絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」その12

2011-05-09 (月) 08:12  禁書目録SS   3コメント  
前→絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 その11
まとめ→絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」まとめ



855 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/19(水) 23:29:48.42 ID:99nrG43eo


~霧ヶ丘女学院 旧校舎~


絹旗 「な、なんですか、ここ……」

滝壺 「適当に歩いてたら来ちゃった」

白井 「そんな……」

滝壺 「? でもここって、ずっと前に閉鎖されてなかったっけ」

婚后 「や、やめてくださいな」


  ミシッ


3人 「」ビックゥ

滝壺 「誰かいるのかな」

絹旗 「も、もももも、もも、戻りましょう!」グイグイ

滝壺 「大丈夫だよ。学園都市だし」



856 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/19(水) 23:31:17.35 ID:99nrG43eo

絹旗 (イヤですぅ……イヤですぅ……)ビクビク

滝壺 「そういえばね」

白井 「ど、どうかされましたの?」

滝壺 「私もちゃんと通ってないから詳しくは知らないけど、ここにはこんな噂があるんだよ」

絹旗 「やめてくださいぃぃぃ!」←涙声

婚后 (気のせいでしょうか……滝壺さんがいつもより饒舌に……)

滝壺 「ここのランクはね、能力で決められるんだけど」

白井 「進学校には、よくある、話ですの」

婚后 「そ、それがなにか?」

滝壺 「一位はね、いっつも同じ人なんだ」

白井 「そ、それは、さぞかし優秀な」

絹旗 「あー! 受験ノイローゼで超自殺したとか、超妬みから超イジめられたとかいう話ですね!」

滝壺 「ううん」フルフル



857 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/19(水) 23:32:41.41 ID:99nrG43eo

絹旗 「」

白井 「そ、その一位の方が……?」ガクブル

滝壺 「誰も見たことがないの」

婚后 「見たことがない?」

滝壺 「名簿には存在する。けど、生徒も教師も、誰も姿を見たことがないの」

白井 「そ、それはどういう……」

絹旗 「」

滝壺 「噂では」


  バキィン


3人 「!?」ビビックゥ

滝壺 (木の板踏んじゃった。いたい)

絹旗 「も、もう超十分です! 出ましょう! 外に出ましょうよぉ!」←超涙声



858 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/19(水) 23:34:13.64 ID:99nrG43eo

白井 「そ、そうですの! 絹旗さんもこう仰ってますし」

婚后 「ここはほら、ホコリっぽいですし……」

滝壺 「」

絹旗 「滝壺さん? 滝壺さーん?」

滝壺 「南南東から何かが来てる」

3人 「」

白井 「婚后さんは右腕を!」ガシッ

滝壺 「え? なに? なんで掴むの?」

婚后 「は、はい! さあ、絹旗さん! 早くここから脱出しますわよ!」ガシッ

絹旗 「あ、あ、脚がすくんでまして……」ペタン

白井 「き、絹旗さん! 座り込んじゃダメですの!」

婚后 「仕方ございませんわね……はいっ」ヒュパッ

絹旗 「おわぁぁぁぁぁぁぁ!?」



859 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/19(水) 23:35:43.59 ID:99nrG43eo

白井 「絹旗さんは……無事、出口の方に飛んでいきましたの」

婚后 「わたくし達も参りましょう」

滝壺 (ちょっとやり過ぎたかな)ズルズル

 :
 :
 :

滝壺 「だいたい見て回ったかな」

絹旗 「……」グッタリ

白井 「そうですわね、施設は一通り拝見しましたの」

婚后 「やはり自分の目で見るのは違いますわね」

絹旗 「超疲れました……」

滝壺 「それじゃ、そろそろ帰ろうか」

白井 「はいですの」

婚后 「今日はありがとうございました」ペコリ



860 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/19(水) 23:37:21.01 ID:99nrG43eo


~同日夕方 きぬはた荘 リビング~


番外個体 「あ、おかえり」ズズ...

