垣根「初春飾利…かぁ…」その4

2011-02-20 (日) 12:16  禁書目録SS   12コメント  
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まとめ→垣根「初春飾利…かぁ…」まとめ



690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/19(水) 11:40:36.79 ID:UUulwyzm0
なんか、二期新OPの歌詞が、このSSにめっちゃマッチしてると思った
まだ確定してないけど↓

これ以上遠くまで飛べない鳥がいて
傷もない 立派な羽で青空をなじった

この場所も悪くない
あの空は高くない
この場所も良くはない

身体で感じる速度を恐れてる
誰にでもチャンスは持てる
その先へ行けない
本当は遠く飛べない
本当は遠く立ちたい
今 叶えたい願いは向こうで輝く

君がいる
瞳に映す未来だって いつも強くて
こんな君は僕さ
君はまだ 眩しいけど
同じ気持ちで この手伸ばして
いつか掴む 現実の僕ら
君になるよ




692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/22(土) 14:53:46.89 ID:xj21ggEY0
ちょっとだけのつもりがいつの間にか帝春しか考えられなくなっていた。
なんて破壊力。




699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/29(土) 22:19:35.32 ID:2BxV95OT0
まだかあああああああああああ



703 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/31(月) 18:38:10.62 ID:pByw7e0i0
続きが気になって夜も眠れません



704 : ◆le/tHonREI :2011/01/31(月) 19:15:14.25 ID:fExqhohAO
こんばんは>>22です。
続きについてですが思い付かないのでやめることにしました。



なんちゃって!うそです。
やりたいことも展開も決まってますが、出だしで苦戦しております。もうしばしお待ちくだされ。ゴメンナサイ………、

レスにもついてましたが、歌のイメージってありますよね。
お詫びとして、このお話全体としてのテーマソングを紹介します。

B'zのlove phantomです。
展開的にリンクしてるので、お暇があればぜひ。妄想にご利用くださいませ。

寒い日が続きますが、一緒にがんばりませう!ではまたー



708 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/31(月) 21:12:37.25 ID:pByw7e0i0
びっくりしたああああああああああああああ
よかったあああああああああああああ
待ってるぜえええええええええええええ




709 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/31(月) 21:32:56.55 ID:AioDH5Luo
吃驚しすぎて一瞬涙でてきましたよ…

頑張ってくださいいいいい




710 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/31(月) 22:05:51.37 ID:X6xOeXXCo
絶対許さない。絶対にだ。
許して欲しかったら完結させた後死ぬほどクソ甘い帝春を大量投下するんだ。




711 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/31(月) 22:13:07.19 ID:z8uU2vwAO
いらない 何も~
捨ててしまおう

って歌だな




713 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/31(月) 23:19:30.99 ID:oVQNxkXDO
続き楽しみに待ってますね!
love phantom…カッコイイ曲だが歌詞はこのSS的にはどことなく不吉だ…
どうかハッピーな帝春になりますように…!




714 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/31(月) 23:49:06.27 ID:zmfRA7cS0
君がいないと生きられない
熱い抱擁無しじゃ意味がない
ねぇ 二人でひとつでしょ yin & yan
君が僕を支えてくれる 君が僕を自由にしてくれる
月の光がそうするように 君の背中に滑り落ちよう



(そして私は潰される)




726 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 10:08:46.21 ID:LOsYNK/Mo
お待たせしました。今日はひたすら更新します。
書き溜めはほとんどないので、直書きで遅めの更新になりますが。

あと、今までもでしたが改めて注意です。
このSSは独自解釈を元に作成しています。
とある魔術の禁書目録はすべて読みましたが、お話の性質上「うーん、それってほんと?」みたいな設定がいくつか出てくるかもしれません。
なるべく筋が通ってるようにはするつもりですが、どうかご容赦ください。


初春とていとくんのラブストーリーと思ってくれたらよいです。他は飾りみたいなもんです。初春だけに。痛い痛いモノを投げないで



さて、それでは“救った後の話”はじまりはじまりー!



727 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 10:10:58.75 ID:LOsYNK/Mo
 








               「垣根さんのことが……、……好きだから、じゃだめですか?」








729 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 10:15:44.12 ID:LOsYNK/Mo

               『―――ふむ。気dasgがfah変わった』

                   【知るかよ。テメェにだけいいカッコウさせたくないだけだクソボケ】
               
     「たまには甘えさせてください、―――天使さん?」


                            「だからオマエは二流なンだよ」

           【―――……何のマネだ】

                         『聞かせfagfhてもらおうかifha君の答えを』

     【殺す。殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す―――ッ!!】

                 「他でもねェこの俺の前で見捨ててみろ。絶対に許さねェ。今度こそぶっ殺してやる」

                      「初春の気持ちも……、考えてあげてください」

       【……、いつか言ってたよな。テメェは俺にとって何なのかって】
 
                         「“ANGEL”―――!!何故気づかなかった……―――ッ!!」

          「全然わかってねェよ。―――“アイツ”がオマエみたいな輩を見ても、同じ台詞を吐く」


             『くっくっく、成る程、あdagのときdagのキミに重ねているからか』

                           「テメェは無力なんかじゃねえ」







                【これは―――

                     ……俺の物語だからな―――ッ!!!】





                         ……… ………… …………
         
                                 …………
 
                                   ……



730 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 10:18:12.87 ID:LOsYNK/Mo

                                ※


                           「            」


声はやはり、彼方から聞こえてくる気がした。
ここに確かに意識はあるはずなのに、一振りの暴力によって世界が音も立てずに崩れた。

それは体には1ミリたりとも触れることのないもの。
だがしかし、人間である以上は避けて通れない痛みを伴うもの。


「答えろ」


かつて死闘を繰り広げた二人の間にルールなどない。
少なくとも、暗黙の了解は存在しない。


殺すつもりだったし、殺される覚悟もあった。

だが。


鼓動はさっきから鳴り止まない。鳴り止んでなどくれない。
景色が揺らぐ。美しく見えていたものが、何もかも歪んで見えてくる。
意識はこの上なくハッキリしているのに、自分がここまで築いてきたものが両断されたように感じる。

アイデンティティと呼ばれる自己投影の鏡の中心から、放射線状に亀裂が走っている。


なぜなら。

なぜなら―――


【俺は………、】


「答えてみろよ、メルヘン野郎」




答えが、出ていないから。



731 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 10:24:58.11 ID:LOsYNK/Mo

そうして。


垣根帝督は地に堕ちた。

敗因は一つだけだ。


守ろうとしていたものの重みに負けた。
今日までのイエスが、明日からのノーに変わった。

他でもない、最大の目標によって、垣根帝督のベクトルは彼方へと飛んでいったのだ。


「―――無様だな」

【……、……ッ!!】


反論する意志も溶けて消えそうだ。

なんとか言葉を振り絞って、自分の体内にあるものを吐き出そうとする。

目の前の男に、対抗するカードを頭の中で並べ立てる。



………、…………、―――ない。




見つからない。
この男に打ち勝つ、起死回生のジョーカーなど持ち合わせていなかった。


「垣根……さん……?」



732 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 10:29:37.80 ID:LOsYNK/Mo


「なンでオマエが勝てないか教えてやる」


がたがたと震えだす体。

わかっている。そんなことはわかっている。

見下した態度に腹が立つ。

口の中がカラカラに渇く。

チリチリと、頭の隅で黒い気持ちが増幅するのを感じる。



なのに―――、なのに反論できない。


花の名前を胸に刻むことで、精一杯だった。


………

……





733 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 10:40:58.61 ID:LOsYNK/Mo

                                   ※

「はい、また私の勝ちーーーー!」

【……、……】


舞台は巻き戻り、うってかわってとある日常。
三度目の世界大戦を乗り越えた世界。

少女は花飾りを揺らしながら、ガッツポーズを決めていた。

いった側、垣根がコントローラーを床に落とすのを横目で確認。
ついでに表情も見てみる。それなりに悔しそうだ。


「いやあーこれで通算私の45戦45勝ですねー」


わざと聞こえるように、というかほとんど煽るようにして告げてみる。


【……、だってこれ、やったのはじめてだしな】

「さて、次はどれで勝負します?? あっ、それじゃあ垣根さんがやったことあるやつでいきましょう。それなら文句ないですよね、うんうん」

【……つーかそもそもゲームとか得意じゃねえしな……】

「あれー? ん? 『俺の演算能力ならゲームごとき余裕だ』とかなんとか……、あれー?」

【ぐ……。格闘系のやつにしようぜ。それなら負ける気がしねえ】

「ほうー? そうなんですか? じゃあ何か賭けます?」

【…………、やっぱ音楽系がいい】




―――二人は初春の部屋でゲームにいそしんでいた。



734 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 10:55:01.49 ID:LOsYNK/Mo


