絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」その17

2011-05-18 (水) 09:02  禁書目録SS   1コメント  
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456 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/09(水) 22:27:12.59 ID:6q3Diq1So


~同日夕方 第7学区 とある病院~


結標 「はあ……結局何時間ああやってたのかしら……」

結標 「時間が経つのを忘れるって、ああいうことを言うのね」コンコン


<誰?


結標 「私」ガラッ

ショチトル 「あなたか。今日はどうしたんだ?」

結標 「貴女にまだお礼してないことに気付いてね」

ショチトル 「?」

結標 「お兄ちゃんとの交際を認めてくれたお礼」クスクス

ショチトル 「え、なっ、あ、あれは認める認めないの問題じゃなく、お兄ちゃんが決めた相手だから……」

結標 「でも、受け入れてくれたことには感謝してるから」

ショチトル 「う……」

結標 「で、ね。今日は感謝してる人に贈り物をする日なのよ」



457 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/09(水) 22:28:44.20 ID:6q3Diq1So

ショチトル 「? 話に聞いていたのだと、女から男に渡す日だと」

結標 「細かいことはいいのよ。ほら、受け取って」

ショチトル 「これは?」ガサガサ

結標 「チョコレートよ、手作りのね」

ショチトル 「あ、ありがと……そうだ。あの、これ、私から」

結標 「買ってきたの?」

ショチトル 「看護婦さんに手伝ってもらって。お兄ちゃんに渡しておいてほしい」

結標 「……ダメ」

ショチトル 「なぜ?」

結標 「こういうのは自分で渡さないと」

ショチトル 「う、で、でも……」

結標 「それと、私に気を使う必要はないわよ? 貴女のお兄ちゃんなんだから」

ショチトル 「あう……」

結標 「海原、下の売店にいるから。呼んできてあげる」

ショチトル 「え!? ちょ、ちょっと待っ……消えた……」



458 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/09(水) 22:30:13.82 ID:6q3Diq1So

ショチトル 「見る度に思うが、便利な術だな……」


<ドサッ


ショチトル 「?」

海原 「あいたたた……おや? 売店にいた筈なのですが……」

ショチトル 「」ブーッ

海原 「おお、ここはショチトルの病室でしたか。丁度よかった」

ショチトル (あ、え、す、素顔!?)

海原 「これ、差し入れの雷おk」

ショチトル 「こ、これ! 私から!」ズイ

海原 「これは? わざわざ買ってきてくれたのですか?」

ショチトル 「ああ、病院の人が手伝ってくれるっていうから」

海原 「ありがとうございます。お返しは期待していてくださいね」ナデナデ

ショチトル 「」プシュー



459 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/09(水) 22:31:49.51 ID:6q3Diq1So


~とある病院 廊下~


結標 (ふふ、うまくやってるかしら)


  チョンチョン


結標 「?」クルッ

麦野 「……」

結標 (え? 看護婦さん?)

麦野 「見つけたわよ、座標移動」クスクス

結標 「!?」

麦野 「どうしたのよ、怖い顔しちゃって」

結標 「……貴女、何者? 看護婦にコスプレしてまで、何しにきたの?」

結標 (まずい……すぐ後ろの部屋に妹さんが……)

麦野 「コスプレじゃないっての、ド阿呆」

結標 「え?」

麦野 「ま、いいや。話があるんだけど。ちょーっとツラ貸してもらえないかにゃー?」

結標 「……いいけど、周りには手を出さないでよ」

麦野 (さっきから何勘違いしてんだ、コイツ)



460 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/09(水) 22:33:29.72 ID:6q3Diq1So

 :
 :
 :

結標 「で? 話って?」

麦野 「アンタ、確か絹旗んところに間借りしてるのよね?」

結標 「? 絹旗さんの知り合い?」

麦野 「そんなところ。で、これをね、届けてほしい訳。今日夜番で抜けれないからさ」

結標 「この袋って……高級チョコレートじゃない」

麦野 「浜面って冴えないチンピラがいるだろ? そいつに渡してやって」

結標 「……へー。ふーん」ニヤニヤ

麦野 「な、なによ」

結標 「いえ、別に。浜面くんとはどんな関係なの? 元彼?」

麦野 「……そこまで話す必要はないでしょ。麦野からって言えば伝わるはずだから」

結標 「麦野さんね。確かに預かったから」

結標 (にしても、背高いし髪綺麗だし顔立ち整ってるし、浜面くんも隅に置けないわね)

麦野 (脚細くて綺麗……見せつけてんのかよ、クソッ)



461 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/09(水) 22:34:56.65 ID:6q3Diq1So


~同日 きぬはた荘 玄関~


配達員 「おるかー」

絹旗 「はいはい」

配達員 「ここ、ここな」トントン

絹旗 「」ペタシ

配達員 「まいどー」


<バタン


ユリコ 「?( ・ω・)っ」チョンチョン

絹旗 「……なんですかね、これ」

滝壺 「どうしたの?」

絹旗 「いえ、なんか大荷物が届いてですね」

滝壺 「誰宛て?」

絹旗 「えと、婚后さんですね」



462 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/09(水) 22:36:31.97 ID:6q3Diq1So

滝壺 「実家からかな」

絹旗 「さあ……詮索も超すべきではないでしょうし」


<ギィィィィ


白井 「ただいまですの」

婚后 「ただいま戻り……あら?」

絹旗 「あ、超おかえりなさい」

滝壺 「おかえり。荷物届いてるよ」

婚后 「あらあら、もう届いてましたのね」

絹旗 「なんですか、これ」

婚后 「学校で頂いたチョコレートですわ。流石に担いでくるわけにもいきませんし」

滝壺 「これ全部チョコ?」

絹旗 「常盤台超すげー」

白井 「お姉様には負けますの」

婚后 「御坂さんには適いませんわ。せっかくですし、全員で頂きましょう」ベリベリ



463 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/09(水) 22:38:13.74 ID:6q3Diq1So

滝壺 「いいの? こんごうがもらったのだよ?」

白井 「どの道、一人二人では食べきれませんし。傷ませてしまうほうがくださった相手には失礼ですの」

絹旗 「超言えてますね」ウンウン

滝壺 「わー、なんか高そうなのばっかり」ガサガサ

絹旗 「これが常盤台クオリティですか」


<ギィィィィ バタン


海原 「ただいま戻りました」

結標 「ただいま。……なにやってんのよ、みんなして」

絹旗 「超チョコパーティです」

海原 「これ全部チョコレートですか? すごいですね」

婚后 「次から次へと、こんな量になってしまいましたわ……」ハァ

結標 「あ、チョコで思い出した。浜面くんいる?」

絹旗 「お風呂でカビキラー中ですよ」

結標 「そう……これ、病院で預かったんだけど。麦野さんって人から」



464 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/09(水) 22:39:45.23 ID:6q3Diq1So

滝壺 「むぎのから?」

婚后 「まあ、こちら最高級品ですわよ」

絹旗 「むー、超浜面のくせに。食べちゃいましょうよ」

滝壺 「だめだよ、きぬはた。むすじめ、後で渡しておくね」

結標 「うん、お願いね」

浜面 「終わったぞー。バッチリ綺麗だ。今日から俺はカビキラー王だな」フンス

海原 「いいんですか、それで」

白井 (チョコレートの口紅が余ってしまって……こうなったら、ですの!)

白井 「あの、大きいお姉様はどちらに?」

結標 「今日帰ってこないわよ」

白井 「」

浜面 「まーたお泊りか。ミサワの姐さんもようやるな」ケラケラ

婚后 「? 白井さん?」

白井 「」

絹旗 「超真っ白に燃え尽きてます……」



465 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/09(水) 22:41:18.86 ID:6q3Diq1So


~同日夜 第7学区 一方通行邸~


打ち止め 「あの人はお風呂に入ったね? ってミサカはミサカはイマノウチ」

番外個体 「うん、大丈夫。それよりちゃんと出来た? 変なのになってないだろうね」

打ち止め 「ワーストが送ってくれたメール通りにやったらできたよ! ってミサカはミサカは完成品を掲げてみる!」

番外個体 (アルミホイルで包んで……ラッピングまで言わなかったからなぁ)

打ち止め 「あの人、喜んでくれるかな、ってミサカはミサカはちょっぴり不安だったり」

番外個体 「まー、顔には出さないだろうけど、どんなのでもちゃんと食べてくれるよ」

打ち止め 「ワーストはどんなの作ってきたの? ってミサカはミサカは敵情視察を試みてみたり」

番外個体 「ナ・イ・ショ♪ あとで最終信号にもあげるから、楽しみにしておくといいよ」


<ガチャ バタン


一方通行 「オイ、出たぞ。オマエらもさっさと入っちまえ」

打ち止め 「その前に! やることがあるの! ってミサカはミサカはあなたの手を引っ張ってみる!」グイグイ

一方通行 「あァ? なンだ?」



466 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/09(水) 22:43:01.88 ID:6q3Diq1So

