前→絹旗「きぬはた荘、あふたー!」白井「あふたー?」その18
まとめ→きぬはた荘シリーズ まとめ
600:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/04(日) 02:51:05.44 ID:zoKq0xiYo
~同日 第7学区 とある路地~
フレメア 「」ヨテヨテ
打ち止め 「ね、大丈夫? ってミサカはミサカはおぼつかない足取りのフレメアを心配してみたり」
フレメア 「だ、大体、大丈夫」フンヌ
絹旗 「予想通り、超すごい荷物になりましたね」
婚后 「チョコレートに加えビスケットにパウダーにナッツ……牛乳に小麦粉に卵とくれば……応えますわね」ズッシリ
絹旗 「二人は大丈夫ですか?」
打ち止め 「袋が手に食い込んで、ちょっと痛いかも」
フレメア 「大体、重い……」
婚后 「さすがにわたくしと絹旗さんも、これ以上は分担できませんし……」
絹旗 「超失敗しました。こっちに一人多くまわしてもらえばよかったですね……というかですよ」
婚后 「?」
絹旗 「こういうときのためのテレポ屋さんなのに、白井さんと結標さんが同じチームになっちゃったのが失敗でした」
婚后 「ご本人が聞いたら呆れる発言ですわね。まあ、もう少しなのですから、頑張りましょう」
フレ止め 「「はーい」」
601:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/04(日) 02:52:19.68 ID:zoKq0xiYo
絹旗 「さすがにここまで来てから諦めてタクシー使うのも超バカらしいですしね」
婚后 「雨でも降っていれば迷わず使ったのでしょうけれど」
打ち止め 「あ、見えてきたよ! ってミサカはミサカはゴールが近いことに喜びを感じてみたり」
フレメア 「やっとついたー」
絹旗 「……婚后さん、私いま超すごくイヤなことに気付いたんですけど」
婚后 「絹旗さん……もしやわたくしと同じ考えなのかもしれません」
フレ止め 「「?」」
絹旗 「で、でもほら、滝壺さんたちが先に戻ってればそんな心配ないですよ!」
婚后 「そうですわね、あちらのチームが向かったであろう手芸品店や雑貨店がここからだと
少し離れていることなど、この際些末な問題に過ぎませんわね」
打ち止め 「……あの、もしかして」
フレメア 「鍵持ってない……」
絹旗 「超大丈夫です! いざとなったら婚后さんと私の超ツープラトンでドアを」
婚后 「そ、それはいくらなんでもいけませんわよ」
フレメア 「ちょっと持ってて」ハイ
打ち止め 「え!? ちょっと、え!?」ズッシリ
602:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/04(日) 02:54:04.56 ID:zoKq0xiYo
フレメア 「」ガチャガチャ
フレメア 「……大体開かない」
婚后 「」アチャー
絹旗 「ええ、そりゃ片手で目を覆いつつ天を仰ぐポーズもしたくなりますよね」
フレメア 「電気でびびびーて開けられない?」
打ち止め 「ミサカじゃムリかも、お姉ちゃんなら……ていうかそもそもここのドア、電子ロックじゃないよ」
絹旗 「超仕方ないですね、ここは私が」
婚后 「だからダメです! 他所様の建物なのですから!」
絹旗 「えー、じゃどうするんですか」
婚后 「……向こうのチームに連絡をとって、鍵を持ってる方だけ戻ってきてもらうか。乃至は」
打ち止め 「ないしは?」
婚后 「帰ってくるまで待つかの2択ですわね」
フレメア 「食べ物、悪くならないかな」
絹旗 「それが一番の超懸案事項ですね」
婚后 「では連絡を取りましょう。今はそれが最善策でしょうから」カチカチ
<あれ?何やってんの?
603:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/04(日) 02:55:37.05 ID:zoKq0xiYo
打ち止め 「え? あー!」
番外個体 「路上販売するなら、もうちっと人が多いとこ行ったほうがいいよ」
婚后 「あら、ミサワさん?」
絹旗 「今日病院じゃないんですか?」
番外個体 「もう終わったよ。ギプスないでしょ?」ホラ
フレメア 「大体、大丈夫なの?」ペチペチ
番外個体 「うん、もう骨はくっついたから」
打ち止め 「でもこれからリハビリだよね? ってミサカはミサカはあの人と話してるのを盗み聞きしたのを思い出してみたり」
番外個体 「ま、気長にね」
絹旗 「一ヶ月かかりませんでしたね。超よかったじゃないですか」
婚后 「一時はどうなることかと思いましたが」
番外個体 「でもこの子が言ってたように、リハビリもあるんだけどね。明日からここを営業再開とはいかないかな」
婚后 「性急に走らず、身体と相談しながらがよろしいですわね」
絹旗 「あ、そうだ。ミサワさん、超早速でホント申し訳ないんですけれども」
婚后 「こちらの鍵、お持ちではないですか?」
番外個体 「ああ、外で何やってんのかと思ったらそういうことだったの? 今開けるよ」ゴソゴソ
604:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/04(日) 02:56:51.66 ID:zoKq0xiYo
~同日 第7学区 隠れ家的喫茶店(休業中)~
<カランカラン♪
番外個体 「うっわ、なんか懐かしい」
絹旗 「3週間ぶりならそうも感じるでしょうね」
打ち止め 「よいしょー」ドサッ
フレメア 「疲れたー」ドサッ
婚后 「お二人ともお疲れ様でした。あとはわたくしたちでやりますので、休憩なさってください」
絹旗 「すいません、超お願いします」
婚后 「絹旗さんはこちらです」グイ
絹旗 「あうぅ、私だって超疲れてるのに」ズルズル
番外個体 「冷蔵庫の電源、入ってないでしょ?」
婚后 「え? あら、本当に」
番外個体 「ブレーカーごと落としてるからさ。ちょっと待ってね」
絹旗 「食材は超処分したって聞いてましたけど、ここまでしてたんですね」
番外個体 「保存きくヤツはしまっておけばいいんだけどね。要冷蔵のヤツはショチトルに持って帰ってもらったよ」パチッ
婚后 「卵やバターなど、常温では保存がききませんものね」
605:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/04(日) 02:58:11.11 ID:zoKq0xiYo
絹旗 「じゃ、とりあえずどんどん放り込んでいきましょうか」ガサガサ
婚后 「ミサワさん、改めて。設備お借りしますわね」
番外個体 「使うがよい」
絹旗 「でも助かりましたよ。あっさり貸してもらえて」
番外個体 「ほっといてもテナント料は発生するからね。使ったほうがまだマシってもんでしょ」
婚后 「言えてますわね」クスクス
フレメア 「ねえねえ」
婚后 「どうされました?」
フレメア 「ついでに買ったジュース、どこかな」
絹旗 「ええと……どの袋でしょうね」
打ち止め 「」ガサガサ
番外個体 「なんか探し物?」クピクピ
打ち止め 「うん、買い物ついでにペットボトルのあーーー!」
番外個体 「?」
打ち止め 「今飲んでるのって……」プルプル
フレメア 「落ち着いて、ミネラルウォーターは買ってない」
打ち止め 「そういえばそうだった」ウン
番外個体 「いくら私でも勝手に飲んだりはしないよ」
606:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/04(日) 03:00:02.95 ID:zoKq0xiYo
絹旗 「超終了です」バタン
婚后 「後は、向こうのチームの帰りを待つばかりですわね」
番外個体 「そういや、これで全員じゃないよね? 他の人はどうしたの?」
フレメア 「ラッピング、にゃあ」
打ち止め 「2チームに分かれて買い物だよ、ってミサカはミサカは達成感を感じつつ答えてみたり」
番外個体 「なるほど、それで4人が先に帰ってきちゃったと。じゃ、あとは……5人?」
絹旗 「? 4人ですよ。一人多く数えてます」
婚后 「……まさか、わたくしたちも知らない間に5人目が」
フレメア 「」クピクピ
打ち止め 「」プハー
番外個体 「ん? 間違ったかな?」
絹旗 「あ、もしかして黒夜を数えちゃってます?」
番外個体 「え、いないの?」
婚后 「そういえばおられませんわね」
絹旗 「声はかけたんですけどねー、後で超いじけるから。そしたら返信が……」カチカチ
婚后個体 「「?」」
607:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/04(日) 03:01:40.27 ID:zoKq0xiYo
差出人:窒素女
<kuro-iruka@comodo.ne.jp>
