絹旗「きぬはた荘、あふたー!」白井「あふたー?」その2

2011-10-06 (木) 18:09  禁書目録SS   5コメント  
前→絹旗「きぬはた荘、あふたー!」白井「あふたー?」
まとめ→きぬはた荘シリーズ まとめ



222:◆8GNB4AEvC.:2011/08/07(日) 05:03:36.04 ID:dqiDd+fRo
それでは始めさせて頂きます。
前回の続きからです。



223:◆8GNB4AEvC.:2011/08/07(日) 05:05:22.63 ID:dqiDd+fRo

麦野 (さっきの子、似すぎだろ……)

麦野 (まさか、フレンダの……)

麦野 (いやいや、まず落ち着け)

19090 「あの、しずりん?」

麦野 「あ、ああ、ゴメン、なんでもないの」

麦野 (まず、あの子が何者か確かめる。話はそれからね)


<ジャーーーー
<バタン


フレメア 「ふぅ」

麦野 (……似てるなんてレベルじゃない。じゃ、やっぱり……)

フレメア 「♪」バシャバシャ

麦野 「ねえ、あなた」

フレメア 「看護婦さん? どうしたの?」

19090 「正確には看護婦さんではなく看護助手さんですよ、とミサカは訂正を求めます」



224:◆8GNB4AEvC.:2011/08/07(日) 05:07:14.84 ID:dqiDd+fRo

麦野 「どうでもいいわ、黙ってろ」ベシッ

19090 「いたいっ」

フレメア 「?」

麦野 「あなたのお名前って、もしかして、フ……フレ……」

フレメア 「あれ? お姉ちゃん、なんで私の名前知ってるの?」

麦野 「!? じゃ、じゃあやっぱり生まれ変わりなの……!?」

フレメア 「?」

19090 「?」

麦野 「そうよね、私に言いたいことあるのよね。それであなたは……
    ええ、もちろんどんな言葉でも受け入れるわよ。
    私はあなたにそれだけのことを」

19090 「おっ、落ち着いてください!」ズビシッ

麦野 「ふぎゃ」

フレメア 「???」

19090 「しずりん、あなた疲れているのです」

麦野 「え、あ、アンタまで……!」



225:◆8GNB4AEvC.:2011/08/07(日) 05:08:25.47 ID:dqiDd+fRo

19090 「そ、そうでなければ更年期障害」

麦野 「」ガシッ

19090 「ぴぎゃ!? い、痛いです痛いです!」メリメリ

麦野 「誰が更年期だ、誰が!」

フレメア 「大体ケンカはだめーーー!」

麦野 「」ピタッ

19090 「あ、頭が割れるかと……」ズキズキ

麦野 (はー、今のでちょっとほぐれたわ……落ち着いてもう一回)

麦野 「ね、あなたのお名前教えてくれるかな」

フレメア 「フレメア。フレメア=セイヴェルン」

麦野 (セイヴェルン……)

フレメア 「」ジー...

麦野 「?」

フレメア 「むぎ、の……?」

麦野 「えっ?」



226:◆8GNB4AEvC.:2011/08/07(日) 05:10:21.17 ID:dqiDd+fRo

フレメア 「お姉ちゃんの名札、大体むぎのって読むの?」

麦野 「あ、これ? ええ、むぎので正解よ」

19090 「ちなみにミサカのはミサカと読みます、とミサカは名札を天高く掲げて」

麦野 「アンタのは片仮名で書いてあるでしょうが」

フレメア 「もしかして、フレンダお姉ちゃんがいつも自慢してた人?」

麦野 「お姉ちゃん……フレンダの妹なの……?」

フレメア 「うん」

麦野 「……」

フレメア 「お姉ちゃん、たまに電話でお話してたんだけど」

フレメア 「自分の周りには強くて綺麗な人がたくさんいるんだ、っていつも自慢してた」

フレメア 「ちょっぴり羨ましかった、にゃあ」

麦野 「あいつ、そんなこと……」

フレメア 「でね、でね」

フレメア 「お姉ちゃんがいつも言ってたの」

麦野 「どんなこと?」



227:◆8GNB4AEvC.:2011/08/07(日) 05:12:21.32 ID:dqiDd+fRo

フレメア 「もしお姉ちゃんに何かあったら、麦野ってお姉さんを頼りなさい」

フレメア 「麦野は喧嘩がすごく強いから助けてくれる訳よ、って」

麦野 「ほかにセールスポイントあるだろ……」

19090 「腕っ節の強さは本物ではないですか、とミサカは」

麦野 「アンタちょっと黙ってろ」

フレメア 「麦野お姉ちゃんはすっごく綺麗だけど、大体強いの?」

麦野 「……弱いわよ、すっごく弱い」

フレメア 「?」

麦野 「あなたのお姉ちゃんの方が、ずっと強かったんじゃないかしら」

フレメア 「そうなの?」

麦野 (信じ続けることができたか、できなかったか)

麦野 (あの時、フレンダはそれができて私はできなかった)

麦野 (結局私が弱かったから)

フレメア 「ねえ、麦野お姉ちゃん」

麦野 「ん?」



228:◆8GNB4AEvC.:2011/08/07(日) 05:13:50.84 ID:dqiDd+fRo

フレメア 「…………ええとね、麦野お姉ちゃん」

麦野 「どうしたの?」

フレメア 「…………」

麦野 「黙ってても分からないわよ」

フレメア 「大体、メールアドレス教えてほしい」

麦野 「あ、えっと……」

19090 「仕事中は携帯を持ってないのです、とミサカは致命的な問題を指摘します」

フレメア 「」ムー

麦野 「じゃあ、携帯貸して。打ち込んであげるから」

フレメア 「にゃあ」つ【携帯電話】

麦野 「」カチカチ

19090 「次ミサカです」

麦野 「なんでよ」

フレメア 「そっちのお姉ちゃんも入れて。大体電話帳が増えると嬉しい」ピョンピョン

19090 「ええと、19090アットマ-ク……」カチカチ

麦野 「覚えやすくていいわよね、アンタのアドレス」



229:◆8GNB4AEvC.:2011/08/07(日) 05:15:29.78 ID:dqiDd+fRo


~その頃~


浜面 「」ソワソワ

浜面 「なんだ随分長いな」

浜面 「まさか、中でなんかあったのか?」

浜面 「突入……していいものかどうか……」


<あ、いたいた。


浜面 「?」

滝壺 「いぇい」

浜面 「おお、滝壺か。よくここがわかったな」

滝壺 「AIM……じゃなくてGPS発信機」

浜面 「そういえばそんなのも持たされてましたね、俺……」

滝壺 「フレメアは一緒じゃないの?」

浜面 「あ、そうそう。フレメアなんだけどよ。どうもトイレが長いんだ、ちょっと見てきてくれねぇか」

滝壺 「そうなの? ちょっと見てくるね」



230:◆8GNB4AEvC.:2011/08/07(日) 05:17:13.99 ID:dqiDd+fRo

滝壺 「フレメアー? フレ……あっ」

フレメア 「あっ、滝壺お姉ちゃんだ」トテテテ

麦野 「えっ、滝壺?」

滝壺 「むぎのだ。久しぶりだね」

麦野 「ああ、1か月ぶりぐらい?」

フレメア 「大体登録完了、にゃあ」カチカチ

滝壺 「フレメアと話してたの?」

麦野 「うん、そんなところ」

滝壺 「……そっか。仲良くしてあげてね」

麦野 「もちろんよ。ところで、今は……」

滝壺 「私とはまづらと、3人で一緒に住んでるよ」

麦野 「なるほど。なら安心だな」

フレメア 「滝壺お姉ちゃんは優しいし、浜面は面白くて楽しいよ」

麦野 「ふふ、よかったわね」ナデナデ



231:◆8GNB4AEvC.:2011/08/07(日) 05:19:10.27 ID:dqiDd+fRo

フレメア 「今度お姉ちゃんも遊びに来てほしい」

滝壺 「うん、ご飯でも食べてって」

麦野 「そうね、そういえば新居にはまだ行ったことなかったわね」

フレメア 「大体来てね、約束だからね!」

麦野 「ええ、約束ね。あ、そうだ」

フレメア 「?」

麦野 「フレメア、もしあなたに何かしようするおバカさんがいたら」

フレメア 「うん」

麦野 「私に連絡しな。すぐにやっつけてやるからさ」

滝壺 「むぎのはすっごい強いから頼りになるよ」

フレメア 「浜面より強いの?」

滝壺 「どっちだろう」ウーン

フレメア 「……でも、考えてみたら浜面は滝壺お姉ちゃんより弱かった」

麦野 「相変わらず尻に敷いてるのね、滝壺は」

滝壺 「浜面が優しいだけだよ」



232:◆8GNB4AEvC.:2011/08/07(日) 05:21:35.13 ID:dqiDd+fRo

 :
 :
 :

フレメア 「お待たせー」トテテテ

浜面 「遅いっ! トイレするだけなのにどんだけ時間かけてるんだ!」

麦野 「はーまづらー。女の子相手にその発言はちょっと頂けないにゃー」

浜面 「げぇっ、麦野!?」

滝壺 「むぎの、はまづらは悪気はないんだよ。デリカシーもないけど」

浜面 「滝壺まで! ひどい!」

麦野 「浜面にそこまで期待するのが酷ってもんよね」

19090 (ミサカすっかり空気です、とミサカは己の過酷な境遇を嘆きます……)

浜面 「遅かったのは麦野と話し込んでたからか」

フレメア 「メルアドももらったんだよ」フンス

浜面 「そうかそうか、よかったな。麦野はすげぇ力持ちだから、心強いぞ」

麦野 「なんでみんなそう言うんだ……」

19090 「事実ですし」



233:◆8GNB4AEvC.:2011/08/07(日) 05:23:14.00 ID:dqiDd+fRo

浜面 「よし、じゃ帰るとするか。麦野も仕事中みたいだしな」

滝壺 「むぎの、またね」

フレメア 「またねー」ノシ

麦野 「気をつけてな」


<あ、帰りに夕飯の買い物していこう。
<大体カレーが食べたい!
<俺、麻婆豆腐!
<じゃ、混ぜてみようか。


19090 「家族とはああいうものなのでしょうか、とミサカは感慨深げに語ります」

麦野 「……」

麦野 (今更許されるとは思わないし、何をしてもこの後悔は消えないけど)

麦野 (せめて、あの子の……いや、あの3人の日常を壊そうってヤツがもしいるなら)

麦野 (私が真っ先にそのおバカさんを懲らしめてやる)

19090 「しずりん、そろそろ戻りましょうか」

麦野 「そうね。よしっ、もう一頑張りといくか」



234:◆8GNB4AEvC.:2011/08/07(日) 05:25:09.61 ID:dqiDd+fRo


~同日夜 第7学区 海原結標邸~


結標 「はぁ……どうしよ」

ショチトル 「どうしたんだ?」

結標 「今月ちょっと出費が多いなーと思って」

ショチトル 「そうなのか」

結標 「外出が多かったから、外食も多くなっちゃったしね」

ショチトル 「……こういってはなんだけど」

結標 「なに?」

ショチトル 「1回の食事を作るのに、3日分の食材が犠牲になるのが」

結標 「ま、前に比べればマシになったじゃない! 前は5日分が犠牲になってたんだから!」

ショチトル 「それはそうなんだけど」

結標 「この間だって、どうにかコロッケ作ったでしょ」

ショチトル 「お兄ちゃんが"ダイナマイトコロッケ"と名付けたアレか。見た目はともかく、味はまともだったな」



235:◆8GNB4AEvC.:2011/08/07(日) 05:27:18.59 ID:dqiDd+fRo

結標 「でしょ? 前は見た目は酷くて味はもっと酷かったんだから」フンス

ショチトル 「威張ることではない」

結標 「分かってるわよ。じゃ、さっさと夕食の準備しましょうか」

ショチトル 「といっても兵糧が若干不足しているが」

結標 「買い物もしてないし、あるものでどうにかするしかないわね」

ショチトル (ありあわせって、義姉さんにはハードル高いんじゃ……)

結標 「さーて、何があったかしらね」ガチャ

ショチトル (まあ、どうにかなるよね)

結標 「……うん……親子丼ね」

ショチトル 「親子丼?」

ショチトル (あれ? 鶏肉なんてあったっけ?)

