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キャーリサ「家出してきたし」上条「帰って下さい」その2まとめ→
キャーリサ「家出してきたし」上条「帰って下さい」まとめ
464 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:10:53.84 ID:A65Kna+do
―――英国 バッキンガム宮殿
神裂「ア、アックアにキャーリサ王女の迎えを頼んだ……ですか」
騎士団長「ああ。私は今も待機命令が出ている。が、キャーリサ様はカーテナの破片を持っておられるからな。
まともに打ち合える者と言えば、貴女か奴くらいのものだ」
神裂「それは分かりますが……手荒なことになるのでは」
騎士団長「キャーリサ様が無意味に抵抗しない限りは大丈夫だろう」
神裂「彼女ならするのでは……」
騎士団長「……かも知れないな」
神裂「はぁ……」
騎士団長「まったく。キャーリサ様も何も逃げ出すことは無いと思うのだが」
??「仕方あるまい。急に『あんな事』を言った私も悪かったのだ」
神裂「じ、女王陛下!」
騎士団長「エリザード様。先程も申し上げましたが、あの男を差し向けたので明日にはキャーリサ様もお戻りになられるかと」
エリザード「放っておけばいいものを。と言いたいところだが、事情が変わった。
早急に連れ戻す必要があるのだ」
騎士団長「何か事件にでも巻き込まれては困……ちょっと待って下さい。今何と?」
エリザード「『例の件』が少々早まることになった。急いて連れ戻させろ」
騎士団長「それはしかし…………いえ、了解しました」
神裂「しかし、何故王女が家出など……。 親子喧嘩でもされたのですか?」
エリザード「ん? ああ、実はな――――」
465 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:13:41.15 ID:A65Kna+do
―――学園都市 とある高校 正門前
ワイワイワイ… ガヤガヤガヤ…
上条「ふう。今日も楽しい学校が終わりましたよっと」
上条(……あれ、今日はキャーリサの奴来てないのか。いつも大体この辺りにいるのに)
上条(あ、けど今日はお土産物色するとか言ってたな。それが長引いてんのかな)
土御門「よーうカミやん。お疲れだにゃー。あれからキャーリサとはどうだ?」
上条「土御門か」
土御門「御挨拶だな。ねーちんからキャーリサが家出してるって今朝聞いたぜい。
カミやんと随分深い仲になってるって言っといたにゃー。ざまあみろ」
上条「? んなこと神裂に言ってどうすんだよ」
土御門「深い仲ってとこ否定しねぇとは、恐ろしいにゃー」
パタパタパタパタッ!
上条「……ん?」
五和「上条さーんっ!」 タッタッタッ
土御門「五和だにゃー」
五和「あ、ど、どうも……」 ペコッ
上条「どうしたんだそんなに慌てて」
466 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:16:21.04 ID:A65Kna+do
土御門「カミやん迎えに来たとか?
オラァッ! カミやんぶっ殺してやるぜいっ!!」 ゲシッ
上条「いてっ! なんでだよ!」
土御門「ムシャクシャしてやった。反省はしてない。カミやんが悪い」
上条「ひでぇな……で、何か用か?」
五和「あ、あの……。キャーリサ様がどこにいらっしゃるかご存じ無いですか?」
上条「キャーリサなら土産買いに行くとか言って朝一緒に出ただろ」
五和「はい……あの、上条さんが学校に行っている間、私がキャーリサ様から目を離さないようにと
女教皇様から指示を受けたんですけど……いないんです」
上条「いない? キャーリサが?」
五和「はい……」
土御門「その辺ほっつき歩いてんじゃないかにゃー。
元々結構奔放なお姫様ですたい。腹でも空いたら帰ってくるぜい」
上条「だな。買い物に時間かかってんだろ。この前だってセブンスミストで目輝かせながら大人買いしてたぞ」
五和「で、でももう5時前ですよ……? あれから8時間以上経ってるのに……」
467 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:18:57.78 ID:A65Kna+do
上条「言われてみりゃ確かに長いな」
五和「何かあったんじゃないでしょうか……」
土御門「まあ確かに可能性はあるな。カミやんは初対面からタメ口だったらしいから全く気にして無いだろうけど、
あの女は元々こんなとこウロウロしてる訳がねぇ超VIPなんだぜい。
誘拐すりゃいくらでも使い道がある訳だしにゃー」
五和「そ、それで、実は上条さんにも話しておこうと思ってたんですけど……」
上条「ん?」
五和「どうも学園都市内に魔術師が入り込んでいるみたいなんです」
上条「何!?」
土御門「それは本当か五和」
五和「ええ……最初は私の気の所為かと思ったんですけど、一応女教皇様にもお伝えしたら王室派と騎士派の方たちにも相談してみるとのことで……正体はまだつかめていません」
土御門「お姫様の家出騒動なんて清教派には関係無ぇことだが、誘拐とかになると面倒なことになるぜい」
上条「じゃあもしかして、キャーリサはその魔術師に攫われたんじゃないか!?」
土御門「有り得るな。どうするカミやん?」
上条「キャーリサはカーテナの破片を持ってるんだ。そう簡単にどうこう出来る奴じゃねぇはずだ。
まだ間に合うかもしれない!」
469 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:21:01.50 ID:A65Kna+do
土御門「カミやん携帯で連絡とれないのか?」
上条「あ、そ、そうだな! 電話してみる!」 ピッ
土御門「英国王室第二王女の番号が入ってるとは……恐れいるぜい」
五和「確かに……。それより繋がればいいんですが……」
上条「キャーリサ…………」
prrrrrrrrrrrrrrr……!prrrrrrrrrrrrrrrr……!
上条「クソッ、駄目か……」
prrrrrrrピッ!
キャーリサ『おー! どーしたとーま。私の声が聴きたくなったの? ふふっ、帰ったらいくらでも囁いてやるぞ』
上条「……え?」
五和「ど、どうしたんですか!?」
土御門「落ちつけカミやん。まずは居場所を確認するんだぜい。犯人が近くにいるかどうかもな」
キャーリサ『何を呆けた声を出しているの? あー、分かったの。お前私が待っていなかったから拗ねてるんだな。
可愛い奴め。いーぞいーぞ、今から迎えに行ってやるの。ちょっと待』
上条「キャーリサ! 大丈夫か!? 今どこにいるんだ!」
470 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:25:12.94 ID:A65Kna+do
土御門「カミやん。助けに行くなら協力するぜい。オレみたいな清教派にとっちゃ、王室派と騎士派に貸しを作るチャンスだ」
五和「私もですっ。上条さん、場所はどこですか?」
キャーリサ『大きな声を出すな。怒ってるの? 今はえーと……おい、ここはどこだ?』
上条「キャーリサ! 誰かと一緒にいるのか!?」
キャーリサ『んー? あっ! ふふっ、もー、お前はほんと可愛いな。ジェラシーか?
安心せよ、確かに男と一緒だが、これはそんなのではない。私はお前の方が断然気に入ってるし』
上条「何言ってるんだ……もしかして犯人が近くに……? 何かメッセージを伝えようとしてるのか……?」
キャーリサ『ん? 犯人……? んー? ……あー、成程成程そーいうことか……。では……コホンッ」
上条「キャーリサ?」
キャーリサ『……キャァァァアアアアアアアアア! 助けてとーまぁぁ!!
今はえーっとここは……第七学区自然運動公園で囚われの身だしっ!!
わー、滅茶苦茶にレイプされるー! ガチャガチャッドタバタッ!』
ブツッ……ツーツーツー…
上条「おい! 大丈夫かキャーリサ! おいっ!!」
土御門「どうしたカミやん!?」
五和「キャーリサ様はご無事ですか!?」
上条「分からない。でも自然運動公園にいるらしい……助けに行かないと」
土御門「了解だ。学舎の園の近くだな。急ごう」
五和「はいっ!」
上条「ああ、行くぞっ! 待ってろキャーリサ、今行くからなっ!」 ダッ
471 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:26:18.89 ID:A65Kna+do
―――学園都市 第七学区 自然運動公園前
土御門「ここだにゃー」
上条「この公園のどこかにキャーリサがいるはずだ」
土御門「あそこに地図があるな」
上条「……駄目だ、かなり広いぞ」
五和「それに小さくても林のような場所もあります。そう簡単には見つからないかもしれませんね……」
上条「手分けして探すか」
土御門「待てカミやん。まずはあの高台へ行こう。あそこなら公園全てが見渡せる。開けた場所にいないか、先にそれを確認した方がいい」
上条「よし、行こう」
五和「キャーリサ様……どうか無事でいてください……」
472 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:29:20.93 ID:A65Kna+do
―――高台
上条「よし、ここが高台だな」
土御門「キャーリサは外人だし金髪でよく目立つ。多少遠目でも分かるはずだにゃー」
五和「屋外でじっとしているとも思えませんが……」
土御門「魔術的な手段で隠れているなら、外の方が都合が良い場合もあるぜい。
まずは居場所を探り当てないとな」 スッ…
上条「お、おい土御門! まさかお前魔術を使う気じゃ!」
土御門「大丈夫だって。オレは案外死なねぇからな。それにカミやん、事は一刻を争うんだぜい」
五和「土御門さん……」
上条「すまねぇ……」
土御門「何、オレがやるのが一番手っ取り早いってだけのことだぜい。気にすんなよ」
上条「ああ……」
キャーリサ「ほう、これが東洋の魔術か。珍しーな。どうやって使うの?」
土御門「ああ。まずはこの紙を……ん?」
上条「え」
五和「あ」
473 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:30:53.68 ID:A65Kna+do
キャーリサ「遅いぞとーま。孕まされるところだったし」
上条「えええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!????????」
土御門「あっさり見つかったにゃー……」
五和「だ、大丈夫なんですか!? 命からがら逃げて来られたとか!?」
キャーリサ「あのなお前達。何を勘違いしているのか知らないが、私がいつ命の危機に陥ったと言うの?」
上条「え……だ、だって囚われの身って……」
キャーリサ「お前があんまりにも鬼気迫る声で心配するからだし。
私も囚われのお姫様というやつをやってみたかったんだ。
ヴィリアンのようにな」
上条「じゃ、じゃあレイプがどうとか……」
キャーリサ「そんなもん嘘に決まってるし」
上条「」
土御門「」
五和「」
キャーリサ「ふふっ、上から見ていたが、なかなか愉快な見物であったぞ。
真剣なお前に表情にまた少しときめ――」
パンッッ…!!
