キャーリサ「家出してきたし」上条「帰って下さい」その8

2011-05-20 (金) 08:02  禁書目録SS   0コメント  
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404 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 21:36:23.41 ID:FN11A2vCo
皆さんこんばんは。番外編その2です。
では投下していきますね



406 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 21:37:53.61 ID:FN11A2vCo

―――第七学区 大通り


ワイワイワイワイ… ガヤガヤガヤガヤ…!

スタスタスタスタ…


上条「えーっと……これで大体買い物は終わったかな」

キャーリサ「うん。今日はじゃがいもが安く買えたな」

上条「キャーリサも特売戦争で安定した戦果をあげられるようになったし、買い物が楽になったよ」

キャーリサ「そ、そーか? ふふっ、私も一人前の戦士という訳だな。王女なのに」

上条「ははは、嬉しそうだな……ん? どーしたキャーリサ」

キャーリサ「ん? あ、い、いや……」

上条「あの服屋がどうかしたか?」

キャーリサ「んー、何でも無い。帰るぞとーま」

上条「見なくていいのか?」

キャーリサ「そんなものに使う金は無いだろー」

上条「いやちょっとくらいなら別に」

キャーリサ「いーったらいーの。インデックスが腹を減らして待ってるし。行くぞ」

上条「? まあいいならいいんだけど」



407 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 21:40:37.40 ID:FN11A2vCo
――よくじつ!!


ペラッ ペラッ


キャーリサ「……」 

禁書「~♪」

スフィンクス「ナー」

キャーリサ「……むー……」 ペラッ…

禁書「ん? ……あれ、何読んでるのキャーリサ?」

キャーリサ「あ、これか? 昨日古本屋で見つけたファッション雑誌だし。
        先月号250円だ。安いの」

禁書「お洋服がいっぱい載ってるね」

キャーリサ「そりゃファッション雑誌だからな」

禁書「とうまあんまりお洋服買ってくれないんだよ。
   まあ私はこの歩く教会があるからいいんだけど」

キャーリサ「壊れてるんだろ?」

禁書「こ、壊れてるけどシスターとして修道服は欠かせないんだよ」

キャーリサ「私もそーいうのがあればなー」

禁書「? 欲しいお洋服でもあるの?」

キャーリサ「んー……まーそーだな。どれが欲しいという訳でも無いけど」

禁書「何だかはっきりしないかも」

キャーリサ「そりゃ欲しいさ。正直買い物は好きだし、化粧品や下着類も消耗品と言っていい。
       でも、言い出せるか? とーまは学生で、両親から仕送りもらってる身だぞ?
       そんな奴に服買ってくれなんて言えるわけが無いだろー」



408 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 21:42:36.53 ID:FN11A2vCo

禁書「それはそうかも……だからその本ベッドの下に隠してたの?」

キャーリサ「これ見よがしに置いてたらイヤミったらしーだろ?
       別に要求してるわけじゃないのに変に気を遣われても嫌だしな」

禁書「なるほどなんだよ」

キャーリサ「別に高級なものじゃなくていーの。前一度連れていってもらったセブンスミストだっけか?
       あそこなんか安くて可愛いのがたくさんあったし……」

禁書「なかなか深刻な悩みだね。ここはシスターとして相談に乗るんだよ」

キャーリサ「お前に金の相談してもなー……」

禁書「むぅ……それは心外かも。私だって人の話を聞いて助言することくらい出来るんだから」

キャーリサ「じゃあお前が私の服買ってくれるの?」

禁書「それは……無理だけど」

キャーリサ「だろー? ……ちょっと学園都市での生活にも慣れてきたし。ここは一つアレやるか」

禁書「アレ?」




キャーリサ「バイトだし」




番外編

【バイト】



409 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 21:49:10.73 ID:FN11A2vCo

―――とある高校 教室


ワイワイワイ…! ガヤガヤガヤ…!

ペラッペラッ…


上条「うーん……」

姫神「上条くん。帰らないの?」

上条「あ? おう、帰る帰る」 ゴソゴソ

姫神「あれ。今のって女の子向けのファッション雑誌じゃない?」

吹寄「姫神さん、一緒に帰りましょ……って上条当麻、貴様がファッション雑誌って本当?
    槍でも降るんじゃないかしら」

上条「どうせ上条さんには似合いませんのことよ。ほら、帰ろうぜ」

姫神「誰かにプレゼントするの?」

上条「ん? 何が?」

姫神「雑誌見てたから」

上条「あー……プレゼントって言うか、やっぱ俺が稼いで買ってやらないと駄目だよなーって」

吹寄「? 何よ貴様。恋人でも出来たの?」

上条「実はそうなんだ。年上でさ」

姫神「そんなの聞いてなかった!!!!」

上条「! え? ご、ごめん……?」 

吹寄「! ……ど、どうしたの……?」

姫神「ごめんなさい。取り乱した」



411 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 21:51:52.49 ID:FN11A2vCo

吹寄「……ゴホンッ、じ、じゃあ貴様はその恋人に渡すプレゼントを雑誌から選ぼうとしてたってこと?」

上条「まあそうなるかな」

吹寄「本人にどれが欲しいか聞けばいいじゃない」

上条「最悪そうしようかなと思うけど、やっぱ内緒で選んだものの方が嬉しくないか?」

姫神「確かに。私のことを考えて選んでくれたんだと思えば。宝物になる」

吹寄「そう? どう使えばいいか分からないようなものを渡されるよりは、この中のどれがいい? みたいな感じで選ばせてもらったほうが嬉しいけど」

上条「かー……これだから吹寄は」

吹寄「な、何よ上条当麻! 貴様にため息つかれる謂れなんてないわよ!」

上条「わ、悪い悪い。で、ちょっと参考までに聴きたいんだけど、女の子って月にどれくらい服買うの?」

姫神「? 平均すれば3000円から5000円くらいかな。でも買わない時もあるし、冬はもう少し高くついたりすることもある」

吹寄「私もそれくらいね。服とか化粧品なんかより通販に使う方が多いけど。女子高生なら高くても10000くらいまでが一般的らしいわよ」

上条「うーん……それくらいなら何とかなるか……?」

吹寄「ちょっと待ちなさい上条当麻。貴様さっき恋人は年上だと言ったわね。その人は何歳なの?」

上条「えーっと……28歳だったかな」

吹寄「28ぃっ!? はぁっ!?」

上条「そんなに驚くことか?」

姫神「正直想像の斜め上だった」

上条「っつかお前らも一回見たろ、この前学校来てたキャーリサだよ」



412 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 21:54:50.81 ID:FN11A2vCo

吹寄「え、あの人なの!?」

姫神「? キャサリンって言ってなかった?」

上条「あ……ま、まあいいじゃねえか。それ間違い。キャーリサキャーリサ」

姫神「?」

上条「で、吹寄。キャーリサの年齢が何か関係あるのか?」

吹寄「おおいにあるわ。言っておくけど、今言った金額は私達女子高生の平均だからね。
    当然社会人である20代の女性ならその額は上がるのよ」

上条「あ」

吹寄「はぁ……まったく、そのくらいのことも考えつかなかったの?」

上条「ち、ちなみにいくらくらい?」

吹寄「まあ倍くらいと考えておけばいいわ。もっとも、ブランド志向の人だと金額はさらに跳ねあがるけど」

上条「やっぱ王室御用達じゃないと駄目なんだろうか……」

吹寄「どこの貴族よ」

上条「王族なんだよ」

吹寄「はぁ?」

上条「い、いや……」

姫神「上条君。さっきの雑誌見せてもらってもいい?」

上条「? ああ、いいよ」

姫神「ありがとう。……あれ。これって」



413 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 21:56:23.95 ID:FN11A2vCo

上条「ん?」

吹寄「なっ! これ5年も前のじゃない! 何なのこれ!」

上条「え、何か問題あったか?」

姫神「ファッションはとてもサイクルが速いの。だから去年のならまだしも。5年も前の商品を参考に選ぶなんてありえない」

上条「そ、そうなのか……」

吹寄「そもそも店頭に無いでしょ」

上条「いやだから似たようなやつをだな」

吹寄「定番化してるものはともかくとして、せめて参考くらいは新しいのにしなさい」

上条「そうだったのか……昨日キャーリサと古本屋行った時こっそり買っといたんだけど、失敗したなぁ……」

吹寄「まったく貴様は……。雑誌なら明日新しいの持ってきてあげるからそれを見なさい」

上条「マジですか」

姫神「よかったら私のも。系統や年齢によっても読む雑誌違うと思うし」

上条「難しいんだな……ま、とにかくありがとな。ちょっと考えてみるよ」

姫神「せっかくだから一緒に選んでもいいよ」

上条「お、本当か? じゃあお願いしようかな。女の子の意見聞いた方が確実だし」

姫神「任せて」



414 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 21:59:35.80 ID:FN11A2vCo
――上条宅


ガチャッ…


上条「ただいまー」

キャーリサ「おー、おかえりとーま!」

禁書「おかえりなんだよ」

上条「ん? 二人で何見てんだ?」

キャーリサ「求人情報誌(タウンワーク)だし」

上条「バイトでもすんのか?」

キャーリサ「うん。ちょっと家事にも慣れてきたしな」

上条「浴槽ぶっ壊した奴が何を言ってんだ……」

キャーリサ「そ、それは結局私じゃなくてガス管の所為だったから無料で直してもらえたじゃない……」

上条「だな。冗談だよ、ごめんごめん。ま、バイトするのは良い事だし、頑張れよ」

キャーリサ「うん。いつまでもお前に養ってもらうだけでは肩身が狭いしな」

禁書「何だか胸に刺さるんだよ……」

上条「インデックスも一緒にやったらどうだ?」

禁書「わ、私はシスターとして天にまします我らが主に生活の全てを捧げないといけないから他のお仕事は出来ないんだよ」

上条「お前が捧げてんのはテレビと飯と猫だろ」

キャーリサ「なー、それでとーま相談なんだが。私もインデックスも正直日本のバイトの待遇や条件には疎い。
       この中で私でもできそーな仕事無いか見てくれないか?」

