前→麻倉葉「魔法少女・・・・・・?」
282:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 18:56:35.49 ID:
Mag2fafG0
・・・
数十分後
葉「ち、違うぞアンナ!伝言だけじゃなくて、オイラはちゃんとシャーマンとしての仕事を……」
アンナ「あら、シャーマンとしての仕事をするだけなのにどうして服に四本もあの小娘の長髪が付くのかしら?」
葉「ああ!それは(親父さんが成仏する)別れの時に杏子が抱き着いてきて……」
アンナ「仲がいいのねー!!」
ギャ――――ッ!
ほむら「…………」
ほむら(聞こえない知らない何も見てない、目の前で惨劇なんか起こってるはずがない)
284:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 18:57:35.68 ID:okVoGQ3Y0
やきもち焼くアンナ可愛い
290:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 19:01:23.33 ID:YqvP1/Qyi
アンナは(かわ)いい女だなあ。
291:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 19:04:48.82 ID:
Mag2fafG0
アンナ「じゃああんた!除霊が終わった後にどんな会話してたか言ってみなさい!」
葉「何も言ってねえって!例えば……」
葉(はっ……夜のトイレの話とかしたらまた変な誤解をされるのでは……)
葉「あの……あれだ……」
アンナ「……ふーん、すぐには言えないんだ」
葉「いや、だから違うぞアンナ!?」
アンナ「ふーん、そうなんだ……」
アンナ「この浮気者ー!!」
ギィィイヤアアアアァァァァ!!
ほむら「…………」ガタガタ
ほむら(私の体が揺れてるのはそうきっと地震のせい、恐怖の惨劇に震えてるわけじゃなくて地震のせい)
318:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 20:00:15.83 ID:
Mag2fafG0
・・・
葉「……で、そっちは結局どうなったんよ」
アンナ「大体のことは理解したわ、予想以上にヤバい相手だってこともね」
葉「少なくとも、仲間内で喧嘩してるようじゃ勝てねえよな」
ほむら「全員が協力し合っても勝てるか分からないほどの敵よ……」
葉「一番の問題点は……」
ほむら「美樹さやかと佐倉杏子の関係、ね」
葉「…………」
ほむら「佐倉杏子はあなたの話を聞く限り、幾分か融通は利くでしょうけど……」
ほむら「意地になっている美樹さやかを説得するのはかなり難しいでしょうね」
アンナ「…………どうするの、葉」
葉「……どうしような、ホント」
320:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 20:10:36.56 ID:
Mag2fafG0
・・・
翌日、上條宅前
さやか「…………」
さやか(中からバイオリンの音が聞こえる……良かった、ちゃんと治ったんだ)
さやか「それが分かっただけでも……良かった」
杏子「会いもしないで帰るのかい?ずっと追い掛け回してたくせに」
さやか「お前は……!」
杏子「知ってるよ、この家の坊やなんだろ?アンタが契約した理由って」
さやか「……だったら、何だっていうの」
杏子「別に……ただ、一度の奇跡のチャンスを他人のために使っちまうなんてと思ってさ」
杏子「ホント、馬鹿だよ……あんた」
327:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 20:23:50.11 ID:
Mag2fafG0
さやか「お前なんかに何が!」
杏子「分かってないのはそっちだ馬鹿、魔法を他人のために使ったってろくなことにはならないよ」
杏子(あたしは葉のおかげで後から救われた……けど、誰もがそうなるとは限らないんだよ)
杏子「他人のために契約して、他人のために魔法少女として戦う……確かに正しい目標かもしれないけどさ」
杏子「正しすぎてそれに潰されるお前があたしには目に見えてるんだよ」
さやか「あんたとあたしは違う!」
杏子「…………!」
杏子(何だよ……他人のために願うってことがどんなことか分かってるから……)
杏子(お前と同じような願いをして今まで苦しんできたから、言ってやってるんだぞ……!)
杏子「やりあうなら……場所を変えようか、ここじゃ人目に付きそうだ」
329:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 20:32:27.27 ID:
Mag2fafG0
・・・
鉄橋
杏子「ここなら遠慮なくやれるよね?」
杏子(言って分からないなら……力づくでも分からせてやる……!)
さやか「今度こそ決着を……!」
まどか「待って、さやかちゃん!」
さやか「ま、まどか……どうしてここに!?」
まどか「キュゥべえが……さやかちゃんが危ないっていうから!」
さやか「……危なくないよ、必ず勝つから」
杏子「はっ、誰があたしに勝てるって?」
さやか「くっ……!」
335:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 20:39:33.60 ID:
Mag2fafG0
ほむら「何をやっているのかしら、あなたたち」
まどか「ほ、ほむらちゃん……それに葉さんたちも」
葉「んー……やっぱ喧嘩になっちまうか」
杏子「あたしから仕掛けるつもりはないんだよ、ただコイツが聞き分けないんだ」
さやか「…………!」
杏子「悪いこと言わないから止めとけって、あたしからお前に手を出すつもりはないんだって」
さやか「どっちにしたってあたしとあんたは相いれないでしょ!」
杏子「……そうかよ、じゃあもう怪我してもしらねーからな!」
まどか「!」
まどか(ダメだ……このままじゃさやかちゃん、絶対に怪我しちゃう!)
まどか(さやかちゃんが手を出さないなら攻撃しない……なら)
まどか「ごめん、さやかちゃん!」
親友を守ると意を決した鹿目まどかは
さやかの手からソウルジェムを掴みとると鉄橋から道路へ投げ捨てた。
342:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 20:46:12.63 ID:
Mag2fafG0
ほむら「!!」
さやか「まどか!アンタなんてこと……」
まどか「さ、さやかちゃん……?」
さやか「…………」
杏子「何だ……?」
キュゥべえ「今のはまずかったよ、まどか」
まどか「どういうことキュゥべえ、さやかちゃんが……さやかちゃんが急に!」
キュゥべえ「それはさやかじゃなくて唯の抜け殻だよ」
キュゥべえ「さやかは今、君が投げて捨てちゃったじゃないか」
杏子「どういうことだ……オイ!」
351:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 20:58:07.54 ID:
Mag2fafG0
アンナ「取り乱してんじゃないわよ」
まどか「えっ……?」
杏子「取り乱すなってったって……!」
葉「すまん。ちょっと、オイラ達に見せてくれ」
まどか「は、はい……」
葉「…………」
葉(なくちゃならねえはずの魂が……ねえ……これじゃ……)
アンナ「キョンシー、まるで」
キュゥべえ「……なるほど、君たちは最初から理解していたわけだ」
キュゥべえ「その理解が、どういう能力に依るものだったのかはわからないけれどね」
まどか「さ……さやかちゃんは……さやかちゃんは大丈夫なんですか?」
キュゥべえ「だからまどか、それはさやかじゃなくてただの……!?」
アンナ「くどいし耳障りよ」
353:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 21:03:00.98 ID:
Mag2fafG0
ほむら「はぁ……はぁ……」
アンナ「戻ってきたみたいね」
ほむら「キュゥべえは……?」
アンナ「踏みつぶしたわ、鬱陶しかったから」
葉「…………」
葉(こういうアンナの躊躇ねえところがたまにおっかねえ)
まどか「さやかちゃんは……?」
ほむら「これを手に握らせて……」
さやか「…………」
さやか「………っ」
さやか「えっ……あれ……?」
358:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 21:10:54.26 ID:
Mag2fafG0
さやか「あたし……なんで……?」
キュゥべえ「やれやれ……いきなり踏み潰すなんてとんでもないことをしてくれたね」
まどか「きゅ、キュゥべえ……?」
アンナ「何よ、また踏みつぶされに来たの?」
キュゥべえ「代えはあるけれど無駄に消費はしたくないんだ、勿体ないじゃないか」
杏子「説明しやがれ……これはどういうことだ!テメー、あたしたちの体に何しやがった!」
キュゥべえ「酷いなあ、僕は君たち魔法少女が魔力をコンパクトに運用できるようにしてあげているのに」
まどか「……どういうこと?」
キュゥべえ「魔法少女との契約を取り結ぶ僕の役目は……」
キュゥべえ「君たちの魂を抜き取ってソウルジェムに変えることなんだ」
361:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 21:15:42.11 ID:
Mag2fafG0
杏子「ふざけんじゃねぇよ!それじゃ私たち、ゾンビにされたようなモンじゃないか!」
さやか「そんな……!!」
キュゥべえ「君たちにとっても便利じゃないか、ソウルジェムさえ壊れなければ君たちは無敵なんだ」
キュゥべえ「たとえ心臓が破れても、どれだけ骨を砕かれようと……不死の体を手に入れたんだよ?」
まどか「そんなのひどいよ…こんなのってないよ」
キュゥべえ「君たち人間はいつもそうだ、事実を伝えるといつもきまって同じ反応をする」
キュゥべえ「わけがわからないよ」
アンナ「…………」
グシャ!
