1:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/07(月) 22:35:55.90 ID:
ZH2u/C/+0
富豪「ううっ……ワシはもうダメじゃ……」
妻「あなた、しっかりするザマス!」
弟「兄貴ィィィ! 死なないでくれェェェ!」
長男「親父、弱気になるな!」
長男嫁「おぬしが死んだら、わらわは悲しいのじゃ……」
次男「ボクらにはまだ、父さんが必要なんだ!」
長女「あたしたちを置いていかないでよ!」
ポチ「ワォォォ~~~~~ン!」
富豪「ワシの遺産は相続税を差し引いても、ざっと1000億はあるじゃろう」
富豪「みんなで仲良く分けるんじゃよ……」ガクッ…
遺 産 戦 争 勃 発 ! ! !
金持ち父さん貧乏父さん
2:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/07(月) 22:40:13.60 ID:
ZH2u/C/+0
妻「脈拍ナシ、呼吸ナシ、心拍ナシ、ようやくくたばったザマスね」
妻「さあ、お待ちかね。遺産分配を始めるザマスよ!」
弟「うおっしゃァァァァァ!」
長男「余命半年を宣告されてから、三年近くも生きるとは、しぶとかったな……」
長男嫁「まったくじゃ。不死身かと思ったぞえ」
次男「でもこれで、ようやく1000億はボクらのものだ!」
長女「あたし、欲しいものいっぱいあるのよね~」
ポチ「ワン、ワン、ワン!」
5:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/07(月) 22:45:14.72 ID:
ZH2u/C/+0
妻「生前、主人は遺言を残していなかったザマスから」
妻「こういう時のために弁護士先生を呼んでおいたザマス!」
オォ~……! パチパチパチパチ……
次男「さすが母さん、準備がいいや!」
弁護士「皆さん、はじめまして」
弁護士「ざっくりですが、法律に基づいた遺産の分配方法について」
弁護士「説明させていただきます」
長男「よろしく頼むよ」
6:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/07(月) 22:45:25.17 ID:I+WoEGsm0
弟大荒れの予感
10:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/07(月) 22:51:14.78 ID:
ZH2u/C/+0
弁護士「それでは法定相続人について説明させていただきます」
弁護士「法律上、相続の優先順位は次のようになります」
・配偶者 常に相続者
・子 第一順位(常に相続者)
・父母 第二順位
・兄弟 第三順位
弁護士「第二順位、第三順位の方は、上位相続人がいない場合のみ」
弁護士「相続権を得られます」
弁護士「今回のケースですと……」
弁護士「相続権があるのは、妻さん、長男さん、次男さん、長女さん、の四人です」
弁護士「2分の1を奥様、残りを息子さんたちで分配、となるでしょう」
14:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/07(月) 22:55:26.02 ID:
ZH2u/C/+0
弟「なんだってェェェ!? じゃあオレは相続権ないのかよォォォ!」
弁護士「はい」
弟「ちくしょォォォォォ!!!」
長男嫁「わらわはもらえぬのか!? 義理の娘じゃというに!」
弁護士「もらえません」
長男嫁「遺産目当てで結婚したのに、なんということじゃ……」
ポチ「ワン、ワン、ワン!」
弁護士「お手」サッ
ポチ「ワン!」シュタッ
15:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/07(月) 22:59:51.49 ID:
ZH2u/C/+0
長男「よかったな、お袋。俺たちだけで仲良く分けよう」
妻「……気に入らないザマスね」
長男「お袋!?」
次男「なんでだよ、母さんが一番多くもらえるのに!?」
長女「そうよ!」
妻「主人が血がにじむ想いで蓄えた財の分配を……」
妻「こんな家族でもない赤の他人の言う通りにするだなんて──」
妻「やっぱりイヤザマスッ!」
長男「た、たしかに!」
次男「そうだね、やり直そう!」
弁護士(なら、なんで私を呼んだんだよ……)
17:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/07(月) 23:05:12.43 ID:
ZH2u/C/+0
次男「じゃあさ」
次男「手っ取り早く、ここにいる人数で割るってのはどうだい?」
長男「なるほど、一理あるな」
長女「それが一番平等だわ!」