件名:Re:2月13日
日付:20yy/m/d 22:12
───────────────
せっかくだけどな、甘いものは得意
じゃないし、渡す相手もいないから
パス。
でも絹旗ちゃんからのチョコは欲し
い。くれ。イルカ型な。
番外個体 「はー、なるほど」
婚后 「さりげにリクエストされてますわね」クスクス
番外個体 「クロちゃんも、銀さんに渡せばいいのにね」
絹旗 「銀さん?」
番外個体 「カマキリロボの人」
絹旗 「あぁ、はいはい」
婚后 「一瞬わかりませんでしたわ」
番外個体 「これ以上なく分かりやすく、且つ的確なネーミングだと思うけどなぁ」
絹旗 「超本人はどう思うかですけど。ところで、ミサワさんは今日はどうするんですか?」
番外個体 「見学と味見係」
608:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/04(日) 03:03:34.32 ID:zoKq0xiYo
絹旗 「それじゃ結標さんのチョコを超たっくさん食べてもらいましょう」
番外個体 「……私、絹旗さんの恨みを買うようなことした?」
婚后 「あの、さすがに結標さんの腕もそこまで非道いものでもないかと」
絹旗 「あ、恨みと言えば! ミサワさん、人の名前」
<カランカラン♪
結標 「ただいまー」
番外個体 「あ、噂をすれば」
結標 「あれ? 来てたの?」
番外個体 「予想外に早く終わったから、見学と味見係にね」
滝壺 「よいしょ」ドサッ
ショチトル 「あぁ、先を越されてしまっていたか……」
白井 「鍵をこちらが持ってることに気付いて、やむをえず連続テレポで戻ってきましたのに……」
絹旗 「だったらショチトルだけ戻ってくれば超よかったんじゃ」
ショチトル 「その発想はなかった」
フレメア 「お姉ちゃんがたまたま来てくれたから助かった、にゃあ」
ショチトル 「マスターは徘徊して大丈夫なのか?」
番外個体 「徘徊って……うん、まあ大丈夫でしょ。先生の腕がよかったからね」
609:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/04(日) 03:05:06.55 ID:zoKq0xiYo
滝壺 「でも無理は禁物」
白井 「そうですの、また何かあったら困りますもの」
番外個体 「だから今日は見学」クスクス
結標 「まあ、ここの設備を知り尽くした人がいてくれたほうが助かるわね」
フレメア 「ねえ、チョコ作る?」
打ち止め 「さっそく始める? ってミサカはミサカはwktkしてみたり」
滝壺 「ちょっと休憩しよ」
白井 「あ、でしたらそちらのチームから始めて頂いても」
絹旗 「すいません、こっちも今休憩中なんです」
婚后 「大荷物でしたものね」
結標 「私たちも少し休みましょうか」
白井 「そうですわね、連続で空間移動は少々こたえますの」
滝壺 「じゃ、みんなで昼休みだね」
ショチトル 「昼休みか……ちょうどいいな、昼食にするか?」
絹旗 「とは言っても、チョコの材料以外に食べるものなんてなんにもないですよ」
番外個体 「宅配でいいじゃん」
婚后 「では何か適当に頼んで、ささっと済ませてしまいましょうか」
610:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/04(日) 03:06:10.82 ID:zoKq0xiYo
~その頃 第7学区 とあるファミレス~
浜面 「ま、何はともあれ腹ごしらえだよな」
エツァリ 「丁度食事時ですしね」
一方通行 「しっかし、オマエらその服装は気合入れすぎだろ」
浜面 「考えてみたらお前だけ浮いちゃってるな。服も中身も白くて」
一方通行 「殴るぞ」
エツァリ 「そうですね……一方通行さんにも事前にスーツ着用を打診しておくべきでしたか」
一方通行 「そォじゃなくてだな……あァ、いいや。めンどくせ」ハァ
浜面 「しかし、ミサワの姐さんの評価はマトリックスにMIBか」
エツァリ 「何かご不満でも?」
浜面 「俺としては敏腕の運び屋を意識したつもりだったんだがな」キリッ
一方通行 「悪かったな。あいつの車がBMWじゃなくてよ」
浜面 「いやいや、別にいいんだけどな」
エツァリ 「さて、何にしましょうか」
611:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/04(日) 03:07:49.91 ID:zoKq0xiYo
一方通行 「……サーロインステーキ」
浜面 「お前、それしか頼まねぇのな」
エツァリ 「いいじゃないですか、こういうときぐらい好きなものを食べても」
一方通行 「形が残った肉なンざ食えるのは外食のときぐれェだからな。見逃せ」
浜面 「そういうもんなのか……お、この店でもバレンタインメニューなんてやってるんだな」
エツァリ 「これは興味深い。チョコフォンデュでも頼んでみますか?」
一方通行 「似合わねェにもほどがあンだろ」
浜面 「……おいおい、ハンバーグのソースにスパイシーチョコなんてのがあるぞ」
エツァリ 「もしやモーレソースでは? 懐かしいですね」
浜面 「懐かしい?」
エツァリ 「ええ、自分の故郷ではよく食べられていますよ」
浜面 「面白そうだな、俺これにしよ」
エツァリ 「では自分も懐かしさからそれで」
一方通行 「決まりだな? 押すぞ」ポチットナ
店員 「はい、ご注文をどうぞ」シュタッ
:
:
:
612:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/04(日) 03:09:10.86 ID:zoKq0xiYo
浜面 「しかしチョコか……ぐふふふ」
一方通行 「なァ、こいつとうとう頭おかしくなったのか?」
エツァリ 「困りましたね。病院に引き返すことになりそうです」
浜面 「いやいや、俺は至って正常だぜ。見てくれよ、これ」ジャジャン
エツァリ 「ミサワさんと麦野さんから頂いたチョコレートですね」
浜面 「最終的には最下位に落ちるのは目に見えてる。あぁ、それはいいんだ。俺の人生いつもそうだったからな」
一方通行 (ここのコーヒーいまいちだな)ズズ...
浜面 「だが! 今この場において、俺はもらった数暫定第一位だ! 畏れ入ったか!」
エツァリ 「さすがです。適いませんね」
浜面 「いやぁ、俺の人生も上向いてきたなぁ」キラキラ
一方通行 「やっすい人生だな」
店員 (あーあ、バレンタインってなんだよ。そんなことより地球とか滅びねぇかな。明日にでもさ)
店員 「失礼致します。サーロインステーキのお客様」
一方通行 「はいよ」
店員 「器お熱いので、お召し上がりの際はお気を付けください」カチャ
613:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/04(日) 03:10:44.90 ID:zoKq0xiYo
~同日昼 第7学区 隠れ家的喫茶店(休業中)~
フレ止め 「「」」ゲフー
結標 「こら、女の子が堂々とゲフーってしちゃダメ」
番外個体 「いいじゃん、別に」モシャモシャ
結標 「一方通行と貴女のところにいて大丈夫なのかしら……」
白井 「あぁ、でしたらわたくしが一から千まで淑女としての教育を」
絹旗 「超心配になりますよ、そっちの方が」
ショチトル 「そろそろ片付けるぞ。これではこの後の作業にも支障が出るだろうからな」ゴソゴソ
婚后 「あ、手伝いますわよ」
ショチトル 「あぁ、済まない」
滝壺 「」ウトウト
フレメア 「お姉ちゃん、起きて」
滝壺 「いけない、お腹いっぱいになったら眠くなっちゃった」
番外個体 「にしても、サンドイッチ屋さんもまさかカフェから注文が来るなんて思ってなかったろうね」ケラケラ
絹旗 「事情を知らない人からすれば、空き店舗をジャックした超不良の群れですよね」
結標 「喫茶店にたむろする不良、ね……いつの時代の話よ」
614:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/04(日) 03:11:59.95 ID:zoKq0xiYo
婚后 「さて、そろそろ始めましょうか」
打ち止め 「どういう風にやるの? ってミサカはミサカはフォーメーションを気にしてみたり」
絹旗 「買い物のチーム分けと超同じでいいんじゃないんですかね」
ショチトル 「そうだな、ここの広さだと同時に作業できるのは4人が限度だろう」
フレメア 「じゃ、私たちからでいい!?」キラキラ
番外個体 「そっちのチームはどうよ」
結標 「私は構わないけど」
滝壺 「うん、いいよ」
白井 「時間はあるのですし。お先にどうぞ」
ショチトル 「……決まりのようだな」
打ち止め 「準備!」E:バンダナ
フレメア 「OK!」E:ポニテ
番外個体 (ポニテって装備するもんなの……?)
