絹旗「きぬはた荘、あふたー!」白井「あふたー?」その3

2011-10-07 (金) 18:18  禁書目録SS   5コメント  
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567:◆8GNB4AEvC.:2011/08/19(金) 00:41:25.70 ID:OOe10n21o


~同日 ロンドン とあるアパートメント~


婚后 「♪」コポコポ


<オハヨォウ


婚后 (この声は……)クルッ

目玉 「よう」

婚后 「シェリーさん、お願いですから電話を使ってくださいな」ハァ

目玉 「こっちの方が楽なのよ」

婚后 「左様で……」

目玉 「んでさ。アンタ今日ヒマ?」

婚后 「はあ、予定はございませんが」

目玉 「よし。今日は午後から出かけるぞ」

婚后 「どちらまで?」

目玉 「ウィンザー城」



568:◆8GNB4AEvC.:2011/08/19(金) 00:43:22.82 ID:OOe10n21o

婚后 「ウィンザー城? なぜそのようなところに」

目玉 「まあ、見物だな。あと、そこに面白いヤツがいる」

婚后 「面白い……?」

目玉 「騎士派の連中はまだ信用しきれないが、そいつは大丈夫だろ」

婚后 「?」

目玉 「あ、ゴメン。こっちの話」

婚后 「……そ、それで、どのようなお人なのですか?」

目玉 「最近、イギリスに戻ったヤツでね。その前までは学園都市に潜伏してたらしい」

婚后 「え、学園都市に?」

目玉 「ウィリアム=オルウェルって知ってるか? 今日遊びに行くヤツの名前だ」

婚后 「さて……存じませんわね」

目玉 「学園都市でカフェの真似事してたらしいわよ?」ケラケラ

婚后 「!?」

目玉 「じゃ、今日昼過ぎにそっち行くから。準備しておくようにな」シュワシュワシュワ

婚后 「……ま、まさか」



569:◆8GNB4AEvC.:2011/08/19(金) 00:45:38.82 ID:OOe10n21o

婚后 「そうですわ。現マスターのミサワさんなら」

婚后 「……いえ」

婚后 「早合点はいけませんわね」

婚后 「それに向こうは真夜中。連絡は控えましょう」



~同日午後 タクシー車内~


シェリー 『ウィンザー城』

ドライバー 『はいよ』


  ブロロロロ...


婚后 「あの、今日お会いするウィリアムさんとはどのようなお方で?」

シェリー 「なんつうか、堅苦しいっていうか、堅物っていうのかな?」

婚后 「……」ウーン

シェリー 「どうしたのよ」



570:◆8GNB4AEvC.:2011/08/19(金) 00:47:23.48 ID:OOe10n21o

婚后 「いえ、もしかしたらお会いしたことがあるかもと」

シェリー 「え? てことは、あの男が潜伏してたカフェに行ったってこと?」

婚后 「もしかしたら、の話ですが……」

シェリー 「正直、あのゴリラがエプロンつけてる姿とか想像できねぇんだよな」

婚后 「ゴ、ゴリラ?」

婚后 (あれ? もしや違う人?)

婚后 (先代のマスターさんはたしかにガッシリしてましたが、ゴリラという顔では……)ウーン

婚后 (むしろ精悍だったような)

シェリー 「どうだった? アイツの店」

婚后 「いえ、まだ確定ではございませんので……」

シェリー 「ま、それもそっか」

ドライバー 『おい、姉ちゃんたち。見えてきたぜ!』

婚后 「シェリーさん、あれが……?」

シェリー 「ウィンザー城だな」

婚后 「思ってたより大きいんですのね……」



571:◆8GNB4AEvC.:2011/08/19(金) 00:49:27.89 ID:OOe10n21o


~ウィンザー城~


婚后 「まあ、なんと荘厳な……」

シェリー 「古いだけだろ」

婚后 「それで、お尋ねの方はどちらに?」

シェリー 「知らない」

婚后 「え」

シェリー 「だからこれから探すんだろ」

婚后 「こ、これだけ広い中から探すのですか!?」

シェリー 「なんとかなるわよ」

婚后 「なんとかと申されましても……せめて、手分けするとか」

シェリー 「……いや、ダメだ。ここでアンタを一人にするのは気が引ける」

婚后 「で、では、シェリーさんのあの目玉をたくさん使って」

シェリー 「こんなところでアレ使ったら私が捕まるっての」

婚后 「むう……」



572:◆8GNB4AEvC.:2011/08/19(金) 00:50:44.90 ID:OOe10n21o

シェリー 「諦めて、素直に探すしかないってことね」

婚后 「館内放送とか」

シェリー 「諦めろっての。ほら、行くわよ」スタスタ

婚后 「あ、待ってくださいな!」



~ウィンザー城 ミドル・ウォード~


婚后 「すごい……」

シェリー 「あまりキョロキョロしてると異国人だと思われるわよ」

婚后 「異国人ですもの」

シェリー 「あ、もう開き直るのね。さてどっちから行くかな……」

婚后 「シェリーさん、あそこに見える建物は?」

シェリー 「ん? 聖ジョージ礼拝堂だな」

婚后 「まるで遺跡のようですわね」

シェリー 「古いからな」



573:◆8GNB4AEvC.:2011/08/19(金) 00:52:37.04 ID:OOe10n21o

婚后 「ぜひ間近で見たいのですが」

シェリー 「じゃあっちから行ってみるか」

 :
 :
 :

婚后 「ここは英国の女王陛下もご滞在されると聞いておりますが」

シェリー 「年がら年中いる訳じゃないけど、いることは多いかな」

婚后 「の割には、観光客の方が多いのですね」

シェリー 「ここは結構あちこち見学解放してるからな」

婚后 「オープンなのですね」

シェリー 「まあね。って言ってる間に着いたけど」

婚后 「近くで見ると迫力がございますわね」

シェリー 「いつから頑張ってるのかしらね、こいつも」

婚后 「あの、撮影は」

シェリー 「禁止」

婚后 「」ショボン



574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/19(金) 00:54:38.31 ID:OOe10n21o

シェリー 「さて、こっちの方にはいないっぽいな」

婚后 「あ、お尋ね人ですわね」

シェリー 「来た道戻るけど、いい?」

婚后 「ええ」

シェリー 「じゃ、いったん戻るぞ」



~ウィンザー城 アッパー・ウォード~


婚后 「入り口を境にして、左右に広がっていたのですね」

シェリー 「そ。ちなみに正規の出口は聖ジョージ礼拝堂の近くだから」

婚后 「え、それってつまり」

シェリー 「帰るときはまた戻らないとね」

婚后 「そっ、それを先に言ってくださいな」

シェリー 「いいでしょ、大して変わりゃしねぇよ」

婚后 「そうかもしれませんが、なんか損した気分ですわ」



575:◆8GNB4AEvC.:2011/08/19(金) 00:56:32.53 ID:OOe10n21o

シェリー 「日本人ってのは細かいな」

婚后 「日本人か否かは関係ございません」

シェリー 「はいはい。で、見えてきたな」

婚后 「こちらは?」

シェリー 「ステート・アパートメント」

婚后 「ええと、つまり」

シェリー 「まあ、謁見の間だとか来賓室だとか、そんな感じだと思っとけ」

婚后 「となると、中も綺麗な造りなのでしょうね」

シェリー 「ここならいるかもね。入ってみるか」

婚后 「え? だ、大丈夫なのですか?」

シェリー 「大丈夫大丈夫」

婚后 「ですが」

シェリー 「ほら、行くぞ」スタスタ

婚后 「あ、ちょ、ちょっと!」



576:◆8GNB4AEvC.:2011/08/19(金) 00:58:33.78 ID:OOe10n21o


~ステート・アパートメント~


婚后 「うわぁ……」キョロキョロ

シェリー 「やっぱこういう豪華すぎる部屋は落ち着かねぇな」ガシガシ

婚后 「なんと豪奢な」

シェリー 「アンタの実家って金持ちなんだろ? こういう部屋あるんじゃないの?」

婚后 「さすがにここまでのものはないですわよ」

シェリー 「ま、そんなもんか」

婚后 「それに金持ちといっても、世界有数の資産家である王室と比べれば庶民ですわ」


<ガチャ


侍従 「む?」

婚后 「あら?」

シェリー 「お?」

侍従 「」ペコリ



577:◆8GNB4AEvC.:2011/08/19(金) 01:00:43.49 ID:OOe10n21o

婚后 「あ、あの……」

シェリー 「見つけた見つけた」

侍従 「お前はイギリス清教の」

シェリー 「今日はアンタを尋ねてきた」

侍従 「?」

婚后 「あの! 以前に何回か、お会いしたことがございませんか?」

侍従 「貴女とか?」

婚后 「学園都市のカフェで、です」

侍従 「……ああ、あの時の」

婚后 「では、やはり先代マスターさんですのね」

先代 「まさか、こんなところで再会することになろうとはな」

婚后 「驚きましたわ。ある日お店に行ったら"いなくなった"ということだったんですもの」

先代 「突然であったのは申し訳ないと思っている」

婚后 「……まあ、先代様にもご事情があったのでしょうが」

シェリー 「おい、立ち話も疲れるから。どっか座れるとこないの?」

先代 「着いてくるのである」



578:◆8GNB4AEvC.:2011/08/19(金) 01:02:26.35 ID:OOe10n21o


~ウィンザー城 来賓室~


婚后 「こ、ここは国賓が使うような部屋では」

先代 「今は空いているのだから問題あるまい」

シェリー 「」ガリガリ

先代 「あの店……というか、ミサワさんは元気でやっているであるか」

婚后 「ええ、ご本人も楽しんでやっておられるようですわ」

先代 「それを聞いて安心した」

シェリー 「」フーッ

先代 「必要な書類や資金を置手紙と託して、夜逃げ同然に出てきたであるからな」

婚后 「最初はみな驚いてましたわ。あまりに突然なのですもの」

先代 「その点については重ねて詫びる」

シェリー 「でもなんで学園都市でカフェの真似事なんかしてたのよ」ガリガリ

先代 「深い理由はない」

シェリー 「ふん、どうだか」



579:◆8GNB4AEvC.:2011/08/19(金) 01:04:21.76 ID:OOe10n21o

先代 「そういえば、訪問してきた客に何も出さないままであったな」ガタ

婚后 「あ、それならば」

先代 「?」

婚后 「もう一度、先代様が淹れた紅茶が飲みたいですわ」

先代 「承った。しばらく待っているのである」


<バタン


婚后 「お変わりないようで安心いたしました」ハゥ

シェリー 「はー。ホントにやってたんだ、あのゴリラがね」

婚后 「ゴリラではないかと……確かに体格はがっしりとしておいでですが」

シェリー 「だからゴリラでいいじゃん」

婚后 「ですが、顔つきは精悍ではないですか」

シェリー 「ん? ああいうのがタイプなのか?」

婚后 「そ、そういう話をしているのではなく!」

シェリー 「分かった分かった」ガリガリ



580:◆8GNB4AEvC.:2011/08/19(金) 01:06:31.19 ID:OOe10n21o

婚后 「もう……勘違いされるではないですか」


<ガチャ


先代 「お待たせした」カチャカチャ

婚后 「わざわざありがとうございます」

先代 「しかし、紅茶を淹れるのと剣を振るうのは同じであるな。身体が覚えている」コポコポ

シェリー 「あ、私にも」

先代 「承った」

婚后 「まあ、いい香り」スンスン

先代 「熱いから気を付けるのである」

婚后 「」ズズ

シェリー 「あちあち」

婚后 「結構なお点前で」

先代 「これはご丁寧に」

シェリー (ミルクねぇのかな)



581:◆8GNB4AEvC.:2011/08/19(金) 01:08:34.55 ID:OOe10n21o


<ガチャ


?? 「なんだか、紅茶のいい香りにつられてやってきたぞ」

先代 「」

シェリー 「」ポカン

婚后 「?」ズズ...

