絹旗「きぬはた荘、あふたー!」白井「あふたー?」その5

2011-10-11 (火) 18:02  禁書目録SS   5コメント  
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24 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/05(月) 01:24:05.29 ID:YSgbhsWro


~翌日 ロンドン ヒースロー空港~


絹旗 「」グッタリ

白井 「」ゲッソリ

絹旗 「………………ふぇ」

白井 「うぐぅ…………」

絹旗 「……私は、言ったじゃないですか」

白井 「乗車前、絹旗さんがあれだけ駄々をこねて泣き叫んでいた理由が、分かりましたの……」

絹旗 「だからヤなんです……超超音速旅客機」

白井 「……はぅ」

絹旗 「始めますか……」

白井 「」●REC

絹旗 「えー、現地時刻9時32分。現在私たちはイギリスに来ています……」

白井 「今回お尋ねする人は現在イギリスにおられるとのことですの……」

絹旗 「という訳で、これから移動を超開始したいと思いまーす……」



25 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/05(月) 01:26:07.86 ID:YSgbhsWro

白井 「移動は地下鉄でしょうか……」

絹旗 「ガイドブックによると電車もあるみたいですね……とりあえず」

白井 「とりあえず?」

絹旗 「ヒースローセントラル駅というところに向かいましょうか……」ヨテヨテ

白井 「あ、絹旗さん。お足元が」

絹旗 「ふぎゃっ」ドテッ



~30分後 ロンドン市内~


絹旗 「」ズルズル

白井 「絹旗さん……自分の力で……歩いてください、まし……!」

絹旗 「電車の揺れが……こんなにも超凶悪だなんて……思いませんでした……」ズルズル

白井 「このままでは、どうにもなりませんの……まずどこかで休みましょう……」

絹旗 「あれ? フレンダ? どうしたんですかー……現世に戻れたんですねー……」ズルズル

白井 「あぁぁぁ、絹旗さん! フレンダさんがどなたかは存じませんが、気をしっかり!」



26 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/05(月) 01:28:05.90 ID:YSgbhsWro

?? 「おや? お困りのお嬢さん方がおられるようですな」

?? 「あの後姿……あれはもしや、常盤台の制服では……」

絹旗 「超吐きそうなんですが、もう私のお腹には吐くものもないんですよね……」

白井 「だから出発前に軽食を取りなさいと、あれほど申しましたのに」

?? 「そこのお二人」カツッ

白井 「はい、なんで……あら?」

婚后 「奇遇ですわね、まさかこんなところで出くわすなんて」

白井 「婚后さん!?」

執事 「お二人とも。ご無沙汰しておりますな」

白井 「あ、あれ? なんで執事さんまで」

婚后 「話は後。とりあえず絹旗さんをどうにかいたしませんと」

絹旗 「(;゚q゚)」

白井 「もう相当マズいですわね……」

執事 「では及ばずながら私が」

婚后 「こら。貴方は休暇中の身でしょう、働くことは認められません」



27 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/05(月) 01:29:45.41 ID:YSgbhsWro

執事 「これは仕事ではなく、一人の紳士としての振る舞いでございますゆえ」

白井 「まぁ……お願い致しますの。力仕事で殿方には適いませんでしょうし」

執事 「絹旗様、失礼いたします」ヨイショ

絹旗 「」グッタリ



~同日 ロンドン近郊 とあるアパートメント~


婚后 「さ、どうぞ」

白井 「お邪魔いたしますの」

婚后 「絹旗さんはそちらのソファーへ」

執事 「かしこまりましてございます」

絹旗 「うぅ……」

白井 「妙ですの……いくらなんでも、乗り物酔いでここまでなりますかしら……」

執事 「微熱があるようでございますな」

婚后 「熱? では風邪などを?」



28 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/05(月) 01:31:44.51 ID:YSgbhsWro

執事 「何か思い当たることはございませんかな」

白井 「ここのところ、少々過密気味のスケジュールでしたが……」

執事 「そのままロンドンに……成程、過労かもしれません」

絹旗 「いえ、超大丈夫ですから……ちょっと疲れ気味ですけど」

婚后 「ですから疲れ気味なのがよろしくないのです」

執事 「今、お茶でもご用意いたしましょう」

婚后 「なりません。ここは一時的でもわたくしの家、それはわたくしの仕事です」

執事 「左様で」

婚后 「それよりも絹旗さんの側に」

白井 「あっ、ならわたくしがお手伝いを。押しかけた立場ですし」

婚后 「そこまで仰るのならば、お願い致しますわね」

白井 「さて、何からいたしましょう」

婚后 「ではお湯を沸かしてくださいな」

 :
 :
 :



29 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/05(月) 01:34:06.58 ID:YSgbhsWro

執事 「絹旗様、ご容体はいかがですかな」

絹旗 「横になってたら、大分ラクになりました」

執事 「無茶は若さの特権ですが、度が過ぎるのはよろしくありませんぞ」

絹旗 「超すいません……」

執事 「今日一日はゆっくりするのがよろしいでしょう」

絹旗 「はい……あの、ところでどうして執事さんがここに」

執事 「さて。どうお話したものか……過度に自分を語るは使用人失格ですからな」


<そう言わずに。


婚后 「子守唄代わりに聞かせてあげるのも、よろしいのではなくて?」

白井 「お茶が用意できましたの。さ、どうぞ」

絹旗 「超いただきます……あつぁ!」

白井 「慌てて飲むからですの」

執事 「お変わりございませんな」

婚后 「それにしても……どうしてお二人がロンドンに? それも大した荷物も持たずに」



30 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/05(月) 01:36:40.07 ID:YSgbhsWro

白井 「ええと、どこから話したものでしょうか」

婚后 「それにカメラもずっと回しっぱなしのようですが」

白井 「これはですね、わたくしたちが受けている特別講習でして」


~説明中~


婚后 「なるほど。また珍しいことを……」ズズ...

白井 「わたくしも最初はそう思いましたの」ズズ...

絹旗 「なんというか、超体力勝負でした」

婚后 「ですが、非常に楽しそうでもありますわね」

白井 「ええ、なんだかんだ言って楽しんでやっておりますの」

婚后 「あの第7位さんと勝負だなんて、貴重ではございませんか」

白井 「負けてしまいましたけどね」

絹旗 「一矢報いたじゃないですか。超合体技で」

執事 「見事なコンビネーションだった訳ですな」

絹旗 「ええ。ただあの技には一つ問題が」



31 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/05(月) 01:39:00.16 ID:YSgbhsWro

婚后 「問題と言いますと?」

絹旗 「私のかち上げちっそぱんちと、白井式ライダーキックで相手の頭を斜めに挟む形なんですが」

執事 「顎とこめかみに同時に攻撃を受けるわけですな。これは容赦がない」

絹旗 「これだと見たくもない白井さんの悪趣味超ハデパンツを」

白井 「あっ、お茶をこぼしてしまいましたの」チョロチョロ

絹旗 「あっつぁぁぁぁ!!」

婚后 「あらあら、これは大変。すぐに冷やしませんと」

絹旗 「なっ、なにしてくれてんですが人の太ももにー!」ムキー

執事 「絹旗様、動き回ってはいけませんぞ」

絹旗 「そ、そうは言いますけどね……」

白井 「そうそう、今日はごゆっくり」

絹旗 「ぐぬぬ……全快したら頭から液体窒素かけてやりますからね」

婚后 「それは少々洒落になりませんわよ」ペタッ

絹旗 「つめたっ!」

婚后 「さて、次は貴方の番ですわよ」



32 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/05(月) 01:41:02.38 ID:YSgbhsWro

執事 「はて? 何をご所望ですかな」

婚后 「またとぼけて。先程尋ねられておりましたでしょう」

絹旗 「あ、そうだ。なんで執事さんがここに?」

白井 「まさか婚后さん。留学先にまで執事さんを?」

婚后 「そうではございませんわ」

執事 「そうですな……むっ」ギラッ

絹旗白井 「「!?」」ビクッ

婚后 「どうしました?」

執事 「何者かの気配を感じたのですが……」

婚后 「この部屋にはわたくしたちしかおりませんわよ」

執事 「……そこかっ!」ヒュッ


  ズンッ


婚后 「……壁しかないではないですか」

執事 「失礼、気のせいだったようです。歳はとると感覚が鈍っていけませんな」



33 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/05(月) 01:42:59.79 ID:YSgbhsWro

白井 (今の数瞬、別人のような顔つきに……)

絹旗 (す、すごい速さでナイフを超投げましたよ……)

婚后 「まったく、壁を傷つけてはダメではないですか」スポン

執事 「申し訳ございません。こちらは帰る前に修繕致します」

目玉 (あっぶねぇぇぇ! 何もんだよあの爺さん!!)

