QB「少しくらい、本当の奇跡が起こってもいいじゃないか」

2012-03-01 (木) 00:36  まどか☆マギカSS   0コメント  
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:10:53.72 ID:xWxN8pHX0

ある病室のベッドに、一人の少女が眠っていた。


正確には眠っているわけじゃない。

意識はちゃんとあって、色々なことを考えていた。

でも彼女は頭に大きな怪我を負っていて、動くことも感じることも、殆ど出来なかったんだ。


目も、耳も聞こえず……真っ暗闇の中。 風が体を撫でる感覚と、その匂い。

彼女を死体だと勘違いしたハエが体を這う感触。 一日一回、看護師が体の位置を直していく感覚。

その手を握る者ももう居ない彼女にとっては、それが世界のすべてだった。


彼女は途方も無い、退屈な時間の中で……ただ夢を見ていた。

共に戦う仲間、生きる目的、大切な家族。 そのすべてがある世界を……

……つまり幸せな日常を、彼女は夢想していた。


闇の中、一人孤独に……ずーっと。


――――――――――――――――


eval.gif魔法少女まどか☆マギカ KEY ANIMATION NOTE vol.6




2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:11:19.09 ID:xWxN8pHX0

――――――――――――――――


タッ タッ タッ タッ タッ タッ タッ タッ



まどか「はっ、はっ、はっ、はっ……」



タッ タッ タッ タッ タッ タッ タッ タッ…



まどか「はっ、はっ、はっ……はあ……」



EXIT



まどか「………?」



コッ コッ コッ コッ コッ…



3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:11:44.10 ID:xWxN8pHX0

ガチャッ… ガチャンッ


まどか「んっ……く」

まどか「……あっ!」



ほむら「………!」



バッ!



6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:12:16.17 ID:xWxN8pHX0

ほむら「――っ!」

ほむら「―――ぁっ!!」



まどか「ひどい……」

QB「……彼女には荷が重すぎたと思うかい?」

QB「でも、彼女も覚悟の上だろう」



ほむら「――っ!」ググッ



まどか「そんな、あんまりだよ!」

まどか「こんなのってないよ!」



7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:12:42.21 ID:xWxN8pHX0

ほむら「―――ぁ……」



まどか「……っ!」



ほむら「――――っ!!!」



QB「……諦めたらそこまでだ」

まどか「あっ……」

QB「でも大丈夫、彼女ならきっと運命を変えられる」

QB「避けようのない滅びも、嘆きも」

QB「すべて覆すさ……」

QB「……そのための力が、彼女には備わってるんだから」

まどか「……本当なの?」



8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:13:14.24 ID:xWxN8pHX0

まどか「こんな状況でも……本当に何かできるの?」

まどか「この結末を変えられるの?」

QB「もちろんさ!」



QB「だから僕と契約して……魔法少女になったんだろう?」



―――――――――



11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:14:43.23 ID:xWxN8pHX0

まどか「……ふあ」パチッ


まどか「…………」

まどか「はあ……夢オチ?」

QB「うう……」

QB「……まどか?」モゾモゾ

まどか「ひゃっ!?」ビクッ



13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:15:09.62 ID:xWxN8pHX0

QB「何をそんなに怯えているんだい……」

QB「……というか、随分早起きだね?」

まどか「あ、ごめん……」

まどか「なんか、変な夢見ちゃって」

QB「ふーん? 僕はまだ眠いっていうのに……」ゴロゴロ

QB「君があんまり強く抱きしめるから、苦しくて起きちゃったじゃないか」

まどか「……ごめんなさい」ショボン



15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:15:48.64 ID:xWxN8pHX0

QB「まあいいさ……ふわあ」

QB「僕は二度寝するけど、君はうっかり寝過ごさないようにね……」

QB「……くう……くう……」スヤスヤ

まどか「……相変わらず早いなあ」

まどか「…………」

まどか「……でも、なんであんな夢見たんだろう?」

まどか「あれ、ほむらちゃんだよね……」

まどか「夢に見るほど気になってるのかなあ? うーん……」


まどか「……ま、いっか」


………………………………



16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:16:12.77 ID:xWxN8pHX0

――朝 まどか宅



テレレッテレーン♪ オハヨウゴザイマス…ニュースノジカンデス…



達也「うー……」キュムッ

達也「……あっ!」スポンッ!


コロンッ…


詢子「おっと!……ってあれ?」

詢子「おかしいなあ……確かにトマトが落ちたと思ったんだけど……」キョロキョロ

まどか「あーっ……見間違いだよきっと!」アタフタ



17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:16:36.01 ID:xWxN8pHX0

詢子「? そう、かな……」

まどか「やだなあ、まだ寝ぼけてるんだね……」ガシッ

QB『わっ、なんだいまどか? 急に尻尾を掴まないでよ』

まどか『……もう! 落ちたもの勝手に食べないでよ!』



18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:17:04.21 ID:xWxN8pHX0

QB『失礼な、ちゃんと落ちる前にキャッチしたよ』

まどか『そういう問題じゃないよ! バレたらどうするの?』

QB『見えないから平気さ……きゅっぷい』

まどか「はあ……」

知久「まどか? さっきからうつむいて、どうしたんだい?」

まどか「えっ?」

知久「不味かったかな……?」

まどか「いや、全然! 美味しいよ!」モグモグ

知久「……そうかい? なら良かった」



19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:17:48.62 ID:xWxN8pHX0

ツギノニュースデス… サクバンオキタジコデダンジョフタリガ…


詢子「おっ、もうこんな時間か……」


チュッ チュッ  パンッ!


