五条「ククク… ここが学園都市ですか」その2

2010-11-21 (日) 12:17  禁書目録SS   20コメント  
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眼鏡なカノジョ (Flexコミックス)


最初から→五条「ククク… ここが学園都市ですか」

153 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /20(土) 20:55:47.85 ID:JWUD29KRO


……夢を見ていた。

顔をみなくなってより、さして久しくない友人たちに囲まれて、フィールドを駆けている自分の夢を。

隣を走る友人の一人が、自分に微笑みかけてパスを出してくる。
ボールを受け取りドリブルをしながら自陣を駆け上がり、パスを出す友人を見定めようと周囲を見回す。

と、飛び込んでくる視線。視線。視線。

相手チームは元より、先の瞬間まで笑みを交わしながらプレーしていた友人までもが、
得体の知れない"何か"に対する恐怖を宿した眼差しを、自分に向けてくる。



156 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /20(土) 21:00:11.59 ID:JWUD29KRO
五条『え……?』

視線。深く突き刺さる視線。

チームで最も信を置いていた、鋭い目をした友人が怪訝な視線のまま言葉を吐いた。

『……なぁ……おまえ誰だ……?』

体が大きく落下する様な感覚に瞼を開き、半ば錯乱した状態で慌てて上体を引き起こす。
視界に飛び込んでくる、薄暗い自分の部屋。

枕元のペットボトルに手を伸ばして、中の水分を一気に飲み下す。
夢か、あぁ、夢だったか。
深く息を吐いた後にブラインドを薄く開けると、季節に押される様に昇るのを逸る太陽が、東の空を茜色に染めている様に思わず目が細まった。



157 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /20(土) 21:03:34.75 ID:JWUD29KRO
身なりを整え、幾分か通い慣れた道のりを、サッカーバッグを引提げながら歩を進る。
かれこれ半年以上も繰り返した、何という事のないいつもの朝だ。

『や……やめて下さい!』

登校の最中、不意に人通りの少ないわき道に目をやると気弱そうな中学生が数人の高校生に囲まれ、胸倉を掴まれているのが見えた。

五条(……ククク……朝の体操には丁度良いですね……)

『おい、ジャンプしろって、ほら早く!ジャ・ン・プwww』

『やめて下さい……やめて下さい』

『ヒャッハー!聞いた!?【やむぇてくださいー】だってよwwww』
『さっさと出さねぇt』

ゴゥッ!
轟音と共に、顔にサッカーボールを張り付かれながら、高校生の一人が吹き飛んだ。

『ッ!?』



158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /20(土) 21:04:01.95 ID:iRrOObUP0
五条△



165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /20(土) 21:16:40.94 ID:6M8LGQc2O
人気投票の五条票の一日に入る票数が日増しに増えてる気がする



160 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /20(土) 21:07:18.90 ID:JWUD29KRO
五条「ククク……遅いですよ……」

慌てて向き直ってくる高校生に素早く駆け寄り、勢いを殺さずにその鼻先にローファーの底を押し付ける。

『野郎ッ!!』
五条「フヒッ!」

一番屈強そうな男が振り上げた拳を掻い潜り、その鳩尾に体重を乗せた拳を叩き込んだ。

『グァっっ!!』

盛大に胃液を吐き出した男を見下ろす。

『お……覚えてやがれ!』
げえげえとえづく男を放置したまま、残りの数人は背を向けて駆け出して行った。

五条「弱すぎですね、出直してきなさい。クッ…クックック…アーハッハッハッハ!」

昂ぶった感情のまま勝どきを上げていると、先刻まで胸倉を掴まれていた中学生がおずおずと傍に寄ってきて、こちらをちらちらと伺いながら口を開いた。



162 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /20(土) 21:11:12.28 ID:JWUD29KRO
『あの……ありがとうございます……』

