234 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 22:50:55.70
ID:GtSA+5rk0 ヴェント・テッラ・アックア「は?」
フィアンマ「こんな寒い日には鍋がピッタリだろ?」
アックア「それは……まあ、そうであるが」
ヴェント「学園都市はどうするんだよ」
テッラ「あと幻想殺しは?」
フィアンマ「そんなことより鍋食べたい」
ヴェ・テ・ア「………………」
フィアンマ「そんなに見つめるな、照れるだろ」
アックア「……まあ、たまには鍋もいいであるな」
テッラ「そうですねー」
235 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 22:52:43.14
ID:GtSA+5rk0 ヴェント「……別にやるのは構わないけど、準備はあるの?」
フィアンマ「勿論、既に俺様の権限を使って準備させている。ちなみに予算はローマ正教から出して最高級の食材を用意してある」
テッラ「ローマ信徒達の募金を何てことに使ってんですか」
フィアンマ「お金を貯める必要はない。なぜならローマ教徒が勝手に寄付してくれるのだから」
フィアンマ「値段を気にする必要はない。なぜなら払うのはローマ教徒なのだから」
ヴェント「ホント最低だなお前!?」
フィアンマ「動きたくない。動いたら負けだと思ってる」
ヴェント「どこのニートだよお前は!!」
フィアンマ「動く必要はない。動かなくても第三の腕が全てやってくれるのだから」
ヴェント「なんつーことに第三の腕使ってんだよ……」
236 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 22:53:30.51
ID:GtSA+5rk0 フィアンマ「まあ二、三回使ったら空中分解するけどな」
ヴェント「……その間に攻撃されたらどうするんだよ?」
フィアンマ「……………………あ」
ヴェント「考えてないのかよ!?」
フィアンマ「な、何を言う、俺様には一〇万三〇〇〇通りの策が……」
ヴェント「嘘付け!じゃあ試しに一つここでやってみろよ!!」
フィアンマ「え、えーと……白旗を上げる」
ヴェント「降参してるじゃねーか!?」
テッラ「まあまあ、その辺にしてくださいな。私もいい加減お腹が減って来ましたしねー」
アックア「ちゃんとポン酢とゴマだれは用意してあるだろうな」
フィアンマ「当たり前だ。俺様を誰だと思っている」キリッ
ヴェント「こういう時だけは準備がいいんだよな……」
237 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 22:54:55.37
ID:GtSA+5rk0 フィアンマ「よーし、鍋だぞー。ちゃんと担当の位置につけよー」
アックア「では、早速」
ローマ教皇「あ、言い忘れていたが……」
テッラ「おや、一体どうしたんですか?」
ヴェント(というか、ローマ教皇直々に準備してるのかよ……)
ローマ教皇「実は、とある事情で肉が余り確保出来なくてな」
フィアンマ「えっ」
ローマ教皇「悪いが、お代わり無しで食べてくれ」
フィ・アッ・テッ・ヴェ「」
ローマ教皇「じゃ、私はこれで」
フィ・アッ・テ・ヴェ「…………」
238 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 22:56:15.15
ID:GtSA+5rk0 フィアンマ(おいおいマジかよ……)
アックア(お代わりが無いとなると)
テッラ(全員が好きに食べる事は出来ない)
ヴェント(つまりこれは……)
フィ・アッ・テッ・ヴェ(肉取り戦争になる)
アックア(術式をフルに活用する必要がある……)
テッラ(我々は調整された術式しか使えず)
ヴェント(お互いがお互いの術式を知っている……)
フィアンマ(面倒な対決になりそうだな……)
フィ・アッ・テッ・ヴェ(まあ最後に笑うのは当然私(俺様)だけどな!!)
239 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 22:57:16.75
ID:GtSA+5rk0 部下のローマ教徒がグツグツと煮え滾っている鍋をテーブルに置いた。そして、
フィアンマ「それじゃ、いただくぞ!!」
戦いは幕を開けた――
ヴェント(! 最初に動いたのはフィアンマか!!)
