失われた未来を求めて 初回限定版前→
五条「ククク… ここが学園都市ですか」その3最初から読む→
五条「ククク… ここが学園都市ですか」599 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /22(月) 18:54:11.44
ID:mCjUQwRtO 『五条勝……【過去の経歴は全て抹消済み】か……』
『……君自身も、影響を感じていた事があるのではないかね?』
光源らしい光源が一つしか存在しない部屋の中。
その光の源となっている、赤色の液体の満たされた円筒状の機器に逆さに浸かった長髪の人間が口を開く。
『端的に伝えよう。君の能力は使えない。いや、【使ってはいけない】』
『実に勿体の無い話だよ……君の原石としてのそれは、第七位の記録をも遥かに塗り替えているというのに……』
『……わかっているね?君の能力は、人の器にはあまりに過ぎてしまっている…もしも能力が乱用される様な事があれば』
『君は』
五条「……ッ!!」
593 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /22(月) 17:40:43.48 ID:RJ1cqL6E0
ククク・・・・待ってましたよ・・・・
604 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /22(月) 19:01:48.97
ID:mCjUQwRtO 七月二十四日 夏休み五日目
少し体を休めていただけのつもりが、いつの間にか眠りに落ちてしまっていた様だった。
耳元では、午睡を妨げた原因となった携帯電話が、ピリピリとけたたましい音を上げていた。
ディスプレイに写る名前を見て、ほぅ、と軽く息を吐き、通話ボタンを押す。
「……ククク……俺だ」
『五条さん!助けて……助けて下さいまし!お姉さまが!お姉さまが!!』
ただ事ではない様子でがなり立てる少女の声を耳にしながら冷蔵庫を開き、ミネラルウォーターのペットボトルを開き、一口飲み下す。
よく冷えた液体はたちまち乾いた身体に染み渡り、半ば悪夢の最中に置き去りにされていた意識を、無理やり現実へと引き戻してくれた。
五条「……落ち着きなさい。何が起こっているのですか……?」
……今日も、退屈しないで済みそうだ。
--------------------------
606 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /22(月) 19:04:08.05 ID:8pYXBPARO
遂に御坂きたかー!609 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /22(月) 19:08:33.08
ID:mCjUQwRtO 『ありゃま。お客さん、こっから通行止めだわ』
面倒そうに車を停車させるタクシーの運転手。
眼前には、検問を張っているアンチスキル達。
五条「……グフフ……こちらで結構です、ありがとうございました……」
運転手に礼を告げ、懐の財布から一万円札を取り出し、眼前に差し出した。
五条「おつりは要りません……コーヒーでもお飲み下さい……ククク…アーッハッハッハ!」
呆気に取られた表情の運転手を残し、タクシーを下車する。
眼前のアンチスキル達に、自身の名を告げると、わずかばかりの照会の時間を経て道が開かれた。
五条(さて……レベル5の方ですか……楽しみですね……ククク……)
毎度ながら、暇つぶしには格好の種を運んでくれる風紀委員、白井黒子の様子が、今日は随分と普段のそれとは異なっていた。
612 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /22(月) 19:17:15.66
ID:mCjUQwRtO 先の電話にて焦燥しきった彼女から伝えられた内容は以下の通り。
・ようやく幻想御手の開発者を特定したのだが、開発者が風紀委員の一人を人質にしたまま逃走した
・アンチスキルが居所を特定し、拿捕の為の作戦行動に出たが半ば壊滅。現状は捜査に協力をしてくれている学園都市第三位、"超電磁砲お姉さま"御坂美琴が開発者と交戦中。交戦途中にてカメラが破壊されモニタリングが不可能になった
・お願い!助けて下さいまし!お姉さまが!お姉さまが!!
