同僚女「信用したいって云うたら嫌いになる?」

2010-07-05 (月) 00:20  オリジナルSS   0コメント  
前→同僚女「お前ら喜べ!」その2
はじめから→同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」


1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/23(木) 13:34:21.95 ID:qv6ULQoP
【あらすじ】
 ブラック系IT企業でデータ変換業務を行なう男は
神楽坂班のプロジェクトマネージャー。
 歴戦のウォリアー女先輩(指先から唐揚げを出したい)
 陽気な同僚のB男(さすらいの忍者マスター。灰は消失に通じる)
 口数少ないC男(捨てることに対する美学をもった職人)
 そして新規加入した新人女(スイーツでゆとりでとろくさい)
をくわえた5人パーティー。

 なんだかんだでうだうだ底辺仕事をやってた五人だが
池袋で働いていた同僚パーティーが壊滅したことから仕事量が急増。
不穏な空気が流れ始める。
 こなしてもこなしても終わらない仕事。悪いのは誰だ?
 上司か、会社か、クライアントか……?
 それとも男が悪いのか?

 萌え成分皆無。えろ成分なっしんぐ。
 現代日本における残酷唐揚げ童話。
 あけてもあけてもまた徹夜なブラック物語。



12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 13:35:22.53 ID:qv6ULQoP
【こんかいのぱーてぃー】
・男:体力5 精神力5 技術5 集中力3 把握力5 黒さ5
 ぷろじぇくとまねーじゃー。みかけよりくろい。

・女:体力4 精神力5 技術5 集中力5 把握力3 黒さ1
 からあげおんな。ぼうりょくがとくい。うぉりあー。

・B男:体力5  精神力4 技術3 集中力5 把握力2 黒さ4
 にんじゃ。ごびがござる。いがいにも、おとなだ。

・C男:体力4 精神力3 技術3 集中力4 把握力1 黒さ1
 はいきせいじん。をたく。おんなにほれている。

・新人:体力3 精神力3 技術2 集中力 2 把握力3 黒さ2
 すいーつ。そしてゆとり。なにかになりたい、あこがれるきもち。



13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 13:40:20.89 ID:qv6ULQoP
――5/29、水曜日 20:00 神楽坂作業室

新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ

新人女「帰ってきませんね。男さん」
C男「捨てよう。マネジは」
女「……」

C男「マネジが仕事断れないから、
 俺たちが地獄に捨てられる」

新人女「……」

C男「俺たちががんばっても全力だしても、
 終わらないし、終わらせられない。
 それなら捨てるのが正しい。捨てよう」

新人女「……」

新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ

どくん


14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 13:40:36.42 ID:qv6ULQoP
C男「M野の仕事なんだし。拾うのが間違い」
女「そうやんね。けふんっ」

新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ

女「うちも、そうやって男を何回も、
 あの会議に行かせたなぁ。たくさんやった」

C男「マネジが断れば、それで丸く収まる」

女「そやな。そうかもしれないね……けど。
 そしたら、男は首にされて、
 次はうちがマネジやるんだろな……。けふんっ」

C男「そうすれば無茶な仕事しないで済む」

女「そかな。うち、もたんと思う。それこそ一月さえ」

新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタガ
女:カタカタカタカタ


16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 13:40:58.15 ID:qv6ULQoP
女「うちが辞めたら、B男かな。C男かな。けふっ」
新人女「……」

新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタガガ
女:カタカタカタカタ

女「大根おろしみたいに、一人ずつ削り取られて、
 誰もいないようになってしまうと思うんだよ」ぽそり

新人女「……」 C男「……」

新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタガガガガ
女:カタカタカタカタ

女「だから……」

C男「だから、仕方ない?」

C男「いつも、いつまでも、ずっと使い捨て」

C男「捨てられて、捨てられて、仕方ない?」

C男「――笑止。マネジが弱い、捨てるべき」


17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 13:41:25.18 ID:qv6ULQoP
――5/29、水曜日 23:00 神楽坂作業室

きぃ。きぃ……。がちゃん。

男「ただいま、っと」
C男「おか」
男「お。C男だ。どした? 終わらない? みんなは?」
C男「帰った」

男「そか。……プリン食う?」
C男 こくり


男:カタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

男「ほい、どうぞ」
C男「……」もそもそ。もぐっ

男「今日は、風が強いな」
C男「雨がくる」

男「うん」
C男「仕事」


18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 13:41:41.06 ID:qv6ULQoP
男「ん?」
C男「増えたか?」

男「ん。増えたね。困ってる」
C男「人ごとじゃない」

男「人ごとじゃないね」
C男「……」
男「……」

C男「断って」
男「……だめ」

C男「断れないのは、弱い」
男「……それでもだめ」

C男「なぜ」
男「断れば強い訳じゃない。強ければ勝てる訳じゃない」

C男「生き残るのが勝利。クライアント捨てよう」

男「……もぐっ」

C男「捨てるべき」


19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 13:41:57.21 ID:qv6ULQoP
男「それが勝ちなら」
C男「……」

男「生き残りさえすれば勝ちなら、
 明日全員辞めればそれで勝ちか」

C男「……っ」

男「それは勝ちじゃない」
C男「……」

男「負けないのと勝ちは、違う」
C男「でも、みんな死ぬ」

男「――」
C男「気持ちも、身体も、折れる」

男「――」
C男「それでも、まだ仕事引き受けた方がよいのか」

男「そう」
C男「捨てたい」

男「許可できない」
C男「籠城してどうなる」


20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 13:43:06.54 ID:qv6ULQoP
C男「舐められてる。くだらないバカに。
 会社を人質にして。俺たちの意地を利用して。
 働かせようとしている」

男「そうだよ」

C男「がんばっても、笑うのは、あっちで
 俺たちは貧乏くじ」 ぎりっ

男「そうだよ」

C男「それでもか」

男「そうだよ」

C男「なんでだ」
男「理由かー……」

C男「……」

男「理由は、無いな。
 でも、これが一番良い選択肢なんだ。
 いまは地獄だけど、他の選択肢は『地獄以下』だと
 思うんだよ」


21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 13:44:43.00 ID:qv6ULQoP
C男「捨てちゃダメなのか」

男「いや。判らないよ、そんなのさー。
 でも、捨てて良いものと、捨てちゃいけないものは
 あるっしょ。いま捨てると、すり落ちちゃうものもある」

C男「……」

男「まぁ、俺たち野良だから。C男が受けられないって
 云うのは仕方ない。身を守るのが大事なのは重々判ってる」

C男「……ん」

男「だから、気に入らないのなら仕事は振らない」

C男「……」

男「でも、なんつか。ここは逃げちゃいけない
 タイミングだと思うんだわ」

C男「プリン」
男「?」

C男「ごちそうさま」

男「いえいえ」

C男「――プリン一個分だけ拾う」


22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 13:55:15.01 ID:0PAbu.DO
最初のスレから見てきた
今も休憩中に読んでる
ちゃんと見てるぞ


24 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 14:05:28.91 ID:66cnKHsP
支援しに来ました


25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 14:08:51.36 ID:qv6ULQoP
パー速だから、お猿とかいないので
支援はへいきだよー。書き込みあると嬉しいけどねっ。
連投規制もないので、固まりでちょいちょい落とすんで
雑談でもして暇つぶしててください(T∇T)

みんなのアイドルM野の出番まつとかっ



26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 14:15:07.31 ID:srNM2Jso
じゃあ>>1の気持ちが折れないようにしえんwwwwww

27 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 14:16:49.78 ID:66cnKHsP
某スレを見てプリン食えなくなったのにこのシリーズ読んでたら食いたくなってくる不思議

29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 14:53:18.16 ID:7B1HjIAO
C 男気持ち分かるが頑張れ
支援



30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 15:00:54.90 ID:qv6ULQoP
――5/30、木曜日 08:00 神楽坂作業室

女「おっはよー」

男:カタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

男「おはよー」
C男「夜を捨てよう」

女「あれ? C男泊まったの? めずらし」
C男「プリン」

男:カタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

女「へ?」
男「……そゆこともあるよ」

新人女「おはようございますっ」

女「おお。おはよう新人女ちゃん」
男「おはよー」

C男:カタカタカタカタ


31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 15:02:12.01 ID:qv6ULQoP
女「うっし、けふっ。うちもいこかなっ」
男「大丈夫? 女先輩」

女「んー。ちょっと頭痛い。週末に病院いく」
男「体調管理してね。無理させてるこっちが悪いんだけど」
女「まーかせてっ」

男:カタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ

新人女「……」もそもそ
男「あれ、何してるの? 新人女さん」

新人女「あ、いえ。……作業着をと思って」
女「うわ、可愛いなー。それ」

新人女「ひらひらのはやっぱり不便ですよね。袖とか」
女「着実に場慣れしていくなぁ」
C男「戦場豚」

男:カタカタカタカタ

新人女「あはは。自分でもびっくりの順応です」


32 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 15:02:32.22 ID:qv6ULQoP
――5/30、木曜日 10:20 神楽坂作業室

男「んー。新人女さん、ドキュの準備」
新人女「あ、出来てます」

男:カタカタカタカタカタカタ

男「概要をメールになげてー」
新人女「はいっ」

男:カタカタカタカタカタカタ

男「女先輩、麹町用のマクロって?」
女「ああ、うん。保険屋のマクロの改造でいけたよ。
 テストおわってる」

男:カタカタカタカタカタカタ

男「B男のとこに投げておいてくださいな。りどみつけて
 あれば勝手にやるでしょ」

男:カタカタカタカタカタカタ

C男「俺は15、8、2、26終わった。全部aで」
男「先読みするなぁ。んじゃ+1してbやって。
 で、おわったら」
C男「判ってる」


34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 15:04:29.96 ID:qv6ULQoP
女「男、メチャクチャ飛ばしてるなぁ」
新人女「今日はいつにもましてすごいですね」

女「なんやろなぁ、仕事はうちの方が早いんやけど
 こういう時は敵わない感じで悔しいな」
新人女「ですか?」

女:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

女「ちょっとね。ウォリアの血」
新人女「判りますけれど。圧倒されますよね」
C男「……」

女:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタカ

男「女先輩。俺昼前に出ちゃいます」
女「はいはい。留守番してるよー。今日はどっち?」

男「本部と、麹町に。帰りは15時過ぎの予定で」

女「うち、今日はシュークリーム食いたいな」
男「は?」


35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 15:06:07.35 ID:qv6ULQoP
女「シュークリーム食いたい」
男「何言ってるんですか?」

男:カタカタカタカタカタカタ

女「シュークリームってふわふわ&さくさくで、
 ひんやり甘いよね? ね、ね? 新人女ちゃん」

新人女「ええ。……そうですね。はい?」

男「なんだかなぁ。お使いですか?」
女「ううん、マネジの奢り」

男「んなわけいかないでしょ、女先輩!」

女「新人女ちゃん、ね。ね。今日は何色?」
新人女「えっ!? あ。あ、あ……そのぅ」ぼそぼそ
C男「!?」

女「……ふむふむ。…… うぉ、後で見せてっ。
 で、……ふむ。おとこーっ♪」

男「ううう」

女「んじゃ、二人の分を発表するねー。あんな、あんな!」

男「シュークリーム買って参りますっ」


36 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 15:08:00.38 ID:qv6ULQoP
――5/30、木曜日 14:00 神楽坂作業室

女:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタカ

女「シュークリーッム、シュークリーッム」
新人女「ご機嫌ですね」

女「うち、安上がりな女なんだ。シュークリーム期待で
 テンションあがっちゃうくらいで」
新人女「あははっ。私も楽しみですっ」

女:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタカ

女「そうそう、甘いものがあるから、日々を生き抜いて
 いけるよね。けひゅんっ」

C男「……」ぽいっ

女「おお、ティッシュさんきゅ!」 もそもそ

女:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカ

女「うちはティッシュも持ってないと思われたんかーっ!」


37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 15:09:31.79 ID:qv6ULQoP
C男「鼻をかんだら捨てよう」
女「捨てるよ、それはっ」

新人女「あははっ」にこっ
女「C男にはハンニバル・レクター式学習法でも
 生ぬるいみたいやんねっ。こうなったら禁断の
 虎眼流式学習方法で……」

C男「それは捨てよう」

女「遠慮しないでいいんよ。うちが一撃必殺で
 教授したげるから。授業料はあばら二本で」

C男「デスマ。仕事」

C男:カタカタカタカタカ

女「ちぇっ。C男も遊んでくれない」

女:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタカ

とうぅるるるる。とぅるるるる。


38 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 15:10:46.26 ID:qv6ULQoP
新人女「電話ですよ」
女「誰かな。本部かなぁ、こんな時間に。クライアントかな」