白井 「ただいまですの」

婚后 「ただいま戻りました」

絹旗 「はー、超ドッと疲れました」ドサッ

滝壺 「きぬはた、シワになるよ」

絹旗 「このカッコも超疲れますし、着替えてきます……」

滝壺 「私も」

番外個体 「二人はいいの?」

白井 「わたくしは入浴と就寝以外は制服ですし」

婚后 「慣れとは恐ろしいものですわね」クスクス

番外個体 「そんなもんかねぇ」



861 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/19(水) 23:38:38.03 ID:99nrG43eo

婚后 「……? この香りは……」

白井 「あら、大きいお姉様が抹茶なんて珍しいですの」

番外個体 「あ、えっ。はは、たまにはね。そ、それよりさ」

白井 「?」

番外個体 「学校の見学行ってたんだって? どうだった?」

婚后 「見聞を広めることができて、色々新鮮でしたわ」

白井 「進学先を自分で見るというのは、重要だと痛感しましたの」

番外個体 「高校かぁ……」

婚后 「そういえば、ミサワさんは学校には行かないのですか?」

白井 「きっと事情がおありですの。すでに高校卒業レベルの学力を有しているとか」

番外個体 「いや、メンドくさいだけ」

婚后 「」

白井 「大きいお姉様らしいフリーダムな理由ですの」



862 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/19(水) 23:40:02.72 ID:99nrG43eo


<真琴ー、ちょっと手伝ってー


番外個体 「んー? はいはーい。あ、ゴメンね、二人とも」ノシ

婚后 「いえいえ、お気になさらず」

婚后 「さて、次ですが……長点上機か、この名もなき高校か……」

白井 「どちらにしても、ツテがございませんの」

絹旗 「あの、それなんですけれども」シュタッ

ユリコ 「(・ω・)」シュタッ

婚后 「あら、絹旗さん」

白井 「滝壺さんは一緒じゃございませんの?」

絹旗 「"ご飯ができたら起こしてね"だそうです」

婚后 「ご無理をさせてしまったでしょうか……」

白井 「今朝は早起きで、日中ほぼ歩きまわってましたし」



863 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/19(水) 23:41:44.50 ID:99nrG43eo

絹旗 「いえ、多分日課のお昼寝を今してるのかと」

白井 「日課の?」

婚后 「お昼寝?」

絹旗 「いつものお昼寝の時間、今日は外にいましたし」

白井 「は、はあ……なら、よいのですが」

絹旗 「それより、長点上機の関係者に超心当たりがあります」

白井 「あら、お知り合いですの?」

絹旗 「知り合いといえば超知り合いですね。連絡とってみます?」

婚后 「お願いできますか?」

白井 「なんだか申し訳ないですの」

絹旗 「ただ、保証はちょっと超できかねますが」

白井 「それはまあ、仕方ないですの」

絹旗 「連絡先が見つかったら、連絡してみます」

婚后白井 ((やっぱり探すところからか……))



864 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/19(水) 23:43:38.51 ID:99nrG43eo


~同日夜 きぬはた荘 絹旗個室~


絹旗 「ええとたしか、もしものときのための連絡先が……」ガサガサ

絹旗 「ないですね……ユリコみませんでした?」

ユリコ 「(・ω・)ホマー」

絹旗 「お、これです! さすが超ユリコです!」ナデナデ

ユリコ 「(*-ω-)」ゴロゴロ

絹旗 「さて。この番号がまだ生きてるといいんですが……」カチカチ


 Prrrrr Prrrrr Prrカチャ


?? 『はい、どなた』

絹旗 「あ! 私です、私! わかりますかね?」

?? 『……久しぶりね。あなたが、私のような人間に何の用?』

絹旗 「超お願いしたいことがございまして」

?? 『What...?』



865 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/19(水) 23:46:48.27 ID:99nrG43eo

 :
 :
 :

絹旗 「というワケなのです。手を貸してくれると超ありがたいのですが」

?? 『Serious...こっちはもう卒業した身よ。それに、私たちはそんなに仲良しだったかしら』

絹旗 「まあまあ、知らぬ仲ではないじゃないですか」

?? 『あなたのお陰で、私がどんな扱いを受けたかも知らぬと?』

絹旗 「そこは超自業自得ってヤツです」

?? 『……alas, 悔しいけど、言い返すだけの材料もないわね』

絹旗 「お互い暗部を超クビになったんですし、昨日の敵は今日の友ってことで」

?? 『ふん……あなたは年上に対する敬語がしっかりできてるし。協力しないこともない』

絹旗 「別に年上だからって訳じゃないですが」

?? 『何か言った?』

絹旗 「いえ、何も」

?? 『Then……明後日にでも来て頂戴。手続きはしておいてあげる』



866 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/19(水) 23:47:31.13 ID:99nrG43eo

