同僚女「信用したいって云うたら嫌いになる?」その2

2010-07-05 (月) 11:00  オリジナルSS   0コメント  
前→同僚女「信用したいって云うたら嫌いになる?」
はじめから→同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」

528 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 07:06:08.15 ID:b1AJlvQP
――6/6、木曜日 11:30 神楽坂作業室

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「んぅー。ぅ」ぽきゅ
男「ああ、やっぱり変な音。ははっ」

新人女「そんなに変ですか-?」
C男 こくり
男「小さくて可愛いよっ。あははっ」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

新人女「うーん……」ぽきゅリコ。
C男「ぷくすー」
男「あははっ」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「こんなはずじゃないんだけどなぁ」



529 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 07:06:26.90 ID:b1AJlvQP
男「……」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「……」ちらっ
新人女「……んぅ。……こっち、っと」

男「新人女さん。ちょっとお使い頼めるかな?」
新人女「はい?」

C男:カタカタカタカタカタカタ

男「書類届けて欲しいんだ。巣鴨まで」
新人女「いけますよ、はいっ」

C男:カタカタカタカタカタカタ

C男「バイク便じゃダメ?」
男「忙しいのは忙しいんだけどね~。ちょっと大事なヤツなのだ」

新人女「いいですいいです。急いで行ってきます」

男「いや、それはだめで」
新人女「はい?」


530 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 07:07:08.70 ID:b1AJlvQP
男「煮詰まってるでしょ。風に当たってきて、食事も」
新人女「良いですよぉ、そんな。えーっと……ほら」

C男:カタカタカタカタカタカタ

新人女「デスマーチっていうんですよね?」にこ

男「まぁ、ね」 C男「童貞卒業」ぐっ

男「行ったのか!? この忙しいのに!? いつ行ったんだっ」
C男「は、はぁ!?」

男「いや。すまん。……びっくりした」

新人女「超特急で行って参ります」

男「ううん。そうじゃなくて」
新人女「はい?」

男「ゆっくり雑談でもしてきて。
 出来れば、顔を覚えてもらってきて」

新人女「……?」

男「いってらっしゃい」にこっ


536 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 07:19:39.75 ID:b1AJlvQP
――6/6、木曜日 12:00 神楽坂作業室

C男「フルーツもういっこ」
男「ほいよ」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

C男「よく判らない」
男「なにが?」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

C男「マネジ何考えてる」
男「俺もC男との会話は判りづらいよ」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

C男「なんでこの時期に散歩?」
男「この時期だからつぶれられたら困る」


537 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 07:20:32.01 ID:b1AJlvQP
C男「俺、デスマした。生きてる」
男「そだな」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

C男「童貞卒業」
男「やっぱSM系なのか?
 この付近にそんな店あったっけ……」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

C男「俺一人前」
男「うん。C男は早くなったよ。戦闘能力はもう
 俺に迫ってるんじゃないかな」

C男「ふふん」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

男「立派な前線豚だ」
C男「文句は言わせない」


538 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 07:21:26.78 ID:b1AJlvQP
C男「でも、俺。見えてないみたい」
男「……?」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

C男「捨てたい」
男「話判らんな」
C男「なんで見えてない」
男「……?」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

C男「男には見えてる。俺には見えてない。
 それがあると考えないと、説明付かない
 捨てたいけど、見えてないから捨てられない」

男「……」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

C男「それじゃ一人前じゃない。捨てたい」
男「他人の見てるものなんて、見えない方が当たり前だよ」


539 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 07:22:44.98 ID:b1AJlvQP
C男「男はマネジ」
男「うん?」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

C男「ウォリアー」
男「うん」

C男「ウォリアーになれば変わると思ってた」
男「……?」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

C男「まだまだ判らないことがある」
男「うん」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

男「時間の問題だよ」
C男「……」

C男「時間の問題か。首を洗っていやがれ」
男「上等だ」


544 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 07:47:32.51 ID:b1AJlvQP
――6/6、木曜日 16:20 神楽坂作業室
――電話

部長「――」
男「はいっ!? ……はい、それで。はい?
 病院は?  ……そうです、か」

部長「――」
男「そうです。……それは二人とも? はぁ。
 いえいえ。はい。……判ります。
 お騒がせしてしまって申し訳ありません」

  C男「何があった」

部長「――」

男「はい、それは重々。いえ……はぁ。
 そうなりますね。はい。……いえ。はい」

男「それは、自分の監督責任の問題でもあります。
 ――いえ。……いいえ。
 M野さん就任後の離職率については?
 いいえ、そういう意図はありませんが。
 しかし、派遣会社側でもそう言ったデータは統計していますし
 はい。……そうですね。はい」

男「それは出来ます。はい、今日のところは興奮しているかも
 しれませんから……ええ。週明けまでには、はい
 話を聞いてみます。ええ、もちろんです」


545 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 07:48:34.01 ID:b1AJlvQP
がちゃり

男「うーん」
男:カタカタカタカタカタカタ

新人女「どうしたんですか?」
C男「何があった?」

男「なんというか」
男:カタカタカタカタカタカタ

新人女「……」 C男「……」

男「つまり、まだ良く把握してないんだけどね」

新人女「はい」
C男「早く言え、鰯マネジ」

男:カタカタカタカタカタカタ

男「B男がM野殴って、辞めた」

新人女「!?」 C男「っ!」


546 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 07:50:05.84 ID:b1AJlvQP
よっし。朝の部おわりっ!
続きはお昼。多分だけどっ。
寒いと思ったら雨降ってるよー。
出かけたくないな-。



548 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/25(土) 07:51:45.32 ID:/0eAUfUo
えええええええええええええぇええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!

549 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/25(土) 07:52:17.29 ID:Bg3DF6DO
急展開!!寝ぼけ眼が吹っ飛んだ…

554 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 08:02:14.15 ID:tCn0jOYo
B男が漢を見せた…か…?

殴りたくなるのはわかるが…それでも殴っちゃいかん…



567 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 11:45:18.42 ID:b1AJlvQP
――6/6、木曜日 17:00 神楽坂作業室

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「……いいんでしょうか」
男「ほい?」

新人女「こんなことしていて。B男さん探して連れ戻らないと」
C男「ニセ忍者が脱落とは」

男「いまは、ちょっと無理」
新人女「そうなんですか?」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「B男も頭に来てると思うしね。
 探し出しても、話にならなければ同じだよ。
 メールはちゃんと打っておいたから、大丈夫」

新人女「なんでこんな事に」

男「向こうに残った新人の女の人が一人いてね
 まぁ、家の事情で辞めるに辞められない人
 だったらしいんだけど」

新人女「……」ぎゅっ


568 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 11:47:04.52 ID:b1AJlvQP
男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

男「お察しの通りM野がゲス野郎でさ。
 ――ちょっかい、かけてたらしい。
 で、その女の人が、とうとうなんだろうな
 泣きながら辞めるという話を切り出して。
 それでBが、おそらく、代わりに殴った」

新人女「B男さん悪く無いじゃないですかっ」

男「辞めるって決めたのはB男だし。
 殴った後も居残れる場所じゃないでしょ」

新人女「おかしいですよ」ぎゅっ

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

男「おかしいね。だから、ちゃんと話を聞いて対処する」
新人女「……っ」

C男「新人女、手」
新人女「はい?」

C男「手、動かせ」
新人女「はい……」


569 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 11:47:48.50 ID:b1AJlvQP
男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

C男「マネジ男」
男「なんだかなぁ、その呼称は」

C男「仕事終わったぞ、新しいのくれ」
男「ん。ちょっと待って」

新人女「……」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

C男「静かだ」
男「C男は昔から静かでしょ。んー。こっち、かな。
 一個ずつ終わらして行っちゃおう。池袋の残務処理」

C男「んむ」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ


571 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 11:49:41.85 ID:b1AJlvQP
新人女「私が神楽坂に拾われたのは
 ――ラッキーだったんですよね」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「わたしも、きっと辞めちゃっていたと思うんです。
 M野さんにつきまとわれて。わたし、根性のないゆとり
 ですから……。多分三日も持たないと思うんです」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「何が言いたいのか、自分でも判らないんですけど。
 その人も、もしかしたら、ここ辞めて。
 他にも行くところが無くて」

新人女「……すみません」

男「言い忘れてたけど、彼女は昨日付で神楽坂班だから。
 会社の方の所属判断は知らないけれど、
 うちの人間はそのつもりでいるように」

新人女「はいっ」


573 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 11:51:00.75 ID:b1AJlvQP
――6/6、木曜日 19:10 神楽坂作業室/会議室

「――。――」
新人女「違う。そうじゃないのっ……。
 仕事してるんだよ。ふつうだよっ!」

「――。――」
新人女「……いいもん。……母さんが、そうじゃなくてっ!
 やだ。そんなのやだよっ。…… 好きにさせてよっ」

「――。――」
新人女「良い会社だよ。……いいじゃないっ。
 派遣で何がいけないのっ? ちゃんとするもん
 ちがうもんっ。
 ――そうじゃないもんっ」

「――。――」
新人女「母さんが判ってないだけだよ。……ちがうのっ」

「――。――」
新人女「まだ仕事だから。切るね。……もうっ!
 知らないっ!」

ばむんっ

男「こほんっ」
新人女「あ……」


574 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 11:52:00.27 ID:b1AJlvQP
――6/6、木曜日 19:15 神楽坂作業室/給湯室

新人女「えっと」
男「ん」

新人女「……」
男「……もうちょいでお湯沸くから、待ってね」

新人女「はい……」
男「……」

しゅんしゅんしゅんしゅん

男「このビル、ぼろいでしょ?」
新人女「え? あ、はぁ」

男「築何年か判らないけれど、なんかコンクリ湿ってる
 感じだしね。だめーなビルなんだけどさ。
 ガス台とヤカンは良いよね。オール電化っての?
 便利かもしれないけれど、なんか風情はないよね」

