キャーリサ「家出してきたし」上条「帰って下さい」その7

2011-04-25 (月) 18:12  禁書目録SS   21コメント  
前→キャーリサ「家出してきたし」上条「帰って下さい」その6
まとめ→キャーリサ「家出してきたし」上条「帰って下さい」まとめ



217 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 03:09:13.82 ID:3uB6ZpMQo

―――英国 バッキンガム宮殿  庭園 14:00


ドォォオオオオオオオオオンッッッ……!!!


シルビア「ヘリが落ちていくな……」

アックア「……我々の……いや、王女の勝ちのようであるな……」

シルビア「ああ……認めるよ」

アックア「では私も離脱させてもらうのである」

シルビア「……片手片足でここまで粘られては何も言えないよ。……時間が経てば回復することを分かっていたのか?」

アックア「言ったはずである。神の子は一度死に、蘇ったのだと。
      故に聖骸布に包まれようとそれは一時的な仮死状態に過ぎない。
      ならば、一定時間経過後に聖骸布の効果は無くなると読むのは造作も無いことである」

シルビア「ふん、好きにしろ。私はあの落下物を何とかする役目まで押し付けられたらしいからね」

アックア「貴様達がそれを放棄すれば、或いは王女を連れ戻せるかも知れないのである」

シルビア「冗談でしょ? 私はボンヌドダーム。仕えるべき主君より優先する事など無いんだよ」

アックア「そうか……ではな」

シルビア「ちっ……あれだけやってもピンピンしてるとはね……。
      にしても、あのヘリ全部受け止めるのは騎士団長と二人でもちょいと手が足りないな。
       ……あの馬鹿野郎にも付き合わせるか」



219 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 03:11:57.41 ID:3uB6ZpMQo

―――英国 バッキンガム宮殿  中庭 14:00


ドォォオオオオオオオオオンッッッ……!!!


神裂「……ヘリが……?」 フラフラ…

オッレルス「うーん……これは一体どういう状況なんだ……?」

神裂「はぁ……はぁ……どうやら上手くいったようですね」

オッレルス「俺には他人をいたぶる趣味は無いんだけどな……頑丈に体が出来ているというのも困ったもんだ」

神裂「まったくです……ですがおかげで……あなたをここで食い止めることが出来ました」

オッレルス「……そのようだな。満身創痍の状態でも、目的を果たした君の勝ちだ」

神裂「そうですね。……では、後は任せます」

オッレルス「……え?」

神裂「このまま王女たちを追われても困りますから。
   では私はこれにて……御免!」 ダッ!

オッレルス「ちょっ! ……まだ随分と余裕だったな、所詮俺の『北欧王座』もこんなものか……」

オッレルス「さてと。それはそれとして……アレを俺にどうしろと言うんだ」

シルビア「おーい! 何ぼんやり突っ立ってんのオッレルスー!」

オッレルス「あ、シルビア。無事だったか」

シルビア「アンタこそくたばって地べた這いずりまわってると思ってたよ」



220 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 03:15:25.38 ID:3uB6ZpMQo

オッレルス「で、どうしたんだ?」

シルビア「おう。アンタちょっとあのヘリ何とかしろよ」

オッレルス「ははは、冗談きついなシルビア。俺がやるよりシルビアがやった方が確実だし、第一俺は聖人じゃないぞ。
       そんなの物理的に無理に決まって」

シルビア「このシルビア様の新作股割き三角木馬に乗るのとどっちがいい?」

オッレルス「理不尽過ぎるだろ冷血女ぁっ!! 俺だって調整しながらの『北欧王座』はきついんだぞ!」

シルビア「アンタがここでもたもたしてるからあいつら取り逃がしたんだろ!
      英国王女が駆け落ちなんて前代未聞だぞこの馬鹿!」

オッレルス「知るか馬鹿! それに王女本人が幸せならそれでいいんじゃないですかね!!」

シルビア「む……」

オッレルス「…………あ、あれ?」

シルビア「……たまにはまともなこと言うな」

オッレルス「ならたまにはまともに褒めてくれてもいいじゃないか……」

シルビア「ふん、まあ仕方ない。騎士団長ばかりに働かせるのも哀れだしな。一気に老け込んでハゲるよアレは」

オッレルス「……誰が何をやらかしたのかは知らないが、彼らの健闘を讃えて後始末くらいは引き受けてやるとしようか」

シルビア「はぁ……やっぱり来るんじゃなかったな」



221 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 03:18:28.38 ID:3uB6ZpMQo

―――英国 バッキンガム宮殿  テラス 14:00


エリザード「ははははははははっっ!! あの馬鹿娘め! 本当に男作って国を出ていくとはな!
       おまけにヘリまで落とさせて私達を人質にとりやがった。
       まったく、親をなんだと思ってるんだかな、ふふっ」

リメエア「全然笑いごとではなくてよ、お母様。
      大変なのはこれからだと言うのに」

エリザード「その割には楽しそうだぞ」

リメエア「ええ。キャーリサが前例を作ってくれたおかげで、私も外出がしやすくなるというものだから」

ヴィリアン「姉君……まさか本当に駆け落ちされるだなんて……」

リメエア「うふふ、ヴィリアンは少し羨ましそうね」

ヴィリアン「い、いえ……そんなことは……。でもウィリアム……一声くらいかけていってくれてもいいじゃありませんか……」 ハァ…

リメエア「うふふふ、こちらはまだまだ時間がかかりそうね」

エリザード「まったく我が娘達ながら……いい年をして揃いも揃って破天荒が過ぎるぞ」

ローラ「甘く酸っぱし青けり春の如しね、ふふーん、実に腹立たしきことね。
     やはり見逃したるのは間違いであったかしら」

エリザード「僻むな。お前が行き遅れているのなんてとうの昔から分かってたことじゃないか」

ローラ「んなっ! い、今の発言は許せなしよ! 戦争よ! 決闘を申し込みたるわ!」

エリザード「よかろう! 古き作法に乗っ取って殺し合い……というわけにもいかんから、ここは一つ別の方法で……
       そうだな、音楽での演奏を競うというのはどうだろうか」



222 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 03:21:45.74 ID:3uB6ZpMQo
ローラ「音楽……? まあ良いわっ! 望みたるところよ! して、パートは何なるの!?
    この最大主教を舐めりてもらいては困りけるわよ! オルガンの演奏くらいこなせなしでは清教派の主は務まらざりけるのだから!」


エリザード「あずにゃんだ」


ローラ「……ふぇ?」

エリザード「どちらがあずにゃんに相応しいかで競い合おう」

ローラ「な、何なの、アズニャンとは……」

エリザード「はぁ……これだからエセ日本語使いは……」

ローラ「ぐっ! だ、黙りて! そのアズニャンとかいうのと日本と音楽に、一体どのような関係がありけるといふの!?」

エリザード「あずにゃんとは現在王室で流行中の日本のテレビアニメであり、娘が家出する原因の一因ともなった壮大な伏線回収がうんぬんかんぬん」

騎士団長「女王テメェ人が落下するヘリを食い止めてる時にアニメの話なんてしてんじゃねぇぞボケ馬鹿コラ!!」 ゲシッ!

エリザード「ぬぐぉ! 貴様いつ戻ったんだ!」

騎士団長「たった今です。まったく……自分の娘が異国の少年と国外逃亡を企てて、
       あまつさえそれが成功してしまったという時に」

エリザード「いいじゃないか。それもまたあの娘の人生だ、好きに生きたらいい。
       一国の王女を力づくで連れ出せる程の男と一緒ならば、どこへ行っても大丈夫だろう」

ヴィリアン「でも……姉君の本来の結婚相手である皇太子殿下は……」

エリザード「話せば分かる方だし、乗り気でないのは向こうも同様だったろう。その程度の尻拭いは母親として引き受けてやるか」

騎士団長「……それはそうかもしれませんが……」

エリザード「お前のそれはアレだろう? 『大事にお世話してきた王女をあんな男に悔しいでもビクンビクン!』ってやつだ」

騎士団長「リメエア様、ヴィリアン様、先に謝罪しておきます。女王陛下を斬り捨ててしまい大変申し訳ありません」



223 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 03:25:44.08 ID:3uB6ZpMQo

エリザード「分かった分かった! 今のは無しだ! 剣を抜くな! ……ゴホンッ、それで、被害状況は?」

ローラ「国が傾きたることは避けたしね」

エリザード「そこまででは無いと思うが」

騎士団長「負傷者は多数ですが、民間人や来賓のけが人はおりません。全て警備の兵士です。
       死者0。墜落したヘリの乗組員も全員脱出を確認。強奪されたヘリの乗員も倉庫で発見されました」

エリザード「あれだけ大暴れして死者0か。さすが我が娘」

騎士団長「ただバッキンガム宮殿は半壊。庭園は踏み荒らされ、正門も見るも無残な状態です」

エリザード「う」

騎士団長「ですが……これは後程ゆっくりと補修していけば良いでしょう……」

エリザード「? 騎士団長……お前……」

騎士団長「……我々より余程あの少年の方がキャーリサ様のことを理解していた。
       それ故の結果です。残念ですが、我々の完敗のようですね……」

エリザード「……ふっ、そのようだな」

リメエア「補修というレベルはとうに超えているけれど」

騎士団長「キャーリサ様がいなくなられた今、我々の為すべきことも他にありましょう」

エリザード「……そうだな。では、次は我々の番だ、騎士団長」

騎士団長「はっ。キャーリサ様があの少年といつ戻られても良いように、まずは政敵の力を削ぐところから」

エリザード「クーデター以来身動きがとりにくかったが、ようやく私達の戦いに移れそうだな」

ローラ「清教派としてこの一件は借りにしたりておくわ。三大派閥の意志が統一されておれば、容易い戦いになりけるのだろう?」

エリザード「ああ。私も娘達に負けてはおれんからな。
       キャーリサのように力づくというのもたまにはよかろう。
       ……ここが女王の国だということを分からせねばならん連中に、ようやく仕置きが出来そうだ」



224 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 03:27:57.92 ID:3uB6ZpMQo

―――英国 バッキンガム宮殿 屋根上 14:00


オルソラ「行ってしまわれましたね」

シェリー「そうね、清々するわ」

オルソラ「うふふ、シェリーさん。何だか嬉しそうなのでございますよ」

シェリー「嬉しいに決まってんだろ。ようやく騎士派のクソ共に意趣返しが出来たんだ。
      今夜は祝杯をあげるしかないわね」

オルソラ「ではお付き合いしたいのでございますよ」

シェリー「何でよ」

オルソラ「女として、あのような情熱的でドラマチックな恋模様を見せつけられたら、いてもたってもいられないのでございます。
      この興奮を誰かと共有したいのでございますよ」

シェリー「いや別に私はそういうのは興味ねぇし」

オルソラ「祝杯とおっしゃられるということは、お酒でございますね。
      私、知人に美味しいワインをいただいたのでお持ちするのでございますよ」

シェリー「話聞きやがれ!!」

オルソラ「うふふふ、今夜はあのお二人の愛の逃避行を肴に朝まで女子寮で宴会でございますね」

シェリー「……あー、もういいわよそれで……」



225 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 03:30:54.70 ID:3uB6ZpMQo

―――英国 バッキンガム宮殿 庭園 14:00


アニェーゼ「いやー! 手に汗握っちまいましたね! バッキンガム宮殿庭園で英国の騎士共をちぎっては投げちぎっては投げる! 
       まだ興奮が冷めやらないです!」

アンジェレネ「あ……あううう……めちゃくちゃ怖かったです……」

ルチア「得難い経験でしたね……ここまでの乱戦はなかなか……生きているのが奇跡です。
     正直私も少しだけ怖……ゴホンッ、まあ……シスター・アニェーゼが楽しそうなので良しとしましょうか」

アニェーゼ「何辛気臭ぇ顔してんですか二人ともっ! ほら、あっちでオルソラ=アクィナスが今晩は祝勝会だっつってますよ!」 バンバンッ

アンジェレネ「な、なんでそんなに楽しそうなんでしょう……」

ルチア「部隊を率いてみて初めて分かる感覚なのかもしれません……」

アニェーゼ「祝勝会の料理にはウメーボシ入りのクリームパスタお願いしますよー!」

アンジェレネ「それは駄目ぇぇえぇええええ!!!!!」


建宮「あいつら何やってんのよ……撤退しねぇで」

浦上「ふふ、女の子としては映画にも負けない展開ですから、アニェーゼ部隊の皆さんも盛り上がってるんですよきっと」

建宮「いやそんな感じじゃないのよ……」

香焼「建宮さん、五和大丈夫っすかね?」

建宮「あん? 何がよ」

対馬「五和の操縦してるヘリには例の彼と王女様が乗ってるのよ。
   五和の精神が耐えられるかどうか……」

諫早「ヘリの操縦を謝らんかが心配だな」

牛深「っつーか五和ってヘリまで動かせたんですね……」

建宮「そのうちガンダムとかも操縦出来そうなのよ。
    ……ま、大丈夫だろ」

香焼「マジっすか? 病んで後ろから刺したり……」

野母崎「ははは、無い無い……」

浦上「そうだよ、五和に限ってそんなの。あははは……」

建宮「はははは……はは……」

対馬「アンタ達顔ひきつってるわよ」

建宮「大丈夫……よな? 五和と女教皇様……」



226 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 03:32:50.24 ID:3uB6ZpMQo

―――英国 バッキンガム宮殿 回廊 14:00


カツカツ… カツカツ…


土御門「お、ねーちんお疲れさん」

ステイル「……ああ、神裂か。随分ひどいやられようだな」

神裂「……放っておいてください。自分の無力さにうちひしがれているところですから」

ステイル「まあ僕もそうだけどね。最大主教が出てきた時は背筋が凍ったものだ。
      まだまだあの子を守るには力が足りない」

土御門「ありゃ仕方ないって。俺だって焦りまくったし」

神裂「インデックスは……?」

土御門「さっきアックアが連れて行ったぜい。御坂と一緒に学園都市まで帰還組だ」

神裂「え……しかし、上条当麻にはもう……」

ステイル「それはどうかな。あのドが着くお人好しの偽善者が、簡単にインデックスを放り出すとはさすがに信じがたいね。
      もっとも、そんなことをすれば僕が上条当麻を焼き殺しに行くだけだけど」

神裂「あの子の気分も複雑ではないでしょうか」

土御門「まぁ情操教育にも良くなさそうだにゃー」

神裂「それはどういう意味ですか?」

土御門「だからーカミやんとキャーリサは恋人同士なんだから毎晩ゴニョゴニョ」

神裂「ッッッッ!!! そ、それはいけません! あの子にはまだ早い!」

土御門「ねーちんだって未経験のくせにー」

神裂「るっせぇんだよド素人がっ!!!」 

土御門「ゲフッ!」

ステイル「とにかく! それを決めるのは僕らじゃないだろう……それに」

神裂「……失礼しました。……それに?」



227 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 03:35:12.66 ID:3uB6ZpMQo
ステイル「引き止めたけど断られたよ。皆で来たから、皆で帰るそうだ」

神裂「……そうですか」

ステイル「やれやれ。だがここからが大変だな」

土御門「だにゃー。面倒事が多く参るぜい。オレも当分学園都市にゃ帰れねえですたい」

神裂「ええ。私達も、彼らも。騎士派との遺恨は少なからず残るでしょうし、学園都市との関係がこじれなければいいのですが」

土御門「その辺は王室派、騎士派、清教派で意見が纏まっているようだし問題無さそうだぜい。
     ましばらくはカミやんイギリスに入国できねぇだろうけどにゃー」

ステイル「いや……僕が言いたいことはそうじゃないんだ」

神裂「はい?」

土御門「どうしたステイル」

ステイル「……今から8万6000枚のルーンを回収しなくちゃならない」

神裂「……それは……」

土御門「……マジか」

ステイル「……不眠不休だよ」

神裂「はりきり過ぎましたね……」

ステイル「君達こそいいのか? 一緒に日本へ着いていかなくて」

土御門「そうだぜ神裂ねーちん! カミやんを奪い取るチャンスはもう今しか無いぜい!
     今こそ『堕天使エロメイド』がここイギリスの地に舞い降りる時!
     さあ勇気を出してレッツトライだにゃー!」

神裂「そんなもの手元にあるわけないでしょう……」

土御門「どころがどっこい! オレはいつだってねーちんの味方だからちゃーんと持っtグボァッ!!」

神裂「ド、ド素人が! ななな何で持ってるんですか!」

土御門「それはもちろん……ねーちんの……ため……ガクッ」

ステイル「……同情するよ」

神裂「結構です……」



228 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 03:37:54.89 ID:3uB6ZpMQo

―――英国上空 ヘリ機内 14:30


バラララララララララララララ… 


オリアナ「あらそう。じゃああなたもあの坊やのことが好きだったのね」

五和「ええ……でもそれも終わっちゃいましたけどね」

オリアナ「大丈夫よ。ほら、まだ寝とったり寝取られたりっていうドロッとした展開が待っているかもしれないものね」

五和「ねとっ! そ、そそそそこまではさすがににに!!!」 グラグラ

オリアナ「ごめんなさい、お姉さんが悪かったから操縦桿はきっちり握っていてね」

五和「す、すみません……」


バンッ! ゴォォォォォオオオオオオオオオオオ……!