詢子「……よし! それじゃ、行ってくる!」

まどか・達也・知久「「「いってらっしゃーい」」」

知久「……さ、まどかも急がないと」

まどか「えっ? あ、うん!……はむっ」モクモク

QB『急いでるなら、それ僕が食べてあげようか?』

まどか『いいよ……食いしん坊だなあ』

QB『きゅっぷい!』


………………………………



23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:19:55.21 ID:xWxN8pHX0

――通学路



さやか「……あっはははははは!!」


まどか「えっ!? なんで笑うの?」

さやか「いやー、だって……そんなに転校生のことが好きか!ってさ」

仁美「まあ……やっぱりそういうことでしたのね」

まどか「違うよ、そんなんじゃないって……」

仁美「いいえ! これは言い逃れできません」

仁美「夢は人の願望を反映すると言いますからね」

まどか「そんな……」

QB「……ところで君たち、僕の扱いについては何も疑問を持たないのかい?」



24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:20:21.84 ID:xWxN8pHX0

さやか「え? そんなに違和感ないけど」

仁美「そうですね、それはそんなに……」

QB「……落ち着いてくれさやか、僕がそんな、怪しい契約とかするように見えるのかい?」

さやか「見えるけど」

仁美「見えますね」

まどか「まあ……ちょっと怪しい感じはするね」

QB「………!」ガーン

QB「……き、君たちはいつもそうだよ」

QB「地球外から来たというだけで、やれ侵略者だの、外敵だのと……」

さやか「あーあ、また始まっちゃった」



25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:21:54.96 ID:xWxN8pHX0

QB「……大体おかしいよ、なぜ自分より高度な文明をもった生物を冷徹だと思い込むんだい?」

QB「技術が発展すれば、それだけ人の心も充実するに決まっているじゃないかもう……」

まどか「ご、ごめんねキュゥべえ……」

さやか「まあ、その……何? 魔法少女っての?」

さやか「なんかすごそうな感じだし、それとキュゥべえを結びつけるのは当然でしょ」

まどか「そうだよ! ほら、テレパシーとかできるし!」

QB「……本当にそう思ってるかい?」ジトッ

まどか「もちろん!」

QB「なら……いいけどさ」キュップキュップ

さやか(うわ面倒くさ)



26: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2012/02/26(日) 18:22:01.79 ID:PflmX6dY0

あれ…ワカメに見えている…



27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:24:19.58 ID:xWxN8pHX0

QB「ほらほら、早く行かないと遅刻しちゃうんじゃないのかい?」ペシペシ

さやか(急に調子乗りだしてるし……)

まどか「あ……そうだね、走ろうか」タッ

仁美「あっ、ちょっと待ってください! まだ話は……!」タッ

さやか「ちょっ、置いてかないでよ……」タッ



ほむら「…………」ジーッ



……………………



28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:25:14.63 ID:xWxN8pHX0

―――――――――――



……しかし、そんな彼女にも話相手が出来ることになる。


ある時、彼は突然現れて――といっても、周囲の状況が何もわからない彼女にとっては、

何もかもが突然だけど――彼女の手を握った。

彼女は久々に手を握られたことに驚き、それが誰なのかに疑問を持った。

まず彼女は家族を思い浮かべ、次に友人を思い浮かべた。

しかしすぐに、そんな可能性は無いことに気付き……それが医者か、入院患者のものだと結論づけた。



29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:26:00.61 ID:xWxN8pHX0

それでも、彼女にとって嬉しい客であることは間違いない。

彼女はその、細い指と小さな手のひらの感触を、そこから伝わる体温を、しばらく堪能することにした。

すると彼は、彼女の手を持ち上げ、手のひらに人差し指を当ててくすぐりだした……という風に、彼女は感じただろう。

実際、それが手のひらに文字を書くことで、会話を試みているということに気づくまで何時間も必要だった。


――わかりますか? イエスならからだのどこかをにかいれんぞくでうごかして


彼女はこの最初のメッセージを受け取ると、言われた通りに、わずかに動かせる指先を二回動かした。

彼は了承した、というサインのつもりか、彼女の頭を優しく撫でた。



30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:26:39.96 ID:xWxN8pHX0

彼女は感動しただろう。 もう二度と出来無いと思っていた他人とのコミュニケーションが、成立したんだから。

しかし、彼はそれくらいでは満足しなかった。

彼は再び彼女の手を取ると、その手のひらに文字を書き始めた。

何を書いたかはわかるだろう? 話が通じることがわかったら、次にすることはひとつ。

自己紹介だ。



――やあ ぼくはキュゥべえ!



―――――――――――



31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:29:48.34 ID:xWxN8pHX0

――教室



まどか「はあっ、はあっ……」テッテッテッ

まどか「ふう……間に合った」

ほむら「あら、まどか……おはよう」

まどか「へっ? あ……うん、おはよう……」ドキッ

ほむら「……? どうかしたの?」

まどか「い、いや、なんでもないよ!」

ほむら「そう……?」

まどか(うう……みんなが変なこと言うから、意識しちゃうよ……)



32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:30:13.99 ID:xWxN8pHX0

ほむら(……何かあったのかしら?)

QB「やあ、おはようほむら」ヒョコッ

ほむら(なんだか顔が赤いし、ぼーっとしているし……熱でもあるんじゃ)

QB「……ねえ、ほむら?」

ほむら(そういうことは隠したがる子だし、あまり楽観視するのも……)

QB「ちょっと、無視しないでくれるかな!?」

ほむら「ん?……ああ、居たの」

QB「」



35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:30:54.44 ID:xWxN8pHX0

まどか「ほ、ほむらちゃん……流石にそれはちょっと……」

ほむら「……ごめんなさい」

QB「そ、そうだよ……どうして君はそんなに僕を毛嫌いするんだい」

まどか「わたしもちょっと気になってたな、どうして?」

ほむら「え? どうしても何も……」


ほむら「……気持ち悪いじゃない」


QB「」

ほむら「白に赤ってカラーリング、妙に理屈っぽい口調……」

ほむら「一見無表情で何考えてるかわからないのに、実は面倒くさい性格なのも」

ほむら「なんというか、生理的に無理なのよ」

QB「」フラッ…



38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:34:09.81 ID:xWxN8pHX0

まどか「あ、キュゥべえ!……行っちゃった」

まどか「もう、一度スネるとしばらく直らないんだよ?」

ほむら「ごめんなさい……つい本音が」ファサッ

まどか(全然悪いと思ってない……)