番外個体 「いいからいいから♪ お座りになって♪」グイグイ

一方通行 「押すな、危ねェだろ!」

打ち止め 「あのねー、今日バレンタインだから! これ!」ズズイ

一方通行 「どォしたンだよ、これ」

番外個体 「作ったんだよ、最終信号が。自分だけで」

一方通行 「……マジでか?」

打ち止め 「うん、大マジ! ってミサカはミサカは出来る女をアピールしてみる!」

番外個体 「んで、これは私から。手作りだから、ありがたく味わってね」

一方通行 「……」

番外個体 「なんか言う事ないの?」

一方通行 「あ、あァ……ありがとよ」

打ち止め 「ねー食べて! 感想きかせて! ってミサカはミサカは捲したててみる」

一方通行 「分かったから騒ぐな。近所迷惑だろォが」ズビシ

打ち止め 「ぴぎゃ」

一方通行 「しっかしまァ、手作りねェ」ガサガサ



468 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/09(水) 22:44:33.73 ID:6q3Diq1So

打ち止め 「」ドキドキ

一方通行 「……甘ェ。これ、そこいらで売ってるヤツより甘ェぞ」

打ち止め 「う、だ、だって、チョコレートだし……」

番外個体 「ほら、コーヒー淹れた」コトッ

一方通行 「?」

番外個体 「」ジロリ

一方通行 「……あ、甘ェがブラックとの相性は抜群だな。悪くねェ」

打ち止め 「!」ニパー

番外個体 「ふふん、私が教えただけあるねぇ」ナデナデ

打ち止め 「ほめられたー! ってミサカはミサカは全身で喜びを表現してみる」グルグルグルグル

番外個体 「で? 私のはいかが?」

一方通行 「急かすなよ、せっかちは長生きできねェぞ」ガサガサ

打ち止め 「ワーストのはどんなの? ってミサカはミサカは覗き込んでみる」

一方通行 「ほォ? 見た目に似合わず可愛らしいの用意したじゃねェの」

番外個体 「いちいち一言余計だよ!」



469 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/09(水) 22:46:52.31 ID:6q3Diq1So

一方通行 「……お。悪くねェな。ブラックを固形にして噛み砕いてるみてェだ」

番外個体 「あなたのブッ壊れた味覚に合わせてあげたんだからね」

一方通行 「はいはい、そりゃどォも」

番外個体 「はい、最終信号にも。こっちは甘くしてあるから」

打ち止め 「あ、ありがとー! ってミサカはミサカは早速実食してみたり!」パク

打ち止め 「」

一方通行 「? 何固まってやがる?」

番外個体 (え、まさか……)

打ち止め 「に、にが、がっ、にっがーーーーーい!!!」

番外個体 (大当たりぃぃぃぃぃ!?)

一方通行 「オイ、オマエまさかこれと同じの与えたのか? ガキにゃキツイだろォが」

番外個体 「あ、あの、これは……スリリングな当たり付き」アセアセ

打ち止め 「~~~~~~っ!!!」ポカポカポカ

番外個体 「ゴメンゴメン!」



470 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/09(水) 22:49:47.02 ID:6q3Diq1So

 :
 :
 :

番外個体 「」フー

一方通行 「クソガキはもォ寝たのか?」

番外個体 「うん」

一方通行 「こいつ飲ンだら俺も寝るか」ズズ...

番外個体 「ねーえー、寒いよー。一緒に寝ようよー」ユサユサ

一方通行 「アホ言え。ガキじゃあるめェし」

番外個体 「この間、このソファで膝枕してやったじゃん! 耳掃除もしてやったじゃん!
       しかもそのまま3時間近く寝やがって! そのお返しに腕枕ぐらいしてくれてもいいと思うけど」

一方通行 「くっだらねェ。俺は寝る」

番外個体 「……なんだよ。死んじゃえ、バカ」

一方通行 「…………俺の部屋に来るなら、戸締りと消灯確認してから来いよ」

番外個体 「!?」

一方通行 「ま、俺の気が変わらねェ内にな」スタスタ

番外個体 「……前よりもっと近づけたのかな。バレンタインのお陰で」

番外個体 「」ダッ


<ガチャガチャ
<戸締りおk!



559 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 01:47:26.96 ID:LZhfN+fao


~2月下旬 第7学区 常盤台中学~


事務 「確認がとれました。絹旗最愛さん、研究協力で休学中とのことでしたね」

絹旗 「そんなところです」

事務 「復学なさるということで、よろしいですか?」

絹旗 「はい」

事務 「研究協力が事由とのことですので、単位は免除されます。4月度から3年生として通って頂くことになりますが」

絹旗 「え? それでいいんですか。超ザルですね」

事務 「え?」

絹旗 「え?」

事務 「疑問点があれば、遠慮なさらずに聞いてくださいね」

絹旗 「いえ、あの、研究協力なんですから、研究成果の問い合わせとかしないんですか?」

事務 「問い合せても、機密レベルがどうとかで大体は教えてもらえないんですよ」

絹旗 「それもそうですね」



560 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 01:48:56.90 ID:LZhfN+fao

事務 「休学時に、研究所発行の証明書は頂いていますし、こちらで十分です」

絹旗 (それ、浜面のハンドメイドなんですけどね)

事務 「他に、何かございますか?」

絹旗 「学校に来るときは制服じゃなきゃ超ダメですか?」

事務 「超当たり前です」

絹旗 「教科書とかノートは?」

事務 「テキスト類は郵送します。ノートは自己調達してください」

絹旗 「あとは……」

事務 「あとは?」

絹旗 「あ、そうだ。もう一つありました」

事務 「なんでしょう」

絹旗 「卒業式に在校生として出れますかね?」

事務 「卒業式ですか?」

絹旗 「はい。もうすぐ卒業する人に超友人がいるんです」

事務 「なるほど。今年の3年生にですか……」



561 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 01:50:22.90 ID:LZhfN+fao

 :
 :
 :

白井 「あ、終わりましたか?」

絹旗 「ええ、4月から超復帰です。しかも3年生として」

婚后 「まあ、留年は免れたのですか。よかったですわね」

白井 「なにやら、変に甘いですの……」

絹旗 「細けぇこたぁ超いいんです」フンス

婚后 「さ、そろそろ帰るといたしましょう」

絹旗 「えー。超ちょっと徘徊していきませんか?」

白井 「? なにかございますの?」

絹旗 「学舎の園に入るの超久しぶりなんです」

婚后 「そういうことでしたら、少し歩きましょうか」

白井 「では、特別にわたくしイチオシのランジェリーショップを」

絹旗 「いや、それはいいです」

白井 「(´・ω・`)」



562 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 01:51:47.10 ID:LZhfN+fao


~同日 第7学区 学舎の園~


絹旗 「ここの街並みってなんかいいですよね。映画のセットみたいで」

白井 「映画のセット。言い得て妙な表現ですの」

婚后 「たしかに、日本ではあまり見られない景色かもしれませんわね」

絹旗 「この歩行者用信号とか超最高じゃないですか! 記念に持ってかえりましょうよ」グイグイ

白井 「ダメですの! わたくしの仕事を増やさないでくださいまし」

婚后 「き、絹旗さん! それぐらいにしておきませんと」


 ビーッ ビーッ ビーッ ビーッ


絹旗 「? この物騒な音はなんですか?」

白井 「……警報ですの」

警備ロボ達 「「「「ゴヨーダ ゴヨーダ ゴヨーダ ゴヨーダ」」」」」ワラワラ

婚后 「あら……」

絹旗 「え? ちょ、た、助けてくださいよ! これ超マズイですよ!」



563 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 01:53:01.64 ID:LZhfN+fao

婚后 「可哀想ですが、こうなってしまってはどうにもなりませんわ」

白井 「ちなみに、それ壊したらすっごーく怒られますので」

絹旗 「いやいやいや、ちょっと薄情すぎやしませんか!?」

婚后 「まあ、白井さん、ご覧になって。桜の木ですわ」

白井 「あと1ヶ月もすれば、満開の花をつけますのね」

絹旗 「ちょっとぉぉぉぉ!?」

婚后 「……もうすぐ、ここでの生活も終わってしまいますのね」

婚后 (本当に色んなことがございましたわ……)


<タイホシチャウゾ タイホシチャウゾ
<ちょ、やめあbbbbbb


婚后 (顔に落書きをされたり)

婚后 (対能力者兵装を用意したスキルアウトに襲われたり)

婚后 「……これでは噛ませ犬ですわね」ハァ

白井 「?」



566 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 01:55:23.27 ID:LZhfN+fao

