1:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 20:18:36.33 ID:
bSATVgjx0
地下の独房
魔王「ほおーれほおーれ毛虫だぞー」
勇者「いひゃああああああ」
魔王(割りばしに毛虫を乗せて近づけるだけでもこの反応とは)
魔王「毛虫だぞー?」
勇者「近づけないでえええええ」ガシャガシャ
魔王「くくっふはははは!」
××な彼女のつくりかた2
2:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 20:20:37.40 ID:
bSATVgjx0
魔王「楽しかったぞ」
側近「まったく……人質を弄ぶのは程々にしてくださいね」
魔王「殺さない程度にしておこう」
側近「いや殺したら人間との交渉が成り立たなくなりますから」
魔王「わかってるわかってる」
側近「こっちだって魔従妹様を人質に取られているのですから」
魔王「わかってるっての」
側近「あんまりやりすぎると極悪非道だと思われますよ」
魔王「人間からしたら魔王なんて元々そんなもんだろう」
側近「それもそうですが……」
魔王「それにあいつ、いじめた方が元気になるし」
5:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 20:23:36.81 ID:
bSATVgjx0
魔王「大画面でホラーゲームをプレイしてやろう」
勇者「や、やめて!」
ヒギャアアアア バンッ バンッ ユルサナイ…… ユルサナイ……
勇者「ひっひいいい!」
勇者「せめて目を閉じ続けることが出来ないようにする魔法だけでも解いてよおお」
魔王「瞬き程度しかできぬものなあくっくっくっ」
勇者(首も魔法で固定されてるし!)
勇者「い、いや、お化けが来るううううう!」
魔王「お前は仮にも勇者であろう?」
魔王「この程度で怖がってどうする」
勇者「呪われるううういやああああ幽霊いやああああああ」ガシャンガシャン
魔王「くくっくくくくく」
9:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 20:26:47.10 ID:
bSATVgjx0
勇者「もう一人でトイレ行けない……いや牢屋の中についてるんだけどね」
魔王「お前が用を足しているところをまじまじと観察してやろうか」
勇者「やめてよ! 無理! 変態!」
魔王「変態で結構だ」
勇者「えええ……」
魔王「男なんて皆変態だ」
勇者「し、紳士な人だっているもん!」
勇者「僕のお兄ちゃん、すっっっごく格好良いんだから!」
魔王「俺よりも?」
勇者「魔王よりもずうぅっっっっっっっっっっっと!!」
魔王「……ふーん」
8:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 20:26:04.40 ID:yCUIOzGH0
かわいい
10:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 20:27:35.01 ID:Jy93RAHX0
ロリじゃなくて少女と書くあたりにセンスを感じた
11:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 20:29:45.11 ID:
bSATVgjx0
魔王「ちょっと待ってろ。飯を持ってこさせる」
勇者「……まともなご飯なんだよね?」
魔王「よし食え」パカッ
勇者「…………」サァー
勇者「……この青紫色の物体何? 異臭もしてるんだけど…………」
魔王「食わぬのか? 食わぬのか?」
勇者「食べられないよ……人間の食べ物じゃない……」
魔王「好き嫌いは良くないぞ?」
勇者「っ!?」
魔王「ほら、料理が勇者に食べてほしいと泣いておるぞ?」
勇者「え……」
12:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 20:32:45.76 ID:
bSATVgjx0
魔王「このまま食べず、食べ物を粗末にするのか?」
魔王「人間とは卑劣な生き物よのう……」
勇者「う……たべ、るよ…………」
勇者「食べ物さん、可哀想だもん……」ゴクリ
勇者(スプーンですくって……)ヌチャ
勇者(口まで運ばなきゃ…………)プルプル
魔王「…………」
勇者「……………………」ドクッドクッドクッドクッ
勇者「い、いた……だき…………ま…………」プルプル
13:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 20:35:49.69 ID:
bSATVgjx0
魔王「ククッ……ブフォッくはははははは!」
魔王「それが本当に食い物だと思ったのか? くははははは!!」
勇者「え……?」ポカーン
魔王「これほど簡単に騙せるとはww腹がよじれるwwww」ダンダンダン
勇者「うそ……ついたの…………?」カラン
魔王「安心しろ、まともな飯も用意してある」
勇者「ひどい…………」
15:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 20:38:47.62 ID:
bSATVgjx0
一方人間の国
魔従妹「ふう……お茶がおいしいですわ」
勇者兄「此処の居心地はどうだい」
魔従妹「悪くありませんわ」
魔従妹「私は人質だというのに、こんなに丁寧にもてなしていただけるなんて」
魔従妹「部屋も綺麗ですし」
勇者兄「人質だからこそだよ。乱暴にしたら、魔族との交渉が上手くいかなくなるからね」
魔従妹「向こうに捕らえられているのは貴方の妹さんでしょう?」
魔従妹「酷い扱いを受けていなければ良いのですが……」
勇者兄「きっと大丈夫さ。魔族もおそらくこちらと同じ考えのはず」
魔従妹「我が従兄(じゅうけい)が、妹さんに危害を加えていないことを祈ります……」
17:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 20:41:47.89 ID:
bSATVgjx0
勇者「…………」ブスッ
魔王「そう拗ねるな」
勇者「…………」ツーン
魔王「詫びの品だ」プリンッ
勇者(……緑色のゼリー?)