目玉 (なんでか知らないけどお客人もいるみたいだし、今日は退散しましょうか)シュワシュワシュワ

執事 「さて。それでお嬢様の小さい頃のお話でしたな」

婚后 「ち、違います! それはおいそれと話してはいけません!」

絹旗 「そっちも超気になるのですが、今は執事さんのお話が聞きたいです」

白井 「ですの」

執事 「ふぅむ……まず、なぜ私がここに来ているか、ですが」

絹旗 「」wktk

執事 「私は元々、英国の出身でございます」

絹旗 「え、そうなんですか?」

白井 「外国の方とお見受けはしておりましたが」



34 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/05(月) 01:44:57.28 ID:YSgbhsWro

執事 「今回、母の命日が近いので墓参りをしようと。それで英国に参りました」

白井 「まあ、お母様の」

婚后 「おそらく、わたくしのお母様から行ってこいと言われたのでしょう」

執事 「お見通しでございましたか。仰る通り、今回の休暇も奥方様に勧められてのことでございます」

絹旗 「それで婚后さんもこっちにいるから、超悪いことをしてないか確認に来たと」

婚后 「心外ですわね。非行に走るようなマネはいたしませんわ」

執事 「はい、ご察しの通りでございます」

婚后 「えぇ!?」

白井 「丁度良いと言えば、丁度良い機会ですものね」

絹旗 「執事さんがなんてイギリスにいるかは分かりましたけど……」

婚后 「何か疑問でも?」

絹旗 「いや、なんで日本で執事やってるのかなー、って」

執事 「ふむ、たまには年寄らしく昔話でもしてみましょうかな」

白井 「たしか、婚后さんが生まれる以前より務めていたと、以前にお伺いしてますが」

婚后 「そうですわね。わたくしが物心ついたときから側におりましたもの」



35 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/05(月) 01:47:07.54 ID:YSgbhsWro

執事 「婚后家には来日した直後からお仕えしております。その頃は執事ではございませんでしたが」

絹旗 「つまりどれぐらいですか?」

執事 「当代、つまりお嬢様のお父様が6歳の頃からです」

婚后 「ということは……40年近いですわね」

白井 「そんなに!」

絹旗 「日本に来る前も執事だったんですか?」

執事 「その頃は修業の身でございましたので。こちらの言い方では"フットマン"という職になりますな」

絹旗 「超色々あるんですね」

執事 「英国では使用人といいましても、階級・性別で細かく分かれております」

白井 「素朴な疑問なのですが、執事という職は男性がなるものなのですか?」

執事 「はい、バトラーは男性使用人に与えられる職でございますゆえ」

婚后 「わたくしの実家の場合、女性使用人の統括はハウスキーパーと呼んでますわね」

執事 「ハウスキーパーは女性使用人の上級職でございますな」

絹旗 「おー、なんか超新鮮な感じです」

白井 「わたくしたちが住む世界ではこんな話しませんもの」



36 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/05(月) 01:49:23.86 ID:YSgbhsWro

絹旗 「ところで、執事さんって普段なにしてるんですか?」

執事 「今の主な業務は、当代様の秘書のような仕事を。それと男性使用人の統括です」

白井 「婚后さんの教育係とかではないのですね」

執事 「お嬢様がご実家を出られるまでは、教育係兼ボディーガードでしたな」

婚后 「懐かしいですわね。多忙な両親に代わって、いつも側にいてくれたものです」

執事 「その頃のお嬢様と来たら、それはそれは」

婚后 「わーわーわー!!」

絹旗 「婚后さん、超邪魔しないでくださいよ」

白井 「そうですの」

婚后 「わたくしの話はいいではないですか!」

執事 「今のおしとやかなお姿からは想像もできない、とだけ申し上げておきましょう」

絹旗 「え? 超おしとやか?」

白井 「誰のことですの?」

婚后 「貴女たちはぁ……!」

執事 「おや、お嬢様。学園都市ではかつてのお転婆な姿に戻っておいでなのですかな?」



37 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/05(月) 01:50:52.22 ID:YSgbhsWro

白井 「それはもう。並み居る悪人たちをちぎってーは投げ、ちぎってーは投げ」

絹旗 「不埒を働く輩を空の彼方まで超吹き飛ばして」

婚后 「貴女たち! それでもこの婚后光子の友人ですか!!」ムキー

絹旗 「ウソはついてないじゃないですか!」

白井 「全て紛れもない真実ですの!」

婚后 「むぐ……お、お茶のお代わりを持ってまいります!」ズカズカ

執事 「……お嬢様は」

絹旗白井 「「?」」

執事 「色々ございまして。お嬢様は同年代の友人に恵まれず過ごしておられました」

白井 「そうなのですか? ですが」

執事 「ええ。私自身も何度かお会いしておりますが、今はよきご友人に恵まれておられるようです」

絹旗 「婚后さんが一声かければ5人は超集まりますね」

白井 「いえ、さすがにもっとおりますの」

執事 「差し出がましいのは承知ですが、この老いぼれの頼みを聞いてもらえますかな」

絹旗 「超喜んで!」

白井 「わたくしたちにできることならば」



38 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/05(月) 01:53:07.99 ID:YSgbhsWro

執事 「気難しい部分もあるかもしれませんが、これからもお嬢様のご友人でいてあげてください」

絹旗 「……言われるまでもないですよ」

白井 「婚后さんはわたくしたちにとっても、大切な友人ですの」

執事 「ふふ、これはよき冥土の土産になりましたな」

絹旗 「いやいやいやいや!」

白井 「まだお早いですの!」

婚后 「お茶を……お二人ともどうしました?」

絹旗白井 「「なっ、なんでもございません!」」

婚后 「?」

執事 「……よきことですな」



~同日夕方~


執事 「さて。壁の修繕も終わりましたし、私はそろそろ失礼致します」

絹旗 「えー、いっちゃうんですかー」

白井 「絹旗さん」



39 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/05(月) 01:54:50.00 ID:YSgbhsWro

執事 「元より、今夜の飛行機で帰国する予定でございましたので」

婚后 「帰り道、くれぐれも気を付けてください」

執事 「勿体なきお言葉」

白井 「またお会いする機会があれば、よろしくお願い致しますの」

執事 「ふふ、では南の島でお待ちしておりますぞ」

絹旗 「超行きたいです」

婚后 「そうですわね。善処致しますわ」

執事 「それではお嬢様。留学期間も残り僅かですが、どうかご壮健に」

婚后 「心得ております」

執事 「では……あぁ、絹旗様」

絹旗 「?」

執事 「くれぐれも、今日はご安静に」

絹旗 「超了解です!」

白井 「わたくしが付いておりますので」

執事 「はい、白井様もお体にお気をつけて。では、失礼致します」


<バタン



40 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/05(月) 01:56:54.94 ID:YSgbhsWro

絹旗 「行っちゃいました……」

婚后 「さて、お二人は」

白井 「宿を探さないといけないでしょうか……」

婚后 「ならばここで一泊するとよろしいですわ」

絹旗 「いいんですか?」

婚后 「構いませんわよ」

白井 「ありがとうございますの」

絹旗 「それにしても、まさか執事さんに会えるなんて。超ラッキーでした」

白井 (相変わらず年上好みなのですね)

婚后 「ではそろそろ夕食の準備でも」

白井 「あっ、ならばお手伝い致しますわ」

絹旗 「じゃ私も」

婚后 「絹旗さんは休んでてくださいな」

白井 「そうですの。執事さんにも言われたではないですか」

絹旗 「う……超わかりました」



41 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/05(月) 01:59:10.99 ID:YSgbhsWro

婚后 「ところで、明日はどちらに向かわれるおつもりで?」

白井 「ええと、たしかウィンザー城ですの」

婚后 「ウィンザー城!?」

絹旗 「? どうかしたんですか?」

婚后 「あ、いえ……わたくしも、明日そこに向かう用事がございましたので」

白井 「そうですの? ならば、ご同行してよろしいですか?」

絹旗 「私たちじゃ超土地勘もありませんし」

婚后 「ええ、構いませんが」

白井 「助かりますの」

婚后 (たしか、密着取材と……ウィンザー城に行くということは、まさか……)

婚后 (取材するのは女王陛下!?)

絹旗 「いやー、何が起こりますかねー」

白井 「何も起こらないに越したことはございませんの」

婚后 (もし女王陛下ならば、何も起こらない訳がございませんわ……)



71 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/07(水) 00:48:47.26 ID:ptup8NPOo


~翌朝 ウィンザー城 アッパー・ウォード~


白井 「3、2、1、スタート」●REC

婚后 (あれ? そういえば撮影ってOKなのでしょうか?)

絹旗 「どうもー。今日は英国、ウィンザー城までやってきてます!」

白井 「なんとまぁ、息を呑んでしまうほど荘厳なお城ですのね。素敵な雰囲気ですの」

?? 「」ウロウロ

絹旗 「今日お尋ねする人はこの超ウィンザー城におられるとのことでーす」

白井 「……ちょっと一旦止めますの」

絹旗 「? どうしたんですか」

白井 「いえ、なんか……先程からあちらの女性がフレームインしようとしていて」

絹旗 「アレって、掃除のオバちゃんじゃないんですか?……あ、なんかこっち来た」

?? 「おいおい、こんなところで記念撮影か?」

絹旗 「あ、すみません。撮影はまずかったですか?」

白井 (そういえば取材交渉がまだでしたわね)

婚后 「」プクク



73 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/07(水) 00:51:08.31 ID:ptup8NPOo

?? 「私抜きで記念撮影とはけしからんな! さあ、撮り直しだ」

絹旗 「は?」

白井 「あの……」

?? 「どうした。こちらの準備はもうできているぞ」

絹旗 (超なんなんですか、なんでイギリスに大阪のオバちゃんがいるんですか)

婚后 「陛下。カメラではなくビデオですから、もっと動きませんと」

女王 「なんだと!? くそ、一杯食わされたか」

白井 「え?」

絹旗 「陛下?」

女王 「時に極東よ、約束の時間は午後の筈だが」

婚后 「わたくしの友人であるこの二人が案内してほしいというので、この時間にご訪問した次第です」

女王 「ほう、この小さいコンビは友人だったか。なるほどなるほど」ウンウン

絹旗 「ちょ、ちょっとちょっと、婚后さん!」

白井 「まさか、こ、こちらの方は」

女王 「いかにも! 私こそが英国女王、エリザードである!」ドン

絹旗白井 「「」」ポカン



74 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/07(水) 00:52:56.55 ID:ptup8NPOo


<陛下!