葉「…………アンナ」
アンナ「イラッとしたのよ、しょうがないでしょ」
367:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 21:23:52.65 ID:
Mag2fafG0
・・・
翌日、さやか宅
さやか「…………」
さやか「私……こんな体になっちゃって…どんな顔して恭介に会えばいいのよ」
『いつまでもしょぼくれてんじゃねぇぞ、ボンクラ』
さやか「!」
さやか(今の声……!)
杏子「ちょっと面かしな」
372:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 21:27:58.16 ID:
Mag2fafG0
・・・
杏子「やっぱり後悔してるの?こんな体にされちゃったこと」
さやか「…………」
杏子「あたしはさぁ…まあいっかなって思ってる、この力のおかげで色々好き勝手出来たわけだし」
さやか「あんたは自業自得なだけでしょ」
杏子「そうだよ自業自得なのさ、誰のせいでもない自分のせい」
杏子「そう割り切れれば誰か恨むこともないし、後悔なんてあるわけがない」
杏子「そう思えば大抵のことは背負えるもんさ」
さやか「で……こんな教会にまで連れてきて、一体何のつもり?」
杏子「……話しておこうと思ってさ、あたしのこと……それと、葉のことも」
412:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 21:36:31.91 ID:
Mag2fafG0
・・・
杏子「まあ…そんなわけさ、長々と話したけど大体はこんな感じ」
さやか「あんたに……そんな過去が……」
杏子「別にあたしは悲劇のヒロインを気取るつもりはないし、そんな資格もない」
杏子「人とはちょっと違う過去があるからって誰かに偉そうに説教をするつもりもないよ」
さやか「…………」
杏子「あんたも私と同じ間違いから始まった、そして今も苦しみ続けてる…見てられないんだよ、そんなの」
杏子「あたしは葉のおかげで無理をしてたことも含めて色々と吹っ切ることが出来た」
杏子「一言でいうと、楽になれたんだ」
さやか「…………」
杏子「あのお節介、『楽が好きだから、楽じゃないお前は放っておけない』とか言ってさ」
杏子「だから、あたしも……似たような願いをして……今、楽じゃないあんたを放っておけないんだよ」
464:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 21:47:04.90 ID:
Mag2fafG0
さやか「アンタのこと、色々と誤解してた…それは謝るよ、ごめん」
さやか「でも……私は自分の願いに後悔なんてしないよ、絶対に……これからもね」
杏子「……それ、本気で言ってるのかよ」
さやか「うん、私が気に入らないなら……そのときはまた殺しに来ればいい」
杏子「そういう問題じゃねえ、このままじゃあんた……壊れちまうぞ、本当に」
さやか「大丈夫……私は口先だけじゃない、最後まで口にしたことは守り抜いて見せる」
杏子「…………馬鹿だよ、本当に」
470:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 21:55:16.78 ID:
Mag2fafG0
・・・
翌日
さやか「今……なんて……?」
仁美「明日の放課後、私は上條恭介さんに告白します」
さやか「なんで……そんな急に!」
仁美「ずっとお慕いしていました……でも、幼馴染である美樹さんも彼に好意があるのなら」
さやか「…………!」
さやか(こんな……こんな体で恭介に、こんな口で好きだなんていえるわけ……!)
仁美「明日の放課後まで待ちます……では」
475:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 22:02:09.74 ID:
Mag2fafG0
・・・
数日後
さやか「…………」
まどか「さやかちゃん…今日も私、魔女退治に付いていって……」
さやか「……来ないで」
まどか「え……?」
さやか「戦いもしないアンタが付いてきたって…何にもならないでしょ」
まどか「でも……私……!」
さやか「何?私のことを思ってくれてるつもり?私と同じ立場でもないくせに」
まどか「そんな……さやかちゃん……」
さやか「本当に私のことを思ってくれてるんなら…私と同じ体になってみせてよ」
さやか「……出来るわけないよね、同情なんかでそこまでのこと」
まどか「ど、同情なんかじゃ……!」
さやか「だったら……アンタが戦ってよ」
さやか「それ以前に……戦い以外にもう、あたしに存在価値なんかないんだから」
481:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 22:06:50.52 ID:
Mag2fafG0
・・・
さやか「馬鹿……馬鹿……あたしったら友達になんてこと言ってんのよ!」
・・・
夜
まどか「さやかちゃんが…帰ってない!?」
まどか母「うちに来ていないかって聞かれたんだけど……その様子じゃまどかも知らないみたいだね」
まどか「私……探してくる!」
・・・
ほむら「美樹さやかの行方が分からないらしいわ……」
マミ「み、美樹さんが……?」
葉「!」
アンナ「…………」
杏子「あの馬鹿……手分けして探すぞ!」
486:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 22:11:41.10 ID:
Mag2fafG0
・・・
某所
さやか「…………」
杏子「やっと見つけた……まったく、手間かけさせんなよ」
さやか「悪いね……面倒かけて」
杏子「……なんだよ、そんなこと言うなんてらしくないじゃん」
杏子「いつものさやかだったら突っかかってくるところだろ」
さやか「もう…どうでもよくなっちゃったからね」
杏子「…………!」
杏子「お前……このソウルジェム……!」
さやか「……何やってるんだろうね、あたしは」
さやか「親友にひどいこと言って……憧れた先輩みたいに戦うことも出来なくて……」
さやか「差し出された忠告に耳を貸さずに意固地になって……最後まで協力できなくて……」
杏子「お前……まさか……!」
さやか「あたしって…ホント馬鹿」
492:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 22:14:21.38 ID:
Mag2fafG0
杏子「さやかぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
・・・
葉・アンナ「!」
葉「この霊力の感じ……!」
アンナ「…………」
・・・
キュゥべえ「この国では成長途中の女性のことを少女って言うんだろう?」
キュゥべえ「だったらいずれ魔女になる君たちのことは、魔法少女って呼ぶべきだよね」
493:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 22:14:59.34 ID:dJYmwgwDO
あちゃー…さやかちゃん魔女っちゃったかー…
494:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 22:15:03.58 ID:YqvP1/Qyi
もう富竹とタメ張れる安定っぷり。
487:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 22:11:57.01 ID:BRJRVlEC0
口だけじゃない(キリッとかほざいた次の日に魔女化はギャグだな
490:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 22:13:36.18 ID:wJ0qhI+b0
>>487
>数日後
491:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 22:14:09.11 ID:C4mIL1OC0
数日後でもギャグ
489:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 22:12:56.57 ID:dPf6PhMsO
さやかってほんと馬鹿
495:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 22:15:48.90 ID:jQ0sZA5b0
そういうなよ、誰よりも女性らしいんだよさやかは
ヒロイズムに酔ってその場のノリで動くのは劇中では最悪の結末になったけど
そういう考えで動くのだって人間らしく大切な感情だ
498:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 22:21:03.75 ID:
Mag2fafG0
結界内
杏子「どうなってんだよこれ……!」
杏子(いつの間に魔女の結界内に入った?そもそもこの魔女はどこから現れた!?)