女「はい。もしもし。神楽坂作業室です」
「もしもし? 神楽坂さん?」

女「そうです」
「目黒のDM興業だけど」

女「先月納品させていただいた。はい、お世話になって
 おります。どのようなご用件でしょうか?」
「あー。用件? わかんないの?」

女「申し訳ありません。把握していませんが……」
「昨日納品だろう? どんなことになってるんだよっ?」

女「え? 先月の」
「それは第一期だろっ? こっちは二期の話してるんだよっ」

女「すみません、どういったご予定だったのでしょうか?」

「予定もクソもないよ。そっちがスケジュールだして
 くれるはずだろ。こっちは昨日納品としか聞いてない」

どくんっ


39 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 15:13:50.39 ID:qv6ULQoP
女「では、お手元のプロジェクトシートの右肩の番号を」

どくんっ

「だから神楽坂さんってのかい?
 俺はイヤだって云ったんだよなぁ。
 M野さんにさ。聞いてるよ。
 仕事もしないくせに何でもいちいち
 書面確認しなきゃサボってばっかりのお荷物なんだろう?
 そっちの神楽坂ってのはさ。
 池袋さんなら口頭発注で良いって言うからお願いしたのにさ」

どくんっ

女「いえ、しかし。スケジュール確認を」

「M野さんのほうでフォーマットは作ったんだろ?
 流し込みなんだからさっさと済ませてくれよ。
 で、どうなの? いつあがんの?」

どくんっ

女「それは、確認して」

「御託はいいからさぁ。そっちに仕事は引き継いだって
 聞いてるよ。こっちの仕事、待たせてんだよなぁ」


40 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 15:14:57.96 ID:qv6ULQoP
女「それは、私達のほうでは連絡を受けていなくて」

どくんっ

「それは、お宅の都合でしょ? こっちは発注してるんだよね。
 そっちの社内のこととか、お荷物とかさ。
 そういうの関係ないんだ。
 あー、M野さんがいってたのはこういうことなのねー」

どくんっ――きーんっ

「お宅、あれでしょ? 派遣でしょ?
 派遣は責任取らないもんね。話にならないや。
 良いよ良いよ、判ったから。変わって」

女「はい?」

――きーんっ

「いいから正社員に変わってよ。
 派遣じゃ話が通らないって云ってるんだよ。
 こっちはあんたらみたいに、遊んで金もらってられる
 立場じゃないんだからさ。
 神楽坂のそこの責任者、出して」

女「申し訳ありません。ただいま席を外して」

「言い逃れしてるんじゃねェよ」

――きいぃぃぃぃんっ


41 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 15:17:34.53 ID:qv6ULQoP
「――。 ――」
女「はい?」

 新人女「おんな、さん?」

「――。――」
女「申し訳ありません。ただいま席を外して」

 新人女「女さん」

「――。――」
女「はい。……はい、早急に、はい」

「――。――」
女「ご連絡させていただきます」

「――。――」
女「――申し伝えさせていた――きま――す」

「――。――」
女「はい。はい。申し訳ございませんでした。
 ――失礼――させて――いた――きます」

 新人女「女さん……?」


42 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 15:21:22.77 ID:qv6ULQoP
かちゃり

女「……」
新人女「女さん……顔色が」

女「C男。――目黒のDM屋さん。連絡行き違い。
 昨日納品分の発注漏れ。男に連絡で確認
 優先度最大」

新人女「女さんっ?」

女「あはは……」

女「うちら。甘え、過ぎだ。これ、やらせてたの――か」

C男「っ」
新人女「女さんっ?」

女「――ごめん」

どさっ

新人女「女さんっ!!」


43 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 15:22:42.28 ID:qv6ULQoP
うし。ひとかたまり、終了-。
ちょっと席外しまする-。



47 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 15:27:40.70 ID:c2S58gco
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:.... .... .. .     く  /     三三三∠⌒>:.... .... .. .:.... .... ..
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... ..:(   )ゝ (   )ゝ(   )ゝ(   )ゝ無茶しやがって… ..........
....  i⌒ /   i⌒ /  i⌒ /   i⌒ / .. ..... ................... .. . ...
..   三  |   三  |   三  |   三 |  ... ............. ........... . .....
...  ∪ ∪   ∪ ∪   ∪ ∪  ∪ ∪ ............. ............. .. ........ ...
  三三  三三  三三   三三
 三三  三三  三三   三三

48 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 15:30:03.01 ID:j9EHzMIo
ちょっ!!! 姉御ぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!

49 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 15:42:23.25 ID:2Tf.B1QP
M 野は捨てるのも生ぬるい
他の廃棄物に失礼だ

いっそ消失すればいい


50 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 15:44:43.56 ID:66cnKHsP
M 野は1bも残さず破棄すべき

51 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 15:50:14.28 ID:srNM2Jso
おんなああああああああああああああああああああ

52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 16:10:18.91 ID:ob4JXAAO
男・・・・頑張ってんな・・・

64 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 18:37:22.82 ID:GDTx7wAO
男とC男のやり取り格好いいなぁ
>>17-21みたいな意地ぶつかりあいは大好物だ


おんなあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ


58 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 17:35:38.31 ID:ZTl6SwDO
M野は、まきざっぽさんでフルボッコだな!!


66 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 18:41:33.59 ID:qv6ULQoP
――5/30、木曜日 19:00 神楽坂作業室

新人女「――過労とストレス性の過呼吸だそうです」
男「うん」

新人女「点滴で一晩様子を見て、とは仰ってました」
男「了解。大変だったね。ありがとね」

新人女「いえ……」
男「……」

新人女「……」
男「……」

男「ん。新人女さん、今日のところは、上がってください。
 みんなの身体にも気をつけないとね」

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ

新人女「男さん……」
男「ん?」

新人女「お見舞い、行かないですか?」
男「早くて、週末かな」

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ


67 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 18:42:43.83 ID:qv6ULQoP
新人女「でもっ」

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ

男「だめ」

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ
C男:カタカタカタカタカ

新人女「……」

男「いま、そっちに気持ちを振ったら
 踏みとどまれないでしょ。
 ここが、正念場だよ」

C男 こくり

新人女「え?」

男「いまパニックになったら、女先輩の帰ってくる
 場所がなくなるよ。それは酷い話だ」

新人女「――」

男「悪いけど、手加減できなくなった。だから新人女さんは
 今日のところは沢山寝て。明日から、仕事増やすよ」

新人女「はい……」


68 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 18:43:33.90 ID:qv6ULQoP
――5/30、木曜日 19:30 神楽坂作業室

C男:カタカタカタカタカ

男「大体判った?」
C男 こくり

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ
C男:カタカタカタカタカ

男「半日以下で終る細かい仕事は全部新人女さんに振って。
 引継ぎ業務も、納品データの管理も。
 彼女のほうがそういう業務には向いてる」

C男「判った」

男「悪いな」

C男「問題ない」

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ
C男:カタカタカタカタカ

男「……」

C男「プリン一個の仕事。まだまだ受けれる」


69 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 18:44:11.77 ID:qv6ULQoP
男「そか」

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ
C男:カタカタカタカタカ

C男「男は、怖くないのか」
男「?」

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ
C男:カタカタカタカタカ

C男「ずっと終らないかもって、思わないのか?」
男「ん……」

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ
C男:カタカタカタカタカ

男「なんだろう。……思ってる。けど、それって怖いか?」
C男「……」

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ
C男:カタカタカタカタカ

男「だって、ずっと続くって、要するに続くだけだろ」


70 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 18:45:49.15 ID:qv6ULQoP
男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ
C男:カタカタカタカタカ

男「だいたい、終るって良く判らない。デスマが終るのは
 嬉しいけれど、それってインターバルだよな。
 デスマがある世界にいる限り、やっぱり終ってないよ。
 終わらないって、今回がどうこうじゃなく、そういう連鎖だろ」

C男「うん」

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ
C男:カタカタカタカタカ

男「ここはデスマのある世界だし」
C男「うん」

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ
C男:カタカタカタカタカ

男「デスマのない世界には行きたくない」
C男「そうなのか?」

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ

男「うん」


71 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 18:47:35.36 ID:qv6ULQoP
男「俺は学生のころから、酷いバイト沢山やってきて
 感覚が麻痺しちゃってるだけかもしれないけれど
 この世にデスマの全く無い業界とか、会社なんて、
 無いんじゃないのかな……」

C男「……」

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ
C男:カタカタカタカタカ

男「いや、デスマっていうと、曖昧だけどさ。
 銀行とかだって潰れるし、
 公務員だって削減されっちゃうような時代だよ。
 どんな仕事してても、泣きたくなるほど青ざめる瞬間って
 絶対あると思うんだよ。血の気が引いて足がすくむような
 瞬間がくると思う」

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ
C男:カタカタカタカタカ

C男「……」

男「そんな事は起きないって言える業界や社会人がいるとしたら
 それって、たぶん、責任感が無いってだけだと思うんだ」

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ
C男:カタカタカタカタカ

男「じゃなければ、本当に幸運で『見たことが無い』だけか」


72 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 18:48:51.66 ID:qv6ULQoP
男「もちろん、毎日青ざめるよりは、週一のほうが良いし
 週一で青ざめるよりは、月一、年一のほうが良いよ」
C男「うん」

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ
C男:カタカタカタカタカ

男「身体を壊すようなデスマーチだって、
 金輪際やりたくなんか、無いよ」
C男「うん」

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ
C男:カタカタカタカタカ

男「でも『そういうのが絶対に無い世界』には、行きたくない。
 それって幸せかもしれないけど
 ――なんか間違ってる気がするんだ」

C男「……」

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ
C男:カタカタカタカタカ

男「……」

C男「ここは、捨てちゃダメな場所か?」
男「いまは、捨てちゃダメな瞬間だよ」


73 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 18:50:10.56 ID:qv6ULQoP
――5/31、金曜日 23:30 小さなアパート

(昏いな……)

(やっちゃった……)

(うち、やっちゃったんだな。……ああ)

けふっ。けふっ

(やっちゃった……)

(絶対イヤだったのに。倒れちゃったか……)

(まだまだ平気のはずだったのに)

(――頭、痛い)

(身体重い、なんでこんなに布団が石みたいで……)

(倒れたんだっけ……)

(耳鳴りが、飛行機みたいにうるさくて……)


74 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 18:51:08.29 ID:qv6ULQoP
(ハケンダカラ……アソンデテモカネモラエテ……)

(やっちゃった……うち、迷惑、掛けた……)

(何でこんなことになっちゃったのかな)

(うち、ウォリアーなのに)

けふっ。けふっ

(男のこと、助ける役なのに)

(助けて無いじゃんっ)

(真っ先に倒れて、足引っ張ってるじゃん)

(うち、ウォリアーちがう)

けふっ。

(こんなのウォリアーちがう)

(……)

(痛い……)


75 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 18:51:43.82 ID:qv6ULQoP
けふっ

(昏いな……部屋、真っ暗……なんでこんなに寒いのかな……)

(誰もいないよ)

(当たり前か……友達、いないもんな……)

(1人やし)

(いま、何時かな……)

(23:46……真夜中、前か……)

(……頭、痛い。……昏い。……怖い)

(会社、首になるよね……)

けふっ。けふっ

(首にならなくても、十日も休めば、現場から外される、か)

(ハケンジャハナシニナラネェンダヨ)

(外される……外されて……)

(大丈夫、なんかな……うち……)


76 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 18:52:24.02 ID:qv6ULQoP
(病院、幾らだったんだろ……保険なんて、無い……)

(働けなくなったら、どうしよう……)

(家賃払えなくなったら、追い出されるのかな)

(……そしたら、住むとこないやん)

(家なき子やん……)

けふっ。けふっ

(…… 昏いよ。寒いよ)

(住むとこなくなって、新しいとこ、借りられないよ。
 保証人なんか見つけられないもんな……)

(一人で……ずっと一人で。帰る場所なんて無くて)

けふっ。……っぐ。

(みんなにも、会えなくなって……)


77 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 18:53:15.52 ID:qv6ULQoP
(夜はやだな……)

(真っ暗の中で、石みたいに固くなって、
 ずっとこうなんかな、うち……)

(ずっとこれが、続くのかな……)

(23:50――五分しか、たってない……)

(痛いよ……ずっと一人で……真っ暗の中で……)

(仕事首になったら)

(二度と会えないじゃんね……)