新人女「はい……」

男「そういや、うちの班はタバコ吸う人いないしね」
新人女「ですね……」


575 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 11:53:05.81 ID:b1AJlvQP
新人女「あの……」
男「ん」

新人女「さっきのは、うちの……母でして」
男「うん」

新人女「母は、なんかお嬢様気質なんです。
 別にうちはお金持ちでもなんでもないのに。
 近所づきあいとか、世間体とか、母だけの常識とか
 そういうのが大事な人で……」

男「うん」

新人女「この仕事、気に入らないんです」

男「そか」

新人女「あ、でも。わたしは気にいってますからっ」

男「またまたぁ。ブラック会社だよ。ここ。あはは」

新人女「いえ。そうじゃなくて、確かに仕事はきついんですけど」
男「だよね」


576 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 11:54:24.64 ID:b1AJlvQP
新人女「この間起きたら肩が上がらなくてびっくりしました!」
男「なうなる。俺も油断するとすぐなるよ」

新人女「お風呂で良く揉まないとダメですね」
男「身体って、メンテが必要なものだから」

新人女「仕事は、きついんですけど」
男「……」

新人女「パーティーにいったり、ドライブに行ったり、
 遊びに行ったりとか、そういう楽しさも無いんですけど」
男「……」

新人女「がんばってる感じがして、何か変わりそうで
 気に入ってるんです」

新人女「もうちょっとで何かがどうかなりそうなんですっ」

男「……うん」

新人女「すいません。意味不明で」

男「いや、うん。……判るよ」

新人女「え?」

男「俺も、何かになりたかったから」


578 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 11:57:14.52 ID:b1AJlvQP
新人女「……」

男「俺がここに来たときにさ
 半年先輩なだけなのに、すっごい仕事の出来る
 古参兵士みたいな人がいてさぁ。これがまた。
 ――強烈に仕事できるんだなぁ」

男「俺は要領が良かったし、仕事を覚えるのとか
 あんまり苦労したことなくてさ。
 仕事なんて自分で全体を把握して、工夫をすれば
 一人前になるのなんて難しく無いじゃない?
 その意味では、新人女さんと似てるんだ。
 あんまり苦労してこなかったという意味では」

新人女「……」

男「そのひと、ものすごいのよ。
 理屈とか通じないんだもの。
 脳みそまで筋肉で出来てるんじゃないかなぁ。
 筋肉で仕事してるんだよね。
 精神力と体力が同じメーターなんだもん。
 わけ判らないよね。ほとんど動物だもん。
 でも、それが、もう。
 あはははっ」

男「嘘みたいに格好良いんだ」

新人女「……」


579 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 11:59:01.01 ID:b1AJlvQP
男「なると良いよ」
新人女「……」

男「自分の好きなものになると良いよ」
新人女「はい」

男「野良はいいぜー」

新人女「?」

男「苦しいしさ、逃げ場はないし、いつでも崖っぷちだけど」
新人女「……」

男「もうどうにもならなくなっても
 誰も助けてなんかくれないけれど、いつも怖いけれど。
 それでもルール無用だもの。何になってもいいし、
 どんなに成長しても良いんだよ。
 それに、どんな場所でも歩いてゆける。
 野良って、全員が王様なんだよ」

新人女「わたし、男さんの」
男「ん?」

新人女「……」ぎゅ
男「――」


581 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 12:02:12.56 ID:b1AJlvQP
新人女「男さんの――神楽坂班で良かった」
男「いや、そいつはどうかなー?」にこっ

新人女「へ?」

男「間抜けた顔してるな。
 そう言えるためには、まずは生き残らないと」

新人女「はいっ。あはっ」

男「きっついぜぇ」
新人女「大丈夫ですよ」

男「B男に投げてた仕事が戻ってくるかもしれないんだよ?」

新人女「でも、格好良い人はこう言うと思うんです」にこっ

男「?」

新人女「『ウォリアーのうちがいれば、なんでもない』」

男「――うん」

新人女「だから大丈夫ですよ」


582 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 12:07:57.03 ID:b1AJlvQP
ただいま(´∇`)お昼の部だよ。
あとは休憩しながらぼちぼち投下していきます。
大根の味噌汁食ったよ。うまかった。
3杯もくってやった。がふがふ。



586 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 12:10:46.10 ID:vrcQsMDO
乙。ウォリアーの戦線復帰が待ち遠しいな


590 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 12:36:31.55 ID:b1AJlvQP
――6/7、金曜日 04:15 神楽坂作業室/仮眠室

男「おーい。C男。起きろー」
C男「……にく」

男「起・き・ろ」
C男「……仕事……捨て」

男「眠りを捨てろよ」
C男「……拾…う…」くてっ

男「起きろ」ゆさゆさ
C男「……む」

男「起きたか? 麦茶のむか?」
C男「……」ぼへぇ

男「どだ?」
C男「……こきゅ、こきゅ」

男「起きたか?」
C男「月は出ているか?」

男「まだ四時過ぎだから出てるんじゃないかな」
C男「僕らが求めた戦争だ」

男「いいから目を覚ませ」


591 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 12:37:16.65 ID:b1AJlvQP
――6/7、金曜日 05:30 神楽坂作業室

C男「マネジ男は寝ないのか?」
男「その呼び方、定着するのかよ」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

C男 こくり

男「んー。まぁ、今日のところは持ちそうだし、いいや」
C男「そうか」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

男「後でコンビニでドリンク剤でもかってくる」
C男「内臓を捨てよう」
男「捨てたいな、実際。胃が痛むってのな」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

C男「新人女は」
男「昨日は早めに返したから、朝は普通にくるんじゃないか」

C男「がんばるな」
男「うん」


592 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 12:38:06.03 ID:b1AJlvQP
男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

C男「残務も終わった。マネジ男」
男「ん。了解」
C男「次はどこにかかる」

男「……んじゃ、見えてるものをちっと見せるよ。
 こっち見て」

C男「これは?」
男「進捗表」
C男「規模が大きすぎる」

男「プロジェクトじゃなくて、全体俯瞰だよ。
 この細いラインと球根みたいな膨らみが
 一個のプロジェクトだ」

C男「……」

男「赤が危険度が高くて、青が低い」
C男「赤いサングラスかけてるような画面だ」
男「まーねー」

C男「なんでこんなに多い?」

男「開発とか営業の進捗も追跡してるから」
C男「――っ」


593 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 12:39:05.96 ID:b1AJlvQP
男「ここまでやっても不意打ちを受ける」
C男「……」

男「世知辛いね、会社ってのは」

C男「この巨大な赤い固まりは? 画面に入りきらない」

男「それは巣鴨。今は気にしないでいいよ」

C男「これは?」
男「想像通り、保険屋だね。不発弾に近い」

C男「……」
男「把握?」

C男「把握した」
男「どれに行く?」

C男「マネジの配置指示」
男「だるいよ」

C男「?」

男「指示なんてだるいって」


594 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 12:39:34.78 ID:b1AJlvQP
C男「職務放棄。捨てるな」
男「マネジの仕事は指揮でもみんなの仕事の様子を
 チェックして叱ることでもないよ」

C男「……」

男「C男はもう十分戦闘能力がある。戦う気もある。
 マネジの仕事なんて、あとは『仕事をやっつけようぜ』
 って言うだけだよ。
 ――どれと戦りたい?」

C男「これ」

男「でかいとこ食うね。錦糸町か」

C男「形が唐翌揚げに似てる」

男「……唐翌揚げ独り占めすると女先輩にどつかれるよ?」

C男「いないのが悪い」

男「そう言えばそうだな」

C男「資料は?」
男「用意する」


604 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/25(土) 13:01:43.39 ID:b1AJlvQP
――6/7、金曜日 12:30 神楽坂作業室
――電話

男「はい。……そうです。そこらにありませんか?
 あははは。こっちも地獄ですよ。
 いえ。開発と話が出来るようになったので、
 援軍三個師団気分ですよ。
 ……はい? はい。
 あ、手直しくらいならします。とりあえず、
 送ってくれれば。はい、感謝します」

男「ああ。聞かれました? あはははは。
 うちの忍者なんですけどね。
 へ? 忍者ですよ。いるんですよ、うち。そういうの。
 うん……殴っちゃったみたいです。
 ……。
  …………。
 いえいえ、そう言ってもらえると忍者も喜ぶと
 思いますよ。あいつはアレでなかなか大器ですから。
 ……。
  …………。
 ああ、はい。お心遣いありがとうございます。
 いえ、B派遣社には一度自分もご挨拶に行くつもりでした。
 いや。違いますよ。あははっ」


606 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/25(土) 13:02:26.48 ID:b1AJlvQP
男「はい。お願いします。はい、はい?
 んー。どうした方がいいでしょうかね?
 周辺機材のあまりってあります?
 うちはケーブルは5mクラスしかないんですけど」

男「あー。判りました。いえ、いいんですか?
 すみません。では、お願いします。
 はい、はい。……ではまた」

がちゃり

C男「開発か?」
男「そう」

C男:カタカタカタカタカタカタ

C男「関係改善」
男「んだね」

C男:カタカタカタカタカタカタ

新人女「なにかお手伝いできること、ありますか?」

男「いや、これはC男の仕事なんだな」
C男「捨てよう」


607 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/25(土) 13:03:48.24 ID:b1AJlvQP
男「いま、開発から追加機材届くから。
 C男は荷物と手持ちのツールディスクまとめて」