白井 「そういえば、もう進路は決まってますの?」

絹旗 「」プスプス

婚后 「ええ。色々考えましたが、長点上機学園に進むことにいたしましたわ」

白井 「まあ、長点上機に……」

婚后 「受験準備中は、皆さんにも気を使っていただいて……感謝のしようがございませんわね」

白井 「浜面さんが風邪っぽいと言ったとき、婚后さんに伝染さないようにと。
    住人総力で軟禁したこともございましたの」

婚后 「交代で見張りまでしていたと聞いたときは驚きましたわよ」

白井 「看病も兼ねた見張りですの」フンス

絹旗 「」プスプス

白井 「泣いても笑っても、もうすぐ卒業ですのね」

婚后 「ええ。残された時間、せいぜい楽しませて頂きますわよ」クスクス

白井 「嘘ですが、寂しくなりますの」

婚后 「社交辞令と受け取っておきますわね」

絹旗 「超社交辞令でもいいから、ちょっとは心配してくださいよ!」



567 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 01:56:50.66 ID:LZhfN+fao


~第7学区 隠れ家的喫茶店~


結標 「卒業、か……学生やってた実感が全然ないのよね」

番外個体 「卒業した後どうすんの? 永久就職?」ジャブジャブカチャカチャ

結標 「まさか。相手の年齢が足りてないわよ」

番外個体 「じゃニート?」フキフキ

結標 「考えがない訳じゃないんだけど……今からじゃ準備する時間が足りなすぎるわ」

番外個体 「?」

結標 「ま、一年後に期待ってことね」


<カランカラン♪


番外個体 「いらっしゃいませー」

滝壺 「やっほう」

浜面 「おお、ここがミサワの姐さんの店か」

番外個体 「違う違う。私はしがないバイトだよ」



568 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 01:58:32.06 ID:LZhfN+fao

結標 「そういえば、マスターさんが見当たらないわね」

番外個体 「奥にいるよ、なんか電話してた。で、なんにする?」

滝壺 「アップルティー」

浜面 「俺はどうすっかな。ジンジャーエールでいいや」

番外個体 「はいはーい」

結標 「滝壺さんも、今年で卒業なのよね。卒業した後はどうするの?」

滝壺 「どうしようか?」

結標 「永久就職……まだムリか」

浜面 「整備士の資格とろうと頑張ってますんで……」

滝壺 「大丈夫だよ、私はヒモなはまづらでも見捨てない」

浜面 「orz」

番外個体 「はい、お待ちどうさま。ひも面さん」カチャカチャ

浜面 「ひでぇ!」

マスター 「いらっしゃい」

浜面 「」ブーーーッ



570 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 02:00:03.35 ID:LZhfN+fao

結標 「わ、何してんのよ!?」

番外個体 「? お口に合わなかったかな」

浜面 「いや、うまいぜ」

マスター 「ん? そこのは……ロシアでは世話になったであるな」

浜面 「やっぱりかよ! よく似た他人だと思おうとしてたのに、やっぱりかよ!」

滝壺 「あ、傭兵さんだ」

マスター 「今は傭兵くずれのマスターである」

番外個体 「え? 知り合いですか?」

マスター 「ちょっとな」

浜面 「こんなところで何やってるんだよぉぉ!?」

マスター 「色々あってな」

番外個体 「色々あったんだ」

結標 「雰囲気を感じさせるわよね」

滝壺 「なんかかっこいいよね」

浜面 「あれ? 滝壺さん?」



573 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 02:01:24.23 ID:LZhfN+fao


~その頃 第7学区 学舎の園~


絹旗 「」プンスコ

白井 「絹旗さん、いい加減機嫌を直してくださいまし」

婚后 「元を辿れば、自業自得ですのよ」

絹旗 「そりゃそォですけど! ちょっとぐらい手を差し伸べてくれてもいいじゃないですかァ!」

白井 「? 今何か、言葉が……」

絹旗 「すいません、超失礼しました、何でもないんです」

婚后 「まあまあ、評判のケーキをご馳走しますので、機嫌を直してくださいな」

絹旗 「む……超仕方ないですね。それで手打ちとしましょう」

婚后 「復学祝いも兼ねて、ということで」

白井 「評判ということは、あのお店に?」

婚后 「ええ、いつも使うお店ですわ」

白井 「確かに、あそこのレアチーズケーキは絶品ですの」

絹旗 「おお、こりゃ超楽しみですね」



575 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 02:03:42.44 ID:LZhfN+fao

 :
 :
 :

絹旗 「ここが超評判のお店ですか」

白井 「流石に混んでますの」

絹旗 「これに名前書いておけばいいんですかね」カキカキ

婚后 「ここにもあと何回来れるのでしょうか……」

白井 「卒業してしまえば、学舎の園にも入れなくなりますものね」

絹旗 「来たくなったら、私たちの招待って形で入れちゃえばいいんですよ」

白井 「卒業生といえば融通もきくでしょうし」

婚后 「その時には、ぜひお願いしますわね」

店員 「3名でお待ちの絹旗様、お席へご案内致します」

絹旗 「お、思ったより早いですね」

婚后 「あまり待たなくて済みましたわね」

白井 「ささ、参りますの」



578 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 02:05:57.85 ID:LZhfN+fao

婚后 「ケーキセットを3つお願いいたします」

店員 「かしこまりました」

絹旗 「そういえば、ちょっと思ったんですけど」

白井 「なんですの?」

絹旗 「婚后さんが長点上機に進んだら、来年の大覇星祭では敵同士になりますね」

白井 「考えてみれば……そうであっても、手心を加えるつもりなぞございませんが」

婚后 「あら、望むところですわ。全力を以って叩き潰してさしあげますので」クスクス

白井 「ふふ、そうでなくては面白くありませんの」

絹旗 「私の窒素装甲は超簡単にはツブれませんよ」フンス

婚后 「わたくしが本気を出せば、絹旗さんを夜空のお星様にすることもできますのよ?」

絹旗 「やめてくださいよ! 超シャレになりません!」

白井 「絹旗さんを砲弾代わりに飛ばしたこともございましたわね」

婚后 「生身の人を能力で飛ばしたのは、後にも先にもあれだけですわよ」

絹旗 「あれぐらいなら、風になったみたいで超爽快ですよ」

婚后 「昨年の大覇星祭も、最高に思い出になりましたわ」



579 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 02:07:29.77 ID:LZhfN+fao


~第7学区 とある病院~


海原 「調子はいかがですか?」

ショチトル 「良好だ」

海原 「それはよかった」

ショチトル 「今日は義姉さんは一緒じゃないんだな」

海原 「ええ、時間が合わなくt……義姉さん?」

ショチトル 「? なにかおかしいか?」

海原 「いや、間違ってるような間違ってないような……」

ショチトル (お兄ちゃんの恋人はこう呼ぶと、学園都市小町に書いてあったんだが……)

海原 「まあ、僕に聞くより本人に聞いたほうがいいかもしれませんね」

ショチトル 「次に会えたときに聞いてみることにする」

海原 「それがいいと思いますよ。また近々来てくれるでしょうし」

海原 (どんな反応をするか。ある意味で楽しみですね)

ショチトル 「……喉が渇いたな、何か……」



580 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 02:09:14.67 ID:LZhfN+fao

海原 「ああ、いいですよ。買ってきますよ」

ショチトル 「いいのか?」

海原 「僕もなにか飲みたいと思っていたところですので」

ショチトル 「そ、そうか」

海原 「何にしましょうか?」

ショチトル 「じゃあ、コーヒー牛乳で」

海原 「了解しました。他になにか、ありますか?」

ショチトル 「うーんと、あれ……」

海原 「?」

ショチトル 「……プリン食べたい」

海原 「あ、あの上にクリームが乗ってるやつですね」

ショチトル 「」コクリ

海原 「分かりました。ちょっと待っててくださいね」

ショチトル 「分かった」


<ガラッ バタン



582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/13(日) 02:11:22.55 ID:LZhfN+fao

海原 「しかし、ショチトルも大分女の子らしくなりましたね」

海原 「結標さんの影響でしょうか。感謝しなければ」


<おや?君は。


海原 「先生じゃないですか。お世話になっています」

冥土帰し 「今日もお見舞いかい?」

海原 「ええ」

冥土帰し 「そうか……今日は時間大丈夫かね?」

海原 「? 大丈夫ですが」

冥土帰し 「妹さんのことで話があるんだ。帰りに、僕のところに寄ってほしい」

海原 「ショチトルのことで?」

冥土帰し 「そんなところだね。じゃあ、待ってるからね」

海原 「……何の話でしょうか」



583 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 02:12:09.90 ID:LZhfN+fao

といったところで、今回はここまでです。
初代スレから登場してたサブキャラ、マスターの意外な正体が明らかになりました。
次回投下は21時間後ぐらいを予定しています。

お付き合い頂き、ありがとうございました。
それでは、これにて。



592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/13(日) 02:22:40.77 ID:CVPUex9IO
いちおつ



574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/13(日) 02:01:54.74 ID:s6bLLGWqo
傭兵→神の右席→マスター
すごい経歴だ




599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/13(日) 09:25:10.62 ID:9+bXahIDO
ははは、浜面は最近いい思いしてたからな!
滝壺に惚れられるアックアさんに嫉妬するがいい!