474 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:31:51.63 ID:A65Kna+do
キャーリサ「――――!」
五和「か、上条……さん?」
土御門「おいおい、お姫様だぜい……」
上条「お前、俺達がどんだけ心配したと思ってんだよ!」
キャーリサ「お……お前……わ、私に手をあげたの……?」 プルプル
上条「俺の勝手な勘違いだったかもしれねぇけど、土御門はそれで死ぬかもしれねぇ魔術を使うとこだったんだぞ!」
キャーリサ「そ、そんなこと私は知らないし……」
上条「下らねぇ真似すんな。人の不安煽って楽しいかよ?
お前に何かあったらどうしようって、みんな心配してたんだぞ!」
キャーリサ「…………」
土御門「ま、まぁまぁカミやん。無事だったんだからいいじゃねぇか。
お姫様の気まぐれに付き合ってやるのも小市民の役目って奴だぜい」
上条「…………」
土御門「おお……カミやんが珍しく怒ってるにゃー……」
五和「そ、そうですよ上条さん。こうして何事も無かったわけですし……」
475 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:33:49.18 ID:A65Kna+do
上条「そういう問題じゃねぇだろ……何か言うこと無いのか?」
キャーリサ「…………すまなかったの……」
上条「分かればいいんだ。帰るぞ」
キャーリサ「とーま……」 スッ
上条「ん?」
キャーリサ「私のこと……嫌いになったの……?」
上条「え……い、いやそういうわけじゃないけど」
キャーリサ「そ、そーか……ならいいの」
上条「お、おう……」
土御門「にゃー。痴話げんかはクソ腹立つから二人だけでやっといてくれにゃー。
それより、お姫様は誰かと一緒だったんじゃないのか?」
五和「確かに……結局、何されてたんですか?」
キャーリサ「うん? ……あー、奴ならそこにいるの」
五和「え?」
土御門「……っ!」
上条「なっ……!」
アックア「英国以来であるな、上条当麻。貴様とは何かと縁があるようだ……」
476 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:35:43.69 ID:A65Kna+do
上条「ア、アックアッ!!? 何でお前が!」
アックア「こちらにも色々と事情があるのでな。貴様が気に留めることではない」
上条「キャーリサを連れ戻しに来たのか?」
アックア「そうであった」
土御門「あった……ねぇ」
キャーリサ「少々事情が変わったのだ。ウィリアムはお前の学校が終わるまでの間、護衛を務めてくれていただけだし」
アックア「…………」
キャーリサ「睨むな。レイプだの囚われただのの発言が気に障ったの?
別にお前の名前を出した訳ではないし、いいではないの。
小さいことを気にするとは、賢者とも呼ばれるお前の底が知れるぞ」
上条「アックアによくそこまで言えるよな……怖ぇって」
五和「もう何だか一周回ってかっこいいですね……」
アックア「……私の役目は一先ず保留としたのである。
上条当麻、彼女の身の安全は貴様が保障しろ」
上条「え、お、おう。もちろんだ」
キャーリサ「お前のよーな木偶の棒よりとーまの方が余程頼れるし。
おまけにそこの五和にもお前は負けたのだろー?
そして土御門はとーまより喧嘩が強いらしーと聞いてる。
何が身の安全を保障だ。ではこの中で一番弱いのお前ではないの」 グイッムギュッ
477 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:38:43.09 ID:A65Kna+do
上条「っ!」 ビクッ
アックア「ふ……そうであるな」 フッ…
土御門「お姫様、アレをあんまり挑発しないで欲しいにゃー……」
五和「勝てたのなんて女教皇様達や上条さんの力があった上で、ほんとにギリッギリですし……」
上条「キャーリサさん……お願いだからその辺にしといてください……」
アックア「だが事実である」
キャーリサ「くっ、はは、冗談だ傭兵。
ご苦労であった。私の子供じみた我儘を察してくれて感謝するし」
アックア「…………あくまで保留である。私の立ち入る問題では無いようであるからな」
キャーリサ「ありがたいが、つれないことを言うの。お前は私の義弟になるかも知れない男だし」
アックア「……何の話であるか」
キャーリサ「んー? ふふ、帰りにヴィリアンに会って行くと良いの。あいつの熱っぽい目を見れば分かるぞ」
アックア「つまらぬ話である…………失せろ」
キャーリサ「くっくくくっ、怒るな怒るな。私ではなくお前の旧き友の仕業だしね。
安心しろ、あの男と喧嘩するときは私はお前を援護してやるからな。二人であの余裕の面をボッコボコにしてやるとしよー」
アックア「……」
478 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:39:46.78 ID:A65Kna+do
上条「何の話だ?」
キャーリサ「聞いて驚け、ヴィリアンはウィリアムが」
アックア「……」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
キャーリサ「……む、これ以上はやめておくの。奴にも限度というものはあるらしいし」
上条「あ、い、いやそうじゃなくて……キャーリサの問題って?
バンドがどうとかの親子喧嘩じゃないのか?」
キャーリサ「……」
上条「キャーリサ?」
キャーリサ「じき話すの。……そーだな、明日。お前が一日私に付き合ってくれたら、夜にでも話してやろー。
……それでお別れだ」
上条「え……」
キャーリサ「そんな顔をするな。今生の別れではないの。一度城に戻ってケジメをつけねばならないしね」
上条「それってどういう……」
キャーリサ「今は聴くなとーま……。もうー少しだけ、私に淡い幻想を見せていて欲しーの」
479 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:40:58.04 ID:A65Kna+do
上条「……?」 チラッ
アックア「…………」
上条「分かった、明日だな」
キャーリサ「うん。お前達も手間をかけたな。食事でも奢ってやろー。何でも良いぞ」
土御門「マジですか。 肉がいいにゃー」
五和「い、いいんでしょうか……?」
キャーリサ「うむ、来い来い。ウィリアム、お前もどーだ?」
アックア「私は遠慮するのである。科学の街の食事は口に合わん」
キャーリサ「意外と繊細なのところがあるの。 まーいい。では焼肉屋というのに行ってみたいの!」
土御門「任せてくれにゃーお姫様、超美味い店があるんですたい」
キャーリサ「そーか、では案内せよ」
土御門「ここぞとばかりに食ってやるぜいっ! ひゃっほう!」
上条「なあ、アックア」 ヒソヒソ
アックア「……何であるか」
480 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:44:59.95 ID:A65Kna+do
上条「キャーリサの家出の原因って……」
アックア「貴様が何を聞かされているのかは知らんが、私から話すことでは無いのである。
明日真実を知ることになるならば、時を待て。早さが解決することでも無い」
上条「……そうだな。キャーリサを見ててくれてありがとな」
アックア「私は彼女を無事英国へ送り届けることを頼まれた。
そこに護衛が含まれていただけのことである」
キャーリサ「おーいとーま。早くせよ。私よりその男の方がいいのかー? それはちょっとショックだし」
上条「今行くよ! じゃあな、アックア」
アックア「……ああ」
キャーリサ「まったく、王女を待たせるとは従僕失格だし」
上条「ごめんごめん。焼肉かぁ……一体いつぶりだろう……」 ホロリ…
キャーリサ「泣くほどのことか。お前の食生活ってどんなのだったの……」
土御門「聴くも涙語るも涙だにゃー。隣で暮らしてるオレがいたたまれなくなるくらいの極貧ぶりですたい」
五和「言ってもらえればいつでも上条さんのためにご飯くらい……ブツブツ」
アックア「…………」
481 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:48:09.33 ID:A65Kna+do
―――学園都市 上条宅
上条「はー……食ったー……こんなに肉食ったの学園都市に来て以来初めてかも」 ゴロン
キャーリサ「とーま、だらしがないぞ」 ゴロン
上条「キャーリサだって」
キャーリサ「ここはいかんな。誰も見てないと思うとつい怠けてしまうの。
宮殿内だとこーはいかんし」
上条「耳が痛いです」
キャーリサ「単純に羨ましいだけだし。こーしてお前と横に並んで寝転がっているだけでも、私には得難い経験なの」
上条「ふーん……あ、今思い出したけど。朝何か言いかけてなかったか?
ほら、五和達が来る前」
キャーリサ「んー……? ああ……」
上条「話の途中だったからな、何だっけ? 確か女王様達に紹介がどうとか……?」
キャーリサ「……いや、あれはあの時の気の迷いだし。気にするな」
上条「そうか? まあキャーリサがそう言うならいいんだけど」
キャーリサ「うむ」
482 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:49:19.94 ID:A65Kna+do
上条「…………」
キャーリサ「…………」
上条「……キャーリサ」 スッ
キャーリサ「……んっ」 チュッ
チュッ……チュプッ……
上条「……っ」
キャーリサ「んぅ…………ずるいし」
上条「……何がだよ」
キャーリサ「色々すっ飛ばし過ぎだと言ってるの……」
上条「……好きだ、キャーリサ」
キャーリサ「――――っ」
上条「……こ、こういうことだよな……」
キャーリサ「……こんな時だけ察しがいいの……」 ギュッ
上条「だ、駄目か……?」
キャーリサ「お前惚れっぽいのか……?