五条「ヒヒヒっ……構いませんよ……」

『じゃあぼk』
五条「あぁ、まだ行かないで下さいね……逃げたら怒りますよ……」

『!?』

少し驚いた表情の中学生をよそに、胸ポケットから携帯電話を取り出し、電話帳から一人の少女の電話をコールする。

五条「……ククク……おはようございます、ですかね。早速で済みませんがお仕事です…えぇ……いや、オレじゃあないですよ……ヒヒ……オレの座標は……」

携帯電話を耳に当てながら会話を続けていると、えづいていた男がよたよたと立ち上がろうとしているのが見えた。
電話を耳に当てたまま、よろける男のあご先に蹴りをいれ、意識を手放すのを確認する。
五条「……えぇ。待っていますよ。風紀委員さん……」

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164 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /20(土) 21:16:12.71 ID:JWUD29KRO
『どぅおおおしてアナタは毎回そうですのおおおッ!?』

テーブルを挟んで向かい側に座る少女が、金切り声を上げた。

五条「……まぁそう熱くならずに……イチゴサンデーで良いですか?……」
『…えぇ!よろしくって!』

五条「……クク……イチゴサンデーとアイスコーヒーを一つ……ミルクとガムシロはアリアリで……」

手早く注文を済ませ、甘味の名を聞いた途端に爛々と目を輝かせ席につく少女に目線を送る。

『~♪』

先の咆哮は一体なんだったのだろうか。
窓際の小さなテーブルで、左右に一房ずつ束ねた髪を午後の日差しに梳かせながら鼻歌を歌っている風紀委員の少女、白井黒子がそこに居た。

ころころとその豊かな表情を変える彼女の様は、実に見ていて飽きが来ない。



166 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /20(土) 21:22:48.91 ID:JWUD29KRO
黒子「……って、誤魔化されませんわよ、わたくしは!」

あ、帰ってきた。

黒子「……いい加減にして下さいませ!あなたはこの学園都市に転入数ヶ月、ご自分で起こした暴力事件の数を覚えておいでですの!?」

五条『……ククク……五件…?』

黒子「そのざっと20倍ですわッ!」
黒子「事件を起こさない日の方が珍しく!多い日は一日に三件!四件!どこからも被害届が出ていないのが奇跡的な数値でしてよッ!」

五条『……そりゃあ……きっちり口は塞いでいますからね……ヒヒヒ……』

黒子「塞がないで下さいませッッ!!」

程なくして届いたコーヒーにミルクとガムシロップを加え、攪拌しながら彼女の言に耳を傾ける。

黒子「そもそも毎度後始末をさせられるわたくし達風紀委員の身のもなって下さいませ!
あなたの行動はやれお婆さんを苛めていたからだの、やれカツアゲをみかけたからだの、イチイチ筋が通り過ぎてなくて!?
自己主張以外にお説教の方法がありませんわよ!この間の銀行強盗も能力者でなかったからよかったものの…… 」



175 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /20(土) 21:32:42.27 ID:JWUD29KRO
くどくどと言葉を吐く彼女に目線をやる。

黒子「あなたはもっと過剰防衛という言葉をご理解下さいm……」
五条「すみません……」

黒子「ッ……!?」
呆気にとられたのだろうか。目線がぶつかり、プイと目を逸らした彼女に言葉を続ける。

五条「……クク……本当にいつもすみません……反省はしていますよ……もちろん、感謝も……」

黒子「もう結構ですわッ!と・に・か・く!以後はご自重下さいませッ!」

絶好のタイミングでテーブルの上にサンデーが置かれた。
途端に彼女の表情から険がとれ、子どものような表情でサンデーのスプーンを握る。

朝の一件の侘びとしては、効果は覿面だった様だ。

五条「ククク……アーッハッハッハ!」
本当に、飽きない。

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170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /20(土) 21:25:37.59 ID:koygx0KLO
五条さん普通にいい人じゃねえかwwww



176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /20(土) 21:33:16.55 ID:VBvFFkaE0
こら、喫茶店で高笑いすなwwww



