前→
垣根「まずはそのふざけた常識をぶち殺す」最初から→
上条「その幻想に」垣根「常識は通用しねえ」
232:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 13:28:02.23 ID:
NB1oCC2T0~~~~~~~~~~~~~~~~~~
垣根「よお」
あれから数分後。心理定規と別れ、橋までやってきた。
そして、橋にもたれかかっていた少女に声をかける。
御坂美琴。第三位の『超電磁砲』
御坂美琴は思わぬ出会いに驚いたのか、美琴がこちらをじっと見つめる。
美琴「………垣根さん、だったっけ?偶然ね」
垣根「ああ、とんだ偶然だな」
そういって御坂美琴の横に移動し、同じように橋にもたれかかる。
垣根「お前の妹さん、なかなか変わってるな。面白えやつだよ」
美琴「そう。それはよかったわね」
234:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 13:34:25.59 ID:
NB1oCC2T0美琴「それにしても、こんなところに何しに来たの?非行?」
垣根「見た目で決めんな。だれが非行少年だ」
思わず垣根が突っ込みを入れる。
だがすぐ、真面目な顔に戻る。
今はそんな場合じゃない。
垣根「テメエに話があってきた―――――っていったら驚くか?」
垣根がそう言うと、御坂美琴は少し目を見開き―――――垣根のほうに向きなおった。
美琴「そうね………その話によるけど」
235:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 13:39:37.42 ID:
NB1oCC2T0垣根「なら、ひとつ聞きてえんだがよ」
垣根「―――――お前の妹ってのは、一体何人いる?」
御坂美琴が思わず垣根のほうを振り向く。
その顔は驚きに染まり、口は大きくあいたままだ。
垣根「教えちゃくれねえか。ありゃ一体何をしてる。あのモヤシ野郎の目的はなんだ?」
美琴「………あんた、どこまで知って―――――――」
垣根「俺が知ってんのは、テメエの軍用クローンとやらがたくさんいる事」
垣根「そして、そいつらがあのクソモヤシに殺されてるって事だ」
体を起こし、御坂美琴と真正面から向き合う。
垣根「教えてくれ。あれは何の実験だ?あいつは、今どこにいる?」
236:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 13:45:22.91 ID:
NB1oCC2T0 鋭い口調で御坂美琴を問いただす。
そう簡単に教えてもらえるとは思っていない。
だが、これが最後のカギなのだ。
美琴「……そう、一方通行にも会ったんだ」
御坂美琴が大きくため息を吐く。
そして、
美琴「………いいわよ。そこまで知ってるんなら話してあげる」
意外にも、とうとうと話し始めた。
237:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 13:49:42.04 ID:
NB1oCC2T0美琴「『ツリーダイアグラムによる演算の結果、128通りの方法で128回『超電磁砲』を殺害することで、序列『第一位』である被験者『一方通行』はレベル6に進化することが判明した』」
美琴「『『超電磁砲』を128人用意することは不可能なため、同時に進行していた『レベル5量産計画』の『妹達』に着目』」
美琴「『再演算の結果、2万通りの方法で2万人の『妹達』を殺害することで同じ結果が得られることが分かった』………」
美琴「笑っちゃうでしょ?私の妹達は、実験の為に勝手に生み出されて、勝手に殺されているのよ」
とんだ悲劇であろうはずなのに、もはや慣れてしまったのか、
ははっ、とかすれた笑い声を出しながら垣根に笑いかける。
垣根「………笑えねえ冗談だ。冗談ですらない」
238:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 13:55:16.45 ID:
NB1oCC2T0垣根「で、お前は何をしようとしてるんだ?」
垣根「まさかあの野郎に無謀にも挑もうとか思ってるんじゃねえだろうな?」
御坂美琴の体がビクッと震える。
顔はこわばり、眉がつりあがった。
答えとしてはそれで十分だ。
垣根「………なるほど。ここにも大バカが一人ってか」
239:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 14:03:23.63 ID:
NB1oCC2T0垣根「テメエ自身わかってんだろ?テメエがあいつとやっても結果ははっきりしてる」
戦わずともおおよそわかる。
おそらく、俺と戦ってもこいつは勝てない。
第二位と第三位の差は、それほど確実なものなのだ。
ならば、そんなこいつが第一位と戦った所で、確実な死が待っているだけだ。
天地がひっくりかえってもその結果は揺るぎない。
――――――――それでも、目の前の少女は戦いに挑むつもりだったのだろう。
実験を終わらせる為に。
それこそ、自らの命を賭けて。
垣根「誇りと命を天秤にかけるな。感傷的だが現実的じゃねえんだよ」
240:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 14:11:15.13 ID:
NB1oCC2T0美琴「………なら!ただ黙ってろっての?!今だって妹達があいつに殺されるっていうのに!」
美琴「そんなの、我慢できないわ。私が死ぬことになったって、それで実験が止められるならっ!!!」
それは垣根にも本心からのものだとわかる程の悲痛な叫びだった。
おそらく、これまでも実験を止めようとしてきたのだろう。
そして、結局かなわなかった。
それゆえの特攻。最後の手段。
この少女は、もはやそこまでの覚悟を決めていたのだろう。
241:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 14:15:23.83 ID:
NB1oCC2T0垣根「最後まで人の話を聞けと教わんなかったのか?」
垣根「第三位じゃ、第一位とは話にならない。それは絶対だ」
垣根「――――――だから、代わりにやってやるって言ってんだよ。この垣根帝督サマがよ」
246:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 14:22:46.18 ID:
NB1oCC2T0 御坂美琴の顔が怪訝な表情になり――――――そしてすぐ、驚きの表情に変わった。
美琴「垣根……帝督……?……あんたまさか?!」
垣根「そのまさかなんだな、これが」
垣根が話を進める。
垣根「第二位である俺が第一位を倒せば研究者共はこう考える。
『我々は間違っていた。レベル6に近いのは、第一位ではなく第二位のほうだった』ってな」
垣根「そうなりゃすべて万事解決、ハッピーエンドって訳だ。違うか?」
248:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 14:28:31.60 ID:
NB1oCC2T0美琴「で、でも………!あいつはあの『一方通行』なのよ?!あいつが第一位である事は揺るぎない事実で、第二位のあんただって勝てるかどうか!」
第二位と第三位の差と言うものは、同じレベル5であっても圧倒的なものだ。