上条「ああ、いいよ。ちょっと貸してくれ……えーと……」 パラパラ…



415 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 22:03:09.46 ID:FN11A2vCo

キャーリサ「給料が高くて休みが多くて残業が無くて交通費諸々支給の上、ついでに簡単な仕事がいいの」

上条「そんなもんねぇよ」

キャーリサ「分かってるの。言ってみただけだし」

上条「この前ちらっと手伝ってた幼稚園は駄目なのか?」

キャーリサ「いやー、嫌いでは無いんだが、土日も休みがほとんど無いらしーの。
       とーまと休日をゆっくり過ごしたい私としてはちょっとな……」

上条「そっか。じゃあ他の線で探すか」

キャーリサ「むー……そこはもうちょっと感動するところだし」

上条「え?」

キャーリサ「何でもないし!」

上条「?  あ、これなんかどうだ? スーパーのレジ。給料も悪くないし、もしかしたら余った惣菜とかもらえるかも。
    コンビニよりは一人で覚える仕事も少なそうだしな」

キャーリサ「ほーう、家計の助けになるならそれもいーか。よし、早速電話するし!」 ピッ

上条「おう、ってかその携帯って王室の?」

キャーリサ「そーだ。盗聴対策に加え世界中どこに居ても繋がる衛星通信。魔術的手段による電波妨害、傍受等にも対応しているの」

上条「電話代高いんじゃないか」

キャーリサ「……」

上条「やっぱそうか」

キャーリサ「啖呵をきって出てきた以上通話料も自分で払わないと駄目だな……。これは解約しよー……。
       とーま、バイト代入ったら自分で買うから電話貸してくれないか?」

上条「おう。ってか本体なら0円携帯あるから、明日それ買いに行くか」



416 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 22:08:29.34 ID:FN11A2vCo

キャーリサ「う、うん……では気を取り直して」 ピッ


trrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr


キャーリサ「あ、タウンワークでバイト採用の情報を見た者だが、担当者はいるか」

禁書「……めちゃくちゃ偉そうなんだよ」

上条「……こりゃ駄目かも……」

キャーリサ「ん? ああ。……ああ。うむ、キャーリサだし。苗字? 
       キャーリサ=ウィンザーだ」

上条「キャーリサってそんな名前だったのか」

禁書「英国王室はとうま達みたいに一般的な意味でのファミリネームとは少し違うんだよ。
    今の王室はウィンザー朝だから、家名のことだね」

キャーリサ「うむ、英国人だが……おい、募集要項に日本人限定など書いてなかったぞ。
       そーだ、臨機応変な兵を私は重用するし。
       うむ……了解したの。ではよろしく頼むし」 ピッ

上条「何だって?」

キャーリサ「明日面接だそーだ」

上条「よくあの口調でいけたな」

キャーリサ「何だかしきりに謝られたし」

禁書「圧倒されただけのような気がするんだよ」

上条「うまくいくといいな。後せめて敬語使えよ。うちの親と喋ってた時は出来てただろ」

キャーリサ「それをお前が言うか。……まーそーだな、いまいち使い慣れないが、善処しよー」



417 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 22:10:19.27 ID:FN11A2vCo

――第七学区 スーパー


ワイワイワイ… ガヤガヤガヤ…


キャーリサ「とーま! 何とか合格して早速働くことになったの!」

上条「そ、そうか。まさか学校帰りにスーパー寄ったら店員がキャーリサだとは……」

キャーリサ「どーだ、私のエプロン姿は。そそるか?」

上条「とても素敵です」

キャーリサ「よーしよし。お前がいー子にしてたら裸エプロンしてやるからな。
       好きだろ?」

上条「いや好きだけど恥じらいがある方がいいです……」

キャーリサ「う、うん。実際やるとなったら結構ドキドキするから安心せよ」

上条「よく分からんけど、ま、がんばれよ」

キャーリサ「おー! ではまた後でな」

上条「おう」

キャーリサ「おい店長! しっかりと私に仕事を教えよ!」

上条「……大丈夫なのかあれで……」



418 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 22:12:37.75 ID:FN11A2vCo

―――


店長「というわけで、キャーリサさんの教育担当になる絹旗さんだ」

絹旗「どうも、絹旗最愛です。モアイって呼んだら超殺します」

キャーリサ「おー、よろしく頼むぞモアイ」

絹旗「うがぁあ!! 何ですかこの人は!!!」

店長「は、はは……まあ仲良くね。じゃ、あとよろしく」 フラー…

絹旗「? 何だか店長元気なかったですね」

キャーリサ「あまりに非効率的な仕事をしていたから指導してやったの」

絹旗「何モンですかあなたは……」

キャーリサ「部下を持つ管理職と指揮官としての器が知れたな。
       で、モアイ、お前はこのバイトを初めて長いのか?」

絹旗「いえ? 日中超暇なので社会経験にと思って最近始めただけですよ。
    中学生雇ってくれるとこなかなかないですし」

キャーリサ「そーか。なのに教育係とは、優秀なのだな」

絹旗「というか、超すぐ人が辞めていくんですよね……。だから私も入れたんですけど」

キャーリサ「な、何故だ! 陰険なお局やセクハラ上司でもいるのか?
       軽く斬っといてやろーか?」

絹旗「いえ、その程度なら私が超ぶちのめしてます。そうじゃなくて……
    あ、いきなり驚かせるのは止めておいたほうがいいですね。
    とにかく、変わったお客が来てもめげないでください」

キャーリサ「?」

キャーリサ(確かに他のバイトの連中も研修中の札を張ってる奴ばかりだな。
        妙な客でも来るの……?)

絹旗「では早速レジの使い方から教えますよ。まずは私と一緒にレジに入って下さい」

キャーリサ「うむ、頼むし」



419 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 22:14:36.94 ID:FN11A2vCo

―――


絹旗「超ありがとうございましたー」

キャーリサ「また来るがいーの」

絹旗「ふう、キャーリサさんですか。あなた超物覚えがいいですね。
    もう一人でも大丈夫なんじゃないですか?」

キャーリサ「王女の学習能力を甘く見てもらっては困るし。……テレビゲームは苦手だが」

絹旗「? ただ言葉づかいもう少しどうにかなりません? 
    超外人さんなのでお客さんにも許されてるところありますけど……」

キャーリサ「いや使おうという気持ちはあるんだが……なかなかな」

絹旗「はぁ……まあ少しずつでいいので慣れて下さい。じゃあ私超休憩の時間なんで、一時間ほどお一人でお願いします。 
    何かあったらそこの内線で呼んで下さい」

キャーリサ「分かったの。感謝するし」

絹旗「ええ、では」


スタスタスタ…


キャーリサ「うーむ、なかなか小さくて愛らしい先輩だったの。後で飴でも買ってやろー」

「ォい」

キャーリサ「む、いらっしゃいませー☆」 キャピッ

「仕事中によそ見してンじゃねェぞクソったれが」

キャーリサ「ピクッ……し、失礼したの……ん? なんだこれは」

「何って、缶コーヒーだろォが」

キャーリサ「いや、だってこれ……ひぃふぅみぃ……おい、買占めは感心せんぞ」



420 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 22:17:18.74 ID:FN11A2vCo

「あァ? 何ですか何ですか何なンですかこの店はァ?
 客の買い物に口出そォってかァ?
 俺が別に購入制限もねェ定価のコーヒー何本買って帰ろォが勝手じゃねェか」

キャーリサ「まーそーだが……」 シブシブ

「チッ……ごちゃごちゃ言わずにさっさとしやがれババァ。後ろが詰まってンのが見えてねェのかァ?」

キャーリサ「ブチッ」

「あ?」

キャーリサ「なるほどなるほど。変わった客とはお前のことだったか……。
       おい小僧。貴様今言ってはならないことを言ったの。
       斬り捨てるし」 ブォンッ

「っ!!!??」

キャーリサ「ちっ、外したの」

「何だ今のは……」

キャーリサ「案ずるな。抵抗しなければ痛みは無いし。ちょっと薄皮と次元が斬れるだけだ」

「お、ォい……レジ」

キャーリサ「ん?」


バチバチバチ… プスプスプス…


キャーリサ「ああああぁあっ!! レジが壊れているの!?」

「オマエが斬ったンだよオマエが……」

店長「キャ、キャーリサさん……何事かな?」 ビクビク…

キャーリサ「ハッ、て、店長っ! 違うぞこれは! レジが軟弱だっただけだっ」

「どンな言い訳だ……」



421 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 22:20:03.64 ID:FN11A2vCo

―――


絹旗「ふぅ、休憩超頂きました。……? どうかしました?」

キャーリサ「……こっぴどく叱られて凹んでるの」

絹旗「うわ、あっちのレジ真っ二つにしたってマジだったんですか……。
    ってか一方通行相手に喧嘩売ってよく無事でいられましたね」

キャーリサ「誰だそれ」

絹旗「え゛っ!? し、知らないんですか……? あなた超大物ですね……」

キャーリサ「とーま以外の男のことなどどーでもいーし。
       一方通行? 何だその名前。なめてるの?」

絹旗「い、いや知らないならそれでいいです。一応うちのスーパーのブラックリスト入ってるんですよ。
    あの人来るといつも売り場からコーヒー超消えるんで。
    しかも口悪いからバイトの人怖がってすぐ辞めちゃうんですよね」

