を使って五条さんがやろうとしている事も一切問いません。むしろ私の想像通りの事をしようとしているのなら、お体に気をつけて頑張って下さい」
五条「……ありがとうございます……」
彼女に頭を下げ、差し出された地図を受け取った。
地図上の赤い丸印が入っている場所は、全て何らかの研究所の名前が表記されている箇所と一致している。
654 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12/20(月) 23:34:34.51
ID:.E7s5uAo 初春「……私も知った以上は、最後までバックアップをさせて貰います。風紀委員としてでなく、初春飾利という一人の人間として」
五条「…… しかし、あまりこの件に深入りをすると……」
初春「絶対に足は掴ませませんのでご心配なく。こう見えても私、そっち方面ではちょっと有名なんですよ?あ、皆には内緒にしておいて下さいね」
五条「……心強い……頼らせて頂きます……」
初春「その代わり!」
少し強くなった語調に、思わず首を傾げる。
初春「今度どこかにご飯でも連れて行って下さいね!白井さんも一緒で良いので!」
悪戯っぽい笑みを浮かべた彼女が、自身の眼前へと人差し指を突き出しながら言葉を吐いていた。
五条「……約束しましょう……」
言い終え、席を立つ。
初春「それじゃあ……何かあったら、すぐに連絡して下さい。私も可能な限り、色々と調査を行っておきます」
再度語調が変わり真剣な様子を浮かべた彼女の声に、深く頷いて踵を返した。
────────────
655 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12 /20(月) 23:36:22.05 ID:c/goKR.o
初春も可愛いのう656 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12/20(月) 23:38:00.52
ID:.E7s5uAo 『おっにくっ♪おっにくっ♪おっにっくぅ~♪』
『こらこら、そんなにガッつくんじゃありません!』
『むぅ……トウマが悪いんだよ?毎日もやし炒めばっかりじゃ、流石に私も飽きちゃうかも?』
『そっち。焼けてる。そのタンも』
『ククク……どんどん焼きますからね……』
『おお、悪い。タレ取ってくれ……サンキュ……って叙々苑ッ!?』
『……焼肉の良し悪しはタレのウエイトも大きいですからね……当然です……』
『窓。開けた方が良いと思うんだけど』
夜の帳が降りた上条当麻宅に、ホットプレートを囲む四つの人影があった。
部屋の主、幻想殺し上条当麻。
居候修道女、禁書目録。
たまたま遊びに来ていた吸血殺し、姫神秋沙。
そして認識阻害、五条勝。
四人はわいわいとホットプレートの上に並ぶ肉や野菜を口に運んで咀嚼しては、互いにうんうんと頷きながら箸を進めている。
銀髪の修道女の箸が早いのはさておき、意外にも箸を進めるのが早い姫神の様子を見た五条が、少し驚いた様子を見せていた。
そんな暫しの夕餉を経て、後片付けをしていた上条が口を開く。
上条「何か毎度ご馳走んなっちゃって申し訳ありませんね……」
五条「……いえ、頼みごとのある立場ですからね……」
上条「……おお、で、その頼み事って何だ?」
洗い物を終えた上条が、その手をタオルで拭きながら問いを投げた。
五条「……ククク……コレについてインデックスに尋ねたいのですが……」
五条が傍らに置いていたアタッシュを開き、その中身を取り出す。
上条「コートとスパイク……?」
その品を見た上条の右手が伸びた。
と、品に触れようとした手を素早く払った五条が言葉を続ける。
五条「……魔術的な品なので触れないで下さい……」
658 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/20(月) 23:39:28.69 ID:i.I3CZko
壊れるとこだったww660 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/20(月) 23:41:07.09 ID:KmwEAQAO
そげぶされちゃったら、アウレオルスも泣くに泣けんよな661 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12/20(月) 23:41:27.20
ID:.E7s5uAo 姫神「……!それ。さっきの」
五条「ええ……」
インデックス「魔術礼装……?…!?マサル、これどうしたの!?」
いつの間にか五条の隣に移動していた禁書目録が、そのコートの肩を摘み持ち上げながら声を上げた。
純白の布地に金の縁取りがされ、背中にはオールドイングリッシュでⅤの刺繍が成されており、その周囲に煌びやかな宝石の様な物が縫い付けられているのがわかる。
肩口には豪奢な黄金の肩章が取り付けられており、こうして改めて見ると、中々に、というか相当派手なコートだ。
上条「ふえー……高そうなコートだなぁ……」
インデックス「……間違いない、トリノ聖骸布……模造品なのはわかるんだけど、殆ど本物に近い出来なんだよ……」
五条「……知人に貰ったものなんですが……」