オリアナ「あら?」

五和「ここ空の上ですよ!? 誰が扉を開けてるんですか!?」

オリアナ「そりゃ一人しかいないでしょう」

御坂「やだぁあああああ! 落ちる落ちるー!!!」 ジタバタ

禁書「さ……寒いんだよ……温かいスープが、ううんお湯でもいいから飲みたいんだよ……」 ガタガタ

アックア「…………」 ガシッ

オリアナ「おかえりなさい。と言ってもあまり無防備にドアを開けないでね。
      飛行機だったらとんでもないことになっているわよ」

五和「そ、それより抱えられているお二人が何やら危険な様子ですが……どうやってここまで来たんですか?」

アックア「無論跳んできたのである」

御坂「バカぁああああああ!!! 今日一番の命の危機だったわよ!!」



229 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 03:40:17.98 ID:3uB6ZpMQo
禁書「とうま……お風呂に入らせてくれると嬉しいかも……」 ガタガタ

アックア「……高度は大したこと無いはずであるが」

五和「大したことないのはあなただけですよ」

アックア「それはすまなかったのである」

オリアナ「可哀想に。お姉さんが胸の中で温めてあげる」 ギュッ

禁書「ぎゅむっ! ……はふー……ああ、何だか肉まんに見えてきたんだよ、あむっ」

オリアナ「あんっ! お姉さん、女の子に甘噛みされて新しい性癖に目覚めてしまいそう」

御坂「目覚めんな! ったく……あれ、あいつらは?」

五和「え? ……あの……その……」 モジモジ

オリアナ「そこの後ろよ」

御坂「んー?」 チラッ


キャーリサ「とーま……とーま」

上条「な、何だよキャーリサ」

キャーリサ「いや何。お前の名前を久しく呼んでいなかったし、とーまの名前を魂に刻んでいるの」

上条「何言ってんだかな。ほら見てみろよキャーリサ。景色が綺麗だぞ」

キャーリサ「そんなものより、今はお前を見ていたいぞ」

上条「い、いやー……そりゃ照れるって」

キャーリサ「いーじゃないか……ふふっ……ほら、もっとこっち来い」 グッ

上条「わっ! キャ、キャーリサさん……くっつきすぎじゃないでせうか……」 ドキドキ



231 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 03:45:31.90 ID:3uB6ZpMQo
キャーリサ「私を拉致したんだ。責任持って私の傍にいることを命ずるし」

上条「そ、そりゃまあ……もちろん」

キャーリサ「そーか……ふふふっ、嬉しーぞ。……んー」 スッ

上条「え」

キャーリサ「私に口付けることを許す。……優しく、愛おしむようにせよ」

上条「よ……よし……んー」

御坂「ちょっと待ったぁぁぁああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

禁書「いくら何でもそれはここではストップなんだよ!!!!!!!!!!」

五和「ああっ! 私もそっちに行きたいのに!」

オリアナ「……正直お姉さんでもちょっとムラッと、間違えちゃった。イラッときちゃったわ」

五和「……いちいち卑猥に言わなきゃ気が済まないんですか……?」

上条「あ、ああ……インデックスに御坂か、お疲れさん」

禁書「まったくとうまは! ちょっと目を離すとすぐこれなんだよ!
    もう私達のことなんて忘れてキャーリサとイチャイチャしてるんだね!
    ねぎらいの言葉くらいかけてくれても罰はあたらないと思うんだよ!」

上条「悪かった悪かった。ありがとな、インデックス、御坂」

キャーリサ「私からも礼を言わせてもらうの。ありがとー」

禁書「ん……ま、まあ上手くいって良かったんだよ」

御坂「別に大したことしてないわよ。門の前で突っ立ってただけだし」

上条「もちろん五和も、オリアナも、アックアも。
    他のみんなにもまた改めてお礼しないとな」

五和「い、いえいえ! 私は上条さんのためならこのくらいのこと全然っ!」 ガタガタッ!

オリアナ「お嬢ちゃん、もう操縦変わりましょうか……? お姉さん隣に座っててムラムr」

五和「ハラハラですね。分かってますから」

オリアナ「ああん、お姉さんのキャラクターなんだから、役はこなさないとね」

アックア「……上条当麻、一連の作戦はこれで終了であるな」



232 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 03:47:35.82 ID:3uB6ZpMQo

上条「ああ。アックアには特に助けられたよ。何から何まで、どう礼をすりゃいいのか……」

アックア「必要無い。言ったはずである。私は私の名に従ったのに過ぎないと」

上条「……そっか。分かった」

アックア「…………ではな」

オリアナ「ええ!? ここから飛び降りる気!?」

五和「ムラムラはしませんからね」

オリアナ「まだ何も言ってないわよ」

禁書「うう……また寒気がしてきたんだよ……」

御坂「人体ってもんを疑いたくなるわよね……」

アックア「私は傭兵崩れのゴロツキである。
      そこに戦場が無くなれば次の場所へと赴くまでのこと」


ガチャッ バンッ! ゴォォォォォオオオオオオオオオオオオ…!!!!


上条「今度は学園都市に遊びに来てくれよ。アックアなら大歓迎だ」

五和「!!?」 ガタッ!

オリアナ「あら。お姉さんそういうの大好物よ」

アックア「…………気が向いたらな」

上条「ああ、待ってるよ」

キャーリサ「ウィリアム待て……」

アックア「…………」

キャーリサ「ヴィリアンを嫁n」

アックア「……」 ダッ!

キャーリサ「おいっ! ……ちっ、姉として手助けくらいしておこうと思ったのに」

上条「まだまだ先は長そうだな」



233 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 03:49:33.44 ID:3uB6ZpMQo
キャーリサ「ふん、まーいいの。なー、とーま」

上条「ん?」


チュッ


オリアナ「あらあら」

上条「」

キャーリサ「ふふ……おとぎ話のエンディングはお姫様のキスで幕を閉じるの」

上条「あ……あはは……嬉しいよ、キャーリサ」

キャーリサ「そ、そーか。嬉しいか……! ふふっ!」

禁書「と・う・まぁぁああああ?????」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

御坂「アンタねえ……」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

五和「…………」 ブツブツブツブツブツ…

上条「あ、あれ? さ、三人ともどうされたんですかー?
    気の所為か上条さん……三人の背中にまっ黒いオーラが見えているのですが……」

禁書「イチャイチャしすぎなんだよっ!!!!!!!」 ガブッ!!

御坂「いい加減にしろー!!!!」 ビリビリビリビリッ!

五和「……」 ブツブツブツブツ

上条「わぁああああああ!!!! まさかの波状攻撃!!!
    助けてオリアナ、キャーリサ!!」

オリアナ「お姉さんヘリが落ちないか気になって仕方ないからそれは出来ないわ」

キャーリサ「私は寛大だから子供のじゃれ合いくらいは微笑ましく見守っていてやるの」

上条「え……ってことは……」

禁書「とうまには今日と言う今日こそお説教させてもらうんだよ」 ギラッ

御坂「まだまだ目的地にはたっぷり時間があるもんねえ」 ビリッ…

上条「ははは……は……こ、このパターンはアレですね」




禁書・御坂「「お約束ってやつよ(なんだよ)!!!」」



上条「やっぱりぃぃ!!? ぎゃあああああああああああああああああああああああ!!
    不幸だぁぁぁああああああ!!!!!!!!!!」



234 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 03:52:02.93 ID:3uB6ZpMQo
11日目


――――神奈川県 某海岸 海の家『わだつみ』 玄関前


上条「うう……全身が痛い……」

キャーリサ「おー、見事に歯型だらけだな」

上条「ついでに電撃での痺れも追加されてます」

御坂「いつまでグチグチ言ってんのよ」

上条「アホか! 飛行機に乗ってる間中ずっと悪夢にうなされた上条さんの身にもなってみろよ!」

禁書「帰りの機内食はおいしかったんだよ。まさかあんなにいい席で帰れるなんて思ってもみなかったかも」

上条「こっちはこっちですっかり忘れて良い思い出に浸ってるし……」

五和「でも確かにビジネスクラスで帰れるなんて思ってなかったです……よかったんですか?」

オリアナ「あら、問題無いわよ。諸々の経費は全て坊や持ちだから」

上条「…………はい?」

オリアナ「坊や、お姉さんのお仕事はボランティアじゃないのよ。
      報酬はきっちり請求させていただくからね。
      うふふ、成功報酬なだけ良心的でしょう?」

上条「ちょ、ちょっと待て……報酬か……そりゃそうだよな。
    運び屋だもんな……。で、い、いくらくらいかかるの?」

オリアナ「そうねぇ……誰か電卓持ってない?」

五和「携帯電話のならありますけど……」

オリアナ「ありがと。んー、まず仕事の契約料に、軍用ヘリをジャックするために用いた機材、
      お姉さんの英国までの旅費と、帰りのビジネスクラスのチケット6人分に、ここまでの電車タクシー代……それから、ここでの滞在費に危険手当でしょ。
      それからそれから……うん、ざっとこんなものかしら」 カタカタカタカタ ターンッ!

上条「どれどr」

御坂「あ、固まった。見せてみなさいよ。持ち合わせが無いなら貸してあげても……え?」



235 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 03:54:53.02 ID:3uB6ZpMQo

キャーリサ「おい、私にも見せよ」

オリアナ「ふふふ、お姉さんこれでも業界では引っ張りだこの人気者なのよ」

御坂「おー……これは結構……」

キャーリサ「むー……命がかかっていると思えば妥当か……?」

五和「か、上条さん……足りなければ少しお貸ししますよ……?
    それでも全く足りないと思いますけど……」

上条「オリアナ様。どうかまけていただけないでしょうか」 ドゲザッ

禁書「とうま……情けないんだよ……」

上条「うるせえ! お前らも頭下げろ! こんな額払い終わる頃にはおじいちゃんですよ!」

オリアナ「あは、だーめ。言っておくけどお姉さんの取り立ては結構きついわよ?」

上条「く……上条さんの借金ライフの幕開けか……。そんな笑えない不幸はいらないですのことよ。
    次回からは闇金カミジョウくんが始まります」

キャーリサ「よし、ここは私が払っておこー」

上条「いや俺が勝手にやったことだしそれはいいよ」

オリアナ「ま、あなたにこれを払ってもらうことなんて初めから期待していないからいいわよ。
      上から全部見てたけど、なかなかかっこよかったわ。
      だから……」


チュッ


上条「」

キャーリサ「!」

オリアナ「うふっ……。お姫様専用の大事な唇をおすそ分けしてもらったってことにしておくわ。
      後はいつかお姉さんが困った時に助けてくれればそれでチャラにしてあげる」

上条「な……ななななっ……」

五和「あ……あんなにあっさりと……」

御坂「大人……大人だからなの!?」 ドキドキ…



236 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 03:56:20.19 ID:3uB6ZpMQo

禁書「あわわわわ……エ、エッチなのはいけないと思うんだよ!」

オリアナ「またお仕事があれば紹介してね。
      報酬は……」 ボソッ

上条「ん?」

オリアナ「身体でも受け付けているわよ?」 クスッ

上条「」 ボンッ

キャーリサ「こらーっ!! とーまから離れよ! それは私のものだし!!」

オリアナ「うふふ、ごめんなさい。それじゃね」

上条「あ、オ、オリアナ!!」

オリアナ「ん?」

上条「ありがとう!! またな!!」

オリアナ「……クスッ」 ヒラヒラ

キャーリサ「ぬー……なんだか釈然としないぞ。負けた気分だし」

五和「私にもあれくらいの積極性があれば……」

御坂「年上ってのはそれだけで有利なのかしら……」

禁書「とうまがデレデレしっぱなしでちっとも面白くないんだよ……」 

キャーリサ「それにしても……何だここは? 日本の、どこだったか」

御坂「神奈川よ。海水浴って季節でもないから寂れてるわねー」

禁書「とうま、ここって」

上条「ああ。『御使堕し(エンゼルフォール)』の時に来たとこだな。
    学園都市の避難場所みたいなもんなのか……?」

御坂「しばらくここに身を隠してろってことかしら」

土御門「ああ。そうだぜい」 ヒョコッ

上条「おぅわ!! い、いたのか土御門!!」



237 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 03:57:24.67 ID:3uB6ZpMQo
キャーリサ「おー。お前か」

土御門「あんまりにも英国内がバタバタしててめんどくせえからねーちんに後任せて逃げてきたんだにゃー」

上条「後で酷い目にあうぞ……」

土御門「英国の土を二度と踏まない覚悟で出てきたんだぜい……」

キャーリサ「それで土御門、私達はどーすればいい?」

土御門「まあ何日かすりゃ学園都市に戻れるから、ここで爛れた生活でも送っててくれりゃいい。
     戦後処理ってやつが残ってるからにゃー」

御坂「わ、私も?」

土御門「当然。ついでに言えばオレもだ」

上条「ま、戻れるならいいか」

五和「わ、私は女教皇様に全てお任せするわけにはいかないので明日にはイギリスに戻りますね」

御坂「あ、そうなの? せっかくだからもっとゆっくりしていけばいいのに」

五和「皆あちらに残っていますから」

土御門「ま、とりあえず部屋に行こうぜい。
     部屋割りは男女別……っと、いやー。気が利かなくてすまないにゃー。
     オレは個室、女子三人は同室。そいでカミやんとキャーリサが同室でいいな」

キャーリサ「うむ。とーぜんだし」

上条「えええぇぇぇええええええ!!!!!??」

土御門「何だよカミやーん。今まで一緒の部屋で寝てたんだろ?」

御坂「ちょっと! いいわけないでしょ!!」

禁書「そうだよ! そんなの認めるわけにはいかないかも!」

五和「お、おかしな声が聞こえてきたりしてきたら私達どうすればいいんですか!」



238 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 03:59:13.83 ID:3uB6ZpMQo

御坂「えっ」

禁書「?」

五和「あ……」

土御門「五和はむっつりだにゃー。こんな声が女性陣からあがってるが、キャーリサどうする?」

キャーリサ「全て、却下だし」

五和「むっつり…………」 

土御門「よーし、行こうぜ行こうぜい」

上条「……」 ドキドキドキ…

キャーリサ「とーま、何を想像している?」

上条「ハッ……な、なんでもありませんのことよ!!」

キャーリサ「ふふっ……もはや何の憂いも躊躇いも無い関係だし。  
       お前の望むことをしてもいーんだぞ?」

御坂「はいはいそこまでにしときなさいよー」

五和「そうです! 私達の目の届くところでは好きにさせませんっ!」

禁書「貞淑は美徳なんだよ!」

キャーリサ「ふーむ……さすがに3対1はウザいな。おい禁書目録、ちょっとこっち来い」

禁書「? な、何かな。言っておくけど、私を懐柔しようったってそうは……」

キャーリサ「ゴニョゴニョゴニョ」

禁書「えっ! 御馳走!!?? お肉!??」



239 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 04:04:08.91 ID:3uB6ZpMQo
御坂「!」