といったところで、今回はここまでです。
絹旗って年上の女性にも好かれるタイプだと思ったんだ。
次回の訪問先は長点上機学園です。

お付き合い頂き、ありがとうございました。
それでは、これにて。



867 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2011/01/19(水) 23:53:09.33 ID:ZsZtWAwTo
誰がツテなのかと思えば、布束とか予想外過ぎるww
乙でした



871 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2011/01/20(木) 00:39:28.75 ID:7PxkYgeDO
布束って誰だ?と思ってググったら、レールガンのキャラか



875 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2011/01/20(木) 07:30:32.60 ID:EBDR8HLDO
暗闇の五月計画ってやつつながりなの?


876 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2011/01/20(木) 08:02:06.16 ID:/pd8w06lo
>>875
漫画の超電磁砲で絹旗の大事なところに穴を開けようとしたのが布束




912 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/22(土) 00:16:09.71 ID:Q0QeY0Wuo


~翌日 きぬはた荘 リビング~


絹旗 「関係者と連絡とれました。超おkだそうですよ」

婚后 「まあ。吉報ですわね」

白井 「どんな方なんですの?」

絹旗 「今年卒業した人ですね。超OBってヤツです。
    なんでも、その分野じゃ知らない人がいない超有名な研究者だそうですよ」

白井 「まあ、そんなすごい人が」

婚后 「さすが長点上機学園、人材レベルはトップクラスですわね」

絹旗 「その手のご多分に漏れず、超少々変わり者ですけどね」

白井 「いつだって、天才と変人は表裏一体ですの」

絹旗 「Level5も超変人しかいませんもんね」

白井 「お、お姉様は例外ですの!」ウガー

婚后 「それにしても、そんなすごい方とどうやってお知り合いに?」



913 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/22(土) 00:17:24.63 ID:Q0QeY0Wuo

絹旗 「前に研究所で撃たれたり超殴ったりした仲です」フンス

白井 「撃たれたり?」

婚后 「殴ったり?」

絹旗 「最終的には超気絶させて持って帰りましたけど」

白井 「」

婚后 「いったいどういう……あ、いえ、詮索は無粋ですわね」

絹旗 「いや、超かまいませんよ。元々私が研究所でかくれんぼを」

婚后 「と、ともかく! 日程は決まっておりますか?」

絹旗 「えー、これからが超いいところなのに……」

白井 「武勇伝を語られても困りますの」

婚后 「それで、いつ頃に訪問すればよろしいのですか?」

婚后 「超明日です」

白井 「あ、明日ですの!?」

絹旗 「まあ……先方の指定ですし」



914 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/22(土) 00:19:18.25 ID:Q0QeY0Wuo

婚后 「急ではございますが、仕方ございませんわね」

絹旗 「ところで、長点上機学園ってどこにあるんですか?」

白井 「学校案内によりますと……第18学区ですの」

婚后 「霧ヶ丘の、さらに向こう側になりますわね」

絹旗 「だー、超遠いじゃないですか!」

白井 「これならまだ近いほうかと」

婚后 「隣の学区ですものね」

絹旗 「超イヤですよ! この間だって満員バスでムギュムギュされましたし!」

白井 「たしかに、あれはちょっとこたえましたの……」

絹旗 「痴漢にもあいましたし! 超ムカついたんで手首を折ってやりました」

白井 「ちょっと待て」

婚后 「まあ、痴漢ですか!? なんと恐ろしい……」

白井 「いえ、あの」

絹旗 「この絹旗サマの身体に手を出したんですから、超当然の報いです」フンス



915 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/22(土) 00:20:49.10 ID:Q0QeY0Wuo

白井 「やりすぎでs」

婚后 「そう考えると、バスも怖いですわね……」

絹旗 「私に超考えがあります」

白井 「ユリコー、ほらー、ねこじゃらしですのー」ピョコピョコ

ユリコ 「ノシ・ω・)ノシ」

婚后 「考えですか?」

絹旗 「浜面! 浜面はおるか!」パンパン


<ダダダダダ


浜面 「これに!……ってなにやらしてんだぁ!?」

絹旗 「うわぁ……ここまでノリがいいと逆に引いちゃいます」

浜面 「ひっでぇ!」

絹旗 「それより浜面。久々に車運転したくないですか?」

浜面 「……おい、何やらせるつもりだよ」

絹旗 「超簡単なお仕事ですよ」ニコニコ



916 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/22(土) 00:22:01.29 ID:Q0QeY0Wuo


~翌日早朝 キャンピングカー車内~


 ブロロロロ...


