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五条「ククク… ここが学園都市ですか」その2最初から読む→
五条「ククク… ここが学園都市ですか」393 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /21(日) 22:00:54.95
ID:BSOuVuj9O 七月二十一日 夏休み二日目
『あんだテメーは!?あぁん!?』
五条「ククク……少々お尋ねしたい事がありましてね……」
『ハッ!能力を得た俺に勝てたら教えてy』
ゴシャッ
サッカーボールが、眼前の男の顔にのめり込み、体格の良い男が仰向けに倒れる。
駅からは随分と離れ、うらぶれた空き地の一角に、チンピラ風の男と向かい合う五条勝の姿があった。
倒れた男の顔を覗き込み、彼は言葉を投げる。
五条「……オレの勝ち、ですかね……さぁ、知っている事を話して下さい……」
五条「幻想御手(レベルアッパー)についてね……ヒヒヒ……」
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395 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /21(日) 22:02:10.72 ID:5LfP4t6IO
待ってました!
397 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /21(日) 22:08:33.56
ID:BSOuVuj9O 五条「……幻想御手?ですか……?」
手元のアイスコーヒーを攪拌しながら、テーブルを挟んだ対面、凛とした表情で話を切り出したツインテールの空間移動能力者の少女に質問を投げかける。
黒子「えぇ。簡単に申し上げますと、無能力者は能力を得ることが、能力者は能力を強化する事が出来ると言われている、"何か"のことです。確証は無いのですけれども、これが原因で昏睡状態に陥ったり、暴力的事件を起こす学生が相次いでいるという少々厄介な代物ですの」
真剣な表情で話を続ける彼女。
珍しく彼女の方からの連絡を受けたので、昨晩の説教の続きを覚悟して喫茶店へと足を運んだつもりが、思わぬところから暇潰しの種が転がり込んできたものだ。
五条「ククク……確かに最近、攻撃的な学生が目に付く様になっている気がしましたが……随分と大事になっていたのですね……」
401 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /21(日) 22:17:01.64
ID:BSOuVuj9O 黒子「そこで、わたくし達風紀委員としましては、以下の三点を目標として事態に対処する運びとなりましたの。
一つ、昏睡状態に陥った学生の回復。
二つ、幻想御手の拡散の阻止
そして三つ、幻想御手を製作して流通させた方の、拘束」
五条「……ほう…」
黒子「ここまで伝えればおわかりになるかと思いますが、事態は相応に逼迫しておりますの……五条さん、あなたの手をお貸し下さいませ」
真剣な表情を崩さぬまま、黒子が頭を下げる。
五条「……あまり気乗りがs『もしご尽力頂けるのであれば!』」
言葉を紡ごうとした途端、被せる様に黒子の声が響く。
明らかに変化した声のトーンの元に目をやると、先の真剣な表情を一転させ、得意げな笑みを浮かべている腹黒空間移動能力者がそこに居た。
黒子「わたくし嬉しさのあまり、昨晩の火災現場で見たものを忘れてしまうかもしれませんの!」
いい終えると、フン、と得意げに彼女が鼻を鳴らす。
黒子「さて、お返事をお聞かせ下さいませ!」
勝ち誇った笑みのまま告げる彼女に、言葉を吐いた。
402 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /21(日) 22:18:42.81 ID:AjJrBc8o0
このスレ、五条さんがカッコいいように見えて、実はそれだけに留まらない…
黒子がすごく可愛いのだ…410 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /21(日) 22:24:57.55 ID:vnlCD9el0
イナイレのゲームに興味が湧いてきた件
五条さん使ってサッカーバトル出来るんだよね?412 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /21(日) 22:29:51.17 ID:ly5YT/R00
>>410
ザ・ワールド使っちゃうイケメンな五条さんが見れます413 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /21(日) 22:30:11.06
ID:BSOuVuj9O 五条「……ククク……やりましょう……」
元より拒否する気のなかった格好の暇つぶしに、先の借りが帳消しになるおまけまで付いてきたのだから断る由は無い。
