禁書「おなかへったんd「やかましいうっとおしいぞこのガキッ!」その2

2010-09-10 (金) 22:11  禁書目録SS ジョジョの奇妙な冒険   8コメント  
jo-kkusu.jpg


前→禁書「おなかへったんd「やかましいうっとおしいぞこのガキッ!」

599 名前:以下、名無しにかわりまして VIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/08(水) 01:01:01.82 ID:z2uQlWW40

ゆらりと。 幽鬼のように立ちあがった少女。

その瞳には何も映らず。 ただただ虚無が広がっていた。


禁書「 《防衛魔術『聖ジョージの聖域』ヲ発動シマス》 」


小さく紡がれた言葉と同時に。空間が。 裂けた。

それは彼岸と此岸の境目。 幽界の領域。

漏れ出てくる瘴気がじわりと空間を侵蝕していく。

                           ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
仗助「スタンド攻撃かっ…!? 違ぇ…こんなおぞましいモンがスタンドなわきゃあねぇっ!」
                        ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
億泰「お、おい! やべーぜ仗助ッ! 何だかわかんねーがとにかくヤベエッ!!」


空間の亀裂の裡にあるものを直視してしまった仗助と億泰。

承「ッ!! 仗助ッ! 億泰ッ!」

自動防衛機構として稼働している少女に、棒立ちの人間を撃ちぬくことに対しての躊躇いなどある筈もなく。

立ち尽くしてしまった仗助と億泰の2人に無数の光弾が襲いかかっていく。





605 名前:以下、名無しにかわりまして VIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/08(水) 01:24:42.14 ID:z2uQlWW40

億泰「な、なんだぁっ~~!?」

承「スタンドだ! スタンドを出して身を守れっ!」
         ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
仗助「ダメだっ!! スタンドがっ!! 間に合わねえっ!!!」


驚愕。 恐怖。 寒気。

それは僅かな…ほんの僅かな逡巡だった。

しかしそれは致命的なタイミング。

守ることも避けることも間に合わなかった仗助と億泰が閃光に包まれる。


承「な、なんだとっ!? 仗助ッ! 億泰ッ!」


声を荒げる承太郎。 だが巻き起こった白煙により彼等の姿を確認することができない。

そして…ゆっくりと白煙がひいていく。




613 名前:以下、名無しにかわりまして VIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/08(水) 02:07:43.15 ID:z2uQlWW40
そこには…真紅に燃え盛った炎を見に纏う巨人が立っていた。


ステイル「フン。 何をぼんやりしているんだい?」

仗助「な、何が起こりやがった?」

億泰「こ、こいつはっっ!!」


自分たちを守るように両手を広げ、その身に無数の光弾を受け止めた巨人。

その身体からはブスブスとした黒煙がたちのぼり、身体の至る所が欠けていた。


ステイル「…さすがは聖ジョージの聖域だね。 瞬間的な火力では太刀打ちできそうにないよ」

その言葉と共に、崩れていく炎の巨人。


億泰「テメーまさかッ!! 俺達を庇って!?」


ステイル「…勘違いしないでくれ。 別に君達を守ろうとしたわけじゃないさ」

ステイル「ただ…インデックスを救うためには頭数が必要だと思ってね」




614 名前:以下、名無しにかわりまして VIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/08(水) 02:10:17.12 ID:EGG65a+g0
うほ



616 名前:以下、名無しにかわりまして VIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/08(水) 02:15:43.14 ID:sMopzdy50
ヤムチャさん役に立ってるじゃないですかw



619 名前:以下、名無しにかわりまして VIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/08(水) 02:37:34.71 ID:tdmHcxJT0
承りが時止めてインデックス直接攻撃すればと思ったが、歩く教会があったな
何このチートイカ娘



621 名前:以下、名無しにかわりまして VIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/08(水) 02:44:14.99 ID:z2uQlWW40

億泰「けどよぉ…こんなになっちまったら…」

そう呟いた億泰の先にあるのは重油のような黒くドロドロした巨人の名残。

もはや戦闘など続けられそうにない。

だが、そんな億泰の不安そうな問に返ってきたのはからかいの調子が混じった声だった。

ステイル「確かに…あれじゃもう動くことも出来そうにないね」

億泰「…すまねえ」

ステイル「おや? まさかこの僕を心配してくれているのかい?」

億泰「テメー! 人が優しく言ってやりゃあ調子に乗りやがってっ!!!」

そう言って詰め寄ろうとする億泰。

だがその動きを止めたのはステイルの決意がこもった眼光だった。

ステイル「大丈夫さ」

ステイル「なにしろ僕は…彼女を守るためだけにルーンを刻み続けていたんだ」




623 名前:以下、名無しにかわりまして VIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/08(水) 02:54:52.07 ID:z2uQlWW40
目前に立つは彼が守ると誓った少女。

ステイル「ずっと待っていたんだ」

守るため。 そのために自らの手で記憶を殺し続けてきた。 憎まれてきた。 

ステイル「諦められるわけないじゃないか」

だが、いま目の前に見えるのは違った結末の可能性。

ステイル「今…手を伸ばせば届くのかもしれないんだからね」


―それは魔術師と魔女の存在を激しく糾弾した偉人の名

        IINF     IIMS
ステイル「その名は炎、その役は剣」

―異教徒を糾弾し殲滅し駆逐しつくしてきた恐るべき聖人の名

   ICR MMB GP
「我が身を喰らいて力と為せ」

―炎髪の少年がその崇高な存在の名を叫ぶ

              イノケンティウス!
ステイル「顕現せよ! 魔女狩りの王!」




624 名前:以下、名無しにかわりまして VIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/08(水) 03:04:26.14 ID:ptXhe/ip0
ステイルさんが格好良い……だと!?



