前→魔王「ほおーら毛虫だぞー」少女勇者「いやああああああああ」
163:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:26:55.01 ID:
bSATVgjx0
勇者「あ、鉄球兵士さん」
鉄球兵士「……」ガシャ
勇者「またお花持ってきてくれたの? ありがとうね」
鉄球兵士「…………」ナデナデ
勇者「……えへへ。ありがとう」
鉄球兵士「……」
勇者「魔王を許してあげてほしい?」
鉄球兵士「……! …………!」
勇者「あいつは馬鹿でガキでしょうもない奴だけど、すごく後悔してる?」
勇者「……サキュバスさんからも、側近さんからも、そう言われたよ」
勇者「でも、でも……」
勇者「体を触られたことだけは、どうしても……許せないよ」
勇者「ほら、もう時間だよ。持ち場に戻って戻って!」
165:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:27:26.76 ID:
bSATVgjx0
部下A「勇者の部屋はここで間違いないな」
部下B「ああ」
部下A「手っ取り早く済ますぞ。隙を付いて一瞬で殺せ」
部下A「標的は魔力を封じられている。手こずりはしないだろう」
魔王「お前達、そこで何をしている」
部下A「ま、魔王陛下!」
魔王「……勇者を殺すのか」
部下B「いえ、私達は」
魔王「…………お前達は叔父上の部下だったな」
部下A「ひっ」
魔王「すぐに殺すわけにはいかんが」
魔王「…………覚悟しろよ」
166:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:29:24.34 ID:
bSATVgjx0
勇者「ねえ、何か騒がし……」ガチャ
魔王「っ!?」
勇者「あ……」
勇者「……戦ってるような音が聞こえたんだけど」
『人間と和平を結びたがっていない魔族に殺されるかもしれない』
魔王(……不安がらせるようなことは言わない方が良いな)
魔王「兵士同士が取っ組み合いをしていたから沈めただけだ。心配するな」
勇者「……そう」ガチャン
魔王「………………」
171:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:31:48.23 ID:
bSATVgjx0
魔王「此奴等を牢に入れておけ」
兵士「はっ」
側近「甘くないですか。直ちに処刑するべきです」
魔王「……尋問してからだ」
側近「そりゃそうですけど」
魔王「……」
側近「魔叔父殿が怖いんじゃないですか?」
魔王「……馬鹿な事を」
側近「ずっと避け続けているじゃないですか」
魔王「…………」
173:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:33:12.83 ID:
bSATVgjx0
…………
……
側近「魔叔父殿の策略だったようですね」
側近「やはり、魔叔父殿は危険な存在です」
側近「しかし、魔王様に次ぐ権力の持ち主ですから、下手に手出しも出来ない」
魔王「…………」
側近「下手をすれば貴方の貞節も奪われかねない」
魔王「それは言うな」
側近「勇者ちゃんも、魔叔父殿に狙われる貴方と同じ気持ちだったのではありませんか」
魔王「なっ……」
魔王「俺は、俺はそんなんじゃ…………」
176:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:35:45.89 ID:
bSATVgjx0
人質交換の日・国境
魔王(結局許してもらえないままかよ……)
魔王(…………まだ、あれも渡せていないのに)
勇者兄「勇者ー! 無事かー!?」
勇者「おにーちゃーん!!」
魔王「おいー魔従妹ー……無事かー……?」
魔従妹「やる気ないわね貴方……」
勇者兄『じゃあ、約束の場所で』コソコソ
魔従妹『ええ、必ず行くわ』コソコソ
国王「よし……同時に人質を交換しろ」
178:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:37:36.50 ID:
bSATVgjx0
勇者「お母さん! お母さん!」ダキッ
勇者母「ああ、勇者……良かった……」
勇者父「勇者……!」
勇者「お父さん!」
勇者兄「勇者……向こうで大切にしてもらえたか?」
勇者「全然。地獄だった」
勇者兄「え……」
勇者兄「重要な人質なんだから、蔑ろにされたなんてことは……」
勇者「人間から見えないところでならさ……何されてたってわからないでしょ?」
勇者兄「勇者…………」
180:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:38:20.98 ID:
bSATVgjx0
魔従妹「ただいま戻りました、お父様」
魔叔父「よくぞ帰った、我が娘よ」
魔王「お帰りー……」
魔従妹「何不貞腐れてるのよ、貴方……」
魔従妹「ところでお父様、城に戻ったらお話したいことが……」
184:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:39:36.99 ID:
bSATVgjx0
夜 窓際
勇者(帰って来れた)
勇者(お父さん達にも、また会えた。ちょっと遅れたけど、誕生日も祝ってもらえた)
勇者(僕は、幸せなんだ)
勇者(生きて自分の家に戻って来れて)
勇者(この場所にいる)
勇者(それだけで、この上なく幸せなんだ)
勇者(寂しさを感じるわけなんて、ない)
勇者(鉄球兵士さん達、今頃どうしているのかな……?)
