五条「ククク… ここが学園都市ですか」その16

2010-12-09 (木) 13:31  禁書目録SS   10コメント  
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グッっとくるフィギュアコレクション23 とある魔術の禁書目録 白井黒子 PVC塗装済み完成品


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1 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12/08(水) 23:40:45.74 ID:fGpcjHA0
────────────
八月十二日 夏休み二十四日目
────────────

『『『いらっしゃいませー♪』』』

気がつくと、完全にアウェーだった。
常盤台女子寮盛夏祭。
先日黒子より招待状を受け取った、この女子寮での祭事イベントに参加したのは良いものの、共に足を運んだ上条とインデックスは早々に何処かへとはぐれてしまい、一人寮内をうろついている自分が完全に浮ついているのが理解出来る。

五条 (……ククク……)

改めて周囲を見回す。
賓客をもてなす心遣いからなのだろうか、常盤台の生徒達は皆一様にメイド服に身を包み、来客の対応に当たっている。
もしや知った顔もメイド服を着ているのだろうかと考えると、早く知人と合流してその様を拝みたかった。

とはいえ、頼みの上条は携帯電話を呼ぼうとも電話に出ず、黒子や美琴も多忙の折に無理やり自分から連絡をして手間を取らせてしまうのも気が引けた。

五条(……まぁ、うろうろしていれば誰かと合流出来ますかね)

案外上条が未だロビーで自分の事を探しているのではないかと思い立ち、寮のロビーへと足を進める。

来場者でごった返している寮の入り口に、上条とインデックスの姿は無かった。

『いらっしゃいませー!こちら、本日のパンフレットになりまーす!』

五条「……ククク……これはどうも……」
パンフレットを差し出して来た手の先を見る。



3 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/08(水) 23:41:23.35 ID:jyoOMoDO
待ってた!



4 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/08(水) 23:45:57.30 ID:M9WvZbQ0
ちょうまってた!



5 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12/08(水) 23:46:03.25 ID:fGpcjHA0
相手も自身の顔を見て固まっていた。
肩にかからない程度にショートの栗毛。
強い意志を感じさせる、驚きに丸くなった鳶色の瞳。
頭に飾り付けられているのは、普段のヘアピンでは無くカチューシャ。
全身をメイド服で固めた学園都市第三位の超電子砲、御坂美琴がそこに居た。

美琴「ありがとうございましたー!」
五条「……いえ、その日本語はおかしいでしょう……」

唐突にテンパった発言をする眼前の第三位。
冷静にツッコミを入れると、少し呆けた後に真顔に戻った彼女が口を開いた。

美琴「あー……黒子?」
バツが悪そうにぽりぽりと頬を掻きながら彼女が問いかける。
若干頬が染まっているのは、普段と違うキャラを知人に見られた気恥ずかしさによるものなのだろうか。

五条「ええ……黒子を探しているのですが……」

美琴「アイツなら、さっきビュッフェの手伝いしに行ったわよ。そろそろ着替えてビュッフェに出てると思うけど」

五条「……ククク……そうですか……それと、私のツレを見ませんでしたか……?」

美琴「ツレって…… 男のコ?」

美琴が不思議そうに首を傾げる。

五条「ええ……高校生なんですが……こう、すこし目がタレ目気味で……頭がウニの様に……」

上条の人となりを口頭で説明する。
説明をしていくに従って、次第に美琴の顔色が変化していく様が判った。



9 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12/08(水) 23:49:57.91 ID:fGpcjHAo
五条「……で、銀髪碧眼のシスターと二人連れではないかと思うのですが……」