605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/13(日) 16:23:21.71 ID:YyPAyJDAO
新刊ネタがあるってことは新キャラも近いうちに…



613 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 23:28:06.53 ID:LZhfN+fao

新キャラはまあ……ネタバレを控えるという意味でも。
期待していただかないほうが……
前回、ちっちゃいネタバレはしちゃいましたが

それでは、始めさせて頂きます。
卒業編。続きです。



614 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 23:30:54.44 ID:LZhfN+fao


~第7学区 学舎の園~


絹旗 「うん。まあまあのケーキでしたね」

白井 「まあ、追加注文にテイクアウトまでしておいて、よく言いますの」

絹旗 「甘いモノは超別腹なんです」

婚后 「お気に召したようで何よりですわ」


<おや?婚后に白井ではないか。


絹旗 「?」

白井 (こ、この声は!?)ビクッ

婚后 「あら、寮監ではございませんか。ご無沙汰しております」ペコリ

寮監 「久しいな。お前達も壮健なようでなによりだ」

絹旗 (誰ですかね、このキツそうな人は)

白井 「あ、ご、ご無沙汰しておりますの」ダラダラ

寮監 「うむ。そちらのは友人か?」



615 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 23:32:37.46 ID:LZhfN+fao

絹旗 「はい、絹旗っていいます」

寮監 「絹旗……?」

婚后 「事情があって、休学なさっておられたのです」

寮監 「なるほど。道理で見ない顔だと思ったわけだ」

絹旗 (誰ですか、これ)ヒソヒソ

白井 (仁王も裸足で逃げ出す鬼女ですの)ヒソヒソ

寮監 「そういえば、お前ももうすぐ卒業だったな」

婚后 「はい。寮監にも色々とお世話になりました」

寮監 「……」

白井 「寮監?」

寮監 「ああ、すまない。もうそんな時期なのか、と思ってしまってな」

絹旗 「やっぱり、感傷に浸るものなんですかね」

寮監 「当然だ。この仕事も長くやっているが、別れだけは慣れるものでもない。
    ましてや、誰かさんのように手を焼かされた生徒となると余計だ」

白井 「」ギクリ



616 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 23:34:41.35 ID:LZhfN+fao

寮監 「まあ、それでも笑って見送るのが役目だ。憂いを残さず巣立てるようにな」

絹旗 (超いい人じゃないですか)ヒソヒソ

白井 (基本はいい人ですの)ヒソヒソ

婚后 「寮監は、これまでも何人もの生徒を送り出してきてますものね」

寮監 「ああ。面倒を見た連中は、全員の顔と名前を今でも覚えているぞ」

白井 「全員のですか?」

絹旗 「超すごいですね」

寮監 「これぐらいは当然だ」

婚后 「さすが寮監ですわね」

寮監 「しかし……今回ばかりは一つ、心残りができてしまってな」

白井 「と申されますと?」

寮監 「老朽化に伴って新築していた新寮だ。実は、先月完成している」

婚后 「まあ、初耳ですわね」

白井 「なぜ運用しないのですか?」

寮監 「時期が中途半端だからな。4月度から使おうということになった」



617 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 23:36:22.76 ID:LZhfN+fao

婚后 「では……」

寮監 「残念だが、3年生は寮に戻ることなく卒業することになる」

婚后 「少々残念ですわね」

寮監 「お前たちは、4月からは寮に復帰してもらうことになるが」

白井 (え? ということは……)

絹旗 (家を超出る必要がある……?)

寮監 「……そうだな。少し見学していくか?」

婚后 「え? よろしいのですか?」

寮監 「婚后もせめて内装ぐらいは見たいだろう。卒業してしまえば、おいそれと入れなくなるしな」

絹旗 「どうでしょ、婚后さん」

婚后 「え、ええ。そうして頂けるのはすごく有難いのですが……」

白井 「せっかくですし、ご好意に甘えておきますの」

寮監 「お前達も、下見と心の準備になるだろう」

絹旗 (心の準備……家を出る時の……?)

寮監 「新寮は、前と同じ場所にある。早速向かおう」



618 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 23:37:46.52 ID:LZhfN+fao


~その頃 第7学区 隠れ家的喫茶店~


結標 「もともとイギリスの人なのね。ここの紅茶が美味しい訳だわ」

マスター 「茶葉選びは英国人の得意とするところである」

浜面 「しっかしまあ、ロシアであんな出会いをした人と、こんな形で再会するとはな」

滝壺 「元気そうでよかった」

番外個体 (ロシアでそんなことがあったんだ……確か、その頃だと私もロシアにいたけど……)

結標 「そういえば、貴女その頃ロシアにいたんじゃない?」

番外個体 「え? う、うん、いたね」

マスター 「ミサワさんはロシアからの帰国子女であったな」

番外個体 「はい、そういう設定……じゃなくて、そうです」

浜面 「戦争中は大変じゃなかったか?」

番外個体 「あー、私がいたところは激戦区じゃなかったから……」

マスター 「戦火はごく狭い範囲に集中していたであるからな」

番外個体 「にしても驚きました。マスターが当事者だったなんて」



619 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 23:39:30.20 ID:LZhfN+fao

浜面 「で? こんなところで何やってんだよ」

マスター 「自分探しの旅である」

滝壺 「自分探し?」

マスター 「うむ。あの戦争で多くの物を失い、多くの物を得た」

結標 「なんていうか、凄絶ね」

マスター 「護りたいものを護るにはどうあるべきか。それを模索しているのである」

滝壺 「見つかったの?」

マスター 「秘密である。それ以上に、故郷からのさっさと帰ってこいという電話攻撃を凌ぐのに忙しいのである」

番外個体 「あー……ちょくちょく掛かってくる国際電話はそれですか」

マスター 「全く、あの世話焼きにも困ったものであるな」

結標 「恋人か何か?」

マスター 「それ以上に厄介な存在である」

浜面 「まぁ、どこにでもいるよな。自分のこと棚にあげて他人の世話ばっか焼く奴って」



騎士団長 「くしゅんっ」



620 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 23:41:01.83 ID:LZhfN+fao

番外個体 「でも、クニに帰られたらバイトなくなっちゃうし、困るかな」

マスター 「その時には、全権をミサワさんに委任するのである」

番外個体 「は? ムリですってば!」

結標 「あら。その歳で店持ちなんて滅多にいないわよ」

浜面 「名実ともに、ミサワの姐さんの店になる訳だ」ウンウン

マスター 「今のミサワさんなら、厨房仕事は問題ないであろう。あとは勘定だけである」

番外個体 「……本気?」

マスター 「予定は未定である」

浜面 「でもそうなったら、知り合い割引とかしてもらえるかもな」

番外個体 「するワケないじゃん」

結標 「ま、当然よね。ビジネスなんだから」

滝壺 「甘くないよね」

浜面 「財政的に厳しいときぐらいは……」

滝壺 「お小遣いなら私に言えばあげるから」

浜面 「いつもすいません」



621 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 23:43:03.46 ID:LZhfN+fao

結標 「……ねえ、今のままだとホントにヒモよ」

番外個体 「サンレッドみたいだね」

結標 「サンレッドはどっちかと言うと、貴女の彼でしょ。すごく強くて口が悪い、最強の自宅警備員」

浜面 「俺は弱いってことですかぁぁぁ!?」

滝壺 「大丈夫だよ、弱くてヒモな浜面でも好きだから」

浜面 「そのお言葉、嬉しいけど痛ぇぇぇぇ!!」

マスター (……こんな情けない男に助けられたであるか)

番外個体 「まあ、水ぐらいはサービスしてあげるよ」

浜面 「水はいつも出してますよねぇぇ!?」

結標 「紅茶を頼めば、クッキーが2枚ついてくるわよ」

マスター 「それはクッキー込みの値段だからである」

番外個体 「マスター、それカミングアウトしちゃダメ」

浜面 「今、商売の裏側を見た気がしたぜ」

結標 「まあ、場所代も含まれてるでしょうし、こんなもんでしょ」

滝壺 「こんなもんだよね」



622 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 23:45:06.02 ID:LZhfN+fao


~第7学区 とある病院~


海原 「お待たせしました。買ってきましたよ」

ショチトル 「あ、ありがと」

海原 「コーヒー牛乳とプリンでしたよね。はい、どうぞ」ガサガサ

ショチトル 「♪」ペリペリ

海原 「……」

ショチトル 「? なに人の顔をジロジロと……」

海原 「ショチトル、具合はいかがですか?」

ショチトル 「さっきも言っただろう。良好だと」

海原 「なら良いのですが……」

海原 (本人もこう言ってますし、傍から見る限り、おかしい所はありませんね……)

海原 (ですが、ここの先生の腕は確か……一体何が……)

ショチトル (……何を難しい顔をしてるんだ。また厄介事が……?)



