12:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 18:23:47.68 ID:v4/3W9kJO
佐天「自分そっくりの人間を作る能力、かぁ……」
佐天「どのくらいそっくりなんだろう」
佐天「でも試すのはちょっと怖いかな……」
佐天「でもせっかくの能力なんだから……」
佐天「………………」
佐天「えいっ」ポン
佐天「……!?」
的な
新世紀エヴァンゲリオン (13) 【プレミアム限定版】 (カドカワコミックス・エース)
14:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 18:33:43.09 ID:
Rj91SYvtO
佐天「で、できた! これがもうひとりの私……」
佐天「そう、私はあなた。もうひとりの私」
佐天「しゃべった!」
佐天「私はあなたが超能力で生み出した写し身。身体の造りから知識、筋力、思考や行動パターンまでうり二つ」
佐天「これがどういう事かわかる?」
15:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 18:38:47.88 ID:
Rj91SYvtO
佐天「どういう事かって……」
――――ヒュッ
佐天「うわっ!?」ドサッ
佐天「同じ次元に佐天涙子は二人もいらない。私さえいればあなたはもう用済みって事よ!」ビュッ
佐天「くっ!?」
ドカッ
20:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 18:52:23.54 ID:0No/7l9p0
一人いくらだ
22:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 18:54:25.55 ID:LwNl3nQ+0
サテンVSミサカの戦争が...始まんねーや
24:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 19:13:59.46 ID:
Rj91SYvtO
佐天「っぐ!?」
佐天「用済みってどういう事よ! あなたは私が生み出した分身でしょ!?」
佐天「違うわ! 私は私。偽物でも分身でもなんでもない……私も佐天涙子なのよ」
佐天「それと私を襲う事に何の関係があるの!?」
佐天「私達の能力は『もうひとりの自分』という、本来ありえない存在を生み出す奇跡じみた力」
佐天「この力が何の代償も無しに行使できると思う?」
25:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 19:18:53.40 ID:
Rj91SYvtO
佐天(前に白井さんからテレポートについて聞いた事がある)
佐天(もし転移先に物体があった場合、転移対象は転移先の物体を『押しのけて』テレポートする)
ジジッ
佐天「っ!」
佐天「始まったわね」
佐天「始まったって……何がよ」
佐天「対消滅よ」
佐天「消滅……?」
28:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 19:26:29.54 ID:
Rj91SYvtO
佐天「世界に用意された佐天涙子という枠組みは一つしかない。自分が絶対の一である事を、私達自身が強く願っているから、お互いの存在を維持できない」ジジッ
佐天「質量保存の法則を始めとするあらゆる法則をねじ曲げて『もうひとりの自分』を世界にねじ込める程、レベル1の私達は強くないのよ」ジジッ
佐天「だから死んで。私はまだ消えたくないの……!」ダッ
佐天「……っ」
31:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 19:32:35.20 ID:
Rj91SYvtO
世界に同じ人間は二人存在しない、できない
仮に同一の存在が二つ在ったなら、片方は消えなければならない
もし、それを違えたならば、二つの存在を消す事で世界は解決を図る
だから佐天涙子の写し身は、佐天涙子を殺す事を選んだ
殺さねば自身が消える
それは佐天涙子も同じだった
32:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 19:37:51.28 ID:
Rj91SYvtO
――ザクッ
佐天「……なんで、なんで避けなかったの……?」
佐天「だって……消えたくないって言ったじゃん」グラッ
ドサッ
佐天「私もおんなじだもん……自分が消えるのは…………怖い」
佐天「だから……私には『私』を殺す事はできないよ…………」
佐天「!!」
34:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 19:46:54.96 ID:
Rj91SYvtO
カラーンッ
佐天「し、しっかりして!!」
佐天「それは無理……かな…………一人しか残れないし……」ジジッ
佐天「私……あなたの事、代わり身か何かだと思ってた………………でも、違うよね」ジジジッ
佐天「駄目! 消えちゃ駄目!」
佐天「あなたも私……あなたは私自身――――」ジジジジッ
カッ――――
35:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 19:51:06.37 ID:
Rj91SYvtO
…………
……
……て
起きて、涙子
佐天「……ん」
「やっと起きたわね」
佐天「あなた……」
「私はあなたの写し身」
佐天「あれ…………私消えたんじゃ?」
36:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 19:58:34.52 ID:
Rj91SYvtO
佐天「ってあれ、ここは?」
「ここは佐天涙子の深層意識よ」
佐天「私の深層意識……?」
「そう。『もうひとりの自分』という自分だけの現実を受け入れた、佐天涙子の世界」
「あなたが私を受け入れた事で、佐天涙子は対消滅の危機を脱した」
「ありがとう、涙子」
「そして、レベルアップおめでとう」ジジッ
佐天「! ま、待って!」
「次に会う時までに、私ももう少し強くなるから」ジジッ
「それまで……バイバイ」
―――――ブツン
37:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 20:01:32.69 ID:9sRMyT370
泣いた
38:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 20:01:48.31 ID:
Rj91SYvtO
…………
「佐天さーん」
佐天「あ、初春。こっちこっち!」
初春「お待たせしました」
佐天「待ったよー。早く帰ろう」
初春「あ、そういえば、佐天さん試してみました?」
佐天「ん? 何を?」
40:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 20:09:58.39 ID:
Rj91SYvtO
初春「超能力ですよ。昨日はあんなに喜んでたじゃないですか」
佐天「ああ、あれね」
気がつくと、私は自室の床に倒れていた
刺された傷も無く、争った形跡もない
昨日の出来事が現実だったという証拠は、何も残されていなかった
42:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 20:20:47.22 ID:
Rj91SYvtO
でも、例え『もうひとりの自分』と会ったのが夢だったとしても、私はそれでいいと思う
なぜなら、もう私達がお互いを拒絶する事はないから
『私はあなた、私達は佐天涙子』
私は、私自身とうまくやっていける
佐天「うん、会えたよ。もう一人の自分」
初春「え! すごいじゃないですか!」
佐天「初春も会えるよ、もう一人の自分」
佐天「自分の心と向かい合えばさ――」
次に会う時は、彼女を笑顔で迎え入れようと思う
43:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 20:22:45.42 ID:
Rj91SYvtO
終わり
こんなんでどうだろう
45:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 20:29:00.39 ID:v4/3W9kJO
乙乙
サスペンス風味に進むかと思ったがそんなことなかったぜ
44:
ミサカ ◆WUf/MISAKA :2012/07/17(火) 20:25:40.24 ID:P2cZZwvD0
よかったです
乙
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