それは力の差、などと言う生易しいものではない。次元が違うのだ。
だがそれは、第一位と第二位にも言えることである。
例え第二位である垣根であっても、一方通行に勝てるかどうかなどわからない。
そもそも、戦いにすらならない可能性だってあるのだ。
249:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 14:31:03.54 ID:
NB1oCC2T0垣根「………っは!なら、一言だけ言っといてやる。よーく聞いとけよお嬢ちゃん」
そんなことはとっくに承知の上だ。
言ったはずだ。とうに覚悟は出来ていると。
垣根「第二位が第一位に勝てない、なんて言うなら―――――――」
垣根「いいぜ、」
「まずはそのふざけた常識をぶち殺す」
250:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 14:32:06.72 ID:E623QnAd0
そじょぶキタ!252:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 14:38:07.11 ID:
NB1oCC2T0美琴「………最後に、一つだけ聞いてもいい?」
一つ、どうしても腑に落ちない疑問を垣根へぶつける。
美琴「どうして助けようと思ったの?別に私と関わりが深い訳でもないし、『妹達』だって、昨日今日で会ったばかりなんでしょ?なのに、どうして」
垣根「………そうだな」
御坂美琴から質問を受けて、目を閉じ――――――
そして垣根は、きっぱりとこう言い切った。
垣根「俺の知り合いに、自分がどんな状況でも他人を助けたがるバカがいてな。多分そいつのせいなんだろうな」
垣根「それに、男の子なら一度は憧れるもんだぜ?『ヒーロー』ってのによ?」
254:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 14:43:15.35 ID:
NB1oCC2T0美琴「………そう」
垣根からの返答を聞いた御坂美琴の顔には、幾分かの明るさが戻っていた。
それは、垣根の答えに安心したからなのか、
それとも、とあるバカの顔が頭に浮かんだからなのか。
美琴「ありがとう、垣根さん。ホントに、ありがとう」
垣根「礼ならあのバカに言ってやってくれ」
垣根「……さて、じゃあ教えてくれ」
垣根「あいつは今どこにいる?」
264:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 15:42:51.14 ID:
NB1oCC2T0~~~~~~~~~~~~~~~
一方「……ここなら前みたいな邪魔は入らねェかもなァ。」
ミサカ「そうですね、とミサカは相槌をうちます」
一方「ちょっと残念だなァ。あのヤローが来たらおもしれェことになンのによォ、ギャハ」
ミサカ「……実験再開まで残り1分です、とミサカは確認をとります」
一方「……相変わらず話になンねェな、オメェらはよ」
265:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 15:47:50.47 ID:
NB1oCC2T0ミサカ「……『デート』の続きができないのは少々残念ですね、とミサカは呟きます」
ふと、あの青年の顔を思い出す。
何故今思い出してしまったのか。
自分でも、よくわからない。
ミサカ「実験開始までのこり10秒です。カウントダウンを始めさせてもらいます、とミサカは確認します」
一方「それがお前の命のカウントダウンでもあるわけだ。洒落が効いてンじゃねえか、カカッ!」
それに対して、ミサカはなんの返答もしなかった。
考える事はこれからの戦いについてだけだ。
266:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 15:53:59.75 ID:
NB1oCC2T0 だが、
ミサカ「5………4……3……」
何故だろう、頭から離れない。
あの青年の顔が、あの青年の声が。
ミサカ「2……1……」
でも、さよならですね、とミサカは心の中で別れを告げた。
ミサカ「………ゼ」
垣根「――――――――――ゼロ、だ。気が効いてじゃねえか」
267:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 15:59:44.11 ID:
NB1oCC2T0ミサカ「…………え?」
ミサカの顔が驚きに染まる。まるで、この世のものでないものを見たかのように。
垣根「やれやれ、ヒーローは遅れてやってくるのが相場ってもんなんだが、間に合っちまったみてえだな」
垣根が一方通行のほうを見る。
その表情は愉快そうな笑みを浮かべていた。
一方通行がやれやれ、と首を横に振り、垣根を見つめかえす。
まるで、垣根が来ることがわかっていたと言わんばかりに。
ミサカ「………な、んで……なんでここに、とミサカは……」
垣根「まだお前とのデートは終わってねえからな。その予約をしに来た」
垣根「でも悪いな。今回は――――――――ちょっと浮気させてもらうぜ」
268:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 16:08:38.09 ID:
NB1oCC2T0垣根「てことでさっさとどっか行け。邪魔だ」
そう言い放ち、一方通行へと歩み寄る。
一方通行もまた、愉快そうな笑みを浮かべながら垣根のほうへと歩き出した。
ジャリッ、ジャリッ
………ジャッ
両者の距離はおよそ10メートルと言ったところか、
その位置でお互いを睨みあう。
嵐の前の静寂とは、このことを指すのだろう。
269:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 16:12:26.77 ID:
NB1oCC2T0一方「よォ。またあったなクソメルヘン」
垣根「ああそうだなクソモヤシ」
一方「でもワリィけど今は俺のデート中なンで。なンなら3Pでも構わねェけどよォ」
垣根「そいつはそそられるお誘いだが……生憎、今回の相手はテメェだけだ」
一方「おいおい中々悪趣味なヤロウだな。一回医者に診てもらったらどうですかァ?」
垣根「残念だが既に見てもらった後なんでな。手遅れだ」
一方「あーそうですか。――――――残念だ」
一方「ならせいぜい楽しませてくれよォ?この前みてェにオメェだけケツ振って終わりなンてつまンねェぞ?」
垣根「そいつは――――――――」
垣根「こっちのセリフだ」
270:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 16:20:13.74 ID:
NB1oCC2T0一方「そらよォ!」
先に仕掛けたのは一方通行だった。
足元の小石にベクトル操作を加え、垣根目がけて蹴りつける。
だが垣根はそれを避けることもせず、己の翼を以て受け止める。
一方「まあそンなンで終わっちゃあつまンねえよなァ!」
そう言うと一方通行は積み立てられたコンテナの一部を触り、
垣根に向け次々と射出した。
273:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 16:26:24.65 ID:
NB1oCC2T0――――――――――ズガァァァァァアアアン!!!!!