キャーリサ「あー、そーいや買占めて行ったな。全く、自分さえよければそれでいーとは。
       社会不適合者め」

絹旗「まああなたには言われたくないでしょうね」

キャーリサ「?」

絹旗「いえ何も。では気を取り直してミスを挽回していきましょー。
    もうレジ壊さないで下さいね」

キャーリサ「ふっ、同じミスを繰り返したことなど無いし」

絹旗「そりゃ安心です」

キャーリサ「とーぜんだ。私はアホではないぞ」

絹旗「そうですか。おっと、お客さんですよ」

キャーリサ「いらっしゃいませー☆」 キャピッ



423 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 22:24:06.11 ID:FN11A2vCo
絹旗「……営業スマイルが板についてます」

「はいこれね」 ドンッ

絹旗「あ、麦野」

麦野「あ? あら絹旗。アンタこんなとこでバイトしてんの?」 

絹旗「アイテムもロクに仕事回ってこなくなりましたし」

麦野「そうね。何よ、新人教育中」

キャーリサ「お前の知り合いかモアイ」

絹旗「(ええ……ちなみにブラックリストその2です。麦野が来るとお惣菜コーナーからシャケ弁が消えます。
     ついでにバイトにキレて辞めさせた回数ぶっち切り一位のDQN客なので気を付けて下さい)」 ヒソヒソ

キャーリサ「(むー……そんな風には見えないけど……)」 ヒソヒソ

麦野「プッ、モアイだって」

絹旗「がぁぁっ! いいから買ってさっさと超帰ってください!」 ピッ

麦野「はいはい。いくら?」

キャーリサ「5200円だし。よく食べるな、シャケ弁ばっかり」

麦野「シャケ弁好きなのよ」

キャーリサ「そーかそーか。美味いの?」

麦野「超美味いわよ。バイトだし安くなんないの? 帰りに買って帰れよ」

キャーリサ「そーしてみるか」

麦野「あら、素直ね。なかなか見どころあるじゃない」

キャーリサ「そーか? しかしそー言われると嬉しいの。お前とは良い友人になれるかもしれないな。
       見たところ私と同い年くらいのよーだし」

麦野「ピクッ」



424 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 22:28:03.50 ID:FN11A2vCo

絹旗「あ」

キャーリサ「ん?」

麦野「テメェ今なんつった」 ブルブル…

キャーリサ「ん? いや、私と同じ28歳前後かと尋ねたのだけど」

麦野「んなわけねぇだろぉぉおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!
    私はまだ華の10代なんだよぉぉぉおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!
    どこをどう見たらそんな老けて見えんだゴラァァァァアアアアアッ!!」

絹旗「あー……麦野、落ちつ」

キャーリサ「お前! それは暗に私が老けてると言いたいのか!? 死にたいのか貴様はぁっ!」

絹旗「何で喧嘩買うんですかこの人……。超避難しときましょう……」 コソコソ…

麦野「少なくとも私よりゃババァだろ!!!」

キャーリサ「よーし、分かったの。死にたいというのはよーく分かったの」

麦野「表出ろよババァ。テメェが小皺の数数えながら命乞いするまで遊んでやるからさぁ」

キャーリサ「王女に皺など無いし。涙で化粧落として群衆にスッピンさらすまで泣かせてやるから覚悟しておけ。
        表など出るまでも無いし、ここで跪け」

麦野「オラァッ!! ブチ殺しカクテイだよババァッ!」 ゴバァッ!

キャーリサ「お姉さんだし間抜けっ!!!」 ズバァッ!



425 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 22:31:11.72 ID:FN11A2vCo

―――上条宅


キャーリサ「クビになった!」

上条「でしょうね。さっきあのスーパーの前通ったら営業してなかったし」

禁書「え、どうして?」

上条「というかスーパーがあったはずの場所が瓦礫の山でした」

禁書「うわ……」

キャーリサ「うう……社会不適合者は私の方だったの……?」 orz

上条「あ、あれ、もしかして結構落ち込んでらっしゃる……?」

キャーリサ「とーま……駄目な妻ですまないの……。
       しかも一日二回もババァと言われたの……私はまだ20代なのに……」 

上条「まあまあ……っつかいつの間にか妻にクラスチェンジしてるし……。
    いやそれは置いといて、一回くらいで音をあげるなんてらしくないぞ」

キャーリサ「とーま……」

上条「失敗したらまたやり直せばいいじゃないか。
    次は同じ失敗しないようにしてさ。キャーリサは頭良いし、性格も明るいからどんな仕事だって大丈夫だよ」

禁書「同じミス繰り返した結果なんだよ……」

上条「(しっ!)」

禁書「そ、そうだよ! 元気出すんだよ! 私もたうんわーく?見るの手伝ってあげるから!」

上条「ってかお前も一緒に探せよ」

禁書「わ、私はシスターという手に職が……モニョモニョ」

上条「あー、はいはい。まあいいけどな、インデックスが働くってのも想像できないし」

キャーリサ「二人とも……。
        ……ああ、そーだな! 分かったの! めげずに探してみるし!」



426 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 22:32:43.16 ID:FN11A2vCo

上条「おう、応援してるからな!」

キャーリサ「ありがとー、とーま……」 モジモジ

上条「ん?」

禁書「む……」

キャーリサ「やっぱりお前が一緒にいてくれてよかったの。
       ……褒美をやろーか?」

上条「い、いやその……」

キャーリサ「とりあえず一緒に風呂に」

上条「お前はそれしかないのか」

禁書「そういうのは私のいないときにやって欲しいんだよ!
    何の為に週末気を遣って二人きりにさせてあげてると思ってるのかな!?」

キャーリサ「むー……おあずけも結構きついし」

禁書「間近で見てる私はもっときついんだよ」

キャーリサ「ならお前も一緒に入るか? 他の女ならアレだが、まーお前ならいーぞ」

禁書「え、い、いーの?」
 
キャーリサ「一つ屋根の下で暮らす家族みたいなもんだしな。
       とーまがお前に欲情してももぐだけだし」

上条「え、何を?」

キャーリサ「聞きたいの?」

上条「結構です……」

禁書「ま、まあ……一回くらいなら入っても構わないんだよ」

キャーリサ「そーか。では早速三人で入るか」

上条「ストップストーップ! さすがにそれはまずいだろ! 
    ダメダメ! そ、それより次の仕事を考えよう。きっと今回は選び方が駄目だったんだよ」



429 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 22:37:06.39 ID:FN11A2vCo

キャーリサ「選び方なー。しかし、私の短気が原因であって条件自体は悪くなかったと思うんだが」

上条「せっかくだからキャーリサのやりたい仕事を探してみたらどうだ?」

キャーリサ「やりたいこと……うーん、金が稼げてお前との時間を削らずに済むなら何でも構わないが……」

上条「キャーリサの得意なことから仕事を探すって言う手もあるけど」

キャーリサ「私に不可能などあるとは思えないが……」

禁書「その自信はどこから来るんだろう……と言うか今のところ不可能だらけなんだよ」

上条「ほら、キャーリサイギリス人だし、英語出来るだろ。そういうの活かしてさ!」

キャーリサ「なるほど。お前頭いーな。なら軍略に優れた私に相応しい仕事を探そー」

上条「そんな仕事あるかな……」

禁書「あ、ねぇとうま。第三学区で国際展示場の案内誘導係っていうのがあるんだよ。
    要英会話スキルだって。これならキャーリサにむいてるんじゃないかな」

キャーリサ「おー、いーなそれ。こっちにはホテルのカフェでのバイトもあるし。
       これも英語が必須だそうだ。なんだ、第三学区では語学力が求められるのか?」

上条「外からお客さんが来るとこだからな。外人も多いんだよ」

禁書「とうまとうま、第三学区はここから近いの?」

上条「いや、ほとんど埼玉だからかなり遠いな……」

キャーリサ「では駄目だな。とーまと一緒にいる時間が減るし」

上条「まあバイトだと通勤補助もあんまり無いだろうしな……。
    けど、こういう探し方は悪く無いぞ。キャーリサは英語以外にも結構色んな言葉話せるだろ」

キャーリサ「英語、フランス語からサンスクリット語やベンガル語までざっと60言語程は使えると思うの」

上条「うわ、すげぇ……何そのスペック」

禁書「私も主要な公用語はそれなりに話せると思うんだよ」

上条「自分がすげぇアホみたいだ……」

キャーリサ「ふーむ、語学か。そー意識したことは無かったが、存外役立つものだな」

上条「正直何故スーパーのレジ打ちを選んだのかが分からない……」

キャーリサ「んー……お、これなんかどーだ?」

上条「どれどれ? ……おお、これは……」

禁書「キャーリサのためにあるような仕事かも……。これにするといいんだよ!」

キャーリサ「よしよし、では早速電話を―――」



430 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 22:40:32.60 ID:FN11A2vCo
―――常盤台中学 某クラス


キャピキャピッ ガヤガヤガヤ ワイワイ


御坂(はぁ……ねむ……。最近あの馬鹿にも会うこと減ったし、暇ねー……)

御坂(べ……別にあいつに会いたいって訳じゃないわよ? でも普段からよく顔合わせてたし?
    ……ちょっと張り合い無いなって思ってるだけなんだから……ったく)

御坂(やっぱあのお姫様と二人で過ごしてんのかしらねー。……いいな……いやいや良くないって。
    たまには家まで押しかけてやろうかしら)

御坂(でもねー……あいつら恋人同士なんだし、部屋に行ったらたまたまベッドの上で……わー!
    ななな何考えてんのよ私は学校で!!! 落ちつけ、落ち着くのよ……!
    今さらあいつらが何してたって関係無い。そう、私には関係ないんだから!) フーフー

生徒A「御坂さん、お疲れの御様子ですね」

御坂「ふぇ!!?? ……あ、ああ……うん。暖房効いてると眠くなっちゃうわよね」

御坂(み、見られてたのかしら……?)