婚后 「それでは、早速始めるといたしましょうか」シャキッ
絹旗 「超開始です!」
640:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/07(水) 22:32:54.23 ID:IsokHFZvo
フレメア 「何からすればいいのかな」
婚后 「では、まず……何を作るかにより初動も変わりますわね」
絹旗 「私は超端的に言えば溶かして固めるだけですよ」
打ち止め 「私も」
婚后 「あら、シンプル勝負に出ましたわね」
絹旗 「今回は超ちょっと数を作る必要があるので……」
フレメア 「絹旗、もてもて?」
婚后 「ええ、絹旗さんは後輩に人気があると伺っておりますわね」クスクス
絹旗 「あんまり嬉しくないですけどね。頭もふもふされたり、猫耳つけさせられたり、
スカート捲られたり、そんなんばっかですよ」
打ち止め 「あ、去年聞いた話だね、ってミサカはミサカは瞬時に思い出してみたり」
絹旗 「アレは私じゃなくてK旗さんの話ですー」
婚后 「きっと高校に進学すれば、次は先輩に可愛がられるのでしょうね」
絹旗 「やめてくださいよ、夢も希望も超なくなっちゃいます……あ」ジャブジャブ
婚后 「?」
絹旗 「すいません、手洗ったはいいんですけど……タオルないですか?」
641:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/07(水) 22:34:51.80 ID:IsokHFZvo
<後ろの棚、一番左下段の扉開ければ新品があるよー。
フレメア 「ここ?」ガチャ
打ち止め 「え、なんかたくさんあるよ? ってミサカはミサカはタオルの山を凝視してみたり」
絹旗 「超一枚お借りしていいですか?」
<一枚借りるとか言わず、何枚か持って帰っちゃって。
絹旗 「は、はあ」
婚后 「あら? こちら……」
フレメア 「大体、お店の名前っぽいのが書いてある」
<卸売業者さんがさー、どっさり置いてったんだよ。
打ち止め 「……このタオル、うちのキッチンとお風呂とお手洗いと玄関とあの人の寝室にもある」
絹旗 「超余ってますね……じゃ、遠慮なく一枚お借りします」フキフキ
婚后 「お二人も、手は洗いましたか?」
フレ止め 「「大丈夫!」」フンス
642:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/07(水) 22:36:31.63 ID:IsokHFZvo
絹旗 「んではまず、超溶かしましょうか」
婚后 「そうですわね、どの道必要になるでしょう」
フレメア 「ええと、ということは」
打ち止め 「チョコレートを寸分刻みにまで切り刻むんだよ、ってミサカはミサカは教えてみたり」
絹旗 「たまに怖い言い方するのは超ご両親の影響でしょうか」
打ち止め 「?」キョトン
婚后 「刻むには包丁を使うのですが……お二人とも、包丁を握ったことはございますか?」
フレメア 「家で教えてもらってる」ハイ
打ち止め 「同じく、家で教えてもらってる」ハイ
婚后 「それではお二人にお願い致しましょうか」
絹旗 「え、大丈夫なんですか?」
婚后 「何事もやらないことには上達しませんもの。怪我したとしても、それも糧ですわ」
絹旗 「いや、怪我させたら超怒られそうなんですが……」
婚后 「そうならないように、わたくしたちが付いているのでしょう」
打ち止め 「じゃ、フレメア。チョコとってこよう」
フレメア 「おー」トテテテ
婚后 「では今の内にお湯の準備をすると致しましょう」
絹旗 「はーい」ゴソゴソ
643:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/07(水) 22:38:12.03 ID:IsokHFZvo
番外個体 「しっかし甘くないチョコだね」ポリポリ
結標 「クーベルチュール用って、要は加工用ってことでしょ? なら甘くないわよ」ポリポリ
ショチトル 「」ポリポリ
打ち止め 「何食べてんのー!」
フレメア 「それ溶かして使うヤツ!」
白井 「申し訳ございません。止めたのですが……」
滝壺 「」スピー
番外個体 「いや、素材の味を知らないとさ、どう作るのかも」
打ち止め 「あなたは作らないじゃん!」プンスコ
結標 「ゴメンね、味見したかったの。これで終わりにしておくから」クスクス
白井 「出番なのですよね? こちらお持ちください」
打ち止め 「あ、ありがと!」
フレメア 「足りなくなったらまた取りにくる」
打ち止め 「よーし、(パク)始めよー!」
フレメア 「(パク)がんばろー!」
ショチトル 「……今一口食べたぞ」
白井 「女子は甘い物の誘惑に弱いものですの」
644:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/07(水) 22:39:44.80 ID:IsokHFZvo
フレメア 「持ってきた!」トテテテ
婚后 「では、お湯を沸かしている間に刻んで頂けますか?」
打ち止め 「……絹旗、そのポットで沸かしてるの? コーヒーでも作るの?」
絹旗 「ヤカンがこれしかなかったんですよ!」
フレメア 「ねえねえ」
打ち止め 「?」
フレメア 「大体、半分こ」バキン
打ち止め 「あ、うん。じゃこっちやるね!」
絹旗 「大丈夫なんですかね」
婚后 「ここは見守りましょう」ナデナデ
絹旗 「なんで私の頭を超撫でるんですか!」ウガー
フレメア 「どれぐらいの大きさ?」
打ち止め 「もー、とにかく細かく!」
フレメア 「大体分かった!」
婚后 「あ、大きさはなるべく均一にしたほうが後で困りませんわよ」
打ち止め 「了解!」シャキン
フレメア 「それじゃあ開始、にゃあ」チャキッ
645:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/07(水) 22:41:14.98 ID:IsokHFZvo
<ドカカカカカ
<ドコドコドコドコ
婚后 「……まずはいいスタートですわね」
絹旗 「そうなんですか?」
婚后 「これで"どっちか早く終わるか勝負!"なんて言い出したら全力で止めるところでした」
絹旗 「あー、確かに。それは超危ないですね」
婚后 「それにしても絹旗さんも。バンダナ姿が様になっておりますわね」
絹旗 「いやいや、婚后さんこそ。給食のオバちゃんみたいで超いい感じです」
婚后 「……それは褒めているのですか」
<ド カカンド カカンド カカン
<ドンドンカッ ドンドンカッ
絹旗 「なんか超リズムがついてきましたよ」
婚后 「まるでアレですわね。せき止め飴」
絹旗 「あー、今年のお正月にテレビで観ましたよ。切ったばかりのは超美味しそうでしたね」
婚后 「では来年のお正月に行ってみては?」
絹旗 「まだ全然先の話じゃないですか。あ、もういいですかね」バチン
646:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/07(水) 22:42:52.19 ID:IsokHFZvo
婚后 「大体50℃ぐらいですか」
絹旗 「……まあ、超50℃ぐらいじゃないですかね」
婚后 「ここは大事ですから、なるべく正確に行きたいところですが」
絹旗 「ミサワさん、超温度計ってないですか?」
<ちょうど絹旗さんの真後ろの引き出し。
婚后 「こちらですか?」ガラッ
絹旗 「おっ、たしかに温度計ですけども……」
婚后 「この金属の棒をお湯に入れればよいのですね」スチャ
絹旗 「いや、なんでこんな超本格的なのが」
婚后 「では、絹旗さん。メータのご確認を」
絹旗 「はいはい」ピッ
婚后 「どうでしょう」
絹旗 「……55℃ですね。超いいんじゃないですか」
婚后 「お湯の準備はよさそうですわね」
絹旗 「じゃ、後はチョコレートですけど」
647:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/07(水) 22:44:36.16 ID:IsokHFZvo
打ち止め 「できてるよ?」ハイ
フレメア 「これで大丈夫かな?」
婚后 「っ……こ、こちらは……!」
絹旗 「なんと超均一な……」
打ち止め 「も、もしかしてマズかった?」
フレメア 「だっ、大体やり直しー!」
打ち止め 「いそげー!」
婚后 「だっ、大丈夫です! 大丈夫ですから!」
絹旗 「もうこれで超上出来ですよ!」
フレメア 「でも、刻みながら食べたからちょっと少ないかも」
打ち止め 「あ、フレメア!」
フレメア 「あ」
絹旗婚后 「「……」」
フレ止め 「「……にゃはは」」
婚后 「まったく、絹旗さんみたいなことをしてはダメです」ハァ
絹旗 「えぇ!? なんで私!?」
648:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/07(水) 22:46:40.99 ID:IsokHFZvo
<絹旗さんも、共同生活時代はつまみ食い常習犯だったではないですか。
<ちょっ、超昔の話です!