【……、つかよ、初春ってゲームオタクなの】


今度は不意打ちで別角度から優位性を確保しようとする垣根。
急に言われたので思うように対応できない初春は、上ずった声で返答を誤ってしまった。


「ち、ちがいますよっ!? 何を急に言い出すんですか! 負けてるからって!!」

【図星かよ。ったく、中学生のくせにゲームばっかしてんじゃねえよ。勉強しろ】


ふふん、と得意げにコントローラーを振り回す垣根。
服装は相変わらずの手術衣だった。
病院からはすでに退院しているのだが、長いこと親しんでしまった衣類に妙なこだわりが出てきたらしい。


「いっ、今の話題と関係ないじゃないですか!! それに、……垣根さんの教え方、なんだか怖いんですもん」

【それでも的確な指導だっただろ? 理論構築は演算の基本だ。甘やかしてどうする。
 だいたいテメェは頭の回転は速いくせに、肝心の『自分だけの現実』が弱すぎる。宝の持ち腐れってもんだ】

「……、それはそうかも、しれないですけど……」


なんだかゲームには勝ったのに、負けたように沈んだ気持ちになる。
いつだってこの男は油断できない。もちろん肯定的な意味でだ。
こうしてる間にも、自分をいじめる算段を頭の中で繰り広げているに違いない。
まったくもって、プライドの高い男だった。


(―――べつに、嫌じゃないですけど)


初春はしょぼくれた顔で窓の外を眺めた。



735 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 11:06:47.67 ID:LOsYNK/Mo


「終わったんですよね」

【……、みてぇだな】


しみじみと、学園都市の町並みを瞳に浮かべながらつぶやいた。
第三次世界対戦の勃発。経緯。末路。
直接的な戦場は海外がメインだったとはいえ、当然この街にも情報は下りてくる。

何をしていても。

食事をとっていても。

テレビを見ていても。

―――二人でいても。


そこまで考えたところで、初春は気づいた。


「―――っ! ご、ごめんなさい」

【いいよ別に】


はっ、と息を吸い込んで垣根の表情を再度確認したときには、彼の表面から温度が消えていた。

迂闊だった。

かつてはこの街の中核にいた人間。いくら垣根帝督がこの体を選んだとはいえ、何も感じないはずがない。
意図的に戦争に関する情報は避けていたのが、初春には痛いほどわかっていた。


(……やっぱり、それもプライドが許さないのかな)


なんとなく、この手の話をすると沈むのも、わかる。



736 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 11:15:34.51 ID:LOsYNK/Mo

本来ならば、初春の力を借りた上なら彼の能力は元に戻ったも同然だ。
あのとき博士が言って聞かせたように、確かに世界大戦ははじまり、終結した。

わかっていたなら、自分の能力の生かし方を考えないわけがない。
それでも垣根は戦争に関して、自分からどうしたいだの、戦況はどうだだの、初春に言葉を投げてくることはなかった。

理由は―――わかるような、わからないような。


(……私を巻き込みたくなかったから?)


それは垣根に対する希望的観測なのか。


(生き方は変えないっていってたのに)


それを喜んでいいのか、悩んでいいのかもまた初春の判断が揺れるところではあった。
もっとつっこんで話をするなら、彼の中での自分の位置とか、行動の意味とか、そういったところもそうだし、

―――何より、……あれから何回もこの男と会ったが、時折見せる暗い表情が気になっていた。


(……、でもまぁ、今はこうしてるだけで楽しいし、いいのかな)


多分垣根は垣根で考え事をしているのだろう。
いくら意志共有ができるからと言って、話したくもないところに踏み込むのはタブーだ。
いつか話してくれるその日まで、ゆっくりと彼を見守ろう。

初春はそんなふうに自己完結した。



737 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 11:28:32.52 ID:LOsYNK/Mo


【初春】

「……は、はいっ!」


携帯の震えに反応して焦点を垣根に合わせる。
瞳からはうかがい知れないが、意志ならば文字として読み取れる。

初春が開発した、垣根専用の翻訳プログラムである。


【ちょっと体を動かしたい。つないでくれるか】

「あ。いいですよ。ちょ、ちょっと待っててください」


あわてて立ち上がり、彼と自分とをつなぐ、とあるイヤホンつきの装置を探す。
見た目はポータブルCDと変わらないこちらは、木山春生が作成した特注のソフト。

これを初春が装着することにより、擬似的に垣根と初春の意識は統合され、不自由だった垣根の体、言語能力が回復する。
制限時間は15分。それ以上はおそらく、意識が垣根に取り込まれてしまう。


(そろそろ慣れてきたかな……)


もちろん、博士との一件から何もせずにいたわけではない。
演算の練習もしたし、垣根の能力を支える理論の勉強も教えてもらった。
(直接的に演算をするのはもちろん垣根なのだが、彼いわく理解があったほうが何かと便利とのこと)

また、人間が発する複雑な信号を、スムーズに翻訳するための訓練も定期的に行っている。
今ではほとんど無意識に垣根をサポートできるくらいだ。


(……正直、意識を共有するってけっこう恥ずかしいんだけど……)


慣れとは恐ろしいものだ、と初春は不意に思った。



738 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 11:39:34.67 ID:LOsYNK/Mo

それにしても珍しい。
意識共有の練習ならばいつもは外で行っていた。
そしてたいていの場合、初春が誘ってみても受け流される。


(そりゃまぁ……、ずっとずっと一緒ってわけにはいかないし)


そもそも垣根の生活はある程度のハンデを背負っていく他はないのだ。
共有トレーニングはあくまでも気分転換、また有事の際のためという名目だった。

違和感を感じつつも、垣根の前に座る。
着ていた花柄のワンピースを折り曲げ、丁寧にイヤホンを耳に取り付けた。



キ……ーーーィン……―――ッ!


装着する際に微かに意識が飛びそうになるのは元からだ。
これだけは何回やっても直らない。



「………ふう。こんにちわ、垣根さん」

「あぁ」


にこりと笑いかけた先にある、垣根帝督。
体の細部をうまく動かそうとして、足の指を閉じたり開いたりしている。


「俺の意識って直接テメェに流れてるんだよな」

「えっ? はい、そうですよ? 複合的なメッセージまでは理解できませんが、明確に発信している気持ちなら―――」

「そうか」

「………え」



741 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 11:50:19.03 ID:LOsYNK/Mo


「じゃあ俺が今、何考えてるかも、わかるだろ」

「―――っ! え……、えっ……、えと………その………」


うつむいて視線をそらそうとしたのに、肩をつかまれた。
華奢な体がびくっと震える。

顔が真っ赤になる。視線がどこにも合わせられない。


「だ、だめですよ垣根さん……、だって……ええと」

「何が?」


次には垣根の整った顔がすぐそこにあった。
どこにも逃げられない。どうせ自分の考えてることは筒抜けだ。
初春はまだ、意識共有の際の発信をうまくコントロールできていないのだ。


「何がじゃなくて……、は、恥ずかしいし……、それにこういうのって、ず、ずるいです!」

「前にしただろ、ガキんちょ」

「しましたけど、しましたけどぉ……、前にしたときだって、その……、い、勢いみたいなものだったし……」

「そのわりに気合が入ったキスだったけど」

「―――ッ!?!」


もう言葉さえ失って、光の速度で自分の混乱を伝えることしかできなかった。



742 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 11:59:37.87 ID:LOsYNK/Mo


「こ、このためにつながせたんですか……!?」

「さあな。いいから顔あげろ。押し倒したほうが好みかよ? じゃあこうする」


どんっ、とやや手馴れた手つきで初春を床に押し付ける。
初春は初春で、言いつつもしっかり、無意識のうちに彼の行動を翻訳してしまっているのだからおかしなものである。


「ま、またそうやってかき乱すようなこと言ってっ……。垣根さんはずるいですよ!ずるいずるいずるい!」

「嫌か」

「………、も、黙秘します」

「とかいって意識は明確に伝わってきてるんだけどな。光の速度で。嫌ならはずせば?」

「―――好きにしてください、もお……」


観念したように目をつぶる初春。

何でこの男はこのタイミングで唐突にこんなことを思いついたのか。
もしかして、欲求不満とかいうやつだろうか。
そういえば佐天涙子というおせっかいな知人がいつぞや言っていた。

男の人には急にそういう衝動にかられる瞬間があるとかないとか―――。


「で、でも、きすだけですよ……」

「わかってるよ、エロ春」


見透かされたようにつぶやいてから、唇を重ねた。





743 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 12:08:45.99 ID:LOsYNK/Mo

――――――


「その……、聞きたいことがあるんですけど」

「ん」


伝わってきたやわらかな感触をごまかすようにして、言葉を紡ぐ。


「……やっぱいいです。よ、読み取ってください」

「嫌だ」


押し当てた唇をそっとどけて、髪を撫でる垣根。
それだけでもう、なんだか溶けてしまいそうになる。
次の言葉を捜すのにこれだけ苦労するのは、この特殊な環境のせいだろうか。


「なっ。なんでですか! というかもう伝わってるんじゃないですか?」

「というか、もやもやしていてよくわからん。テメェの口から聞かせろ」

「………、」


もちろん聞きたいことはいくつかあるが、この状況で投げかけたいことはひとつしかない。
でも、言葉に出していいか迷う。

―――伝わっているのはわかっていても、迷う。

怖い。


可能性がどれだけ大きくても、ないといってしまえばそれはゼロになる。



「わ、私のこと………、ど、どう思ってるんですか……?」



744 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 12:17:54.77 ID:LOsYNK/Mo