さやか「ふぃー、やっと着いた……って、あ!」

仁美「流石に疲れましたわね……」

さやか「それよりもあれ! 見てよほら!」

仁美「……?」


さやか「まどかが転校生とイチャイチャしてるーっ!」ビシッ


まどか「えっ……」ピシッ

ほむら「はっ……」ビクッ

仁美「なっ……!」



39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:35:20.57 ID:sbKzs8uP0

キマシタワー



40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:44:52.95 ID:xWxN8pHX0

さやか「いやあ、二人共隅に置けないねえ」ニヤニヤ

仁美「そんなまさか……急展開過ぎますわ!」


ザワザワ… ザワザワ…


まどか「……ち、ちょっとさやかちゃん!? いきなり何言い出すの!」スタスタ

さやか「えーっ、だってー」

まどか「教室の空気がおかしくなってるよ! もう……!」



41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:45:28.44 ID:xWxN8pHX0

さやか「でも、転校生の夢を見たんでしょ? いいじゃん認めちゃえよー」ツンツン

まどか「それはもういいでしょ!? ほら、ほむらちゃんだって困って……」クルッ

ほむら「…………」

まどか「……ほむらちゃん?」

ほむら「…………」

さやか「おーい、転校生ー?」フリフリ

ほむら「…………」

さやか「……駄目だ、完全に止まってる」



42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:47:39.19 ID:xWxN8pHX0

まどか「さやかちゃん……」ジトッ

さやか「いや、これはあたしのせいじゃないし」フイッ

ほむら「…………」


早乙女「はーい、授業始めますよー」スタスタ

早乙女「……ほらそこの三人、イチャついてないで席につきなさい」



まどか「イチャついてませんっ!!」



……………………………



43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:48:03.86 ID:xWxN8pHX0

――通学路



ほむら「……じゃあ、私はこっちだから」

まどか「うん、また明日ね」

ほむら「……また明日」ニコッ

さやか「ばいばーい」フリフリ

ほむら「……チッ」スタスタ

さやか「えっ」



44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:48:32.76 ID:xWxN8pHX0

さやか「し、舌打ち……? 何この扱い?」

まどか「あはは……今朝のこと、根に持ってるんじゃないのかな」

さやか「そんなあ……軽いジョークじゃん」ガクッ

まどか「しょうがないよ、自業自得だもん」ニコニコ

さやか「うっ、まどかが黒い……」

QB「……僕の気持ちがわかったかい?」ヒョコッ

さやか「うわっ!?」



45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:51:52.56 ID:xWxN8pHX0

まどか「いつのまに……」

QB「きゅっぷい」

さやか「……お、脅かさないでよ!」

QB「ふふん……君はこれをちょっと機に反省した方がいい」

さやか「え……?」

QB「邪険に扱われればね、誰だって傷つくのさ……」

QB「……わかるだろう?」ポム

さやか(うっぜえ……)ビキビキ

まどか「ぼ、暴力は駄目だからね……」



46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:52:25.82 ID:xWxN8pHX0

さやか「……ま、まあね、あたしにも落ち度はあったわ」

さやか「これからはもうちょっと気をつけるって」

QB「そうだね、それがいいよ」キラキラ

さやか「」イラッ

まどか「あ、あー! そういえばさやかちゃん、病院行かなくって良いんだっけ!?」アタフタ

さやか「え?……なんで?」キョトン

まどか「いや……なんか用事なかったっけ?」

さやか「別に無いけど……」



47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:54:02.48 ID:xWxN8pHX0

さやか「……ああ、そういえば一時期、恭介が入院してたからなー」

さやか「でももう退院したし、行く必要無いよ?」

まどか「え?あれ……そうだったかな」

QB「僕もそうだと記憶してるけど? 最近はもっぱらコンビニだね」

まどか「……そういえばそうだね」

まどか「いつもお菓子とか買い込んでいくけど、どうしたの?」

さやか「えっ? いや、それは……その」

まどか「………?」



48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:54:13.35 ID:PflmX6dY0

キュゥべえは感情があるとウザいな



49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:54:48.31 ID:xWxN8pHX0

QB「……そうだ、そういえばこの前」

QB「君はお菓子の入った袋を抱えて、工場がある方に歩いて行ったね?」

さやか「なっ!? 何であんたが知ってんのよ!」

QB「いやあ、ちょっと尾行しただけでぐきゅっ……」

さやか「この変態宇宙人があ……っ!!」ギリギリギリ

まどか「あー! さやかちゃん、それ以上やったら死んじゃうよ!」

さやか「……ちっ」パッ

QB「ぷはあっ……ひどいよいきなり……」



50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:55:32.04 ID:xWxN8pHX0

QB「ぼ、僕はただ、暗いところに入って行くから心配しただけじゃないか!」

さやか「だからってついてくる? これだから外道の淫獣は……」

QB「!!」ガーン

まどか「さやかちゃん、そこまでにしてあげて……」

まどか「……それに、わたしもちょっと気になるな」

まどか「そこで何してたの?」

さやか「えっ? それは……えっと」

QB「野良犬でも飼ってるんじゃないのかい?」

さやか「うっ……」ギクッ

まどか「そうなの!?」

QB「……言っておくけど、人間の食べ物を与えるのは良くないよ」



51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:56:19.37 ID:xWxN8pHX0

さやか「そ、そんなんじゃないって!」

QB「じゃあなんだって言うんだい?」

さやか「それは……」グヌヌ

まどか「えー、わたしもいぬ見たいなあ……」

QB「さやか、君はまどかがかわいい動物を好きだと知っていて隠しているのかい!?」キリッ

さやか「え? そうだったんだー、キモいのと一緒に住んでるからそういうイメージ無かったわ」

QB「!!」ガーン!

まどか(……さやかちゃんって、意外とほむらちゃんとも気が合いそう)



52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 18:57:05.23 ID:xWxN8pHX0

さやか「はあ……まあ良いか」

さやか「そんなに知りたいっていうなら連れてってあげる」

まどか「本当!? いぬ……可愛いんだろうなあ」

さやか「だから犬じゃないって……」

さやか「……まあ、ある意味犬みたいなもんだけど」ボソッ

まどか「え? どういうこと?」

さやか「見たほうが早いよ……さ、行こう」タッ

まどか「うん……?」トテテ

QB「わけがわからないよ……本当に人間はいつもいつも……」トボトボ



ほむら「…………」ジーッ



………………………………………



53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 19:00:30.55 ID:xWxN8pHX0

―――――――――――――――



キュゥべえ、と名乗る人物は、それから何度も彼女のもとを訪れた。


本人によれば、彼はその病院の医者で、まだ若い。 キュゥべえはあだ名。

顔はまあまあだけど童顔で、小柄な体格もあってか女性みたいだと笑われる。

そのことと、生まれつき総白髪なのがコンプレックス。

彼女の手を握った理由は……あんまり退屈そうな顔をしていたから、つい。


彼はそのようなことを聞かれるままに話すと、今度は彼女に質問をした。


――きみは どんなことをはなしてほしい?