弟「おお、それならオレももらえるなァァァ!」
長男嫁「わらわも賛成じゃ!」
次男「よぉーし、じゃあさっそく1000億を6で割ると──」
ポチ「ワン、ワン、ワン!」
次男「ごめん、ポチを忘れてた。じゃあ7で割ろう」
19:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/07(月) 23:09:17.07 ID:
ZH2u/C/+0
次男「さっそく、生前父さんが購入していたスーパーコンピュータで計算しよう」
次男「1000億÷7は、と──」カタカタ…
次男「…………」
次男「わ、割り切れない!」
妻「えぇっ!?」
長男「なんだと!?」
弟「ウソだろォォォ! そりゃまずいぞォォォ!」
ポチ「アォォォ~~~~~ン!」
20:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/07(月) 23:14:22.50 ID:
ZH2u/C/+0
長男嫁「割り切れぬのなら、いっそ小数点以下を切り捨てたらどうじゃ?」
次男「それだと142億8571万4285円っていう」
次男「すごく中途半端な数になっちゃうんだ!」
弟「半端すぎるゥゥゥ!」
妻「そんな中途半端な金額の遺産なんか、もらわない方がマシザマス!」
長男「お袋のいうとおりだ! なんだよ4285円って!」
長女「でも4285円もあれば、ユニクロでなにか買えるわね」
ポチ「ワン!」
23:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/07(月) 23:19:20.30 ID:
ZH2u/C/+0
次男(なんとかして割り切れるようにする方法は──)
次男「そうだ!」
次男「弁護士さん、あなたも遺産を相続して下さい!」
次男「7人が8人になれば、偶数になって割り切れるはず!」
弁護士「え!?」
妻「それがいいザマスね!」
長男嫁「ナイスアイディアじゃ!」
弁護士「いや、私は赤の他人なんですけど」
長女「この際、赤でも青でもなんでもいいわよ!」
24:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/07(月) 23:23:53.80 ID:sXzUvbv9O
どういうことなの…
25:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/07(月) 23:24:30.58 ID:
ZH2u/C/+0
次男「1000億÷8は、と──」カタカタ…
次男「割り切れた!」
長男嫁「いったいいくらになったのじゃ!?」
次男「125億!」
妻「でかしたザマス!」
弟「いよっしゃァァァ! キリがいいィィィ!」
長男嫁「うむ、よくやったのう。さすがわらわの義理の弟じゃ」
長女「やったわ!」
ポチ「ワォォォォォ~~~~~ン!」
29:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/07(月) 23:28:57.01 ID:
ZH2u/C/+0
妻「125億もあれば、十分ザマス!」
弟「兄貴ィィィ! ありがとうゥゥゥ!」
次男「ボク、新しいパソコンが欲しかったんだよね」
長男嫁「わらわも満足じゃ」
長女「125億円って、しまむらでなにが買えるかしら」
ポチ「ワン、ワン、ワン!」
弁護士「私は赤の他人なんですが……」
長男「…………」
長男「みんな、ちょっと待てよ」
33:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/07(月) 23:33:51.77 ID:
ZH2u/C/+0
長男「みんな仲良く、1000億をキレイに八等分」
長男「たしかにもっとも理想的な解決方法だ」
長男「だが、みんなの本音はきっとこうだろう?」
長男「どうせなら“全額自分が欲しい”と」
妻「!」
弟「!」
長男嫁「!」
次男「!」
長女「!」
ポチ「!」
弁護士(いや、私は別に──)
34:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/07(月) 23:35:39.81 ID:oP/tz5HY0
ポチ何に使うんだよ
36:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/07(月) 23:38:43.66 ID:
ZH2u/C/+0
妻「たしかにもらえるものなら、全部欲しいに決まってるザマス」
弟「一人占めしてえよォォォ!」
次男「そりゃそうだよ……なんたって1000億だもん」
長女「1000億もあれば、イオンでなんだって買えるしね!」