「………、」


瞬間、垣根の表情に透明な絵の具が貼り付けられた。
そうして今度は押し黙ってしまう。
直前に何か、意識からはみ出した情報があったような気もするが、読み取ることはできなかった。


「あ、ええと……、ちがうんです、その……。へ、変な意味じゃなくって」

「……、」

「つまりですね……、な、なんて言えばいいのか……、私の気持ちは……」

「……、はっ」

「えっ……」


次の言葉を捜していたそのとき、垣根の手が初春のイヤホンに伸びた。

離れる合図。

足の支えを失った垣根が初春に倒れこむ。シャットダウンというやつだ。


「……垣根さん……?」

【今日は帰る。悪かったな】


やや離れた位置で携帯の文字がささやいていた。



745 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 12:25:43.85 ID:LOsYNK/Mo

車椅子まで肩を貸して、垣根を運ぶ。
玄関先におきっぱなしのそれは、すっかり持ち主に馴染んでいる。


「お、送ってきますね」

【一人でいけるさ。またな、初春】

「そう……ですか」


携帯電話の文字はかわいらしいフォントで表示されるようになっているのに、浮かび上がった言葉から明確な拒絶が感じられた。
一人にしてほしい。こういうときは決まってそう続くのだ。

これ以上何かを求めても、妙な空気が流れるだけだろう。

初春も深く追求することなく、彼の背中を見送った。


――――――


(…………、…………)


ばたん。

扉を開いて玄関先で立ち尽くす初春。
もやもやした気持ちは、こんなことで解消されるはずもない。
むしろ余計に大きくなったような気がする。

初春だって女の子なのだから、惚れた相手に気持ちをかき回されるのは少しもおかしなことではないのだが。


(……、何なんだろう、私って)


それが。

―――それが、欲張りな気持ちであることはわかっていた。



746 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 12:33:36.01 ID:LOsYNK/Mo


(だめだよ、私のばか―――)


自分は垣根帝督の側にいるだけで幸せだ。
その気持ちは変わっていない。むしろ大きくなっている。

二人で遊んだり、じゃれあったり、

―――キスをしたり。

初春の心にともった小さな炎の色は、蒼かった。
決して派手に火花を散らしたりはしない。だが、その温度はもはや管理することのできないところまで達している。

ついさっきまでは「深追いはしない」だの、「話せるときに話してもらおう」だの、体のいい言い訳をしていたというのに、だ。


(……、よくないな……こんなの)


座り込んでしまう。


―――正直、依存している。


垣根帝督がどうなのかはしらない。もちろん、初春が相手に依存されているところはあるのかもしれない。
彼の生活にとって、もはや自分はなくてはならない存在になっている。

だけどそれはハードの問題だ。物理的なもの。形だけのもの。


(その、“依存されている状況”に、私は依存してるよね)


まじめな初春にとっては忌むべき問題だった。



747 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 12:40:21.41 ID:LOsYNK/Mo

では逆に、垣根に自分は何を求めているというのか。
何を欲張っているというのか。

その欲張りの正体にはもちろん、初春も気づいている。


(一言でいいのに。……一言で、いいのにな……)


初春が聞きたかったこと。別に自分の思い通りでなくてもいい。
そのときは傷つけばいいのだから。でも、あんな風にそらされたら余計に気になる。

何かいえない理由があるのか、とか。

もしかしたら自分のこと、とか。

―――甘えてるだけ、とか。



(名前をつけてほしいんだ、私。私と垣根さんにもそうだし、私の、垣根さんの中での、居場所に―――)



ここまで踏み込んだ関係になっておいて、



キスまでしておいて、



抱きしめて、意識を共有して、自分を恋に落としておいたくせに―――。






(私は―――、垣根さんの何なんですか?)






………

……





752 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 13:58:46.35 ID:LOsYNK/Mo

                                   ※


(バカ春。―――テメェだけ悩んでるわけねぇだろうが)


垣根帝督は嫌になるくらいの光の中、学園都市を車椅子で徘徊していた。
学生として登録されているのかどうかすらもはやあいまいだったが、一応のところ住処はまだあった。

費用については口座から引き落とされていたらしい。


以前の彼の能力は唯一無二のものだった。
得られる科学的な価値は計り知れない。その分だけ、富が舞い降りる。そんな生活。


(………ふん)


すれ違う人間が奇妙な顔つきで自分を見る。



この視線だけはいつまでたっても慣れない。馬鹿にしてるやつもいるだろうし、哀れんでいるやつもいるだろう。
どこかのお花畑中学生みたいに、もしかしたら手を差し伸ばしてくる輩もいるかもしれない。

以前なら、悪態をついてそれで終わりだ。でも今は、違う。


(弱点が増えたとも言える。あのときまでは、くだらねぇ体。くだらねぇ生活。くだらねぇ毎日だった)



当初は学生服を着て生活しようと思っていたが、正直車椅子の生活ならば手術衣のほうがしっくりくる。
開き直りにも近いだろう。


だが。

たとえそうであっても、あの時、博士を追い込んで元の体を捨てたこと自体には後悔はしていない。



753 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 14:11:10.92 ID:LOsYNK/Mo


(―――俺だって馬鹿じゃねえ。テメェが抱いてる色も形もないそれの名前くらい知ってる)


無垢な少年ならば戸惑って、ここで哲学的な思考に迷い込んでいたかもしれない。
だが、垣根帝督は少なくとも、相手の心に映ったそれを理解するくらいには成熟している。

―――どこかの誰かとは、違う。

だけれど、自分が抱いている気持ち。
初春飾利を自分の中のどこに位置づけていいかがわからないのだ。

キスをしたら、心は落ち着く。

手をつないだら、心は落ち着く。

つながったら、―――やはり同じ。


でもこの暖かい気持ちに軽はずみに乗りかかっていいのか。
本末転倒のように思えるかもしれないが、つまるところ垣根帝督は急激な自分の心境の変化に戸惑っている。
それもそうだ。学園都市の暗部生活に長い間身をゆだねていた。

そして転落。そこからの復活。胸に残ったもの。

いったい誰がこのジェットコースターに混乱せずにいられるというのか。


(くだらねぇよ。くだらねぇよな。俺は誰だ? 誰だと思ってる。ふざけるな。暗部にいた人間だ。適当にすればいい。
 ごまかして、利用して、うそをついて、―――踏みつければいい。なのに、なんでこんなことを真面目に考えてる。馬鹿か、俺は)


(何なんだ。認めるのが嫌なだけじゃねぇ。俺は―――俺じゃなくなる。何にこだわってるか? それも……わからねぇ)


(恋だの愛だのを否定する気もねえが、積極的に肯定する気もねぇ。だけど、だけど何なんだ)


(何にこだわってる。垣根帝督。お前は何を―――忘れてる)



疑問が浮かんでは消えていく。



754 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 14:26:19.27 ID:LOsYNK/Mo

胸のうちの何かが、彼が初春飾利に依存するのを恐れている?

―――違う。

依存した関係はすでに出来上がってしまっているのだ。
できあがってしまったそれに、名前がつけられないのだ。

―――なぜ?


(……、あいつの前で、一言いうのは簡単だし、実際できるかもしれない。でも、許さない俺がいる。俺は、まだ俺を捨てていない。
 捨てられないものと、捨てたい気持ちがどこかでぶつかっている。そうとしか考えられねぇ)


その通り。

できあがってしまった関係に向き合うことで。

その暖かな感情に素直になったときに、失うものがあるから、恐れるのだ。


―――では、何を?

垣根帝督は何を恐れている。すべてをなげうった自分が。

能力や体の自由、暗部としての生活、すべてをなげうった自分が。

何を失うことを、恐れている。何を失うのを恐れて、名前もつけられず、居場所にも答えられない。


(俺は……、何か大切なことから目をそらしている。その事実はわかる。わかるんだ。でも、それが何なのかがわからない)


思考を整理する。学園都市の光はまだ、まぶしい。


(俺の中にまだ残されていて、俺が手放せていないものの正体は―――)

「あれ、垣根さん?」


思考の迷宮に、不意に出口があらわれた。



755 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 14:45:18.32 ID:LOsYNK/Mo


「こりゃまた奇遇ですね。初春は一緒じゃないんですか?」


―――佐天涙子。

初春飾利の親友。
それなりに交友はあった。何回か三人で会ったこともある。

ふざけた振りが得意なタイプ。
初春を二人でいじるのは、楽しかった。なかなかに相性はいい。

彼女をダシにして初春に焼きもちをやかせるのが好きというのは、今のところ秘密である。


【あいつは引きこもり体質らしい】

「ぷっ。なんですかそれー! 新しいいじり方?」


冗談を飛ばすのは毎回のことだった。垣根は車椅子をとめてリラックスした態度を無理にでもとってみせる。
どうやら相手も帰宅途中らしい。「押しますよ」の一言で垣根は車椅子を預けた。