白井 「まさか、この車の出番がまたあるなんて」

婚后 「浜面さんにはちゃんとお礼をしないといけませんわね」

絹旗 「」スピー

婚后 「絹旗さん、制服で横になってはシワになりますわよ」ユサユサ

白井 「といいますか、この布切れはなんなんですの」

婚后 「ただでさえ短いスカートを更に詰めるなんて……」

絹旗 「」ゴロン

白井 「あぁぁ、なんと無防備な……見てられませんの」

婚后 「まったく、仕方ございませんわね」ファサッ

絹旗 「」スピー



917 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/22(土) 00:23:32.71 ID:Q0QeY0Wuo


~第18学区 長点上機学園前~


絹旗 「ええと……」

婚后 「ここで待ち合わせなのですか?」

絹旗 「はい、学校前に来い、と」

白井 「……あの、あそこに異彩を放つ方がおられるのですが、もしや」

婚后 「ゴシックロリータ+白衣とは、前衛的ですわね」

絹旗 「あ、いたいた。あの人ですよ。おーい」ノシ


 ゴツッ ゴツッ ゴツッ...


布束 「予想してたよりも早い到着ね。驚いたわ」

絹旗 「遅刻前提みたいな言い方しないでください」

白井 (大きいお姉様を超える眼力ですの)

婚后 「本日は宜しくお願い致します、ええと……」ペコリ



918 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/22(土) 00:24:56.70 ID:Q0QeY0Wuo

布束 「丁寧で好感が持てるわね。布束砥信よ」

白井 「よろしくお願い致しますの」

絹旗 「超よろしく」

布束 「Well 集まったようだし、行きましょうか」

 :
 :
 :

婚后 「ここがあの長点上機学園……」

絹旗 「思ってたよりも全然超普通ですね」

布束 「何を期待していたのかしら?」

絹旗 「もっとこう、エリートエリートしたところをですね」

布束 「……あなたの言動は、たまに理解に苦しむわね」

白井 「ですが生徒の方がまとってる空気は何か違いますの」

婚后 「それは、ここにはレベルの高い能力者ばかりが」

布束 「Negative, その限りではないわ」



919 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/22(土) 00:26:12.71 ID:Q0QeY0Wuo

白井 「と、申されますと?」

布束 「……あなた達、常盤台ね? あそこは入学資格に強度があったはず」

婚后 「はい、最低でも Level3 はございませんと」

布束 「ならピンとこないかもしれないわね。ここは Level0 でも入れるのよ」

絹旗 「超マジですか」

布束 「一芸入試とでもいうのかしら?」

婚后 「聞いたことがございますわね。突出した才があれば入学を認められると」

絹旗 「じゃ、あなたはその一芸とやらで入ったんですか?」

布束 「No」ポンポン

絹旗 「わ、ちょ、なんですか。人の頭に」

布束 「これが私の能力」

白井 「え?」

布束 「"寿命中断"。触れた相手の寿命を強制的に終わらせる力よ」



920 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/22(土) 00:27:41.88 ID:Q0QeY0Wuo

絹旗 「」

白井 「え、あの」

婚后 「いくらなんでも……!」

絹旗 「ブラフですよねハッタリですよね!?」

布束 「あなたは私に恨まれる覚えはない? Even if 逆恨みであったとしても」

絹旗 「う、あ……」

白井 「それぐらいにしてくださいまし! 悪戯にしては悪質ですの!」

布束 「……そうね。度が過ぎたわ。行きましょう」

絹旗 (ちょ、ここでやめるんですかぁ! ある意味で一番悪質です!!)