ポチ「ワオォォォ~~~~~ン!」
長男嫁「しかし、長男よ。どうやってその一人を決めるのじゃ?」
長男「決まってるだろ」
長男「格闘トーナメントを開催するんだよ!」
長男「優勝した人間が、遺産を全額相続できるんだ!」
40:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/07(月) 23:45:13.26 ID:
ZH2u/C/+0
【 第一回 富豪遺産争奪トーナメント 】
┌─ 妻
┌─┤
│ └─ 長女
┌─┤
│ │ ┌─ ポチ
│ └─┤
│ └─ 弁護士
─┤
│ ┌─ 長男
│ ┌─┤
│ │ └─ 次男
└─┤
│ ┌─ 弟
└─┤
└─ 長男嫁
41:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/07(月) 23:45:33.97 ID:DQH3nc4I0
なんで弁護士参加してんだよwwww
42:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/07(月) 23:46:47.85 ID:JTJFJGdc0
44:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/07(月) 23:49:12.53 ID:
ZH2u/C/+0
実況『さあ、ついに始まりました!』
実況『第一回、富豪遺産争奪トーナメント!』
実況『果たして優勝して遺産を全額ゲットできるのは、八人のうちの誰でしょうか!?』
実況『それではさっそく試合を開始いたしましょう!』
実況『第一試合は──』
実況『妻VS長女!』
実況『実の母と娘が遺産のために、目を¥マークに変えての真剣勝負!』
実況『いったいどんな試合になるのかぁっ!?』
48:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/07(月) 23:53:09.05 ID:
ZH2u/C/+0
【 一回戦第一試合 妻VS長女 】
妻「実の娘だからって、手加減はしないザマスよ」
長女「望むところよ!」
妻「いくザマス!」ダッ
長女(タックル!? ──なら顔面にヒザを合わせれば!)ブンッ
妻「甘いザマス!」ガシッ
実況『あーっと! 妻、長女のヒザ蹴りに組みつくという高等テクニック!』
実況『そのままテイクダウンに持ち込んだァ!』
妻「アキレス腱固めザマス!」グイッ…
長女「いだだだだっ! 参ったわ!」パンパンッ
妻の勝利──
49:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/07(月) 23:58:35.98 ID:
ZH2u/C/+0
【 一回戦第二試合 ポチVS弁護士 】
実況『犬と弁護士の異色対決、勝つのはいったいどっちだ!?』
弁護士「なんでこんなことに……」
ポチ「ワン、ワン、ワン!」ダッ
ポチ「ワォンッ!」ガブッ
実況『ポチ、弁護士のケツに噛みついた! これは痛い!』
弁護士「ポチ、お手、お手っ!」サッ
実況『弁護士が手を差し出すも、ポチはシカト!』
ビリビリッ……!
弁護士「あひいいっ!」
実況『あ~~~~~っと、弁護士のズボンが破れ』
実況『朱雀と青龍と白虎と玄武が描かれたブリーフが丸見えだぁっ!』
弁護士「ギ、ギブアップ! ギブアップだ!」
ポチの勝利──
51:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/08(火) 00:04:21.70 ID:
gzkGVYMx0
【 一回戦第三試合 長男VS次男 】
次男「いくよ、兄さん!」
長男「来い!」
次男「暗黒呪殺魔神撃!」
長男「聖天光輪飛翔拳!」
ズガァァンッ!
実況『お~っと、光の長男と闇の次男の、対極を成す拳がぶつかり合った!』
次男「ぐ……さすが兄さん。やはり暗黒の力では聖なる光には勝てない、か」ガクッ…
長男「いや、光あるところには必ず闇が生まれるものだ」
長男「今回俺が勝てたのは、時の運という名の気まぐれが俺に味方したからに過ぎん」
長男の勝利──
52:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/08(火) 00:08:03.15 ID:bWMuR3Pi0
濃すぎる
53:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/08(火) 00:09:52.54 ID:
gzkGVYMx0
【 一回戦第四試合 弟VS長男嫁 】
弟「よっしゃァァァァァ!」
弟「甥の女房だからって、容赦はしないぜェェェ!」ダダダッ
ガシィッ!