ほむら「……遅かったようね」
杏子「ほむら!これはどうなってやがる!」
ほむら「黙って、いったん脱出するわ……あなたは美樹さやかを離さないで」
杏子「逃げるのかよ……?」
ほむら「今の状況じゃ戦うわけにはいかないわ……美樹さやかの体も傷つくことになる」
杏子「チッ……」
501:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 22:26:16.32 ID:
Mag2fafG0
杏子「結界は……抜けたか」
ほむら「…………」
葉「……すまん、間に合わんかったな」
アンナ「…………」
まどか「さやかちゃんは、さやかちゃんは大丈夫なの!?」
マミ「あ、暁美さん……説明してくれるかしら……?」
ほむら「…………」
ほむら「美樹さやかのソウルジェムはグリーフシードに変化した後、魔女を生み出して砕け散ったわ」
まどか「っ!」
マミ「え……!」
506:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 22:33:57.12 ID:
Mag2fafG0
マミ「み、美樹さんのソウルジェムが魔女を生み出したって……」
マミ「それって…つまり美樹さんが…魔女になったってことじゃ……!!」
ほむら「……ソウルジェムに穢れが溜まり切ってしまえば…私たちも魔女になる」
ほむら「それが私魔法少女について隠された最後の秘密よ」
マミ「!」
マミ「じゃあ……私たちも、穢れが溜まったらいずれは……」
ほむら「そういうことよ」
マミ「そんな……ま、魔法少女が魔女になるのなら……」
マミ「私たちがみんな死ぬしかないじゃない!」
パーンッ!
マミ「!?」
アンナ「取り乱さないで」
510:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 22:36:44.15 ID:9hfaqvP3O
さすがアンナさんやでぇ…
516:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 22:42:03.39 ID:
Mag2fafG0
葉「…………」
葉(……右もすげぇ痛えんだよな)
アンナ「あんた、魔法少女の先輩なんでしょ?それなのにみっともなく狼狽えるんじゃないわよ」
マミ「で、でも……!」
まどか「さやかちゃんは……さやかちゃんはもう!」
葉「手はある」
まどか「えっ……?」
杏子「どういうことだよ……?」
葉「お前らがちゃんとさやかの体を持ってきて良かった、だったら……まだ何とかなる」
ほむら「説明……してくれるかしら?」
アンナ「今、この体は魂が抜けた状態で……肉体的には無傷」
アンナ「要するに……入れてやればいいのよ、この体にもう一度……魂をね」
525:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 22:52:10.85 ID:
Mag2fafG0
杏子「そうか、葉はシャーマン……だったらそれくらいのこと簡単に……!」
葉「いや、そう簡単にもいかん。魂ってのは肉体から離れすぎちまうと蘇生できなくなっちまうんだ」
葉「まあ……魂があの世に行っても蘇生できるシャーマンもいなくはねえけどな」
アンナ「ガンダーラみたいな連中は特殊よ、それに今のあたしには神クラスの持ち霊もいないしね」
杏子「つまり……どういうことなんだ?」
葉「時間がねえ、早くしねえと蘇生は出来なくなる」
マミ「じゃ、じゃあ……!」
アンナ「言ったでしょ、取り乱さないでって……こうやっておしゃべりしてる時間も惜しいのよ」
ほむら「……今、あの魔女になった美樹さやかを倒せば間に合うのね」
葉「ああ、百パーセントじゃねえけどな」
ほむら「なら……行きましょう、可能性があるのなら」
ほむら(魔女と化してもまだ、生き返ることができる……今までになかったそんな可能性があるのなら!)
530:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 23:00:41.57 ID:
Mag2fafG0
・・・
結界内
魔女「――――――!」
マミ「そんな……これが美樹さん!?」
杏子「すぐに目覚ませてやるからな……さやかぁ!」
葉「じゃあまどか、オイラ達が戦ってる間……ずっとあいつに呼びかけ続けてくれ」
まどか「は、はい!」
葉「悪い方向に行っちまった魂をあるべき姿へ戻すには色々な方法があるんよ」
葉「お前の言霊で、あいつ自身をしっかり認識させてやってくれ」
まどか「さやかちゃんを……私の言葉で!」
ほむら「……行きましょう」
アンナ「へまをしないようね」
葉「うし、じゃあ少し……ふんばるとするか」
535:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 23:12:37.24 ID:
Mag2fafG0
葉「行くぞ!阿弥陀丸!!」
阿弥陀丸『応ッ!』
葉「オーバーソウル!阿弥陀丸イン春雨!」
アンナ「あんたは呼びかけ続けなさい、攻撃は前の連中が全部撃ち落としてくれるわ」
まどか「は、はい!」
杏子「くっそ……さやかめ、ちっとは手加減しろってんだ……!」
魔女「!」
マミ「来てるわよ!佐倉さん!」
杏子「しまっ……」
543:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 23:19:13.07 ID:
Mag2fafG0
葉「真空仏陀斬り!」
杏子「っ……と、ありがとな葉!」
葉「来るぞ!」
杏子「分かってる、次は食らわない!」
ほむら「私たちも行きましょう、巴マミ」
マミ「え、ええ……!」
ほむら「……まだ、迷いがあるのかしら?」
マミ「…………」
ほむら「もしそうなら……あなたは戦うべきじゃないわ」
562:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 23:39:44.60 ID:
Mag2fafG0
葉「くっ……」
葉(あんまりデカい攻撃を仕掛けて倒しちまったら元も子もねえ……!)
葉(けど……あの投げつけてくる木の車輪は撃ち落とさねえとまどかに当たっちまう)
ほむら「下がって、麻倉葉、佐倉杏子……あの車輪を爆砕するわ」
葉「!」
ほむらの言葉を受け、葉と杏子は後ろへ回避する。
直後、迫りくる多くの車輪は爆散しすべて焼失した。
葉「おお、すげえ」
ほむら「でも、あまり何度も使える攻撃ではないから……もう少しは二人で粘ってもらえるかしら?」
杏子「ああ、任せな!」
568:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 23:46:42.76 ID:
Mag2fafG0
マミ「…………」
マミ(私はいったい何をしているの?年下の暁美さんや佐倉さんも戦っていて……)
マミ(麻倉さんと恐山さんも前線に立っている……)
マミ(そして魔法少女ですらない鹿目さんまで、美樹さんを助けようと必死になっているのに)
マミ(……私が、美樹さんのために出来ること)
マミ(少なくとも、それは狼狽えることでもなければ最初から諦めて勝負を放棄することでもないはず)
マミ(まして……みんなを道連れにして死ぬことなんかじゃ絶対にない!)