177 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /20(土) 21:41:43.60 ID:JWUD29KRO
黒子「あの件、考えて頂けましたの?」

五条「……?あの件?」

黒子「先日お話しましたでしょう、風紀委員入りの件ですわ」

五条「……」

夕刻にはまだ遠い暑さの残る町並みを、白井と肩を並べて歩く。
不意に問われた質問の返答に困っていると、彼女は言葉を続けた。

黒子「貴方のポテンシャルの高さと、悪人ではないという人間性は重々承知しております。
モチベーションをぶつける場所がなく、過剰防衛に力を注いで正義に縋りたいお気持ちも理解致します。」

五条「ククク……」

彼女なりに正当な評価をくれているのだろう。少々むずがゆい。

黒子「ですので、我々風紀委員としましては、是非あなたの様な人材にこそ、お力を貸してほしいのですわ」



180 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /20(土) 21:54:40.19 ID:JWUD29KRO
五条「……」

凛とした彼女の表情に、少し気持ちが揺らいだ。
きっとこの揺らぎは、世間一般の健常な男子ならば誰もが認めうるところだろう。

揺らぎを隠す様に、慌てて言葉を紡ぐ。

五条「……ヒヒヒ……集団行動は苦手です……」

黒子「はぁ……わかっておりましたけどね」

五条「すみません……」

黒子「まぁ、気長に貴方の心変わりを待ちま…!ッと、ごめんあそばせッ!」

五条「相変わらず忙しいですね」

黒子「……えぇ、おかげ様でッ!」

歩を止めて携帯電話を耳に当てた彼女を振り返らず、肩越しに手だけを掲げて別れを伝える。

『明日から夏休みですわよーッ!この街の治安も多少乱れますので、色々とご注意遊ばせーッ!』

少し遠くから、彼女が自分の背中に投げた声が響いた。

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184 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /20(土) 22:06:05.83 ID:JWUD29KRO
七月二十日 夏休み初日

夕闇の中を、一人で歩いていた。

昨晩の異常気象の影響で冷房の切れた部屋で目を覚まし、
着慣れた私服に着替え、何をするでもなく街に出る。

いつも通り、代わり映えの無い休日。

モノレールに揺られ、困っている人を探す。
人通りの少ない路地裏を歩き、声をかけてくれる相手を探す。

ガラの悪い連中が屯するコンビニエンスストアで、彼らに熱い視線を送る。

体の良いフラストレーションをぶつける相手を探して歩くも、いつもより心なしか熱を帯びた町並みは確たる遊び相手を提供してくれはしなかった。

五条(……まぁ、暇なものですね。良い事なのでしょうが……)

最寄の停車場でバスを降り、休日を無為に潰した多少の不満を抱えながら家路に着く。
途中コンビニに立ち寄り、夕食のハンバーグ弁当とお茶を購入し、家までの短い道のりを再び歩き出す。



189 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /20(土) 22:16:25.90 ID:JWUD29KRO
不意に、視界の隅を赤い光が掠めた。
少し離れたところにある団地の一角で、夕闇に溶け込む様に炎が燃え上がっている。

五条(……火事、ですかね……?)

湿気の多い夏場に火事とは、随分とまぬけな輩もいるものだ。
早々に帰宅して睡眠不足気味の体を休めたいものだが、目にしてしまった以上、黙って立ち去ってしまっては些か寝つきが悪い。

五条(……行きますか)

コンビニの袋を片手に、駆け出す。
可能な限り最短のルートでマンションへの道を駆け、火の元が上がっていたフロアの踊り場へと飛び込む。

刹那

ごうごうと唸りを挙げ、目前の廊下を炎が埋め尽くした

五条(ッ……!?)