629 名前:以下、名無しにかわりまして VIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/08(水) 03:33:54.43 ID:z2uQlWW40

爆炎と共に再び立ち上がる炎の巨人が魔道図書館の昏い瞳に映る。


禁書「 《新タナ敵兵ヲ確認 攻撃目標ヲ切リ替エマス》 」


その言葉と共に放たれた光弾が今度は炎の巨人に吸い込まれ、破裂していく。

ステイル「まだだっ! 僕のイノケンティウスはまだ耐えられるっ!!」

超速再生により欠けていく手足を瞬時に回復させながらステイルが吠える。

その場から動こうとせず、ただただ攻撃を受け止めるだけの若き魔術師。

彼の狙いをいち早く見抜いたのは当然ながらもう一人の魔術師だった。

神裂「ステイル…まさか貴方っ!」

ステイル「そうだっ! 彼女の全魔力を注ぎ込んだこの魔術! これさえ壊すことが出来ればっ!」

神裂「…わかりました。 今加勢します!」

そう言って腰を沈めた神裂に承太郎の静止の声がとんだ。

承「待ちな。 そっちだけで話を進められちゃあ困る。 俺たちにもきっちり説明をしてくれ」

神裂「…わかりました。 一刻を争うので大まかに話します」




637 名前:以下、名無しにかわりまして VIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/08(水) 04:19:30.21 ID:z2uQlWW40
神裂「彼女は今、全魔力を持って防衛魔術を行使しています」

神裂「彼女の魔術を破壊、もしくは魔力を枯渇させることができれば自動書記も沈黙せざるを得ません」

神裂「ステイルは放出されている魔力の光弾を受け止めることにより彼女の魔力を削っているのです」

神裂「彼女の前に魔法陣が見えるはずです。 私も今からあの聖域へ向けて攻撃を加えるつもりです」

承「…アイツのガソリン切れを待つ…もしくは目の前に浮かんでる壁のような物体を壊すことが出来れば何とかなるということだな?」

神裂「そうですが…壊すのはおそらく無理でしょう。 魔力を消費させて消滅を待つしか手はないと思います」

神裂「……ですがこれより先はあまりにも危険です。 どうか一刻も速くここから避難することをお勧めします」

神裂「以上です。 では」

そう言って愛刀・七天七刀を携えた神裂が飛び出していく。

疾風のような速度で駆け、ステイルに迫らんとする魔術の弾丸を打ち落とす。

そんな神裂に注がれる感情のない意識。

壊れた人形のように首だけを傾け魔道図書館が宣言する。


禁書「 《新タナ敵兵ヲ確認》 」




641 名前:以下、名無しにかわりまして VIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/08(水) 05:14:21.34 ID:z2uQlWW40
展開された魔法陣から無数に吐き出されてくる光を尽く撃ち落としていく。

聖人。 それは神の力という強大すぎる能力をその身に宿した人の子のことである。 

彼女にとって何の意思も感じない無機質な攻撃を捌くのはそう難しいことではない。

だが。 神裂火織の胸の内はひどく揺れていた。

……目を閉じなくても鮮明に思い出すことができる。


――かおりーっ!

トテトテと石畳の上を走る小さな足音を。

――どうしたのですか?

こちらが問いかければ一生懸命答えようとするその姿を。

――んとねー…おなかへったんだよ

顔いっぱいに嬉しさをはりつけたその笑顔を。

――ではステイルも呼んで三人でおやつにしましょうか

家族のように暮らせたあの時間を。

――ほんとにっ? えへへー やったー!

確かな絆で結ばれていたあの日々を。




646 名前:以下、名無しにかわりまして VIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/08(水) 06:41:05.83 ID:z2uQlWW40
いつからだろうか?

彼女の目に映る憎悪の光に耐え切れなくなったのは。

いつからだろうか?

ならばいっそのこと、憎まれるようにと振る舞いだしたのは。


『人から好かれるとか嫌われるっていうのは…ほんの微妙な気の持ち方からじゃと思うんじゃ』

『あの娘さんに何遍忘れられて、何遍嫌われても…』

『そのたびに仲良くするってことは無理なんかのォ~?』


…無理ではなかったはずだ。

神裂「…皮肉ですね」

体捌きが段々と鈍くなり、ついにはその場に縫いつけられたかのように立ち止まってしまう。

神裂「救われぬ者に救いの手を…ですか」

そう呟いて、顔を伏せる。

それはまるで虚ろなまま光弾を吐き続けている少女に詫びているようにも見えた。

そして…その時を待っていたかのように数を増した光弾が一斉に彼女を殺し尽くさんと飛来していた。




647 名前:以下、名無しにかわりまして VIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/08(水) 06:43:14.22 ID:z2uQlWW40
神裂「…それでも私はこう名乗るのです」


ゆっくりと顔をあげた神裂火織の顔に僅かな微笑。

迫り来る光の弾幕の向こうにいる少女に向けて笑っていた。

慈愛に満ちたその笑顔は、少女と共に過ごしていたときに溢れていたそれと同じもの。


神裂「Salvare000――と」


静かな、それでいて美しい音が響き渡る。

澄んだ音と共に斬り裂かれ弾け飛ぶは無数の光弾。

それは鍔鳴りの音。

2メートル超える異様な大太刀、七天七刀が発した音色だった。

魔力も込めないたった一回の抜刀術。

しかし次々と消滅していく光弾の数が抜く手も見せない超高速の抜き打ちの威力を物語っていた。

鞘に刀を収め、残心を保ったまま。 こう告げた。


「インデックス…私は貴方とまた親友になりたいと…そう思っています」




717 名前:以下、名無しにかわりまして VIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/09(木) 01:30:56.64 ID:fF4vajKd0
人形のように感情を排除したまま光弾を放つ魔道図書館。

