絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 その8

2011-05-05 (木) 08:12  禁書目録SS   2コメント  
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まとめ→絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」まとめ



707 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/15(水) 23:22:54.34 ID:ySNKGcEo
それでは、始めさせて頂きます。
本日からは外伝その1、アイテム編です。



709 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/15(水) 23:25:18.42 ID:ySNKGcEo


~10月初旬 とあるファミレス~


絹旗 「浜面、メロンソーダとジンジャーエールを超おいしくなる配合で混ぜてきて下さい」

浜面 「お前、無茶振りにも程があんぞ!?」

滝壺 「大丈夫だよ、はまづらが作ればきっと美味しくなるから」

浜面 「そ、そうか? よし、いっちょやってみるか!」


<うぉぉぉぉ


絹旗 「滝壺さんは浜面の扱いを超心得てますよね」

滝壺 「よめだから」

絹旗 「えっ」

滝壺 「えっ」



710 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/15(水) 23:26:42.27 ID:ySNKGcEo

浜面 「持ってきたぞ! 撃滅の浜面スペシャル仕上ブレンド!」ドンッ

絹旗 「……」

滝壺 「……」

絹旗 「なんか、ドラクエで歩いたらダメージ受ける地面みたいな色してますけど」

滝壺 「おいしくなさそう」

浜面 「飲んでから言え! 飲んでから!」

絹旗 「はあ……頼んだ以上は超しょうがないですね。いただきます」チューー

滝壺 「どう?」

浜面 「」ドキドキ

絹旗 「………………おいし」

浜面 「」フンス

滝壺 「はまづらすごい」



711 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/15(水) 23:28:00.14 ID:ySNKGcEo

絹旗 「むむむ……予想を超裏切った美味しさです」

浜面 「ま、俺の手にかかれば 「超納得できません!!」

絹旗 「ここは私が超マズイドリンクを飲まされて涙目になる場面でしょう! なんで美味しくしたんですか!」

浜面 「お前言ってること目茶苦茶だぞ!! おいしくなる配合って言ってただろ!」

絹旗 「"マズイものが出てくるよ"っていう伏線ですよ! あと、浜面のドヤ顔が超ムカつきました!」

浜面 「なにそれヒドイ!」

絹旗 「超ペナルティです! 今から私がなんか超マズイのを作ってくるので飲んでください!」

浜面 「あぁ、もう! やってやろうじゃねぇか!」

滝壺 「きぬはた」

絹旗 「」ビクッ

滝壺 「食べ物を粗末にしちゃダメ」

絹旗 「」ショボーン



712 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/15(水) 23:29:22.98 ID:ySNKGcEo

浜面 「そうだぞ絹旗!」

絹旗 「超うっさいです! はーまづらぁ!」ウガー

滝壺 「こら」


<アンタたち、相変わらずだねぇ


浜面絹旗 「?」

麦野 「やっほう」ノシ

浜面 「げえっ!? 麦野!?」

滝壺 「あ、むぎの」

麦野 「悪いね、遅れちゃった」

絹旗 「麦野を呼んだのは滝壺さんですか?」

滝壺 「ううん、むぎのが私たちを呼んだの」



713 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/15(水) 23:30:44.66 ID:ySNKGcEo

麦野 「ところで、さっき"げえっ!?"って言ったのはどなたかにゃー?」ニコニコ

絹旗 「浜面です」

浜面 「麦野さん、お久しぶりです。麦野さんにおかれましてはご機嫌麗しく」ダラダラ

麦野 「あんな挨拶されてご機嫌麗しいワケあるかゴルァ!」


<フコウダー
<マテー、ハーマヅラー
<タースーケーテー


絹旗 「そういえば、麦野と浜面が顔合わせるのって久しぶりなんですか?」

滝壺 「ロシアで別行動になって以来だから、7ヶ月ぶりだね」


麦野 「つーかまーえたー☆」ギリギリ

浜面 「ギブ……ギ、ブ……」



714 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/15(水) 23:32:02.35 ID:ySNKGcEo

 :
 :
 :

麦野 「……あれー? 今日のシャケ弁はなんか違う気がする」

絹旗 「麦野って、今はどこで何やってるんですか?」

麦野 「やることないから働いてるわよ」

絹旗 「裏稼業ですか?」

麦野 「いや……まあ、世話になった人の手伝いというか」

浜面 「おお、麦野でもそういう動機で動けるようになったんだな!」

麦野 「テメェどういう意味だ」

滝壺 「どこで働いてるの?」

麦野 「……悪い。今はまだ言えない」



715 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/15(水) 23:33:32.58 ID:ySNKGcEo


~時は遡り9月初旬~


冥土帰し 「時間があるなら、バイトでもしてみないかね?」

麦野 「はあ? バイト?」

冥土帰し 「リハビリも兼ねてね。もちろん、労働に対する対価は出すよ」

麦野 「何やらせるつもりよ」

冥土帰し 「力仕事だとか、まあ雑用だね」

麦野 「ふーん……まあ、暇なのは確かだし、やってみてもいいけど?」

冥土帰し 「そうかい。じゃあ後は彼女に教えてもらってくれ」

麦野 「?」

19090 「話は聞かせてもらいました、とミサカは颯爽と登場します」ガラッ

麦野 (超電磁砲!? ……いや、あいつがこんなところでこんな格好しないか)



717 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/15(水) 23:34:57.92 ID:ySNKGcEo

19090 「これが制服です、とミサカは紙袋を手渡します」

麦野 「制服あんの?(ガサゴソ)……おい……おい」

19090 「サイズが違いましたか? とミサカは首を傾げます」

麦野 「これってもしかして、今アンタが着てるのと同じデザイン?」

19090 「はい、そうですが? とミサカは何を当たり前のことを聞くんだと思いつつ答えます」

麦野 「…………」

19090 「?」←ナース服

麦野 (あぁ、そっか。私ハメられたんだ)



~今に至る~


麦野 (もし仕事場に来られたら恥ずかしくて死ねるわ……)



718 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/15(水) 23:36:15.41 ID:ySNKGcEo

浜面 「まあ、無理に聞き出す必要もないだろ。元気ってだけでも良かったじゃねえか」

滝壺 「そうだね」

浜面 「にしても、顔が元通りになってよかったな」

麦野 「あ、うん……」

浜面 「状況が状況だったとは言え、女の子の顔にキズ付けちまって。一応責任感じてたんだぜ」

麦野 「なら責任とってよ」

浜面 「えっ」

麦野 「えー、だって私、浜面にキズモノにされちゃったしー?」

浜面 「あー、ええとだな」

麦野 「もうお嫁にいけないにゃー」



719 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/15(水) 23:37:40.93 ID:ySNKGcEo

滝壺 「」ジー

絹旗 「」ジー

浜面 「」ダラダラ

麦野 「……ひゃっは、ウソウソ。なーに焦ってんだ、バカ面」

絹旗 「さすが麦野、超タチが悪いです」

麦野 「アンタにはもう滝壺がいるだろ? 今後、滝壺泣かせるようなマネしてみろ」ガシッ

絹旗 「モガッ!?」

浜面 「ど、どうなるんでせう?」

麦野 「私の主治医のところに連れて行って去勢してもらうからな」ギリギリ

浜面 「」

絹旗 「痛いです痛いです!」



721 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/15(水) 23:38:59.89 ID:ySNKGcEo

 :
 :
 :

絹旗 「まだ痛いです……」

麦野 「口は災いのもとって前に教えてやったでしょ」

滝壺 「ところで、今日はなんで集まったの?」

麦野 「……あぁ、そうだね。そろそろ本題に入ろうか」

浜面 「お、なんだ。真剣な顔して」

麦野 「みんなに謝りたいんだ。"アイテム"の全員に」

浜面 「ああ……あのときの話か」

絹旗 「謝る、といいますと?」



722 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/15(水) 23:40:35.20 ID:ySNKGcEo

麦野 「ちょうど一年前。チームが壊滅したでしょ?」

麦野 「あれは全部私が引き起こしたことだから……そのことをね」

絹旗 「ずっと気にしてたんですか?」

麦野 「……正直、今でも夢にみるよ。あの日のことをさ」

滝壺 「むぎの……」

麦野 「この後悔だけはどうにもならないけど、でもやっぱり謝らないといけない」

麦野 「もう一度私たちが"アイテム"になれるなら」

麦野 「ちゃんと"全員"の前で謝っておきたいのよ」

麦野 「そのために学園都市に戻ってきたっていうのに、どう言えばいいのか分からなくて、今日までかかっちゃったけどさ」

浜面 「麦野……お前」

麦野 「浜面、アンタには」



723 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/15(水) 23:41:49.13 ID:ySNKGcEo

浜面 「麦野! よく言った!」ガシッ

麦野 「わはぁ!?」

浜面 「ロシアで俺が伝えたかった想いはちゃんと伝わってたんだな!」ナデナデ

麦野 「ちょ、撫でるなバカ面!」

浜面 「全部ケジメつけようぜ。そんで、今度こそ前に踏み出すんだ」

絹旗 「そうですね、浜面も超たまにはいいことを言います」

浜面 「たまに!? たまになの!?」

滝壺 「大丈夫だよ、たまにしかいいことを言わないはまづらも応援してる」

浜面 「滝壺さーん!?」

絹旗 「でもドヤ顔は超ムカつきます。麦野もなんか言ってやってくださいよ」

麦野 「……(やっぱり、私の居場所はここだったのかな)」

麦野 (なんでもっと早く気づけなかったんだか)



724 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/15(水) 23:43:20.00 ID:ySNKGcEo