C男「夜逃げか?」

男「近いね。錦糸町に移動。クライアントさんのところで
 作業するよ。クライアントさんは、訂正用の顧客情報を
 社外へ持ち出ししたくないらしい」

C男「Netは?」

男「開発の方で、臨時にFTP立ち上げてくれるから、
 Toolとかはそこで受け渡し。いまやってる作業の継続も
 そのまま持ってって、向こうでやることになる。
 新人女さん?」

新人女「はいっ」

男「そんな訳で俺とC男出るから。ああ、俺は挨拶だけ
 だからすぐ戻る」

C男「俺が捨てられるっ!?」

新人女「はい」

男「その間だけ、留守番お願い。電話は留守電でOK」

新人女「判りました」


609 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/25(土) 13:09:38.75 ID:b1AJlvQP
――6/7、金曜日 16:00 総武線の内部

C男「……機材捨てよう」
男「重いのは判るけど、捨てるなよ」

C男「ちょうど橋だ。うまく捨てればばれない」
男「ばれるよ。どうやって電車の窓から捨てるんだよっ」

C男「……」
男「……」

C男「大丈夫か?」
男「なにが?」

C男「俺まで移動して平気か?」
男「しゃぁないでしょ」

C男「――」

男「今はこれが一番早く仕事が進む。錦糸町を
 処理できれば、後は細かいドキュメントや残務処理、
 ミスの修正なんかだ。
 これは指示をして、資料さえ完全にそろえていれば
 新人女さんがペースは遅くてももれなくつぶしてくれる」

C男「不発弾」
男「ああ」


610 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/25(土) 13:11:20.88 ID:b1AJlvQP
C男「保険屋」
男「B男が抜けたのが痛いね。まぁ、そいつは俺がやるよ」

C男「つぶれる」
男「……」

C男「つぶれたマネジ男。かっこ悪っ」
男「あんなー」

C男「捨てよう」
男「……」

C男「捨てたいな」
男「ん?」

C男「結局M野が生き残る」
男「ああ」

C男「殺すべき」

男「殺しても仕方ないよ。
 あんなのは、どこにでもいる。多分ね。
 出くわす度に殺すの殺さないのなんて
 面倒でやっていられないよ」

C男「マネジ男は草食過ぎる」
男「ものぐさなんだ」


611 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/25(土) 13:12:14.84 ID:b1AJlvQP
C男「……」
男「……」

 ゴオオオオオ。ぷしゅーっ。
 あさくさーばーしーあさーくさーば

C男「しのげるのか?」
男「保証が欲しけりゃ公務員やってやがれ」

C男「女先輩の場所だ」
男「しのげるよ」

C男「即答か」
男「即答しないと捨てられる」

C男「捨てるだけで済ますものか」
男「……」

C男「一生呪うからな」
男「だから、重いんだって」

C男 ぷいっ

男(なんてんだっけ、これ……。
 あ。そうだ。ツンデレ……なのか?)


612 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 13:14:46.89 ID:b1AJlvQP
よっし、昼の部おわり。
物語終盤になって、やっと待望の萌えワードだせたヨ!
……スイマセンスイマセンゴメンナサイ

人が少ないかなと思ったら、今日土曜日じゃないですか。
学校から見てくれてた人とかいるんだろうなぁ。


617 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 13:17:47.41 ID:4IU2yADO
乙ー!

621 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/25(土) 13:19:04.50 ID:dBmTDyc0
とうとう終盤か~

どういう結末を迎えるのか・・・・・


622 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 13:19:09.50 ID:TtLqKlgo
さて…弱った先輩をいただいてくる

643 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 15:05:33.70 ID:245Iia2o
大分県滅亡の危機と聞いて県民が(ry



だが大分の名物はとり天だからな!あくまでてんぷらだからな!!


644 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/25(土) 15:08:19.15 ID:RN68fl20
とり天ってなんだよ?wwww
と思ってググったんだが奥が深いんだな
つ参考
http://tenjin.coara.or.jp/~toriten/

だがオレは唐翌揚げのが好きだ。スマン

645 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 15:18:56.98 ID:245Iia2o
>>644
一度、食ってみな。
あれは……いいものだ……!



653 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/25(土) 16:23:13.56 ID:b1AJlvQP
――6/7、金曜日 18:20 神楽坂作業所

新人女:カタカタカタ

新人女「できた。……よし、もう一個」

がちゃり

男「たっだいま」
新人女「お帰りなさい~。どうでしたか」

男「こちらは問題なし。C男は週明けまで缶詰だね」

新人女「作業はこんな感じの進捗になってます」ぺらっ

男「さんきゅ。まとめてもらえるとすごく助かる」

新人女「いえ。出来ること自体がまだ少ないですから」

男「……ん。この緑のラインは?」

新人女「ちょっと自信がないところです。帳票の内容を
 チェックして欲しいです」

男「了解」


654 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/25(土) 16:24:37.35 ID:b1AJlvQP
男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「ん……。問題なし。調べた方がいい点は
 別紙にプリントした」

新人女「ありがとうございます」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「いえいえ。実際助かる」
新人女「細かい仕事をこなすのは楽しいですね」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「そうゆうもの?」
新人女「小さい人形を修理してショーケースに
 ちまちまっと並べていく感覚に近いです」

男「ああ。うん、それ、判りやすいね」
新人女「はい」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「でも、貴重な人材だ」
新人女「そうですか?」


655 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/25(土) 16:25:16.62 ID:b1AJlvQP
男「うちは大物狙いが多いからね。でかい仕事に突っ込んで
 腕力で倒しきると言うか。体当たり主義的な」

新人女「女さんですか?」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「先輩もそうだけど。実は最近C男もそうだよね。
 B男はそのへんは自在派で、俺がどちらかというと
 雑用処理が多かったからさ」

新人女「個性が出るんですね」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「そりゃそうだよ。仕事ほど個性でること無いよ」

新人女「……友達なんかは、サラリーマンになったら
 個性が無くなるっていってたから」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「そんなこと無いよ。というか、消そうと思って
 消せるくらいなら個性じゃないんだよ」

新人女「そうですね」
男「個性ばりばりで仕事する人ばっかりだけどね
 うちの班は」


656 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 16:26:44.12 ID:b1AJlvQP
――6/7、金曜日 19:40 神楽坂作業所

新人女「ん……」ちらっ

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「――」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「あのぅ」
男「……」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「あの、男さん?」
男「はいっ?」

新人女「聞かれる前に云いますけど、私、土日出ます」
男「きついでしょ?」

新人女「いえ出ます。ここが正念場だって言う気がしますし」

男「そう言ってくれるなら願ったりかなったりだけど」


658 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 16:29:47.68 ID:b1AJlvQP
新人女「やた」にこっ
男「そんなに仕事楽しい?」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「いえ、そういうのじゃないですけれど。
 ううん、……楽しいのかな?
 がんばってる気がして嬉しいです」

男「ああ、充実?」
新人女「そうそう、それです! 言いたかったの」

男「そっか」にこっ
新人女「はい」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「――」
新人女「……」ちらっ

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「そか。明日来るなら、今日はもう切り上げよう」


660 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 16:30:58.67 ID:b1AJlvQP
新人女「男さんも帰りますか?」
男「いや、俺はもうちょいいるけれど」

新人女「それじゃ私も付き合います」
男「いやいや。切り上げましょう。女性なんだし」

新人女「仕事忙しいですし……」

男「却下で」

新人女「だめ……ですか?」じぃっ

男「そういう反則くさいポーズしてもダメです」

新人女「反則なんかじゃないですよっ」おろおろ

男「……」
新人女「……」しょぼん

男「自分はもうちょい残りますけど、
 良い時間だからご飯に行きます。事務所一緒に出ましょう」

新人女「はいっ」
男「いや、そうでもしないと残りかねないからね、
 新人女さんは」


661 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 16:31:49.80 ID:b1AJlvQP
――6/7、金曜日 19:50 神楽坂の路上

新人女「土日は雨らしいですね」
男「そっかぁ。滅入るね」
新人女「どこでお食事するんですか」

男「ん……。そだね。美味しい親子丼
 食べさせるところがあるんだ」

新人女「わぁ。いいですねっ」
男「行くよね?」

新人女「はいっ。お供します」
男「ちょっと裏手のおそば屋さんなんだけどね」

新人女「この辺のお店沢山知ってるんですか?」
男「うん。職場に入ると付近の探検しない?」

新人女「あんまりしたことはなかったです」

男「座ってデータ管理の仕事とかしていると、
 食事がストレス発散みたいになるしさ。
 散歩がてら店を探したりするよね」

新人女「そうなんですか」

男「こうゆうのは忍者が抜群に上手いんだ。みつけるの」


662 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/25(土) 16:33:25.49 ID:b1AJlvQP
――6/7、金曜日 20:00 蕎麦処『酉伊勢』

新人女「緊張しますね」
男「そう?」

新人女「結構高そうなお店ですよ」こそっ
男「奢ってもらえるでしょ? 男の子に」

新人女「和食のお店って選択肢にないんですよ。
 ――独特の気配ですね」
男「ああ。音楽とか流さないもんね。静かだよね」

男「親子丼二つ。と、茶碗蒸しも二つ」

 店員「はい、ただいまぁ~」

新人女「メニューが出てこないってすごいプレッシャーですよね」
男「あ、それは判る」

新人女「『判ってないやつは帰れよ!』みたいな」
男「うんうん。それはあるなぁ」

新人女「変な注文したら奥で
 笑ってるかもしれないとか考えませんか?」

男「結構小心だなぁ、新人女さんは。ははは」
新人女「いえ、小心者ですから」

男「その時は二人で笑いものになると言うことで」
新人女「そうですね」にこっ


663 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/25(土) 16:36:42.60 ID:b1AJlvQP
男「ここもB男がさがしてきてさ」
新人女「ふむふむ」