しかし唸りをあげる光弾はすべてステイル=マグヌスと神裂火織という二人の魔術師に防がれていた。

超速再生を利用したイノケンティウスによる炎の壁と鋼をも切り裂く七閃の壁。

だが魔道図書館の無尽蔵ともいえる魔力から放たれる光弾はますます数と速度を増していく。

神裂「さすがは禁書目録です… 人の身でありながら魔神の力をここまで行使するとは」

ステイル「まったく…まるで怪物を相手に戦争をしているような気分だよ」

鍔鳴りの音を響かせながら呟いた神裂の言葉を聞き、額ににじむ汗を拭いながら軽口を返すステイル。

しかし、それも束の間。 がくんと炎の巨人イノケンティウスの動きが遅くなっていく。

ステイル「な、なんだ!?」

その声に答えるかのように返ってきたのは魔道図書館の機械的な言葉。


         スペルインターセプト
禁書「 《阻害魔術『強制詠唱』ヲ発動シマシタ》 」




720 名前:以下、名無しにかわりまして VIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/09(木) 01:39:06.44 ID:fF4vajKd0
阻害魔術『強制詠唱』
                                ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
それは術式に割り込みを掛け、誤作動を起こさせる魔力を必要としない魔術である。


禁書「 《続イテ対象魔術ノ術式ノ逆算ヲ開始シマス》 」


動きが鈍くなった炎の巨人を幾つもの光弾がすり抜けていく。


神裂「ステイル! 危ないっ!」


魔女狩りの王を操るために魔力を精製し、集中していたステイルにとってそれは避けようがない。

ステイルを守るために駈け出そうとするも飛来する光弾を無視することが出来ず動くことができない神裂。


ステイル「くっ…ダメか」


回避が不可能であることを一瞬のうちに判断し、諦観の呟きをもらすステイル。

彼の目の前に黒い影が立ち、叫んだ。

               ・ ・ ・ ・ ・
「ボケてんじゃあねーぜステイルッ!!!」




722 名前:以下、名無しにかわりまして VIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/09(木) 02:14:03.91 ID:fF4vajKd0
ガオン!!!

空気が引き裂かれたような形容のしがたい音。


億泰「さんざんカッコつけといてよぉ~油断してんじゃねェぜテメェ~~」


そう言ってステイルの隣に立つは虹村億泰。

狙いを定めたかのように打ち出された魔術の光弾をギロリと眺める。


億泰「俺は頭ワリーから何が何だかまだよく判ってねぇーけどよぉ~」
                               
背中から浮き上がるようにして現れたものは人の形をしていた。

億泰「触らずに攻撃してーんならよぉ~」
            ヴィジョン
それはパワーをもった像。

億泰「オレの『ザ・ハンド』に任せなっ!」

ありとあらゆる物を空間ごと削り取ることができる右手が光弾を叩く。

ガオン!!!

空気が引き裂かれるような音と共に消滅する魔術の光弾。




725 名前:以下、名無しにかわりまして VIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/09(木) 02:41:22.16 ID:fF4vajKd0
それは使い手の「傍に立つ」。 故にこう呼ばれていた。
スタンド
幽波紋と。


陽炎のように揺らめくスタンドを背後に億泰がステイルに右手を伸ばす。

億泰「それとよぉ…」
                           ・ ・ ・ ・
億泰「さっきのテメーの啖呵は気に入ったぜぇ~ステイル?」

差し出された手をぼんやりと眺め、ようやく自らが尻餅を付いていたことに気付くステイル。

ステイル「フン。 別に君に気に入られるために言ったわけじゃないさ」

憎まれ口を叩くステイル。 だがその手はしっかりと億泰の手を握っていた。

ステイル「それと…さっき僕は君を助けてやったんだからこれでチャラだろ? 礼は言わないよ」

立ち上がりながらも強がるステイルをニヤニヤ眺める億泰。

億泰「おーおー! 相っ変わらず生意気だよなぁ~ ステイルくんはよぉ~?」

ステイル「…君付けで呼ぶのはやめてほしいんだけどね」

億泰「さぁーってなぁ~ どーすっかな~~」

ステイル「フン…君と話していると無性に煙草が欲しくなるね」




729 名前:以下、名無しにかわりまして VIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/09(木) 03:56:17.16 ID:fF4vajKd0
億泰「けど、おまえよぉ~ 調子悪いんじゃねぇのかぁ?」

スタンド、ザ・ハンドで光弾を迎撃しながら、ちらりとイノケンティウスに目をやる億泰。

しかし棒立ちになったまま光弾を受け続けている自らの魔術を目の端に捉えたステイルの目には光が戻っていた。


ステイル「あぁ…強制詠唱ね。 確かにあれは厄介だ」

ステイル「だけど万能じゃあない。 簡単に言えばあれは素数を数えている人のそばで出鱈目な数を言って混乱させるような魔術さ」

ステイル「術式を混乱させられているなら更に強固に術式を組み直すだけだ」

ステイル「事前にこの街の全域にルーンによる結界を刻んでおいた甲斐があったよ」


その言葉と同時に再び白熱の輝きを取り戻す魔女狩りの王。


億泰「ほぉ~… 便利なもんだなぁ~魔術ってやつはよぉ~」

ステイル「…僕のイノケンティウスをこともなげに削りとった君に言われると皮肉に聞こえるよ」
                            ・ ・ ・ ・
億泰「さてと…もう足引っ張んじゃあねーぜ? ステイルよぉ~?」
                    ・ ・
ステイル「…それはこっちのセリフだよ億泰」