白井 「あの、絹旗さん、なんともございませんの?」

絹旗 「ど、どうせ超ブラフですよ! 実際なんともないです!」

布束 「どうかしら? あなたは既に私の術中にあるとは思わない?」

絹旗 「超思いません!」ウガー

婚后 (なかなか扱いづらい方ですわね……)



921 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/22(土) 00:29:08.42 ID:Q0QeY0Wuo


~長点上機学園 図書館~


白井 「これはすごい規模ですの」

婚后 「天井近くまで本棚が続いてるなんて」

布束 「蔵書量ではトップクラスよ。Because 研究者や教授の論文もあるからね」

絹旗 「……お? これも論文ですか?」


 つ【ネコに能力は使えるか】


布束 「それは霧ヶ丘女学院の磯塩教諭が発表した論文ね」

婚后 「まあ、霧ヶ丘の……」

白井 「ネコに能力とは、興味深いテーマですの」

絹旗 「うちのユリコも能力を使えるかもしれませんね」

布束 「Then それはどうかしら?」

白井 「と、申されますと?」



922 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/22(土) 00:30:41.87 ID:Q0QeY0Wuo

布束 「その論文、ネコに能力は使えないと結論付けているの」

絹旗 「なんだ……超面白くないですね」

布束 「But その論文が絶対に正しいという保証もないわ」

白井 「可能性はあるかもしれませんの」

絹旗 「その方が夢があるじゃないですか」

布束 「人生を賭けて研究をしてみたら? もしかしたら有り余る物を手にするかもしれないわよ?」

絹旗 「いや、いいですよ。そこまでしなくても」

婚后 「動物に能力……突飛な発想かもしれませんが、面白そうですわね」

白井 (そういえば、同じような主張をしてたあの人も霧ヶ丘でしたの……もしや教え子?)



~その頃 きぬはた荘 リビング~


結標 「っくしゅん」

番外個体 「おんや? 淡希、また風邪かい?」

結標 「もう風邪は御免よ」



923 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/22(土) 00:32:18.38 ID:Q0QeY0Wuo


~長点上機学園 グラウンド~


 ヒュゴォォン


絹旗 「……今、何か通り過ぎませんでした?」

白井 「? 風が吹いたような気がしましたが」

婚后 「気のせいではないですか?」

絹旗 「??」

布束 「……Maybe 第7位の彼ね」

白井 「第7位……あの、暑苦しい殿方ですの?」

布束 「あら、知っているの?」

婚后 「ええ、まあ、色々とございまして……」

布束 「あなたたちも大変ね。アレに関わってしまうなんて」

絹旗 「何気にヒドイこと言ってますね」



924 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/22(土) 00:33:37.94 ID:Q0QeY0Wuo

白井 「で、ですが、悪い人ではございませんでしたの」

婚后 「そ、そうですわね、ちょっと人の話を聞かないぐらいで」

布束 「So それが問題なんじゃない。話が通じない人間ほど厄介な生き物はないわ」

絹旗 (仲悪いんですかね)

布束 「いっつもそう。話があるって言ってるのに右から左にすりぬけて……」ブツブツ

白井 (……おや?)

婚后 (これはもしや……?)

絹旗 (超分かりやすいですね)

布束 「さあ、あんなバカの話はお終い。次行くわよ」

白井 「あの、もしよろしければ第7位さんにご挨拶をしたいのですが」

布束 「却 下」ピシャリ

婚后 (当確ですわね)

絹旗 (超当確ですね)



951 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/23(日) 01:29:05.08 ID:eIt1LGrwo

絹旗 「あの、超第7位ってどんな人なんですか?」

布束 「ただの根性バカよ」

婚后 「シンプルかつ的確な表現ですわね」

布束 「But 忌々しいことに、この学校の第一位なんだけどね」

白井 「ここも、霧ヶ丘のように能力のみでランク付けされますの?」

絹旗 「白井さん、遠回しに"第7位はお馬鹿"って言ってますよ」

布束 「いいえ。ここのランクは学力、能力、その他諸々考慮されるわよ」

婚后 「と、いうことは」

布束 「……普通の勉強はできるのよ、あの男。念動力学だけは苦手らしいけど」

白井 「さすが Level5 ですの」

絹旗 「でも超変わり者でしたよね」

布束 「ただのバカよ。強い人がいればケンカふっかけて、不良がいれば殲滅して」

婚后 「褒めるのかけなすのか、どっちかにしてくださいな」

白井 (お相手はあれ、当人はこれじゃ障害なんてレベルじゃございませんの)