麦野 「よし、じゃ絹旗。案内お願いね」

絹旗 「? どこにですか?」

麦野 「さっき言っただろ? "全員"に謝るってさ」

絹旗 「じゃあ……」

麦野 「そういうこと。一番謝らなきゃいけないヤツのところに行くよ」

滝壺 「みんなで行こう」

浜面 「そうだな。なんだかんだで俺も行ったことないしな」

滝壺 「鯖缶買っていかないとね」

絹旗 「そうですね……では、超行きましょう」

麦野 「フレンダのところに、ね」



777 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/17(金) 23:38:26.18 ID:ixf9if6o


~第10学区 墓地~


絹旗 「ここですね」

麦野 「あら? 先客かしら?」

浜面 「花束か……俺らの他にも誰か来てくれたんだな」

絹旗 「?」

滝壺 「どうしたの?」

絹旗 「いえ、私たち以外にここに来る人間に超心当たりがなくてですね……」

麦野 「アイツにだって私ら以外の知り合いもいるだろうさ」

絹旗 「麦野は私たち以外の知り合いいるんですか?」

麦野 「いっ、いるに決まってんでしょ!」



778 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/17(金) 23:39:52.36 ID:ixf9if6o

浜面 「おい、騒ぐな。フレンダ起こしちまうぞ」

絹旗 「やっ、やめてくださいよ」

滝壺 「じゃ、まず掃除しないとね」

麦野 「掃除って何ですんの? ウェットティッシュならあるわよ」

浜面 「よし、麦野がフレンダ拭いてやってくれ。俺と滝壺で雑草やら片付けるからよ」

麦野 「はいはい」パシュッ


 ゴシゴシ


麦野 「うわ、真っ黒……絹旗、ちゃんと掃除してあげてんの?」

絹旗 「月命日には来てますよ」



779 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/17(金) 23:41:29.81 ID:ixf9if6o

麦野 「まあ……私も言える立場じゃないけどさ」ゴシゴシ

滝壺 「そういえば……」

浜面 「ん?」

滝壺 「ふれんだのフルネーム、はじめてみたね」

絹旗 「私も、ここに刻んである名前で初めて知りました」ナデナデ

麦野 「綺麗な名前じゃないか。名乗ってくれればよかったのに」

浜面 「本人にも思うところがあったんだろ?」

絹旗 「ファーストネームだけでも、本名を名乗ってくれてたのは超嬉しいじゃないですか」

麦野 「まあね……あっち側にいると名前を失うなんてことも珍しくなかったからね」

滝壺 「私達はまだよかったほうなのかもね」

浜面 「色々失ったものもあるけど、今こうやって元気にやってるんだもんな」



780 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/17(金) 23:42:51.67 ID:ixf9if6o

絹旗 「よし、掃除はこんなもんですね」

滝壺 「はまづら、ライターある?」

浜面 「ライター? なんに使う……あぁ、線香か」

麦野 「洋式墓に線香ってのも変な感じね。ほら、滝壺」ジジジ

絹旗 「お、原子崩しボール。超久々に見ました」

滝壺 「あ、ありがと」

麦野 「素手で触るなよ、危ないから」

絹旗 「花はここらへんに……こういうとき鉢植えは超アウトなんですよね」

浜面 「そりゃ入院見舞いの話だろうが」

麦野 「浜面、缶切り」

浜面 「ねーよ。何に使うんだよ、そんなもん」



781 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/17(金) 23:44:15.53 ID:ixf9if6o

麦野 「」つ【鯖カレー缶】

絹旗 「ついでにこれも。ユリコが気に入らないらしくて、余っちゃったんです」つ【猫缶】

麦野 「あと私オススメのこれな」つ【鮭缶】

滝壺 「フタ開けておかなくていいの?」

麦野 「ったく、しょうがないな……」ジジジ

絹旗 「原子崩しメスですか。フレンダも缶開けるときは超似たような方法使ってましたよね」

麦野 「話し掛けるな、出力絞るの集中しなきゃい(パゴン)あっ」

浜面 「猫缶が消し飛んじまった」

絹旗 「あーぁ……」

滝壺 「ちょっともったいない」

麦野 「……ごめん」ショボーン



782 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/17(金) 23:45:39.70 ID:ixf9if6o

浜面 「ま、まあ、本命の鯖と鮭はまだ無事だしな!」

絹旗 「そうですよ、いくらフレンダでも猫缶は食べませんて!」

滝壺 「大丈夫だよ、むぎの。作業中に話しかけたきぬはたが悪いんだから」

絹旗 「はい、私が超悪い……え、ええ!?」

麦野 「フレンダなら自分で開けるだろ……フレンダ、置いとくからね」

麦野 「……一年も来れなくて悪かったわね」

麦野 「あれからも色々あったわよ。私の周りも、私自身も」

浜面 (色々……ありすぎたよな)

麦野 「見ててくれてるかしら。今こうやってまた一箇所に集まることができた」

麦野 「でも、アンタだけがいないのよ……」

絹旗 「……」



783 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/17(金) 23:47:22.64 ID:ixf9if6o

麦野 「大切なものの価値は失ってから初めて気付くっていうけど、ホントよね」

麦野 「アイテムもアンタも、私が自分で引き裂いたのに」

麦野 「あれから、後悔の念が消えることは一日もなかった」

滝壺 (むぎのも、ずっと苦しんでたんだね)

麦野 「こんなので納得はできないだろうけど、でも言わせて頂戴」

麦野 「ごめんなさい」

浜面 「……麦野、ようやく言えたな。ようやくここまで来れた」

麦野 「一年かかっちゃったけどね」

滝壺 「でも、むぎのはちゃんと言えたよ」

麦野 「アンタ達にはまだだよ」



784 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/17(金) 23:48:47.20 ID:ixf9if6o

麦野 「浜面に滝壺、アンタ達は何度も殺そうとしちゃったね」

浜面 「何言ってんだ。結果的にロシアで命を救ってくれたのはお前じゃねえか」

滝壺 「うん、顔から羽が生えてる変なのやっつけてくれた」

絹旗 (なんですか、それ)

麦野 「絹旗」

絹旗 「は、はいっ!」

麦野 「ゴメンね、アンタだけ蚊帳の外で」

絹旗 「まあ……事情は伺ってましたけど」

麦野 「もしかしたら、アンタの居場所奪っちゃってたかな」

絹旗 「……あの時は超照れくさくて言えませんでしたが、今なら言えます」

絹旗 「私はアイテムのみんなが超大好きです。それは今も変わりません」



785 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/17(金) 23:50:30.26 ID:ixf9if6o

麦野 「絹旗……」

絹旗 「もちろん、今の生活も超大好きです。私にとってはどちらも超重要なんです」

絹旗 「だから、ええと、何が言いたいかというとですね」

絹旗 「私は麦野のことを恨んでなんかいません。これからもちょくちょく遊びに来てください」

麦野 「……絹旗ー!」ダキッ

絹旗 「モガッ」

麦野 「可愛いなー、可愛いなー! こいつー!」ナデナデ

滝壺 「よかったね、むぎの」

麦野 「……ありがとね、二人とも。アンタ達のお陰でここまで戻ってこれた」

浜面 「おぉ!? 麦野に礼を言われるなんて慣れてないせいで痒くなってきた!」

麦野 「てっ、テメェ! 人がどれだけ覚悟決めて喋ってると思ってんだ!」



786 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/17(金) 23:51:49.52 ID:ixf9if6o


<ハーマヅラー
<イテーヨー
<ヤーメーテー


滝壺 「……ふれんだ、みんな元気にしてるよ」

滝壺 「それに、私にも居場所と言い切れるところができた。だから安心してね」

 :
 :
 :

絹旗 「日が暮れてきましたね」

浜面 「風も出てきたな……」

絹旗 「そろそろ行きましょうか」

麦野 「結局、この花束は誰が置いてったんだろうね」



787 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/17(金) 23:53:12.48 ID:ixf9if6o

浜面 「これ、なんなんだろうな。ユリか?」

滝壺 「ユリっぽいけど、なんか違うような……」

麦野 「そう言われると気になってくるな。写真だけ撮っておこうか」カシャ

絹旗 「心霊写真とかなりませんよね」

麦野 「そんなまさか」

浜面 「花だけなら平気だろ。ところで、さっきから麦野の後ろにいるのは誰だ?」

麦野 「ふぇぇ!?」ババッ

絹旗 「? さっきから誰もいませんよ?」

滝壺 「いないよね」

麦野 「……は、はっ、はーまづらぁぁ!!」

浜面 「バカが見ーるtt(バキッ)ンガッ」



788 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/17(金) 23:54:32.47 ID:ixf9if6o

 :
 :
 :

麦野 「じゃ、私は向こうだから」

絹旗 「私達はこっちですね」

麦野 「あぁ、そっか。アンタ達、今一緒に住んでるんだっけ」

浜面 「俺は屋根裏部屋だけどな」

滝壺 「ごめんね、そこしか空いてなかったの」

麦野 「窓に鉄格子がないだけマシでしょ」

浜面 「窓ないけどな!」エヘン

麦野 「まあ、仲良くやりなよ。またその内遊びにいくからさ」

絹旗 「超約束ですよ」

滝壺 「むぎの、またね」



789 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/17(金) 23:56:04.29 ID:ixf9if6o


~同日夜 ???~


 「結局、もう戻れないって訳ね」

 「……そういうこと。最期に言っておきたいことある?」キュィン

 「          」

 「そう? 私もだよ。……じゃあな」




 :
 :
 :

麦野 「やめろぉぉぉ!!」ガバッ

麦野 「あっ、あれ……また、この夢か」

麦野 「何回リピート再生させれば気が済むんだよ…‥」



790 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/17(金) 23:57:49.74 ID:ixf9if6o