生徒B「うふふ、そうですわね。ところで、次の語学の授業ですけれど、講師の先生が変わられるそうですよ」

御坂「そうなの? ……まあうちの学校授業スピードが尋常じゃ無いみたいだから先生も大変なのかもね……」

生徒A「優しくて素敵な先生でしたのに、残念です」

生徒B「まあまあ。新しい講師の方もきっと素晴らしい方ですわよ。
     何でも、常盤台の講師採用試験にはマナーや身のこなし、ありとあらゆる教養が必要とされるそうですし」

御坂「あー……だといいんだけどねー」



432 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 22:42:11.92 ID:FN11A2vCo

キャッキャッ ウフフッ


御坂(……何か嫌な予感するのよねー……。大体こういう時の予感って当たるのよ……)

生徒A「あら御坂さん、どうかなさいました?」

御坂「あ、ううん、何でも無いの。気にしないで」


キーンコーンカーンコーン


生徒B「チャイムが鳴ってしまいましたわ。ではまた」

御坂「はーい」 

御坂(新しい講師……ねぇ。このタイミングで語学の講師なんて……)


ガララ…!


キャーリサ「皆の者、頭が高いし。王女の入室である」

御坂「うん、やっぱりそうよね」



433 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 22:49:39.81 ID:FN11A2vCo

キャーリサ「うん? おー! 御坂か! ここお前のクラスだったんだな!」


ザワッ!

ヒソヒソヒソ…


御坂(あの馬鹿っ! 親しげに声かけてくんじゃないわよ!
    後々面倒でしょうが! ちゃんと仕事しろっつの!)

生徒D「御坂さん、お知り合いなのですか?」

御坂「う、うん。まあちょっとね」 


キャー! ミサカサンノ オシリアイデスッテー! ステキ…!


御坂「う……周りの視線が……」

キャーリサ「おいそこ。私語を止めよ。ここからは私の時間だし。
       本日よりこの常盤台中学2年の語学を受け持つキャーリサである。
       お前達にはいつ海外へ拉致され戦火の中に放り込まれたり、異国の刺客が現れても困らないレベルの語学力を身に着けさせるつもりだし」

生徒E「あの……先生はどこの国の方なんですか?」

キャーリサ「英国だ。お前達は優秀だと聞いているから期待しているの。
        語学はいつ何時必要となるか分からないし心して学べ。
        海外旅行先でトラブルに巻き込まれて戦争なんてザラにあるからな」

生徒E「え」

御坂「ないわよそんなもん……」

キャーリサ「ではせいぜい励むよーに。早速授業を始めるの」

御坂(な……何のつもりなのよ……こいつ)



434 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 22:52:16.85 ID:FN11A2vCo

―――第七学区 大通り


スタスタスタ…


上条「えーと……後は牛乳買って帰るだけか」


タッタッタッ!


上条「ん?」

御坂「久々に見つけたわよー!!!」 

上条「うわっ! い、今は駄目だ御坂! 上条さんが両手に抱えてる買い物袋が見えないんですかー!?」

御坂「は? 何言ってんの?」

上条「え? いや……久しぶりにビリビリされるのかと」

御坂「今日はそれどころじゃないの!
    例のお姫様がうちの学校の講師になってんだけどどういうこと!?」

上条「早速会ったのか。どうだった? ちゃんとやってたか?」

御坂「ええ……もう初っ端から大人気だったわよ……。
    あんたの彼女女子中学生にモテまくってて引いたわ」

上条「いやいや、それどんな学校だよ」

御坂「しょうがないでしょ、男っ気が無い上にお嬢様学校なんだから。
    あんなサバけて堂々とした女は黙っててもモテるっつの。
    おまけに正真正銘の王女様だから品もあるし、一日で超有名人だったわよ。
    あれじゃ顔バレすんのも時間の問題ね」

上条「へえ。はは、人気があるのはいいことじゃねえか」

御坂「笑ってる場合か! あいつが初っ端から私に絡むから私まで質問攻めにされるし、何だってのよもう……」

上条「俺じゃなくてキャーリサに言えよ」

御坂「言ったわよ。なんかお金が欲しいんだってさ。
    後何回か教師の真似事して楽しかったんだって」

上条「そうなのか? 上条さん家いつもかつかつだからなぁ……ま、楽しんでるなら何よりだけど」

御坂「ったくしっかりしなさいよね。甲斐性無しって思われるわよ」

上条「うぐっ、そ、それはちょっと凹むな」



435 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 22:54:21.87 ID:FN11A2vCo

御坂「学生だから仕方ないけどね。でもやっぱり買い物とかしたいみたいよ」

上条「あー……やっぱりか。苦労させてんのかなー」

御坂「何? 知ってたの? 
   ま、あの女はあんたと違って立派な大人なんだから、働いて自分の生活費くらいどうにかすんのが当たり前でしょ。
    あんたが気にするこっちゃないと思うけど」

上条「そうだけど、そこは上条さんも男として色々と思う所があるわけですよ」

御坂「ふぅん……いっちょ前に彼氏やってんのね」

上条「え?」

御坂「何でもない!」

上条「暇だったら今からキャーリサに会ってくか? そろそろ帰ってくると思うし」

御坂「いや、これから毎日顔合わすしいいわ……。それよりあんたと二人きりで遊びに……そのゴニョゴニョ」

上条「?」

御坂「ううん、やっぱいい。それ確認したかっただけだし、またね」

上条「おう。気をつけてなー」

御坂「はいはい」 ヒラヒラ


スタスタスタ…


上条(上手くやってるみたいだなキャーリサの奴。
    うーん……でもやっぱ思った通り、服とか化粧品とか欲しいんだろうな。
    言ってくれればいいのに)

上条(いやいや、言えないよなー……上条さんだって居候の身分だったらそんなこと言えませんよ)

上条(ま、結果的にはこれで良かったのかもな。キャーリサも家にいるだけじゃつまんねぇだろうし。
    けどこうなったらプレゼントはどうするかだな……うーん……。
    最近炊飯器とか電子レンジの調子も悪いし……また次回ってことで……)

上条「……」

上条(いや、やっぱりあげよう。うん。御坂の話は聞かなかったことにするか。
    せっかく姫神や吹寄も選ぶの手伝うって言ってくれてるし。
    俺もバイトでもしたほうがいいかな……はぁ)



436 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 22:55:47.26 ID:FN11A2vCo

―――上条宅


ガチャッ


キャーリサ「今帰ったの! 疲れたー!」

上条「おう、おかえりー」

禁書「おかえりなんだよ」

上条「どうだった? 常盤台の講師」

キャーリサ「聞いていた通りのお嬢様学校だったし。
       あいつら全員社交界デビューでもするの? 宮内にいるよーだった」

上条「ははは、常盤台はまた特別だよ。結構楽しかったみたいだな」

キャーリサ「給料はそこそこ良いしな。これで私達の生活も多少は潤うんじゃないか」

上条「いや、それはキャーリサが稼いだ金だし、好きに使えばいいよ。
    俺は少ないけど奨学金もあるし、ギリギリ食っていけるからさ」

キャーリサ「そーはいかないし。食費と家賃くらいは収めるの。
       それよりとーま、私が今日受け持ったクラスに御坂がいたぞ」

上条「お、マジか。
    嫌そうな顔してたんじゃないか?」

キャーリサ「うん、してた」

上条「目に浮かぶな」

キャーリサ「知り合いがいたというので私もちょっと安心したの」

上条「そっかそっか。ま、仲良くやれよ」

キャーリサ「うむ。それよりとーま、腹が減ったし」

禁書「あ、私もなんだよ!」



437 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 22:57:17.39 ID:FN11A2vCo

上条「よしよし、すぐ飯にするからな」

キャーリサ「では私は米でも砥ぐか」

上条「よろしくー」

禁書「じゃあ私はスフィンクスと一緒にアニメ見ながら世界情勢について考えてるんだよ!」

上条「よろしくー」

キャーリサ「じゃないだろ。風呂掃除でもしてこい」

禁書「はーい。キャーリサはこっち側だと思ってたのに誤算だったかも……」

キャーリサ「妻だからな」

上条「妻好きだな……ん? あれ?」

キャーリサ「どーしたの?」

上条「いや、電子レンジのスイッチが入らなくて」 ピッピッ!