五和「!」

上条「……まさか」

禁書「……おほんっ。二人とも! 叶わない恋なんて諦めて二人を応援するべきかも!!
    私は女の子として素直に二人の恋路を応援するつもりなんだよ!!」 ビシッ

五和「簡単に懐柔されましたね……」

御坂「変わり身がひどいわ……ってかべ、別に恋なんかじゃないわよっ!!」

上条「?」

キャーリサ「禁書目録。いや、これからは愛を込めてインデックスと呼ぶの。お前も私を姉と慕うがいーし」

禁書「お姉さまなんだよ! ご飯を食べさせてくれる女の人とは姉妹の契りを結ぶことにしてるんだよ!」

キャーリサ「そーか。しばらくとーまの家に厄介になるが構わないか。肉はもちろん食わせるが」

禁書「いいに決まってるんだよ!! そうでしょとうま!」

上条「お前はいいのかそれで……」

キャーリサ「何、心配しなくとも家と収入の宛てが見つかればどこかに部屋を借りるつもりだし、それまで置いてくれれば構わないの。
        元々お前達の居た場所だ、私が割り込むのも忍びない」

禁書「キャーリサ……」

キャーリサ「それまでは我慢してくれるか、インデックス。……この前は辛い想いをさせて悪かったの」

禁書「……ま、まあ別に辛くはなかったんけど……そこまで言うならいいんだよ」

キャーリサ「感謝するの」

上条「仲良くなった……のか?」

土御門「契約とも呼ぶにゃー……ま、これはこれでいいんじゃねえか?」

上条「だ、だな……」

キャーリサ「よし。これで戦況は膠着状態だし。
       行くぞとーま」

上条「お、おう……すごいなキャーリサ」



240 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 04:06:41.58 ID:3uB6ZpMQo
―――神奈川県 某海岸 海の家『わだつみ』 客室


土御門「んじゃお二人さん。ごゆっくりー、晩飯は7時半からだからにゃー。
     やるならそれまでに済ませとくんだぜい」

上条「何がだよ……」

土御門「またまたー、分かってるくせにー」

上条「もうお前帰れよ!」

土御門「ま、オレは一人のんびりさせてもらうぜい」


ピシャッ


上条「くそう……好き放題言いやがって……」

キャーリサ「ふふふ」

上条「あん? 何か機嫌良さそうだな」

キャーリサ「とーぜんよ! そらとーま! よーやく二人きりだなっ」 ギュッ

上条「おわっと!」

キャーリサ「なかなか良い部屋じゃないか。純和風というのか」

上条「どこがだよ。ボロッボロの畳に古めかしい蛍光灯、年期入った押入れとセキュリティ対策皆無な木製扉ですのことよ」

キャーリサ「んー? それを『わびさび』とか言うんじゃないの?」

上条「いや、これはただボロいだけ」

キャーリサ「ふーむ……そーか。こういう退廃的な雰囲気は嫌いでは無いのだがな」

上条「まあある意味退廃的か……。キャーリサボロっちいの大丈夫なんだな」

キャーリサ「言っておくが、年季ならうちの宮殿もそーとーなもんだし」

上条「あ、それもそうだな。でもああいうのって古い方が味があるっていうか、迫力があっていいよな。
    ハクがつくっていうかさ」

キャーリサ「私から言わせればこの古ぼけた部屋の感じも似たよーなものだし。
       まー、住みたいかと言われると話は別だが」

上条「ほらやっぱり」

キャーリサ「うるさいなー。楽しんでるんだ、水を差すな」

上条「悪い悪い、そんなつもりじゃないよ。それより、晩御飯まで何しようか」

キャーリサ「泳げるような状況じゃないしなー……これは、うん、アレだ」

上条「アレ?」

キャーリサ「ふふふ……アレと言ったら、アレしかないだろー?」

上条「キャ、キャーリサ……?」

キャーリサ「とーま……」

上条「あ……」



241 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 04:07:38.22 ID:3uB6ZpMQo

―――神奈川県 某海岸 海の家『わだつみ』 客室(女子部屋)


キャッキャッ ウフフ…


御坂「隣の部屋から楽しそうな声が聞こえてくるわね」

禁書「せめて部屋くらい離して欲しいんだよ……」

五和「テ、テレビでもつけましょうか」

御坂「そうね……なんか虚しくなってきたし……」

禁書「あれ? なんだか隣が静かになったんだよ?」

五和「!」

御坂「?」

五和「ま、まずいですよ……御坂さん」

御坂「まずいって、何が?」

五和「……始まっちゃったのかもしれません」

御坂「だから何がよ」

五和「そ、その……ゴニョゴニョゴニョが」

御坂「え? 何?」

五和「だ、ですから!! ●●●がです!!!!」

御坂「ええぇぇぇええぇぇええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!?????????????」



242 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 04:09:28.40 ID:3uB6ZpMQo

禁書「な、何を言い出すのかないつわは!!! とうまだっていくら何でも隣に私達がいるのを知っててそんなことするはずがないんだよ!」

五和「果たしてそうでしょうか……上条さんも誠実な方とは言え男性ですし、お二人は大きな障害を乗り越えて結ばれたばかりの恋人同士ですよ……?
    二人きりになったらどうなるか……少なくとも私なら押し倒します」

御坂「そ、そうなの……って言うかあんた何気にとんでもないこと言ってるわよ」

禁書「むむむー……キャーリサには邪魔するなって言われてるけど、これは捨て置くわけにもいかないかも」

五和「ど、どうしましょう……」

御坂「うーん……」

禁書「様子を見に行くべきかも!」

五和「で、でもお二人はコトの真っ最中ですし……」

御坂「ま、真っ最中って……そんなこと……」 カァァ…

禁書「まだそうと決まったわけじゃないんだよ!
    とにかく行ってみよう!」

五和「そ、そうですね……」

御坂「ほ、ほんとに行くの?」

禁書「短髪、女は度胸なんだよ! このままじゃとうまが遠い所に行ってしまうんだよ!」

御坂「あんたにそんなことで説教されたくはないけど……でもそうね!
    黙って待ってる訳にはいかないわ! 行きましょ」



243 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 04:11:08.69 ID:3uB6ZpMQo

スタスタスタスタ…
    

御坂「部屋の前まで来たのはいいけど……やっぱり声は聞こえてこないわね」

五和「シッ! キャーリサ様が声を押し殺しておられる可能性があります。
    意外と恥じらいのある方なのかも……」

御坂「あんた結構ノリノリね」

五和「そ、そういうわけでは……」

禁書「ラチが開かないんだよ! 強行突破するべきかも!」


ガチャッ!


御坂「あっ! ちょっ! 心の準備がまだっ!!!」

禁書「とうまー! 何してるのかな!!!」 シャー

五和「上条さんっっ!! 私も混ぜてください!!」 バッ

御坂「おい」


シーン……


禁書「……?」

五和「こんなときの為に私いつでも準備を……あれ?」

御坂「いない……わね」

五和「そのようですね……。まだ夕食まで時間もありますし、お散歩にでも行かれたんでしょうか」

御坂「な、なーんだ。どうせそんなこったろーと思ったわよ……! 考えすぎだったみたいね……」 ホッ…

五和「何か引っかかりますけど……まあ杞憂で良かったです」

禁書「ふう……さすがのとうまもお日様が出ているうちからいかがわしいことなんてしないよね」

御坂「さ、私達もじっとしてても仕方ないし、何かしよっか」

五和「あ、じゃあせっかくなので―――」



244 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 04:12:08.07 ID:3uB6ZpMQo

―――神奈川県 某海岸 海の家『わだつみ』 大浴場


チャプッ…


キャーリサ「ふう……なかなかいい湯加減だし。
       昼間っからのんびり風呂はいーな。この前のデートではいまいちゆっくり出来なかったが、今日はそーではないし」

キャーリサ「これと言って広くも無いが、まー充分だろ」

キャーリサ「な、とーま?」

上条「ブクブクブクブク……」

キャーリサ「おーい。何をそんな端っこでもじもじしてるの。
       もっとこっち来い」

上条「そ、そんなことしたら見えちまうだろ!」

キャーリサ「いーではないの。この前も一緒に入ったし、第一もう既に一回見てるだろー?」

上条「この前は水着着てたし、その前日キャーリサの裸見たのなんて一瞬でほとんど覚えてねぇよ!」

キャーリサ「まったく可愛いなー。ならとーま……」 チャプチャプ

上条「な、なんでせうか……」

キャーリサ「これでどーだ」 ギュッ

上条「!!!!!!!!!!」

キャーリサ「こーして後ろから抱き着いたら見たくても見えないだろー?」 ムニムニ

上条(か、代わりにもっと大変なことが起こっていますのことよ!)

上条「キャーリサは恥ずかしくないのか……?」

キャーリサ「そりゃ恥ずかしいが……お前のそーいう反応も好きだしな。
       それ以上に、お前を誘惑したい」



245 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 04:13:41.24 ID:3uB6ZpMQo
上条「言っちまったら悩ましさの欠片も無いぞ」

キャーリサ「それは凹むし。私にも恥じらいくらいあるぞ。知ってるだろ」

上条「堂々としすぎだっての」

キャーリサ「こらえてるの。意識してしまったら……恥ずかしくて耐えられないし……」 キュッ

上条「う……」 ドキッ

キャーリサ「ふっ、ドキッとしたか?」

上条「し……した……」

キャーリサ「そーか……」

上条「……キャ、キャーリサ!」 

キャーリサ「! な、何?  急にこっちを見るな……びっくりするし……」

上条「キャーリサ……」 スッ

キャーリサ「ぁっ……と、とーま……」

上条「誘ったのはお前だぞ……」

キャーリサ「分かってるし……優しくs」


ガララッ… ワイワイガヤガヤ…


上条「っ!」

キャーリサ「! 誰か入って来た! か、隠れろとーま!」 バシャッ!

上条「もごっ!!」 バシャバシャッ

御坂「ふーん、思ったよりは綺麗なお風呂じゃない」

五和「そうですね。潮風も心地良いですし、明るいうちから入るのも贅沢です。
    男女別れてないのが少し心配ですけど……」

禁書「おっふろーおっふろーおっふーろー♪
    泳げるくらいの大きさのお風呂なんて滅多に入れないから嬉しいんだよ!」



246 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 04:14:52.94 ID:3uB6ZpMQo
御坂「ほら、ちゃんとかけ湯しなさいよね。走ったらツルッと転ぶ……ってあんたここにいたのね」

キャーリサ「! ん、うむ……」

キャーリサ「(なんだこいつらだったのか……。隠れなくてよかったな)」 ヒソヒソ

上条「(むしろあいつらだからこそだろ……。バレたら上条さんどんな目に合うか……)」 ヒソヒソ

キャーリサ「(確かに。……おい、あいつらの身体見るんじゃないぞ)」

上条「(そんな余裕無いって……)」

禁書「どうしたのキャーリサ?」 チャプッ

上条「!!」

上条(ち、近い! インデックスさん、全部丸見えですのことよ!!)

キャーリサ「んー? いや何でもないし」

五和「上条さんお部屋にいらっしゃいませんでしたけど……お出かけですか?」 プルンッ

上条「!!!!!!」

上条(でかぁああああああああああああああい! 説明不要!!)

キャーリサ「いやその……土御門の奴と一緒だし」

御坂「あ、そっちだったか。どーりで静かなはずだわ」 ジャブジャブッ

上条(……これはこれでなかなか……) ゴクリッ

御坂(おかしいな……もう一人誰かいるような気がするんだけど、気の所為かしら) キョロキョロ

キャーリサ「! お、おい御坂美琴! お前何キョロキョロしてるの?」

五和「何か探し物ですか?」

御坂「あ、ううん。 違う違う。私って電磁波で人が周りにいたりすると大体分かるんだけど、
    それが今ここにいる人数より多く感じるのよねー」

キャーリサ「!」 ビクッ! バシャッ!

御坂「……?」



247 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 04:17:27.45 ID:3uB6ZpMQo
禁書「キャーリサ?」

キャーリサ「そ、それは便利な力だし。でも見ての通りここには4人しかいないの」

五和「もしかして幽霊とかでも分かったりするんですか?」

御坂「ゆ、幽霊!? はは……そんなのい、いるわけないじゃない」

禁書「じゃあどうして短髪は他にも誰かいるように感じたのかな」

御坂「……ま、まさか覗き、とか……?」

キャーリサ「とーまはそんなことしないの!」

五和「そうです! 上条さんだったら私覗かれてもいいですし!」

御坂「あーもう分かった分かった! 多分私の気の所為よ」

禁書「ちょっと待って欲しいんだよ。どうしてキャーリサはとうまの名前を出したのかな?
    私達誰もそんなこと言ってないんだよ」

上条「!」

キャーリサ「そ、それは……」

五和「そう言えば確かにおかしいです。キャーリサ様、先ほどからずっとそこを動きませんけど何か隠しているんじゃないですか……?」

御坂「ま、まさかあいつと一緒にお風呂に……!」

五和「そしてお風呂でいかがわしいことを……」

キャーリサ「ん、実は……」

上条「(言っちゃらめぇえええ……!!!)」

キャーリサ「(……わ、わかったの)……そ、そんな訳ないだろー! 
        夜明けの雪原のよーに無垢で清楚な淑女たる私が真昼間からそのよーな真似するか」

五和「……そ、そうですよね」

禁書「…………」 ジー

キャーリサ「ほ、ほらもーいーだろ。それより今日からしばらく何をして過ごすか話合おーじゃない」



248 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 04:19:15.93 ID:3uB6ZpMQo

禁書「……分かったんだよ」

御坂「ちょっと遠いけど横浜中華街でも行く?」

禁書「中華街!? 中華料理だね! 行きたいんだよ!!」

五和「あまりここを離れるのは良くないんじゃないでしょうか……」

御坂「えー、でもここじゃほんと何も無いわよ?」

キャーリサ「んー……しかしなー……むっ」

五和「え……な、なんですか?」

キャーリサ「お前……脱ぐとすごいな」

上条「ブッ!!!」

五和「も、もう! キャーリサ様何言い出すんですか!
    それにキャーリサ様だって……なんというかこう……」

御坂「日本人とはモノが違うって感じよね……すごいわ」

キャーリサ「わ、私のことはいーし!  五和、ちょっと触らせろ!」 バシャッ

五和「きゃっ! あっ!! だ、駄目ですよキャーリサ様!」

キャーリサ「よいではないかよいではないか! こーやるんだろー? 時代劇ではお代官がこーやってるのよく見たぞー」 ムギュムギュ

五和「ど、どんな時代劇見てるんですか! ぁっ! だ、だめ……!」

禁書「むー……なんか面白くないんだよ」

御坂「確かに私達じゃあんなこと出来ないわね……」

禁書「まあでも私は短髪よりは胸あるんだよ!」

御坂「っ! なっ、そ、それはとないわよ! 見なさい! 言っておくけど、これでもBはあるんだからね!」

禁書「ムキになるところが哀れなんだよ。私だってこうして寄せれば……ほら! 谷間のできあがりなんだよ!」 ズィッ!



249 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 04:22:24.04 ID:3uB6ZpMQo

御坂「わ、私だってそれくらい! ほらっ!!」 ムギュッ

キャーリサ「見よ五和、あれが底辺の争いというものだし。悪あがきが見てて微笑ましーな」

五和「だ、大丈夫ですよお二人とも! その年齢ならまだ成長しますから! きっとたぶんもしかしたら!」

御坂「上から目線禁止!」

禁書「大事なのは総合力なんだよ! 大きいだけじゃ下品かも!」

キャーリサ「ほほー。ではその総合力とやらを確認させてもらうとしよー。そらっ!」 バシャッ

御坂「わぷっ!!」

禁書「な、何する気!? そ、そこは触っちゃ、あっ!」

キャーリサ「ふふっ……子供のくせにいっちょまえに膨らんでいるじゃない。
        成長が楽しみだなインデックス」

禁書「そ、そんなことしちゃ……ぁっ!」

キャーリサ「よーし御坂、お前も触ってやるし!」

御坂「い、いいわよ! ちょっ! あ、駄目っ!」


アーデモナイコーデモナイ!

バシャバシャ!

キャッキャッ!