白井 「……フレメアも小さい大きいお姉様も、なかなかに器用ですのね」
番外個体 「なんだろうね、器用さってのは。素養なのかな?」
ショチトル 「訓練で身につけることもできるが、生まれ持った要素も大きいだろう」
滝壺 (そういえば、フレンダも手先は器用だったな)ポケー
結標 「正直羨ましいわ……」
番外個体 「おやおや? 最強のテレポ屋さんがそれ言うかな」
結標 「手先の器用さとは別よ」
白井 「結標さんは、料理の腕は鍛えておられますの?」
ショチトル 「見た目さえ気にしなければ、食べられるぐらいにはなった」
白井 「あら。それはすごい上達ぶりですの」
結標 「なんで貴女が答えてるのよ!」ペシッ
番外個体 「あ、うちの店員への狼藉は許さんよ」
結標 「私からすれば妹同然の存在だから許されるの」ギュゥ
ショチトル (胸が! 胸が口を塞いで息が!)バタバタ
649:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/07(水) 22:48:28.61 ID:IsokHFZvo
~その頃 第7学区 番外通行邸~
浜面 「いや、悪いな。お邪魔しちまって」
一方通行 「構やしねェ。どォせ暇なンだ」
エツァリ 「お仕事の邪魔ではないですか?」
一方通行 「そこまで切羽詰まってねェよ」
浜面 「仕事? 自宅警備員か?」
一方通行 「自宅警備員? なンだ、自己紹介か?」
浜面 「すいません」
エツァリ 「丁度いいですね。先日のあれ、浜面さんにも見て頂いては?」
浜面 「?」
一方通行 「……ちょっと待ってろ」
:
:
:
一方通行 「今書いてる分だ」ドサッ
浜面 「……なんじゃぁ、こりゃぁ」
エツァリ 「一方通行さんが始めた"お仕事"です」
650:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/07(水) 22:50:42.28 ID:IsokHFZvo
浜面 「一言で言や物書きか? ま、お前らしいっちゃらしいわな」ガサガサ
エツァリ 「先日も思ったのですが、小説はないのですか?」
一方通行 「そっちは専門外だ」
浜面 「なるほど。ま、確かにお前が小説ってのもイメージしづらいわな」ケラケラ
エツァリ 「さて、浜面さん。一方通行さんが執筆しているこれらは、平たく言えば
"人に理解してもらう"ための文章です」
浜面 「まあ、教科書つうか参考書だからな。それもそうだろ」
一方通行 「オイ、2号。試しにコレ読んで感想聞かせてくれ」ハイ
浜面 「お、どれどれ……ふむふむ……なるほど」
エツァリ 「これは好感触でしょうか」
浜面 「」ボンッ
エツ通行 「「!?」」
浜面 「」プスプス
エツァリ 「……一方通行さん、何を見せたのですか」
一方通行 「数理物理学の入門参考書の下書きなンだが」
エツァリ 「浜面さんが爆発しないぐらいの難易度にしてくださいよ」
651:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/07(水) 22:52:28.63 ID:IsokHFZvo
~同日 第7学区 隠れ家的喫茶店(休業中)~
フレメア 「おー」トローリ
打ち止め 「前に聞いたけど、フレメアって家でお菓子作ってるんだっけ?」
フレメア 「うん、滝壺お姉ちゃんと一緒に作ってる。でもチョコは大体初めて」
絹旗 「じゃ、次はちょっと冷ましましょうか」
打ち止め 「え?」
フレメア 「冷ますの?」
婚后 「ええ。ここで一旦冷まして、また少し温めてから固めれば、完成形がより綺麗になりますのよ」
フレ止め 「「おー」」
絹旗 「超丁度いいことに、やたらと本格的な温度計もありますし」
婚后 「では絹旗さん、こちらはお願い致しますわね」
絹旗 「? 婚后さん、どうするんですか?」
婚后 「わたくしはわたくしの準備もしなくては」ゴソゴソ
打ち止め 「無塩バターにタマゴ……」
フレメア 「もしかしてケーキ?」
婚后 「あら。こんなに早い段階で当てられてしまうなんて」
652:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/07(水) 22:54:24.74 ID:IsokHFZvo
絹旗 「婚后さん、去年は確か超ムースでしたよね」
婚后 「昨年は冷やして作るものでしたので、今年は焼いて作るものにしようかと」
絹旗 「あ、そういう違いなんですか」
フレメア 「ねー、冷ますときって大体まぜまぜしながらのほうがいいかな」
絹旗 「その方が温度のムラできないんじゃないんですかね」
打ち止め 「じゃ今度は私やる!」ハイ
フレ旗 「「どうぞどうぞ」」
絹旗 「温度は……超35℃。ええと、どれぐらいがいいんでしたっけ」
婚后 「大体28℃ぐらいだったかと思いますが」カチャカチャ
打ち止め 「もうちょっとだね」マゼマゼ
絹旗 「あ、そうだ。ミサワさん、パンの耳とかないですかー?」
<は?なんに使うの?
絹旗 「この状態のチョコをつけて食べてみようかと」
婚后 「……絹旗さん、やめてくださいな。二人も見てる前で」
フレ止め 「「」」ヒソヒソ
絹旗 「ちょ、なんですか。超味見じゃないですかぁ!」
653:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/07(水) 22:55:39.23 ID:IsokHFZvo
:
:
:
【冷蔵庫】<バタン
絹旗 「あとは超固まるのを待つばかりですね」
打ち止め 「まだだよ?」
絹旗 「え? なんかあるんですか?」
打ち止め 「これ! デコるの!」スチャ
絹旗 「あ、超チョコペンですか。そういえば買ってましたね」
フレメア 「」ジー...
絹旗 「この立ち並ぶチョコバナナ、超もろに屋台ですよね」
フレメア 「大体、まだ固まらないかな」ジー...
打ち止め 「さすがにまだかかるんじゃないかな」
絹旗 「人数分の本数はないので、超カットして食べることになると思いますよ」
フレメア 「……浜面のだけは残しておく」
絹旗 (どうやって持って帰るつもりでしょう)
婚后 「」ウーーン
654:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/07(水) 22:57:06.03 ID:IsokHFZvo
絹旗 「婚后さんはどうしたんですか」
婚后 「いえ、オーブンには入れたのですが……」
フレメア 「さっきから漂ういい匂いはこれだね」クンカクンカ
打ち止め 「香ばしくて甘くて……」クンカクンカ
婚后 「業務用のオーブンなので勝手分からず、半ば勘でやってしまいまして」
絹旗 「まあ、超大丈夫だと思いますよ」
婚后 「大丈夫でしょうか……」
絹旗 「超コゲたら匂いで分かるじゃないですか」
婚后 「コゲてからでは遅いのです!」
打ち止め 「ね、もう洗い物したほうがいいのかな」
婚后 「あ、そうですわね。こちらはともかく、片付けを始めましょう」
絹旗 「超白井さんチームに引き継がないといけませんしね」
フレメア 「じゃ、片付け開始ー」
打ち止め 「おー」
婚后 「洗い物、お任せしても平気ですか?」
フレメア 「水じゃぶじゃぶするの好きだから平気、にゃあ」
絹旗 「じゃ、私たちゴミ片付けるんで超お願いしますね」
打ち止め 「任せて!」フンス
655:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/07(水) 22:57:36.03 ID:IsokHFZvo
といったところで、今回はここまでです。
次回は黒子チームの出番になるかと。
チョコの溶かし方というか、温度については
うろ覚えなので間違ってるかも。
次回投下は数日以内の予定です。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
657:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank):2012/03/07(水) 23:02:53.83 ID:U6ysIimKo
乙
浜面を爆発させるには数理物理学の入門参考書を読ませればいいのか
658:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/07(水) 23:06:02.68 ID:68elL7te0
乙!
隠れ家的喫茶店のオーブンもきぬはた荘のオーブンみたいにノリの良い反応するのだろうか・・・
672:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/08(木) 04:35:33.71 ID:tC3j8lXt0
乙
黒夜がいないのもちょっと寂しいな
690:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/11(日) 08:08:39.86 ID:g+nziY61o
フレメア 「♪」ジャブジャブ
打ち止め 「ちょ、ちょっとフレメア。お皿は裏も洗わないとダメ」フキフキ
絹旗 「……そういえば、今まで気にしてなかったんですけど」
婚后 「?」ガサガサ
絹旗 「この二人でも、キッチンの高さ超大丈夫でしたね」
婚后 「絹旗さんが大丈夫なのですもの。こちらのお二人だって」
絹旗 「いやいや、どういう意味ですか! それに私だって、そっちの二人よりはまだ背高いですよ!」ムキー
婚后 「……」
絹旗 「スルーですか。超スルーですか」
婚后 「いえ……確かわたくしたちが、こちらのお二人と初めてお会いしたのは」
絹旗 「あの時ですよ。2回目の沖縄に行くちょっと前」
婚后 「あの頃に比べると、すごい成長っぷりだなと思ってしまいまして」
絹旗 「超成長期ですよね、きっと」
婚后 「わたくしは成長期など終わってしまいましたのに」ハゥ
絹旗 「……婚后さん、私知ってるんですからね」
婚后 「?」
絹旗 「バストサイズが今も「わーわーわー!」
691:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/11(日) 08:10:33.03 ID:g+nziY61o
絹旗 「な、なんですか、いきなり」
婚后 「わっ、わたくしの話などよいではないですか」
絹旗 「語りだしたのはそっち……まあ、でもここにいるメンバーと知り合ってもうすぐ2年ですか」
婚后 「早いものですわね」
絹旗 「この間ですね、荷物の整理をしていたときに発見した写真を見て、超実感したんですよ」
婚后 「と申されますと?」
絹旗 「身長とかスリーサイズとか髪型とか服の趣味とかありますけど、みんな超ちょっとずつ変化してるんですよね」シミジミ
婚后 「絹旗さんだけは変わらず当時のお姿を残しておられて」
絹旗 「超ほっといてくださいよ!!」ウガー
フレメア 「任務完了、にゃあ」
打ち止め 「洗い物終わったよ! ってミサカはミサカは報告してみたり」
婚后 「はい、お疲れ様でした」
絹旗 「ミサワさーん、ゴミってどこに出しとけばいいですか」
<そっちの「STAFF ONLY」って書いてあるドアの前に置いといてー。
絹旗 「STAFF ONLY……ああ、ここですか」ドサッ
婚后 「さて、後は……」
692:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/11(日) 08:11:44.03 ID:g+nziY61o
【オーブン】<ピーーーーーーーーーーーー!!!