インデックス「……魔翌力の負担も不要な様に術式が組まれてるね……マサル、大事にした方が良いかも……私もこんな代物初めて見たんだよ……」
五条「ええ……それよりも観て頂きたいのはこちらなんですが……」
五条がアタッシュからスパイクを取り出し、インデックスに手渡す。
インデックス「……浮翌遊金属オリハルコンの鋼糸で編まれた靴だね……魔翌力が加えられると、オリハルコンの浮翌遊性質が強く出る様な術式が組まれているみたい……」
表面を指でなぞりながら説明を続けたインデックスがスパイクを裏返し、その底面をコンコンと指で叩いて言葉を続けた。
インデックス「底面の素材は竹内文書に出てくる火廣金で作られてる……熱伝導率がとんでもない素材だから、ちょっとした事ですぐ発火するかも……」
考えている様子も無く、当然の様に一目見ただけの品の組成や魔術式を次々に言い当てていく禁書目録。
五条「……流石ですね……」
その名は伊達では無い、といった様子に感心した五条が、思わず感嘆の声を上げた。
インデックス「生身でこの靴を使うのは危険だから、今のコートと併用する為に作られたものなんじゃないかな?こんな高度な加工技術、高位の錬金術師でもないと持ってないと思うんだけど……」
上条「……おい、錬金術師って……」
五条「ええ…… アウレオルスからの贈り物です……」
姫神「……」
上条「っくぁー……物騒なモン手に入れたなぁ……」
662 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/20(月) 23:42:41.16 ID:kVZl15Uo
まったくだww663 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12/20(月) 23:44:12.01
ID:.E7s5uAo 五条「……確かに物騒ですが……心強いものです……クックック……」
インデックス「マサル、この靴は使えたの?」
五条「えぇ……先刻試してみたら、サッカーをする時と同様の感覚で使用出来ましたが……」
インデックス「……サッカー?サッカーで魔翌力……?」
五条「……魔術の類だと言われても疑う余地の無いサッカー、というのも世の中にはあるのですよ……ヒヒヒ……さて……」
靴とコートをアタッシュにしまい、五条が立ち上がった。
姫神「帰るの?」
五条「えぇ……少しやらねばならない事がありまして……」
上条「相変わらず忙しそうですね……カラダ壊すなよ?」
五条「……留意しておきましょうか、では……ありがとうございました、インデックス……」
インデックス「お安い御用なんだよ!判らない事があったらまた聞いてね!」
三人に見送られ、五条が部屋を後にした。
テレビで始まったバラエティ番組に反応して目線を投げた女性二人とは対照的に、上条が五条の去っていったドアを真剣な表情で見つめていた。
────────────
翌朝、学園都市外部の報道番組ではとある山の中腹に無数の謎のクレーターが出現したと報道される事となる。
目撃者もなく、目撃証言も一切無かったこの事件は、隕石が落下途中で分散し地表に注いだのではないかとの憶測を呼んだが、
クレーターの中心から隕石や硝煙反応の類は一切検出されず、結局は迷宮入りの事件となり、オカルト好きの好事家の間で後々までの語り草となった。
──────to be continued──────
665 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/20(月) 23:45:21.41 ID:c34qj/so
ここのインデックスはインなんとかさんと呼べないな
668 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/20(月) 23:48:07.48 ID:WLVkC0Io
叙々苑とはさすが五条さん分かってる
669 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/20(月) 23:48:38.01 ID:oqvJWcAO
インさんを蔑ろにしないSSは大抵名作
665 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/20(月) 23:45:21.41 ID:c34qj/so
ここのインデックスはインなんとかさんと呼べないな668 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/20(月) 23:48:07.48 ID:WLVkC0Io
叙々苑とはさすが五条さん分かってる670 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12/20(月) 23:49:22.63
ID:.E7s5uAo 以上、本日投下分となります
本日もご支援いただきました皆様、関係各位の皆様、いつもお世話になっております
五条さんが一人で行動する回は、どうしても地の分が多くなりがちで参ります
ってか「……浮翌遊金属オリハルコンの鋼糸で編まれた靴だね……魔翌力が加えられると、オリハルコンの浮翌遊性質が強く出る様な術式が組まれているみたい……」って何?