轟音と大量の煙の中に垣根がかき消える。
垣根「なかなか面白いことしてくれんじゃねえか」
だが、煙の中から現れたか垣根の姿は、
傷はおろか埃一つすらついていなかった。
一方「………ほォ」
垣根「これで満足か?じゃあ攻守交替といこうぜ」
そう言うや否や、垣根が一方通行へと翼を叩きこむ。
だがその翼は一方通行とあとわずかと言う所で停止し、そのまま弾き返される。
277:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 16:31:43.65 ID:
NB1oCC2T0 それを見て、垣根の顔が確信の表情に変わる。
垣根「なるほど、そういうことか」
垣根「テメェの能力は物体の方向を操る力って訳だ、違うか?」
垣根が一方通行に指摘する。
だが一方通行は顔色一つ変化させず、あくまで余裕を見せ続けている。
一方「正確にはベクトル操作、っていうやつでなァ」
一方「で、それが分かったメルヘン君はどうするつもりだ?」
一方「種が分かろうが、オメェは俺に指一本触れられねェンだよ!」
一方通行が垣根へと肉薄する。
垣根はそれをかわし、後退する。
まるでダンスを踊っているかのようだ。
垣根の攻撃は一方通行に届かず、一方通行の攻撃は垣根がかわしきる。
278:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 16:36:47.72 ID:
NB1oCC2T0 しかし、攻撃が届くかもしれないのと、届かないのでは差は歴然だ。
可能性が僅かであることと、可能性がないことは、似ているようで全く違うのだ。
だが、垣根の顔もまた、余裕を浮かべていた。
垣根「そうだな。『俺』は指一本触れられねえな。だが」
翼を一気に展開し、一方通行へ向け烈風を巻き起こす。
無論それが一方通行に届くはずはない。そう、烈風自体は。
一方「………何をした?」
垣根「さてな。その体で味わえよ」
279:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 16:42:59.86 ID:
NB1oCC2T0 その直後、垣根が翼を広げて飛翔した。
月を覆い隠すかのように空へと浮かぶ。
そして月の光がその翼を通過し――――――――――――
一方「がァァ?!!!」
そのまま、一方通行を貫いた。
一方通行がすぐに光からはなれ、態勢を立て直す。
その目から、先ほどまでの余裕は消えた。
一方「………そォ言うことかよクソっタレ」
垣根「理解の早いこったな。つまりはそういうことだ」
281:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 16:44:08.75 ID:oscONbhw0
どういうことだキバヤシ!282:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 16:45:39.85 ID:P2akYUGV0
月を背負って光を放つ……なんてメルヘンな攻撃方法なの……283:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 16:48:22.27 ID:
NB1oCC2T0一方「なるほどなァ。偽装したベクトルってやつね……
誉めてやンよ。俺に攻撃出来たのはオメェが初めてだ」
垣根「どうだ?初体験ってやつは?ちょっぴり痛かったろ?」
一方「はっ!こンなン気持ちイイ程度だっての!」
一方通行が垣根から距離をとり、近くにある鉄骨を際射出する。
垣根はそれをかわし、一方通行へと迫りかかり―――――――
その翼をもって、一方通行を打つ、打つ、打つ、打つ、打つ、打つ、打つ、打つ、打つ、
打つ、打つ、打つ、打つ、打つ、打つ、打つ、打つ、打つ、打つ、打つ―――――――――――――――!!!!!
だがそれは全て弾き返される。
まるで滝を登ろうとするかのような所業だ。
284:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 16:53:27.68 ID:
NB1oCC2T0 垣根の攻撃が通ったのは、一方通行が『未元物質』を解析していないからだ。
それはつまり、『未元物質』が解析されたとなれば、もはや何もすることはできないという事に他ならない。
回避不可のデッドエンド、最悪のゲームオーバー。
故に、一方通行が解析を終える前に致命的なダメージを与える必要がある。
垣根「(迅速かつ確実に攻撃をしなきゃならねえ訳だ)」
垣根「(そしてそれは、一方通行だって気付いている事だ)」
焦った攻撃をすれば餌食になるのはこっちだ。
だが、いつまでか分からないタイムリミットは刻々と近づいてゆく。
選択の余地は、無い。
285:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 16:59:50.99 ID:
NB1oCC2T0―――――――――しかし、
垣根「(そうはいくかってんだよ!)」
選択?そんなものは、必要無い。
俺に、
俺の『未元物質』に常識は通用しねえ。
垣根「(あの野郎は俺が焦った仕掛けをしてくると踏んでるはずだ)」
垣根「(その、裏を突いてやる)」
垣根「(見てろよ)」
垣根「(目に物を見せてやらぁ!)」
286:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 17:05:07.32 ID:
NB1oCC2T0 それから一体どれほどの時間が経っただろうか。
一進一退の攻防はまだ続いていた。
空も陸も関係なく、あたりを飛び回り続ける。
まるで無限が存在するかのように、お互いがお互いを攻撃し続ける。
5分か、10分か、はたまたもう1時間はもうすぎたのだろうか。
287:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 17:05:20.01 ID:EYCAEm5lO
強さ的には
一方通行>>>深すぎる溝>>>>垣根>>>越えられない壁>>>美琴
だよな
ここは上条さんに来てもらわないとていとくんミンチになるぞ290:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 17:08:03.62 ID:NAoi+QHbO
こん時の一通さんは本当に能力バカだからな、どうなるやら291:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 17:09:27.69 ID:
NB1oCC2T0 その時だった。
一方「………はァ、はァ……」
何かがおかしい。
そう気付いたのは一方通行だった。
あの後、垣根からの攻撃は一度も受けてはいない。
なのに、何故、
こんなにも今、俺は息苦しい?