(ウォリアじゃないから)

(うち役に立たないから……)

けふっ。けふっ。……ずっ。ひゅぇ。

(甘えてて役に立たないから)

(終わったのかな……)


78 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 18:53:58.41 ID:qv6ULQoP
(うちの終わりってこういうのなんだ……)

(遠くで自動車の音――酔っぱらいの声――)

けふっ。あ。……ぁ。

(でもうちは暗くて寒くて……)

(ずっと時計の針を追いかけて……)

(もう会えないのかな)

けふっ。けふっ

(一人でずっと泣いてるのかな……)

(――23:52)

(ずっと真っ暗な中で)

(ずっとずっと真っ暗な中で)


79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 19:07:38.33 ID:qv6ULQoP
――6/2、日曜日 15:20 神楽坂作業室

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ
C男:カタカタカタカタカ

新人女「おはようございますっ」
男「おはよー」
C男 こくり

男「わるいね。日曜日に」
新人女「いえ、良いんです。私も神楽坂班ですから。
 あ……」

男「ん?」

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ
C男:カタカタカタカタカ

新人女「いえ、神楽坂班って始めて自分で云いました」
男「うん」

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ
C男:カタカタカタカタカ

新人女「えっと、つまり……。ううん、説明できません」
男「――そか」

新人女「あはは~。ゆとりは困りますね」


80 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 19:08:17.13 ID:qv6ULQoP
C男「ご飯」
新人女「あ、はい。ご注文通り途中で買ってきましたよ」

男:カタカタカタカタカカタカタカタカタカ
C男:カタカタカタカタカ

C男「感謝」
男「あんがとうね。んじゃ、食っちまおう。C男」

新人女「こっちにだしますね」

がたん。かたたん

男「いただきまっす」
C男「いただき」
新人女「いただきます」

C男「……ん。こくっ」
男「まぐもぐっ……」
新人女「ん……」

C男「ん……」
男「もぐ、もぐ……」

新人女「えっと」


81 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 19:09:17.52 ID:qv6ULQoP
男「ん?」
新人女「静か、ですね。……その」

男「女先輩がいないとね」

新人女「……はい」

C男「もぐっ。もぐっ」

男「うん。静かすぎてかえって落ち着かないよ」
C男「同意」

新人女「ですよね」

C男「録音」
新人女「え?」

C男「『女はうるさい』と新人女が発言した。
 録音完了。……あとでチクる」

男「ぷっ」
新人女「え、あ。……そんなこと云ってませんよっ!」

C男「……」ニカッ
男「いやー」


82 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 19:10:11.48 ID:qv6ULQoP
新人女「云ってませんよっ。男さんまで」

男「いや、笑わないとまずいよなって思って」
新人女「?」

C男「笑ってないと、勝てない」
男「勝てないな」

新人女「??」

C男「チクろう」
男「おー。チクらんとね!」

新人女「もーっ」

男「まずはここを凌いで。女先輩を迎えに行かないと」
C男 こくり

新人女「女先輩……どうしてるかな」
C男「メールは?」

男「あー。メールの返事、来ないんだよな。困ってる」
新人女「携帯ですか?」

男「うん。女はたしか自宅にPCないんだよなー」


83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 19:11:44.21 ID:qv6ULQoP
新人女「私も出してみましょうか」

男「うん、やってみて」

新人女 ぽぴぴぽぴぱぽぴあぽぴぴ

男「うわ、すごい早い」
新人女「そうですか?」

C男「異次元生物だ」

男「俺、携帯でメール出せない」
新人女「えっ!? どうしてですか?」

男「おかしいだろ、普通に考えて。なんであんな15個も
 キーがないような入力デバイスで文字が打てるんだよ」
新人女「だって、それは普通じゃ」

新人女 ぽぴぴぽぴぱぽぴあぽぴぴ

男「普通に考えてキーボードが必須だろう」
新人女「そうですか? ん……」

新人女「出来ました。送信……っと」

――う゛う゛う゛う゛う゛う゛。


84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 19:13:03.83 ID:qv6ULQoP
男「なんか聞こえない?」

――う゛う゛う゛う゛う゛う゛。

C男「バカを捨てよう」

がちゃ。かちゃんっ

新人女「女さんの携帯、ここにあるじゃないですかっ」

C男「まさに捨てるべきバカ」

男「だって気がつかないって!!」

新人女「……」じぃっ
C男「廃棄」

男「いや、すみません」
新人女「いえ。考えてみれば、付き添いの
 私が確認していくべきでした。あああ。
 無いと困ってますよね。女さん」

C男「同意」

男「?」
新人女「自分で救急車も呼べない訳ですし」


85 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 19:14:56.73 ID:qv6ULQoP
男「でも、過労だしな。点滴うって家に帰ったら、
 激しい労働しない限り普通のはずだよ」

新人女「そうなんですか?」
男「俺も何回か点滴うったし」

新人女「……」

C男「全然自慢にならない」
男「面目ない」

新人女「でもそれじゃ、余計におかしいかもしれません」
男「なんで?」

新人女「日常行動できる程度にはすぐ回復するなら、
 連絡くらいあったり携帯取りに来たりしても良いような」

男「ほんとだ」

新人女「……」 C男「……」

男「んー。心配だなぁ。女先輩、天然なとこあるからな」


86 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 19:18:55.26 ID:qv6ULQoP
腹減りました(T∇T)
ここを区切りにしておいて、ご飯の準備&家事ってきます。
ではではっ! 雑談してくれると力づけられるよー
心が折れない支援さんきゅ!
鬱だけどな。
萌え無いけど。すんません。
では、いってきまーっす。


88 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 19:20:53.68 ID:Pu7mds60


救いがありますように・・・・・・


91 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 19:24:41.66 ID:srNM2Jso
乙!
女先輩に萌えまくりです


93 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 19:25:49.11 ID:0eTjnoAO


自分の仕事が如何にヌルいか思い知らされるorz


95 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 19:31:13.87 ID:uCD2.UAO
乙。
続きが気になるぜ。



152 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 22:00:10.05 ID:8devDKg0
女「……」
男「……」

女「……」
男「……はぁ」

女「ん……っ」ぴくっ
男「……」

女「そこ……」
男「ここ?」
女「うん、あっ!……っ!ぁ……」

男「ふー……」
女「……」

男「……ふっ」
女「んん……っ……きもちぃ……」
男「はぁ……」
女「あーっ、そこっ、んぅ、んんっ!んっ……」
男「はいおしまい!」

女「えー!やだ!アンコール!アンコール!」
男「もう限界。疲れた」
女「えー?」
男「女先輩凝りすぎ……」



153 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 22:10:08.36 ID:qv6ULQoP
ぅぁ。おいらも肩もんで欲しい

154 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 22:12:31.30 ID:kp/cTTA0
近場の適当な誰かに頼むと良いサ

155 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 22:14:23.21 ID:qv6ULQoP
近場に肩もみ頼める相方がいる時点で
Vipper失格じゃね? むしろ呪われるべきじゃね?
つか、肩もんでもらえて甘えられる相手って
恋人なんかより上じゃあるまいか?


156 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 22:14:58.34 ID:xpa2wM6o
俺のねーちゃんだな

157 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 22:17:40.79 ID:kp/cTTA0
>>155
そーかスマン
普段から適度に自分を労わってくれ



158 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 22:18:41.71 ID:qv6ULQoP
貯まってないけど適度に放流しますぜー
固めて流すのには適さないシーンだしなっ



159 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 22:19:13.35 ID:qv6ULQoP
――6/2、日曜日 20:00 小さなアパート

(……なんだろ)

(……動いてる? ……あ、そか)

(アルファとブラボーとチャーリーだ)

(初めまして、ご挨拶します。うち女です)

(長い間放置して済みません)

(うちも別に悪気があった訳じゃないんですよ)

(ただちょーっと忙しかっただけでして)

(反省してます)

男「目、覚めた?」

女「反省してます、今度は捨てるから」

男「C男ネタか?」


160 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 22:19:55.19 ID:qv6ULQoP
女「……」ぼへぇー
男「……」

女「……おはようございます」ぼけっ
男「おはよ」

女「うち会議室で寝ちゃった?」
男「いや、大丈夫。家まで帰った」

女「そか……」こしこし
男「うん」

女「……」
男「……」

女「夢違うよね?」
男「ちがうね」

女「うち、なんかとてつもないピンチの気がする」


161 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 22:20:27.94 ID:qv6ULQoP
男「ま、過呼吸じゃしかたない。ストレスだもん」
女「いやいやいや」

男「?」
女「そんなピンチとちがう。我が人生のピンチ。
 てか、なんで男はそんなにけろりとしてるん?」

男「へ?」
女「乙女の部屋にコッソリ上がり込んだりして」
男「ああ。ごめん。お邪魔してます。
 大家のおばさん心配してたよ」

女「あ、あわ……。ぐっ」
男「なに?」

女「見たな」
男「何を?」

女「固形化した鍋とかっ。洗濯の山とかっ。
 コンビニの残骸とかっ。箱から出してないケロロとかっ」
男「うん」

女「我が忠実なる三人の騎士アルファ、ブラボー、
 チャーリーは何を警護してたんよっ」

男「ゴミなら捨てておいたよ」


162 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 22:22:21.95 ID:V3kiLWco
これは乙女のピンチw

163 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 22:25:43.10 ID:ArZRym.o
初めて挨拶したくせに忠実な騎士扱いされてるチャーリー以下略がかわいそうだwwwwwwwwwwwwwwww


164 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 22:27:51.70 ID:qv6ULQoP
女「なっ!? なん……だと……」
男「なんだっけ、それ?」

女「カレーつけて食べるパンみたいな食い物」
男「ナンだっけ、それ?」

女「っていうか、うちの寝顔見たなっ!!」
男「そんなの沢山見たことあるし」
女「ですよね」

男「でも、良かった」
女「へ?」

男「意外に元気で」
女「――」

男「や。女先輩、布団の上に布団かけて、その上にコートまで
 掛けてさ……がたがたしながら寝てるし」
女「――」

男「鼻すんすんならしてさ、ほっぺた濡れてるし」
女「――」

男「良かった」
女「それは、寝汗やん。うちがこれくらいで
 へこたれる訳無いやんっ」


165 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 22:29:01.56 ID:qv6ULQoP
男「おう。安心した」
女「……」ぷいっ

男「これ、携帯ね。こいつを届けに来た訳だ」
女「うん」

男「だいたいさ。ゴミ出せないとか、
 ゴミ袋がお出迎えとか云うからどんだけゴミ屋敷かと思えば、
 埃は積もってるけどそんなに酷くないじゃん」

女「散らかせるほど家帰れてなかったし」
男「そりゃそうか」

女「あんな、男。……うち、やっぱり」

男「女先輩は、一週間療養ね」
女「そっか……。やっぱり……」

男「その後、待ってるから」
女「へぁ?」

男「間抜けな顔しないでくださいって。派遣本社の方は
 適当な事言っておいたから。派遣先の都合と休養とか。
 大丈夫。日割りで減るかもだけど、このまま」

女「あ、うち……」


167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 22:36:13.82 ID:qv6ULQoP
男「来週月曜から出れるかな」
女「うんっ」

男「いや、今回はごめんなさい。マネージャーとして
 本当に不徳というか、酷い有様でした。
 せめてこんな風になる前に一回診察に行かせるべきだった」

女「いや、強がって無茶したの、うちだし」

男「ゆっくり治してよ」
女「いや、平気。なんか元気出た。明日からいけるっ」

男「全然ダメ」
女「うー」
男「療養がいやなら、謹慎と思ってもらっても良いからね」
女「だってさ」

男「なに」
女「現場、どうなってるんよ」

男「黙秘」
女「どうせ地獄みたいな有様のくせに」


168 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 22:40:21.66 ID:qv6ULQoP
男「どうせ地獄ですよ」
女「じゃうちが行った方が良いじゃん。猫の手だって
 借りたいくせに」

男「地獄だったら復帰しなくても良いよね?」
女「う」

男「大丈夫だって。女先輩が復帰した後だって
 地獄の醍醐味は残ってっから」
女「嬉しいような嬉しくないような」

男「ウォリアーっしょ?」
女「……うち」

男「ん?」

女「うん。うち、ウォリアー」

女「うち、ウォリアーやしっ」にこっ

男「偉いぞ」
女「うん。褒めてっ」

男「偉いぞっ」
女「うんっ」ぱぁっ


169 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 22:41:32.76 ID:V3kiLWco
くぁいいのう