電話の内容を再度頭の中で反芻しながら、誰も居ない高速道路を駆ける。
しばらく駆けると前方に先行していたらしきアンチスキルの一団とマズルフラッシュの火花が、そして対面に浮き上がる半透明の胎児らしき姿が見て取れた。
五条(ククク……正真正銘の化物ですか…面白い…)
胎児型の化物が触手を一薙ぎしアンチスキルの一団を吹き飛ばすと同時、背中に負ったサッカーバッグよりボールを取り出し、暫しの集中の後に化物に向かい蹴り飛ばす。
渾身の力にて蹴り出されたボールを護る様、五羽の企鵝(ペンギン)の幻影が乱れ飛ぶ。
更に速度を加えるべく射出されたボールに向かい全速力で距離を詰め、右側面と左側面より一蹴。
613 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /22(月) 19:18:31.89 ID:RvDkeeVw0
分身ペンギンだと※イメージ618 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /22(月) 19:26:46.49
ID:mCjUQwRtO 傍目からは分身したとも取れる程の加速度より蹴り出されたボールは大気との摩擦により赤く燃え上がり、黒鳥の幻影をを纏ったまま化物へと着弾すると大きく爆ぜ跳んだ。
化物が大きく体勢を崩した刹那、迸った電光が化物の触手を焼き払う。
電光の源へと視線を投げると、そこには常盤台中学校の制服に身を包んだショートカットの女子生徒が身構えていた。
五条(あぁ……彼女が……)
遍く雷光の使役者にして学園都市第三位の名を冠する少女、御坂美琴。
傍らのアンチスキルを担ぎ、化物の触手を跳躍して交わす少女。
その少女を追撃しようとする触手に駆け寄り、蹴り飛ばす。
鈍い音がして触手が爆ぜ収縮する。
収縮した先の化物は既に高速道路から離れ、ゆっくりと移動を開始していた。
五条「…ククク…御坂美琴……お姉さまですね?」
呆然とした表情でこちらを見ていた少女がハッと我に返り、言葉を吐き出した。
美琴「ちょっと!誰よあんたッ!?あんたにお姉さまなんて呼ばれる筋あ……お姉さま?……」
624 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /22(月) 19:35:55.31
ID:mCjUQwRtO 五条「……オレの名前は五条…五条勝…風紀委員白井黒子の依頼にて参りました…」
再び至近を漂っていた触手の先端に目玉が生え、こちらに向かってくる。
視認しないままパチン、と指を鳴らすと土中より先の企鵝が舞い、触手を喰らい再び土中へと消えた。
五条「……オマエの、味方ですよ…クク…」
美琴「……信じて構わないのね?」
五条「ご随意に……ヒヒヒ……」
『お二人さんさぁ……』
やり取りを終えるのを見計らい、傍らで倒れていたアンチスキルの一人が口を開いた。
『ゆっくり自己紹介するのも良いと思うけど……あんまり時間が無いんじゃん?』
そう言って指されたその先へと視線を投げる。
研究所の様な建築物が目に入り思案していると、アンチスキルが言葉を続けた。
『あれが何だかわかるか……?原子力実験炉じゃん』
御坂「マジ!?」
五条「何と……」
『なにやってんのあの娘!』
もう一人、メガネをかけたアンチスキルが唐突に大声を上げた。
高速道路の傍らに目線ををやると、頭に花飾りをつけた少女が高速道路の非常階段をこちらへ向けて駆け上がっている。
627 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /22(月) 19:45:07.61
ID:mCjUQwRtO 『あの娘…木山の人質になっていた…この混乱で逃げ遅れてるじゃん』
美琴「違う」
右手首を前後に慣らしながら美琴が言葉を続ける。
美琴「初春さんはもう、人質でも逃げ遅れてるんでもない」
美琴「頼みがあるの」
--------------------------
ゆっくりと原子力実験炉へ向かう化物の脚部に漆黒の線が走り、千切れ飛ぶ。
甲高い叫び声と共にすぐに足が再生し、化物がゆっくりと背後を振り返る。
美琴「あんたの相手はこの私よ!」
実験炉へと続く荒野の上に第三位の少女の姿があった。
その少女へ向け、化物の頭部より光弾が放たれる。
すんでのところで光弾を回避し、化物を睨み付ける少女を目掛けて次の光弾の準備にかかる化物。
美琴「ったく……少しは人の話を……」
充填されていた光弾が、突然爆ぜた。
美琴「!?やばッ!」
爆ぜて拡散した光弾の一筋は、美琴とは関係の無い方角へと飛んでいく。
非常階段を駆け上る、花の髪飾りを着けた風紀委員の少女 初春飾利の下へと。
631 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /22(月) 19:55:31.60
ID:mCjUQwRtO 初春「……ッ!」
不意に目を向けた先で自身に向かってくる光線を目の当たりにし、初春は反射的に目を閉じた。
終わりだ。結局私は皆の役には立てなかった。
真っ黒になった視界の中で死を覚悟し、皆への謝罪を心の中で述べる。
……
初春(……?)