?? 「ウィリアム、私にも一杯くれないか」

先代 「か、畏まった!」ガタッ

婚后 「シェリーさん、あの方は?」

シェリー 「…………女王」

婚后 「は、はい?」

シェリー 「女王陛下だよ。クイーンレグナント」

婚后 「」ブーッ



582:◆8GNB4AEvC.:2011/08/19(金) 01:09:12.98 ID:OOe10n21o

といったところで、今回はここまでです。
先代マスター、久々のご登場でした。
次回も引き続き婚后さんパートをお送りします。

お付き合い頂き、ありがとうございました。



583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/19(金) 01:09:16.05 ID:3d3F4DIIO
侍従 「サムライかと勘違いしたのでござる」



585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/08/19(金) 01:17:52.86 ID:C8iIrfby0
まさか女王ジャージじゃねえだろうなww



588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/19(金) 04:10:58.26 ID:ZWYAY6m6o
そりゃ吹き出すわww



589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/19(金) 07:35:38.59 ID:SJ/lCHFDO
滝壺「親しみを」
黄泉川「感じるじゃん」




608:◆8GNB4AEvC.:2011/08/20(土) 23:16:59.11 ID:BLR0sHjbo

婚后 「」カチコチ

シェリー 「」ガリガリ

女王 「うん、うまい」

先代 「勿体なきお言葉」

婚后 (どうしてこんなことに……)

シェリー (あ、やべ。彫りすぎた)

女王 「ところでウィリアム、こっちの大和撫子とは知り合いか?」

先代 「以前、世話になった御仁である」

婚后 「そ、そそ、そんな滅相もございません!」

女王 「まさか、嫁候補じゃあるまいな?」ニヤニヤ

先代 「それはあり得ぬ。ご安心召されよ」

シェリー 「」フーッ

婚后 (シェリーさんはいつの間にあんな隅っこに……)

女王 「お嬢さん」

婚后 「は、はいっ!」



609:◆8GNB4AEvC.:2011/08/20(土) 23:18:49.56 ID:BLR0sHjbo

女王 「私はエリザード、英国王室で女王をやっている」

婚后 「は、ええと、えー……」

女王 「ほれ、私は名乗ったぞ。次はそっちの番だ」ホレホレ

婚后 「しっ、失礼いたしました! 日本から留学させて頂いている婚后と申します」ペコリ

女王 「んなガチガチに緊張せんでも。ウィリアム、お前がずっと怖い顔をしているからだぞ」

先代 「私のせいであるか!?」

婚后 「あ、あの……」

女王 「婚后さんとやら。今の私はプライベートだ、もっと楽にしてくれ」ガハハ

婚后 (なんという無茶振り)

先代 「陛下、あまり羽目を外しませぬよう。騎士団長の胃に穴が空きますぞ」

女王 「彼奴なら今はバッキンガムに行ってるから大丈夫だ」

先代 (何時間にも渡る愚痴を聞かされるのは私なのであるが……)

女王 「遠い異国の地から友人がきたんだぞ。今はこの貴重な時間を楽しまねばなるまい」

婚后 「友人だなんて、そんなわたくし如き」

女王 「固いことを言うな。こうしてる以上、茶のみ友達じゃないか」ケラケラ



610:◆8GNB4AEvC.:2011/08/20(土) 23:20:54.30 ID:BLR0sHjbo

婚后 (もう頭が真っ白ですわよ……失言などしたらどうすれば)ダラダラ

女王 「ウィリアム、お代わり」

先代 「はっ」

女王 「しかし見事な黒髪だな。やはり本場物は一味違う」

婚后 「あ、ありがとうございます」

女王 「ウチの娘も黒髪なんだが、そっちはなんていうかこう、カラスの羽みたいでな」

婚后 (娘さん……ということは王女様)

先代 「たしか日本では、カラスの羽というのは誉め言葉であったな」

婚后 「ええ、烏の濡れ羽色や濡烏とも申しますわね」

女王 「そうなのか! 成程、興味深い」ウンウン

婚后 (ああ、胃が重くなってきました)

女王 「……まだちょっと表情が硬いな」

婚后 「そ、そうでしょうか?」

女王 「そうだ、ウィリアム。騎士団長にここに来るように伝えてくれないか」

先代 「あの男はバッキンガムにいるのでは?」



612:◆8GNB4AEvC.:2011/08/20(土) 23:22:49.50 ID:BLR0sHjbo

女王 「構わんさ」

先代 「何をなさるおつもりで」

女王 「お前と二人で漫才をしてもらおうかと」

先代 「」

婚后 「」

女王 「あの日本の伝統芸を見れば、緊張もいくらか解れるだろう」ケラケラ

先代 「私にそのような芸はないのであるが……」

シェリー (見てぇ。そんで笑い飛ばしてやりてぇ)

婚后 「あっ、あのっ、そこまでして頂かなくても大丈夫ですから」

女王 「そうか? ならよいが」

先代 (助かったのである……)ハァ

女王 「よし。ならばゲームでもしようか」

婚后 「げ、ゲームですか?」

女王 「ウィリアム、アレを持ってきてくれ」

先代 「畏まった」ガタ

シェリー (極東、頑張れー)ガリガリ



615:◆8GNB4AEvC.:2011/08/20(土) 23:24:56.96 ID:BLR0sHjbo


~1時間後~


シェリー 「」ウトウト

先代 「……」

女王 「……」ムー

婚后 「チェックメイトですわ」タンッ

女王 「あぁ、待て待て待て! 今のなし! ノーカンノーカン!」

先代 「陛下、またであるか」

女王 「ああ、くそ。どうしてこうもうまくいかんのだ」

先代 「貴女もお強いであるな」

婚后 「幼少の頃、祖父に教えられて相手をしておりましたから」

女王 「このままでは終われん。もう一局いくぞ」カチャカチャ

婚后 「お、仰せのままに」

婚后 (……なんというか、親しみやすいお人ですわね)



616:◆8GNB4AEvC.:2011/08/20(土) 23:27:15.40 ID:BLR0sHjbo

女王 「しかしこの私相手に互角以上とは……やりおる」タンッ

婚后 「日本では、勝負は時の運とも申しますわ」トッ

女王 「運の一言で片付けられてたまるか。私はな、娘にも負けたことがないんだぞ」タン

婚后 「ご息女がおられるのですね」タッ

女王 「ああ、3人いる。もういい歳だが、私から見ればガキ同然だな」

先代 「陛下から見れば何十年経とうが、子どもであることに代わりはないのであろう」

女王 「その通り。さくっと私を超えてほしいものなのだがな」タン

婚后 「それは王室の者としての?」タッ

女王 「一国の長としての意見でもあるし、女王としての意見でもあるし、母親としての意見でもある」タンッ

婚后 「それで、ご息女に自分を超えてほしいと」タン

女王 「どいつもこいつも方向性が極端でな。あと何十年かかることやら」タッ

先代 (まあ、いましばらく時間はかかるであろうな)

女王 「まったく、引退はずぅっと先のようだ」ガハハ

婚后 (……大器、というのはこういった方のことを言うのでしょうね)



617:◆8GNB4AEvC.:2011/08/20(土) 23:29:39.45 ID:BLR0sHjbo

女王 「ほれ、チェックメイト」タンッ

婚后 「え? あっ」

婚后 (い、いつの間に!?)

女王 「よっしゃきたぁ! 見たか! これぞ私の真の実力よぉ!」ウェーイ

先代 「陛下、はしゃぎすぎである」

女王 「勝者の特権だ、固いこと言うな」

婚后 (チェックメイトされるまで、追い詰められていることに気付かないなんて……)

婚后 「参りましたわ」ズーン

女王 「そうヘコむな。相手が悪かったんだ」ニパニパ

先代 「これより前に5連敗しているであるが」

女王 「ふん、何とでも言うがいい」

シェリー (やっと終わったか)

先代 (陛下は勝つまでやめないであるからな)

女王 「おっと、もう日が暮れ始めているか」

婚后 「あら、いつの間に」



618:◆8GNB4AEvC.:2011/08/20(土) 23:31:58.79 ID:BLR0sHjbo

先代 「そこの。暗くなる前に帰した方が良いのではないか」

シェリー 「言われなくてもそうするわよ」

女王 「いや、今日は楽しかった。ありがとうな!」ガッチリ

婚后 「い、いえ、そんなとんでもない」

女王 「そうだ。今回の礼を用意しなければ」

婚后 「いえいえいえいえ、身に余ることです!」

女王 「そう言うな。ちょっと待ってろ。内線借りるぞ」


<あ、もしもし。私だ。


婚后 「あ、そうですわ。失礼する前に、先代様にお願いが」

先代 「なんであるか」

婚后 「ミサワさんに元気なお姿をお届けするために、記念撮影をお願い致します」スチャ

先代 「よかろう」

シェリー 「貸しな。私が撮ってやる」

婚后 「ではお願い致します。このボタンを長押しして」



620:◆8GNB4AEvC.:2011/08/20(土) 23:33:50.50 ID:BLR0sHjbo

シェリー 「分かるっての!」

先代 「ここでよいであるか」

婚后 「ええ、よろしいかと」

女王 「あ、おい! お前ら、この私を差し置いて記念撮影とはどういうことだ!!」ドタドタ

婚后 「え? え?」

先代 (女王陛下はこういうお人なのである)ヒソヒソ

婚后 (下手に撮影しては不味いと考えて、あえて避けたのですが)

先代 (それは逆効果であるな)フッ

女王 「ウィリアム、どけ。お前はでかいから後ろでいいだろう」

先代 「畏まった」

婚后 「あ、えと……」

女王 「おい、そんな離れてるとフレームアウトするぞ」

先代 「引きで撮ればよかろう」

シェリー 「あー、いいかー。撮るぞー」

女王 「おし、来い!」


 ピ カシャッ



621:◆8GNB4AEvC.:2011/08/20(土) 23:35:46.17 ID:BLR0sHjbo


~同日 ウィンザー城 ラウンドタワー~


婚后 「」グッタリ

シェリー 「さすがに疲れたか」ケラケラ

婚后 「ええ、まあ……シェリーさんの仰る通り、とびっきりの出会いでしたわね」

シェリー 「いや、クイーンの乱入はアクシデントよ」

先代 「陛下を歩くアクシデント扱いとは、畏れ多いであるな」

シェリー 「そこまで言ってねぇよ!」

婚后 「しかし、女王陛下……国家元首としても、一人の母親としても、大きな人物でしたわ」

先代 「会った人間はみな口を揃えてそう言うである」

シェリー 「単なるハイテンションおばさんって訳じゃないってこった」

婚后 「それにしても、いつも思うのですが」

先代 「なんであろうか」

婚后 「皆さん、日本語がお達者なのですね。英国にいるという実感が日に日に薄れていきますわ」

シェリー 「あー……そりゃあれだ。優秀な日本語講師が何人かいるからな」

シェリー (ってことにしとくか)



622:◆8GNB4AEvC.:2011/08/20(土) 23:37:48.10 ID:BLR0sHjbo

婚后 「そうなのですか?」

先代 「関わりの多い日本人が何人かいるのは事実である」

シェリー 「日本人街って行っただろ? あそこにも何人かいるし」

婚后 「成程、道理で……」

シェリー 「ただ、えらい独創的な日本語が板についてるヤツもいるけどな」

先代 「あの女であるか」

婚后 「?」



最大主教 「くちゅんっ」



先代 「さて、そろそろ来る頃であろうが」

婚后 「まさか送迎を用意して頂けるなんて」

シェリー 「タクシー代浮いたわ」

婚后 「シェ、シェリーさんっ」



623:◆8GNB4AEvC.:2011/08/20(土) 23:39:42.75 ID:BLR0sHjbo


<プップー


シェリー 「あ、あれね?」

婚后 「え、あれって……」

先代 「うむ。どうやら向こうの準備も出来ているようであるな」

シェリー 「よし、乗るか」

婚后 「」ポカン

先代 「道中、気を付けるように」

婚后 「あっ、今日は押しかけ同然に訪問したにも関わらず、ありがとうございました」ペコリ

先代 「何、気にすることはない」

婚后 「でもお元気な姿を見れて何よりでしたわ」

先代 「向こうに帰ったら、ミサワさんたちにもよろしく伝えてほしい」

婚后 「確かに承りました」

シェリー 「ほら、行くわよ」

婚后 「あ、はい。では失礼いたします」

先代 「うむ。壮健でな」



624:◆8GNB4AEvC.:2011/08/20(土) 23:41:39.03 ID:BLR0sHjbo

 :
 :
 :


  ブロロロロ...