――――少女の、心は決まった。
576:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/10(日) 23:52:44.99 ID:
Mag2fafG0
マミ「……私も、戦うわ」
ほむら「迷いは……もうないのかしら?」
マミ「もう大丈夫よ、みんなが戦っているのに……私だけ希望を捨てたりはしないわ」
マミ「それに、私はみんなの先輩だからね……!」
葉「オイラとアンナとは同級生だけどな」
マミ「フフ……そうだったわね」
杏子「ったく、遅かったな……マミ!」
葉「……さあ、もうひとふんばり行くとするか!」
578:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 00:01:32.85 ID:
RLci3JUd0
遠距離から狙撃できるマミの戦線復帰により、魔女の繰り出す車輪による攻撃は完全に無力化された。
投げられるその車輪を巴マミは自らのマスケット銃で次々と撃ちぬいていく。
車輪の攻撃の防御においてはまさに最高の存在だった。
魔女「!!」
ほむら(車輪での攻撃が効かないとみて今度は剣で攻撃を……!)
杏子「はっ、近接系武器での攻撃なら!」
葉「オイラ達で何とかする」
マミ(これで……完全に敵の攻撃は封じられたわね)
アンナ「あの赤髪の小娘、あたしの許可もなくちょっと葉に近づきすぎじゃないかしら」
マミ(むしろ怖いのは味方からの攻撃な気もするけれど……)
588:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 00:31:05.39 ID:
RLci3JUd0
・・・
杏子「なあ!だいぶ時間経ってるけど、まだ間に合うんだよな!」
葉「分からん、けど急ぐに越したことはねえ!」
まどか「さやかちゃん!お願いだから私の声を聴いて!」
魔女「――!」
葉「くっ……」
葉(何か変だ……ここまで呼びかければ何かしらの反応があってもおかしくねえ)
葉「違う……使い魔だ!後ろで曲を演奏してるあの使い魔を先に止めるんだ!」
ほむら「マミ!」
マミ「私ならここからでも撃ちぬける……でも……!」
葉「車輪はオイラ達が何とかする!」
杏子「思いっきり撃て!」
591:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 00:34:40.11 ID:
RLci3JUd0
マミ「信じるしかないわね……任せたわよ、二人とも!」
ほむら「私はまどかのフォローに回るわ!」
杏子「車輪は……全部撃ち落とす!」
葉「行くぞ……阿弥陀流!大後光刃!!」
マミ(視界が開けた……撃つのは……今!)
マミ「ティロ・フィナーレ!!」
595:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 00:41:24.96 ID:
RLci3JUd0
杏子「演奏が……止まった!」
アンナ「今よ、あんたの思いのすべてを言葉に乗せてあいつにぶつけなさい」
まどか「さやかちゃん!戻ってきて!」
魔女「…………」
・・・
声が、聞こえた気がする。
あれ、おかしいな……今まで確か演奏を聴いてたんじゃ……
でも、今の声……大切な、あたしの友達の声……
あたしは……何やってるんだろ……あたしって、こんな感じだったっけ?
違う……元のあたしは……!
601:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 00:53:58.41 ID:
RLci3JUd0
魔女「――――!!」
杏子「オイ!アイツの攻撃、激しくなってないか!?」
葉「違う……これは……あいつの魂が元の形を思い出そうとしてるんだ」
葉「アンナ!」
アンナ「よくもまあ、呼びかけで魂の形を思い出すなんて方法を成功させたわね」
アンナ「ずいぶんと非効率だけど、全員を救おうとするあんたらしいやり方だわ」
アンナ(ま、そういう性格のあんただからこそ……あたしもホレたのだしね)
アンナ「じゃあ……そろそろあたしも手を貸さなきゃね」
葉「形を取り戻したあいつの魂を魔女から何とか引きはがしてくれ!」
アンナ「はいはい……引きはがした後の魔女は責任もってあんたたちでやりなさいよ」
葉「おお、任せとけ」
604:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 01:06:01.63 ID:
RLci3JUd0
アンナ「行くわよ……超・占事略決!禁人呪殺!」
魔女「!」
アンナ「今よ!」
杏子「大丈夫なのか……仕留めても?」
葉「さやかの魂がなくなった後のコイツは……もう負の霊力の塊みてえなもんだ」
葉「嫉妬、後悔、憎悪、憤怒……確かに、ちょっとくらいはあってもいいかもしれん」
葉「けど……こいつらは生み出したら、ちゃんと自分で受け止めなきゃならねえ」
葉「デカくなりすぎれば自分で受け止めきれずに、無理をしちまう」
葉「無理は、何か自分でいられなくなるからイヤなんよ……やっぱ」
葉「生きるなら、楽しく生きねえとな」
605:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 01:09:05.62 ID:
RLci3JUd0
葉「阿弥陀丸イン春雨!イン!フツノミタマノツルギ!」
スピリット・オブ・ソード・白鵠
葉「阿弥陀流――――」
――――無無明亦無
606:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 01:12:45.80 ID:cAhCGuMJ0
完全に原作の葉だな
607:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 01:16:45.16 ID:7j37AVmUi
禁人呪殺の有効活用か。
608:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 01:26:01.13 ID:
RLci3JUd0
・・・
まどか「さやかちゃん……まだ間に合うよね」
杏子「ここまでやって間に合いませんでした、じゃシャレにならないからな……」
マミ「信じましょう……美樹さんを、それにこの二人を」
ほむら「じゃあ……いいかしら、二人とも」
葉「うし、じゃあやるか。アンナ」
アンナ「言われなくても分かってるわよ……行くわよ」
アンナ「イタコ流・シャーマン術!クチヨセ!」
まどか「く、クチヨセって……」
葉「本当は死んじまった霊を体に憑依させる術だけどな、今回はそれを応用してるんよ」
葉「体に魂を入れるって点では同じだからな」
610:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 01:28:44.18 ID:
RLci3JUd0
さやか「…………」
さやか「…………」
さやか「…………」
さやか「っ………」
まどか「あっ……!」
さやか「……おはよ、まどか」
まどか「さやかちゃん!」
612:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 01:34:07.82 ID:
RLci3JUd0
マミ「み、美樹さん……良かった、本当に良かった……!」
杏子「ったく、本当に面倒かけてくれやがって……馬鹿さやか」
ほむら「本当に……魔女から復帰できた……!」
まどか「さやかちゃん……さやかちゃん……!」
葉「うし、ひとまずはめでたしめでたし……」
アンナ「……なわけないでしょ、このおバカ。まだあたしには仕事が残ってるんだから」
葉「う、うん?そんなのあったか?」
アンナ「……ちょっとそこの青いの、こっち来なさい」
さやか「あ、あの……何か色々と迷惑かけたみたいで……」
パーンッッッ!!
さやか「っ!!」
阿弥陀丸『ま……』
葉「ま、幻の左……!!」
614:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 01:38:35.89 ID:XU64QoCE0
幻の左いただきましたー
616:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 01:41:36.98 ID:7j37AVmUi
これがカタルシスか…!!
620:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 01:50:07.21 ID:
RLci3JUd0
アンナ「あんた、自分がどれだけのことをしでかしたか自覚してるの?」
さやか「う……」
アンナ「自分で自分を過信して暴走して、ここにいる全員に面倒掛けさせて」
アンナ「最悪、あんたは無関係の一般人の命を奪う可能性だってあった」
アンナ「事前に言ったわよね、調子のいいこと言ってるやつほどすぐにへこたれるって」
さやか「……正直、アンナさんに大見得切ったからつい意固地になって」
アンナ「なに馬鹿言ってるの、あんたの器量が小さかっただけでしょ」
さやか「……はい」
624:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 01:56:35.88 ID:
RLci3JUd0
アンナ「それともう一つ……あんた、慕ってた男を別の女に取られたらしいわね」
アンナ「というより、あんたが魔女になった原因の大半がそれでしょ」
さやか「…………返す言葉、ないです」
パーンッッッ!!
さやか「っ!?」
葉「ま、幻の左……」
阿弥陀丸『二連撃!?』
葉(反対側じゃなくてあえて同じほっぺをぶっ叩いてる辺り、アンナスピリット全開だな)
625:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 02:02:57.21 ID:
RLci3JUd0
さやか「い、痛い……!」
アンナ「あんた、好きな男を取られたくらいでいちいち絶望してんじゃないわよ」
アンナ「そもそも、別に好きだなんだのと伝えてあったわけでもないくせに」
さやか「きょ、距離が近すぎて……幼馴染だったから……なんというか」
アンナ「あたしが言いたいのはそういうことじゃないのよ」
さやか「…………?」
アンナ「本当にあんたがその男に惚れてたんだったら……」
アンナ「仮に他の女に取られたとしても、もう一度自分に振り向かせるくらいの根性見せなさい」
さやか「あ……!」
葉「…………」
葉(アンナスピリット、もうメーター振り切ってるぞ)
635:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 02:16:07.34 ID:
RLci3JUd0
葉「ま、まあまあ……もうその辺にしとけ、アンナ」
アンナ「フン……じゃ、さっさと帰るわよ。もう夜も遅くて眠いし」
まどか「さ、さやかちゃん……大丈夫?」
さやか「痛たた……でも、胸にジーンと染みたかな」
葉(ジーンとしてんのは頬だと思うぞ)
さやか「でも、もし葉さんが他の女の子に口説かれたりしたらアンナさんどうするんだろ?」
葉「少なくともオイラは閻魔さんのところへ三回くらい行くと思うぞ」
マミ「……なんだか、どっと疲れたわ」
杏子「だな……なあマミ、よければ今日マミの家に泊めてくれないか?」
マミ「フフ、良いわよ……」
ほむら「…………」
ほむら(魔法少女が団結して……加えて二人のシャーマンが訪れた)
ほむら(そして……まさか魔女になってから人間に戻ることができるなんて、ね)
ほむら(今までの時間軸とは……何もかもが明らかに違う……!)
638:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 02:24:53.93 ID:
RLci3JUd0
・・・
キュゥべえ「なるほど、彼らの正体はシャーマン……あの世とこの世を結ぶ者、か」
キュゥべえ「それなら彼らが僕のことを不審に思ったのも、ソウルジェムが魂と気づいていたのも納得がいく」
キュゥべえ「そして暁美ほむら……彼女の能力は時間操作系のようだね」
キュゥべえ「なるほど、だから真っ先に僕という個体を彼女は潰しにかかってきたわけだ」
キュゥべえ「時間遡行者……暁美ほむら、そしてシャーマンの麻倉葉、恐山アンナ……か」
キュゥべえ「まさか美樹さやかを魔女から人間に復帰させてしまうとは驚いた」
キュゥべえ「出来るわけがないと思っていたけれど、僕としても認識を改めておく必要がありそうだ」
キュゥべえ「でも……それでも……」
キュゥべえ「彼らではワルプルギスの夜は止められない」
640:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 02:34:19.80 ID:
RLci3JUd0
・・・
数日後
ほむら「ワルプルギスの夜が訪れる日はもうすぐ……ね」
キュゥべえ「ずいぶんと期待しているようだね、暁美ほむら」
ほむら「!」
キュゥべえ「襲来するワルプルギスの夜を倒す算段でも付いたのかな?」
ほむら「…………お前には関係のないことよ」
キュゥべえ「ふむ、君はこう考えているようだ。魔法少女全員で戦えて、シャーマンである二人の力も借りられる」
キュゥべえ「もしこれがダメだとしても、次の世界に繋げられる……と」
ほむら「…………!」
キュゥべえ「君が時間遡行者であることはもうわかっているんだ、だから僕は君にお礼を言いに来たんだよ」
ほむら「何ですって……?」
642:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 02:43:06.42 ID:
RLci3JUd0
・・・
ほむら「そんな……それじゃ……!」
キュゥべえ「そう、君が何度も時間遡行をしているうちに鹿目まどかに因果の係数が繋がってしまったんだ」
ほむら「…………!」
キュゥべえ「それともう一つ……さっきまでまどかの家に行っていてね」
キュゥべえ「ワルプルギスの夜に君たちが勝てる確率は限りなくゼロだと伝えておいたよ」
ほむら「なっ……!」
キュゥべえ「もちろん、まどかが契約をしてくれれば勝てるということも含めて……ね」
ほむら「どこまで腐っているの……インキュベーター!」
キュゥべえ「酷い言い方だなぁ、僕はあくまで個人的な意見を述べたにすぎないよ」
キュゥべえ「まどかが契約してくれれば君たち魔法少女が生存する確率も大きく上昇する」
キュゥべえ「そう、これは君たちのためになる行動なんだ」
ほむら「……お前の思い通りには、絶対に行かせないわ」
644:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 02:50:40.16 ID:
RLci3JUd0
・・・
アンナ「……難儀なことね」
葉「ああ、けど……オイラ達で何とか出来なきゃ、な」
アンナ「明日ね、とうとう……ワルプルギスが来るのは」
葉「みてえだな」
アンナ「…………」
葉「…………」
アンナ「……ねえ、葉」
葉「ん?」
アンナ「たまには、一緒に寝てもいいよね?」
葉「…………おお」
647:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 02:56:33.71 ID:
RLci3JUd0
翌日
ほむら「…………来る」
マミ「何だか、分かってはいたけれどやっぱり緊張するわね」
杏子「何だよマミ、ビビってるのか?」
さやか「あたしは正直怖いけどね」
杏子「ていうかさやか、お前戦えるのかよ……?」
さやか「何ていうか、今のあたし……ちょっと色々と複雑な感じでね」
さやか「普通の人間なんだけど、魔法少女でもある……みたいな」
杏子「なんだよそれ」
さやか「魔法少女に変身することはできるけど……ほら、もうソウルジェムがないからさ」
さやか「生身の体だから、傷つけられれば普通に骨も折れるし、心臓も止まっちゃうってこと」
杏子「……じゃあ、一発でも貰ったら」
さやか「一応魔力で身体強化はしてるけど……結構キツイかもね」
649:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 03:01:04.41 ID:
RLci3JUd0
杏子「……さやか、ヤバそうだったら無理に戦わなくてもいいんだぞ」
さやか「大丈夫、確かに不死身の体じゃないってのは大きなデメリットだけど……」
さやか「今のあたしはソウルジェムがないから、穢れが溜まらないって利点もあるんだから」
マミ「……美樹さん、本当に無茶だけはしないでね」
ほむら「……そういえば、あの二人は?」
杏子「もう来るんじゃないか……って、噂をすればだ」
葉「すまん、遅くなった」
アンナ「…………」
651:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 03:05:41.51 ID:
RLci3JUd0
ほむら「来るわ!」
⑤、④、③、②、①…………
ワルプルギス「キャハハハハハハ!」
さやか「うっ……想像してたのよりずっとでかい……」
マミ「必ず、ここで倒しましょう」
ほむら「ええ……必ず、仕留める!」
葉「あれが……ワルプルギスの夜、か」
アンナ「何よあの笑い声、憎たらしい」
653:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 03:11:23.57 ID:
RLci3JUd0
ほむら「全員、油断しないで!様子見なんてしなくていい、最初から全力で!」
葉「あのデカさじゃ……やっぱこっちか、行くぞ阿弥陀丸!」
阿弥陀丸『応ッ!!』
葉「阿弥陀丸イン春雨!イン!フツノミタマノツルギ!」
葉「スピリット・オブ・ソード!!」
さやか「うわっ!でっかい刀!」
葉「あれ、さやかも見えるようになったんか?」
さやか「何ていうか、クチヨセしてもらってから見えるようになっちゃって……」
657:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 03:23:34.57 ID:
RLci3JUd0
杏子「おしゃべりしてる暇はねーぞ!」
葉「ん、じゃあオイラ達も行くか!」
さやか「了解っと!」
杏子「あたしは本体を叩く!さやか!使い魔は任せた!」
さやか「分かった!って……この使い魔、まるで……!」
杏子「食らえっ!!」
ガキィン!!