結標 「じゃ、始めましょ。今日はサクッと作れるわよ」

ショチトル 「……義姉さん、それをどう使うんだ」

結標 「まあ見てなさいって」クスッ



236:◆8GNB4AEvC.:2011/08/07(日) 05:29:26.72 ID:dqiDd+fRo


~30分後~


ショチトル 「お兄ちゃん、夕食にするぞ」

エツァリ 「ああ、はい。今向かいます」

ショチトル 「」ハァ

エツァリ 「いやぁ、お腹が空きました。今日のメニューはなんですか?」

ショチトル 「親子丼らしい」

エツァリ 「らしい?」

ショチトル 「見ればわかる」

結標 「あ、来た? じゃ食べましょうか」

エツァリ 「お米の上に……これは子持ちししゃもですか。なるほど、親子丼ですね」

ショチトル 「済まない、食材があまりなくて」

エツァリ 「いやいや、独創的でいいと思いますよ。では、頂きます」

ショチトル 「いただきます……」

結標 「今日は……そんなに失敗してないと思うんだけどな」

ショチトル (焼いてのせただけだからな)



237:◆8GNB4AEvC.:2011/08/07(日) 05:31:29.76 ID:dqiDd+fRo


~その頃 第7学区 番外通行邸~


番外個体 「ごち」

一方通行 「ごち」

打ち止め 「ちゃんとごちそうさまって言わなきゃダメなんだよ! ってミサカはミサカは指摘してみたり!」

番外個体 「ごちそうさまでした」

一方通行 「ごちでェす」

打ち止め 「もぉー、何度も言ってるのに! ってミサカはミサカは憤慨してみるんだけど!」プンスコ

番外個体 「はいはい、もう言ってもムダだから。それより今日はあなたの番でしょ」

打ち止め 「むー……とりあえず、洗い物してくる」カチャカチャ

番外個体 「」ハフー

一方通行 「なあ、コーヒー飲みてェ」

番外個体 「最終信号のお仕事が終わったらね」

一方通行 「しょォがねェな……」

番外個体 「早く飲みたいんだったら手伝っておいで」



238:◆8GNB4AEvC.:2011/08/07(日) 05:33:15.83 ID:dqiDd+fRo

一方通行 「待ちますよ。……ンで、ワースト」

番外個体 「ん?」コキコキ

一方通行 「オマエ、溜まってンだろ」

番外個体 「……なんでバレたし」

一方通行 「見てりゃわかるっての。来いよ、ほぐしてやる」

番外個体 「えー、今ここで? 最終信号が見たらどう思うかな?」

一方通行 「今更どォもしねェだろ。いいからこい」グイ

番外個体 「あふ」



打ち止め 「Butterfly♪ 今日は いままーでーの♪」ジャブジャブ

打ち止め 「どんな 時よーりすばーらしい♪」カチャカチャ


<いたっ! いたたたた!
<これぐらいで叫ぶンじゃねェ。


打ち止め 「赤い糸で むすばーれて……?」ジャブ

打ち止め 「今何か聞こえたような……」



239:◆8GNB4AEvC.:2011/08/07(日) 05:34:54.17 ID:dqiDd+fRo


<や、あぁっ……痛いってば!
<こンななるまでほっとくほうが悪ィンだろ。


打ち止め 「!?」ドタタタ

打ち止め 「ふっ、二人して何してるの! ってミサカはミサカはリビングに突入してみたり!」バン

番外個体 「ん、マッサージ」

一方通行 「溜めすぎだろ、ガチガチじゃねェか」グニグニ

番外個体 「うひゃーぁう……」フニャー

打ち止め 「ずーるーいー! ミサカもミサカも!」

番外個体 「あなた肉体的には全然若いんだからいらないでしょ」

打ち止め 「でもでもミサカだって疲れるもん!」

一方通行 「後でやってやるから、まず食器かたしてこい」

打ち止め 「約束だからね! 絶対だからね!」ドタタタ

一方通行 「ったく、騒々しい」

番外個体 「悪い気はしてないクセに素直じゃない(ゴリッ)いぎゃわぁぁ!?」

一方通行 「おっ、悪ィ悪ィ。なんか変なツボに入っちまったみてェだ」



240:◆8GNB4AEvC.:2011/08/07(日) 05:36:12.95 ID:dqiDd+fRo

といったところで、今回はここまでです。
これ、手直し前は結構重め暗めな話だったのに、
どうしてこうなった。

お付き合い頂き、ありがとうございました。



241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州・沖縄):2011/08/07(日) 05:54:05.69 ID:8JlgsJrAO
スタン「マーボーカレーと聞いて」
乙であった




244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/08/07(日) 09:56:29.04 ID:qtVVe4JAO
乙。
子持ちししゃもの親子丼……その発想は無かったわ




245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県):2011/08/07(日) 15:53:17.94 ID:97pBDqs5o
親子丼なら美鈴さんと美琴が良・・・いやなんでもない



246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/08/07(日) 16:03:52.44 ID:fRh7UPvU0
>>245
握手




252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/08(月) 14:27:10.51 ID:HXv8Bg1/o
冷静に考えるとまだ卵は腹の中だから
親子丼じゃなくて孕ませ丼じゃね?




253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/08(月) 20:00:49.83 ID:6W4d0XRIO
何それエr……ヤバい



254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/08(月) 21:36:29.55 ID:DR2W8cQI0
つまり近いうちに自分もこんな風にお腹ポッコリになっちゃう
ということを暗示してるのか




266 : ◆8GNB4AEvC.:2011/08/09(火) 00:08:25.17 ID:3TNHgbV7o


~その頃 第7学区 常盤台新寮~


<ガチャ バタン


白井 「……」

絹旗 「あ、超おかえりなさい」

白井 「きーぬーはーたー」


 ヒュンッ


白井 「さん!」カッ

絹旗 「うひゃぁぁぁぁ!?」ズザザザ

白井 「」ヒクヒク

絹旗 「な、なんですか! キスまであと超少しの距離に突然テレポしてこないでくださいよ!」

白井 「貴女と言う人はぁぁ! ぐぉぉぉ!!」

絹旗 「え、この人なんでこんな怒ってるんですか」



267:◆8GNB4AEvC.:2011/08/09(火) 00:10:51.56 ID:3TNHgbV7o

白井 「分かりませんか! 分かりませんか!」ブンブン

絹旗 「頭振り回さないでくださいよ! ツインテールが当たって超地味に痛いんですよ!」

ユリコ 「ノシ・ω・)ノシ」

絹旗 「ユリコ! 今の白井テールにじゃれちゃ超ダメです!」

白井 「そもそも! わたくしがなぜこんな時間に帰宅したのかは分かっておられますの?」

絹旗 「超風紀委員の支部に寄ってたんですよね」

白井 「なぜ寄る必要ができたのしょう」

絹旗 「?」

白井 「貴女と黒夜さんの姉妹ゲンカの後始末をしてましたの!」

絹旗 「なんで姉妹ゲンカなんですか! 超違いますよ!」

白井 「しかも往来のど真ん中で暴れた挙句、二人して姿を消して……お陰で事態がややこしくなりましたの」

絹旗 「いや、あれはですね。真正面から超ぶつかり合った結果でして、つまり超不可抗力なんですよ」

白井 「どういうことですの」

絹旗 「超圧縮した窒素の塊同士がぶつかり合って、その際に発生した衝撃に二人して吹っ飛ばされました」

白井 「吹っ飛ばされたと……ああ、あの突風のタイミングですのね」

絹旗 「ええ。軽く数百メートルほど、ノーバウンドで」



268:◆8GNB4AEvC.:2011/08/09(火) 00:12:45.83 ID:3TNHgbV7o

白井 「絹旗さんだからほぼ無傷で済んで……おや? では黒夜さんは……」

絹旗 「自分の能力で超逆噴射でもして助かってると思いますけどね」

白井 「あれから連絡はとっておられないので?」

絹旗 「ええ、用事もないですし」

白井 「向こうからも?」

絹旗 「ないですね。疲れ果てて帰って超不貞寝でもしてるんだと思いますよ」

白井 「はあ……念のため、無事を確認しておいてくださいまし」

絹旗 「いいですよ、黒夜ですし」

白井 「やれ」

絹旗 「はい」

白井 「あと、あまり派手に立ち回らないように一言釘を」

絹旗 「え、なんで私が」

白井 「わたくしが言うよりは絹旗さんから言ったほうが通じるでしょう」

絹旗 「まあ……超ついでに言っておきますよ」

白井 「お願い致しますの」



269:◆8GNB4AEvC.:2011/08/09(火) 00:14:38.92 ID:3TNHgbV7o

絹旗 「んーと、あれ? 携帯、携帯……」

白井 「どうかされましたか」

絹旗 「私の携帯、知りません?」

白井 「存じませんの」ゴソゴソ

絹旗 「いや、さっきまで超あったと思うんですけど、あれ?」

白井 「絹旗さん、シャワーは?」

絹旗 「あ、超お先にどうぞ」

白井 「ではお先に頂きますの」


<バタン


絹旗 「ないですね……ユリコ、見ませんでした?」

ユリコ 「(・ω・ )」フモー

絹旗 「あ、これですこれ! ユリコ、超お手柄です!」ピャー

ユリコ 「(*・ω・)」

絹旗 「さて、メールメールと」カチカチ



270:◆8GNB4AEvC.:2011/08/09(火) 00:16:11.24 ID:3TNHgbV7o


 件名:今日のことについて
 日付:20yy/m/d 21:15
 ───────────────
 生きてますか?
 
 あなたが超暴れまわったお蔭で白
 井さんが超ご立腹ですよ。いい加
 減、能力をすぐぶっぱするクセを
 超どうにかしてください。



271:◆8GNB4AEvC.:2011/08/09(火) 00:17:43.07 ID:3TNHgbV7o

絹旗 「こんなもんですかね。超送信」ピッ

ユリコ 「((( ・ω・)」スリスリ

絹旗 「まったく、黒夜にも超困ったものですね」

絹旗 「ユリコもそう思いますよね?」

ユリコ 「(・ω・)」オミャー

絹旗 「ですよねー」

絹旗 「黒夜もあのバトル癖さえなければ、超普通にゲーセンとかに行く仲ですのに」


  [[携帯電話]]<キミト デーアーッテカラー イークツモノ ヨルヲカタ-リーアカーシタ♪


ユリコ 「( ・ω・)ノシ」バコバコ

絹旗 「ユリコ、超ダメですよ」

絹旗 「さっそく返信ですか。反省文の一つや二つ……」カチカチ



272:◆8GNB4AEvC.:2011/08/09(火) 00:19:28.59 ID:3TNHgbV7o


 差出人:窒素女
      
 件名:Re:今日のことについて
 日付:20yy/m/d 21:19
 ───────────────
.  ヽ(´・∀・`)ノ
      くく



273:◆8GNB4AEvC.:2011/08/09(火) 00:20:20.64 ID:3TNHgbV7o

絹旗 「……」

絹旗 「」バキン

ユリコ 「(・ω・)」ビクッ

絹旗 「あんの狂犬がぁ……!」

 :
 :
 :