婚后 「まさか、帰りの車を用意してくださるなんて……」

シェリー 「いや、さすが高級車。快適ね」

婚后 「ロールス・ロイスなんて初めて乗りましたわ」

シェリー 「私だって初めてよ」

婚后 「これが最初で最後になるかもしれませんわね」

シェリー 「実家金持ちなんでしょう? 高級外車の一台二台ありそうだけどな」

婚后 「……そういえば、海外車はなかったような」

シェリー 「国産派なの?」

婚后 「あっ! ドイツ製のリムジンならありましたわ!」

シェリー 「十分すげぇよ」

ドライバー 「間もなく到着致します」



625:◆8GNB4AEvC.:2011/08/20(土) 23:43:34.92 ID:BLR0sHjbo


~同日 ロンドン市内 とあるアパートメント~


<ガチャ バタン


婚后 「……」

婚后 「ふはぁ」ヘナヘナ

婚后 「ここまで神経をすり減らしたのは、今までの人生で暫定一位ですわ……」

婚后 「まさか女王陛下とチェスをすることになるなんて」

婚后 「……ですが」

婚后 「終わってみれば、いい思い出ですわ」

婚后 「」カチカチ

婚后 「女王陛下と写真を撮ったなどと……誰が信じるでしょうか」クスクス

婚后 「さて、留学も残すところあと1週間ですわね……」

婚后 「……」

婚后 「これは留学なのでしょうか……修学旅行と言った方がしっくりくるような……」

婚后 「まあ、得るものがあればよいですわね」



626:◆8GNB4AEvC.:2011/08/20(土) 23:45:50.66 ID:BLR0sHjbo


婚后 「さて、食事は」


<オーイ


婚后 「……」

目玉 「あれ? ちょっと? なんで無視してんのよ」

婚后 「電話を使ってくださいと、何度も……!」

目玉 「だってこの方が楽だし」

婚后 「……それで、どうなされたのですか」

目玉 「オルソラのやつがメシ作るから来いってさ」

婚后 「行きます!」

目玉 「食いつきすぎだろ……」

婚后 「だってオルソラさんの料理ですよ」

目玉 「気持ちは分かるけどさ。じゃ、王立芸術院まで来て。近いから大丈夫だよな?」

婚后 「ええ。今から向かいますわね」

目玉 「んじゃ、後でなー」シュワシュワシュワ

婚后 「……よしっ、急いでいくと致しましょう」タタッ


<ガチャ バタン



627:◆8GNB4AEvC.:2011/08/20(土) 23:46:24.38 ID:BLR0sHjbo

といったところで、今回はここまでです。
婚后さん帰国and合流の日も着々と近づいてます。
次回からは舞台はまた学園都市に、いよいよ名付けイベントです。

お付き合い頂き、ありがとうございました。



631 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州・沖縄):2011/08/20(土) 23:57:20.40 ID:jgacZDBAO
乙であった!



634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方):2011/08/21(日) 00:36:45.91 ID:ArQFPG4P0
ウェーイじゃねえよ女王wwwwww



635 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/21(日) 09:32:41.14 ID:0vlyX4yIO
>最大主教 「くちゅんっ」
くしゃみの音可愛過ぎワロタ




653:◆8GNB4AEvC.:2011/08/22(月) 00:16:24.25 ID:4k8imQ3ko


~仔猫誕生から数日 第7学区 常盤台新寮~


絹旗 「」カチャカチャ

白井 「?」

絹旗 「」パチン

白井 「絹旗さん、先程から何をしてらっしゃいますの?」

絹旗 「これですよ、これ」

白井 「……目玉?」

絹旗 「超Webカメラですよ!」

白井 「カメラ……ああ、仔猫を観察するための」

絹旗 「ええ。私たちがいない間は寮監が様子を超見てくれるとのことなんですが」

白井 「仔猫たちのことを考えると、場所は動かせませんものね……」

絹旗 「で、こいつの超出番ってワケですよ。3つほど設置しました」

白井 「映像はどのように閲覧を?」

絹旗 「こいつです」スチャ



654:◆8GNB4AEvC.:2011/08/22(月) 00:18:45.91 ID:4k8imQ3ko

白井 「ああ、叩き割った携帯の代わりに新調した最新型携帯電話ですのね」

絹旗 「その話はもういいんですってば!」ムキー

白井 「携帯から見れますの?」

絹旗 「説明書通りに設置はしてみたんで、超試してみましょうか」カチカチ

白井 「」ジー

絹旗 「おっ、すごい! 超見えてますよ!」

白井 「意外と鮮明ですのね」

絹旗 「あとなんか、簡単な操作ならできるっぽいですよ」ポチ


  【カメラ】<ウィーン


白井 「あら、すごい」

白井 (もっと早く知っていれば、お姉様攻略に活躍したのかも……)

白井 「でもよくこのようなガジェットをご存知でしたわね」

絹旗 「浜面と海原さんが、設置の仕方込みで超教えてくれました!」

白井 「あのお二方もお詳しいんですのね」



656:◆8GNB4AEvC.:2011/08/22(月) 00:21:01.84 ID:4k8imQ3ko

絹旗 「あの二人は機械とかに強いですよ」

白井 「たしかに、いざというときに頼りになることもありましたわね」

絹旗 「いやしかし、これで心配で心配で授業を抜け出すということは超なくなりそうです」

白井 「母親もしっかりしてますし、大丈夫かと思いますですの」

仔猫ズ 「ミィミィミィミィミィ」

ユリコ 「(*・ω・)」

絹旗 「ユリコ、超育児疲れになったら私たちを頼ってもいいですからね」

ユリコ 「(・ω・)」オアーン


<ピンポーン♪


白井 「はい、301号室……あ、はいはい、今お開け致しますので」ポチッ

絹旗 「お、来ましたか」

白井 「部屋は3階になりますので。お待ちしておりますの」

絹旗 「大丈夫ですかね。超迷ったりとか」

白井 「迷ったりは大丈夫でしょうけど……それより心配なのは」



657:◆8GNB4AEvC.:2011/08/22(月) 00:22:46.86 ID:4k8imQ3ko

<広ーい!きれーい!
<大体すごいにゃあ!
<こ、こら!走るな!騒ぐな!


絹旗 「……」

白井 「無理もないかと」クスクス

絹旗 「引率者もいる筈なんですがね……」


<コンコン


白井 「どうぞー」


<ガチャ


打ち止め 「こねこー!」

フレメア 「こねこー!」

絹旗 「ストップ! 超ストォォップーー!」

フレ止め 「「にゃ?」」



658:◆8GNB4AEvC.:2011/08/22(月) 00:24:49.47 ID:4k8imQ3ko

白井 「先に説明させてくださいまし。少々デリケートな時期ですので」

ショチトル 「まあ、出産から数日しか経ってないのであれば無理もないか」

結標 「ゴメンなさい、抑えきれなかったわ」

滝壺 「すごいパワーとスピードだった」

絹旗 「若さには適いませんか」

結標 「私だって若いわよ!」

滝壺 「みさわから、抑えるときはアンテナを引っ張ればいいよって聞いてるけど」

ショチトル 「な、なにっ。試してみていいか」

打ち止め 「」ビクッ

ショチトル 「前々から、それ引っ張ったらどうなるんだろうって気になってて」

打ち止め 「こ、来ないで、って……」

結標 「やめなさいっての」グイ

ショチトル 「ぎゅぇ」

フレメア 「大体せつめー!」

絹旗 「はいはい、今しますから。ちなみに大声も超控えてください」



659:◆8GNB4AEvC.:2011/08/22(月) 00:26:27.66 ID:4k8imQ3ko

 :
 :
 :

結標 「つまり、触るな近づくなってことね」

絹旗 「ええまぁ……ユリコに限ってないとは思うんですけど、子どもを取られると超勘違いされることも」

滝壺 「母は強しだね」

フレメア 「えー、触れないのー」

打ち止め 「ぶー」

ショチトル 「それは事前に聞いていただろう」

白井 「まだ目も開いておりませんし、仔猫を怯えさせることにもなるかと」

絹旗 「という訳なんです。超申し訳ないですが」

結標 「ま、大丈夫よ。3人とも平気よね?」

フレ止め 「「はーい」」

ショチトル 「3人ともって、私もか!?」

滝壺 「名付け親って名誉があるんだから、我慢できるよね」

結標 「でもいいの? 自分で考えなくて」



660:◆8GNB4AEvC.:2011/08/22(月) 00:28:46.86 ID:4k8imQ3ko

絹旗 「白井さんには話したんですけど、ユリコの名前って超みんなで決めたじゃないですか」

白井 「それで、今度はそちらのみなさんに付けて頂こうって話になったんですの」

フレメア 「ねえ絹旗、こねこにゃあ」

絹旗 「さっき説明した通りですからね。今日に限っては、超見守るだけですよ」

フレメア 「らじゃー」

打ち止め 「やっと見れる」wktk

フレ止め 「「ごー」」モゾモゾ

ショチトル 「なぜ匍匐前進? そこまでしないといけないのか?」

結標 「大きい音立てなければいいんでしょ?」

白井 「い、一応掃除はこまめにしてますが、お召し物が汚れますので」ワタワタ

滝壺 「」ソローリ

フレ止め 「「」」ソー...

ユリコ 「( ・ω・)?」

仔猫ズ 「」スピー

フレメア 「大体モガッ」

打ち止め (フレメア、しー)ヒソヒソ



661:◆8GNB4AEvC.:2011/08/22(月) 00:30:41.91 ID:4k8imQ3ko

滝壺 「わ、ちっちゃい」キラキラ

結標 「一番可愛い時期かもね」

絹旗 「何言ってんですが。ずっと超可愛いですよ」

ショチトル 「……お持ち帰り」

絹旗 「超ダメです」

結標 「でも、ユリコの子どもだけあって白い部分多いのね」

滝壺 「そっちの子は真っ白だね」

白井 「こっそり観察した結果、その白い子だけが男の子と判明してますの」

絹旗 「気が済むまで見たら、一旦超離れますよー」

フレメア 「にゃぁ」

打ち止め 「バックアップバックアップ」ミョンミョン

結標 「でもよかったわね。全員真っ白だったら見分けつかなかったわよ」

滝壺 「これなら背中の模様で判断できるね」

フレ止め 「「」」モゾモゾ

白井 「だから匍匐前進はやめてくださいまし。特にフレメア、スカートが大変なことになってますの」



662:◆8GNB4AEvC.:2011/08/22(月) 00:32:31.11 ID:4k8imQ3ko

絹旗 「すいません、ソファもない部屋なんで。超ベッドにでも座ってください」

滝壺 「わ、いいベッド」ゴロン

結標 「滝壺さん、寝ちゃダメよ」

フレメア 「わ、大体すごい」モフンモフン

打ち止め 「ふかふかだー」ボスボス

ショチトル 「よさないか、二人とも」

白井 「さて、名前なんですけれども……絹旗さん、どうします?」

絹旗 「決めてないんですよねー」

フレメア 「私白い子! 白い子がいい!」

白井 「お二人は構いませんか?」

打ち止め 「うん」

ショチトル 「元より、そこまで決める権利はないと思ってる」

絹旗 「じゃ、フレメアは超白い子担当ですね」

フレメア 「任せろ、にゃあ」

滝壺 「」ポケー



663:◆8GNB4AEvC.:2011/08/22(月) 00:34:30.98 ID:4k8imQ3ko

絹旗 「じゃ、ミニミサワさんは縞々でいいですか?」

打ち止め 「分かった、縞々だね!」

ショチトル 「じゃ、私は……アレはなんと言うんだ?」

結標 「背中の模様よね。んーと……サバトラとか?」

ショチトル 「……どこらへんがサバなんだ?」

結標 「色合いとか?」

ショチトル 「ふむん」

絹旗 「じゃ、分担は超決まりですね」カキカキ

白井 「この備え付けのミニ黒板、初めて使いましたの」

打ち止め 「ね、もう書いていい?」

白井 「あら。決めてますの?」

打ち止め 「うん、昨日の夜から考えてきたから!」

絹旗 「じゃ、ここに書いてくださいね」

打ち止め 「♪」カキカキ

ショチトル 「」ウーン



664:◆8GNB4AEvC.:2011/08/22(月) 00:36:48.89 ID:4k8imQ3ko

結標 「貴女、まさか今考えてるの?」

ショチトル 「いや、候補は絞っている。どれにするか……」

滝壺 (さすが常盤台の寮、いろんなAIMが渦巻いてて楽しい)ポケー

フレメア 「思いついた!」ピコーン

絹旗 「じゃ、この"白"の横に書いてくださいね」

フレメア 「♪」

結標 「偶然だろうけど、ちゃんと男の子っぽい名前、女の子っぽい名前になってるわね」

絹旗 「超しまった……それは言ってませんでしたね」

ショチトル 「……そうか。性別も考慮すべきだな」

白井 「ええ。サバトラは女の子なので、それっぽい名前の方がベターですの」

ショチトル 「なら決まりだ。考えた候補の中で女性らしい名前は一つだけだった」

絹旗 「お、決まりですか?」

ショチトル 「ああ。これで決定だな」カキカキ

結標 「これで出揃ったわね」

絹旗 「ええ。ご協力に超感謝です」



665:◆8GNB4AEvC.:2011/08/22(月) 00:38:43.76 ID:4k8imQ3ko


~その頃 第7学区 隠れ家的喫茶店~


番外個体 「うー」カキカキ

一方通行 「オマエ最近そればっかだな」ズズ...