絹旗 「はわ」ビクッ
婚后 「ひゃっ」ビクッ
フレメア 「にゃっ」ビクッ
打ち止め 「わっ」ビクッ
<ゴメン、言い忘れてた。それめっちゃ音デカイんだ。旧式だから。
婚后 「驚きましたわ」ドキドキ
絹旗 「何事かと思いましたよ」ドキドキ
フレメア 「もしかして焼けたのかな」
婚后 「そうですわね。出してみましょうか」ガコン
打ち止め 「おー、いい匂い」
絹旗 「なるほど、カップケーキでしたか。では一つ超味見を」
婚后 「こら」ベシッ
フレメア 「大体、これ使う?」つ【竹串】
693:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/11(日) 08:13:11.76 ID:g+nziY61o
婚后 「そうですわね、お願いします」
フレメア 「にゃあ」ブスッ
絹旗 「さあ、どうでしょうかね」
フレメア 「てい」スポッ
打ち止め 「……大丈夫なのかな?」
婚后 「この分なら、中まで焼けておりますわね」
絹旗 「ちょっと見せてください」
フレメア 「」ハイ
打ち止め 「この後は冷ますの? ってミサカはミサカは確認してみたり」
婚后 「熱いままでもそれはそれで美味しいのですけどね」
絹旗 「」ペロ
打ち止め (竹串舐めた……)
婚后 「あ、ダメですわよ、行儀の悪い」
絹旗 「味見ですよ、味見」タハハ
フレメア (私が味見しようと思ったのに)ムスー
絹旗 「あ、いります? 私がペロペロした竹串ですけど」
婚后 「さっさと捨てなさい!」
694:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/11(日) 08:14:20.01 ID:g+nziY61o
:
:
:
白井 「そういえば大きいお姉様は」
番外個体 「ん?」
白井 「左手の握力はどの程度まで回復しておられますの?」
結標 「そうね、前みたいにはいかないでしょ」
番外個体 「そりゃね、力みすぎるとまだ少し痛いし」
ショチトル 「復帰にはもう少しかかるか……」
番外個体 「んでもほら、この水のペットボトルぐらいなら」ベコベコ
滝壺 「おお、いろはすがぺっちゃんこ」
結標 「復帰を急ぐことはないでしょ。このお店的にはマイナスだろうけど」
白井 「そうですの、リハビリもあるのですし」
番外個体 「あ、リハビリと言えば。なんか冊子もらってきたんだった」ペラペラ
フレメア 「終わったよー」トテテテ
打ち止め 「キッチン使っていいよー! ってミサカはミサカは達成感を感じつつ引き継いでみたり」
滝壺 「うまくできた?」
フレメア 「大体大丈夫」フンス
695:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/11(日) 08:16:17.52 ID:g+nziY61o
結標 「じゃ、次私たちの番ね」
ショチトル 「さて、うまくいくといいが……」
滝壺 「大丈夫だよ」
白井 「わたくしたちが全力で結標さんをサポートいたしますの」
結標 「ちょ、何よそれ!」
ショチトル (私は自分の心配をしたのだけど)
滝壺 「ともかく準備しよう」イソイソ
白井 「そうですの、ええと持参したエプロンは」ゴソゴソ
結標 「……目に物見せてやるんだからね」
ショチトル (何事もなければいいが。まあ、ひとまず)
滝壺 「番号」
白井 「1ですの」ハイ
結標 「2」
ショチトル (店の設備が壊れないことを祈ろう)
滝壺 「」チョンチョン
ショチトル 「3」
696:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/11(日) 08:17:30.62 ID:g+nziY61o
~その頃 第7学区 番外通行邸~
浜面 「……クソッ」
一方通行 「慌てる必要はねェぞ?」
エツァリ 「落ち着いてください、焦りは禁物ですよ」
浜面 「いや、あの、そもそもな」
一方通行 「?」
浜面 「お前らが序盤で変な積み方したからっておぁぁあ危ねぇぇぇ!!」
グラングラン...
浜面 「……ど、どうにか踏ん張ってくれたか」ハァ
一方通行 「声ってな即ち空気の振動だ。振動をあてられた物体がどォなるか、オマエの頭でも」
浜面 「そこまでご大層な話でもなかろうよ」
エツァリ 「つまり大声を出すなということです。ご近所にも迷惑ですからね」
浜面 「はぁ……さて、どうしたもんか」
一方通行 「オイ、2号。いいか? どんな物体でもな、安定するポイントってのは必ず存在する」
浜面 「……」
697:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/11(日) 08:19:09.15 ID:g+nziY61o
エツァリ 「卵を立てる、ということに似てるかもしれません」
一方通行 「そこがどこか見極めろ。コレ、アドバイスだ」
エツァリ 「敵に塩ですか? ふふ、貴方らしくもない」
一方通行 「ほっとけ。このまま勝負が硬直しても面白くねェだけだ」
浜面 「あのさ、一ついいか?」
エツ通行 「「?」」
浜面 「誰のせいでこうなったと思ってんだ」
エツァリ 「生存戦略です」
一方通行 「自分に有利に、敵が不利に。それを考慮した結果に過ぎねェ」
浜面 「その結果が、なんで立ってるのかもようわからん、このジェンガか!」
グラッ
浜面 「おおおおい、頑張れよぉぉぉぉ!」
エツァリ 「しかし粘りますね、このジェンガも」
一方通行 「どンなにブロックを抜かれても、どンなにブロックを積まれても倒れねェ、か。
大したヒーローっぷりじゃねェか」
浜面 「この後あっけなく倒れることになるかもしれねぇんだけどな」
698:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/11(日) 08:20:32.84 ID:g+nziY61o
エツァリ 「まあ、ともかく先に進みましょう」
一方通行 「さっさとしやがれ」
浜面 「あぁ、わかったよ。男は度胸、ってな。話しかけんじゃねぇぞ」スー
一方通行 「……」
エツァリ 「……」
浜面 「……このまま、このまま」スー
一方通行 (いい位置だ)
エツァリ (これはいけそうですね)
浜面 「…………とれた、っ」
一方通行 「お? やるじゃねェか」
エツァリ 「やりましたね、あとはそれを上に積むだけです」
浜面 「分かってる。ここまでくればやってやるさ。引き続き話しかけんじゃねぇぞ」スッ
浜面 (安定するポイント、か……んなもん分からねぇ。やっぱ最後に頼りになるのは……)
浜面 (勘と度胸、だよな!)