慌てて廊下から飛びのき、炎の頃合が収まった頃合を見て、廊下の様子を伺った。
鳥の巣の様な頭をした男子高校生と、背の高い赤紙長髪の男が対峙する様が見て取れた。



192 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /20(土) 22:27:53.62 ID:JWUD29KRO
五条(ククク……能力者同士の戦いでしょうか……さて、悪人はどちらでしょうか…?)

『そうか、やっとわかったよ……歩く教会が誰に破壊されたのか……』

赤毛の男の呟きを受け、鳥の巣頭の高校生が静かに赤毛に歩み寄る。

『世界を構築する五大元素の一つ…』

男がなにやら呟き始めると、何も無かった空間より次々に炎が舞い上がりそれは男を中心に、渦を巻く描きながら徐々に収縮していった。

『顕現せよ!わが身を喰らいて力を成せ!!』

収束していった炎が、一気に爆ぜて人の形を形成した。
途端、熱気が周囲を包み、異常なまでの熱が一体を包む。
熱気の中心に平然と立つ赤毛の男が、役者を想起させる様な気取った口調で語り始めた。
『魔女狩りの王、イノケンティウス……その意味は…"必ず殺す"』

周囲の熱気を震わせながら、炎の巨人が高校生に襲い掛かる。

「邪魔だッ!」

巨人の一撃は、高校生の右手の一振りによって払われ、その姿もいずこかへと霧散
していた。
隙を見計らい高校生が歩を前へと進める。



193 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /20(土) 22:38:47.51 ID:JWUD29KRO
再びその背後で燃え上がる炎。そして形を成し、高校生へ襲い掛かる魔女狩の王。

甲高い音と共に巨人の一撃を高校生が受け止め、拮抗した体制のままにらみ合いが始まった。

五条(あぁ……なんてッ……なんて楽しそうなッ……)

そろそろ飛び込むべきか、しかしどちらが悪人なのだろうと迷いながら両者の様子を見ていると、唐突に鉄火場にふさわしくない女の声が響いた。

『ルーン…神秘、秘密を指し示す24の文字にして……』

五条(……?女?)

よくよく場を伺い直してみると、炎の巨人を従える赤毛の男の脇に、白い修道服を纏った影が倒れていることに気がついた。

変わらずよく理解の出来ない何かを呟き続ける女性の様な影に赤毛の男が近づき、その頭を踏みつける。

一瞬で、停止する、女性の、呟き。

その時、耳の奥でキックオフのホイッスルが聞こえた。

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202 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /20(土) 22:50:03.00 ID:JWUD29KRO
『灰は灰に。』

赤毛の男の右手に、赤い炎が灯る。

『塵は塵に。』
『吸血殺しの紅十字ッ!』

二条の熱線が交差し、高校生に襲い掛かる。

慌ててこちらへ身をかわした高校生と一瞬目が合った。
互いに言葉を交わす余裕も無く、体を交差して入れ替わる様に熱線の前に躍り出る。

……懐かしい感覚だった。

足先に集約したエネルギーで、炎の塊を蹴り飛ばす。
衝突を起こした二つの熱量が、眩い光と共に轟音と豪風を巻き起こす。
後方に身を捻って赤毛の男と巨人の間に立ち、辺りを包む熱風と黒煙の中、高揚する自分を抑えきれず、呆気にとられる赤毛の男に向かい声を上げた

五条「ククク……アーッハッハッハ!イイ!貴方は最高にイイですよ!」

『なッ…!?何者だ!?』



203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /20(土) 22:51:14.16 ID:CJp340hr0
本当何者だよwwwww



204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /20(土) 22:56:01.27 ID:b8YHWZdE0
ステイルってレベル4ぐらいに当たるんだろ…



206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /20(土) 22:58:25.59 ID:3w1Ep24j0
イナイレ知らないけどイナイレのキャラはほとんどレベル4以上ってことか?