白井 「ふぅ……」ホコホコ

絹旗 「」ゴロゴロ

白井 「絹旗さん、また制服のまま横になって」

絹旗 「だって超ダルかったんですもん」

白井 「はぁ、まったく……ッ!? い、いたっ!?」

絹旗 「どうしたんですか!?」ガバッ

白井 「これは……撒菱!? まさかこの寮に忍者が侵入して……」

絹旗 「あ、あー……超違いますよ、それ携帯電話です」

白井 「……た、たしかによく見たらボタンやら基盤やら……」



275:◆8GNB4AEvC.:2011/08/09(火) 00:23:05.22 ID:3TNHgbV7o

絹旗 「さて、私もシャワーを」イソイソ

白井 「お待ちなさいな。どうしてこんなことを」

絹旗 「超、勢いで」

白井 「困るのは絹旗さんですのに。もっと大事に扱いませんと」

絹旗 「超反省してまーす」

白井 「それともう一つ」

絹旗 「なんでしょう」

白井 「人が通るところに破片をバラまくなんて、何事ですか!」ポイポイポイ

絹旗 「あ、超やめてくださいよ! なんで私のベッドに投げるんですか!」

白井 「踏んづけたおかげで軽く出血しましたの!」

絹旗 「だからって、やめてくださいよ! 私が寝れないじゃないですか!」

白井 「ご自分で片づけてくださいまし!」

絹旗 「後で超片付けるつもりだったんですよ!」

ユリコ 「?( ・ω・)」クンカクンカ

絹旗白井 「「あ、ユリコダメーー!!」」



276:◆8GNB4AEvC.:2011/08/09(火) 00:25:21.15 ID:3TNHgbV7o


~絹旗入浴中~


白井 「ええと、バンドエイドは……もう、なんでわたくしがこんな……」ペタ

白井 「しかし絹旗さんも。あそこまで粉々だとデータ復旧もできませんのに」

白井 「どうなさるおつもりなのでしょう」

ユリコ 「(・ω・ )」ピトッ

白井 「ユリコ、今のわたくしは火照っていて熱いですのよ?」クスクス

ユリコ 「(・ω・)?」

白井 「……ちょっと失礼いたしますの」ダッコ

白井 「やっぱり……重いですわね」

白井 「まさか貴女が新しい命を身に宿す日がくるなんて」

ユリコ 「(*・ω・)」

白井 「とりあえず、今度きちんと病院で診てもらいましょうね」

白井 「そうそう。絹旗さんにそのこともちゃんとお話しませんと」

白井 「……そのことも」



277:◆8GNB4AEvC.:2011/08/09(火) 00:27:34.12 ID:3TNHgbV7o


<ガチャ


絹旗 「はひ~……」

白井 「随分長風呂でしたわね。いつもは10分少々で出てきますのに」

絹旗 「お湯の中で超寝ちゃってました……んで、超のぼせて……」

白井 「風邪ひきますわよ」

絹旗 「気を付けまーす……」バタッ


  [[携帯電話]]<ヒビキアウー ネガイガイマ メザメテクー♪


絹旗 「ほらほら、携帯が超鳴ってますよぅ~」

白井 「聞こえてますの。あら? 番号通知が空白……このパターンは」ピッ

白井 「はい、白井ですの」

婚后 『あ、わたくしでございます』

白井 「わたくしわたくし詐欺なら間にあってますの」

婚后 『ちっ、違います! 婚后です!』



278:◆8GNB4AEvC.:2011/08/09(火) 00:29:19.39 ID:3TNHgbV7o

白井 「もう落ち着かれました?」

婚后 『ええ、どうにか。そちらはそろそろ就寝時間でしょうか?』

白井 「ということは、そちらはそろそろお昼ですのね」

婚后 『ええ、先程済ませました……あの、ところで』

白井 「はい?」

婚后 『今、絹旗さんはご不在ですか?』

白井 「絹旗さんならわたくしの隣におりますが」

絹旗 「はいはーい……」ノシ

ユリコ 「( ・ω・)ノシ」

婚后 『左様で……先程、絹旗さんの携帯電話に掛けたのですが、繋がらなかったので』

白井 「あー……色々ございまして」

婚后 『?』

絹旗 「」ショボン

ユリコ 「( ・ω・)っ」ナデナデ



279:◆8GNB4AEvC.:2011/08/09(火) 00:31:11.30 ID:3TNHgbV7o

白井 「それで、そちらでの生活はいかがですの?」

婚后 『まだなんとも』

白井 「あら、存外タンパクですのね」

婚后 『まだ起きてからあまり時間も経っておりませんし』

白井 「では慣れたところでまたお話を聞かせてくださいまし」

婚后 『ええ。楽しみにしていてくださいな。……あっ』

白井 「?」

婚后 『そろそろ出かける準備をいたしませんと』

白井 「出かける? こんな時間に?」

婚后 『こちらはまだ真昼間ですわ』クスクス

白井 「そうでしたわね」クスクス

婚后 『では、失礼致します』

白井 「くれぐれもお気をつけて」ピッ

絹旗 「」フニャー

白井 「ほら、絹旗さんも。そろそろ寝る準備をしてください」



280:◆8GNB4AEvC.:2011/08/09(火) 00:33:34.72 ID:3TNHgbV7o

絹旗 「今の電話、婚后さんですかー?」

白井 「ええ。元気そうでしたの」

絹旗 「そりゃ超良かったですねー」

白井 「婚后さんはああ見えて器用ですから、何だかんだでやっていけるかと」

絹旗 「」ハニャー

白井 「絹旗さん、いつまでも下着姿でのびてないで」

絹旗 「超メンドイですー」

白井 「ちょっとオープンすぎですの」

絹旗 「どうせ私と超白井さんしかいませんしぃ」

白井 「……では、わたくしの知る限りの超絶テクを絹旗さんの肢体に」

絹旗 「さあ、パジャマはどこにしまいましたかね」シャキッ

白井 「」ハァ

絹旗 「あ、そうだ。ユリコ、明日の夕方に超病院行きますよ」

白井 「あら? 随分手早いですのね」

絹旗 「こういうのは早い方が超いいですからね」

ユリコ 「ノシ・ω・)ノシ」



281:◆8GNB4AEvC.:2011/08/09(火) 00:35:50.09 ID:3TNHgbV7o


~その頃 ロンドン~


婚后 「ふぅ……」

婚后 「この紅茶。やはり本場の味は違いますわ……」ズズ...


<コンコン ガチャ


シェリー 「よう、極東。メシは済ませたか?」

婚后 「あら、ミス・クロムウェル。ごきげんよう」

シェリー 「あ、ああ、ごきげんよう……ダメね、このテの挨拶は慣れなくて」

婚后 「逆に言えば、慣れるか慣れないかだけの問題ですわ」

シェリー 「あとさ。ミス・クロムウェルとか、そこまでしなくていいから」

婚后 「え? ですが」

シェリー 「いいって。適当にファーストネームで呼んでくれりゃ」

婚后 「で、では次回からはそうさせて頂きます」

シェリー 「よろしい。さて、直近の予定について確認しましょう」ドサッ



282:◆8GNB4AEvC.:2011/08/09(火) 00:38:05.15 ID:3TNHgbV7o

といったところで、今回はここまでです。
次回は婚后さんパートから入ります。
あと、交換留学という名目になってますが、
英国側の留学生についてはあまり前面に出てくる予定はないです。

お付き合い頂き、ありがとうございました。



285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県):2011/08/09(火) 01:16:29.92 ID:iG5Eo6w7o
ヽ(´・∀・`)ノ 乙
   くく




288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東):2011/08/09(火) 04:16:35.42 ID:Qq+FHEYAO
(´・∀・`)b



298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/08/09(火) 13:32:14.68 ID:e8B7Bz7I0
ヽ(´・∀・`)ノ >>1乙
   くく




299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県):2011/08/09(火) 14:09:29.57 ID:FRK2QBF00
ヽ(´・∀・`)ノ >>1乙
   くく




300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/09(火) 14:42:09.01 ID:SGzdcp/SO
ヽ(´・∀・`)ノ >>1乙
   くく




301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/08/09(火) 15:15:48.09 ID:/QzTPt6AO
黒夜湧きすぎだろwwww



302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/08/09(火) 17:27:24.76 ID:tDKbOrmAO
局地的ブームですねwww



303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県):2011/08/09(火) 18:08:50.45 ID:SVsGApvOo
携帯が佛壊れた



311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県):2011/08/10(水) 04:08:05.49 ID:ZHrqMnhyo
∧      ∧ 
∧      ∧ 
∧      ∧ 
∧      ∧         
ヽ(´・∀・`)ノ  窒素爆槍
   くく




313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/10(水) 04:33:45.58 ID:mtbIrYCIO
なんかていとうこくんの時よりイライラするのはなんでだぜ



319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/10(水) 14:18:57.53 ID:ApxRZhOUo
>>313
これでいいか?


キャプチャ



320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/08/10(水) 14:44:25.95 ID:1iUcGE5AO
>>319
何作ってンだwwwwww




322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2011/08/10(水) 16:48:00.77 ID:eiADy+VN0
>>319
これが暗闇の五月計画か・・・




341:◆8GNB4AEvC.:2011/08/11(木) 00:09:33.70 ID:6jlHkXSqo

シェリー 「しかしまあ、留学ではあるんだけど」ガリガリ

婚后 「はい」

シェリー 「傍から見たら、修学旅行にしか見えないかもね」フー

婚后 「そ、そうなのですか?」

シェリー 「今回の短期留学の目的は2つ。こっちの文化に触れることと、語学学習なんだけど」

婚后 「はい」

シェリー 「極東は日常会話程度の英語なら問題ないみたいだし」ガリガリ

婚后 (それにしてもニックネームが極東というのも……)

シェリー 「文化に触れるって言ったって、それ結局観光名所巡りか私の授業受けるかどっちかだからな」

婚后 「シェリーさんの授業と言うのは?」

シェリー 「美術史とか芸術論とかね」

婚后 「あ、やはりそちらの分野の方でしたのね」

シェリー 「やはり?」

婚后 「あ、いえ。どうぞお気になさらず」

シェリー 「……まあいいや。とりあえずー……」ガリガリ



342:◆8GNB4AEvC.:2011/08/11(木) 00:11:36.52 ID:6jlHkXSqo

婚后 「とりあえず」

シェリー 「大英博物館とかナショナルギャラリーでも見てもらって感想文かなんか書いてもらえばいいのか?」

婚后 「わたくしに聞かれましても」

シェリー 「まあ、色々やってみましょうか。どうせ模索段階なんだしな」ガリガリ

婚后 「は、はあ」

シェリー 「それで何か得るものがあればそれでいいだろ」

婚后 (存外アバウトなのですね……)

シェリー 「以上。質問は?」

婚后 「先ほどからガリガリと何を彫ってらっしゃるのですか?」

シェリー 「あ、これ? あなたにお土産代わりに贈ろうと思ってさ」フー

婚后 「そこまでして頂かなくても」

シェリー 「そう言うなよ。趣味も兼ねてるしね」

婚后 「では楽しみにしておきますわ」

シェリー 「さて、とりあえず出ましょうか」

婚后 「どちらに?」

シェリー 「本格的に動き出すのは明日からだとして。今日はこの辺の案内だな」



343:◆8GNB4AEvC.:2011/08/11(木) 00:13:26.82 ID:6jlHkXSqo


~ロンドン近郊 日本人街~


婚后 「」キョロキョロ

シェリー 「あまりキョロキョロしてると異国人だと思われるぞ」

婚后 「そこは否定できませんし」

シェリー 「まあ、こっちでその黒髪は目立つでしょうしね」

婚后 「シェリーさんの髪も違う意味で目立ちそうですが」

シェリー 「ほっとけ」

婚后 「それにしても意外でした。ロンドンにもこんなところがあるのですね」

シェリー 「日本にだって中華街とかあるでしょう? 似たようなもんだ」

婚后 「言われてみれば、確かに」

シェリー 「あ、そうそう。夜の食事はここいらで済ませようと思うから、気になる店があれば」

婚后 「え?」

シェリー 「ん?」

婚后 「せっかくですし、こちらの食事を頂いてみたいと思うのですが」



346:◆8GNB4AEvC.:2011/08/11(木) 00:15:24.27 ID:6jlHkXSqo

シェリー 「あ、そうか? そろそろ故郷の味が恋しくなる頃かと思ったんだけど」

婚后 「いえ、さすがにそこに至るほど時間は経っておりませんわ」

シェリー 「じゃ、夜は安くて脂っぽいフィッシュ&チップスでも噛じるとするか」

婚后 (それジャンクフードでは……?)