55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 19:01:20.78 ID:xWxN8pHX0

彼女はわずかに動く指先で、アルファベットの小文字を使い、彼にその意思を伝えた。


――キュゥべえがいちばんとくいなこと


彼はそれを一生懸命聞き取り、答えた。


――なら ものがたりでもつくろうかな


――とくいなの


――ああ ぼくはいろがしろいからあまりそとにでれなくてね

――しょうせつをかくとか そんなことばかりしていたんだよ


――きたい



――じゃあ まほうしょうじょのはなしでもしようか



―――――――――――――――



56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 19:01:52.67 ID:xWxN8pHX0

――廃工場近辺



さやか「えーっと、確かこっちの方に……」

さやか「……あった」

まどか「えっと……工場?」

QB「のようだけど……既に廃工場みたいだね」

さやか「そうだよ、でも人が住んでるんだ」

まどか「え……人?」

QB「そ、それって……ちょっと、まずいんじゃないのかい?」



57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 19:02:31.67 ID:xWxN8pHX0

さやか「あはは……あんた達が想像してるようなのじゃないから、安心してよ」

まどか「そうなの……?」

さやか「まあ、見たほうが早いって! お邪魔しまーす」スタスタ

まどか「え? あ……」

QB「まどか、とりあえず入ってみようよ」

まどか「うん……」トテトテ



58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 19:03:17.00 ID:xWxN8pHX0

――廃工場内部



杏子「……ん? お、さやかじゃん」

杏子「またお菓子持ってきてくれたのか?」ワクワク

さやか「うん、ポッキー買ってきたよ」

マミ「あら美樹さん、紅茶入ってるわよ」カチャカチャ

さやか「あ、マミさん! ありがとうございます」

マミ「ふふ、どういたしまして」

杏子「……ところでさやか、そいつらは?」

さやか「ん?」

まどか「…………」ポカーン

QB「……これは一体何の集まりだい?」



59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 19:05:28.31 ID:xWxN8pHX0

さやか「ああ、あたしの友達」

さやか「気になるっていうから連れてきちゃった」

杏子「……なるほどね」

まどか「あ……えっと、はじめまして、鹿目まどかです」

QB「僕はキュゥべえだよ」

まどか「えっ?」

QB「何を驚いているんだい、彼女にも僕は見えてるよ」

QB「さっき、僕らのことをそいつらって言ってたじゃないか」

まどか「ああ、そういえば……」



60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 19:07:03.62 ID:xWxN8pHX0

杏子「ああ、お前らが……へえ、本当にぬいぐるみが喋ってるんだな」

QB「僕はぬいぐるみじゃ……!」

QB(……いや、待てよ? これは可愛いと思われてるってことじゃあ……)モンモン

まどか「わたしたちのこと、知ってるんですか?」

杏子「ああ、さやかがよく話すからな……っと、そういえばこっちの自己紹介がまだだったか」

杏子「あたしは佐倉杏子、色々あってこの教会に住んでるんだ」

さやか(またアバウトな説明ね……)

マミ「……私は巴マミよ」

マミ「はじめまして、鹿目さん」ニコッ

まどか「………!」


――ズキッ


まどか「……は、はい、はじめまして」



61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 19:08:26.53 ID:xWxN8pHX0

まどか(……なんだろう、今の?)

まどか(なんか、頭が痛い……)

まどか「……あの、マミさん?」

マミ「? どうしたの?」


まどか「その……前に、どこかで会いましたか?」



62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 19:11:27.86 ID:xWxN8pHX0

マミ「え? えーっと……」

杏子「へえ? 随分と古い口説き文句だなー」

まどか「ふえっ!? そ、そんなんじゃ無いよ!」

さやか「ま、まどか……もしかしてあんた、初対面の美人には毎回これを」

QB「なるほどね、ほむらに言ったらどんな顔するかな?」

まどか「だから違うってば!」



63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 19:14:24.23 ID:xWxN8pHX0

マミ「ふふ……そうね、残念だけど覚えがないわ」

マミ「まあ学校は同じみたいだし、どこかですれ違ったことがあるんじゃないかしら?」

まどか「そ、そうですよね! 変なこと聞いちゃってすみません」

マミ「別に気にしないわよ」

さやか「まどか……もしかしてまた夢で会ったとか言い出すんじゃないだろうなー?」

QB「あったねえそんなことも」

まどか「それはもういいでしょ!? 忘れてよ!」

さやか「あれはやっぱりキャラ作りだったのかな……」

QB「末恐ろしいなあ……」

まどか「何でこんな時だけ仲いいの!?」

マミ「ま、まあまあ落ち着いて……」

杏子「そうそう、喧嘩なんかしても腹が減るだけだぞ」モシャモシャ



64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 19:18:22.02 ID:xWxN8pHX0

さやか「……って杏子、何勝手に食べてんのよ」

杏子「これはもうあたしの物だからな」モシャモシャ

杏子「ほら、あんたも食うかい?」スッ

さやか「いいよ……本当によく食べるね」

杏子「そうか? まあ食べられるものが目の前にあるなら、食べたいな」ジーッ

QB(……なんかものすごく視線を感じる)ダラダラ

まどか(よかった、話題が変わった……)ホッ



65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 19:21:12.99 ID:xWxN8pHX0

QB「ぼっ、僕は食べられないからね!」

杏子「はは、わかってるよ」ジーッ

さやか「目が笑ってないよ杏子……」

QB「……マミ、助けて」スリスリ

マミ「よしよし」ヒョイッ

杏子「……マミ、そいつちょっと抱かせてくれないか?」ジリッ

杏子「大丈夫、かじらないから」

QB「ひっ!?」

さやか「あははは! 本当にすごいね杏子の食欲は……」



さやか「……その内、マミさんを頭からがぶっ!ってやったりしてね!」



ビキビキビキビキッ!