一方「かはっ……!が……はァ……!」
垣根「どうした?運動不足かクソモヤシ?」
一方「うっせえよ、クソメルヘンがァ………がっ……」
294:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 17:14:05.98 ID:
NB1oCC2T0一方「(目まいに頭痛、そしてこの息苦しさ。考えられんのは―――――)」
一方「………一酸化炭素中毒?」
垣根「御名当。流石は第一位サマだ」
垣根が笑みを浮かべ、ヒュウッっと口笛を吹く。
その姿を苦々しく眺めながら、一方通行は内心舌を巻いた。
一方「なるほどな。俺から酸素を奪うのは1つの手段ではあるが……
まさかこンな事を考えやがるとはなァ」
296:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 17:15:37.51 ID:
NB1oCC2T0一方「オメエは別にむやみやたらに攻撃してた訳でも、飛び回っていたわけでもねェ。
こいつを、ばらまく為にやってたって訳だ」
垣根「で、それがわかったテメエはどうする?白旗でもあげるか?」
一方「はっ!調子のってンじゃねえぞメルヘン君よォ!」
一方通行が一度垣根から距離を取ろうとする。
だが、それはさせまいと垣根が一方通行へ一気に迫りくる。
決して時間は与えない。
297:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 17:18:15.73 ID:
NB1oCC2T0一方「(大方、奴の能力で『俺が無害だと設定している物質』を『一酸化炭素と同じ性質』に変化させてる、ってとこか)」
「(おそらく、変質させた物質は酸素だろうな)」
「(こいつは厄介だ。中毒への対処法は酸素注入位しかねェが、
その酸素が変質させられてる以上どうしようもねェ)」
「(なにより一番厄介なのは………)」
垣根「(………こいつでテメェが殺れるとは思ってねえ。だが、)」
一方/垣根「(脳機能の障害による演算への影響)」
一方「(もし一酸化炭素中毒もしくは長期の酸素欠乏で脳に障害が発生すりゃあ)」
垣根「(ともすれば、こいつのベクトル操作を破るきっかけになるかもしれねえ)」
298:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 17:20:16.59 ID:/2IsoLiW0
垣根は酸素なくならないのか302:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 17:24:09.47 ID:
NB1oCC2T0>>298 上手く描写出来ればよかったのですが…
垣根のすぐ近くだけ『未元物質』を解除して戦ってます。体に膜を張っているようなイメージです。
垣根が一方通行へ向け攻撃をし続ける。
翼で打ち付け、殺人光線をあびせようとし、烈風を巻き起こす。
無論、それらが一方通行に通用している訳ではない。
光線は避けられ、その他の攻撃は全てはじき返される。
垣根「(それで構わねえ)」
とにかく余裕を作らせなきゃいい。それで十分だ。
304:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 17:28:07.75 ID:
NB1oCC2T0 やつが俺の『未元物質』の解析をする暇を与えるな。
時間を稼げ。
やつに長く被害を与えろ。
解析されてしまえば、この無意味な攻撃は無価値なものとなる。
思考の余裕を作らせるな。
何も考えさせるな。
ただただ、避ける事だけに集中させろ。
それで、十分だ。
306:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 17:33:12.49 ID:
NB1oCC2T0 垣根の攻防は神がかりに等しいものだと、見ているものがいたなら、誰もがそう言っただろう。
一方通行へと肉薄し、攻撃をし続けながら攻撃を数ミリ単位でかわし続ける。
こちらの攻撃がノーダメージなのに対し、あちらは一撃必殺。
そのうえ、隙を作れば即デットエンドルート確定だ。
もはや精密機械であるかのように、垣根は攻撃を繰り返す。
目の前の男を倒す為に。
307:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 17:33:26.80 ID:EYCAEm5lO
いや、普通に気流乱すとかすればいいだろ
つーか一方さんは御坂妹に同じ戦法されてたわけだし
引っ掛かんないと思うんだけど308:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 17:34:32.98 ID:0aDSALCO0
気流乱せないぐらい垣根が頑張ってるんだよ きっと309:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 17:38:26.98 ID:
NB1oCC2T0>>307 私のイメージとしては
@=偽装酸素
@@@@@@@@@@@@@@@
@@@@@@一方@@@@|垣根|@@@
@@@@@@@@@@@@@@@
って感じで、多少気流乱しても囲まれてっていう風なんだ。
でも一方通行ならなんとか出来たかもしれんな、失敗したか
312:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 17:41:20.92 ID:
NB1oCC2T0一方「………はっ。わかった、わかったわ」
一方通行が唐突に動きを止め、垣根へ向け語りかけた。
表情は今までより緩やかに。
―――――――そして、目は今までより鋭く。
何を考えているのか。
もちろん垣根にはわからない。
――――――――だが、とてつもない嫌な予感が、頭をよぎった。
一方「いいぜ、認めてやるよ。オメエは強い」
一方「だから―――――――俺も死ぬ気でやらせてもらうとすンよ。ホンキの、ホンキだ」
そういって一方通行は―――――――――すっ、と目を閉じた。
314:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 17:45:42.82 ID:
NB1oCC2T0垣根「………?」
垣根が身構える。しかし、一方通行に動きは見られない。
その姿は、全てに身を任せているかのようだ。
垣根「(動きを止めた………?諦めたのか?いや、そんなはずはない。なら、一体―――――――?)」
不意に、寒気がした。
垣根「(なんだこの感じは。ここでなんとかしなければ、全てが終わってしまうような――――――!!)」
月を背に向け、空へと飛び立つ。
翼を広げ、月の光を殺人光線へと変換し、一方通行へと放った。
315:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 17:50:33.97 ID:
NB1oCC2T0 だが、
垣根「なっ!!!」
それが一方通行に届く事は無かった。
そう、垣根が放った光線は――――――――――
―――――――――そのまま、垣根へと弾き返されたのである。
垣根「(バカな!?一方通行が既に『未元物質』を解析し終えたとでも言うのか?!
いや、そんなハズは―――――――――――)」
垣根「………テメエ!!!まさか!?」
318:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 17:55:27.28 ID:
NB1oCC2T0 一方通行の『ベクトル操作』は、操作するものとしないものを設定している。
一方通行が設定したものであるなら、それは必ずベクトル操作の影響を受けるし、そうで
ないなら影響を受ける事は無い。
しかし、既存の物理法則とは異なるようなもの――――
――――――例えば、魔術であったり、『未元物質』により歪められたもの―――――――
のベクトルを完全に操作することは出来ない。
それは『一方通行』の設定が既存のものをベースにされているからだ。
もっとも、その新たな法則を組み込み設定し直しさえすれば、それらを操作することは可能ではある。
逆に言えば、設定をし直さない限り、一方通行が設定していないものがベクトル操作の影響を受ける事は、万に一つも無い。
321:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 18:02:06.78 ID:
NB1oCC2T0 だがもし。
―――――――――『ありとあらゆる全て』を反射する設定にしたとしたら?
有害も無害も関係ない。
光も、熱も、空気さえ。
『受け入れるベクトル』そのものを排除してしまったなら?
一方通行に届くものはあるのだろうか?
322:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 18:06:04.29 ID:
NB1oCC2T0垣根「テメエ正気か?!」
届くはずのない声を垣根があげる。
それはもっともな事だ。
全てのベクトルを排除している以上、垣根の攻撃は届かない。
だがそれはすなわち、一方通行の周りには酸素すら、いや、『何も無い』ということを指すのだ。
――――――――――――――この男は。
生きるのに必要なものさえ排除している、そんな状況の上で。
自らが壊れないよう体の内部をコントロールした上で。
―――――――――俺の『未元物質』を解析し尽くそうと言うのか?
326:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 18:10:58.78 ID:
NB1oCC2T0一方「―――――――――――――!!!」
一方通行の表情が歪んだ笑みに変わる。
音がこちらに届くことは無いが、高らかに笑っているのだろう。
10秒、20秒、
刻々と時間が過ぎる。
もはや垣根から出来る事は何もない。
ただ、目の前にいるこの男自身の戦いになっているだけだ。
緊張が場を支配する。
一方「――――――――――――クカキケケケカカカキキキキキココココココカカッ!!!!!!!」
その笑い声と共に、一方通行が地に降り立った。
327:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 18:14:19.45 ID:
NB1oCC2T0一方「あー危なかったわ。なンもしてねェのに勝手に破裂して終わり、
なンて間抜けな終幕にゃあならずに済ンだみてェだな」
垣根「―――――――冗談だろ、おい」
一方「ああそうだ、楽しい楽しい冗談だろ?」
一方「―――――オメエの負けって言う、な」
一方通行が超高速で垣根目がけて飛び立つ。
垣根「しまっ――――――――!!!」
避けられない。防ぐしかない――――――――――!!
328:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 18:19:54.07 ID:
NB1oCC2T0 翼を前面に展開し、一方通行にそなえる。
だが、
垣根「がっ!!!」
一方通行が触れた瞬間に、垣根の翼は崩れ去った。
衝撃で垣根が鉄骨の山に叩き伏せられる。
一方「もう終わりなンだよ」
一方「オメェのそれは解析し終わった。そっちの攻撃が俺に届く事は無ェ」
329:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 18:25:07.50 ID:
NB1oCC2T0垣根「…………が………ぁ………」
体が動かない。
身体的ダメージもさることながら、精神的な方もまたとてつもないものだった。
『未元物質』を解析された以上、もう一方通行に攻撃は届かない。
つまり、完全な負けだ。
一方「まあそれなりに楽しめたわ。お礼としてすぐ楽にしてやンよ」
一方通行がこちらに歩み寄る。
どうやら、しっかりとどめを刺してくれるようだ。
もはや、動く気力も、無――――――――――――
331:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 18:28:07.99 ID:
NB1oCC2T0ミサカ「おやめ、ください」
ふと、後ろから声がした。
ミサカ「おやめください、とミサカは一方通行を制止します」
332:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 18:32:31.02 ID:
NB1oCC2T0垣根「な………ぁ………」
なにやってんだテメエは。
さっさと逃げとけよ、なんでまだここにいるんだ。
俺が何のためにやってると思ってやがる。
今からでもいい、さっさと逃げろ、バカ。
一方「あ?」
ミサカ「本実験はミサカを殺せば終了します。そちらの決着がもう付いている以上、
もうこれ以上続ける意味はありません、とミサカは首をつっこみます」
このバカは何を言ってやがる?
俺がお前を守ろうとしてたってのに、
お前が、俺を守ろうとしてるってのか?
バカか、大バカかテメエは。
333:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 18:34:39.04 ID:
NB1oCC2T0一方「確かに、オメェの言うとおりだなァ
一方「―――――――――でもよ、オメェの言うとおりにしなきゃいけない義理ってのは無ェンだぜェ?」
ミサカ「なら、実力行使をするまでです、とミサカは虚勢をはります」
一方「………っは。面白ェなオメェ。ちっとは人間らしくなったじゃねェか」
一方「いいぜ、なら――――――――」
―――――――――ゴパァァァァァァァ!!!!
垣根「―――――――おい、なにを、してやがる」
334:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 18:37:56.84 ID:
NB1oCC2T0 一方通行が垣根に視線を戻した。
そこにあるのは、相変わらず血まみれで倒れている垣根と、もはや翼とはいえないような無機物の塊。
だが、能力を自由に操ることすらままならないその男は、それでも、
ただひたすらに、一方通行から目を離そうとしなかった。
一方「………ほォ、さっきのはその翼モドキか。まだそんな元気があンのか」
垣根は一方通行の質問に答えない。
垣根「テメエは、何して、やがる。まだ居やがったのか」
垣根の問いかけにミサカが体をビクッと震わせる。
ミサカもまた、返答をしようとはしなかった。
340:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 18:51:09.92 ID:
NB1oCC2T0垣根「下がれよ、俺の出番は、まだ、終わっちゃいねえぞ」
垣根「邪魔、なんだよ、どけ」
体は動かさず、ミサカのほうへ語りかける。
もはや息も絶え絶えだ。一見して、生きているのか死んでいるのかもわからない。
一方「っは。ヒーロー気取りってかァ?」
一方「オメエはこのままじゃ死ぬしかねェンだぜ?大人しくしてたらどうだ?」
一方通行が再度垣根へ問いかける。
一瞬の静寂。
341:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 18:53:26.54 ID:
NB1oCC2T0 そして、
垣根「………ああそうだよ、悪いか?」
垣根「今わかった。俺は、ヒーローになりたかったんだ」
頭に浮かぶツンツン頭の大バカ野郎。
俺は、あいつみたいになりたかったんだ。
一言一言述べる度、頭の中が冴えていくのがわかる。
今にも死にそうだというのに、心が落ち着いていくのがわかる。
垣根「これは俺の物語だ。『俺』のもんなんだよ」
そう言って、立ち上がった。
346:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 18:59:12.18 ID:
NB1oCC2T0血が溢れ出る。
目の前は真っ白だ。
もはや、自分が立っているのか倒れているのかすら、わからない。
それでも、
それでも、その目は一方通行を捉え続けていた。
その目は、前だけを見続けていた。
垣根「誰にも、邪魔はさせねえ。テメエにも、例え、神にだってだ」
347:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 19:02:12.65 ID:
NB1oCC2T0一方「……はっ。いいねェいいねェ!!その根性よォ」
一方通行が笑い声をあげる。
それは、決して垣根を嘲笑っているわけではない。
心から、垣根帝督という男に愉快さを感じているのだ。
一方「敬意をはらって、トッテオキのやり方でケリをつけてやるよ。喜べ」
だからこそ手は抜かない。やるからには、全力だ。
一方通行が両手を上にあげる。
348:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 19:04:22.29 ID:
NB1oCC2T0バチバチッ!バチバチッ!!