623 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 23:47:09.18 ID:LZhfN+fao

海原 (ここで気を揉んでいてもどうにもなりませんね。覚悟だけはしておくとしましょう)

ショチトル 「さっきから何を考えてるんだ?」

海原 「いえいえ、何も考えていませんよ」

ショチトル 「……嘘。すごく険しい顔してた」

海原 「おっと、顔に出ていましたか。これは参りましたね」

ショチトル 「また何かあったのか?」

海原 「少なくとも、貴女が心配するようなことは何も起きていませんよ」

ショチトル 「本当に?」

海原 「本当です」

ショチトル 「本当の本当に?」ズイ

海原 「本当の本当です」

ショチトル 「」ジー

海原 (近いです近いです)

ショチトル 「……分かった。信じる」

海原 「ありがとうございます」ホッ



624 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 23:48:32.36 ID:LZhfN+fao

 :
 :
 :

海原 「では、そろそろ行きますね」

ショチトル 「え? もう行ってしまうのか」

海原 「また来ますから」

ショチトル 「……約束」

海原 「ええ、約束です」

ショチトル 「分かった、待ってる」

海原 「無理はなさらないでくださいね」

ショチトル 「また来てね、絶対だからね」

海原 「分かってますよ。なにか手土産を持ってきますから」

ショチトル 「甘いのがいい」

海原 「心得ました。では、また今度」

ショチトル 「うん」


<ガラッ バタン



625 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 23:50:45.51 ID:LZhfN+fao

海原 「……さて」

海原 「先生のところに向かうとしましょうか」

海原 「あ、すいません。カエルによく似た先生は今どちらに?」

看護師 「カエルに……? ああ、カエル先生か。今は二階の第一診察室にいるハズよ」

海原 「そうですか、ありがとうございます」ペコリ

看護師 「はいはい、ご丁寧にどうも」カツカツ

海原 「第一診察室ですね、いきましょうか」

海原 (どんな話をされるというのでしょうか……)



~第7学区 とある病院 第一診察室~


海原 「失礼します」

冥土帰し 「おお、きたか。わざわざすまないね」

海原 「いえいえ、とんでもないことです」

冥土帰し 「まあ、適当に座ってくれ」



626 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 23:52:00.48 ID:LZhfN+fao

海原 「これはどうも。で、お話というのは?」

冥土帰し 「さっきも言った通り、妹さんのことだね?」

海原 「……彼女の身体になにか?」

冥土帰し 「ふむ……君からみて、今の彼女はどうだね?」

海原 「は、はあ……元気なように見えますが。本人も良好と言っていますし」

冥土帰し 「そうか、そうだろうね」

海原 「……あの、先生」

冥土帰し 「うん?」

海原 「どのような結果であれ、受け入れる心の準備はできています」

冥土帰し 「……」

海原 「まわりくどい言い方はせず、話して頂けないでしょうか」

冥土帰し 「そうだね……では、単刀直入に結論から言おう」

海原 「」ゴクリ



627 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 23:53:20.74 ID:LZhfN+fao

冥土帰し 「そろそろ退院を考えてもいい頃だと思うね?」

海原 「…………はい?」

冥土帰し 「だから、そろそろ退院を考えてもいい頃だと思うね?」

海原 「」ヘナヘナ

冥土帰し 「君はいったい何を言われると思っていたんだね?」

海原 「い、いや……ははっ、マイナス思考でお恥ずかしい」

冥土帰し 「だが、色々問題はあるね? 僕が話したいのはむしろそっちなんだが」

海原 「問題ですか……たしかに、今病院を放り出されても彼女一人では厳しいですね」

冥土帰し 「だから、留学生や帰国子女という扱いにできないこともない。そういった前例もある」

海原 「留学生、ですか……」

冥土帰し 「勿論、故郷に帰るという選択肢もあるね?」

海原 (今故郷に戻っても、取り巻く環境が厳しいのは変わらず……)

海原 (ならば、僕の目の届くところに居てもらったほうがいいですね)

冥土帰し 「一つ忘れないでほしい」

海原 「なんでしょうか」



628 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/13(日) 23:54:45.39 ID:LZhfN+fao

冥土帰し 「彼女自身がどうしたいか。大事なのはそこだね?」

海原 「彼女自身が……あの、先生個人としてはどういったお考えで?」

冥土帰し 「……医者の端くれとしての意見だが、もうしばらくは学園都市に留まっていてほしい」

冥土帰し 「彼女に施した治療は、学園都市の技術を用いたものだからね?」

海原 「経過を観察するにしても、先生に診てもらったほうが良いということですね」

冥土帰し 「そういうことだね」

海原 「……分かりました。彼女ともよく話し合いたいと思います」

冥土帰し 「うむ、そうしてほしい」

海原 「何かありましたら、ご相談させてください」

冥土帰し 「もちろんだよ。患者に必要なものは何であっても揃えるからね?」

海原 「ありがとうございます。では、一旦失礼します」ペコリ

冥土帰し 「何かあったら、すぐに言うんだよ?」

海原 「はい、お言葉に甘えさせて頂きます」


 ガチャ バタン


海原 「……どうしましょうか」



661 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/17(木) 00:20:17.38 ID:Fx4ySxNUo


~第7学区 隠れ家的喫茶店~


結標 「滝壺さん、そろそろ行く?」

滝壺 「そうだね、遅くなる前に行っておこうか」

番外個体 「なにか用事?」

結標 「んー、将来に向けての準備?」

番外個体 「?」

滝壺 「今はまだナイショ」

浜面 「お、もう行くか?」

滝壺 「ごめんね、はまづら。むすじめと行くところがあるから、先に帰ってて」

浜面 「ああ、わかった。気を付けてな」

結標 「じゃ、滝壺さん借りるわね」クスクス

浜面 「ちゃんと返せよ」キリッ


<カランカラン♪



662 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/17(木) 00:21:54.40 ID:Fx4ySxNUo

マスター 「ところで」

浜面 「ん?」

マスター 「彼女らの分はお前に請求しておけばよいであるな」

浜面 「( ゚ロ゚)」

マスター 「伝票は置いておくのである」つ□

浜面 「(゚ロ゚)」

番外個体 「こっち見んな」

浜面 「えーと、全部でいくらだろうなー」チラッ

マスター (ケーキセットを頼んでいたであるからな)ヒソヒソ

番外個体 (滝壺さんはピザトーストも食べてましたよ)ヒソヒソ

浜面 「ひい、ふう、みい……くそ、なんで俺はナポリタンを頼んじまったんだ……」

マスター (しかし、彼女らも酷であるな)ヒソヒソ

番外個体 (あの二人のことだから、ナチュラルに忘れてんのかと)ヒソヒソ

浜面 「あの、ご相談がございまして」

マスター 「なんであるか」



663 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/17(木) 00:23:12.59 ID:Fx4ySxNUo

 :
 :
 :


<カランカラン♪


番外個体 「いらっしゃいませー」

海原 「やあ、どうも」

番外個体 「あ、海原さん」

マスター 「今日は知り合いばかりであるな」

番外個体 「常連しか来ない店、って伊達じゃないですね」

浜面 「」ジャブジャブカチャカチャ

海原 「おや、浜面さんが皿洗いですか? とうとう職が見つかったんですね」ニコニコ

浜面 「そんなんじゃねぇ」グス

番外個体 「惜しかったね。さっきまで淡希いたのに」

海原 「おっと、これは残念ですね。結標さんとも相談したいことがあったんですが」

浜面 「相談? 金の話ならしないほうがいいぜ?」



664 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/17(木) 00:24:57.15 ID:Fx4ySxNUo

海原 「いえいえ、そんなんじゃありませんよ。あ、玄米茶を」

番外個体 「いや、おいてないよ」

海原 「何茶ならありますか?」

番外個体 「お茶系は緑茶と烏龍茶と紅茶とゴーヤ茶ならあるけど」

海原 「では緑茶をアイスで」

番外個体 「はいはーい」

浜面 「で、相談って何か面倒でもあったのか? 俺でよければきくぜ?」

海原 「お気持ちは有難いのですが、今回ばかりは結標さんに相談したいのですよ」

浜面 「頼りにされてるねぇ、さすが姐さん女房だ!」

海原 「ええ、普段は頼りになる方です」ニコニコ

番外個体 「それって、二人きりだと頼りにならないってこと?」ニヤニヤ

海原 「秘密です。言ったら怒られてしまいますので」

マスター 「仲睦まじいようで結構である」

浜面 「まったく、羨ましい限りだねぇ」

番外個体 「浜面さんが言うかなぁ、それ……」



666 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/17(木) 00:26:36.85 ID:Fx4ySxNUo

浜面 「? なんかおかしいか?」

番外個体 「いや、いいけどさ」

マスター 「手が止まっているであるぞ」

浜面 「はい、すいません!」ジャブジャブ

番外個体 「ねえねえ、そういえばさ。一昨日かな? 淡希の部屋からなんか気持よさそーな声が聞こえてきたけど?」

海原 「……聞こえてきた?」

番外個体 「お隣りさんだから聞こえるんだよねー」

海原 「一昨日といいますと、肩のマッサージをしたときでしょうか」

番外個体 「マッサージ?」

海原 「ええ、肩が凝ると普段から仰っていますので」

浜面 「あれだけありゃ凝るよな。滝壺もたまに凝るって言ってるぜ」ワハハ

番外個体 「……」

浜面 「その点、ミサワの姐さんは心配なさそ(バキッ)そげぶっ」

番外個体 「口より手動かせ働き蜂!!」ムキー



667 :>>665 これいいな! ◆r462iqU2Ag:2011/03/17(木) 00:28:58.81 ID:Fx4ySxNUo


~1時間後~


マスター 「そろそろ閉める時間であるぞ」

番外個体 「お疲れ様」ポンポン

浜面 「手が冷てぇ……」

海原 「すっかり長居してしまいました。帰るとしますか」

浜面 「よし、帰るか」

番外個体 「先帰ってて。掃除があるから」カチャカチャ

海原 「了解しました」

浜面 「あの、マスター。これでお代は……」

マスター 「……しょうがないであるな」

浜面 「ありがとうございます!」ペコペコ

マスター (ロシアでまみえたときとはまるで別人である……逆境に強いタイプであるか?)