女王 「む、うるさいのが来おったか」

先代 「陛下、みだりに外出されては困るのである」

女王 「ここは私の城で、ここは私の庭だぞ。外出なぞしていないではないか」

先代 「そもそも、そのような服装では」

絹旗 「あ」

白井 「見つけましたの」

先代 「む?」

 :
 :
 :

絹旗 「えー、こちらはウィリアム=オルウェルさん。学園都市にある某カフェの先代マスターさんです。
    ちなみに、私も本名は今はじめて知りました」

白井 「今回密着取材するにあたり、特殊な交渉術を用いておりますの。それについては
    極秘事項であるため詳細はお伝えできませんが、無事に密着取材のお許しが出ましたの」

女王 「なんで私ではなくウィリアムなんだ」ブーブー

婚后 「まあまあ。今回はそういうことですので」

先代 「なんだかよく分からないであるが」



75 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/07(水) 00:54:54.36 ID:ptup8NPOo

白井 「先代様は、今はこちらでお勤めに?」

先代 「うむ」

絹旗 「観光名所の警備員になったとは聞いてましたけど」

先代 「うむ」

婚后 「あながち間違いではございませんわね」

絹旗 「でも、どうして急に? ミサワさん、超困ってましたよ」



 *** 回想 ***

絹旗 「おじゃましまーす」

番外個体 「……」

絹旗 「あれ? 今日はマスターさんいないんですね」

番外個体 「……絹旗さん、どうしよぉ。マスター帰っちゃった」

絹旗 「か、帰った? どこにですか」

番外個体 「イギリス」

絹旗 「」

番外個体 「朝来てみたらね、これ。お店の権利書だとか通帳だとかと置き手紙……」

絹旗 「あー……ミサワさんにお店を超託したということなのですかね」

番外個体 「うっそーん……いくらなんでも急すぎるでしょ……」ヘナヘナ

 *** ここまで ***



76 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/07(水) 00:57:01.96 ID:ptup8NPOo

先代 「彼女には申し訳ないことをしてしまったであるな。だが、彼女なら続けてくれると
    確信した上での行動である」

白井 「お店ですが、あれからご自分のペースで続けておられるようですの」

絹旗 「満席とはいかなくても、超そこそこ客は来るみたいですよ。リピーターも多いみたいですし」

婚后 「わたくしたちのような、ミサワさんのご友人も通っておりますしね」

先代 「それはなによりであるな」

絹旗 「で。どうして超急にイギリスに?」

女王 「うちの娘が寂しがって毎晩泣いておったからな。私が直々に呼び戻した」

先代 「陛下!」

白井 「あら、これは非常に興味深い話になってきましたの」

絹旗 「女王様の娘ってことは、王女様ですよね?」

女王 「3番目の娘がな、ウィリアムにご執心なんだよ、な? な?」

先代 「陛下、お戯れが過ぎますぞ」

婚后 「今の話はわたくしも初耳ですわね」

絹旗 「超詳しく」

女王 「この年頃のお嬢さんたちは、こういう話となると入れ食いだな」ガハハ



77 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/07(水) 00:59:14.75 ID:ptup8NPOo

先代 「とっ、時に陛下。そろそろ時間ではなかろうか」

女王 「ん? なんかあったか?」

先代 「午前はバッキンガム宮殿で王室TVの撮影があるはず」

女王 「ほっとけ。こっちの方が面白そうだ」

先代 「なりませぬ。王女様たちは既に向かわれておられるのですぞ」

女王 「ああもう、しょうがないな。おい、誰ぞあるか! 出かける支度をするぞ!」ドタドタ

先代 「」ハァ

絹旗 「それで先ほどのお話の超続きなんですが」

先代 「ノーコメントである」

絹旗 「え、なんでですか」

先代 「私の立場上、王室の人間に関わることをおいそれと口外するわけにいかないのでな」

絹旗 「えー、せっかくイギリスまで超来ましたのに」

先代 「さて、行くであるぞ」

白井 「どちらへですか?」

婚后 「ご公務ですわね」



78 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/07(水) 01:01:06.25 ID:ptup8NPOo


~ウィンザー城 ラウンドタワー~


先代 「……」

絹旗 「さっきから超つっ立ってるだけですね」

白井 「これがお仕事?」

婚后 「先代様は、ウィンザー城内におけるあらゆる業務をご担当しておられるとか」

絹旗 「例えば?」

婚后 「語学能力を活かしてのガイドだとか、トラブル対応だとか」

白井 「警備員って揶揄してるのかと思いましたが、本当に警備員なのですね」

婚后 「あら。そうとも言い切れませんわよ」

絹旗 「と申しますと?」

婚后 「あの制服、エンブレムがデザインされておりますでしょう」

白井 「ええ、ございますわね」

婚后 「人伝に聞いた話ですが、あれはエスカッシャンと言って騎士としての証だとか。
    家柄につき一つ、騎士と認められた者に与えられるらしいですわよ」



79 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/07(水) 01:03:16.32 ID:ptup8NPOo

絹旗 「日本でいう家紋みたいなものですか」

白井 「あら、では先代様は正式に認められたナイト様でもございますのね」

先代 「騎士などではない。傭兵くずれのごろつきである」

絹旗 「」ジー...

先代 「なんであるか」

絹旗 「いや、どんなデザインなのかな、と思いまして」

白井 「これはユニコーン……? それと……」

婚后 「なんでしょうね? 動物のようですが」

先代 「ドラゴン、ユニコーン、シルキーであるな」

絹旗 「これってなんか意味あるんですか?」

先代 「あるにはあるが、そう人に話すものでもない」

絹旗 「超ケチですー」

先代 「残念であったな」フッ

白井 「先代様、中々手強いですの」

婚后 「黙して語らずを地で行く方ですから」



80 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/07(水) 01:05:01.40 ID:ptup8NPOo

絹旗 「超仕方ないですね。話題を変えましょうか」メモメモ

白井 (あ、質問リスト)

絹旗 「なんで学園都市で超マスターやってたんですか?」

先代 「……一昔前までは体力勝負の稼業をしていたのだがな。
    色々あって、体力の衰えは否めないのである」

白井 「そうなのですか?」

婚后 「筋骨隆々のように見えますが」

先代 「それでも、全盛期ほどの力は出せない」

絹旗 「じゃ、あれできますか、あれ」

白井 「あれ?」

絹旗 「超上腕二頭筋からぶら下がるヤツです」

先代 「それぐらいなら問題あるまい」ホラ

絹旗 「ちょっと失礼しますよ。……わっ、硬っ! すごっ、私がぶら下がっても超ビクともしないです!」ピャー

先代 「衰えたといっても、女子小学生を支えるぐらいなら問題ないのである」フン

絹旗 「超女子中学生ですよ!」ムキー



81 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/07(水) 01:07:02.65 ID:ptup8NPOo

白井 「ともかく、体力の衰えを心配してカフェを始めたと」

婚后 「ですがカフェも、デスクワーク等に比べれば体力が要求されるのでは?」

先代 「現役時代に比べれば、大したものでもあるまい」

絹旗 「さっき超傭兵くずれって言ってましたよね? じゃ、前は傭兵さんだったんですか?」

先代 「うむ」

白井 「なるほど。傭兵に比べれば街中の喫茶店は体力を使いませんわね」

絹旗 「でもなんで学園都市に?」

先代 「今だから言えるが、警備がザルで入り込むのが容易かったであるからな」

絹旗 「え?」

白井 「えっ」

婚后 「ざ、ザル……?」

先代 「?」

白井 (これは帰ってから警備の強化を訴えなければ……)

先代 「ところで、いつまでぶら下がっているつもりであるか」

絹旗 「あ、すみません、つい」



82 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/07(水) 01:08:58.73 ID:ptup8NPOo


~同日昼 ウィンザー城 ミドル・ウォード~


先代 「さて、少し早いが昼食にするであるか」

絹旗 「少しどこじゃないと超思いますけど」

先代 「女王陛下がご帰還召される前に済ませておきたいのでな」

白井 「ああ、だから早めなのですね」

婚后 「お食事は、普段どちらで?」

先代 「周辺の店で買ってきて、この中で食すことが多い」

絹旗 「お店で食べるんじゃないですね」

先代 「この格好では目立ってしまうであるからな。さて、貴殿らはどうするであるか」

白井 「もちろんご同行させて頂きますの」

先代 「言っておくが、英国人の食事は日本人の舌には合わぬかもしれぬぞ」

婚后 「…………」

絹旗 「超望むところです」

白井 「異文化に触れるのも醍醐味ですの」



83 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/07(水) 01:11:12.72 ID:ptup8NPOo


~30分後 職員控室~


先代 「」モシャモシャ

絹旗 「えー。イギリスに来てまでサブウェイのサンドイッチだとは超思いませんでした」

白井 「手軽でよいではないですか」

絹旗 「騎士様の食事ってどんなのかと、超ちょっと期待したんですが」マグマグ

先代 「騎士ではない。傭兵くずれのごろつきである」

婚后 「それにしても、旺盛な食欲ですわね」

白井 「先代様だけフットロング(1フィート)ですもの」

絹旗 「私なんかレギュラー(6インチ)でも食べきれるか怪しいですよ」

白井 「レギュラーでも大層なボリュームですものね」モフモフ

婚后 「絹旗さん、口の周りがドレッシングだらけですわよ」フキフキ

絹旗 「モガ」

先代 「ふむ。女子小学生にはボリューム過多であろうな」

絹旗 「だから超女子中学生ですってば!」ガオー



84 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/07(水) 01:13:10.35 ID:ptup8NPOo

 :
 :
 :

先代 「紅茶でよいであるか」カチャカチャ

婚后 「はい、ありがとうございます」

絹旗 「おお、元マスターの超紅茶ですよ」

先代 「熱いので気を付けるのである」コトッ

絹旗 「」ススス...