勇者兄「何故ですか国王陛下!」
185:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:40:53.12 ID:
bSATVgjx0
勇者兄「魔族との和平は締結されました」
勇者兄「それをより強固なものにするためにも、悪い話ではないでしょう!?」
国王「ならん! 穢れた血と交わることなど許せん!」
勇者兄「ならば私が魔の国へ行きます!」
国王「ふざけるでない! お主は自分の立場を分かっておるのか」
国王「人間にとってなくてはならない、貴重な勇者の血を引いておるのだぞ!」
国王「その血を魔族に混ぜ合わせれば、どのような化け物が生まれることか……!」
勇者兄「遙か南の大陸では、」
勇者兄「魔王と勇者が結ばれることにより、長き平和がもたらされたのです」
勇者兄「我等も追随すべきです!」
189:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:43:14.40 ID:
bSATVgjx0
国王「口が過ぎるぞ。己の身分を弁えよ」
勇者兄「くっ……」
勇者兄「何だよ……いつだって、お前等を守ってきたのは俺達の一族じゃないか」
勇者兄「それなのに、どうして我が儘の一つを通しちゃくれないんだ……!」
勇者兄「魔王に唯一対抗できる力を持ってるってのに、いつの時代も俺達は国家の犬……」
勇者「お兄ちゃん? どしたの?」
勇者兄「いや、何でもないんだ。ちょっとイラついちゃって」
勇者「そっか」
勇者兄「……なあ、人間と魔族が結婚するってそんなにおかしなことかな?」
勇者「…………そんなことはないんじゃない?」
190:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:44:52.12 ID:
bSATVgjx0
勇者「魔王城にいる時、側近さんから聞いたんだけど」
勇者「南以外の大陸でも、最近は勇者と魔王が結婚してるんだって」
勇者「北や西の大陸では、もう子供が生まれたって」
勇者兄「……! やっぱり、俺達はおかしくなんてないんだよな……?」
勇者兄「くそっ……この国は血に拘りすぎてるんだよ……!」
勇者兄「魔族の血が汚いとか、位が高いほど血が清らかとか……!」
勇者「お兄ちゃん……?」
勇者兄「あ、すまんすまん。お前はもう寝な」
勇者「うん…………」
192:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:45:48.45 ID:
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数日後
勇者兄「国王陛下も、誰も俺達のことを認めてはくださらなかった」
魔従妹「私も、お父様は認めてくださらなかったわ……」
魔従妹「ああ、でも、私……このままでは……」
勇者兄「どうしたんだい」
魔従妹「……あなた以外の人と結婚させられてしまうの!」
勇者兄「な……なんだって……」
魔従妹「お父様は、私と魔王を結婚させることによって実権を握ろうとしているのです」
魔従妹「人間嫌いの父のことです。実権を握れば、戦争を起こすに決まっていますわ!」
勇者兄「そんな!」
魔従妹「あなた以外の人と結ばれるなんて嫌!」
勇者兄「なあ、魔従妹……」
勇者兄「俺達…………一緒に逃げないか」
197:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:48:21.25 ID:
bSATVgjx0
魔王「…………はあ」
側近「まーた溜息ですか」
魔王「……別に」
側近「そんなにあの子が好きなんですか」
魔王「っ……」
側近「好きな子の怖がっている表情や怒っている表情を見るのが楽しかったんですよね」
魔王「……自分がガキすぎて情けなすぎる」
側近「そう思いながら大人になるもんですよ」
199:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:50:09.58 ID:
bSATVgjx0
勇者「…………はあ」
勇者母「勇者ちゃん、どうしたの?」
勇者母「せっかく無事に帰って来られたのに、このごろ元気がないわよ?」
勇者「……別に」
勇者母「向こうで好きな人でもできたの?」
勇者「そんなんじゃない! 正反対だもん!」
勇者母「そう? じゃあ一体何を悩んでいるのかしら」
勇者「……何でもないよ。ただ、自分の気持ちがよくわからないだけ」
勇者(セクハラされる前は、本当は……そんなに嫌いじゃなかった)
勇者(だって…………)
200:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:52:29.14 ID:
bSATVgjx0
半年後
勇者「あれ? お兄ちゃん? どこー?」
勇者「いない……一緒にゲームしようと思ったのに」
勇者(置き手紙……?)
勇者「愛する人と共に遠い地で暮らします。捜さないでください……?」
国王「なんということだ……人間に必要不可欠な戦力が消えてしまった」
国王「魔族に隙を突かれなければ良いのだが……」
臣下「陛下、以前人質に取っていた魔族の女も行方不明だということです」
国王「なん……だと……」
臣下「勇者兄は誘惑されたのでしょう」
国王「魔性の女め……」
202:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:55:08.32 ID:
bSATVgjx0
魔叔父「くっ……!」ダンッ
魔叔父「何ということだ……これでは計画が……」
魔叔父「この私が裏から実権を握るという計画が成り立たん…………!」
魔叔父「…………ああ、そうか。その手があったか」
魔王「叔父上、お呼びですか」
魔叔父「近くに寄りなさい」
魔王「…………」
魔叔父「……」ガッ
魔王「っ!?」
203:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:55:45.85 ID:nNqbiUiE0
ぬるぽ
204:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:56:29.96 ID:dWQ1Hz+m0
アッー!
205:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:57:37.68 ID:
bSATVgjx0
魔王「お、叔父上……?」
魔叔父「魔王よ」サスサス
魔王「ひっ……」
魔叔父「我がものになれ」
魔王「なっ…………」
魔王「……ふざけないでください」
魔王「勇者を殺そうとした貴方を、俺は決して許しません」
魔叔父「お前が私に抵抗できるのか?」
魔叔父「まだ未熟なお前を、魔の王として立ててやっているのはどこの誰だ」
魔王「…………」
210:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:00:13.26 ID:
wPA4xUKo0
魔叔父「兄者と義姉者によく似ている」サワ
魔王「っ…………」ゾワ
魔叔父「魔王を務めるには、この体は細すぎるな」スーー
魔王「触れな、いでくだ……さ……い」
魔叔父「どうした? 反抗しないのか?」
魔王(何だこれ……力が入んねえ)
魔叔父「お前は私の言うことを聞いていれば良い」
魔王「貴方に従いなどしない!」
魔叔父「いつまでそう言っていられるかな」
魔王「や、め……やめろ…………」
魔王(気持ちわりぃ…………)
魔王(勇者……お前もこんな気持ちだったのか……?)
213:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:02:15.69 ID:
wPA4xUKo0
翌日
魔王(尻が痛ぇ……)
側近「魔王様? 何か悪いことでもあったのですか」
魔王「なっ……なんでもねえよ」
魔王(気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い)
魔王(……死にてえ)
側近「…………」
魔王(……メッセでもやって気を紛らわすか)
215:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:03:07.84 ID:3Tc3nKqq0
oh・・・
216:
忍法帖【Lv=20,xxxPT】 :2012/05/26(土) 00:03:28.82 ID:1DGC0Fls0
いきなりホモに…
217:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:03:38.78 ID:d+xQcq5A0
魔王て相当イケメンなのかな
218:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:03:39.77 ID:56vbM9MO0
なんで描写がないんだよ!
そこ頑張れよ!
221:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:04:31.39 ID:16nYTLDIi
>>218
男同士の絡みとか…
ちょっと興味あります
220:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:04:27.14 ID:
wPA4xUKo0
南東魔王:嫁にアヘ顔見せてくれってせがまれてるんだが
南東魔王:男のアヘ顔なんて気持ち悪いだけではないだろうか
北東魔王:嫁さんが見たがってるんなら見せてやればいんじゃねえの
南東魔王:だが流石に抵抗があってな……
北魔王:お前が無意識にアヘ顔を晒してしまう程
北魔王:嫁さんがとてつもない責めをすれば良いのではないか
南東魔王:あ、なるほど。嫁にそう言ってみるわ
魔王(下ネタ混ざる気になれねえ……)
224:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:06:01.43 ID:
wPA4xUKo0
…………
……
側近「魔王様、まさか……」
魔王「いいって。俺が我慢してれば、叔父上もあんまし勝手な事はしないっつってるし」
側近「しかし……」
魔王「いいんだよ、もう。下手に逆らったら、今すぐにでも人間を襲いに行きかねねえし」
鉄球兵士「…………」ガシャ……
魔王「もう……放っておいてくれ…………」
226:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:06:57.93 ID:VPzK6aH90
どうしてこうなった
227:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:07:18.94 ID:
wPA4xUKo0
勇者兄と魔従妹が共にいるところを目撃したという情報が入り、
人間側は、魔従妹が勇者兄を誘惑した、
魔族側は、勇者兄が魔従妹を誘拐した、とそれぞれ主張した。
二人の望みとは裏腹に、事態は悪い方向へと進んでいった。
さらに半年後
国王「魔王城より帰還してからの一年で、お主は勇者の一族に相応しい力を身につけた」
国王「お主の兄の代わりに戦ってくれるか」
勇者「はっ」
国王「完全に開戦する前に」
国王「魔王を抹殺せよ」
228:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:09:49.30 ID:
wPA4xUKo0
魔王「……」
魔叔父「お前がどう足掻こうと、もしくは私がどう動こうと」
魔叔父「和平の決裂は避けられなかっただろう」
魔叔父「人間が魔王族の娘を攫ったのだからね」
魔王「…………」
魔叔父「魔族と人間が争うのは当然の摂理なのだよ。そう重く受け止めることはない」
魔王「ですが、叔父上…………」
魔叔父「お前はただ戦えば良い。こっちにおいで」
魔王「…………」
魔叔父「良い子だ」ナデ
魔王「…………」
魔王(勇者…………)
231:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:12:24.80 ID:
wPA4xUKo0
勇者(魔王城……妙に静かだ)
鉄球兵士「…………」ガシャガシャ
勇者「あ、久しぶり……元気だった?」
勇者「……って、今は敵同士……なんだよね……」
鉄球兵士「……」クルッ
勇者「……案内してくれるの?」
勇者「そっか、皆避難してるんだね。勇者の一族に対抗できるのは魔王族くらいだから」
勇者「余計な被害は出さないようにしてるんだね……」
236:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:14:53.70 ID:
wPA4xUKo0
勇者「一年振りだね、魔王」
魔王「…………」
勇者「元気ないね? 去年とは大違い」
魔王「…………勇者」
勇者「………………」
魔王「そこに……そこに、いるんだな」
魔王「勇者…………」
勇者「魔王……?」
勇者(どうして、そんなに虚ろな目をしているの)
239:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:17:18.03 ID:
wPA4xUKo0
勇者「ねえ、始めようよ。僕達戦わなくちゃいけないんだよ」
魔王「…………」
勇者「……そっちから来ないなら、こっちから行くから」
ガキィイン
勇者「ねえ、どうして防御しかしないの!?」ブンッ キィン
勇者「ちゃんと戦ってよ!」
魔王「…………」ググ
勇者「……あの時、僕が貴方を許していれば、こんな事にはならなかったのかな」
勇者「あの時、意地を張らずに、側近さん達の言うことを聞いていれば……」
勇者「貴方がこんな抜け殻みたいになることはなかったのかなあっ!」
240:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:17:53.82 ID:
wPA4xUKo0
魔王「……勇者、ごめんな」
魔王「俺さ、自分が汚されて初めて」
魔王「お前がどれほど苦しんでいたのか理解できたんだ」
勇者「……どういうこと」
魔王「…………ごめんな」
勇者(戦いたくない)
勇者(戦いたくないよ)
勇者(でも、戦わなくちゃいけないんだ)
244:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:19:54.24 ID:
wPA4xUKo0
勇者「はっ!」
魔王「うっ……」
勇者「……ねえ、本気出してよ」
勇者「そうしてくれないと、こっちだって思う存分戦えないでしょ」
勇者「本気で戦ってよっ!!」
勇者(魔王は、戦争なんて望んでいなかった)
勇者(でも、魔王じゃどうしようもないほど、開戦しそうになってるんだ)
勇者(魔王を殺せば、戦争は止められる…………!)