麦野 「……」ポロポロ

麦野 「く……う……」

麦野 「ごめん……ごめんなさい……!」グス


<コンコン ガラッ


19090 「……しずりん、またですか? とミサカは心配のあまり駆けつけました」

麦野 「あっ、悪い……起こしちゃった?」ゴシゴシ

19090 「いえ、起きてましたから、とミサカは気を使わせないよう優しいウソをつきます」

麦野 「……つくづく不便だよな、アンタらの口調って」

19090 「それでもミサカの個性なのです、とミサカは薄っぺらい胸を張ります」

麦野 「あと、しずりんって呼ぶのやめろって何度言ったら……」



791 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/17(金) 23:59:12.21 ID:ixf9if6o

19090 「可愛くてアリだと思います、とミサカは主張します」

麦野 「はあ……もういいや。心配かけて悪かったね。アンタも早く寝ておきな」

19090 「大丈夫なのですか? とミサカは」

麦野 「大丈夫だから。ほら、行った行った」



~翌日 第7学区 某所~


麦野 (結局あれから寝れなかったわ……)

麦野 「はあ……うん?」

麦野 「フラワーショップか」

麦野 「……そうだ」



792 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/18(土) 00:01:06.70 ID:9o4FWVYo

店員 「いらっしゃいませー」

麦野 「」キョロキョロ

店員 「何かお探しですか?」

麦野 「ええと……この写真の花っておいてます?」

店員 「これはオオアマナですね。今は時期じゃないですね」

麦野 「え……時期じゃない?」

店員 「オオアマナは春先に花をつけるんですよ。写真を見た感じですと生花ですので、その頃に撮った写真ですか?」

麦野 「あ、いえ……そうなんですか。どうも」

店員 「お役に立てず申し訳ありません」ペコリ

麦野 (昨日置いてあった花は造花とかじゃなかったよな……どういうこと……?)



812 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/19(日) 00:05:29.84 ID:Ds21uAgo


~第7学区 とある書店~


麦野 「植物辞典……これでいいか」

麦野 「オオアマナは(ペラペラ)あったあった」

麦野 「"大甘菜"、別名スターオブベツレヘム」

麦野 「はー、ご大層な名前ね」

麦野 「4月から6月にかけて花をつける、か」

麦野 「……?」

麦野 「花言葉は"潔白"……?」

麦野 「十字教においては、あ、これはいいや」



813 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/19(日) 00:06:46.32 ID:Ds21uAgo

 :
 :
 :

絹旗 『はい、もしもし』

麦野 「あ、私だけど。今大丈夫?」

絹旗 『超大丈夫ですよ。どうしたんですか?』

麦野 「あのさ、くどくて悪いんだけど。昨日、墓にあった花束、誰が置いたかわからないのよね?」

絹旗 『はい、少なくとも私が超知る限りでは』

麦野 「そっか。ありがと」ピッ

麦野 「……」

麦野 「誰が置いたかわからない、この時期には咲く筈のない花」

麦野 「その花言葉は、潔白……」



814 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/19(日) 00:07:55.05 ID:Ds21uAgo

麦野 「ま、まさか……」

麦野 「フレンダの幽霊が、成仏しきれないで……?」

麦野 「あの花を、私達に見せ付けるために」

麦野 「」gkbr

麦野 「いやいや、ここは学園都市よ。そんなオカルティックな」


 [[携帯電話]]<Prrrrr Prrrrr


麦野 「うひゃぁ!? ……だ、誰だ、こんなタイミングで」ドキドキ ピッ

19090 『しずりん、どこにいるんですか? 今日はシフトの日でしょう、とミサカは憤ります』

麦野 「え? あー、もうそんな時間だった? 悪い悪い、すぐに戻るわ」

19090 『急いでくださいね、とミサカは急かします』ピッ

麦野 「……戻るか」



815 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/19(日) 00:09:11.53 ID:Ds21uAgo


~数日後 とあるファミレス~


絹旗 「浜面、コーヒーとコーラと烏龍茶を超おいしくなる配合で混ぜてきてください」

浜面 「お前、無茶振りってレベルじゃねえぞ!?」

麦野 (あれからあの夢見なくなったな……)

滝壺 「大丈夫だよ、はまづらが作ればきっとおいしくなるから」

浜面 「いや、こればっかりはどう混ぜても無理だろ!」

麦野 (フレンダ……あの花もアンタなのか? やっぱり私が許せないの?)

絹旗 「麦野、どうしたんですか?」

麦野 「あ、なにが?」

浜面 「いや、ずっと上の空って感じだぞ」



816 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/19(日) 00:10:51.47 ID:Ds21uAgo

滝壺 「何かあったの?」

麦野 「……ねえ、アンタ達ってさ」

浜面 「?」

麦野 「幽霊っていると思う?」

絹旗 「幽霊……ですか?」

浜面 「なんだ? 誰かの幽霊にでも追い掛け回されたのか?」

滝壺 「ふれんだ……まだ私達のことを」

麦野 「そっ、そうじゃないけどさ!」

絹旗 「あまり学園都市らしくない話題ですね」

麦野 「あ、そうだよな。悪いね、変なこと聞いちゃって」



817 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/19(日) 00:12:02.81 ID:Ds21uAgo

絹旗 「まあ、いるんじゃないですか? 見えないだけで」

麦野 「」

浜面 「お、こりゃまた学園都市の生徒らしくない意見だな」

滝壺 「でも、たまによく分からないAIM拡散力場を感じることがあるよ」

絹旗 「おぉ、幽霊にも能力が付加されることが超証明されました」

浜面 「そりゃなんか違くねえか?」

麦野 「やっぱりフレンダなの……?」ボソッ

絹旗 「?」

麦野 「ゴメン、なんでもない」

 :
 :
 :



818 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/19(日) 00:13:12.45 ID:Ds21uAgo


~同日夜 とある病院 麦野個室~


麦野 「やべぇ……寝るのが怖い」

麦野 「あれからあの夢見てないけど……今日あたり見るのかなぁ」

麦野 「考えてもしょうがないか……」

麦野 「逆に考えよう。あの夢を見たら、今度は夢の中で謝ればいいんだ」

麦野 「せめて夢の中ぐらい違う結末を迎えてもいい……よね?」

麦野 「結論がでない思考を続けてもしょうがないな」

麦野 「……寝るか」

麦野 「」モゾモゾ



819 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/19(日) 00:14:25.58 ID:Ds21uAgo


~???~


麦野 (あの夢か?……いや)

麦野 (見渡す限りの花畑……オズの魔法使いみたいね)

麦野 (私もとうとう死んだの? でも地獄にしちゃ綺麗すぎるな)

麦野 (あれ? この花って……)


 サク...サク...


?? 「……」

麦野 「……?」

?? 「……」

麦野 (フレンダ……?)



820 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/19(日) 00:15:47.06 ID:Ds21uAgo

?? 「              」ニコ...

麦野 「ちょっとアンタ……」

?? 「             」

麦野 「え?」

?? 「」スッ

麦野 「ま、待って! フレンダなんでしょ!? ねえ!」

?? 「」

麦野 「待って、待ってよ!」


 :
 :
 :

 ガタン ゴツッ...



821 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/19(日) 00:17:11.48 ID:Ds21uAgo

麦野 「……イッテェ」


 チュン...チュン...


麦野 「朝か……」

麦野 「ベッドから落ちてお目覚めとか、古典的に程があるわね」

麦野 「……さっきの」


  ――私のメッセージ、伝わってないのかな? もう嫌な夢を見る必要はないよ

  ――色んなことがあったけど、結局私もみんなが大好きな訳よ


麦野 「夢枕っていうの?……まさかね」

麦野 「……一応、一応文句だけ言ってくるか」



822 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/19(日) 00:18:26.29 ID:Ds21uAgo


~第10学区 墓地~


麦野 「フレンダ、また来ちゃった」

麦野 「アンタ、私の夢にまで出張ってきて何してんのよ」

麦野 「図々しいのは相変わらずなんだから……あれ?」

麦野 「鯖缶……食べられちゃってるじゃない」

麦野 (……こんな開け方するの、アンタしかいないわよ……)

麦野 「しかもなんだ、私イチオシの鮭缶は残しやがって。気に食わないってか」

麦野 「……」フッ

麦野 「いいわよ、これは私がいただくから」

麦野 「……フレンダ、ごめんなさい。それと、ありがとう」



823 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/19(日) 00:19:45.79 ID:Ds21uAgo


<あれ? 麦野?


麦野 「?」クルッ

浜面 「お前も来てたのか」

麦野 「どうしたのよ、揃いも揃って」

絹旗 「夢にですね! フレンダが超出てきたんですよ!」

滝壺 「私の夢にも」

浜面 「ってこいつら言うんだけど、俺見てないぞ」

麦野 「忘れてるだけなんじゃないの? アンタだけ見てないって……」

浜面 「てことは、麦野も見たのか?」

麦野 「ええ、私が見たのはね――」



824 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/19(日) 00:21:56.19 ID:Ds21uAgo

 :
 :
 :

19090 「ちゃんと看護資格を目指してみる? とミサカは驚きを隠せません」

麦野 「まあ、なんだ。手に職があったほうがいいでしょ?」

19090 「しずりんは Level5 なのですから、能力開発や研究職という道もあるのでは? とミサカは当然の疑問をぶつけます」

麦野 「そっちの分野はもう真っ平御免なの」

19090 「まあ、決めたのなら止めはしませんが……とミサカは結局認めます」

麦野 「それに、最近じゃ私目当ての客(患者)もいるらしいじゃない? 売り上げにも貢献できちゃうにゃー」

19090 「ぐぬぬ……正直、しずりんには女として負けを認めざるを得ません……!」

麦野 「口調を忘れるほど悔しいか」ニヤニヤ

19090 「そんなことありません! し、しかし、なぜ急に? とミサカは話を逸らします」

麦野 「まあ……結局、色々と思うところがあったって訳ね」



825 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/19(日) 00:23:23.32 ID:Ds21uAgo

といったところで、今回はここまでです。
外伝その1アイテム編もこれにて終了となります。
今回はいつものきぬはた荘と違った雰囲気に挑戦してみようと、
色々模索しながらの作成となりました。疲れた。

次回からは外伝その2、美琴サイド編です。また今回とは違った雰囲気になります。
次回投下は未定です。間が空くようでしたら当スレにてご連絡させて頂きます。

お付き合い頂き、ありがとうございました。
それでは、これにて。


831 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/19(日) 00:35:11.60 ID:EFjLloAO
乙!
むぎのんがフレンダの口調に……!