再び表情を変え、嬉しそうな笑みで密売人のアジトと思しき場所が記された地図の束を取り出し、それじゃあわたくしはこちらを、あなたはそちらを、合流はこちらの地点で…と話を続ける彼女の話を適当に聞き流しながら、今日の暇つぶしについて思いを馳せていた。
昨晩に続き、やはり幸先が良い。
黒子「どうかされましたの?」
彼女の声にふと我に返ると、地図に指を走らせたまま、上目遣いでこちらに視線を投げる彼女と目が合った。
少し、呆けていた様だ。
五条「…これは失礼、なんでもありませんよ…ククク……アーッハッh!」
『すみませんお客様…』
不意にウエイトレスに声をかけられる。
『他のお客様のご迷惑になられますので、あまり大声での談笑は…』
怒られてしまった。
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420 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /21(日) 22:37:56.00
ID:BSOuVuj9O 五条「さて……話して下さいますね?幻想御手について……」
仰向けに倒れたままの男の鳩尾に足を置き、言葉を投げる。
『し……知らねぇ!俺は幻想御手なんてしらgっ!』
鳩尾に置いた足を少し浮かせ、体重を乗せて沈める。
苦しさで転げまわりそうになる男を足で押さえつけ続け、男が落ち着いた頃合を見て、再度言葉を投げる。
五条「……話して下さいますね?幻想御手について……」
男は慌ててズボンのポケットに手を突っ込み、一台の携帯音楽プレーヤーを取り出した。
『コレだ!これが幻想御手だっ!』
今一度鳩尾に置いた足を少し浮かせ、体重を乗せて沈める。
先と同じく苦しさで転げまわりそうになる男を足で押さえつけ続け、男が落ち着いた頃合を見て、三度言葉を投げる。
五条「……話して下さいますね?幻想御手について……」
『だ……だからコレが幻想御手だって……』
再び差し出されるプレーヤー。
プレーヤーを男の手から引ったくり、言葉を続ける。
423 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /21(日) 22:44:55.90
ID:BSOuVuj9O 五条「ヒヒヒ……本当だというのに苦しめてしまってすみませんね……で、売人の方はどちらですか?」
『言えねぇ!それだけはかんb「爪と肉の間にスチールブラシを入れるのはお好きですか?」』
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……全力で駆けていた。
可能な限り最短距離を、早く、早く。
先に尋問を行なったチンピラ風の男が指し示した密売人達の居所。
それは奇しくも黒子と合流する予定地点のすぐ直近だった。
五条(由々しい事態ですね……)
単純な戦闘時間の違いを廃しても、徒歩で移動を行なっている自身より空間移動能力者の彼女の方が合流地点に早く到着するのが道理だ。
そして彼女の性質を考えると、最寄に密売人達の姿を見つけてしまった場合、自分の到着を待っているとは思えない。
行く手を塞ぐ金網に足をかけ、跳躍する。
427 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /21(日) 22:50:48.81
ID:BSOuVuj9O 五条(……)
黒子の能力を侮っているわけではない。
事実彼女の能力は、これまで数十回に渡り対峙をして来た低レベルの能力者のそれとは一線を画している。
しかし今日の彼女からは、明らかに普段以上の疲労が見て取れた。
ましてや、相手が密売に携わっている能力者ならば、通常の能力者より上位のレベルである可能性が高い。
それが複数の相手ならば、いかに彼女といえど危機に晒される可能性は充分過ぎる程だ。
差し掛かった大通りの歩行者用信号が赤なのが視界に入るが、行き交う車のリズムを読み、その隙を縫う様に一気に走り抜け、合流予定地点へ駆ける。
そこに、彼女の姿は見当たらなかった。
430 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /21(日) 22:58:45.26
ID:BSOuVuj9O 足を止めずに、直近の密売人の居所に向かい走り続ける。
次第に聞こえ始めた喧騒が、自身の直感が誤りでなかった事を認識させ、一段とその足を加速させる。
密売人が屯する廃ビルへの曲がり角を曲がった時、その光景が視界に飛び込んできた。
背の高い男が放つ回し蹴りをもろに受け、くの字に体を折り曲げながら、廃ビルのショーウィンドウへと吹き飛んで行く、白井、黒子。
がしゃあん、と言うガラスの破裂音は、試合開始のホイッスル代わりとしては充分過ぎるものだった。
--------------------------
『なぁにやってんだぁ?まさかもうテレポート出来ねぇってんじゃねぇだろうなぁ?』
黒子の放った金属棒が反れ、廃ビルの中へと男が足を進める。
『けどなぁ…こっちゃあまだ遊び足りねぇんだよ!』
「ククク……奇遇ですね……私も遊び足りなくて難儀していたのですよ……」
437 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /21(日) 23:08:20.50