番外個体 「ノリで決めるワケにいかないじゃん。ゲームのキャラメイクとは違うんだよ」

一方通行 「しっかしまァ、妹達から頼まれるとはねェ」

番外個体 「最終信号が言ってたけどさ、個の芽生えの現れなんだってね」

一方通行 「……ま、いい傾向なンじゃねェの」


<カランカラン♪


番外個体 「いらっしゃいませー」

海原 「おや、一方通行さんもおいででしたか」

浜面 「おっと、こりゃお邪魔みたいだな」ケラケラ

一方通行 「バラすぞ」

番外個体 「二人揃ってどうしたの? デート?」

浜面 「違うわ! 俺そっちの人じゃねぇ!!」



667:◆8GNB4AEvC.:2011/08/22(月) 00:40:39.04 ID:4k8imQ3ko

海原 「いや、家に一人で退屈だったもので。ここなら誰かいらっしゃるかなと」

浜面 「俺も家に一人でな。ハラが減ったから来た」

番外個体 「ん、まあ。で、何にする?」

海原 「一方通行さんと同じものを」

一方通行 「何企ンでやがる……」

海原 「他意はありませんよ」ニコニコ

浜面 「俺、タマゴサンド。キュウリ抜きで」

番外個体 「めんどくせ」カチャカチャ

浜面 「そう言わずに、お願いします!」

番外個体 「料金5割増しだからね?」ニヤニヤ

浜面 「え? 食材抜いてるのに増えるのかよ!」

海原 「いやはや、好き嫌いするとロクなことがないですね」

浜面 「ちくせう、やはり克服するしか……ん、なんだこの紙切れ」

海原 「……名前の羅列のようですが」

一方通行 「先に言っとくが、こいつに子が出来たワケじゃねェからな」



668:◆8GNB4AEvC.:2011/08/22(月) 00:42:46.45 ID:4k8imQ3ko

海原 「おや?」

浜面 「聞いてもないのに否定するとか、逆に怪しいんじゃね?」ニヤニヤ

一方通行 「うるせェ。オマエらだってフライパンでどつかれたくねェだろ」

海原浜面 「「?」」

番外個体 「はい、おまちどうさまー」カチャカチャ

海原 「これはすみません」

浜面 「いただきます!」

番外個体 「ところで、滝壺さんとフレメアも絹旗さんのところ?」

浜面 「おお、仔猫がどうとか言ってたな」ムグムグ

海原 「結標さんも行くと仰ってましたね」

番外個体 「淡希さっきまでここにいたよ。で、うちの小さいのとショチトルと一緒に」

一方通行 「チビガキのところに行ったな」

番外個体 「うちの人は即通報されるからともかくとして、二人は行かなくてよかったの?」

浜面 「来なくていいって言われたぜ!」フンス

海原 「常盤台の寮ですからね。おいそれと男が入っては問題になりかねないでしょう」



670:◆8GNB4AEvC.:2011/08/22(月) 00:44:29.35 ID:4k8imQ3ko

番外個体 「にしても、仔猫かー……私も見たかったなー」

一方通行 「やめとけ。電磁波で怯えさせるのがオチだろ」

番外個体 「むー」

海原 「仔猫でしたか。何の用事で行ったのか聞きそびれたんですよね」

浜面 「仔猫見に行ったんじゃねぇの?」

一方通行 「名前がどォとか言ってたな」

番外個体 「名前つけてって頼まれたんだよ。私も一緒に考えたし」

海原 「名付け親ですか。これは名誉ですね」

浜面 「……大丈夫なんかな。フレメアのヤツ」

一方通行 「名付けねェ。似たよォな出来事は重なるもンだな」

海原浜面 「「?」」

番外個体 「ううん、こっちの話」

番外個体 (仔猫の名前は決まったけど、もういっこがなぁ……あ!)

浜面 「おい、刻んだきゅうりが混じってるぞ」

一方通行 「黙って食いやがれ」ゴゴゴゴ

浜面 「ハイ」



671:◆8GNB4AEvC.:2011/08/22(月) 00:46:41.29 ID:4k8imQ3ko


~同日 第7学区 常盤台新寮~


絹旗白井 「「結果発表ー!」」

フレ止め 「「いぇーい!」」

滝壺 「」パチパチ

絹旗 「仔猫たちの名前はこのように超決まりました」


  ・白いの  リック
  ・縞々   テスラ
  ・サバトラ アスカ


白井 「どれもいいお名前ですの」

結標 「揉めなくてよかったわね」

ショチトル 「最初にちゃんと分担を決めたからな」

絹旗 「私が自分で考えようとしたら超悩んでましたからね。いい名前をもらえて良かったです」

滝壺 「ね、もう一回猫みてもいい?」

白井 「ええ、どうぞ」



673:◆8GNB4AEvC.:2011/08/22(月) 00:48:20.16 ID:4k8imQ3ko

ショチトル 「匍匐前進じゃなくていいからな」

フレ止め 「「はーい」」ソロリソロリ

結標 「それにしてもユリコも。よく頑張ったわね」

絹旗 「超安産でしたけどね」

白井 「子どもも元気ですし、何よりではないですか」

フレメア 「リック、大体早くおっきくなって抱っこさせてねー」

打ち止め (あれ? そういえばミサカの電磁波怖がってない?)

ショチトル 「歩き回るようになるまでどれぐらいなのだろうな」

絹旗 「まあ、超しばらくかかるでしょうね」

滝壺 「ゆっくり元気になってくれればいいよ」

結標 「そうね。結局それが一番でしょ」

白井 「ユリコも、もうしばらくはつきっきりですのね」クスクス

ユリコ 「( ・ω・)ノ」

フレメア 「ねー、絹旗。抱っこできるようになったらまた呼んでね」

打ち止め 「約束ー」

絹旗 「ええ、超約束です」



674:◆8GNB4AEvC.:2011/08/22(月) 00:49:01.29 ID:4k8imQ3ko

といったところで、今回はここまでです。
仔猫の名前は揉めることなく、さくっと決まりました。
残す未消化イベントはあと一つ。

次回投下は8/23(火)夜の予定です。
お付き合い頂き、ありがとうございました。



677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/08/22(月) 00:51:36.33 ID:cqI7Nkxq0

サバトラのアスカはきっとツンデレですね




680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/22(月) 01:22:18.10 ID:QKf63FjSO
>>674
子猫の名前の由来はなんだろな?




681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/08/22(月) 01:27:43.22 ID:cqI7Nkxq0
リックとテスラが混ざってテッラに見えたなんて誰にも言えない



694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/08/22(月) 15:05:22.04 ID:+qsjj84a0
フレメア→リック→利徳
ショチトル→アスカ→アステカ
打ち止め→テスラ→磁束密度
なるほど、どれも「らしい」名前だな。
ともあれ乙です。




720:◆8GNB4AEvC.:2011/08/24(水) 01:28:14.67 ID:2+I7oZISo
仔猫の名前の元ネタについては>>694さんが正解です。
誰がどれを名付けたか連想できるようにした結果、ああなりました。

それでは、始めさせて頂きます。
本章未消化イベント最後の一つです。
ミサワさんの姉貴にして妹分、19090さんのお話です。



721:◆8GNB4AEvC.:2011/08/24(水) 01:29:26.74 ID:2+I7oZISo


~同日夜 第7学区 番外通行邸~


番外個体 「そっか。気に入ってもらえたみたいで良かったね」

打ち止め 「うん! でも仔猫触れなかった、ってミサカはミサカはガックシしてみたり」ガックシ

番外個体 「そりゃしょうがない。というか、触れないよって事前に聞いてたじゃん」

打ち止め 「でーもー」

番外個体 「触れるぐらいまで育ったらまた呼んでもらえるんでしょ? それまで待つことだね」

打ち止め 「むー」

番外個体 「はいはい、シャンプー流すよ」シャワワワワ

打ち止め 「わっわっ、まだ心の準備が!」

 :
 :
 :

打ち止め 「お風呂空いたよー、ってミサカはミサカは冷蔵庫にダッシュしつつ報告してみたり」ホコホコ

一方通行 「はいよォ」

番外個体 「ねー、明日病院に行ってくるけど」

一方通行 「あ? もう調整だっけか?」



722:◆8GNB4AEvC.:2011/08/24(水) 01:31:41.63 ID:2+I7oZISo

番外個体 「違うよ。調整は月イチになったって言っといたじゃん」

一方通行 「あァ、じゃ例の件か」

打ち止め 「あ、19090の!? ってミサカはミサカは冷えた麦茶を片手に尋ねてみたり」

番外個体 「うん、さすがにこれ以上待たせたらつつかれるかなと思って」

打ち止め 「聞かせて聞かせて」

番外個体 「ダーメ。本人より先に聞かせるのはなんか気が引ける」

打ち止め 「ちぇー」

番外個体 「なんなら一緒に来る? どうせヒマでしょ?」

打ち止め 「行く!」

番外個体 「あなたは来る?」

一方通行 「いや、留守番でいい」

番外個体 「お昼は?」

一方通行 「あるもンで済ますから気にすンな」

番外個体 「拝承」

打ち止め 「ねー、聞いて聞いて。今日、こねこがねー」



723:◆8GNB4AEvC.:2011/08/24(水) 01:33:48.21 ID:2+I7oZISo

一方通行 「オマエ、何回その話すりゃ気が済むンだよ」ハァ

番外個体 「ま、あれだけ考えて名前を付けてあげたんだしね。愛着も湧くさ」

打ち止め 「夜中まで考えてたもんねー、ってミサカはミサカは苦労をしのんでみたり」

一方通行 「夜更かしすンなっていつも言ってンだろォが!」グリグリ

打ち止め 「痛い痛い!」

番外個体 「でも結局、私が考えたのは全部廃案。最終信号が考えたのに決まったけどね」

一方通行 「オマエだしな。どォせDQNネームばっかだったンだろ」ニヨニヨ

番外個体 「失礼な。それなりには考えたよ」

一方通行 「どンなだよ」

番外個体 「ジーメンス、パスカル、ルクス……」

一方通行 「……安直にも程があンだろ」

打ち止め 「でもワーストも考えまとまったみたいでよかったね、ってミサカはミサカはこめかみをさすりながらホッとしてみたり」

番外個体 「うん、まあねー。ほぼ独りで考えたさ」

番外個体 (美鈴さんならアドバイスくれるかも! と思ったけど……)

番外個体 (その代償に、根掘り葉掘り尋問されそうだよね。美鈴さんだし)



724:◆8GNB4AEvC.:2011/08/24(水) 01:36:11.23 ID:2+I7oZISo

番外個体 「そういえばあなた、仔猫に近づいて大丈夫だったの?」

打ち止め 「意外となんともなかった、と思う、ってミサカはミサカは不安ながらも答えてみたり」

番外個体 「さすがユリコの子だな……」

打ち止め 「早く抱っこしたり遊んだりしてみたいなー、ってミサカはミサカは将来に思いを馳せてみる」wktk

番外個体 「案外すぐでしょ。猫が育つのは人間より早いし」ナデナデ

打ち止め 「♪」

一方通行 (……こいつ、MNWから離れて性格が丸くなったのと髪を伸ばしたのと)

一方通行 (客商売で自然と身についた愛想もあって、あの酒乱女に似てきやがったな)

一方通行 (そォいやアレのDNAも継いでるンだよなァ……絶対酒は飲ませないようにしよう)ウン

番外個体 「? なに。私の顔に何かついてる? それとも見とれてた?」

一方通行 「なンでもねェよ。フロいってくる」スタスタ


<バタン


番外個体 「?」
 
打ち止め (ワーストのこと遠くから見つめるのは珍しいことじゃないのに、ってミサカはミサカはちょっぴり嫉妬してみたり)



725:◆8GNB4AEvC.:2011/08/24(水) 01:38:04.68 ID:2+I7oZISo


~翌日 第7学区 とある病院~


番外個体 「さ、て。どこにいるのかなー」コツコツ

打ち止め 「まさか今から探すの!? ってミサカはミサカは行き当たりぽっくりなワーストに呆れてみたり」トテトテ

番外個体 「ぽっくりってなんだよ。殺さないでよ」

打ち止め 「この病院って、一般立ち入り禁止エリアもいれるとすごい広いよ? 見つかるかな」

番外個体 「広いって言っても建物の中だし。なんとかなるっしょ」

打ち止め 「それにお仕事中じゃないかな、ってミサカはミサカはスケジュールの心配をしてみたり」

番外個体 「でも今お昼時だよ? どっかで休憩でも……っていうかさ」

打ち止め 「?」

番外個体 「最終信号なら位置情報ぐらいスキャンできんじゃないの?」

打ち止め 「なるほど! ってミサカはミサカは早速ミサカレーダー」ミョンミョン

番外個体 「! ちょっと待った!」グイ

打ち止め 「いたっ! いたたた! ミョン毛引っ張らないでー!」

番外個体 「……みーつけた」ニヤー



726:◆8GNB4AEvC.:2011/08/24(水) 01:40:33.41 ID:2+I7oZISo

19090 「ようやくお昼ご飯ですね、とミサカは空腹を訴えます」

麦野 「ここの売店も飽きちゃったのよねぇ。とっくに全商品コンプリートしちゃったしさ」

19090 「で、ですが、食べれるだけマシと思いませんと」

麦野 「こういう食生活してるとね、栄養が偏りがりになるのよ」フゥ


  ガラララララ


麦野 「あ、オイこら! 誰だ、ストレッチャーで遊んで……あら?」

番外止め 「「Freeeeeze!!」」ガシッ x2

19090 「え? えぇぇ? なんですか? みっ、ミサカは急患じゃないですよ!?」

番外個体 「いいから乗って。あ、しずりん。これとこの子、ちょっと借りるねー」

打ち止め 「あとで返しにきまーす!」


<準備おk!行こ行こ♪
<出発進行ー!
<ガラララララ
<なー!