まどか「……っ!?」



66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 19:22:57.80 ID:xWxN8pHX0

まどか「あっ……ううっ!!」


さやか「……まどか?」

さやか「ちょっと、どうしたのよ?」


まどか「……は、あ……っ!」


QB「どうしたんだい?」

杏子「どっか、具合でも悪いのか?」


まどか「うううう……!」


マミ「鹿目さん? 私は……」



まどか「いやあああああああっ!!!!」



67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 19:26:45.70 ID:xWxN8pHX0

マミ「あ……えっと」ビクビク

まどか「はあっ、はあっ……」

QB「ま、まどか? ……何か、気に触ることでもしたかな?」

杏子「おいさやか、大丈夫なのかこいつ……? なんかの病気か?」

さやか「いや、そんなの聞いたことないけど……」

まどか「はあ、はあ……」フラッ

さやか「……まどか? どこ行くの?」

まどか「ごめん……なんか、気分が悪くて」

まどか「今日はもう、帰るね……」フラフラ



68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 19:29:54.65 ID:xWxN8pHX0

さやか「あ、あたしも一緒に……」

まどか「いい! 来ないで!」

さやか「ひっ……ご、ごめん」

まどか「…………」フラッ…


テッ テッ テッ…


QB「……どうしちゃったんだろう、まどか」

マミ「私、何かまずいこと言ったかな……?」

さやか「…………」



70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 19:31:40.59 ID:xWxN8pHX0

――廃工場近辺



テッ テッ テッ テッ…


まどか「…………」

まどか(私、何であんなこと……)

まどか(……わからない)


……ズキッ


まどか(……っ! 痛い痛い痛い!)ブンブン



72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 19:34:55.74 ID:xWxN8pHX0

まどか「はあ……はあ……」

まどか「……あ」グラッ…


――ガシッ



ほむら「まどか……大丈夫?」



まどか「ほむらちゃん……?」

ほむら「…………」

まどか「あ、ごめん……ちょっと、気分悪くって」

ほむら「……ねえ、まどか」



73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 19:37:50.87 ID:xWxN8pHX0

まどか「え? なに?」

ほむら「……もし」



ほむら「この世界が……全て夢だったら」



……ビキッ!



ほむら「……どうする?」



74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 19:40:43.29 ID:xWxN8pHX0

まどか「え……? ど、どういうこと……」ズキズキ

ほむら「これは……全部あなたの夢で、本当はまだ眠っているとしたら?」


ビキッ!


まどか「うっ……!!」

ほむら「起きれば、地獄のような現実が待ち構えている――」

ほむら「――友人も、仲間も、大切な人は皆死んで、絶望だけがそこにあるとしたら」


ビキビキッ!



まどか「……ああああああ!! やめてっ!!」



75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 19:41:35.96 ID:xWxN8pHX0

ほむら「…………」

まどか「うええ……ひぐっ……」

ほむら「……まどか、ごめんなさい」スッ

ほむら「いきなりこんなことを言って……」

まどか(……あ)

まどか(ほむらちゃんの中指……指輪?)

まどか(こんなの、今日の昼には無かったのに……)



76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 19:43:00.67 ID:xWxN8pHX0

ほむら「もしそうなら、私は……」

ほむら「あなたに、起きてなんて言えないわ」

まどか「……え?」

ほむら「あなたには、大切な家族も、友達も、未来もある」

ほむら「たとえそれが夢でも……私には、それを奪う権利なんて無い」

まどか「…………」

ほむら「……でも、私は!」


まどか「……ねえ、ほむらちゃん?」



78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 19:45:05.01 ID:xWxN8pHX0

ほむら「……何?」

まどか「もしかして、今わたしの前に居るほむらちゃんは……」

まどか「……わたしの知らない、ほむらちゃんなの?」

ほむら「…………」



ほむら「ええ……多分、あなたの知らない私よ」



まどか「そうだよね……」

まどか「わたしの知ってるほむらちゃんは、泣き顔なんて見せてくれないもん」

ほむら「え?……あっ」

ほむら「……ご、ごめんなさい」グシグシ



79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 19:48:53.32 ID:xWxN8pHX0

まどか「ふふ……良いんだよ」

まどか「…………」

まどか「……ねえ、夢は人の願いを反映するって言う、らしいけど」

まどか「もし、これが全部夢なら……」

まどか「ほむらちゃんがこんなに泣き虫で、わたしのことを大事に思ってくれてるなんて」

まどか「一生、わからなかったのかな?」

ほむら「まどか……」

まどか「ほむらちゃん、さやかちゃん、仁美ちゃん、キュゥべえ……」

まどか「皆、わたしの見たい姿ばっかりで……本当の気持ちは、一生知ることができないのかな?」

ほむら「…………」



まどか「なら、それはやっぱり……ただの夢でしか無いんだね」スクッ



80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 19:53:37.31 ID:xWxN8pHX0

タッタッタッタッ…


まどか「………?」


タッタッタッタッ… タッ


さやか「はあっ、はあっ……まどか! 大丈夫?」

まどか「さやかちゃん……」

さやか「ご、ごめん! どうしても心配になって、追っかけてきちゃった」

まどか「そんなの気にしないよ……ありがとう、さやかちゃん」

まどか「……でも、ごめんね」

さやか「え? 何が?」




まどか「さやかちゃんは……もう、いないの」



さやか「……は?」



81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 19:59:40.68 ID:xWxN8pHX0

まどか「本当は、上條くんは退院してないの」

まどか「一生治らないくらいの大怪我を負って……もう二度とバイオリンが弾けなくなっちゃった」

さやか「ま、まどか? なに言ってるのか、よくわかんないんだけど……」

まどか「それで……さやかちゃんは」

まどか「その怪我を治すために、魔法少女になったんだよ」

さやか「魔法少女? 何? また夢の話……?」

まどか「でも、さやかちゃんは……絶望して、自棄になっちゃって」

まどか「魔女に、なって……」



まどか「……死んだの」



さやか「……変なこと言わないでよまどか」

さやか「あ、あたしが死ぬわけ、無いじゃん?」



82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 20:00:41.88 ID:PflmX6dY0

わけがわからないよ
どっちが現実なのか、夢なのか
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4873763746/




83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 20:03:16.50 ID:xWxN8pHX0

まどか「…………」

さやか「あたしが……そんな、自棄になって死んだりすると思う?」

まどか「…………」

さやか「だいたい、恭介の怪我を治したからって何で絶望するのよ?」

さやか「あたしがそういう人間に見えるの?」

まどか「…………」

さやか「まどかを、大切な親友を置いて、一人でいなくなるなんて……そんなこと」

まどか「……あるよ」



84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 20:09:38.90 ID:xWxN8pHX0

さやか「え?」

まどか「さやかちゃんには……わたしよりもずっと、大事なものがあるの、大事な人が居るの!」

まどか「それを否定しないで!」

まどか「……さやかちゃんを馬鹿にしないでっ!」

さやか「………!」

まどか「こんなの……本当のさやかちゃんじゃない!」

まどか「本当の世界じゃない!」



まどか「……わたしの世界は、ここじゃない!」




バキッ!