婚后 「絹旗さん? なぜ隅っこに?」

絹旗 「いえ、別に。紅茶持った白井さんが超怖いとかじゃないですから。別に」

婚后 「ああ」クスクス

白井 「昨日のあれは絹旗さんが原因ではないですか」

絹旗 「超しりません」プイ

白井 「」ハァ

先代 「……まるで歳の近い姉妹であるな」

婚后 「寝食をともにしておられますから、似てくるのかもしれません」クスクス



85 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/07(水) 01:15:03.96 ID:ptup8NPOo

絹旗 「なっ、な、なんでこんな超変人と姉妹なんですか!」

白井 「変人指数なら絹旗さんも負けておりませんの!」

絹旗 「白井さんには超負けますよ! あの悪趣味」

白井 「それ以上言うならば、この紅茶、ご馳走しちゃいますの」スチャ

絹旗 「超ごめんなさい」

先代 「些細なやりとりからも、コンビネーションを感じるのである」

婚后 「羨ましい限りです」

絹旗 「え、えと、それよりもですね!」

先代 「?」

絹旗 「素朴な疑問なんですけど、なんで婚后さんは女王様と超普通に接してたんですか?」

白井 「そういえば……まさか、家柄の関係ですでに面識が?」

婚后 「まさか」

先代 「女王陛下はああいうお人なのである。まったく、見境がない」

婚后 「あの、せめて分け隔てないと言ったほうが……」

絹旗 (王室の人間に関わることをおいそれと超口外していいんですかね)



86 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/07(水) 01:17:27.37 ID:ptup8NPOo

白井 「でも、初対面ということでもないのですよね?」

婚后 「ええ。最初は全く偶然に出会いましたわね」

絹旗 「言われなければ掃除のオバちゃんだと思っちゃうところでした」

白井 「絹旗さん!」

先代 「さっきお会いした通り、奔放なお人であるからな」

絹旗 「で、今日は何回目かのご対面なんですか?」

婚后 「ええ。それで、今日はですね……帰国する前に、送別会をすんぞ! と呼ばれまして」

白井 「そういえば、もうすぐ留学期間も終わりですわね」

先代 「陛下は、貴殿と話すのを楽しんでおられたようであったからな」

婚后 「身に余ることでございます」

絹旗 「もう超仲良しじゃないですか」

白井 「考えてみれば、これはすごいことですの」

婚后 「とても気さくなお人ですから」

先代 「さて。その陛下がそろそろご帰還召される時間であるな。向かうとするのである」

絹旗 「あ、やべ。なんか超緊張してきました」

白井 「絹旗さん。くれぐれもオバちゃんなどとは言わないでくださいまし」



87 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/07(水) 01:18:22.10 ID:ptup8NPOo

といったところで、今回はここまです。
#3 も次回あたりで終われそうですね。
当初の想定よりもかなり長引きました。

お付き合い頂き、ありがとうございました。



91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/09/07(水) 01:43:05.80 ID:PK9tHgrAO
乙~。
女王陛下もそろそろ孫の顔が見たいんじゃないですかね、元マスター?




88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/07(水) 01:20:04.42 ID:kRJ+j4QIO
おつ。ちっさいコンビいいわぁ



92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/07(水) 01:54:23.43 ID:SAH3j5YSo
絹旗と黒子がウィリアムの上腕でぶらぶら揺れてる絵が浮かんで超絶和んだ
乙乙




93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県):2011/09/07(水) 03:54:48.60 ID:/mnEh1vSo
>>92
そしてぶら下がりたいけど流石に言い出せなくて葛藤する婚后さん萌え




121 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/10(土) 00:30:35.33 ID:gw7Lp+iOo


~同日 ウィンザー城 ステート・アパートメント~


女王 「ふう」

先代 「お帰りなさいませ」ペコリ

婚后 「お疲れ様です」

女王 「あぁ、疲れた。あんな形式に拘ったって肩がこるだけだろうが」

白井 「」●REC

絹旗 「えー、ただいま女王様が超ご帰還なされたようです」

女王 「お、チビッコンビもまだいたか。よーしよしよし。これ、カメラまわってるのか?」ピースピース

絹旗 「……あ、あの、日本語が超お上手ですね」

女王 「女王様だからな」ガハハ

先代 「今、昼食を用意させておりますので」

女王 「ハンバーガーでいいぞ」

先代 「残念ながら、今からでは変更は間に合いませぬ」

女王 「……仕方ないな」ハァ

絹旗 (女王様の食卓ってどんななんでしょ)



122 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/10(土) 00:33:13.15 ID:gw7Lp+iOo

女王 「よし、食事の前に着替えだ。こんな格好で食っても美味くないからな!」ドカドカ

先代 「陛下。今日は客人もおりますゆえ、くれぐれも」

女王 「わーかってる! ジャージとかはやめろと言うんだろ」

先代 「お分かりならば申し上げることはございませぬ」

女王 「まったく」


<バタン


絹旗 「ジャージ……」

白井 「奔放な方ですのね」

婚后 「ですが、人の上に立つ人物としての器は持っておいでですわよ」

先代 「うむ。私もこれまで生きてきて、あれほどの大器は数えるほどしか見ていない」

絹旗 「私には超ハイテンションなオバちゃんにしか」

白井 「こら!」

先代 「その評価もあながち外れではあるまい」

婚后 「ですわね」クスクス



123 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/10(土) 00:34:52.46 ID:gw7Lp+iOo


~食堂~


白井 「さて、現在わたくしたちは食堂スペースに来ております」

絹旗 「女王様の食卓はスパゲティにサラダ、意外とスタンダードです」

女王 「お前たちは茶だけでいいのか」ハグハグ

絹旗 「はい」

白井 「ご厚意だけ頂きますの。先程済ませましたので」

婚后 「」ズズ...

先代 「」コポコポ

女王 「おい、ウィリアム。彼女らには何を食わせた?」

先代 「私と同じもので良いというので、サブウェイでテイクアウトを」

女王 「なんだと!? けしからんな!」

絹旗 「あぁ、いえいえ」

白井 「わたくしたち如きに、そこまで気を使って頂かなくても」

女王 「私もそっちがよかったぞ。なんで買い置いてくれなかったのだ」



124 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/10(土) 00:37:01.30 ID:gw7Lp+iOo

先代 「申し訳ありませぬ」

絹旗白井 「「……」」

女王 「次行くときはローストビーフサンドを買ってくるように。パンはハニーオーツな」

先代 「畏まった」

絹旗 「なんか超庶民的ですね」

白井 「親近感を持てますの」

婚后 「それが陛下のよいところですわね」クスクス



~しばらくして~


女王 「さて、食事も済んだし……お、そうだ!」

先代 「?」

女王 「人数も揃ってることだしな。麻雀でもやるか」

絹旗 「ルール超知らないんですけど」

白井 「恥ずかしながら、わたくしも……」



125 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/10(土) 00:39:22.72 ID:gw7Lp+iOo

女王 「なに? それならばしょうがないな……とりあえず移動するか」

先代 「畏まった」

婚后 「わたくしたちも行きますわよ」

絹旗 「超了解です」

白井 「どちらまで?」

先代 「来れば分かるのである」



~ウィンザー城 ステート・アパートメント 来賓の間~


絹旗 「……すっげ。美術館ですか、ここは」

白井 「美術館といっても差し支えない部屋ですの」

女王 「ウィリアム。アレの準備をしてくれ」

ウィリアム 「はっ」

女王 「そう言えば、チビッコンビの名前をまだ聞いてなかったな」

婚后 「こちらが技の1号、そちらが力の2号ですわ」



126 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/10(土) 00:41:09.90 ID:gw7Lp+iOo

2号 「ちょ、ちょっと婚后さん! 人の名前を超勝手に変えないでくださいよ!」

1号 「そうですの! というか名前ですらありませんの!」

女王 「ふむ。では1号から名前を教えてくれ」

白井 「は、はあ……白井黒子と申します」ペコリ

女王 「よい名前だな」

白井 「恐縮でございますの」

女王 「次、2号!」

絹旗 「2号て……絹旗、最愛です」

女王 「覚えたぞ! 白井に絹旗だな!」

絹旗 (まさか女王様に名前覚えられるなんて)

白井 (畏れ多いことでございますのね)

婚后 (……わたくしなど、いつの間にやら"極東"で定着してますのに)

先代 「陛下、お持ちしたのである」

女王 「お、きたきた」

絹旗 「これは……チェスセット、ですか」



127 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/10(土) 00:42:45.66 ID:gw7Lp+iOo