男「看板にメニューも出て無いじゃない?
 鶏料理、蕎麦だけで」

新人女「はい。真っ黒壁ですしね」

男「それなのに一人でランチ食いに入ったらしいんだよ。
 で、美味い美味い! って今度食いに行こうって。
 そりゃ、ござるござる言うわけさ」

新人女「あはははっ」にこぉっ

男「ん」

新人女「はい?」

男「いや、まだ元気があるみたいで良いことだ」

新人女「……B男さん、なにしてるでしょうか」

男「元気してるよ」

新人女「そうだ。メールの返事は来ましたか?」

男「うん、きてる」


664 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/25(土) 16:37:49.45 ID:b1AJlvQP
新人女「どうでした?」
男「さっぱりしたものだよ」

新人女「戻ってくるんですよね?」
男「――」

新人女「おかしいですよね。こんな事で、辞めちゃうなんてっ」
男「うん、おかしい」
新人女「……」

男「でも、おかしいことは世の中に沢山あるから」
新人女「……っ」

男「新人女さんはこの先どうなるのかな」
新人女「……はい?」

男「まだ19だもんね。他の会社に行くかもしれないし、
 誰かと付き合ったり結婚するかもしれないでしょ」

新人女「……」

男「でも、B男はあれで、野良だからさ。
 ――ちゃんと生き抜くよ。
 まぁ、仕方ないよね。殴りたければ殴る。
 やってはいけないことだけど、野良は王様だからなー。
 あれは俺もびっくりしたよ。
 よっぽど腹に据えかねたんだな」


665 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/25(土) 16:39:02.86 ID:b1AJlvQP
新人女「……」

男「そういう顔してると、まずくなるよ? せっかくなのに」
新人女「はい?」

男「さっきの顔がいいね」
新人女「え?」

男「笑った顔の方が美味しいよ。
 ――親子丼ってさ、どんぶりの中で卵が蒸されて、
 どんどん加熱されてる訳。つまり、1秒を争う
 デスマーチな食い物なんだよ。
 だから、笑いながら食べないと、負けちゃうよ?」

新人女「え?」

 店員「お待たせしました。親子丼二つ、茶碗蒸し二つ。
  本日の香の物は蕪菁にしてみました。ごゆっくりどうぞ」

男「食おうぜ」
新人女「はい」

男「いただきます」
新人女「いただきます」

男「まぐっ。……もぐっ。ん」
新人女「……もぐ」

男「どうよ」


666 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/25(土) 16:40:09.05 ID:b1AJlvQP
新人女「……美味しいです」にこっ
男「そんな感じの顔で」にこっ

男「もぐっ。……まぐ、まぐっ。ん」
新人女「美味しい…… 本当に」

男「まぁ、あれだよ」
新人女「……?」

男「野良になりたてのちび猫に心配されたら
 忍者だってへそを曲げるよ」

新人女「わたしも、野良ですか?」

男「じゃない? もぐ、もぐっ。あ、茶碗蒸しもどうぞ」

新人女「はい……、いたきます。あの、野良ですか?」

男「違うの?」

新人女「いえ。……嬉しいです」

新人女「びっくりでして……。こんなに嬉しいんだ」

男「あはははっ。変なの。野良なんてウォリアー並に
 底辺なんだぞ?」


667 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/25(土) 16:41:14.98 ID:b1AJlvQP
新人女「ええ。そうなんですけど。
 お母さんに云ったら卒倒しちゃうくらいなんですけど」

男「だよ。……もぐっ。……ん」

新人女「卵とろとろですね」

男「そこが美味い訳だ」

新人女「はいっ」

――偉いぞっ

男「?」

新人女「あ、いえ……。その」

男「茶碗蒸し美味い?」

新人女「美味しいです。いや、そうじゃなくて」

(褒めてもらう、あの姿が。――欲しくて)

新人女「あの。なんでもないです。美味しいですっ」


668 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/25(土) 16:43:19.25 ID:b1AJlvQP
――6/7、金曜日 20:45 神楽坂路上

男「それでは、お疲れ様ー」
新人女「はい。ごちそうさまでしたっ」ぴょこっ

男「いえいえいえ。奢りのお礼は労働で!」
新人女「了解しました。マネージャー!」

男「ゆっくり寝てください」
新人女「休養してきます」

男「お休みなさい~」
新人女「あのっ」

男「はい?」
新人女「あ……いえ。なんでもありません。
 お休みなさい、また明日がんばります」

男「はい。ではまたね!」

ぱたぱたぱたぱたっ。

男「さーってと。んじゃ、こっちはもうひとがんばり。
 ……と、そ、の、ま、え、にっ」

男「食事券は残念だけど、全部換金して、振り込んじゃうかな。
 ま、これも先行投資のスカウト料金だ」


669 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/25(土) 16:44:24.56 ID:Xr/x5lA0
仕事こまけえなあ

678 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 17:08:17.11 ID:cJnyARM0
新人女の人気が無い…だと…?

679 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/25(土) 17:13:36.72 ID:Xr/x5lA0
統計とってみようか
俺は

男>女>忍>新>C


680 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 17:21:16.43 ID:ObLM35so
女>男>新=B=C

682 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 17:21:37.94 ID:bAJ7osQo
忍>C>>>>>>>新>>>>>>>>>>>>>>>(男・女)

自分でも何か間違ってると思う


683 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 17:23:06.66 ID:Wp5i4.DO
C> 新人>女>男>B
かな


681 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 17:21:34.19 ID:blrb56AO
順番なんか、つけらんないんだぜ・・・・

685 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 17:24:17.96 ID:4IU2yADO
おれは>>1、一択かな キリッ


781 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 11:33:31.49 ID:OTso.pkP
――6/8、土曜日 11:00 神楽坂作業室

ざぁぁぁぁぁああぁああ

新人女「すごい降りですね」
男「早い台風が来てるらしい」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「でも、悪くないですよ」
男「そう?」

新人女「雨の中でも、暖かい部屋で集中して
 キーボード叩いているのって。いいですよね」

男「……うーん」
新人女「外に買い物行くのよりは」にこっ

男「そうかもなぁ」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「夜は困りますね」
男「あー。そういえばさ」


782 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 11:34:52.66 ID:OTso.pkP
新人女「はい?」
男「なんにもないと思うけれど、雨もすごいし
 今日は早々に切り上げた方が良いよ」

新人女「いえ……あの」
男「?」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「実は、お泊まり…… じゃなくて、徹夜の準備を
 してきてますので」
男「はい?」

新人女「わたしも、そろそろ完徹デビューを」
男「……えーと」

新人女「今回は引きません」
男「引かないのか」

新人女「男さんのこと見てましたから」
男「はい?」


784 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 11:45:34.40 ID:vuHK/qM0
新人女「わたし技術もないですし、手も早くないです」
男「そんなこと無いと思うんだけど」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「男さん、結構焦ってますよね」
男「……」

新人女「今週末、危ないんですよね?」じぃっ
男「なんで?」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「共有フォルダの日付別作業予定がどんどん
 圧縮されてます。私には教えてくれてない
 仕事があるんですよね?」

男「えー」

新人女「まだへたくそだから、真似っこしないと
 仕事のやり方が判らないですけど
 真似をずっとしてるから気がついたんです。
 真似をしたくても出来ない、変な仕事があるって」


789 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 11:59:57.59 ID:vuHK/qMo
男「……びっくり」
新人女「?」

男「いやいやいや。『「男子三日会わざれば刮目して見よ』
 って、あれずいぶんセクハラな台詞だよなぁ。
 男子だけしか成長しないみたいじゃんね」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「……」
男「C男といい、新人女さんといい。すごいわ」

新人女「当たりましたか?」
男「うん、当たってる」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「別に隠してた訳じゃないけどね。ほら、前に話していた
 保険屋の仕事がね。B男がいなくなって凍結されてる。
 これを火曜日までにやらなきゃならない。
 まぁ、実際この週末だね」

新人女「……」

男「でも、これは。多分俺が無理すれば仕上げられる。
 幸いマクロは手の込んだヤツを作っておいたからね。
 ディスクの入れ替えが手間だけど、自動処理で
 チェックの洗い出しまで終わるはず」


790 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 12:01:20.69 ID:vuHK/qMo
新人女「ディスク交換と、マクロのセットアップくらい出来ます」
男「……」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「今晩はあの……お付き合いしますから」かぁっ

男「えっと……うん。いや、いや、ダメっ」

新人女「なんでですか?」じぃっ

男「C男がいるならともかく、初泊まり込みでしょ。
 それなのに、男女二人っきりはダメ。許可できません」

新人女「大丈夫です。男さんのこと信用してますから」
男「安易な信用よくない」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「そうですか?」
男「そうですっ」

新人女「――そんなこと無いと思うんですけど」
男「信用しちゃダメですっ」


791 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 12:02:59.37 ID:vuHK/qMo
新人女 びくっ

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「――世の中にはね。『僕を信用して』とか誘って
 『正社員にするから、いいよね?』とか、
 そんな甘いことを云って女の人を
 食べちゃう人もいる訳ですよ」

新人女「はい……」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「だから、そう言う隙はダメ」
新人女「でも、男さんは違いますよね?」

男「マネージャーですから違いません。
 野良の基本は自助努力と自己防衛です」

新人女「……わたしも入門野良ですもんね」

男「そうそう」

新人女「でも、野良は自分の王様ですから」


792 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 12:04:31.69 ID:vuHK/qMo
男「うん」
新人女「入門王様として、今晩は男さんと一緒にいます」

男「ぐっ」
新人女「王様だから自分で決めて良いですよね?」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「新人女さんさ」
新人女「はい?」

男「ほんとはめちゃくちゃ口が上手いよね?」
新人女「そんなことありません。ゆとりですから」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「嘘だぁ~」
新人女「でも、男の人にわがままを言うのは
 慣れてるのかもしれません」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「はぁ……。そういえば、リア充だったんだ。この娘」


793 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 12:06:09.27 ID:vuHK/qMo
新人女「コツがあるんです」
男「どんな?」

新人女「三回に一回は、相手が
 嬉しくなっちゃうようなことを云うんです」にこっ

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「……」
新人女「……」にこにこ

男「……はぁぁ。だ、ダメだ。この娘。
 タイプが違うけど、先輩並にたちが悪い。今気がついた」

新人女「一緒にいていいですよね?」
男「……」

新人女「仕事がんばりますからっ」
男「了解」

新人女「がんばりますっ」ぱぁっ


794 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/26(日) 12:09:38.87 ID:mfL8/bY0
こええ女や新人

796 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/26(日) 12:13:34.06 ID:7rI9cgDO
やべぇ www新人女がどんどん攻めてるwwww
どうするマネジ!?どうなるマネジ!?w


797 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/26(日) 12:13:56.25 ID:94wzlgDO
惚れてまうやろー!!!!