美琴「えッ……あいつ彼女居るの……?」

黙って話を聞いていた美琴が唐突に口を開く。

五条「あいつ?」

美琴「あッ……、いや、何でもないッ!」

五条「……お姉さま、上条当麻とお知り合いですか……?」

みるみるウチに、美琴の表情が紅潮していった。

美琴「べべべべべ別に知り合いってワケじゃ……でもアイツはどうなんだろうって……ってアンタ何よさりげなくお姉さまって!」

わかりやす過ぎる。
真っ赤な顔で慌てて捲し立てる御坂に向かい、はあとため息を吐いた後に言葉を吐く。

五条「……オレは何も聞いてはいませんし……何も見てはいません……」

ごくり、と彼女が息を呑む音が聞こえた。

五条「……それとこれはオレの独り言ですが……上条当麻と二人連れで行動しているシスターは……同棲……しています……」

言って、美琴に視線を投げる。只でさえ大きい瞳が更に大きく見開かれていた。
先の紅潮が嘘の様に、顔色からサーっと血の気が引いていくのが見て取れる。

美琴「う……嘘よ……「嘘ではありません……ありませんが……」

五条「……あの二人の同居はシスターの都合による成り行き上のものでして……ふしだらなものでは無いかと思われます……」

五条「……加えて、彼女は恐らく修道女という点から身持ちは固いでしょう……」

美琴の表情に、次第に血の気が充満していく。
彼女もまた黒子とウマが合うわけだ。短時間で随分と表情が変わるその様は、見ていて面白いものだった。



12 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/08(水) 23:53:02.82 ID:d5GcENc0
五条さんショック与えすぎww



13 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12/08(水) 23:53:43.15 ID:fGpcjHAo
五条「……ですが一つ屋根の下ともなると、何時なにが起こっても不思議ではありません……サッカーで言うなれば……同点で迎えた時間無制限一本先取のVゴールと言った所でしょうか……」

美琴が再びごくりと息を飲む音が聞こえる。

五条「……速攻で行かねば、何時相手方にゴールを許すとも限りませんよ……」

ごう、と彼女の背後で炎が燃え上がった様な気配がした。

五条「……ククク……オレは少なからずどちらの事情も知っているのでどちらの味方も致しませんが……御武運を……」

────────────

『お、居た居た、五条ー!!』

ロビーで御坂と別れ、少しうろついた所で聞きなれた声が響いた。
次いで、上条当麻とインデックスが並んで歩いている様が目に入る。

上条「お?まだあの娘と合流してなかったのか?」

五条「……ええ、まだ合流しかねているのですが……」

上条「そっか。オマエもなかなか災難ですね」

五条「……ヒヒヒ……そういえば……」

上条「?」

五条「……おn……御坂美琴をご存知ですか……?」

上条「あぁビリビリか。そういえばあいつも常盤台だったっけ」



15 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12/08(水) 23:58:49.23 ID:fGpcjHAo
五条「……?さして親しくはなさそうですね……そう言えば、オマエは誰から盛夏祭の招待状を……?」

上条「あぁ、ウチの隣の部屋の土御門ってy『マイカがチケットをくれたんだよ!』

会話に入ってきたシスターに目を送る。

インデックス「マイカって友達が、手伝いをするからおいでよってチケットをくれたんだよ!」

何やら興奮を抑えきれていない様子だ。

上条「面白い奴だから、今度会ってみると良い、紹介するぜ」

五条「……えぇ、機会がありましたら是非……」

インデックス「それよりもトウマ!そろそろ時間かも?」

上条「あぁ、もうそんな時間か」

二人のやり取りに、時計を眺める。
昼の十三時と十五分。
多少遅めに出発したせいもあってか、既に昼食をとるのには丁度良い時間に差し掛かっている。

五条「……確かビュッフェがあるそうですね……」

上条「ああ……そうなんだ……そうなんだけどな……」

インデックス「ビュッフェ♪ビュッフェ♪食べ放題~♪」

銀髪のシスターが、楽しそうにはしゃぎ回っている。
もしかすると、出会ってこの方一番嬉しそうな彼女の姿ではないだろうか。



17 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12/09(木) 00:02:56.23 ID:z98Lfc6o
五条「……ククク……最悪追い出されますかね……」