952 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/23(日) 01:30:15.02 ID:eIt1LGrwo

布束 「Nevertheless いつも無傷で帰ってくるけどね。そうでなければ張り倒してるわ」

絹旗 「まあ、あの人はちょっとやそっとじゃ……え、帰ってくる?」

白井 「どちらに帰ってきますの?」

布束 「……喋りすぎたわ。私らしくないわね。次行くわよ」

絹旗 「えー、超ケチです」

布束 「"寿命中断"!!」カッ

絹旗 「」

白井 「え? 絹旗さん? 絹旗さん!?」

婚后 「な、なんということを……!」

布束 「だから言ったじゃない。私の術中にあるって」

白井 「BADEND ですの……」

婚后 「こんな結末が許されるのですか!?」

絹旗 「死んでませんから! 超びっくりしただけですから!」

布束 「生き返ったところで、いい加減に次いきましょう」



953 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/23(日) 01:31:22.12 ID:eIt1LGrwo


~長点上機学園 食堂~


白井 「やっぱり食堂は見ておきますのね」

絹旗 「そりゃ、ご飯が美味しいかどうかは超重要ですから」

婚后 「仰るとおりではありますが……」

布束 「……」ハァ

白井 「どうしましたの、ってアレは……」


<うん、今日も根性でメシがうまい!


絹旗 「超7位ですね」

婚后 「まあ、よく食べる方ですのね」

白井 「折角ですし、ご挨拶していきますの」

布束 「ちょ、ちょっと待ちなさい」



954 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/23(日) 01:32:46.05 ID:eIt1LGrwo

削板 「やっぱ根性のもとは肉だよな」ガツガツ

絹旗 「超お久しぶりです」シュタッ

削板 「んお!? お前はあの時のおチビじゃないか!」

絹旗 「だ、誰が超チビですか!」

削板 「超は言っとらん!」

白井 「お久しぶりですの、第7位さん」

婚后 「お邪魔しております」

削板 「おお、お前たちは! そうかそうか、リベンジマッチという訳だな!」

絹旗 「は?」

削板 「根性あるヤツは大好きだぜ! 食後の運動にも丁度いいしな!」

白井 「い、いえ、わたくし達は」

布束 「落ち着け」ガゴォォン

削板 「ぬぉぉ!?」

婚后 「布束さん何を!?」



955 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/23(日) 01:34:01.68 ID:eIt1LGrwo

削板 「何すんだ、痛いだろうが!」

絹旗 「ああ、そうだ。こういう人でした」

布束 「Usual また肉ばっかり食べて」

削板 「肉こそが根性だからな!」

布束 「」ハァ

白井 「余計かもしれませんが、バランスよく食べた方が」

削板 「魚も食ってるぞ!」

婚后 「そうではなく、野菜だとか」

削板 「野菜もあるだろ、ほら」

絹旗 「じゃがバターを野菜と言い張るんですか」

布束 「言ったでしょ、こいつには何言っても無駄なの。丁度いいわ、私たちも食事にしましょう」

 :
 :
 :



956 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/23(日) 01:35:13.17 ID:eIt1LGrwo

削板 「そうかそうか、見学に来てたのか!」

婚后 「はい、今後の参考になれば、と」

削板 「で、ここはどうだ? 俺としてはメシがうまくてお勧めなんだがな」

白井 「設備も整ってますし、さすがトップ高ですの」

絹旗 「家から遠いのは超問題ですけどね」

布束 「慣れの問題よ」

削板 「しかし、なるほど。こういう理由だったのか」ウンウン

絹旗 「何がですか」

削板 「いや、こいつがな。朝早くから"学校に行ってくる"ていうもんだからよ」

布束 「」

削板 「なんで卒業生のお前が? と思ったんだが、なるほど、案内だったんだな」

白井 「え? あれ? お二人は同じ屋根の下に?」

削板 「ん? なんかおかしかったか?」

布束 「"寿命中断"!」カッ



957 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/23(日) 01:36:32.80 ID:eIt1LGrwo