番外個体 「マスター、モップどこにしまいました?」

マスター 「外に干しているのである」



669 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/17(木) 00:31:32.67 ID:Fx4ySxNUo

浜面 「はー、久々に働いたって感じがするな!」

海原 「おいくらですか?」

番外個体 「190円」

海原 「はい」チャリチャリ

番外個体 「はい、どうもー」

浜面 「そっか、海原に立て替えてもらえばよかったんだ」

マスター 「ダメであろう」

海原 「?」

番外個体 「いや、もう済んだ話だから。気にしないで」

海原 「はあ……あの、待ってなくて大丈夫ですか?」

浜面 「だな。帰る頃には暗くなってるぜ」

マスター 「ミサワさんもこう見えて一応女子であるからな」

番外個体 「その発言は色々納得できない」

海原 「まあ、折角ですしお待ちしますよ。時間だけはありますから」ニコニコ

浜面 「そうだそうだ。ミサワの姐さんに何かあったら第一位にフルボッコにされちまう」

番外個体 「……じゃあ、さっさと済ますから。待ってて」



670 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/17(木) 00:33:33.46 ID:Fx4ySxNUo


~第7学区 常盤台中学 新第二学生寮~


寮監 「着いたぞ」

婚后 「まあ、随分と立派になって……」

白井 「なんだか、久しぶりに孫に会ったお婆ちゃんみたいですの」

絹旗 「成長を喜んでる感じが超溢れてますよね」

婚后 「少しぐらい感傷に浸ってもよろしいではないですか」

寮監 「お前たちもここに来るのは初めてだろう? ならば無理もない」

絹旗 「にしてもこれ、どうやって開けるんですか? 鍵穴とかカードリーダはなさそうですけど」

寮監 「ドアのここにセンサーがある。こうやって、手を当てればいい」バン


 ピンポーン


婚后 「まあ、静脈認証ですのね」

寮監 「クラッキング対策も万全だぞ。発電能力者による鍵破りの前例があったからな」

白井 (お姉様が興味本意でやったら開いてしまったときのことですの……)



671 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/17(木) 00:34:49.15 ID:Fx4ySxNUo

絹旗 「超ガチガチじゃないですか」

寮監 「当然だ。お預かりしている生徒の身になにかあったら、親御さんに合わせる顔がなくなってしまう」

絹旗 「こういう先生が超たくさんいたら、学園都市も平和になるかもしれませんね」

白井 「恐怖で支配する政治は長続きしませんの」

寮監 「白井?」

婚后 「」ゾクッ

白井 「寮監量産化計画を推進するべきですの」キリッ

絹旗 「いや、超ダメでしょ」

寮監 「阿保なこと言っていないで、さっさと中に入るぞ。下校時刻も近いしな」

婚后 「あら、もうそんな時間でしたか?」

絹旗 「超さっさと見学していきましょう」

白井 「そうですの、遅くなると家の人も心配するでしょうし」

寮監 「そういうことだ」


 キィ バタン



672 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/17(木) 00:36:01.50 ID:Fx4ySxNUo

婚后 「ここがエントランスですわね」

絹旗 「うはー、超オシャレです」トテトテ

白井 「雰囲気は前とあまり変わりありませんのね」

絹旗 「あの、この超不自然に配置されたイスとテーブルのセットは?」

寮監 「私の席だ」

絹旗 「?」

婚后 (ここで門限破りが出ないか見張るんですのよ)ヒソヒソ

絹旗 (ああ、なるほど)

寮監 「さて、白井と絹旗は4月から3年生だったな。ならば使うのは3階になる」

白井 「3階と言いますと、最上階になりますのね」

絹旗 「超3年生って感じですね」

寮監 「よし、3階の部屋を見に行ってみるか」カツカツ

絹旗 「ここって個室なんですか?」

白井 「いえ、わたくしが居た頃は基本二人部屋でしたの」

絹旗 「えー……プライバシーもなんもないじゃないですか」



673 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/17(木) 00:37:31.86 ID:Fx4ySxNUo

婚后 「そこは慣れるしかございませんわね」

白井 「住めば都とも申しますのよ?」

絹旗 「慣れるまでは超時間がかかりそうです……」

寮監 「基本食べて寝るだけの施設だからな。そこまでは考慮されていない」

絹旗 「牢獄ですね」

婚后 「絹旗さん、言ってはいけませんわ」

寮監 「ふふ、こんな綺麗な牢獄など存在するものか」

絹旗 「たしかに内装は超綺麗ですが」

白井 「あの、侵入者対策は大丈夫ですの? 寮が破損した原因が原因ですので……」

寮監 「問題ない。前に比べても相当頑丈に造られている」

婚后 「防犯面は大丈夫そうですわね」

寮監 「外部からだけではない。内部からの衝撃にも強いぞ」

絹旗 「内部? 内部ですか?」

寮監 「生徒が能力を暴走させることもなくはないからな」

絹旗 「はあ、なるほど」



674 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/17(木) 00:39:12.62 ID:Fx4ySxNUo

白井 (ここまで強化されているとは……)

婚后 (寮に戻れなくて正解だったかもしれませんわね……)

寮監 「窓や建材も強化仕様だしな。外からも内からも簡単には破れんよ」コンコン

絹旗 「うわ、これ私の能力でも破れないんじゃないんですか」ゴンゴン

寮監 「そう簡単にはいかないだろう。それにな、この寮には侵入者でも暴走した生徒でも抑える最後の砦がある」

白井 「まさか……」

婚后 「その砦とは……」

寮監 「私だ」ドン

絹旗 「……はい? 見たところ、兵装もない超一般人ですが」

白井 (寮監の兵装とは即ち……己の拳と信念ッ……!)

絹旗 「常盤台の生徒だとしても、最低 Level3 ですよね? そんな装備で大丈夫ですか?」

寮監 「大丈夫だ、問題ない」

絹旗 「へー、じゃ私の窒素装甲をもってしても適いそうもないですねー」

白井 「絹旗さん! ダメですの!」ワタワタ

婚后 「どうかおやめになって!」オロオロ



675 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/17(木) 00:41:20.48 ID:Fx4ySxNUo

寮監 「ほう? 私を挑発するとは、余程腕に覚えがあるのだろうな」キラーン

白井 (あっ、あの目はマジですの!)

婚后 「り、寮監! 彼女は少々奔放で世間知らずなところがございまして」

寮監 「婚后、下がれ」

婚后 「」ビックゥ

絹旗 「ふふ、こっちも大能力者やってるんですよ。タダでやられるワケが超ないじゃないですか」

寮監 「その歳で大能力者か、大したものだ。だが、少々礼節に欠いているとみえる」コキコキ

絹旗 「勝負ですっ!」ダンッ



~10秒後~


絹旗 「」

婚后 「あぁぁ、絹旗さん……こんな姿に……」

白井 「寮監相手に10秒耐えたんですの。超大金星ですの」

寮監 「口程にもない……とまでは言わないが、まだまだ青いな」

絹旗 「ば、化け物です……」ヨロヨロ



676 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/17(木) 00:42:58.94 ID:Fx4ySxNUo

婚后 「歩けそうですか?」

絹旗 「ちょ、超ちょっとつかまらせてください」ヒシ

白井 「無理はなさらないで」

寮監 「教育的指導も済んだところで、部屋を見てみるか」ガチャ

婚后 「部屋の作りも以前と合わせておりますのね」

絹旗 「超シンプルな部屋ですね」ヨタヨタ

白井 「寮監も仰っていた通り、基本寝るだけの部屋ですので」

寮監 「以前よりはいくらか広くなっているぞ」

婚后 「言われてみれば……」

絹旗 「ベッドが二つ……二人部屋なんですね」ヨタヨタ

白井 「まあ、トラブル等あれば部屋を変える事もできますが」

婚后 「そういえば、白井さんは強引に御坂さんと相部屋になったのでしたね」

白井 「強引ではなく、神算鬼謀と言って頂きたいですの」フンス

絹旗 (なんだか超心配になってきました……やっていけるんでしょうか……)



677 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/17(木) 00:44:26.43 ID:Fx4ySxNUo


~同日 第7学区 某所~


海原 「夜はまだまだ冷えますね」

浜面 「まあ、まだ2月だしな」

番外個体 「今日はマシな方だと思うけどな」

海原 「ミサワさんは平然としてますね」

番外個体 「寒いのはいくらか平気だから。暑いのはキライだけど」

浜面 「さすがロシア出身って感じだな!」

番外個体 「出身じゃないんだけどさ……」


<あ、浜面じゃないですか?