「だいぶよくなったんですね」

【何が?】

「体調。ほら、いろいろあったみたいじゃないですか。……私はその、蚊帳の外でしたけど」


ははは、とおどけて見せるのがなんとなく、らしいといえばらしかった。
佐天が能力に対してコンプレックスがあることは理解している。

自分が初春と出会う前にいろいろとあったらしい。
そしてその末、彼女なりにそれを乗り越えたというのも、初春から聞いている。




756 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 14:51:42.58 ID:LOsYNK/Mo


「まぁほら、あたしがいてもすることなかったですし」

【そりゃわからねえな。テメェがいたらそれはそれで愉快だったかもしれねぇぜ?】

「え?」


佐天に見えるように、携帯の液晶をつきつける。
こちらは一人でいるときのための、意思表示ツール。


【少しからかっただけで顔を赤くしやがる。あのときもそりゃあ見事なリンゴ面だった。テメェがいたらもっと膨らんだかもな】

「………、あはは」


声のトーンを聞いて、失言だったかと戸惑う。
フォローをしたつもりだったが、逆効果だっただろうかと。

だが、その実は違った。


「その……、あたしが言うにも何ですけど……」

【……あ?】

「初春の気持ちも……、考えてあげてください」


ぐさり。

遠距離からテレポーターに攻撃されたのかと錯覚する。
一番言われたくない台詞。

それでいてど真ん中に刺さる台詞。


「あ、いや! 垣根さんが、考えてないって意味じゃないんですけど……」

【かまわねぇぜ。続けてみろよ】


威圧感を出さないように告げるのは不得意だった。



757 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 15:09:17.37 ID:LOsYNK/Mo


「あいつ……、世話好きなくせに不器用だから、うまく気持ちを伝えられてないと思うんですけど」

【………】

「でも、心はすごくきれいな子だし、まっすぐだし、垣根さんのことだって、……ああ、だめだ、あたしが言っちゃだめ」

【そんなの、知ってる。あいつの気持ちもな】

「……、え」


足が止まったところを見るに、先ほどの初春との一件は本当にタイミング的なものだったのだろう。
思惑とは別方向、垣根帝督には初春の気持ちが痛いほど伝わっていた。

光の速度で。直感するよりも、早く。


【……、テメェには悪いが、……、いろいろあるのは、あいつだけじゃねぇ】

「そっ……そうですよね! あははー、あたしすぐにこうやって……」


―――そうして佐天は車椅子を前に進める。


―――こうやって、いつものように暖かい感情に寝そべって。


【それより、そっちはどうなんだ。ハブられてしょぼくれてたんだろ】

「……、うーん、垣根さんやっぱ意地が悪いなー。それじゃあ初春しか落とせないわけだ、うん」


―――うるせぇ、と念じて、他愛のないやり取りをして。


「うわ、今日混んでるなぁ道……」

【初春がいたら『未元物質』でふっとばせるんだけどな】


―――家までの岐路の途中、人通りが多いこの道で。




          神はサイコロを振ったに違いない。



「というか! いいんですよ、私は。ほら、初春の好きな歌と一緒です! 

           ナンバーワンに、ならなくても―――――――――」



その瞬間、その言葉。すべてがリンクする。
垣根の視界にうつったものは、


        ――――――白い影。



758 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 15:17:07.93 ID:LOsYNK/Mo


    「―――引っ張るな。タダでさえクソみてェに混ンでやがるンだ」

  「どうして? はぐれたら大変なんだよってミサカはミサカは訴えてみたり!」


                ―――、―――、―――。


          (……………ッ!!!!!!!!!!)


思考が停止する。

見間違いのしようがなかった。

すれ違った。確かに。今、この瞬間。


ここに、いた。

同じ空気を吸っていた。


「垣根さん? 垣根さfagapknん? fnhafmhak―――、―――」




佐天涙子が後ろで何かを言っているが、もはや垣根には届かない。

周りの風景すら灰色になる。

次に、墨汁が真っ白な布の中心からジワジワと広がるような感覚を覚え、直後に安定した。


             (そうか。………あはハはハハハハハ、そうかそうかそうかそうかそうかそうかそうか)


笑う。

笑ってしまう。


こんなにも単純で、唯一のものを、どうして忘れていたのか。



759 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 15:27:48.50 ID:LOsYNK/Mo


                       『ナンバーワンに、ならなくてもいい』



その歌は皮肉に響いていた。

忘れていたのは、そうだ。唯一無二の、絶対的なプライド。
捨てられないのは、そうだ。垣根帝督を包む、病的なまでのコンプレックス。
それもこれも、すべてはあの日、あの瞬間にはじまったこと。
なぜ今まで気づかなかったのか。

理由は簡単だ。自分が甘えていたから。
逃げていたから。

垣根の思考が収束する。AIMの波が一定のパルスを刻み出す。
血管が収縮して、どこかで破裂している。懐かしい感覚を取り戻す。

忘れていた、捨てられなかったあの闘争心。



(だめだな。初春飾利。俺はやっぱり俺だ。捨てられねえ。譲れねえ。俺に二文字を刻んだあのクソヤロウを、思い出しちまった)



「ど、どうしたんです? 垣根さん、気分でも―――」



パァン!!!


液晶画面にあふれた文字を確認するや否や、携帯電話の画面が破裂する。
周囲の人間が驚いて一瞬立ち止まるが、すぐに人通りは元にもどった。
片手で「気にするな」のジェスチャー。進む車椅子。


そして。


点滅する壊れた液晶。



【殺す。殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す―――ッ!!】



………

……





760 : ◆le/tHonREI :2011/02/05(土) 15:29:22.24 ID:LOsYNK/Mo
今日はここまで。なんだか途中わかりにくいところがあったかもしれません。申し訳ない。
あと後半戦は間にちょこちょこ小話でもはさんでいこーかなーと思ってます。
続きはまた近々。お疲れ様でした。



763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/05(土) 15:34:08.45 ID:uvKyuEyDO
リアルタイムktkr
ニヤニヤしながら見てたら路線間違えて目的地と真逆の電車に乗ってたぞどうしてくれる




768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/05(土) 17:03:50.50 ID:5bEmZNU/0
ぅぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおつ
垣根が男前すぎる。そうだよな、1位じゃなきゃダメだってプライドとコンプレックスが垣根の本質だよな。




771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/05(土) 19:24:58.07 ID:wGBv6LQ/o
うおおおおおおおおっしゃぁぁぁぁぁ!!!
この二人の邂逅を待ってたぜええええ!!!




770 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/05(土) 18:10:11.53 ID:MDekgVjCP
やっぱり上条さんに殴られないと校正は無理なのかー



772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/05(土) 19:45:47.62 ID:oR6rslzV0
 面 白 く な っ て ま い り ま し た



775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/05(土) 21:58:23.20 ID:5bEmZNU/0
堕ちた天使・垣根帝督と超天使・初春飾利が出会うとき、物語が超始まる・・・



776 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/05(土) 22:24:45.89 ID:RMXokQepo
後編のイントロを改めて読んだら泣きそうになった。
どんな結末であっても、二人が溶けてしまわないことを祈ってる。




778 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/05(土) 23:10:01.80 ID:5bEmZNU/0
よくよく考えれば、二人とも補助無しだとかなりの障害者だね。
上半身は力のある車イスていとくんと、杖歩行貧弱アクセラレータのヨロヨロ合戦だったら、結構いい勝負じゃね?




786 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/06(日) 23:53:52.95 ID:NGP0DRJw0
チョーカー型デバイスの電池制限15分と、初春の活動限界15分。
最後は殴り合う障害者。呆れ顔の初春と打ち止め。帝春の方がラブの大きさで勝ちだな。




789 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/07(月) 02:43:16.98 ID:UxUbLxkTP
でも一方通行ってステイルを一発で倒した上条さんのパンチを数発耐えたよね
タフネスはそれなりにありそう




790 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/07(月) 10:09:01.31 ID:f69tlyxAO
>>789
ステイルは顔に衝撃食らうと回転して気絶する特別体質




791 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/07(月) 16:42:00.57 ID:KeaT9qst0
>>790
真のモヤシはステイルだったのか




813 : ◆le/tHonREI :2011/02/13(日) 16:56:25.39 ID:VXvxGJ8Vo
ちっとばかし早いがこの俺のバレンタインに常識はねえ



814 : ◆le/tHonREI :2011/02/13(日) 16:59:28.17 ID:VXvxGJ8Vo




                    #TIPS2:『Temps doux et amer』




初春「………ふう」

垣根【……】


初春「いやー、なんていうか、やっぱり正解でしたねっ、垣根さんっ」ニコニコ

垣根【………】


初春「おや? おやおや? どうしたんでしょうねー垣根さん、元気ないような」ニコニコ

垣根【………、………】



初春「白井さん、なんだか垣根さんが元気ないです、なんででしょう」

白井「はぁ、そうですわねえ、なんででございま……ふんッ!!」カコーンッ

初春「佐天さん佐天さん、垣根さんがですね……」

佐天「うへあっ!? あーまた取られちゃった。やっぱりうまくスマッシュ打てないなあ」

白井「こういうのは力任せに振ってもだめですのよ。空気抵抗と球のとらえ方によりますの、ふふん」

佐天「あっちゃー、だからかあ。よーしもう一回!!」

初春「あははは、二人とも楽しそうでなによりです。ね、垣根さん」

白井「おほほほほ甘いですのよーーー!! いただきですのよーーー!!」カコーンッ!!