まばゆい光が、一方通行の頭上に現れてゆく。
ミサカ「これは……プラズマ?!危ないです!逃げてください!とミサカは―――――」
一方「ワリィが、オメエら全員まとめて消えてもらうぜ。逃がさねェよ」
ミサカが垣根のもとへ駆け寄る。
無論、それが間に合うはずもなく。
一方通行の手から、プラズマが放たれた。
349:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 19:08:20.69 ID:
NB1oCC2T0 迫りくるプラズマを眺めながら、垣根は思う。
ヒーローになりてえだなんだ騒いどいて、結局こんな終わり方かよ。
しかも結局この女も守れず。
口だけで、何も出来なかった。
悪いな。上条
俺は、お前みたいにはなれないらしい―――――――――
目の前の情景がコマ送りのように進む。
迫りくる、懐かしき『死』の匂い。
懐かしき、不可避の死が―――――――――――
350:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 19:11:44.70 ID:
NB1oCC2T0――――――――――何故だろう。なんで俺は、この光景を懐かしいと思ったのだろうか。
記憶はもう無いはずなのに。
けして、よみがえる事は無いはずなのに。
だが、その思いとは裏腹に体が反応する。
かつて俺は『体験した』はずなのだと。
かつて俺は『受け止めた』はずなのだと。
――――――――――かつて俺は、
『乗り越えた』 はずなのだと。
垣根「あ―――――――――――――――」
351:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 19:15:09.40 ID:
NB1oCC2T0垣根「―――――――――――kfjlhがygtlchkあchggj!!!!!!!」
352:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 19:20:49.12 ID:
NB1oCC2T0一方「………な、」
ミサカ「これは………?」
――――――――――――まさに、天使と呼ぶにふさわしい姿だった。
その翼はもはやこの世のものではなく、人のモノではなく。
見る者全てがひれ伏す、この世の全てを支配する天界の翼。
神が住まう天界の片鱗を振るう翼。
翼がさらに輝きを増す。もはや直視出来ないほどに。
まるで、煌煌と輝く月の光のように。
―――――――――――――――今、この瞬間。
垣根は『第二位』の枠から外れた。
353:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 19:23:07.14 ID:wKIz3PxI0
天使化…だと…
354:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 19:25:27.87 ID:tNb9HCMG0
メルヘンの国もビックリな展開だな…355:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 19:25:33.62 ID:
NB1oCC2T0 圧倒的な存在感を放つその白翼は、その存在だけで周りの鉄骨を削り落していく。
天は啼き、大地は揺れ、空気は震え。
もはや何人も立ってはいられない程に、全てを凌駕し続ける。
その中で一方通行のみが、ただ、ひたすらに立ちつくしていた。
一方「あ………あ……」
声にもならないような音が口から溢れ出る。
一方「………ああ」
一方通行から思わず声が漏れた。
体は震え、息も上がっている。体が倒れそうになる。
そして、
一方「……………ハッ」
―――――――――思わず、笑った。
356:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 19:30:29.14 ID:
NB1oCC2T0 一方通行の頭に浮かんでいるもの。
それは驚愕でも、ましてや恐怖などでもない。
―――――そう、それはただの『理解』
―――――――――――そうか、俺は。
そうだ、俺は。
こいつを、これを、
この力を、
この力のために――――――――――――
一方「―――――――lsbkくshwbうygvgkxzばcyqkk!!!!!!!」
黒翼が、顕現する。
358:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 19:34:41.06 ID:
NB1oCC2T0 互いの存在が共鳴しあう。
もはや、その場にいられなくなるほどの衝撃を放ち続けている。
第一位と第二位。
白翼と黒翼。
まるで鏡合わせのようで、その実まったくの正反対なようで。
だが、ここにおいて両者は気付いたのだ。
更に近いところで、この男が自分とひどく近しいという事を。
互いに相手の姿を確認し―――――――
おもわず、笑った。
………なんだ、テメェもかよ。
やっぱり俺らは、
似た物同士らしいな。
359:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 19:37:52.38 ID:
NB1oCC2T0垣根「―――――――――――――――!!!!!!!!!」
一方通行「―――――――――――――――――!!!!!!!!!」」
「「ぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」」
爆発。
それは、この戦いの終わりを告げる号砲となった。
368:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 19:48:30.74 ID:
NB1oCC2T0・エピローグ
目が覚めるとそこは見知らぬ天井―――――――ではなく、よく見知った天井だった。
垣根「(ここはカエル顔のジーさんの………俺は一体………)」
混乱する頭の中を整理しながら、ただ一つだけ、はっきりとわかった。
垣根「そうか…………負けたのか」
僅かに覚えている。
刹那の交差の後、地に叩き伏せ、叩き伏せられた事。
その直後、自らの翼が消滅した事。
あいつのほうはどうなったのか分からないが、
つまるところ。あれだけ大口を叩いたにも関わらず、結局惨敗だったわけだ。
―――――――――――でも、
垣根「俺は………生きてんのか」
冥土帰し「当たり前だよ。僕を誰だと思ってるんだい?」
370:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 19:55:51.97 ID:
NB1oCC2T0声のした方を見る。
そこには、カエルのような顔をした医者―――――――冥土帰しがいた。
垣根「……またあんたに助けられたって訳か……毎度毎度、面倒かけてんな」
冥土帰し「感謝ならあのツンツン頭の子に言うんだね。彼が連れてきてくれなかったら流石の私でもどうなっていたか」
うんうん、となにに納得したのか冥土帰しが首を縦に振る。
冥土帰し「ああそうそう、上条君が凄い心配していたよ。起きたら連絡をくれって言っていたね」
垣根「……上条が?どうしてここに?」
冥土帰し「聞いた話じゃ、君が倒れているのをここまで運んできたそうだよ。なんでも、……ええとなんて言ったかな。第三位の……」
垣根「御坂美琴?」
371:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:02:50.25 ID:
NB1oCC2T0冥土帰し「そうそう。彼女から連絡があって君の所にいったそうだよ。なんでも君、相当の無茶をしたんだって?」
なるほど、結局御坂美琴から話が伝わっていってるようだ。
あいつになんて言われるかね。やれやれだ。
垣根「んな大したもんじゃないっての。それより、あいつは何処に?」
冥土帰し「学校だそうだよ。なんでも、絶対に行かないと進級できないとかでね。
電話越しで必死に交渉してたみたいだけど、結局だめだったみたいだね」
垣根「……なるほど、あいつらしいな」
冥土帰し「で、連絡しておくかい?」
垣根「いやいい。直接会いに行くさ」
冥土帰し「……それにしても君も常連になってきたねえ。上条君ほどではないけど」
垣根「そのうち常連割引と団体割引でもしてくれんのか?」