何もかもを燃やし尽くす魔術師の少年と何もかもを削りとるスタンド使いの少年が並ぶ。

瀑布のような暴力を前に一歩も引かないその姿はまさに気高い戦士のようだった。




730 名前:以下、名無しにかわりまして VIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/09(木) 04:03:15.87 ID:7am+4HVoO
捨ていぬに黄金の精神が宿るだと……



945 名前:以下、名無しにかわりまして VIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/09(木) 20:10:53.98 ID:YmUP/0Uy0
空間を削る億泰のスタンドを虚ろな瞳に写した魔道図書館が口を開く。


禁書「 《《新タナ敵兵ノ用イル対象魔術ノ術式ノ逆算…失敗》

禁書「 《戦闘思考ヲ変更》 」
      ドラゴン・ブレス
禁書「 《『竜王の殺息』ヲ収束 発動》 」


発生した空間の亀裂から放たれたのは収束した極大光の柱。
             ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・               ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
億泰「まずいぜっ! 線の攻撃じゃあっ! いくらザ・ハンドでも削りきれねぇっ!」

ステイル「さがるんだ億泰っ! イノケンティウスッ!!」

億泰の眼前に立ちその身を呈してかばったのはステイルが操る炎の巨人。

神裂「気をつけてください! これは竜王の殺息です!」

神裂「伝説にある聖ジョージのドラゴンの一撃と同意なはずです!」

ステイル「大丈夫だっ! 僕のイノケンティウスの超速再生ならっ! 竜王の殺息にだって耐えられるっ!」




950 名前:以下、名無しにかわりまして VIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/09(木) 20:14:51.54 ID:YmUP/0Uy0
両の手を開きその身に降り注ぐ光の線を受け続ける炎の巨人。

だが、それをあざ笑うかのように魔道図書館が言葉を続ける。


禁書「 《第二二章 第一節 炎ノ魔術ノ術式ヲ逆算ニ成功》 」

禁書「 《曲解シタ十字教ノ教義ヲルーンニヨリ記述シタモノト判明》 」

禁書「 《対十字教用ノ術式ヲ組ミ込ミ開始 第一式、第二式、第三式組ミ込ミ完了》 」
             エリ・エリ・レマ・サバクタニ
禁書「 《命名、『神ヨ、何故私ヲ見捨テタノデスカ』発動」》 」


じわりと光の柱が純白から血の様な真紅に変色。

ステイル「なんだ!? 再生速度が遅い…? いや無くなってきている?」

バリバリと音を立てながら砕ける魔女狩りの王。
                      ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ステイル「まさかっ! …この短時間で竜王の殺息の効果を変質させたのかっ!?」

億泰「おいっ! ボーっとしてんじゃあねえぜこのスッタコ! 再生とやらをさっさとしやがれっ!!」
            ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ステイル「無理だっ! ルーンを完全に解析されたんならっ! 止める手段がないっ!」




952 名前:以下、名無しにかわりまして VIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/09(木) 20:16:48.66 ID:YmUP/0Uy0
霧散していく炎の巨人をかいくぐるように神裂が駆け込む。

神裂「七閃ッ!」

鍔鳴りの音と共に魔道図書館の足元が破壊され、ぐらりとバランスを崩す。

魔女狩りの王を貫き、その後ろにいるステイルと億泰を狙っていたであろう光の柱が天井を楽々と貫通していく。

ぽっかりと開いた天井からふわふわと舞い落ちる無数の光。

仗助「…な、なんだぁこいつはよぉ~? 羽毛布団でも一緒に吹き飛んだのかぁ!?」

光の羽をつまもうとした仗助に神裂の鋭い制止の声が飛ぶ。

神裂「触らないでください! それは余波の『光の羽根』です!」

神裂「『竜王の殺息』で破壊された物質ですが、それに触れてしまえば人の体など容易く破壊されます!」

仗助「うおっ! マジかよぉっ! 危ねぇ~!!」

慌てふためく仗助。 そして承太郎が神裂に問いかける。

承「何度もすまねーが もう一度だけ確認しておく」




959 名前:以下、名無しにかわりまして VIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/09(木) 20:22:49.49 ID:YmUP/0Uy0
 
糸に操られた人形のように立ち上がろうとしている魔道図書館を横目で見据えつつ口を開く承太郎。

承「アイツの目の前にある光の障壁。 …あれさえぶち壊せばいい筈だったな?」

神裂「ですから危険すぎると何度もっ! だいたいそれを知って何になると言うのですか!?」

承太郎の問に噛み付くようにして答える神裂だが仗助は彼の言わんとすることを理解していた。
                               ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
仗助「ちょ…ちょっと待ってくださいよ承太郎さんっ! あんたまさかっ!?」

承「あぁ…おまえが考えているとおりだ仗助」

仗助「そ、それなら俺も一緒に!」

承「駄目だ。 おまえのクレイジー・Dは自分自身の怪我を治せない」
  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
承「おまえが再起不能になるくらいの怪我を追われるのは困る」

仗助「じょ、承太郎さんっ! あんた…何を考えてっ!?」

承「…かっタルイことは嫌いなタチでな」


そういって歩みを進める承太郎が自動書記ヨハネのペンとして稼働している禁書目録の前に立った。




976 名前:以下、名無しにかわりまして VIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/09(木) 20:28:42.56 ID:YmUP/0Uy0
                              ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
承「確か…おまえの頭の中にある魔道書を使えば『世界』の常識を変えることができると…そう言っていたな」


禁書「 《戦場ヲ検索 現状ノ敵勢力ヲ再確認》 」

       ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
承「だが…『世界』の常識を変えることができるのは…テメーひとりじゃあねえ」


禁書「 《『空条承太郎』ノ破壊ヲ最優先シマス》 」


                ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
承「…それより先にだ… 俺がテメーを縛り付けている常識を破壊する」