勇者「…………はぁああああああ!!」
ザシュッ
246:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:22:25.05 ID:
wPA4xUKo0
勇者「…………」
魔王「…………」
勇者「……ねえ、どうして避けてくれなかったの」
魔王「…………」
勇者「どうして、この手で貴方を殺さなくちゃいけなかったの」
魔王「…………」
勇者「……本当はさ、魔王のこと、そんなに嫌いじゃなかったんだよ」
勇者「最初に牢屋に連れて来られた時、怖くて怖くて仕方がなかった」
勇者「でも、貴方は……僕を殺そうとするどころか、嫌っている様子も全く見せなくて」
勇者「幼稚で馬鹿らしかったけど、ありのままで接してくれた」
252:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:24:58.20 ID:
wPA4xUKo0
勇者「そういうのがさ、気が紛れて、逆に癒しになってて」
勇者「ホラーゲームだって、元々感じてた怖さを忘れさせてくれた」
勇者「ゲームの怖さと、現実で殺されそうになる怖さってなんだか違うんだよね」
魔王「…………」
勇者「嫌がらせされたらすっごくむかつくんだけど、一人で怯えるよりはずっとマシだったし」
勇者「叫んだ後は何故かすっきりしててさ、多分ストレス解消になってたんだろうね」
魔王「…………」
253:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:26:01.26 ID:
wPA4xUKo0
勇者「魔王の言う通り、僕Mっ気があってさあ」
勇者「正直いじめられて嬉しいなんて思っちゃったりさ」
魔王「…………」
勇者「それに、ずっと一緒にいるうちに、まるで幼馴染同士がじゃれ合ってるような感覚になったんだ」
勇者「押し倒して体を触ったことだけはどうしても許せなかったし」
勇者「魔王のことを男の人として意識しちゃって、怖くなっちゃったけど」
勇者「貴方が本音で接してくれたから」
勇者「きっと分かり合えるんじゃないのかなって思ったこともあった」
254:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:27:27.86 ID:
wPA4xUKo0
勇者「もしかして、部屋の外で物音がした時、貴方は僕を守ってくれたんじゃないの?」
勇者「倒れてた人達の服装が普通の兵士さんと違ったから、そう思っただけなんだけど」
勇者「ねえ、実際はどうだったの?」
魔王「…………」
勇者「答えてよ……答えてよぉ……」
魔王「……ぅ、しゃ…………」グ
勇者「魔王…………? 生きてるの…………!?」
魔王「…………」ギュウウ
勇者「…………!?」
257:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:29:59.51 ID:
wPA4xUKo0
勇者「ま、まお…………」
魔王「…… …… …… ……」
勇者「ごめんな? って……何回謝れば気が済むの?」
魔王「…… …… …… …… ……」
勇者「え? 何て言ったの? 聞こえないよ……」
魔王「…… ……」
勇者「ね、ねえ……もう一回言ってよ……」
魔王「……」
勇者「魔王? ねえ、魔王ってば」
魔王「」
勇者「もう一回言ってってばぁ…………」
262:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:32:48.79 ID:
wPA4xUKo0
勇者(あれ……いつのまにか、手の中に……何かが…………)
勇者「髪飾り……?」
勇者「魔王、僕こんなの似合わないよ。全然女の子らしくないもん」
勇者「こんな可愛らしい飾りなんて、付けてても笑いものになるだけだよ……?」
勇者「何か言ってよ……」
勇者「どうしてこんなのくれたの?」
勇者「一体何のために? ねえ、どうして?」
勇者「誕生日、覚えていてくれたの……?」
勇者「そっか、最期は」
勇者「『おめでとう』って、言ってくれたんだ」
265:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:35:20.11 ID:
wPA4xUKo0
勇者「…………」
勇者「起きて! 起きてよ!」ユサユサ
勇者「まだ、僕は『ありがとう』って言ってない!」
勇者「セクハラなんて、責任とって結婚してくれればもう許すからさあ!」
勇者「起きて、また前みたいにいじめてよ!」
勇者「起……き…………て…………よ…………」
270:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:37:52.74 ID:
wPA4xUKo0
勇者「……………………」
魔叔父「そうか、魔王は負けたか」
勇者「……」
魔叔父「裏から上手く操って戦争を引き起こしたかったのだがねえ」
魔叔父「これでは致し方ないな」
勇者「……」
魔叔父「なあ、勇者殿。世界が欲しくはないか」
魔叔父「その力があれば、この大陸全土を支配する事も可能だろう」
魔叔父「だというのに、いつまでも国の言いなりではつまらなくないのか」
勇者「…………」
271:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:39:45.42 ID:
wPA4xUKo0
魔叔父「それにしても情けのない甥だ」
魔叔父「これほどあっさりと敗北してしまうとは」
魔叔父「いや、自ら敗北を望んだのか」
勇者「……」
魔叔父「やんちゃが過ぎるため躾けたのだが、大人しくさせすぎたようだ」
勇者「……魔王に、何をしたの」
魔叔父「なあに、ちょっと懐柔してやっただけさ」
魔叔父「意気消沈しているところを付け込むのは容易かった」
魔叔父「最初は少々生意気だったが、段々と従順になっていってね」
魔叔父「戦争を起こす旨を含むことを言えば反抗したが」
魔叔父「少し脅してやればすぐに扱いやすくなった」
272:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:41:11.36 ID:RuHtNyy70
おうふ・・・
273:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:41:44.48 ID:16nYTLDIi
叔父が叔父じゃなくて叔母とかさあ!
ホモにせなあかんかったんですか!
274:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:42:17.13 ID:
wPA4xUKo0
勇者「…………」
魔叔父「我が娘も、私に実権を握らせまいとして姿を晦ましたのであろうが」
魔叔父「無駄な足掻きだったな」
勇者「……」
魔叔父「さあ、回答を聞こうかね」
魔叔父「この大陸を共に治めないか」
勇者「…………ざけるな」
勇者「ふざけるな!」ゴオッ
魔叔父「……そうか。君の答えがそうならば、私も終わりだ。潔く死のう」
275:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:44:03.87 ID:RuHtNyy70
おじさん弱いのかよ・・・
276:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:44:48.36 ID:
wPA4xUKo0
勇者「殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる」
勇者「殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる」
勇者「殺してやる殺してやる殺してやる許さない許さない許さない許さない」
勇者「許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない」
勇者「許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない」
勇者「魔王を傷付けた、その汚い性器から打っ潰してやる」
284:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:47:19.37 ID:
wPA4xUKo0
勇者「ねえ、魔王」
勇者「僕、本当に、昨日までは、魔物も魔族も、一度も殺したことなんてなかったんだよ」
勇者「でも、僕、殺しちゃった。今日、二人も殺しちゃった」
勇者「そう、僕が殺した」
勇者「こ、ころ、ころし、ころ、ころした」ガクガクガクガク
勇者「ころ、した、ぼくがこ、ろ、したんだこ、ころ、ころ、ころ、し、た」
勇者「あかい、ち、まっか、いや、いやだ、こんなのいやああ」
勇者「ころしたしんだしんだころしたころしたころしたもううごかない」ガクガクガクガク
勇者「にくへんになってぐちゃぐちゃになってちとあぶらがひろがってぐちゃぐちゃにああああ」
勇者「僕、勇者向いてないや。虫を殺すことにすら抵抗あるもん」
勇者「ほら、髪飾りつけてみたよ」
勇者「こんな僕だけど、似合ってるかな…………?」
勇者「今、そっちに、行く……から……」
UNFORTUNATE END
286:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:47:56.63 ID:oRDrYuT70
えっ?
乙……
287:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:48:05.86 ID:VPzK6aH90
すり潰されるのか
なんだか痛いな
289:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:48:27.16 ID:RuHtNyy70
おっと、その前に俺のをぶっつぶしてもらおうか(懇願)
291:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:49:34.64 ID:vWnYYImd0
>>289
鉄球兵士「…………」ズリズリ
292:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:49:41.88 ID:
wPA4xUKo0
バッドエンド嫌いなのに
ほのぼのイチャラブエンドばかり書いているとバッドエンドを書きたくなる法則
これから分岐投下する
297:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:50:36.70 ID:1huJSIsO0
>>292 wktk
295:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:50:32.71 ID:F4T1vb0Q0
ホモの流れからおかしくなったよなwww乙
298:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:51:38.95 ID:d+xQcq5A0
ハッピーエンドも書いてくれ・・・・・
300:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:52:22.07 ID:
wPA4xUKo0
魔王(酷い夢を見た)
魔王(やけにリアルな夢だったな。まるで、実体験して戻ってきたような…………)
魔王(ただの夢じゃ……ないような気がする)
306:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:54:47.39 ID:
wPA4xUKo0
魔王(叔父上に抱かれ始めてから三ヶ月か……)
魔王(マジ気持ちわりぃ)
魔王(なんか叔父上は俺と魔従妹を結婚させようとしてみたいだけど)
魔王(俺の子供を産んでくれる人っつったら勇者しか思い浮かばないんだよな。何でだろ)
魔王(まあ、もうあいつに触れることなんてできないんだろうけどな)
魔王(仮に許してもらえたとしても)
魔王(おっさんに犯されたような野郎に抱かれたいと思う女なんていねえだろ)
ポコン
魔王(メッセか? 誰だよこんな時に。無視でいいか)
ポコン ポコン ポコン
魔王(っだー! るっせえ! 見りゃあいんだろ見りゃあ)
309:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:57:23.46 ID:
wPA4xUKo0
北東魔王:お前最近元気なさげだけどどうしたの?
北東魔王:おい答えろよ
北東魔王:答えろやDT
北東魔王:ちなみに俺DT卒業したからwww
魔王(うぜえ……俺なんて非処女だよほっといてくれ)
魔王:お前にゃ俺の気持ちなんてわかんねえよ
北東魔王:なんという思春期
北東魔王:心配だからメッセしてやってんのに
魔王:ほっとけ。お前みたいな暇人ゲーオタとは違うんだよ
北東魔王:俺だって人間との交渉で頑張ってんだぞ?
北東魔王:はやくあったけえ土地に住みてえし
310:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:57:55.12 ID:
wPA4xUKo0
北東魔王:お前のとこ、和平が決裂しそうだって聞いたけどどうなの
魔王:叔父上はなんとかなるだろっつってるけど
魔王:どうせ俺の見えないところで人間との戦争を起こそうとしてるんだろうな
北東魔王:その叔父さんまずくね? 解雇しろよ
魔王:無理だって
北東魔王:何で
魔王:だって叔父上だぞ? 親父の弟だぞ?
北東魔王:だから何だよ
魔王:は?
北東魔王:まあお前まだガキだもんな大人怖いよな
312:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:59:31.04 ID:
wPA4xUKo0
北東魔王:お前の親父さんには何か言ったのか? メッセで連絡取れるだろ
魔王:親父は叔父上を信用してるし何言っても無駄
北東魔王:じゃあさ、お前の国で一番偉いの誰だよ
魔王:俺。でも叔父上がかなり権力握ってるし
北東魔王:じゃあお前と叔父さんが戦って勝つのはどっちだよ
魔王:俺だろ。魔王の力継承したし
北東魔王:ならこわがんなよ
魔王:力使ったら制御できなくて暴走するかもしれねんだもん
魔王:俺お前と違って上手く魔王の力扱えねえし
北東魔王:お前だせえ
魔王:は?