170 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 22:42:13.14 ID:YettLKso
女かわいいwwwwww

171 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 22:43:27.07 ID:XGd1t/Ao
男「その後、待ってるから」

この言葉に、全ての意味が篭ってるといいなぁ・・・


173 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 22:45:04.38 ID:1JGPvGA0
>>1には悪いがずっと読み続けたいスレだな

174 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 22:45:05.68 ID:1JGPvGA0
>>1には悪いがずっと読み続けたいスレだな

175 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 22:45:13.46 ID:1JGPvGA0
>>1には悪いがずっと読み続けたいスレだな

176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 22:47:14.19 ID:FEOwggDO
>>173-175 

どんだけ見たいんだよwwwwww


179 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 22:47:41.82 ID:1JGPvGA0
すまん、なぜか三度も・・・orz

178 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 22:47:26.11 ID:enaBXXAo
>>173-175
いくら大切なことでも三回は多いぞwwwwww


182 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 22:48:49.12 ID:XGd1t/Ao
>>173-175
気持ちはすっごい解るけどなwwww



177 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 22:47:15.73 ID:qv6ULQoP
男「そういえば、なんか食います? コンビニで
 色々買ってきたけど。あ、あとレトルトも」ごそごそ
女「うん、おなか減ったかな」

男「じゃ、台所借りますよー」
女「ほいさ」

がたがた。しゅぼっ……。

  女「おとこー。おとこー」

男「はい?」

  女「用意してくれてるとこわるいけど、
   うち、先にお風呂ってかシャワーする」

男「どぞどぞ。そもそも女先輩の家でしょ」

  女「んー。おもてなしもせんで、悪いね」

男「お構いなく」

ごそごそ

  女「んじゃ、用意する」もそもそ


181 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 22:48:42.71 ID:qv6ULQoP
男「先輩?」
女「ほい?」

男「服は着ようよ」
女「着てるやん」

男「履こうよ」
女「履いてるっしょ。ぱんつは」

男「……さっさと入ってくださいよっ」
女「なに意識してるん? 目そらしちゃったりして」にまっ

男「さっぱりですよ」
女「もしかし、うちの脚に萌えた?」

男「萎えた」
女「えーっ!?」
男「萎えました」
女「何度この防御に破れたことか……」

男「無駄に誇示しないで良いですから」
女「女バスなめるな。すべすべなんだぞっ」

男「いまや完全引きこもり系人間なんだから
 過去の栄光にすがってないで早くシャワー行ってください」


188 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 22:55:45.63 ID:qv6ULQoP
――6/2、日曜日 20:40 ユニットバス

ざぁぁぁー

女(……終わってないんだ)

女(来てくれた。うちは、まだあそこにいられる)

女(……暖かい)

ざぁぁぁー

女(うち、まだがんばれるんだ)

女(男と一緒に、まだ戦えるんだ)

女(……なんだろ。うち、うれしいんやろか。
 めちゃくちゃ、顔ゆるんでない?
 すごい、情けない顔してない?)

女「ばれたりしないだろなぁ」にこぉ


193 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 23:01:08.10 ID:qv6ULQoP
女「あ、そだ」

女(せっかく来てもらったし、お茶くらい……)

女「お茶ってあったっけ? 去年の正月使ったような……」

女(いや、違うだろっ)ずびしっ

女「そ、そうじゃなくてっ」

女「色々考えるべき事は他にある訳でッ。
 いやいやいや。ちがいますよ。そういうことじゃなくっ。
 うちは一人のウォリアーとして乙女としてですね
 自分の矜持は守らなきゃならない訳でですね」

女(ぱんつだけは一杯洗濯しておいて良かったぁ……)

女「いやちがう。そこホっとするところでも
 照れるところでもない。なんですか、うち。
 はしたないにもほどがありますよっ」

女(つか、いまこそおにゅーのぱんつ卸すべきでは?)

女「だからちゃぅーっ! そうゆんじゃないってっ」


191 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 22:58:49.39 ID:kp/cTTA0
激ラブじゃねーのさ

194 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 23:01:08.24 ID:srNM2Jso
このままラブラブ展開に!
エロはいらんかららぶらぶ><


197 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 23:02:04.91 ID:GDTx7wAO
何この乙女

199 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 23:07:36.89 ID:9oyDVEAO
ウォーリアーとか言ってても、中身はやっぱり女の子な女が可愛いー


200 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 23:08:36.56 ID:qv6ULQoP
――6/2、日曜日 21:00 小さなアパート

がちゃり

男「お疲れ様」
女「あ、あがったよ?」

男「先輩」きりっ
女「え、ぁ。はい」

男「大事なお話があります」

女「なんでしょうか。いや、まて。
 いま卸すから。――ちゃんと可愛いのだから」

男「良いからこれを見る」
女「……」

男「これいつのタマネギですか? なんでこんな
 とろけるチーズも真っ青な粘液状ですか。
 ラヴクラフトも真っ青な神話的恐怖ですよっ」

女「う゛ー」

男「他のものも一通り整理しときましたからね。
 火曜日の朝にだせばいいようにしてありますから」

女「なんでかなぁ、もうっ」


201 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 23:10:22.73 ID:qv6ULQoP
女「なんでうちだけ布団かぶらなきゃならんの」
男「寒いんでしょ」

女「暖かいよ。おかゆ食べてるから」
男「なんで部屋着がジャージしかないんですか」

女「部屋着って云ったらジャージでしょ」
男「じゃ、そのジャージを洗濯しておいてくださいよ」
女「無茶いわないでってば。臨死してたんだから」

男「じゃ、文句言わないで布団かぶる」
女「むー」

男「……」
女「……もぐ……美味しい」

男「何食ったんですか? 今日は」
女「おかゆ食べてるよ?」

男「……」
女「……」

男「……もう一杯食います?」
女「食う」


202 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 23:14:29.34 ID:9oyDVEAO
バグかキスかは、してほしいな~
それが、女にとって一番の薬だろう。


204 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 23:15:48.82 ID:8t3pRUoo
>>202
お前デバッグしてもらえよ



207 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 23:17:27.45 ID:qv6ULQoP
――6/2、日曜日 22:00 小さなアパート

女「そっか。C男そんなにがんばってるんだ」
男「うん。すごいよ。鬼気迫ってるかも」

女「そっかー」にこにこ「あとでメールしたげよう!」
男「それがいいかも」

女「あ! そだ」
男「なに?」

女「うち、今週は暇になる訳だし。
 お勧め風俗を検索して探してあげようっ♪」

男「あ、いや……」
女「どしたん?」

男「ほら。趣味ってのは、人様々だから」

女「ん? 男はC男の趣味知ってるの?」

男「いや。……それは、その。ねぇ。
 いくら先輩がえろトーク好きのウォリアーでも
 おのずとプライバシーってものが」

女「云っえっ」


208 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 23:22:39.48 ID:qv6ULQoP
――6/2、日曜日 22:20 小さなアパート

女「ふむふむ」
男「で、新人女さんが一番早いんですわ」
女「そんなに?」

男「うん、いままで見た中で一番早いね、アレは。
 指先がぶれて見えるほどだし、なにより腕が動かない。
 指先だけ高速に動かして携帯操作するんだ」

女「それは一度みたいなー」

男「それでけろっとしてるんだ。これがまた。
 『これくらいは常識ですよ』って顔で。
 俺始めてリア充っていうんですか?
 遭遇した気がしたもん」

女「ま。でも、携帯は元々女の子の方が得意でさ」
男「そうなの?」

女「指が細い方が、あのキーの大きさは楽だよね」

男「そういえばそうかぁ」


212 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 23:28:12.57 ID:qv6ULQoP
――6/2、日曜日 22:40 小さなアパート

男「B男もね。なんだか池袋の気合い入れてるみたいだし」
女「そうなん?」

男「女の人が一人残ってるって言ってたでしょ」
女「うん」

男「昼飯とか作ってもらったらしいよ」
女「まじでっ!?」

男「まじですよ。女先輩。この平成の鳳雛。
 マネジの諜報力を舐めてもらっては困りますよ」
女「孔明よりはずいぶん落ちる気がするなぁ、それ」

男「で、それが」
女「なになに」

男「あげたパンの耳のランチだったらしくて」
女「え?」

男「あげたパンの耳。きなこまぶしてあったって」
女「……」

男「忍者だしねっ」
女「そだね、忍者だしねっ!」


213 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 23:30:17.54 ID:XGd1t/Ao
すまん、素で吹いたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

216 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 23:31:07.29 ID:1JGPvGA0
パンの耳・・・ココアかけて食べると美味しいよ・・・

217 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 23:32:23.74 ID:ob4JXAAO
>>216
普通に砂糖か、それプラスシナモンだろ


218 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 23:33:28.31 ID:3FrFbZ60
フレンチトーストにしても美味い

219 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 23:33:34.99 ID:srNM2Jso
>>216
砂糖入れたホットミルクに付けるとうまいよ


220 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 23:33:44.48 ID:V3kiLWco
メガネのお弁当はサンドイッチだったのかパンの耳だったのか
後者だよな?



221 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 23:34:33.04 ID:qv6ULQoP
――6/2、日曜日 23:00 小さなアパート

女「うっわぁ。そんで?」
男「それでもなにも。仕方ないからマクロ直しましたよ」
女「ぷくくくっ。そっか。災難やったね」
男「全くですよ」

女「あはははっ」
男「……女先輩だって後から参戦ですよ」

女「OK,OK。判ってる。ちゃんと働くから」
男「期待してます」
女「うち、ウォリアーやしっ」

男「ふぅ……。えーっと時計は?」
女「いま、23時きっかり」

男「そっか、ずいぶん居座っちゃってごめんね」

女「ううん。ひきとめたの、うちやし。忙しいのに。
 ごめんね、ほんと」

男「いえいえ。良い時間。引き上げますよ~」

女「へ? 泊まっていかんの?」

男「何いってんですか。気軽なことを」


227 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 23:40:06.56 ID:qv6ULQoP
女「だいたい、男は練馬でしょ? どやって帰るの?」
男「電車で」

女「もう、ないよ?」

男「何言ってるんですか。まだ23時でしょ」

女「無いよ?」

男「え、うそ。だって終電01:12って見たし」

女「それ下りだよ。練馬は東京の向こう側でしょ?
 ここ千葉だもん。上りと下りは逆になるんだよ。
 上りの終電なんて、もう終わってるよ」

男「……そうなの?」
女「うん」

男「なんでそんなに早いの?」

女「千葉だから」

男「……」
女「ま、諦めて。ほら、プリンあげるから」

男「俺が差し入れしたヤツじゃないですかっ」


231 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 23:44:26.18 ID:qv6ULQoP
男「なんかインチキだよなぁ」

女「そんなにこだわらないでもええやん」

男「いや、こだわるよー。泊まるつもりなんて無かったし」
女「いいじゃない。もう一回泊まっちゃったんだし」

男「自宅じゃないでしょ、あれは」
女「同じだってば。一回も二回も」

男「……そう言ってもですね」
女「そんなにやかなー。うちとじゃ」

男「そういう問題じゃなくて」
女「うー。良い方の布団かしてあげるからさ」

男「そういう問題じゃなくて」
女「それともうちの肉布団とかっ? きらっ☆」

男「……」
女「ごめん。引かないで。自分で困った」

男「判ってくれれば良いんです」


232 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 23:44:37.25 ID:ni/KwUDO
これで萌え要素無いのか?俺にとってはありまくりなんだが

234 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/23(木) 23:46:43.37 ID:1JGPvGA0
エロは無いが萌えはあるだろ。

235 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 23:49:02.67 ID:V3kiLWco
>>1が萎えって言っているのは男が萎えって言ってるのと同じで信用してはならないw


237 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 23:49:50.98 ID:qv6ULQoP
重ねて云う。

萌ってのは、人外幼女とかなのだっ。
それで魔王とか異形の落とし子とかそういうのが萌えだ!
あとは皇族と内侍司。
猟奇とかメンヘルも萌え。
夕日を見つめながら唇から血が出るほど噛みしめてる
娘さんなんて萌えまくり。月下で薄ら笑いを浮かべて
揺れている病院パジャマの幼女とか。

だが、唐翌揚げとゆとりはない(´∇`)ノシ



239 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 23:50:50.82 ID:6kGtXCoo
萌要素は無しでも萌えてしまうおいら達は何かに感染してるんだよきっと

240 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 23:51:32.44 ID:YlL6/VQo
萌要素という概念を捨てよう