浜面 「ここだ!」トンッ
ガシャンッ
699:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/11(日) 08:22:15.48 ID:g+nziY61o
~同日 第7学区 隠れ家的喫茶店(休業中)~
結標 「今年は焦がさない」マゼマゼ
白井 「だいぶいい具合ですわね」
滝壺 「♪」ムニムニ
ショチトル 「これはなんだ? なんだか楽しそうだな」
滝壺 「これ? 求肥」グニグニ
ショチトル 「ぎゅう?」
滝壺 「一口食べてみて。そしたら分かると思う」
ショチトル 「」モキュモキュ
ショチトル 「!? 知らなかった……求肥というのか、コレは」
結標 「貴女が美味しい美味しい言いながら何個も食べてたイチゴ大福の外側よ」
白井 「滝壺さんは変化球勝負ですのね」
滝壺 「チョコモナカとチョコ大福、ぎりぎりまで迷ってた」
結標 「最中か……ところで、貴女はどうするか聞いてなかったわね」マゼマゼ
ショチトル 「この型を使って固める。面白味はないかもしれないが、奇を衒って失敗しても仕方がない」
白井 「先日ご購入されていた型ですのね」
700:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/11(日) 08:23:55.52 ID:g+nziY61o
結標 「あら、こんなの用意してたんだ」
滝壺 「これは……固まったら、一口サイズのバラの形になるのかな」
ショチトル 「作り方はシンプルだが、完成形はいくらか複雑だ。お得だろう?」クスクス
白井 「そこまで考えておられたとは」
滝壺 「二人はどうするの?」
結標 「私はね……トリュフ」
ショチトル 「トリュフ?」
結標 「ええ。去年あの子が作ったの食べてみて、美味しかったからさ」
滝壺 「トリュフって、作るの難しい?」
結標 「ううん、徹夜で調べたけど、どうにかなりそう」
ショチトル 「白井さんは」
白井 「こちらを使いますの」ガサッ
ショチトル 「ピーナッツか?」
白井 「ええ、これを混ぜ込もうかと」
滝壺 「ハワイのお土産みたいなヤツだね」
結標 「あれってマカダミアじゃなかった?」
滝壺 「あれ?」
701:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/11(日) 08:26:17.58 ID:g+nziY61o
<マカダミアが正解だろう。
<ええ、おそらくは。
フレメア 「」グテー
打ち止め 「疲れちゃった」
婚后 「お二人には色々任せてしまいましたものね」
番外個体 「はは、いい練習になったんじゃないの?」
絹旗 「練習?」
番外個体 「いや、この二人ね。もっと料理うまくなりたいらしくてさ」
婚后 「いいですわね。身に着けておいて損のない技能ですもの」
絹旗 「作ってればだんだんと超上達しますよ。多分」
フレメア 「大体、多分なんだ」
打ち止め 「目標はね、ミサカが二人の食事を用意すること。ってミサカはミサカは大きな目標を掲げてみたり」
絹旗 「あー、そっか。両親が超共働きみたいなもんですしね。片方は自宅警備ですけど」
番外個体 「両親じゃないっての! こんなデカイ子供がいてたまるかい」
打ち止め (でも前に親子に間違えられたよね……)
婚后 「立場と言いますか、役割的なものかと」クスクス
702:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/11(日) 08:27:29.55 ID:g+nziY61o
:
:
:
ショチトル 「」トローリ
ショチトル 「……よし」
【冷蔵庫】<バタン
結標 「そっちは大丈夫そうね」コネコネ
ショチトル 「手伝うか?」
結標 「やってみる? じゃ、先にこれね」
ショチトル 「氷水?」
結標 「手を冷やしてからやるといいらしいわよ」
ショチトル 「それはマスター情報か」チャプ
結標 「準備はいい? じゃ、これを手に取って。一口サイズで丸めて」
ショチトル 「……まるで泥遊びだ」コネコネ
結標 「言わないでよ」
白井 「あの、もう少し大きさを揃えた方がよいのでは」
703:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/11(日) 08:28:51.84 ID:g+nziY61o
結標 「……いいじゃない。これぐらいの方が手作り感があって」
白井 「それはそうかもしれませんが」
結標 「そ、それに白井さんが作ってるピーナッツチョコだって、大きさも形も不揃いだし」
白井 「これはこういうものなのですの!」
ショチトル 「その後で冷やすのか?」
白井 「ええ。あとはペーパーの上に適当な形で整形して、冷やすだけですの」
ショチトル 「きっちりとした図形にはならないのだな」
白井 「こういったオブジェのようなものもよろしいかと」
結標 「これ、ペーパーにくっつかないの?」ポリポリ
白井 「きちんと固まった後ならば剥がれますの。って結標さん……」
結標 「いいじゃない。ピーナッツ余ってるんだから」
滝壺 「♪」ポムポム
ショチトル 「……意外とコンパクトなサイズに作っているのだな」
滝壺 「うん。一口サイズ」
結標 「あ、可愛い」
白井 「チョコと求肥の相性、実はよさそうですの」
704:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/11(日) 08:30:59.63 ID:g+nziY61o
滝壺 「いいと思うよ。もちもちだし」
<じゃ私が超味見を。
滝壺 「だめ。全員分できてから」
白井 「あ、すみません。冷蔵庫を開けてくださいますか?」
ショチトル 「ああ」ガチャ
白井 「後は待つだけですの」ゴトッ
結標 「よし。私たちも仕上げに入りましょうか」
ショチトル 「まだ何かあるのか?」
結標 「これ、全体的に振りかけて完了よ」つ【ココアパウダー】
ショチトル 「なるほど。では始めよう」
白井 「ちょ、ちょっとお待ちになって。そのままどさっと振りかけるおつもりですの?」
結標 「? なんか違ったかな」
白井 「こし器などでふるった方が良いのでは」
ショチトル 「あぁ、それならあるぞ」カチャ
結標 「あら、これ便利そうね。じゃ、パッパッとかけて完成させましょうか」
滝壺 「私の方はもうちょっとかかるかも」コネコネ
742:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/17(土) 08:29:33.05 ID:XGLYme2so
結標 「じゃ、それ持っててね。今、ココアパウダーあけるから」ガサガサ
ショチトル 「少しずつでいいからな。少しずつでいいからな」
結標 「大丈夫よ、何そんなに怯えてるの?」
ショチトル 「いや、前に家で料理の訓練をしているときも、似たような」
結標 「とりあえずこれぐらいかしら」ドザザザザザザ
ボワッ モワモワモワ...
ショチトル 「……けほっ」
結標 「ゴ、ゴメンなさい。勢い付きすぎちゃった」
白井 「これは何の有様ですの……」
滝壺 「ショチトルがココア味になっちゃった」ポンポン
ショチトル 「だから2回言ったんだ。大事なことだから」
結標 「え、ええと……ほらアレよ!」
白井 「どれですか」
結標 「プレゼントは私作戦」
滝壺 「なるほど。だから自分にココアパウダーを」
ショチトル 「」プルプル
743:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/17(土) 08:30:41.15 ID:XGLYme2so
白井 「」ポンポン
ショチトル 「……すまない、私は大丈夫だ」
白井 「その作戦にでるなら、ココアパウダーを振るよりもチョココーティングしたほうがよろしいかと」
ショチトル 「な、何を言い出すんだ!? らしくもない!」
結標 (いや、らしいでしょ)
滝壺 (まさにしらい)
ショチトル 「や、やめろ! 塗るな!」
白井 「お兄様を振り向かせるチャンスですの!」
ショチトル 「別に私はそんなつもりは……!」
結標 「……」
滝壺 「とられちゃうかもよ?」
結標 「大丈夫よ」
滝壺 「おぉ、余裕だ」
結標 「それよりほら、アレ止めないと」
滝壺 「そうだった。……しらい、食べ物で遊んじゃダメ」
白井 「はっ、あ、いえ、も、申し訳ございませんの」
ショチトル 「ご……ゴメンなさい」
結標 「まったく、二人して何やってるのよ」
744:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/17(土) 08:32:24.85 ID:XGLYme2so