798 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/26(日) 12:15:58.82 ID:5A8BxADO
さすが、黒さだけは女に勝ってるだけはあるな


799 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 12:16:57.01 ID:vuHK/qMo
―― 回想:秋

男「生きてますー?」
女「うち生きてるよ。半分くらい」
男「さすが先輩。おれ3割くらいですよ」

女「やっほー。うち2割勝った」くてっ

男「……」
女「……ふぅ」

男「終わらないっすね」
女「終わらないね。むしろ増えてるね」

男「子だくさんですね」
女「仕事ってなー。ほら、台所の食器みたいに増えるんね」
男「それは皿洗いしてないせいじゃないですか?」

女「なぜその秘密を? さては男……能力者だな!?」
男「全然判りません」

女「うはは……はは。けふんっ」
男「先輩、帰ってくださいよ」


803 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 12:20:09.69 ID:vuHK/qMo
女「ヤダヤダヤダヤダ。やだもん」
男「そんなに会社が好きですか」

女「Fuck off!! これは男に対するただの反抗期やん」びしっ
男「こんなに躊躇いなく中指立てる女見たことない」
女「えへんっ!」
男「褒めてませんよ?」

女「うちパリカリやしね」
男「なんですかそれ」

女「覚悟完了ってことよ。 Pallhkari(パリカリ)。
 しらない?」
男「知りませんよ。何語です? それ」

女「ギリシャ語。
 まぁ、戦士のことやね。……勇ましくて諦めなくて、
 不屈で……。なにより死地にあって笑いを忘れないんよ。
 つまり、あれや。大阪人のことやねっ」

男「そうなのっ!?」

女「そうなんやって。まじで! ギリシャは大阪の領地やし」
男「あなどれねー」


804 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 12:23:23.75 ID:vuHK/qMo
女「やー。ほら、デスマじゃない?」
男「ですね」

女「毎日がクライマックスじゃない?」
男「俺はエンディングロールが見たいです」

女「そういうピンチの中でも、笑いを忘れない人間で
 いたいわけよ。うちはっ。
 そして毎日のように男にセクハラ発言をしたい」きりっ

男「ありがた迷惑な主義ですね」

女「嬉しいよね」にこっ
男「えー」
女「嬉しいと、云っえっ」

男「痛っ。嬉し、嬉しいです。すいませんっ。
 ってでも、それって戦士と云うよりは、勇士じゃない?
 諦めない、挫けない、退かないって。
 いや、むしろ勇者かなぁ?
 RPGでいえばハーレムポジションじゃないですか、女先輩」

女「んー。勇者かなぁ。
 うち、勇者って云うほどじゃまだないんだよね。
 いいとこ、戦士じゃない?」

男「ウォリアーですか」

女「それだっ! それ。強そう! なんか男に勝ちそう!!」
男「負けてくれたことねーじゃないですか」


805 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 12:24:49.32 ID:vuHK/qMo
女「年期が違うよ」にこっ
男「たかが半年差で」

女「良いね。それ、いただき。うち、ウォリアー!」
男「ウォリアーなんだ」

女「うん。これでいけたね。唐揚げ力がわいてきた」
男「また、およそ女性らしさとは無縁な」

女「うちウォリアーやしっ!」
男「そうですか、って」

女「で、男はどうすんの? 何になるのよ」
男「……」

女「ん? ほらほら。お姉さんのうちに教えてごらん?」
男「年上ぶらないんで欲しいんすけど」

女「うりうり」つんつん
男「……」ぷいっ

女「なにさ。ケチ」

男「俺はそういう根性無いからなぁ」
女「そんなことはないよ」


806 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 12:28:27.65 ID:vuHK/qMo
女「みんな辞めちゃって二人っきりになったけど、
 うちと男は残ってる。根性がないなんて
 誰にも云わさないよ。キチガイM野にも」
男「……」

女「うち、ゆずらんし」
男「……」

女「舌噛んで死ぬし」
男「痛いですよ」
女「牛タンくらい食ったことある。うちがびびるかぁ!」
男「いや、話ずれてるし」

女「男は、うちより視界が広いもん。おまけに遠くまで
 見えてると思うよ。うちら組めば最強! どんとこい!」

男「……」

女「だいじょぶだいじょぶ。男の能力は知ってる。
 うちなんてかなわないよ!」

男「女先輩……」

女「『ウォーリーを探せ』ではねっ!」
男「仕事と関係ないじゃんっ」


807 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 12:29:52.57 ID:vuHK/qMo
女「ほいじゃま」
男「それじゃま」

 ドサッ
   ドサササッ!!

女「行ってみますか、デスマーチ」
男「開けてみますか、ヘルゲート」

女「連結準備はいい?」
男「6台2セット完了」

女「次に帰るのは?」
男「限界考えて戦うほど歳取っちゃいません」

女「む。うちを年増扱いする気だな?」
男「セクハラやめてくれたら控えます」

女「今日は男の携帯にロリ画像送ろうと思ってたのに」
男「いや、まじでごめんなさい。
 それより、ほら。セットアップできましたよ。
 マクロ片っ端から当ててっちまいますからね」

女「偉いぞっ」くしゃ
男「先輩こそ、寝ないでくださいよっ」


808 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 12:31:11.72 ID:vuHK/qMo
――6/8、土曜日 13:00 千葉、アパートの一室

女「……えら……い……ん」

女「……んぅ」

女「……」くてん

女「……んぅ」むくっ

女「……ゆめ?」こしこし

女「おとこどこ?」きょろきょろ

女「……」ぼー

女「いない……」

女「……おきた」

女「起きましたよぅ。……ん。うぅーん、んっ」

女「……んっ」

女「腕、軽くなったね。もう、ちょっとだ」


815 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 13:03:30.27 ID:vuHK/qMo
――6/8、土曜日 15:00 神楽坂作業室

がちゃり

M野「ああ、酷い雨だな。……だいなしだ」
男「ああ、M野さん。こんにちは」

新人女 びくっ「……こんにちは」

M野「よう」
男「どうされましたか? 突然に」にこにこ

M野「いや、こっちも休日勤務だよ。誰かのおかげで一日
 つぶれたもんだからね」
男「ははぁ、災難でしたね。お疲れ様です」

M野「いずれ統括になる神楽坂の様子でも見ておこうかとね」
男「はぁ」

M野「どう、新人女ちゃん。慣れた?
 こき使われたりしてない? 何かあったら俺に云うんだよ?
 マネジが横暴だったら俺がすぐ飛ばしてやるからね」

新人女「……は、はい」

M野「可愛いなぁ。来週にでも俺が統括になるからね。
 そうしたら、発足コンパをやろうね。
 もちろん奢るからさ」なでなで

新人女「……」びくっ


817 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/26(日) 13:04:54.51 ID:GvrYONMo
M野ぶっとばすぞURYYYYYYYYYYYY

818 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/26(日) 13:07:00.00 ID:7wzzQC20
M野[ピーーー]ええええええ

819 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/26(日) 13:07:54.19 ID:rrsFncAO
ゴォォォォォォォォォォォォォォジャスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ


820 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 13:08:40.17 ID:vuHK/qMo
男「今日はどの案件ですか?」
M野「ん。あ? ああ。巣鴨だよ」

男「巣鴨――?」
M野「うん。月曜の朝一までだろ」

男「はい?」

M野「二次納品だよ」

男「……あ、新人女さん。お茶をお出しして。
 M野さん、外は雨すごかったでしょう?
 いま、暖かいのを入れさせますから」

M野「おう、気が利くな」

男「あははは。いえ」

M野「新人女ちゃんの入れてくれたお茶か、
 美味しいの頼むぜ」

男「会議室の方が暖かいですよ」
M野「じゃいくか」

男「はい」


822 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 13:09:41.67 ID:vuHK/qMo
――6/8、土曜日 15:05 神楽坂作業室/会議室

M野「で、出来てるのか?」
男「巣鴨ですよね。納品は先月に一回したと思いますが」

M野「二次納品の話だよ。修正分を含めての」
男「それは月末では?」

M野「月曜の朝一だよ」
男「突然ですね。つらいなー」

M野「お前のところの騒がしい女がいただろう?」
男「女先輩ですか?」

M野「あの女に火曜日に云った」
男「火曜日、先輩はお休みでした」

M野「じゃぁ、月曜日だ」
男「先輩は今週はお休みしてたんですよ」

M野「じゃぁ、先週云ったはずだ」
男「……」

M野「連絡不行き届きか? 神楽坂マネージャー」

男「判りました。申し訳ありません」にこっ


825 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 13:12:59.53 ID:vuHK/qMo
M野「あの女、むかつくよな。切れよ」
男「いえ、彼女の戦力は高いんですよ」