魔王「メロン味だ」
勇者「……本当なんだよね?」
魔王「さあ食え」
勇者「…………」ツンツン
キラキラプルプル
勇者「………………」クチュ アム
18:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 20:44:49.87 ID:
bSATVgjx0
勇者「っ……!?」
勇者「うっうぁぁ……ああぁぁぁ……」
魔王「ブフゥッ……ククククク……」
勇者「にがああぁぁぁ……」
魔王「本当にメロン味だと思ったか?」
魔王「それはゴーヤ味だwww」ダンダンダン
勇者「も、もったいないから食べるもん……食べられない味じゃないもん……」
魔王「妙に真面目だなwだから余計騙しやすいんだがww」
勇者(苦い……)
魔王「なあなあどんな味? こんなの食べてどんな気分?」
勇者「…………」ムカッ
魔王「魔族の間では大ブレイクしているが、人間のお前にとってはただ苦いだけであろう?」
19:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 20:47:23.10 ID:bjuq89Cn0
なんつーか、よわっちぃ勇者っスね
(よくなれたな勇者に・・・)ボソ
22:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 20:48:35.84 ID:
bSATVgjx0
>>19
勇者の一族というだけで
正式に勇者になったわけではないようです
33:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 20:57:16.91 ID:bjuq89Cn0
>>22
なるほど、了解した
20:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 20:47:51.03 ID:
bSATVgjx0
勇者「うるさいよっ」
魔王「すまん」
勇者「……お母さんが、時々ゴーヤのお料理作ってくれたの」
勇者「それ、すっごくおいしかったから」
勇者「オキ・ナーワ国民じゃないけど、ゴーヤそのものには慣れてるの」
勇者(お母さん、心配してるだろうな……)
魔王(母親が恋しそうだ)
魔王(ちょっと可哀想かもしれない)
魔王(母親代わりを用意してやろう)
25:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 20:50:50.89 ID:
bSATVgjx0
サキュバス「はじめまして勇者ちゃあん。私サキュバスっていうの。よろしくねえ」ボイン
勇者「は、はあ」
勇者(すごいナイスバディ……ぼんきゅっぼんだ……)
サキュ「おうちに帰れなくて寂しいでしょう?」
サキュ「私が癒してあ・げ・るぅv」ギュ
勇者「え、ちょっ」
勇者(女同士なのに刺激が強すぎぎるるるうう)
サキュ「ん……か・わ・いv」ギュムウ
勇者「は、はなひへっ」
勇者(おっぱいで溺れ死ぬううううう)
魔王(ふむ、良い眺めだ)
26:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 20:52:32.17 ID:mFyOkPxe0
これはいい拷問だ
続けてください
27:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 20:53:38.54 ID:yCUIOzGH0
ほほうこれはよい
続けたまえ
28:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 20:53:57.45 ID:
bSATVgjx0
サキュ「あん、勇者ちゃん、年齢はいくつなの?」サスサス
勇者「も、もうすぐじゅうにさいれふう」
勇者(肩撫でられてる……)
サキュ「そうなのぉ、じゃあお胸はこれから大きくなるのね?」サワ
勇者「ひぃぁっ!?」
サキュ「安心して、乱暴にはしないからぁ……」
勇者「ひぁめて! ひゃめええ!」
勇者「そこさわっちゃだめえ!」
サキュ「恥ずかしがらなくて良いのよ」
勇者「あぅっだめえっ!」
魔王(うほっ)
30:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 20:55:36.59 ID:BwctTgghO
ふぅ
31:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 20:56:06.46 ID:Ch2rXWg2O
やめろ!
勇者ちゃんを拷問するくらいなら俺が代わる!
32:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 20:56:53.83 ID:
bSATVgjx0
勇者(やっと解放された……)ゼハー
勇者(さっきの魔族淫魔だよね?)
勇者(ちょっと触られて済んだだけマシか……)
魔王「くくく……」
勇者「この変態スケベ!」
魔王「お前が寂しそうだったから女を用意してやったと言うのに」
勇者「何それ!?」
魔王「まだかーちゃんに甘えたい年頃だろう?」
勇者「僕のお母さん貧乳だもん! ああいうナイスバディの人を呼んでも無駄だからね!」
魔王「貧乳なサキュバスか……側近に言って探させるか」
勇者「何でそうなるの!? そもそもお母さんの代わりになる人なんていないし!」
魔王「ぐぬぅ……」
35:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:00:19.31 ID:
bSATVgjx0
魔王「淫魔は、夢の中であれば対象の理想の姿になることができるのだがな……」
勇者「淫魔がお母さんの姿に変身しても全く嬉しくないし」
勇者「理想の姿って、え……えっちをしたい相手の姿になるってことでしょ?」
勇者「なんかいろいろと違う気がする」
魔王「お前はどのような相手に抱かれたいんだ?」
勇者「まだそういうことする年頃じゃない!」
魔王「人間はどのくらいの年齢で性交をするのだ」
勇者「子供の前でそういうこと言わないでよ!」
勇者「……赤ちゃんを産むのは16歳くらいだと思うけど」
魔王「ふむ。そうか」
36:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:03:22.23 ID:
bSATVgjx0
魔王「ほお~れほお~れ人間の腕だぞ~もぎたてだぞ~」
勇者「ひいいいいい」
魔王「まだ血肉が生暖かいぞ?」
勇者「いひゃあぁああぁああああ」
魔王(あ~良いわ~この恐怖と気色の悪さに怯える表情)
勇者「うっうぅ……うぷ……」
魔王「どうした? 吐きそうか?」
魔王「勇者の一族なのにか? 剣で敵をバッサバッサと斬るのが仕事の一族なのにか?」
勇者「相手を戦闘不能にはするけど……殺したりしたことはないし……」
勇者「おええ……やば……吐きそう……といれ……」
魔王「この腕偽物なのにか?」
勇者「え?」
魔王「精巧な偽物に決まっておるだろうがwww」
37:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:06:22.14 ID:
bSATVgjx0
勇者「…………」
魔王「よぉ~く近くで見てみろw紛い物だぞw」
勇者「別にいいよ……見たくなんてない……おえぇ」ムスッ
魔王「お前何回騙されれば学習するの?」
勇者「…………ほっといてよ」プイッ
魔王「ぷぷっくくく」
勇者「……そっちこそ精神年齢いくつ? こんな風に何回も幼稚にいやがらせしてきてさ」
魔王「そのことに関してはほっといてくれ」
39:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:09:23.41 ID:
bSATVgjx0
魔王「ほぉ~ら鉄球兵士を連れてきてやったぞぉ?」
鉄球兵士「……」ガシャンガシャン
勇者「……!?」
魔王「怖いだろぉ~恐ろしいだろ~」
鉄球兵士「…………」ゴゴゴガガ
勇者「…………か、かっこいい!!」
魔王「え?」
鉄球兵士「!?」ゴガッ!?
40:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:12:23.03 ID:
bSATVgjx0
魔王「なんだと……」
勇者「ゼ○伝に出てたね! うわあ、生で本物を見れるなんて……!」
鉄球兵士「…………」ドキッ
勇者「ねえねえ、サインちょうだい!」
鉄球兵士「……」ブンブン
勇者「え? だめなの? 鉄球兵士さん格好良いのになぁ~」
鉄球兵士「……」テレテレ
魔王(怖がると思ったのに……)
勇者(敢えて喜べば面白くなくなって飽きるかもしれない)
魔王(もっと怖がらせるにはどうしたら良いのだろうか)
41:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:14:04.25 ID:mFyOkPxe0
鉄球兵士可愛いんだけどwww
42:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:15:07.71 ID:C77+1/QS0
仲いいな
43:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:15:31.09 ID:
bSATVgjx0
魔王「大画面ではないが」
勇者「……」
魔王「貴様の目の前でホラゲーをプレイしてやろう」ジリ ジリ
勇者「ちょ」
魔王「くっくっく」
勇者「こっち来ないで!」
魔王「くくく……」
勇者「ひぃぃ!」
魔王「よし俺の膝に乗れ」
勇者「乗らない!」
魔王「魔法でお前の身体を操ってやろうか」
勇者「……わかったよ行けばいいんでしょ行けば!!」
46:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:18:26.67 ID:
bSATVgjx0
勇者「……けど、その前に」
魔王「何だ」
勇者「ちょっとだけ出てって」
魔王「理由は? なあなあ理由は?」
勇者「……トイレするの! 言わせないでよ!」
魔王「俺の目の前ですれば良いであろう」
勇者「いや!」
魔王「なら我慢しろ」
勇者「漏れちゃうよ!」
魔王「構わん漏らせ」
勇者「…………」
魔王「何だそのゴミを見るような目は」
魔王「わかった出て行けばいいんだろう。二分後に戻ってくるからな」
47:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:22:27.51 ID:
bSATVgjx0
二分後
勇者「……」チョコン
勇者(NI○T○NDO○S……?)
魔王「よく見ていろよ」カパッ
勇者「…………」
魔王「ちゃんと見ていなかったら魔法で体を拘束して」
魔王「この間と同じように、強制的に視界に入るようにしてやるからな」
勇者「…………わかったよ」
勇者(何で魔王なんかと密着しなきゃいけないの)
魔王(小尻の感触が……やばい)
魔王(反応するなよ……)
49:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:24:02.55 ID:C77+1/QS0
このロリコンめ
50:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:25:32.40 ID:
bSATVgjx0
魔王「ナナ○ノゲ○ムというソフトだ」
勇者「……あそ」
魔王「…………」
勇者「…………」
魔王「おおう早速死体だ」
勇者「…………あそ」
魔王「怖くないのか?」
勇者「別に……こ、怖くなんてないもん…………」
魔王「本当にか? ほんとぉ~にぃ~?」
勇者「しつこい!」
51:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:27:53.08 ID:F9Ht5Lzm0
53:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:28:33.80 ID:
bSATVgjx0
…………
……
勇者「ひぎぃ!?」
魔王「やはり怖いのではないか」
勇者「そりゃいきなり天井から『ばぁ!』ってされたらびっくりするよ!」
勇者「怖いんじゃなくて驚いただけだから!」
魔王「…………そうかそうか!」
勇者「間を置いてるのがむかつく……」
勇者「ここ、処理落ちでさ」
魔王「ああ」
勇者「女の子のスカートの前の所だけ……」
魔王「一瞬表示されなくなっているな」
勇者「スカートめくってサービスしてるみたい」
54:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:31:36.26 ID:
bSATVgjx0
勇者「ホラーなのになんか怖くなくなってきた」
魔王「やはり怖かったのだろう」
勇者「うっ……そりゃポリゴン気味が悪いし……」
勇者「やっと終わった……」
魔王「よし続編やるぞ」
勇者「え? まだあるの?」
魔王「ナ○シノ○エムEYEだ」
勇者「縦にしてプレイするのってさ……」
魔王「愛プラスとか言うなよ」
勇者「ちえっ」
57:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:34:39.27 ID:
bSATVgjx0
…………
……
魔王「怖くなかったか?」
勇者「流石に慣れた」
魔王「くそっ」
勇者「ラスボスに捕まった時の顔のドアップは気持ち悪かったけど」
勇者「段々敵の顔がぷ○ちょに見えてきたし」
魔王「言われれば似ているな」
魔王(次は別方向のホラゲ―を用意しておこう)
59:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:37:36.04 ID:
bSATVgjx0
魔王「『くまぜみの吠える頃に』だ。怖いと評判だぞ」
勇者「アニメは全部見た」
魔王「アニメのみを見るのは低レベルだ。原作をやってこそこれの価値がわかる」
勇者「それは耳にタコができるくらい聞いたよ……」
魔王(ふむ……効果音が非常に不気味だ。実際にプレイしているこっちが怖くなってきた)
勇者「話には聞いてたけど、やっぱりアニメってかなり省いてたんだね」
勇者「ああーこういう考察もできるのか……これかなり重要な伏線だよね……」
魔王(普通に楽しんでいる……だと……?)