上条(ありがとうございます!!! いいもん見せて頂きました!)

上条(それにしても……いつになったら出られるんだ……頭がクラクラしてきたぞ)


禁書「うう……もうお嫁に行けないんだよ……」

御坂「黒子にしか触られたことないのに……」

五和「お、お二人とも、大丈夫ですか……?」

キャーリサ「ふむ、やはり若さだな。ハリはある……羨ましいし」

御坂「見てなさいよ! いつか目に物見せてやるから!」



250 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 04:23:00.91 ID:3uB6ZpMQo

キャーリサ「ふふふっ、楽しみにしているし……っと」 フラッ…

キャーリサ(いかん……のぼせそーだし……)

五和「あ、もうこんな時間ですね」

御坂「げっ! 二時間近く経ってるじゃない。キャーリサあんた大丈夫? 顔真っ赤よ。
    私達来るより前から入ってたんでしょ?」

キャーリサ「ん……うむ……」 フラフラ

禁書「上がった方が良さそうなんだよ」

五和「私達も上がりましょうか」

御坂「そうね。言ってる間に夕食だし」

禁書「熱いんだよ……」

キャーリサ「……そーだな、出るの……」 フラフラ…

御坂「しっかりしなさいよ」

五和「あとでお水もらってきますね」


フラフラフラ… ペタペタペタ…

ガラララ… ピシャッ!


上条「…………」

上条「……なかなか素敵な光景でした……」

上条「……そして上条さんももう……駄目…………」 バシャッ!



251 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 04:25:08.73 ID:3uB6ZpMQo

―――神奈川県 某海岸 海の家『わだつみ』 客室


上条当麻は朦朧とする意識を覚醒させる何者かの気配を感じ、瞳を開いた。


上条「……ハッ!」


目線の先には薄汚れた客室の天井。
純和風の趣と言えば聞こえはいいが、結局のところはただの小汚い海の家の六畳一間の中だった。
本日自分たちが宿泊するその部屋の布団の中に上条は寝かされている。
むくりと体を起こすと、意識がまだ少しハッキリとせず、首元がフラつくのを感じた。


キャーリサ「とーま……大丈夫か?」


傍らから心配そうにキャーリサが顔を覗き込んでくる。


上条「うーん……まだ頭がボーっとするな……」


頷き頭を抑える仕草をして、ようやく上条は自分が風呂場で倒れて自室へ運びこまれたのだと言う事に気がついた。
誰かが着せてくれたのか、今は薄水色のパジャマを着用している。
全裸で客室まで担ぎ込まれたわけではないと知ってようやくほっと胸を撫で下ろした。


キャーリサ「なかなかあいつらが出て行かなかったしな……次からは混浴はもー少し気を付けないと」


苦笑いしながらもどこか楽しそうなキャーリサ。
彼女も自分と同じく長時間入浴していたが、特になんとも無さそうな雰囲気だった。
強いて言うならば、頬や耳にまだほんのりと赤味が差しているということくらいだろうか。


上条「懲りないところがすげえよ……で、今何時?」

キャーリサ「夕方の六時半だし。まだ夕食までは時間があるな」



252 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 04:27:07.74 ID:3uB6ZpMQo

キャーリサは左手に着けた腕時計を見ながら言う。
風呂に入り始めたのが4時前だったから、倒れてからまださほど時間は経っていないらしい。


上条「そっか。他の連中はどうしてる?」


姦しい声やにゃーにゃーうるさい声が聞こえないので尋ねてみる。
するとキャーリサはどこか困ったような顔で笑った。


キャーリサ「部屋に帰した。お前が風呂で倒れてることに土御門が気付いた後大慌てだったの。
       ま、お前の体調に障ってもいかんしな。
       土御門もお前にとりあえず寝間着のパジャマを着せて出て行ってもらった」

上条「わかった、ありがとな。あいつらにも心配かけたし謝ってこないと……っと」


倒れている自分の周りで大騒ぎをしている一同の顔が目に浮かび、上条も苦笑い。
しかし一応何ともなかったと報告しておこうと思い、立ち上がろうとすると、キャーリサが上条のパジャマの裾をつまんで立ち上がるのを阻んだ。


キャーリサ「……」


無言でそっぽを向くキャーリサ。
先程よりも頬が赤いのは気の所為ではないだろう。


上条「な、なんでしょーか……?」

キャーリサ「……せっかく二人きりなんだ。もー少しいーだろ」


言って、上条との距離を詰めてくるキャーリサ。
風呂上がりの清潔な香りが鼻を掠めて、いらぬ妄想が頭を駆け巡っていく。


上条「と言いつつ何故に上条さんのシャツのボタンを外すんですかねぇ……」


ふと見ると、キャーリサが両手で上条のパジャマの前ボタンを一つ一つプチプチと外しているところだった。
ぎょっとする上条に、キャーリサは妖艶に微笑んで着ている赤いカットソーの襟元を掴み、そこから覗く仄かに上気した胸の谷間を見せつけてきた。


キャーリサ「私のも外せ、とーま」


淫靡に歪む薄桃色の唇に理性を持って行かれそうになるのを必死で拒みながら、視線を逸らしつつ上条は答えた。



253 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 04:29:23.42 ID:3uB6ZpMQo
上条「外すも何も、ボタンなんか無いぞ」

キャーリサ「だから……この中に、下着のホックがあるし……」


今度はやや強引に、体重を預けるようにして前のめりになったキャーリサがカットソーの胸元を人差し指で引っ張った。
そこにチラリと見えたのは、キャーリサのイメージとはかけ離れていながらも、清純な魅力を醸し出す白いレース。


上条「ブフォッ!! ななななっ! まだご飯も食べてないうちからそんなことを!?」


また眩暈を起こしそうな程の色気に、上条はしどろもどろになって何とか取り繕う。


キャーリサ「いーじゃない。……体も清め、食前の腹ごなしにちょっとイチャイチャしよーじゃないか」


イチャイチャとは言うが、こんな柔らかそうな白い双丘を見せつけられて、冷静でいられる自信が無い上条。
このままなし崩し的にコトに及んでしまいそうな気がして、それを意識し始めると今度はその胸元から目を離せなくなってしまった。


上条「お、おお……」 

キャーリサ「体もいい具合に火照ってるし……ふふっ、夜に備えて準備運動と行くか?」


挑発するキャーリサの表情には大人の余裕がある。
この前まで「自分を抱きたいか?」などと訊いていた人物とは思えない誘惑に、上条は生唾を飲み込みながらキャーリサを見つめ返した。


上条「キャ、キャーリサ……い、いいのか?」

キャーリサ「さーとーま……まずはどこから触って欲しーの?」 


キャーリサの繊細な指先が、はだけられた上条の胸元をスッと撫でる。
絹糸のようななめらかな感触に、上条は布団で隠れたままの自らの下半身がよろしくない状態へ変化していくのを感じていた。


上条「あ……」



254 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 04:31:03.30 ID:3uB6ZpMQo
キャーリサ「私は年上のお姉さんだし……お姉さんの言う事には従え」


上条の耳元で囁きながらキャーリサは胸板を弄ぶ指先をしなやかに動かす。
やがて抱き着くような恰好となり、カットソー越しに押し付けられるキャーリサの豊かな肉が形を変える感触に上条の思考能力はどんどん奪われていった。


上条「……お、王女じゃないんですか」


苦し紛れにでも何かを口にする。
そうでなくては、上条の理性は音を立てて崩れていきそうだったから。


キャーリサ「あー……」


考え込む仕草をするキャーリサ。


上条「……?」


意外な反応に、上条は首を傾げる。
だが



キャーリサ「いや、今はただの恋人だし」



悪戯っぽく微笑んだ小悪魔のような表情に、上条はこれ以上自らを押さえつける自信を無くした。


上条「!」 


早鐘を告げる心臓の鼓動は押し付けられたふっくらとした感触の中に溶けて行きそうになり、
彼女と同じ時間と空間の中で同じ鼓動を刻みたいと言う欲求が首をもたげる。
少し体を離したキャーリサは、上条の頬を撫でながら小首を傾げて微笑を滲ませた。


キャーリサ「まったくお前は……結局風呂であいつらの裸見てたろー?
       よかったなー、若い肌はツヤがあって思わず目を奪われたか?」

上条「い、いえそんなことは……あ、ありませんですよー……?」


まともな答えなど返せない。
大浴場で見た御坂や五和達の身体は確かに青少年たる上条にとって刺激的なものではあったが、それでもこのスカイブルーの透き通った瞳には叶わない。
金糸の髪も、白磁の肌も、全てが上条を魅了するのは、他ならぬキャーリサが恋人であるから。
理性なんてさっさと失ってしまえと言わんばかりに艶めかしく誇示される肌の色と香りの中で、上条は傍らに寄り添う愛しい彼女の姿以外が視界から消えていくのを感じた。



255 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 04:32:36.05 ID:3uB6ZpMQo

キャーリサ「ふふっ……だがすぐに忘れさせてやるし。
       とーま」 


キャーリサは上条の後頭部にそっと右手を添え、鼻先を近づける。
2センチにも満たない、甘い吐息のかかるその距離で、スカイブルーの瞳に上条自身が映っているのが見えた。


上条「は、はいっ!」


声をあげるだけの機械と成り果てる他無い上条を嘲笑うかのように、キャーリサは桜色の唇を艶めかしく動かして、やがて告げる。


キャーリサ「お前は私だけを見ていろ。生涯ずっとだ。
       他の女になど見惚れるな。……悲しくなるの」


勇敢で苛烈な眼差し。けれどそれは繊細で可憐な少女の口調で愛を乞う。
上条は今断言できる。
自分が見惚れるものなど今、この世に一つしかない。
そしてそれは、目の前にあると。


上条「す、すみませんでした……」

キャーリサ「いー子だ……可愛いな、お前」


心を奪われたように小さく首肯した上条に、キャーリサは世界を魅了する凄絶で艶麗な微笑を浮かべて言葉を紡ぐ。
それはまるで、奉ずるように


キャーリサ「御褒美をあげるの」 

上条「キャーリ」


上条の言葉は終ぞ世界に向けて放たれることは無く。
ただ唇に柔らかな感触と、自らの身体が背中から布団に沈み行くのを感じたところで、上条の意識はいずこかへと吹き飛んでいった。



261 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 04:59:49.52 ID:3uB6ZpMQo

―――神奈川県 某海岸 海の家『わだつみ』 女子部屋


御坂「ふぁ~あ……なんかやることないと暇ねー……」

禁書「とうまは大丈夫なのか心配なんだよ」

五和「私達が上がってから入られたのならそう長い時間じゃないですし、大丈夫ですよ」

五和(本当に上がってからなら、ですけど……そんな短時間でのぼせませんよね……?
    あのときもしかして上条さん、お風呂場にいたんじゃ……)

御坂「色々あったし疲れてたんでしょ」

五和(それもあるとは思いますけど……まあ確認することも出来ないですし、上条さんならいいんですけどね……)

禁書「お腹減ってきたかも……」

御坂「あんたさっきお風呂上りにアイス買ってあげたでしょうが。晩御飯食べられなくなるから我慢しなさい」

禁書「私がアイスの一つ二つで晩御飯が食べられないなんてありえないんだよ!」

御坂「そんなことで怒られても……知らないわよ」

五和「ガムならあったと思いますよ、食べますか?」

禁書「わーい! もちろん食べるんだよ!」

五和「ふふ、ちょっと待って下さいね。えーと……カバンの中にたしか……」 ゴソゴソ…

禁書「ガムーガムー」

御坂「ったく子供なんだから」

禁書「むっ、それはご挨拶かも! むしろガムで妥協してあげようという私の心遣いを褒めるべきなんだよ!」



262 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 05:00:51.16 ID:3uB6ZpMQo

御坂「あーはいはい。そういうことにしといてあげるわよ……って、五和、どうしたの?」

五和「……み、御坂さん……何か聞こえませんか……?」

禁書「?」

御坂「何かって、何よ?」

五和「こ、声みたいなものが……」

御坂「声? ……」


アッ… ンッ… 


御坂「ちょ、ちょっと……や、やめてよね。まさかほんとに幽霊とか言うんじゃないでしょうね……」

五和「そ、そうじゃありません……この声は……」


トーマァ…ァンッ


御坂「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

五和「御坂さん」 スッ

御坂「ちょ、ちょっと……何する気……」

禁書「? 二人ともどうしたの? 五和、ガムはまだなのかな?」

五和「これ、全部食べていいですよ。だからここで大人しくしててくださいね」 ドサッ

禁書「え! ほんとに! わかったんだよ!」 ガサガサ… ガムガムガムガムガムガムガム

御坂「ちょ、ちょっと五和ってば……ほんとに行くの……?」

五和「い、いえ……これはきっと、お約束でよくあるマッサージの類だと思います」

御坂「へ?」

五和「ほら、いかがわしい声が聞こえてきたと思ったら実はマッサージしてるだけだったってパターンよくあるじゃないですか。
    あれですよきっと」

御坂「な、なるほどね……確かにあいつならおおいに有り得るわ」



263 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 05:03:13.91 ID:3uB6ZpMQo

五和「さっきもお風呂でみんなで触り合いなんていうベタをやらかしたところですし……一応セオリーには従おうかと……だからお二人はここで待っ」

御坂「おっけー。心配かけたあいつにお説教してやんないとね! 行きましょ!」

五和「あ、あの……御坂さんはやめておいたほうがいいと思いますけど……」 ボソッ

御坂「え、何? ほらさっさと行くわよ」

五和「あ……」

五和(……私は4人同時プレイでも一向に構いませんからね、上条さん……!) グッ

御坂「ちょっと出てくるからあんたはここで待ってなさいよ」

禁書「ふぁーい、いっへらっはいなんらよ」 ガムガムガムガムガムガムガム


ガチャッ バタンッ

スタスタスタスタ…


御坂「ったく、あいつもどういう星の下に生まれてきてんだかねー。
    ラブコメかっつーの」

五和「典型的なツンデレの御坂さんには言われたくないでしょうね」

御坂「あ、あんた何か機嫌悪い……?」

五和「い、いえ別に……」

五和(正直気が気じゃないです……出来れば嘘であってほしいです)

御坂「よーし、んじゃ開けるわよー!」 ガチャッ!

五和「あっ!!」

御坂「こらー!! あんた達何やってんのよ!!!」 バーンッ!


キャーリサ「とーまぁ……もっと下も触って欲しーnえ?」 モゾモゾ

上条「こ、こうk……え?」 モゾモゾ

御坂「」

五和(お二人とも裸でお布団に……や、やっぱりそっちでしたか……。
    正直きついです……で、でも本番は阻止できましたよねっ)



265 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 05:05:21.55 ID:3uB6ZpMQo

御坂「え? 何? え?」

キャーリサ「お、おいっ! 取り込み中だしっ! 閉めろ!!」 ババッ

御坂「え、やだ嘘……え? 何これ? え?」

上条「ど、どどどどどうしたんですか二人ともっ! 部屋に入るときはノックをあばばばばばばばっ!!」

御坂「な……な……何してんのよ……あんた達」

キャーリサ「何って……それ言わせるの……? 
        私達は恋人同士だし……いーだろ……セックスしたって……」 カァァ

御坂「」 ピシッ!

五和「か、上条さん!」

上条「は、はい何でしょうごめんなさい!」

五和「わ、私も混ぜてください!! 私もがんばりますからっ!!!!」

上条「」

キャーリサ「アホかぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!
       駄目に決まってるだろーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!」

五和「いいんです! この際もう恋人になるのは諦めます! だから代わりに上条さんの子供を産んで育てますから!」

キャーリサ「さらっと恐ろしいことを言うな!! とーまの子は男女の姉妹で男はアーサー、女はアルトリアと名前も決めているし!
        ちなみに愛犬の名前はウィリアムにする!」

上条「」

御坂「」

五和「ちょっとくらいいいじゃないですか! キャーリサ様ばっかりずるい!!」

キャーリサ「ずるくないし! 私ととーまはもう将来を誓い合った仲なの!
       とーまはいずれはグラストンベリに居を構えて私と共に覇道を行くのだから邪魔をするな!」

五和「そんな獣道を上条さんに歩かせないでください!」



267 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 05:08:28.23 ID:3uB6ZpMQo

キャーリサ「ええいうるさい! とーまの子種は私のものだし! 誰にも一滴たりとも渡さん!」

五和「おすそ分けしてください! か、上条さん! 失礼しますね!」 ゴソゴソ

キャーリサ「こら! とーまのパンツを下ろそうとするな! 私だってまだ何もしてないのに!」

御坂「」


ギャーギャー! アーデモナイコーデモナイ!