207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /20(土) 23:04:03.90 ID:shWMcLzq0
五条さんが使えるらしいスキル的には時間が止まったかと錯覚する程の速度で動く、3,4人に分身、一瞬で相手のデータを観覧する?感じの能力っていったらそれぞれ一つでレベル4と5の境界ぐらいかな



208 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /20(土) 23:04:13.02 ID:JWUD29KRO
五条「ククク…オレですか!?オレは五条勝!!旧帝国学園が五番にして、守りの要として蹴球に血涙を捧げた、ただの中学生ですッッ!
今から貴方を蹴り飛ばしますよ!
以後、お見知りおきをッッッ!」

表情に張り付いた狼狽の色を押し込め、平静を装いながら赤毛の男が名乗りを上げた。

『……まぁいい、ステイル=マグヌス Fortis931 だ!不幸な中学生ッ!』

いつの間にか背後の巨人が消失し、赤毛の男の名乗りと共に、自分の前に立ちふさがっていた。

五条「アーッハッハッハ!行きますよ!931さんッ!」

赤毛の男が、その手から火球を走らせる。
力を込めた足でその火球を蹴り飛ばし反動を殺さずに、炎の巨人の一撃を掻い潜る。
巨人の脇を抜けると同時に、男に向けて駆け出す。
瞬く間に背後の巨人が、男と自分の間を塞ぎ、熱気を迸らせる。
前髪から少したんぱく質が焦げる匂いがしたが、別に構わない。

五条「ヒヒヒヒヒ!随分とご主人様に過保護な巨人さんですね!」

ステイル「そうかいッ!」



211 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /20(土) 23:14:13.27 ID:JWUD29KRO
再び猛然と襲い掛かりくる巨人の脇をすり抜け、ステイルへと肉薄する。
が、巨人の背に隠れて見えなかったステイルの両の手には、いつの間にか炎が灯っていた。
ステイル「吸血殺しの……」

五条(……ッ!!)

ステイル「紅十字!」

至近距離から、避ける間も無く五条の体を十字のの熱線が貫き、その影を赤く染め上げる。
灰も残らず五条の影が燃え尽きたのを確認してから、ステイルは紫煙を吐き出した。

ステイル「ふぅ……やり過ぎたかなぁ……残念だったね」

右手に灯った炎を握りつぶし、言葉を続ける。

ステイル「まそんな程度じゃ何回やっても勝てないt」
五条「歯を食いしばりなさい」

ゴっ
ステイルの鼻先を、五条の足が蹴り上げる。
体制を崩したステイルを追撃せずに、五条はバックステップで再度巨人とステイルの間に距離を置いた。

五条「分身の一つや二つも見破れないのですか?弱すぎですね、出直してきなさい。クッ…クックック…アーハッハッハッハ!」



226 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /20(土) 23:23:47.09 ID:JWUD29KRO
数メートル程の距離を蹴り飛ばされたステイルを守る様、またも魔女狩の王が五条とステイルの間に現れる。
その背後でより一層の熱気を纏い、赤毛の魔術師が立ち上がった

ステイル「……許さない、このボクに傷を負わせたこと、三度消し炭にしても許しはしないぞッ!」

五条「あぁッッ!イイッッ!さぁ来なさいッ!全力で!全霊で!狂えッ!純粋にィィィィィッッ!」

…ざぁっ

正に互いが全力でぶつかりあわんとした刹那。
唐突に雨が辺り一面に降り注いだ。

……室内に雨?

急激に冷めた頭で、天上を見上げる。
辺り一面のスプリンクラーが、忙しそうに水を吐き出している。
意気を削がれたのは相手も同様なのだろうか、いつの間にかステイルを守っていた巨人は消失し、彼の纏っていた熱気もまた消えうせていた。

パシャッパシャッ

互いに呆けて見合う廊下。
室内に降る不思議な雨音に混じって、誰かの足音がこちらに近づいてくるのがわかった。
すうッと廊下の隅から先の高校生が姿を現した。
パシャパシャとこちらへと歩み寄ってくる高校生と、再度視線を交わす。