こんなに翌翌入れてないんだけどバグ?
軽く凹みながらお嬢に一票入れます
さて、次回投下に関してですが、可能ならば明日夜、不可ならば木曜夜に投下をさせて頂きます
次第に多忙になる折かと存じますが、お時間がございましたら、またお付き合い頂ければ幸いです
671 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/20(月) 23:50:53.76 ID:42n2JYAO
乙
常にsaga入れてた方が良いんじゃない?679 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12 /21(火) 00:04:38.54 ID:iDkrY96o
>>670
魔翌力と魔翌翌翌力について説明してるトコ探してきた。 http://ja.yaruo.wikia.com/wiki/VIP%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9680 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/21(火) 00:08:25.01 ID:tSgiCKk0
何というか、このぐらいの評価が与えられてしかるべきなのがアウレオルスなんだよな
そして上条さんには装備あげられないとしてもインデックスの食費のために金ぐらい錬成して上げても良いんじゃないだろうか685 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/21(火) 06:41:58.72 ID:yVxZ1eA0
凄いな
このスパイク一つで挽肉作成から火力調理まで一通り出来そうだ
「五条さんを怒らせるとハンバーグにされる」……真実味を帯びてきたね
719 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/22(水) 23:41:17.68 ID:M5yvFSUo
今日投票最終日だぞ721 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/23(木) 00:01:42.91 ID:GU1X7gAO
壁紙どうすんのかねぇww724 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12 /23(木) 00:09:19.47 ID:vdulhOYo
2,3,4の女の戦いはすごかったww727 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/23(木) 00:48:04.41 ID:7tbgJoUo
五条さん一位の文字がまぶしい730 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/23(木) 01:14:56.08 ID:RAkGv2.0
五条さんはあきらかにイナズマイレブンの知名度をあげたよな731 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/23(木) 01:22:56.69 ID:ITOWqsDO
>>730
それは間違いないな
人気投票に出ていた主要キャラの名前は覚えたし、アニメも見るようになった
マジ五条△732 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/23(木) 06:46:19.30 ID:Oc59WS20
自分のことをよく思ってない公式にですら貢献するなんて五条さんぱねぇ734 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/23(木) 08:51:52.16 ID:2CkI4jI0
おめでとう五条さん!マジ貫禄の70万735 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/23(木) 09:52:35.34 ID:Os.c1NIo
五条さんのおかげでイナイレを知ることができた
映画?観に行くに決まってるだろ常考736 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12/23(木) 22:43:50.03
ID:4RocBs2o ご支援を頂きました皆様、誠にありがとうございます