麦野 「??」ポカン



727:◆8GNB4AEvC.:2011/08/24(水) 01:42:32.68 ID:2+I7oZISo

 :
 :
 :

19090 「止めてください! 怖いです! これは怖いですぅ!!」

番外個体 「はいはーい」キキー

打ち止め 「よっと! ってミサカはミサカは見事な着地を決めてみたり」スタッ

19090 「……あ、あの、状況がまったく飲み込めません……」

番外個体 「んー、とりあえずさ。どっか座れるとこない?」

19090 「でしたら向こうに……」



~同日 とある病院 自販機コーナー~


番外個体 「はー、喉渇いた」ピッ ガコン

打ち止め 「あ、ミサカコーヒー牛乳ね! ってミサカはミサカはリクエストしてみたり」

19090 「それで、今日はどういったご用向きで、とミサカはおずおずと口を開きます……」

番外止め 「「名前!」」

19090 「……名前?」



728:◆8GNB4AEvC.:2011/08/24(水) 01:44:15.83 ID:2+I7oZISo

番外個体 「……もしかして、忘れてる?」

19090 「いっ、いえ、違くて、これは突然の快速特急ストレッチャーで思考の処理が
     追いついていないので、その、そんな怖い目で睨まないでくださいぃぃ!」gkbr

打ち止め 「ワースト、睨んじゃだめ」メッ

番外個体 (睨んだつもりなんかないのに……)ショボン

打ち止め 「でね、今日は19090の……ええと、この場合はなんて言うの?」

番外個体 「忌み名」

19090 「イミ!? それ絶対違う意味ですよね!?」

打ち止め 「とーもーかーく! 19090の名前を考えてきたんだよ! ってミサカはミサカは宣言してみたり!」

番外個体 「あなたにお願いされたヤツね」

19090 「ほ、ホントですか!? とミサカはようやく状況を飲み込めました」

打ち止め 「さあ、ワーストやったげて!」

番外個体 「聞きたいか、私の……とボケはともかく、発表といきましょうか」カキカキ

19090止め 「」wktk



729:◆8GNB4AEvC.:2011/08/24(水) 01:45:55.58 ID:2+I7oZISo

番外個体 「これだ!」ドン


  水琴


19090 「これは……なんと読むのですか?」

番外個体 「みずき」

打ち止め 「わぁ、なんか綺麗な名前」

番外個体 「」フンス

19090 「……あ」

打ち止め 「どうしたの? ってミサカはミサカは意味深な"あ"を見逃さない」

19090 「……あ、あのっ。頼んだ立場でこういうことを言うのは心苦しいのですが、とミサカは遠慮気味に口を開きます」

番外個体 「ん、なんか間違ったかな」

19090 「これは、場合によっては"みこと"とも読めるのではないでしょうか」

番外個体 「みこと、って……」

打ち止め 「お姉様だね、ってミサカはミサカは偶然ダブった事実に衝撃を受けてみたり」

番外個体 「うーん、読みとは言え被っちゃうのはダメだよねぇ」ガシガシ



730:◆8GNB4AEvC.:2011/08/24(水) 01:48:34.59 ID:2+I7oZISo

打ち止め 「違う漢字にしてみたらどうかな、ってミサカはミサカは代替案を示してみたり」

19090 「そっ、そ、そうですね。"みずき"はいい響きだと思います、とミサカは粋なフォローをしてみたり……」

番外個体 「んー、こういうこと?」カキカキ


  琴水琴


打ち止め 「……なんだこりゃ」

番外個体 「"ことみずき"」

19090 「なんだかお相撲さんみたいです……」

番外個体 「うぅん、じゃ、こう?」カキカキ


  琴琴琴


19090 「???」

番外個体 「琴がみっつで"ことみ"」

打ち止め 「これじゃ漢字クイズだよ! ってミサカはミサカはツッコミを入れてみたり!」ポカポカ

番外個体 「私ゃ漢字に弱いんだよぉ!」



731:◆8GNB4AEvC.:2011/08/24(水) 01:50:23.57 ID:2+I7oZISo

19090 「"みずき"という響きは個人的に好きですので、あとは漢字があれば……」

番外個体 「んー、どっかに漢字に強い人っていないのかな」

冥土帰し 「おや、お揃いだね」

番外個体 「あ、先生」

打ち止め 「おひさしぶりでーす! ってミサカはミサカは元気にご挨拶してみたり」

番外個体 「……あ、そっか。先生にも一緒に考えてもらおう」

打ち止め 「え? いいのかな」

番外個体 「土台はできてるんだしさ。それに亀の甲より蛙の子って言うじゃん」

冥土帰し 「なんか色々混ざっちゃってるね?」

番外個体 「それはそれとして、先生にも協力要請!」

 :
 :
 :

冥土帰し 「成程。確かに水琴だと"みこと"とも読まれかねないね?」

打ち止め 「なにかいい感じないい漢字ない? ってミサカはミサカは尋ねてみたり」

冥土帰し 「ふーむ……こうしたらどうかな?」カキカキ



732:◆8GNB4AEvC.:2011/08/24(水) 01:52:09.57 ID:2+I7oZISo


  瑞琴
  泉琴


19090 「おお」キラキラ

打ち止め 「先生すごーい!」

番外個体 「二つ目はちと読みにくいような気も……」

冥土帰し 「僕はアイディアを出すだけだ。決める権利があるのはあくまで一人だけだね?」

打ち止め 「という訳で、19090決めちゃって!」

19090 「え、ええと……どれも甲乙つけがたいのですが……」

番外個体 「やっぱここは琴水琴で」

打ち止め 「ワースト、ダメ」

19090 「では……これに決めました! とミサカは指差します」ビシィ

番外個体 「これが19090の選択か」

打ち止め 「じゃ、けってーい!」

冥土帰し 「うむ。些細なことでも、自分で自分の道を決めるのは大事だね?」

19090 「……みなさんにはお礼の言いようもありません、とミサカは頭を下げます」ペコリ



733:◆8GNB4AEvC.:2011/08/24(水) 01:54:05.35 ID:2+I7oZISo


~しばらくして とある病院 19090拉致現場~


麦野 「アイツどこ行ったんだか……もう昼休み終わるわよ」


<ガララララ
<これはもういいですから!歩けますから!
<ごーごー!
<これ押すだけでも疲れるんだからね!


麦野 「……おい、まさか」クルッ

19090 「怖いです怖いです!」

打ち止め 「飛ばせー!」

番外個体 「はっ、はぁっ……あいたっ!」コケッ

19090 「え! 番外個体が手離したら誰が止めるんですかぁ!」

打ち止め 「あれ? これってもしかしてマズイかも……?」

麦野 「え、ちょっ……」


  ガッ


麦野 「ぐっ、ぬぉぉぉぉ……!」ギギギ



734:◆8GNB4AEvC.:2011/08/24(水) 01:56:10.17 ID:2+I7oZISo

打ち止め 「すごい! 受け止めた! ってミサカはミサカはしずりんお姉ちゃんの怪力に感服してみたり!」

19090 「やはりしずりんの怪力には適いません、とミサカは、せ、戦慄します」

麦野 「怪力怪力うるせぇぞ!」ウガー

19090止め 「「ひぃ!」」

番外個体 「いやー、さすがしずりん! 頼りになるぅ☆ 神様仏様おしず様!」ケラケラ

麦野 「テメェら全員そこになおれ! オシオキカクテイコースだよぉ!!」ギャース

 :
 :
 :

番外個体 「すいません、楽しくてつい」←正座中

麦野 「肉体年齢トップのアンタが調子のってどうすんだ……ったく。次から気をつけろ」

番外個体 「反省してまーす」

麦野 「」ハァ

番外個体 「お、おしず様。足がシビれた」ビビビ

麦野 「そのおしず様ってやめてよ。なんか違う時代の人みたいじゃない」

番外個体 「しずきち」



735:◆8GNB4AEvC.:2011/08/24(水) 01:58:02.29 ID:2+I7oZISo

麦野 「いくらなんでも無理矢理すぎでしょ」

番外個体 「あれもダメこれもダメって、じゃどんなのならいいんだよ!」ムキー

麦野 「どんなもなんも、テメェは人の名前一つ満足に言えねぇのかゴルァ!」ウガー



19090 「……番外個体ってすごいです。あのしずりんの覇気に真っ向から立ち向かえるなんて」

打ち止め 「しずりんお姉ちゃんって怒らせたら怖いんだね……」gkbr

19090 「怖いです。超怖いです。とミサカは恐怖のフラッシュバックが……」

麦野 「おら、どうしたんだよ、さっきまでの威勢はよ」ローキック

番外個体 「ちょ、やめて。マジやめて! 足シビれてるんだってばぁ!」ジンジン

19090 「しずりん、そろそろ昼休みが終わります、とミサカは恐る恐る間に入ります……」

麦野 「あ、そうそう。それでアンタ探してたんじゃない」

19090 「いや、その申し訳ないです……」

麦野 「ま、悪いのはそこの悪人ヅラなんだけどね」

番外個体 「悪人ヅラって、しずりんに言われたくねーし!」

麦野 「あ?」

番外個体 「なんでもにゃい」



736:◆8GNB4AEvC.:2011/08/24(水) 02:00:02.34 ID:2+I7oZISo

麦野 「じゃ、私らは仕事戻るから。用が済んだならさっさと帰りなさいよ」

番外止め 「「らじゃ」」

19090 「お二人とも、今日はありがとうございました。とミサカは改めてお礼を述べます」フカブカ

番外個体 「いいって。なんだかんだでこっちも楽しんでたしね」

打ち止め 「またどっか遊びに行こうね! ってミサカはミサカは釘をさしておく」

19090 「はい、楽しみです」

番外個体 「じゃあね、19090……じゃなくて」

打ち止め 「ミサカたちの間では、瑞琴だね♪」

麦野 「?」

打ち止め 「またねー!」ノシ

19090 「お気をつけて、とミサカは二人を見送ります」

麦野 「瑞琴って……アンタ、そんな名前だったっけ?」

19090 「今日からミサカの第2の名です、とミサカはしずりんに比べると貧相な胸を張ります」フンス

麦野 「……そ。よかったじゃない」クスクス

19090 「よし、午後も頑張ります! とミサカは決意を新たにします!」



738:◆8GNB4AEvC.:2011/08/24(水) 02:02:01.05 ID:2+I7oZISo


☆超オマケ 猫いっぱい?☆


~その1~


結標 「可愛かったなぁ、仔猫ちゃん……」

ショチトル 「ああ、破壊力は抜群だ」

結標 「ね、ウチでも何か飼ってみる?」

海原 「うーん……ですが、我が家にはすでに猫が二人おりますし」

結標 「?」

ショチトル 「?」

海原 「ははは」ニコニコ



~その2~


フレメア 「猫飼いたいにゃあ」

滝壺 「猫飼いたいって」

浜面 「俺に振るんかい。……つってもなぁ、ウチにはもう手のかかる猫がいんだろ」

フレメア 「定位置」モゾモゾ

滝壺 「……そだね。ペットは、フレメアがもうちょっと大きくなってからね」

フレメア 「にゃおー」



739:◆8GNB4AEvC.:2011/08/24(水) 02:02:53.41 ID:2+I7oZISo

といったところで、今回はここまでです。
今回をもって「#2 子どもができたら名前を考えないとね」は終了です。

お付き合い頂き、ありがとうございました。



740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸):2011/08/24(水) 02:05:42.41 ID:XRRpjKWAO
超>>1乙です!
次が待ち遠しい…!