228 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /20(土) 23:24:48.40 ID:iRrOObUP0
文字通り、戦いに水を差した上条さん



235 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /20(土) 23:41:17.50 ID:JWUD29KRO
五条(随分と真剣ですね…あぁ、そういえば、もともとこれは彼のサッカーバトルでしたか)

先の怯えが消え失せて、覚悟に引き締まった表情をした高校生に向かい、高らかに右手の平を掲げてゆっくりと歩み寄る。

その様を見た高校生はこちらの意を介したのか、フっと軽く微笑むと、右手を挙げようとして一瞬の逡巡を見せ、左手を掲げた。

彼の行動は理解出来ないが、右手と左手では余りに不恰好が過ぎる。
彼に合わせて左手を掲げ、わずかに進路を変えて彼の左手を叩いた。

ぱぁーん!

互いに水に濡れているにも関わらず、合わせた手は存外に乾いた音を響かせた。

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階下で待つこと数分。
あれだけの火災と爆発が起こっていたのだから至極当然の事ながら、階下には既に消防車が到着しようとしていた。



242 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /20(土) 23:53:08.11 ID:JWUD29KRO
消防車と共に、アンチスキルらしい影もちらほらと見られる。

ほう、とため息を付いて回転灯を眺めていると、先の高校生が酷く慌てた様子で階段を駆け下りてきた。

『……ッ!っとアンタは…』

シスターを背負った高校生は、立ち止まり、こちらに言葉を投げてくる。

五条「ククク……オレは五条勝です……」

『そうか!オレは上条、上条当麻!ゆっくり礼の一つでもしたいんだけど…』

五条「ヒヒヒ……それどころじゃあないですね…逆の階段から一階に下りると良い…
そこならばまだアンチスキルも居ませんよ……」

上条「ッ~~!本当にありがとうございますッ!」

五条「…フヒヒヒヒッ…きっと貴方とはまた会えそうですね……」

上条と名乗った高校生は深々と礼をすると、逆側の階段へと駆けていった。



243 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /20(土) 23:55:29.21 ID:57sG4o3Q0
五条さん中学生だと認識されてないなこれはwwwwwwwww



250 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /21(日) 00:09:15.58 ID:BSOuVuj9O
五条(さて、きっとここからが一番疲れるところですね…)
上条の背を見送り、自身はそのまま階段を下る。
一階まで下りきったところで、数名のアンチスキルが自分を囲んだ。

『君、今上の階に居たのかな?』

五条「…ククク…えぇ…【そうだ。】と行ったらどうされますか…ククク…」

アンチスキル達の顔に、途端に険がおりる。

『すまないけど、話を聞かせt『まあああああああたあなたですのおおおおお!?』』

数名のアンチスキルを掻き分けて、金切り声を上げながら見慣れたツインテールの少女が姿を現した。

五条「ククク……アーッハッハッハ!すみません!またオレですよ!…ククク…」

黒子「まったくっ……大変申し訳ありません皆様、彼は風紀委員の者ですの!」

五条「ヒヒヒ…」



254 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /21(日) 00:13:39.33 ID:BSOuVuj9O
『そうか……まったく、あまり現場をかき回さないでくれよ!』

黒子「オホホホ……以後留意しますわ。それでは……」

黒子に手を握られた次の瞬間、既に辺りの景色は雑踏を抜けた街路へとすりかわっていた。

五条「ククク……相変わらず便利な能力ですね……」

何度経験しても慣れない状況に感嘆しながら、握られた手を離そうと……否、握られた手が離れない。
彼女の手は段々と力を帯び始め、ギリギリと自分の手の骨が軋む感覚がする。

黒子「何があったかお話して下さいますわね?五条さん」

端正な顔に満面の笑顔を貼り付けたまま、彼女がこちらを向き直った。



258 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /21(日) 00:18:59.45 ID:BSOuVuj9O
五条「ククク……ヒ・ミ・ツぁ痛い!痛い!…ククククク……」