242 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 23:53:47.89 ID:XGd1t/Ao
>>240
それを捨てることはできない
いや、むしろ、捨ててはならない



243 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 23:54:39.93 ID:qv6ULQoP
――6/2、日曜日 23:15 小さなアパート

女「んじゃ、電気けすね」
男「はーい」

かちっ。

女「ん、っしょっと」もそもそ
男「……」

女「ごめんね、ろくな寝具無くて」
男「いや、一人暮らしだもん。当然ですよ」

女「……」
男「……」

こぉぉぉぉぉーーー

女「……車の音、遠く響くでしょ?」
男「はい」

女「幹線道路があるからね。遠くに木霊みたいに音がするのだ」
男「……」

女「ごめんね」


247 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/23(木) 23:58:47.66 ID:qv6ULQoP
男「どうしてです?」

女「うち、倒れちゃってさ。無理させてるよね」

男「気にしないで」

女「それに、派遣の方もさ。……手を回してくれたんでしょ。
 コネ一杯使わせたよね。うっすらとだけ、判る」

男「マネジとしてなんでもない。
 むしろそんなリカバリをする事態になる前に
 手を打てなかった不明を恥じるばかりですよ」

こぉぉぉぉぉーーー

女「……」
男「……」

女「おとこ」
男「はい?」

女「ちょっとだけ、触って良い?
 ううん、袖だけでもいいから」


251 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 00:02:15.17 ID:lPBcTgUP
男「……」もそもそ

きゅっ

女「――うち、感謝してるから」

男「……」

女「うち、色々判ってなかった。ううん、たぶん、
 いまでも本当は判ってないんだと思う」

男「……」
女「うち、返しきれないほど、恩がある」

男「身体のことは、恩とか返すとかじゃないです」

女「それだけじゃ、ないよ」
男「……」

女「うち、おっかなくて、泣いてた。……あはは。
 いや、身体がおかしくなると、ダメだよね。
 不安になって、黒い気持ちが止まらなくてさ」

女「忙しいのに、あんなにバカ話に付き合ってくれたのも
 感謝してる」


252 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/24(金) 00:05:59.71 ID:6379P0E0
一日一日はものすごい早さで過ぎていくのにF5を連打する今は永遠のように感じる・・・
>>1よ・・・まだですか・・・?



255 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 00:08:45.89 ID:lPBcTgUP
男「電車のって千葉くんだりまで来たから
 移動するのがおっくうになっただけです」

女「うちは、その……」

こぉぉぉぉぉーーー

女「……」
男「……」

女「――萎え人間なので。
 そういう用途には低ランクなんやけど
 ほら。工業用の軽油みたいな?
 あはははっ……」

女「でも、今度は。今度こそは
 ウォリアーとしてやるから。次は折れないから。
 こんどはちゃんと男の分まで斃しちゃうから。
 うち、ウォリアーやしねっ。
 そんで男と唐翌揚げ食べに行く。ううん、みんなと行くから」

女「それで、恩がえしさせて。
 すぐ行くから。ほんとは明日からでも行きたいからさ」


265 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 00:17:12.41 ID:lPBcTgUP
男「何言ってるんですか。らしくもない」

女「ん……」

男「先輩が唐翌揚げマニアなのもウォリアーなのも
 バイオレンス&スパルタなのも昔からでしょ。
 だいたい俺をこういう風に育ててくれたのも
 女先輩じゃないですか」

男「それをいちいち恩に着るとか
 返すの返さないの軽油だレギュラーだバイオ燃料だと
 水くさいを通り越してミミズくさいですよ」

女「――」

男「そもそも女先輩がウォリアーなのは当然ですけど
 俺だってB男だってC男だって、その上いまは
 新人女さんだってウォリアーでしょ? ちがいます?
 ウォリアーだとかキャラ作って線引いてないで
 皆殺しレベルの仕事してくださいよ。
 それが先輩だったでしょ。
 二人っきりでデスマーチ終わらせたことあるでしょ、俺たち」

男「先輩は、ずっと勇者なんだから。
 ウォリアーだなんて甘えたこと抜かさないでくださいよ」


271 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 00:23:26.33 ID:lPBcTgUP
女「あんな、おとこ」

男「なんすか」

女「偉いぞ」ぐすっ

男「ふふん」

女「偉そうにしてても、偉いぞ」

男「ふふふん」

女「信用しても良いかな」
男「どういう風の吹き回しですか」

女「信用したらうちのこと嫌いになるくせに」
男「8時間だけ執行留保します」

女「あんがとうな」
男「これについては恩に来てください」

女「任せて。――勇者の仕事を見せてやるから」


282 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 00:28:57.21 ID:lPBcTgUP
おっし。ほどよく切りが良いところまで参りましたので。
本日はこれにて眠りたいと思います-。
皆様支援ありがとうでした!
カラアゲは漢字で入力すると、この掲示板の仕様で
なんだか変な文字が挟まっちゃうみたいよ(>_<)
そんなに唐翌揚げがにくいのか。美味しいからか?

あと、多分出番はないもしくは極小だけど追加データ

眼鏡:体力3 精神力4 技術1 集中力3 把握力1 黒さ5
 せいじゅんでじみ。じつはばついちこもち。びんぼううわばみ。



289 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 00:31:56.45 ID:S/6tBdQ0
乙でござる

296 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/24(金) 00:34:05.23 ID:IEx4GVo0
乙でした!!

つか、信用されて8時間(一晩?)執行留保で勇者の仕事って・・・
そういう事?ww


314 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/24(金) 01:44:54.07 ID:0YENoN.0
乙です

明日は頑張って仕事してきますw



唐揚げ食いたくなってきた(´・ω・)



328 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 12:41:52.45 ID:lPBcTgUP
おはやうございますー。
ってお昼ですよっ。やっぱ雑用かたしてるとどうしても。
すんませんすんません。
書き溜め作ったりしながら、ぽちぽちしていきます。
本日もよろしくです。

ちなみに、さっきナスのしぎ焼きくった。
んまかった。



329 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 12:44:12.12 ID:lPBcTgUP
――6/3、月曜日 黎明 小さなアパート

(暖かいな……)

(……布団、ぬくい。――なんだっけ。
 こんなに暖かいの、久しぶりって云うか……。
 すべすべで、ぷにぷにで……。
 腕の中が幸せで……幸せで……)

(こういうのって他ではちょっと無いよなぁ、
 本人達自覚がないみたいだけどさぁ~。
 軽ければいいってもんじゃないんすよ。
 ……重さが贅沢って言うかさ~。
 抱きしめたときの確かさって言うかさ……)

(……こればっかりは女には分かんないんだろうなぁ
 こんなしょーもないことで、
 俺らがどうしようもなく幸せだとかさー)

(……ぬくいなぁ)

(でも、目が覚めちゃい……そう……)

(微睡んでいたいけど……)


330 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 12:46:07.02 ID:lPBcTgUP
ん……

(ところで……これ誰?……)

こつん

(すごい良い匂いだけど……彼女っていたんだっけ)

すりすり……

(…… そか女先輩か。この鎖骨の形は)

(そゆことね。おけおけ。判って良かった……)

くてんっ

(ぬくいなぁ……)

え?

(なんで女先輩なの!?)


331 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 12:46:41.41 ID:lPBcTgUP
(……)



(う、ううううううっ……)

ぎくっ

(そだ。無くなった千葉が終電で布団の中諦めたんだっ)

(お、落ち着け、俺っ)

(……えっと、服は……着てる……)

(右手……動く。左手……はなんか腕枕してるしっ!?)

ぎくぅっ!

(なんでこんなに顔近いんだよっ……)

ぎくぎくっ!

(脚、脚からめられてるっ)

(刺激が強いっての。まじ頼むからっ。女先輩は
 もうちょっと武力行使の自覚持て、自分の身体にっ)


332 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage_saga]:2009/04/24(金) 12:47:10.12 ID:lPBcTgUP
(腕、抜ける……かな。起こしたくない……)

女「……すぅ。……くぅー。んにゅ……」くてっ

(天然なのか。こいつ天然かっ!?)

女「んぅ……。……すぅ」すりっ

(寝顔の方が、美人なんだ。……まつげなげー)

(疲れてるんだなぁ。そういえば、頬の線がシャープに
 なった気がするもんなぁ……)

(……こんなになるまで追い込んだの俺だもんな)

(それなのに腕枕なんかして)

(俺、M野かよ)

(マネージャー笠に着て女食ってんじゃねぇよ)

男「ん…… しょっと……」


337 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 13:00:23.96 ID:lPBcTgUP
――6/3、月曜日 08:00 小さなアパート

女「すぅ……。んっ……んぅ」

女「うー。ん……」ぼへぇっ

女「なんやろ。なんか、すごい幸せな感じやったんやけど」

女「……」ぼへぇっ

女「……なんでうちこんな体勢なん?」

女「……」

女「……」

女「……っ!? いないやんっ!!」

女「あ、あれ? どした。いっちゃったん!?」

女「そか……。月曜だもんね」


340 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 13:01:29.52 ID:DsxCYkDO
待ってやがりましたこの野郎っ!
早速胸がきゅんきゅんくる仕様で攻めてきますね!


344 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 13:08:29.01 ID:YwkGm4so
何で鎖骨で分るんだよwwwwww

341 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/24(金) 13:02:47.01 ID:6379P0E0
昼休み終わったのに外回り行かずにこのスレに張っていたい自分がいる。
・・・うぅ、いってきます・・・



342 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage_saga]:2009/04/24(金) 13:04:24.55 ID:lPBcTgUP
女「あ、そだ。メールあるかな」

ポ。ピ、ピ

「件名:帰る
 社に戻ります。お身体お大事に。
 冷蔵庫の中に缶詰とレトルトおかゆがあります。
 一日二食食べること。
 トイレの洗剤を買い足しておくこと。
 野菜室にはものを入れないこと。
 以上、男。

 追記//
 へこたれてたことはみんなには内緒にしておくので
 週明けに勇者の力で仕事をなぎ倒してください。
 こちらはお任せを。先輩のいまの敵は、過労」

女「……ん」

女「元気。でた。
 うちは、うちのやれることから、しよ」

女「まずは……。ご飯やね」


346 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage_saga]:2009/04/24(金) 13:13:59.17 ID:lPBcTgUP
――6/3、月曜日 08:00 神楽坂作業室

男「……」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタ

男「C男ー」
C男「?」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタ

男「進捗どう?」
C男「順調。先行半日」

男「余裕は?」
C男「ある。いまならどんな仕事でも捨てられる」
男「捨てないでこなしてよ」
C男「了解」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタ

男「池袋の仕事さ。……C男がいやがってたヤツ」


347 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage_saga]:2009/04/24(金) 13:18:50.62 ID:lPBcTgUP
C男「……」
男「回しても良いかな?」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタ

C男「……」
男「……」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタ

C男「ikebukuroフォルダ?」
男「そう」

C男「なんで手が着いてる?」
男「俺と女先輩がやってたから」
C男「半分くらい終わってる」
男「終わらせた」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタ


348 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 13:20:21.10 ID:lPBcTgUP
C男「これが、女先輩を倒れさせた?」
男「……そうとも言えるね」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタ

C男「巻き込んだんだ?」
男「うん」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタ

C男「そんなマネジは捨てるべき」
男「うん」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタ

C男「やる」
男「……」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタ

C男「先輩が戻ったとき、こいつは残ってるべきじゃない」
男「さんきゅ」


353 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage_saga]:2009/04/24(金) 13:38:09.82 ID:lPBcTgUP
――6/4、火曜日 19:00 神楽坂の小料理屋

部長「まぁ、一杯やってくれ。今日は常務の奢りだそうだから」
常務「ははは。男君だったよね。話は聞いてるよ?」
開発リ「どうも。開発リーダーです」

男「ありがとうございます」

部長「四人もいるしね。ボトルいっておこうか」
常務「ん、そうだね。おーい」
開発リ「なかなか忙しいでしょう?」

男「そうですね。いまはちょっときつい時期ですね」
部長「男君のところは特に集中しているからね」

常務「ははは。営業の、なんだっけ? M野君かい?
 彼が新しく班を立ち上げたんだろう?
 これでぐんと楽になるんじゃないかい?」

部長「はははは」

常務「彼はなかなか成績がよいからね」

男「……」


354 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage_saga]:2009/04/24(金) 13:39:11.83 ID:lPBcTgUP
部長「男君は、ずいぶん強いのかね?」