佐天「ひゃああああ!? また速くなってる!?」



垣根【………おい】



816 : ◆le/tHonREI :2011/02/13(日) 17:01:28.58 ID:VXvxGJ8Vo


初春「ほら、私たちもやりましょうよ! 卓球やるのなんて久々です! 
    ここはゲーマーとして燃えてきました、うんうん」

垣根【………おいっつってんだろ】

初春「え? どうしたんですか?」

垣根【……だ・か・ら・よ。テメェな、今が戦争中ってのは知ってるんだよな】

初春「へ? あ、……いや、まぁ……はい。そうでしたっけ?」

垣根【そうでしたっけじゃねえよ!!】ポカッ

初春「ひいっ!? じょ、冗談ですよ……。ほらなんていうか、実感薄くて……あ、あは」

垣根【テメェはジャッジメントだろうが! つまりな。俺たちは今どこにいるんだよ。言ってみろよコラ。ほら早く】

初春「え、……あはは」ポリポリ

垣根【ごまかすんじゃねえよッ!!! バカ春っ! ボケ春っ!!】







初春「…………、お、温泉……ですけど?」



817 : ◆le/tHonREI :2011/02/13(日) 17:03:21.74 ID:VXvxGJ8Vo

垣根【ですけど? じゃねえよクソボケ!! 
    どこの国に戦争中に温泉旅行いく馬鹿がどこにいるんだよ、あぁ!?】

白井「ここにおりますの。車椅子にのってますわね」カコーンッ

佐天「手術衣を着てたりしますねー!」カコーンッ

垣根【……ぐっ】



初春「……そ、そんな怒らなくてもいいじゃないですかぁ……。
    それに……、気を遣って一応、い、一泊だけにしましたし……」

垣根【バカ、怒る怒らない以前の問題だろうが。テメェらは風紀を守るジャッジメントだろ? 仕事ねえのかよ……】

初春「今日明日だけ無理いって、お休みもらったんです」

垣根【どんだけ適当なんだよ!!】

佐天「でもこれ、垣根さんの退院祝いって名目だったじゃないですか。ねー初春」

初春「!」コクリコクリ

白井「まあ、色々あって延期になっていましたし。休養も大事ですの」

初春「!!」コクリコクリ

垣根【ちっ。……ったく、退院してからの第一声が、
    『垣根さーん温泉いきましょそうしましょ、明日です荷物まとめておいてください』ってどういうことだこのバカ】

初春「あだっ! な、殴らないでくださいよう……、垣根さんのばか」

垣根【ふん】




垣根【つかよ、テメェら身内は超電磁砲と付き合い長いんじゃねえのかよ】

白井「あいにくとお姉さまは音信不通ですの。わたくしとしてもたいっっっっっへん不本意ですのよ」

垣根【……、テメェは口だけは減らねえよな、黒井腹真っ黒子】

白井「まったく、どこで何をしているやら……」ブツブツ

垣根【な………!! む、無視しやがった……!! こ、こここ、この俺を………!!】

初春「まあまあ」ナデナデ



818 : ◆le/tHonREI :2011/02/13(日) 17:05:04.64 ID:VXvxGJ8Vo

佐天「というか御坂さん、寮に戻ってないんですか?」

白井「ええ。ちょっとここのところわたくしも忙しくて寮を空けていたので……。
    また妙なことに首をつっこんでなければいいんですけれど」

佐天「いうても戦争中ですしねー。ほいっ!」カコーンッ

白井「ああっ!? ふ、不意打ちは卑怯ですのよーーーーーーっ!!」

初春「……とっ、とりあえず私たちも卓球やりましょ? 温泉といったらまず卓球ですよね」

垣根【付き合いきれねえな。はー初春、喉渇いた。外いくぞ外】

初春「え……、あ、はい……」

白井「……あらぁ?」

垣根【あ?】



白井「ほーほー。なるほどなるほど」

垣根【………なんだその目は。格下を見下すようなその目は。見逃せねえぞ】

白井「いやぁ? 垣根さんはあれですのね、……ぷぷ」

垣根【……あぁ??】

白井「いやいやいやいや、いいんですのよ、うん。
    そうですわよね、二人でゆっくり甘えたいお年頃という………ぷぷぷ」

垣根【な、なんだと……? おい待てコラ聞き捨てならねえはっきり言いやがれこの変態女】

白井「なっ……へ、へ、へ変態とはどういう言い草ですの!? とんだ言いがかりですわねまったく」

垣根【いやテメェはどう見ても変態だろ。


             ―――変な写真集持ってたしよ】


白井「ぎくっ!!」

初春「ぎくっ!!」

佐天「??」



819 : ◆le/tHonREI :2011/02/13(日) 17:07:26.21 ID:VXvxGJ8Vo

白井「う……、初春あなた、まさかあれを……」

初春「さ、さーて私はちょっと外の空気を吸って、それからお風呂でも入って、
   そうです温泉に来たからにはまずはおんせへぶおぁっ!?」ボコッ

佐天「おー、いいスマッシュ!」

白井「ふう。……これはハッキリさせたほうがよさそうですわね」

垣根【……やるってのかガキ】

白井「上等ですのよ」



垣根【ハッ。大能力者風情が調子のんなよコラ】

白井「あらあら。負け犬ほどよく吼えるものですのよ? 垣根さんこそ平気ですの? 
    相当なハンデがおありのようですけど?」

垣根【バーカ、テメェは所詮レベル4の雑魚だからな? 車椅子くらいのハンデが丁度いいんだよ?】

白井「まあ? メルヘンとして有名な垣根さんのことですし? 言い訳を作っておくのは大事だと思いますの?」

垣根【おーおー、吼えるな? 雑魚がよ? あームカついた? ひさびさにムカついた?】

佐天(なんで会話が疑問系なんだろう……)


初春「い、いだだだ……。って、垣根さん!? な、なんか険悪な雰囲気に?!」

佐天「うーいーはーるー!」ダキッ

初春「ふぇっ!? な、なんで私に抱きつくんです!?」

佐天「(面白そうだから見てようよっ)」ヒソヒソ

初春「(なっ……、ま、またそうやって楽しみだして!)」ヒソヒソ



垣根【―――初春、そいつを貸せ。
    この腐れテレポーターに、俺のスマッシュに常識は通用しねえところを見せ付けてやる】

白井「―――ふん。そういうのを死亡フラグといいますのよ。
    佐天さん、この腐れダークマターに次元の差異を見せ付けてやりますの」


佐天(なにこれ……面白そう……!!)ドキドキ

初春(なんで? なんでこうなるの??)



820 : ◆le/tHonREI :2011/02/13(日) 17:09:15.29 ID:VXvxGJ8Vo


―――――数分後。


白井「よっしゃ勝ちましたのおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

垣根【……………ッッ!! …………ッッ!!!!】

初春「………えっと……垣根、さん……」

垣根【…………!!! な、ななな………!!】


白井「ハァハァ……。い、いやーなんというかアレですのね、ハァハァ……。
    いくら超能力者といってもまぁこの程度といったところでございましょ。
    さきほどまではあーーーーーーーんなにいきがっておられましたのに、
    実際のところの実力はミジンコより若干緑色くらいですのね、おほほ」

佐天「し、白井さん、言いすぎ言いすぎ……」


垣根【………ふ、ふふっ】

初春「………?」

垣根【………ふう。いやあ、まあ、今のはな、ほらあれだ、花を持たせてやるっていうかよ。
    さすがに弱い者いじめになっちまうしな。そうだよな初春】

初春「え……、」

垣根【そうだよな初春。俺は小物は見逃すよな。そうだよな】

初春(か、垣根さんの目がすわってる……!)

初春「そ、そうですよね! 垣根さんは本当はす、すごいんですよね! す、すまっしゅとか!
   だーくまたーあたっくですよね!」

佐天(な、なんだろうそれ………)

垣根【そうだ。俺はすごいんだ】

初春「あっはっは!」

垣根【あっはっは!】





白井「あら、言い訳は終わりましたの?」


垣根【】カチンッ

初春「あっ」

佐天「あっ」



821 : ◆le/tHonREI :2011/02/13(日) 17:11:37.81 ID:VXvxGJ8Vo

垣根【………おい初春飾利】

初春「は、はい」



垣根【―――つなげ】



白井「いっ?!」
佐天「へっ!?」
初春「え”っ!?」


垣根【は・や・く・し・ろ】

初春「つ、つなぐったって……い、今ここでですか……?」

垣根【いいからつなげ早くつなげテメェ仲介人だろなんとかしろすぐに電脳空間にダイブしろ俺と脳波を共有しろ】ユサユサユサユサ

初春「かかかかかかかきねささささんおおおおおおおちついてくださいいいいいいい」ガクガク



白井「(ま、まずいですの……! 正直やりすぎましたの!!! ど、どどどどっどどうしましょ!!)」

佐天「(だから言ったじゃないですか! そ、そんなにヤバいんですかあの人の能力!!)」

白井「(やばいってもんじゃありませんの!! じょ、序列元第2位ですのよ!? お姉さまより上ですのよーーーーー!?)」


白井「わ、わたくしちょっと温泉に入ってこようかと……」

佐天「あ、あっはははは! あたしもなんだか汗かいちゃったし温泉に………」



キィーーー………ーーン!!!!