魔女「キャハハハハハハッ」
杏子「……嘘だろって、全力で仕掛けたんだぞ?」
葉「はっ!!」
キィン!
葉(固え……やっぱ白鵠の密度までいかねえとダメか……!)
658:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 03:27:05.21 ID:
RLci3JUd0
ほむら「離れて!三人とも!」
葉・杏子・さやか「!!」
さやかが魔女化したときとは比べものにならないレベルの爆撃がワルプルギスの夜に直撃する。
それは近代兵器を極限にまで利用したほむらによる連続攻撃。
ほむら「爆発が途切れたら遠距離から撃って!」
マミ「様子見なんてことはしない……ティロ・フィナーレ!」
葉「阿弥陀流!真空仏陀斬り!!」
660:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 03:34:54.06 ID:
RLci3JUd0
魔女「キャハハハハハハ!!」
マミ「そんな……無傷だなんて!」
葉「もっと畳み掛けねえとダメか」
ほむら「怯まないで!休まずに仕掛け続けて!!」
杏子「っていっても、これ効いてる気がしないぞ!」
さやか「右に同じ……どこか弱点とかないの!?」
魔女「キャハハハハハ八!!」
マミ「に、逃げて二人とも!攻撃が来るわ!」
杏子「しまっ……!」
葉「スピリット・オブ・ソード!白鵠!!」
ほむら「!」
葉「阿弥陀流!無無明亦無!!」
マミ(ワルプルギスの夜の攻撃が……打ち消された……!?)
661:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 03:39:07.28 ID:
RLci3JUd0
杏子「悪いな葉!」
さやか「ありがとう!」
葉「それよか、また来るぞ!気を付けろ!」
杏子「おっと……!」
葉(無無明亦無……あの魔女の本体も削れれば……!)
葉「阿弥陀流!無無明亦無!!」
ガキィン!
葉「!」
葉(通らねえ……ってことは、コイツはオイラが打ち消せる以上の強さを持ってるってことか……!)
葉「……ふんばりどころだな、ここは」
664:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 03:47:13.69 ID:
RLci3JUd0
・・・
ほむら「はあっ……はあっ……!」
杏子「くっそ……攻撃の一発もデカいし、固すぎだろ……!」
マミ「どこを攻撃しても……まるで通用しないなんて……」
さやか「こんなの、一体どうしろってのよ……」
葉「……大丈夫だ」
ほむら「えっ」
葉「なんとかなる」
668:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 03:51:56.69 ID:
RLci3JUd0
杏子「何とかなるって……どんな根拠だよ、それ」
葉「根拠なんかねえさ、けど……あいつ、実はもうへばってるかもしれねえぞ」
マミ「あれだけ笑い声をあげてるのに……?」
葉「おお、痛ぇのに無理してるのかもしれん」
さやか「いやー、それはないな……」
葉「何にしても、ここで休んじまったら元も子もねえ……何とかなる」
ほむら「…………」
ほむら(そう、この言葉……何とかなる。今までも何度か聞いていたけれど……)
ほむら(彼が言えば、本当に何とかなりそうな気になってくる……)
ほむら「大丈夫……まだ、戦える……!」
669:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 03:54:59.06 ID:
RLci3JUd0
・・・
キュゥべえ「終わりだね、よく粘っていると言いたいところだけれど……戦力差は明らかだ」
まどか「そんな……ほむらちゃん……みんな……!」
キュゥべえ「もう僕は君に無理やり契約を進めたりはしないよ」
キュゥべえ「でも、必死に戦っている彼女たちを見て何か考えが変わったら」
キュゥべえ「僕はいつでも君と契約をしてあげられるよ」
まどか「…………!!」
672:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 04:00:38.49 ID:
RLci3JUd0
・・・
葉「ぐっ!!」
阿弥陀丸『葉殿!!』
葉「ああ、大丈夫だ……」
阿弥陀丸『むぅ……葉王のスピリット・オブ・ファイアも大概でござったが……』
阿弥陀丸『こやつはそれに勝るとも劣らぬでござるな』
葉「ああ、すげえ密度だ……攻撃が全然通ってねえ」
葉「このままやりあってたんじゃ最後はオイラの巫力が切れちまいそうだ」
阿弥陀丸『活路はあるのでござるか……?』
葉「正直まだわからん、とりあえず……特別にここが弱点、みてえな場所はなさそうだ」
674:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 04:04:29.17 ID:
RLci3JUd0
杏子「ぐあっ……!」
さやか「ぐっ……!」
マミ「うあ……!」
ほむら「くっ………!!」
・・・
まどか「…………」
まどか(みんな押されてる……このままじゃみんなが死んじゃう……!)
キュゥべえ「どうかしたかい、まどか?」
まどか「キュゥべえ……私……」
677:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 04:16:02.37 ID:
RLci3JUd0
ほむら「っ……!」
ほむら(そんな……足が、動かない……!!)