???? 「あら? シェリーさん?」

シェリー 「ん? アンタか、真昼間から何フラフラしてんの」

婚后 (シスターさん? お知り合いのようですわね)

シスター 「ええ、今日はすごしやすい陽気でございますね」ニコニコ

シェリー 「うん、そうね。で、なんかしてたの?」

シスター 「シェリーさんはお昼はもう済まされましたか?」

シェリー 「さっき食べたわよ」

シスター 「はい、今日の炊飯当番はわたくしでございますので買い出しにでも行こうかと」

シェリー 「あれ? アンタだったっけ?」

婚后 (……なぜ日本語で会話を?)

シスター 「こちらの方とは初対面ですね。はじめまして、オルソラ=アクィナスと申します」ペコペコ



347:◆8GNB4AEvC.:2011/08/11(木) 00:17:35.37 ID:6jlHkXSqo

婚后 「はっ、はい、はじめまして。シェリーさんにご厄介になっている婚后と申します」ペコリ

オルソラ 「綺麗な黒髪でございますね。お手入れはさぞ大変なのでしょう?」

婚后 「人並みには気を使っておりますが」

オルソラ 「はい、今日の当番はわたくしでございますよ」

婚后 (あれ?)

シェリー 「おい、せめて会話する相手は一人に絞れ。ワケが分からなくなる」

オルソラ 「それで、日本からおいでになったのでしょうか」

婚后 「…………あ、あっ、わたくしですか!? はい、日本から参りました」

オルソラ 「まあまあ、遠路遥々よくお越しくださいました」ペコリ

婚后 「いえいえ、そんな」

オルソラ 「仰るとおり、多人数との会話は混乱しがちですね」ニコニコ

婚后 「?」

シェリー 「人数の問題じゃないのよ、アンタの場合は」

婚后 (あ、わたくしに振った話ではないのですね)

オルソラ 「あ! もしよろしければ……」



349:◆8GNB4AEvC.:2011/08/11(木) 00:19:33.11 ID:6jlHkXSqo

 :
 :
 :

婚后 (いつの間にか一緒に買物する流れになってしまいました)

シェリー 「おい、オリーブ買いすぎでしょ。一生分買うつもり?」

オルソラ 「いえいえ、あくまでも必要分でございますよ」

シェリー 「何に使うんだよ……」

オルソラ 「それで、ええと……あら?」

婚后 「?」

シェリー 「極東」

オルソラ 「極東さんは何か食べたいものはございますか?」

婚后 (シェリーさん、恨みますわよ)

婚后 「ご馳走して頂く身でリクエストなどできませんわよ」

シェリー 「そう言わないの。こういうときは素直に甘えときゃいいんだ」

オルソラ 「そうですよ。こうして出会えたのも何かの縁なのですから」ニコニコ

婚后 「はあ……では、そうですわね……」



350:◆8GNB4AEvC.:2011/08/11(木) 00:21:25.06 ID:6jlHkXSqo

婚后 「こちらでの家庭料理など、頂いてみたいですわ」

オルソラ 「」ウーン

シェリー 「言ってなかったけど、こいつイタリア育ちでイギリスに来たのは割と最近だぞ?」

婚后 「えっ、あ、そうだったのですか?」

オルソラ 「家庭料理でございますか……」ウーン

婚后 「あの、ここはやはり作りやすいもので」

オルソラ 「!」ピンポン

シェリー 「?」

婚后 「?」

オルソラ 「かしこまりました。家庭料理でございますね」

婚后 「あっ、あの」

オルソラ 「それでは材料を調達致しましょう」トテテテ

婚后 「」

シェリー 「慣れてないと疲れるでしょ?」

婚后 「ええ、まあ……」



351:◆8GNB4AEvC.:2011/08/11(木) 00:23:30.80 ID:6jlHkXSqo


~30分後~


オルソラ 「これで全部でございますね」

シェリー 「あとは会計ね。ここは歓迎会代わりに私が出してやるよ」

婚后 「そんな、申し訳ないですわ」

シェリー 「学生の身分なんだから、下手に遠慮するな」

婚后 「す、すみません」

オルソラ 「これが日本で流行している"つんでれ"でございますね」

シェリー 「アレってまだ流行ってんのか?」

婚后 「わたくしもそちらの分野には明るくないので」

オルソラ 「それではシェリーさん、ごちそうになります」

シェリー 「作るのはアンタだけどね」

婚后 「それにしても、みなさん日本語がお上手ですのね」

オルソラ 「私はすこし前まで仕事で世界中の国に赴いておりましたから」

婚后 「まあ、すごい……」



352:◆8GNB4AEvC.:2011/08/11(木) 00:25:16.85 ID:6jlHkXSqo

シェリー 「ああ、イタリアにいたときの話か」

オルソラ 「いえいえ、そんな大それたことはしておりませんし」

婚后 「オルソラさんは、シェリーさんのご友人ですか?」

オルソラ 「そうですね……敢えて申し上げるならパートナーでございましょうか」

婚后 「まあ、パートナー……素敵ですわね」ハゥ

シェリー 「いつからそうなったんだ!」

オルソラ 「素敵だなんて、とんでもないことでございます。
       私などマイペースですから、シェリーさんを怒らせてばかりで」

シェリー 「あ、自覚あったのね」

オルソラ 「二人で膨大な書物に立ち向かったあの日から」

婚后 「書物ですか?」

オルソラ 「はい、たしかあの時はクローチェ・」

シェリー 「やめやめ! 話していいことと悪いことがあるだろ!」

オルソラ 「あら、私としたことが」ニコニコ

シェリー 「」ハァ

婚后 「やはりパートナーですわね。息があっておりますわ」

シェリー 「そりゃどうも……」



353:◆8GNB4AEvC.:2011/08/11(木) 00:27:38.99 ID:6jlHkXSqo


~ロンドン近郊 とあるアパートメント~


婚后 「どうぞ。まだ荷解きをしていないので散らかっておりますが」

シェリー 「しかしすげぇな。2週間ちょいの滞在のためにアパート借り上げるなんて」

オルソラ 「お邪魔いたしますー」ペコリ

婚后 「どうぞ、おくつろぎになって」

オルソラ 「まあ、素敵な部屋でございますね」

シェリー 「」ガリガリ

婚后 (シェリーさんは創作活動中ですか……)

シェリー 「そういえばアンタ、炊事当番の方は大丈夫なのか?」

オルソラ 「ではキッチンお借り致します」ペコリ

婚后 「何か手伝えることはございませんか?」

オルソラ 「女子寮の方は夕食はまだ先なので、大丈夫でございますよ」

婚后 (焦らない、ここで待つ)

シェリー 「あ、そう」ガリガリ



354:◆8GNB4AEvC.:2011/08/11(木) 00:29:28.15 ID:6jlHkXSqo

オルソラ 「いえいえ、手伝って頂くのも申し訳ないですし」

婚后 「それではわたくしの気が済みませんもの」

シェリー 「極東がこう言うんだから、なんかやってもらったら?」ガリガリ

オルソラ 「では……オリーブを洗って刻んでいただけますか?」

婚后 「任せてくださいな」

 :
 :
 :

オルソラ 「♪」ジャッジャッ

婚后 「……」

婚后 (手際が鮮やかすぎて、手伝うスキもございませんわ……!)

オルソラ 「ここでお塩さんを♪」パッパッ

婚后 (結局わたくしはオリーブを切っただけ)

シェリー 「喉乾いたな」ガリガリ

婚后 「あっ、ではお茶でも淹れますわね」

シェリー 「あ、悪い。催促したつもりじゃなくてさ。これやってると独り言多くなっちゃって」



355:◆8GNB4AEvC.:2011/08/11(木) 00:31:41.50 ID:6jlHkXSqo

婚后 「わたくしも手持無沙汰でしたし」コポコポ

シェリー 「手伝うことなんてなかっただろ?」

婚后 「……もしや分かってて」

シェリー 「うん、なんか像がブレるな」ガリガリ

婚后 (英国というのは良くも悪くもクセ者ばかりですわね)ズズ...

オルソラ 「♪」ジュワジュワ



~完成~


オルソラ 「完成です。それでは頂きましょう」

婚后 「スパゲティですか。まあ、美味しそう」

シェリー 「ボロネーゼね。んじゃ頂きます」

婚后 「頂きます」

オルソラ 「はい、どうぞ」ニコニコ

シェリー 「料理の腕は一級なんだよな」ムグムグ

婚后 「これはプロ並……」



356:◆8GNB4AEvC.:2011/08/11(木) 00:33:22.64 ID:6jlHkXSqo

オルソラ 「」ブツブツ

婚后 「?」

オルソラ 「」ゴニョゴニョ

婚后 「あの……」

シェリー (気にすんな。食事の前のお祈りよ)ヒソヒソ

婚后 (そういえばシスターさんでしたわね)ヒソヒソ

シェリー (そういうこと)ヒソヒソ

オルソラ 「……」

婚后 「……」カチャ...

シェリー (? おい、合わせる必要ないのよ)ヒソヒソ

婚后 (郷に入れば郷に従えと申しますし。日本式ですが、形だけでも)ヒソヒソ

シェリー (……これ私もやる流れじゃねぇか)

オルソラ 「それでは頂きます」ペコリ

婚后 「改めて、頂きます」



357:◆8GNB4AEvC.:2011/08/11(木) 00:35:26.94 ID:6jlHkXSqo


~その夜~


オルソラ 「それでは、お邪魔いたしました」ペコリ

シェリー 「あ、私今日は寮に帰らないんで」

オルソラ 「お仕事でございますすか?」

シェリー 「王立芸術院に仕事残ってるんだ。下手すりゃ徹夜ね」

婚后 (王立……! シェリーさんもすごい方ですのね)

オルソラ 「まあまあ……では、徹夜明けにいい食事を用意しておきますね」

シェリー 「頼むわ」

オルソラ 「では、失礼いたします」ペコリ

婚后 「今日はありがとうございました」ペコリ


<バタン


シェリー 「私ももうちょいしたら出るからね」ガリガリ

婚后 「心得ました」

シェリー 「一日目、どうだったよ。やっていけそう?」

婚后 「ええ。これからが楽しみですわ」



393:◆8GNB4AEvC.:2011/08/13(土) 00:46:21.86 ID:0B/JVif8o


~翌日~


婚后 「ヒマですわ」

婚后 「シェリーさんは……今日になってからアクションがないですわね」


<アッアー。マイクノテストチュウ。


婚后 「!?」


<オーイ、キコエテルカ?


婚后 「なっ、な、え……!?」

婚后 「声……ど、どなたですか!」


<コッチヨ、コッチ。


婚后 「?」クルッ

婚后 「ひっ……!?」



394:◆8GNB4AEvC.:2011/08/13(土) 00:48:27.28 ID:0B/JVif8o

目玉 「あ、やっと見つけてくれた?」ギョロリ

婚后 「いっ……は……やぁぁぁぁぁ!!」ガクブル

目玉 「何ビビってんのよ。私よ、シェリー・クロムウェル」

婚后 「シェ……シェリー、さん……?」

目玉 「うん。つかビビりすぎだろ」

婚后 「壁に生えた目玉と目が合えば誰だって驚きますわよ!」ムキー

目玉 「なんだよ、意気地なし」

婚后 「そ、それで……これは……なんとも面妖な……」ツンツン

目玉 「おいやめろ、つつくな。くすぐったいから」モゾモゾ

婚后 「なんなのですか、この目玉さんは」

目玉 「たぶん説明してもピンとこないわよ。まあ、テレビ電話みてぇなもんだと思っとけ」

婚后 (なら電話を使ってくださいな……)

目玉 「それでね。予告通り、私徹夜明けだからさ。今日は付き合えない」

婚后 「はあ、お疲れ様です」

目玉 「だから今日は適当に過ごしといて」



395:◆8GNB4AEvC.:2011/08/13(土) 00:49:43.48 ID:0B/JVif8o

婚后 「適当にと申されましても」

目玉 「あ、暗くなったらさっさと家に戻るようにな」

婚后 「それは心得ておりますが」

目玉 「やべ、限界。それじゃ、気を付けてな」

婚后 「あっ、あの」


  シュワシュワシュワ


婚后 「……霧のように消えてしまいました。なんだったのでしょう……?」

婚后 「あら?」

婚后 「目玉さんがあったところに落書き? こんなの、前からありましたかしら」

婚后 「……」

婚后 「消しておきましょう」ゴシゴシ


<アッ、コラ!ナニシテンノヨ!