843 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/19(日) 22:33:33.41 ID:UYMrfADO
ナース麦のんに筆下ろしして欲しいでござる


844 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/20(月) 00:43:52.30 ID:en7x9QMo
三枚下ろしか…

8/4/3/



849 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/20(月) 22:48:40.53 ID:uddDuBUo

>>1です。
明日の夜に外伝その2を投下させて頂きます。
冷える日が続きますので、皆さんもお気を付けください。


850 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/20(月) 23:22:02.59 ID:5D3.MvIo
了解
美琴のただれた同棲生活に期待して全裸待機しとくわ



851 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/21(火) 00:03:27.09 ID:fppeNkk0
服は捨てた


852 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/21(火) 00:31:31.83 ID:EdgXQVoo
服が捨ててあったから
全裸で寒かったので焼いて暖取った



853 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/21(火) 01:08:39.88 ID:b3eK3XIo
全裸の変質者が徘徊してるという通報がありましたの


859 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/21(火) 21:35:43.96 ID:SMLbs0co

おまいら服着ろ、寒いから。

それでは始めさせて頂きます。
今回からは外伝その2、美琴サイド編です。



860 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/21(火) 21:39:01.44 ID:SMLbs0co


~10月中旬 上条邸~


上条 「お揃いが欲しい?」

禁書 「そうだよ! 私もとうまとお揃いで何か持ってみたいんだよ!」

上条 「お揃いっつてもなぁ……どんなのがいいんだ?」

禁書 「うーん、私が見たお揃いは綺麗なガラスのストラップだったから、そういうのがいいかも」

上条 「なるほど、ストラップか。それならお手頃でいいかもしれないな」

禁書 「うん、綺麗なのがいいけど高くなくていいんだよ! とうまお金ないもんね」

上条 「すいません、上条さんは Level0 なので奨学金がないのです……」グス

禁書 「でも、みことが来てからは人間らしい食事ができるようになって、よかったね」

上条 「それ以前は人間らしくなかったと!? それはあんまりじゃございませんか!?」

禁書 「ごめん、語弊があったかも。質じゃなくて量の話なんだよ」

上条 「だったらお前の食事量は人間らしくないと言わざるを得ない!」



861 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/21(火) 21:40:11.35 ID:SMLbs0co

禁書 「むー、とーま! 成長期の乙女に対してそれはあんまりかも!」ギラリ

上条 「ちょっと待て! 俺は間違ったことは言って」


  ガブリ ゴリゴリ...


上条 「不幸だーーーー!!」


<ただーいまー


美琴 「……アンタ達、またやってんの?」ハァ

上条 「御坂センセイ! 助けてください! これ剥がしてください!」

禁書 「あ、おひゃえりなんはよ、みほと」ガブガブ

美琴 「ほら、インデックス。噛むだけならともかく咀嚼までしたら可哀想でしょ」グイグイ



862 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/21(火) 21:41:34.90 ID:SMLbs0co

禁書 「ほーまがはるいんはよ」ガブガブ

美琴 「分かったから。そろそろやめないと、晩ご飯のお米を1合減らすわよ」

禁書 「これぐらいにしておいてやるんだよ!」フンス

上条 「イテテテ……」

美琴 「ねえ、ちょっと大丈夫?」ナデナデ

上条 「ははは、これぐらいは日常茶飯事ですことよ」

美琴 「でもこれ以上おバカになったらどうするの?」ナデナデ

上条 「……流石の上条さんもそれは困るな」

美琴 「インデックス、今度からお互いに頭は狙わないようにしましょ」

禁書 「むー……わかったんだよ」

上条 「頭以外ならOKということですか!」



863 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/21(火) 21:42:52.36 ID:SMLbs0co

 :
 :
 :

美琴 「さて、ぼちぼちご飯の仕度しますか」

上条 「米研ぎぐらいは手伝うぜ」

美琴 「あ、そう? 今日の夜と明日の朝、3人分だから……5合もあれば足りるかしら」

上条 「インデックス、ハラ減ってるか?」


<ペコペコなんだよ!


上条 「6合だな」ザラザラザラ

美琴 「あんなに食べて身体にフィードバックがないなんて……羨ましすぎるわ」

上条 「フィードバック以前に、あの小柄な身体のどこに入ってるんだか……」



864 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/21(火) 21:44:04.29 ID:SMLbs0co

上条 「そういえば、御坂センセイは明日ヒマか?」ジャッジャッ

美琴 「(ドキッ)ひ、ひひ暇と言われれば暇かもしれないけど、暇というほど暇じゃないというか」

上条 「あー、無理しなくていいんだぞ」

美琴 「な、なんなのよ……」

上条 「インデックスが何かお揃いで持ちたいとか言いだしてな」

美琴 「お揃い?」

上条 「ああ。それで明日、地下街にでも見にいこうと思ってたんだが」

美琴 「行く!」

上条 「お、おお? でも明日大丈夫なのか?」

美琴 「行くったら行くの!」グイ

上条 「分かった! 分かったから襟つかむのをヤメテ!」



865 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/21(火) 21:45:38.28 ID:SMLbs0co

美琴 「それで! 私にも何か与えなさい!」

上条 「そりゃ構わないが……なにそんなムキになってんだ?」

美琴 「っ……そ、それは……アンタが、あ、いや、アンタと……」ゴニョゴニョ

上条 「?」

美琴 「あ……私とお揃いのゲコ太ストラップなくしたでしょ! その埋め合わせよ!」

上条 「いや、あれは不可抗力ですよ!? それに何度も謝りましたよ!?」

美琴 「う、そ、そうだけどさぁ……」

上条 「それよりほら! 鍋! なんか火噴いてるぞ!」

美琴 「え? わ! わーーー!!」ボフボフ

禁書 「なんだかコゲ臭くて香ばしい匂いがしてきたんだよ!」ガラッ

スフィ 「( ´ー`)=3」



866 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/21(火) 21:46:47.39 ID:SMLbs0co


~1時間後 上条邸 リビング兼寝室兼食堂~


3人 「「「いただきまーす」」」

禁書 「おー、エビフライ!」

上条 「ゆっくり食えよ、誰もとらないから」

禁書 「分かってるんだよ」ハムッ ハムハフ ハフッ

美琴 「ほら、口の周りソースだらけじゃない。もっとちゃんと食べなさいよ」ゴシゴシ

禁書 「モガー」

上条 (ほんの一年前には、想像もしてなかったな)

禁書 「みこと、いつも済まないんだよ」

美琴 「それは言わない約束でしょ?」

上条 (こんなうまいメシが食える日がくるなんて……!)グスッ



867 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/21(火) 21:48:05.67 ID:SMLbs0co

禁書 「!?」

上条 「? おい、どうしたんだ」

禁書 「私、みこととは色々あったけど、今は親友だと思ってたのに……」

美琴 「え? な、なに?」

禁書 「見損なったんだよ!」

美琴 「ちょ、なんなのよ、突然」

禁書 「いくらみことでも許せないんだよ……!」ウルウル

上条 「おいおい、何があったんだ」

禁書 「だって、だって……」



禁書 「エビフライの尻尾を残すなんて!」

美琴 「」



868 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/21(火) 21:49:31.51 ID:SMLbs0co

禁書 「命に対する冒涜なんだよ! ある意味一番おいしいところなのに!」ウガー

美琴 「そんなことで!? 尻尾なんて普通食べないでしょ!?」

上条 「これは御坂が悪いな」ウンウン

美琴 「なんでよぉ!!」

禁書 「さあ、海老に懺悔するんだよ!」

美琴 「な……インデックス、逆に聞くけど、アンタこの間サンマのハラワタ残してたわよね!?」

禁書 「あれは食べ物じゃないから」

上条 「何いってんだインデックス、苦くて味わい深いんだぞ」

禁書 「う……」

美琴 「ほら、サンマに懺悔なさい!」

禁書 「私はシスターなんだよ! 懺悔は聞くの専門なんだよ!」

美琴 「アンタねぇ!」



869 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/21(火) 21:50:51.39 ID:SMLbs0co

上条 「ほら、二人ともそれぐらいにしておけ」

禁書 「と、とうまだって! 焼鮭の皮残してたんだよ!」

美琴 「そうよ! 信じらんない!」

上条 「な、なんでせうか? ウロコとか食えないだろ!?」

美琴 「ウロコなんて全部落としてるに決まってるでしょ!」

禁書 「鮭と世界中の鮭好きを冒涜してるんだよ!」

上条 「そこまでか!?」

美琴 「悔い改めなさい!」

上条 「いや、その……すいませんでしたぁー!」

禁書 「とーま、大丈夫。悔い改める心があれば、天におわす我らが父は許してくださるんだよ」ピカー

上条 「お、俺が間違って……たような気がしてきた」



870 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/21(火) 21:52:03.47 ID:SMLbs0co