上条「……不幸だ」

────────────

ビュッフェに到着し、上条とインデックスの隣のテーブルに腰を据えた。

程なくして、大量の料理を盛り付けた皿を持ったシスターが視界に入る。

『マサルー!こっちにハンバーグあったよー!』
傍らには、申し訳なさそうにちょこんと料理を盛った皿を抱えて追随する上条の姿。

『お料理の方は、セルフサービスになっておりましてよ?』

唐突に響いた声に振り返る。

いつもと変わらないツインテール。
その装いは普段のそれとは異なるメイド服。
視界に飛び込んでくる転送能力者、白井黒子。

五条「……」

黒子「……?どうされましたの?」

五条「……いえ……」

美琴を見て、黒子もメイド服が似合いそうだとは思ったものの、ここまで似合っているとは思いもよらなかった。
普段から丁寧な言葉遣いやそのお嬢様然とした立ち居振る舞いまで、考えてみれば当たり前の事なのだが。

黒子「……ははぁ、勝さん、こういうのお好きですの?」

彼女が顔を寄せてきた為、思わずあとずさる。

五条「……いや、純粋に似合っていると思いましてね……ヒヒヒ……」

黒子「あら、嬉しいですわね。もっと言って下さいまし」

五条「……」



19 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12/09(木) 00:05:14.46 ID:z98Lfc6o
彼女が得意げに鼻を鳴らす。
やはり格好こそ違えど、中身はいつもの黒子そのものだ。

五条「……ところで、手伝いは何時ご……?」
不意に黒子が人差し指を口の前に持ってきて、自身の肩に手を置いた。
周囲の景色が一変し、中庭の隅らしき風景が視界に入る。

はあ、とため息を吐いて言葉を続けた。

五条「……サボり、ですか……」

黒子「あら?本日まで下準備に色々と頑張らされましたのよ?これ位の権利はあるかと思いますの」

五条「……で、何をしますか?」

黒子「もう出し物は見て回られましたの?」

五条「えぇ……体験物はさして食指が伸びませんでしたので……展示物は一通り……」

黒子「なら催し物がございますので、そちらに参加されては如何です?」

立ち話をするのも何だったので、中庭の隅にあるベンチに座る。
何処かで飲み物を調達しようと思ったのだが、『少々お待ち下さいまし』と言って立ち上がった黒子が消え、再度目前に姿を現した際には、両手にコップに入った飲み物を抱えていた。

片方を受け取り、口をつける。
黒子「この後の催し物は、チャリティーオークションとお姉さまの演奏会ですわね」

五条「へぇあッ!?」



21 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/12/09(木) 00:06:19.57 ID:DpSFzMDO
黒子ー!俺だー!結婚してくれー!



23 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/12/09(木) 00:07:13.21 ID:c5PDP7Qo
駄目だ五条さんの「へぇあッ!?」で笑っちまうwwwwwwww



24 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12/09(木) 00:08:22.70 ID:z98Lfc6o
思わず気管にコーヒーが入り込み、軽く咳ごんだ。