フィアンマの箸は、鍋の中の肉へ向けて一直線に進む。開口一番、いきなりの奇襲。他のメンバーは今箸を持ったばかりだ。そのまま、肉はフィアンマの手に渡ると思われた――が、
テッラ「――優先する、肉を上位に、フィアンマの箸を下位に」
フィアンマ「ッ!!」カキン
フィアンマの箸が肉に弾かれる。テッラの『光の処刑』により優先順位を変えられ、『箸』が肉より下になってしまったからだ。
テッラ(ふふ、これでフィアンマの箸では肉を取ることは出来なくなりました)ニヤリ
テッラが、余裕に満ちた表情でゆっくりと肉へ箸を伸ばす。が、それを遮る青い影があった。
アックア「取らないのなら、私が頂くのである」
スッ、と流れるような動きでアックアは肉を掴み取った。
240 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 22:58:54.20
ID:GtSA+5rk0 テッラ(なっ……!)
テッラは、一つ失念していた事があった。
テッラ(私の術式では、一つしか設定をすることは出来ない。一つに設定してる時に他に来られたら……)
思えば、二重聖人としてのアックアなら、幾ら奇襲を仕掛けたとはいえ単純な速さは凡人並のフィアンマより速く箸を準備する事は出来たはず。にも関わらずそれをしなかったのは――
テッラ(敢えて優先の対象をフィアンマにさせる事で、私が優先出来ない隙に……)
慌ててテッラも鍋に手を伸ばすが、鍋の水が撥ねていて上手く箸を向けられない、いや、これは
テッラ(撥ねさせられているッ……!!)
アックアは、『水』の属性を司る。鍋の水を不自然に撥ねさせ、他が肉に近づくのを妨害しているのだ。
アックア「いただきます」
そのままアックアは無駄一つ無い動きでポン酢につけ、肉を口の中に入れた――
241 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 22:59:52.41
ID:GtSA+5rk0 アックア「……む?」
違和感。確かに肉を口に入れたはずなのに、するのはわずななポン酢の味のみ。箸の尖端に肉は存在しなかった。
アックア(何が……!)ハッ
アックアは右方の方角を見た。そこにはニヤリと笑っているフィアンマとその背中が生えている爬虫類の用な巨大な腕。そして、その指先には肉が摘まれていた。
アックア「フィアンマ、汚いぞ!(主に物理的な意味で)」
フィアンマ「む、失礼だな。俺様の右腕は天使の力という最も清潔な物で出来ているのだぞ?」
何故アックアの手にあったはずの肉がフィアンマの手中にあるのかというと、背中の右腕の力を使った為だ。振れば届くのだから長さはいらないし、振れば奪えるのだから速さはいらない。
フィアンマ「くく、俺様が最初に行けばテッラが『光の処刑』を使う事も、その隙をついてアックアが取る事も予想はついていた。ただ、この右腕で掴むとポン酢を浸ける事が出来ないのでな」
自分が出来無い事を他人にやらせ奪い取る。更にその過程で邪魔な相手を行動済みにする。完璧だ、と内心ほくそ笑みながらフィアンマは無事に肉を口に入れた――
242 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 23:00:38.16
ID:GtSA+5rk0 が、この時、フィアンマは一つ見落としがあった。それは――
フィアンマ「○×△□◎!?」
ポン酢につけたとはいえ、ついさっきまでグツグツと熱湯の中にあった肉だ。それを食べるには、あまりにも熱過ぎたのだった。
ヴェント「……何か、冷めたわ。ゆっくり食べましょ」
テッラ「全く、さっきまで無駄にテンションが上がっていた自分が馬鹿みたいですねー」
アックア「そうであるな、鍋は皆でゆっくり食べるべきであったな」
フィアンマ「&%$##$!?!?」ジタバタ
一人もがいていたフィアンマを置いて、他の三人はゆっくりと鍋を完食していったのだった。
243 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 23:03:00.51
ID:GtSA+5rk0 投下終了です。
神の右席ほのぼの鍋パーティ
初めてですがどうでしたか?
244 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 23:06:12.12 ID:P3pmnHgOo
仲良しな右席を見てると安心する
乙
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