男「いえ。まったくですよ。ですから
 お酒を頂くときは、いつも緊張気味です」

常務「ははは。リラックスしてくれたまえよ?
 今日は最近迷惑をかけているというキミへの
 慰労のためだからね」

部長「そう言うことがあったら、食べたいものが
 あったら遠慮無くいいんだよ」

常務「そろそろ、ふぐもくるんじゃないかな」

 からり
 仲居「お鍋の方の準備、始めてよろしいでしょうか?」

常務「ああ、たのむよ」
部長「これは美味そうだ」

部長「どうだね、開発リーダー君も」

開発リ「いただきます」

 仲居「お取りしますよ」


356 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage_saga]:2009/04/24(金) 13:42:36.47 ID:lPBcTgUP
――6/4、火曜日 19:20 神楽坂の小料理屋

常務「で。どうなんだろうね? 開発リーダーくん。
 男君の能力というのはね」

開発リ「そうですね……」
部長「そうだね。開発の方の視点からも聞きたいね」

開発リ「自分が入ってからも、管理の方も……
  7人ですか? マネージャー変わりましたけど
 上位を争うと思いますよ」

常務「ほほう」
部長「やっぱりねぇ。根を詰めてるからね、男君は」

開発リ「会社にいればいいってもんでもないんでしょうが。
 ――作業の組み立て能力と危機対応力は
 ずば抜けてるんじゃないかな……。
 ボクもよく判って無くて、聞きたかったんだけど」

開発リ「去年の年末の、代々木上原に納品したDBだけどさ」
男「――」

開発リ「あれ、要件定義書書いたの、男さんだよね?」
男「はい」

開発リ「そっか。開発経験は?」
男「ありません」


358 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage_saga]:2009/04/24(金) 13:43:13.34 ID:lPBcTgUP
開発リ「うちのK菅がDB書いたんだけど、
 要件定義書なかったはずだよね、あれは」
男「現物から逆算でクライアントに問い合わせて再構築しました」

開発リ「そっか」

部長「どういうことなのかな?」
常務「?」

開発リ「いえ。訂正です。組み立てと聞き取りだけじゃ
 なかったですね。彼がここ数年で一番です」

部長「そうか、そうかっ。まぁ、飲んでくれ」
男「ありがとうございます」

常務「ま、しかし。マネージャーってのは人員管理、
 労務管理業務だからね。技術畑だけで判断するのも
 なんともいえんが、そうか。そんなに逸材かね」

開発リ「技術以外の判断は手に余りますね」

男「現場で冷や汗をかいて辻褄を
 合わせているだけですよ」


359 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 13:44:51.29 ID:lPBcTgUP
常務「M野君なんてどうだい? 彼は」

開発リ「判断不能ですね」

部長「そうなのかい?」

開発リ「仕事が出来るかどうかは仕事をしないと
 判りませんから……。一緒に仕事をしたことが
 ないんですよ。あの人、なんで給料もらってるんで」
男「池袋班はまだ発足日が浅く、現状チームの
 初期編成の段階ですから」

常務「そうかね。そうだろうね」

開発リ「ふむ」
男「……こく、こく」

部長「さ、煮えたんじゃないかな」

常務「おお。食おう、食おう。美味いぞ」


361 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage_saga]:2009/04/24(金) 13:46:38.30 ID:lPBcTgUP
――6/4、火曜日 19:50 神楽坂の小料理屋

開発リ「でも、実際良い腕ですよ」
男「ありがとうございます」

常務「ははは。ずいぶん惚れ込んだものだな」
開発リ「どうだい? 男君はさ。開発来ないかい?」

男「いえ……」
部長「おいおい。抜け駆けはよしてくれ。ははは。
 男君を抜かれたら神楽坂が持たんよ」

常務「ははは。そうかもしれんな。だが、M野君が
 ゆくゆくは、管理の2つの班を統括するんだろう?」

開発リ「――っ」

部長「そうですね。やはり対外的なスタンスがありますからね」

常務「おお。それで思い出した。今日の本題だ」

開発リ「?」 男「なんでしょう」

部長「実はね」
常務「いやいや、僕から云おう」


355 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 13:40:40.95 ID:PkRGcjgP
現場を把握してない会社はダメになるだろjk
M野腹立つわ


357 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 13:43:09.93 ID:pBOgrgU0
>>355
実際企業、てこんなもんだよ。
しわ寄せは下に全部来る。
勿論上は上の苦労があるんだろうけど、無茶を下におしつけるのは何所も変わらない。


363 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 13:47:48.59 ID:PkRGcjgP
>>357
ソフトウェアはわからんけど、
ものを作ってる企業は生産性とかちゃんと測定指標が確立されてるから
上はそれなりに現場をわかってると思うよ
それに現場出身の人がちゃんと上にも行ってるから
まともな会社ならばって前提だけど


365 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/24(金) 13:51:04.10 ID:sJMKKUko
>>363
現場からの叩きあげだと、大概そのへん理解してるんだよな。現実の会社でも。



366 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 13:52:07.02 ID:lPBcTgUP
>>363
おお。補足説明だ!
(一回説明してたから油断してたぜ)

この会社、二代目社長なんだ。古い時代の現場上がりの
初代が創業して、それを大学出てサラリーマンやってた
息子がついだのだ。ワンマンで、周囲は先代からいる
親戚とイエスマン。常務と社長は名字が一緒。
  ――と、いう設定。

現実にそんな会社はめったに
ありはしないので、このスレで就職目指した人は
心配しなくて良いんだぜ!



369 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 13:55:01.91 ID:lPBcTgUP
常務「君たち二人も、我が社に長いだろう? 法改正の
 問題もあるしね。どうだろうね? そろそろ正社員に
 なってみないかということなんだ」

開発リ「……」
男「……」

部長「もちろん、待遇なんかは考えさせてもらうよ。
 当社規定でだがね」

常務「君たちが即戦力なのは重々判っている。社会的には
 不況だが、我が社の業績はここらで弾みをつけるべき
 時期だというのが社長の意向でもあるのでね。
 人員の拡大を行うためにも、君たちを迎え入れたいのだよ」

開発リ「……ことわ」
男「申し訳ありませんが」

常務「ん? 何か条件でもあるのかね?」

男「いえ。良くしていただいている恩は
 身にしみているのですが、管理部は実作業人員の
 ほぼ全員が派遣です」

部長「そうなるね」


373 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 14:01:00.10 ID:lPBcTgUP
男「モチベーション維持的にも、マネージャーである
 自分もこのままの身分の方が、ここ当面は有用かと
 思うんですよ」

開発リ「――」

常務「そうなのかね?」
部長「そう言うことも、あるかもしれませんなぁ」

常務「しかし、正社員登用の可能性を示した方が
 長い目で見ればモチベーションが上がるんじゃないかね」

男「ええ。もちろん、そのとおりです。
 しかし、班の人間と心理的な垣根を作るよりは、
 現場で一緒に汗をかく関係の方が有意義な
 ときもあると思うんです。
 お申し出は本当にありがたいのですが、
 いま神楽坂、というか管理部の方はかなり仕事がきつい
 時期でして……」

部長「ふむ」

開発リ「開発の方も立て込んでますね」


374 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 14:02:23.96 ID:lPBcTgUP
男「仕事の方がハードですし、ここ最近神楽坂班は
 泊まり込みも続いていますし」

常務「そうなのかい?」
部長「もちろん、規定時間以内の残業ですよ」

常務「はははっ。やはりもうちょっと作業効率を
 高めるべきだろうね。新生池袋班のほうは
 手際よく仕事をこなしているのだろう?」

 開発リ「……はンっ」

男「幸い、うちのメンバーはモチベーションあるので、
 こじれさせるようなことは今は手をつけたくないんです。
 ですから、お時間を頂くか辞退させていただいて構いませんか?」

常務「ふむ……。ところで開発リーダー君はどうだね?」

開発リ「そうですね。考えてみれば、うちも派遣所帯ですから」

部長「そうか……」

常務「いやいや。なかなか厳しそうだね。
 うん、いや時間の方はもちろん構わんよ。はははは」


375 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 14:07:41.55 ID:YpjwBj60
M 野ってなんで評価されてんだ?

開発もダメだしっぽいのに・・・・


376 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/24(金) 14:08:52.76 ID:sJMKKUko
>>375
口がうまくて適当に自分の仕事のできなさを適当にごまかしまくってるんだろ。上層部はアホだからそれを見抜けないっていう。


377 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 14:08:56.98 ID:MjoyxMwP
上への立ち回り「だけ」うまい奴っているよな


378 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage_saga]:2009/04/24(金) 14:12:01.57 ID:lPBcTgUP
――6/4、火曜日 20:15 神楽坂の小料理屋トイレ

開発リ「まだ20代だっけ」
男「はい」

開発リ「A派遣だよね? そっかぁ。
 ……まじで、開発やる気ないか? B派遣社のほうでも
 腕のあるヤツだったらなんぼでも取ってくれると思うぜ」

男「あはは。……や。そうしたい気もするんすけど」

開発リ「……」
男「いろいろと」

開発リ「……そか。いや、そうだよな。修羅場に生きてりゃ
 そりゃ、いろいろあるよな。判るよ」
男「すいません」

開発リ「いや。いいよ。考えてみれば、結構疎遠だったな。
 開発のリーダーやってる。よろしくな」
男「こちらこそよろしくお願いします」

開発リ「実を言えばちょっとむかついてたんだ」
男「?」

開発リ「こっちで作ったDBやらマクロやらいじくるやつが
 管理の方にいるのは判ってたからさ。文句があるなら
 手前でやりやがれっていうヤツもいてさ」


379 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 14:13:03.81 ID:lPBcTgUP
開発リ「でも、考えてみればお門違いな話だよな。
 現場で修羅場だもんな。そりゃ、生き残るためには
 何でもやるよな。武器がなけりゃつくるし、
 竹槍だって命かけるなら、けずるよな」

男「……」

開発リ「いや。悪かった。半端なもん渡してた。
 うちの連中にも云っておく」
男「いえ。こちらこそも独断で事を沢山進めました」

開発リ「キミ、ほんとに20代なんか?
 そつなさすぎだぞ~。あははははは」
男「必死ですから」

開発リ「――なんか、やってんだ?」
男「はい」

開発リ「M野のせいか?」
男「……おおむね」

開発リ「そっか。で、気配けしてるんだ」
男「もうすこしだけ」

開発リ「じゃ、もうちょい茶番付きあっとこうか」
男「はい。よろしくお願いします」


385 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 14:20:20.59 ID:lPBcTgUP
――6/4、火曜日 20:30 神楽坂の小料理屋

常務「いやいや。今時熱心な若者じゃないか。あははは」

開発リ「唐翌揚げいただきます」
男「うわ、ふぐの唐翌揚げ始めて食べましたよ」

部長「そうかい?」
常務「若いんだからふぐくらいは食べないとな」

  開発リ「良く判らん理屈だ」ぼそっ

男「美味しく頂いてます。立派で緊張しますね」

部長「そうかね」
常務「たまには休憩しないとね、仕事もな」

  開発リ「デスマやってる理解あんのかよ」

男「あんまり美味しいもの食べてると、班の仲間に
 呪いかけられたりしそうですよ。あはは」

部長「や、苦労をかけるね。いま新しい派遣の会社も
 当たっているからね」
常務「そうなのかね?」


386 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 14:21:30.95 ID:lPBcTgUP
部長「ええ、A派遣もB派遣者も適当な人材確保が
 難しいようでしてね。池袋班はこの間、トラブルがあって、
 人の入れ替えですから」

常務「ああ。派遣か。居着いてくれる人間を取ってくれよ」

  開発リ「……ちっ」
  男「……もぐもぐ。あ、すいません。醤油を」

  開発リ「ほいよ。――キミも相当タフだな」
  男「目の前に出たものは何でも美味しく食べるってのが
   スパルタな先輩の戦闘教育なもので」

部長「多少どうにかしませんと」
常務「30は出過ぎだろ。切れんのかね」
部長「はぁ、交渉してみますが」

常務「こう入れ替わりが激しいと、部長も大変だな。
 ははは。面接の基準がぬるいと云うこともあるんじゃないかな」

部長「そんなことはありませんが、最近の若者は
 ゆとり、とかいいますからね~」

  開発リ「……」ギリっ

常務「そうなのかね? なぁ、男くん」

男「そうですね。うちの班にもゆとりが
 一人いるくらいですからね。あははは」


387 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 14:26:05.42 ID:lPBcTgUP
常務「やっぱり苦労してるのかな? それとも
 若い人は若い人同士で和やかに仕事が進められるのかね」

男「いえいえ。ゆとりなんて言葉だけの問題ですから。
 一緒に仕事をしてきつい峠を一つ二つ越えれば、
 そんなマスコミのカテゴライズ意味ないですよ。
 付いてくる人と、来ない人がいるだけで」

常務「そうか。なかなかシビアだな。これなら正社員でも
 すぐにいけるよ、きみは。はははっ」

部長「M野くんのところは運が悪かったって云うことですかな。
 付いてくる人間がそろった神楽坂はラッキーだね、男君」

男「そうですね。いつも感謝してます」

  開発リ「タルタロスにでも落ちろ」ぼそっ

常務「労務管理ってのはツキだけじゃないからね。
 これからは僕も目をかけることにしよう」

男「ご指導お願いします」ぺこり

常務「そうだ。他に何かないかね? 職場のこととか」

部長「常務がせっかく言ってくださってるんだから。
 なにかあれば遠慮無く云うと良いよ」


388 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 14:28:11.45 ID:YpjwBj60
いけ!ぶちまけろ!!!