婚后 「ひゃぁ!?」ビクッ



396:◆8GNB4AEvC.:2011/08/13(土) 00:51:40.34 ID:0B/JVif8o


~ロンドン市内~


婚后 「気の赴くままに出てきてしまいましたが……」コツコツ

婚后 「なんでしょうか、この既視感は」

婚后 (どこか懐かしい……)

婚后 「……ああ」

婚后 「街並みがどこか、学び舎の園に似ているからですね」

婚后 「まさか、始めて来る異国の地で郷愁にかられるとは」

婚后 「なんだかおかしいですわね」クスクス

婚后 「よし、目的地を決めずに気ままに歩いてみるとしましょうか」

 :
 :
 :

婚后 「さて、何やら荘厳な建物が見えてきましたが」

婚后 「あれはなんでしょうか……?」



397:◆8GNB4AEvC.:2011/08/13(土) 00:53:49.04 ID:0B/JVif8o

 ※『』は英語での会話です。

じじい 『ありゃロンドン塔だ!』

婚后 「わっ!?」ビクッ

じじい 『よう、お嬢ちゃん。日本から来たのかい?』

婚后 『え、ええまぁ……』

じじい 『暇人のおっさんが案内してやろう! さあ、おいで!』グイグイ

婚后 『ちょ、ちょっと! 離してください!』



~ロンドン塔~


婚后 (旅は道連れといいますが、これでは……)

じじい 『ここがどういうところは知ってるかい?』

婚后 『少しばかりは』

婚后 (たしか……重たい歴史がある場所なのですよね)

じじい 『なら話が早いな。ここにはな、亡霊が出るんだ』

婚后 『まさか』クスクス



398:◆8GNB4AEvC.:2011/08/13(土) 00:55:51.88 ID:0B/JVif8o

じじい 『ホントなんだな、それが』

婚后 『何か奇妙な出来事でも?』

じじい 『たまにな、魔女の釜の底から響いてくるようなおっそろしい叫び声が聞こえてくんだよ』

婚后 『それはぜひ聞いてみ』


<ぶるわぁぁぁぁぁぁぁ!!


婚后 「」ビクッ

じじい 『おい、まただ。くわばらくわばら』

婚后 『いっ、今の声が……?』

じじい 『そうだ。ロンドン塔に住まう亡霊だよ』ニヤリ


   アイテム
<七つ道具に頼るか!異教のサァルどもがぁ!


婚后 「……?」

婚后 (これ、人間なのでは?)



399:◆8GNB4AEvC.:2011/08/13(土) 00:57:34.78 ID:0B/JVif8o

じじい 『こんなところにいたら亡霊に吸収されちまう。行こうぜ』

婚后 (ご好意はありがたいのですが、どうにか逃げ道は)

婚后 (しかたないですわね。本当はいけないのですが)

婚后 『おじいさん、ありがとうございました。わたくしはここまでで結構ですわ』ニコニコ

じじい 『お? そういうなよ。これからバーガーが上手い店を教えてやるから』

婚后 『申し訳ございません。ご好意だけ頂きますわ』ペコリ

婚后 (エアロ噴射)ヒュパッ

婚后 『それではおじいさん、ごきげんよう♪』ノシ


  シュパァァァァン


じじい 『』ポカーン

じじい 『最近のジャパニーズスクールガールは飛ぶような速さで移動すんのか?』

じじい 『いや、まさかあれは……』

青年 『じいさん、何呆けてんだよ』

じじい 『おい、見たか!? 俺はついさっきまで、地上に舞い降りた天使と一緒にいたんだぜ!』

青年 『はあ? もうお迎えがきたってのか?』



400:◆8GNB4AEvC.:2011/08/13(土) 00:59:36.86 ID:0B/JVif8o


~タワーブリッジ~


婚后 「少々つれなかったでしょうか」

婚后 「でもわたくし決めたんです。今日は一人旅を満喫するって」フンス

婚后 「さて……これはまた有名な景色ですわね」

婚后 「ロンドン塔のすぐ近くだとは存じませんでしたわ」

婚后 「せっかくですし、渡ってみましょう♪」トテテテ

 :
 :
 :

婚后 「まあ、すごい綺麗……」

婚后 「カメラを持っておいて正解でしたわね」カシャカシャ

少年 「」ススス

婚后 「?」

少年 「」ピースピース

婚后 「あらあら」クスクス



401:◆8GNB4AEvC.:2011/08/13(土) 01:01:41.41 ID:0B/JVif8o

婚后 「」カシャ

少年 「」b グッ

婚后 「」b グッ

少年 「」ノシ


 タッタッタッタッ...


婚后 「フレンドリーな少年ですこと」クスクス

婚后 (それにしても、こちらの子供は美男美女ばかりですわね)

婚后 (隣の芝は青く見えるとはいえ……)

婚后 「さっきの子も、きっと将来有望ですわね」

婚后 「さて、お腹も空いてきましたし」

婚后 「橋を渡り切ったところでお昼にいたしましょうか」コツコツ

婚后 (といっても、こちらの食事はあまりいい評判をきかないですわね)

婚后 「ま、お腹に入ってしまえば同じですわ」



402:◆8GNB4AEvC.:2011/08/13(土) 01:03:19.00 ID:0B/JVif8o


~1時間後~


婚后 「信じられませんわ!」プンスコ

婚后 「なんなのですか、あの食事は! あれでお金を取るなんて!」

婚后 「アレなら結標さんの手料理の方がまだマシですわよ」

婚后 「……はあ。結局半分以上残してしまって」

婚后 「お腹空きましたわね」

婚后 「そういえば、怒りに任せて歩いてしまいましたが……」

婚后 「ここはどこでしょうか?」


  【Southwark Park】


婚后 「サザークパーク……?」

婚后 「公園ということはわかりましたし、行ってみましょうか」コツコツ

婚后 「」グゥゥゥ

婚后 「こ、こらっ。しずまりなさい!」



403:◆8GNB4AEvC.:2011/08/13(土) 01:05:22.54 ID:0B/JVif8o


~サザークパーク~


婚后 「いかにも公園、といった感じですわね」

婚后 「いいですわね。こういうところも」

婚后 「」スンスン

婚后 「こ、この香りは……!?」

婚后 (ああ、いけません。いけませんわ。このままでは……)

婚后 (意識が持っていかれる……!)

婚后 「」フラッ

婚后 「今のわたくしでは……抗えませんわ……」フラフラ

 :
 :
 :

?? 「♪」ジュワジュワ

婚后 (やはり! この香りの正体は、あのやきそばの屋台!)

婚后 (なぜこんなところにあるのかは疑問ですが)

?? (さっきから、木の陰から顔を覗かして凝視してる少女は何者なのよな……?)



404:◆8GNB4AEvC.:2011/08/13(土) 01:07:05.42 ID:0B/JVif8o

婚后 「あの……」

?? 「はっ、はい! しゃせ!」

?? (ありえんのよな! 術式構築のために焼きそば屋やってるのに、売る羽目になるなんて!)

婚后 「お一ついただけますか?」

?? 「はい、えーと、200円なのよな!」

婚后 「? 円?」

?? 「はい!」

婚后 「は、はあ」チャリチャリ

?? 「はい、まいど!」



?? 「むむ、まずいぞ。手元が狂い始めてる」

?? 「建宮さん、何焦ってるんすかね」

?? 「まさかこれほどまで自然に買おうとする者が現れるとは思ってなかったんだろう」

?? 「諫早さん、どうします?」

諫早 「さあ、香焼くん行ってくるんだ!」

香焼 「まじっすか!」



405:◆8GNB4AEvC.:2011/08/13(土) 01:08:53.49 ID:0B/JVif8o

婚后 「」チョコン

建宮 (なぜすぐ近くのベンチに落ち着くのよな! どっかいけ! あ、やっぱ行かないで!)

婚后 「あ、おいしい」

建宮 (しかしなんという隠れ巨乳に脚線美! 日本人離れした体系の割に日本人の象徴である黒髪ロング!)

香焼 「お姉さん、隣いいすか?」ニコニコ

婚后 「え? あ、どうぞ」

香焼 「失礼するっす!」

香焼 (建宮さん、今にうちに!)

建宮 (恩にきるのよな!)

婚后 (日本人の男の子なんて珍しいですわね)

香焼 「お姉さんは旅行すか?」

婚后 「いえ、留学ですわよ」

香焼 「りゅ、留学! すごいっす!」

婚后 「そんな大したことはしてませんわ」クスクス

香焼 「……あの、もしかしてなんすけど。その制服って、学園都市の?」



406:◆8GNB4AEvC.:2011/08/13(土) 01:10:40.77 ID:0B/JVif8o

婚后 「あら? ご存じなのですね」

香焼 (ビンゴォ!? 諫早さん情報ヒットォ!?)

婚后 「ご察しの通り、学園都市から来ましたのよ」

香焼 「すっごいすね! 自分も一度でいいから行ってみたいんすよ!」

香焼 (行ったことはあるけど、ゆっくり見たことはないんすよね)

婚后 「ぜひおいでなさいな。その時には案内してさしあげますわ」

香焼 「まじっすか! 約束すよ! 何年経っても忘れないくださいよ!」

婚后 「心得ました」クスクス

香焼 「」チラッ

香焼 「じゃ、自分もう行くっすね! ありがとうございました!」

婚后 「ええ、またいずれ」


 タッタッタッ


婚后 「……あ、名前を聞きそびれましたわね」

婚后 「あら?」

婚后 「焼きそばの屋台が消えてる……いつの間に?」



407:◆8GNB4AEvC.:2011/08/13(土) 01:12:44.97 ID:0B/JVif8o


~同日夕方 とあるアパートメント~


<ガチャ バタン


婚后 「はー……」

目玉 「おはよーう」

婚后 (なぜだか、これにも慣れてしまいましたわね……)

婚后 「おはようって、もう日も暮れてますわよ」

目玉 「さっき起きたのよ」

婚后 「お忙しいのですね」

目玉 「まあね。あなたのこともあるし」

婚后 「ほったらかしだったではないですか」

目玉 「」ウルウル

婚后 (えー……)

目玉 「で、どうだったよ。今日は」



408:◆8GNB4AEvC.:2011/08/13(土) 01:14:38.61 ID:0B/JVif8o

婚后 「ロンドン市内を歩いて回ってましたわ」コポコポ

目玉 「なんか面白いもんはあったか?」

婚后 「ええ、それはもう色々と。あ、お茶いかがですか?」

目玉 「どうやって飲めってのよ」

婚后 「これは失礼しました」クスクス

目玉 「ったく……で、他になんかあったか?」

婚后 「ええ。とりあえず、食事は極力自炊すると誓いましたわ」

目玉 「地雷踏んだわね」

婚后 「あとはそうですわね……面白い出会いでしょうか」

目玉 「出会いねぇ」

婚后 「ええ、退屈しませんわね。この街は」クスクス

目玉 「分からなくもないけどさ」

婚后 「次はどんな出会いがあるか、楽しみですわね」

目玉 「……ちょうどいい。とびっきりのを用意しといてやる」

婚后 「?」

目玉 「じゃ、また明日な」シュワシュワシュワ

婚后 「とびっきり……どんなのでしょうか」



409:◆8GNB4AEvC.:2011/08/13(土) 01:15:06.40 ID:0B/JVif8o

といったところで、今回はここまでです。
当初の想定より長くなりましたが、
「#1 とある秋風の休日模様」は終幕となります。
次回からまた舞台は学園都市に戻りますが
婚后さんパートは随時はさむ予定です。

お付き合い頂き、ありがとうございました。



412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/13(土) 01:18:15.11 ID:lRhqASdp0
>>1乙! まさかの天草式wwww



417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸):2011/08/13(土) 02:33:31.18 ID:qSSJb5zAO
術式の構成にヤキソバ屋台をロンドンのど真ん中に出すとか、
さすが溶け込むことに定評のある天草式だぜ、まったく違和感しかない




432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/14(日) 11:37:32.06 ID:7IPLA5MDO
絹旗の頭にシェリーの目玉乗せたら鬼太郎っぽいな



434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府):2011/08/14(日) 15:29:54.32 ID:S6uXpbZBo
>>432
キャプチャ



442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/15(月) 00:26:08.57 ID:CkaaORZro
>>432
おいき(ぬは)太郎!