葉「無理すんな、動けねえなら……あとはオイラがやる」
ほむら「ダメよ、あなた一人だけで勝てるわけが……!」
葉「なんとかなる」
杏子「もう……気合や精神論の問題じゃねえ、一人でまともにやりあって勝ち目なんか……」
葉「ごまかしで言ってるわけじゃねえんだ、オイラは本気でなんとかなると思ってるんよ」
マミ「ど、どうして……!」
さやか「こんな……ボロボロにされてるのに……?」
679:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 04:19:15.99 ID:
RLci3JUd0
まどか「ほむらちゃん……みんな……」
ほむら「ま、まどか……?」
さやか「なんでこんなところに……ここは危ないから早く……」
まどか「みんな……ごめんね」
まどか「私、魔法少女になる」
ほむら「えっ……!?」
葉「…………」
680:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 04:22:27.62 ID:
RLci3JUd0
ほむら「だ、ダメよまどか!それだけは絶対にダメ!」
まどか「……やるしかないんだよ、ほむらちゃん」
ほむら「そんな……それじゃあ私は……何のために……!」
まどか「ありがとうほむらちゃん、でも……またすぐに会えるよ」
まどか「必ず、なんとかなる」
葉「!」
キュゥべえ「いいんだね、まどか」
まどか「うん、大丈夫だよ」
682:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 04:31:12.08 ID:
RLci3JUd0
キュゥべえ「それじゃあ鹿目まどか、君は一体どんな願いでソウルジェムを輝かせるんだい?」
まどか「私の願いは……」
ほむら「葉!止めさせて!お願い!」
葉「オイラは……まどかを信じる」
まどか「私の願いは……『過去と未来全ての魔女を生まれる前に消し去りたい』」
キュゥべえ「!」
まどか「さあ、叶えてキュゥべえ!」
キュゥべえ「そんな……それは因果律そのものを改変する神にも等しい願いだ」
キュゥべえ「鹿目まどか、君はまさか本当の神になるつもりなのかい!」
インキュベーターの驚愕の声が響くも、まどかの願いは叶うこととなる。
神にも等しい強さとなった鹿目まどかは、自らの弓を引き絞り……ワルプルギスの夜へと撃ち放った。
一撃―――あれだけ暁美ほむらたちを苦しめたワルプルギスの夜は、ただの一撃で撃滅した。
683:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 04:34:40.04 ID:
RLci3JUd0
まどか「終わった……!」
鹿目まどかは安堵した、同時に魔力を使いすぎたことで自らのソウルジェムも黒く染まっていく。
それでも彼女は安心していた。
自らの願いの効果で仮に自分が魔女になったとしても消滅すると確信していたから。
そう、これですべてが終わるはずだった。
キュゥべえ「残念だったね、まどか」
685:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 04:38:16.08 ID:
RLci3JUd0
まどか「…………?」
キュゥべえ「全く驚いたよ、因果律さえも超越した願いをしてそれを叶えてしまうんだからね」
キュゥべえ「しかも自分が魔女になっても、即座に消滅するような願いにしているとは……恐れ入ったよ」
キュゥべえ「それでも……君の背負った因果律は莫大すぎた」
まどか「…………」
キュゥべえ「君は魔女になった後、消滅することはない」
まどか「!」
686:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 04:44:18.07 ID:
RLci3JUd0
キュゥべえ「君は過去におけるすべての魔法少女と魔女を救った」
キュゥべえ「そして今現在、世界に存在する魔法少女たちのこともね」
キュゥべえ「でも、君が救ったこの世界を破壊するのもどうやら君自身になりそうだ」
キュゥべえ「全てを救おうとするなんて無茶が過ぎたようだね、鹿目まどか」
まどか「…………」
まどか「……なんとかなる」
キュゥべえ「……?」
まどか「私たちはまだ、負けてないよ……まだ、この後を任せられる仲間がいるから」
ほむらちゃん、葉さん、みんな……お願い
――――私を、止めて
689:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 04:46:56.96 ID:
RLci3JUd0
・・・
魔女「――――!」
キュゥべえ「すごいね、これがまどかが魔女になった姿か」
ほむら「あ……あ……!!」
杏子「嘘だろ……こんな……!」
さやか「まどか……まどかぁ!」
マミ「どうすれば……こんなの……!」
692:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 05:02:09.39 ID:
RLci3JUd0
葉「うっし、じゃあ最後のひとふんばりだな」
ほむら「…………!」
葉「頼むぞ!アンナ!」
アンナ「……コイツとんでもないわよ、そう長くは縛っておけないわね」
葉「それでも、頼む」
アンナ「……葉、必ず何とかしなさいよ」
694:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 05:06:12.56 ID:
RLci3JUd0
ほむら「あなた……この状況でもまだ……?」
葉「後はこのまどかだけを止められれば全員救えるだろ、過去も未来の魔法少女も」
葉「まさに、あとひとふんばりじゃねえか」
さやか「そうだけど……けど……!」
マミ「ワルプルギスの夜を一撃で吹き飛ばす鹿目さんの魔女なんて……」
杏子「諦めたくねえけど……もう、どうしようも……!」
696:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 05:11:04.48 ID:
RLci3JUd0
「何だなんだオイ、なんかもうすげー諦めムードになってるぞ?」
ほむら「え……?」
「フン、貴様のような頭のねじの足りない能天気バカとは違うのだろう」
「何だとテメー!もう一回言ってみろ!」
さやか「こ、この人たち……って……?」
「なんでお前らはこういう状況でも喧嘩すんのかねェ」
杏子「誰なんだ……一体……!」
「何とかなる、そうやって葉くんから教わらなかったかい?」
マミ「…………!」
699:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 05:16:06.97 ID:
RLci3JUd0
葉「来てくれたんか、みんな!」
ホロホロ「何だよ葉!お前もボロボロじゃねーか!」
リゼルグ「久しぶり!って言うほど久しぶりじゃあないかな」
チョコラブ「俺は嬉しいけどな、裁判始まって刑務所へ入る前にもう一回会えて」
蓮「で、どういう状況だこれは……時間もないだろう、端的に説明しろ」
ほむら「…………!」
ほむら(彼らも……全員……シャーマン?)
701:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 05:23:59.43 ID:
RLci3JUd0
・・・
リゼルグ「なるほど、それで今はこの最悪の魔女をアンナさんが抑えていると」
葉「オイラ達がワルプルギスってのと戦ってる間中、ずっと仕込んでた1080を呪縛結界だ」
葉「そう簡単には破られねえが……そこまで長くも持たねえらしい」
チョコラブ「じゃ、さっさとやらなきゃダメってわけだな」
ホロホロ「しっかしアレだ、これだけデカいと逆に当てやすくていいぜ!」
蓮「馬鹿か貴様、この魔女とやらはあの魔法少女の片割れの変身したものだ」
蓮「派手な技を放ってまるごと消滅させでもしたらどうする、馬鹿」
ホロホロ「テッメ!今、二回も馬鹿って言いやがったな!」
マミ「…………」
さやか「……大丈夫なの、ホントに?」
702:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 05:33:33.65 ID:
RLci3JUd0
葉「……無無明亦無しかねえよなぁ、やっぱ」
リゼルグ「そうだね、僕もそれが一番いいと思っていたよ」
チョコラブ「確かに、俺のオーバーソウルじゃちょっと相性がよくなさそうだ」
ホロホロ「俺は……基本的に氷しかねえから、今回はちょっと分野が違うか」
ホロホロ「オイ蓮!お前も基本、雷なんだから今回の所は……」
蓮「武神魚翅!」
ホロホロ「は……?」
蓮「九天応元雷声普化天尊!!」
魔女「――――」
蓮「…………」
蓮「……フン、やむを得んな」
ホロホロ「お前さっき俺に派手な技使うなっつったよな!どんだけ目立ちたいんだクソトンガリ!」
杏子「…………これは」
ほむら「……ダメかもしれないわね、色々と」
704:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 05:40:45.01 ID:
RLci3JUd0
キュゥべえ「新しいお仲間みたいだけれど、まさかあの魔女を倒すつもりかい?」
葉「倒すんじゃねえさ、元のまどかの魂の形に戻さねえと」
キュゥべえ「不可能だね、あの魔女は『救済』の魔女」
キュゥべえ「あの魔女を倒したくば、世界中の不幸を取り除く以外に方法は無いよ」
葉「え…………?」
蓮「……まさか」
リゼルグ「こんなことが……?」
チョコラブ「ちょっと出来すぎじゃねえか?」
ホロホロ「ああ、まったく嫌になるぜ」
キュゥべえ「…………?」
葉「世界中の不幸を取り除く……?」
葉「何だ、世界中のみんなが楽に暮らせる世界を作りてえっていうオイラの目標と同じだな」
706:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 05:45:40.36 ID:
RLci3JUd0
蓮「葉、やはり貴様が撃て……俺たちの巫力を貴様に上乗せする」
ホロホロ「ここまで打ってつけの人材がいるかってんだ」
チョコラブ「この戦いが終わったら俺の考えた最新爆笑ギャグを披露するからな」
リゼルグ「はは、チョコラブ君のギャグが爆笑だなんて面白い冗談だね」
葉「お前らも手伝ってくれ!」
さやか「……ほむら、動ける?」
ほむら「なんとか、ね」
杏子「……あたしは大丈夫だ、一人で歩けるよ」
マミ「そう……それならいいけれど」
707:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 05:51:07.00 ID:
RLci3JUd0
アンナ「ちんたらしすぎよ葉!もうあと少ししか持たないわ!」
葉「すまんアンナ!あとちょい堪えてくれ!」
ホロホロ「ははっ!葉の奴、アンナに怒られてやがんの!」
蓮「小学生か貴さ」
チョコラブ「小学生かよっ!」
蓮「…………」プルプル
チョコラブ「秘技第三者ツッコみ!捻りも角度もパワーアップしてるだろ?」
リゼルグ「チョコラブ君、あとで血の海に沈まないように気を付けてね」
葉「よしっ……と、じゃあみんなこれでほんとに最後だ」
杏子「これでもしダメだったら……お終いだな、ホントに」
さやか「縁起でもないこと言うなっての」
マミ「私たちで力になれるなら……!」
708:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 05:53:18.19 ID:
RLci3JUd0
ほむら「ねえ、一つだけ聞いてもいいかしら」
葉「おお、いいぞ」
ほむら「どうして、あなたはそんなに私たちを助けてくれたの?」
葉「どうしてって……決まってるだろ」
ほむら「…………?」
友達だから、助けるんだろ?
713:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 06:03:34.74 ID:
RLci3JUd0
ほむら「……ありがとう、麻倉葉」
葉「おし……じゃあみんな、最後のひとふんばりだ!」
葉「行くぞ!阿弥陀流!!」
――――『無無明亦無』!!
719:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 06:14:20.21 ID:
RLci3JUd0
・・・
まどか「…………」
まどか「んっ……!」
葉「よっ」
まどか「葉さん……ありがとう、ちゃんと止めてくれて」
葉「オイラは大したことしてねえさ、例だったらほむらたちに言っといたほうがいいぞ」
ほむら「まどか……!」
まどか「ありがとう、ほむらちゃん……!」
721:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 06:19:32.28 ID:
RLci3JUd0
チョコラブ「あーあー、みんな泣いちゃってまあ」
ホロホロ「まあいいんじゃねえか?泣かないおっかねー女よりは泣く可愛い女のほうが」
リゼルグ「ホロホロ君、後ろうしろ」
ホロホロ「あん、後ろ?」
アンナ「…………」
ホロホロ「いや待てよ!今のはアンナのことを言ったわけじゃ……」
パーンッッッ!!
蓮「チョコラブ……貴様もだ」
チョコラブ「え?」
サクッ
チョコラブ「ギャー!?は、鼻が!?マジで刺しやがったコイツ!!」
724:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 06:24:32.95 ID:
RLci3JUd0
葉「……はー、なんとかなったな」
アンナ「そうね、最後はだいぶ手間取ってたけど」
葉「ウェッヘッヘ、まあそういうなよ」
アンナ「でも、これでとりあえずはあんたの馬鹿兄貴の無茶振りも終わったわね」
葉「ひでえよなあ、いきなり」
『世界をよくするんだろう?じゃあ、まずは日本にいる魔法少女たちを救ってみせろ』
葉「……だもんな」
アンナ「まあ、それでも思ったよりは楽しめたわね」
葉「だな」
アンナ「…………」
アンナ「……カッコよかったわよ、葉」
725:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 06:28:58.96 ID:
RLci3JUd0
・・・
マミ「えっ……もうここから……?」
葉「元々は体験入学って名目で入ってきてたからな」
杏子「じゃあ……もう行っちまうってことか」
葉「おお、今までありがとうなみんな」
さやか「あの……ホントに色々と迷惑かけちゃって……」
アンナ「ホントにいろいろ迷惑かけてくれたわね、あんた」
アンナ「いい女でありたいなら、あの時にあたしが言ったこと、忘れるんじゃないわよ」
ほむら「……ありがとう、私からはそうとしか言えないわ」
まどか「本当に……最後まで助けてくれて……!」
727:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 06:34:11.40 ID:
RLci3JUd0
葉「次にまどかと会う時には、もし万が一まどかが魔女になっても大丈夫な世界になってるといいなあ」
まどか「…………?」
葉「世界中のみんなが楽に暮らせてる世界になってるよう、オイラも楽しながら頑張るからな」
まどか「あはは……私も、また会える日を待ってます」
さやか「最後に……ホントにありがとう、あたしを助けてくれて」
マミ「もう少し、あなたたちとは触れ合いたかったけれど……またいつでも見滝原に来てね」
杏子「父親と話させてくれてありがとうな、それと……なんていうか楽しかった!」
ほむら「……さよならとは言わないわ。また、必ず会いましょう」
葉「おお、またな!」
アンナ「…………クスッ」
728:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 06:37:33.35 ID:
RLci3JUd0
『フン、葉のやつめ……意外とやるじゃないか』
『まあ……最後は僕がアイツの所へ五人の戦士を向かわせなければお終いだったかもしれないけれどね』
『でも、一応合格点にはしておくよ』
『次に僕が地上に転生するまでには、今よりもっとましな世界になってるよう祈るよ』
731:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 06:42:07.59 ID:
RLci3JUd0
・・・
葉「さーて、とりあえずこの後はどうするかな」
アンナ「どうもこうも、帰るんでしょ。ふんばり温泉に」
葉「ふんばり温泉に帰ってからは……んー、何も思いつかねえや」
アンナ「あら、修行でもしたいのかしら?」
葉「きょ、今日だけは勘弁……!」
アンナ「じゃあもう今日は早く寝ることね、疲れてるんだろうし」
葉「んー……そうだな、今日はいろいろと疲れたし……帰って風呂入ったら、とりあえず……」
葉「寝るぞーっ!!」
アンナ「……あたしも、一緒にね」
(未)完
732:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 06:43:15.50 ID:OrL3r6AR0
蜜柑wwww
乙
733:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 06:43:30.26 ID:A0GjlHrb0
みかんだと・・・
735:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 06:45:43.42 ID:
RLci3JUd0
終わった、長々と付き合ってくれてありがとう。
(未)完なのはアフター的な何か書こうかと思ったけど、眠くてやっぱ無理だったみたいな。
一応切りも良かったからここまででとりあえず、勘弁してください。
というわけでもう寝ます。
738:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 06:49:22.77 ID:Wyye64GEO
面白かった!乙
739:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 06:50:11.45 ID:nW9/jh5eO
懐かしくなった。乙
746:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 07:06:49.18 ID:ZUGq+m/w0
乙
SF後の葉達と関わるってなんか新鮮だった
747:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 07:10:02.41 ID:IPtFhgyr0
葉「ウェッヘッヘ」
まどか「ウェヒヒヒ」
葉「ウェッヘッヘ」
まどか「ウェヒヒヒ」
葉「ウェッヘッヘ」
まどか「ウェヒヒヒ」
757:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/11(月) 07:44:46.84 ID:egdwHc0dO
超乙
すげぇ面白かったぜ
- 関連記事
-
Amazonの新着おすすめ
おすすめサイトの最新記事