上条「ハッ……あ、あまりの事態に意識が飛んでたぞ。って二人とも! 上条さんのパンツのゴムなんか引っ張って何をして……」

キャーリサ「とーまは黙ってろ! お前は天井のシミでも数えていればいーし!」

五和「上条さん! 私本読んで色々勉強しましたから任せてくださいね! 色々と挟めますから!」

上条「一体そりゃ何の話……」


ガチャッ


禁書「もー、隣の部屋まで聞こえてるんだよ。何してるのか……」

土御門「カミやんまた痴話喧嘩かにゃー。いい加減にしないとオレも引き金引く指が軽くなっちまう……」

キャーリサ「どけ五和! とーまの童貞は私が年上らしく優しく狩り取るの!」

五和「じゃあ私も混ぜてくれるて約束をしてくださいね!」

禁書「な……」

土御門「にゃー……」

上条「あ……」

キャーリサ「ん?」

五和「え?」

御坂「」

土御門「……」

禁書「……」

上条「ふ、二人とも……ど、どうしたんですかー……顔が怖いですよー……?」

土御門「カーミやーん」

禁書「と・う・まぁぁぁぁぁ……」

上条「は、はひ……あのやっぱりこのパターンって……」



禁書「今回もやっぱりお約束なんだよっ!!」

土御門「ああ、ブチ殺しだにゃー」 



268 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 05:13:05.79 ID:3uB6ZpMQo

??「おーい当麻ー。またこの辺来てるって言うから来たぞー、元気でやってるかー?」

??「あらあら刀夜さん。何か当麻さんは取り込み中みたいですよ。あちらの部屋から大きな声が」

刀夜「はは、友達とはしゃいでるみたいだな。楽しそうでいいことじゃないか、なあ母さん」

詩菜「そうね刀夜さん」

刀夜「当麻ー、何やって……」

詩菜「あらあら……?」


禁書「大体とうまはいっつもそうなんだよ!! 少しは私のことも思い出してくれてもいいとは思わないわけ!? 
   もっと近くにいるインデックスのありがたみを分かるべきなんだよ!!」 ガジガジガジ!

上条「いでぇぇえええええ! やめろインデックス! そして土御門も銃向けるのやめろぉぉぉおおおおおお!!!!!!!!!!」

土御門「カミやーん。射撃訓練だにゃー。連射だってしちまうぜい」 パンパンパンッ!

上条「やめれー!」


刀夜「ははは、見てみろ母さん。当麻のやつ友達と仲良くやってるみたいだな」

詩菜「うふふ。そうね刀夜さん。ところで、あの女の子達は……」


キャーリサ「五和! いい加減にしないとお前次元ごと斬るぞ!」

五和「嫌です! やっぱり上条さんを諦められません!」

キャーリサ「ええい悪あがきを!」 グィイッ!

五和「何と言われても好きなものは好きなんですっ!」 ガシィッ!

上条「キャー! エッチー! 上条さんのパンツのゴムがだるだるですのことよー!!」

御坂「セ……セック……何それおいしいのかしら……あはは……サ、サックスのことよね。
    木管楽器の……うふふふ……吹奏楽部に入っちゃおうかなー……」



269 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 05:14:56.38 ID:3uB6ZpMQo

詩菜「当麻さんの主に下腹部辺りに纏わりついてるみたい。
    あらあら、当麻さんたら随分と女の子に人気があるのね。
    うふふ、まるで誰かさんそっくりじゃありません?」 ゴゴゴ…

刀夜「!! か、母さん一瞬怖かったぞ。……コホンッ、おい当麻。
    せっかく来たんだから無視せずお友達を紹介してくれ。
    まあ見た事ある子が多いけど、改めて……」 スタスタスタ

キャーリサ「外野は黙っていろっ!!!」 ゲシッ!

五和「今大事な話をしていますっ!!!」 ゲシッ!

刀夜「ごはぁっ!!」  

キャーリサ「あ」

五和「あ」

御坂「あははは…………ハッ! あ、あれ……?」

詩菜「あらあら、刀夜さんたら。ベタベタね」

キャーリサ「す、すまないの、ええと……おいとーま、お前の知り合いか?」

五和「ごごごごめんなさい! つい勢い余って! あれ……上条さんに似てる……?」

上条「いてて……へ? あ」

刀夜「ははは、元気そうだな当麻……」 ヨロヨロ…

禁書「とうまぁぁああ、まだ話は終わって……あ、とうまのお父さんなんだよ」

キャーリサ「っ!」

五和「っ!?」

御坂「ああ、大覇星祭の時にちらっとお会いした……」

上条「インデックスと土御門と御坂は知ってたよな。
    キャーリサ、五和、俺の父さんと母さんで」



270 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 05:17:15.04 ID:3uB6ZpMQo

五和「はじめましてお義父様、お義母様。
    上条さんにはいつも  と  っ  て  も  仲良くして頂いている五和と申します。
    末永くよろしくお願いします!」 

刀夜「あ、これはご丁寧に……お、おい当麻、こちらのお嬢さんは?」

当麻「ああ、友達の五和だよ」

五和「と、友達……です」

詩菜「あらあら、うちの当麻さんがいつもお世話になってます。
    これからも仲良くしてあげてくださいね」 

五和「は、はいっ!」

土御門「ちょいと待ってくれにゃー。カミやん、せっかく両親が来てくれたんだ、立ち話も何だし座って話したらどうだ?」

上条「そ、そうだな。じゃあ、こっちに」

五和「い、今お茶をお煎れしますね!」

詩菜「あらあら、おかまいなく」

刀夜「びっくりしたぞ、急に学園都市の外にいるなんて連絡をもらったから」

上条「誰に連絡受けたんだ?」

刀夜「ああ、今朝電話で彼に……えっと確か」

土御門「土御門元春ですたい」

刀夜「そう、土御門君に」

上条「(どういうことだよ……?)」 ヒソヒソ

土御門「(おいおい感謝しろよカミやん。このどさくさに紛れてキャーリサを両親に紹介したらどうだっていう粋な計らいだぜい)」

上条「……」

土御門「(その顔は信じてないにゃー。ま、本当は念には念を入れての避難だよ。
     何かの拍子に学園都市とか英国の連中と話がこじれて人質にとられたりしても面倒だろ?)」



271 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 05:19:48.82 ID:3uB6ZpMQo

上条「(なるほどな。そこまでは気が回らなかったよ。ありがとな)」

土御門「(ま、多分大丈夫だけどにゃー。それよりしっかりやるんだぜい)」

上条「(お、おう。いやいやそんな緊張するようなことでもねぇだろ)」

土御門「お姫様はそうでもなさそうだけどにゃー……」

上条「え?」

キャーリサ「……」 ガチガチ

上条「めちゃめちゃ固くなってる……」

土御門「しっかりフォローしてやれよ。あ、あとこれ餞別だぜい」 スッ

上条「……? なっ! こ、これはコンド」

禁書「とうまー、そんなところで何してるの?」

御坂「そうよ、ご両親待たせてんじゃないわよ」

上条「お、おう!」

土御門「避妊はしっかりにゃー。……よーし、インデックスと超電磁砲、二人は隣でオレとトランプでもしようぜーい。
     さっきまで部屋で一人だったから寂しくて泣きそうだったにゃー」 

御坂「え、な、なんで!? っていうか自分で一人部屋選んだんじゃない!」

禁書「そうだよ! せっかくだからみんなでお話するといいんだよ!」

刀夜「そうだぞ土御門君、私達に気を遣わなくてもいいぞ」

土御門「いやー、カミやんがどうしても御両親に話したいことがあるって言うんで、親子水入らずでどうぞですにゃー。
     そら撤収撤収!」 グイグイ

御坂「ちょちょっ! 分かったから引っ張らないでよ!」

禁書「むー……お茶菓子が今から来るのにー!」

土御門「五和もこっちだから問題ないぜい」

禁書「あ、じゃあいいんだよ」

御坂「あんたってほんと扱いやすいわよね……」

禁書「そ、そんなことないんだよ! でもご飯まだまだ1時間くらいあってお腹空いてるんだよ!」


ズルズルズル… スタスタスタ… パタンッ



272 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 05:23:31.29 ID:3uB6ZpMQo

上条「…………」

キャーリサ「…………」

上条(さてと……どう切り出すかだな) チラッ

キャーリサ(まずいし……正直第一印象は最悪だろーな……。何せ父君に蹴りを入れてしまってるの。
       とーまとシてたから髪もボサボサだし……。
       何とか挽回をしなくては……ど、どーしよー)

刀夜「は、はは……急に静かになったな。テレビでも点けようか」 ポチッ


ヴンッ!


『こんばんは、七時のニュースです。まず最初に――――』


刀夜「もう七時か。夕食まであと少しだな」

上条「そうだな」

詩菜「当麻さん、そちらの方は?」

刀夜「も、もしかして当麻の学校の先生とかか!?
    これはひょっとして三者面談なのか!? 先生、ウチの当麻の成績が危険だということですか!
    ああやっぱり! ご迷惑をおかけして申し訳ない!」

キャーリサ「え? い、いやそうではないの……あ、ないです」

上条(キャーリサが敬語って……こりゃそうとう気ぃ遣ってるな。
    こういうときフォローしてやれってことだよな、土御門)

上条「違うって。キャーリサは俺の彼女なんだ」

キャーリサ「!」

刀夜「ははは、そうか彼j……え」

詩菜「あらあら、うふふ。やっぱりそうだったのね」

上条「キャーリサはイギリス人なんだけど、訳あって学園都市に来てたんだ。
    それでまあ色々あって付き合うことになったから紹介しておこうと思ってさ」

キャーリサ「あ……よ、よろしくお願いします……」 ペコッ



273 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 05:25:14.38 ID:3uB6ZpMQo

刀夜「か、彼女って当麻、お前……」

キャーリサ「!」 ビクッ

キャーリサ(やはり反対されるの……? むー……いざその場に遭遇すると萎縮してしまうな……。
       出来れば認めてもらいたかったが……とーまの教師に間違えられるほどの年の差だし仕方ない。
       下手をすれば母君と同い年ということも……というかこの母は一体いくつなの……?
       若過ぎやしないか……?) ドキドキドキ…

刀夜「申し訳ない!!!!!」

キャーリサ「!?」

キャーリサ(な、何故頭を下げられるの……? 頼むから別れてくれと言う事?
        い、嫌だ……それだけは出来ないが……父君の気持ちも分からなくは)

刀夜「当麻とお付き合いして下さっている女性に向かって大変失礼なことを言ってしまった!
    この通り! 許してください!」

詩菜「そうね、刀夜さん。全面的に刀夜さんが悪いですよ。
    ごめんなさいキャーリサさん、悪気は無かったんです」

キャーリサ「い、いえその! 気にしてないので頭を上げてください!」

刀夜「そ、そうかい? いやー……失礼した……。当麻がまさかこんなに可憐で美しい女性とお付き合いしてるとはなー。
    父さんも鼻が高いぞ」

詩菜「刀夜さん、鼻の下が伸びているわよ」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

刀夜「ひっ! ん、ゴホンッ! と、とにかくうちの当麻がいつもお世話になっているようでありがとうございます。
    父の上条刀夜です。で、こちらが妻の詩菜。
    今後も当麻をよろしくお願いします、キャーリサさん」

詩菜「当麻さんが彼女を紹介してくれるなんて初めてね、しかもこんな綺麗な方だなんて、私達も嬉しいわ」

キャーリサ「あ……」



274 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 05:28:56.72 ID:3uB6ZpMQo

上条「そんな改まらなくていいだろ。そういうわけだから、今後会うこともあるかもしれないからよろしく頼むよ」

刀夜「ははは、もちろんだ。キャーリサさん、日本での生活で何か不便なことや困ったことがあればいつでも連絡を下さい。
    家族だと思って遠慮せずに」

キャーリサ「は、はい! ありがとーございます」 ペコッ

詩菜「うふふ、あらあら。刀夜さんが何だか嬉しそうね。
    何年か後には私もお婆ちゃんかしら」

上条「ブッ!! なんでそうなるんだよ!! 話が飛躍しすぎだろ!」

刀夜「当麻、子供は計画的にな。キャーリサさんを不幸にさせることだけは絶対に許さんぞ」

上条「い、いやだから何でもう結婚とかそういう話になってるんですかねぇっつってんだよバカ親父!」

キャーリサ「おい、私はそのつもりだぞ」

上条「!!!!!!!!」

キャーリサ「……嫌……なの?」

刀夜「こら当麻、キャーリサさん悲しそうだぞ」

詩菜「あらあら、当麻さんもそのつもりがあるから紹介してくれたんじゃないのかしら?」

キャーリサ「……」 ジー

上条「うっ……ま、まあそうなんだけど……何と言うか、実感は無いよな。
    まだ何もしてないわけだし」

詩菜「うふふ、何もしてないですってよ刀夜さん。私達が学生の頃を思い出すわね」

刀夜「ははは、そうだな母さん。いやーあれは付き合い立ての頃夏に江ノ島にいった時だったなー、母さんが夜に」

上条「でもまあ……そうだな。俺もそのつもりだよ、キャーリサ」

刀夜「おっと、スルーか当麻」

キャーリサ「とーま……」

詩菜「あらあら、こんなに綺麗なお嫁さんに来ていただけるなんて、早く孫の顔が見たいわね刀夜さん」



275 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 05:33:14.68 ID:3uB6ZpMQo

刀夜「ははは、そうだな母さん。まあでも私はもう一人ぐらい子供がいてもいいと思うんだが……」 チラチラッ

詩菜「あらあら、刀夜さんたら」

上条「おいこら。子供の前でやめろ」

刀夜「何だ当麻、お前だってキャーリサさんと良い雰囲気作ったじゃないか。
    父さんたちだってイチャイチャしたいぞ」

上条「親のそんなとこ見たくねえだろ普通!」

刀夜「当麻、妹と弟どっちが欲しいんだ?」

上条「だからやめろっての恥ずかしいわ!」

キャーリサ「ぷっ……ふふ……」

刀夜「ん?」

上条「あ?」

キャーリサ「ふふ……ははは……あははははははははははははは!!!!!!!!」

詩菜「あらあら」

上条「お、おいキャーリサ? 緊張に耐えきれなくて壊れちまったのか?」

キャーリサ「ふふっ……すまんすまん。あー、面白いな。
       ……父君、母君」 スッ

刀夜「は、はい」

詩菜「あらあら母君だなんて、詩菜って呼んでくださいね」

キャーリサ「至らぬ点も多く、ご迷惑をおかけすることもあると思います……。
        このよーなふつつか者ですが、今後ともよろしくお願いします」 ペコッ

刀夜「えっ、は、はいこちらこそどうも御叮嚀に!」 アセッ

詩菜「当麻さん、キャーリサさんのこと大切にするのよ」

上条「……言われなくても分かってるって」



276 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 05:34:21.42 ID:3uB6ZpMQo
刀夜「はは、しかしまさかこんなところで当麻の彼女と会うなんてな。
    驚いたが喜ばしいな母さん」

詩菜「そうですね刀夜さん」

刀夜「ところで当麻、キャーリサさんとはどういう経緯でお知り合いになったんだ?
   というか、どこかで見かけたことがあるような……」

詩菜「あらあら、そう言えばそうね。えーっと……どこだったかしら」

上条「げっ! あ、い、いやそれはだな……」

キャーリサ「う、うむ。き、きっと気の所為で」


『――それでは次のニュースです。イギリスの第二王女、キャーリサ王女が本日より長期の海外留学に行かれたと英国王室庁から今朝発表がありました』


上条「」

キャーリサ「」

刀夜「ん?」

詩菜「あらあら」



277 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 05:36:33.99 ID:3uB6ZpMQo