741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方):2011/08/24(水) 02:05:57.47 ID:ef/CnDVPo
乙ですた
楽しみに舞ってる




742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/24(水) 02:06:40.83 ID:EmB/X2eDO

しずりんは怖いでしょう




743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/24(水) 02:23:28.31 ID:ndfxKz/DO
『根掘り 葉掘り』…………てよぉ~~~~~
『根を掘る』ってのはわかる…………スゲーわかる
根っこは土の中に埋まっとるからな…
だが『葉掘り』って部分はどういうことだああ~~~~~~っ!?
葉っぱが掘れるかっつーのよ――――――ッ!
ナメやがって この言葉ァ超イラつくぜぇ~~~~!!
葉っぱを掘ったら 裏側へやぶれちまうじゃあね―か!
掘れるもんなら掘ってみやがれってんだ!チクショ―――ッ




754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/24(水) 15:00:42.88 ID:BefP7BvSO
ギアッチョがいるな



765:◆8GNB4AEvC.:2011/08/26(金) 01:17:39.96 ID:ou77gP3Lo

>>1です。
作中時刻的に良さげなタイミングなので、
次回からは「#3 絹旗・白井のあの人はいま!」をお送りします。
過去、主要メンバーとそれなりに関わった人を絹旗と白井が"取材"します。

それではまた。



767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州・沖縄):2011/08/26(金) 09:30:16.45 ID:ylf2PmUAO
楽しみだ



768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/26(金) 12:15:54.21 ID:aa682cDIO
面白そうなネタだな。期待



769:◆8GNB4AEvC.:2011/08/26(金) 23:48:38.73 ID:ou77gP3Lo

それでは始めさせて頂きます。
今回からは #3 です。



770:◆8GNB4AEvC.:2011/08/26(金) 23:49:32.62 ID:ou77gP3Lo


  ――#3 絹旗・白井のあの人はいま!


771:◆8GNB4AEvC.:2011/08/26(金) 23:50:47.74 ID:ou77gP3Lo


~10月下旬 第7学区 常盤台新寮~


絹旗 「うはー」ニヨニヨ

テスラ 「」キョロキョロ

アスカ 「ミィー」ペチペチ

リック 「ナー」

ユリコ 「( -ω-)」スピ-

絹旗 「もう目も超開きましたね」

絹旗 「……やっべ、超可愛い」

絹旗 「リックをいじって遊ぶアスカが超可愛すぎです!」ピャー

テスラ 「」ジー

絹旗 「お、なんですか?」

テスラ 「」バタバタ

絹旗 「え、箱から出ようとしてるんですか? 超ダメです、まだ危ないです」


<ガチャ



773:◆8GNB4AEvC.:2011/08/26(金) 23:52:51.62 ID:ou77gP3Lo

白井 「絹旗さん」

絹旗 「あ、超おかえりなさい」

白井 「ちょっと……」チョイチョイ

絹旗 「?」

 :
 :
 :

絹旗 「どうしたんですか? 部屋の中じゃ超できない話でも?」

白井 「部屋の中でできないようなお話をなぜ廊下でするのですか」

絹旗 「じゃなんですか」

白井 「寮監がお呼びですの」

絹旗 「えっ? わ、私なにもしてませんよ!?」

白井 「まだそういう話か分かりませんの。それに、わたくしにもお話があるようでしたし」

絹旗 「じゃ、白井さんが何かやらかしたんですか?」

白井 「咎められるようなことをした覚えはございませんが……」

絹旗 「超つまみ食いしたとか」



774:◆8GNB4AEvC.:2011/08/26(金) 23:54:36.04 ID:ou77gP3Lo

白井 「まさか。絹旗さんじゃございませんし」

絹旗 「私だってこの寮に来てからはやってませんよ」

白井 「……まあ、話してても埒があきません。とりあえず向かいましょう」

絹旗 「なんだか気が超重いです……」

白井 「やましいことがないのならば、毅然としていればよろしいですの」

絹旗 「そうなんですけどねー……」



~寮監執務室~


<コンコン


寮監 「入れ」


<ガチャ


白井 「失礼いたしますの」

絹旗 「し、失礼します」



775:◆8GNB4AEvC.:2011/08/26(金) 23:56:42.99 ID:ou77gP3Lo

寮監 「二人とも、わざわざ呼び立ててすまないな」

白井 「いえ、とんでもないことでございますの」

絹旗 「ええと、どのようなご用で……」

寮監 「常盤台の役員会を通して、お前たち二人にある依頼が来ている」

白井 「依頼……研究協力の類ですか?」

寮監 「そうではない。そうではないが……」

絹旗 「?」

寮監 「いやな、私自身もなぜこんな指示を出さねばならないのか、よく分かっていないというのが実情だ」

絹旗 「どういうことですか」

寮監 「まずはこれに目を通してくれ」つ□

白井 「……取材?」

絹旗 「私たち、超記者でもなんでもないんですけど」

白井 「どうして、こんな?」

寮監 「ふむ、私が知る限りのことは話しておこうか」

絹旗 「超お願いします」



776:◆8GNB4AEvC.:2011/08/26(金) 23:58:33.56 ID:ou77gP3Lo

寮監 「まず、常盤台の役員会宛にこのタスク協力の依頼がきた。依頼元は私も知らされていない」

白井 「はい」

絹旗 「どこの誰がこんなことを……」

寮監 「協議の結果、生徒に危険を及ぼす可能性は低いということ、この経験は今後にも
    活かせるだろうということで、特別学習という形で受諾することになった」

絹旗 「まあ、超怪しげな研究協力よりはマシっぽいですよね」

寮監 「そして、役員は校内で良くも悪くも有名人であるお前たちをご指名だ」

絹旗 「有名人だなんて、そんな」

白井 「褒めてませんの」

寮監 「さて、どうする? 受ける受けないの最終的な選択権はそちらにあるが」

絹旗 「超面白そうなのでやります」

白井 「ちょっ」

寮監 「では、その旨伝えておこう。白井、絹旗は放っておくと危険だ。くれぐれも頼んだぞ」

白井 「……はぁ、仕方ございませんわね」

絹旗 「な、なんで危険なんですか!」

寮監 「自分の胸に聞いてみろ。では、一通りのものは渡しておこう。よく目を通しておくように」



777:◆8GNB4AEvC.:2011/08/27(土) 00:01:06.99 ID:DQakXavGo


~301号室~


<バタン


絹旗 「はー、寮監と同じ空間にいるだけで寿命が超縮んじゃいますね」

白井 「なんだか妙なことになってしまいましたの……」

絹旗 「でも超面白そうじゃないですか」

白井 「何事も無ければよいのですが」ガサガサ

絹旗 「あ、それ要項ですか? 超ちょっと見せてくださいよ」

白井 「ええ、どうぞ」

絹旗 「んー……取材対象に、交渉方法に……お!」

白井 「どうしましたの?」

絹旗 「取材のための欠席、外出、外泊は全面的に認めると超書いてありますよ!」

白井 「なんと」

絹旗 「超サボり放題ってワケですね!」



778:◆8GNB4AEvC.:2011/08/27(土) 00:03:06.75 ID:DQakXavGo

白井 「ですが、それと引換にこの特別学習で成果を出さねばならないことをお忘れなく」

絹旗 「ええ。超大丈夫ですよ」

白井 「それで、取材対象というのは?」

絹旗 「……なんだか超知ってる人ばっかりですね」

白井 「!? お、お姉様まで!」

絹旗 「御坂さんもですか……おんや?」

白井 「今度は何が?」

絹旗 「原則、取材対象と交渉の上での密着取材とする? なんで?」

白井 「なんだかやる気が出てきましたのー!!」フォォー

絹旗 「超ちょろっと話を聞くだけと思ってました……こりゃ大変そうですね」

白井 「書類はそれで全部のようですわね」

絹旗 「他なにかありました?」

白井 「どういう訳だか、最新型のハンディデジタルビデオカメラもお預かりしてますの」●REC

絹旗 「超最新型ですか? じゃ、これで私を撮ればフルハイビジョン絹旗になる訳ですね!」ピャー

白井 「あとは細々としたものが色々」ゴソゴソ



779:◆8GNB4AEvC.:2011/08/27(土) 00:04:51.58 ID:DQakXavGo

絹旗 「おー、なんだか超取材っぽいですね」

白井 「それで、いつから始めましょう」

絹旗 「これ見ると、期限は今月いっぱいになってますね」

白井 「取材先の数も考えると、明日から着手したほうがよさそうですの」

絹旗 「急ですが超仕方ないです」

白井 「どのように対象と接触するおつもりで?」

絹旗 「書いてある順番でいいんじゃないんですか?」

白井 「特に指定もございませんし、そういたしましょうか」

絹旗 「あ、さっきのカメラ貸してもらっていいですかね」

白井 「ええ」つ【カメラ】

絹旗 「ユリコー、超キャメラテストですよ」●REC

ユリコ 「(ノ・ω・)ノ」

絹旗 「子どもたちも超元気でーす」

白井 「絹旗さん。明日は忙しくなりそうですし、早めにお休みになってくださいまし」

絹旗 「超了解です!」



780:◆8GNB4AEvC.:2011/08/27(土) 00:06:56.66 ID:DQakXavGo


~翌日 第18学区 ???~


白井 「3、2、1、スタート」●REC

絹旗 「はい、今回はですね。第18学区、とある学生寮、とある部屋に超来てます」

白井 「今回密着取材するにあたり、特殊な交渉術を用いておりますの。それについては
    極秘事項であるため詳細はお伝えできませんが、無事に密着取材のお許しが出ましたの」

美琴 「ねー、何か飲む?」

絹旗 「牛乳あります?」

白井 「絹旗さん!」

美琴 「いいからいいから。黒子も同じでいいのよね?」

白井 「あ、申し訳ございません。頂きますの」

美琴 「はい、おまちどうさま」

絹旗 「えー、こちらは御坂美琴さん。長点上機学園1年。LEVEL5の超超電磁砲のすごい人です」

白井 「身長161cm、体重」

美琴 「ちぇいさー!」ゴキッ

白井 「」



781:◆8GNB4AEvC.:2011/08/27(土) 00:09:02.80 ID:DQakXavGo

絹旗 「あ、私たちのことは空気扱いでよろしいので超お構いなく」

美琴 「え? そ、そうなの?」

美琴 (って言われてもねぇ……)

絹旗 「それより今のでキャメラの映像が」

白井 「カメラより私の心配をしてくださいまし」

美琴 「アンタならあれだって快感に変換しちゃうでしょ。さーて、と」トントン

絹旗 「あ、これから学校ですか?」

美琴 「うん、いつも通り」

白井 「あぁ、お姉様! 長点上機の制服もお似合いですのぉぉ!」ビクン

美琴 「ふふっ、ありがとね」コツコツ

絹旗 「ほら、白井さん。悶えてないで、私たちも行きますよ」

白井 「……はっ、わたくしとことが」

 :
 :
 :



782:◆8GNB4AEvC.:2011/08/27(土) 00:11:33.26 ID:DQakXavGo

美琴 「♪」コツコツ

白井 (お姉様、なんだかご機嫌ですのね)

絹旗 「この寮は長点上機学園に超割と近く、歩いて15分ほどで学校に到着します」

白井 「時間帯もあって、同じように学校に向かう生徒が多いですのね」●REC

絹旗 「ところで、御坂さんはなぜ超長点上機に?」

美琴 「あ、その話しちゃう? そうね、どこから話そうかな」

白井 「たしか、当初の志望では」

美琴 「うん。当麻と同じ高校にいくつもりだったわよ」

絹旗 「ですよね」

美琴 「なんだけどね。それを当麻に言ったら3時間説教されて」

絹旗白井 「「説教?」」

美琴 「"お前にも夢があるんだろ!?"とか"上条さんは上手くいけば来年には卒業ですよ!?"とかね」

絹旗 (上手くいけば?)