女王 「よし、1号から順番に私と勝負だ」

白井 「え、わ、わたくしですか!?」

女王 「私が女王だからといって気後れすることはないぞ。本気でかかってきてくれ」

白井 「で、では……お相手仕りますの」

絹旗 「女王様ってチェスが超お好きなんですか?」

先代 「暇なときには、よくやっておられるであるな」

婚后 「お強いですわよ、陛下は」

絹旗 「婚后さんも超お相手仕ったんですね」

婚后 「ええ。これを通じて親睦を深めたようなものですわね」



~30分後~


先代 「……」

婚后 「……」

女王 「」ドヤッ

絹旗 「20秒~」

婚后 「それは将棋ですわ」



128 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/10(土) 00:44:21.61 ID:gw7Lp+iOo

白井 「……参りましてございます。投了ですの」

女王 「はっはっは! 参ったか!」

先代 「相手が悪かったであるな」

白井 「お強い……これは完敗ですの」

女王 「よし、次は2号だ!」

絹旗 「わ、私もですか……かろうじてルールを知ってるぐらいですよ」

婚后 「というかご存知なのですね」

絹旗 「ええまあ。寮で、白井さんと超暇つぶしにやったりしてたので」

白井 「絹旗さん、お気をつけて……わたくしとは比べ物になりませんの」

絹旗 「……」ゴクリ



~10分後~


絹旗 「超参りました」

女王 「え、もう?」



129 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/10(土) 00:46:17.55 ID:gw7Lp+iOo

先代 「まあ、よく耐えたほうであろう」

白井 「序盤から防戦一方でしたの」

絹旗 「そうなんですか?」

婚后 「恐ろしいことに、それを悟らせないまま追い詰めるのが陛下の実力ですの」

女王 「よーし、今日はノってるぞ。次は真打か」

婚后 「僭越ながら、お相手仕ります」ペコリ

絹旗 「婚后さんって強いんですか?」

先代 「陛下に勝ったこともある」

白井 「まあ……」

女王 「今日は負けんぞ」

婚后 「本気で参りますわ」

女王 「望むところだ!」クワッ

先代 「さて、長引くであるぞ」

絹旗 「超マジですか……」

白井 「実力者同士の闘いは長期戦になるか一瞬で決まるかのどちらかですもの」



131 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/10(土) 00:47:45.40 ID:gw7Lp+iOo


~2時間後~


女王 「むう……」

婚后 「」パタパタ

絹旗 「20秒~」

白井 「それはもういいですの」

婚后 「」パチン

絹旗 「婚后さん、扇子を弄る余裕を見せてますよ」

白井 「あるいはそれもブラフか……」

女王 「」ガクッ

絹旗 「お?」

女王 「投了だ……」

先代 「勝負あったであるな」

絹旗 「婚后さん超すげぇ」

白井 「お見事でしたの」



132 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/10(土) 00:49:53.49 ID:gw7Lp+iOo

婚后 「いえ……相手のミスに助けられましたわね」

先代 「ふむ。序盤、陛下は少々冒険が過ぎたであるな」

女王 「だって定石通りやっても面白くなかろうが」ブーブー

婚后 「ともかく、これでわたくしの5勝4敗ですわ」

女王 「? 逆だろう? 私が5勝の筈だ」

婚后 「あ、あら?」

女王 「ウィリアム、そうだったよな」

先代 「陛下の戦績は3勝6敗である」

女王 「」

絹旗 「婚后さん勝ちまくってるじゃないですか」

婚后 「勝ったといっても、それは陛下が新しい手を試したりギリギリで勝てたりしたケースですわよ」

白井 「とりあえず、お二人が結構な実力者ということはわかりましたの」

女王 「くっそー、やはり若い方が良いのか……」

先代 「そういう訳でもないかと」

女王 「まあ、チビッコンビと打てただけでもよしとしておこう」



133 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/10(土) 00:51:49.98 ID:gw7Lp+iOo


~同日夕方 ウィンザー城 食堂~


絹旗 「さて、超食堂へと戻って参りました」

白井 「これから送別会という名目でのティーパーティーが催されるとのことです」

女王 「今日の主役たっての希望で、慎ましやかに行うことにした。なんなら楽団とか呼んでも良かったんだが」

婚后 「いえ、そこまでして頂くと逆に恐縮ですわ」

絹旗 「派手好きの婚后さんらしくないですね」

先代 「静かに過ごすのも良いであろう」

絹旗 「にしても、すごいです。このケーキ超おいし」

白井 「見た目もまるで芸術品のようで」

女王 「時に、チビッコンビは今日の内にロンドンを発ってしまうのか?」

絹旗 「その予定です」

白井 「今夜の飛行機で帰国する予定ですの」

女王 「なんだ。もっとゆっくりしていけばよいのに」

絹旗 「折角のロンドンですからね。路地裏の映画館とか超行きたかったなとは思いますけど」



134 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/10(土) 00:55:23.61 ID:gw7Lp+iOo

先代 「また機会があるときに来ればよかろう」

白井 「ええ、是非そうしたいものですの」

女王 「ところで、ロンドンはどうだった?」

婚后 「どうだった、と申されますと」

女王 「ここがいいとか、ここがダメとか。後学のためにも、是非とも忌憚ない意見を聞かせてほしい」

絹旗 「いいとか、ダメとか……」ウーン

白井 「一晩しか過ごしておりませんし、ご参考になるかどうか……」

婚后 「街並みの調和は取れておりますし、学園都市に比べると治安もいいですし、よい街だと思います」

先代 「……治安よいのであるか。キングス・クロスなどは一人歩き非推奨であるが」

婚后 「もちろん地区によりけりですが」

女王 「治安か。確かにな、地区によってはまだよいとはいえない。課題の一つだな」メモメモ

白井 「学園都市もですわね。場所によっては昼間でも危ないですもの」

女王 「他になにかあるか?」

婚后 「街中のレストランの食事が、うっかり地雷を踏むと……」

女王 「それは仕様だ」

絹旗 「やっぱイギリスの食事は超不味いって都市伝説じゃなかったんですね」



135 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/10(土) 00:58:06.14 ID:gw7Lp+iOo

白井 「幸か不幸か、それは体験できませんでしたわね」

婚后 「よかったと思います。わたくしは一度、地雷を踏み抜いてしまいましたが……」

女王 「参考にさせてもらうぞ!」ウンウン

絹旗 「でもロンドンってアレですね。学舎の園に超似てますよね」

白井 「学舎の園が似せて作ってあるんですの」

婚后 「あ、やはり。わたくしもそれは思いました」

女王 「お? なんだ? 学園都市もロンドンを参考にしてるのか!」

絹旗 「いや、断言はしかねますけども」

白井 「ですが確かに。ロンドンに降り立ったとき、美しい街並みだとまず思いましたの」

婚后 「ああいった雰囲気。なんだかいいですわよね」

女王 「街並みの綺麗さには自信と定評があるからな」ガハハ

 :
 :
 :

先代 「そろそろ日没であるが」

女王 「む、もうそんな時間か」



136 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/10(土) 01:00:01.73 ID:gw7Lp+iOo

婚后 「なんだかあっという間でしたわね」

絹旗 「……白井さん、私ケーキいくつ食べてました?」

白井 「それはもうたくさん」

絹旗 「つい手が超伸びてしまいました……」

女王 「いやぁ、実に有意義な午後を過ごせた。異国の友に出会えた偶然に心から感謝しよう」

白井 「勿体なきお言葉ですの」

女王 「今回はこれで別れとなるが、またいつか遊びに来てくれ」

婚后 「ええ、機会に恵まれれば是非」

女王 「来なければ私の方から押しかけるからな!」ワハハ

絹旗 「この女王様、本当に来そうで超怖いんですけど」

先代 「確かに、やりかねないであるな……全員総出で止めるであろうが」

女王 「おい、ウィリアム。帰りの車を手配しろ」

先代 「畏まった。行き先はヒースロー空港でよろしいか?」

白井 「はい、迎えが来ている筈ですので」

絹旗 (またアレに乗らなきゃいけないんですか……)

女王 「チビッコンビ、次会うときにはもうちょい成長しといてくれよ?」

絹旗 「超余計なモゴッ」



137 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/10(土) 01:02:03.30 ID:gw7Lp+iOo

白井 「はい、精進致しますの」

白井 (失礼な発言は控えてくださいまし!)ヒソヒソ

絹旗 (すいません、つい)ヒソヒソ

先代 「下に車が到着したそうである」

婚后 「では、名残惜しいですが」

絹旗 「今日は超ありがとうございました」

白井 「先代様も、突然の訪問にも関わらず応じてくださって感謝しております」

先代 「何、気にすることはない。あぁ、あと」

絹旗 「?」

先代 「ミサワさんにも、元気でやっていると伝えてほしい」

絹旗 「映像つきで超報告しておきますよ」

女王 「全員、道中気を付けるようにな!」

白井 「はい、心得ましたの」

婚后 「今日はお招き頂き、ありがとうございました」ペコリ

絹旗 「またいつか会える日を超楽しみにしてます」

女王 「言ったな? その言葉、忘れぬようにな!」ビシィ

先代 「では、下まで案内するのである」



138 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/10(土) 01:03:48.23 ID:gw7Lp+iOo