<ドンッ


美琴禁書 「「」」ビクッ

上条 「……お隣さんがお怒りだ。これぐらいにしておこう」

美琴禁書 「「はーい……」」

禁書 「とりあえずその海老の尻尾はいただくんだよ」ヒョイパクヒョイパク

美琴 「もう勝手にしなさい……」ハァ

 :
 :
 :

上条 「うん、今日も茶がうまい」

美琴 「それで、明日ってどうするの?」

禁書 「明日? 明日何かあるの?」

上条 「お前、お揃いがどうとかって言ってただろ? 明日にでも見にいこうかと思ったんだが」



871 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/21(火) 21:53:19.39 ID:SMLbs0co

禁書 「ホントに!? とうまにしては気前よすぎなんだよ」

上条 「はっはっは、上条さんも10年に1回ぐらいはこういうことするのですよ」

美琴 「……ねえ、私に考えがあるんだけどさ」

上条 「?」

美琴 「地下街じゃなくて、違うところに行ってみない?」

上条 「違うところ? どこだ?」

美琴 「それは、明日になってからのお楽しみね。それより、どんなの買うか決めましょうよ」

禁書 「ストラップとか、肌身離さず持てるものがいいかも」

美琴 「ヘアピンとか?」

上条 「俺も使うということを……ま、いいや。じゃお前らで選んでくれ」

美琴 「ま、任せときなさい」フンス



872 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/21(火) 21:54:54.37 ID:SMLbs0co

禁書 「とーま、ダメだよ! みことの趣味に合わせたらへんてこなのしか出てこないから!」

美琴 「へんてこって何よ! ゲコ太侮辱しt……と、とにかく変なんかじゃない!」

禁書 「変なのは変なんだよ! 大体みことのパンt 「わーわーわー!!」

美琴 「いっ、いいいいきなり何を言い出してるのよ!」

禁書 「だって、ほら、この年でこの柄は有り得ないんだよ」ピラッ

美琴 「!? アンタ何出してきてんのよ!!」

上条 「これが御坂の……」

美琴 「見るなぁぁぁぁぁ!!!///」ピシャーン

上条 「あぶねえっ!」キュイン


  【電子レンジ】<ボンッ


上条 「ノオーーー!!」



873 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/21(火) 21:56:12.94 ID:SMLbs0co

美琴 「大体アンタだって、修道服の下は全裸じゃない! 変な趣味なのはお互い様よ!」

禁書 「むっ、これは正装なんだよ! 日本人だって巫女装束の中は全裸なんだよ!」

上条 「おい、それ本当か?」


<ドズン


美琴禁書 「「!」」ビクッ

上条 「……本日2回目の壁ドンだ。頼むからそれぐらいにしておいてくれ」

美琴禁書 「「はーい」」

上条 「はあ……それで、なんだっけ?」

禁書 「私は綺麗なのがほしいんだよ」

美琴 「わ、私は、可愛いヤツのほうが……」

上条 「ふむ……可愛くて綺麗なのじゃダメなのか?」



874 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/21(火) 21:57:29.19 ID:SMLbs0co

禁書 「むー、とうまは綺麗なほうがいいよね!?」ズイ

美琴 「絶対可愛いほうがいいわよね!?」ズイ

上条 「え、えーと、上条さんはですね……」

禁書美琴 「「どっちなの!?」」ズズイ

上条 「まっ、まず落ち着け! 二人とも顔が近いって!」

禁書美琴「「!」」

禁書 「///」プシュー

美琴 「///」ボン

上条 「はあ……まあ、なんだ。明日、探しながら考えればいいじゃないか、な?」

禁書 「」コクリ

美琴 「」コクリ



875 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/21(火) 21:58:46.55 ID:SMLbs0co


~同日深夜 上条邸 寝室兼浴室~


上条 「はあ……あいつらの相手も疲れちまうな」

上条 「でも、ま、こういう騒々しい日常も……良いもんだな」


<ガチャガチャ
<むー、やっぱり鍵かかってるんだよ……


上条 「ふふふ、上条さんにぬかりはありませんことよ!」

上条 「度重なる突撃を耐えに耐え、磁力操作でも開けられない鍵を導入し……」


<みこと、これ使って!


上条 「?」


<電子レンジを弾核にしたレールガンなんて初めてよ
<インデックス、離れてなさい!(バチバチバチバチ)


上条 「やめろぉぉぉぉぉ!!」



876 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/21(火) 22:00:33.88 ID:SMLbs0co
次回、3人でお買い物に行くようです。
書いてから思ったけど、上条さんなら鮭の皮もおいしく頂いちゃうね。

お付き合い頂き、ありがとうございました。
それでは、これにて。


881 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/21(火) 22:15:20.07 ID:4ZqUeGUo
上条さんは土御門としずりんに土下座しないといけないよね


885 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/21(火) 23:32:23.76 ID:jfSV.j2o
案外舞夏かもしれんぞ>壁パン


890 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/22(水) 00:59:58.85 ID:JdHIJADO
エビの尻尾
ハラワタ
魚の皮
俺全部食べてるわ
家の方針と個人の趣向によるんだろうね

そして更新乙



891 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/22(水) 01:19:50.57 ID:Szo/TNA0
3つとも駄目な俺は間違いなく飽食の時代の子


それはそうとしずりんちゅっちゅ




901 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 01:02:59.40 ID:ugN8YNUo


~上条邸 リビング兼寝室兼食堂~


禁書 「むー、おこられちゃったんだよ……」

美琴 「さすがにレンジガンはやりすぎたかな」

禁書 「そもそも、とうまがこっちで寝れば何も問題は起きなかったんだよ!」プンスコ

美琴 「アイツの家なんだから遠慮せずに……い、い一緒に寝てくれても……」

美琴 (そ、そんで腕枕とかしてもらっちゃったり……ってはわわわ)フニャー

禁書 「……みこと、何かやましいこと考えてる?」ジー

美琴 「へっ!? そ、そんなことないわよ!」

禁書 「ホントに?」

美琴 「ホントに!」



902 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 01:04:40.59 ID:ugN8YNUo

禁書 「」ジー

美琴 (う……)

禁書 「いいや、今日は眠いからこれぐらいにしておいてあげる」

美琴 「そ、そう?」

禁書 「ほらほら、もう寝るんだよ。明日はおでかけなんだから」

美琴 「そうね……インデックス、明日いつもの格好でいくの?」

禁書 「え?」

美琴 「折角なんだから、ちょっとぐらいオシャレしてみたら?」

禁書 「うーん……たまにはいいかも」

美琴 「なぜか服持ってたでしょ? その中から選びましょ」

禁書 「"なぜか"は余計なんだよ」



903 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 01:06:14.57 ID:ugN8YNUo

 :
 :
 :

禁書 「Zzz...」

美琴 (お揃い、か……)

美琴 (あのゲコ太、実は今でも肌身離さず持ってるのよね)

禁書 「もうお腹いっぱいかも……」スピー

美琴 (返そうかなとも思ったけど、アイツがずっと持っててくれたと思うと)

美琴 (なんかこう……なんかこう……)

禁書 「Zzz...」

美琴 「~~~」バタバタ

禁書 「むー……」

美琴 「いけない、起こしちゃう……私も寝よっと」



904 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 01:07:30.01 ID:ugN8YNUo

禁書 「Zzz...」

美琴 「」スピー

禁書 「まだお腹には余裕があるんだよ……」ガブリ

美琴 「んぅっ……」スピー

禁書 「Zzz...」ガブガブ

美琴 「とうま、ダメだってばぁ……」スピー

禁書 「Zzz...」ガブガブ

美琴 「もー、とうまったらぁ……」スピー

禁書 「Zzz...」ガブガブ



905 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 01:09:18.22 ID:ugN8YNUo


~翌朝~


上条 「御坂さん、申し訳ございませんでした……ほら、お前も」

禁書 「えと……歯型つけちゃってゴメンなさい。あとパジャマ食い破っちゃってゴメンなさい」

美琴 「いいわよ、これが初めてじゃないんだし」

上条 「なにぃ!? インデックスお前常習犯だったのか!」

禁書 「ふ、不可抗力なんだよ!」

美琴 「ほら、もういいから。朝ごはんにするわよ」

禁書 「そうだよ! ご飯食べれば何もかも解決するんだよ!」

上条 「こら!」

禁書 「」ムー

上条 「まったく……今日の買い物リストにお揃い雑貨、電子レンジに続いて御坂のパジャマも追加か……」



906 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 01:10:34.44 ID:ugN8YNUo

美琴 「できたから運んでー」

禁書 「任せておけなんだよ!」フンス

上条 「そういえば今日はどこ行くんだ?」

美琴 「ん? 第9学区」

上条 「第9……ってなんだっけ」

禁書 「美術工芸分野の学校が集まってる学区だね。だから、その方面のお店も多いんだよ」

美琴 「そ。地下街よりも色々ありそうでしょ?」

上条 「そりゃそうだが……なんでインデックスがそんなこと知ってんだ?」

禁書 「ふふん、ご当地検定~学園都市編の合格者である私に隙はないんだよ」

上条 「いつの間にそんなの受けたんだよ」

美琴 「え、アレ受けたの? ねー、どうだったどうだった?」



907 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 01:11:50.45 ID:ugN8YNUo

禁書 「正直楽勝だったんだよ。テキストを一回読めば十分かも」

上条 「そりゃお前だからだろ」

美琴 「どんな問題があったの?」

禁書 「写真がでてきて、これはどこ? とか」

上条 「簡単そうで難しい問題だよな」

美琴 「そこらの路地裏の写真出されても困っちゃうわね」

禁書 「エンブレムが並んでて、第19学区のエンブレムはどれ? とか」

上条 「第19学区って何があったっけか?」

美琴 「さあ……」

禁書 「写真が何枚か並んでて、学び舎の園はどれ? とか」

美琴 「あ、それなら正解する自信ある!」

上条 「そりゃな……」



908 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 01:13:03.05 ID:ugN8YNUo