満面の笑みを一転し、鬼神の様な表情になった彼女の金切り声を浴びながら、あのどう見てもワケありにしか見えない連中をどう誤魔化したものだろうか、等と考えていた。

初日からこの調子ならば、きっと良い夏休みが送れるだろう。
明日が純粋に楽しみに感じるこの感覚は、何時以来のものだろうか。

黒子「ちょっと!聞いておられますの五条さん!」

唐突に大きくなった黒子の声で、我に返った。
視線を落とし、繋がれたままの右手を眺める。

黒子「……?どうされましたの?」

五条「ククク……意外と暖かいのですね、オマエの手は…ククぁ痛い!」

夜だと言うのに、夏を急ぐ蝉の声が辺りに響き渡っていた。

-fin-



264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /21(日) 00:25:04.00 ID:nG5Q5huz0

五条さん顔で人生損するタイプだな




246 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /20(土) 23:57:58.95 ID:jGeir3Q40
あの顔ですごい善人っていうギャップ萌えだな



273 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /21(日) 00:32:23.30 ID:BSOuVuj9O
以上本日の投下分となります
支援&保守を頂いた皆様、お疲れ様でした、ありがとうございます

いやね、2日もありゃパパっとシメまで行けんだろーと思ってたんだけどもうgdgdですわ

一応シメまでの流れは決めてあるので明日一日書き貯めて、また夜からでも区切り毎に随時投下しようかと思います
お嬢に一票入れて寝ます



274 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /21(日) 00:32:31.83 ID:K/4NCJ+N0
続きたのむっ!!



260 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /21(日) 00:21:44.78 ID:0jZrY1Bk0
>>1乙
面白かった




289 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /21(日) 02:06:41.26 ID:mHJtrb1j0
              v           ,.---- 、
            v   v       '´⌒  ̄\⌒ヽ  ,.. --- ..
               v   /   / ∨゙\ ヽ `/、_.r‐‐、,.._ ゙ヽ
         v  v   r-勹/|  |  八  j`ト、、ii r._.) リ  ',ミ..}
                  >y乙|  |l |V乂 |/、__リ__ゝ- '__ {ヾ メ._
            / く_人  VN  ノ   ,(〃)-(〃)' !!i'リー三ニニ_‐-、
              / /  /小 \{ -‐" r- ィ {{ 、 !  {   ,. ゙,イハ--  ....._ `ヽ.>‐‐、
          /   /  | ゝf⌒⊂⊃ {  ノ 八. ゝ-'=彳  i ,' }   ,...__ `ァ'-、>‐三ニァュ _
        rヘ| / ∧ _|/ `ー个=―ァ'刀⌒}}.ヘゞ=''′ノ/  i r ' ,.-、`ヽ./ ``ー--/,. -‐ \
        て`| { 厶匕〈   /^ー彡/ / ゅ||人___ / /   ,' .二/´,..、 ヽ,... -‐'' ´     ヽ
           r┘人 \」  )ー/      〈 〈   jjj川--‐‐‐'  , ' ゝ-(_,/,/ ,.、  }            ノ
        ( 厂 て /〈 〈  {      \廴r'' ',  ∨   ∨  帝  ι'∨ /---‐‐‐‐------'
       、ノ'   〈〈. 乂   ∨ \   ∨{.  ',               |゙´
             り  )ノ  /       ノ.    ',                !
                  r─一′       /    .r'              !
            __厶二_`丶      /    / `ー- ....___... -''´ ハ
          /:::/:::::::::::>、\   r'     ,'                   i



290 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /21(日) 02:07:51.04 ID:NhFjcRjL0
>>289
良くやったwwwwww




291 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /21(日) 02:15:04.87 ID:HBOGpd1o0
>>289
クォリティ高いwwwwwwww




293 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /21(日) 02:26:36.59 ID:3+xSWbSx0
>>289
頑張った、お前は頑張った