443:◆8GNB4AEvC.:2011/08/15(月) 00:47:29.36 ID:fau4hUCCo
遅くなって申し訳ない。

それでは始めさせて頂きます。
今日からは#2です。



444:◆8GNB4AEvC.:2011/08/15(月) 00:49:24.78 ID:fau4hUCCo



  ――#2 子どもができたら名前を考えないとね



445:◆8GNB4AEvC.:2011/08/15(月) 00:51:34.59 ID:fau4hUCCo


~10月中旬 第7学区 某所~


ユリコ 「(・ω・三・ω・)」

絹旗 「どうでしょうか」

獣医 「とくに問題はないと思うね?」

絹旗 「それは超よかったです」

獣医 「ところで、猫は満月の夜に出産をすること多いね」

絹旗 「え? そうなんですか?」

獣医 「もし、この子も満月の夜を選ぶとすると、もう1週間以内ということになる」

絹旗 「な」

ユリコ 「ノシ・ω・)ノシ」

絹旗 「こっちで準備しておくこととかってなんですか?」

獣医 「特にないね?」

絹旗 「へ? ない?」

獣医 「むしろあれこれ構いすぎるのは逆にまずい」



446:◆8GNB4AEvC.:2011/08/15(月) 00:53:23.02 ID:fau4hUCCo

絹旗 「そうなんですか」

獣医 「出産前後は猫ちゃんもナーバスになるし、子どもに手を出されると勘違いすれば必死に守ろうとする」

絹旗 「言われてみりゃ超当然ですね……」

獣医 「飼い主を信頼している場合は側にいてほしいとアクションを起こすこともある」

獣医 「逆にいえば、そういう場合を除いてあまり近寄らない方がいいね?」

絹旗 「超覚えておきます」

獣医 「後は……猫ちゃんが安心して出産に臨める場所を用意するとベターかな」

絹旗 「といいますと?」

獣医 「明るすぎない場所に、新聞を敷いた段ボールを用意するだけでも効果的だね?」

絹旗 「段ボールですか……なら超すぐに用意できますね」

獣医 「君まで神経質になりすぎる必要はないね?」

獣医 「極論だが、勝手に産んで勝手に育てる。必要なときに手を貸してあげればいい」

絹旗 「超了解です」

獣医 「何かおかしなことがあれば、すぐに僕に連絡すればいいね?」

絹旗 「その時はお願いします。私も正直不安というか、超心配なので……」

ユリコ 「( ・ω・)ノ」



447:◆8GNB4AEvC.:2011/08/15(月) 00:55:49.18 ID:fau4hUCCo


~同日 第7学区 常盤台新寮~


絹旗 「ただいま戻りましたー」

ユリコ 「(・ω・)」オアーン

白井 「あら、おかえりなさいませ」

絹旗 「」ガサガサ

白井 「絹旗さん? 帰ってきて早々なにを?」

絹旗 「ユリコのために場所を超作ってるんですよ」

白井 「それはスニーキングミッション用の段ボールでは」

絹旗 「いやいや、スニーキングミッションてあの1回きりだったじゃないですか」

白井 「そう何度もされては困りますの」

絹旗 「超分かってますって。あ、白井さん、新聞紙ないですか?」

白井 「新聞紙? 寮監に聞けばあるかと思いますが……」

絹旗 「ちょっと行ってきます!」トテテテ


<バタン



448:◆8GNB4AEvC.:2011/08/15(月) 00:57:23.54 ID:fau4hUCCo

白井 「……張り切っておられますの」

ユリコ 「(・ω・ )」

白井 「ユリコ、貴女は安心してお産に臨んでくださって結構ですのよ?」

ユリコ 「( ・ω・)ノ」ビシィ

白井 「元気でかわいい子を産んでくださいね」ナデナデ

白井 (やはり……言い出すべきなのでしょうけど)

白井 (どう切り出したものでしょう)


<ガチャ バタン


絹旗 「戻りましたー」ガサガサ

白井 「ユリコはもうスタンバってますわよ」


 【段ボール】<オアーン♪


絹旗 「え、え? まさかもうですか?」

白井 「……表情を見る限り、リラックスしておられるので、まだ焦る時間ではないかと」

絹旗 「まったく、超驚いちゃいましたよ」



449:◆8GNB4AEvC.:2011/08/15(月) 00:59:47.85 ID:fau4hUCCo

白井 「……絹旗さん。何匹生まれるかは分かりますの?」

絹旗 「獣医さんの見立てでは、3匹か4匹らしいですよ」

白井 「3匹か4匹……」

絹旗 「ここも超賑やかになりますね」

白井 「やはり、飼うつもりなのですね?」

絹旗 「他に選択肢なんてないじゃないですか」

白井 「わたくしたちだけで、面倒を見きれるのでしょうか」

絹旗 「……正直、不安はありますよ」

白井 「ならば、里親に出すという選択肢もございますのに」

絹旗 「それも考えました。でも……私にはできません」

白井 「……」

絹旗 「生まれたばかりの子どもを、母親から引き離すようなマネ。私には超できません」

白井 「……そうですか」

絹旗 「どう言われようと、どう思われようと。これは超譲れないんですよ」

絹旗 「ここに置けないというなら、私ごと追い出してくれても」



450:◆8GNB4AEvC.:2011/08/15(月) 01:01:28.62 ID:fau4hUCCo

白井 「落ち着いてくださいまし」

絹旗 「むう」

白井 「本音を言いますと、わたくしも不安です。里親に出すよう強く勧めるつもりでもありました」

絹旗 「だから、それは」

白井 「ですが絹旗さんのいうこともごもっともですの」

ユリコ 「(・ω・)?」

絹旗 「……」ナデナデ

白井 「絹旗さんの決意が窒素装甲のように固い以上、わたくしから申し上げることもございませんわね」

絹旗 「白井さん……」

白井 「た、だ、し」

絹旗 「な、なんでしょう」

白井 「途中で投げ出すことは絶対に許されませんの」

絹旗 「超分かってますよ。何があったって、ユリコと私で面倒を見ますから」

ユリコ 「ノ・ω・)ノ」

白井 「……頼もしいですわね」クスクス



451:◆8GNB4AEvC.:2011/08/15(月) 01:04:13.90 ID:fau4hUCCo

寮監 「しかし、まさかユリコに先をこされてしまうとはな」

絹旗白井 「「うひゃぁ!?」」ビクッ

寮監 「何を驚いている。見回りの時間だ」

絹旗 「なんでいつも気配を断っているんですか……」

寮監 「ちょうどいい機会だ。絹旗、いいか」

絹旗 「?」

寮監 「命を育むというのは簡単なことではない。途中で投げ出すことは許されん」

白井 「仰る通りですの」

寮監 「お前たちが面倒を見るというのなら、私も応援しよう。だが」

絹旗 「だが……?」

寮監 「途中で役目と責任を放棄しようというならば、その時は」

絹旗白井 「「……」」ドキドキ

寮監 「子ぬこたちは私が問答無用で引き取る。良いな?」

絹旗白井 「「……」」

寮監 「よ、い、な?」

絹旗白井 「「は、はいっ!」」



452:◆8GNB4AEvC.:2011/08/15(月) 01:06:36.10 ID:fau4hUCCo


~翌日 第7学区 とある病院~


19090 「あ、あの、今日は番外個体にお願いがあります、とミサカは改まった態度で申し出ます」

番外個体 「えっ……な、なにかな」

19090 「このミサカに、検体番号以外の名前といいますか、別称をつけて欲しいのです」

番外個体 「はい? なんで私なの? 先生とかお姉様の方がいいんじゃ……」

19090 「あの、その、このミサカが一番仲良くさせて頂いてるのがあなたでしたので……」

番外個体 「あー、そういうこと。……IDの発行とかだったら先生に頼んでね?」

19090 「い、今の時点ではそこまでは求めてません」

打ち止め 「でも検体番号以外の名前を欲しがるっていい傾向かも、ってミサカはミサカは的確に分析してみたり」

番外個体 「というと?」

打ち止め 「名前も個性を構成する要素の一つだよ。自分の名前が欲しいってことは、
       妹達がそれぞれ個を持ち始めたってことを意味するとみた、とミサカはミサカは
       一息に吐いてみたり」

19090 「長セリフ乙」

番外個体 「……私のときは正直そこまで考えてなかったわ」



453:◆8GNB4AEvC.:2011/08/15(月) 01:08:26.11 ID:fau4hUCCo

19090 「それと、羨ましいというのもあると思います」

番外止め 「?」

19090 「あなたたちは真琴、静琴という名を持ち周囲からもそう認識されています。
     一味違うぜって感じがして羨ましいのです」

番外個体 「うん、まあ……」

打ち止め 「特別扱い不公平だって言われたら否定できないかも……
       ってミサカはミサカはちょっぴり罪悪感を感じてみたり……」

19090 「あっ、そ、そういう意味で言ったのではなく! その、憧れと申しますか」

番外個体 「分かってるって。で、なんか考えればいいんだよね」

打ち止め 「言うほど簡単じゃないかも、ってミサカはミサカは大いに悩んでみたり」

番外個体 「うーん……19090……うん? 19090、190……か」

打ち止め 「何か思いついたの? ってミサカはミサカは悪い笑みを浮かべてるワーストを怪しんでみたり」

番外個体 「19090→190→いくお。よしっ、今日からあなたはいく夫だ」

19090 「ふえ? い、嫌ですそんな可愛いとか可愛くないとかいう前に女性らしさのカケラもない名前は!」

打ち止め 「これはヒドイ……」

いく夫 「せ、せめてもうちょっとマシ、あっ!? 変えないでくださいまだ決定じゃないです!!」



454:◆8GNB4AEvC.:2011/08/15(月) 01:10:26.03 ID:fau4hUCCo

番外個体 「ダメかー。こう、頭ん中にピコーンって浮かんだんだけどなぁ」

19090 「あ、あの、言い忘れていたのですが……」

打ち止め 「なになに? ってミサカはミサカは19090号の顔を覗き込んでみたり」ジー

19090 「琴、という漢字を使ってください」

番外個体 「今の一言で難易度がすごい上がったよ」

打ち止め 「もうミサカの頭じゃ無理かも……」プスプス

番外個体 「ちょっと考えさせてもらっていいかな?」

19090 「はい待ちます! いつまでも待ち続けます!」

番外個体 (どうしたもんかね……名前を考えるなんてやったことないよ)

打ち止め 「名前を考えるって難しいね、ってミサカはミサカはショート寸前」

19090 「そういえば前から気になっていたんですが」

番外止め 「「なにかな」」

19090 「番外個体と上位個体は、御坂性ではないのはなぜでしょうか」

番外個体 「あー、それね。先生の意向も絡んでるみたいよ」

19090 「先生と言うと、冥土帰しの?」



455:◆8GNB4AEvC.:2011/08/15(月) 01:12:50.69 ID:fau4hUCCo

番外個体 「気になって聞いたことがあるんだけどね。出生や境遇、ましてやクローンだという事に
       囚われず、一人の人間として個を確立して欲しい。だから敢えて御坂姓にはしなかったんだって」