~同日夜 ロンドン ヒースロー空港~


絹旗 「超驚きました……なんですか、あの超高そうな車は」

婚后 「ロールス・ロイスですわね。陛下ご自身も使う車だそうですわ」

白井 「タクシーだと思ったら、あのような車をご用意頂けるなんて……懐の深いお方ですの」

絹旗 「しかし……またアレに乗らなきゃいけなんですね」ズーン

婚后 「?」

白井 「あのオバケ飛行機ですの」

婚后 「あぁ……あれは気が進みませんわね」

絹旗 「白井さん、超イヤですよー。白井さんのテレポで帰りましょうよー」ユサユサ

白井 「だからムリですと、何度も申し上げているではないですか!」

婚后 「それができれば、LEVEL5ですわね」クスクス

白井 「LEVEL5どころじゃございませんの」

絹旗 「はぁ……仕方ないですよね。じゃ、婚后さん。私たちは超一足先に帰ってますので」

白井 「婚后さんのご帰国の予定は?」



139 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/10(土) 01:05:26.28 ID:gw7Lp+iOo

婚后 「明後日に出発の予定ですわ」

絹旗 「戻ったら、またどっか行きましょうよ。超見せたいものもありますし」

婚后 「見せたいもの?」

絹旗 「むふふ。それは超お楽しみです」

白井 「そうそう。婚后さんが戻ってきたら、例の約束も果たしてもらいませんと」

絹旗 「約束? 何かありましたっけ?」

白井 「後のお楽しみですの」

婚后 「あらあら。楽しみが増えてしまいましたわね」クスクス

絹旗 「むう」

白井 「あ、絹旗さん! あれ忘れてましたの!」

絹旗 「あれって……あ!」

婚后 「?」

白井 「ええと……3、2、1、スタート!」●REC

絹旗 「先代マスターは祖国に戻って、思い出を胸に新たな人生を超スタートしていました」

婚后 (ああ、なるほど)

絹旗 「それを見届けて空港まで送ってもらったところで、今回の取材を超終えたいと思います」



140 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/10(土) 01:07:18.95 ID:gw7Lp+iOo


~3時間後 第7学区 常盤台新寮(日本時刻 9:00)~


絹旗 「」グテー

白井 「さすがに疲れましたわね……あら?」

?? 「」

白井 「ユリコ? 貴女がわたくしのベッドに来るなんて、久しぶりではないですか」

?? 「」

白井 「子どもたちの様子はいかがですの?」

絹旗 「それ、ユリコじゃなくてコンビニの袋ですよ。さっき私がピザまんとか買ってきたときの」

白井 「」ガサガサ

絹旗 「ユリコなら、仔猫たちと一緒に超お休み中です」モグモグ

白井 「」ガサッ

絹旗 「にしてもコンビニの袋に向かって語りかけるなんて、白井さんも超お疲れモードですね」ケラケラ

白井 「」ズボッ

絹旗 「わぷっ! ちょ、ちょっと頭から被せるのナシですよ! 超窒息しますから!」

白井 「なぜ! なぜわたくしのベッドに袋を放置しているのですか!!」

絹旗 「いや、ゴミ箱に投げ入れようとしたんですが、超思いの外距離が伸びなくてですね」



141 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/10(土) 01:08:52.40 ID:gw7Lp+iOo

白井 「人の寝床をなんだと思っているのですかぁ!!」ムキー

絹旗 「モガーー」ジタバタ

 :
 :
 :

白井 「……」

絹旗 「映像チェック中ですか」カチャカチャ

白井 「ええ、撮れてるかどうか程度のチェックですが」

絹旗 「変なものが超映ってたところで、ここじゃ動画編集もできませんもんね」カチャカチャ

白井 「仰るとおりで。……ところで絹旗さん、レポートなら明日でもよいのでは?」

絹旗 「」カチャカチャ

白井 (あ、これは相当集中してますわね)

絹旗 「」ムー

白井 (せめて邪魔はしないようにいたしませんと)ソロリソロリ

絹旗 「」カチャカチャ

白井 (……レポートじゃなくてブログでしたか)



142 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/10(土) 01:11:33.80 ID:gw7Lp+iOo

絹旗 「ま、こんなもんですね」タンッ

白井 「寮監の方にも、明日中には提出できそうですの」

絹旗 「いやー、もー、超疲れました」ノビー

白井 「過密スケジュールな上に、どの取材も体力勝負でしたもの」

絹旗 「でも超貴重な体験ができましたね」

白井 「ええ。特に第7位さんとのバトルと、女王陛下と過ごしたことは普通じゃ経験できませんわね」

絹旗 「第7位には超エライ目にあわされたじゃないですか……」

白井 「今となってはいい思い出です」

絹旗 「まあ、そうなんですけどね。さて、出かけましょうか」

白井 「? どちらへ?」

絹旗 「ミサワさんのとこですよ。そのキャメラ、提出する前に先代マスターの元気なお姿を見せませんと」

白井 「あ、それは名案ですの。参りましょう」

絹旗 「どんな顔しますかね」

白井 「大きいお姉様のことですから、"ふーん"って言いながらも嬉しそうにガン見ですの」

絹旗 「こんだけ超頑張ったんですし、奢ってくれるといいんですけど」

白井 「これまでやってきたように、交渉してみては?」クスクス


<バタン



143 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/10(土) 01:12:13.28 ID:gw7Lp+iOo

といったところで、今回はここまでです。
#3 も今回をもって終了となります。長ぇ。
次回、#4 に入る前に幕間と超番外編を挟む予定です。
前者は婚后さん帰国編、後者は超くだらねぇネタになります。

お付き合い頂き、ありがとうございました。



145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2011/09/10(土) 01:15:01.80 ID:zEvpZ0kM0
乙です
次回も楽しみやで




154 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 00:39:16.26 ID:8W4+wA6Jo

それでは始めさせて頂きます。
まず幕間1、婚后さんの短期留学も終わるようです。



155 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 00:40:01.61 ID:8W4+wA6Jo


  ――幕間1 婚后さん帰国の日


156 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 00:41:30.87 ID:8W4+wA6Jo


~11月初旬 ロンドン近郊 とあるアパートメント~


シェリー 「極東も明日で帰っちまうんだな」

婚后 「はい。少々名残惜しいですが」

シェリー 「荷物はまとめ終わった? 忘れ物はないでしょうね」

婚后 「今日の午前中に、すぐ使う物以外は全てまとめましたわ。これで大丈夫かと」

シェリー 「……なんかあっという間だったな」

婚后 「ええ。シェリーさんには本当にお世話になりました」

シェリー 「いろいろ試しながらだったけど。実際どうだった?」

婚后 「とてもいい経験ができたと、断言できますわ」

シェリー 「そう、安心したよ」

婚后 「シェリーさんの芸術論の講義も、今まで縁遠い分野でしたので非常に新鮮でしたし」

シェリー (やること思い付かねぇから、とりあえず呼んだんだけどな)

婚后 「次の留学生にも、忘れ難い体験をさせてあげてください」

シェリー 「また来年か半年後か、次のが来るかもしれないからね。それまでまた色々考えねぇと」



157 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 00:43:34.79 ID:8W4+wA6Jo

婚后 「そうですわね……一先ず、夜中の空港に放置だけはしないであげてください」

シェリー 「アレは私のせいじゃねぇだろ!?」


<ピンポーン


婚后 「? はーい」


<ガチャ


オルソラ 「お邪魔いたしますー」

婚后 「オルソラさん? どうなさったのですか」

シェリー 「私が呼んだ」

婚后 「シェリーさんが?」

オルソラ 「シェリーさんから、極東さんがまもなく帰国なさると伺っておりましたので」

婚后 「まあ、そのために? わざわざ申し訳ございません」

オルソラ 「それで先ほど、目玉さんから"アンタも来たら?"と誘って頂きまして、お邪魔いたしました」

婚后 「シェリーさん……」ハァ



158 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 00:45:26.67 ID:8W4+wA6Jo

オルソラ 「とうぞお気になさらず」ニコニコ

シェリー 「ところで、その大荷物はどうしたんだ?」

オルソラ 「それにしても、あの親切な目玉さんはどちら様だったのでございましょう」

婚后 「? シェリーさんではないのですか?」

シェリー 「私だよ」

オルソラ 「あ、これは食材でございますよ。夜はご予定がないと聞いてましたので、何かご用意しようかと」

婚后 「……」

オルソラ 「まあ、あの目玉さんはシェリーさんだったのでございましたか」

シェリー 「前にもやっただろ、あれ」ハァ

オルソラ 「?」ニコニコ

婚后 「あの、オルソラさん」

オルソラ 「はい、なんでございましょう」

婚后 「今日はお食事を?」

オルソラ 「はい、最後の夜でございますので、腕によりをかけてご用意致します」

シスター 「最後の晩餐ってやつか」ケラケラ



160 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 00:47:16.83 ID:8W4+wA6Jo

オルソラ 「まあ。ではメニューは無酵母パンと葡萄酒にしませんと」

シスター 「いやいや、間に受けないでいいよ。普通に作ってくれ」

婚后 「わたくしにも作らせていただけますか?」

オルソラ 「普通にでございますね。かしこまりました」

婚后 「……」

オルソラ 「ええと、よろしいのですか?」

婚后 「お二人へのお礼も兼ねて作らせて頂きたいな、と」

シェリー 「もしかして、日本の料理とか」

婚后 「はい、お口に合うかどうかは分かりませんが」

オルソラ 「シェリーさんが作るよりはきっと良い出来でございますよ」

シェリー 「おい」

オルソラ 「それでは、始めるのでございますよ」

婚后 「今日で食材も使い切らないといけませんから、豪勢になりますわね」

オルソラ 「張り切ってまいりましょう」フンス

シェリー (……アレ? 私なにしてりゃいいんだ?)