                                        ・ ・ ・ ・ ・ ・
展開された魔法陣に光が収束する。 しかしその光は放たれる寸前に止まっていた。

『それ』は光を越え、時を越えた承太郎だけの世界。

動きを止め、時間が止まった静寂の世界。

モノクロの世界で承太郎がインデックスに語りかける。


承「俺が3秒間、時を止めた。これから全てを叩き込み…ブチ壊させてもらう」




993 名前:以下、名無しにかわりまして VIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/09(木) 20:33:55.43 ID:YmUP/0Uy0
スタープラチナ・ザ・ワールド

タロットカードの大アルカナ17番目のカード「THE STAR」を象徴したそれは完成された史上最高、最強のスタンド。


【残り2,59秒】

「オラァッ!」

スタープラチナの渾身の一撃が聖ジョージの障壁を叩く。

しかし。 聖ジョージの聖域はびくともせず。

逆に承太郎は右拳に鈍痛を感じていた。

【残り2,52秒】

承「ン…想像はしていたが…やはり随分と固いな」

承「だがそんなことは大した問題じゃあ…ないっっ!!!」

【残り2,47秒】

「オオオオォォォォォォッ!! オラオラオラァァ!」
                             ラッシュ
雄叫びのような気合と共に放たれたのは両拳による連打。




47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /09(木) 22:21:08.15 ID:YmUP/0Uy0
【残り1,08秒】

ビシリと。 空間が割れるような音ともに展開された魔法陣に亀裂がはしった。

自身の血で赤く染まったダイヤモンドすらも砕くその拳を握り直す。

承「まったくテメーが来てからこの数日…ロクなことがなかったぜ」


【残り0,95秒】


承「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァァッッ!!!」

                               ラッシュ
静止した時の中、光を超える速度でくりだされる無限の拳打。

残像すらも質量をもったかのような凄まじい拳戟がヒビのはいった防壁の一点に集中。目掛けて繰り出されていく。

…そして。 攻撃の手が止まった。

承「だがやれやれ…どうやら間に合ったようだな」

ぐいっと帽子を深くかぶり直した承太郎が宣言する。

【残り0,01秒】

承「…そして時は動き出す」

【残り0,00秒】




56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /09(木) 22:33:42.56 ID:YmUP/0Uy0

かつて…「無」から「有」は生まれないという表現がよくされていた。

だがそれは昔の話。 現代の物理学では「無」とされる「絶対真空」の中に「素粒子」が生まれることが確認されている。

その「素粒子」はエネルギーに変身し突然発生したり消滅したりするのだ。

それは人間の引き出すエネルギーにも当てはまる。

たとえばそれは「魔術」と表現されたり、「超能力」と呼ばれたり「スタンド」と名付けられた。

「AIM拡散力場」として観測されていたりもする。


つまり「無」から「有」は生まれる。

「無」とは「可能性」のことなのだ。


“絶対”の防御壁と呼ばれる聖ジョージの聖域ですら“可能性”を否定し切ることは出来ず。

ガラスのシャワーのように粉々に砕けちった。


禁書「 《警…告 『聖ジョージノ聖域』  致命的ナ…破壊 》 」


聖域が消滅したのと同時にビクリと痙攣する禁書目録。




58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /09(木) 22:49:23.55 ID:YmUP/0Uy0


禁書「 《修復 不可 魔力量急激ニ不足 自動書記…強制…終了》 」


その言葉を最後に倒れる禁書目録。

まるで状況が理解できずに驚きの声あげたのはステイルと神裂だった。

ステイル「なっ!?」

神裂「いったい…何が…?」

しかし、彼等に返ってきたのは答えではない返事。

承「ま…確かに硬い壁だったが…叩き割ってやったまでのことだ」

呆気に取られたままのステイル達を尻目にコートの裾についた埃を払いつつ禁書目録に向かう。

承「おい…起きろ」

承太郎の胸の中で禁書目録がゆっくりと瞳を開く。

禁書「…」

何事かを呟いた禁書目録の瞳に確かな意思の光が宿っているのを確認する承太郎。

しかし承太郎はひとつ見落としていた。 インデックスの瞳に映るもうひとつの小さなそれ。 

天から舞い落ちる『光の羽根』を。




61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /09(木) 23:04:52.95 ID:YmUP/0Uy0
音もなくひらひらと動く数枚の光の羽根はゆっくりと、しかし真っ直ぐにインデックスと承太郎に向かい落下していく。

仗助「ッ!! 承太郎さんっ!」

一番最初に気づいた仗助が危険を察知し声を荒げる。

だが、承太郎は帽子のつばが邪魔で上空を確認できない。

億泰「承太郎さんっ! 上だっ!」

承「!? なんだとっ!?」

その声と共にスタンドを再度出そうとするも一手遅い。

このままではその腕に収めたインデックス諸共、光る羽根が直撃することになる。

しかし…光の羽根は飛び込んできた二つの手が握りしめたことにより承太郎たちに危害を加えることはなかった。

耳を塞ぎたくなるような肉の焦げる音。

飛び込んできた勢いのまま床に転がり苦痛に身悶えているのは神裂とステイルだった。

神裂「くっ!!!」

ステイル「痛っぅ!!!」

光の羽根を人の身体で受け止める。 

それは頭に当たれば重大な機能障害を起こし、腕に当たればその腕が使い物にならなくなることを意味する。




63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /09(木) 23:22:06.40 ID:YmUP/0Uy0
ステイル「これはっ…想像以上にっ…痛いもんだねっ…」