禁書「あ、それはちょっと叩くといいんだよ」

上条「え、そうなのか?」 ゲシッ

キャーリサ「おー、起動したの」

禁書「伊達にお昼ご飯をチンしてないんだよ!」

上条「最近調子悪いんだよなー。ま、動いたから良いや。
    んじゃじゃがいも投入っと」 ゴトッ

キャーリサ「…………」



438 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 22:59:04.22 ID:FN11A2vCo
一ヶ月後


―――上条宅


キャーリサ「というわけでとーま! 給料日だし! 今日の夕食は私の奢りだ! 心して食すがいーの!」 ビシッ

禁書「お……おお……これは夢にまで見たすき焼きなんだよ……!」

上条「キャーリサが家出してきた時以来か……すげぇ……今日も霜降り肉が神々しいです……。
    写メとっとこ」 パシャッ

禁書「と、とうまとうま! そんなことより早く食べたいんだよ!」

上条「そ、そうだな! キャーリサ、いいのかこんな豪華な晩飯を……!」

キャーリサ「いちいち大げさだな……。白米と卵を準備せよ。早く食べよー」

上条「はいただいまっ!!!」 ダッ

禁書「私も手伝うんだよ! とうま、ご飯大盛りにしてもいい?」

上条「好きなだけ食えインデックス!」

禁書「私十字教からキャーリサに改宗してもいいかも!」

キャーリサ「安いうえに即物的な信仰だなシスター……」

禁書「信仰じゃお腹は膨れないんだよ!」

上条「あ、あれ……?」

禁書「ん? どうしたのとうま?」

上条「炊飯器が……変わってる?」

禁書「うん、電子レンジも変わってるんだよ! お昼荷物が届いて、さっきとうまが帰ってくる前にキャーリサと一緒に設置したんだから」



439 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 23:00:24.87 ID:FN11A2vCo

上条「キャーリサ、まさか……!」

キャーリサ「…………」

上条「お、お前がこれ買ってくれたのか……?」

キャーリサ「……安物だし、気にするな」

上条「い、いやでも……お前自分の買い物するために仕事始めたんじゃ……」

キャーリサ「何だバレてたのか。でもソレだって私も使うんだから自分の買い物じゃない。
       いいからご飯を持ってくるの。空腹で倒れそーだし」

上条「キャーリサ……」

禁書「もうキャーリサに足を向けて寝られないんだよ」

キャーリサ「や、止めよそんな目は! ムズ痒いし!
       礼の一言でももらえればそれでいーの! ほ、ほらさっさと席つけ!」

上条「そ、そか……ありがとなキャーリサ」

禁書「ありがとうなんだよ」

キャーリサ「ふん……」

上条「お礼と言っちゃ何なんだけど、俺も実はキャーリサにプレゼントがあるんだけど……」

キャーリサ「え?」

上条「えーと……はいこれ」 ガサガサ

キャーリサ「? な、何なのこれ」

上条「開けてみてくれ。気に入るか分からないけど……」

キャーリサ「…………あ、服だ」

禁書「真っ赤なワンピースなんだよ」



440 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 23:02:31.71 ID:FN11A2vCo

上条「女物の服なんて全然分からないから、クラスの奴に一緒に選んでもらったんだけど、キャーリサならやっぱり赤かなって……ハハハ」 ポリポリ

キャーリサ「い、いや……でも……いーの?」 チラッ

上条「生活費と病院以外で金使うことなんてあんまり無いしな、よかったらタンスの肥やしにでもしてくれよ」

キャーリサ「いや着る! 着るぞ! 大事にするし……」 ギュッ

上条「そ、そか……」

キャーリサ「ん……ふふっ」 ギュッ

禁書「むぅ……」

上条「ん?」

禁書「キャーリサばっかりずるいんだよ! 私にも日頃の感謝の気持ちを込めた素敵な贈り物とか無いのかな!」

上条「あるぞ」

禁書「もういっつもとうまはそうやって私に意地悪を……って、え? あるの?」

上条「おう。キャーリサだけじゃ不公平だし。ほら」 ズイッ

禁書「え……? で、でも……え?」

上条「何キョトンとしてんだよ。お前が今くれって言ったんじゃねぇか」

禁書「そうだけど……私キャーリサみたいに何もしてないよ?」

上条「そんなことないだろ。最近は掃除も手伝ってくれるしな。これからも頼むぞ。
    いいから受け取っとけって」

禁書「う、うん……ありがと」

キャーリサ「よかったな、インデックス」

禁書「うん……何だろう……」 ゴソゴソ

上条(実はインデックスのは完全に姫神任せだったから何か全然知らないんだけど……でも妙に袋が小さいんだよなー……何だろう)



441 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 23:05:43.68 ID:FN11A2vCo

禁書「あ」

キャーリサ「っ!」

上条「ん? ……げっ!」

禁書「こ……これ……」

キャーリサ「下着……だな」

禁書「可愛い……のかな。よく分かんないけどいやらしいのは確かなんだよ……」

上条(姫神ぃぃぃぃいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
    やけにいい笑顔で選んできたから何かと思ったら……よりにもよって下着かよ!
    しかもエロいやつ……)

禁書「と、とうま……これは、どういう意味なのかな」 プルプル

上条「ち、違うんだインデックス! これには深いワケが!!」

キャーリサ「おい、とーまぁ……」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

上条「ハッ! キャ、キャーリサ! 誤解だ! これには他意は無い!」

禁書「とうまがこれを私に……」 プルプルプル

キャーリサ「この件についてたっぷりじっくりと話を聞かせてもらう必要があるようだし。
       まず手始めにお前は飯抜きだ」

上条「なぁあああああぁああ! それは殺生ですのことよっ!! 頼むから話を聞いてくれっ!!!! 
    俺はインデックスの下着姿になんてこれっぽっちも興味は無いっ!!」

禁書「ブチッ! とうまぁぁ? 興味が無いってどういうことなのかな!
    私だって女の子なんだからそんな風にとうまなんかに眼中無し発言される謂れは無いんだよ!」

上条「ち、違っ! そういう意味じゃなくて!! 助けてキャーリサ!」

キャーリサ「問答無用!! カーテナの錆にしてくれるわっ!!!!」 ゴバァッ!

禁書「許さないんだよとうまぁあああああ!!!!!!!!!」 ガブッ!



上条「ぎゃぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!
    不幸だぁぁあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」



442 : ◆S83tyvVumI :2011/04/28(木) 23:07:28.30 ID:FN11A2vCo

姫神「……えっ。私の出番あれだけ?」


というわけで安心と信頼と実績のお約束。不幸オチで今回もお仕舞です。

番外編も次で終わりになるかと。
最後は希望してくれてる方が多いみたいなのでエロになるかもしれませんが。
ではまた近々お会いしましょう



444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/28(木) 23:09:37.98 ID:pZ0duyK7o
>>1乙!
姫神ェ…




451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/28(木) 23:16:38.68 ID:TaGKdd0DO
三人が仲良し家族過ぎて生きてるのが辛い
これは上条さんもげなくていい




454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) :2011/04/28(木) 23:30:04.68 ID:yaGeUYVMo
ズボン脱いで待ってます




486 : ◆S83tyvVumI :2011/05/10(火) 21:59:56.21 ID:pU++ETExo
みなさんこんばんわ。
番外編完成しましたので投下します。
稚拙ですが、エロ注意です。



490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2011/05/10(火) 22:03:57.97 ID:ZeGWlI1G0
エロと聞いて飛んできました



489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県) :2011/05/10(火) 22:03:42.36 ID:63cNu/R/o
今日は蒸し暑いから脱いでるだけだ



491 : ◆S83tyvVumI :2011/05/10(火) 22:04:39.50 ID:pU++ETExo

番外編



―――英国 バッキンガム宮殿 サロン


ヴィリアン(皆さんこんにちは。英国第三王女、ヴィリアンです。
       姉君のキャーリサが上条当麻と共に英国を飛び立ってからはや一月を過ぎ、
       間もなくクリスマスが訪れようとしています)

ヴィリアン(クリスマスは母君や姉君達、それから宮内の者でささやかなクリスマスパーティを内々に執り行うことが例年のならわしでした。
       しかし、今年は姉君のキャーリサは不在。
       日本ではクリスマスを友人や恋人同士で過ごすのが一般的だということですから、
       きっと姉君もあの少年と素敵なクリスマスの夜を迎えられるのでしょう……はぁ……)

ヴィリアン(失礼いたしました……思わずため息が零れてしまいましたね。
       実は、私には今悩みがあるのです。それは……)

リメエア「あら、ヴィリアン。そんなところで何をしているの?
      元気が無いようだけれど」

ヴィリアン「い、いえ……姉君こそ、お戻りだったのですね」

リメエア「外に出ようとしたら騎士団長に捕まってしまったわ。
      まあ、宮殿の修繕や事後処理で大忙しだから遊んでいる暇も無いのだけどね」

ヴィリアン「そうでしたか……」

ヴィリアン(ここ最近、姉君とは話す機会が増えたように思います。
       先日のクーデターと、結婚式への乱入。二つの事件が連続して起こったので話題にも事欠きません。
       何より、姉君のキャーリサがいなくなったことで私も姉君も寂しいのかも……)

リメエア「別に寂しくはなくてよヴィリアン」

ヴィリアン「っ! よ、よく私が考えていることが分かりましたね……」

リメエア「貴女の考えていることは手に取るように分かるわ。単純だもの」

ヴィリアン「! た、単純はやめてください……」

ヴィリアン(二人の姉君はとても意地悪です。
       子供の頃からずっとこうして私をからかってくるのです。だけど……)



492 : ◆S83tyvVumI :2011/05/10(火) 22:07:07.80 ID:pU++ETExo

リメエア「うふふ、ごめんなさい。冗談よ」

ヴィリアン(……いつしか誰も信じなくなった第一王女リメエアと、いつしかとても冷徹だった第二王女キャーリサ。  
       お二人とこうして冗談などを交わせる仲に戻れたのは、先日のクーデターがあったからに他なりません。
       あの出来事は、決して悪い事ばかりでも無かったのかもしれませんね)

リメエア「そうね。ウィリアムにも会えたものね」

ヴィリアン「で、ですからどうして!?」

ヴィリアン(はしたなく声を荒げてしまいました……私はやはり単純なのでしょうか……)

リメエア「と言っても彼は世界中を飛び回っている身だし、そうそう会える訳では無いものね」

ヴィリアン「い、いえ別に会いたいと思っているわけでは……」

ヴィリアン(無いとは言いませんが……ウィリアムがこの世界のどこかで生きていると思うだけで私は良いのです……ええ……クスン)