しかし、覚悟をしていた衝撃は、一向に初春を襲うことはなかった。
『……目を開きなさい、お嬢さん』
聞きなれない声に目を開くと、そこには"5"の文字が刻まれたサッカーウェアに身を包む、一人の男の背中があった。
初春「あなたh「話は後です」」
再び飛来する光線を、男が明後日の方向へと蹴り飛ばす、
五条「ククク……光線の類を蹴り飛ばすのは慣れてましてねぇ……」
唖然とする初春に向けて、男が言葉を続けた。
五条「さぁ!早く行きなさい!貴方には、貴方にしか出来ないことがあるはずでしょう!」
次々と飛来する光線を蹴り飛ばしながら男が叫んだ。
初春「……はいッ!」
初春の表情が引き締まり、階段を駆け上る足が速くなったのを確認すると、男は地を蹴り、先より肥大化した化物へと駆け出した。
--------------------------
620 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /22(月) 19:31:51.12 ID:wkYeW8k/0
五条さんマジ紳士621 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /22(月) 19:32:34.63 ID:0/9j9anBO
五条さんかっこよすぎ電車内だけど射精した638 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /22(月) 20:05:09.63
ID:mCjUQwRtO 美琴「……ッ!」
一瞬の油断の隙に化物から伸びた触手に身体を絡みとられ、拘束される。
別の触手が攻撃を加えんと美琴に伸びた直前で、何処からか飛来したサッカーボールによって砕かれた。
そして再び飛来したボールが美琴を捕らえていた触手に直撃し、接続部が吹き飛ばされ御坂美琴は中空へと開放される。
足を下ろした地の傍らには、メガネをかけたサッカーウェアの男が立っていた。
美琴「助かったわッ!初春さんは!?」
五条「ククク……心配要りませんよ……」
美琴「そう……ッ!」
迫り来る触手から身を交わし、美琴が電撃を放つ。
電熱を受けて焼け爛れた化物の傷口へと、五条のボールが走る。
化物は一瞬悲鳴を上げたかと思うと、すぐにその傷口が塞がり、再度その触手を振り回して暴れ始めた。
五条「…ククク…自動再生ですか!?」
美琴「おかげ様で骨が折れるったらありゃしないわよッ!」
電撃が走り、ボールが肉を抉る。
砂鉄の刃が切り裂き、企鵝が啄ばむ。
幾度となく繰り返した二人の攻撃も化物はたちどころに再生し、次第に二人の表情に疲労の色が影を落とし始めた。
642 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /22(月) 20:15:02.94
ID:mCjUQwRtO 美琴「はぁ……はぁ……時々飛んでる…あの…カワイイの…あんたの能力…?」
五条「ク…クク…いえ……あれは…ただの技術…です…よ…」
美琴「……そ…そう……後で……ゆっくり…見せなさい…よね……」
五条「…ヒヒ…構いません…よッ!」
ぜいぜいと肩で息をしながら、五条がサッカーボールを蹴り出す。
化物の肉が抉れ、再生される。
砂鉄の刃を振り回し、御坂が切りかかる。
化物の頭部が切り離され再生される。
五条(……これはマズイですね……)
と、突然あたり一面に高周波の音楽が響き渡った。
五条(……?何の音でしょうか?)
傍らで砂鉄の刃を振り回していた御坂が、しめた、という表情になり化物の腕を切り飛ばした。
五条(再生が…止まっている!?)