正直好きになるのが速すぎる気がするの。
……少し心配になるし」
上条「自分でもビックリしてるよ。……まあでも上条さん経験が色々と足りてないので、キャーリサの度重なる誘惑にコロッといかれちゃってるとこはあるけどな」
483 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:50:40.51 ID:A65Kna+do
キャーリサ「ふふっ……何だそれは」
上条「笑うなよ。正直な気持ちだろ」
キャーリサ「そーか。嬉しーの」
上条「……」
キャーリサ「返事が欲しーか?」
上条「いや……その……」
キャーリサ「答えてやるかどうかは明日のお前の頑張り次第、と言ったところか。
……もっとも、もう答えは決まっているけど」
上条「…………」
キャーリサ「だがそれまではお預けだし。
ふふっ、とーま。私を手に入れてみせろ。お前の持つあらん限りの策を弄して」
上条「が、がんばりますよ」
キャーリサ「無論私もそのつもりだし」
上条「えっ……」
キャーリサ「……私は王女だし、欲しいものは手に入れよーと思えばある程度のことまでは不可能ではない。
だがな……困ったことに、いつも私の欲しいものは、簡単には手に届かぬものなの」
484 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:52:55.17 ID:A65Kna+do
上条「……イギリスのことか……?」
キャーリサ「やはり鈍感だな、お前は……」
上条「面目ないです……」
キャーリサ「……お前が欲しーぞ、とーま。私の数少ない欲望だし。
だが私は偉大なる英国第二王女。私のものになってくれなどと頼むつもりは毛頭無いの。
とーま……」
上条「あ、ああ……」
キャーリサ「私のものにしてくれと、お前に懇願させてやりたかったの」
上条「キャーリサがそうしろってんなら俺は……」
キャーリサ「やめよとーま。お前との戦いをそー簡単に終わらせたくは無いの。
これが終われば私は……」
上条「キャーリサ……お前何か隠してるのか?」
キャーリサ「隠している」
上条「や、やけにあっさりなんですね」
キャーリサ「嘘をついてお前に殴られた。だからもうお前に嘘はつかないし」
上条「あ、ご、ごめんな。痛かったよな……」
キャーリサ「許さん。許さないしとーま。私を二度も殴ったのはお前と母上だけだ。
…………許さないの」 クスッ
上条「も、申し訳ありませんでした。上条さんどう責任をとればいいやら……」
485 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:55:41.29 ID:A65Kna+do
キャーリサ「……ふふっ、お前はずるいな、とーま」
上条「え……?」
キャーリサ「すまんが、今は話せん」
上条「そっか……」
キャーリサ「悪く思わないで欲しーの。話せばこの幻想は終わり、魔法の解けたシンデレラはただの惨めな娘となる。
お前はガラスの靴も無く、私を救い上げることが出来るのか?」
上条「意味が分からねぇよ……」
キャーリサ「そーそー都合良く、王子様は迎えになど来てはくれんということだ。
故に私は自らの力でそこから脱しようとしたの。もっとも、そんなことをしても何も変わらなかったと、今日知ったのだが。
……つまらん話をしているの。安心しろ、この話の結末は、誰も不幸にはならない」
上条「……お前もだよな?」
キャーリサ「そーだ。とーま……私を朝まで抱き締めよ。
優しい幻想は幻想のまま、英国へと持ち帰りたいし」
上条「あ……ああ……分かった」 ギュッ
キャーリサ「男に抱き締められるなんて……生まれて初めてだし」 グッ
上条(思ったよりずっと華奢だな……年上だし何か偉そうだから大きく見えてたけど……ただの女の子と変わらないじゃないか……。
考えてみりゃ当たり前か……。キャーリサ、お前、何隠してるんだよ……こんなに震えてるくせに……)
486 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 02:01:42.86 ID:A65Kna+do
キャーリサ「一回りも年下の少年に体を預けるとはな……妙な気分だし」
上条「上条さんは何度も言うように年上のお姉さんが好きなのでむしろ御褒美ですよ」
キャーリサ「年上年上言うな。少し凹む」
上条「言い出しっぺはお前だろ」
キャーリサ「はははっ、そーだな。とーま、明日はどこへ行こう」
上条「ん……そうだなぁ……」
キャーリサ「どこへでも行くぞ、お前となら。特別なことなど無くて良い。
ただ私が生涯忘れ得ぬよーな、そんな一日にして欲しーの」
上条「分かった」
キャーリサ「……良い返事だし。このまま寝たいところだが、シャワーくらい浴びんとな。
焼肉くさいし」
上条「だな……よいしょ……ん? おい、離してくれなきゃ起き上がれねーよ」
キャーリサ「……もう少しだけ」
上条「……まあいいか」
キャーリサ「ふふっ……温かいぞ、とーま。こんな時はその……何だ。柄にも無く言ってしまうな……使い古された言葉だ」
上条「何を?」
キャーリサ「このまま時が止まれば良いのに」
上条「――――!」
キャーリサ「……時を止めてくれ、とーま。お前なら出来る……」
上条「上条さんは無能力者なので……ごめんな」
キャーリサ「そーではない。簡単なことだ。……むしろお前にしか出来ん」
上条「えーっと……どうすりゃいい?」
キャーリサ「こーするんだ……」 スッ
上条「えっ……――――」
489 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 02:03:25.51 ID:A65Kna+do
番外編
【焼肉】
ワイワイワイ…ガヤガヤガヤ… ジュージュー…
土御門「美味そうだぜい! ハラミいただきっ!」 ヒョイパクッ
五和「上条さん、そろそろこちらが焼けますよ」
上条「お、ありがとな。五和も焼いてばっかいないで食えよ。ほら」 ヒョイッ
五和「あ、ありがとうございます……。上条さんと間接キス……」 ボソボソ
キャーリサ「…………」
上条「あん? どうしたんだキャーリサ。俺の顔に何か着いてる?」
キャーリサ「あー着いているぞ、いやらしくて許しがたいものだ。
まーそれよりとーま。食べさせてやるの。あーん」
上条「い、いーよそんな……」
キャーリサ「遠慮するな。ほれほれ」 グイッ
上条「あっづー!! それ熱い!! ぎゃぁぁぁああああああ!!!!」
キャーリサ「ふんっ」 パクッ
土御門「はははっ。あーあ、カミやん死ねばいいのににゃー」
上条「お前まで何怒ってんだよ」
490 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 02:05:13.50 ID:A65Kna+do
土御門「分かって無いとこが超腹立つぜい。こっちのホルモンいただきっ!」 パクッ
キャーリサ「こら土御門。それは私がとーまのために育てていたの!」
土御門「もぐもぐ。もう食っちまったにゃー。焼肉ってのは戦争なんだぜい」
キャーリサ「ほほー……」 ピクッ
上条「バカっ、キャーリサ煽るようなこと……!」
キャーリサ「よかろー。受けて立つの。ほら、これを食べろ土御門?」 ポィッ
土御門「? ありがたくいただくぜい」 パクッモグモグ
キャーリサ「今だ! とーま、こいつを食え! 私の育てた特上カルビだしっ!」
上条「お、サンキュー」 パクッ
土御門「むぐっ、しまった! そいつを狙ってたのに!」
キャーリサ「ふっ、箸を伸ばしても遅いわ。貴様が今食べたのは安い上ミノ。噛んで飲み込むには少しばかり時間がかかるし」
土御門「甘いぜい! こんなもん無理矢理飲み込めば……」
キャーリサ「今だし! そのお冷にトラップを仕掛けるのっ! こいつを食らえっ!」
土御門「むぐっ! ……か、辛ぁぁああ!!! テメェ今何突っ込みやがったぁああ!!!」
キャーリサ「豆板醤だし。さー、とーま。こっちの特上ロースが焼けたの。安い肉は土御門に任せてお前は」
491 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 02:06:11.62 ID:A65Kna+do
五和「上条さん、サラダ入れましょうか?」
上条「お、悪いな。さすが五和、気が利くな」
五和「えへへ、慣れてますから。はいどうぞ」
上条「何だか盛り付けまで女の子っぽいぞ。五和に入れてもらったっと思うと余計に美味しそうに見えるなー」
五和「そ、そんなそんな! でも嬉しいです。あ、網焦げてますね。すみませーん、網変えてくださーい」
上条「出来る子だ……一家に一人欲しい逸材だな」
五和「いえいえそんな。ふふっ、でも嬉しいです」
キャーリサ「……」
五和「あ、グラス空ですね。何か飲みます? 」
上条「んー? ウーロン茶で。五和も食えよ。上条さん焼くから」
五和「いえ、いいんです。焼きながら食べてますし、そんなにたくさん食べる方じゃないので」
上条「そーか? あ、キャーリサ、お前は何か飲み物」
キャーリサ「ツーン」 プィッ
上条「は?」
キャーリサ「ツーン」 プィッ
五和「も、もしや拗ねておられるのでは……」 ヒソヒソ
493 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 02:07:27.01 ID:A65Kna+do
上条「な、何で……?」 ヒソヒソ
五和「そ、それはその……私と上条さんが恋人のように見えたからですよ」
上条「えっ!?」
キャーリサ「おい五和! いくら何でも盛りすぎだし! せーぜー仲の良い友人程度だし!」
五和「チッ……ほ、ほらキャーリサ様も。お食事が進んでいませんよ。この焦げたハラミでもいかがですか?
発がん性物質も含まれてるお得な一品ですよー」
キャーリサ「いらん! 私はとーまが食べさせてくれなきゃ食べないの!」
上条「おい、どういうことだそれ」
キャーリサ「あーん」
上条「えー……」
キャーリサ「あーんっ!!」
上条「わ、分かったよ……ほら」
キャーリサ「むぐっ……むぐむぐ……うん、美味い」
上条「お前もっといいもん普段から食ってるだろ」
キャーリサ「違うし。……お前が食べさせてくれるからだし……」
494 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 02:09:38.10 ID:A65Kna+do
上条「うっ……そ、そうですか……」
キャーリサ「うむ……」
土御門「あー……オレらのこと忘れてるんじゃないかにゃー……」
五和「キャーリサ様の攻めは苛烈過ぎます……すぐ持ってかれちゃいました……」
土御門「五和もあれくらい積極的にいかないとにゃー。ま、オレはねーちん派だから手助けはしないぜい」
五和「わ、私には無理ですよあれは……たぶん女教皇様にも」
土御門「いやいや、案外……お?」
ワイワイ… スタスタスタ…
上条「ん?」
禁書「あ」
結標「あら、また会ったわね」
土御門「おー、結標ー」
結標「げっ……何で」
土御門「げっ、とは御挨拶だにゃー」
小萌「上条ちゃんもここでお食事なのですか? ここ結構高いのですよー」
上条「いえいえ小萌先生。今日はキャー……ゲフンゲフン、キャサリンという強い味方がいるから大丈夫ですっ!」
495 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 02:11:33.07 ID:A65Kna+do
キャーリサ「財布のような扱いはやめよ。腹立たしーぞ」
上条「滅相も無い。土下座しないと奢らないと言うなら上条さん何のためらいもなくしますよ」
禁書「とーうーまー! もしかして私がいないのを良い事に毎日こんな美味しいもの食べてるんじゃないのかな!?」
上条「そ、そんな訳ないだろ! なあキャ、キャサリン!」
キャーリサ「うん。こんなものより余程美味いものを食べさせてもらっているし」
禁書「ずるいんだよ! 小萌がいない時私はあわきの今一つなご飯で我慢してるっていうのに!