また、五条さんの一位を心より奉祝させて頂きます
大変お待たせしました、本日分の投下を開始します
738 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12 /23(木) 22:45:49.53
ID:4RocBs2o 静寂が辺りを支配している真夜中の学園都市。
その一角に建立されているビルの最上部、建築を進めるためのクレーンの更に上部に、一人の少年の姿があった。
先端部に括りつけられた警告灯が、少年の纏う豪奢な白外套をうっすらと赤く染めながら規則的に点滅している。
吹き抜けたビル風が、少年の特徴的な前髪を幾度か揺らした。
少年が左手で懐より取り出したPDAに視線を落とし、耳に掛かっている通信機に向かい右手を伸ばす。
『……ニルス・オーラヴよりビオランテ……所定のポイントに到達しました……クックック……』
『……』
『……ビオランテ?繰り返す、所定のポイントに到達しました……』
『……さっきから思ってましたけど、私のコードネームに悪意を感じます』
『……?何故でしょうか?』
『何で私がビオランテなんですか!?花だから!?花が原因なんですね!?』
『クックックック……』
『もうイヤです!コードネーム変えて貰えないんなら、私これ以上手伝いません!』
『……とは言っても、オマエが自分で選んだコードネームでしょう……』
『候補が候補だったじゃないですか!マダツボミ・ウツボット・ビオランテってどんな選択肢ですか!?』
『……ならば最初から自分で決めれば良いでしょう……』
『……そうします』
『……で、何にするのですか?』
『……リナリア』
『……?』
『リナリアにします、コードネーム』
『……リナリア……ですか……』
『ええ、綺麗な花なんですよ』
742 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/23(木) 22:48:26.95 ID:tpsv8Vko
ニルス・オーラヴは、イギリス・スコットランドのエジンバラ動物園にいるキングペンギン。
ノルウェー陸軍近衛部隊のマスコットであり、2008年時点でノルウェーの騎士号と名誉連隊長の身分を持つ。
だってさ
よく知ってたなぁ743 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12 /23(木) 22:49:52.40
ID:4RocBs2o 『……了解しました、では改めてリナリア』
『はい、ニルス・オーラヴ』
『所定のポイントに到達しました』
『了解しました。破壊対象二号内の座標情報を転送します』
通信機越しの女性の声に続き、少年が手にしたPDAにデータが転送され、何らかの地図らしきものが表示される。
地図の上には、七箇所の赤い点でマークがされている様だ。
次いで、その七箇所の点を繋ぐ様にゆっくりと矢印が浮かび上がった。
『コンタクトより、援軍到達までの想定時間、おおよそ110秒。追跡の危険性を考えると、限界戦闘時間は90秒ほどかと思われます』
通信機から聞こえる声に耳を傾けながらその図を眺めた少年が、眼下に立つ仰々しい建物へと目線を移した。
メガネ越しに瞳を細め、その建物とPDAを順に眺めたかと思うと、人差し指を立て、確認をする様にとんとんと建物の数箇所に指を走らせる。
『……確認しました。現在時刻は?』
『0159と15。状況開始まで、残り45秒。破壊対象区域に人員の残存は無い予定です』
『……了解しました』
少年が深くため息を吐き、そのメガネへと手をかけ、ゆっくりと外す。
『カウントダウン、始めます10..9..8..7..』
右の拳を握り締め、力を込める様に幾度か揺らすと、少年の瞳から深い青色の光が緩やかに漏れ始めた。
『6..5..4..3..』
瞳を閉じて、大きく息を吸い込む。
『2..1..頑張って下さい』
身体を曲げた少年が一気に上空へと跳躍し、その頭を眼下の建物へと向け、中空を蹴った。
一筋の炎が戦靴より吹き上がり、一気にその身体を加速させる。
『クックックック……状況を開始します!』
745 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12 /23(木) 22:52:51.27
ID:4RocBs2o ────────────
八月十七日 夏休み二十八日目
────────────
『状況が変わりました。昨日一晩で、関連施設のおおよそ六割が壊滅しています』