御坂「巻き込まれるわ…少し下がってッ!」
美琴の言葉に五条は慌てて化物と距離を置いた刹那
御坂「悪いわね……これで、ゲームオーバーよッ!」
幾重もの稲光が美琴から迸り、化物の身体に纏わり付く。
大きく叫びを上げた化物は、その身体を電熱により赤く染め地へと倒れ伏せた。
645 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /22(月) 20:24:39.43
ID:mCjUQwRtO 美琴「間一髪ってやつ…?」
ふう、と息を吐いた美琴が五条に視線を送り、”どや!”と言いたげな笑顔を作る。
(……ククク…なかなかに愛らし『気を抜くな!まだ終っていない!』
いつの間にか、美琴の傍らに立っていた白衣の女性が大声で叫んでいた。
五条「オマエは…?何故こんなところに…?」
『ネットワークの破壊には成功しても、あれはAIM拡散力場が生んだ一万人の思念の塊!普通の生物の常識は通用しない!』
ゆっくりと、化物が立ち上がる。
美琴「話が違うじゃない!だったらどうしろって!」
『核が!力場を固定させている核の様なものがどこかにあるはずだ!それを破壊すれば……!』
立ち上がった化物は、身体中に眼球を出し、再び進行を開始する。
五条「核……ですね?」
美琴と化物の間に割って入った五条が、言葉を発した。
--------------------------
648 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /22(月) 20:32:47.64
ID:mCjUQwRtO 五条「……細かい事はよくわかりませんが……俺がアレを足止めして、核の場所を特定します……止めは、お任せしますよ…それから…」
美琴に背を向けたまま眼鏡を外し、言葉を続けた。
五条「……今より一時、決して、オレの目を見ないで下さいね……」
相手は、一万の人間の思念の塊。
両の眼に力を込め、その居並ぶ眼球たちを見据える。
眼窩の奥が激しく痛み始めるが、奥歯をガチりと食いしばり、化物を見据え続ける。
一歩、二歩と歩んだところで、化物はその足を止めた。
美琴「なッ!?あんた何してんの!?」
五条(通りましたかッ…!…続いてッ…見るッ…!)
五条「核の部位を特定します!お姉さまは出力を上げて全力の一撃をッ!」
美琴「誰がお姉さまよッ!」
視界にスコープ状の幻影が走り、化物の全身を透過し、査察する。
赤い表示で"CLEAR"の文字が走り、核の場所がまざまざと浮かび上がった。
背後でバチバチと空中放電の音を交えながら美琴が何かを呟いているのが耳に入ったが、全ての神経を視覚に集中している為、何を言っているのか理解する事が出来ない。
650 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /22(月) 20:37:34.63 ID:C5NZJLsB0
ついにスーパースキャンがっ…!651 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /22(月) 20:38:31.90 ID:0ENNRoJn0
五条さんが「お姉さま」って言ってる姿を想像したら萌え死んだ654 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /22(月) 20:41:28.96
ID:mCjUQwRtO 五条「…ククク……そこですッ!」
手早く眼鏡をかけ、渾身の力で核目掛けてサッカーボールを蹴りつける。
美琴「こんな所で、くよくよしてないで……」
一枚の銀貨が、美琴の指に弾かれ中空を舞う。
美琴「自分で自分に嘘つかないで……!もう一度ッッ……!」
核へと向けて羽ばたく一羽の企鵝の後を追い、強烈な電磁力を纏った美琴の銀貨が飛ぶ。
銀貨は企鵝の体内へと消えると同時に大きく雷光を放ち、一羽の雷鳥の姿を象り化物の体内から核を抉り出し飛翔する。
幾万の鳥がさんざめく様な羽音を出す雷鳥が、核を噛み砕く。
がちぃんと言う音があたりに響き渡ると、一筋の稲光を残し、雷鳥は霧散していた。
雷鳥が羽ばたいた痕を残す化物もまた、次第にその色を黒く染め上げ、光を放ちながら消滅していった。
--------------------------
659 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /22(月) 20:49:49.94
ID:mCjUQwRtO 美琴「やれやれ……懲りない先生だわ……」
黄昏が降りる中、事後処理を終え白衣の女性がアンチスキルに連行されるのを眺めていた傍らの少女が呟いた。
五条「ククク……少し疲れましたが……楽しかったですよ」
ポンポンと、サッカーウェアの埃を払いながら呟く。
ずきずきと眼窩の奥が痛むが、今はこの充実感の方がウェイトが大きいので、さして気にはならない。
美琴「あぁ、アンタ……しっかりお礼も言ってなかったわね、ありがとう」
言って、第三位の少女が右手を伸ばしてくる。
五条「…ヒヒヒ…こちらも良いものを見せて頂きました…あなたとは、本気でサッカーバトルしたくありませんね……」
右手を取り、返礼する。
『私もまだちゃんとお礼が出来てませんので……その……』
隣に立っていた、花の髪飾りをつけた少女が携帯電話を差し出してきた。
『初春飾利です。後日、ちゃんとお礼をさせてもらえますか?』
五条「グヒヒ……俺は、五条。五条勝です…よろしくお願いしますね…」
表示されている番号をコールする、と、再度視界を塞ぐ別の携帯電話。
五条(……?)