北東魔王:だっっっっっせえええええええええ
313:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:00:39.87 ID:XczopUbfO
北東マジ良いヤツ
314:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:01:12.07 ID:eK2+E5Tf0
北東イケメンだなこいつ
315:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:01:12.44 ID:
wPA4xUKo0
北東魔王:少しくらい暴走してもいいだろ
北東魔王:そっちの大陸の魔王はお前だろ?
北東魔王:邪魔な奴とか、権力握り過ぎてる奴とかはとことん排除すりゃいいんだよ
北東魔王:人間のじめじめした政府じゃねえんだからさ
北東魔王:いくらなんでもお前怖がりすぎwww
魔王:それができりゃ苦労してねえよ
北東魔王:だっせええええ
魔王:お前こそ男に掘られたことあんのかよ? あ?
北東魔王:ねえよ
北東魔王:西魔王はあるらしいけど
魔王:へ?
316:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:01:29.77 ID:eK2+E5Tf0
西ェ・・・
319:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:02:51.59 ID:
wPA4xUKo0
北東魔王:ガキの頃ずっと親兄弟に掘られ続けてたらしい。カワイソス
魔王:マジ?
北東魔王:当時はめっちゃ塞ぎこんでたな。今のお前みたいに
北東魔王:あ、俺がバラしたこと言うなよ。他人に知られるの嫌がってたから
北東魔王:その上、一番上の兄貴が死ぬ前までは魔王に必要な訓練受けてなかったらしい
北東魔王:まあそういう奴でもちゃんと魔王やってんだしお前も元気出せや
魔王:あいつ元々勉強はできたんだろ
魔王:俺どうせ落ちこぼれだし
北東魔王:だからそうネガティブなのがだせえんだって
北東魔王:お前は魔王らしくすればいいんだよ
北東魔王:かなり悲惨な目に遭ってても魔王続けてる奴なんてたくさんいるし
北東魔王:まだ親父さんや叔父さんのことが怖いかもしんねえけど
北東魔王:今の魔王はお前なんだから多少のわがままくらいゴリ押しでも通しちまえよ
320:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:04:35.83 ID:
wPA4xUKo0
魔王(俺より悲惨な奴もいるんだな)
魔王(へこんでるのがアホ臭くなってきた)
魔王:わかったよ頑張りゃいいんだろ頑張りゃあ
北東魔王:そうそう。なんかお前危なっかしくて心配なんだよなあ。俺と境遇似てるし
北東魔王:まだガキだったのに魔王とかいう重苦しい仕事押し付けられてさ
北東魔王:親父無責任すぎだっての
魔王:帰って来たらボコるわ
北東魔王:ボコりてえのに俺の親父行方不明なんだよなくそっ
北東魔王:他なんか悩みとかある?
魔王:好きな女の子に嫌われた
北東魔王:何したんだよ
魔王:いじめまくった挙句セクハラした
北東魔王:馬鹿だろお前
321:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:07:12.10 ID:
wPA4xUKo0
北東魔王:元いじめられっ子の俺に何てことを言うんだ
魔王:お前が言えっつったんだろ……
魔王:何かいじめてる内に親近感沸いてさ
魔王:なんとなーく仲良くなったような気がしたんだよ
魔王:で、怖くて怒ってるところを見たくてセクハラしたら本気で悲しませてしまったというか
北東魔王:うわあ
北東魔王:ちゃんと謝ったのか?
魔王:謝ったけど聞き入れてもらえなかったんだよ殺してくれ
魔王:しかもあいつ故郷に帰っちまったからもう会えねえし
北東魔王:あちゃー
北東魔王:まあお前から会いに行くなりしてもっかい謝っとけ
北東魔王:じゃあ嫁がピク○ン誘ってるから落ちるわ
北東魔王:お前も一段落ついたらス○ブラ付き合えよ
北東魔王:何かあったら言えよ。先輩たくさんいるんだから
324:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:08:56.77 ID:
wPA4xUKo0
魔王(こいつ、しばらく話さない内に大人っぽくなってやがる)
魔王(うぜえのは治ってねえけど)
魔叔父「魔王、私の部屋に来なさい」
魔王「…………」
魔叔父「ベッドに行って服を脱ぎなさい」
魔王(どうして今までこいつの言うことなんて聞いていたんだ)
魔王(こいつの権力が厄介なら)
魔王(分捕れば良いだけじゃないか)
魔叔父「……魔王」
魔王「…………いい加減きめえんだよ」
326:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:09:51.39 ID:
wPA4xUKo0
魔王「散々嬲りやがってよお!」ドゴォッ
魔叔父「うぐふっ!?」
魔王「男を犯して一体何が楽しいんだよ!? あ゛あ゛!?」
魔王「てめえの操り人形なんてもうこりごりだっつの!!」ドガッドガッ
魔叔父「ぐぅっ……魔王、わかっておるのか」
魔叔父「私に手を出せば……」
魔王「魔の王は俺なんだよお前なんかじゃねえ!」
魔王「親父の弟だからって偉そうにしてんじゃねえよ!」ドスッドスッ
魔王「よくも魔従妹を駒扱いしたな」
魔王「よくも俺を犯しやがったな!」
魔王「よくも勇者を殺そうとしたな!!」
328:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:11:45.59 ID:
wPA4xUKo0
魔叔父「この、ことが知れれ、ばお前も、もう人前には」
魔王「お前だって同じだろ!? 魔王を凌辱していた上」
魔王「それが原因で男じゃなくなったなんて知れたらなあ……?」
魔叔父「な、何をする気だ」
魔王「引っこ抜いてやるよ、お前のそのきたねえ棒」
魔王「玉まで全部打っ潰してやる」
330:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:12:20.67 ID:
wPA4xUKo0
側近「この頃、覇気がお戻りになられましたね」
魔王「まあな」
魔王(胸糞悪さは残るが、何もしないよりはマシだったな)
魔王「戦争起こしたがってる奴等を黙らせるぞ」
魔王「どうせ叔父貴が裏から煽ってたんだろ?」
魔王「あいつはもうまともに動けねえから」
魔王「容赦なくやっちまえ」
331:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:13:34.33 ID:TwfqaykO0
いいぞもっとやれ
333:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:14:18.38 ID:uMkOimyB0
やればできるじゃないか
334:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:14:23.55 ID:
wPA4xUKo0
三ヶ月後
側近「だいぶダメージは与えなのですが」
側近「完全な制圧は困難だと思われます」
魔王「マジかよ」
側近「貴方が直接潰しに行ってくださいよ」
魔王「下手に魔王の力使ったら関係ない者まで巻き込みかねないしなあ」
魔王「ちょっと人間の国行ってくるわ」
側近「……はい?」
魔王「ちょっと考えがあるし」
魔王「どっちにしろ用があるし」
336:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:16:45.19 ID:
wPA4xUKo0
勇者(お兄ちゃん、今頃何処にいるんだろう)
勇者(魔従妹さんを誘拐したとかって噂が立ってるけど……)
勇者(戦争、起こらなければ良いんだけどなあ)
勇者(魔王も、必死に開戦を防ごうと頑張ってるみたいだし)
勇者(……今頃どうしてるんだろ)
勇者「あーもうばかばかばかばか!」ジタバタ
勇者「魔王のいじめっ子! 変態! スケベ!」ジタジタ
勇者「変態変態変態変態!!」バタバタ
魔王「だからごめんって…………」
勇者「うぇっ……?」ポカーン
337:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:17:16.16 ID:OYZiOvlt0
おしり・・・立派になったなぁ・・・
338:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:18:00.21 ID:RuHtNyy70
おしりじゃなくて勇者ちゃん、やで?(ニッコリ)
340:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:19:23.32 ID:
wPA4xUKo0
勇者「ひびゃあああなんかいる!?」
魔王「……会いに来ちまった」
勇者「どどどどうしてここがわかったの!?」
魔王「お前の魔力を追うくらい簡単だ」
勇者「いやででででもこっちに魔王が来てるって他人にバレたら大変な事に」
魔王「だから手短に済ませたい」
勇者「…………何の用」
魔王「その……」
魔王「すまなかった!!」ドゲザァッ
342:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:21:21.31 ID:
wPA4xUKo0
勇者「…………!?」
魔王「マジでごめん。ごめんごめんごめん」ズリズリ
勇者「……」
魔王「お前の気持ちが痛過ぎるほどよくわかった」
勇者「……どういうこと」
魔王「叔父貴に犯された」
勇者「えっ……?」
魔王「お前をいじめていたバチが当たったんだろうな」
魔王「抵抗しようにも、押し倒されたら体に力が入らなくなって」
魔王「なんかもう上手く表現できないけどすっげえ怖いんだよな」
魔王「叔父貴に犯されて初めて、お前がどれほどの恐怖を味わったのか理解できた」
勇者(どういうことなの……)
345:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:22:44.73 ID:
wPA4xUKo0
魔王「だから好きなだけ、殴るなり蹴るなりしてくれ」
魔王「お前が苦しんだ分痛めつけろ」
勇者「そ、そんなこと言われても」
魔王「…………あーやっぱ駄目だわ」
魔王「俺なんかに触ったらお前が汚れちまう」
魔王「おっさんに撫で繰り回された上舐められまくった体なんて気持ち悪いだろ!?」
勇者「うん超気持ち悪い」
魔王「…………」グサッ
348:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:24:52.26 ID:
wPA4xUKo0
勇者「……でもさ、そんなことされて一番気持ち悪い思いをしたのは魔王でしょ」
勇者「よくわかんないけど、僕なんかよりずっとつらい目に遭ったんだよね」
勇者「…………かなり苦労してるみたいだし、もういいよ」
魔王「許して……くれるのか……?」
勇者「許さないと何回でも謝るでしょ?」
勇者「それはそれで激しくうざい」
魔王「……ごめん」
勇者「……冗談だよ」
勇者「こっちの気持ちを分かってくれたどころか」
勇者「僕が経験したことがないほど苦しんでるでしょ」
勇者「そんな相手を許さない方が、僕にとっては難しいから」
349:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:26:58.73 ID:
wPA4xUKo0
勇者「……魔王のことなんて大っ嫌いなはずなのにさ」
勇者「離れたら、なんだか寂しかった」ギュウ
魔王「ゆ……うしゃ……?」
勇者「あんなにいじめられたのにさあ……何でかな? 僕、おかしいよ」
魔王「勇者、俺なんかに触ったら」
勇者「そんなの関係ない!」ギュッ
勇者「捕らえられている時、貴方が一緒にいてくれたら安心したの」
勇者「すっごく嫌な奴だったのに、本当に何でだろうね?」
360:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:41:48.69 ID:CZdlJ0F90
魔王「……お前さ、怒ってる時の方が元気に見えるんだよな」
魔王「初めてお前を見た時、お前、怯えて震えてたんだ」
魔王「どうせなら、ひたすら叫ぶ方が楽しいだろ……?」
勇者「……ばーか。ドS」
魔王「お前こそドMだろ」
勇者「違うもん」
魔王「あ……もう日付回ったか?」
勇者「……12時丁度だね」
魔王「…………これ。受け取ってほしい」
362:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:44:31.64 ID:CZdlJ0F90
勇者「何これ……髪飾り?」
魔王「……何渡せばいいのかわかんなくてさ」
魔王「今日……誕生日だろ」
勇者「何で覚えてるの?」
魔王「……去年渡せなかったことが心残りだったからな」
勇者「……そっか」
魔王「…………おめでとう」ボソ
勇者「…………ありがと」カアア
366:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:47:01.61 ID:CZdlJ0F90
魔王「……勇者、戦争を止めたいか」
勇者「当たり前でしょ」
魔王「なら、協力してくれないか」
勇者「僕が協力すれば、止められるの?」
魔王「ああ。一緒に開戦を望む輩を制圧しないか」
勇者「する! 絶対する!」
魔王「あ、あとさ」
勇者「何? 子供はもう寝る時間」
魔王「…………お前さえ、良ければさ」
魔王「…………結婚して、責任取りたいなって」
魔王「あーでも断るに決まってるよな! ごめん! 帰るわ!」
勇者「えーちょっと待ってよ!」
368:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:49:31.91 ID:CZdlJ0F90
魔王「だって俺散々お前をいじめてたし!」
勇者「それももういいから! というかいじめられてなかったら逆に精神死んでたし!」