神裂「っ…腕で受け止められたが…不幸中の幸いでしょう…」

ブスブスと黒煙をあげる腕を抱えながらもステイルと神裂が強がる。

億泰「おいステイルっ! しっかりしやがれテメーッ!」

ステイル「大丈夫さ…今まで僕達が…インデックスにしてきたことを思えばこれくらいっ…」

神裂「…やっと…わたしはこの手でインデックスを守ることができたのです」

今も尚、その腕を食い荒らす光の羽根を身に受けて笑う二人の魔術師。

その二人の背後に東方仗助が立った。


仗助「なんつぅ~かよぉ~… グッときたぜぇ~」
          ビジョン
ゆらりと力をもった像がたちのぼる。

仗助「守る者のためなら我が身を厭わないってその姿勢っ!!」

この世のどんなことよりもやさしい能力をもつスタンド・クレイジーダイヤモンド。

仗助「けどこれからもそいつを守るってならよぉ~片手だけじゃあ不便だよなぁ~~?」




65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /09(木) 23:25:12.44 ID:ZjSf68No0
さすがクレダイさんやでぇ・・・



66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /09(木) 23:34:30.50 ID:3yy/y56p0
仗助はグダグダ言ってないで早く治しやれよ



67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /09(木) 23:42:29.16 ID:YmUP/0Uy0
神裂「まさか貴方…」

仗助が何を言っているのか察した神裂。

以前、ジョセフ・ジョースターとやりあったときに義手を目の前で復元してみせた能力。

神裂「無理です…光の羽根でおった傷は魔術による回復ですら難しいのですから…」

だが、そんな神裂の呟きを仗助はまったく気にもとめない。

仗助「魔術だろうが超能力だろうがよぉ~…単なる怪我ならよぉ~」

クレイジー・ダイヤモンドが二人の身体に触れる。

仗助「俺に任せろよなぁ~?」

ズキュン!

用は終わったとばかりにクレイジーダイヤモンドが立ち上がる。

呆気にとられたのは神裂とステイル。 

神裂「そんな…信じられません…」

ステイル「嘘…だろ?」

光の羽による酷い傷跡が瞬時に消えていたのだ。

仗助「こんぐらいならよぉ~ 朝飯前っつーもんスよぉ~?」




68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /09(木) 23:45:05.52 ID:OUPsfepT0
上条「魔術だろうが超能力だろうがよぉ~…単なる異能ならよぉ~」



71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /09(木) 23:53:58.98 ID:fNmut2Nc0
原作と同じくうっかり忘れそうになっていたが・・
さすが4部の主人公だぜ・・



72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /09(木) 23:58:23.76 ID:YmUP/0Uy0

承「やれやれ…ようやく終わったようだな」

気を失ったままのインデックスを抱える承太郎。

承「とりあえず俺たちは家に戻るが…君達はこれからどうするんだ?」

神裂「わかりません…」

ステイル「…僕達は彼女へ術式をかけなかった。 それどころか」

神裂「結果的にとはいえ…インデックスにかかった防御機構を破壊してしまったのです」

ステイル「まずは本部へ連絡をして…その後はどうなるか…」

億泰「おっ! それならよぉ! オメーらも杜王町に住めばいいじゃねぇーか!」

ステイル「そういうわけにもいかないんだよ」

承「コイツを助けたこと…後悔しているのか?」

ステイル「後悔なんてしていないさ」

神裂「ええ…この結末は私達が望んだことでもあります。」

承「…そうか」




75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /10(金) 00:17:50.72 ID:T3qD/ylY0
―ロンドン中心部・聖ジョージ大聖堂―

黒檀の机に向かうはイギリス清教の最大主教ローラ=スチュアートである。

Prrrrrrr!Prrrrrrr!

机の横に備え付けられた電話が鳴り出す。

ローラ『とぉるるるるん♪とぉるるるるん♪』

ローラ『もしもし? あらステイル? お久しぶりだわね』

ローラ『禁書目録が監視の役目ご苦労であったわ』

ローラ『あら? 畏まっちゃって…なにか大事な話でもありけるのかしら?』

ローラ『……へぇ。 やはり禁書目録の「首輪」が外れたということ報告なわけね』

ローラ『さにありける。 えぇ当然知っているわ』

ローラ『…誰に? おかしきことを聞くのねステイル。 貴方達が報告をしていないなら決まっているわよ?』

ローラ『我が英国が誇る生ける英雄から聞いたのよ? …誰かって? おかしなことを聞きますのねステイル』

ローラ『英国どころか世界中にて医療支援を行うSPW財団。 その影に見え隠れする不動産王からね』

ローラ『…あら? これでも判らない? まったく魔術の勉強にかかりきりすぎだったのじゃあなくて?』

ローラ『…究極の進化を遂げた完全生物を駆逐した男。 ジョセフ・ジョースター卿よん♪ 』




76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /10(金) 00:18:59.35 ID:sC2DbYgY0
やっぱ有名人かジョセフ



78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /10(金) 00:22:39.36 ID:wqHGaeRL0
吸血鬼狩りの権威の家系だったり



79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /10(金) 00:24:08.03 ID:sC2DbYgY0
貴族の血筋だし、何百年も吸血鬼とかとバトルしまくってるし
そう考えればかなり有名だよな



80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /10(金) 00:38:35.50 ID:T3qD/ylY0
ローラ『久方ぶりに我を忘れるほど話し込んでしまうだなんて…まったく反省のしきりだったわ』

ローラ『そうそう。 禁書目録の事だけれども』

ローラ『大至急連れ戻せ…というのが上層部の見解でしょうけれども気にしなくても別によくてよ』

ローラ『彼女の枷が外れたのですもの』

ローラ『10万3000冊を操る魔神を易々と懐にいれるほど愚かしいことはなくてのことよ』

ローラ『貴方達に対するお咎め? 気になるでしょうけれどそれも無くてよ』

ローラ『ええ。 ジョセフ・ジョースター卿から頼まれたのだから聞き入れぬわけにいかないわよ』

ローラ『何でですって? いいわ…申せしましょう』


ローラ『…敬意よ。 ジョースターの血統に敬意を払う。 これは決して忘れてはならぬこと』


ローラ『そう、 そういうこと。 これからも其を引き続き監視をしていることが貴方達の任務よん♪』

ローラ『それじゃあまた。 用事ができたらこちらから連絡するでしょうよ』




84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /10(金) 00:51:11.89 ID:T3qD/ylY0
―翌日・杜王グランドホテル―