―――――――――――――



87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 20:16:10.72 ID:xWxN8pHX0

―――――――――――――


――ほむらの部屋




まどか「……あ」パチッ

まどか「…………」ムクッ

QB「やあ、目が覚めたかい?」

まどか「キュゥべえ……ここは?」

QB「ほむらの部屋さ」

QB「君はここに来て、ほむらの話を聞いている最中に突然倒れたんだ」

まどか「それで、ずっと眠ってたんだ……」

QB「仕方ないよ、これはおそらく魔女の攻撃だからね」



88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 20:20:48.71 ID:xWxN8pHX0

まどか「魔女の?」

QB「ああ……あくまで予想だけど、君はある魔女の精神干渉を受けていたみたいだ」

QB「随分とリアルな夢だったんじゃないのかい?」

まどか「うん……一人じゃ戻ってこれなかったかも」

QB「そうだろうね」

QB「……だから、ほむらを送り込ませてもらった」

QB「君を呼び戻すためにね」

まどか「やっぱり、あのほむらちゃんは本物だったんだ……」

まどか「それで、今ほむらちゃんは何処にいるの?」

QB「……君の手の中に」

まどか「え? ……あっ!」

まどか「これ、ほむらちゃんの、ソウルジェム……?」



89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 20:25:54.86 ID:xWxN8pHX0

QB「ああ、今は特殊な処理を施して、まどかの体に働きかけるようにしている」

まどか「え、えーっと……どうすれば良いの?」

QB「向こうの寝室に体の方が寝てるから、触れさせてやると良い」

QB「それで元に戻るだろう」

まどか「わかった、向こうの部屋だね」テテテッ

QB「…………」

QB「……まどか」



91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 20:29:11.50 ID:xWxN8pHX0

まどか「え? ……何?」ピタッ

QB「よく、戻ってきたね?」

まどか「……だって、あんな夢おかしいもん」

まどか「奇跡みたいなことが何の犠牲も無く起こるなんて、そんなの絶対おかしい」

まどか「あれを見続けられる人は……」

まどか「きっと、奇跡を起こすってことが、どれくらい重いことなのか知らないんだよ」

QB「へえ、初めて君と意見が合ったね」


まどか「……でも私は、そんな本当の奇跡が全く起こらないのも、おかしいと思う」


QB「……やっぱり、君の言うことはわからないや」

まどか「ふふっ、キュゥべえはやっぱりそういう人だよね」


テテテテッ…


QB「……きゅっぷい?」



92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 20:31:56.21 ID:xWxN8pHX0

――――――――――――――



……それからキュゥべえは、魔法少女の話を即興で語り続けた。


魔法少女とは、魔法を使い、悪い魔女と戦う女の子のことだ。

彼女たちは白い猫のような生き物と契約し、様々な姿に変身する。


設定はありふれていて話の展開も王道だけど、流石に得意なことと自称するだけあって、

キュゥべえの語る魔法少女の物語は実に面白く、彼女を飽きさせなかった。



94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 20:35:49.95 ID:xWxN8pHX0

彼女は毎日、彼が来るのを今か今かと待っていた。

彼にその手が握られると、内心では飛び上がりそうなほど喜んでいた。

キュゥべえが居ないときでさえ、彼女の頭は魔法少女たちのことでいっぱいだった。

あの退屈で、空虚な日々など忘れてしまったかのように……彼女の心は満たされていた。


しかしある時、彼女はキュゥべえが話を始める前に、いくつか質問をした。



95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 20:40:15.38 ID:xWxN8pHX0

彼女が知りたかったことは2つ。 魔法少女たちの名前と、この話のタイトルだった。

キュゥべえはネーミングセンスには自信が無かったのか、それらのことはずっとあやふやにしていたからだ。

困った彼は、病院によく出入りするある女の子と、その友人の名前を借りた。

そうして、魔法少女たちは名前を得たけど……タイトルはそうもいかない。

キュゥべえは散々悩んだ挙句、主人公の名前を組み込んだタイトルに決めて、彼女に伝えた。


そのタイトルは――




――魔法少女 まどかマギカ。




―――――――――――――――



97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 20:45:00.56 ID:xWxN8pHX0

QB「……さて、まどかも目を覚ましたことだし、今の状況を説明しようか」

ほむら「何かわかったの?」

ほむら「私が寝ている間、何もしていなかったというわけじゃないんでしょう?」

QB「ああ、もちろんさ……ちょっと外を回って、色々調べてきたよ」

QB「結果、いくつかわかったことがある」

まどか「……? 外? 外で、何かあったの?」

ほむら「見てみる? ひどい有様よ」


ガチャッ


まどか「……っ!!」

まどか「嘘、空が……! これって、もしかして!」



98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 20:47:24.34 ID:xWxN8pHX0

QB「ああ、君が思っている通りさ」

QB「この町は……いや、この町だけじゃない、おそらく地球全体が」



QB「一つの、巨大な結界に……覆われている」



まどか「町の人達は!?」

QB「居なかった」

まどか「居なかったって……」

QB「……ここは、見た目は現実世界に似ているけど、確かに魔女の結界だ」

QB「僕ら以外の人間たちは、今も現実世界に居るんだろうね」

ほむら「ここに引きずり込まれたのは、私たちだけ……ということね」

まどか「でも、どうして……?」



99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 20:52:26.79 ID:xWxN8pHX0

QB「……この結界の主が、何故まどかとほむら、そして僕だけをここに連れてきたのか」

QB「それは正直、わからないとしか言いようがない」

QB「何か明確な目的があるのかもしれないし、ただの気まぐれということも有り得るね」

QB「……ほむら、君はこういう経験は無いのかい?」

ほむら「…………」

まどか「そっか、ほむらちゃんは……未来から来たんだっけ」

ほむら「……残念だけど、これが初めてよ」

QB「そうか……じゃあ、やっぱりなんとも言えないね」



100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 20:55:04.33 ID:xWxN8pHX0