人気の無い夕暮れ時の風紀委員第一七七支部で一人の少女、初春飾利と向かい合っていた。
彼女の深い黒をたたえた頭髪の上では、その清楚さを際立たせる様、色とりどりの花飾りが揺れている。
五条「……何か関連情報はありますか?」
初春「……昨晩を境に、関連施設の外部ネット接続が完全に遮断されています。研究施設としては考えられない状態なので、恐らく外部からネットワークを介した何らかの攻撃を受けたものだと思うんですが……壊滅した施設の内数割が消防の出動要請を出している点から考えると、研究機材なんかが発火した可能性が高いんじゃないかと」
五条「……外部からのハッキングで、機材を発火させる様な芸当が可能なのですか……?」
初春「通常の方法なんかでは、まず考えられませんけど……」
五条「……通常以外……が出来そうな人間が一人居ますね……」
初春「……やっぱり、御坂さんが動いたんじゃないかと思います」
五条「……その線が濃厚ですか……残った関連施設の数は?」
初春「ちょっと待って下さい」
初春がモニタに向き直り、かちゃかちゃとキーボードをタイプし始めた。
暫しの時間を経て、再度彼女が口を開く。
初春「……14件ですね。残った施設は全てさっき言った通り外部からのネットワーク接続が不可能な状態なので……」
五条「……直接叩くしかありません…… か」
初春「そういうことです」
初春の頭越しに、先に彼女が眺めていたモニターに目線を移した。
746 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12 /23(木) 22:55:27.76
ID:4RocBs2o ──────絶対能力進化実験関連施設、という文字が描かれた地図が表示されている。
十数か所の×が記されている箇所は、昨晩美琴の手により壊滅した箇所だろう。
初春「御坂さんとは協力しないでいいんですか?」
五条「……お姉さまに協力を申し出たところで、どやしつけられるのが関の山でしょう……ましてやオレはともかく、オマエが事実を知ったとなると相当に気を揉む可能性が高い……」
初春「……わかりました」
力なく了解の返答を呟いて目線を伏せた初春に向かい、今度は自身が問いを投げる。
五条「……初春、今夜の予定は……?」
初春「空いています……動くんですね?」
五条「……」
言葉を吐いて、デスクに座ったまま自分の瞳を強く見据えてくる彼女と視線を交える。
巻き込んでしまうのは気が引けたが、ここまで確たる意思を見せられては無碍にするわけにも行かないだろう。
五条「……ええ、今夜から行動を開始しようと思います……お姉さま一人で全てを当たらせるのは、少々酷でしょうからね……」
初春「わかりました……っと、これ、渡しておきます!」
言いながらデスクを開き、その奥から取り出した何かを手渡された。
……PDAと耳に引っ掛けるタイプの通信機だ。
初春「昨日までのデータなので少し頼りないんですけど、関連施設の内部構造データは全部収集してあります。襲撃開始地点まで移動したら、施設内の重要機材とその間の最短ルートをシミュレートして送信しますのでこのPDAを持って行動して下さい。通信機は……念のため、互いの状況確認用にです。あ!回線は秘匿回線を使いますから、外部に漏れる心配はいりませんよ!」
瞳を閉じ、天井に向かって人差し指を突きたてながら、次々と機材の説明をする彼女。
その表情は、どこか今まで見てきた彼女とは異なり、確たる自信が垣間見える。
五条「……心強い。お願いします」
初春「えぇ、お任せ下さい……となると、通信の時に呼び合うコードネームが必要になりますね!」
747 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12/23(木) 22:58:17.15
ID:4RocBs2o 両手の平を胸の前で組みながら、彼女が爛々と瞳を輝かせた。
五条「……何か、ノリノリですね……」
初春「はい!私怒ってますから!」
────────────
先の地図を頭の中で反芻しながら宙を蹴る。
この二日間の訓練で礼装の使用にも幾らか慣れたので、加速し過ぎて壁面に激突する様な愚を犯さない自信はあった。
研究所の壁面手前で体制を変え勢いを殺しながら宙を蹴り、上方に向かい飛翔する。
続けざまに指を鳴らすと、地表より凄まじい勢いで一羽の企鵝が追いついてきて、自身の眼前へとサッカーボールが放られた。
五条(……試してはいませんが……この靴ならばッ……!)