禁書 「私にはもう用済みだから、テキストあげるんだよ」つ□

美琴 「え? いいの? わー、ありがとー。今度受けてみよ」

上条 「ほらほら、そろそろメシにしますよ」

美琴 「はいはい……あ、あれ? 少ない」

禁書 「」

美琴 「インデックス! アンタまたつまみ食いしたわね!」

禁書 「違うよ! 毒見なんだよ!」

美琴 「毒見って! 私が毒盛るっていうの!?」

禁書 「あくまで念のためなんだよ!」

上条 「あー、そこまでー!」


<ドンッ



909 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 01:14:37.50 ID:ugN8YNUo


~同日 第9学区~


美琴 「着いたー。ここに来るのも久々ね」

禁書 「おー、ここが第9学区だね。なんだか芸術の香りがするんだよ」

上条 「上条さんにはよくわかりませんが、オシャレーな感じはするな」

美琴 「専門学校の直営店とかもあるから、他じゃ見られないのとかあるわよ」

上条 「おー」

禁書 「直営店だから、きっと安いんだよ」

上条 「さあ、気合入れて選ぼうぜ」キリッ

美琴禁書 「「……」」

上条 「どうした? こういうときはいろいろ見て回ったほうがいいぞ」

美琴禁書 「「お、おー」」



910 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 01:15:56.54 ID:ugN8YNUo

禁書 「あ、これいいかも」

美琴 「えー、ちょっと派手でしょ?」

禁書 「む、だったらみことはどんなのがいいのかな」

美琴 「そうねぇ……ほら、これなんかどう?」

禁書 「こどもっぽいにも程があるんだよ」ハァ

美琴 「な、なんでよ! 可愛いでしょ!」

上条 「あのー、お二人さん……」

美琴禁書 「「なに!?」」キッ

上条 「肌身離さず持ち運べるもの、という前提をお忘れで?」

美琴 「あ……」

上条 「流石の上条さんも、タンスやらテーブルを持ち運ぶ趣味はないのですが」



912 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 01:17:19.47 ID:ugN8YNUo

禁書 「む……」

上条 「もうちっと小さいのにしようぜ?」

美琴 「あっ、じ、じゃあ、あっちの店に行ってみましょうよ」グイグイ

上条 「おい、引っ張るな! ほら、インデックスいくぞ!」

禁書 「り、了解なんだよ!」

 :
 :
 :

上条 「とまぁ、違う店に来た訳ですが」

美琴 「こっちがいい!」

禁書 「こっちの方がいいんだよ!」

上条 「仲いいんだか悪いんだか……」ハァ



913 :10号室、だと…… ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 01:18:47.89 ID:ugN8YNUo

禁書 「ねー、とうま! こっちだよね!」

美琴 「こっちの方がいいわよね!」

上条 「あー、そうだな……お、これなんかどうだ?」ヒョイ

禁書 「……」

美琴 「……」

上条 (あ、あれ? 外した?)

美琴 「いいじゃない……」

禁書 「綺麗と可愛いと両立させて、且つ機能美まで備えてるんだよ……」

上条 「え? お、おう、そうだろ?」

美琴 「アンタ、意外とセンスあるのね」



914 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 01:20:01.89 ID:ugN8YNUo

禁書 「あ、しかもこれ色違いのお揃いがあるんだよ!」

美琴 「ストラップだから色々使えるし、これにしましょ!」

上条 (たまたま近くにあったのを適当に取ったなんて言えない……)

美琴 「で、アンタは何色にするの?」

上条 「そ、そうだな。無難に……この黄緑色とかにしとくかな」

禁書 「とうま、どうせならこっちの蒼にしとくんだよ。そしたら私とお揃いなんだよ」

美琴 「ちょ、待った! だったら赤にしときなさいよ! それで私とお揃いだし!」

上条 「いやいや、色違いでもお揃いはお揃いだろ!?」

美琴 「そ、そうだけど……」

上条 「それに、どっちかを選んでケンカの原因になるなら尚のこと、色違いにしないとな」

禁書 「むー」



915 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 01:22:08.40 ID:ugN8YNUo

上条 「ケンカするために買うんじゃないんだ。3人で色違いでお揃い、これでいいじゃないか」

上条 「それにな、お前ら(とのお揃い)どっちかを選べなんて言われても俺には無理なんだよ」

上条 「お前ら二人とも、俺にとっては命と同じか、それ以上に大事な存在なんだからな」キリッ

禁書 「///」プシュー

美琴 「///」ポーー

上条 「そうだな、じゃあ……インデックスが蒼で、御坂が赤なら」

上条 「間を取って、俺は紫だ! これでどうだ?」

禁書 「い、いいんじゃないかな……///」

美琴 「使うのは、あ、アンタなんだし、好きにすれば?///」

上条 「うし、決まりだな! 買ってくるぜ!」



916 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 01:23:51.31 ID:ugN8YNUo

美琴 「へ? い、いいわよ。自分の分のぐらいは」

上条 「おいおい、たまには上条さんにもかっこつけさてくれよ」

美琴 「たまにはって……いつも……」ゴニョゴニョ

上条 「(ヒョイ)はい、没収な。じゃ買ってくるぜ」

美琴 「あ……もう!」



上条 「くださいな」

店員 (リア充爆発しろ)ピッ ピッ

店員 「合計で6300円になります♪」

上条 「ほ?……ストラップ、1つ、2100円?」

上条 「ふ、不幸だ……」ガックシ



933 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 22:53:03.47 ID:ugN8YNUo

禁書 「」ニヨニヨ

美琴 「」ニマニマ

上条 「お札に羽が生えるってこういうこと言うんですね……」

禁書 「とうまありがと! 家宝にするんだよ!」

美琴 「今度は失くさないでね」

上条 「ああ、出来る限り持ち歩くようにするぜ」

美琴 「そうだけど、そうじゃなくて」

禁書 「失くさなきゃいけないような目に遭わないでねって言ってるんだよ」

上条 「……約束する」

禁書美琴 「「約束なんだよ(だからね)!」」



934 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 22:54:21.98 ID:ugN8YNUo

禁書 「といったところでお腹が空いたんだよ」

美琴 「そうね、もうお昼だし」

上条 「ええと……回転寿司、一人3皿まででどうでせうか?」

美琴 「アンタ本気? それでインデックスが満足して帰ると思う?」

上条 「……思いません」

禁書 「50皿までなら頑張れるよ!」フンス

上条 「頑張らんでいい!」

美琴 「ねえ。そこそこのお値段で、インデックスが満足できそうな店があるんだけど」

上条 「お前ら何してんだ、いくぞ」キリッ

美琴禁書 「「……」」

上条 「で、どこに行けばいいんだ?」

美琴 「……第4学区よ」ハァ



935 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 22:55:42.50 ID:ugN8YNUo


~移動中~


禁書 「第4学区っていうと、世界中の美味しい物が集まってるところだね」

上条 「そういうところもあったなぁ。上条さんには無縁ですが」

美琴 「まさにインデックスのための学区みたいなものよね」

禁書 「今日は第4学区を丸ごと頂いてやるんだよ」フフン

上条 「やめてくれ、冗談に聞こえない」

美琴 「あ、ほら、着いた。降りるわよ」


 プシュー


上条 「……気のせいか、既にいい匂いがするな」

禁書 「とうま、それは流石に気のせいかも」



936 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 22:57:10.32 ID:ugN8YNUo

 :
 :
 :

禁書 「こ、ここは!? エデンなんだよパラダイスなんだよシャングリラなんだよ!」

美琴 「インデックス、目がハートマークになってるわよ」

上条 「インデックスさんの食欲中枢を刺激してしまったようで」

禁書 「ほら二人とも! この際どこでもいいから早く入るんだよ!」

美琴 「待ちなさい」ガシッ

禁書 「ぐえ」

美琴 「ちゃんと行く店は決まってるの。ほらこっちよ」

上条 「何の店なんだ?」

美琴 「食べ放題よ」

禁書 「食べ放題? なんでも食べていいってことかな?」ズルズル



937 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 22:58:39.86 ID:ugN8YNUo

美琴 「そ。必要なのは入場料だけ」

禁書 「ここが神の国だったなんて……」

上条 「んな大袈裟な」

美琴 「あ、ほら、ここ」

上条 「はー、やっぱメシ時は混んでるな」

美琴 「3人ならなんとかなるでしょ。すいませーん」

店員 「はい、いらっしゃいませ」

美琴 「3人なんですけど、大丈夫ですか?」

店員 「あいにく混雑しておりまして……6人席のご相席でよろしければ」

美琴 「どうする?」

禁書 「早く食べたいんだよ!」

上条 「選択の余地はなさそうだな」



938 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 23:00:06.55 ID:ugN8YNUo

店員 「他のお客様のご了解を頂けましたので、ご案内致します」

美琴 「ま、仕方ないわね」

禁書 「す、すごい量の料理が並んでるんだよ!」

上条 「おい、まだ食うなよ」

店員 「こちらにどうぞ」

美琴 「え?」

削板 「お?」

上条 「なんだ、知り合いか?」

美琴 「し、知り合いっていうか……」

削板 「おー、雷の嬢ちゃんじゃねえか! 大覇星祭以来だな! 座れ座れ!」

上条 「あ、これはどうも。お邪魔します」ペコペコ



939 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 23:01:21.85 ID:ugN8YNUo

原谷 「削板さん、お知り合いですか」

削板 「うむ。以前、根性溢れる勝負をしてな!」

上条 「御坂と勝負して無事だなんて……あれ? インデックス?」

原谷 「もう一人の子ですか? 料理を取りにいきましたよ」

上条 「はは、これはお恥ずかしいところを……」

モツ 「ここはそういう店なんだ。恥ずかしいってことねえだろ」

美琴 (この3人はどういう組み合わせなの……?)