19090 「あの先生の考えそうなことですね」

番外個体 「そういう訳だから。あなたも名前が欲しいって言えば苗字もセットで考えてくれるかも」

19090 「……もし全員分考える事になったらと思うとぞっとしますね」

番外個体 「でもね、なるほど、とは思ったけどさ。メンドいこともあったんだよ? 一人称の矯正とか」

打ち止め 「ミサワなのにミサカじゃ不自然だよね、ってミサカはミサカは当然の指摘をしてみたり」

番外個体 「あなたたちの場合は語尾も……そういやあなた、語尾はどうした?」

19090 「あっ、いけません。最近抜けがちです、とミサカはうっかり属性持ちをアピールします」

番外個体 「あなたもTPOによってあったりなかったりするよね」

打ち止め 「ミサカは器用に使い分けるのだ」フンス

19090 (むしろ最近は語尾がない時間の方が長いですね……見習いとはいえ就業もしてますし)



~同日夜 第7学区 番外通行邸~


番外個体 (どーしよー。なんも思いつかねー)ジャブジャブ

番外個体 (琴って字を使え、か。うー……)



456:◆8GNB4AEvC.:2011/08/15(月) 01:14:45.62 ID:fau4hUCCo

一方通行 「? オイ、この本はどォしたンだ」

番外個体 「それ? 今日帰り道に買ってきたんだよ」カチャカチャ

一方通行 「出しっぱなしにしてンじゃ……名付け辞典、姓名判断……? オマエ、まさか……」

番外個体 「どうしたのさ」フキフキ

一方通行 「なンでもっと早く言わねェンだ!? そンなに俺のことが信用できねェか!?」

番外個体 「えっ、な……なんで怒ってるの……?」

一方通行 「ちょっと待ってろ」カチカチ

番外個体 「??」

一方通行 「もしもし、俺だ。……あァ、変わりねェよ。ところでアンタ、産婦人科は専門範囲か?」

番外個体 「」ブーッ

一方通行 「……あァ? 患者のためならなンだってするって豪語してたろォが」

番外個体 「せいや」ガンッ

一方通行 「がっ、は……!?」

番外個体 「あ、もしもし? 先生? ゴメンなさい、うちの人がトチ狂ったこと言い出して。
       えー、そんなこと全然ないんで。勘違いなんで。はい、ごめんあそばせー」ピッ

一方通行 「いきなり何しやがンだ! フライパンで人の頭どつくヤツがあるか!」

番外個体 「こっちのセリフだ! 早合点にも程があるだろうが!!」

一方通行 「え……違ェの?」キョトン

番外個体 「違うわボケェ!!」



457:◆8GNB4AEvC.:2011/08/15(月) 01:16:28.53 ID:fau4hUCCo


~翌日 第7学区 隠れ家的喫茶店~


番外個体 「はー……」カキカキ

ショチトル 「マスター? さっきから紙とペンで何をやっているんだ?」

番外個体 「んー……思考の整理」

ショチトル 「なんだか難しそうだな」

番外個体 「名前を考えてるんだけどね。いいアイデアが出ないなぁ」

ショチトル 「名前? ペットでも飼うのか」

番外個体 「いんや、人間」

ショチトル 「人間を飼うのか!?」

番外個体 「違うって! 人間の名前考えてるの!」

ショチトル 「? つまり……どういうことだ?」

番外個体 「あー、まぁ、ニックネームをつけてと頼まれたというか」

ショチトル 「ふむん」


<カランカラン♪



458:◆8GNB4AEvC.:2011/08/15(月) 01:18:09.96 ID:fau4hUCCo

ショチトル 「いらっしゃいませ」

結標 「いらっしゃいました」

絹旗 「どうも、絹旗です」

番外個体 「おや? 珍しい組み合わせだね」

結標 「偶然出くわしてね」

絹旗 「というわけで、超いつものください」

ショチトル 「モアイブレンドだな」

絹旗 「だから超いい加減その言い方は……もういいです」ハァ

ショチトル 「義姉さんは?」

結標 「そうね……アップルティー、ホットでね」

ショチトル 「承った」

番外個体 「そういえば、ユリコの調子はどうよ?」

絹旗 「超いよいよって感じですね」

結標 「あら、もうそこまで来たの?」

ショチトル 「子猫……ぜひ抱いてみたいな」



459:◆8GNB4AEvC.:2011/08/15(月) 01:20:22.25 ID:fau4hUCCo

絹旗 「ええ、落ち着いたらぜひ見に来てくださいよ」

結標 「私も行っていい?」wktk

絹旗 「超モチロンです」

番外個体 「はい、お待ちどう。ところで、いつ頃生まれるかってわかるの?」カチャ

絹旗 「獣医の先生が言うには、猫は満月の夜に出産することが多いそうですよ」

結標 「へえ、なんだか神秘的ね」

番外個体 「月の引力とか関係してるのかな」

絹旗 「超もしかしたら、次の満月の夜に……」

ショチトル 「次の満月って……今夜だぞ?」

絹旗 「な」


  [[携帯電話]]<キミト デーアーッテカラー イークツモノ ヨルヲカタ-リーアカーシタ♪


番外個体 「このタイミングでの電話ってまさか……」

絹旗 「は、はい、もしもしっ」

白井 『絹旗さん!? ユリコの様子が少しおかしいんですの。すぐに戻ってくださいまし』



460:◆8GNB4AEvC.:2011/08/15(月) 01:22:28.47 ID:fau4hUCCo

絹旗 「ち、超了解です! すぐ戻ります!」ピッ

絹旗 「そのまさかでした……すいません、今日はこれで失礼します!」

結標 「絹旗さん、待って」

絹旗 「なんですか、超緊急事態なんですよ」

結標 「緊急事態なんでしょ? だったら」ヒュッ

番外個体 「淡希が懐中電灯を出した……!?」

ショチトル 「あぁ、どうやら本気だ……!」

結標 「乗っていきなさい」

絹旗 「……結標さんに乗るのは海原さんの役 「ちっがーーーーう!!」

結標 「そうじゃないでしょ! 違うでしょ!」

ショチトル 「?」

番外個体 「深くは追及しなくていいよ」

結標 「もう! とりあえず行くわよ!」

絹旗 「ちょ、超お願いします!」


 ヒュッ



461:◆8GNB4AEvC.:2011/08/15(月) 01:23:05.83 ID:fau4hUCCo

といったところで、今回はここまでです。
今回は#1ほど長くならないようにするつもりです。

お付き合い頂き、ありがとうございました。


463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2011/08/15(月) 01:28:04.04 ID:Ps8w2NZTo
この世界だと医者はみんなあの口調なのか



467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2011/08/15(月) 02:03:43.27 ID:b7CYBl2Xo
えー、つまりアレか、一方さん、妊娠させるだけの事はしてる、と……ゴクリ



487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州・沖縄):2011/08/15(月) 20:55:30.56 ID:ZgoaZdGAO
まとめ見てて気づいたんだが
明日できぬはた荘一周年なんだな




493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/16(火) 00:00:48.32 ID:DPtxOp4o0
打ち止めは番外固体の実妹扱いってことは
フルネームは三澤静琴で良いのかな?




497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/16(火) 10:18:03.69 ID:DPtxOp4o0
絹旗だけ進路希望で捕まるということは黒子はもう進路は決まってるということか・・・
というか美琴のとこ以外考えられない、長点上機だっけ?




513:◆8GNB4AEvC.:2011/08/16(火) 23:26:37.84 ID:fm6OYpHso

もう始めてから1年か、早いですね。


>>493
そうです。
このスレでは出てませんでしたが、読みは「しずき」です。

>>497
ここの美琴は長点上機ですね。


それでは、始めさせて頂きます。
前回の続きからです。



514:◆8GNB4AEvC.:2011/08/16(火) 23:28:29.09 ID:fm6OYpHso


~同日 常盤台新寮~


 ダダダダダ バーン


絹旗 「はっ、はぁっ……ユ、ユリコは!?」

白井 「」シー

絹旗 「」

白井 「夕方から段ボールに籠ったきり、一歩も出てきませんの」

絹旗 「超いよいよなんですか……」

白井 「段ボールに入る前も、なんだか落ち着きがございませんでしたし」


 【段ボール】<ゴソゴソ


絹旗 「?」

ユリコ 「( ・ω・)」ポテポテ

絹旗 「ユリコ? 出てきて大丈夫なんですか?」



515:◆8GNB4AEvC.:2011/08/16(火) 23:30:33.75 ID:fm6OYpHso

ユリコ 「(・ω・)」クイクイ

絹旗 「どうしたんですか?」

白井 「服をくわえて引っ張るなんて、珍しいですの……」

絹旗 「いや、初めてですよ。ここまでしたの」

白井 「側にいてほしいのでは?」

絹旗 「……私がいても、超大丈夫なんですか?」

ユリコ 「( ・ω・)ノシ」オミャー

絹旗 「超分かりました。すべて見届けましょう」

ユリコ 「(・ω・)」ジー

白井 「わ、わたくしもですか?」

絹旗 「白井さん、超お願いです」

白井 「……分かりましたの。もとよりわたくしにできることなど限られておりますし、せめて立会いぐらいは」

絹旗 「決まりですね」

ユリコ 「(・ω・ )」ポテポテ

白井 「今夜は長い夜になりそうですわね」

絹旗 「超望むところですよ」



516:◆8GNB4AEvC.:2011/08/16(火) 23:32:23.73 ID:fm6OYpHso

 :
 :
 :

白井 「ふとあの頃を思い出しました」

絹旗 「どの頃ですか?」

白井 「ユリコは、絹旗さんがどこからか拾ってきたのですよね」

絹旗 「あー、そうですそうです。家の裏庭の掃除してたら茂みから超飛び出てきたんですよ」

白井 「しかも素直に言えばいいものを、最初隠してましたわね」

絹旗 「いや……さすがにみんなの賛同が得られるか超不安だったんです」

白井 「あら、わたくし信用されておりませんのね」プイ

絹旗 「昔の話じゃないですか」

白井 「でもちゃんとみなさん受け入れて、名前まで一緒になって考えたではないですか」

絹旗 「懐かしいですね、何時間も議論してましたよね」

白井 「そういえば、名前は考えておられますの?」

絹旗 「名前は考えてないですが、考えはあります」

白井 「考え?」



517:◆8GNB4AEvC.:2011/08/16(火) 23:34:45.60 ID:fm6OYpHso

絹旗 「まあ、それは元気な仔猫を超拝んでからです」

白井 「そうですわね。今はそれだけを祈りましょう」

ユリコ 「(;-ω-)」ヒフー

絹旗 「あれ? 呼吸が……」

白井 「お腹が動いてますの……これは」

絹旗 「ユリコー、超頑張ってください」ナデナデ

白井 「……絹旗さんの仰る通りでしたの」

絹旗 「何がですか?」

白井 「窓の外をご覧になって」

絹旗 「あ、そっか。満月……」

白井 「部屋の電気を落としていると、月明かりでも存外明るいものですの」

絹旗 「……ユリコもやっぱり満月の夜を選んだんですね」

白井 「不思議なものですわね」

ユリコ 「(゚ω゚)」カッ

絹旗 「? ユリコ?」



518:◆8GNB4AEvC.:2011/08/16(火) 23:36:44.63 ID:fm6OYpHso

白井 「絹旗さん、後ろ……!」

絹旗 「え? あっ!」

白井 「出てきてますの……」

絹旗 「……」ナデナデ

白井 「ユリコ、もう一息ですの」

絹旗 「こ、こういうとき、なんでしたっけ。超ラマーズ法でしたっけ」

白井 「それは猫にも適用できるのしょうか?」

絹旗 「ええとええと、超掴んで引っ張ればいいんですか?」

白井 「絶対ダメですの」

絹旗 「あ、でも、なんかこう」

白井 「もう少しですの。ユリコ、頑張って」

絹旗 「しかし、すごい匂いですね」

白井 「台無しですの」ハァ

絹旗 「あ、一匹目……!」

白井 「え?」



519:◆8GNB4AEvC.:2011/08/16(火) 23:40:59.79 ID:fm6OYpHso

仔猫 「ピー」モゾモゾ

絹旗 「わ、あ……」

白井 「小さい、ですわね……でも、元気に動いてますの」

絹旗 「そ、それで、どうすれば」

白井 「お待ちになって。ユリコが」

ユリコ 「( ・ω・)」バクッ

絹旗 「ちょ、ちょっとユリコ?」

白井 「膜を破って身体を綺麗にしてるんですのね」

絹旗 「超びっくりしました、食べちゃうのかと」

ユリコ 「(・ω・)」ペロペロペロペロ

絹旗 「動いてますよ。仔猫超動いてますよ」

仔猫 「ピー」モゾモゾ

白井 「元気なお子さんのようですの」

絹旗 「あ、ユリコのお腹に」

白井 「お乳を求めているんでしょう」



520:◆8GNB4AEvC.:2011/08/16(火) 23:45:41.66 ID:fm6OYpHso

絹旗 「まだ目も空いてないのに、分かるんですね」

白井 「逞しいですわね、こんなに小さいのに」

仔猫 「ピー」

ユリコ 「(*・ω・)」

絹旗 「ユリコと同じで超真っ白な子ですね」

白井 「ええ。まずは一匹ですわね」

絹旗 「そっか、まだ続くんですよね」

白井 「ユリコ、この調子で頑張って。わたくしたちはずっとここにおりますので」ナデナデ

ユリコ 「( ・ω・)ノ」ビシィ

 :
 :
 :