浜面 「おお、絹旗……ってお前どうしたんだその格好は!?」

絹旗 「学生が制服を着ていてはおかしいんですか?」

浜面 「そうじゃねえけどな、見慣れないっていうか」

絹旗 「つまり、超浜面は私の制服姿に超欲情してるんですね。うっわ、超キモイです」



678 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/17(木) 00:45:59.11 ID:Fx4ySxNUo

浜面 「お前ひでぇ! しかも、いつもより"超"を増やしやがって!」

番外個体 「みんなしてどうしたの?」

婚后 「細々した用事で学校に行って、その帰りに学生寮を見学してまいりました」

白井 「そちらは、なんだか珍しい組み合わせですの」

番外個体 「送り狼ってやつかな?」クスクス

絹旗 「浜面、超聞き捨てなりませんね。滝壺さんに報告を」

浜面 「違ぇぞぉぉ! そんなつもりはないぞ!?」

海原 「そもそも、ミサワさんに手をだしたら後が怖いですよ」

番外個体 「超強いからね、私の彼は。モヤシだけど」ニヤニヤ

婚后 「素敵なナイトですわね」

白井 「ぐぬぬ……大きいお姉様まで、こんな……」

浜面 「で? 久々の学校はどうだったよ」

絹旗 「え……まあ……」

浜面 「?」

海原 「学校と言えば、婚后さんはもうじき卒業ですね」



679 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/17(木) 00:47:51.65 ID:Fx4ySxNUo

婚后 「ええ、残すところ僅かですわね」

番外個体 「ああ、最近家にいることが多いのは卒業が近いからか」

白井 「進路と卒業判定に問題がない生徒は、早い春休みに入っておりますし」

浜面 「卒業祝いでもやるか、パーッとな」

婚后 「そこまでして頂かなくても……」

絹旗 「……」

海原 「絹旗さん? どうかされましたか?」

絹旗 「あ、いや。超なんでもないです」

浜面 「腹でも減ったか?」

絹旗 「そうですね。超お腹空きましたし、早く帰りましょうよ」

浜面 「あれ? そこは"超浜面じゃないんですから"って言うところじゃないか?」

番外個体 「ほら、じゃれてないで。帰るよ」

白井 「今日の夕食当番はどなたでしたか?」

海原 「確か結標さんだったかと」

絹旗 「……はあ」

絹旗 (家を出なければならないこと、みなさんにはどう伝えれば……)



680 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/17(木) 00:48:39.00 ID:Fx4ySxNUo

といったところで、今回はここまでです。
「ああ、もうすぐ最終回なんだな」っていう雰囲気を出したいのですが、難しいですね。
次回投下は可能であれば3/18(金)の夜に。
当日にまた当スレにてご連絡させて頂きます。

お付き合い頂き、ありがとうございました。
それでは、これにて。



681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方):2011/03/17(木) 00:50:03.78 ID:Ag4pRWoco

一方通行の襲撃に耐えるにはどこぞの謎ビル位の謎強度が必要な訳だが……




682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方):2011/03/17(木) 00:55:46.72 ID:tKcel4GOo
どこぞの謎ビル並みの強度を誇りなおかつ寮監が内側しっかりガードに決まってる
常盤台ならそれくらいやってくれる




692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山口県):2011/03/17(木) 03:56:33.90 ID:2UI4ImjS0
良作といえどいずれは終わりがくるのか・・・寂しいな



691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/17(木) 02:08:10.64 ID:6T7VvWGDO
きぬはた荘を読むのが日常の一部になってたから終わるのは何か穴があいたような寂しさがある



736 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2011/03/19(土) 02:14:50.13 ID:6lsRfOYgo
いよいよ婚后さん卒業式か?
尾崎豊の卒業聞きながら待つか




740 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/19(土) 02:50:06.09 ID:1EhtFsTCo


~きぬはた荘 キッチン~


結標 「」グツグツ

滝壺 「……」

結標 「え、えーと、塩と胡椒でいいのよね?」

滝壺 「うん」

結標 「」ゴリゴリゴリ

滝壺 「入れすぎ」

結標 「えっ? そ、そうかな」

滝壺 「一口、味見してみて」

結標 「」チョピ

滝壺 「どう?」

結標 「……ゴメンなさい」

滝壺 「ね?」



741 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/19(土) 02:51:27.85 ID:1EhtFsTCo

結標 「どうしてなのかな……」

滝壺 「調味料目分量なんて、慣れてないとできないよ」

結標 「そ、そうよね」

滝壺 「でもね、むすじめのよくないところはそこじゃないの」

結標 「……?」

滝壺 「なんだと思う?」

結標 「……センス?」

滝壺 「それもあるけど、根本的なのは別」

結標 「な、なんなの?」

滝壺 「食材とか調理に対する知識は勉強すればいいし、手付きは慣れの問題。むすじめのよくないところは」

結標 「」ゴクリ

滝壺 「味見しないこと」

結標 「」

滝壺 「味見しないから、味がおかしいことに自分では気付けない。気付かないから、なかなか上達しない」

結標 「そ、それは……」



743 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/19(土) 02:53:08.43 ID:1EhtFsTCo

滝壺 「このミートソースも、一口食べてみておかしいと思ったでしょ?」

結標 「うん……」

滝壺 「じゃあ、むすじめに問題。このミートソースはどうすればいいかな」

結標 「んー……塩胡椒入れすぎて、しょっぱくなっちゃったから……」

滝壺 「」ジー

結標 「……トマトと水を、足せばいいのかしら?」

滝壺 「正解」

結標 「じゃ、じゃあ、早速」

滝壺 「それじゃ、私はそろそろスパゲティゆでるから」

結標 「うん、お願い」

滝壺 「♪」ザララララ

結標 「難しいわね、料理って……」グツグツ

滝壺 「でも、むすじめなら大丈夫だと思う」

結標 「なんで?」

滝壺 「うなばらに美味しいもの食べさせてあげたいから、頑張ってるんだよね?」



745 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/19(土) 02:54:59.43 ID:1EhtFsTCo

結標 「な、なっ、そ、そうじゃなくて、もうちょっとマシなものをって……」

滝壺 「大丈夫、その気持ちがあるならいつかはできるようになるから」b グッ

結標 「いつかは、なの?」


<ギィィィィ バタン


滝壺 「あ、誰か帰ってきた」

絹旗 「ただいま戻りました」ヒョコッ

結標 「おかえり。絹旗さんだけ?」

絹旗 「全員帰ってきてますよ。なんだかんだで途中出くわして」

滝壺 「そうだったんだ」

絹旗 「とりあえず着替えてきますね。この格好も超息苦しいので」

結標 「手も洗いなさいよ」

絹旗 「はーい」トテトテ

滝壺 「むすじめ、コゲてる」

結標 「え? あー!」



746 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/19(土) 02:56:17.12 ID:1EhtFsTCo


~きぬはた荘 絹旗個室~


絹旗 「はー」

絹旗 「」ボフンッ

絹旗 「超疲れましたー」ゴロゴロ


 ポテポテ オアーン


絹旗 「?」ゴロン

ユリコ 「・ω・」

絹旗 「あ、ユリコ。どっから入ってきたんですか?」

ユリコ 「ノ・ω・)ノ」ビシッ

絹旗 「ありゃ。自分でドア開けたんですか」

絹旗 「超器用ですね、ユリコは」パタン

絹旗 「……はー、立ったついでに着替えますか」プチップチッ



747 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/19(土) 02:57:42.30 ID:1EhtFsTCo

絹旗 「」ポイポイッ

ユリコ 「♪」モゾモゾ

絹旗 「こら、ユリコ。人の脱ぎたて制服に潜り込むなんて浜面でもしませんよ」

ユリコ 「ノシ・ω・)ノシ」

絹旗 「ダーメーでーす。毛がついたら取るの大変なんですよ」

絹旗 「……」

絹旗 「ユリコとも……離れないといけないのでしょうか」

ユリコ 「(・ω・)?」

絹旗 「ユリコ、私がいなくても超大丈夫ですか?」

ユリコ 「(・ω・三・ω・)」

絹旗 「大丈夫ですよ、みんなユリコには甘いですから」

絹旗 「……超」

絹旗 「超、大丈夫です」

ユリコ 「(・ω・)……」

絹旗 「……」グス



748 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/19(土) 02:59:21.59 ID:1EhtFsTCo

ユリコ 「」ピョン

絹旗 「あれ? ユリコ? そこは超慰めるところじゃないんですか?」


 トテテテ


絹旗 「?」

ユリコ 「ノシ・ω・)ノシ」ポムポム

絹旗 「それは……アルバムですよね」

絹旗 「……そうだ、写真も整理して持っていかないといけませんね」

絹旗 「ふふ、この学園都市でフィルムカメラを超愛用してるなんて私だけでしょうね」

絹旗 「フィルムにはフィルムのよさがあるんです。偉い人にはそれが超わからんのです」ゴソゴソ

ユリコ 「(・ω・)」ジー

絹旗 「……写真もずいぶん溜まりましたよね」


<コンコン



749 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/19(土) 03:00:45.43 ID:1EhtFsTCo

絹旗 「はいー?」


<メシだとよ、適度に降りてこい。


絹旗 「はいはい、今行きまーす」

絹旗 「……あ、服着ないと」

絹旗 「まったく、ユリコが着替え中断させるからですよ」シュルシュル

ユリコ 「(・ω・)?」



~同日夜 きぬはた荘 リビング~


番外個体 「なんか今日のスパゲティ、ソース多くなかった?」ズズ...