ぶっちゃけ料理の本見ながら私が作った料理の方が美味しかったんだよ!」
小萌「確かにそうでした」
結標「ちょっと。微妙に凹むんですけど」
キャーリサ「何を言う。お前はずっと食べて来たんだろー?」
禁書「ふぇ?」
キャーリサ「私が毎日食べているのはこいつの手料理だ。見てくれは大したことないが……愛が詰まっているし」
五和「なっ!」
小萌「ふぇっ!」
上条「っ!?」
496 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 02:12:05.46 ID:LjYv7A2DO
上条さん[ピーーー]
俺と代われ
俺が上条さんだ 498 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 02:12:49.53 ID:Rj8sqwGAo
>>496
そげぶ 499 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 02:12:58.64 ID:A65Kna+do
禁書「と・う・まぁあああああああ!!!!!!!?????????
愛情ってどういうこと!? 私の時にはきっとたぶんそんなの入れてくれてなかったよね!?
やっぱり私がいないときキャーリサとイチャイチャしてるの!? ちょっと詳しく説明してもらいたいかも!!」
上条「誤解だって! 愛情ってどうやって入れるんですかー!? つか名前! 名前言ってる!」
小萌「あの上条ちゃん、今キャー」
上条「あああああああああああああ!!!!!!!!!! 久しぶりにインデックスに会えて嬉しいなぁああ!!!
よーし一緒に食おうぜぇええええ!!!!!」
禁書「え? そ、そう……? そこまで言うなら一緒に食べてあげてもいいんだよ!」
キャーリサ「うむ。一人二人増えよーが構わないの。運がいーなお前達。今日は私の奢りだし」
禁書「な、なんだか見た事の無いお肉がテーブルにズラリと並んでいるんだよ!
これは一体何なのかな!?」
上条「ああ、上条さんも初めて見るんだ。知ってるかインデックス?
これ……霜降りって言うんだぜ?」
土御門「哀しくなってくるにゃー……」
五和「上条さんほんと苦労されてるんですね……」
キャーリサ「? 普通こーではないの? やけに赤味の肉がスーパーで売っているなと思ってはいたが……」
上条「そしてインデックス。このお人が今から俺達に霜降り牛を食べさせてくれる神様だ。
多少腹の立つ言動もあるが基本的に神様だ」
禁書「ありがとうなんだよキャーリサ!! 私、キャーリサの家の子になりたいんだよ!」
上条「だから名前……もういいか……」
500 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 02:15:53.87 ID:A65Kna+do
キャーリサ「別に毎日肉は出てこないし」
禁書「イギリスの王室なら、きっと古今東西ありとあらゆる美食が味わえると思うんだよ!
キャーリサ、一ヶ月くらい泊めて欲しいんだよ!」 キラキラキラキラ
キャーリサ「何を想像しているか知らんが王室とは言え決して贅の限りを尽くしているわけではないぞ……」
土御門「ってかもうイギリス王室とか言っちまってるにゃー……」
小萌「……????」
上条「良かった……半信半疑のままみたいだ」
五和「普通信じないですよね……英国の王女様が学園都市で焼肉食べてるなんて」
結標「どうでもいいけど隣の席座っていいの?」
キャーリサ「おー座れ座れ。こーいう食事は人数が多い方が楽しいだろー」
小萌「キャサリンちゃん。先生も半分出させてもらうのです! ここは大人のお姉さんに甘えるといいのです!」
キャーリサ「大人……の?」
土御門「そこは深く突っ込んではいけないにゃー」
キャーリサ「そーか。別に気にすることはないぞ」
小萌「いえいえ! 大人ですからっ!」 ドンッ
キャーリサ「そ、そーなの……?」
結標「気にしないで。貴女に張り合ってるだけだから」
キャーリサ「?」
五和「ではお肉を追加しましょうか」
キャーリサ「そーだな。とーま、その間私達は先ほどの続きをするの」
501 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 02:17:10.39 ID:A65Kna+do
五和「むっ……」
小萌「何ですか?」
禁書「? ねぇ、続きって何?」
上条「わ、馬鹿っ!」
キャーリサ「バカとは何なの。そら、さっきのお返しだ。とーま、あーん」
禁書「!?」
上条「そ、それは……」
キャーリサ「あーん」
上条「う……パクッ」
キャーリサ「美味いか?」
上条「はい……ムグムグ……美味しいです」
キャーリサ「そーか。よかった」 クスッ
禁書「……とうま」 ボソッ
上条「!」 ビクッ
禁書「私、お肉の前に食べたいものがあるんだよ」
上条「何でしょうインデックスさん……」
禁書「それはね……」
上条「ゴクリ…」
禁書「とうまの頭なんだよっっっっ!!!」 ガブッ
上条「ギャァァァァァァアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!
不幸だぁぁぁぁあああああああああああ!!!!!」!!!!!!!!!!!!!!!」
540 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:01:02.91 ID:Bx8xFJv0o
7日目
―――学園都市 大通り 広場
ガヤガヤガヤ… ワイワイワイ…
翌日朝。
第七学区の大通りにある、学生達がよく待ち合わせに利用する広場に上条は立っていた。
上条「ふぅ……キャーリサの奴まだかなー」
本日はキャーリサと遊びに出かける約束をしている。
もちろん上条も周囲の例に漏れず、ここで彼女が来るのを噴水の中心からそびえ立つ時計台を仰ぎ、今か今かと待ちわびているところだった。
しかし上条とキャーリサは現在同居中の身である。
その二人が一旦家を別々に出てわざわざ外で待ち合わせなどとはどういうことなのか。
実際それを訪ねた上条はキャーリサから「それも乙女心だし」と一蹴され、追い出されるように家を出てきて現在に至る訳で、
結局のところロクな答えを得られてはいないのだが。
上条(女の子ってのは分からねぇ……。まあ女の『子』じゃないんだけど……)
キャーリサに聴かれたら切断必至な胸中で、上条は既に待ち合わせの10時を5分ほど過ぎた時計の前で腕を組み唸った。
キャーリサ「ま、待たせたなとーま」
そんな折、ひょっこりと現れたキャーリサ。
まさかすっぽかされたりでもするのかとちょっとドキドキしていた上条だったものの、
薄く微笑みを浮かべて頬を紅潮させたキャーリサがやや困惑気味にその場に現れたのでほっと胸を撫で下ろす。
上条「おー……ってキャーリサ、そんな服も持ってたのか」
542 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:04:07.66 ID:Bx8xFJv0o
そしてまじまじと彼女の格好を見下ろしてみる。
黒いファーとボタンのあしらわれた真っ赤なコート。
それ自体は彼女が愛用しているいつもの出で立ちだが、今日はいつもよりスカート丈がかなり短くなっており、
普段は後ろで派手に纏めている輝く様な髪も下ろされていた。
シックな黒スカートをヒラリと揺らし、編み上げのブーツでレンガ造りの道を踏みしめている。
キャーリサ「うん。お前が喜ぶと思ってスカート短いのはいてみたぞ。
に、似合うか……? 」
溢れる好意を隠そうともせず、キャーリサははにかんでそう言った。
ストッキングで覆われたスラリと長い足と、厚手のウールをぐぐっと押し上げる胸が上条の視線を引き寄せてしまうほど魅力的だった。
上条「なんつーか……大人っぽくて素敵です」
落ち着いた大人っぽさと、奔放な子供っぽさを両立させた美しくも可憐な金髪碧眼の美女は、上条の言葉に嬉しそうで微笑んだ。
キャーリサ「そ、そーか……なんだか照れるな、こーいうの」
上条「キャーリサって赤好きなの?」
キャーリサ「うむ。強い色だし」
キャーリサと言えば赤色というのが上条のイメージだった。
問いにそう答えたキャーリサの言葉に、上条はポンと手を打って納得する。
上条「あ、なるほど。確かに攻撃的だ」
そんなことを思い、そしてコートの胸元に覗く真っ白い胸の谷間。
大人の色気に満ちたその魅惑の丘に、上条は思わず息を呑んだ。
上条(チラリと見える胸の谷間も攻撃的です)
543 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:07:14.40 ID:Bx8xFJv0o
キャーリサ「どこ見てるの。もっと見るか?」
その視線に気づいたらしいキャーリサが、悪戯っぽい視線で上条に詰め寄り、自ら胸元に指を差し込んで引っ張り中身を披露する。
上条はそのあまりに甘美な光景に目を逸らすことが出来ず、興奮のために吹き出そうになる鼻血を慌ててこらえた。
上条「そこは普通怒るところじゃないのか……? 大人の余裕ってやつですか。
……ま、行くか」
キャーリサ「うむ……とーま」
何とか思考と視線を逸らし、そそくさと歩き出した上条を追いかけてくるキャーリサが、その腕にそっと手を絡めた。
上条「っ!」
ビクリと肩を震わせた上条に、キャーリサが引き寄せるようにして腕を組む。
耳まで赤い彼女の羞恥を露わにする顔は、およそ年上とは思えぬほど可憐で、直視しがたい程に上条の鼓動に早鐘を告げさせた。
キャーリサ「この方が……恋人らしーだろ?」
わずかに震えた声でキャーリサは言った。
上条「そう……だな」
だが上条はそれには気づかない。
何故なら、今現在右腕に押し当てられている温かく柔らかな感触に全神経を研ぎ澄ませて集中することでいっぱいいっぱいなのだから。
上条(胸がすごいです……。ふわふわです)
ぐにゅりと、形が変わる程押し当てられているキャーリサの胸である。
上条は既に本日最高潮の緊張感と至福に包まれていた。
544 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:08:40.08 ID:Bx8xFJv0o
キャーリサ「しっかりエスコートして欲しーの。……デートなのだし」
上条「分かった。任せとけ」
キャーリサの言葉を吟味する余裕などない。
二つ返事で応えた上条の脳内には、右腕の柔らかさ以外のあらゆる感触や刺激は伝えられなかった。
キャーリサ「うん。今日はどこへでも行くぞ」
しかし次に放たれたその言葉に、わずかにたじろぐ上条
上条「そ、そうなのか……」
上条当麻は健康な青少年である。
自分に好意を寄せてくれているであろう女性からそのように言われたら、否が応にも様々な妄想が脳内を駆け抜けるのである。
上条(あんなところやこんなところでもいいのでしょうか……)
つまるところそういうことだ。