長男嫁「むっ」
実況『弟は柔道七段!』
実況『長男嫁の襟を掴んで、そのまま投げるつもりのようです!』
長男嫁「無礼者ッ!」
弟「!」ビクッ
長男嫁「わらわを誰だと思っておる!」
長男嫁「おぬし如きがわらわに触れようなど、言語道断じゃ! 恥を知れ!」
弟「す、すみません……」
長男嫁の勝利──
55:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/08(火) 00:14:03.49 ID:
gzkGVYMx0
【 準決勝第一試合 妻VSポチ 】
妻「長年可愛がってきたペットと戦うことになるザマスとは……」
妻「しかし、これも運命ザマスね! 全力でいくザマス!」ダッ
実況『一回戦のようなタックルだ! さあポチ、これをどうさばく!?』
ポチ「ワンッ!」ビュバッ
妻(速いザマス!)
実況『ポチ、妻の後ろに回り込んだ!』
ポチ「ワォンッ!」ガブッ
妻「痛いザマス!」
ビリリィッ!
実況『妻の着物が破れ、桃色のふんどしが丸見えだぁ~~~~~!』
妻「あんっ……私の負けザマスっ……!」ビクビクッ
ポチの勝利──
56:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/08(火) 00:17:35.77 ID:IUEyfu1oQ
ここから妻とポチの獣姦の可能性が
57:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/08(火) 00:19:17.95 ID:
gzkGVYMx0
【 準決勝第二試合 長男VS長男嫁 】
長男「…………」
長男嫁「…………」
長男「どうした、なぜこない?」
長男嫁「おぬしこそ、なぜ来ぬのじゃ?」
長男「……俺は女房であるお前を殴れない。俺を好きなように殴ってくれ」
長男「お前は親父の遺産目当てで俺と結婚したんだろう?」
長男「だったら、俺を倒して決勝に進んでくれ」
長男「もしもポチを倒して優勝できたら、遺産は独占してくれてかまわない」
長男嫁「…………」
長男嫁「そう、わらわはおぬしの父の資産目当てでおぬしに近づき──」
長男嫁「そして結婚したのじゃ……」
60:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/08(火) 00:23:36.54 ID:
gzkGVYMx0
長男嫁「じゃが、わらわは……わらわは──」
長男嫁「いつしか、本当におぬしのことを好きになっておった」
長男「ウソつけ! お前は金をなにより愛する女だったはずだ!」
長男嫁「ウソではない……」
長男嫁「わらわは、金以上に大切な……“愛”を知ってしまったのじゃ」
長男嫁「だからわらわも……おぬしとは戦えぬ」
長男「お前っ!」ガバッ
長男嫁「ああっ、わらわを抱きしめてくれるのか! この罪深きわらわを!」
長男「抱きしめてやるともっ!」ギュッ…
長男嫁「ああっ、わらわもじゃ! おぬしの胸板のなんと心地よいことか!」ギュッ
パチパチパチパチ……!
64:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/08(火) 00:29:22.40 ID:
gzkGVYMx0
妻「これが……これこそが“愛”なのザマスね!」
弟「へっ、泣かすじゃねえかァァァ!」
次男「兄さん……お義姉さん……おめでとう!」グスッ…
長女「新婚でもなんでもないのに、見せつけてくれちゃって!」
弁護士「えぇ~っと、このトーナメントはどうなるのでしょうか?」
実況『二人とも棄権したようなものですので……』
実況『こうなりますと、自動的に優勝者はポチということなりますね』
ポチ「クゥ~ン?」
65:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/08(火) 00:33:22.05 ID:
gzkGVYMx0
実況『というわけで、遺産を全額獲得するのはポチに決定でぇっす!』
妻「ポチ、1000億円獲得おめでとうザマス!」
弟「おめでとォォォォォ! うおおおおォォォォォ!」
長男「ポチ、おめでとう!」
長男嫁「めでたいことじゃ」
次男「やったね、ポチ!」
長女「ポチったら、おいしいとこ全部持ってちゃうんだから!」
弁護士「もうなにがなんだかさっぱりですが……おめでとう」
ポチ「…………」
ポチ「待てや」
66:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/08(火) 00:36:31.46 ID:4VBqjym30