そのままの勢いでボールを追い越しざま、無理やり宙を蹴り、靴から炎が噴いたのを確認すると同時、身体を捻ってその運動エネルギーをボールへと叩きつける。
五条「──────Meteor Shower.(流星雨)」
蹴り出したボールが激しい炎を纏い、数多の流星となり地表へと降り注ぐ。
五条(……これで二つ……)
眼下の研究所の一区画を覆った流星の雨は、その着弾点を一瞬にして火災現場のそれへと塗り替えていた。
五条「ニルス・オーラヴよりリナリア。対象の破壊を開始。90のカウントダウンを」
けたたましい警報が、僅かに上空で足を止めている自身の耳にまで響き渡ってくる。
『リナリア了解。カウントを開始します。90..89..』
再度身体を反転させ、轟々と唸りを上げながら燃え盛っている区域へ向かい宙を蹴って一気に距離を詰め、炎の中へと着地する。
着地と同時に今度は地を蹴り、次の破壊対象となる機器までの最短距離を駆け出した。
749 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12/23(木) 23:02:56.16
ID:4RocBs2o 『82..81..』
遠目に見えた破壊対象に向かい、傍らの企鵝が放ったボールを蹴りだす。
蹴り出したボールが燃え上がり、後に続いた企鵝と共に機器に激突すると、同時に大きく炸裂するのが見えた。
足を止めずに駆け抜ける。
五条(三つ……)
刹那、轟音が当たりに響き渡り、自身の行く先が防火扉に封鎖されたのが視界に入る。
防火扉に向かい更に勢いをつけて駆け、目前に身体を倒しスライドすると同時、普段以上のスピードで回る足先を連続で繰り出す。
五条(キラースライ……!?)
蹴り出した足先が炎を纏い、立ち昇る陽炎と脚部の赤熱の様子から、凄まじい熱量を帯びているのが判った。
自身がスライドした脇からは、同様に炎が立ち上っている様が隅に入った。
手ごたえらしい手ごたえも無いまま防火扉が威勢の良い音を立てて後方へと吹き飛ぶ。
足が当たったと思われる箇所は、先の足先と同様に赤熱し、僅かにその形を融解させていた。
『72..71..』
呆けに取られる間も無く走る。
走りながら隣に並んだ企鵝よりサッカーボールを受け取り、右脇に抱え込む。
駆けた廊下の突き当たり、少々重そうな鉄の扉を蹴破り、その中へと足を進めた。
部屋の隅には、破壊対象の機器がちょこんと鎮座している様が見て取れる。
五条(四つ……)
足元にボールを置き、自身の足を地面に擦る様にして後方へと振りかざす。
地面との摩擦で、スパイクが激しく炎を吹くのが判った。
振りかざした足を再度地面と擦る軌跡で前方へと繰り出し、纏った熱量を全てボールにぶつける。
空間を染め上げていく、甚大に膨れ上がった熱量。
蹴ると動じに巨大な炎の塊となったボールが、火柱を上げながら機器を吹き飛ばした。
機器を飛ばしても尚勢いの止まないボールはそのまま施設の壁を突き破り、何処かへとその姿を消した。
『58..57..』
751 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12 /23(木) 23:04:27.58
ID:4RocBs2o 突き破られた壁より、建物の外へと身を投げる。
身を投げて視界を炎上していない方の建築物に移し、その二階非常口へと跳躍。
懐より、初春に渡されたIDカードを取り出し、脇に備え付けられたスキャナに通す。
ピっと短く認証の音が鳴るのを確認して、開いたドアより内部へと身を滑らせた。
『時代遅れな認証しますよねー……ここが学園都市だって忘れてそうです』
五条「虹彩認証でもされたらどうしようかと思いましたよ……!」
『そこが一番認証緩いって、事前に調べておきましたから!』
警報が鳴ったのを聞いて、皆退去したのだろうか。
人気の無い真っ暗な廊下を一気に駆ける。
『43..42..』
破壊対象の部屋の前に辿り着き、明かりが漏れているのが視界に入った。
扉に耳を押し当てる。
『38..37..』
……人の気配は無い。
一気にドアを押し開け、部屋の中央・デスクの上に備え付けれらている機材に向かい跳躍、勢いに乗ってそのまま蹴り飛ばした。
激しい音と共に吹き飛び炎上した機材が、部屋の壁に当たり爆発するのを確認して踵を返す。
五条(五つ……)
『32..31..』