着実に大人の階段を昇ろうとしている現状に、健全な期待はどんどん膨らんでいく。
キャーリサ「ふふん、どこを想像した? 私に言ってみるがいーの」
挑発するようにキャーリサが顔を寄せてにんまりと笑う。
からかうような笑顔が妙に似合うキャーリサ。
仄かに漂う甘い香水の香りも相まって、上条はドキリと胸を震わせる。
隠すようにぷぃっと顔を背けるのは、その気恥ずかしさを悟られたくなかったからだ。
上条「何も想像してねぇよ!」
545 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:09:32.43 ID:Bx8xFJv0o
キャーリサ「……お前が頑張ってくれたら、私も少しは考えてもいーぞ……?」
上条「っっっっっっっ!!!!!」
まさかの追撃である。
両手で上条の腕にすがりつき、耳元で囁かれた言葉は、色々な意味で上条には刺激が強過ぎるものだった。
身動きのとれなくなった上条を見て、キャーリサは満足げに表情を綻ばせる。
キャーリサ「だから私のためにせーぜー気張れ、とーま。楽しいデートにしたいの」
そうして無邪気に笑うキャーリサ。
大人の女性らしさの奥にある子供のようなその笑顔に、上条もまたつられて笑みを零した。
上条「ああ……そうだな!」
強く頷き、キャーリサを引っ張るようにして足を踏み出す。
空は快晴。
上条は今日の空模様のような晴れやかな心持ちで、キャーリサと二人きりで過ごす一日に想いを馳せたのだった。
546 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:14:21.44 ID:Bx8xFJv0o
――第六学区 レジャープール エントランス
休日を楽しむ学生達でごった返す第六学区。
レジャー施設や娯楽施設の集中したその場所の一区画、聳え立つ灰色の壁の巨大施設の中に上条達はいた。
キャーリサ「何だここは」
自動ドアをくぐり、ほのかに鼻をつく塩素の香にキャーリサがまゆをしかめて首を傾げた。
上条「全天候型温水プールだ。最近オープンしたらしくてさ。ちょっと混んでるかもだけど、いいか?」
あれから駅へと向かい、電車に揺られて15分程。上条とキャーリサは第六学区にあるレジャープールへと訪れていた。
数種の温水プールと、別フロアに設けられた天然温泉が売りの施設である。
昨日キャーリサに「明日どこかへ行こう」と誘われてからと言うもの、上条は少ない引き出しを全力で開けながらコースを模索した。
仮にも一国の王女をファーストフードからの公園コースという貧乏デートに連れていくわけにもいかず、
かと言って予算を全て出してもらうのも男として情けなく思えた上条は、丁度オープン仕立てで設備も充実したこの屋内プールへと彼女を連れて来ることに決めた。
本当は日本らしい文化財などに連れていってやるのが良いのかもしれないが、生憎と学園都市には純和風の建造物などは極端に少ないため、
またキャーリサは上条のような一般庶民のする遊びなどとは縁が無いだろうと考えたこともあってここを選んだのだが、彼女はその問いに笑顔で頷き応えた。
キャーリサ「文句は何一つ言わないことに決めている。行こー。
あ、でも私水着持ってないの」
当初の心配も杞憂に終わり、キャーリサがふと気づいたように言ったその言葉にも万全の対策があることをことさらアピールするかの如く
上条は得意げにフロアの端に設けられたスペースを指差した。
上条「大丈夫大丈夫。レンタルがあるから。ほら、あそこ」
そこには色とりどりの水着や水泳用品が並んでおり、この冬も間近に差し迫ろうかという季節に水着をわざわざ引っ張り出さずとも済むよう
レンタル施設が設けられているのだ。
547 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:15:57.55 ID:Bx8xFJv0o
キャーリサ「そーか。それならいいし。早速見に行くの
ふふ、私が毛の処理を怠っていたら出足で躓くところだったぞ」
弟を褒める姉のような表情でキャーリサはそう言った。
自分にはまるで縁の無い話に、上条はハッとなって頭をかく。
上条「あ……そうか、女の子はそういうとこも考えないと駄目なんだよな」
特に問題など無いと思ってはいたが、そこまで自分の考えは至っていなかったと、上条は苦笑しながら言う。
キャーリサ「一つ勉強になったな。だが安心しろ。王女のボディケアにぬかりなど無いし」
威張るように胸を張ってキャーリサ。
そんな仕草が無意味に胸元の膨らみを強調する。
上条「よかったー。上条さん最初から大失敗犯すところだったよ」
出来る限りその刺激物を見ないよう務めながら彼女と二人レンタルスペースへ向かって歩き出す。
キャーリサ「それにしても……ふふっ、プールか」
その途中、キャーリサは思い出したように笑みを零した。
上条「な、何だよ」
その笑顔に妙な含みを感じて上条が問いを返す。
そして再び戻ってきた言葉にのけぞるハメになった。
キャーリサ「お前、そんなに私の水着が見たかったのかー」
上条「なっ! ち、違うって! 誤解です!」
548 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:17:42.87 ID:Bx8xFJv0o
決してそんなつもりでは無かったが、確かにそう思われても仕方がないかもしれない。
日本人とは明らかに違う攻撃力を有するキャーリサの肉体美は、昨夜風呂場での出来事によって上条の脳裏に深く焼き付いていた。
キャーリサ「言うな言うな。みなまで言わずとも察してやるさ。
際どいの着てやろーか? ん? どんなのが好きなんだ?」
主に学生らしき女性客でにぎわうレンタルスペース、多数の商品が引っかけられたラックの前で問いかけてくるキャーリサ。
こちらのリクエストに応えてくれるつもりらしいが、上条はそれが気恥ずかしくて思わず押し黙った
上条「…………」
キャーリサ「好きなの見れるチャンスだぞー。当日好きなの選べるのがレンタルの良い所だろ」
キャーリサの誘惑は続く。
上条「か、可愛いのがいいです」
そして上条は抗うことをやめ、素直に欲望を口にした。
キャーリサ「そーか……似合うかな」
上条「キャーリサだったら何でも似合うって」
そこに関してはお世辞や下心など無しの本音だ。
キャーリサに似合わぬものだったら、恐らく誰が着ても似合うまい。
キャーリサ「そういう漠然とした褒め方は好きではないし。具体性が無いの。もっと頑張れとーま」
上条「難しいなー……」
茶化すように言われ、頭をかかえた上条を見て、キャーリサは満足げに笑みを漏らした。
549 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:18:57.13 ID:Bx8xFJv0o
キャーリサ「まーお前に女の水着を選ばせるのは酷か。適当に見繕うとしよー。
色は何がいい? 可愛いのが良いと言うことは……こんなのどーだ?」
一頻り上条で遊んでご機嫌のキャーリサが、レンタルの水着の中でも一際派手なものを一つ手に取る。
上条「豹柄ですか……え、マジで?」
着る人を選ぶアニマル柄。チェーンやスワロフスキーがところどころにあしらわれた、攻撃的にも程があるそのデザインに上条は目を剥く。
布地の面積も通常のものよりかなり狭く見える。
キャーリサ「駄目か?」
上条「可愛いとは真逆の方向性のような……」
そう応えた上条に、キャーリサは楽しそうに笑い返す。
キャーリサ「ふふ、冗談だし。私は好きだがなー……これは?」
上条「黒ですか」
次にキャーリサが選んだのは、カップの部分にレースがあしらわれた黒いビキニだった。
キャーリサ「この辺のレースが可愛いし」
上条「うーん……何か違うな」
確かにキャーリサのイメージには合う。しかし上条にはいまいちしっくりと来なかった。
可愛いデザインと言えば、上条の中ではもっと女の子女の子したものを想像していたためだった。
と言っても上条に水着の知識などある訳も無いので、あくまで男目線での選び方になってしまうのだが。
550 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:20:15.99 ID:Bx8xFJv0o
キャーリサ「お前結構うるさいな。じゃあどれがいーの?」
呆れたようにキャーリサは腰に手を当て、お前が選べと告げる。
言われ上条は一通り商品の眺めて、その中で目についたものを一つ手に取り差し出した。
上条「こんなの……とか?」
胸元や腰回りに黒いパイピングやヒラヒラの装飾を施した白いビキニタイプの水着。
それを受け取ったキャーリサは、商品と上条に視線を往復させて絶句している。
キャーリサ「白……だと。……私がこれをか?」
上条「上条さんはこれ好きです」
分かりやすい可愛らしさに魅力を感じた。
逆に言えば、細かい部分でのディティールや流行りのデザイン等と言ったものは上条には分からない。
が、最近できたばかりの施設なのだから、置いてあるものもさすがに時代遅れの代物ではないだろうと判断して差し出したのだ。
だが、キャーリサはそれを着るべきか否か逡巡している様子で、時折首を傾げたり口元を引きつらせたりしている。
キャーリサ「むー……わ、分かったの」
駄目だったかとゴクリと息を呑む上条の前で、たっぷりと時間をかけて吟味しキャーリサはようやく頷いた。
レジに持って行くその後ろ姿は、いつものキャーリサに比べるとちょっとだけぎこちなく見えた。
551 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:24:03.93 ID:Bx8xFJv0o
―――レジャープール 場内
そんなこんなで更衣室前にて別れ、上条は自前の海パンに着替えて現在、プールの更衣室出口においてキャーリサを待っているところだった。
塩素の匂いが仄かに満ちる場内。
足洗い場やシャワーコーナーを抜けた先に見えるのは多数のプールで思い思いに遊泳を楽しむ人々の姿が見える。
波の出る海を模した巨大プール、一階部分二階部分に一つずつ作られた施設を大きく一周するように流れるプール、
子供用の小型プールや既にかなりの行列ができている多数のスライダー、フードコート等、施設内部は非常に広大だ。
上条「おー、結構人いるなー。まあでも休日の割には入れる方かな」
ほとんどが学生だろうが、休日ということもありそこそこに大人の姿も見受けられる。
さすがにゆったり泳げるということは無いが、エントランスで見た人ごみに比べるとスペースにもかなり余裕がある。
別階には水着で入れる混浴温泉などもあるらしい。
キャーリサ「と……とーま……」
そんな折、女子更衣室の出口からこっちをこっそりと見ていたキャーリサがボソボソと声をかけてきた。
上条「ん? 何してんだよそんな隅っこで」
顔を半分だけ出して、体は出口の陰に隠れているため見えない。
彼女の頬にはわずかな赤味が差していた。
キャーリサ「い、いやその……だな。この水着は、いーのか……?