M野「あのな。俺は来週から統括をすることになってるんだ。
 課長クラスだよ。お前は俺の直下に入る」

男「伺っています」

かちっ。しゅぼっ

M野「すぐ飛ばせっから」
男「はい」

M野「いや。お前は誤解してると思ってな」ぷはぁ
男「……」

M野「俺はお前のこと買ってるんだぜ?
 お前処理能力高いし、クライアント受けも悪くないしな。
 俺が統括になった後も使ってやろうとは思ってる。
 正社員になれば、もっと待遇も良くなるだろう?
 こないだ常務からも話が行ったよなぁ。
 あれ、俺だから」

男「ありがとうございます」にこっ


827 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 13:16:17.58 ID:vuHK/qMo
M野「だから変な考え起こすなよ。
 多少、クライアント受けしたってお前は派遣なんだから。
 仕切りが出来るからって、お前は態度がでかいんだよ。
 営業が仕事取って来なきゃ、結局お前らの
 給料だって払えないんだからな。
 開発だの管理だのってのは、営業の云うこと聞いてれば
 それでいいんだよ」

男「はい、理解しています」

M野「で、だ。巣鴨の件は判ったか?」

男「月曜の朝一ですね? 正確な時間をいいですか?」
M野「先方に11時に到着だ」

男「11時ということは、余裕を持って10時くらいに
 本社にお届けでいいですかね?」

M野「ああ、お前が持ってきてくれ」
男「もちろんです」

M野「なんだか、巣鴨のクライアントな。お前のこと
 妙に褒めててな。なんだ? ケアしといたのか」

男「はぁ、DBの設計段階の話などで何回か
 ご質問させていただきました」

M野「お前も来い」


834 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 13:19:07.71 ID:vuHK/qMo
M野「一緒に来い。営業の現場ってもんを見せてやるよ」
男「了解しました」

M野「ああ、そうだ。あの女、あれは月曜日から来るのか?」
男「その予定です」

M野「ちょうどいい、あいつも連れてこい」
男「女先輩ですか?」

M野「ああ。あいつは昔から気にくわない。
 俺がせっかく誘ってやったのに……。ふん。
 それはいいや。どうでもいい(ぎりっ)。
 クライアントの前で絞ってやれば逃げ出すだろ
 ――判ってるんだろうな? お前がやるんだぞ」

男「……M野さん、今後も営業との二足のわらじですか?」

M野「ああん? ああ。そうだな。巣鴨は俺の案件だしな。
 譲る訳には。これさえ仕留めれば……。
 お前には関係ないな。口を挟むな」

男「はい」

M野「何でも手を出していかないとな。あははっ」

男「はい。M野さんならば、どちらの仕事でも結果が
 残せると思います」にこっ

M野「あたりまえだ」


847 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 13:30:31.43 ID:vuHK/qM0
――6/8、土曜日 15:45 神楽坂作業室

M野「判ったな。やっておけよ。
 やり終わらなかった場合はお前の能力不足だって事で
 上には報告させてもらうからな」

男「はい、もちろんです」

M野「新人女ちゃん? これからオイスターバーでもどう?」

新人女「いえ、あの……。今日は雨が酷いので……」

M野「そうかぁ。そうだよねぇ。今日は験が悪いよね。
 それじゃ、打ち上げの時にでも遊ぼうっ」

新人女「……あの」
男「では、二人で急いで巣鴨を仕上げますので」

M野「ん? ああ。判った。……新人女ちゃんまたね?」にま

男「お疲れ様でした」ぺこり

M野「あー。おつかれさん」

ぽいっ。ぐちゃっ。がちゃ。かん、かん、かん……。

男「……ふむ」
新人女「……」


876 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 14:51:30.96 ID:vuHK/qMo
――6/8、土曜日 16:10 神楽坂作業室

男「……」
新人女「……」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「……新人女さん? 15番系統のマクロ換えてくれる?」
新人女「はい」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「……」
新人女「……」

かたん

新人女 びくっ

男「あ。ちょい飲み物入れ直す」

新人女「あ、はい」

新人女:カタカタカタ

新人女:カタカタカタ


877 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 14:52:12.85 ID:vuHK/qMo
――6/8、土曜日 16:20 神楽坂作業室

ことんっ

男「はい」
新人女「ありがとうございます。……あ」

男「いいでしょ?」にこっ
新人女「これは?」

男「ホットチョコ」
新人女「……ん。――。甘くて美味しい……」

男「でしょ?」
新人女「はい」

とさ

男「こくん……、熱っ」
新人女「あははっ」くすっ

男「熱いくらいが美味しいんだよ」
新人女「そうですね」にこっ


878 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 14:54:08.40 ID:vuHK/qMo
新人女「これ、インスタントなんですか?」
男「いや。違うよ、チョコ溶かすんだよ」

新人女「へぇ」

男「でも、溶かすだけだからインスタントみたいなものかなー」
新人女「すごく美味しいです」

男「貴重品だからね。ヴァローナって会社のチョコを
 コッソリ隠し持ってる訳だ。冷蔵庫にね。
 内緒だよ? 食べられちゃうから」

新人女「判らないけれど、すごく美味しい……」

男「気分が暗いときは、暖かくて甘いものだよね」

新人女「……」

男「……」こくん、こくん

新人女「……これ」

男「どした?」

新人女「二度目ですよね」
男「そうだっけ?」


879 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 14:54:54.44 ID:vuHK/qMo
新人女「あったかい……」
男「雨、強いしね」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「あんまり、気にしないで」
新人女「はい」

男「大事なことの優先順を自分の中でつけるとさ」
新人女「……」

男「すごく腹立たしいことでも、納得できないことでも
 それが一番大事って事はまず、無いじゃない」
新人女「……はい」

男「目下は目の前の仕事をこなす。『気持ち』は
 バックアップフォルダに格納しておくって事で」

新人女「はいっ」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ


880 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/26(日) 14:58:46.32 ID:4.SOQkDO
立派だな。こんな男になりたい


881 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/26(日) 15:00:28.91 ID:vuHK/qMo
――6/8、土曜日 21:15 神楽坂作業室

ピザ宅配「では、3250円、確かに」
男「お疲れ様でした。雨、お気をつけてー」
ピザ宅配「あざーっす!」にこっ

男「よし、食べちゃうよ」
新人女「はーいっ」

新人女:カタカタカタ

男「ごめんね。こんなんで」
新人女「いえいえ。雨ですから!」

男「そだね、強いね」
新人女「すごいですね」

ざざざざああああああ

新人女「あ、お先にどうぞ」
男「いただきます。はい……」

新人女「二人だと、なんか寂しいですねー」
男「そうだね。一日中残業気分だね」

新人女「ですね」くすっ


882 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 15:00:53.88 ID:vuHK/qMo
男「まぁ、食いながらやりますか」
新人女「はい」

 ぺらっ

男「そっちは、どう? もぐ」

新人女「細かい仕事のほうは8割前後です。
 これは仕事の手順は判ったので苦じゃないです。
 一つ一つは15分もかかりません」

男「残りはどんな風になる予定? もぐもぐ」

新人女「時間の問題ですけど、専任でずっとならば
 んっと……どれくらいかな」

男「ん」

新人女「それでも数日はかかりそうです」

男「30時間くらい?」

新人女「おそらく、それくらい……かな。
 あ、食べます。
 食べますって云うか、食べてます。
 そんなに入らないですっ」あせあせっ

男「遠慮は良くない」


883 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 15:01:17.18 ID:vuHK/qMo
新人女「こんな時間のピザなんて火の付いたダイナマイトですよ」
男「女先輩なんて大喜びで食うぞ?」

新人女「女さんは体質的に太らないんです。
 ……スタイル良いし」

男「そうなのか?」
新人女「ものすごくもてたと思いますよ」

男「女子校だったらしいから」
新人女「余計だと思います」

男「……」
新人女「……もぐもぐ」

男「うわっ!? リアルなイメージがっ!!」
新人女「ね?」にこっ

男「でも、ラブレター出してたのは
 全部下級生の女の子だぞ!?」

新人女「はい」にこ

男「この話は胸に秘めよう」
新人女「ですねっ」


884 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 15:02:45.22 ID:vuHK/qMo

男「こっちは、不発弾と平行して巣鴨の修正納品」
新人女「巣鴨」

男「うん、先月に納品した大きな会社のね。本拠地は
 四国にある有名な通販会社なんだけど。その支部の
 データ移行の仕事。その修正分」

新人女「……それ、さっきの?」

男「うん、そう」

新人女「……」

男「見えると悩んじゃうのは判るけれど、
 ここは集中力も大事。新人女さんは目の前の
 細かい敵を倒しちゃって」

新人女「はい」

男「そしたら遠慮無く援軍に来て欲しいって云うから」

新人女「はいっ」

男「んじゃ、食べますか」

新人女「そうですねっ」


885 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 15:03:44.57 ID:vuHK/qMo
――6/9、日曜日 02:15 神楽坂作業室

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「――」
新人女「……んっと」ぺらっ。ぺらっ

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「――」
新人女「男さん。破損データの問い合わせの書式で、
 クライアント用の、ちょっと改まった物って
 ありませんか?」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ

男「どういうの?」
新人女「会社用って云うか、礼儀正しいような」

男「メール?」
新人女「いえ、FAXの方が良さそうです」
男「じゃ、キャビネットの大きな引き出し左側の
 緑色のファイル探してみて」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ

新人女「――ん。これだっ」にこっ


889 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 15:07:53.34 ID:vuHK/qMo
――6/9、日曜日 03:30 神楽坂作業室

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:カタ

新人女「……」こくっ
男「――」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女:タ

新人女「……んぅ」こくっ

男「新人女さん。新人女さん?」
新人女「あっ。はい」

男「そろそろ仮眠しておいで?」
新人女「いえ、がんばれますっ」

男「3時間で起こしてあげるから」
新人女「……」

男「その方が能率あがるしさ。寝てる間にマクロだけ
 走らせておくので」

新人女「……はい、すいませんです」


890 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 15:11:58.80 ID:vuHK/qMo
――6/9、日曜日 07:20 神楽坂作業室

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ

男「――」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ

男「んな、もん。かな……よっしと」

 とてて。
 かちゃん

男「新人女さん?」

新人女「……すぅ」

男「これは……。女先輩とは違う種類の破壊力だな。
 うっわ、おまえ、これはチーム崩壊するだろ」

新人女「……くぅん。……くぅん」くてん

男「えーと。……色々やりにくいなぁ。
 なんで女先輩いないんだよ。役たたないな、あのウォリア」

新人女「んぅ」

男「……目覚ましおいて引き上げよ」


892 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 15:21:30.29 ID:vuHK/qMo
――6/9、日曜日 07:40 神楽坂作業室

  じりりりり。

男「あー。鳴ってる鳴ってる」
男:カタカタカタカタカタカタカタカタ

  とて。とてて。がしゃっ!