―――神奈川県 某海岸 砂浜


大人数での騒がしい夕食の後。
上条とキャーリサは夜の砂浜に並び腰かけて遠くの海を見つめていた。


上条「ふう……全部バレちまったな」


結局、あの後刀夜と詩菜にキャーリサの素性を全て説明するハメになり、食事中も驚きっぱなしの二人から質問攻めだったのを思い出しため息をつく。


キャーリサ「しーなが卒倒してたぞ……」


そう言って苦笑する。
ニュースでキャーリサの写真が出てきた瞬間目を回して倒れた詩菜と、てんやわんやとしていた刀夜の賑やかな様子に頬が緩むキャーリサ。


上条「そりゃびっくりするだろ。初めて見る息子の彼女が英国王女だぞ」

キャーリサ「そりゃそーか。……だが、お前のご両親は優しーな。とーやもしーなも最後は笑い飛ばしてくれたし」


もっとも、きちんと説明をすれば二人ともすぐに納得してくれた。
その辺りは幼い頃からトラブルを抱え込んでくる体質を持ち、学園都市においてもしょっちゅう病院に担ぎ込まれている上条を子に持つ親の慣れによるところが大きいだろう。


上条「あの二人俺の身の回りで起こることにそろそろ慣れ始めてんだよ」


それを口に出すと、キャーリサは肩を竦めてクスクスと笑った。


キャーリサ「理解のあるご両親だ」

上条「これで晴れて家族公認ってやつか」


小さく笑い声をあげて、上条が清々しい心持で呟く。
ようやく肩の荷が下りた気がして心が軽くなっていった。


キャーリサ「正直ほっとしたの。お前の親には嫌われたくなかったしね」



278 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 05:46:10.71 ID:3uB6ZpMQo

そう告げて上条の肩に頭を預けてくるキャーリサ。
そんな仕草を愛おしく思いながら、上条はまたも苦笑いを顔に浮かべた。


上条「むしろ頼むから嫁に来てやってくれって感じだろうな……」

キャーリサ「……いいの? 別に今すぐ答えを出す必要など無いし。
       そんなに重く考えることも無いの。
       駄目なら駄目でその時だ。気張らず楽しくいこーじゃない」


恋なんて言うのはそんなものだ。
いつどうなるかなんて、先の事は誰にも分からない。
キャーリサにも、これが上条にとって将来の選択に影響を及ぼす重大な出来事であることは重々承知していた。
だからこそ、上条に今回のことに囚われて欲しく無いと考えている。
上条の人生は上条のものであり、キャーリサのそれもまた同様なのだと。
それでも、上条は肩に乗せられたキャーリサの頭を撫でながらポツリと呟く。


上条「そうだな。……でも、俺は何となく大丈夫な気がしてるんだ」


その言葉に、キャーリサは一瞬だけ言葉を失ったが、やがて薄く微笑みを返して頷いた。


キャーリサ「……私もだし」


キャーリサを英国から連れ出してまで共にいたいと考えた。
その時既に、上条にとっての覚悟は終了している。
これまで命を賭して、死ねば終わりの戦場に身を投じてきた上条にとって、人生の岐路に立つことなど普段通りのことでしかない。
だから、キャーリサを選んだことに微塵の後悔などあるはずもなく、今後に待つあらゆる現実や事態において、迷いを差し挟む余地も無い。
遠くを見つめる二人の眼差しに、欠片の躊躇すらも存在しなかった。


上条「学園都市に戻ったらまずは何からすりゃいいんだろう。
   ……とりあえず小萌先生に無断欠席を土下座だな」

キャーリサ「やれやれ。後先考えずに出てきたよーだし。呆れるの」



279 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 05:49:07.10 ID:3uB6ZpMQo

それを見てキャーリサは首を横に振った。


上条「仕方ないだろ。本当に夢中だったんだから」

キャーリサ「ふふっ、嬉しーぞとーま。私もそれに応えねばな。
       まだ英国より連れ出してもらった礼をしていなかったし」


肩から頭をあげ、キャーリサは上条の手を握って瞳を見つめる。
欠けた月の明かりに照らされた彼女の横顔は、その端整な面立ちも相まって途方もなく神秘的で、上条の視界からキャーリサ以外の全てが消えていく。


上条「え? いいよそんなの。俺が勝手にやったことだし、散々言ってもらったろ」

キャーリサ「駄目だし。私がしたいの」


繋がれた右手から、キャーリサの温もりが伝わってくる。
余裕の笑みを浮かべた麗しの第二王女の緊張が、手汗と高い体温から伝わってくる。

上条「……そっか、じゃあ……してもらおうかな」


上条にすら伝わったそれはとても分かりやすいもので、わざとらしい建前を述べた自分に、キャーリサは無垢な少女のように微笑んだ。
スカイブルーの瞳に想いを込めて。
キャーリサは単純にして明快な告白を口にした。



キャーリサ「とーま……ありがとう。とーま……――――
      
       ――――お前を愛している」



愛している。
そんなストレートな言葉の受け止め方はまだ上条には分からない。
でも確かに理解できることは、自分はキャーリサのことが好きで、キャーリサも自分のことをそう思ってくれているということ。
だから上条は、真っ直ぐな視線で伝えられたこの上なく明快な言葉に応えるかの如く、彼女を抱き寄せて口づけた。
寄せては返す波の音だけが夜の砂浜に響く。
それはさながら海の中へと溶けていくかのようで。
『軍事』を冠された愛しい恋人の温もりによって、上条当麻の世界は支配されていく。



280 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 05:51:24.02 ID:3uB6ZpMQo

上条「……これからもよろしくな、キャーリサ


唇を離した彼女の頬が月明かりによって照らされている。
色は彼女に相応しい赤色。
そしてキャーリサは、恥じらうようにその色を隠すべく、もう一度上条に口づけたのだった。


御坂「おーい」


海の家から御坂がこちらを呼ぶ声が聞こえた。


禁書「とうまー、みんなで一緒にトランプでもして遊ぶんだよー!」

土御門「五和も明日で帰っちまうしにゃー、どうせ学園都市にゃしばらく戻れねえんだし、のんびり遊んでようぜい」

五和「御両親がお土産を下さったので皆さんで頂きませんかー?」


傍らにはインデックス、土御門、五和の姿もあった。
その声を聴いて、上条とキャーリサは互いに見つめ合い、笑い合う。
こんな平和で和かな時間が、これからも続けばいいと思う上条。
それはきっと、キャーリサも同じだった。


上条「行くか、キャーリサ」


立ち上がった上条はキャーリサに手を差し伸べる。


キャーリサ「そーだな、とーま」


その手を取り、ゆっくりと並び歩いていく二人。
絵本の中のおとぎ話のように、お姫様を救ったのは王子様ではなかったけれど。
結末は同じように幸福なものであると上条は確信できた。
隣で微笑むスカイブルーの瞳を持つ異国の姫君の表情に影一つ無く。
その慈愛に満ちた横顔を見つめながら、上条は彼女と過ごすこれからの日々に想いを馳せた。



―――――


――――


―――


――



281 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 05:54:27.54 ID:3uB6ZpMQo

キャーリサ「おいとーま。まだか。皆を待たせているし」


小さな花束を携えて、キャーリサはやれやれと首を振りながら上条に声をかけた。


上条「あー、ごめんごめんん。ちょっとトイレ行ってたんだよ」


トレードマークとも言えるツンツンの黒髪をかきながら、上条はキャーリサに歩み寄る。


キャーリサ「まったく、そんなものあとでいいだろー。こんな大事な時に」


口ではそう言いながらもキャーリサの口元には笑みが滲んでいた。
自然な仕草で上条の腕を取り手を絡めて傍らに寄り添う。


上条「漏らしたら困るだろ……じゃ行くか」


そして、二人は並んで大きな扉の前に立つ。


禁書「もう! 遅いんだよとうま! 早く早く!」


扉の向こうから、頬を膨らませたインデックスが顔を覗かせていた。


上条「おう! 今行く!」


そう返して、上条は今一度キャーリサを視界にとらえる。


キャーリサ「何見てるの? ……ふふっ、とーま。行くぞ」


クスリと微笑んだキャーリサが、真紅のドレスの裾を揺らして、悠然と言い放ち、一歩を踏み出す。


上条「ああ、行こう」


白いタキシードに身を包んだ上条もまたそれに続き、開け放たれていく扉の向こうへと歩みを進めて行った。
その向こうから聞こえてくる、たくさんの仲間達の声。



282 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 05:56:14.03 ID:3uB6ZpMQo
キャーリサ「よーやく家出が終わったな」


ポツリと呟いたキャーリサの言葉は、皆の声の中に消えていく。


上条「そうだな」


だがそれは、確かに上条の耳へと届いていた。


キャーリサ「とーま―――」


そしてキャーリサは凛然と前を見つめたまま言葉を紡ぐ。


キャーリサ「――――今日からお前と私、二人の家だものな」


空からは祝福の陽射し。
目の前に広がるのは多くの仲間達の姿。
赤いウェディングドレスを纏うキャーリサが、誓うように天高くブーケを放り投げる。
それは、少年と王女が初めて出会ってから、7年後のことだった。




―おしまい―



284 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 05:57:19.40 ID:3uB6ZpMQo
おまけ


―――神奈川県 某海岸 海の家『わだつみ』 客室


キャーリサ「……布団よし。ティッシュよし。うむ……完璧だし」

キャーリサ「ふ、ふふっ……いよいよ……いよいよなのだなっ」

キャーリサ(思えば今日一日邪魔が入ってばかりで結局ロクにとーまと恋人らしいことを出来なかったの) グヌヌ…

キャーリサ「しかしっ!」 グッ!

キャーリサ(ここからは大人の時間だ。
       むふふふふ……この世に生を受けて28年……私もよーやく女になるの) ドキドキ…

キャーリサ(や、やっぱり痛いんだろーか。しかしなー……学生時代の友人たちは皆とっくに済ませていたし……
       子供でも平気なんだから大丈夫だろー、うん。そーに違いないっ…………そーだよな?)

キャーリサ(そ、それよりもどーやってとーまを迎えようか。
       やはり日本式に則って三つ指ついて待っているべきか。
       いやいや……私のキャラじゃないだろ……や、やっぱりこー……しなを作って……足を開いて……)

キャーリサ「とーま、この偉大なる第二王女に子種を寄越」


ガララ…


上条「ふぅ……やっとバカ親父と土御門から解放された……あ?」

キャーリサ「せっ……」

上条「」

キャーリサ「なぁぁっ!!!!?????」 バッ!

上条「な、何やってるんでせうか……」

キャーリサ「ち、違う! これは違うの! 私はそー簡単に股を開くよーな女ではないぞ!」

上条「? いやそりゃ分かってるけど……」



285 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 05:59:28.38 ID:3uB6ZpMQo

キャーリサ「んっ! んんっげふんごふんっ! そ、それよりとーま。もー寝るか?」

上条「んー? そだなー。何だかんだで疲れたし、今日はもう寝ようかな」

キャーリサ「ん。よしよし。布団は敷いておいたからな」

上条「……随分距離近いっすね……」

キャーリサ「……そこに気付くとは、期待してたなこのエロスめ!
       よーし、こっち来いとーま。可愛がってやるの」

上条「うわー……女の人の台詞じゃないですよ……」

キャーリサ「う、うるさいっ! いいからそこに寝ろ!」

上条「よ、よーし……上条さんももう我慢の限界ですのことよー!」 ガバッ!

キャーリサ「きゃっ! お、おい……私が上だしっ!」

上条「えっ、何で」

キャーリサ「お、お前は私の下でよがってろ。
       それにこの……カエルのよーな体勢は王女としての威厳を損なうの……」

上条「いいじゃん。今はただの恋人なんだろ?」

キャーリサ「そ、そーだが……あーもうっ! いーからお前下! 私は上! これはこの世の摂理だし!
       分かったらそこを退け!」

上条「わ、分かりましたよ……上条さん初体験なんですよー……最初は普通の体位がいいのですが」

キャーリサ「わ、私だってそーだし」

上条「じゃあやっぱりここはセオリーに倣ってだな」

キャーリサ「そこは譲らんっ!」

上条「……仕方ないな。……でもとりあえず前戯からだろ」

キャーリサ「む……そ、そーだな。よし、愛撫せよ」

上条「せよ、って……身も蓋もないな……よーし上条さんやっちゃいますよー!」 バッ!



286 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 06:01:31.07 ID:3uB6ZpMQo

キャーリサ「んっ! こ、こら……急に触るな……」

上条「おおお……ハプニング以外でこれに触る日がこようとは……柔らかいな」 ムニムニ

キャーリサ「どーいう感動の仕方なの……んっ…ぁっ……」

上条「ぐへへ、やらしい声が出てるぜ王女様よぉ」

キャーリサ「くっ! だ、誰だお前は……」

上条「いや何となく……ん、キャーリサ……」 チュッ

キャーリサ「んっ! ……むぅ……チュプッ……ピチャッ……ふぁ……」

上条「好きだぞ……キャーリサ……」

キャーリサ「ん……はむっ……チュゥッ……わ、私も……」


アンッ…! 


上条「……ん?」

キャーリサ「……はぁ……んっ……ど、どーしたの、とーま……続きしよー」

上条「い、いや……」


アンッ! アァッ! ラメェエエエエ…!


キャーリサ「……な、何の声だ……」 アセッ

上条「…………」


アンッ! アンッ! イクッ! イッチャウゥゥウウウ…!!


キャーリサ「こ、これ……私達と同じように……」

上条「…………」 ダラダラダラダラ…

キャーリサ「お、おいとーま……?」


アハァッ! ラメェッ! トウヤサンスゴィィイッ!



287 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 06:03:09.72 ID:3uB6ZpMQo

キャーリサ「ま、まさか……」


コワレチャウゥゥゥウウウウウウ…! カアサンッ、ダスゾッ!

クダサィィッ! アツクテブットイ〇〇〇〇゚〇〇〇 ×××に ★★★シテェェェ! 

フタリメデキチャウゥゥゥウッッッ!


上条「うちの……親です」

キャーリサ「うわっ」

上条「……なんだろう……何か興奮が一気に冷めてしまった……」

キャーリサ(そりゃそーだろー……)

上条「ちくしょぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!
    あいつら隣にテメェの子供とその彼女がいるって分かってて何やってんだぁぁあああああああ!!!!!!!」

キャーリサ「うーむ……こ、これは……無理そーだな……ここが可愛くなってるぞ……」

上条「っ! ……申し訳ない。多分あの二人毎日のようにやるぞ……」

キャーリサ「い、いや……気持ちは分かる……うん。また後日でいーじゃない……私は逃げないから、な?」

上条「はい……あー……不幸だ……」



―おしまい―



290 : ◆S83tyvVumI :2011/04/16(土) 06:10:31.29 ID:3uB6ZpMQo
というわけでここで本編は終了となります。
ここらで占めておかないと際限も無さそうなので。
ネタをくれた人どうもありがとうございます。

これにて終わりですが、まだ若干書きたいものがあるので、もうしばらくこのスレ置いておきます。
学園都市に戻った後のキャーリサ様とかキャーリサ様とかキャーリサ様とか。
現在時間があまり取れないので、一〇日ほど経って全く書き溜めが増えていないようなら大人しくhtm依頼出してきますね。

何はともあれどうにか終わりました。
見切り発車の手さぐりでしたが、キャーリサ様が好きなように書けたのでそれで満足です。

ここまで付き合ってくれた方、ありがとうございました。
また近々お会いしましょう。それでは


288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/16(土) 06:07:36.93 ID:7awnHIIIO
刀夜さんもげろ乙


289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2011/04/16(土) 06:08:45.02 ID:f1urK4xAO
オチがひど過ぎるwwwwwwwwww


291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) :2011/04/16(土) 06:13:24.92 ID:XIDCfyYjo

学園都市に戻ったキャーリサ様楽しみに待ってます



293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/16(土) 06:14:34.27 ID:A0qitqmDO
乙だぁぁぁあああ!!!