削板 「」

絹旗 「」

白井 「お、お二人とも!?」

婚后 「なんということでしょう……」

絹旗 「いやだから違いますって!」

削板 「お前それやめろよ! お前の目でそれやられるとビビるんだよ!」

布束 「Because 余計なこと言うからよ!」

白井 (結局"寿命中断"はブラフなのかはっきりしませんの)

婚后 (あまりこの話題に持っていかない方がよさそうですわね)

絹旗 「ていうか、今のは超巻き添えじゃないですか! 超7位のせいです!」

削板 「俺かよ!」

布束 「他にいないじゃない」

削板 「すいませんでした」



959 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/23(日) 01:38:01.80 ID:eIt1LGrwo


~数時間後 長点上機学園 校門~


婚后 「本日はありがとうございました」

布束 「参考になったのなら嬉しいわね」

白井 「他の学校に行った時も思いましたが、やはり自分の目でみるのは大事ですの」

絹旗 「そういえば、根性さんはどこいったんですか?」

布束 「さあ?」

婚后 「ご挨拶しておきたかったのですが」

布束 「よろしく伝えておくわよ」


<プップー


絹旗 「お、ようやく迎えが来ましたか」

白井 「それでは、今日はありがとうございましたの」

婚后 「また機会がございましたら、よろしくお願い致します」

布束 「Well 気をつけてね」

布束 「行ったわね……さて、あの馬鹿探さないとね」



960 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/23(日) 01:39:27.79 ID:eIt1LGrwo


~同日夕方 きぬはた荘 リビング~


ユリコ 「フモー」

結標 「ちょ、ユリコ! どこに頭突っ込んでんのよ!」

ユリコ 「」ゴロゴロ

結標 「貴女、女の子でしょ! 白井さんじゃあるまいし」ヒョイ

ユリコ 「(・ω・)?」

白井 「わたくしがどうかしましたの?」

結標 「あ、おかえりなさい」

婚后 「ただいま戻りました」

絹旗 「ただいまです」

結標 「絹旗さんも、制服に慣れてきたみたいね」

絹旗 「えぇ、超不本意ながら」

白井 「不本意の理由が分かりかねますの」



961 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/23(日) 01:41:06.84 ID:eIt1LGrwo

結標 「ところで、リビングに置きっぱなしになってたパンフ。貴女達のでしょ?」つ□

婚后 「あら、これは失礼致しました」

結標 「次はこの学校見に行くの?」

白井 「はい、その予定なのですが……」

絹旗 「あいにくとコネがないですね。ここは超スニーキングミッションで」

白井 「ダメですの!」

結標 (ここってたしか、小萌とか土御門がいるところよね)

結標 「私の知り合いでよければ、話してみるけど?」

白井 「え、よろしいんですの?」

結標 「ちょうど、ここの生徒にも教師にも知り合いがいるからね」

絹旗 「では生徒のほうでお願いします」

結標 「えっ?(小萌ならこういう話にはルパンダイブすると思ってたのに)」

婚后 「生徒のほうが、気が楽なんだそうですよ?」クスクス

結標 「うーん……(ますます小萌が適任じゃない)」



962 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/23(日) 01:42:35.29 ID:eIt1LGrwo

白井 「こういうのもなんですが、お願いしてよろしいですの?」

結標 「ま、言いだしっぺの法則ってヤツよね。連絡してみるわ」

絹旗 「超ありがとうございます! お礼に超B級映画の半券を」

結標 「いらない。それで、希望の日程とかある?」

白井 「そうですの……ええと、では明後日か明明後日ぐらいで」

婚后 「ユリコ! おやめなさいな!」

ユリコ 「フモー」



~同日深夜 きぬはた荘 結標個室~


結標 「ええと、土御門は……"グループ01"でいい、のよね?」カチカチ


 Prrカチャ


土御門 『結標か? 仕事ならないぞ』

結標 (よかった、正解)



963 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/23(日) 01:43:59.42 ID:eIt1LGrwo