389 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 14:29:25.35 ID:PkRGcjgP
くるか?くるか?wwktk

390 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/24(金) 14:29:44.99 ID:ylg.QEDO
開発リーダーもいいキャラしてんな

391 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 14:31:36.47 ID:pBOgrgU0
ここでぶちまけたら今までの苦労が台無しだよ・・・。


394 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 14:34:35.78 ID:lPBcTgUP
開発リ「……無いっすね」
男「あーっと、そうですね」

常務「なにかな」

男「いえ。ものすごく美味しかったので。
 さすがに本当に班のメンバーに呪われそうです。
 仕事が一段落したら打ち上げに行っても良いですか?」

常務「なんだ、そんなことか。あははは。
 もちろん構わないよ。そうだね、キミの立場じゃまだ
 交際費を使う訳にもいかんものなぁ。
 しかし意外につつましい願いだね」

男「現場で追われてるだけですから」

常務「そうだ、ほら。部長。業者からもらった食事券が
 残ってただろう? 営業が接待に使ってた」
部長「ああ、ありましたな」

常務「アレが結構残ってただろう。ちょうど良い。
 アレを使えるように渡してやってくれ。
 打ち上げだったら十回やそこらは出来るだろう」

部長「良い考えですな。判りました」


401 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 14:39:44.16 ID:lPBcTgUP
――6/4、火曜日 21:00 神楽坂の小料理屋前

常務「じゃ、済まんね。僕はタクシーで帰るから」
部長「いえいえ、本日はご足労ありがとうございました。
 ほら、君たちも」

男「ごちそうさまでした。美味しかったです」ぺこり
開発リ「ごちそうさまでした」

常務「ははは。こんなの安いものさ」
開発リ「……」

部長「じゃぁ、私も帰るが。君たちは。あー」

開発リ「自分も帰りますよ。や、一応開発に電話するかな」
男「自分は神楽坂作業室に戻ります」

部長「ふむ、そうか」

開発リ「ちょうどいいや。近くにコンビニある?」

男「ありますよ、この坂の途中で」

開発リ「じゃぁ、自分はコンビニまで一緒に行きます」

部長「そうか。じゃぁ、よろしくたのむよ。では!」


404 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage_saga]:2009/04/24(金) 14:53:13.84 ID:lPBcTgUP
――6/4、火曜日 21:05 神楽坂の路上

開発リ「クソむかつくな」
男「ですね」

開発リ「良いのかよ。食事券なんかで。
 キミがM野の事ぶちまけるつもりだったら
 援護射撃しようと思ってたんだぜ」

男「それじゃ、リーダーさんだって泥かぶるじゃないですか」

開発リ「SEってのは手に職なんだよ。
 泥かぶるくらいなんでもない」

男「こっちは……そう云えないかなぁ」

開発リ「……」

男「ほら。派遣不況でやっとの人もいますしね」

開発リ「そうか……。すまんな」

男「いえいえいえ。俺がビビリなだけかもしれませんし」

開発リ「俺って云ったなっ。あはは」

男「ほら、上役いませんし」


405 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage_saga]:2009/04/24(金) 14:55:45.43 ID:lPBcTgUP
開発リ「だいたい士気を鼓舞しようってのなら
 賃金あげるかボーナスよこせってのな。
 それを食事おごってだぜ? それも全員じゃなく
 上二人に『だけ』おごって手懐けようってさ
 そういう浅ましさがむかつくわ」

男「美味かったですよ。ふぐ」

開発リ「そうか? まぁ、刺身は旨かったな」

男「食い物に罪はないですよ」

開発リ「腹が立たないのかよ」

男「特には。――それに」
開発リ「ん?」

男「メシ一回で手懐ついた忠誠心なんて
 トイレに一回行けば流れて消えますよ」

開発リ「あははははははは」

男「ね?」

開発リ「だよなっ。まったくだ」


406 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage_saga]:2009/04/24(金) 14:59:37.66 ID:lPBcTgUP
開発リ「あんなんで良かったのか? 食事券なんて」
男「あー。あれは、はい。予想以上でした」

開発リ「そうなのか?」

男「ですねー。打ち上げ用の交際費で、
 宴会代が出ればいいと思ってましたから。
 この会社、結構けちくさいですからね。
 そのくらいのおねだりが、重役のプライドの
 限界だと思うんですよ」

開発リ「奢ることで向こうも気持ちが良いと」

男「そのプライドにも出入り業者の金券絡めてくる
 程度なんですけれどね」

開発リ「でも、あれだ。みんなでメシにいくんだろ?」
男「はい」

開発リ「さっきの話じゃないけど、メシ一回で買える
 忠誠心だのモチベーションなんてクソすりゃ
 流れるって話じゃないのか」

男「メシの内容も忠誠心も流れますけど。
 打ち上げの満足感と楽しい感じは残りますよ。
 茶番の接待と、本当の打ち上げの違いですから。
 うちの班の面子は、アホ揃いですからね」にこっ

開発リ「そうだな」にこっ


407 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 15:03:31.28 ID:lPBcTgUP
男「それにね、この商品券は……」

開発リ「なんかあるのか?」

男「多分、営業が。
 ――M野が派遣の女を口説くのに使ってたヤツですよ。
 女口説くのにすら会社の経費でやってた訳だ。
 帳簿に残らない食事券で」

開発リ「……」

男「別に、腹建ててる訳じゃないんですけどね」

開発リ「……顔はそう言ってないぞ」

男「いえ……」

開発リ「……」

男「なんにせよ。あの口調だと残り物処理で
 こっちに回ってくると思いますよ。それで、多少はね。
 素行に歯止めがかかったりはしないと思いますけど」

開発リ「そうだな」

男「その辺が『上出来』でした」


408 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 15:08:10.59 ID:lPBcTgUP
開発リ「キミは面白いなぁ」
男「そうですか」
開発リ「開発は独学なんだろう」
男「はい」

開発リ「どこで覚えたんだい?」
男「ここに来てから、何となく」

開発リ「修羅場で?」
男「修羅場で」

開発リ「要件定義書なんかの書き方は?」
男「えっと、すみません。開発課の資料を見ました。
 共有ドキュメントの中とか」

開発リ「社内資料だ、構わないよ。そっか、それで
 ときたま用語で変なところがあるんだな」
男「あー。やっぱり判っちゃうもんですか」

開発リ「大したことじゃないよ。理解できる言葉で
 書いてあれば、仕事は回るしな」
男「……」

開発リ「これ、これな」カチカチカチ「携帯の番号だ」
男「はい」

開発リ「今度はもっとゆっくり飲もう」
男「はい。ありがとうございました」
開発リ「こけるなよ? 見てるからな」にこっ


409 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 15:11:08.35 ID:lPBcTgUP
ってなところで、昼の部一段落で良いでしょうカッ
がふがふお風呂掃除してきます。
ではでは、また書き溜めもしてくるよっ!



410 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 15:12:21.84 ID:BNqovaQo
1 乙!!
開発りもイイヨイイヨ


413 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 15:13:49.79 ID:WR8Xppoo
乙!
男同士のこうゆう付き合いっていいよね!


424 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 15:24:29.72 ID:fzipjhQo
開発リーダーとのやりとり。いいねぇ~。

ってことで休憩時間を有意義に使えたぜ、>>1乙!



428 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/24(金) 18:05:48.66 ID:2GVyojAo
C男「――プリン一個分だけ拾う」

男「メシ一回で手懐ついた忠誠心なんて
 トイレに一回行けば流れて消えますよ」


この二つの重さの違いが凄く胸に来た。



436 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 19:18:29.33 ID:lPBcTgUP
――6/5、水曜日 9:00  神楽坂作業室

新人女:カタカタカタ
男:カタカタカタカタカタカタ

新人女「……ダブルスコア」
男「へ?」

新人女:カタカタカタ
男:カタカタカタカタカタカタ

新人女「あっ。いえ……あの」

新人女:カタカタカタ
男:カタカタカタカタカタカタ

新人女「単位時間あたりの仕事の処理速度が、私と女さんだと
 倍以上違うんです。……ダブルスコアです」

男「そっか、そんなにかぁ」

新人女:カタカタカタ
男:カタカタカタカタカタカタ

新人女「お恥ずかしいです」

男「いや、ちがうよ」


439 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 19:22:56.98 ID:lPBcTgUP
新人女「はい?」
男「それに気がつくほど、上達したんだ」

新人女:カタカタカタ
男:カタカタカタカタカタカタ

新人女「え?」
男「仕事始めたばっかりの頃は、周りがどれくらいの作業を
 しているかなんて判らなかったでしょ?
 始めて恥ずかしかったときは、圧倒されただけでしょ?
 今は速度の差も、相手が何をやってるかも、
 ぼんやりとでも判るようになったんだね」

新人女「はい……」

新人女:カタカタカタ
男:カタカタカタカタカタカタ

男「もっかい云うよ」

新人女:カタカタカタ
男:カタカタカタカタカタカタ


441 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 19:23:56.16 ID:lPBcTgUP
男「『もっと上手になりたい』と思ってれば、
 必ず上手になるよ。もっと早くなりたいと思って、
 自分より早い人を追いかければ、仕事なんて
 誰よりも上手になるよ」

新人女「はい……」

新人女:カタカタカタ
男:カタカタカタカタカタカタ

男「伸びてるもん。すぐだよ」にこっ

とくん

新人女「――あ」

新人女:カタカタ
男:カタカタカタカタカタカタ

新人女「なれるでしょうか、上手に」
男「なれるよ」

新人女「なれるでしょうか、何かに」
男「もちろん」


442 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage_saga]:2009/04/24(金) 19:25:48.00 ID:lPBcTgUP

新人女(なんだろ……これ。
 大事なのに、苦しくて、
 言いたいのに、うまく言えなくて。
 抱えているのはつらいのに、いつまでも取っておきたいような)

新人女:カタカタ

新人女(こんなの知らない。こんなの、持ったことがない。
 全然楽しくないし、焦るような、急かされるような
 心細いような、恥ずかしいような気持ちなのに……。
 なんでこんなに大事にしたいんだろう)

新人女:カタカタ

新人女(これ、なんなんだろう。
 これが『何か』なのかな……。
 なんで私は、こんなに焦ってるんだろう。
 どこかへ急がなきゃいけない気持ちなんだろう)

新人女:カタカタ

新人女(なんで悲しくないのに、
 こんなに泣きたいような気持ちになるんだろう)


445 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 19:27:59.99 ID:lPBcTgUP
――6/5、水曜日 12:00  池袋/ドーナツ屋

B男「やぁ、男氏」
男「食べてる?」

B男「食べてるでござるよ。フレンチクルーラー。
 やっぱりドーナツはこれでござるよねーむしゃむしゃ」

男「俺はエンゼルクリーム派だな」
B男「それは女子供の食い物でござるよ」

男「ドーナツ食ってる時点ですでにそうだ」

B男「そんなことはないでござるよ。服部氏も
 ドーナツを食べてたでござるよ」

男「それは服部半蔵じゃなくて忍者ハットリくんだ」

B男「もぎゅもぎゅ」

男「ほおばってごまかしたっ!?」


446 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 19:29:12.14 ID:lPBcTgUP
B男「……もぎゅ」
男「どうしたの?」