661 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /22(月) 20:52:04.79 ID:CdO5JU+z0
フラグ乱立?668 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /22(月) 21:05:04.29 ID:pphQADsw0
五条がいいキャラすぎる669 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /22(月) 21:06:26.51 ID:RJ1cqL6E0
>>668
さんを付けろよデコ野郎665 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /22(月) 20:58:41.70
ID:mCjUQwRtO 携帯電話の先に目線をやると、明後日の方向を眺めながら、美琴が携帯電話を差し出して来ていた。
美琴「まっ……まぁ、こうして会ったのも何かの縁だし…アンタには借りが出来たしね……ペンギンも見たいし……だからその…」
ごにょごにょと何かを呟く美琴を放置し、携帯に表示されている番号をコールし、電話帳への登録を行なう。
五条「…ククク……お・ね・え・さ・まと…ククク…アーッハッハッハ!」
美琴「!?だぁーれがお姉さま『おねえええええさまああああああああ!!』」
唐突に一台のタクシーが滑り込んで来て、そのドアが開くと同時に、どこかで見たツインテールの少女が駆け下り、美琴に空間転送で抱きつき、倒れこむ。
黒子「お姉さまッ!黒子は心配しましたのよッ!心を痛めておりましたのよ!は、御髪に乱れがッ!お肌に無数の擦り傷がッ!どうやら電撃を放つ体力も残っていないご様子!」
呆気に取られてその様を見ていると、突然声のトーンが変わり、馬乗り状態のまま黒子が振り向いた。
黒子「と、初春。先ほど病院から連絡がありましたの。幻想御手の使用者が、次々と意識を取り戻していると」
嬉しそうに、わぁ、と初春は声を上げる。
黒子「貴方のおかげですわよ、初春…と、言うわけでおねえさ…!?」
言い終えて美琴に唇を寄せる黒子と視線が合った。
670 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /22(月) 21:06:53.75
ID:mCjUQwRtO 黒子「……五条さん!?」
五条「ククク……」
黒子「あらあらあら五条さん!いらしてましたの!?」
五条「……グヒヒ……オマエが俺にお姉さまを助けてくれといったのでしょう…」
黒子「あら……あらあらあらそうでしたわね!わたくしとした事がついうっかり……」
五条「ククク……構いませんよ……それと…」
黒子「…?」
五条「オマエは……レズビアンだったのですね…ククク…アーッハッハッハ!」
高笑いをあげると、慌てて黒子が美琴から飛びのき、両手をブンブンと振りながら言葉を並べ始める。
黒子「こッ…これは違いますのよッ!その…わたくしにとってお姉さまはお姉さまであり、お姉さま以上の何者でもなく変えがたく…決して邪な、ふしだらな気持ちでは…」
美琴「どう考えてもふしだらだろうがゴルアアアアアアアッッッ!」
さっきまでの戦いが嘘の様に、澄んだ夏の夕空に、笑い声が木霊していた。
--------------------------
五条(流石に……疲れましたね……)
先の戦闘の影響だろうか、異様にずきずきと痛む頭と身体を引きずりながら、駅の階段を降りる。
駅前のコンビニエンスストアでハンバーグ弁当を購入し、一刻も早く帰宅してゆっくり休養を取ろうと歩を進めていると、違和感に気が付いた。
673 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /22(月) 21:08:42.50 ID:g7l9oIv30
やったー! 今夜こそハンバーグ弁当だ!