勇者「文章メインっていうのも、キャラの壊れっぷりが頭に浮かんで逆に深みがあるかも」
魔王(くそっ……)
魔王(こうなったら原点回帰だ)
61:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:40:40.45 ID:
bSATVgjx0
魔王「ほお~れほお~れゴキブリだぞ~」
勇者「うあぁあぁああああ!! やめてえ!」
魔王「割り箸で挟まれて、抜け出そうと必死にもがいている元気なゴキブリだぞ~」
勇者「同じ命だってことは分かってるけど生理的に無理いいいいいい!!」
魔王「俺がうっかり指を滑らせたら……大変なことになるなぁ?」
勇者「ひぁめてえええ!!」
魔王「カサカサと素早くお前の身体を駆け上り、衣服の中に侵入し……」
勇者「ぎぁああぁあああああああ」
魔王(そうだこの表情だ)
66:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:43:38.84 ID:
bSATVgjx0
魔王「やがてお前の顔を犯すのだろうなぁ」
勇者「ゴキブリさんごめんどっか行ってええええ」
ゴキ「キモチワルクテ ゴメンネ!」ワタワタ
魔王「ほおーれほおーれ」
勇者「いひゃあああああ!!」
魔王「あ」ポロッ
勇者「え?」
ゴキ「ワーイ ジユウダー」カサカサカサカサ
勇者「こっちこないでええええ!!」
ゴキ「ワーイワーイ」カサカサカサカサ
勇者「いぎゃあああああ!!」ガキィン
魔王「あれ?」
67:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:44:25.27 ID:u08x0Roo0
いやああああああ!!!
68:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:45:14.56 ID:C77+1/QS0
今の音は何だ
72:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:46:39.06 ID:
bSATVgjx0
勇者「ひいいいいい」バタバタ
ゴキ「オネエチャン マッテー」カサカサカサカサ
魔王(手枷に繋いでいた鎖が千切れただと……)
勇者「助けてえええええええ!!」
魔王(火事場の馬鹿力か……)
…………
……
勇者「ぜは……死ぬかと思った……」
魔王「鎖を新調する破目になった」
勇者「も……虫系はだめぇ……」
魔王(反応は良いが、事故が起こって危険すぎるな……)
魔王(ホラゲーじゃなくてホラー映画だとどうなるだろうか)
73:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:48:22.81 ID:
bSATVgjx0
勇者「ひぃっ」
魔王(ホームシアター設置した。スピーカーの位置を工夫し、立体音響になるよう設備を整えた)
魔王(これは恐ろしいだろう)
勇者(出てくる出てくる幽霊出てくるううぅぅ)
ショギャアアァアアァアアアア
勇者「ひぎゃあああああ!!」
魔王(そうだ、この声だ。この恐怖に歪んだ表情だ)
勇者「ひいぃぃいいい」バタバタ
魔王(映画には耐性がないようだ。くっくっく)
勇者「いやああああああああああああ」
勇者「真っ赤ああああああ画面が血で真っ赤ああああああああああああ」
魔王「勇者の叫び声の方が怖いのだが」
74:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:49:51.78 ID:
bSATVgjx0
勇者「ぜは……もういや」
魔王「本当はこんなことされて嬉しいんだろ? な?」
勇者「なっ……そんなことないよ!」
魔王「お前マゾだろ」
勇者「違うもん! そんなんじゃない!」
魔王「ぜってえマゾだ。ぜっってぇマゾだ」
魔王「俺にいじられて嬉しいんだろ? 喜んでるんだろ?」
勇者「違うし! ばか!」
魔王「やーいマゾヒストー」
勇者「んもー!」
魔王「ガキの頃からマゾに目覚めているとかお前才能あるぞ」
勇者「何の才能!? というか僕のことガキって言うけど四歳しか違わないじゃん!」
勇者「もうすぐ三歳差になるしー!」
魔王「年下は年下だガキ」
勇者「ムキィィイイイイイ」
75:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:52:51.33 ID:
bSATVgjx0
魔従妹「あら、この焼き菓子とてもおいしいですわ」
魔従妹「魔族の国では食べたことがありません」
勇者兄「人間の国の中でも、この国でしか採れない穀物を磨り潰して焼いたものだよ」
勇者兄「俺も妹もこれが大好きでねえ」
魔従妹「ぜひ我が国へ輸入したいですわ」
魔従妹「人質交換が無事に済んだ暁には、貿易を開始いたしましょう」
勇者兄「良いなそれ! 国王陛下にも相談してみよう」
勇者兄「それにしてもすまないね。一日中見張りがついていたらまともに休めないだろう」
魔従妹「いえ、貴方とおしゃべりするのはとても楽しいですから、全く苦になりませんわ」
勇者兄「魔従妹さん…………///」
79:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:55:53.61 ID:
bSATVgjx0
勇者「もういや……」
鉄球兵士「……」コト
勇者「花瓶? わぁ、綺麗なお花」
鉄球兵士「…………」コクコク
勇者「わざわざ用意してくれたの? ありがとうね」
鉄球兵士「……」テレテレ
勇者「はあ……僕、無事におうちに帰れるのかなあ」
勇者「いつになったらこんな寒くて狭い牢屋から出られるんだろう……」
鉄球兵士「…………」ガシャ……
勇者「大丈夫だよ。僕、このくらいじゃへこたれたりなんてしないから!」
鉄球兵士「……!」ガシャン!