B男「いや。んー」
男「歯切れ悪いな。珍しい」

B男「拙者の方の案件は進んでいるんでござるが
 別件では多少問題が発生しているでござる」

男「なに?」

B男「M野でござるよ」
男「……」

B男「実は、どうも新しい派遣を取るのが
 難しくなっているらしく」

男「その話は聞いたな。俺らの派遣会社、
 どうも人出すの渋ってるらしいね」

B男「使いつぶす姿勢の出向先なんかに
 送りたくはないでござろう。
 それは理解できるでござる」

男「それで?」


447 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 19:30:36.18 ID:lPBcTgUP
B男「それで、どうも。――眼鏡女氏でも仕方なし
 という判断をしたらしいのでござるよ」

男「……は?」

B男「ここ数日、ちょっかいが五月蠅く
 なっているのでござるよ。
 彼女も辞める訳にはいかないので、耐えるしか」

男「正社員餌にしてデートに誘うとか?」

B男「いや、そうではなくて」

男「どういう事?」

B男「彼女が実家暮らしで子供がいるとか、
 生活が厳しいこととか知ってしまったらしいので
 ござるよね。そのせいで、もっと露骨な」

男「セクハラか」

B男「拙者ならそんな軽い言葉は使わないでござるね」

男「……」

B男「眼鏡女氏を神楽坂に移すことは出来ないでござろうか?」


449 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 19:34:48.03 ID:lPBcTgUP
男「……」
B男「ダメでござるか」

男「時期が悪い、というかきっかけがないんだよな。
 前回は一人を残して壊滅で、M野がいなかったから
 新人女さんを持ってくることが出来たたけれど」

B男「拙者、見るに堪えかねるでござるよ」

男「酷いんだ」
B男「胸が悪くなるでござる」

男「……」

B男「社内で自分の地位が下がっているのが
 M野にも判るのでござろ。つまり憂さ晴らしでござるよ。
 女好きで、ただただデートがしたいだけなら
 下卑た男でござるが、それはそれで判らなくはないで
 はないのでござる。拙者も男でござるから。
 やはりもてたいでござるよ。……切実に。
 餌をぶら下げるのも嫌いでござるが、
 それを歓迎する女性がいるのも事実でござろう。
 ――しかし、足元を見るのは
 それは別ではないかと思うのでござる」


450 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 19:35:49.53 ID:lPBcTgUP
男「助けたい?」
B男「助けたいでござるね」

男「大事なんだ」
B男「そういう関係ではござらん」

男「……」じー

B男「そうではなく」ぷいっ

B男「拙者がM野のにやけた顔に我慢が
 出来ぬと言うだけでござる」

男「……」
B男「ダメでござるか?」

男「大事なのはその眼鏡さんの意見だね」

B男「……抵抗は出来ないと云っているでござる。
 それほど職場が無くなることが怖いのでござる」

男「そうか」
B男「愉快では、ござらんよ」

男「野良だからな」
B男「野良でござるから」


451 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 19:36:02.20 ID:pBOgrgU0
人間として最低だな・・・M野・・・。

452 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 19:36:43.50 ID:3glbGoDO
語尾がござるじゃなかったら文句無しにかっこいいのに・・・


453 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 19:40:18.93 ID:lPBcTgUP
男「――判ったよ。案件は前倒そう」
B男「了解でござる」

男「ネゴシエートはこちらで行うよ。
 B男は眼鏡さんともう一度話してみて。
 根性がある人なんでしょ?」

B男「そうでござる」

男「持ってる根性でも、使えなきゃ意味がない。
 使えるようにしてあげて。じゃなければ、意味がない」

B男「トラブルを抱えても?」

男「抱えてもやる気でしょ?」

B男「さようでござるね」

男「現時点から、その眼鏡女さんも神楽坂班だ」

B男「――感謝するでござる」

男「B男が面倒見るんだよ」
B男「判ったでござる」

男「しくじらないでな」
B男「承った、マネジ殿」


458 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 20:00:09.65 ID:lPBcTgUP
――6/5、水曜日 14:00 神楽坂作業室

新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

男「はい……。そうです。……お話は伺っております。
 はい、はい……144番以降すべてですね?」

男「いえ、それには及びません。こちらの現場に複製が
 ありますので。はい、はい……タイムスタンプの確認だけ
 よろしいでしょうか?」

新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

男「はい、はい……そうです。いえ、とんでもない。
 では、失礼します」

ぴょろりん

C男「メールだ。俺」
男「変な音にしてるのな」

C男「営業。――仕事増えた」


459 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 20:01:16.01 ID:lPBcTgUP
男「どうして?」

C男「作業中の春日のやつ。発注忘れだって」ぎりっ

男「……」
C男「営業は捨てよう」

新人女:カタカタカタ
男:カタカタカタカタカタカタカタカタ

男「うん、いいぞ。でも仕事は捨てないで」

C男「…… 捨てよう」
男「ダメ。試合壊すなよ」

新人女「……」おろおろ

C男「捨てたい」
男「同感」

新人女「……」おろおろ

男「それでも守れ」
C男「同意」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタカタ


460 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/24(金) 20:02:02.54 ID:tJUxKxY0
C男すごい早くなってね?


461 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 20:04:29.17 ID:lPBcTgUP
――6/5、水曜日 19:00 神楽坂作業室

男(――予想より進捗が遅いな)

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男(無理もないか……二人とも、デスマなんて初めてだ)

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男(……どうする。残すか、帰すか)

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男(どうすればいい? どう使えばしのげる?)


465 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 20:05:34.10 ID:lPBcTgUP
かたり

新人女「男さん」
男「ん? どうした?」

新人女「あの……わたし。今日は」
男「ん。了解。かえって。ゆっくり休んで」
男(ここが限界か……)

C男:カタカタカタカタカタカタ

新人女「はい。では失礼します。ちょっと急ぎますから」
男「はいはい。おつかれー!」
新人女「お先しますっ」

男「C男はどうする?」
C男「家なんて捨てた」

男「そっか」
C男「いっそ気楽」
男「それも同感、かな」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

C男「夜明けまでには、まだ10時間
 ――限界を捨てるにはちょうど良い」


467 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 20:09:13.47 ID:lPBcTgUP
――6/5、水曜日 23:40 神楽坂作業室

男「なーんていってから約5時間ですが」
C男「おおっ」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

男「限界見えた?」
C男「言葉尻をとらえるマネジは捨てよう」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

男「なんか、最近さ。だんだんC男と話せるようになってきたよ」
C男 ぷいっ

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

男「やっぱ、修羅場を過ごしてみるもんだな」
C男「惰弱なマネジは嫌いだ」

男「すいません」


469 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 20:11:17.36 ID:lPBcTgUP
C男「仕事を断れないから下のものが苦しむ」
男「まったくだ」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

C男「無能な中間管理職に死を」
男「さすが先輩の弟子だなぁ。容赦がない」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

C男「勝たないと許さない」
男「……」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

C男「捨てたものより大きな物を拾わないと許さない」
男「……」

C男「一生」
男「一生なのかよっ! 重いよっ!」


471 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 20:15:08.28 ID:lPBcTgUP
男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

C男 ぐー
男「腹減ったな」

C男「食欲を捨てよう」
男「いや、食おうよ。身体壊すよ」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

C男「そんな時間はない」
男「効率落ちるぞ」

C男「出前?」
男「時間遅いしなぁ」

C男「備蓄をくれ」
男「カロリーメイト? どれがいい? フルーツとチョコ」
C男「フルーツ」

男:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタカタ

男「了解。ちとまって」ごそごそごそ

かんかんかんかん……がちゃり


478 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 20:21:18.83 ID:lPBcTgUP
新人女「新人女ただいま戻りましたっ」

男「え?」 C男:カタ

新人女「家かえってシャワー浴びてきました。着替えも」

男「……だって、さっき帰ったでしょ?」

新人女「はい。準備を整えて再出撃で」

男「こんな時間、泊まりになっちゃうよ?」

新人女「いえ。8時間早く出勤しただけです」

男「――」

新人女「ずるいですよ。二人だけで全部仕事しようだなんて。
 私だって神楽坂班ですし……。解かなきゃならない
 謎だってありますし」

男「……」

新人女「いえ。それは私事ですけど。あ、そうです。
 サンドイッチ買ってきましたよっ。補給物資です」にこっ


483 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 20:26:59.17 ID:lPBcTgUP
C男「……ん。もぐ、もぐ」
新人女「……こくん」
男「もぎゅ、もぐ」

C男「新人女」
新人女「はい?」

C男「ナイス」ぐっ
新人女「ありがとうございます。紅茶もどうぞっ」

男「それにしてもこうくるとはね~」

C男「?」
新人女「はい?」

男「いや、なんか可笑しくって」
新人女「そうですか?」

C男「もっぎゅもっぎゅ」

男「うん。なんか悩むのもばからしい気分」

新人女「??」


484 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 20:32:35.78 ID:lPBcTgUP
男「『どう使えば』とかバカの言いそうな台詞だよな。
 あははははっ。や、最高だわ」

新人女「はい? はい?」

男「要請無しでも兵站補給に援軍だもんな。ははははっ」

新人女「?」きょとん

男「C男、残りどうだっけ?」

C男「夜明けまで4時間と38分」

男「ブリッツクリークにはちょうど良いか」

C男「中央突破」

男「んじゃ、新人女さんも。無理はしないで」

新人女「女さん程度に自重します」

男「そっか。あはははっ。じゃぁ、4時間。
 いってみようか」


488 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 20:38:14.90 ID:lPBcTgUP
――6/6、木曜日 06:30 神楽坂作業室/会議室

新人女「……失礼します」そぉ
男「くぅ……。すぅ……」

新人女「わぁ……。ぼろぼろだ」

男「……んぅ。……すぅ」

新人女「こんなになっちゃうまで、働くんだ。
 男の人って……」

男「……」くてっ

新人女「前髪、ぱさぱさ。身体中ぼろぼろだし」

男「……んぅ」

新人女「全然ステキじゃないんだけどな。お洒落じゃないし。
 きっと音楽とかにも詳しくないし、ドライブなんて
 絶対に連れて行ってくれないし」

男「……すぅ」

新人女「全然違うのに」


491 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 20:40:35.80 ID:lPBcTgUP
男「すぅ……」

とくん

新人女 なでなで

男「んぅ……」

新人女(…………っ!?
 触っちゃったっ。
 そんなつもり無かったのに……。
 そ、そうなのか。私やっぱりそうなんだ。
 気持ちがあふれてる。こぼれちゃってる。
 わたしは、やっぱりだったんだ)

男「…………ん」ぼぉっ

新人女「あの、男さん? 時間ですよ」

男「ん。……わかった。10秒待って」むぅっ

新人女「はい……」じぃっ

男「おけ。再起動した。目覚ましさんきゅ」

新人女「はいっ」


493 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 20:55:47.26 ID:lPBcTgUP
ほどよいので、ここで一端切りますです。
いや、もうね。おいらダメ人間。
誤爆とかね、死んでわびるべき(T∇T)

んでは、休憩いってきます、またっ。

新人女「まだ私のターンっ!」
いんせくとはが「なん……だと……?」



496 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 20:59:44.36 ID:xE9JN020
>>1が好きで堪らない



507 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/24(金) 22:33:38.90 ID:wS.aubg0
バシっと帰宅したのでこれから読ませて頂く所存です

妄想最寄り駅
 
男→西武新宿線上石神井
女→東西線原木中山
新人女→総武線市川


509 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/24(金) 23:36:02.87 ID:vBGi9rwo
聞きたいことがあるんだけどいいかな?

508 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 22:43:56.86 ID:gmTfuS6o
男が練馬で、女が千葉、は確定済みらしい。

ラブホ止まったくだりで、普段4時間睡眠→移動せずラブホで8時間睡眠なので、
通勤時間は、片道おおよそ1時間~1時間半程度、片道残り1時間~30分は、支度等と推察される。


511 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 23:38:07.44 ID:gmTfuS6o
>>509
聞きたいことってなんぞ?


512 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/24(金) 23:39:59.89 ID:wS.aubg0
我々無関係者がドンと答えてやらんとも限らん

513 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/24(金) 23:51:22.24 ID:6CW6YsAO
パー速くるとみんな優しいなwwwwwwww

514 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/24(金) 23:55:18.76 ID:kyGWxVso
>>513
そりゃパー速は好きで追っ駆けてる奴しかいないんだし。


521 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 01:36:58.77 ID:jWzJ0eQo
ただ、パー速はスレごとの独自ルールがやたら徹底し出すのが玉に瑕
このスレは全然マシだけど


518 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/25(土) 00:51:55.45 ID:iOSTEISO
C男と新人女には申し訳ないが、男と女には幸せになってもらいたい…



次→同僚女「信用したいって云うたら嫌いになる?」その2


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