滝壺 「むすじめもだよ」
結標 「へ?」
滝壺 「ココアパウダー。ショチトルがココア色になっちゃった」
ショチトル 「元からだ」
結標 「あ……で、でも、私のは遊んでたんじゃなく手が滑って」
滝壺 「」ジロ
結標 「不器用でゴメンなさい」ペコリ
白井 (さすが怒らせたらいけない人第一位ですの……)
ショチトル (マスターといい義姉さんといい滝壺さんといい、なぜこの年齢の人は武装闘気を持っているんだ……)
滝壺 「とりあえず、後は完成を待つだけだから。その間にお片づけしよう」
結標 「そ、そうね。綺麗な状態で返さないといけないし」
白井 「もうキッチンを使う予定は」
ショチトル 「いや、あるぞ。だから隅々まで掃除する必要はない」
白井 「?」
結標 「ねー、ゴミ袋どこ?」
ショチトル 「買い置きがここにある」ガチャ
滝壺 (モップ楽しい)ゴシゴシ
745:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/17(土) 08:34:03.93 ID:XGLYme2so
フレメア 「」ブルッ
婚后 「どうかされましたか?」
フレメア 「わ、わかんにゃい」
フレメア (大体、なんで? 今一瞬、滝壺お姉ちゃんが怒ったときの空気が……私、何もしてない、よね?)キョロキョロ
打ち止め 「大丈夫? 目が真っ青だよ」
番外個体 「元からでしょうが」
婚后 「ところで絹旗さん」
絹旗 「なんでしょう」
婚后 「先ほど、荷物がどうとか仰ってましたが」
番外個体 「何? 寮追い出されるの?」
絹旗 「違いますよ! 超卒業の準備です!」
番外個体 「あー、卒業するから追い出されんだ」
絹旗 「あくまで超自主的に出るんですってば!」
婚后 「それで、次のお住まいは見つけてますか?」
絹旗 「あー……それは近々、探しに行く予定なんですよね」
番外個体 「去年みたいにバタバタしないようにしないとねぇ」
絹旗 「アレは急過ぎたんですよ……」
746:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/17(土) 08:35:52.49 ID:XGLYme2so
婚后 「進学先の寮でよろしいのでは?」
絹旗 「もう寮は十分です。この一年で超堪能しましたから」
婚后 「仰る通りですわね」クスクス
絹旗 「ユリコたちもいますしね。ペット対応マンションの方が何かと超便利そうです」
フレメア 「あ、そうだ! リックは元気?」
打ち止め 「ミサカのテスラは?」
絹旗 「超元気ですよ。もう手に負えないぐらいです」
打ち止め 「会いたいなー。おっきくなってるんだろうなー」
絹旗 「あ、じゃあ引っ越したら来てくださいよ。今の寮よりは入りやすくなってるでしょうし」
番外個体 「大丈夫なのかな、この子連れていって」ピンッ ピンッ
打ち止め 「ちょ、やめ」ミョンッ ミョンッ
婚后 「あの、アホ毛弾いて遊ばないであげてください」
絹旗 「大丈夫でしょう。ユリコの子ですし」
番外個体 「なら大丈夫か」ウン
婚后 「心配材料はございませんわね」ウン
フレ止め 「「?」」
747:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/17(土) 08:37:55.37 ID:XGLYme2so
滝壺 「ねえ、モップ使い終わったらどうすればいいかな」
番外個体 「あ、貸して。外に干しておくから」
ショチトル 「マスター、それなら私が」
番外個体 「いいからいいから。私のリハビリの邪魔をするな」ナデナデ
<カランカラン♪
絹旗 「そっちはもう終わったんですか?」
白井 「作成に関してはほぼ完了ですの」
結標 「片付けも一通り終わったし。休憩休憩」
滝壺 「フレメア、みんなのジュースとかお茶ってどこにしまったっけ?」
フレメア 「持ってきてあげる!」トテテテ
打ち止め 「……あ、フレメア! 一人じゃ重いよ!」トテテテ
絹旗 「それじゃそろそろ超試食会に」
婚后 「いえ、まだでしょう」
絹旗 「え。なんでですか」
ショチトル 「もう一仕事残っているだろう」
白井 「ラッピングがまだですの。せっかくそちらの材料も買ってきているのですし」
婚后 「自分たちが食べる分だけ残して、あとは先に包んでしまったほうがよさそうですわね」
748:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/17(土) 08:39:17.55 ID:XGLYme2so
滝壺 「うっかり全部食べちゃうかもしれないしね」
<カランカラン♪
婚后 「あ、おかえりなさい。妙に時間かかっておられましたわね」
番外個体 「うん、よく来てくれるお客さんにちょっと捕まってた」
ショチトル 「常連さんか。マスターを見かけて思わず声をかけたのだろうな。ちなみに、どの人だ」
番外個体 「"ロマンスグレー"」
ショチトル 「あぁ、あの人か」
絹旗 「……なんですか、それ」
番外個体 「暗号名」
結標 「コンビニの店員がよく来る客に独自に渾名つけてるって聞くけど、そういうものなのかしらね」
滝壺 「私はきっと、近所のコンビニではピンキストとかジャージとか呼ばれてるんだろうと思う」
番外個体 「いいやぁ、一緒にしないでほしいなぁ。ここでは暗号名と顔とセットで覚えなきゃいけないものがあるんだから」
白井 「と申されますと?」
ショチトル 「いつもの、というヤツだ。慣れた客はそう注文することも少なくないからな」
結標 「ふーん……じゃ、さっきの"ロマンスグレー"さんの場合は?」
ショチトル 「トマトジュース」
749:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/17(土) 08:40:57.59 ID:XGLYme2so
婚后 「あら、ロマンスグレーと聞いてコーヒーか紅茶かと思いましたのに」
番外個体 「甘党だからね、あの人」
ショチトル 「そういえばマスター。先日掃除していたら"大佐"さんがいらしたぞ」
番外個体 「ウソ? マジで?」
ショチトル 「別の日には"次元"さんも来ていた。みんな再開時期を気にしていたな」
番外個体 「はー、こりゃプレッシャーだ」
絹旗 「だんだん会話についていけなくなりました」
白井 「とりあえずここの常連様は、絹旗さん好みの壮年の男性が多いということは分かりましたの」
絹旗 「一言超余計ですよ!」
滝壺 (そういえばきぬはたの好みって年上だったっけ)
フレメア 「も、持ってきたよー」ヨテヨテ
打ち止め 「そっか、買い物で重かったのはコレだったんだ……」
婚后 「はい、お疲れ様。あとはお任せになって」ヒョイ
結標 「ゴメンね、やらせちゃって」
絹旗 「いいですよ、私たちはそっちのチームが作ってる間休んでましたし」
白井 「では、完成までの間休憩するといたしましょう」
750:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/17(土) 08:42:25.43 ID:XGLYme2so
~その頃 第7学区 番外通行邸~
エツァリ 「よし、あとはこのままゴールに」
浜面 「させねぇよぉぉぉ!!」
エツァリ 「おやおや、往生際が悪いですね。当たりもしない緑甲羅を投げてどうするおつもりで?」
浜面 「クソッ、惜しかった……」
エツァリ 「残念でした。今回は自分の勝ちのようで」
一方通行 「邪魔だ、どけ三下ども」テンテンテン テンテンテレッテ♪
浜面 「なんだぁ! 吹き飛ばされた!」
エツァリ 「一方通行さん、まさかスターですか!」
一方通行 「はい、ゴールっと」テンテンテン テンテンテレッテ♪
エツァリ 「こっ……この期に及んで逆転されるとは……詰めが甘かったですね」
浜面 「最終ラップ後半でスターとか、反則だろ」
一方通行 「あァ? アイテムを有効活用することになンの問題があるンだよ」
浜面 「ちょっとキャラ変えるわ。ここは加速重視でいくか……」
エツァリ 「さて、勝者の一方通行さん。次のコースを決めてください」
751:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/17(土) 08:45:01.92 ID:XGLYme2so
一方通行 「適当でいいだろ」
エツァリ 「では適当に決めてください」
一方通行 「……じゃ、ここだな。ここはまだ使ってねェ」カチカチ
浜面 (ウーフーアイランド2か……キタコレ。ここには大幅ショートカットがある。この勝負、いただいたぜ!)