白井「!?」
佐天「!?」



垣根「………おい、待てやコラ。逃がさねえぞ。能力解禁でもっかい勝負だクソが。だーれが負け犬だぁ?」

白井「で、ですからわたくしは温泉に……!!」

初春「………ごめんなさい、付き合ってあげてください……」

白井「な、何でこうなるんですのーーーーーーー!!!」

垣根「うるせえ。テメェはここで絶望させてやる」


仲居「あの、お客さんそろそろお荷物をお部屋に運んでもらいたいんですが………」

垣根「俺のスマッシュにその常識は通用しねえ。行くぞ初春!!」

初春「はぁ……」

仲居「あの……」


………

……





822 : ◆le/tHonREI :2011/02/13(日) 17:12:40.06 ID:VXvxGJ8Vo


――――――


初春「よいしょっと」

佐天「わー! 結構いい部屋じゃん! 広ーーい!」

白井「まあ確かにこの戦争真っ只中に温泉に来る輩などいませんし、格安で提供してもらってますの」

垣根【だから誰もいねえのか。妥当だな。いいじゃねえか、女どもで使うなら広すぎるくらいでよ】

初春「とりあえず浴衣に着替えて、温泉いきましょう温泉! その後はご飯たべてー、夜はゲームゲーム♪」ガサゴソ

佐天「……初春またゲーム持ってきたの? マニアだなーほんとに……」ガサゴソ

白井「ふ、ふふふ……この日のためにお姉さまの部屋から盗み出したこの……くふ……ふふふふ」ガサゴソ



垣根【―――で、初春、俺の部屋はどこだ。だりーから少しだけ横になりたいんだが】

初春「あっ、垣根さんの浴衣は私が着せてあげますからね。もうちょっとまっててくださいね」

垣根【は? んなもんいい、じ、自分で着れる。ってかそうじゃねえ。俺の部屋はどこだよ】


白井「?」

初春「?」

佐天「垣根さんの部屋?」

垣根【…………あ?】



823 : ◆le/tHonREI :2011/02/13(日) 17:13:44.61 ID:VXvxGJ8Vo

白井「そんなもんあるわけがありませんの」

垣根【な、何……?】

初春「ごめんなさい、一人になりたかったですか? 
   でも、人数も丁度四人だし、安いといってもお金がかかりますし」

垣根【そんなもん俺の口座からぶっちぎればいいだろが。ていうかそうじゃねえ!】

白井「?」

初春「??」

佐天「………ははん」ニヤニヤ


垣根【いや、だからよ、テメェらは女だろうが】

白井「は? 何を当たり前のことを」

初春「垣根さん変ですよ」

垣根【い、いや……、それで俺は男だろうが】

初春「知ってますよ」

白井「さっきの卓球で頭でも打ちましたの?」

佐天「………ぷっ……くく」



824 : ◆le/tHonREI :2011/02/13(日) 17:16:37.34 ID:VXvxGJ8Vo

垣根【だから、着替えとか、寝るときとか色々あるだろうが。そういうの】

垣根(暗部にいたときは男女混合なんざ当たり前だったけどな……)

初春「なんだ、そんなことですか。着替えなら目をつぶっていてもらえばいいだけですし」

白井「垣根さんなら寝ていても襲われる心配もありませんの。何を思春期の中学生みたいなことを」

垣根(な、ナメてやがる……! 麻雀の安全牌を切るときの感覚だろテメェ黒井黒子……!!)

初春「垣根さんのえっち」

垣根【………ぐぐっ】

垣根(な、なんで俺がガキみてえな扱いになってんだ……?!)


佐天(……………、)

佐天「……そうですよねー、初春も気を遣えって話ですよねー」

初春「えっ」

白井「えっ」

垣根【?】



佐天「いやほら、垣根さんくらいになるとあれですよね。
    初春が夜中に寂しくなったときに、こっそりたずねてくることを考慮してたりするんですよね?」

初春「なっ……!? なんですかその無茶な理由づけは!?」

垣根【………! ……おー、そうだそうだ。初春は寂しがり屋だしよ。テメェらの前じゃ甘えられねえだろ。
   そういうときのためにだな、別室が必要だっつー話だ】

初春「ちっ、違いますっ! わ、わたわた、私は寂しがり屋じゃありません!
    むしろそれは垣根さんのほうであって……」

佐天「そういえばこいつこの前言ってましたよー、お花畑に迷い込んだみたいな顔しながら、
    『か、垣根さんっていい匂いするんですよ……。なんていうか、あ、安心します……』とかなんとか」

初春「ぎゅああああああ佐天さんそれは秘密って言ったじゃないですかああああああああ!!!」

白井「……ほおおおおおおお???」

垣根【ったく、これだからガキんちょは仕方ねえよな。やれやれだぜ】

佐天「やれやれだぜー」


初春「う、ううう……、二人ともひどいですよ……ぐす」

佐天(あぁんすねてる初春かわいいよう!)

白井(どっちもどっちですの……。まったく……)


佐天「じゃ、浴衣着替えて温泉いきましょっ」

垣根【外出てる。着替え終わったら呼べ】

白井「そうそう、さすがに温泉は別々に入るんですよ(キリッ」

初春「えっ? でも垣根さん、大変そうだし……」

白井「これ以上いちゃいちゃすんなやゴルァアアアアアアアアアアアアアアア!!」


………

……





825 : ◆le/tHonREI :2011/02/13(日) 17:17:43.07 ID:VXvxGJ8Vo


―――――女風呂。


佐天「ふう」

初春「はあ」

白井「ほう」


カコーン………


初春「いやはや極楽ですなあ」

佐天「初春おっさんくさいよ」

初春「垣根さんちゃんとお風呂入れてますかねー」

佐天「四苦八苦してそうだけど平気じゃない? 『意地でも一人で入る』って言ってたし」

初春「むー。広いお風呂だから溺れてないか心配です……」

佐天(あんたは母親かっつの………)



白井「でもまあ、やはり広い湯船はなぜかリラックスできますわね」

佐天「あたしこの、湯船に入る瞬間の感覚が好きなんですよね」

白井「あっ、ちょっとわかりますの」

初春「じわーって、体に馴染む感じですよね」

佐天「そうそう。ちょっと熱くてもさあ、あの感覚がやめられないよねえ」

白井「かといってずーっといるとのぼせてしまいますの」

佐天「こう、入った瞬間に、ふうううううっって息はくのがまた、………くうー! クセになりますねー!」

白井(さ、佐天さんのほうがおっさんなのでは……?)


初春「でもそれってなんだか真理っぽいですよねー。




          なんでも、入る瞬間が一番気持ちいい、かぁ………」




佐天「!?!?」バシャッ
白井「!?!?」バシャッ



826 : ◆le/tHonREI :2011/02/13(日) 17:18:31.93 ID:VXvxGJ8Vo

初春「………ってあれ? へ? 私なんか変なこと言いました?」

佐天「う、ういはる……」

白井「も、もう一回言ってみてくださいですの……」

初春「え? どれですか? 

      

          は、入る瞬間が一番気持ちい………って……!?」



佐天「」
白井「」


初春「ちっ!?!? 違いますっ!!!!! な、ななななな何を卑猥な想像をしているんですかっ!?」


佐天「…………、」

白井「…………、」


初春「やめてくださいよおおおおお!! 汚いものを見る目つきで私を見ないでくださいーーー!><」

佐天「垣根さん……、やっぱヤリ手なんだなあ……そうだよなあイケメンだしなあ」

白井「ジャ、ジャッジメントとしてこれは……ううしかし、初春を拘束するのはさすがに気が引けますの……」

初春「だから違うって言ってるじゃないですかー!!! また都合のいいように解釈しおってからにーーー!!」


佐天「えっ違うの?」
白井「そうなんですの?」

初春「あ、当たり前じゃないですか! 私が垣根さんとつながったのは脳波だけです!!」

佐天「つ、つながる………」
白井「お、おういえーす、ですの………」


初春「もうやだこの二人………」ブクブクブク



827 : ◆le/tHonREI :2011/02/13(日) 17:20:08.65 ID:VXvxGJ8Vo

白井「ま、初春の言いたいことはわかりますのよ」

初春「?」

佐天「あれ、白井さんの哲学トークですか?」

白井「そんな大層なものではございませんけど。そもそも慣れというものは安定と怠惰をもたらしますの」

初春「安定と、怠惰」

佐天「てっつがくぅ」バシャッ

初春「佐天さんそれが言いたいだけでしょ………」


白井「最初の刺激はいつまでも続きませんし、刺激的だったことが刺激的に感じられなくなるのは、それはそれで健全といいますか……。
    別に悪いことではありませんの」