男「起きた起きた」
男:カタカタカタカタカタカタカタカタ

  ドテッ。ぐしゃ。ぽきょ。

男「……平気かね」

  ぱたたた。
  ぱたっ。

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ

  ざぁぁっ。きゅっ。きゅっ。

新人女「おはようございますっ」

男(そんなラップタイムで身支度できるのか!?)


893 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 15:34:29.59 ID:vuHK/qMo
――6/9、日曜日 10:50 神楽坂作業室

りるらりら♪ りるらりら♪

新人女「あ、すいません。電話みたい」
男「いえどうぞー」

ぽぴっ

新人女「はい、もしもし
 ……うん、そうだよ?
 会社……うん……うん」

「――ッ!」
新人女「……違うよ。そうじゃなくて、今大変なのっ。
 違うってば。……うん……関係ないもん。
 それはお母さんの見栄でしょ……ちがっ。
 子供扱いしないでっ。
 お母さんのバカっ! 判らず屋っ!!」じわっ

「――。――!」
新人女「……遊びじゃないんだから、当たり前だよ。
 ううん。いらない……。平気だよ、帰らない。
 ちゃんと……。
 ちゃんとしてるよ、わたしっ。
  ……ちが、そうじゃ」

男 ぽむぽむ

新人女「へ? あ……」

男「お電話変わりました。お嬢様の直接の上司を
 させていただいております、神楽坂班マネージャーの
 男と申します」


895 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 15:45:34.66 ID:vuHK/qMo
新人母「あなたですね、うちの娘を会社に閉じ込めて」

男「新人女さんにはお世話になっています」

新人母「娘をすぐにでも帰してくれませんか?
 非常識でしょっ。休日にもかかわらず呼び出すとかっ」

  新人女「お母さん、お母さん、やめてよっ」ぎゅっ

男「ごもっともです」

  新人女「やめて、やめてってば」ぐすっ

新人母「あの子は19なんですよ? 嫁入り前の娘を
 外泊させて、あなたたちはちょっとおかしいわ。
 これだから派遣なんて賛成できないの。
 あなたみたいな人間に食い物にされるのよね。
 恥を知ってくださりませんかっ」

  新人女「違っ。恥ずかしいよっ。私が恥ずかしいよ
   お母さんのバカっ!!」ずっ。ぐすっ。

男「おっしゃるとおりです」


896 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 15:49:16.28 ID:vuHK/qMo
新人母「では帰してくださいね。これ以上非常識を
 続けるようなら派遣会社か、いっそ労務局に
 通報させていただきますからねっ」

男「はい、すぐ帰宅させますので」

  新人女「やです。私いやですっ。男さんっ」

新人母「ふんっ。娘が派遣だなんて只でさえ
 世間体が悪いのに……。
 そんなおかしな職場だなんてまっぴらですよ。
 うちの娘に非常識を吹き込まないでください」

  新人女「違っ……おかあさんが……」ぐすっぐすっ

男「一点だけよろしいでしょうか?
 お嬢さんは入ってまだ日は浅いですが、
 業務の覚えも早くて責任感のある立派な仕事をしています。
 チームのメンバーからも信頼されていますよ。
 いつもお世話になっています。ありがとうございます」

新人母「――っ」

男「本日は直ちに帰宅させまして、明日を振り替え休日と
 させていただきます。よろしいでしょうか?」

新人母「――っ! 結構よ。もう話していたくもないわ」

がちゃ。つーつーつー。


897 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/26(日) 15:50:21.45 ID:SUnCRv20
そういやなんで新人女は大学行かなかったんだ?
この母親だと行かせそうなもんだが


898 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/26(日) 15:55:05.04 ID:ZBbUdj6o
>>897
彼女なりの反抗なんじゃないかな



900 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 15:56:38.34 ID:vuHK/qMo
新人女「……」きゅっ
男「そういうわけで。本日は解散」

新人女「いやです。おかしいのはお母さんです」
男「……」

新人女「お母さんは働いたことがないからっ。
 うちだって全然普通の家なのに。いつまでも昔のつもりでっ。
 今はデスマーチで大変だって事が判って無くて
 だから暇つぶしにあんな嫌がらせをっ」ぽろぽろ

男「おかしくないよ」
新人女「おかしいです」

男「心配してるんだよ。
 ――嫁入り前の娘を外泊させるな。っていうのは、
 まさに常識だよ。もっともだ」

新人女「……」ぐすっ
男「……」

新人女「……」ぐすっ「帰りたく、ありません」

男「それはもうちょっと色っぽいシーンで云わないと」

新人女「私は、これで。もうちょっとで、ぐすっ。
 なにかに。ずっ……なにかを、判る気がして」ぽろぽろ


901 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/26(日) 15:58:19.71 ID:5Ygrumwo
実際おかんの言ってることももっともなんだよな、デスマはまともじゃねぇ。
少なくとも子供にさせたいとはどんな親もおもわねぇ。ましてや20前だしな・・・。



902 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 15:58:34.76 ID:vuHK/qMo
男「悔しい?」

新人女「――はい。悔しいですっ」ぐずっ

男「なんで?」

新人女「……ずっ。それわ」
男「それは?」

新人女「私の仕事、取り上げられた……から……」ずっ
男「もうなってるよ」

新人女「……そんな」

男「『私の仕事』って云えるなら。なってると思うよ」

新人女「私は、男さんのっ!!」

 (偉いぞっ)

新人女「男さんの隣で、男さんにっ」ぽろっ


905 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 16:03:42.74 ID:vuHK/qMo
男「偉いよ」ぽむっ

新人女「――あ」

 (偉いぞっ)

男「新人女さんのこと、ほんとはきちんと理解できて
 ないんだと思うけれど……。
 がんばったのはよく知っているよ。
 ――でも今回は、ここまで」

新人女「……っ」

男「意地、張りすぎててはダメだよ。本当に野良を
 続けるなら、お母さんくらい言いくるめられないと
 口先三丁で騙してこないと」にこっ

新人女「……」ぎゅっ

男「いや、先輩みたいに家出するってのもあるけれど。
 マネージャーとしてはお勧めも許可も出来ないなー」

新人女「――そんな」ぐすっ

男 ぽむっ

新人女「男さんは……本当に、女さんのこと
 好きなんですねぇ」――にこっ

男「はぁ!?」


910 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 16:10:18.24 ID:vuHK/qMo
新人女「えへへ」くすんっ
男「話の接続が見えないよっ」

新人女「ゆとり特有の会話の断絶ですよ」ぐずっ
男「逆手にしちゃダメでしょ」

新人女「帰ったら、お母さんは
 二度と出してくれません……」ぷいっ

男「出してくれるよ」
新人女「分からず屋なんです」ずっ

男「デスマよりも手強い両親なんていないよ」
新人女「……」

男「勝ってくるように。業務命令でもいいよ」

新人女「交渉が難航したら援軍に来てくれますか?」

男「マネジとして、可愛い部下を見捨てる訳にはいかないな」

新人女「あははっ……男さんだって、口が上手いです」

男「むぅ」

新人女「判りました。正々堂々、中央突破で家に帰還しますっ」


913 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 16:13:22.16 ID:vuHK/qMo
――6/9、日曜日 11:10 神楽坂、路上

(よろしく)

新人女(……)

(新人が仕事が遅いのは当然です)

新人女(……っ)

(少し視界広がったみたいだね)

新人女(……嬉しかったんだ)

(野良の生き方はどこでも通用するから)

新人女(……女の子じゃなくて。つれて歩ける
 自慢げなトロフィーじゃなくて)

(なれるよ)

新人女(一人前じゃなかったけどっ。いまでも
 足を引っ張ってばかりだけどっ)

(ちゃんとなれるよ)

新人女(いつか一人前になるって
 信じてもらえて、嬉しかったんだ……)


916 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 16:20:01.87 ID:vuHK/qMo
(悪いけど、手加減できなくなった)

新人女(一緒に過ごせて嬉しかった)

(それに気がつくほど、上達したんだ)

新人女(好きだったんだ……)

(小さくて可愛いよっ。あははっ)

新人女(これが好きって感じなんだ)

(美味しいでしょ?)

新人女(私、とろくて今まで知らなかっただけなんだ)

(内緒ね?)