黒子「?どうされましたの?」

五条「……お姉さまの演奏会とは……?」

黒子「そのまんまの意味ですわよ。お姉さまのバイオリン独奏ですわ」

五条「……バイオリン……!?」

黒子「あら?お話しておりませんでした?お姉さまはバイオリンもお得意ですのよ」

流石ですわよねーとキラキラした目線を中空に送る黒子を尻目に、バイオリンを持っている美琴を想像してみる。

……想像に難かった為、断念した。

黒子「それにしても若干時間が空きますわね……寮内を離れる事も出来ませんし……」

五条「……ククク……」

頭を振って先までの邪推を払い、ふと隣を見る。

こちらを見ていた黒子と目線がぶつかった。

黒子「……」

五条「……」

お互いに真顔のまま、暫し無言で見詰め合う。

黒子「……勝さんって……」

五条「?」

黒子「眉毛ありませんでしたのね」

五条「……何を今さら……」

くすくすとおかしそうに黒子が笑う。
つられて、自分の口角が釣りあがるのがわかった。

黒子「ねぇ勝さん?」

五条「……ククク……何でしょうか……?」

黒子「わたくしのへy『あー!白井さん!五条さん!』

────── 何処かで聞いた事のある甘い声に、背筋に戦慄が走った。



27 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/12/09(木) 00:18:50.46 ID:z98Lfc6o
……と、ここまでが書き溜め分なのですが、どうにも筆が捗りませんので今夜はここで一旦区切らせて頂こうかと思います
引越しの挨拶だけ、というのも何でしたので投下を行なわせて頂いた所存です
変わらぬ遅筆をご容赦下さい
ご期待頂きました皆様には、謹んでお詫び申し上げます

投下可能行数も多く、ようやくPCから投下が出来る様になりましたので、今後は幾分か楽になるかな等と安心しております
こちらに移動してもお付き合い頂ける皆様に深謝致します

さて、次回以降の投下に関してなのですが、明日以降毎日午後11時より投下を行なわせて頂こうかと思います
今後はご支援は歓迎させて頂きますが、製作のシステム上保守は不要となっておりますのでお時間のある時にご一読頂ければ幸いです



25 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/09(木) 00:10:32.60 ID:O7nFArY0
フラグが折れた!



28 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/09(木) 00:20:09.95 ID:O7nFArY0
なん…だと…



29 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/09(木) 00:21:22.56 ID:/nMqs86o
来たら終わり・・・だと?
明日の11時までハンバーグやけ食いしてくる




34 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/09(木) 00:30:46.99 ID:jNm64rIo
お疲れ様です。楽しみにまっとるよ



35 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/09(木) 00:32:01.67 ID:2tnAF8Uo
乙!楽しみにしてるぜ!
今日、やっとイナズマイレブンクリアした
もちろん、五条さんを入れたチームでな




37 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/09(木) 00:36:18.53 ID:WWFo5Hg0
今更だが真顔で見つめ合うって言っても表情はいつものアレなんだろうなぁww



40 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/12/09(木) 00:56:08.73 ID:JsxWslgo
初春、絶対タイミング見計らって来ただろwwwwww
一七七支部でも、明らかに黒子の態度分かってて五条さんに薬塗ってたし






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禁書目録SS   コメント:10   このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント一覧
1377. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2010/12/09(木) 13:51 ▼このコメントに返信する
リアルタイムで見たい
誰かスレタイ教えて
1378. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2010/12/09(木) 13:58 ▼このコメントに返信する
昨日イナイレを観てみたんだが、五条さんっぽいのがいた
アレが五条さんなら凄い変身だな
1379. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2010/12/09(木) 14:35 ▼このコメントに返信する
製速で「とある五条の蹴球闘技」ってスレタイでやってる
五条さんかっこよすぎて惚れるわ
1382. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2010/12/09(木) 16:11 ▼このコメントに返信する
これはナイス五条
1383. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2010/12/09(木) 17:12 ▼このコメントに返信する
黒子といいかんじだが…
続き気になっちゃう

クククでスレタイ検索すればひっかかるはず

1387. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2010/12/09(木) 18:55 ▼このコメントに返信する
五条さんイケメンすぎるww
1390. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2010/12/09(木) 20:53 ▼このコメントに返信する
※1377
まず名前欄で検索して板見つけろ
専ブラ持ってるなら追加しろ
まずはそれからだ
1391. 名前 : ※1377◆- 投稿日 : 2010/12/09(木) 22:56 ▼このコメントに返信する
みんなありがとう
1396. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2010/12/10(金) 01:48 ▼このコメントに返信する
五条さんは結構作者に恵まれてる気がする
まぁ、キャラが固まってないから、その辺をうまく補完できる人しか書かないのかもだけど
4164. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/03/03(木) 13:48 ▼このコメントに返信する
あれ、なんだかんだで今回も五条さんハンバーグくえてなくね?
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