白井 「ええ。普通に頂いていてお皿にソースが余るとは思いませんでしたの」

結標 「言わないでよ……」

海原 「でも、美味しかったじゃないですか」

浜面 「だな。結標の姐さんにしちゃ上出来じゃないか?」

結標 「ちょっと何よそれ」



750 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/19(土) 03:02:33.35 ID:1EhtFsTCo

婚后 「あの、ご相談があるのですが」

滝壺 「どうしたの?」

婚后 「卒業式の後、色々報告するために一度実家に戻ろうと思っておりまして」

番外個体 「? 卒業式って親とか来るもんじゃないの?」

婚后 「都合が合わないらしく……代理で、執事が来ると言っておりますし」

絹旗 「執事? あの、沖縄でお世話になった執事さんですか?」

婚后 「え、ええ、その執事です」

絹旗 (超楽しみになってきました!)

婚后 「ともかく、それで3~4日家を空けたいと思うのですが」

滝壺 「それ、私たちに許可を求めなくてもいいよね」

婚后 「はい?」

結標 「別に誰もダメなんて言わないし、引き止める権利もないじゃない」

浜面 「好きなときに出かけて好きなときに帰ってくる、家ってなそんなもんだろ?」

白井 「黙っていなくなるのは無しですが、一言申し伝えて頂ければよろしいですの」

婚后 「そ、そうですわね……わたくしとしたことが何を気にしているのやら」



751 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/19(土) 03:04:03.72 ID:1EhtFsTCo

海原 「ここが自宅なんですから、そう気負うこともありませんよ」

婚后 「これではどちらが実家か分かりませんわね」クスクス

絹旗 「……」

絹旗 (好きなときに帰ってくる、ですか……)

絹旗 (そうですよね、何も帰ってこれない訳でもないですし)

絹旗 (超ちょっと気にしすぎていましたか)

番外個体 「しっかし卒業かー。滝壺さんと淡希も卒業だよね?」

滝壺 「うん、卒業」フンス

淡希 「あまり実感ないけどね」

浜面 「こりゃパーッと祝ってやらないといかんな!」

白井 「そうですわね、おめでたいことなのですし」

浜面 「ついでに、絹旗の復学祝いも兼ねてやるか」

海原 「おお、絹旗さんは学校に戻られるのですか」

絹旗 「そんな卒業と同列にするほどめでたくないですよ」

結標 「まあまあ、別にいいじゃない。あの浜面くんがここまで言ってるんだし」



752 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/19(土) 03:05:39.02 ID:1EhtFsTCo

浜面 「いや、どの浜面くんだよ」

番外個体 「ねーねー、この雑誌のお店に浜面さんの奢りでどうかな?」

白井 「あら、焼肉ですの? こういうときぐらいはいいかもしれませんわね」

浜面 「…………おい待て。なんだこの上カルビ2500円って」

婚后 「あら、お手頃ですわね」

浜面 「どこが!?」

結標 「へー、こういう霜降りで真っ白なお肉も食べてみたいわね」

番外個体 「きっと口に入れた瞬間に溶けてなくなっちゃうんだろうなぁ」

浜面 「赤身のほうが食べ応えあっていいと思うの、俺」

絹旗 「超パーッとやるんじゃないんですか?」

海原 「言いだしっぺの法則って知ってます?」

浜面 「なんなのお前ら! 俺いじめて楽しい!?」

滝壺 「大丈夫、いつものはまづら」

浜面 「orz」



754 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/19(土) 03:07:06.73 ID:1EhtFsTCo


~同日深夜 きぬはた荘 番外個体個室~


番外個体 「そういえばさ」

結標 「うん?」

番外個体 「今日、滝壺さんとどこ行ってたの?」

結標 「……夕飯の買い物」

番外個体 「それだけ?」

結標 「んー……貴女になら話してもいっか」

番外個体 「そんな大事なことなの?」

結標 「そうでもないんだけどね。正式な話じゃないから、おおっぴらにしないだけ」

番外個体 「ふーん」

結標 「あまり言い触らさないでよ、恥ずかしいから」

番外個体 「内容による」

結標 「何それ……まあ、隠すような話でもないんだけどさ」



755 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/19(土) 03:08:48.96 ID:1EhtFsTCo

番外個体 「いいからいいから。ほら、語っておくれ」

結標 「式場の予約と下見」

番外個体 「」

結標 「嘘よ」クスクス

番外個体 「驚かさないでよ!」

結標 「じゃ本題ね。今日、貴女の店で話してるときに分かったんだけど」

番外個体 「うん」

結標 「私と滝壺さんって、目指すところが似てたのよね」

番外個体 「目指すところ?」

結標 「去年のクリスマス、施設に行ったの覚えてる?」

番外個体 「そんなこともあったねぇ」

結標 「あれが一つのきっかけでね……保育士、目指してみようと思って」

番外個体 「……やめてよ。インタビューが来たとき、どう答えればいいの?」

結標 「?」

番外個体 「"信じられません……"とか? "嘘だ! 淡希が初犯だなんて!"とか」

結標 「貴女は人をなんだと思ってるのよ!!」グイグイ

番外個体 「え、ちょ、待っt痛い痛い痛い!」



756 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/19(土) 03:10:36.64 ID:1EhtFsTCo

番外個体 「あー、痛かった。4の字固めはキツイってのよ……」

結標 「貴女も懲りないわね。余計なこと言って痛めつけられるの何回目よ」

番外個体 「こんなパターンになるの淡希だけだってば」

結標 「私が暴力女って呼ばれたら貴女のせいだからね」

番外個体 「だったら自重してよ!……で、滝壺さんも保育士志望なの?」

結標 「ちょっと違うかな。教職なのは同じだけど」

番外個体 「じゃ何?」

結標 「能力開発の教官らしいわよ」

番外個体 「へー、らしいんだからしくないんだか」

結標 「滝壺さん、能力開発にはいい思い出ないらしくて。他の人にそんな気持ちになってほしくないんだって」

番外個体 「なるほどね。……結局、どこ行ってたの?」

結標 「大学の資料もらいに行ってたのよ。来年受けようと思って」

番外個体 「あー、そういうことか。今からじゃ準備する時間が足りないってのは」

結標 「決めたときには受験シーズンなんて終わってたのよ」

番外個体 「じゃ浪人?」

結標 「そうなっちゃうわね。今更気にならないけどさ」

番外個体 「気にならないって……そっか、歳ごまかしてるんだ」

結標 「そんなワケないでしょ!」



757 : ◆r462iqU2Ag:2011/03/19(土) 03:11:51.72 ID:1EhtFsTCo

といったところで、今回はここまでです。
次回、ようやく卒業式に入れそう。
短くすっきりまとめる才能がほしいです。
次回投下は2~3日の内に。
数時間前には当スレにてご連絡させて頂きます。
最近、間隔が不定期ですいません。

お付き合い頂き、ありがとうございました。
それでは、これにて。



761 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank):2011/03/19(土) 08:22:00.77 ID:e+24t1kB0
>>1乙ぅぅ
ネットブック抱えたまま寝落ちしてた。たぶん25時過ぎ

着々と、卒業の準備が進んでるんだよな




762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県):2011/03/19(土) 14:48:13.08 ID:ai/ZoJJp0
あわきんのショタコンはすっかり影を潜めたよね



763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県):2011/03/19(土) 15:05:34.23 ID:1hMUFr8no
>>762
エツァリはあわきんの二つ下のはず




765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/20(日) 11:32:53.50 ID:mUIbGlhSO
なるほど歪みねぇ



次→絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」その18

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禁書目録SS   コメント:1   このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント一覧
7074. 名前 : 名無し◆- 投稿日 : 2011/05/18(水) 19:32 ▼このコメントに返信する
騎士団長が可愛く見えたのは後にも先にもこの作者だけだろうな
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