美琴 「で、私も引き下がれなくなっちゃってさ。そのあと4時間近く口ゲンカして」

白井 「お姉様らしいですの……」



783:◆8GNB4AEvC.:2011/08/27(土) 00:13:54.57 ID:DQakXavGo

絹旗 「最終的にどう決着したんですか」

美琴 「まずお互いに冷静になろうってことで、別々に1時間ぐらい散歩してきて」

白井 (この時点で8時間経過してますの)

美琴 「その後で、将来の夢とか、そのためにどうするべきとか延々話してたわね。5時間ぐらいかな?」

絹旗 「合計13時間!」

美琴 「でね。ずっと蚊帳の外だったインデックスが空腹で意識失っちゃたからお開きになったってワケ」

絹旗 「超ちょっと可哀想です」

白井 「あのシスターさんのことですから、干からびてしまったのでは」

美琴 「だから、その後大量に食事作って埋め合わせしたってば」

絹旗 「まあともかく、そういうエピソードがあったんですね」

白井 「お姉様もあの殿方も、一歩引くということを知らない方ですから……」

美琴 「当麻が頑固なんだもん」ブー

絹旗 「はあ……あ、見えてきましたね」

白井 「久しぶりにあの学び舎を見ましたわね」

美琴 「うん、時間もちょうど良かったわね」



784:◆8GNB4AEvC.:2011/08/27(土) 00:16:00.04 ID:DQakXavGo


~同日 長点上機学園 教室~


絹旗 「えー、ただいま午前の授業を超やっています」

白井 「さすがトップ校。授業中の空気も張りつめてますの」●REC

絹旗 「……でも、この範囲って超見覚えありますね」

白井 「これは、常盤台の生徒なら履修済みのところですわね」

美琴 「」ガシガシ

絹旗 「なんか超一生懸命ノートとってますよ」

白井 「さすがお姉様。いつ何時も決して手を抜かないその姿勢!」

絹旗 「どれどれ、どんな調子」チラッ

美琴 「」ガリガリ

絹旗 「……」

白井 「絹旗さん? 何を」チラッ

絹旗白井 ((ゲコ太のパラパラ漫画ーー!?))

美琴 「♪」ペラペラ



785:◆8GNB4AEvC.:2011/08/27(土) 00:17:55.60 ID:DQakXavGo


~同日夕方 長点上機学園 正門~


美琴 「はー、終わった終わった」ノビー

絹旗 (御坂さんって、どっちかというと不真面目な部類に入るのでは……)ヒソヒソ

白井 (フリーダムと言ってくださいまし)ヒソヒソ

美琴 「よしっ。んじゃ行くとしますかー」

絹旗 「あれ? どっか行くんですか?」

美琴 「ん、まあね」

白井 (まっすぐ家にお帰りになる訳ではない……まさか)

美琴 「♪」タッタッタッ

絹旗 「え、足はやっ!」

白井 「わたくしたちも急ぎましょう!」

絹旗 「超待ってくださいー!」トテテテ

美琴 「急がないとバス行っちゃうわよー」タッタッタッ

白井 (バス!? いったい何処へ!?)



786:◆8GNB4AEvC.:2011/08/27(土) 00:20:28.67 ID:DQakXavGo


~バス車内~


  ブロロロロ...


絹旗 「現在私たちは第7学区へ向かうバスに乗っています」

美琴 「」カチカチ

白井 「ずっと携帯をいじっておられますの」

絹旗 「超ファンシーな携帯ですね。子供用じゃないんですか?」

美琴 「あ、返事きた」

美琴 「……そっかー」ニパニパ

美琴 「了解です、っと」カチカチ

絹旗 「うはぁ、超頬が緩みっぱなしですよ。こりゃアレですね、彼氏ですね」

白井 「ぐぬぬ……」

美琴 「あっ、いけない!」ピンポーン


<ツギ、テイシャシマス



787:◆8GNB4AEvC.:2011/08/27(土) 00:21:23.83 ID:DQakXavGo

といったところで、今回はここまでです。
お送りした通り、過去作においてなんかのイベントで関わったとか、
番外短編で出番があった人を絹旗と白井が尋ねてまわります。
補完的な意味合いが強いので、長引かないようにする予定です。

お付き合い頂き、ありがとうございました。



788 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/08/27(土) 00:22:42.15 ID:62uLg8Os0
乙!!



795 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/08/27(土) 00:31:43.84 ID:62uLg8Os0
ん?俺美琴より身長低い……?



797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州・沖縄):2011/08/27(土) 00:34:54.00 ID:h8vL4rVAO
>>795
おっと俺の傷口を開くのはやめてもらおうか




800 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/08/27(土) 01:31:24.49 ID:B6msb8qAO
身長2.1mの私が通りますよ

超乙




816:◆8GNB4AEvC.:2011/08/28(日) 00:51:09.96 ID:5WI0+Y7To
この先、絹旗と白井が面識ない人でも普通に話す場面が出てきますが、
>>780で言ってる「特殊な交渉術」によるものです。

それでは、始めさせて頂きます。



817:◆8GNB4AEvC.:2011/08/28(日) 00:52:56.88 ID:5WI0+Y7To


~同日夕方 第7学区 とあるスーパー~


  ワイワイガヤガヤ


絹旗 「……なんかやけに混んでないですか?」

白井 「夕食の準備、ということを差し引いてもこれは……」●REC

美琴 「……ねえ、絹旗さん。能力ってどんなだっけ?」

絹旗 「窒素装甲ですか? ええとですね。大気中の窒素を集約、超圧縮することにより」

美琴 「ゴメン! 詳しい話は後で聞くとして、今は手短に!」

白井 「超固くて目に見えない全身タイツを着込む能力ですの」

絹旗 「他に言い方ないんですか!?」

美琴 「で、黒子は空間移動……よし、採用!」

絹旗白井 「「???」」

美琴 「卵Lサイズ8個入りが38円、お一人様2パックまでだからね」

白井 「だからね、と申されましても」



818:◆8GNB4AEvC.:2011/08/28(日) 00:55:40.37 ID:5WI0+Y7To

絹旗 「あの、それを私たちも超確保してこいと?」

美琴 「そゆこと♪」

絹旗 「御坂さん、そんなことしなくてもお金超ありますよね!?」

美琴 「細かいことはあとあと! ほら行くわよ!」ダッ

白井 「」

絹旗 「やらなきゃならないみたいですね……」

白井 「お姉様……」



~特売コーナー~


絹旗 「ぬわーー! どいてください押さないでください!!」

白井 「いたっ! いたたたた!」

絹旗 「超邪魔です! 窒素連牙弾!!」ポカポカポカポカ

白井 「誰ですか髪を引っ張ってるのはぁぁ!!」

絹旗 「ひゃぁっ!? だっ、ど、どこ触ってるんですかー!!」ポカッ



819:◆8GNB4AEvC.:2011/08/28(日) 00:57:42.14 ID:5WI0+Y7To

 :
 :
 :

絹旗 「」ゲッソリ

白井 「」グッタリ

美琴 「お疲れさん♪ じゃお会計行くわよ」

絹旗 「……あ、白井さん。テールが片方ほどけてますよ」

白井 「いつの間にやらリボンが消失してましたの……」

絹旗 「超スペアはないんですか」

白井 「残念ながら」

絹旗 「じゃこれ使ってください。お惣菜コーナーから超頂きまして」

白井 「輪ゴムではないですか……」

絹旗 「ダメですかね」

白井 「もう結構ですの。一本で纏めておきますので」シュルシュル

絹旗 「おっ、超ポニテ。下ろしておくって選択肢はないんですか?」

白井 「くせっ毛ですので。対策なしに下ろすと後々大変ですの」



820:◆8GNB4AEvC.:2011/08/28(日) 00:59:49.84 ID:5WI0+Y7To


~同日 第7学区 ???~


絹旗 「さて、命がけで戦利品をゲットした私たちは移動を開始しました」

白井 「どちらへ向かうおつもり……いや、分かってはいるんですけれども」●REC

美琴 「……アイツ、まだメール返してこない。何やってんのかしら……」ブツブツ

絹旗 「御坂さんは、さきほどから超少々不機嫌ですが」

白井 「どうもメールの返事が滞っておられるようですの」

絹旗 「返事が来ないんですか?」

美琴 「あ? うん、そんなところ」

絹旗 (うわ、超怖ぇ)

美琴 「この買い物だって、アイツのリクエストのために買ったのに」

絹旗 「あ、じゃこれ夕食の材料なんですね」

白井 「いつもこうしておられますの?」

美琴 「へ? う、うん……いつもっていうか」

絹旗 「毎日ですか」



821:◆8GNB4AEvC.:2011/08/28(日) 01:01:22.81 ID:5WI0+Y7To

美琴 「まっ、ままま、毎日じゃないわよ! 週6日ぐらい、かな……?」

絹旗 「毎日ですね」

白井 (し、嫉妬の炎が……!)

美琴 「いいじゃない、別に! あの部屋で一人で食べたってつまらないもん」

白井 「……そういえば、なぜ長点上機の寮に?」

美琴 「だっていつまでも厄介になってるのも悪いかなって思って……
    そ、そりゃ一緒にいれるならその方が楽しいけど、でも、なんていうか」

絹旗 「あ、もう超いいです。分かりましたんで」

白井 (ぐぉぉぉぉぉ)

絹旗 (これ以上は白井さんがしっとマスクになっちゃいますね)

美琴 「さ、て。着いたけど、アイツいないのかな」

絹旗 「えー、どうやら目的地に到着した模様です」

白井 「やはりここでしたか……」●REC

絹旗 「ご不在だったらどうするんですか?」

美琴 「カギなら持ってるから大丈夫よ」



822:◆8GNB4AEvC.:2011/08/28(日) 01:03:11.08 ID:5WI0+Y7To

 :
 :
 :


<ガチャ バタン


禁書 「あ、みこと。今日は遅かったね」

美琴 「うん。買い物してたからね」

絹旗 「現在、とある学生寮の一室に入りました。超質素ですね」

白井 「ベッドと机しかないわたくしたちの寮よりはマシかと」

美琴 「当麻は、やっぱいないのね」ハァ

禁書 「こもえから電話があって、今日は補習なんだって」

美琴 「またぁ!? っていうか、なんで先生が連絡してくるのよ」

禁書 「私に言われても分からないんだよ」

絹旗 「この時期に超補習なんてしてて大丈夫なんですか?」

美琴 「知らないわよ! 私とインデックスがあんだけ勉強みてあげたのに」

禁書 「とうまはおバカだからしょうがないんだよ」

白井 「あの殿方の場合は、頭の出来云々より出席日数の問題かと」



823:◆8GNB4AEvC.:2011/08/28(日) 01:05:29.89 ID:5WI0+Y7To

美琴 「はぁー……とりあえず、待ちながら夕食の準備でもしましょ」

禁書 「今日のご飯は何なのかな!?」キラキラ

美琴 「シチューよ」

禁書 「キターーーー」

美琴 「じゃ、始めるとしますか」

絹旗 「……しかしすごいですね。よくみたら家電が須らく超最新型ですよ」

白井 「テレビも、これは75インチプラズマ……」

禁書 「それはね、みことがすぐに漏電して壊しちゃうからなんだよ」

絹旗 「なんとまぁ」

白井 「お姉様の漏電癖はこんなところでも被害を」


<だから弁償してるじゃなーい!