絹旗 「一匹目から30分ほど経ちましたが……」

白井 「出てきませんわね……」

絹旗 「ユリコ、大丈夫ですか?」

ユリコ 「(;・ω・)」ヒフー



521:◆8GNB4AEvC.:2011/08/16(火) 23:49:13.36 ID:fm6OYpHso

絹旗 「これは超マズイですかね」

白井 「焦りは禁物ですの」

絹旗 「うー……超もどかしいです」

ユリコ 「(゚ω゚)」カッ

絹旗 「あっ」

白井 「出てきましたの……!」

絹旗 「ユリコ、焦らずに。超焦らずに」

白井 「もう少しですの」

絹旗 「ユリコ、超もう一息ですよ」

白井 「産まれましたの、二匹目……」

絹旗 「さあ、ユリコ。ほら、ユリコ」

白井 「急かしてどうするのですか」

ユリコ 「( ・ω・)」バクッ

絹旗 「超動いてますよ、ちゃんと……」

白井 「元気な子ですの」



522:◆8GNB4AEvC.:2011/08/16(火) 23:52:40.12 ID:fm6OYpHso

ユリコ 「(・ω・)」ペロペロ

仔猫 「ピ」モゾモゾ

絹旗 「ユリコの子どもだけあって、白い部分が多いですね」

白井 「この色合いは父親の血も現れているのでしょうね」

絹旗 「あ、一匹目と押し合ってます」

白井 「産まれて数分で兄弟ゲンカとは、逞しいですわね」クスクス

絹旗 「超仲良くしなきゃダメじゃないですか」

ユリコ 「(゚ω゚)」カッ

白井 「え?」

絹旗 「も、もうですか?」

白井 「前がつっかえていたから、後続が早いのでしょうか……」

絹旗 「あるいは、ユリコも超要領を得たのかもしれません」

白井 「あ、出てきましたの……!」

絹旗 「さあ、ユリコ。この調子です」

白井 「ユリコ、もう一息ですの」



523:◆8GNB4AEvC.:2011/08/16(火) 23:56:09.65 ID:fm6OYpHso

ユリコ 「(;-ω-)」ヒーフー

絹旗 「ユリコ?」

白井 「さすがに体力を使うのでしょう」

絹旗 「超頑張ってください。もう一息ですよ」ナデナデ

ユリコ 「(;-ω・)」

白井 「ユリコ……!」

絹旗 「あ、産まれた!」

白井 「よく頑張りましたわね」

仔猫 「ピィ」バタバタ

ユリコ 「(;・ω・)」バクッ

絹旗 「わ、こいつさっきの2匹より超動いてますよ」

白井 「よほど外に出たくて仕方なかったのでしょう」

ユリコ 「(・ω・)」ペロペロ

仔猫 「ピィ」バタバタ

絹旗 「超がっついてますね」

白井 「それだけ生きようとする意志が強いということですの」



525:◆8GNB4AEvC.:2011/08/16(火) 23:59:20.14 ID:fm6OYpHso

ユリコ 「( ・ω・)=3」

絹旗 「あれ? もしかして終わりですか?」

白井 「ユリコの表情を見る限り、逼迫した感じはしませんわね……」

ユリコ 「(・ω・*)」ペロペロ

仔猫ズ 「ピーピーピー」

絹旗 「……さすが私のユリコです。超頑張りましたね」

白井 「ユリコ、お手柄でしたわね」


<ガチャ


寮監 「お前たち、夕食は……おい、どうしたんだ?」

白井 「あ、寮監」

寮監 「何があった? なぜ二人して泣いている」

絹旗白井 「「あれ?」」

絹旗 「いやいや、これは……超いつの間に」ゴシゴシ

白井 「これはお恥ずかしいところを」フキフキ



528:◆8GNB4AEvC.:2011/08/17(水) 00:03:12.92 ID:wiyVGOpQo

寮監 「?」

絹旗 「やりましたよ、産まれたんですよ!」ピャー

寮監 「なんだと!」

白井 「寮監」シー

寮監 「む、これは失礼した……」

絹旗 「年甲斐もなく」

寮監 「」ベシッ

絹旗 「ふぎゃ」

白井 「案ずるより産むが易し、とは申しますが。超安産でしたの」

寮監 「そうか、よかったな。どれ、一目だけでも」

仔猫ズ 「ピーピーピーピー」

ユリコ 「( ・ω・)ノ」

寮監 「」ズギュゥゥン

白井 (あ、確か前も……)

寮監 「……よく頑張ったな」クスッ



530:◆8GNB4AEvC.:2011/08/17(水) 00:06:43.14 ID:wiyVGOpQo


~数時間後~


絹旗 「はい、超無事産まれまして……で、こっちでやるべきことって何か」

絹旗 「あ、特にない? あ、そうですか……はい、刺激しなければいいんですね」

絹旗 「エサ? あ、エサですか。そうですね、母乳に使いますもんね……はい、超了解です」

絹旗 「はい、夜分失礼しました。では」ピッ

白井 「獣医さんはなんと?」

絹旗 「無事産まれたのなら、しばらくは超見守ってればいいそうですよ」

白井 「そうですか。仔猫にさわれるのはまだ先のようですわね」

絹旗 「ユリコの許可が下りないと超ダメかと」

白井 「ならばそれを待つといたしましょう」

絹旗 「ユリコたちの調子はどうですか?」

白井 「母子ともどもぐっすり眠っておられますの」

絹旗 「一先ずは超安心ですね……はー」ヘナヘナ

白井 「それにしても、絹旗さんの携帯鳴りっぱなしですわね」



531:◆8GNB4AEvC.:2011/08/17(水) 00:09:36.21 ID:wiyVGOpQo

絹旗 「ユリコを知る人には報告メール出しましたし」

白井 「無事産まれました、と?」

絹旗 「ええ、まあ。浜面だけは"絹旗の子か!"とフザけた返事寄越したんで、後日窒素ぱんち超確定です」

白井 「だから言葉が足りないと前にも申し上げたでしょうに……」

絹旗 「何をどう受け取れば私が子ども産んだことになるんですか。相手もいませんのに」

白井 「相手がいたとしてもこの年齢で出産は普通じゃありませんの」

絹旗 「ともかく……超ホッとしましたね」

白井 「ですわね。一時はどうなることかと」

絹旗 「これから超賑やかになりそうですね……白井さんには話してませんでしたけど」

白井 「?」

絹旗 「ユリコご懐妊の噂を聞きつけて、仔猫見せてという人がこの寮にも結構いるんですよ」

白井 「まあ、無理もないかと」

絹旗 「さっきも言いましたけど、ユリコが超許可するまでは極力ご遠慮頂きませんと」

白井 「事情を話せば分かって頂けますの」

絹旗 「だー、超めんどくせー。いちいち説明しないといけないんですか」ゴロン

白井 「飼い主の責務ですわね」クスクス



532:◆8GNB4AEvC.:2011/08/17(水) 00:11:45.49 ID:wiyVGOpQo

絹旗 「あ、そうだ。仔猫たちの名前なんですけど」

白井 「ええ。何かお考えがあるとか」

絹旗 「私、ゲームでキャラの名前決めるときとか半日以上は超悩むんですよ」

白井 「?」

絹旗 「3匹分考えるとなると、いつまでかかるやら」

白井 「それで、どうなさるおつもりで?」

絹旗 「ほら、ユリコの名前って超みんなで考えたじゃないですか」

白井 「先程そのお話もしてましたわね」

絹旗 「そこでですね、3匹いることですし」

白井 「ですし?」

絹旗 「おすし」

白井 「……」

絹旗 「え、ええと、それでですね。今回は彼女らに名前を超考えてもらおうかなって思ったんですよ」

白井 「彼女らというのは?」

絹旗 「妹ズ。シスターズです」



533:◆8GNB4AEvC.:2011/08/17(水) 00:12:36.13 ID:wiyVGOpQo

といったところで、今回はここまでです。
仔猫は浜滝邸、結標海原邸、番外通行邸に
里子に出す√もありましたが、離乳もしてない猫は
無理だろうと、廃案になりました。

さて、次回からは一旦婚后さんパートを挟みます。

次回投下は8/18(木)の夜を予定しています。
お付き合い頂き、ありがとうございました。



536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/08/17(水) 00:18:09.35 ID:cqZlKaqM0
>>1乙!ユリコ乙!

>>532の里子が黒子に見えてしばらくわけわからんかったwwwwww




538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 00:22:19.49 ID:WTjgGxULo
乙! ユリコもこれでひとまず安心だな



540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2011/08/17(水) 00:24:31.90 ID:XQlOo1UB0
乙!
ユリコ 「(゚ω゚)」カッ に吹いてしまった・・・ごめんよ




543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/08/17(水) 00:55:33.23 ID:g0oQM7QAO
乙!
無事に出産出来て良かった!

話は変わりますが、名前を欲しがる妹達を名付け親にするとは、何か深い考えが……?




549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東):2011/08/17(水) 14:21:44.25 ID:MX20CPFAO
>>543
このssの流れからみて、妹ズ=フレメア・ショチトル・打ち止めじゃね?三陣営に一人づつだし

ミサカの妹達に名前考えさせたら、ネットワークがパンク不可避?




566:◆8GNB4AEvC.:2011/08/19(金) 00:40:11.73 ID:OOe10n21o
ゴメン今起きた。

>>543
>>549さんの仰る通りで、妹達ではなく妹ズなのです。



絹旗「きぬはた荘、あふたー!」白井「あふたー?」その3

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禁書目録SS   コメント:5   このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント一覧
12998. 名前 : ほくそん◆- 投稿日 : 2011/10/06(木) 19:49 ▼このコメントに返信する
「きぬはた荘」祝一周年!
心からおめでとうございます!!!

この調子で2、3周年も心から期待しています!

乙!
12999. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/10/06(木) 20:25 ▼このコメントに返信する
一周年って凄いな……乙
DMCと並んで長編SSとして楽しみにさせてもらってるぜ
13015. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/10/07(金) 01:43 ▼このコメントに返信する
サガミオリジナル…
13022. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/10/07(金) 06:31 ▼このコメントに返信する
暗闇の五月計画マジパネェっすww
13027. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/10/07(金) 08:10 ▼このコメントに返信する
一周年経ってたんか・・・ホライゾーン長期SSの名は伊達じゃないな・・・
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