308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2011/04/16(土) 15:43:11.17 ID:p+RII45V0
>>1乙
こんなにかわいいキャーリサ様に逢えて本当によかった!
ファンディスク的な日常パート期待してます!



316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) :2011/04/16(土) 18:39:10.28 ID:MnPpXC2AO
詩菜さんなら50歳60歳過ぎても子供産めそうな気がして怖い



332 : ◆S83tyvVumI :2011/04/21(木) 00:40:38.43 ID:3rMTtidro
番外編

【家事】


―――学園都市 上条宅


上条「……ふう、今日から久々の学校だな」

キャーリサ「10日ぶりくらいか?」

上条「だな。上条さんもう一生分の土下座しましたのことよ」

キャーリサ「頭下げて出席何とかなるなら安いものだし」

上条「そりゃそうだ。んじゃ行ってきまーす」

キャーリサ「とーまとーま。んー」

上条「お、おいおい。あっちにインデックスいるんだぞ……」

キャーリサ「だからこっそりだろ……ん」

上条「……しょ、しょうがないな……」

キャーリサ「チュッ……ふふっ、行ってらっしゃい」

上条「あ、ああ……」

キャーリサ「うん、しっかりな」

上条「……おう。出かける時はしっかり戸締りしろよ」

キャーリサ「分かったの」

上条「んじゃな」


ガチャッ バタンッ



333 : ◆S83tyvVumI :2011/04/21(木) 00:44:31.17 ID:3rMTtidro

キャーリサ「……ふふふ、我ながら良き妻になれそーだ」

キャーリサ「……さてと何しよー。公務も無いから暇なんだよなー」

禁書「あれ、とうまはもう学校?」

キャーリサ「うむ。とりあえず掃除でもするか? 両親公認の仲となった以上、妻として私はするが」

禁書「あ、私はスフィンクスのお世話をしてるから任せるんだよ」

スフィンクス「ナー」

キャーリサ「なんだ今日もか。仕方ないな、では私は掃除機掃除機……」 ガチャッ


ウィーン… ゴォォ…


キャーリサ「ぬー……学園都市と言えど全自動では無いとは。
        使用人もいないし、自分でやらないと駄目なんだな……」 ゴォォ!

禁書「おそうじろぼっとは個人じゃ高くて買えないんだって。よく分からないけど」

キャーリサ「ふむ……。おいインデックス、ちょっとそこを退け。
       スフィンクスの毛玉でえらいことになっているし」

禁書「冬の毛に生え変わったからだね。まったく、とうまもちゃんとお掃除してほしいんだよ」

キャーリサ「まったくだ……って、お前がやればいいんじゃないのか?
       どーせ日中暇だろ?」



335 : ◆S83tyvVumI :2011/04/21(木) 00:46:53.98 ID:3rMTtidro

禁書「私はスフィンクスの相手とか、テレビを見たりゲームをしたり、ついでにお祈りをしたりで忙しいんだよ。
    申し訳ないとは思ってるんだよ」

キャーリサ「なら仕方ない……のか? 釈然としないが、動物の世話も大事な仕事か……。
       ところでゲームとはテレビゲームのこと?
       私あんまりやったことないの。日本製のは面白いらしいからな、後でやってみたいし」

禁書「ここに入ってるんだよ」 ガチャッ

キャーリサ「うーん、配線がよく分からんな……」

禁書「これをこうしてこう……それからこうなんだよ!」 サッサッ!

キャーリサ「ほーう、大したものだし」

禁書「えへんっ! ゲームを出しっぱなしにしてるととうまに怒られるからね。
    私がいつも片付けてるんだよ」

キャーリサ「そーかそーか。よし、それで?」

禁書「電源を入れるだけだよ」

キャーリサ「おおっ! 映像が綺麗だな! これはどーやって遊ぶものなの?」

禁書「これは落ちゲーだから、同じ色のぷよを並べて消せばいいんだよ」

キャーリサ「落ち……ゲー? まーいい、やってみるし」 カチカチッ

禁書「せっかくだから対戦するんだよ」

キャーリサ「おっと、いかん。掃除を先に終わらせないと」

禁書「とうまが帰ってくるまでまだ時間もたっぷりあるし、後でいいんだよ」

キャーリサ「ふむ、それもそーか。では少しだけ……」



336 : ◆S83tyvVumI :2011/04/21(木) 00:49:31.92 ID:3rMTtidro


カチャカチャッ! ピコピコッ! ファイヤー! アイスストーム! バヨエーン! バヨエーン! 

ガシャーン、バタンキュー…


キャーリサ「くっ! お、お前強いなっ!!」

禁書「ふふーん、伊達に練習してないんだよ。今やもうとうまより強いんだから」

キャーリサ「負けるのは腹立たしーしっ! もう一度だ!」

禁書「返り討ちにしてやるんだよ!」


カチャカチャッ! ピコピコッ! ファイヤー! アイスストーム! バヨエーン!

ガシャーン、バタンキュー…


キャーリサ「むー……もー一回!」

禁書「負けず嫌いなんだね。望むところなんだよ」


カチャカチャッ! ピコピコッ! ファイヤー! アイスストーム! バヨエーン! バヨエーンバヨエーン!

ガシャーン、バタンキュー…


キャーリサ「な、何だ今の連鎖は! ぷよが画面外に消えてたじゃないか!」

禁書「実はあの上にもう一つ積めるんだよ。これが玄人というものなんだよ」

キャーリサ「ぐぬぬ……! もう一回!」

禁書「はいはい、何度やっても同じことなんだよ」



337 : ◆S83tyvVumI :2011/04/21(木) 00:51:27.46 ID:3rMTtidro


カチャカチャッ! ピコピコッ! ファイヤー! アイスストーム! バヨエーン! バヨエーンバヨエーン!

ガシャーン、バタンキュー…


キャーリサ「むむー……」

禁書「あ、そろそろお昼なんだよ」

キャーリサ「食べながらでいい。もう一回だ」

禁書「え、うん」


カチャカチャッ! ピコピコッ! ファイヤー! アイスストーム! バヨエーン! バヨエーンバヨエーン!

ガシャーン、バタンキュー…


キャーリサ「……」

禁書「も、もういいかな?」 ムグムグ

キャーリサ「……」 ピッ!

禁書「む、無言でリトライを押したんだよ……これはまずいかも」



338 : ◆S83tyvVumI :2011/04/21(木) 00:54:55.96 ID:3rMTtidro


カチャカチャッ! ピコピコッ! ファイヤー! アイスストーム! バヨエーン! バヨエーンバヨエーン!

ガシャーン、バタンキュー…


キャーリサ「…………ギリッ!」 ミシッ

禁書「キャーリサ、さすがに疲れてきたんd」

キャーリサ「……」 ピッ

禁書「……はい」


カチャカチャッ! ピコピコッ! ファイヤー! アイスストーム! バヨエーン! バヨエーンバヨエーン!

ガシャーン、バタンキュー…

カチャカチャッ! ピコピコッ! ファイヤー! アイスストーム! バヨエーン! バヨエーンバヨエーン!

ガシャーン、バタンキュー…

カチャカチャッ! ピコピコッ! ファイヤー! アイスストーム! バヨエーン! バヨエーンバヨエーン!

ガシャーン、バタンキュー…

カチャカチャッ! ピコピコッ! ファイヤー! アイスストーム! バヨエーン! バヨエーンバヨエーン!

ガシャーン、バタンキュー…


キャーリサ「何故勝てん……」 グスッ

禁書(な、涙目なんだよ……そろそろ接待プレイでもしてあげたほうがいいかも……)

キャーリサ「言っておくがわざと負けて私を愚弄するような真似は止めておいたほうがいーの。
        ……死ぬぞ?」

禁書「は、はい……なんだよ」 ビクッ

禁書(じゃあもうちょっと強くなって欲しいんだよ……正直センス無いんだよ……)



339 : ◆S83tyvVumI :2011/04/21(木) 00:58:49.03 ID:3rMTtidro


ガチャッ!


上条「ただいまー。今日も補習で遅くなっちまって悪いな。
    ん? 二人でゲームか。上条さんも混ぜてもらおうかなーっと」

キャーリサ「ハッ! と、とーまっ!!」

禁書「とうま……おかえりなんだよ……」 ゲソッ

上条「? インデックス何かゲソッとしてるな。お前ゲソはまずいぞゲソは。色んな意味で」

禁書「気にしなくていいでゲs……いいんだよ……」

キャーリサ「しまった……結局ゲームしてただけで一日が終わってしまった……」

上条「どうしたんだキャーリサ。OTLみたいな格好して」

キャーリサ「四つん這いで誘ってるの」

上条「え」

キャーリサ「じょーだんだし……とーま、こんな駄目な私を見捨てないで欲しーの……」

上条「?」

禁書「もうキャーリサとゲームはやりたくないんだよ……」 ゲソッ



340 : ◆S83tyvVumI :2011/04/21(木) 01:01:48.37 ID:3rMTtidro

―――よくじつ!


上条「んじゃ行ってきまーす」


ガチャッ バタンッ


キャーリサ「と言うわけで今日こそは掃除をする!!」

禁書「がんばるんだよ。応援してるんだよ」

キャーリサ「お前もやるか?」

禁書「私はスフィンクスの相手で忙しくて手伝ってあげられないんだよ。悪いとは思ってるんだよ」

キャーリサ「ふむ、なら仕方ないか……頑張るの」


ウィーン… ゴォォォオ…


『―――では続いてはアイドルの一一一さんの熱愛報道についてですが』


禁書「世の中惚れた腫れたで平和なんだよ」

スフィンクス「ナー」

キャーリサ「掃除機とはどーしてこーも私を振り回すのか……じゃじゃ馬め……ん? 何見てるの?」

禁書「朝のワイドショーなんだよ。これを見ないと世の中の動きについていけないんだよ」

キャーリサ「なるほど、確かにここ最近新聞もロクに読んでないし、よくない傾向だし。
       どれ……私も少し見ておくか」

禁書「あ、お茶とお煎餅がここにあるんだよ」

キャーリサ「気が利くな。もらおー」



341 : ◆S83tyvVumI :2011/04/21(木) 01:04:29.67 ID:3rMTtidro


『―――最近流行りのスイーツランキングの紹介ではティラミスとナタデココが……』


禁書「おいしそうなんだよ……」 ジュルリ

スフィンクス「ナー」

キャーリサ「う、うむ……食べてみたいし」

禁書「キャーリサも話せるクチかも」

キャーリサ「まー甘いもの普通に好きだしな」

禁書「じゃあ今度とうまにおねだりしてみるといいんだよ」

キャーリサ「しかしなー……金が無いと常日頃から嘆いてるあいつにそんなことは……。
        私の個人口座も迂闊に使うわけにもいかんし」

禁書「大丈夫なんだよ。キャーリサのお願いならきっととうまは断らないんだよ。
    だから私の分も一緒に頼んでね」

キャーリサ「そうか? ……ん、言うだけ言ってみるし」

禁書「キャーリサはお嫁さんの鑑なんだよ。表札に上条キャーリサって出すべきだね」

キャーリサ「そ、そんなに褒めるな。ほら、煎餅食べろ」

禁書「(計画通りなんだよっ!)」 ニヤッ



343 : ◆S83tyvVumI :2011/04/21(木) 01:06:44.05 ID:3rMTtidro


『――旦那がずっと家に帰ってこなくって』

『――奥さん、そりゃあんたが悪いよ』


禁書「お昼ご飯を食べながらみのさんを見るのはもはや日本の文化と言ってもいいかも」 ズルズル

スフィンクス「ハムッ! ハフハフッ!」 ガツガツ

キャーリサ「蕎麦が美味いな。にしても、どこの国も夫婦というやつは似たよーなものだし」 ズルズル

禁書「旦那も悪いけど、奥さんも奥さんなんだよ」

キャーリサ「私はこーはならないよーにしよー」


『――この泥棒猫! あの人を返して!』

『――あんたは豚よ! この醜い豚!』


禁書「食後はゴロゴロしながら夕方までドロドロ系の昼ドラを楽しむのが正しい居候の過ごし方なんだよ」 ゴロゴロ

キャーリサ「そーかそーか。この女怖いなー。
        んー、でも何か忘れてるよーな……」 ゴロゴロ



345 : ◆S83tyvVumI :2011/04/21(木) 01:10:00.09 ID:3rMTtidro


『――本日はご当地美味いもん特集ということで、ここ食い倒れの街大阪に』


禁書「またワイドショーで世の中の情報を集めないとね」

キャーリサ「確かにこれならば世界情勢に遅れを取ることは無いの……か?
        何か違う気がするの」

禁書「気の所為なんだよ。ほら、たこ焼きが美味しそうなんだよ!」

キャーリサ「お、これはこの前食べたの!」

スフィンクス「zzz…」


ガチャッ!


上条「ただいまー」

キャーリサ「あ」

上条「ん?」

キャーリサ「……またやってしまったの……」

上条「どうした? って、掃除機今日も出しっぱなしだぞ。掃除してくれるのはありがたいけど、ちゃんと片付けといてくれよ」

キャーリサ「すまんかった……愚かな私を殴ってくれ。あらん限りの罵倒をぶつけても構わないし」

上条「い、いやそこまでしなくても……」

禁書「おかえりーとうま。お腹が空いたんだよ」

上条「はいよ。すぐ飯作るからなー」 テキパキッ

キャーリサ「! 手慣れているの……」



346 : ◆S83tyvVumI :2011/04/21(木) 01:11:38.77 ID:3rMTtidro

禁書「あ、キャーリサがデパ地下のスイーツが食べたいって言ってたんだよ」

キャーリサ「! い、いやそれは……違うんd」

上条「そか? また金がある時にでも買ってきてやるよ」

キャーリサ「!?」

禁書「わーい」

キャーリサ「……」 ジー

上条「ん?」

キャーリサ「……」 ジー

上条「な、なんでせうか……」

キャーリサ「尊敬の眼差しだし……惚れ直しているところだ。お前、すごい奴だったんだな……」

上条「え、えー……?」

キャーリサ「明日から本気出すし! 愛してるぞとーま!」

上条「?」



347 : ◆S83tyvVumI :2011/04/21(木) 01:13:28.16 ID:3rMTtidro


――よくじつ!


キャーリサ「今日こそはやる! 掃除くらいこなせずして何が王女か! 何がキャーリサか!
       風呂場の排水溝まで美しく磨き上げてやるの!」 フンスッ!

禁書「キャーリサー。スフィンクスが公園に散歩に行きたいって言うから行ってくるんだよ」 スタスタ

キャーリサ「待てい」 ワシッ

禁書「わっ! きゅ、急に引っ張らないで欲しいかも……!」

キャーリサ「お前今までシレッとした顔で言ってたがおかしーぞ。
       この私が掃除に励もうと言うのだ。お前も手伝え。同じ居候だろ。
       いーか? 今日の私は本気だ! 今日こそ私と共に」

禁書「公園で近所の奥さま達と情報を交換するのも妻の役目なんだよ」

キャーリサ「なんだとっ!! ぐぬぬ……確かに姉上が市井に紛れてそんなこと言ってたな。
       で、ではその役目はお前では無く妻である私がやる。
       もう一度言うが、偉大なる妻である私がやる」

禁書「じゃあ私は室内でゴロg……スフィンクスの相手をしているからキャーリサにお任せするね」

キャーリサ「任せておけ。行ってくるし!」 ダッ!