冥土帰し「バカ言わないでくれないかい。出来れば二度と来ないで欲しいくらいだよ」
垣根「俺もそう思うぜ」
372:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:04:11.82 ID:5ufO9DaU0
上条さんは上条さんで、相変わらず無茶してるのか373:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:06:57.85 ID:
NB1oCC2T0布団をかぶり、あの時の事を思い浮かべる。
一体あれはなんだったのか。
驕りでも何でもなく。
あの時の俺は、間違いなく第一位を超えた存在であったはずだった。
あの白い翼は。
そして、あの黒い翼は。
あれは、一体なんだったというのか。
あの時の事をもう一度よく思い出そうとする。
だが、思い返したところで、あれが何だったのかは結局わからなかった。
垣根「(………ま、いいさ。いつかわかるだろ。それに……)」
垣根「こうして、生きてんだからな」
374:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:10:45.59 ID:
NB1oCC2T0コンコン、
とドアを叩く音とともに、一人の少女が垣根の病室へと入ってきた。
垣根「確か………」
美琴「御坂美琴、よ」
垣根「ああ、そうだったな。で、どうした。何の用だ」
美琴「………お礼を、言おうと思って。ありがとう。妹達を救ってくれて」
垣根「……ああ、そう言う事か」
布団をわきへ寄せ、ベッドに座る態勢になる。
垣根「別に、礼を言われるような事じゃねえ」
375:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:14:59.45 ID:
NB1oCC2T0垣根「それに、助けられた訳じゃねえだろ。俺は負けたんだしな」
そうだ、俺は負けたのだ。
そうである以上、やつの実験を止められた訳ではない。無駄でしか――――――――
美琴「それが、そう言う訳でもないみたいよ」
垣根「………どう言う事だ?」
思わぬ返答に垣根が目を見開く。
美琴「研究所のほうに乗り込んだのよ。あんたが一方通行と戦った事聞いてね。その結果も。」
美琴「だから、なんとかしなきゃ、って思って研究所に乗り込んだんだけど……はいこれ」
376:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:18:51.38 ID:
NB1oCC2T0そういって渡されたのは、一枚の紙。
こまごまとした文字が整然と書き連ねられているが、それより、その題目に驚かされた。
垣根「………『絶対能力進化計画』………『廃棄の決定』、だ?」
美琴「私もびっくりしたわよ。まさか、実験が凍結はおろか廃棄になるなんて思わなかったから」
垣根「なんでだ?どうしてこうなった?」
御坂美琴に質問するが、そっちもまた肩をすくめるのみで明確な答えは知らないらしい。
ただ言えるのは―――――――――
美琴「私が聞きたいくらい。まあでもとにかく言えるのは――――――」
美琴「助けてくれてどうもありがとうってこと。あの子も、あんたに会いたがってたわよ?」
一応の、ハッピーエンドではあるらしいってことだ。
378:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:22:17.03 ID:
NB1oCC2T0垣根「あの子………ああ、あいつか………」
そういって、布団にもぐりこむ。
もしかするとここに来るかもしれねえな。などと少し思った。
美琴「それじゃ、あのバカにもよろしく言っといて。それと、『ありがとう』ってそいつにも」
垣根「俺は伝言板じゃねえんだが」
美琴「いいじゃない、それくらい。じゃね」
380:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:25:33.84 ID:
NB1oCC2T0~~~~~~~~~~~~~~~~~~
コンコン、とドアを叩く音がした。
ドアが開いた先にいたのは
垣根「げ」
心理定規「あら、意外に元気そうね」
あまり見たくない顔だった。
垣根「……なんのようだよ。さっさと帰れ」
気を紛らわせる為に、置いてあったお茶を手に取り、口をつける。
381:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:29:06.10 ID:
NB1oCC2T0心理定規「男の子は一度はヒーローに憧れるんだって?」
垣根「ぶはっ!!」
思わずお茶を噴き出してしまった。汚ねえ。
垣根「て、てめっ!一体どこから聞いてやがった?!」
心理定規「さあ?それにしても………ふふっ、あなたがそんなこと言う所が見れるなんて思っても無かったわ……ふふ」
垣根「忘れろ、今すぐだ。いいな」
心理定規「あなたの知り合いに言って回ろうかしら」
垣根「力づくで黙らすぞこのアマ」
心理定規「あら?優しくキスでもしてくれるのかしら?」
垣根「これ以上バカにしてると火傷するぞ?少し黙れ」
383:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:33:53.42 ID:
NB1oCC2T0どうもこいつといると調子が狂う。あまり相手にしたくないタイプだ。
垣根「で、テメエはこれからどうするんだ?」
心理定規「これからって?」
垣根「………俺を暗部に連れ戻す気は無えんだろ?だったらここにいる意味は無い」
心理定規「あら、心配してくれてるのかしら」
垣根「そんなんじゃねえっつの。いい加減にしろ」
心理定規「そうね、いったん戻る事にするわ。暗部ってそう簡単に辞められるものじゃないから」
心理定規「それじゃ、また会いましょ?垣根帝督サン?」
垣根「………来るならもっとオトナになってからきやがれ、ガキめ」
385:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:44:21.78 ID:
m3czjsYyOそして、心理定規が帰ってすぐだった。
…………ドドドドドド!!!
垣根「今度はなんだ?やけに騒がし…………」
バァン!
インデックス「ていとく!!!」
垣根「げ」
インデックス「ていとく!!!」
顔を見ることが出来ない。
これはもう間違いなく大激怒コースだ。
387:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:49:44.01 ID:
m3czjsYyOインデックス「………ていとく」
インデックスの声が弱々しくなる。
思わずインデックスの方を見て―――――
インデックスの頭を撫でた。
インデックス「心配………したんだよ、ていとく……」
その表情はけして怒りではなく、
今にも泣き出しそうに、垣根を心配するものだったから。
391:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 21:14:05.10 ID:
m3czjsYyOインデックス「…ていとく、最近とうまに似てきたんだよ」
垣根「……へっ?俺が?上条に?」
思わず聞き返す。
インデックス「変なことに首をつっこむとことか!」
インデックス「私に冷たいところとか!」
インデックス「女の子たぶらかすとことか!」
垣根「うっ」
垣根「あ、あのな、そのだな………」
398:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 21:47:35.04 ID:
m3czjsYyOインデックス「……でも、」
インデックス「それで、いいんだよね。ていとく、楽しそうだから」
インデックス「昔のていとくは凄い悲しい顔してたから」
インデックス「だから、いいんだよね」
垣根「………インデックス」
インデックス「………ていと」
ミサカ「おや、おとり込み中でしたか、とミサカは間の悪さを露呈します」
401:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 21:58:21.72 ID:
m3czjsYyOなんだ、その狙い済ました感じは。
ネタか?やっぱりネタなのかテメェは?