リメエア「キャーリサは元気でやっているかしらね……」

ヴィリアン「……元気ですよ、きっと」

リメエア「ねえ、今からキャーリサに電話してみましょうか」

ヴィリアン「え……ええ? で、ですが……」

リメエア「姉妹の中で今恋人がいるのはキャーリサだけだもの。貴女の相談にも乗ってくれるんじゃないかと思ったのだけど……」

ヴィリアン「相談……ですか」

リメエア「そういうのって、姉妹っぽくなくて? 
      まあ私はキャーリサに腹の内を打ち明けるなんて死んでもごめんだけれどね、うふふ」

ヴィリアン「…………」



493 : ◆S83tyvVumI :2011/05/10(火) 22:09:44.85 ID:pU++ETExo

―――バッキンガム宮殿 ヴィリアンの私室


ヴィリアン(……今は朝の10時。……日本時間で19時ですから、さすがにお休み中ということも無いでしょうけど……)

ヴィリアン(い、いえ別に相談をするとかそういうことではないのです……。
       ただ……あれほどまでに情熱的にお互いを想い合うお二人の経験を参考にさせて頂きたいだけで……ああ、どうしよう)

ヴィリアン(ま、まあ意地悪な姉君のことですから……きっとまともに取り合ってもらえませんよね。
       御様子を確認する程度に留めておきましょう。
       で、では……) ピッ


prrrrrrrrrrrrrrrrrrr… prrrrrrrrrrrrrピッ!


キャーリサ『ハロー、私だ。我が声を拝聴出来るとは幸運だな。で、誰だ? 名乗るがいーの』

ヴィリアン(相変わらず姉君は姉君で嬉しいやら心配やら……)

ヴィリアン「あ……姉君、私です。ヴィリアンです。お久しぶりですね……」

キャーリサ『ヴィリア……ン? はて、誰のことだったか……』

ヴィリアン「!!!??」

ヴィリアン(想像の斜め上でした……まさか私のことをお忘れとは……)

キャーリサ『おい、冗談だぞ。絶句するな。可愛い妹のことを忘れるわけないだろー』

ヴィリアン(今日はすこぶる機嫌がよろしいようですね……よかった……) ホッ

ヴィリアン「そ、そうですか……姉君もお人が悪いです……」

キャーリサ『すまないの。で、何の用だ? 言っておくがそっちに戻る予定は無いぞ』

ヴィリアン「い、いえそうではなく……」

キャーリサ『何だ違うの。てっきり姉上やお前が寂しくて私の顔が見たくなったのかと』

ヴィリアン「あ、それはないです」



494 : ◆S83tyvVumI :2011/05/10(火) 22:12:18.63 ID:pU++ETExo

キャーリサ『言うよーになったな妹』

ヴィリアン「ふふ……姉君はお変わりないようで嬉しいです。
       でも父君は寂しがっておられましたよ……あの少年にも会いたがっておりました」

キャーリサ『父上は式の時国内にいなかったもんなー。最後に会ったのはお前達よりもさらに前か。
        ま、そのうちな。用はそれだけか? こっちは元気でやってるから心配ないと伝えとけ』

ヴィリアン「はい。……あの……」

キャーリサ『ん?』

ヴィリアン「あの少年とは……上条さんとは仲良く過ごしておられますか?」

キャーリサ『もちろんだし。先日ワンピースなんぞをプレゼントしてくれてな。
       着るのがもったいなくて未だに枕元で包装されたままなの』

ヴィリアン(姉君嬉しそう……やはりお二人とも互いに愛し合っておられるのですね……羨ましい)

ヴィリアン「愛に溢れておられるようで、素晴らしいことだと思います」

キャーリサ『ふふふ……どーした、照れるし』

ヴィリアン「母上が、孫の顔を早く見たいとおっしゃっていましたよ」

キャーリサ『っ! ま、孫か……んー……そーか……』

ヴィリアン「あ……姉君は……もう……その……」

キャーリサ『あー? 何なの?』

ヴィリアン「あの少年と……あの……その……」

キャーリサ『だから何だ。言いたいことがあるならはっきり喋れ愚鈍め』

ヴィリアン「か、上条さんと子作りは済ませましたか!?」

キャーリサ『!!!!!???????????』


ガタガタッ! バタンバタンッ! ワー! ドウシタ キャーリサ! ショクタク ガ メチャクチャナンダヨ…



495 : ◆S83tyvVumI :2011/05/10(火) 22:13:55.23 ID:pU++ETExo

ヴィリアン「?」

ヴィリアン(……い、言ってしまいました……何てはしたないこと……。
       下世話過ぎたでしょうか……で、でもこれは確認しておかないと、家族が増えるかもしれませんし……。
       姉君も子供がいてもおかしくない年齢ですから……) ドキドキ

キャーリサ『んっ……んんっ! ヴィ、ヴィリアン。それは誰かに確認するよーに言われたの……?』

ヴィリアン「いえ……私の興味本位というか……その」

キャーリサ『そ、そーか……ま、まーアレだ』

ヴィリアン「アレ……とは?」

キャーリサ『そ、それは……もーヤリまくりだし! ははははっ……! 
       私はもー少しこの享楽に耽るの! あいつめ、若さに任せて一晩中だからな! 腰が痛いの! は、はは……!』

ヴィリアン「!!?」

キャーリサ『そ、そーいうことだ! 姉の偉大さが分かったか? じゃ、じゃーな!』 ピッ

ヴィリアン「あっ! 姉君……!」

ヴィリアン(す……すごい……さすが姉君です。や、やはりお二人とも……ゴクリ)

ヴィリアン(ど、どうしましょう……こんなこと……誰にも言えない……。
       結局ウィリアムのことも相談できなかったし……ああ……どうしよう……) ドキドキ…

ヴィリアン(と、とりあえず……甥或いは姪の誕生は近いかもしれませんねっ!) ドキドキドキ…



497 : ◆S83tyvVumI :2011/05/10(火) 22:15:59.44 ID:pU++ETExo

―――上条宅


キャーリサ「ふぅ……ヴィリアンの奴め、何だ急に。性にでも目覚めたかあのムッツリが。
       思わず見栄を張ってしまったし……」

上条「どうしたんだキャーリサ……?」

禁書「テーブルひっくり返さないで欲しいんだよ……」 フキフキ

キャーリサ「す、すまん……。愚妹の所為だ」

上条「ヴィリアンからか。何だって?」

キャーリサ「ああ、それはセッk」

上条「セ?」

キャーリサ「セ……セントジェームスパークに花がたくさん咲いて綺麗だったそーだ!」

上条「どこそれ?」

禁書「バッキンガム宮殿に隣接する公園のことなんだよ」

上条「ふぅん。冬なのにたくさん花咲くのか」

キャーリサ「ま、まーな! それよりとーま、おかわり!」

禁書「私も!」

上条「はいよー」

キャーリサ(ヴィリアンめ……最近あまり考えないよーにしてたのに……何なんだ一体)

上条「はいご飯」

キャーリサ「ひゃっ!」

上条「?」

キャーリサ「う、うむ……ありがとー……」 モソモソ



498 : ◆S83tyvVumI :2011/05/10(火) 22:18:40.42 ID:pU++ETExo

禁書「そう言えばもうすぐクリスマスなんだよ! とうま達はどこか行くの?」 ガツガツッ!

上条「あー、もう来週か……うーん、どうしようかな……」

禁書「心配しなくても私はあいさやこもえ達とパーティをすることになってるから、二人で楽しんでくるといいんだよ」 モグモグ

キャーリサ「お前いっちょ前に気なんか遣えるんだな」

禁書「当然なんだよ。もっと褒めて欲しいかも。
    まったく、日本人は浮ついてるんだよ。
    クリスマスは家族で教会に行って、粛々と過ごすのが当たり前なのに」 モグモグ

上条「はは、遊ぶには体の良い理由だもんな。
    にしても、クリスマスで神の子の生誕を祝った一週間後にはお寺の除夜の鐘を聞いてその足で神社に初詣だもんな。
    神様にも仏様にも苦笑いされそうだ」

キャーリサ「全くだし。ま、そーいう良いとこどりの感じは嫌いでは無いけど。
       しかし、そーか。インデックスはクリスマスはいないのか……」

禁書「? 居た方が良かった?」

キャーリサ「あーいや。てっきり三人で過ごすものと思っていたからな」

禁書「白状すると本当はこもえに誘われたんだよ」

上条「先生が? ああ……気ぃ遣ってくれたのかな」

禁書「とにかくその日は私はいないから、二人で過ごすといいかも」

上条「分かったよ。ありがとなインデックス」

禁書「でもプレゼントには期待してるんだよ。特に美味しいものがいいかも」

上条「分かった分かった。何か用意しとくよ」

禁書「ふふん、分かってるならいいんだよ」

キャーリサ「クリスマスか……ふむ」



499 : ◆S83tyvVumI :2011/05/10(火) 22:21:20.49 ID:pU++ETExo
―――第七学区 学舎の園


ワイワイワイ キャッキャッ ウフフフ


キャーリサ「ふーむ……確かにこの学舎の園もクリスマスムード一色という感じだし」

御坂「あ」

キャーリサ「ん? おー、御坂か。どーしたこんなとこで」

御坂「どーしたもこーしたも。帰り道なんだからおかしいことじゃないでしょうが」

キャーリサ「そりゃそーか」

御坂「何見てんの? つかファンシーショップって……あんた年考えなさいよね」

キャーリサ「うるさいし。お前28歳になった時可愛い店に入ってただけでそんな風に言われたらどー思う?
        中学生にもなってカエルのストラップなんて年考えろって言われたらどー思う?」