222 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /20(土) 23:19:41.95 ID:O/I9XnJ3O
五条さんとステイルは同い年か…




続き→五条「ククク… ここが学園都市ですか」その3



イナイレ人気投票は1日1回できるよ!ククク!→http://www.inazuma-movie.jp/ranking/ranking.php






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禁書目録SS   コメント:20   このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント一覧
939. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2010/11/21(日) 12:56 ▼このコメントに返信する
さすが俺らの五条さん
940. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2010/11/21(日) 13:06 ▼このコメントに返信する
やべぇまじ五条△!!!
941. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2010/11/21(日) 13:29 ▼このコメントに返信する
俺としたことが……今日の投票まだだった
やってくるぜ!
943. 名前 : 名無し@SS好き◆EBUSheBA 投稿日 : 2010/11/21(日) 14:31 ▼このコメントに返信する
実際腐女子人気イケメンよりこういうネタに走った顔のほうが男オタ受けはいいよね。笑いの意味で。
944. 名前 : 名無しさん@ニュース2ちゃん◆- 投稿日 : 2010/11/21(日) 14:45 ▼このコメントに返信する
五条さん大ブレイクしすぎだろ
イナズマイレブン見たこと無いのに
五条勝の名前だけはしっかり刻み込まれちまったw
945. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2010/11/21(日) 16:14 ▼このコメントに返信する
五条さんカッコ良過ぎワロタ
クロスオーバー物としてすげぇ良く出来てるなぁ
946. 名前 :  ◆- 投稿日 : 2010/11/21(日) 16:17 ▼このコメントに返信する
なにこれ五条さんマジカッケー!
イナズマイレブン知らないけど、五条さんになら抱かれてもいい。
947. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2010/11/21(日) 16:21 ▼このコメントに返信する
五条さんの私服ってどんなのなんだろうな
948. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2010/11/21(日) 16:45 ▼このコメントに返信する
五条さんに真剣な気持ちで投票してくる
950. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2010/11/21(日) 17:21 ▼このコメントに返信する
イナイレはおろか禁書もロクに知らないけど
五条さんがヒーローであることは解った
痺れる展開の連続だな
952. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2010/11/21(日) 21:04 ▼このコメントに返信する
アニメまんまの身体能力持ち出したらほとんどのやつ止められんだろww
957. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2010/11/21(日) 23:19 ▼このコメントに返信する
また続きが来てるんだよォォ!
頼んだぜェェェェ!
958. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2010/11/22(月) 01:05 ▼このコメントに返信する
AAぱねぇ・・・
959. 名前 : ホライゾン@管理人◆oAjApoT6 投稿日 : 2010/11/22(月) 01:18 ▼このコメントに返信する
※957

ありがとおおお!ただ今確認しました!|・∀・|ゞ
今日中にまとめて投稿しますねー!
960. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2010/11/22(月) 02:15 ▼このコメントに返信する
※959
期待して待ってるぜ!
965. 名前 : 名無しさん◆- 投稿日 : 2010/11/22(月) 10:03 ▼このコメントに返信する
おっもしれぇwwwwwww
971. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2010/11/22(月) 13:33 ▼このコメントに返信する
五条△
1035. 名前 : 名無しさん@ニュース2ちゃん◆- 投稿日 : 2010/11/24(水) 02:58 ▼このコメントに返信する
いや、これはマジで面白い
続きが楽しみな半面、いずれ終わってしまうことを考えるとすげえ残念だ
1038. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2010/11/24(水) 08:16 ▼このコメントに返信する
イナイレ知らないけどサッカーなんだよな?
なに、テニヌの仲間なの?
腐女子は超絶スポーツ物好きだよなあ
1321. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2010/12/06(月) 21:50 ▼このコメントに返信する
↑テニヌよりワケわからん…というか最初から「超次元サッカー」ってとんでもスポーツってのがコンセプト
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