ちょっと年甲斐も無くはしゃぎ過ぎた格好じゃないだろーか」
ちょこんと華奢な肩の白い肌が見えていることからもちろんちゃんと着替えてはいるようだが、本人としては少々恥ずかしいものがあるようだった。
昨夜全裸を披露してくれた人物の言い分とは思えないが、そこも乙女心という奴なのだろう。
しかしそんなことを言っていてはいつまでたってもプールにたどり着かない。
ちょっとした悪戯心も芽生えてきた上条は、照れるキャーリサの心中などそ知らぬふりを決め込んで歩み寄る。
552 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:26:12.09 ID:Bx8xFJv0o
上条「えー? どれ」
キャーリサ「く、来るな!」
女子更衣室に引っ込もうとするキャーリサ。
上条「そんなこと言われたって隠れてたら遊べないだろ。今だっ!」
間一髪、逃げるその手を掴んで外に引きずり出してやる。
キャーリサ「うわっ! ひ、ひどいやつだしお前……」
自らを抱きしめるようにして水着を隠すキャーリサを見て、上条は言葉を無くした。
上条「お、おお……」
キャーリサ「あまり見るな……これはさすがの私も……恥ずかしーの」
もじもじするキャーリサが観念したようにその水着姿を披露する。
ざっくり開いた胸元の谷間と、ヒラヒラの可愛らしさが良い意味でのアンバランスさを演出し、短めのパレオの様になっている腰回りもキャーリサらしからぬ
可愛さが垣間見えた。
女性の服のデザインのことなど分かるはずも無い上条と言えど、これがキャーリサに似合っていない訳が無いというのは容易に理解出来た。
キャーリサ「私白は苦手なの……何かいかにも可愛い色だろー……?
これでも年は自覚してるし」
だが本人としては気になる部分もあるらしい。
上条「いや、すっげぇ可愛いと上条さんは思いますが」
それでも率直な感想を伝えてやることにした。
普段の上条の周りにはいないタイプの女性であるキャーリサは、年上お姉さんが好みの上条としてはかなりツボなのである。
553 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:27:42.86 ID:Bx8xFJv0o
キャーリサ「お前がそー言ってくれるのは嬉しいが……それにこれちょっと胸がきついの」
もごもごと何か言って視線を泳がせるキャーリサは、続いて胸元に指を突っ込んでそう言った。
上条「ブホッ!!」
そして上条は興奮のあまり倒れる。
その仕草は、突如全裸で目の前に現れられるよりも余程煽情的で、かつ様々な妄想を掻き立てる魔性を有していた。
キャーリサ「ど、どーしたのとーま!」
上条「い、いや……もう上条さんには刺激強過ぎて何が何やら……」
当然上条がそんなものに耐えられるわけがない。
女の子とデートなんてしたことがない上条にとっての初めての経験は、恐らく生涯忘れられぬ程の幸福感と貧血をもたらした。
キャーリサ「ん? ふふっ、そーかそーか」
上条の反応を見てニヤリと口元を綻ばせるキャーリサ。
上条「な、なんだよ……」
邪悪な気配を感じて、鼻を抑えつつ一歩後ずさる上条。
キャーリサ「いや。そーいうお前が見られるならこれも悪く無いかと思っただけよ。
いつまでも恥ずかしがってるのもカマトトぶってるみたいでアレだしな、行こーとーま」
上条「あ、ああ」
もっと容赦なくいじめられると思っていたが、存外素直なキャーリサに面食らう上条だった。
そしてキャーリサに続いてプールの方へ歩いていると、ふと周囲からの視線を肌に感じる。
554 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:30:26.43 ID:Bx8xFJv0o
上条(心なしか周囲の視線を感じる……。まあひょっとしなくてもキャーリサだよな。めちゃめちゃ目立ってるもんなー……)
優雅に歩くキャーリサの存在感は尋常ではない。
水着のモデルが撮影に来たと言われても疑う余地も無いほどのプロポーション。
そして一般人には到底持ちえない気品とオーラが、周囲の目をこれでもかと引き寄せていた。
キャーリサ「よし、とーま。まずはどこから攻めよーか」
慣れっこなのか、そんなことを気にする素振りも見せずキャーリサは腰に手を当て上条に無邪気に笑いかけた。
推定28~9歳でこんなにも愛くるしい顔が出来るのは、普段から他人に見られることを意識する王女だからこそなのだろうかと、
上条は素直に感心する。
上条(しかし……)
だがこちらを振り返ったキャーリサに思うのはそんなことではない。
上条の目は、ただ一点に引き寄せられた。
キャーリサ「結構混んでるなー。まーその方が休日っぽくて良いな!」
楽しそうに周囲を見回すキャーリサが動くたび、悩ましく揺れ惑う魅惑の双丘。
別に巨乳好きでも無いが、大人の色気を醸し出す胸、腰、お尻、脚、あらゆるパーツの中でも特に目立つその大きな胸に視線が引き寄せられるのは
健全な青少年たる上条には致し方ない事なのだった。
上条(歩くたびにユサユサと……。うーん……これは気をつけないと上条さんの幻想殺しが天使の力(テレズマ)してしまうぞ……)
下らないことを考えて何とか意識を別方向にシフトさせようとしていると、気付けばこちらをジトッとした目でキャーリサが見ていた。
555 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:32:22.86 ID:Bx8xFJv0o
キャーリサ「お前なー。そんなに胸好きなの? 凝視して良いとは言ったが私を無視するのは許せないし」
頬を膨らませて上条の脇腹を小突くキャーリサ。
上条「え!? あっ、ち、違うんだキャーリサ! これはやましい気持ちじゃなくてですね、男の性と言うか……!」
キャーリサ「やましー気持ちはあっても構わないし。でも今は私の目を見てて欲しーの」
慌てて弁解する上条に、キャーリサは青く澄んだ瞳を真っ直ぐにこちらに向けてそう告げた。
上条「あ、ああ……悪い」
スカイブルーの水晶のような眼に吸い込まれそうになりながら、上条は謝罪した。
上条(キャーリサの積極性が一段と上がってるぞ。……俺の気の所為じゃないよな?)
キャーリサから伝えられる好意はさすがの上条にも容易に伝わってくる。
しかし、「何故自分なのだろう」。
その疑問が上条の頭の中に浮かんでは消えて行った。
キャーリサ「とーま。あの波の出るプールに行くぞ」
大人の色気たっぷりの蠱惑的な表情を浮かべていたかと思えば、次の瞬間にはケロリと少女のように無邪気に笑う。
そのギャップの魅力に押されっぱなしの上条は、今日は自らを律することを諦め、キャーリサに振り回されることを素直に受け入れることに決めた。
一見天衣無縫な奔放さの奥にある、明確な大人の女性としての謹厳な本質。
他人への思いやりもキャーリサがちゃんと持っていることを知っている上条は、
彼女に勝手気ままに振り回されることに不快感や疲れ抱くことは無いだろうという確信があったのだ。
上条「はいよ。ところでキャーリサって泳げるのか?」
556 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:33:43.60 ID:Bx8xFJv0o
何だか楽しくなってきた上条は、キャーリサと並んでペタペタと足音を鳴らしながら歩きつつ、ふと思い浮かんだ疑問を何気なしに口にした。
キャーリサ「私に苦手なものなど無いし!」
即答で応えるキャーリサ。
上条「そうか。じゃ行こうぜ」
予想通りの答えに、上条は苦笑して波の出るプールへの歩みを進める。
と、その時どういうわけかキャーリサの足が止まった。
キャーリサ「……」
上条「ん? 何だ?」
振り返ると、何かを言いかけては思いとどまるように口を噤む彼女の姿があった。
キャーリサ「と、とーま……その……」
もごもごと要領を得ないキャーリサ。
上条「だから何だよ」
上条は首を傾げる。
すると、彼女は無言で壁際にある一つの店舗を指差した。
キャーリサ「あれを借りて来てくれないか……?」
続けてそう言う。
彼女が指差した先にあったのは、浮き輪やビーチボール等を貸し出すレンタルショップだった。
泳げると豪語したばかりの彼女にしては不自然な注文ではないかと上条は思った。
557 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:35:33.63 ID:Bx8xFJv0o
上条「あれって……浮き輪のレンタル? おいおい、泳げるって……」
キャーリサ「もちろん泳げるし! でも私は浮き輪でプカプカするのが好きなの! つべこべ言わずに行け従僕っ!」
顔を真っ赤にしてムキになっているキャーリサ。
そこで上条の悪戯心に火が付いた。普段からかわれてばかりの上条としては、ここぞとばかりに反撃に打って出るチャンスではないかと考えたのだ。
上条「そんな頼み方されても恋人である上条さんは行きませんっ」
キャーリサ「なっ! ここにきて反旗を翻すとは……!」
愕然としているキャーリサ。思ったよりもショックを受けているのか、目がバチバチと泳いでいた。
上条「それ相応の頼み方をしなさい」
さらなる追撃。
キャーリサより精神的優位に立てることなど稀なので、上条は今しか無いと調子に乗ることにした。
キャーリサ「……くっ……」
上条「…………」
歯噛みするキャーリサを見てぞくりと背筋を震わせる上条。
普段強気な彼女の困り顔、というか悔しそうな表情に妙な興奮を覚えた。
上条(お、困ってる困ってる。人に頭なんて下げないだろうしな。
もうちょっと困らせてみようかな……なんて)
嗜虐心に火が付く上条。
たまには自分の気持ちを味わうといいと、鼻を鳴らして意気込み口を開く。
上条「キャーリサ、借りてきて欲しけ――――!」
558 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:38:39.37 ID:Bx8xFJv0o
この勢いで「お願いします」くらいは言わせてやろうと思っていたその時だ。
上条は唇にとても柔らかい感触を得た。
一瞬真っ白になる思考。続いて視界にあったのは、瞳を閉じて甘い声を漏らすキャーリサの顔だった。
キャーリサ「んっ……」
悩ましげなキャーリサの声と共に、上条の唇を割って口内に侵入してくる熱くぬめったモノ。