ID:BSOuVuj9O その男の背へ、声をかけた。
『誰だ!?』
「……ヒヒヒ……貴方に名乗る名はありませんよ!」
男へ向けて駆け寄り様に身を沈め、残像が残るほどの速度で、多数のスライディングキックを放つ。
間違いなく男に命中するはずであったその足は中空をかき分け、あらぬ方向から衝撃が襲い掛かってきた。
五条(ほう……)
男の蹴りをあばらに受けながらも勢いを殺さずに滑りぬけ、男と黒子の間に身を起こし、再び男と対峙する。
黒子「五条さん!?どうして来ましたの!?あの程度ならばわたくし一人で「白井さん」」
背を向けたまま、抗議の言葉を遮り黒子に言葉を吐く。
五条「……ビルの外でお待ち下さい……貴方には見られたくない…ククク…」
黒子「しかし!お二人の方が「黒子!」」
五条「ビルの外で待て……俺を、信じなさい」
一瞬驚いた表情を浮かべた彼女が、真剣な表情に戻り、こくりと頷くとその姿を消した。
『ハハハハハッ!オマエが変わりに遊んでくれるのか!?色男さんよぉ!』
叫ぶと同時に、男が遠間からナイフを投擲してくる。
男が立っている場所とは異なる地点より飛来するナイフ。
445 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /21(日) 23:17:01.37
ID:BSOuVuj9O 五条(…間違い無さそうですね……拍子抜けしました)
迫り来るナイフを右足で蹴り上げ、ため息をついた。
かつッと小気味の良い音が響き、ナイフが天井へと突き刺さる。
『……おおお!やるじゃねえか!…?どうした?まさか?ビビッっちゃt「少し黙りなさい」』
男の言葉を遮り、その目を強く見据える。
濁った瞳だ。何の光も宿してはいない。
五条「貴方には、お二つ罪状があります……」
五条「一つ目は……」
足元のガラス片を、先にナイフが飛んできた箇所へと蹴り飛ばす。
ピっと音がして、正面に居るはずの男の頬が切れた。
『なッ!?』
五条「光学迷彩…?の一種ですね、きっと…こんな瑣末な能力を私に披露して、私を期待させ、尚且つ裏切った。これが一つです」
五条から発せられる威圧感に、男は次第に狼狽していく。
目の前の、この悪魔の様な風貌の男は一体なんなのだ。
憔悴しきった表情の男を見ず、先にガラス片を蹴った場所を見据え、五条が言葉を続ける。
五条「残念です……能力如何では、貴方とは良い友達になれたかもしれないのに……」
452 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /21(日) 23:25:13.93
ID:BSOuVuj9O 右手を伸ばし、左手を目頭に沿え、大袈裟に嘆く様なジェスチャーを取り、静止する。
五条「そして二つ目は……」
メガネを外し、男が居るであろう中空を見据えた。
幻の男が霧消し、中空であった箇所に男の姿が現れる。
五条「……言うに、及びませんね……貴方は極刑です!…ククク……!」
『ひ……ひいいいいいいいい……!』
視線を投げると同時、叫び声と共に、男が地に両膝を付く。
五条「おや、腰が抜けてしまったのですか……ならば、【そんな腰はもう要りませんね】」
男に向かい歩を進めながら、再度言葉を紡いだ。
『ああああああああああああああああああああああ!!!』
男の股間が急激に濡れはじめた。
五条「おやおや……みっともない……さて、次は……」
『ああ!!なんなんだよオマエえええええ!!!くるな!くるなああああ!』
男が上半身のみで、再びナイフを投擲する。
五条とは検討違いの中空に向かって。
458 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /21(日) 23:32:52.41
ID:BSOuVuj9O 五条「そんな腕も…【もう要りませんね】」
『うわああああああああ!!!』
絶叫と同時に、男の腕が力なくだらんと垂れ下がる。
五条「次は…頭ですか?心臓?肺?眼窩の奥も捨てがたいですかねぇ…」
『あああああああああああああああ!!……』
男が白目を剥いて卒倒した。
……少々脅しが過ぎたかも知れない。
多少の頭痛を堪えてメガネをかけ直し、男の襟首を掴む。
男を引きずりビルを出る頃には、既に外にはスキルアウト達が到着していた。
--------------------------
黒子「……あの、五条さん?」
五条「……?どうかされましたか?ククク……」
アンチスキルに男の身柄を引き渡し、一部始終を追えて一息ついていると、傍らの黒子がおずおずと口を開いた。
黒子「五条さん……で間違いございませんわよね?」
五条「……ククク…変な事を言いますね…私は五条ですよ、五条勝です……」
466 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11/21(日) 23:39:27.27
ID:BSOuVuj9O 黒子「……そうですわよね、わたくしったら…何を…」
五条「さて、お互いの報告をまとめましょうか……」
--------------------------