結標 「仕事なんて期待してないわよ。数ヶ月まともな案件よこさないクセにさ」

土御門 『なら何の用だ。言っておくが、暇つぶしのお喋りならご免だぞ』

結標 「それも期待してないわね。トークの相手ならもっと上等なのがいるもの」

土御門 『それで結構。他に用件があるならシンプルに済ませてくれないか?』

結標 「貴方のとこの学校を見学したいっていう女子中学生がいるんだけどさ。案内を」

土御門 『で? 何時にどこに行けばいいんだ?』

結標 「うっわぁ……」

土御門 『おお? なーに引いてるんだ、あわきん』

結標 「貴方、妹一筋なんじゃないの? なに食いついてるのよ」

土御門 『それはそれ。これはこれ』キリッ

結標 「まあ、いいけど……明後日か明明後日でどう?」

土御門 『っにゃー、実に魅力的なお誘いなんだがな。ちょいとその日は外せないんだぜい』

結標 「あら、残念ね」

土御門 『可愛い可愛い妹とだな、』



964 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/23(日) 01:45:21.26 ID:eIt1LGrwo

結標 「聞いてないわよ。やっぱり歪みないわね、貴方は」

土御門 『子曰、妹此正義』

結標 (こいつに任せて大丈夫なの? 心配になってきたわ……)

土御門 『まあまあ、これで終わらせるのもなんだから、代理は用意しておくぜい』

結標 「じゃあそのまま向かわせちゃっていいのね?」

土御門 『問題ないようにセッティングはしておくから、安心するにゃー』

結標 「……一応言っておくけど、マトモな人間にしてよ?」

土御門 『心配いらないぜい。ロリに危害を加えるヤツはロリ失格だ』

結標 「意味分かんない」

土御門 『つまり、あわきんの言うマトモな人間を寄越すってことだにゃー』

結標 「頼むわよ。身内を預けるんだから」

土御門 『お姉さん気取りか? お前さんもやっと義妹のよさが 「じゃあね、バイバイ」ピッ

結標 「大丈夫なのかしら……ま、あの子たちなら自分の身ぐらい護れるでしょ」



965 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/23(日) 01:46:38.61 ID:eIt1LGrwo


~当日 とある高校前~


絹旗 「という訳で超来てみましたが……」

白井 「それらしき方はいらっしゃいませんの」キョロキョロ

婚后 「結標さんは現地合流と仰ってましたが」

絹旗 「待ち合わせの時間より早く来てしまいましたし、ひとまず待ちましょうか」

白井 「それにしても、ここは……なんと言いますか」

婚后 「長点上機や霧ヶ丘と空気が違いますわね」

絹旗 「まったりしてていいじゃないですか」


<お、常盤台の制服3人娘! てことはお嬢ちゃんらが今日のお客様やな!


3人 「!?」

青ピ 「いやぁ~、ボクとしたことが。女の子を待たせてしまうなんて紳士失格やわぁ」ポリポリ



966 : ◆r462iqU2Ag:2011/01/23(日) 01:48:21.05 ID:eIt1LGrwo

といったところで、今回はここまでです。
布束さんはいくつかの謎を残したまま退場してしまいました。
ミステリアスな女性っていいよね。
次の訪問先はとある高校です。(いくら調べても正式名称分かりませんでした)
次回投下は1/24(月)を予定しています。

お付き合い頂き、ありがとうございました。
それでは、これにて。



969 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2011/01/23(日) 01:53:43.20 ID:zDTVwm1bo
デコか■■だと思っていたら、一番ダメなやつだった…



968 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2011/01/23(日) 01:51:12.34 ID:ohIfZLsAO
アウトォ!



973 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2011/01/23(日) 02:20:19.74 ID:sN3zMVEAO
布束と削板が気になって仕方がない



982 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2011/01/23(日) 10:53:57.64 ID:wIOjw5MFo
土御門はブレないなww
乙です




次→絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」その13

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禁書目録SS   コメント:3   このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント一覧
6768. 名前 : 名無し◆- 投稿日 : 2011/05/09(月) 19:22 ▼このコメントに返信する
上条さん来るかと思ったけど、上条属性を危惧して青ピかw
6790. 名前 : 名無し@SS好き◆VBuD5iCI 投稿日 : 2011/05/10(火) 04:19 ▼このコメントに返信する
黒子ストーリーにwktk
7817. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/06/08(水) 15:56 ▼このコメントに返信する
どこがまともな代理だw
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