御坂「……それは、殺意が沸くわね。ごめん」

キャーリサ「だろー? まーたまたま目に留まっただけなんだが」

御坂「ふーん、あいつにプレゼントでも探してるの?」

キャーリサ「それならこんな店には入らん」

御坂「そりゃそうね。なーんだ、何か深刻な顔してたから心配して損したわ」

キャーリサ「ほーう、心配してくれたの? 可愛いとこあるじゃない」

御坂「ッ! べ、別にそんなんじゃないわよ! あんたがうちの教師だから、点数稼ぎよ!」

キャーリサ「ふーん、そーかそーか。知ってるぞ、最近インデックスと一緒に見たアニメでも言ってたの。
       お前みたいのをツンドラとか言うの」

御坂「それを言うならツンデr……誰がツンデレよ! もういい帰る!」

キャーリサ「あー待て待て。お前に訊きたいことがあるの」



500 : ◆S83tyvVumI :2011/05/10(火) 22:23:55.35 ID:pU++ETExo

御坂「何よ」

キャーリサ「お前、処女?」

御坂「なっ……えっ……ええっ……!?」

キャーリサ「あーもーいい分かった。訊くまでも無か」

白井「お姉様はヴァージンに決まってますのぁあぁあぁぁあぁああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」 シュタッ

キャーリサ「っ! な、何だ急に!! どっから湧いた!」

御坂「黒子じゃない。風紀委員はどうしたのよ」

白井「黒子イヤーは地獄耳ですのー! お姉様を発見したと思ったらいかがわしい会話が聞こえてきたので乱入させていただいたんですの!
    現在も巡回中ですわお姉様」

キャーリサ「そーいやお前学園都市に来た日に会ったな」

白井「そういう貴女は最近常盤台に来られた講師の方ですわね。
    わたくし、お姉様のパートナーにしてルームメイトにしてラブドール、一年の白井黒子ですの」

御坂「ラブッ……!?」

キャーリサ「お前らそーいう関係か……うーん、女子高とはここまで倒錯しているの?」

御坂「ち、違うわよ!」

白井「お姉様とは毎夜ベッドを共にする仲ですもの!」

御坂「あんたはちょっと黙ってなさい!」 ゴツッ

白井「あだっ! もう……ほんの冗談ですのに」

キャーリサ「お前達は悩みなんか無さそーでいいなー」

白井「んま。失礼な方ですわね、わたくし、今日のお姉様の下着の色が何なのか気になって食事もロクに喉を通りませんでしたのに。
    ではちょっと確認を」 ピラッ

御坂「ふんっ!」 ゴツッ!

白井「ぐふっ! 痛い……!」



501 : ◆S83tyvVumI :2011/05/10(火) 22:25:58.99 ID:pU++ETExo

キャーリサ「白井黒子。お前はヴァージンか?」

白井「当然ですの。わたくしの純潔はお姉様に捧げると誓っているんですもの」

御坂「勝手に捧げんな。いらないわよ」

キャーリサ「そーか……」 ホッ

御坂「何なのよさっきから。同じ女子と言えども恥じらいってもんを持ちなさいよね。
    しかもお嬢様学校の講師が生徒に」

キャーリサ「今のは聞かなかったことにしてくれ。クビにはなりたくないし」

御坂「……? 何なのよもう」

キャーリサ「いやな……そろそろとーまと……しよーかと……」 ボソッ

御坂「!」

白井「!?」

御坂「ちょ、ちょっとあんた……!」

白井「すると言うのは……やはり」

キャーリサ「セックスだ」

御坂「」 ボッ!

白井「っ!!」

キャーリサ「最近の学生は進んでると聞くからな……ちょっと参考にしよーかと思ったの」

御坂「」

白井「あの……つかぬことをお聞きしますが……貴女もその……」

キャーリサ「処女だし……な、内緒だぞ。御坂を仲間と見込んで訊いているの。
       その愛玩人形のお前も……」

白井「お姉様の愛玩人形! ……何て素敵な響きですの……ハァハァ。 
    お姉様! この人とっても良い人ですわねっ!」

御坂「」

白井「あら?」

キャーリサ「こいつには早かったか」

白井「お姉様はウブな方ですの」

キャーリサ「どーしよー。固まって動かないぞ」

白井「黒子にお任せ下さいですの。部屋でねっとりと介抱いたしますので」

キャーリサ「そーか。では任せるし」

白井「はい。次にお会いする時は、わたくしもお姉様もヴァージンでは無いと思いますが、
    貴女もがんばってくださいまし」

キャーリサ「うむ。ではな」



502 : ◆S83tyvVumI :2011/05/10(火) 22:28:39.63 ID:pU++ETExo

―――第七学区 大通り


スタスタスタスタ…


キャーリサ(決戦はとりあえずクリスマスか。雑誌にもこの日がねらい目とか書いてあったし。
       ……やはり経験者の話というものは聴いておきたいな。
       シモの話など正直あまり出来なかったから、知識が足りない可能性も否定できないしね)

キャーリサ(しかし周りの連中でそーいうのに詳しそーな奴なんて思い浮かばないし……)

キャーリサ(まーでも途中まではしたことあるしな……勢いに任せるのもアリか……)

キャーリサ(うーん……けど初めてだし、とーまを私の身体に夢中にさせてやりたいという気持ちも捨てきれないし……うーん……)

キャーリサ「電話で聞いてみるか」


カチャッ prrrrrrrrrrrrrrrrrrr… prrrrrrrrrrrrrピッ


『はい』

キャーリサ「五和か? 私だ、キャーリサだ」

五和『え、キャ、キャーリサ様? な、何でしょうか……?』

キャーリサ「うん。お前にちょっと訊きたいことがあってな」

五和『訊きたいこと……?』

キャーリサ「そーだ。実はそろそろとーまと……しよーと思うんだが」

五和『くぁwせdrftgyふじこlp』


プツッ…ツーツーツー…


キャーリサ「? よくあれで伝わったな……やはり発想がエロいのか……?」


prrrrrrrrrrrrrrrrrr…


キャーリサ「お、かけ直してきたか。ハロー」

五和『失礼しました……ちょっとパニックになって……』

キャーリサ「いきなり驚かせたな。で、その辺のことについてタメになる話の一つ二つでも教えてもらえないかと思って電話したの」

五和『タメになる話と言われても……』



503 : ◆S83tyvVumI :2011/05/10(火) 22:30:33.27 ID:pU++ETExo

キャーリサ「お前エロいことばっか考えてるって土御門が言ってたしな。
       実は経験豊富なの? 是非頼む」

五和『あ、私これから包丁砥ぐので切りますね』

キャーリサ「む、忙しかったか?」

五和『土御門さんを仕留めないといけないので』

キャーリサ「う、うん? そーか、頑張れ」

五和『すみません。ちなみに私はその……未経験ですからっ!』 ピッ!

キャーリサ「……ふむ。当てが外れたな。五和も駄目か。詳しいと思ったんだけど……」

土御門「にゃー、お姫様。こんなとこで何してるにゃー?」

キャーリサ「ん? おー、土御門か。奇遇だな、今帰りか?」

土御門「そうだぜい。カミやんでも待ってるのか? だったらもうすぐクラスの女子と一緒に仲良く現れるはずだにゃー」 ニヤニヤ

キャーリサ「ほう……」 ビキッ

土御門「くくくっ、んじゃまた……」

キャーリサ「待て土御門。ちょっと連絡取って欲しい奴がいるの」 グィッ

土御門「いてっ……だ、誰ですかにゃー?……嫌な予感しかしないぜい……」

キャーリサ「大丈夫だ。どっちにしろ五和がお前を殺すし」

土御門「は?」

キャーリサ「いや何でもない。それより、アイツと連絡取ってくれ」

土御門「アイツぅ? って誰ですたい」

キャーリサ「ゴニョゴニョ……」

土御門「ふむふむ。……え、何でまた」

キャーリサ「個人的な相談だし」

土御門「……まあいいけどにゃー」

キャーリサ「頼むの。では私はとーまを粛清してくる」

土御門「ははは、カミやんざまぁだぜい」

キャーリサ「ではな土御門、来世で会おー」

土御門「?」



504 : ◆S83tyvVumI :2011/05/10(火) 22:33:06.92 ID:pU++ETExo

よくじつ!