部屋を出ようとした瞬間、暗い廊下に一条の光の筋が差し込んだ。
光源を眼で追うと、雇われ会社であろう警備担当の中年男性が驚愕の表情でこちらにマグライトを向けている。
「……!!」
男性と目が合うと同時に瞳に力を込め、男性が捕らえた自身の視覚認識を阻害する。
呆けた表情をしたまま首を捻った男性は、踵を返して再び闇の中へと歩いていった。
『27..26..』
そのまま駆け出し、男性の背を追い越す。
マグライトに反応が無いところを見ると、問題は無さそうだ。
752 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12/23(木) 23:06:30.24
ID:4RocBs2o 廊下の突き当たりの部屋のドアを蹴り飛ばす。
……幸い、人の姿は見当たらない。
『21..20..』
指を鳴らし残存した四羽の企鵝達を集結させ、ボールを受け取った。
それとは別に足元に置かれたボールを、部屋の奥に設置されたサーバー群目掛けて蹴飛ばす。
四羽の企鵝がすかさずその後を追い、サーバーの群れに着弾し、大きな爆発を引き起こした。
あまりの爆風に部屋中のガラスが割れて飛び散り、施設そのものが鳴動する。
『15..14..』
五条(……倒壊しないあたり、流石とでも言いましょうか……)
『残り時間10秒!!』
その声を聞くと同時に足を大きく振り上げ、自身が立つ床へと叩きつける。
『8..7..』
再度の鳴動と共に床に穴が開き、その穴より階下へと身体を投げ出す。
『6..5..』
着地と同時に、自身の脳内のタガを吹き飛ばす。
視界が一気に灰色に染まり、時が凍りつく様にその刻みを止めた。
時の止まった世界で、確認する様に一歩足を踏み出す。
────── 軽い。
753 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12/23(木) 23:11:41.50
ID:4RocBs2o 身体の軽さを確認した後、勢いをつけて走り出した。
スパイクの効果なのだろうか。
先刻までの常識離れをした速度での挙動は不可能だが、軽くランニングをする程度の速度で足が回ってくれている。
着地した箇所は、恐らく何らかの実験棟の様に見て取れる。
開放感のある広大なスペースを、対角の隅に設置されている機器目指して足を進めた。
視界の隅に小さく機器を確認したのと同じくして、時がその流下を再開する。
『4..3..!』
全身の血液を脚部へと凝縮し、跳躍。
甲高い破裂音と共に、自身の身体が音速を超過する。
遠かった機器が、一瞬で眼前へと迫り、比例して自身のテンションが高まるのがわかった。
そのままの勢いで体制をとび蹴りの状態へ移し、ジェットエンジンの様な音を上げながら燃え盛るスパイクで機器に蹴りを入れる。
機器を突き破っても加速は止まらず、突き抜けた自身の身体をそのまま壁面に向かわせる。
『2..1..!!』
少々の手ごたえと共に、壁面に穴が開き、自身の身体が施設の外へと吐き出される。
警報音が高らかに響き渡る中素早く体制を整え、上空に向かい跳躍した。
『0!!!』
鈴虫の鳴き声が響く晩夏の夜空に向かい、重力を無視して一気に駆け上がる。
視線を下方に移すと、ぷすぷすと煙をくすぶらせながら、少し焦げた色になった企鵝達が自身を追って一匹、また一匹と舞い上がってくるのがわかった。
数百メートル上昇した真夜中の夜空は、学園都市の明かりが減る時間帯であることも相まってか、星々の瞬きも地上より眺めるそれとは異なり、一層強みを帯びているかの様に見え、その美しさに思わず息を呑む。
先の喧騒や轟音がまつで嘘の様に、上空数百メートルの空間は静寂を保ったまま、どこまでも澄み渡っていた。
『……ニルス・オーラブ?』
耳元の受信機から、オペレーターを務めてくれていた初春の声が響いた。
その声色に、どことなくこちらを気遣う様な気配が感じられる。
754 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/23(木) 23:14:41.16 ID:SVPwVm6o
※ ヘタレが作った霊装以外は生身です755 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12/23(木) 23:15:27.42