絹旗 「こんなものをポンと買ってのけるのに、なんでスーパーの特売で戦っていたんでしょう」

白井 「まったく、謎ですわね」

禁書 「んー、とうまのせいじゃないかな」



824:◆8GNB4AEvC.:2011/08/28(日) 01:07:59.55 ID:5WI0+Y7To

白井 「と、申されますと?」

禁書 「前にね、みことが100グラム6000円のお肉を買ってきたことがあったの」

絹旗 「すげ……」

禁書 「その日の夜に、とうまが吐き気と腹痛がすごかったんだよ。
    救急車を呼ぼうとしたんだけど、"ダメだ! 肉もったいない!"って止められるし」

絹旗 「アホですか」

白井 「食あたりでしょうか」

禁書 「でも私とみことは同じものを食べてなんともなかったんだよ。つまり」

絹旗 「つまり?」

禁書 「とうまの臓物は、高い食材は受け付けないようにできてるんだよ」

絹旗 「あっ、だから超安い食材を選んで買ってるんですね」

白井 「こんな下らないことでお姉様にいらぬ苦労をさせやがってですの……」ギリギリ

絹旗 「今日に関しては私たちもです」

スフィ 「」ポテポテ

絹旗 「お、ここでも猫飼ってるんですね」



825:◆8GNB4AEvC.:2011/08/28(日) 01:10:32.28 ID:5WI0+Y7To

禁書 「そうだ。スフィンクスのご飯の時間なんだよ」トテトテ

白井 「スフィンクス……」

絹旗 「超個性的な名前ですね……」

禁書 「スフィンクス、お待たせー」【猫缶】プキッ

スフィ 「♪」

絹旗 「こっ、こいつ! うちのユリコより超いいもん食べてますよ!」

白井 「この猫缶も、お姉様が?」

禁書 「うん。みことが補充してくれてる」

絹旗 (ユリコのエサもワンランクアップしてあげますか……子どもも出来たんですし)

スフィ 「」マフマフ

絹旗 「え、なんか超おいしそうですよ」

白井 「食材的に、人間が食べても違和感はないでしょうし」

禁書 「そうかな? 猫向けの味付けだから。あんまり美味しくなかったんだよ」

絹旗白井 ((食べたんだ……))



826:◆8GNB4AEvC.:2011/08/28(日) 01:12:49.13 ID:5WI0+Y7To


~30分後~


美琴 「あとは煮込むだけ♪」

絹旗 「超お疲れさまです」

白井 「お姉様は、以前の常盤台の寮が壊れてからここにお住まいになっていたんですよね」

美琴 「うん、まあね」

絹旗 「それが分からなかったんですよね。なんでまた?」

美琴 「なっ、なんでって……そりゃ、あの……ほら、あれよ、あれ……」プシュー

白井 「絹旗さん、いけません。これ以上は漏電の恐れがありますの」

絹旗 「えっ。そりゃ超マズイですね」

禁書 「スフィンクスは危険を察知してとっくに逃げちゃったんだよ」

絹旗 「このテの質問はNG、と」メモメモ

美琴 「あっ、そ、そうだ! 二人とも門限は大丈夫なの!?」

絹旗 「この取材に関しては超問題ないです」

白井 「お姉様は大丈夫なのですか?」



827:◆8GNB4AEvC.:2011/08/28(日) 01:14:47.12 ID:5WI0+Y7To

美琴 「私? 平気平気。だってあの寮、決まりとかないもん」

絹旗 「あ、なら超平気ですね」

美琴 「寮って言ってるけどね。結局、学校がオーナーやってるマンションよ」

絹旗 「超ちょっとうらやましいです」

美琴 「常盤台はねー。絹旗さんみたいなタイプには窮屈なんじゃない?」

絹旗 「ええ、まあ。ちょくちょく寮監に超締められますし」

白井 「そろそろわたくしを巻き込むのはやめて頂きたいのですが」

美琴 「二人とも相変わらずね」クスクス


<ガチャ バタン
<戻ったぞぉ……


禁書 「あっ、とうまが帰ってきた!」

絹旗 「なんかやけに超疲れ果てた声が聞こえてきましたが……」

美琴 「当麻のことだから。財布落としてチンピラに絡まれて上から信号機が降ってきたとか、そんな程度でしょ」

白井 「それでそんな程度なのですか」



828:◆8GNB4AEvC.:2011/08/28(日) 01:17:26.97 ID:5WI0+Y7To

禁書 「当麻、おかえりなんだよ!」

美琴 「お帰り。食事できてるから準備するわね」

上条 「おう、たでーまー……あー、今日は疲れましたことよ」グッタリ

絹旗 「何があったんですか?」

白井 「どうせいつもの不幸ですの」●REC

上条 「財布落として、探してたらチンピラに絡まれて、逃げれたと思ったら頭上から信号機が降ってきてな……」

絹旗白井 「「……」」

上条 「やめて! 憐れむような目で上条さんを見つめるのはやめて!」

絹旗 (御坂さん超すげー……)

白井 (不幸もここまで続くと、逆に幸運なのでは)

美琴 「はいはい、シケた話してないで。ご飯にするわよ」

禁書 「ごはんごはんごはーーん!」

上条 「上条さんの不幸話はシケた話ですか……」

美琴 「いつも財布落とすからって、もう財布にはレシートしか入れてないじゃない」

上条 「まあな! 現金とかカードは、このウェストポーチ金庫に入れればバッチリだぜ!」フンス

絹旗 「もう財布持ち歩かなくていいじゃないですか」



829:◆8GNB4AEvC.:2011/08/28(日) 01:19:56.03 ID:5WI0+Y7To

白井 「絹旗さん」●REC

絹旗 「あ、いけね。超忘れてました。ええと、手元の資料に寄りますと」

絹旗 「このウニ頭は上条当麻さん。どこぞの高校の3年生でレベルはゼロ」

白井 「類人猿、以上」

上条 「ひどい!……っていうか、白井か?」

白井 「ええ、白井ですが」

上条 「髪型変えたんだな。一瞬誰か分からなかったぜ」

白井 「まあ、アクシデントですの。貴方ほどではございませんが」

上条 「その髪型もいいじゃねぇか。いつもと違う雰囲気でさ」

白井 「っ」

美琴 (またこいつは天然でこんなこと言ってぇぇぇぇ!!)

禁書 (とうまはブレないんだよ)ハァ

絹旗 (いるんですよね、超無自覚でこういうことやらかすヤツ)

絹旗 「さて、こちらのシスターは禁書さん。正しくは、Index-Librorum-Prohibitorum……?」

禁書 「うん。魔法名はdedicatus545、込めし意味は」

絹旗 「ち、ちょっ、ちょっと待ってください! これ本名ですか?」

禁書 「違うんだよ?」



830:◆8GNB4AEvC.:2011/08/28(日) 01:22:06.30 ID:5WI0+Y7To

絹旗 「は、はあ……まあ、そういうものでしょうか……」

美琴 「深く考えなくていいわよ。それじゃ夕食にしましょ」

禁書 「ごはんごはんごはーーん!」

上条 「こら! みかんみかんみかーーんみたいに言うんじゃありません!」

白井 「旺盛な食欲ですのね……」

上条 「お蔭で上条家のエンゲル係数は青天井でございますことよ」シクシク

禁書 「みことのおかげで人間らしい食事ができるようになったんだよ」

絹旗 「つまり以前は人間らしくなかったと」

白井 「これはDVの解釈が当てはまるでしょうか」

上条 「俺だって頑張った! 頑張ったんですよ!」

美琴 「うん、頑張ったよね」ナデナデ

上条 「御坂は優しいな……」

禁書 「じゃ、いただきまーす!!」ガツガツ

絹旗 「……あの、私たちの分も超並べられてるんですが」

白井 「お姉様の手料理を食べないという選択肢はこの世に存在しませんの」

美琴 「ほら、みんな。冷めちゃうわよ」



831:◆8GNB4AEvC.:2011/08/28(日) 01:23:50.00 ID:5WI0+Y7To

 :
 :
 :

禁書 「お代わり!……じゃなくて、持ってくるんだよ」トテトテ

絹旗 「何杯目ですか!?」

上条 「あいつはよく食うからな」

白井 「これだけ美味しいんですから当然ですの。もうジョッキで飲みたいぐらいですの」

美琴 「大袈裟よ」

絹旗 「さっきキッチンのぞいたとき、ラーメン屋でスープ作るみたいな鍋でシチュー作ってましたけど」

美琴 「ここじゃアレぐらい普通よ」

禁書 「普通なんだよ!」ガツガツ

絹旗 (常識が超通用しない空間ですね……)

禁書 「ごちそうさま!」ブフィー

白井 「ごちそうさまでしたの」ペコリ

上条 「ごちそうさまでした!」

絹旗 「あ、超ごちそうさまです」

美琴 「はーい、お粗末さま」

上条 「うし。こっからは上条さんの仕事だな! 片付けのプロに任せなさい!」カチャカチャ



832:◆8GNB4AEvC.:2011/08/28(日) 01:25:56.79 ID:5WI0+Y7To


~しばらくして~


美琴 「さて、そろそろ私帰るわね」

禁書 「あれ? 今日はお泊りじゃないんだね」

美琴 「うん。明日も学校だしね」

上条 「悪ぃな。いつもいつも」

美琴 「別にいいわよ、こんぐらい」

上条 「いやいや、感謝してもしきれませんよ」ナデナデ

美琴 「ふにゃー」

絹旗 「どうやら帰るみたいです」

白井 「気安くお姉様の綺麗な髪にぃぃぃ……」ギリギリ

上条 「送ってかなくて平気か?」

美琴 「私を誰だと思ってるのよ」

絹旗 「まあ、超LEVEL5ですしね」

白井 「お姉様にかかれば、チンピラ数百人など一瞬ですの」フンス



833:◆8GNB4AEvC.:2011/08/28(日) 01:27:40.09 ID:5WI0+Y7To

美琴 「じゃ、また明日ね!」

上条 「くれぐれも気を付けてな」

禁書 「みこと、ごちそうさまなんだよ!」ノシ

美琴 「アンタ相手だと作り甲斐があるわね、ホント」クスッ

絹旗 「超仲良しなんですね」

白井 「よきことですの」

美琴 「じゃ、おやすみ!」


  ガチャ バタン


美琴 「さってと」コツコツ

絹旗 「もうバスないですよ?」

美琴 「うん、だからタクシーね。歩くには遠いし」

白井 「お姉様、今充実しておられますの?」

美琴 「してるかしてないかでいったら、すごく充実してるわね」

白井 「……それが聞けて安心しましたの」



834:◆8GNB4AEvC.:2011/08/28(日) 01:30:18.64 ID:5WI0+Y7To


~同日 第7学区 とある大通り~


美琴 「二人とも、お疲れさん」

絹旗 「ええ、超お疲れ様でした」

白井 「絹旗さん、お疲れ様ですの」

絹旗 「なに一緒に乗ってこうとしてるんですか!!」グイー

白井 「あぁん、お姉様ぁ」ズルズル

美琴 「ホント、変わらないわね。絹旗さん、黒子のことよろしくね」

絹旗 「任せといてくださいよ」

美琴 「二人なら大丈夫だと思うけど、帰り道気を付けてね」

白井 「あぁ、お姉様に気遣って頂けるなんて」クネクネ

美琴 「じゃ、またその内ねー」ノシ


  ブロロロロ


白井 「さあ、絹旗さん」●REC

絹旗 「切り替え超早いですね。はい、ということで御坂さんたちは充実した生活を送っているとのことでした」

白井 「それでは、今回の取材を終えたいと思いますの。ごきげんよう」



835:◆8GNB4AEvC.:2011/08/28(日) 01:31:02.68 ID:5WI0+Y7To

といったところで、今回はここまでです。
いつも思うんだけど、書くのが難しいキャラNo1って上条さんじゃなかろうか。
さて、次はどこに向かうのでしょうか。

お付き合い頂き、ありがとうございました。



837 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/08/28(日) 01:33:09.09 ID:Uqka03oZ0
乙ー

なんか三人が家族みたいになっててほんわかした




841 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県):2011/08/28(日) 02:10:04.03 ID:ROkS6Wp00
乙ですー 取材編、今後誰が出てくるか楽しみだ



842 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2011/08/28(日) 02:15:55.09 ID:2SIPsTUyo


スフィンクスの足音がボテボテに見えて「ああ食生活が安定してデブ猫になったんだな…」なんて考えてしまった




次→絹旗「きぬはた荘、あふたー!」白井「あふたー?」その4

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コメント一覧
13065. 名前 : 獅子戦吼!!◆- 投稿日 : 2011/10/08(土) 10:29 ▼このコメントに返信する
>>絹旗 「超邪魔です! 窒素連牙弾!!」

そいやあマーボーカレーも出てたっけか?
作者はテイルズファンだろうか?
だとしたら作者とはいい酒が飲めそうだ(´ω`)
13070. 名前 : ほくそん◆- 投稿日 : 2011/10/08(土) 14:23 ▼このコメントに返信する
乙!!

取材編次回も楽しみにしています!
13071. 名前 : 名無しさん◆- 投稿日 : 2011/10/08(土) 14:52 ▼このコメントに返信する
安定しておもしろいです!! 次回楽しみ!
13087. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/10/08(土) 23:23 ▼このコメントに返信する
しっとマスクwwwwパッパラwwwwテラ懐かしいwwww
13105. 名前 : 名無し◆- 投稿日 : 2011/10/09(日) 10:43 ▼このコメントに返信する
タイムスクープハンターネタww
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