ほむら「……それで? 何がわかったのか、そろそろ教えてくれないかしら?」

QB「ああ、そうだったね」

QB「……わかったことは2つだよ」

QB「この結界の正体と、その主の魔女が……何なのか」

ほむら「結界の……正体?」

QB「僕の話を聞いていて、おかしいとは思わないのかい?」

QB「今、この地球は巨大な結界に覆われている……」


QB「……なのに何故、僕達以外の人間が居る『現実』なんてものがあるって言うんだい?」


ほむら「それは……」



102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 21:00:57.22 ID:xWxN8pHX0

QB「ここまで巨大な結界があったら、世界はとっくの昔に崩壊しているよ」

まどか「じゃ、じゃあここはわたし達の住んでる地球じゃないってこと?」

QB「いや、地球ではあるよ」

まどか「え? でも……」

ほむら「……まどろっこしいわね、早く説明してくれるかしら」

QB「説明しなくても、君はもうわかってるんじゃないのかい?」

QB「実際、似たような世界を何度も旅してきたじゃないか」

ほむら「え……?」

QB「……君は、何人もの『まどか』を知っているだろう? それと同じさ」

ほむら「……っ!」

QB「つまり、ここは無数に存在する平行世界の一つ……」



QB「……魔女に滅ぼされる、という可能性の先にある世界さ」



105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 21:09:47.90 ID:xWxN8pHX0

ほむら「……なるほどね」

まどか「じゃあ、この世界は……もう魔女に滅ぼされちゃった後ってこと?」

QB「そうだよ」

QB「だから人間は居ないし、地球の全てが結界に覆われているのさ」

まどか「そんな……」

QB「……そして、世界のすべてを滅ぼし、巨大な結界で覆うなんて」

QB「そんなことができる魔女は一人しか居ない」

ほむら「……じゃあ、この結界の主っていうのは、まさか……」



QB「そう……ここは、『ワルプルギスの夜』の結界さ」



――――――――――――――



107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 21:17:15.18 ID:xWxN8pHX0

――――――――――――――



そしてある時、それは彼女の元を訪れた。


キュゥべえでは無い、二人目の来客。

それは彼女に語りかけ、彼女はその声を確かに聞いた。

そして答えた。

耳も、喉も動かないはずなのに。


……それは明らかに人間では無く、「白い猫のような生き物」でも無い。


それが持ちかけてきたのは、ある契約だった。



108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 21:19:46.42 ID:xWxN8pHX0

願いをひとつだけ、何でも叶えてやる。

そのかわり、死んだ後に魂を貰う。


彼女は……当然その契約を受け入れた。

失って困るものなど、あるはずがない。

無力な、何もできない現実などあっても意味がない。

そう思ったからだろう。



109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 21:24:22.94 ID:xWxN8pHX0

彼女の願いは……現実と物語の交換だった。


歩くことも話すことも聞くことも見ることも出来ない、無力な現実を嘘にして――

――「魔法少女 まどかマギカ」という嘘を現実にすること。


彼女のその願いが聞き届けられた瞬間、世界は結界に覆われた。

人々は消滅し、空は変色し、そこにはただ……彼女と、彼女から切り離された願いだけが残った。

それ自体に意思は無く、笑いながら回転し続ける歯車に過ぎない。

……無力を呪い、現実を物語に変えることを祈った彼女の想いは、ただの舞台装置に成り果ててしまったらしい。



それが、一番最初の魔女――悪魔と契約した少女が誕生した瞬間だった。



人はそれを「ワルプルギスの夜」と呼ぶ。



――――――――――――――



111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 21:30:16.44 ID:xWxN8pHX0

――――――――――――――



ほむら「……でも、もしそれが本当なら」

ほむら「ここから出るには、あのワルプルギスの夜を倒さなくてはいけないということ?」

QB「そうだね、魔女を倒して結界自体を消滅させる以外に方法は無さそうだ」

QB「最悪、君の能力を使ってこの時間軸を脱するという手もあるけどね」

ほむら「…………」

まどか「……でもその、ワルプルギスの夜ってすごく強いんじゃ」

QB「ああ、まともに戦ってもおそらく勝ち目は無いだろう」



114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 21:32:40.32 ID:xWxN8pHX0

まどか「じゃあ、どうするの?」

QB「……それをどうにかするために、君をわざわざ起こしたのさ」

ほむら「っ!!」


ジャキッ!


まどか「ほ、ほむらちゃん!?」

ほむら「……それはさせないわ」



117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 21:41:27.38 ID:xWxN8pHX0

QB「……大丈夫だよ、その心配は要らない」

QB「別に僕は、まどかと契約しようって言うんじゃないよ」

ほむら「そんなの……信用できると思う?」

QB「信用も何も……」

QB「……今は契約自体できないんだよ」

まどか「え? そうなの?」

QB「ああ、統一意思との連絡がとれないんだ……ここには、元々存在していないんだろう」

ほむら「……本当に?」

QB「そうじゃなかったら、君を起こす前に契約してるよ」

ほむら「…………」

まどか「ほむらちゃん……」

ほむら「……わかったわ」スッ



118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 21:45:30.26 ID:xWxN8pHX0

ほむら「……でも、それ以外にどんな方法があるというの?」

QB「仕方が無いだろう、ワルプルギスの夜を倒すのさ」

ほむら「正攻法では……倒せないかもしれないわよ」

QB「なら正攻法以外で倒せばいい」

ほむら「……具体的にはどうやって?」

QB「彼女の正体を掴むのさ」

QB「彼女が魔女になった経緯、生前の人物像などを知れば、もしかしたら弱点を見つけられるかもしれない」

QB「……見つかる可能性は低いけどね」

ほむら「なるほど……」

ほむら「本人の結界の中なら、それにつながるものも無いとは限らないわね」



119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 21:49:44.16 ID:xWxN8pHX0