161 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 00:49:18.71 ID:8W4+wA6Jo

 :
 :
 :

オルソラ 「♪」

婚后 (相変わらず見事な手つき……普段のトークからは想像できませんわね)カチャカチャ

オルソラ 「これは……あっ、この後うすーく焼くのでございますね」

婚后 「いえ、クレープではございませんわ」

オルソラ 「?……あっ、千切りキャベツと混ぜて焼くのでございますか?」

婚后 「お好み焼きでもございませんわ」

オルソラ 「?」

婚后 「後のお楽しみですわよ」バタン

オルソラ 「冷やすのでございますか?」

婚后 「まだ最後の仕上げをするには早いので」

オルソラ 「あ、オーブンお借り致します」バタン

婚后 「ええ、どうぞ」



162 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 00:50:59.12 ID:8W4+wA6Jo

オルソラ 「♪」

婚后 「なんといい匂い……これはなんですか?」

オルソラ 「ローストビーフでございます」

婚后 「まあ、豪勢ですわね」

オルソラ 「手間が全くかからない割に見栄えのする料理ですので、パーティなどにお勧め♪でございますよ」

婚后 「これは参考になります」メモメモ

オルソラ 「あっ」

婚后 「?」

オルソラ 「ソース作りに赤ワインが必要なのでございますが、買い忘れてしまいまして……」

婚后 「あら。さすがにワインのストックはございませんわね……」

オルソラ 「シェリーーさーーーん」


<んー?


オルソラ 「赤ワインを買い忘れたので、買ってきては頂けませんかーーー」


<なんで私が。



163 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 00:52:25.25 ID:8W4+wA6Jo

オルソラ 「手が離せないのでございますーーー」


<あぁ、分かったよ。行ってくる。
<バタン


婚后 「こちら、焼き上がりまでどれぐらいですか?」

オルソラ 「弱火でじっくりですので、少なくとも40分は……あっ」

婚后 「?」

オルソラ 「40分もあるなら自分で買いに行けました」

婚后 「……ま、まあ、確かに」

オルソラ 「では代わりに、サラダでも作るのでございますよ」

婚后 「ではわたくしもそろそろ準備を」ガチャ

オルソラ 「あっ、先程の謎の液体でございますね」

婚后 「こちらをですね、具材に付けて油で揚げるのです」

オルソラ 「まあ、油で?」

婚后 「ええ。油の方もそろそろ良い温度になっているようですし」



164 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 00:54:12.61 ID:8W4+wA6Jo

オルソラ 「」ジー...

婚后 「」ボチャボチャ

オルソラ 「」ジー...

婚后 「」ジュワジュワ

オルソラ 「これは、どのような出来上がりに?」

婚后 「外側がサクサクしてて、中はホコホコと」

オルソラ 「サクホコと……興味深いのでございます」ジー...

婚后 「あ、あの、あまり顔をお近付けになると危ないですわ」


<ガチャ バタン


シェリー 「買ってきたぞ……なんだよ、暇そうじゃねぇか」

オルソラ 「あ、ありがとうございました」ペコリ

婚后 「お帰りなさい」

シェリー 「……これ、何作ってんの?」

婚后 「天ぷらと言いまして。野菜や魚介類などを油で揚げた料理ですわ」



165 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 00:56:06.60 ID:8W4+wA6Jo

シェリー 「あっ、そんな店が日本人街にあったな。ソース二度付け禁止ってヤツだろ?」

婚后 「それはまた別な料理ですわね……」

オルソラ 「天ぷらというのでございますか……こちら、ソースはホースラディッシュでよろしいですか?」

婚后 「ソースはつかいませんわ。塩です」

シェリー 「塩? 塩かけるだけ?」

婚后 「ええ、まあ。食べる直前に」

オルソラ 「斬新でございますね」

婚后 「日本ではよく使う手法ですが」

シェリー 「へー、こりゃなんか楽しみだな」

オルソラ 「あっ、ワインありがとうございます」パシッ

シェリー 「あ、うん」

オルソラ 「♪」ドポドポ

シェリー (……ヒマだな)

婚后 「♪」ジュワジュワ

シェリー 「なんか仕事……なさそうだな。掃除でもしてるわ」



166 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 00:57:28.11 ID:8W4+wA6Jo


~同日夕方~


オルソラ 「というわけで」

3人 「「「いただきまーす」」」

シェリー 「それじゃ、極東特製の天ナントカからいってみましょうか」

婚后 「熱いのでお気をつけて」

オルソラ 「塩をつけて頂くのでございますね」

シェリー 「あっつぁ!!」

婚后 「ですから熱いと……」

オルソラ 「まあ、これは大変おいしいのでございますね」

婚后 「お口に合ったようで何よりですわ」

シェリー 「へー、こういう味がするんだな……こっちの料理はソースを味わうって感じだからな」

婚后 「調理法も調味料も、あくまでも具材の引き立て役ですわね」

オルソラ 「具材を活かす精神は素敵でございます」



167 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 00:59:10.64 ID:8W4+wA6Jo

 :
 :
 :

シェリー 「あ、いけね。忘れるとこだったわ」ゴソゴソ

婚后 「?」

シェリー 「これ。完成したから渡しておくな」ゴト

婚后 「これは?」

オルソラ 「近頃、シェリーさんが暇を見つけては創作して彫像でございますね」

シェリー 「ああ。ここ数年では会心の出来よ」

オルソラ 「? ですが、シェリーさんは完成したら破壊する癖が」

婚后 「そんなことを?」

シェリー 「気に入らねぇもんは壊してるだけだ。日本の職人だって同じことすんだろ?」

婚后 「そ、そういうものなのでしょうか……」

シェリー 「そういうもんなの。じゃ、これ」

婚后 「ところで、どのような彫像を?」

シェリー 「日本の神様よ。ま、お守りぐらいにはなってくれんだろ」



168 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 01:01:04.12 ID:8W4+wA6Jo

婚后 「日本の神様……開けてみてよろしいですか?」ガサガサ

シェリー 「開けながら言うな……」

オルソラ 「シェリーさん会心の出来ということは、動き出すかもしれません」ニコニコ

シェリー 「大丈夫よ。それはそういうのじゃないから」

婚后 (そういうの?)

婚后 「これは……」

オルソラ 「あらあら、ころころとしてて可愛らしいのでございます」

シェリー 「日本の神様でしょ?」

婚后 「ええ、そうですわね。手の平サイズがまた可愛らしいですわ」

オルソラ 「シェリーさん、よろしければわたくしにも一つ」

シェリー 「創作意欲次第ね」

婚后 「ありがとうございます。これは家宝にいたしますわね」

シェリー 「んな大袈裟な」

婚后 (にしても、なぜえべっさん?)



169 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 01:02:46.60 ID:8W4+wA6Jo


~しばらくして~


オルソラ 「お片付け完了なのでございますよ」

シェリー 「ゴミもまとめた。これで後腐れなく帰れるな」

婚后 「お二人とも、遅い時間まで付き合わせしまいまして申し訳ございません」

シェリー 「いいって。元々こっちが押しかけてきたようなモンだからな」

オルソラ 「今日はこれで失礼します。また明日、お見送りに伺いますので」ペコペコ

婚后 「はい、お気をつけて」


<バタン


婚后 「……ふぅ」

婚后 「」カタン

婚后 「ロンドンの夜景も、これで見納めですのね」

婚后 「……」

婚后 (いえ、見納めにはさせませんわ)

婚后 (またいつか……)



170 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 01:04:50.46 ID:8W4+wA6Jo


~翌日 ロンドン ヒースロー空港~


婚后 「お二人とも、本当にお世話になりました」ペコリ

オルソラ 「いえいえ、とんでもないことでございます」

シェリー 「向こうに戻ってもせいぜい元気でな」

婚后 「ええ、またお会いできる日を楽しみにしております」

オルソラ 「次はこちらから参りましょうか?」

シェリー (私って前科者だけど入っても大丈夫なのかな)

婚后 「はい。そのときにはぜひご案内させてくださいな」

シェリー (またこっそり忍び込もうかな)

オルソラ 「シェリーさん。感動に言葉が詰まるのは分かりますが、何か一言」

シェリー 「え? あ、ああ。……ま、私の講義を受けたんだし、一応アンタは私の生徒みたいなもんだしさ」

婚后 「……」

シェリー 「こっちになんか用事があれば、いつでも連絡してきな」

婚后 「……はい、その際はよろしくお願い致します」

シェリー 「次会う時まで元気でな」ガシッ

婚后 「シェリーさんもどうかお元気で」ガシッ



171 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 01:07:05.24 ID:8W4+wA6Jo


~2時間後 第23学区 エアポート~


絹旗 「みなさん、準備は超いいですか」

滝壺 「大丈夫」フンス

結標 「バッチリよ」

海原 「抜かりありません」

浜面 「なあ、何が始まるってんだ?」

絹旗 「今日ですね、婚后さんが帰ってくるんですよ」

浜面 「お! お嬢もとうとうご帰国か」

結標 「とりあえず、来れる人間だけ集まったんだけど」

海原 「婚后さんはきっと……無事な姿では来れませんので」

浜面 「? どういうことだ」

滝壺 「超音速旅客機。あれに乗ってくる予定なの」

絹旗 「加えて、婚后さんは乗り物酔いに超弱いです。あとは超浜面でも分かりますね?」

浜面 「ああ、それでみんなすぐ動けるようにしてんのか」



172 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 01:09:06.02 ID:8W4+wA6Jo