禁書「zzz」

承「おい」

禁書「zzz」

承「おいっ!」

禁書「ひゃっ! ひゃいっ!?」

承「いつまで寝てるつもりだ? とっとと起きろ」

禁書「あ…じょーたろー?」

承「なんだ?」

禁書「えっと…あの…やっぱりなんでもないかも…」

承「…今から出掛ける。 テメーも一緒にだ」

禁書「え? …うん! あ、でもじょーたろー? 私にはインデックスっていう名前があるからテメーだなんて」

承「…やれやれ」




86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /10(金) 01:07:29.21 ID:T3qD/ylY0
―杜王町・カフェ・ドゥ・マゴ―


仗助「おっ! 承太郎さーん! こっちッス! こっちこっちぃ~!」

神裂「ひ、東方仗助…その、あんまり大きな声を出すと周りの人に迷惑が…」オロオロ


億泰「だからよぉ~! いっぺん喰ってみりゃあわかるっつってんだろぉ~!?」

ステイル「フンッ プリンなんて女子供の食べるものじゃないか そんなものに感動しただなんてどんだけ君は子供じみてるんだ?」

億泰「…テ、テメー言いやがったなステイルッ! ジョートーじゃねえかっ! これ終わったらすぐにトニオさんのとこ行くぞコラァ!!」

ステイル「ま、構わないけどね。 あぁそうだ…そこって禁煙かい?」

億泰「あったりめーだろぉ! トニオさんの店で煙草なんて吸いやがったらどうなるか判りゃしねーぜっ!」


ジョセフ「どうかね露伴くん その後体の調子が悪くなったりしとらんかのぉ~?」

露伴「大丈夫ですよジョースターさん。 でも…フフフ ほんとーにサイコーだったなぁ。 あの体験は…フフフ」

ジョセフ「…わしゃもう老眼であんまりマンガみたいな細かい文字が読めんのじゃが…魔道書みたいなマンガは描かんでくれよ?」

露伴「ええ。 僕は面白いマンガを描きたいわけで、読むだけで気が狂うようなマンガなんて描く気は起きませんよ」

ジョセフ「そ、そうか。 それなら安心じゃのぉ~ (気が狂うようなマンガも描けるって…それはマズイんじゃないかのぉ…)」




87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /10(金) 01:08:35.49 ID:/5Vx5sUy0
ホント露伴ちゃん元気だな



94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /10(金) 01:21:49.43 ID:T3qD/ylY0
禁書「ね…じょーたろー…あそこにいるのは私を追ってきた魔術師だよね?」

承「そうだ。 だがテメーと俺を救ったのもヤツラだ」

禁書「……危険だよ」

承「…それはテメー自身で確かめな」

禁書「あ、待って! まだ心の準備が!」


仗助「ほら来たッスよ? やっぱこーいうのはちゃんと話さないと駄目っスからねぇ~」

神裂「ま、待ってください東方仗助っ! く、口の中がカラカラなので水をっ!」

仗助「なーに逃げようとしてんスかぁ~ 友達になるって言ってたじゃないスかぁ~ あン時の覚悟がありゃラクショーっすよラクショー」


億泰「おらステイルゥ~ 何ボーっと突っ立ってんだよぉ~」

ステイル「…すまない…やっぱり僕抜きじゃダメかな?」

億泰「あぁ~? テメェーなぁーにヒヨってんだぁ~?」

ステイル「いや、そういうわけじゃなくてだな。 その…やっぱり僕がいるよりかは神裂一人のほうが…」

億泰「グダグダうっせーんだよぉ さっさといきやがれテメェー!」




96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /10(金) 01:32:55.45 ID:T3qD/ylY0
神裂・ステイル「…」

禁書「あ…」

ステイル「…イ、インデックス?」

禁書「…な、なに?」

神裂「あの…ですね…」

禁書「う、うん…」

神裂・ステイル「…えっと」


承「…やれやれだ」

仗助「なんつーか…ザ・お見合いって感じッスね… 見てるこっちがヒリヒリしてきますよこりゃあ…」

億泰「アッ! やべっ! なんか涙腺緩んできた! …グスッ …俺ダメなんだよなぁ~こーゆー話の展開ってよぉ~」

露伴「うーん…ま、ありきたりだけどストーリを絡めれば悪くはない構図かもね… 一応スケッチはしておこうかな」


ジョセフ「まったく…どうにもなりそうにないのぉ…仕方あるまい…」


ジョセフ「おーい。 記念写真一枚撮りたいと思うんじゃが…いいかのぉ?」




97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /10(金) 01:44:56.86 ID:T3qD/ylY0
禁書「・・・そ、それはっ!? キャメラッ!?」

神裂「大丈夫ですインデックス! 別に寿命が縮まったりするような魔術的トラップはありませんよから」

ステイル「君…そんなザマでよく逃亡生活を続けられたもんだね?」

禁書「で、でも! キャメラに撮られたら魂が抜かれるといった伝承はほぼ世界中に散らばっているんだよ?」


ジョセフ「撮っちゃうからのぉ~?」


禁書「ひゃああっ!」

カシャリ

神裂「私の後ろに隠れてどうするんですかインデックス?」

ステイル「そうだ! なんで僕の方にこないんだ!?」


ジョセフ「このままじゃ埒があかんのぉ~」

ジョセフ「いっそのこと全員で撮るとするかのぉ~」




101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /10(金) 02:08:19.15 ID:T3qD/ylY0
億泰「ステイルゥ~ テメーもっと奥に詰めろよなぁ~」