インデックス「……なんなのかな?あなたは?」
ミサカ「……そうですね、そこにいる人の恋人とでも言っておきましょうか」
おい、何言ってやがる。
少し黙れ、おい。
インデックス「………ていとく?」
垣根「いや、俺の話を聞け、インデックス?」
ミサカ「今度のデートはいつにしましょうか?とミサカは尋ねます」
インデックス「……ていとく?」
垣根「……まて、話せばわか―――」
インデックス「………がうーーー!!!」
ガブリ
病室に一つの悲鳴が響いた
405:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 22:12:46.48 ID:
m3czjsYyO―――窓のないビル
そこにあるビーカーに浮かぶ人物。
男とも女とも、老人とも子供とも、囚人とも聖人とも言えぬ人物
そこに、アレイスタークロウリーはいた。
408:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 22:27:56.13 ID:
m3czjsYyO『絶対能力進化計画』
それは『欠陥電気』を全世界にばらまくことのほうがメインであり、
一方通行がレベル6に至れずとも、問題のない内容であった。
一方通行が敗れたとしても問題ないことであった。
―――だが、
アレイスター「…………垣根、帝督」
414:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 22:53:16.93 ID:
m3czjsYyOアレイスターのプランの中でも、あり得る話でも、あっていい話でもなかった。
レベル6に至れるのは一方通行だけのはずであったのに。
それ以外は、那由多以下どころか確実にゼロであったはずなのに。
だが、現れてしまったのだ。
可能性を持つ男が。
垣根帝督が。
421:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 23:23:36.67 ID:
m3czjsYyO一体どこから間違っていたのか?
垣根帝督が魔導図書館と出会ったから?
垣根帝督が上条当麻と出会ったから?
――――それとも、もっと前から?
アレイスター「……まあいい、修正は可能だ」
そうだ、レベル6に至れるものがいればよいのだ。
それが一方通行でも、垣根帝督でも、それは問題ないのだ
426:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 23:43:58.49 ID:
m3czjsYyOアレイスター「………レベル6に至れるならよし、…だが」
アレイスター「その存在がただの障害になるのなら、その時は――」
その時のアレイスターの顔を見たものは、それを一体何と表すだろうか。
だが、それはだれも知ることはなく。
ただ、厳かな笑い声だけがらあたりに響きわたった。
429:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 23:52:03.69 ID:
m3czjsYyO病室を出て自宅に向かう。
カエル顔のじーさんからは
「酷い怪我だったんだから、ゆっくりしていったほうがいいんじゃないかい?」
と言われたが、どうもあの病室は好きになれない。
それに、いまは噛まれた顔のほうが痛い位だ。
そう考えながら角を曲がろうとした時、
ドンッ
垣根「おっとすま……」
「なンだオメエh……」
「「あ」」
あまり見たくない顔と出会ってしまった。
430:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 23:58:07.83 ID:
m3czjsYyOどうやら運命ってのは変なもんで、糸が絡み合えば赤かろうが黒かろうが引き寄せ会うらしい。
あの時は冗談で言っただけだぞ?別にこいつが好きな訳じゃねえぞ?
などと若干現実逃避的な内容を考えつつ一方通行の方を見る。
ついこの前、命の取り合いをした相手、学園都市第一位。
果たして友好的な会話が出来るのだろうか。
まあうだうだ考えてもしょうがないので、垣根から話しかけることにした。
垣根「……奇遇だな」
一方「…………ああ」
垣根「聞いたぜ?実験の事」
一方「そォかい」
一方「まったく、オメェラのおかげで実験は中止になるわ、しかも
『実験が中止になったのは第一位が負けたからだ』なンて噂のせいで死にたがりのバカが増えるわ、
まったくイイメイワクだわ」
431:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 23:58:36.06 ID:tG2XX0Mj0
何故入院しているんだセロリの奴…433:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 00:03:08.81 ID:
ifssANwYO一方「オメェから言ってやってくれよ。『学園都市第一位は誰にも負けてませン、むしろ完全勝利しました』ってよ」
垣根「俺がボッコボコにしたって噂なら流してやるよ」
一方「ぶっ殺すぞ、クソメルヘン」
垣根「あ?やるか?クソモヤシ」
一方「………」
垣根「……」
一方「……やめだ、そンな気分じゃねェ」
垣根「そればっかしは同感だ」
一方「それじゃあな。会いたかねェが、なンかまた会う気がすンよ、オメェとは」
垣根「残念なことに俺もそう思うぜ」
436:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 00:04:32.03 ID:
ifssANwYOそう言って互いに通りすぎ――――――
ふと、垣根が一方通行のほうに振り向く。
何故かはわからないが、ある考えが頭に浮かんできたのだ。
垣根「『オメェらのおかげで、ね』」
果たしてそれは皮肉だったのか、それとも―――――
垣根「ま、俺には関係ないわな」
437:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 00:10:05.76 ID:
ifssANwYOふと、あたりを見渡す。
なんとも平和な空間が、そこにはあった。
戦いも、憎しみもない空間。
この世界で、俺はこんなにも楽しく生きていられている。
それは、なんとも素晴らしい事なのだろう。
無論、この後も多くの厄介事がやってくるのだろう。
それはあのバカ関連かもしれないし、俺の過去に関する事かもしれない。
だが、今は。
垣根「等分はこんなごたごたは御免だn――――」
「まてやテメェ!」
「ぶっ殺す!」
「ワタクシが何をしたと言うのでせうかーーーー!!」
440:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 00:16:50.51 ID:
ifssANwYO垣根「……はぁ」
聞き慣れた声が耳に入り、、思わずため息をつく。
どうやら、そうもいかない運命なのだろうな。
そう考えて顔をあげる。
その顔にあるのは困惑でも、不快でもなく。
垣根「退屈しねぇよな、まったく」
裏も表もない、満面の笑みを浮かべて。
「やれやれ、不幸ってか?」
幸せそうに、そう呟くのだった。
垣根「まずはその常識をぶち殺す」FIN
464:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 00:37:44.85 ID:jn1B35Di0
俺の>>1乙に常識は通用しねぇ438:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 00:13:16.94 ID:mL6ul/NZ0
上条さんはオチ担当ですかwwwwwww448:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 00:24:19.57 ID:
ifssANwYO最後の方だらだらですまんかった
出来れば上条さんの出番も出したかったんだが……
とにかく見てくれてありがとう
次があったなら今度はうまくなってきます
ほんとにありがと
451:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 00:25:40.51 ID:9iGFlV1+0
乙
張り付いてて良かった466:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 00:39:26.73 ID:sxAmJZlPO
このていとくん大好き
ずっと続きを楽しみにしてた
次回作期待して待ってるよ
本当に乙
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