新人女(あんなに合コンもデートもしてたのに……)

(その顔がいいね)

新人女(ははっ。ゆとりはこれだからっ。まいっちゃうなぁ)

 ぽろぽろ ぽろぽろ

新人女(遅かったなぁ。ずっと……。悔しいなぁ……)


917 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/26(日) 16:25:05.34 ID:fFUvDgAO
なにこれ、すごく切ないんだけど

918 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/26(日) 16:40:27.32 ID:xBCzjkAO
しゅんってなる(´・ω・`)

919 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/26(日) 16:41:47.37 ID:ykc6b5Q0
うおお色々まぜこぜだ
流石ゆとりキャラ



921 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 16:51:27.72 ID:vuHK/qMo
――6/9、日曜日 12:00 神楽坂作業室

男「さぁって。時は正午。残る時間は20時間」

男「兵力確認~。
 神楽坂方面抽出遊撃部隊!
 将軍、俺!
 大佐、俺!
 少佐、俺!
 兵長、俺!
 機械化歩兵、俺! なお、補給の予定は無し!」

ぽきっ、ぽきっ。

男「敵軍の数、計測不能で退路無し!
 ドラゴンボールだったらオラわくわくしすぎちゃって
 心停止とかそういう状況。いや、精神と時の部屋があれば
 デスマーチってこの世から無くなるのか?
 ああ、そう考えると、アレって奴隷制復活のための
 発明品だなぁ」

男「……」

男「ま、いいや。相手にとって不足無し。
 むしろこっちに不足有り。久方ぶりの8連結。
 いっちょ、デスマといきますかっ」

男:カッ――カタカタカカカカカ、カカカカカカカカカカ


922 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/26(日) 16:54:48.57 ID:/2E7QIDO
ついにテンションが上がってしまったか・・・・・

923 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/26(日) 16:55:59.33 ID:VC2A1aU0
しかしコレを見てると営業の俺は実に肩身が狭くなるww

925 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/26(日) 17:00:17.47 ID:KnmsUs2P
>男:カッ――カタカタカカカカカ、カカカカカカカカカカ

これはヤバいwwwwww



926 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/26(日) 17:00:58.04 ID:vuHK/qMo
>>923
ああ、どっかでこれだけは書いておこうと思ってたけれど
営業ってのはすごく大変な仕事だよね。
見ず知らずの人にでも親しく話しかけて心を解きほぐして
仕事を取り付けなきゃならない。
M野がいってた「営業が仕事を取らないと会社が飢える」ってのは
これはこれで、一面以上の真実。

このSSでは展開の都合上、営業が悪者っぽく書かれてるけれど
そんなことは、実際にはないです。営業ほど取引先と
社内に引き裂かれて恨まれる役職もないです。ノルマもきついし。

M野は取引先に過剰に有利な条件で仕事の契約を取っている
(結果として開発と管理が同業他社に比べて劣悪な日程で
仕事をする羽目になってる)。
でも、その手法で契約を沢山取れるからこそ、M野は営業で
好成績をあげて社内で一定の評価を得ている訳だけど……。



927 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/26(日) 17:01:59.42 ID:mfL8/bY0
俺はどっちかというと営業に迷惑をかけてる開発さ…


928 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 17:02:27.88 ID:vuHK/qMo
――6/9、日曜日 15:00 神楽坂作業室

男(――おし)

男:カタカタカカカカカ、カカカカカカカカカカ

男「あがり。次……」

男:カタカカカカカカカカカカカカ

男「――」

男:カタカタカカカカカカカガカカガガカカカ

男「――」

かちゃ

男「もしもし? ああ、助かりました!
 開発の方で見て欲しい資料あるんですけど。
 えっと共有のPDFフォルダの中なんですけど」

男:カタカカカカカカカカカカカカ

男「……はい、はい。お願いします。
 恩に着ます。あははは。ええ、はい。
 決戦ですか?
 ――今です」


930 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 17:05:30.96 ID:vuHK/qMo
――6/9、日曜日 18:00 神楽坂作業室

男:カタカカカカカカカカカカカカ

男(……指が痙攣してるわ。うざいな。
 取っ替えられねぇかなこれ)

男:カタカカカカカカカカカ

 ガッ!!

男:カタカタカカカカカカカガカカガガカカカ

男「よし、なおった」

男:カタカタカカカカカ、カカカカカカカカカカ

男「――」

男:カタカタカカカカカカカガカカガガカカカ

男「あはっ。おしきた……。こいつも、あ・が・りっっと」


933 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 17:08:15.46 ID:vuHK/qMo
――6/9、日曜日 18:00 神楽坂作業室

男(トイレ行くのがロスだな)

男:カタカタカカカカカカカガカカガガカカカ

男(――水分取らなきゃいいのか)

男:カタカタカカカカカ、カカカカカカカカカカ

男「そいつは道理だ」

男:カタカタカ

くるっ

男(……次のマシン)

男:カタカカカカカカカ

男:カタカタカカカカカカカガカカガガカカカ


935 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 17:09:17.37 ID:vuHK/qMo
――6/9、日曜日 21:00 神楽坂作業室

男(これで、2割ってとこか? 9時間使って2割か……)

男:カタカタカカカカカカカガカカガガカカカ

男(マクロ仕掛けた分があがってきて、
 後半は作業効率がアップする分を含めても……)

男:カタカタカカカカカ、カカカカカカカカカカ

男「今は考えるのも無駄だな」

男:カタカタカカカカカカカカカ

男「――」

男:カカカカカカカガカカガガカカカ

男「ウォリアーの相棒としては、これっくらいはね。
 ピンチのうちに入らないって設定で」

男:カカカカカカカガカカガガカカカガガ


938 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 17:12:24.88 ID:vuHK/qMo
―― 神楽坂作業室/給湯室

こぷこぷこぷ

男「……」

男(握力、落ちて来てるなぁ……)

男(まぁ、いいや。指なんてついてれば用は足りる)

男「……ん」

男(別に泥水飲ませることもないか。
 ――女先輩の出社は一日ずらそう。
 見せなくて良いもんだしな。電話しとくか、んっと……)

 ぴ、ぽ。ぴ、ぴ、ぽ。ぴ。ぱ。
 とぅるるるるー。かちゃ

男「もしもし」

女「はろー。ヤングなボーイ。うちは季節外れの
 サンタクロース。ただしプレゼントは唐揚げのみじゃよ」

男「ローストチキンじゃないんですか?」

女「ノルヴェーにいってみなさい? この素人ボーイ。
 そんなものを食べている人間はいないよ?
 各ご家庭は工夫を凝らしてニンニクやショウガ味の
 唐揚げを作っている」


940 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 17:14:00.17 ID:vuHK/qMo
男「まぁ、いいや。先輩。元気出たみたいですね」
女「うん、もちっ。うち無敵やしっ♪」

男「よかった。体調はどうです?」

女「完璧ですよ。いまのうちならどんな案件でもこなせるよ。
 それこそ花でも摘むようにねっ。
 どれくらい強まっているかと云えば
 ヘル・ミッショネルズと戦ったときのスグルと
 同じくらいかなっ」

男「あのとき、なんか地球に土下座して
 勝負のヒントもらってませんでしたっけ?」

女「ちっ。細かいことにこだわってちゃ
 理不尽だらけの世の中でヒマラヤナキウサギのような
 可愛い悲鳴を上げちゃうよ」

男「一週間ぶりだとすごいパワーっすね」

女「まぁねっ!」

男「で、明日なんですが」
女「はいー? ごめっ。風が強くて」

男「ああ、台風ですしね」


942 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 17:15:51.80 ID:vuHK/qMo
男「で、明日なんですが、休養を一日」
女「ん、あしたー?」

男「はい。ちょっと案件があって、一日お休みを」

女「ちょっ、ザザザまじ……ザザ雨強いな」
        “……ザザな”

女「チキンザザザ……これじゃね」
        “……買ってきてもこれ……ザザ”

男「なにやってんですか」

女「そんなのきまってるやん」
         “……まってるやん”

男「へ?」

がちゃり

  ――6/10、月曜日 00:00 神楽坂作業室

女「月曜日を連れてきたんだよっ」にこっ

男「女先輩っ!?」


945 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/26(日) 17:17:00.77 ID:KnmsUs2P
さすが男前wwwwwwwwwwww

944 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 17:16:46.77 ID:FMRUo3s0
展開が熱いなw

946 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/26(日) 17:17:20.34 ID:VvNpa/Io
うはwwww

947 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/26(日) 17:17:28.85 ID:BRZr3gAO
先輩戦線復帰キター!!

950 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 17:18:31.49 ID:BeVQOE2o
なんという勇者。ピンチに颯爽過ぎる。

951 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/26(日) 17:19:12.95 ID:KnmsUs2P
>>938
しっかり時間書いて無いじゃないかこんちくしょーめwwww



959 :以下、 VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/26(日) 17:23:36.04 ID:vuHK/qMo
うし。ちょうど良いので、今回はここでキリで。
家事をしなければ!

ジャンプマンガを意識した引きっ(あほ!)
つか、スレ落ちちゃうかな。
パー速のシステム知らないけれど、消えちゃわんよね?

こっからは先輩のターンっ。

では、いってきまーっす。



964 :以下、 VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/26(日) 17:26:27.37 ID:VtDhw3go
先輩のターンかー。
楽しみ。


966 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/26(日) 17:27:22.35 ID:KnmsUs2P
熱い熱すぎるヒキだッ!乙!
パー速は基本落ちないはず
なんなら次スレ立てておいて、そっちスタートでも良いかね


969 :以下、 VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/26(日) 17:32:36.98 ID:DM0jvIDO
絶妙な引きwwwwww
乙ッ!


次→同僚女「観念してうちを撫でるんやね」


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