初春「ふむふむ」コクコク

佐天(初春ってほんと素直だなあこういうの)
    
白井「ですがそれはある種の警告かもしれませんわね。ちょうどよい距離というものを測るのが大切かと。
    甘ったるいだけのカンケイなんて、えてしていいことはないものですのよ。
    たまには顔をしかめるような渋みがあってこそ、よきカンケイを築き上げられるというもの」

初春「なるほど………」

白井「要はバランスですの。距離をはかるには、湯船につかったままではいけませんのよ、初春。ま、精進あそばせ」

初春「……むむむ、奥が深いんですねえ……」

白井「あとたまには色仕掛けをしてもいいと思いますの。多角的な刺激を与えてみるとか」

初春「………うー、でも私、色気ないですし……」

白井「それは装飾とかディティールでなんとかなりますのよ。今度教えますの」

初春「! ぜひ教えてくださいっ! 白井せんせい!」

白井「うむ、よきにはからえですの」

佐天(なんか途中から変な方向に話が……)



………

……





828 : ◆le/tHonREI :2011/02/13(日) 17:21:28.63 ID:VXvxGJ8Vo


――――――


初春「あれ、垣根さん? 先に出てたんですか?」

垣根【遅すぎんだよ。暇すぎてこのクソくだらねえゲームやるハメになっちまっただろうが】

佐天「あー! これ知ってるー! 日本舞台にして大金持ちになるやつですよね!」

白井「四人でやるゲームの王道ですの。ちなみに初春は一人でもやってますの」

初春「い、いらないこと言わなくていいですよ! 
    そうですね、まだ時間ありますし、ご飯までみんなでやります?」

垣根【はん、この手のゲームはさすがに負けねえぞ】

佐天(なにこれ……ていとく天使って………役職?)



垣根【テメェらって、あれだよな。木山と面識あるんだろ】

白井「あら。知ってましたの?」

初春「あ、私がちょっと、話しました……」

垣根【光の速度でな】

初春「もう」

佐天「あたしなんかはあんまりいい思い出ないんですけどね。……まぁ最後は仲直りしたけど」

垣根【幻想御手、か】

白井「そう考えるとなつかしいですわね」

佐天「……その、さっきの装置も、その原理なんですよね」

白井「改良は加えたといってませんでしたっけ」

初春「今のところ問題はないので心配ないですよ、佐天さん」

垣根(…………、)




垣根【おらっ、死ね初春】

初春「ぎゃああああああ!?!? か、鹿児島から出られなくなった!?」

白井「ではわたくしも」

初春「ああああああああ!! 今度はお金があああああ!!」

佐天「じゃーあたしもついでに」

初春「カード! カードが! ……なんで私ばっかりいじめるんですか!! ひどいです! 友達なくしますよ!!」

佐天・白井・垣根【「「テメェがダントツすぎるからだろうが!!」」】


初春「……………えへ」



829 : ◆le/tHonREI :2011/02/13(日) 17:24:39.97 ID:VXvxGJ8Vo


――――――


白井「そういえば木山は病院を出て行ったそうですわね」

佐天「えっ。そうなんですか? あたし会ってないや……」

初春「もともと垣根さんの治療のために呼ばれてたみたいです。今は研究に戻ってるのかも」

垣根【あの女は昔からあんな調子なのかよ。なんつーか、覇気がねえ】

初春「そういう言い方はだめです」ペチッ

垣根【いてえぞコラ】

白井「まーよくわからない女ではありましたわね。……信念は通ってたみたいですけれど」

佐天「できればもう少し前にあたしたちと出会っていればなー」

初春「過ぎたことを言っても仕方ないですよ。御坂さんでもそう言うと思います」

佐天「そういうもんかなあー」



佐天「それにしても人の出会いって不思議だねー。昨日会ったかと思えばもういなくなってるんだもん。
    お姉さんついてけないよ」

白井「この街特有の流れかもしれませんの。
    さらにいうなら、わたくし達の周りもまた、トラブルにことかきませんでしたし」

初春「垣根さんと出会ったのも、そういえばトラブルが原因というか……えっと」

垣根【あん? あーまぁ、そーだな。



            テメェが木山に呼ばれたときなんだろ? あんときは暴言吐いて悪かったな】



初春「え……、」

白井「あら、そうでしたの」

佐天「こいつ、最初メル友とか言ってたんですよー??」

垣根【はっ? なんだそりゃ、今時はやらねーだろんなもん】

初春「…………、」

垣根【……?】

初春「あ、あははは。だって恥ずかしいじゃないですかー! まったく……あはは……」

佐天「………?」


初春「ごっ、ご飯たべましょ! ちょっとゲームしすぎです!!」


………

……





830 : ◆le/tHonREI :2011/02/13(日) 17:26:12.99 ID:VXvxGJ8Vo


――――――――


初春「これで料理は全部ですか?」

仲居「はい。食べ終わりましたら外においてくださいませ」


垣根【なんだか急ピッチだな。一泊だから仕方ねえけどよ。しかしまあ、うまそうだ】

初春「びょ、病院食よりおいしそうですか……?」

垣根【そんなもん当たり前だろバカ】

初春(……ほっ)

