SS書き俺「SS書くからお題ちょうだい」 クソガキ「う●こ」

2020-02-08 (土) 18:01  オリジナルSS   0コメント  
1: ◆DlK/q.XOv. 2020/01/18(土) 23:02:38.74 ID:NZM4sMFZ0



俺「……くそがきめ。そんなクソみたいなお題で、SS書けるわけねえだろ。う○こだけに」

クソガキ「それは、本心から言っているの?」

俺「!?」

俺「て、てめえ、どこから!?」

クソガキ「そんなことは、どうでもいいよ。それより、お兄ちゃん、本当に『う○こ』なんかじゃ面白いSSは書けないって思ってるの?」





2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/18(土) 23:03:14.65 ID:NZM4sMFZ0


俺「あ、あたりまえだろ! こっちは、それなりに長い年月をSSに費やしてきたんだ!」

俺「そんな俺が、いまさら『う○こ』なんてお題でSSを書くわけねえだろ!」

クソガキ「そうか、おにいちゃんは忘れてしまったんだね……」

俺「?」

俺「いったい、俺が何を忘れているって言うんだ?」




3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/18(土) 23:04:38.87 ID:NZM4sMFZ0


クソガキ「お兄ちゃんにもあったはずだよ……」

クソガキ「たった『う○こ』の一言で大笑いしていた時期が」

俺「!」

クソガキ「思い出してごらん、目に入る何物にも好奇の眼差しを傾けた、あのセピア色の少年時代を」

クソガキ「そう! お小遣いを握りしめて、近所の駄菓子屋にコロコロを買いに行ったあの頃の思い出を!」

俺「!!!」




4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/18(土) 23:05:07.14 ID:NZM4sMFZ0


~~~回想~~~

少年時代俺「うおおおおお!!! ドラゴンキッドくんすげええ!!! う○こで上級生倒しちまった!!!」

少年時代俺「『ドラゴントルネードう○こ21』なんてクソみたいな技で! 面白いだけでなくかっこいいなんて最高やないか!」

少年時代俺「俺もいつかこんな漫画を書いてみてえなぁ!」




5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/18(土) 23:05:42.88 ID:NZM4sMFZ0


~~~

俺「」ホロリ

俺「そうや……思い出した。俺もかつては、たかが『う○こ』で感動を覚える一人の少年やったんや」

俺「それが、いつのまにかこんな気取った嫌な大人になっていたなんて……」

クソガキ「ようやく、思い出してくれたようだね」




6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/18(土) 23:06:10.15 ID:NZM4sMFZ0


俺「ああ! そうさ、俺もかつてはう○こ一つで腹がよじれるほど笑い転げた身!」

俺「匿名掲示板にSSを投下する最底辺の物書きの癖に、変に気取って高尚なものを書こうとしていたなんて恥ずかしい思いだ!」

クソガキ「あぁ、今の君の目はかつての輝きを取り戻した! さあ、学級王ヤマザキやゴーゴーゴジラ松井君を読んでいたころの自分をもっと呼び起こすんだ!」




7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/18(土) 23:06:37.04 ID:NZM4sMFZ0


~~~回想~~~

少年時代俺「父ちゃんが買ってきてくれた、このゲームなんや? なんかポケモンによう似とるなぁ。ロボットぽんこっつ……?」

少年時代俺「そういえば、おんなじ名前の漫画があったなぁ! ようわからんから流し読みしとったけど、もっとしっかり読んでみよ!」

少年時代俺「な、なんやこのおっぱい……こんなん気持ち悪いで!」ドキドキ

~~~




8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/18(土) 23:08:21.84 ID:NZM4sMFZ0


クソガキ「いいぞ! さあ! もっとだ! もっとかつての記憶を呼び起こすんだ!」

~~~

少年時代俺「母ちゃん! この雑誌、俺が頼んだ奴じゃねえよ! なんで間違えたんだよ!」

少年時代俺「もう! こんどからは絶対に自分で買いに行くからな!」

少年時代俺「たくっ……これだから母ちゃんはあてになら……なんやこれ……」

少年時代俺「ななななんやこれ! こここれがポケモンなんか!? 電撃ピカチュウ?/// 」




9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/18(土) 23:09:23.23 ID:NZM4sMFZ0


~~~

俺「……いま。俺は完全に思い出したよ」

俺「そう、あの頃の俺は低俗だとか高尚だとか、そういうクソくだらねえ価値観をいっさい有しない。純粋な、ただただ純粋な月刊コロコロコミックを愛する一人の男の子だった」

俺「それが、いまの俺ときたら……」

クソガキ「完全に思い出したようだね」

俺「ああ! 今の俺はどうしようもなく『う○こ』をお題にSSを書きたい気持ちだ!」

クソガキ「ふふふ、それじゃあ僕の役目も終わりだね……」

俺「誰かは知らねえが感謝するぜ! さあ、さっそくSSにとりかかろるとするか!」




10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/18(土) 23:09:53.37 ID:NZM4sMFZ0


そうして、男はひとつのSSを書き下ろした。
それは作中作を使った、まるでコロコロコミックに出てくるう○この様に妙にひねったものであったが、かつての少年の心を取り戻した男の渾身の一作であった。
果たして、そのSSにどのような評価がなされるものか……。そんなこととは、裏腹にSSを書き上げた男の表情はいつになくスッキリとしたものであった。
そう、う○こだけに。


~~fin ×




12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/19(日) 00:27:18.48 ID:TcrKvpHu0

ボンボン読者じゃねえか



14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/19(日) 04:14:43.14 ID:eD2vH2Hq0


あーでんぢゃらすじーさん思い出した、あれ今でもギャグマンガの最高峰だと思ってる




元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1579356158/

関連記事

オリジナルSS   コメント:0   このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント一覧
コメントの投稿