ステイル「悪いけど…この場所は譲らないよ」


仗助「別によォ~ そのチビッコの両脇はアンタたちのもんでいいんだけどよぉ~」

禁書「だから私の名前はインデックスって言うんだよ! もうこのセリフ何回言ったか判らないくらいなんだよ?」

露伴「おいちょっと待ちな仗助。 それじゃあ僕が映らないじゃあないか? もしかして…わざとやっているのかい?」

仗助「偶然肘がかぶっただけじゃねースか …ったくよぉ…大概あんたは俺のこと嫌ってるよなぁぁ?」


神裂「あ、あのすいません。 なんだか胸が苦しくなってきたんですが…」

ジョセフ「…別に写真を撮るときに呼吸を止める必要はないんじゃぞ?」


禁書「あ! じょーたろー! 私の後ろが空いてるんだよ! ここだよここっ!」

承「やれやれだぜ」


カシャリとシャッターが落ちた。




104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /10(金) 02:32:53.78 ID:T3qD/ylY0
―その後―

空条承太郎さんとジョセフ・ジョースターさんは船に乗り渡米していった。

承太郎さんは

「やれやれ。 予定より4人も多いだなんて思ってもいなかったぜ」 と愚痴をこぼしていた。

やっぱり禁書目録、神裂火織、ステイル=マグヌスの三人が一緒に渡米したいと言い出したからだろう。

3人の関係はいまだにギクシャクとしているらしいけど、それでもいいと二人の魔術師は言ったらしい。

ジョースターさんはそれを聞いて

「まぁそんなこともあるわい わしも若い頃を思い出すのぉ」と笑っていたらしい。


露伴先生は画風のタッチが変わったらしい。

人体をそのままデッサンしたかのような作画は見るものを惹き込み、発売日を待ちきれない中毒者が続出しているとのこと。

考えたくはないけれども…もしかしたら魔道書がなにか関係しているのかもしれない。


ここまでが僕が仗助君と億泰君から聞いた事の顛末だ。

こうして魔術師とスタンド使いが触れ合った数日は一枚の写真に刻まれて。 終わった。




105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /10(金) 02:36:21.95 ID:l4UEh/zM0
乙?



107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /10(金) 02:38:04.59 ID:T3qD/ylY0
終わりで。
次立てるときは最後まで書き溜めることにするわ。




110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /10(金) 02:41:01.28 ID:BlbG2vYa0
広一君が語り部かよ



116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /10(金) 04:34:10.88 ID:tz+LGo730
乙!!!!!11

禁書とジョースター家の末裔の絡みお見事でした

承太郎さんと木山先生の絡みがみたかったなー



112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /10(金) 02:43:09.36 ID:sTVhCF2d0
乙!

禁書二期の上条さんには
その幻想をぶち壊す!そして、問題なく、治す。

ってやってもらおう。



113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09 /10(金) 02:46:57.97 ID:umtvMeYE0
>>112
                       ヘ(^o^)ヘ いいぜ
                         |∧  
                     /  /
                 (^o^)/ てめえが何でも
                /(  )    思い通りに出来るってなら
       (^o^) 三  / / >
 \     (\\ 三
 (/o^)  < \ 三 
 ( /
 / く  まずはそのふざけた
       幻想をぶち殺す




B0031LL4Y6超像可動 「ジョジョの奇妙な冒険」第四部 13.クレイジー・ダイヤモンド (荒木飛呂彦指定カラー)


メディコス 2010/3/28

Amazonで詳しく見る
関連記事

禁書目録SS ジョジョの奇妙な冒険   コメント:8   このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント一覧
186. 名前 : USHI◆- 投稿日 : 2010/09/11(土) 22:31 ▼このコメントに返信する
この作者・・・・相当のJOJO好きだな。
ベネッ!ディ・モールトベネッ!
568. 名前 : 名無しさん@ニュース2ちゃん◆- 投稿日 : 2010/10/20(水) 22:49 ▼このコメントに返信する
lesson4ッ! 敬意を払え


いや、面白かった。これはいいクロス物。
692. 名前 : 名無しさん@ニュース2ちゃん◆- 投稿日 : 2010/11/03(水) 00:56 ▼このコメントに返信する
いやいや面白かった
終わり方も良い
4301. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/03/06(日) 20:59 ▼このコメントに返信する
康一が出なかったのは残念だが、音や自重+でどうにかなる連中じゃないしな
5402. 名前 :  ◆- 投稿日 : 2011/03/30(水) 05:28 ▼このコメントに返信する
原作だと幻想殺しで速攻で無効化されちゃったけど、歩く教会とヨハネのペンのコンボは酷いなw
5528. 名前 : 名無し@SS好き◆n5/gLqoE 投稿日 : 2011/04/03(日) 11:29 ▼このコメントに返信する
思ったが吸血鬼を確実に滅ぼす姫神ってDIO様の天敵中の天敵だよな・・・
それこそ物語が1話で終わるくらいに・・・
5901. 名前 : 名無しさん@ニュース2ちゃん◆- 投稿日 : 2011/04/13(水) 04:42 ▼このコメントに返信する
確かに姫神の能力には流石のDIO様もどうしようもないな
吸ったら死ぬってわかってても血を吸いたくなるってのに逆らえないだろうしね
27039. 名前 : よよよ◆- 投稿日 : 2012/09/28(金) 21:05 ▼このコメントに返信する
そういやジョセフさんも吸血殺しやね
コメントの投稿