30:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/16(日) 22:22:05.41
ID:p7hexEOn0
――有咲の蔵――
山吹沙綾「香澄ってさ」
戸山香澄「うん?」
沙綾「あれだよね、すっごく優しいよね」
香澄「え、そうかな?」
沙綾「そうだよ。香澄以上に優しい人って見たことないな」
香澄「どんなところが優しい?」
沙綾「困ってる人を絶対に放っておかないよね。道端でもさ、知らない人が迷ってたり困ってそうだったら絶対に声かけるじゃん?」
香澄「それは当たり前のことをしてるだけだよ~」
沙綾「その当たり前を当たり前に出来る人がすごいんだって」
香澄「そうなの?」
沙綾「そうなの。香澄って優しいなぁ。そういうところ、好きだよ」
31:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/16(日) 22:22:45.81
ID:p7hexEOn0
香澄「えへへ……ありがと、さーや。でもさーやも優しいと思うよ?」
沙綾「そうかな?」
香澄「そうだよ。面倒見がすっごくいいし、甘えさせてくれるし」
沙綾「それはほら、私は昔から純と紗南の面倒を見てるからさ……その延長線上な訳だし、全然そんなことないよ」
香澄「んーん、そんなことないよっていうのがそんなことないよ?」
沙綾「いやいや、そんなことないって」
香澄「そんなことあるのに……」シュン
沙綾「……あー、なんだか急にそんなことある気がしてきた」
香澄「でしょー!」
沙綾「うん。褒めてくれてありがとね、香澄」
香澄「どういたしまして!」
沙綾「おっと、あんまり動いちゃダメだよー、耳かきしてるんだから」
香澄「あ、ごめんね」
沙綾「ううん」
32:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/16(日) 22:23:27.93
ID:p7hexEOn0
香澄「……そういえばさ」
沙綾「うん?」
香澄「さーやって絶対いいお嫁さんになるよね」
沙綾「そうかなぁ?」
香澄「そうだよ。毎日ね、仕事が終わって帰ってきてさ」
沙綾「うん」
香澄「こう、ね? 自分の家なんだけど、チャイム押してさ」
沙綾「うん」
香澄「そしたら『はーい』って声と、パタパタパタって廊下を駆けてくる足音がドア越しに聞こえてくるの」
沙綾「うん」
香澄「それでドアを開けて私のことを見てね、エプロン姿のさーやの顔がふわって綻ぶの。『もー、チャイムなんて押さなくたっていいのに』なんてちょっと叱るように言ってるのに」
沙綾「うん」
香澄「もうたまんないよね。結婚してよかったぁー! って心の底から思うよね」
33:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/16(日) 22:24:19.93
ID:p7hexEOn0
沙綾「やってあげようか?」
香澄「ほんと!?」
沙綾「うん。今度香澄がウチに泊まりに来る時にでも」
香澄「やったー! さーや大好き!」
沙綾「はいはい、私も大好きだよ。だからあんまり動かないでね?」
香澄「あ、ごめんね? 膝、痛かった?」
沙綾「ううん。香澄の頭の重さ、すごく心地いいから痛いワケなんてないよ」
香澄「えへへ、私もさーやの膝枕、すっごく気持ちいいよ」
沙綾「ならよかった。さ、反対側も耳かきしてあげるから、こっちに顔向けて?」
香澄「はーい」
沙綾「よし、いい子いい子」ナデナデ
香澄「あー、さーやにこうやって頭撫でられるとダメになりそう……」
34:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/16(日) 22:24:59.78
ID:p7hexEOn0
沙綾「…………」
香澄「さーや? どうかした?」
沙綾「ダメになっても……いいよ?」ポソ
香澄「ふわぁ……そんなこと耳元で囁かれたら……」
沙綾「ダメになったっていいじゃん。そしたらさ、ずっと一緒に2人で暮らそ? 香澄ならいつだっていいよ。好きなだけ甘やかしてあげるよ?」
香澄「ふみゃぁ……」
沙綾「ふふ……とろけた香澄、可愛くて大好きだよ」ナデナデ
香澄「うん……私もさーやのこと大好き……だけど、」
沙綾「……だけど?」
香澄「だからこそ、私はさーやをしっかり支えてあげられる人間になりたいっ」
沙綾「香澄……」
35:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/16(日) 22:25:29.24
ID:p7hexEOn0
香澄「さーやに甘える時間は世界で一番好きだけど、もらってばっかりじゃダメだもんね! やまぶきベーカリーをさーやと2人でしっかり守れるように頑張らなくっちゃ!」
沙綾「……やっぱり香澄は優しいね」
香澄「そんなことないよ~」
沙綾「ううん、とっても優しい。世界で一番優しいよ。私が言うんだから間違いないよ」
香澄「うーん、でもそれってきっとさーや限定だと思うな」
沙綾「私限定?」
香澄「うん。だってさーやが優しくしてくれるから、私ももっともーっとさーやに優しくしたいって思うんだもん」
沙綾「……そっか」
香澄「そうだよ」
沙綾「やっぱり私、香澄のそういうところ……何よりも大好きだなぁ」
香澄「私も優しいさーやのことが世界で一番大好きっ!」
沙綾「うん……ありがとう、香澄」
香澄「ううん! 私の方こそありがと、さーや!」
沙綾「ふふ……」
香澄「えへへ……」
36:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/16(日) 22:26:13.54
ID:p7hexEOn0
――有咲の蔵 階段前――
市ヶ谷有咲「…………」
有咲「…………」
有咲「いやな、確かに私がいない時はばーちゃんに言って入ってていいって言ったよ?」
有咲「だけどイチャイチャしてていいとは一言も言ってねーぞ?」
有咲「ふざけんなよ。あんな空気出されたら割って入れねーじゃんかよ」
有咲「私はどこに行けばいいんだよ。そこが一応私の部屋だって分かってんのかあいつらは」
有咲「…………」
有咲「ぜってー分かってねーな……」
有咲「はぁぁ……本当にあの色ボケ2人は……」
有咲「……マジでどうしよ。あと2時間は入れねーだろうし」
有咲「ばーちゃん家の方行くか? いやでもあっちに長く居て色々詮索されると嫌だしな……うーん」
有咲「…………」
有咲「あーいいや。りみに電話して、りみん家にちょっといさせてもらお……」
おわり
37:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/12/16(日) 22:27:16.37
ID:p7hexEOn0
元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1544965078/
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