削板 「いや、しかし驚いたな! 根性は偶然に勝るな!」

美琴 「驚かされたわよ、ホント……」

モツ 「お前さん達、食わないのか? ここは時間制だぜ、さっさと行ってこい」

上条 (この人、見た目はゴツ怖いけどいい人だ)



940 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 23:02:39.00 ID:ugN8YNUo

 :
 :
 :

禁書 「これは味も一流なんだよ……」

削板 「嬢ちゃん、いい食べっぷりだな! 気に入った!」

上条 「御坂と勝負した人、か。お前、誰彼構わずケンカふっかけてんのか?」

美琴 「そ、そんなことないわよ! いいのよ、こいつは Level5 なんだから!」

上条 「上条さんは Level0 で……Level5!?」

削板 「そうだ、自己紹介がまだだったな! 俺は序列第7位、削板軍覇だ!」ドパーン

原谷 「原谷っていいます。何の変哲もない学生です」

モツ 「俺こそは削板の宿命のライバル、内蔵殺しの横須賀様だ!」ドドン

美琴 (ホントにどういう組み合わせなの、コレ……)

上条 「これはご丁寧に……自分は上条っていいます。何の変哲もない学生です」

美琴 「ウソつくな!……あ、御坂です」



941 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 23:04:44.46 ID:ugN8YNUo

上条 「あー、今料理を取りに行ってるのはインデックスです」

削板 「そうか、よろしくな!」

禁書 「ただいまなんだよ!」

美琴 「アンタなんなの、それ」

禁書 「食べたいものをよそってたらこうなっちゃったんだよ」

削板 「嬢ちゃんは体内にブラックホールでも飼ってるのか? いい根性だな!」

禁書 「食べ物は別バラかも」パクパク

上条 「なんだそりゃ」

削板 「どうだ、いっちょ大食い勝負でもしてみるか」

美琴 「え、あ、やめといた方が……」

原谷 「また削板さんの悪い病気が始まった……」ハァ



942 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 23:06:10.50 ID:ugN8YNUo

モツ 「削板は手強いぞ。この間もケーキバイキングで俺を負かしたぐらいだからな」

上条 「……あー、後悔しないでくださいね?」

禁書 「一人ずつ相手にするのも面倒なんだよ。まとめてかかってくるといいかも」

削板 「ははは! それでこそ根性だ!」

モツ 「ふん、この内臓殺し様の内臓がいかに強靭か見せてやろう」

原谷 「……あれ? 僕もですか?」

上条 「俺たちは普通に食ってるか」

美琴 「……そうね」

削板 「さあ、根性入れて食うぞ!」

原谷 「不幸だ……」



943 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 23:07:37.33 ID:ugN8YNUo


~1時間半後~


削板 「」チーン

原谷 「」ピクピク

モツ 「」ビブルチ

美琴 「言わんこっちゃない……」


<ただいまローストビーフが出来たてとなっております


禁書 「ちょっと行ってくるんだよ」ガタッ

上条 「こりゃ食べ放題じゃなかったら破産してたな」

削板 「こ、この削板軍覇……ここまで完膚なきまで打ちのめされたのは2回目だ……」

美琴 「今回は相手が悪かったわよ。あきらめなさい」



944 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 23:09:04.23 ID:ugN8YNUo

原谷 「一生分食べた気すらしてきました……」

モツ 「なんなんだ、あの舶来品は……ウプ」

上条 「あー、まあ色々と規格外でして……あ、胃薬飲みます?」ペコペコ

モツ 「食べる前に飲まねえと意味ねえだろうが!」

削板 「こりゃ……根性入れ替えて鍛えなおさんとな……」

美琴 「何を鍛えるのよ」

原谷 「胃袋……ですかね」

禁書 「ローストビーフたくさんもらえたんだよ!」キラキラ



店長 「……おい、あの6人。"大食番付"<ブラックリスト>に追加な」

店員 「承知しました」



945 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 23:10:27.45 ID:ugN8YNUo


~数時間後 上条邸~


禁書 「ただーいまー」

美琴 「つっかれたー」

上条 「いやー、買ったし食ったし、満足だな」

禁書 「スフィンクスー、いい子にしてたかな?」ヒョイ

スフィ 「( ´ー`)」

美琴 「電子レンジは前のと同じ場所に置いておけばいい?」ガサガサ

上条 「ああ、悪いな。金も出してもらっちゃってな」

美琴 「まあ……壊したのは私だし」

禁書 「でも、お陰で部屋の機械がどんどん最新型に入れ替わってるんだよ」



946 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 23:11:55.29 ID:ugN8YNUo

美琴 「う……」

上条 「まあ、気にすんな。これぐらいは不幸のうちに入りませんことよ」ナデナデ

美琴 「」フニャー

禁書 「ねー、みこと。今日の晩ご飯はなんなのかな」

美琴 「へ? えぇ!?」

上条 「お前まだ食うのか!?」

禁書 「昼は昼、夜は夜なんだよ」

美琴 「ゴ、ゴメン……お腹いっぱい過ぎて、料理とか出来ないんだけど……」

上条 「同じく……」

禁書 「むー、仕方ないんだよ」



947 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 23:13:07.96 ID:ugN8YNUo

上条 「分かってくれ 「はい、とうま」 はい、って……携帯電話?」

禁書 「今日はデリバリーでいいんだよ」ニコニコ

上条 「……ま、ピザでも頼みますか」ピポピポ

美琴 「あ、電話といえば……」

禁書 「? みことは何してるの?」

美琴 「ストラップ付けてるのよ」

禁書 「あ、ずるい! 私もつけるんだよ!」

上条 「はい、全部乗せピザを 「とうま、電話返して!」 あっ、おい!」

禁書 「」イソイソ

美琴 「……えへー」

上条 「はあ……ま、いいんだよな。これで」



948 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/23(木) 23:14:21.05 ID:ugN8YNUo

といったところで今回はここまでです。
外伝その2、美琴サイド編もこれにて終了。
次回からは外伝その3、番外通行編です。
外伝ばっかですみません。

お付き合い頂き、ありがとうございました。
それでは、これにて。


952 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/23(木) 23:17:58.69 ID:gD.7xyE0

そろそろ次スレか



953 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/23(木) 23:24:10.07 ID:e5oxqcAO
一瞬根性さんのつれが誰か分からなかったww 上条さんのせいで土御門の部屋に穴が開くwww


954 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/23(木) 23:29:51.46 ID:KVSjFOwo
その前に土御門の胃に穴があかないかが心配


968 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/24 23:23:27.01 ID:KWCyim6o
それでは、始めさせて頂きます。
今回からは外伝その3、番外通行編です。



970 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/24 23:26:16.00 ID:KWCyim6o


~10月下旬 第7学区 とある病院~


19090 「今回の検査結果です、とミサカは着替え中の番外個体に紙切れを渡します」つ□

番外個体 「あ、ありがと。……異常なし、ね。よかったよかった」

19090 「ミサカの知る限り、異常が発生したことはありませんね、とミサカも検査結果に満足します」

番外個体 「そこは先生の手腕だろうね。ここの世話になってなければとっくに死んでただろうし」

19090 「そろそろ誕生から1年経つのではないでしょうか? とミサカは素朴な疑問をぶつけます」

番外個体 「正確には知らないけど、1年ちょいは経つかな……そっか。もう1年か」

19090 「もう、ではありません。まだ1年です、とミサカは訂正を求めます」

番外個体 「ふふ、そうだね。また次の1年が始まるんだし」

?? 「アンタ達、まだやってたのか。お喋りなら談話室でやんな」

番外個体 「あ、ゴメンなさい」

19090 「しずりん? 今は休憩時間では? とミサカは突然の登場に動揺を隠せません」



971 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/24 23:27:42.85 ID:KWCyim6o

麦野 「アンタその呼び方はやめろって何度いったら分かるんだ……しっかし、まあ」

番外個体 「?」

麦野 「ここいらにはこの顔が多いのねぇ。この間はアンタのちっちゃい版が来てたし」

19090 「上位個体ですか。しずりんにもよく懐いてましたね、とミサカは頬が緩みっぱなしだったしずりんを思い出します」

麦野 「わ、忘れろっつってんだろ! 何かにつけて引き合いに出しやがって!」

番外個体 (……ねぇ。この人どこまで知ってるの)ヒソヒソ

19090 (事情通ですから)ヒソヒソ

麦野 「ったく……ほら、出てった出てった」



~とある病院 ロビー~


番外個体 「あんな若くて怖いナースさんなんていたっけ?」

19090 「ミサカと同じです。ここで訳アリ看護助手として働いてます、とミサカは同僚とも呼べる関係を披露します」

番外個体 「ふーん……まあ、ああいう先生だから、色んな人がいるよね」

19090 「です」



972 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/24 23:29:54.81 ID:KWCyim6o

番外個体 「ところで、このあとヒマ?」

19090 「残念ながら……とミサカは悔しさを顔に滲ませつつ、仕事中であることを告げます」

番外個体 「滲んでないじゃん」

19090 「ぐぬ」

番外個体 「あ、今ちょっと滲んだ。その調子その調子」

19090 「か、からかうのはやめてください! とミサカは憤ります!」

番外個体 「ゴメンゴメン♪」ナデナデ

19090 「番外個体でなければブレーンバスターをきめているところです、とミサカは不満を漏らします」

番外個体 「いいことだよ。感情表現が豊かになり始めるってことでしょ」

19090 「ずるい人ですね……で、ではお大事に、とミサカは頭を下げます」

番外個体 「下げてないじゃん」

19090 「下げてます!」



973 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/24 23:31:13.17 ID:KWCyim6o