348 : ◆S83tyvVumI :2011/04/21(木) 01:16:10.30 ID:3rMTtidro


――学園都市 公園


キャーリサ「来たはいーが……」


少年A「わーい! 鬼さんこちらー!」

少年B「びえーん!!」

教師「はーいB君泣かないの。男の子でしょー」

幼女C「Dちゃんおままごとしましょー」

幼女D「いいわよー、あたしペット役やるー!」


キャーリサ「幼稚園児しかいないし……よく考えたら学園都市は親許を離れてきてる奴がほとんどなんだから近所の奥さま自体が稀だろー……。
        ちっ! インデックスめ、図ったな。帰って説教してやるし」

幼女E「お姉さん、こんなところで何してるの? がっこーは?」

キャーリサ「ん……?」

少年F「おーいE子何やってんだよー。あれ、このおばさんだれー?」

キャーリサ「おばっ! ……お姉さんだし。まだ一応……一応……」

幼女G「お姉さんがっこー行かなくていいの? あ、分かったちこくしたんでしょー!
     いけないんだー!」

キャーリサ「お、お姉さんは学校には行かなくていーの」



349 : ◆S83tyvVumI :2011/04/21(木) 01:20:12.40 ID:3rMTtidro

少年H「おまえらばっかでー。このおばさんはけんきゅうしゃなんだよ。
     どう見たって大人だろー」

キャーリサ「だからお姉さんと言え。そこは譲らんぞ……絶対」

少年I「ちげーよ。きっとこれからかれしとデートなんだぜー! 
    よくうちのねーちゃんがっこうサボってデートしてたもん」

幼女E「えー! デート!? すごーい! どんなところ行くのー?!」

キャーリサ「う、うん?」

教師「ああっ! ご、ごめんなさい! ほらあなたたち、お姉さんのご迷惑でしょ。
    すみません、ちょっと目を離した隙に……」

キャーリサ「いや構わないが……この辺りの幼稚園か?」

教師「ええ、すぐそこの」

キャーリサ「そーか」

キャーリサ(……私より全然年下なのに立派に働いているとは……なんだか自己嫌悪だし……)

教師「?」

少年F「ねえねえおばさん! 今からデートなんだろー! 行かなくていいのかよー!
     おとこに逃げられちまうぜー!」

教師「こ、こらっ! す、すみません……ほらみんな行くわよ」

キャーリサ「ほー、何だ少年。 お  姉  さ  ん  に気があるの? いやまあ何だ。
       お  姉  さ  ん  は彼氏に愛されてるから逃げないの」

幼女G「すごーい! ねえねえもっとくわしく教えて!」

キャーリサ「……最近の子供はマセてるな……。
       そ、それより子供らしー遊びをしてろ!」



350 : ◆S83tyvVumI :2011/04/21(木) 01:21:28.60 ID:3rMTtidro

幼女E「じゃあお姉さんいっしょに遊んでー!」

キャーリサ「わ、私が?」

教師「こらこら。ご迷惑でしょ。いい加減にしなさい」

キャーリサ(待てよ? 考え様によってはこれはチャンスではないの……?
       学園都市は学生の街だ。教師ともなればそれなりに情報も持っているだろーし、
       貴重な話が聴けるかもしれない……
       このまま何事も成さず帰るのもしゃくだしな……よし)

幼女G「えー、お姉さんと遊びたーい」

少年F「しかたねーからおれたちが遊んでやるよ」

教師「だーめ。お姉さんは用事があるの」

キャーリサ「あ、あの……」

教師「はい?」

キャーリサ「実は―――」



351 : ◆S83tyvVumI :2011/04/21(木) 01:22:57.28 ID:3rMTtidro


―――学園都市 住宅街


上条「~♪」

土御門「カミやんご機嫌だにゃー。今日は補習が無いからか?」

上条「いやまあほら、アレですよ」

土御門「あ分かった。別に聴きたくは無いぜい」

上条「話ふっといてそりゃねえだろ」

土御門「オレはカミやんの惚気話にだけは耳を傾けるなって死んだ婆ちゃんの遺言で言われてるんだにゃー」

上条「よく分かったな惚気だって」

土御門「そりゃもう。で? 同棲始まってもう何日か経つけど、ヤリまくりか?」

上条「いやインデックスいるし」

土御門「いやいや、そんなのは言い訳に過ぎないぜい。やろうと思えばどこでだって出来る」

上条「どこでも……」 ゴクリ

土御門「うちの寮って壁厚かったかにゃー。声は抑え目で子作りに励むんだぜい」

上条「子作りってそんな……ん? 公園が騒がしいな」

幼女G「ママー! お腹すいたー、ご飯にしましょー」

キャーリサ「パパが帰ってくるまで待つの。お前達、お風呂が沸いているから先に入ってくるといーし」

幼女H「ママと一緒がいい!」

キャーリサ「私はパパと入るの!」



352 : ◆S83tyvVumI :2011/04/21(木) 01:24:19.41 ID:3rMTtidro

上条「」

土御門「カミやん……いつの間にキャーリサとの間にあんなでかい子供こさえたんだ……?」

上条「し、知らん! 上条さんは身に覚えが無いですのことよ!」

キャーリサ「お、とーまか」

幼女H「ママー、あの人はー?」

キャーリサ「パパだ」

幼女G「パパー!」

幼女H「パパおかえりー!」

上条「知らない子供たちにパパって呼ばれる恐怖ハンパじゃないです……」

土御門「身に覚えがないなら平気だろ?」

上条「そうだけど、こう……周囲の視線が痛い」

キャーリサ「とーま、おかえり。今から帰るところか?」

上条「あ、ああ。お前何やってんの?」

キャーリサ「ん? 実はな、幼稚園の教師に学園都市のことを色々聴いてたんだが……
       気が付くと一日幼稚園でバイトすることになってた」

上条「あ、じゃ今のおままごとだったか……」 ホッ

土御門「そりゃそうだろ」

上条「気づいてたなら言えよ!」

土御門「フツー気付くと思うんだけどにゃー」



353 : ◆S83tyvVumI :2011/04/21(木) 01:25:44.44 ID:3rMTtidro

幼女G「ママー、もう帰っちゃうの?」

キャーリサ「仕事は五時までだからな。お前達を寮まで届けたらさよならだし」

幼女H「また遊んでくれる?」

キャーリサ「ああいーぞ。今度はパパも一緒だ」

上条「え、上条さんも?」

キャーリサ「いやー、子供はかわいーぞー。私も子供欲しくなってきたなー」 チラッチラッ

上条「っ!」 ドキッ

キャーリサ「とーまとーま」

上条「は、はい?」

キャーリサ「(ふふっ、今夜あたり本当に作るか?)」 ヒソッ…

上条「えっ!」

キャーリサ「なんてな!」

幼女G「あー! ママがないしょ話してるー! いけないんだー!」

幼女H「なんて言ったのー! 教えて教えてー!」

キャーリサ「ふふーん、パパとママの秘密だし」

幼女G「ずるーい」

キャーリサ「ずるくない! よーし帰るぞお前達。門限の時間だし。
       ではなとーま、先に帰っていてくれ」

上条「あ、ああ……」



354 : ◆S83tyvVumI :2011/04/21(木) 01:26:52.66 ID:3rMTtidro

幼女H「おーてーてつないでー♪」 ブンブン

幼女G「みなかえろー♪」 ブンブン

キャーリサ「カラスが鳴くからかえりましょー♪」

幼女H「あ、お姉さんそのお歌覚えたんだね!」

キャーリサ「お前達に教えてもらったからな。王女の記憶力はロイヤル級だ」

幼女G「お姉さんおひめさまなのー?」

キャーリサ「元な」

幼女H「私もおひめさまになりたーい!」

キャーリサ「お前達はそんなものよりもっといいものになれるさ」

幼女G「えーなにそれー!」

キャーリサ「お嫁さんだし!」

幼女H「なりたーい!」

キャーリサ「おーなれるとも! 私もなりたいし!」


ワイワイッ キャピキャピッ! スタスタスタ…


土御門「な……何なんだ一体」

上条「めちゃくちゃ馴染んでやがる……」

土御門「意外な特技だにゃー……」



355 : ◆S83tyvVumI :2011/04/21(木) 01:28:51.63 ID:3rMTtidro

―――学園都市 上条宅


バンッ!


キャーリサ「また忘れていたしっっっ!!!!!」

上条「何だ突然帰って来るなり」

禁書「遅いんだよキャーリサ。どこまで行ってたの?」

キャーリサ「そもそも元はと言えばお前が! ……まーいいの。おかげでなかなか得難い体験が出来たし」

上条「お疲れさん。どうしたんだここ3日くらい変だぞ?」

キャーリサ「い、いやその……実はだな――」


かくかくしかじか!


キャーリサ「というわけで居候として本格的に世話になる訳だし、食客としてだらけているのも居心地が悪いので何かしよーかと思ったの……」

上条「キャーリサ、お前……」

キャーリサ「だが駄目だな。どうにも上手くいかなかった……」

上条「いいんだよ、キャーリサ。その気持ちだけで十分だ」

キャーリサ「とーま……」

上条「はは……ま、まあゆっくりがんばっていこうぜ。
    掃除とか洗濯やってもらえると確かに助かるしさ」

キャーリサ「うん……がんばるの……」 ギュッ



356 : ◆S83tyvVumI :2011/04/21(木) 01:31:25.07 ID:3rMTtidro

禁書「むー……なんだかいい雰囲気なんだよ……」

上条「じゃあ明日からとりあえず掃除はキャーリサとインデックスに任せるよ」

禁書「えっ! 私も!?」

上条「当たり前だろ。お前とキャーリサは同じ居候なんだからさ」

禁書「何だか言い方に差を感じるけど……同じってことなら……まあいいんだよ」

上条「ん?」

禁書「同じ居候ってことは、私もここにいていいんだよねとうま?」

上条「? 当たり前のこと何今更」

禁書「当たり前……」

キャーリサ「何だお前、私達に気ぃ遣ってるの? 慣れないことは止せインデックス」

上条「そうだぞ。いつものふてぶてしさはどうしたんだよ」

禁書「……それは余計なひと言かも。まあでも、そこまで言うなら居てあげてもいいんだよ!」 フンスッ!

上条「その調子その調子」

キャーリサ「単純で可愛いやつだな」

禁書「むぅ……子ども扱いされてる感が否めないかも。
    よし、もう怒ったんだよ! インデックスの本気ってやつを明日から見せてあげるんだから!」

キャーリサ「望むところだし。とーま、家のことは私達に任せて安心して学校へ行くといーの」

上条「ははは、頼りにしてますよ」

上条(インデックスとキャーリサの仲がちょっと心配だったけど、これなら大丈夫そうだぞ。
    しかも家事の負担まで減ってインデックスをお手伝いに目覚めさせるなんて……小さな幸せみつけましたのことよー。
    明日から楽しみだな、うふふ)

キャーリサ・禁書「「?」」



357 : ◆S83tyvVumI :2011/04/21(木) 01:33:30.66 ID:3rMTtidro
よくじつ!


上条「ただいまー! ……あれ、二人ともいないのか?」

スフィンクス「ナー」

キャーリサ「……」

禁書「……」

上条「あれ、二人とも風呂場で何やって……うっ!」

キャーリサ「とーま、すまんかった」

禁書「わ、悪気はなかったんだよ」

上条「こ、このガレキの山は一体……」

キャーリサ「気合を入れて掃除したら風呂場が空爆後の市街のよーになった」

禁書「が、がんばった結果なんだよ!」

上条「……」 プルプル…

キャーリサ「その……何だ。うん、ちょーど銭湯に行きたいと思ってたころなんだ」

禁書「それいいかも! 私も行きたいんだよ! そうしよう! ね! とうま!」

上条「…………」 プルプル…

キャーリサ「そ、そーだ! 混浴だ! また背中を流してやるぞとーま!」

禁書「そ、そうだね! 私も水着を着てなら構わないんだよ! だから元気出してとうま!」

上条「い、言いたいことは……それだけか……?」

キャーリサ「!」

禁書「!」

キャーリサ「あー……うん、まあアレだし」

禁書「そ、そうだね。アレなんだよ」

キャーリサ「ドンマイとーま!」

禁書「元気出すんだよ!」



上条「不幸だぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



358 : ◆S83tyvVumI :2011/04/21(木) 01:34:19.44 ID:3rMTtidro
おそまつでした。
ではまた次回!


360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/04/21(木) 01:40:38.01 ID:xsOCH2Nlo
次回にも期待


361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/21(木) 01:49:00.59 ID:u57MKz5h0
乙!すばらしかった!


367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) :2011/04/21(木) 05:18:01.85 ID:NAZm3CqE0
>>1 乙
インさんニートすぎる・・・
それに比べてやろうという意志のある軍事のキャーリサは格が違った



362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/21(木) 01:56:33.98 ID:dqfnOalDO
流石はキャーリサ様だ!
幼稚園児と馴染めるとは

やはり保母や保育士が天職なのですね!




次→キャーリサ「家出してきたし」上条「帰って下さい」その8

関連記事

禁書目録SS   コメント:21   このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント一覧
6274. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/04/25(月) 19:41 ▼このコメントに返信する
久々に良スレ見た気がする。 お疲れさまでした!! 次回作も期待します(*´∀`*)
6277. 名前 : 名無し@SS好き◆VBuD5iCI 投稿日 : 2011/04/25(月) 20:35 ▼このコメントに返信する
えんだあああああああああああああああああああああああああ!!!!
6278. 名前 : 名無し@SS好き◆VBuD5iCI 投稿日 : 2011/04/25(月) 20:38 ▼このコメントに返信する
えんだあああああああああああああああああああ!!!!!
6279. 名前 : 名無しさん◆- 投稿日 : 2011/04/25(月) 22:03 ▼このコメントに返信する
えんだあああああああああああああああああああ
6281. 名前 : 名無し@SS好き◆JalddpaA 投稿日 : 2011/04/25(月) 22:08 ▼このコメントに返信する
いあああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!
6285. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/04/25(月) 23:02 ▼このコメントに返信する
うぃるおおおおおおおおおおおおおおるうぇいず!!!!
6290. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/04/26(火) 00:06 ▼このコメントに返信する
らぁああああああああああう゛ぃゆううううううううううううう!!!!
6291. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/04/26(火) 00:08 ▼このコメントに返信する
らぁああああああああああああう゛ぃゆうううううううううううう!!!
6293. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/04/26(火) 00:35 ▼このコメントに返信する
にやにやが止まらない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
6297. 名前 : chemis◆GgoiIYCg 投稿日 : 2011/04/26(火) 02:04 ▼このコメントに返信する
まずは大団円おめでとうございます。
今日は夜更かししないようにと思っていたのですが、その4~最後まで一気読みしてしまいました。
最後にキャーリサ様が幼稚園で働いていますが、年齢差カプということで超電磁砲を思い出させますね。
キャーリサ様が保母さんならば、上条さんはさしずめオッレルスのようなハメルーンのチャルメラ吹きにでもなりそうです。

作者様、管理人様、素晴らしいSSを読ませていただき、ありがとうございました!
6309. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/04/26(火) 15:45 ▼このコメントに返信する
続きます……だと……?
6332. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/04/27(水) 00:49 ▼このコメントに返信する
叫びたい気持ちはよくわかるw
6337. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/04/27(水) 11:02 ▼このコメントに返信する
これって「麦野は今、恋をしているんだね」の人でしょ?
よほどの年上好きと見えますなw
6345. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/04/27(水) 17:22 ▼このコメントに返信する
なんだこの名作は…
登場人物全員活躍できてるじゃないか
しかもキャーリサと上条さんは可愛いしニヤニヤできるしなんだこれ最高だ!!
6355. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/04/27(水) 22:24 ▼このコメントに返信する
いや、素晴らしかった!!
キャーリサかわいすぎ!その他も全部よかった!!久々の良SSでした!
6357. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/04/27(水) 23:13 ▼このコメントに返信する
振り回すデレ・・・「振(シン)デレ」誕生の瞬間である
6360. 名前 : 名無し@SS好き◆QfU8/X0I 投稿日 : 2011/04/28(木) 00:05 ▼このコメントに返信する
麦恋の人なのか・・・確かにエロ描写が生殺しな部分とかはそうだなw
6396. 名前 : 放アニ@名無しさん◆- 投稿日 : 2011/04/29(金) 14:09 ▼このコメントに返信する
ちょうどウィリアム王子結婚という
グッドタイミング

アックア結婚かー
6399. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/04/29(金) 19:01 ▼このコメントに返信する
ウィリアム王子とキャサリンさん(29)がご結婚です
7071. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/05/18(水) 14:09 ▼このコメントに返信する
続きます・・・だと・・・!?
全裸で正座して待ってます。
9649. 名前 : 優柔不断◆- 投稿日 : 2011/07/22(金) 00:29 ▼このコメントに返信する
1から一気読みした
いやァ面白かった!おつかれッス!
コメントの投稿