魔王「どういうことだよ」
勇者「…………あーもう自分でもよくわかんないよ!」
勇者「心の整理がついたら教えるから!」
魔王「……じゃあ、どうすんだよ」
勇者「まだ僕13歳になったばかりだよ!? 結婚なんてよくわかんないって!」
勇者「でも、大人になったらそういう気になるかもしれないし!」
勇者「……それに…………」ガシッ
369:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:50:09.22 ID:KgglnWZHO
なるほど
370:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:51:39.51 ID:RuHtNyy70
お・・・?オッ・・・オフッ・・・・
371:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:52:07.82 ID:CZdlJ0F90
勇者「…………すき。なんでかよくわかんないけど、すき」
魔王「なっ…………」カアア
勇者「密着してゲームした時なんてさ……ゲームが怖いのとは別の理由でドキドキしちゃって…………」
魔王「お、俺、お前に嫌われる覚えならたくさんあるけど」
魔王「好かれる覚えは全くないぞ」
勇者「……」
魔王「やっぱおまえまz」
勇者「違うもん!!」
魔王「じゃあ何でだよ!?」
勇者「わかんないよそんなの! 落ち着いてから言うから!」
魔王「やーいマゾヒストー」
勇者「ムキイィィイイイイ」
373:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:54:43.85 ID:CZdlJ0F90
開戦は防がれた。
決裂しかけた和睦の修繕には相当の時間と労力を要したが、
魔王と勇者の決死の努力により、平和は保たれた。
魔王「叔父貴がオカマ趣味に目覚めた」
勇者「えええ」
魔王「男根引っこ抜いたのは俺なんだが、まさかこんなことになるとは……」
側近「まあ良いんじゃないですか」
側近「すっかり腑抜けて大陸の征服なんて考えなくなりましたし」
サキュ「でも流石にみっともなさすぎだしい」
サキュ「お顔のお手入れの仕方は教えてあげようかしら……」
鉄球兵士「魔王陛下、平和になりましたし休暇を頂きたいのですが」
374:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:55:31.03 ID:DkhYwfpW0
鉄球さん・・・喋れたのか!
375:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:55:53.08 ID:OYZiOvlt0
まさかのオカマ化www
379:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:56:27.25 ID:ckBZudWri
喋れるのかよww
380:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:57:09.22 ID:d+xQcq5A0
なんで今まで黙ってたし
381:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:57:15.08 ID:CZdlJ0F90
魔王「ああ、しばらく休め……って、お前喋れたのか。いつもテレパシーだけだったのに」
鉄球兵士「娘に声が気持ち悪いと言われていたのですが」
鉄球兵士「昨日届いた手紙に、普通に話しても良いと書いてありましたので」
魔王「何だそれ……」
勇者「でも良かったね! 娘さんに会えるよ」
側近「まあ最近やっと落ち着いてきましたし、他の部下にも休暇を与えましょうか」
側近「あ、そうそう」
384:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:59:47.71 ID:CZdlJ0F90
側近「結婚式の日取りの相談がまだでしたね」
勇者「ん…………」カアア
勇者「お兄ちゃん達も見つかったし、招待したいな」
勇者「ああでもほんとにいつにしよう? な、なんか心臓がドクドクしてきた」
魔王「あー……まあゆっくり考えれば良いだろ。急ぐもんじゃなし」
勇者「……結婚しても、あんまりいじめちゃやだよ」
魔王「大切にするけどよ、お前いじめられたら絶対喜んでるだろ」
勇者「そんなことないもん! んもー!」
魔王「くくく……」
勇者「…………幸せにしてね」
FORTUNATE END
385:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:00:33.43 ID:1huJSIsO0
おつ!!
386:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:01:01.24 ID:DkhYwfpW0
激しく乙!
387:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:01:07.35 ID:VPzK6aH90
ありがとう!!
おつかれ!!
389:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:01:33.65 ID:SUQdiYwn0
おつ!!!!!!!
391:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:02:10.93 ID:d+xQcq5A0
ちょうど2時か
おつかれ
408:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 03:01:59.68 ID:14sSun2n0
バッドエンドの時は散々罵ってた輩が乙とか言ってると思うと胸熱
393:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:02:24.38 ID:tV3fnigc0
よっしゃ寝るぞ
394:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:02:25.43 ID:CZdlJ0F90
402:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:14:37.61 ID:tPBF6kOw0
>>394
やっぱり繋がってたんだな
今回も面白かった完結乙~
395:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:03:02.22 ID:GZjSOQ670
ニヤニヤしながら読んでた
400:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:09:03.55 ID:U6APQYYF0
乙
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