しゃべったァァァァァァァァ
67:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/08(火) 00:37:20.06 ID:rMnx/wrx0
ゲベ思い出した
68:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/08(火) 00:38:39.34 ID:
gzkGVYMx0
妻「え……!?」
ポチ「なんやねん、この白ける結末は。ホワイトキックやで、ホンマ」
次男「ポ、チ……!? お前、しゃべれたのか!?」
ポチ「当たり前や、なめとんのかワレ」
ポチ「ところでお前ら、こんな結末でええんか」
ポチ「1000億やぞ、1000億」
ポチ「ホンマ大金やで……」
ポチ「何が買えるか、なぁんて勘定するのがアホ臭くなるくらいや」
70:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/08(火) 00:43:08.92 ID:
gzkGVYMx0
ポチ「世の中にゃ、1億円のために宝くじを買う奴がぎょうさんおる」
ポチ「3億円事件は未だに語り草になっとる」
ポチ「たかだか数千円単位のトラブルでコロシをやった奴もおる」
ポチ「こんだけ話せば──」
ポチ「いくらお前らがボンクラでも、1000億がどんだけ大金か分かるやろ」
ポチ「これほどの大金をだれが手に入れるか……」
ポチ「ジャリが読むマンガみたく、トーナメントなんかで決めてええんか?」
ポチ「不服ある奴はおらんのか?」
ポチ「え、どうなんや?」
71:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/08(火) 00:48:39.53 ID:
gzkGVYMx0
長女「でも……みんな合意の上でトーナメントを始めたわけだし……」
長男「そうだ。わざわざ実況の人まで呼んで……」
ポチ「たしかにな」
ポチ「それで、ワシみたいな人間ですらない犬っころが1000億を獲得……」
ポチ「なんやほのぼのしたオチがついてめでたしめでたし……」
ポチ「この話を聞いた奴は“まさか犬が遺産を相続するなんて”と微笑むやろな」
ポチ「せやけど、ホンマにこれでええんか?」
ポチ「しつこいようやが、1000億円は大金や」
ポチ「そんな大金、ワシみたいな雑種のクソ犬に渡して悔しないんか?」
妻「え、あなた血統書付の犬だったはず──」
ポチ「あんなもん、ワシを売っとったクソ業者の偽造に決まっとるやろ」
73:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/08(火) 00:52:44.68 ID:uoTe0vOx0
トーナメント勝ち抜いておいて何を言ってるんだこいつ
74:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/08(火) 00:54:34.25 ID:
gzkGVYMx0
ポチ「──で、どうなんや?」
ポチ「1000億円、ワシに渡して後悔はないんか?」
シ~ン……
ポチ「1000億やぞ、もっと欲出してみいや! あがいてみろや!」
ポチ「欲っちゅうのはなにもあったらアカンもんちゃうで!」
ポチ「人間なんちゅうもんは、欲かいてでっかくなったようなもんなんや!」
ポチ「それともなにか?」
ポチ「お前らには人間の誇りっちゅうもんがないんかッ!!?」
バンッ!!!
シ~ン……
75:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/08(火) 00:58:55.20 ID:
gzkGVYMx0
妻「わ、分かったザマス……ポチ」
妻「遺産の分配は私たち人間だけで決めるザマス……」
ポチ「分かればええんや。じゃ、ワシはメス犬と交尾しにいくで。ほな、サイナラ」トコトコ
シ~ン……
長男「──で、どうする? ポチはああいってたが……」
長男「お前、1000億欲しいか?」
長男嫁「いらぬ。わらわはおぬしがおれば十分じゃ」ギュ…
長男「叔父さんはどうです?」
弟「俺もいらないィィィ!」
長男「そんな! 最初は相続権がないことを悔しがってたじゃないですか!」
弟「兄貴の財産は、やっぱり兄貴の家族で分けるべきだろォォォ!」
弟「俺も兄貴ほどじゃないが、資産はあるしなァァァ!」
長男(今さら遺産を拒否するなんて、なんて身勝手な人なんだ……!)
80:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/08(火) 01:04:40.36 ID:
gzkGVYMx0
長男「じゃあ、お前たちは?」
次男「ボクもいらないよ。兄さんが全部相続してくれよ」
長女「あたしも……。なんだか疲れちゃった」
長男「お前たち、俺の兄弟だろ!? 遺産をもらってくれよ! 分けようぜ!」
次男「絶対イヤだ」
長女「あたしも」
長男「弁護士さん! どうです、1000億欲しいでしょ!?」
弁護士「いいえ、いりません」
弁護士「もし強引に私に遺産を相続させるというのなら、あなたを訴えます」
弁護士「六法全書の力で、あなたを社会的に完全滅殺します」
長男「うぐっ……。そうだ、トーナメントの実況やってた人に相続させれば──」
長女「実況の人はポチが怒ってる間に帰っちゃったよ」
長男「ちくしょう! あのヤロウ、遺産を渡されることを恐れて逃げやがったか!」
87:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/08(火) 01:11:41.76 ID:
gzkGVYMx0
弟「ここはやっぱり、長男がもらうのがスジなんじゃねえかァァァ!?」
次男「そうだよ、兄さんが全部相続してよ」
長女「うんうん、それが一番丸く収まると思う」
長男「なんだと……!」
長男「みんなして、俺に遺産を押しつけようってのか!」
長男「ゆ、許さねえ! こうなったらみんなブッ殺してやる!」
長男「ブッ殺して、死体になったお前たちに無理やり遺産を相続させてやるっ!」
次男「よせっ、兄さん!」
長男嫁「ああっ、遺産争いで殺人事件が起こってしまいそうじゃ! なんたること!」
妻(どうすればいいザマスか、あなた……!)
妻(こんな時、あなたが生きていればみんなを止めてくれるザマスのに……)
92:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/08(火) 01:16:17.18 ID:
gzkGVYMx0
すると──
富豪「やめるんじゃ!」
弟「兄貴ィィィ!?」
長男「親父!?」
長男嫁「義父上!?」
次男「父さん!?」
長女「お父さん!?」
弁護士「富豪さん!?」
妻「あなた!?」
妻「たしかに死んだハズなのに……どうして生きているザマスか!?」
94:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/08(火) 01:21:44.17 ID:
gzkGVYMx0
富豪「“地獄の沙汰も金次第”というじゃろ?」
富豪「だから閻魔さんに金を払って戻ってきたのじゃよ!」
富豪「今頃、現世のワシの財産から、生き返るための代金が引かれているはずじゃ」
妻「ちなみにいくら払ったザマスか?」
富豪「ざっと1000億円じゃ」
妻「本当ザマスか!? よくやってくれたザマス! さすが私の主人ザマス!」
長男「これで……俺は遺産をもらわずに済むんだな」ホッ…
長男嫁「よかった、よかった。わらわも一安心じゃ」
96:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/08(火) 01:26:37.08 ID:
gzkGVYMx0
富豪「さぁて、生き返った記念にパーチーでもやるかのう」
妻「でも、1000億も払ったのに、パーティーをやるお金はあるザマスか?」
富豪「心配無用じゃ」
富豪「ワシには、税務署の網をくぐり抜けた隠し財産がいくらでもあるでのう」
妻「そんなことやってるから、地獄に落ちたんザマスよ……」
弟「やっぱ兄貴は最高だぜェェェ!」
長男「まったく親父らしいというか、なんというか……」
長男嫁「うむ、人騒がせな御仁じゃ」
次男「でもよかったよ、やっぱりボクらには父さんがいないとね!」
長女「お帰りなさい、お父さん!」
弁護士「……私、帰っていいですか?」
こうして遺産戦争は終結した──
めでたしめでたし。
97:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/08(火) 01:28:56.84 ID:fbLo1gv30
面白かった
98:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/08(火) 01:30:54.57 ID:3Gp7IhIg0
よくやった
>>1
99:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/08(火) 01:30:59.28 ID:CQH6vkBs0
訳がわからないよ(困惑)
105:
忍法帖【Lv=4,xxxP】(1+0:15) :2013/10/08(火) 01:50:29.87 ID:8CgQibdH0
確かに1000万円相続とかちょっと怖いけど
乙!
106:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/08(火) 01:58:22.78 ID:JYVjiI8L0
乙
面白かった
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