676 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /22(月) 21:14:35.30
ID:mCjUQwRtO 自分は、確かに駅前の雑踏を歩いていたはずだ。
その割に、いつの間にか辺りから人の気配が消えている。
まるで自分ひとりの世界に迷い込んでしまったかの様な錯覚を覚える。
コンビニの袋を片手に、周囲を伺いながら歩を進める。
幾ばくか歩いたところで、正面の交差点の真ん中に、二つの人影が見えた。
歩み寄りながら、次第に鮮明になるその様子確認をしてみると、一つの人影は四日前に火災現場で顔を合わせた高校生
上条当麻だった。
何があったのだろうか、力なく地面に倒れ付している彼からは意識が感じ取られない。
気絶、しているのだろうか。
彼の傍らに立つもう一つの影に視線を走らせる。
女。
長い黒髪を後頭部で束ね、乳房を覆う最低限の範囲に絞られたTシャツ。
左太ももを大胆に露出させたジーンズをローライズ気味にはき、肩でぜえぜえと息を吐きながら異様に長い刀に体重を預けている。
こちらの気配に気付いた女と、視線がぶつかった。
一瞬驚愕の表情を浮かべる女に、率直な言葉を投げる。
五条「……ククク……痴女ですk」
『七閃ッ!!』
ハンバーグ弁当の入ったビニール袋が、無残に千切れ飛んだ。
-fin-
677 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /22(月) 21:15:20.07 ID:v/4kviJU0
弁当があああああ682 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /22(月) 21:17:10.93 ID:qlTalb+D0
ハンバーグは犠牲になったのだ・・・680 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /22(月) 21:16:12.75 ID:g7l9oIv30
凄いなぁ
両作品の世界観や雰囲気を崩さずこのクオリティ
このスレ開いて大正解だった マジ感謝 次回も期待
あと
友人の変わった性癖すらも
動じず受け入れる五条さん
懐深いマジ大人689 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /22(月) 21:19:54.73 ID:g+AoT53b0
忙しすぎるだろ五条さんwwww691 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /22(月) 21:20:46.41 ID:DCHhnBQx0
ちょっとハンバーグ弁当買ってくるわ692 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /22(月) 21:21:15.27 ID:v/4kviJU0
>>691
おいまさか五条さんより先に食うつもりか693 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /22(月) 21:22:33.64 ID:CdO5JU+z0
五条さんがハンバーグ弁当食べたら記念にくおうかな695 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /22(月) 21:25:04.66 ID:DCHhnBQx0
>>692
五条さんと一緒に食うに決まってんだろ、言わせんな恥ずかしい702 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /22(月) 21:27:50.26 ID:qlTalb+D0
この五条さんなら一方と仲良くなれるな704 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /22(月) 21:29:16.91 ID:CdO5JU+z0
>>702
高笑いとかな。705 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /22(月) 21:29:29.35 ID:075YKqYg0
よく禁書と他作品でキャラの強さ議論とかあるけど、禁書よりイナイレの方が圧倒的に強い気がしてきた707 :
五条ファン ◆APKLrJzDFw :2010/11 /22(月) 21:30:24.32
ID:mCjUQwRtO 以上本日投下分となります
支援&保守を頂いた皆様、本当にありがとうございました
さて次回以降の投下予定ですが、ちょっと私事が忙しく二日ほど暇を貰います
順当に行けば木曜の21時頃に続きを投下出来るかと思いますので、保守は頂かなくて結構です
pcが規制で使用出来ないので木曜21時頃に『とある五条の蹴球闘技』というタイトルで代理スレ立てを頼もうと思いますので、
熱が冷めておりませんでしたらまたお付き合い頂ければと思います
日が変わったらお嬢に一票入れます
715 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /22(月) 21:37:48.41 ID:g7l9oIv30
┌┬┐ スレ主へ 元気にしてますか
├┼┤ 無理せず 仕事頑張ってね
J( 'ー`)し └┴┘
/っ日o-_。_-.、 母さん 待ってるからね
(´ c(_ア ) おまえの好きなハンバーグ作って
[i=======i] 待ってるからね
いつでも待ってるからね718 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /22(月) 21:42:01.38 ID:XPxRR5oUO
乙 木曜だな724 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11 /22(月) 22:10:56.60 ID:g7l9oIv30
五条さんの立ち位置が風紀委員サイドで本当に良かった
暗部サイドやスキルアウト側だったら
今頃学園都市がヤバイ事になっていた
黒子の功績は大きい次→
五条「ククク… ここが学園都市ですか」その5
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