結標 「ええ。その為の準備もしてあるしね」

海原 「カエル先生に頼んで貰ってきた万能薬、通称"エリクサー"も用意してあります」

滝壺 「あとこれ、エチケット袋」ホラ

浜面 「出迎えの準備は万端ってワケだな!」

絹旗 「いつ婚后さんが運び込まれても超大丈夫ですよ!」

結標 「あっ……飛行機、到着みたいね」

海原 「ということは、もうすぐですね」

滝壺 「……来たみたいだよ。そろそろ視界に入る」

浜面 「お、いたいた! うぉーーい!」

婚后 「あら、みなさん! わざわざ来て頂いたのですか?」

絹旗 「なっ……」

婚后 「?」

絹旗 「なんで超ピンピンしてるんですか!」

婚后 「えぇ!?」

結標 「絹旗さん。気持ちは分かるけど、その言い方は色々違うから」

海原 「どうも、お久しぶりです」

婚后 「あら、海原さん。ご無沙汰しておりました」



173 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 01:10:47.42 ID:8W4+wA6Jo

滝壺 「大丈夫だった? 乗り物酔い」

婚后 「……言われてみればなんともございませんわね」

浜面 「まあ、慣れたんだろ? いいことじゃねぇか」ウンウン

絹旗 「アレに慣れるとか……」

結標 「とりあえずこの後……婚后さん、まだ動き回る余力はある?」

婚后 「ええ、大丈夫ですわ」

滝壺 「じゃお昼ご飯にしよう」

海原 「ちょうど昼食時ですしね」

絹旗 「あ、じゃミサワさんとこ行きませんか? ここに来れなかったんですし」

結標 「でもあそこって飲み物がメインだから、料理は軽食程度しかないわよ?」

海原 「まあ、そういうお店ですから」ニコニコ

浜面 「腹に入りゃ同じだろ。行こうぜ」

絹旗 「あ、そうだ。白井さんにも超連絡しておきましょうか」カチカチ

滝壺 「ねえねえ、イギリスどうだった?」

婚后 「それは、食事しながらゆるりとお話しますわ」

滝壺 「うん、お願いね」wktk

婚后 「長くなりますわよ?」クスクス



174 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 01:11:59.73 ID:8W4+wA6Jo

といったところで、幕間1はここまでとなります。
ようやく婚后さん帰国、メインメンバーと合流しました。
ある意味ではここからが本編かもしれません。

お付き合い頂き、ありがとうございました。



175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県):2011/09/12(月) 01:13:08.36 ID:r2rHMTqmo
超乙です!



178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道):2011/09/12(月) 01:25:30.98 ID:qMfT9WMC0
乙ー

カエル先生何作ってんすかwwww




187 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 23:35:13.61 ID:8W4+wA6Jo

>>1です。今回は超番外編をお送りしたいと思います。
超番外編の名が示す通り、本編と関係がないどころの話ではなく、
中身は超くっだらねぇネタだったり、違う世界線の話だったりします。

「書いたはいいけど、どこで使うんだコレ」的なネタを本編次章までの
つなぎに使おうかなって魂胆です。

それでは、始めさせて頂きます。
少し懐かしい、あのコマーシャルのパロです。



188 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 23:35:55.84 ID:8W4+wA6Jo


  ――超番外編1 レベル5シフトプラン


189 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 23:38:02.96 ID:8W4+wA6Jo

 学園都市では高度な教育カリキュラムが組まれている。
それらは演算能力強化および"自分だけの現実"の拡充に繋がっており、
主に能力強度を引き上げることを念頭に置いたカリキュラムだ。
逆に言えば、高位能力者であれば、より高度な教育を受けているということになる。
十代そこそこにして既に大学修了レベルの学力を有している者も存在するほどだ。

 さて今回、能力強度4にカテゴライズされる能力者の中から、
特に優秀な者を集めて特別な講習が開かれることとなった。

 "超能力者進化計画"《レベル5シフトプラン》の始動である。

 招聘された8人の大能力者にはプランの一環として、あるタスクが与えられた。
それは"とある中学校で授業を受け持つ"という極めて異質なもの。
全く前例のない斬新な試みに、各方面からその成果へ注目が集まった。

 だが、程なくして関係者全員―授業を受けた中学生も含めてだ―が同じ思いを
共有することとなる。

 「どうしてこうなった」と――



190 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 23:40:39.24 ID:8W4+wA6Jo


  【2年A組 きぬはた先生!】


絹旗 「……はい、今日はここまでですね」

絹旗 「では、次の授業までに感想を超書いてくるように」

絹旗 「ナメた感想書いてきた人は超ちっそぱんちの刑ですからねー」




生徒A 「なんで毎回C級映画の上映会なんだよ……」



191 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 23:41:33.09 ID:8W4+wA6Jo


  【2年B組 しらい先生!】


生徒B 「ジャッジメントですの!」

白井 「もっと情熱的に!」

生徒B 「ジャァッジメントですのぉぉ!」




生徒B 「おれ何やってんだろ……」



192 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 23:42:27.52 ID:8W4+wA6Jo


  【2年C組 こんごう先生!】


婚后 「事前に連絡した通り、今日は調理実習です」

婚后 「エプロンに材料、忘れた方はおりませんわね?」

婚后 「今日のメニューはグリーンカレーです。では各班作業を開始してください」




生徒C 「カレー何種類作らせば気が済むんだよ……」



193 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 23:43:42.59 ID:8W4+wA6Jo


  【2年D組 たきつぼ先生!】


滝壺 「」ポケー

滝壺 「南南西から電波が来てる」

滝壺 「じゃ生徒Dさん、この問題やって」




生徒D 「あれじゃ私が電波ちゃんみたいだよ……」



194 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 23:45:00.44 ID:8W4+wA6Jo


  【2年E組 みさわ先生!】


番外個体 「電磁誘導ってのはつまり、ね。こういうこと☆」スチャ

<ズガァン

番外個体 「次からはチョークじゃなくてこいつが飛んでくるからねぇ」チャリチャリ




生徒E 「釘は洒落にならんよ、釘は……」



195 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 23:46:21.96 ID:8W4+wA6Jo


  【2年F組 むすじめ先生!】


結標 「誰? 今騒いでたのは」

結標 「まったく、手のかかる子たちね」

結標 「生徒Fくん、あとで職員室……ううん、体育倉庫に来なさい」クスッ




生徒F 「ID腹筋やらされた……」



196 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 23:47:16.70 ID:8W4+wA6Jo


  【2年G組 うなばら先生!】


エツァリ 「では、出欠を取ります」

生徒G 「……あ、あの。海原先生は今日はお休みなんですか?」

エツァリ 「……あ! ちょっと用事を思い出しました!」スタコラ


<バタン
<ガチャ


海原 「さ、授業を始めましょう」




生徒G 「あれ誰だったんだろう……」



197 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 23:48:24.10 ID:8W4+wA6Jo


  【2年H組 くろよる先生!】


黒夜 「」カキカキ

生徒H 「先生、僕目が悪いので……黒板の字、もう少し大きく書いてくれると嬉しいです」

黒夜 「あ? 目が悪い? 明日までに取り替えてこい」




生徒H 「無茶言うなよ……」



198 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/12(月) 23:49:33.55 ID:8W4+wA6Jo

といったところで、今回はここまでです。
この先も、こんな感じの思いついただけのネタを
つなぎに使うことがあると思います。

次回からはまた本編です。
お付き合い頂き、ありがとうございました。



199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州):2011/09/12(月) 23:50:56.67 ID:iruUs1wAO
乙です!

くろよる先生が一番ぐっときたww




201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/12(月) 23:53:33.02 ID:c4Gl3JI00
むすじめ先生エロい!!



じゃなかった、ひどい!!




205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県):2011/09/13(火) 00:41:40.28 ID:FVOBxiSDo
おい、黒子じゃなくてパピヨンだろ、そいつ



206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州・沖縄):2011/09/13(火) 00:55:43.01 ID:6urHvbNAO
19090「今年のファンタもいい出来ですね!とみさかはCMらしい落ちをつけます」



次→絹旗「きぬはた荘、あふたー!」白井「あふたー?」その6

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禁書目録SS   コメント:5   このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント一覧
13196. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/10/11(火) 18:52 ▼このコメントに返信する
いちげとー
13197. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/10/11(火) 19:08 ▼このコメントに返信する
このシリーズ、相変わらず和むなぁ・・・
こういうSSではうまくいかないことが多いはずのオリキャラである、執事さんもいいキャラだった。
13198. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/10/11(火) 19:43 ▼このコメントに返信する
オリキャラの魅せ方は本当にうまいと思う。1年過ぎても安定してるのはやっぱ技量があるんだろうな~裏山
19411. 名前 : tyu◆- 投稿日 : 2012/03/17(土) 00:53 ▼このコメントに返信する
今回もウェーイな女王でてきたWWWWW
27897. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2012/10/20(土) 13:38 ▼このコメントに返信する
その6が消えてるのかリンクが間違ってる。
まとめからも飛べない。
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