QB「それに加えて、僕らにはもう一つ情報源がある」

ほむら「……何?」


QB「まどかの夢さ」


まどか「夢って、さっきまで見てた……?」

QB「そう、あれはおそらく、ワルプルギスの夜が見せていたものだろう」

QB「その素材にまどかの記憶と願望が使われているのは明白だけど」

QB「わずかに、魔女自身の記憶が混じっている……かもしれない」



120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 21:54:03.52 ID:xWxN8pHX0

まどか「かもしれない、って……」

QB「……どんなに小さな可能性でも、今は賭けてみるしかないのさ」

QB「このまま何もしなければ、間違いなく君たちは死んでしまうだろう」

QB「そうなったら、こちらとしても大損だからね」

まどか「あはは……キュゥべえらしいね」

ほむら「……ふん」



121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 21:55:26.97 ID:xWxN8pHX0

まどか「でも、魔女の記憶って……どうやって見分ければ良いの?」

QB「……簡単にいえば、君の記憶に無いことを探せばいいんだけど」

QB「何か、無かったかい?」

まどか「うーん……」

QB「知らない場所、知らない物、知らない人物……どんな小さな事でもいい」

QB「きっと、そこに紛れるような記憶は、魔女にとっても思い入れの深い記憶だろうからね」

まどか「うううう……知らない物、場所……?」

ほむら「落ち着いてまどか……一つずつ、確認していきましょう」

ほむら「まず、知らない場所はあった?」

まどか「場所は……わたしの家と、学校と、通学路と……」

まどか「あの工場……は、確かさやかちゃんが初めて戦った場所だよね……」



122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 21:58:23.25 ID:xWxN8pHX0

ほむら「そうね、それは私も覚えてるわ」

ほむら「じゃあ次は……物、かしら」

まどか「物は……うーん」

まどか「家具もぬいぐるみも、学校の備品とかにも変わったものは無かった……と思う」

まどか「料理も一度作ってもらったことがあるものだったし……」

まどか「……お菓子も、全部見たことがあった……かな?」

ほむら「残ったのは……人物ね」

まどか「人かあ……」



124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 22:04:24.46 ID:xWxN8pHX0

まどか「えっと、あの夢の中で会った人達は……」

まどか「……ほむらちゃん、さやかちゃん、仁美ちゃん、マミさん、杏子ちゃん、キュゥべえ」

まどか「パパ、ママ、達也、早乙女先生、クラスのみんな……」

ほむら「……これといって、おかしな人物は居ないわね」

ほむら「道路ですれ違った人は?」

まどか「うーん……たしか、登下校と工場までしか歩いてないから……」

ほむら「ほとんどすれ違ってないか……」

まどか「……ごめん、ほむらちゃん」

ほむら「気にしなくていいわ、まだ望みが無いわけじゃない」

QB「……この世界を片っ端から捜索すれば、ヒントが見つかるかもしれないね」

まどか「うん……」



125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 22:11:37.75 ID:xWxN8pHX0

ほむら「じゃあ、探しに行きましょうか」スクッ

ほむら「まどかはここで待っていて」

まどか「うん……気をつけてね」

QB「心配する必要は無いよ、ここには使い魔すらロクに居ないからね」

QB「人間も全く居ないし、事故に巻き込まれることも無い」

まどか「………!」

QB「安心して待っていると良いよ」テテテ

まどか「…………」


まどか(あれ……今、何か……)

まどか(えーっと、えーっと……確か、今のは……)

まどか(……朝に)



まどか「……あっ!!」



126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 22:15:07.61 ID:xWxN8pHX0

ほむら「!? どうしたの?」

まどか「思い出した……思い出したよ!」

QB「?……何をだい?」

まどか「手がかりだよ! ……魔女の記憶、知らない記憶!」



まどか「わたし……知らない人の顔を見てる!!」



――昨晩起きた事故で、男女二人が……



まどか「テレビのニュースで……男の人と女の人の顔が映ってた!」



ほむら「……! それは、どんな顔だったの!?」

まどか「えーっと……紙と鉛筆、貸して!」



128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 22:26:29.92 ID:xWxN8pHX0

QB「……はい、もう持ってきてあるよ」スッ

まどか「ありがとう……たしか、こんな輪郭で……」カリカリ…

まどか「髪型はこう、顔は……こんな感じ!」カリカリ…

まどか「……できた!」バッ

ほむら「確かに、私も知らない顔ね……」

まどか「キュゥべえ、この人達、誰だかわかる?」

QB「…………」ジーッ

まどか「……キュゥべえ?」

QB「……いや、そんなまさか……でも、これは」

ほむら「? どうかしたの?」

QB「…………」

QB「……僕は、この二人を知っている」



129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 22:31:52.24 ID:xWxN8pHX0

まどか「! 本当!?」

QB「ああ、特徴をよく捉えているね……多分間違いないと思う」

ほむら「魔女の正体は?」

QB「……特定できたよ」

まどか「やった……!」

QB「でも、まだ情報は足りない」

QB「……とりあえず、病院に向かおう」

ほむら「病院? ……そこに何があるの?」

QB「あくまで予想だから、確かなことは言えないけど」



QB「病院には、まだ……本人が居ると思う」



………………………………………



131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 22:40:25.47 ID:xWxN8pHX0

………………………………………


――病院



QB「……ここだね」

まどか「この病室に、その……ワルプルギスの夜が、居るんだ」

QB「ああ、魔女になる前の姿でね」

ほむら「……で、結局それはどういうことなの?」

ほむら「魔法少女だったころの、体だけが残っているということ?」

QB「いや……正真正銘、生きた彼女が居るはずだ」

ほむら「………?」

QB「まあ、それについては後で説明するよ」

QB「今はとりあえず、彼女の姿を確認する方が先だ」

ほむら「……まあ、そうね」

QB「…………」



133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 22:44:42.54 ID:xWxN8pHX0

まどか「じゃあ、開けるよ……」


ガラララララ…



???「…………」ピッ… ピッ…



ほむら「……なっ! これは……」

まどか「え……そんな、嘘でしょキュゥべえ!?」

QB「いいや、彼女が間違いなく……ワルプルギスの夜だ」

まどか「で、でも……だって!」




まどか「……この人、マミさんじゃない!」



134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/26(日) 22:46:03.49 ID:PflmX6dY0

なん…だと…



次→QB「少しくらい、本当の奇跡が起こってもいいじゃないか」【後編】

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まどか☆マギカSS   コメント:0   このエントリーをはてなブックマークに追加
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