―――第七学区 裏路地 ダイニングバー


カラン… 


オリアナ「はぁい。お久しぶりねお姫様。お姉さんをご指名なんて嬉しいわ」

キャーリサ「うん、わざわざすまないの」

オリアナ「あなた達を送り届けてからしばらく日本にいたし、構わないわよ」

キャーリサ「そーか。……まー好きなものを頼め」

オリアナ「御馳走様。マスター、クランベリージュースを頂戴」

紳士「かしこまりました……」 カランッ

キャーリサ「……お前酒は飲めないの?」

オリアナ「お姉さんは未成年だもの」

紳士「!?」

キャーリサ「そーいやそーか」

オリアナ「それで、お仕事の話?」

キャーリサ「うん……実はな……その……耳かせ」

オリアナ「? ……あら」

キャーリサ「――ということなの……」 ソワソワ

オリアナ「ふふ、それで経験豊富そうなお姉さんにご相談ってわけね?」

キャーリサ「そ、そーだ……お前男を掌で転がしてそーだし……」

オリアナ「……うーん、どうしようかなー」

キャーリサ「そ、そこを何とか頼む!」

オリアナ「というかあなた達ってまだだったのね」

キャーリサ「何かとタイミングが無くてな……普段はインデックスがいるし、私の月のものが重なったりで……」 モジモジ

オリアナ「お姉さんは運び屋よ? わざわざ学園都市まで苦労して入ったかと思えば、そんな話だったなんて。
      ちょっと腰砕けかな」

キャーリサ「拍子抜けだろ」

オリアナ「そうとも言うわね」



505 : ◆S83tyvVumI :2011/05/10(火) 22:37:35.82 ID:pU++ETExo

キャーリサ「……こんなことを相談できる相手などお前だけなの。頼む」

オリアナ「ふふ、いいよ。お姫様が可愛くてちょっと意地悪しちゃった。
      で、具体的には何を訊きたいの?」

キャーリサ「うむ、その……コトに及ぶための心構えとか作法とか、技術的なこととかだな…… 
       あとは……痛いのかどーか……」

オリアナ「避妊にだけ気を付けておけばいいんじゃないのかしら。
      獣のように欲望のままに貪り合うのもお姉さんは悪いことじゃないと思うし。
      もちろん優しく繊細に扱われるのも嫌いじゃないわよ」

キャーリサ「そーなのか……」

オリアナ「お姫様、もしかして怖いの?」

キャーリサ「!?」

オリアナ「心配しなくても大丈夫よ。坊やにすべて任せてしまえばいいじゃない。
      何も考えず与えられる刺激に没頭した方が余程気持ちよくなれると思うわよ」

キャーリサ「むー……」

オリアナ「お姫様恋してるのね、羨ましい」 クスッ

キャーリサ「恋か……そーだな。一回りも年下の相手にこうも心をかき乱されるとは、正直悔しいけどな」

オリアナ「そうね。坊やの若さを受け止めてあげないと。
      大丈夫よ、あの子はお姫様が傷つくようなことはしないわ」

キャーリサ「うん……が、がんばるの。とーまには一か月も我慢させてしまったからな……」

オリアナ「それはもう滾って仕方ないでしょうね、彼も男の子だし。熱い夜が過ごせそうね」

キャーリサ「ん……うん。と、とにかくお前に相談してよかったし。何か勇気が出てきたぞ!」

オリアナ「それは良かったわ。まあテクニック的なことが不安なら、資料を見てみるのもいいかも知れないわ」

キャーリサ「資料か……前に発見したとーま好みのDVD見てみるか」
       
オリアナ「あくまで参考程度にね。思いやりがあればきっと大丈夫よ。
      何にせよ、お姉さんにもお役にたてるようなアドバイスは無理かな。だって」

キャーリサ「ん?」

オリアナ「お姉さんヴァージンだから」

キャーリサ「」



506 : ◆S83tyvVumI :2011/05/10(火) 22:41:00.67 ID:pU++ETExo

―――上条宅


キャーリサ「人は見かけによらないとはこのことだし。思わず気を失ったじゃない。
       あんなにセックスアピールの激しい見た目をしているくせに処女とは……冗談は服だけにしてほしいの……」 トボトボ…

上条「お。おかえりー」

禁書「おかえりなさいなんだよ」

キャーリサ「んー……ただいまー」

上条「遅かったな、どっか行ってたのか?」

キャーリサ「友人とお茶を飲んできた」

上条「キャーリサ友達出来たのか。よかったな」

キャーリサ「え? ああ……騙された気分だがな」

上条「?」

キャーリサ「……」 ジー

上条「どうしたキャーリサ?」

キャーリサ「……いよいよか」

上条「へ?」

キャーリサ「い、いや何でも無いし! それよりとーま、お腹が空いたの!」

禁書「私もなんだよ!」

上条「はいよ、今準備してるからもうちょっと待ってな」 トントンッ

キャーリサ(クリスマスまで後一週間か。
       とーま、忘れられない夜にしてやるから覚悟しておくことだなっ) フンスッ

上条(何だ……? 何かキャーリサが燃えてるぞ……) ゾクッ

キャーリサ(私は偉大なる英国第二王女キャーリサだしっ。全てに於いて万能だしっ!
        性行為に於いても無論隙無しよ!
        ふふふふ……見ていろとーま……私の身体に溺れさせてやるの) ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

禁書「?」

上条(そっとしとくか……)



507 : ◆S83tyvVumI :2011/05/10(火) 22:44:52.58 ID:pU++ETExo

【ロイヤルロストヴァージン】



一週間後


――――上条宅


キャーリサ(というわけで、あっと言う間に一週間が経過してしまったの……)

キャーリサ(いよいよ本番のクリスマスだが……不安だし)


ガチャッ


上条「ただいまー」

キャーリサ「おー、おかえりとーま」

キャーリサ(ま、ここまで来たらなんとかなるか……)

上条「なんかいい匂いするな」

キャーリサ「うん、晩御飯作ってみたの」

上条「ば、晩御飯ですか……」

キャーリサ「おい。今度は失敗しないよーに本の通りに作ったし。
       余計な真似は一切しなかったんだから失敗は無いぞ」

上条「そ、それならいいんだけど……いや、確かにうまそうだな……」

上条(でもキャーリサの料理はいつも見た目だけは高級感あるし……。
    にしてもこのメニューは一体……)

キャーリサ「どーした? 感動のあまり言葉もないの? いーのいーの、さーたくさん食べろ。
       せっかくクリスマスなのだからたまには贅沢しよーじゃない」

上条「これ全部作ったのか、すごいな」

キャーリサ「学校も冬休み始まって暇だしな」

上条(肉を中心として、うなぎ、山芋、卵、チーズ、にんにく、牡蠣、根菜にチョコレート……?
    こってりしてんなー……)

キャーリサ「七面鳥は残念ながら手に入らなかった。
       今日はワインも買ってあるし。早速食事にしよー」

キャーリサ(とにかく精をつけさせねば。そして酒の力も利用させてもらうし。ここが勝負時だし!) グッ

上条「? あ、そだ。ケーキ買ってきたから後で食おう」

キャーリサ「気が利くの。では私からもクリスマスカードとプレゼントだし。
       お前靴ボロボロだからな、新しいやつだ」



508 : ◆S83tyvVumI :2011/05/10(火) 22:49:00.89 ID:pU++ETExo

上条「マジか。そりゃありがたい。上条さんの靴底が減る速さはハンパじゃないからな。
    あ、そういやこの前あげたワンピース着てくれてるんだな」

キャーリサ「まーな。似合うか? お前結構エロイの選んだな。胸がザックリだし」

上条「い、いやそんなつもりじゃ……」
       
キャーリサ「ふふ、いーのいーの。お前に見てもらえるしな。
        それより食事にしよー。お腹空いてるだろー?」

上条「食う食う。キャーリサが来てから食生活が豊かになって幸せですのことよ」

キャーリサ「現金な奴め。インデックスのこと言えんし」

上条「いやいや、もちろんキャーリサが家にいてくれるってのが一番嬉しいけどな。
    インデックスと三人で仲良く暮らしていけてるのが上条さんのささやかな幸福なんですよ」

キャーリサ「そ、そーか。そーまで言われると嬉しいものだな……」

上条「いやー、美味そうだな」

キャーリサ「とーぜんだし。私が作ったんだからな」

上条「この前まで壊滅的だったくせに」

キャーリサ「う、うるさいし! 文句は不味かったら受け付けるの!」

上条「はは、冗談だって。いただきまーす」 パクッ

キャーリサ「…………」 ドキドキ

上条「むぐむぐ……ふんふん」

キャーリサ「ど、どーだ?」

上条「おお、美味い」

キャーリサ「そ、そーか! そーなのか! ふふふっ、やはり私ともなると、苦手なこともすぐに克服してしまうらしーな。
       見直したかとーま」

上条「惚れ直したよ」

キャーリサ「へっ!?」 

上条「な……なんてな……はは」

キャーリサ「あぅ…………」 



509 : ◆S83tyvVumI :2011/05/10(火) 22:50:21.73 ID:pU++ETExo

上条「あ、あれ。どうしたの?」

キャーリサ「……何でもないし……馬鹿者め」 ドキドキドキ

上条「お、おう……?」

キャーリサ(うう……何か恥ずかしーの。顔が熱いし……ハッ! こ、これが料理の効果なの!?
       我が才が恐ろしーし。これからは『軍事』だけでなく『家事』のキャーリサと名乗るのもいーな……) ブツブツ… モグモグ…

上条「うめー、インデックスにも残しといてやるか」

キャーリサ「そーだな。ところでとーま。その……気分はどーだ?」

上条「気分?」

キャーリサ「そーだ。……体が火照るとか……元気が有り余る感じとか……興奮とかモニョモニョ」

上条「そりゃこんな美味いもんいっぱい出て来たら元気にもなるよ。ありがとなキャーリサ」

キャーリサ「い、いやそーじゃなくてだな」

上条「?」

キャーリサ「……むー」

上条「ど、どうしたんだよ?」

キャーリサ「もーいいし! ワイン開けるぞ!」 キュッ…ポンッ!

上条「ああ」

キャーリサ「グビグビグビ」

上条「お、おいおい……そんなに一気に飲んだら……」
       
キャーリサ「私を誰だと思っているの! 英国王女だし!
       酒に飲まれたことなど生まれてこの方一度も無いの!」 ゴキュッゴキュッ!

上条「そうか? じゃあいいけど……」

キャーリサ「っぷはー! ……お前ー、後で覚えてろよ」

上条「上条さん何かしましたか……?」

キャーリサ「これからするのっ!」 ゴキュッゴキュッ!

上条「何なんだ一体……」



次→キャーリサ「家出してきたし」上条「帰って下さい」その9

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