上条の頬や鼻をくすぐる彼女の髪と吐息が、こちらの思考能力を加速度的に奪って行った。
上条「っ!? むぐっ……ぷはっ!」
それがキャーリサの舌だと言う事に気づいた瞬間、上条はキャーリサに軽く突き飛ばされるように両肩を押された。
一歩半開けられた二人の距離。
手を後ろで組んだキャーリサの表情はこの上なく蠱惑的な魔性を有し、ペロリと自らの唇を舐めて微笑んだ。
キャーリサ「ふふっ……これこそ我が宝刀だし。虎の子なの。
お前は私にこれを抜かせた……これで行けぬなら、私はどうすることもできないけど……」
ビリビリと脳内が未だに痺れている上条。
今でも現実だと言う実感が湧かなかった。
上条(し、舌を……! 柔らかくて熱くて……す、すごかったです……)
別の生き物のようにこちらの舌を求め、挑発してきた温かいモノの感触と甘い香りが今も脳内に焼き付いて離れない。
幸福感や驚きを感じる暇も与えられなかったその一瞬の深い口付けに、上条は自らの心が完全にキャーリサの手中へと落ちたことを自覚した。
「ヒソヒソ……見た? 今のカップル?」
「さすが外人さんですね……超大胆です」
「はまづら、私達も負けてられないね……」
「た、滝つ……むぐぅっ!」
559 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:40:24.84 ID:Bx8xFJv0o
ひそひそと周囲からの視線と会話が気恥ずかしい。
それはキャーリサも同じだったのか、俯き気味にこちらに視線を送るばかりでそれ以上の言葉は何も告げてこなかった。
キャーリサ「…………」
上条「い、行こうっ」
いてもたってもいられなくなった上条はキャーリサの左手を引き寄せるように取ってレンタルショップの方へと歩き出す。
キャーリサ「あっ……」
グィッと引っ張られる形となったキャーリサが小さな声をあげる。
上条「ん? あ、ごめんビックリしたよな」
キャーリサ「いや何、随分と普通に繋いでくるよーになったものだと思ってな」
痛かったのかもしれないと恐る恐る尋ねた上条に、キャーリサは余裕の笑みを返した。
上条「そういやそうだな。駄目だったか?」
キャーリサ「いちいち訊くな。駄目なら手首ごと切り落としているし」
しれっと言い放つキャーリサ。背筋をうすら寒いものが走る上条は、やっぱり彼女をからかうのは程々にしておこうと決意した。
上条「それならいっそ駄目と言ってくれ」
キャーリサ「だから構わないと言っている。光栄に思うがいいの」
いつもの調子で軽く応えたキャーリサ。
しかしその手はしっかりと上条の右手を握り返す。
キャーリサ「ちょっと、強引で、ドキッとしたぞ。とーま」
そして彼女は輝くように微笑んだ。
ドキリと胸を震わせた上条は、やはり彼女には勝てそうも無いなと苦笑いを零して二人揃って歩き出した。
キャーリサの耳がこの上なく赤く色づいていたのことに、上条は最後まで気付かなかった。
560 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:42:41.78 ID:Bx8xFJv0o
―――レジャープール スライダー
上条「うぉぉぉぉおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
キャーリサ「きゃぁぁぁぁぁああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
バシャーンッッ!!
上条「……このスライダーはなかなか……」 バシャッ
キャーリサ「なかなかスリルがあってよかったし。波の出るプールも良かったが、やっぱこーいうのが楽しーな!
よし、もー1回乗ろー!」 バシャッ
上条「ああ、いいけど、また40分くらい並ぶぞ?」
キャーリサ「むー……それは面倒だ。しかしお前と二人で乗れるのはこれくらいだしなー」
上条「流れるプールでも行って漂っとこう」
キャーリサ「それもいいな。しかし浮き輪は私のものだし」
上条「いや上条さん泳げますから」
キャーリサ「だから私は泳げると言っている。だが王女はバタ足などしないの
白鳥の如く優雅に水面を走るのが私には相応しーだろ?」
上条「白鳥は水面下で頑張ってるよ。キャーリサも頑張れ」
キャーリサ「水中でもがく素振りすら見せぬのが王女と言うものだし」
上条「浮き輪にお尻からはまってプカプカしてるだけだろ」
キャーリサ「私の船の船頭を任せてやるの。お前が私の優雅な船上生活を演出しろ」
561 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:44:32.48 ID:Bx8xFJv0o
上条「つまり浮き輪操作ですね分かります」
キャーリサ「そーとも言う。なんだ、文句が多いぞ。お前も浮き輪使いたいのか?」
上条「上条さんもプカプカお昼寝したいです」
キャーリサ「仕方ない奴だし。まあ武功を立てた臣下に褒美を取らせるのも主君の役目か」
上条「え、貸してくれるの?」
キャーリサ「私の浮き輪につかまって泳ぐことを許す」
上条「えー……」
キャーリサ「文句を言うな。よし、流れるプールに行くぞ。着いて来いとーま」
上条「はいよ。ま、堪能してくれてるみたいで上条さんは嬉しいですよ」
キャーリサ「うん。楽しんでるぞ。昼食はあのたこ焼きという奴に挑戦してみたいの」
上条「そーですか。流れるプールは二階の方が空いてるみたいだからそっち行こうか」
キャーリサ「うむ。急げ急げ」
上条「おーい、プールサイド走ると滑ってこけるぞ」
キャーリサ「ふははは! 王女はこけたりなどしな……うぉぁっ!」 ステーンッ! ゴンッ
上条「言わんこっちゃない……」
上条(っつかキャーリサ……めちゃくちゃ楽しそうだな。テンション高ぇ)
562 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:45:41.62 ID:Bx8xFJv0o
―――レジャープール 二階流れるプール
プカプカ…
キャーリサ「いつつ……何だあの床は。不敬罪だし。磔刑にしてやるの」
上条「この施設ごと十字架にどうやって……と思ったけどキャーリサならやってのけそうだから聞かないでおきます」
キャーリサ「うー、痛いの……肘が痣になってるし……」
上条「骨にヒビ入ったりしてないよな? ちょっと触るぞ」 グッ
キャーリサ「っ……」
上条「あ、痛かったか?」
キャーリサ「い、いや……お前に触られると、ドキドキするの……」
上条「あ、ああ……」
キャーリサ「とーまは……どうだ?」
上条「大丈夫だと思うけど、一応医務室でも行くか?」
キャーリサ「そーではなく……お前は、ドキドキしないか?」
上条「……あ、えっと……はい、します」
キャーリサ「そーか……。嬉しいの」
上条「……そ、それよりどうする? 医務室は」
キャーリサ「いや、これくらいなら大丈夫だろー。少なくとも英国でお前に殴られた時よりは痛くないし」
563 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:47:02.22 ID:Bx8xFJv0o
上条「上条さんそれ一生言われるんですかね」
キャーリサ「一生言ってやりたいな」
上条「高くついたなー……」
キャーリサ「……そーいう意味で言っているのでは無いのだが、まーいい」
上条「?」
キャーリサ「お前のそーいう所が気に入っているの」
上条「どういうことだかさっぱりわからん」
キャーリサ「私は根っからの狩猟者だし。追いかけている方が性に合っているのかも知れないな」
上条「上条さんを置いてけぼりですか」
キャーリサ「羊だな、お前は。ふふっ、食ってやろーか」
上条「えっ……そ、それって……」 ドキドキ
キャーリサ「馬鹿者。すぐそちらに持っていくのだから、これだから男という奴は……」
上条「お前が思わせぶりなことばっかりするからだろ」
キャーリサ「え」
上条「ん?」
キャーリサ「思わせぶりか……そーかそーか。つまりお前は、私の行動に含まれる好意に気づいてはいるということだな?」
564 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:48:34.74 ID:Bx8xFJv0o
上条「えっ、あ……そりゃまあ……ある程度は」
キャーリサ「どこまで鈍感かと思ったが、絶望的な程では無いよーだし。
うんうん、それくらいの方が張り合いがあっていいな」
上条「張り合いって……俺にも分かるように言ってくれよ」
キャーリサ「お前がもっと積極的だったら私もこんなに苦労しなくて済むの」
上条「それ本人に言うか? それに上条さんはこんなに尽くしてるじゃないですか」
キャーリサ「お前は私の恋人であり従僕なのだから当然だし」
上条「そうでしたね。くそう。一人で浮き輪も座りやがって……あ」
キャーリサ「ん?」
上条「いえいえ。何でも無いですよ」
キャーリサ「?」
上条(ふふふ、あっちに滝を発見しちゃいましたよー。よーし、浮き輪あっちに突っ込ませてやる ジャバジャバ
キャーリサ「おー、いいぞいいぞー。もっと飛ばせ、快適だし」
上条「はいはいお姫様ー。あっちに素敵な滝がございますよー」 スィー…
キャーリサ「うむ、ようやく受け入れたか。よし、プリンセス・キャーリサ号を出航させよっ!」 キリッ
上条「何だよそれ……」 バシャバシャッ
565 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:51:53.74 ID:Bx8xFJv0o
キャーリサ「クイーンエリザベスとかクイーンヴィクトリアとかあるだろー。私もあーいう船に自分の名を冠するのがささやかな夢なの」
上条「それのどこがささやかなんだ」 バシャバシャッ
キャーリサ「こんなこと話したのお前が初めてだし。光栄に思うといいの」
上条「キャーリサ……」 バシャバシャッ
キャーリサ「ふふふっ……」
上条「あ」
キャーリサ「ん? うわっ!! なにすうわぷっ!」 ジャバアアアアアアンッッ
上条(し、しまった! 会話に夢中で滝に突っ込ませちまった!」
上条(ま……そのつもりだったからいいか。シャワーに毛が生えたようなもんだし……)
ジャバアアアアア…
上条「……」
ジャバアアアアアアアアア…
上条「あ、あれ……浮いてこないぞ……?」
ジャバアアアアアアアアアア…!