黒子「それじゃあ、わたくしは一度本部に戻りますわ、今日は本当にありがとうございました」
夕闇の中、ペコ、と頭を下げる黒子に右手を掲げて答える。
五条「ヒヒヒ……構いませんよ、いつもあなたには迷惑をかけている……」
黒子「それとこれとは話が別です!では…「あぁ、ちょっと待ちなさい!」!」
空間を転移しようとした黒子を呼びとめる。
黒子「何ですの?」
きょとんとした顔の彼女に、言葉を続けた。
五条「……あまり、無理をしないで下さい……ヒヒヒ……」
467 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /21(日) 23:40:14.61 ID:cL7kRr2t0
これはレズでも惚れる472 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /21(日) 23:42:00.76 ID:BX48drSU0
五条さん…///474 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /21(日) 23:43:26.01
ID:BSOuVuj9O 黒子「ふぅ……バレてましたの?まぁ、お互い様ですわね、きっと」
ため息を付いた後、悪戯っぽく微笑んで彼女が続ける。
黒子「随分と息を切らしておりましたけど、現場まで走って来て下さったのですわね……嬉しかったですわ!」
言い終えて、彼女の姿が消える。
五条(ククク……)
少し痛む眼球に彼女の笑顔を焼きつけ、帰路に足を向けた。
随分と遠くまで来てしまったものだ。帰りには些か時間がかかりそうだ。
五条(……まぁ、それも悪くはないですね……)
駅から降りる階段の途中、半身を地平線へと投げ出す夕日が写った。
酷く美しく感じたそれに一時足を止め見入っていると、同じく帰路を急ぐ人並みの中の一人の肩がぶつかる。
五条「……おっと、すみません」
ぶつけた人間は返礼もせずに、再び人並みの中へと消えていった。
-fin-
478 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /21(日) 23:44:50.14 ID:8fvXDnXBP
おい結局五条さんは何をしたんだ483 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /21(日) 23:46:53.30 ID:4LvEpP/N0
狂わせたんだろ、純粋に480 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /21(日) 23:45:28.23 ID:o32iD/FZP
ぶつけた人間は返礼もせずに、再び人並みの中へと消えていった。
↑何かの伏線?482 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /21(日) 23:46:20.83 ID:G09NBGaiO
俺の股間が急激に濡れはじめた。491 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /21(日) 23:53:44.13
ID:BSOuVuj9O 以上、本日の投下分となります
支援&保守を頂いた皆様、ありがとうございました
まず第一に、思ったより長丁場になりそうで困惑しとります
1スレ使いきったらパー速に行った方が良いのか、またVIPに立てるかをもう考えたりしとります
次話以降に関しましては、同じく明日の21時頃の投下(まとまったらもう少し早くなるかもしれません)を予定しております
12時過ぎたら、お嬢に一票入れようと思います
484 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /21(日) 23:47:09.01 ID:AOs4Dy140
乙!!!第四章楽しみにしてるぜ!!!!485 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /21(日) 23:47:11.14 ID:vnlCD9el0
マジかよ…劇場版公開までに五条さんは何人のファンを作るつもりだ500 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /21(日) 23:57:26.56 ID:m0YaNG18O
続くとは…恐れ入りましたよ
期待してます…ククク…501 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /21(日) 23:57:27.43 ID:O/nnzgbN0
狂え、純粋に……続き→
五条「ククク… ここが学園都市ですか」その4↓イナイレ人気投票!女性の方にも票を入れてあげてくださいね!ククク!
http://www.inazuma-movie.jp/ranking/ranking.php
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