魔王(あいつら仲良いな…………くそっ)コソコソ
81:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:57:24.49 ID:dWQ1Hz+m0
勇者兄は勇者の兄ってだけで一般人じゃ
85:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:59:54.23 ID:
bSATVgjx0
>>81
勇者の一族なので一般人よりはかなり強い
83:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 21:58:53.93 ID:
bSATVgjx0
魔王「何? 奴をもっと暖かくて広い部屋に移動させてやれ?」
鉄球兵士「……」コクリ
魔王「ううむ……まあ確かに哀れではあるな」
鉄球兵士「…………」コクコク
魔王「だが、耐久性のある客室を用意するのには金が必要だしな……」
鉄球兵士「……!」ドゲザァッ!
魔王「お、おい」
鉄球兵士「…………」ズリズリ
魔王「わかった。用意してやるから土下座はやめろ。みっともないぞ」
鉄球兵士「……!」ペコペコ
86:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 22:01:53.11 ID:
bSATVgjx0
ガガガゴゴゴ
勇者「なんか上の方がうるさい」
魔王「お前のための部屋をわざわざ用意してやっているのだ」
勇者「何それ」
魔王「ここでは体に悪いだろう」
勇者「そりゃあね」
魔王「物理的な攻撃や魔術による衝撃に耐えられる部屋でないと駄目だからな」
魔王「大工事になっているのだ」
勇者「虫でも沸かない限り暴れたりなんてしないのに……。どうして今更?」
魔王「鉄球兵士に懇願されてな」
勇者「え……」
魔王(まずい。奴の株を上げてしまった)
88:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 22:05:00.56 ID:
bSATVgjx0
魔従妹「……はあ」
勇者兄「故郷が恋しいかい?」
魔従妹「ええ……少しだけ」
勇者兄「きっともうすぐ王様が魔族と話をつけてくれるさ」
魔従妹「……そうだと良いと思うと同時に」
魔従妹「ここを離れることに、戸惑いを感じるのです」
魔従妹「……魔族の国に帰れば、貴方とは滅多に会うことができなくなりますわ」
勇者兄「魔従妹さん……」
魔従妹「ああ、勇者兄さん……!」
魔従妹「どうして魔族であるこの私を恐れず、対等に接してくださるのですか?」
魔従妹「人は魔族を恐れ、魔族は人を下等だと蔑視しているこの時代だというのに……!」
90:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 22:08:07.54 ID:
bSATVgjx0
勇者兄「種族なんて関係ない! 君は……一人の女の子じゃないか」
勇者兄「俺は、君の純粋さを知ってる。心の優しい女の子だってことも知ってる」
勇者兄「きっと、心の在り方に、人間と魔族の違いなんてないんだ」
魔従妹「勇者兄さん…………」
勇者兄「魔従妹さん…………」
窓の向こうに広がる景色を背景に、二人の唇は近付いていった。
91:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 22:08:55.46 ID:dWQ1Hz+m0
盛り上がってんじゃねー!
くそっ! くそっ!
92:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 22:09:37.30 ID:8P8VJQph0
魔従妹(まとこ)
93:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 22:11:09.01 ID:
bSATVgjx0
魔王「今日はとっておきのグロ画像を見せてやろう」
勇者「あそ」
魔王「どうだ。気持ちが悪いだろう」
勇者「そりゃそうでしょ」
魔王「怖くないのか?」
勇者「もう完全に慣れてきた気がする」
魔王「えー……」
勇者「勇者が虫くらいで騒いでたら情けないにもほどがあるし」
勇者「ホラーゲームは慣れたし」
勇者「ホラー映画もまあ……怖いけど同じく慣れてきたし」
勇者「勇者として、グロいものの耐性くらいつけとかなきゃいけないし」
94:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 22:14:12.40 ID:
bSATVgjx0
勇者「低レベルな嫌がらせがずっと続いたから」
勇者「魔王がしてくることにはほとんど耐性がついたっていうか」
勇者「なんかそんな感じ」
魔王「何だと…………」
勇者「もう何やっても無駄だから」
魔王「ううむ…………」
勇者「何されても怖がらないし」
勇者「仮に怖くなっても、前みたいに叫ぶことはないと思う」
魔王「ええー…………」
96:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 22:17:19.64 ID:
bSATVgjx0
魔王「ここがお前の新しい部屋だ」
勇者「わ……パッと見豪華な客室。ただし鎖付き」
魔王「この部屋にクモの大群を住まわせてやろうか」
勇者「うへ……軍曹なら良いよ。役立つし」
魔王「くそっ」
勇者「ほとんど魔力を封じられていても」
勇者「半径一メートル以内に虫が入らないようにする魔法くらいは使えるし」
勇者「というかゴキブリ事件の時に開発したしね!」
魔王「…………」
97:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 22:18:00.84 ID:
bSATVgjx0
魔王「最近勇者の反応が面白くない」
側近「耐性がついたのでしょう」
魔王「あんなに良い声で叫んでいたというのに」
側近「あなたが子供のような悪戯ばかりしているからですよ」
魔王「なら大人の悪戯なら良いのか?」
側近「…………」
魔王「何だそのゴミを見るような目は」
側近「貴方もまだ子供でしたね。いえ、子供と大人の中間くらいでしたか」
102:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 22:27:26.97 ID:
bSATVgjx0
夜
魔王「おい勇者入るぞ」コンコンガチャ
勇者「ノックをしたのは良いけど、どうせなら返事をしてから入ってきてくれない?」
魔王「すまん」
勇者「こんな夜に何? 怪談でもしにきたの?」
魔王「そんなことしてもどうせ怖がらぬのだろう」
勇者「じゃあ何」
魔王「…………」
勇者「ちょ……近づかないでよ」
魔王「……………………」
104:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 22:31:53.58 ID:
bSATVgjx0
魔王「俺が何をしても怖がらぬと言ったな」ギシ
勇者「えええどうしてベッドに乗ってくるの!?」
魔王「…………」ガッ
勇者「ひっ!?」ギシィ
魔王「………………」サワサワ
勇者「ひぅっ!」ゾクッ
勇者「ま、まお、それ……はんざ……ぃ……」
魔王「…………」ナデナデ
魔王(全身撫で繰り回してやろう)
魔王(胸も尻も小さいなこいつは)サワサワサワサワ
勇者「ひぁっ、だ、だめっ」
107:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 22:37:15.45 ID:
bSATVgjx0
勇者「あっ……ああっ、ぅ、ん……んぅ……」ビクッビクッ
魔王(さあ泣け)
魔王(泣き喚け。足掻け。その可愛い顔を恐怖に歪ませろ)
勇者「あ……ああ…………」ガクガク
魔王(…………あれ?)
勇者「や…………いやぁ…………」ポロポロ
魔王(泣い……てる……)
110:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 22:41:30.54 ID:
bSATVgjx0
勇者「ひっく……ぅぅ……ぅああ……ぁぁ…………」
魔王「お……おい」
勇者「おか……さ…………おかあさ……ぅ…………」
勇者「こわいよ…………おかあさん………………」
魔王「…………!」
勇者「たす…………けて…………」ガクガク
魔王(そうか……普段、こいつは気丈に振る舞っていたが)
魔王(まだ、幼い子供だったな…………)
111:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 22:42:09.14 ID:
bSATVgjx0
勇者「ぁ……あ……」ブルブル
魔王「…………」
勇者「い……ぁ…………」ガタガタガタガタ
魔王「………………」
魔王(こんな風に怖がらせたいわけじゃなかったのに)
勇者「こわ……いよぉ…………」
魔王(怖がった後、怒っているところを見たかったのに)
勇者「うう…………あ…………ぐすっ……ぅ……」
魔王(……俺は、取り返しがつかないほど、こいつを傷つけてしまったのだろうか)
115:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 22:50:10.68 ID:
bSATVgjx0
魔王「ゆ、勇者……」
勇者「…………」
魔王「その…………」
勇者「………………」
魔王「……………………」
勇者「……ぅ、……んて……」
魔王「…………」
勇者「魔王なんて……だいっきらい…………」
魔王「…………そうかよ」
118:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 22:53:35.49 ID:
bSATVgjx0
翌日
魔王「…………」
側近「本当に勇者に大人の悪戯をしに行ったんですか」
魔王「……完全に嫌われた」
側近「当り前でしょう」
魔王「……勇者が元気に怒っている時は楽しかったのに」
魔王「力なくただ泣いているのを見たら、どっと罪悪感が溢れてきてな……」
側近「ばーかばーか」
魔王「…………」
側近「これが原因で和平の交渉がブッ潰れたら貴方の責任ですよ」
魔王「ちょっと身体に触っただけで泣きじゃくるなんて想像がつかなかった」
側近「あほー」
魔王「…………やっぱ俺なんかに魔王なんて無理なんだって」
120:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 22:55:31.21 ID:dWQ1Hz+m0
紙のようなメンタル
121:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 22:56:35.54 ID:
bSATVgjx0
側近「そう言わないでくださいよ。先代に顔向けできないじゃないですか」
魔王「未熟な俺に魔王の座押し付けた親父が悪いんだよ」
側近「女の子に関する倫理観だとかをお教えしていなかった私の責任もあるわけですし」
魔王「はあ……いっそのこと本当に極悪非道になれたら良いのに」
側近「貴方は、あの子の気を引きたかっただけなんじゃないですか」
魔王「何だそれ。好きな女の子をいじめる小学生かよ……」
側近「同じじゃないですか。正に最近の貴方ですよ」
魔王「…………そうか」
122:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 22:59:10.27 ID:
bSATVgjx0
勇者「うっ……ぐすっ……」
鉄球兵士「…………」ガシャ……
勇者「僕、体、触られちゃった……触られちゃったよ……」
鉄球兵士「……」ナデナデ
勇者「ん……ありがと」
勇者「ぅ……うぅっ……ぁ……えぐっ……う……」
鉄球兵士「…………」
勇者「今日ね、僕の誕生日なんだ」
勇者「こんな状況だから、家族に祝ってもらえるのは無理だなって覚悟はしてたけど」
勇者「こんな悲しい気持ちの誕生日、初めてだよぉ……」
鉄球兵士「……!」
123:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 22:59:49.46 ID:C77+1/QS0
勇者も結構な豆腐だな
124:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:00:11.22 ID:ooL8rpmM0
豆腐×豆腐=?
125:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:01:50.89 ID:
bSATVgjx0
鉄球兵士「…………」ガシャンガシャン
魔王「あ? お前か……」
鉄球兵士「……」ガシャ! ガシャ!
魔王「お前、怒ってんのかよ…………まあ、お前あいつと仲良かったもんな」
鉄球兵士「…………っ!」ドゴォ
魔王「ごふっ!?」
魔王(殴られた…………?)
鉄球兵士「……! ……!」フー! フー!
魔王「何? まだあいつが泣いてる? 謝りに行け?」
魔王「いや、顔を合わせづらくてな」
魔王「……一応行ってみるが」
129:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:04:55.30 ID:
bSATVgjx0
鉄球兵士「…………」
魔王「仕事で忙しくて滅多に会えない娘の面影を勇者に重ねてた? そうかそうか」
鉄球兵士「……! …………!」
魔王「家族に祝ってもらえない誕生日はとても寂しいものだ?」
魔王「仕事で娘の誕生日を祝うのが遅れて、酷く泣かれたことがある?」
鉄球兵士「……」コク
魔王「……今日、あいつの誕生日なのか?」
鉄球兵士「……」コクコク
魔王「マジかよ…………」
130:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:05:24.62 ID:
bSATVgjx0
鉄球兵士「…………」ガシャン
魔王「……何で剣差し出してるんだよ。主君を殴ったから裁けってか?」
鉄球兵士「……」コクリ
魔王「そんな気起きねえよ……」
鉄球兵士「……」ガシャ
魔王「だからって自決しようとすんなよ……お前が死んだら、お前の娘が悲しむだろ……」
鉄球兵士「…………」ガシャ……
魔王「それに、お前がいなくなったら俺も寂しいし…………」
鉄球兵士「……!」ガション!
131:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:05:55.41 ID:
bSATVgjx0
鉄球兵士「…………」ドゲザァ ズリズリ
魔王「いや、土下座はやめろって」
魔王「正直あいつに謝りたいんだけどよ……どういう顔で会えば良いのかわからねえし」
魔王「誕生日なら、何か贈り物でもしてやるべきだよな」
鉄球兵士「……!」コクコク
魔王「……女って、何を贈れば喜ぶんだ」
鉄球兵士「…………」
魔王「宝石とかの装飾具?」
魔王「あいつ男っぽい格好してるし、そういうの好きかなぁ……」
133:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:08:29.25 ID:
bSATVgjx0
側近「ボーイッシュな子でも、実は女の子らしいものが大好きというパターンと」
側近「本当に女の子らしいものを好まないパターンがありますからねえ」
側近「ちょっとその判断つけられないですよね」
魔王「…………じゃあどうすりゃいいんだよ」
側近「まあ、仮に好まない物をもらったとしても」
側近「迷惑だと思うと同時に、心のどこかでは喜びを感じる場合もあるでしょうし」
側近「お詫びのついでにダメもとで何か用意してみたらいかがです」
鉄球兵士「……!」コクコク
魔王「…………」
側近「まあ、本気で嫌われているのなら」
側近「上手くいかない場合も想定しておいてくださいね」
134:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:08:45.34 ID:lKYWFBcO0
鉄球からすれば娘みたいなもんだったのか…
135:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:09:23.25 ID:mFyOkPxe0
鉄球兵士やさしいな・・・。
っていうか妻子持ちだったのな
136:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:09:22.53 ID:C77+1/QS0
鉄球マジいいおっさん
137:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:11:03.98 ID:
bSATVgjx0
魔王「…………」ズーン
サキュ「そもそもどういう反応を予想してたのよぉ」
勇者『きゃーえっち変態―!』バチコーン
勇者『ばーかばーか変態!! さっさと帰れあほー!』プンスカ
魔王「みたいなの」
サキュ「時と場合とやり方によってはそんな反応が返ってきただろうけど……」
魔王「……はあ」
サキュ「減るもんじゃなしちょっとお触りするくらい良いだろーって気持ちでセクハラしたんでしょ」
魔王「お前だってやっていたではないか」
サキュ「私は淫魔だしぃ、女の子同士だし」
サキュ「貴方、女心の勉強はしときなさいよね」
魔王「…………」
139:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:11:31.15 ID:
bSATVgjx0
サキュ「あ、責任取ってあの子と結婚するとかどう?」
魔王「……拒絶されるに決まっている」
サキュ「さあねえ」
魔王「………………」
サキュ「元気ないわねぇ? なんなら今夜……どう?」
魔王「お前の奉仕はいらん」
141:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:12:58.88 ID:
bSATVgjx0
勇者「…………」
魔王「な、なあ、勇者…………」
勇者「……」
魔王「悪かった。ごめん」
勇者「………………」
魔王「ごめんって…………」
勇者「…………」
勇者「……僕、いつ殺されてもおかしくないんだよね…………?」
魔王「なっ……」
143:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:15:48.78 ID:
bSATVgjx0
勇者「もし人間の国に捕まってる人質が殺されれば、僕だって当然殺される」
勇者「そうじゃなくても、人間と和平を結びたがっていない魔族に殺されるかもしれない」
勇者「ねえ……僕、やっぱり……」
勇者「散々痛めつけられて、穢されて、最終的には……殺される運命なのかな……?」
魔王「そ、そんなことをするか!」
勇者「そう……しようと……してたでしょ…………?」
魔王「っ…………」
勇者「本当に……おうちに帰れるのかな…………?」
勇者「怖い……怖いよ…………」
魔王「…………ごめん」
勇者「何で今更謝るの……? あんなに楽しんでたでしょ……?」
145:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:18:20.69 ID:
bSATVgjx0
魔王「……怖がらせて、怒っているところを見ようとしていただけで」
魔王「そんな……深いことをしようとしていたわけでは」
勇者「でも触ったじゃん!」
魔王「…………」
勇者「撫で……られた……体中、触られちゃった……」
勇者「やだ……いやだよ…………怖いよ……」
勇者「本当は……ずっと、ずっと怖かった。捕まった時からずっと」
魔王「…………」
勇者「……出てって」
魔王「……」
勇者「ここから出てって!!」
魔王「勇者、どうか話を聞いてくれ」
146:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:18:55.39 ID:
bSATVgjx0
魔王「今日……誕生日なんだろ」
勇者「……そうだよ。こんな最低な誕生日はじめてだよ!」
魔王「な、なあ」
勇者「うるさいうるさいうるさい!」
勇者「お前の話なんてもう聞きたくない!」
魔王「…………」
勇者「も……いやあ……」
勇者「お父さん……お母さん……お兄ちゃん…………」
勇者「会いたい……会いたいよお……」
勇者「も……二度と会えないのかなあ……」ガタガタ
魔王「…………」
魔王(渡せなかった……)
148:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:19:45.65 ID:GMosQicJ0
魔王かわいそす
150:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:20:25.22 ID:dWQ1Hz+m0
しかし自業自得である
153:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:21:00.62 ID:
bSATVgjx0
魔従妹「うふふ」
勇者兄「あはは」
魔従妹「はい、あーん」
勇者兄「あむっ! 魔従妹が作った料理はおいしいなあ」
魔従妹「まっ、あなたったらあ」
勇者兄「人質交換の後も、こっそり会おうな」
魔従妹「もちろんですわ」
魔従妹「できることなら、こちらに嫁ぎたいですわ」
魔従妹「私、本当は……あちらに帰ってはなりませんもの」
155:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:21:36.33 ID:XLy+Qx660
勇者ちゃんの小さくてぷるんっとしたおしり・・・・・・・・ふふ、触ってみたいものです
157:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:22:05.18 ID:mOu0N4Y50
兄と妹イチャイチャしとる…
158:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:22:16.93 ID:
bSATVgjx0
魔叔父「そうか、人質交換の日が決定したか」
魔叔父「ふん……人間などという下等生物と和平を結んで一体何になるというのだ」
魔叔父「勇者を殺せ。人質を殺せば、人間共も黙ってはおらぬだろう」
部下A「はっ」
魔叔父「戦争さえ起きれば、娘はどうなっても構わん」
魔叔父「幸い、魔王は腑抜けておる」
魔叔父「仮に暗殺に失敗したとしても、傀儡にする準備はもうじき整うだろう」
魔叔父「そうなれば、娘を取り戻し、魔王と婚姻を結ばせれば良いのだからな」
魔叔父「万が一魔王が私に従わなかった場合は、生まれた子を洗脳するまでだ」
160:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:24:20.85 ID:
bSATVgjx0
数週間後
魔王(結局、あれから一言も話さないまま)
魔王(あー…………)
側近「時間が経てば、きっと勇者の気も落ち着くでしょうって」
魔王「俺もうほんとだめだわ……」
側近「歴代、これほど情けのない魔王が存在したでしょうか」
魔王「魔歴史上最も情けない魔王で良いよもう……」
側近「たかが小娘一人に嫌われたくらいでだめになる魔王ですか」
側近「……はあ」
側近「勇者が人間の国に帰るまでの日数も少ないんですから」
側近「せめて人質交換の日までには気を取り直してくださいよ」
161:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:25:34.39 ID:LVobH4jO0
自他共に認める情けない魔王
162:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:26:14.29 ID:unwzlzNw0
でも根はいいやつだな
次→
魔王「ほおーら毛虫だぞー」少女勇者「いやああああああああ」【後編】
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