上条「やばい! キャ、キャーリ」
キャーリサ「わっ!!」 ザバァッ!
上条「うぉぁあああ!!!!!!!!」 ビクゥッ!
566 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:53:04.72 ID:Bx8xFJv0o
上条「キャ、キャーリサ……?」
キャーリサ「何だその顔は。ゴーストでは無いぞ。こんなに血色が良くて気品ある幽霊などいるものか」
上条「ああ、間違いなくキャーリサだ」
キャーリサ「まったく……! ちゃんと前くらい見ていて欲しーの」
上条「わ、悪い……大丈夫か?」
キャーリサ「問題ないの」
上条「よかった……って、あれ、キャーリサ泳げないんじゃ?」
キャーリサ「誰もそんなこと一言も言ってないし」
上条「え、でも何か反応がそんな感じだったし……そのために浮き輪借りたんじゃなかったのか」
キャーリサ「……そ、それはだな……」
上条「うんうん」
キャーリサ「……こーしたかったからだ」 チャプッ
上条「え」 バシャッ
キャーリサ「ふふん……私も入るぞ」
上条(……二人で一つの浮き輪に……。
肌が密着して……胸も当たってるし……。やべぇ、変な気分になってきた) ドキドキドキ…
567 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:54:13.27 ID:Bx8xFJv0o
キャーリサ「窮屈か?」 プカプカ…
上条「い、いえっ! そんなことありませんっ!」 プカプカ…
キャーリサ「そーか。……ん? おいとーま……」
上条「はいっ、何でしょうか!」
キャーリサ「……当たってる。仕方ないのは分かるが……その、もう少し腰を離せ」
上条「!!!!!!!!!!!!!!!」
キャーリサ「ま、その反応は悪く無いけどな。私を意識してくれてるんだな」
上条「ええ、そりゃもう……」
キャーリサ「まったく青くて可愛い奴だし。こんなの初めてなの?」
上条「当たり前だろ」
キャーリサ「もちろん私もだし。お前のところに来てはや一週間。
未体験のことばかりさせてもらっているの」
上条「そりゃ俺もそうだよ。そうか、もう一週間も経つんだな……」
キャーリサ「長かったか?」
上条「長いようで短かったな。まさかキャーリサとこんなことするようになるなんて想像もつかなかった」
キャーリサ「……私は、正直少し想像していた」
上条「え……」
キャーリサ「お前のところに来ようと思う少し前からな。まー、手ごろな妄想の相手がお前くらいしかいなかったというのが大きいが」
上条「そ、そうですか」
568 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:55:46.67 ID:Bx8xFJv0o
キャーリサ「ふふっ、英国で初めて会った時は、何だこの小汚い小僧はと思ったもんだが、分からないものだし。
あっ、小汚いのは今も一緒か」
上条「褒めてんのかけなしてんのかどっちなんだよ」
キャーリサ「もちろん前者だし。お前は変わった奴だな。……お前といると心安らぐの」
上条「あ、ありがとな……」
キャーリサ「とーま……」
上条「ん……?」
キャーリサ「あの柱付近は陰になってて誰も来ないぞ。水着の下もまた見せてやろーか?」
上条「!?」
キャーリサ「なんてな。そーいう反応がもー見れないのかと思うと、寂しーの」
上条「……またいつでも来ればいいだろ」
キャーリサ「そー出来たらいいんだけど」
上条「そりゃそうか。王女様がそうぽんぽん国外に出られたらあっちも困るもんな」
キャーリサ「……そーだな」
上条「いつ向こうに戻るんだ?」
キャーリサ「ん……休み明けにでも戻ろうかと思っているの」
上条「そっか。お別れだな……」
キャーリサ「……とーま」
上条「ん?」
キャーリサ「……いや、昼食にするか」
上条「あー、もうそんな時間か。確かに腹減ったな、そうしようか」
キャーリサ「……うん」
569 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:57:00.83 ID:Bx8xFJv0o
―――レジャープール フードコート
ワイワイワイワイ… ガヤガヤガヤガヤ…
キャーリサ「ふむー、これがタコ焼きとか言うやつか」 ホカホカ
上条「俺はカップラーメンだけど、さすがに分かるか」
キャーリサ「それは分かる。宮殿でもたまに食べるし」
上条「王女様がカップラーメンですか……」
キャーリサ「母上が好きでな。いや、意外と美味いぞあれは。体に悪そーな味はするけど。
特に日本のシーフードヌードルはそこらのシェフには出せない味だし」
上条「あー、確かにあれ美味いよな。貧乏学生の心強い味方ですのことよ。
しかもまたこういうとこで食うと余計美味いんだよなー。んじゃ、いただきまーす」
キャーリサ「……どれ」 ヒョイッ
上条「あ、中は見た目より熱いから気をつけろよ」
キャーリサ「あふっ! はふっはふっ! あふいろっ!!」 ジタバタ
上条「もっと早く言えば良かったな、ほら水」
キャーリサ「んっ……っぷはっ! 熱くてビックリしたし……でも美味いな。
ソースとマヨネーズが濃厚で実に良い。喉が渇くのが難点だが」
上条「気に入ってくれたみたいでよかったよ。あ、そういや欧米人ってタコ駄目なんじゃなかったっけ?」
キャーリサ「あー、私も誰があんなグロいもの食べるんだと思っていたクチだがな、何年か前に日本料理のシェフが
食べさせてくれたタコの刺身が思いのほか美味しかったの。
生きて動いてるとこ見ると結構きついが、こーして原型を留めていなければ大丈夫だし」 モグモグ
570 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:58:39.15 ID:Bx8xFJv0o
上条「日本食ブームって言うもんな。たこ焼きはみんなで集まって家で作ったりしても楽しいぞ」
キャーリサ「そーなの。それもやってみたかったな」 パクパク
上条「さてと、この後どうする? まだ泳ぐか?」
キャーリサ「そーだなー。時間は……2時か。軽く食後の運動でもして、移動しよーか」
上条「あ、ここ別のフロアに水着で入れる温泉あるぞ」
キャーリサ「温泉か。いーなそれ。日本に来た時一回だけ行ったことあるぞ。
岩風呂で海を眺めながら浸かったの。なかなか心地よかったな」
上条「まあそこまで大したもんじゃないかもしれないけど、行ってみようか」
キャーリサ「うんうん。楽しみだなー」
上条「っ」 ドキッ
上条(うーん、普通に笑ってるだけなのに可愛いと思ってしまいましたよ……今日何回目だ俺。
これでキャーリサと一緒に過ごすのも終わりなんだなー……。
最初はどうなることかと思ったけど、こうしてみると寂しいもんだ)
キャーリサ「どーしたとーま。さっさと食べて行くとするの」
上条「お、おう! わかった」 ズズズッ!
571 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 22:59:50.19 ID:Bx8xFJv0o
―――レジャープール 天然温泉
ザワザワザワ… ジャアアアアアアアア… ワイワイワイ…
キャーリサ「うーん、水着で風呂っていうのもなかなか良いもんだな」
上条「時間も早いから人もまばらだしな。快適だ」
キャーリサ「ふふふっ、お前としては私と二人きりの方がよかったか? それも裸で」
上条「……まあ、そうだな」
キャーリサ「素直だし。照れるのはやめたの?」
上条「いやぁ……キャーリサと話すことももう無いのかと思うとさ、もうちょっとちゃんと話しとかないとなって思ったんだよ」
キャーリサ「……そーだな……もう、お前と話すことは無いのか」
上条「そんな顔すんなよ。ってか、お前が言ったことだろ。お別れだって」
キャーリサ「それはそーなのだが……お前から言われると、少し寂しーの」
上条「俺もだよ。少なくともこうやって一緒にプール来たり飯食いに行ったり、なんてことはもう無いだろうしな。
キャーリサって人でごった返した海とかプールで泳ぐことあるか?」
キャーリサ「それは無い……が。プライベートビーチやオープン前の貸しきりプールならあるぞ」
上条「全然違うぞそれは……。ま、そんな風に考えるとやっぱしんみりしちまうよな」
キャーリサ「……私だって、帰りたくなどない」
572 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 23:01:00.31 ID:Bx8xFJv0o
上条「……へ?」
キャーリサ「お前を手に入れていないし。お前と共に行きたい場所もまだまだあるの。
だが……私に残された猶予は決して多く無い。
その前に、どーしてもお前の顔が見たかったんだ」
上条「それがお前が俺のところに来た理由ってやつか」
キャーリサ「そーだ……」
上条「……猶予が無いってのは、どういうことだ?」
キャーリサ「……」
上条「話してくれる約束だぞ」
キャーリサ「分かっているの。でも、まだ今日は終わっていないし」
上条「そうだけどさ、話してスッキリしちまったらどうだ?
その方が心置きなくデートを楽しめると思うけどなー」
キャーリサ「無理だし。それに、お前がスッキリしたいだけではないの?」
上条「まあそれもあるけど……無理ってどういうことだよ」
キャーリサ「……はぁ、仕方の無い奴だなお前は」
上条「?」
キャーリサ「出よーとーま。そんなに気になるなら話してやるの」
上条「話すって……つまり」
キャーリサ「うん―――」
キャーリサ「―――私がお前の元を訪れた本当の理由だし」
573 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/03/18(金) 23:01:42.27 ID:Bx8xFJv0o
今日は以上になります。
また連休中か連休明けにでも来れたらいいなと思います。
それでは
594 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/19(土) 01:49:00.47 ID:xlK/wqLIO
…上条爆ぜろ 595 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/03/19(土) 04:26:13.91 ID:KfwnyIZAO
これがエロゲなら今までに少なくとも2回はヤってますね 611 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/19(土) 18:12:45.75 ID:ic1DbJ1co
上条さんが王室に婿入りしたら、英国女王王配エディンバラ公フィリップ殿下みたいに、○○公トーマ殿下って称号もらうのかな 612 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/19(土) 20:11:42.09 ID:Cx4xMHkro
不公トーマ殿下? 613 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/19(土) 20:46:45.26 ID:ic1DbJ1co
不公爵って何だよwwww公爵なのか公爵じゃないのかはっきりしろよwwww 次→
キャーリサ「家出してきたし」上条「帰って下さい」その4
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