浜面 (運転職人HAMADURA、本領発揮と行こうじゃないの!)ムッフー
エツァリ (……これはなにか企んでますね)
一方通行 「あ、そうそう。オイ、2号。バグショートカット使ったら制裁だからな」
浜面 「あ、あれ? ご存知でいらした?」
一方通行 「オマエな、俺がガキと性悪の接待のために何百週走ってると思ってンだよ」
エツァリ 「僕らが今お借りしている本体も、ミサワさんと妹さんのものですしね」
浜面 「はは、そういやそうか……クソッ、今度は勝てると思ったんだがな」
一方通行 「実力で勝ってみせろよ、たまにはな」
浜面 「言ってくれるじゃないの。ようし、そこまで言うなら俺のドライビングテクニックを見せ付けてやらぁ!」
エツァリ 「お、始まりますよ」
一方通行 「さあ、楽しませてみせろよ。こっちゃ楽勝すぎて退屈してンだからよォ!」
浜面 「言ってろ超能力者!……うぉぉ!? 変なところで話しかけるからロケットスタート失敗したじゃねぇかぁぁ!」キュルルル
エツァリ 「狙ってましたか?」
一方通行 「そこまで姑息じゃねェよ」ハァ
752:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/17(土) 08:46:50.12 ID:XGLYme2so
~同日 第7学区 隠れ家的喫茶店(休業中)~
番外個体 「白井さん……ホントにもらっていいの?」
白井 「ええ。どうぞお気になさらずに」
番外個体 「なんか悪いなぁ」
白井 「大きいお姉様は怪我をしておられましたし、今日もチョコを作られておりません。
きっと第一位様も溜め……いえ、寂しい思いをしておられる筈」
番外個体 「今何言おうとした」
白井 「ですから、今日はそれを使って」
番外個体 「あ、うん、分かった。分かったから、ちょっと落ち着こうか」
白井 「よろしければ、今この場で黒子を相手に練習試合をして頂いても!」グヘヘ
絹旗 「はーい、超すいません。白井さんが色々とー」ガシッ
白井 「ぐえ」
絹旗 「ほら、戻りますよ」ズルズル
番外個体 (……でも確かに。ギプスあるときは寝るのも別だったし、あの人もスキンシップとか控えてたし)
番外個体 (寂しがらせて……むしろ私が寂しい。よし……)
753:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/17(土) 08:48:28.01 ID:XGLYme2so
婚后 「それで、そちらから折り畳んで」
打ち止め 「こうかな?」ガサガサ
婚后 「あとはリボンなりで止めれば完成ですわね」
フレメア 「おー、綺麗」
結標 「」ガサガサ
ショチトル 「……苦戦しているな」
結標 「こういうの苦手なのよ、知ってるでしょ」
滝壺 「♪」ガサガサ
絹旗 「大体皆さん終わりそうですかね」
白井 「絹旗さんは大丈夫なのですか?」
絹旗 「私は超本命がいないですからね。それなりの見た目になってれば超おkです」
番外個体 「いるじゃん、本命」
絹旗 「はい?」
番外個体 「クロちゃん」
絹旗 「だからなんでみんなして私とあいつをくっつけようとするんですか!」ウガー
ショチトル 「お似合いだからだろう」
絹旗 「超やめてください」
754:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/17(土) 08:50:15.17 ID:XGLYme2so
婚后 「あの、すみません。お三方に」
番外個体 「え、私?」
結標 「どうしたの?」
婚后 「こちら、お預けしてもよろしいですか? それぞれの方たちに」
滝壺 「うん、ありがと。きっとはまづらも血の涙を流して喜ぶよ」
番外個体 「ゴメンね、わざわざ」
婚后 「わたくしが繋がりのある数少ない殿方ですし」クスクス
白井 「あ、すみません。ついでといってはなんですが、わたくしからも」
ショチトル (お兄ちゃん、意外と……異性の受けはいいんだな)
絹旗 「というか、一応全員三バカの分は用意してあるんですよね」
白井 「婚后さんも仰ってましたが、他に親しい殿方もおりませんもの」
絹旗 「なんていいましたっけ。あの、御坂さんが通い妻してる超ツンツン頭にはいいんですか?」
白井 「いいんですの」プイッ
フレメア 「私からも。お兄ちゃんたちに」ハイ
番外個体 「フレメアのは特に保存きかないから、さっさと食べさせないとね」クスクス
結標 「チョコバナナだっけ? 変り種で攻めてきたわね」
フレメア 「にゃあ」
755:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/17(土) 08:52:12.57 ID:XGLYme2so
:
:
:
滝壺 「うん、これで全部かな」
番外個体 「結局、自分たちで食べる以外のって、ほとんどうちの人たちに渡すヤツだったんだね」
結標 「なんだか悪いわね。こんなにもらっちゃって」
絹旗 「……なんか、3人ともあまり嫉妬ってしないんですね」
番外個体 「正妻の余裕ってやつ?」ニヨニヨ
結標 「それに貴女たちからだしね」
白井 「あら。わたくしたちはそこまで魅力がないのでしょうか」
結標 「違うわよ。信用してるって言いたいの。この中に人の男寝取るような阿婆擦れはいないわよね、って」
滝壺 「でも宣戦布告ならいつでも受け付ける」フンス
絹旗 「勝てないと分かりきってる勝負なんてしないですよ」
番外個体 「ま、ともかくありがとね。預かった分はきっちり渡しておくよ」
フレメア 「ね、そろそろ? そろそろ?」キラキラ
打ち止め 「みんなで食べる?」キラキラ
絹旗 「そうですね、超お待ちかねの試食会と行きましょうか」
ショチトル 「では準備を始めるか」
756:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/17(土) 08:53:59.97 ID:XGLYme2so
結標 「? 準備って」
ショチトル 「コーヒーがほしい人はいるか?」
番外個体 「」ノ
白井 「」ノ
婚后 「」ノ
結標 「」ノ
絹旗 「いつもので」
フレメア 「絹旗のいつものって?」
番外個体 「超あっまーいカフェオレだよ。その名もモアイブレンド」
フレメア 「じゃ私もモアイ!」ノ
打ち止め 「あ、ミサカもモアイ!」ノ
絹旗 「モアイモアイうるせー!」ギャース
結標 「でも、食材って処分したんじゃなかった?」
番外個体 「コーヒー豆は処分しきれる量じゃなかった。それに、生の状態なら結構もつからさ」
滝壺 「なるほど」フム
ショチトル 「では少し待っていてくれ」カチャカチャ
フレメア 「何か手伝うことない?」トテテテ
打ち止め 「お手伝いしまーす」トテテテ
757:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/17(土) 08:55:52.55 ID:XGLYme2so
ショチトル 「お湯を沸かしてもらえるか?」
フレ止め 「「はーい」」
番外個体 「そういえば滝壺さんはいいの?」
滝壺 「私にはこのお茶があるから」
婚后 「日本茶も悪くはないですわね」
ショチトル 「なあ、食器やフォークはあったほうがいいか?」
白井 「あるに越したことはないかと」
ショチトル 「分かった。準備しよう」
番外個体 「あ、そっち私がやるよ」
絹旗 「大丈夫なんですか?」
番外個体 「リハビリだよ、リハビリ。それに、どこになにがあるかは私が一番把握してるからね」
婚后 「無理のない範囲になさってください」
結標 「じゃ、私たちもそれぞれ作ったものを超準備するとしましょうか」
滝壺 「そうだね、食べられる状態にしておいたほうがよさそう」
絹旗 「さて、ようやく本日の超メインイベントですよ」wktk
白井 「そういえば、絹旗さんはそれがお目当てでしたわね」クスクス
758:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/17(土) 08:57:12.18 ID:XGLYme2so
~実食タイム~
婚后 「」ズーン
結標 「そんなに凹むほどの出来? 婚后さんのケーキ、普通に美味しいじゃない」モフモフ
婚后 「少々焼きすぎですわ……固くなってしまいまして」
打ち止め 「確かに、お口の中の水分がもっていかれるかも」モクモク
番外個体 「言わんでよろしい」
絹旗 「うお、コレ超おいしいですよ」モチモチ
フレメア 「チョコ大福? 冷やしたの?」
滝壺 「冷やしてもおいしいんだよ」
フレメア 「」モチモチ
白井 「このバラ、なんと見事な造形でしょう」
ショチトル 「溶かして固めただけなのだがな」ズズ...
番外個体 「ねー、このトリュフだれの?」
結標 「私」
番外個体 「」ス...
結標 「なんでそっと皿に戻してるのよ! 一度触ったんだから食べなさい!」
759:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/17(土) 08:58:51.05 ID:XGLYme2so
ショチトル 「マスター、大丈夫だ。見た目はともかく、味はまともなハズだから」
番外個体 「」パク
結標 「……どう?」
番外個体 「ココアパウダーかけすぎな感じはするけど、普通に美味しいよ」
結標 「ココアパウダーかけたのはショチトルよね」
ショチトル 「あれは私のせいなのか!?」
白井 「どう考えても結標さんの瑕疵かと」
滝壺 「うん、あれはむすじめの不手際」
結標 「むむ……」
フレメア 「はい、あーん」
打ち止め 「? これなに?」
フレメア 「私が作ったやつ」
打ち止め 「」パク
フレメア 「どう? どう?」
打ち止め 「これでも美味しいけど、冷やしたらもっと美味しいかも。帰る頃にはぬるくなってるよね?」
フレメア 「なるほど、にゃあ」フム
760:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/17(土) 09:00:44.48 ID:XGLYme2so
:
:
:
絹旗 「いやー、超食べました」
白井 「一年分ぐらい食べたのでは」
結標 「気になるわね……カロリー」
番外個体 「気にするな」ケラケラ
婚后 「さて。そろそろ片付けましょうか。洗い物はわたくしが」
ショチトル 「いや、私が」
婚后 「場所と設備を提供して頂いたのですから、これぐらいはいたしませんと」
白井 「わたくしたちでやりますので、休んでおいてくださいまし」
ショチトル 「では……お言葉に甘えておこう」
白井 「ほら、絹旗さん。もう一仕事ですの」
絹旗 「え。なんで私まで」
婚后 「主催者なのですから。せめて最後の始末ぐらいはご自分でなさってください」
絹旗 「むー、そういうことであれば」
婚后 「もう日も傾いてきておりますし。手早くやってしまいましょう」
白井 「では、流し場をお借りしますわね」カチャカチャ
761:
◆8GNB4AEvC.:2012/03/17(土) 09:01:55.15 ID:XGLYme2so
といったところで、今回はここまでです。
チョコも出来上がったところで、次回からはバレンタイン後半戦になります。
次回投下はひとまず未定に。
出来る限り早く来れるよう努力します。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
764:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県):2012/03/17(土) 09:45:58.91 ID:ZAtZN4SA0
乙
のんびり書ける時に書いてくれればいいよ
767:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東):2012/03/17(土) 18:14:53.66 ID:5mE2Q/6AO
乙!
いつでも待ってるぜ!
770:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/18(日) 22:41:50.32 ID:Wx9deGWIo
一方通行が頑張って甘いチョコ食べる姿を想像したら萌えた
次→
絹旗「きぬはた荘、あふたー!」白井「あふたー?」その20
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