白井「垣根さんは超能力者なわけですし、舌も肥えてそうですけれど」

垣根【一通りは知ってるが、まあうまいって感覚にはそこまで大差ねえよ。
    ある程度までいったら雰囲気と斬新さ、調和の度合いが味の決め手だ】

佐天「おおーなんかそれっぽいですね」

初春「さーさー食べましょう! ここはお魚がおいしいみたいですよー」

白井「いただきますですの」



垣根【うーん。まぁ……、うん。食える】

初春「な、なんて高飛車なことを……」

垣根【うるせえな。うめえっていえばいいのかよ。はいはいうまいうまい】

初春「………料理調べたりしなければよかった……」ボソ

垣根【あ?】

初春「なんでもないですー!」

佐天「てゆか初春なんで、『あーん』ってやらないの? いつもやってるんでしょ??」

初春「やってませんよ!?」

垣根【あーやってるな。最初に散歩したときもやってたな】

初春「なんで垣根さんが偉そうなんですか!!」



白井「……………けっ」モグモグ

佐天「白井さん、目つきが、目つきがおっさん」


………

……





831 : ◆le/tHonREI :2011/02/13(日) 17:30:34.56 ID:VXvxGJ8Vo


――――――


垣根【―――んでその後はゲームやったり初春をいじったりと】

初春「………!!」

垣根【ま、それなりに楽しめたわけだ。な? 初春】

初春「(しっ、静かにしてください……!!)」

垣根【いや俺しゃべってねえし】

初春「(うぐ)」

垣根【油断してただろ、テメェ】

初春「(だ、だって……、うう……さすがに……ううう)」ドキドキ

垣根【ばーか。寝るってなってからが本番だろうが。元暗部ナメんな】



佐天「うーん………むにゃ」zzz

白井「お………おねえしゃま……、は、はいるしゅんかんが、い、いちばんでしゅの……すぴー」zzz



垣根【こりゃ愉快だな。白井の額に肉って書いておくか。あ、雌のほうがいいな】

初春「(………、ば、ばれちゃいます……)」

垣根【お前も携帯でやり取りすればバレねえよ。てか腕枕。もっと近くがいい】

初春「(もお……、みんなの前だと強気なくせに……)」

垣根【うるせえ。俺はいつでも強気だ。早くしろよ。だいたいテメェが油断してるのが悪い。
    俺みてえな障害者に潜り込まれてるんじゃねえよ、ウスノロ】

初春「(………ああもう!)」カチカチ



初春【布団の中で むかいあって 携帯でやり取りって 多分世界で 初ですよ 私たち】カチカチ



垣根【馬鹿が、この背徳感を楽しめるようになれよ、ガキんちょ】

初春【ばかは そっちです】

垣根【いいにおいがする】

初春「っ!!」ビクッ

垣根【なんてな。……ん? 心臓の音が早いな。どうした初春飾利。がんばれ】

初春「…………、うう」



832 : ◆le/tHonREI :2011/02/13(日) 17:31:49.44 ID:VXvxGJ8Vo

垣根【―――で。さすがに布団の中に忍び込んでくるとは思わなかったか】

初春【思うわけないじゃないですか こんなの 普通の人なら しませんよ】カチカチ

垣根【だから常識が通用しねえんだって】

初春【やっていい非常識と やっちゃだめな非常識が あるんです】カチカチ

垣根【へー。これはどっちなんだよ?】ギュー

初春「…………、」ドキドキドキドキ

垣根【ほう。また音が早くなったな。大丈夫か初春飾利。もっとがんばれ】


初春【垣根さん 嫌い】

垣根【俺もテメェ嫌い】

初春【じゃあ 私は もっと嫌い 大嫌い】

垣根【じゃあ俺はもっともっと嫌い 超嫌い】

初春「…………、」


初春【ずるいです 垣根さんは】

垣根【ずるいとこが好き?】

初春【ばか なんで 今日は 意地悪なんですか】

垣根【いつものことだ。テメェはいじり甲斐があるからな。佐天涙子の太鼓判つきだ】

初春「(うう………、)」



白井「OHHHHHHH!!!! おっねえええさまあああああん!! HOT! HOT!!!」zzz

佐天「えっ………へあ……となかいっているんだあ……」zzz



垣根【………、】

初春「………、」



833 : ◆le/tHonREI :2011/02/13(日) 17:32:54.63 ID:VXvxGJ8Vo

初春【じゃあ 私も わがまま いいます】

垣根【へえ。言ってみろよ。そういやテメェには何かしてもらってばっかりだったな】

初春「(えっと………その……)」

垣根【……………エロいことするの?】

初春【ばか さいてい だーくまたー】

垣根【なんだよ早く言え。じらされるのは好きじゃねえ】



初春【う】



垣根【?】



初春「…………」



初春「…………………………」




初春「………………………………」




垣根【はやくしろっつの】


初春「(う)」

初春「(う……うでま、くら)」



834 : ◆le/tHonREI :2011/02/13(日) 17:33:56.73 ID:VXvxGJ8Vo

垣根【ぷっ】

初春「……!!!」

初春【笑いましたね 今笑いましたね 馬鹿にしましたね 垣根さんのばか】カチカチカチカチ

垣根【いや、別にいいけど。つか俺もやってもらってるけど】

初春【もういいです 一生いいません してあげません 垣根さんなんか知りません】カチカチカチカチ

垣根【おいおい落ち着けよ。わかった。たまには貸してやる。こっちこい】グイッ



初春「(あ)」

初春「…………、」


垣根【満足か甘えん坊】

初春【垣根さんに 言われたくないです】

垣根【―――あれだな。こういうカンケイは珍しいかもな】

初春【こういう カンケイ?】

垣根【別に大層な経験があるわけじゃねえが。なんていうんだ、俺とテメェはどっちが上でも下でもねえっつか】

初春【それは そうかも】カチカチ

垣根【楽でいい。本質的な意味でな。テメェはいじり甲斐もあるが、居場所としても安心する】


初春「(…………、)」

初春【かきねさんは】カチカチ


垣根【ん】

初春【やっぱり なんでもないです】

垣根【またかよ。テメェあれだな? 優柔不断で買い物するときめんどくせえパターンだな?】

初春【なんでもないんです!怒】

垣根【はいすねた。めんどい。はいめんどい】



835 : ◆le/tHonREI :2011/02/13(日) 17:35:10.66 ID:VXvxGJ8Vo


初春「……今は、甘いのかな……、苦いのかな……ううん……」


垣根【あ?】

初春【ねむいです ねます】カチカチ

垣根【ん。じゃあ適当に寝ろ。テメェが寝たら戻る】

初春【ねがお はずかしい】カチカチ

垣根【知るか】


初春「………」

初春「(クセになっちゃ、だめですよね……)」

垣根【?】

初春【おやすみなさい】

垣根【……、】


…………

……





836 : ◆le/tHonREI :2011/02/13(日) 17:36:26.59 ID:VXvxGJ8Vo


――――――


佐天「ねーねー! 出発する前に写真取りましょうよー! 浴衣で!」

垣根【俺が撮ってやるからテメェら並べよ】

初春「何言ってるんですか! 垣根さんがいなかったら意味ないです!
    仲居さんに頼みますから! ……すいませーん!!」

垣根【いや俺はいいって……】

白井「……このメルヘンバカップルは……けっ!」



佐天「うはーなんだか旅行っぽい!!」

垣根【おいこら。く、くっつくな初春】

初春「へー。昨日とは大違いですねー。へー」

垣根【テメェ待てそれ以上いったら殴るマジで殴る】

白井「………朝からいちゃこら……、けっ!!!」



佐天「垣根さんもうちょっと自然な顔にしなきゃ」

垣根【わかんねえよんなもん】

白井「アホ面でよろしいんでは?」

垣根【テメェは帰ってからまた卓球やってぶちのめす】

初春「……って垣根さん態度悪すぎです! ちゃんと足とじて! 手は膝の上!!」

垣根【な、なんだそりゃ、証明写真かコラ】



仲居「とりますよー」


初春「おねがいします! ほら、垣根さん笑顔ですよー」

佐天「いえーい! 温泉サイコー!」

白井「早めにお願いしますの。ふん」

垣根【…………、………、】



837 : ◆le/tHonREI :2011/02/13(日) 17:37:23.05 ID:VXvxGJ8Vo



垣根【………、】

垣根【―――、全然苦くねえっつの、バカ春】




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#TIPS2:終



838 : ◆le/tHonREI :2011/02/13(日) 17:38:19.54 ID:VXvxGJ8Vo
はいしゅーりょー!絵は無理いってお願いしてしまいました>< 感謝!
ハッピーバレンタイン!甘くて苦い恋をしてくださいませ。
ではまた次回。お疲れ様でした



842 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/13(日) 18:36:18.00 ID:fYHJHIqAo
くそがぁぁぁぁもげろリア充うわあぁぁぁぁぁ!!

おつ



843 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/13(日) 19:04:15.25 ID:mYxH/NAto
萌え禿げた


844 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/13(日) 19:36:27.79 ID:nWYMDasuo
うわあ・・・・これは乙だわ・・・・・・


841 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/13(日) 18:07:45.50 ID:VQMQpSdH0
よいしょぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお乙。

>初春【ばか さいてい だーくまたー】
超絶萌えた。初春超天使。



853 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/14(月) 19:58:39.69 ID:QgyR4/RAO
超乙。ところで佐天さんの寝言の意味がわからないのは俺だけですか?


854 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/14(月) 21:04:03.34 ID:yZUG+AsY0
佐天「えっ…何言ってるんですか、トナカイは架空の動物ですよね?
   あんな空飛ぶ生き物いるわけないじゃないですか!」

とある“ラジオ”の超電磁砲 第12回より



856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/15(火) 18:19:37.53 ID:Mx8AQgM2o
ああ中の人はそういう人だったな・・・
家電製品っつってんのにトイレって答えたり



846 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/13(日) 21:13:59.08 ID:hxfd9cmDO
乙!
不思議とハーレムな感じがあまりしないのはこのメンツ故なのだろうか
ところでチョコより甘~いお二人に寒空のロシアで激戦中の第一位様より無糖の激苦ブラックコーヒーをプレゼントだそうです



862 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/17(木) 22:52:11.76 ID:313dVpYP0
ていとくん初春があのお嬢さんだって気づいたらどういう反応するんだろう
ドキドキだぜ





次→初春「花束をあなたに」

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アルター 2011/3/10

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禁書目録SS   コメント:12   このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント一覧
3693. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/02/20(日) 12:23 ▼このコメントに返信する
続ききたー
3694. 名前 : 名無し@SS好き◆YqzQT8Bs 投稿日 : 2011/02/20(日) 12:37 ▼このコメントに返信する
ひいっやっほおおおおおおおう新作きたあああああああああああ!
3698. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/02/20(日) 14:00 ▼このコメントに返信する
びゃああああ甘いぃぃぃぃぃぃ!!
3701. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/02/20(日) 17:27 ▼このコメントに返信する
手術衣って手術する時に医者が着る方だよね。
3710. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/02/20(日) 23:51 ▼このコメントに返信する
いいじゃないか
いいじゃないか
3722. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/02/21(月) 08:23 ▼このコメントに返信する
相変わらずこの作者はぁああああああああああ!!!
最高すぎて大好きだぜ!!!!!!
3762. 名前 : 名無しさん@ニュース2ちゃん◆- 投稿日 : 2011/02/22(火) 01:36 ▼このコメントに返信する
待ってたああ是えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!
あまいぃ!!甘いよぉお!!!甘すぎて糖尿に成っちゃうううう紆余おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
3857. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/02/24(木) 14:31 ▼このコメントに返信する
馬鹿な…俺のブラックコーヒーがクソ甘くなりやがっただとォ…?
オイオイオイオイどンだけ甘いンですかこの二人はよォォォ!!
4569. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/03/10(木) 17:12 ▼このコメントに返信する
完結してから読めばよかった…
続きはまだですか!!
5011. 名前 : 名無し@SS好き◆QfU8/X0I 投稿日 : 2011/03/21(月) 16:34 ▼このコメントに返信する
次回作から見直してきた。 鳥肌だわ…
5081. 名前 : chemis◆GgoiIYCg 投稿日 : 2011/03/23(水) 03:36 ▼このコメントに返信する
元々帝春(定温物質)は好きなのですが、この作品の完成度はすごいですね!
特に初春の補助による垣根帝督の能力復活に関する設定が一方通行と妹達の関係をイメージさせつつも片翼を初春が担うというより親密な補助にしているところが素敵でした。
次回作が完成されたようなのでこれから読ませていただきます。
8940. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/07/05(火) 19:25 ▼このコメントに返信する
温泉の画像はどういう流れ?
著者が本当に書いたのか、それとも支援絵を載せたのか、はたまた管理人の計らいか。
一つ目以外ならちと反応に困るんだが。
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