ID:4RocBs2o 五条「……ニルス・オーラヴよりリナリア……ミッションコンプリートです……ククク……」
初春「リナリア了解……お疲れ様でした」
五条「……お疲れ様でした」
互いに労いの言葉を交わし、再び辺りの景色を見渡す。
眼下に見降ろす学園都市の夜景は、赤や青、橙色など様々な色彩を煌びやかに明滅させている。
こうして都市全体を眺めてみれば、如何にその居並ぶ建築物達が近代的な景観を誇っているかが見て取れた。
初春「身体の具合は大丈夫ですか?」
五条「……」
初春「本日の襲撃予定があと二箇所残ってますけど……」
自身の身体を宙に固定し、その疲弊具合を確かめる。
短時間の戦闘行為とはいえ、随分と集中して動き回った事もあってか、全身の筋肉が鈍く軋んでいる。
これで本日の襲撃予定の半分。
初春「消防の出動要請をモニタリングしていたんですけど、今夜は異様に大規模の火災が増えていますので……やっぱりあの人も動き回っているみたいです」
その言葉を聞いて、先日の美琴の泣き顔が瞼に浮かび上がった。
……可能ならば彼女の負担を減らし、一刻も早く実験を頓挫させてしまいたい。
大きく息を吸い込み、初春へと言葉を返す。
五条「……オマエの方はどうですか……?」
初春「わたしは座っているだけなので、未だ問題ありません」
吸い込んだ息を吐き出し、大きく伸びをして会話を続けた。
五条「続けましょうか……まだ行けます」
初春「……了解しました。次の座標情報、転送します……無理はしないで下さいね」
彼女の声に続いて、胸元のPDAが発光した。
懐から取り出し、座標情報を確認する。
南西方向へ、おおよそ20キロ程だろうか。
五条「……確認しました。ニルス・オーラヴ、指定ポイントへの移動を開始します」
通信機へと声を投げ、企鵝達に一礼をして空を蹴る。
一気に加速した身体が、夏の空気を切り裂いて宙を舞い、先の景色を後方へと押し流していく。
天井で輝く瞬く星と地上で揺らめく明かりが重なり、まるで自身が宇宙を疾駆している様な錯覚に囚われる。
通信機越しに悟られぬ様小さくため息を吐き、更に加速度を高めて夜空を駆けた。
──────to be continued──────
761 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12/23(木) 23:26:09.79
ID:4RocBs2o 以上、本日投下分となります
五条さんが一位を獲得し、祭もようやく終了といったところでしょうか
運営の見えざる手が発動しない事を祈るのみです
実はずっと五条さんに投票していたなんて、今さら言うに言えません
さて、祭は終了しましたが、こちらの筆はもう少しだけ続けさせて頂こうかと思っております
酔狂な方が居られましたら、今暫しお付き合いの程を頂ければ幸いです
次回投下に関しましてですが、このクソ忙しい折に私事が重なりまして、可能ならば25日夜、不可ならば26日夜を予定しております
お時間がございましたら、またお付き合いの程を頂ければ重ねて幸いです
762 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/23(木) 23:28:02.39 ID:tpsv8Vko
お嬢に投票してた詐欺wwwwwwwwww763 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/23(木) 23:32:50.81 ID:snctZfY0
やっぱり五条さんだよなwwwwww
今日も乙です。これを楽しみにクリスマスを越すよ765 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/23(木) 23:34:03.02 ID:GXG/9gDO
乙!
公式サイトの結果発表で五条さん一位だったから、今更見えざる手は発動しないとおもうよ!
これでコイルさんもきっと浮かばれるよ→人気投票↓サイト画像767 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/23(木) 23:39:41.12 ID:pwM0PPw0
乙!
よいクリスマスを~ノシ次→
五条「ククク… ここが学園都市ですか」その23
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