~とある病院前広場 ベンチ~


番外個体 「……そうだ、電話しないと」カチカチ


 Prrrr Prrカチャ


結標 『はいはーい』

番外個体 「私だ」

結標 『お掛けになった番号は』

番外個体 「おいコラ」

結標 『軽いジョークでしょ。もう診察終わったの? 明日死ぬの?』

番外個体 「死なねーし!」

結標 『それはなによりね。で、用件は?』

番外個体 「今日帰らないから。みんなにも伝えといて」

結標 『はあ、また? 今月入って何回目よ。もう通い妻ね』



974 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/24 23:32:47.68 ID:KWCyim6o

番外個体 「なっ、か、通い妻って! 10月なってからまだ3回目だよ!」

結標 『つまり週一ペースじゃない』

番外個体 「むぐ……」

結標 『まぁ、それでいいのよ。ほら、あの日の夜に誓い合った私たちの合言葉は?』

番外個体 「積極的に、ね」

結標 『そういうこと。積極的なようで安心ね』

番外個体 「そういう淡希はどうなのさ、最近」

結標 『私だって何もしてない訳じゃないわよ。色々考えてるんだから』

番外個体 「バカの考え休むに似たりって言葉知ってる?」

結標 『うっさい! 今は人の心配より自分の心配してなさい!』

番外個体 「お気遣いどーもー」

結標 『ああ、それと。避妊はちゃんとしなさいよ』

番外個体 「はあ!?」



975 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/24 23:34:36.19 ID:KWCyim6o

結標 『後学のために感想聞かせ 「ドアホ!」ピッ

番外個体 「……避妊って……」

番外個体 「…………いやいや! ないない!」ブンブン

番外個体 「でも、もっと積極的にならないと……」

番外個体 (最終信号に全部もってかれるのもムカツクし)

番外個体 (……最終信号にはないモノで勝負に持ち込めばいいのかな)

番外個体 「」モニュモニュ ←自分のバストサイズ確認

番外個体 「はぁ……美鈴さん、いやせめて淡希ぐらいあれば……」

一方通行 「あァ? 何か欲しいのか?」

番外個体 「」ビビクゥ

一方通行 「おい、ンなビビることねェだろ」

番外個体 「な、なんでここに!?」



976 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/24 23:36:04.52 ID:KWCyim6o

一方通行 「オマエ、自分で呼び出しといて忘れたのか?」

番外個体 「あれ? もうそんな時間? 最終信号は一緒じゃないの?」

打ち止め 「呼んだー? ってミサカはミサカはワーストのお胸にダイブ♪」ベチョ

番外個体 「わっ! なんだいるんじゃ……ベチョ?」

打ち止め 「あー! ミサカのクレープがー! ってミサカはミサカはガックシー」orz

番外個体 「……みぎゃーー! なにしてくれてんだ!」

一方通行 「あ、このバカ! 他人の服汚すヤツがあるかァ!」ズビシッ

打ち止め 「クレーーーープーーーーー!」ビャー

番外個体 「はぁ……ね、最終信号。こういう時まず言うことがあるでしょ?」

打ち止め 「うぅっ……ごめん、なさい……ヒグッ……」

番外個体 「よろしい。ほら、もう一個買ってきな」

打ち止め 「あ、ありがと……でも……」



977 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/24 23:37:52.32 ID:KWCyim6o

番外個体 「いいから。ほら、そこの白いのがブチキレる前に行っておいで」

打ち止め 「ワーストごめんなさいありがとー! ってミサカはミサカは猛ダッシュ!」ピュー

一方通行 「……なンか、悪かったな」

番外個体 「クリーニング代とクレープ代と慰謝料ね」

一方通行 「分かってらァ……」

 :
 :
 :

打ち止め 「ねー、ワースト今日お泊りしてくれるんだよねー? ってミサカはミサカは期待を込めた眼差しを向けてみる」

番外個体 「うん、そだよ」

打ち止め 「また一緒にご飯つくって一緒にお風呂入ってー、ってミサカはミサカはうるうる上目遣い」

番外個体 「あのさ、こんなのどこで覚えさせたの?」

一方通行 「むしろ俺が聞きてェわ」



978 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/24 23:39:14.09 ID:KWCyim6o


~同日深夜 一方通行邸 リビング~


一方通行 「クソガキはもう寝たのか?」

番外個体 「とっくだよ」

一方通行 「オマエがいると寝付きがいいな……正直助かるぜ」

番外個体 「だ、だったら、毎晩でも……」ゴニョゴニョ

一方通行 「?」

番外個体 「あ、な、なんでもない」

一方通行 「ンじゃ、今日はバッテリがやばいンで俺も寝させてもらうぜ」

番外個体 「うん、オヤスミ」

一方通行 「寝るときにテレビと電気消しといてくれよ」

番外個体 「……よし。頑張れ私」



979 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/24 23:40:48.40 ID:KWCyim6o

一方通行 「Zzz...」

一方通行 「……ン?」


 モゾ...


一方通行 (チッ……クソガキのヤツ、人のベッドに入り込むなっつってンだろォに)

一方通行 「打ち止めちゃァン? 悪い子はお仕置きだぜェ?」バサッ

番外個体 「<①> <①>」

一方通行 「ッヒィィ!?」

番外個体 「な、なにそれ! バケモノでも見たかのような声だして!」

一方通行 「黙りやがれ! 何考えてやがる!」ペシッ

番外個体 「いてっ……いいじゃん、別にさ」



980 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/24 23:41:59.63 ID:KWCyim6o

一方通行 「オマエなァ……そォいうのは相手選びやがれ」

番外個体 (私だって相手を選んでない訳じゃないよ)ポツリ

一方通行 「あ? なンか言ったか?」

番外個体 「別に……ね、どうしてもダメ?」

一方通行 「ンでわざわざここなンだよ? 寝る場所なら他にもあンだろ」

番外個体 「……私」

一方通行 「なンだよ」

番外個体 「わかった……オヤスミ」


 ガチャ バタン


番外個体 「……はあ」

番外個体 「バカ、朴念仁……」



981 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/24 23:43:15.89 ID:KWCyim6o


~数日後 きぬはた荘 番外個体個室~


番外個体 「あー、もう、どうしろってんだ」

番外個体 「そもそも追い出すとかありえない!」

番外個体 「こっちは襲われる覚悟で忍び込んだのにさ!」

番外個体 「……言わなきゃ分からないタイプなのかな」

番外個体 「スパッと言えれば、そりゃ苦労しないわ……」

番外個体 「ちょっと愚痴らせてもらおっと」カチカチ


 Prrrr Prrrr Prrrr Prrrカチャ


結標 『あ、真琴? どうしたの?』

番外個体 「ん、ちょっとヒマだったもんで」

結標 『ゴメンなさい、今ちょっと……後でかけ直していい?』



982 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/24 23:44:49.97 ID:KWCyim6o

番外個体 「あ、忙しかった? ゴメンゴメン」

結標 『いや、こっちこそ。ゴメンね、また後でね』ピッ

番外個体 「……」

番外個体 「気晴らしにどっか出かけるか」

番外個体 「そうだ、冬物のコート持ってないんだよね」

番外個体 「よし、買いにいこう!」フンス

 :
 :
 :

番外個体 「地下街でいいかな」

番外個体 (そういえば……最近、淡希から一方通行のことでツッコミを受けないな)

番外個体 (向こうも必死なのかねー)



983 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/24 23:46:37.36 ID:KWCyim6o

番外個体 「……あれ? え?」

番外個体 「」ササッ



一方通行 「――――で―――ろ?」

結標 「あら? ―――に――じゃ――?」



番外個体 「あの二人……」

番外個体 「……」

番外個体 「どこ行くんだろ……」コソコソ



984 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/24 23:48:14.60 ID:KWCyim6o

番外個体 「ここって、ジュエリーショップ?」

番外個体 「ウソ、でしょ……なんで……?」

番外個体 「淡希、あなた知ってるハズなのに、私の……」

番外個体 「やだ、そんなの……やだ……!」

番外個体 「ッ」ダッ



~とある路地裏~


番外個体 「あっ……は……はぁっはぁっ……うぅ……」

番外個体 「……私、どれだけ走って……ここ、どこだ……?」


 [[携帯電話]]<トーキヲカーケー アナターノ スーガタサーガーシ イーキテーキタ♪



985 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/24 23:49:46.18 ID:KWCyim6o

番外個体 「あ……淡希……」ピッ

結標 『真琴? さっきはゴメンね』

番外個体 「う、うん……」

結標 『で、何か用があったの?』

番外個体 「……あのさ、今日……えと……」

結標 『はっきりしなさいよ。貴女らしくないわね』

番外個体 「っ……」ギリ

結標 『もしもし? どうしたの?』

番外個体 「ゴメン、大した用じゃないから」

結標 『え? ちょっと』ピッ

番外個体 「…………帰るか」



986 : ◆r462iqU2Ag:2010/12/24 23:50:56.98 ID:KWCyim6o
といったところで、今回はここまでです。
今回は展開が速いのですが、次への前振りということでご容赦を。
目撃番外個体までを今回分でやっておきたかったんです……。
分量的に考えて、次回は次スレですね。

お付き合い頂き、ありがとうございました。
それでは、これにて。


987 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/24 23:59:01.86 ID:ELBMpgMo
嫉妬する番外個体は珍しい気がする
そして19090号たん可愛い




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禁書目録SS   コメント:2   このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント一覧
6613. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/05/05(木) 13:21 ▼このコメントに返信する
新展開きた!これは次が気になるわ・・・
6720. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/05/07(土) 22:47 ▼このコメントに返信する
麦のんマジヒロイン
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