1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 21:09:37.68 ID:NhuhWSZZ0
~放課後/棚川中学校・校門付近~
初春「はぁー…やっと終わりましたねぇ能力検査」ヤレヤレ
佐天「終わったねぇ。初春はどうだった? レベル上がってそう?」
初春「あー…今回も駄目そうですね…」ションボリ
佐天「そっかー。ま、レベル0のあたしなんかよりは全然マシだって!」グッ
初春「もう! また佐天さんはそんなこと言って! ここしばらく一生懸命に努力してたじゃないですか!」プンスカ
佐天「そりゃそうだけどさ。…やっぱ駄目だったみたい」
2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 21:13:42.12 ID:NhuhWSZZ0
オーイ!!
佐天「ん? …あ、先生だ」
初春「どうしたんですかね?」
オーイ!! マッテクレサテン!!
佐天「ん? あたし呼ばれた?」
初春「そうみたいですね。何かあったんでしょうか?」
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 21:18:16.11 ID:NhuhWSZZ0
タタタタタタタ…
先生「はぁっ…はぁっ…! ゲホッ! ゲッホゲホゴホッ!」オエッ
先生「…はぁっ…! 間に合ったっ…!」ハァハァ
佐天「どうしたんですか!? っていうか大丈夫ですか!?」オロオロ
先生「ああ大丈夫! それより佐天聞いてくれ! 吉報だ!」
佐天「え? 吉報、ですか?」
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 21:23:21.38 ID:NhuhWSZZ0
先生「能力検査…」
先生「能力検査の測定結果を研究機関に送ったんだが、さっき緊急の連絡があってな。 佐天…お前な…」
先生「なんと! 能力者になっていたそうだ!」キラキラ
佐天「」
初春「わぁ…!」パァァ
先生「しかも! 一気にレベル2だ!」
佐天「…え? ウソ? ホントに?」
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 21:28:59.60 ID:NhuhWSZZ0
先生「俺が嘘をつく必要が無いだろう?」
初春「すごいじゃないですか佐天さん!! 能力者ですよ能力者!!」キラキラ
先生「まぁそういう訳だ。改めておめでとう佐天!」
佐天「…はは」グスッ
佐天「………やったあああああああっっっ!!! やったよ!!! やったよあたし!!! やったぁーーーーー!!!!」ビエーン!!!
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 21:34:08.28 ID:NhuhWSZZ0
初春「本当におめでとうございます佐天さん! まさかあの無能な佐天さんが能力者になるなんて!」パチパチ
先生「お前は最近こっちが心配になるくらい努力してたからな。ある意味必然かも知れんぞ!」パチパチ
佐天「うわー!! うわー!! どうしよう!! ありがとう先生!! 死ね初春!!」ダキッ ダキッ
初春「いやぁ、良かったですねぇ」ウンウン
先生「それで肝心の能力のことなんだがな。お前は空力使いじゃあ無かったらしい。正確には空力使いの派生型と言うべきか」
佐天「なんですかそれ?」
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 21:37:18.85 ID:NhuhWSZZ0
先生「なんでも、微妙に人を急ぎ足にさせる能力だそうだ」
佐天「なんですかそれ?」ショボイ
先生「正式名はまだ無いが、通称『有閑殺し(ヒマジンブレイカー)』とか言うらしい」ラシイヨ
佐天「なんですかそれ?」ツマンネ
先生「…さぁ?」シラネ
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 21:39:28.71 ID:POkW8TJAi
ヒマジンブレイカーワロタ
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 21:44:31.22 ID:NhuhWSZZ0
初春「…え? え? それだけの能力なんですか?」
先生「いや心配するな! 非常に珍しい能力なので研究がほぼ進んでいない、というだけだ。」
初春「なるほど。つまりこれから有閑殺しの新たな側面が見つかるかも知れない、ということですね」
先生「そう。だからこそ正式名称がまだ無い訳だ」
佐天「ほうほう。つまり現在判明しているのは微妙に人を急ぎ足にさせるという効果だけ、ってことか」ナルホドー
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 21:50:32.87 ID:NhuhWSZZ0
先生「まぁとにかく、場合によってはお前には研究所に通ってもらうことになるかも知れない。それを伝えに来たんだ」
初春「ほあー…エリートみたいですねえ」スゲェ
佐天「すげー。他人事みたい…」スゲェ
先生「それとほら。これを付けておくように、だそうだ」スッ
佐天「これは…リストバンドですか?」
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 21:56:32.97 ID:NhuhWSZZ0
先生「正確には能力を封じ込めるリストバンドだ。どういった能力なのか分からない以上、それを封じておくに越したことは無い」
先生「だからこの黒いリストバンドを右手首に巻いておけば能力が発動する心配が無くなるって訳だ」
佐天「分かりました。付けときます」スポッ
先生「とりあえずはこれくらいだな。来週になればもっと詳しいことが分かると思う」
先生「じゃあそろそろ俺は戻る。気を付けて帰れよー」フリフリ
佐天「さよならー」フリフリ
初春「さよならー」フリフリ
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 22:04:40.90 ID:NhuhWSZZ0
~下校路~
佐天「いやぁーあっははー!! まさかあたしが能力者になるとはね!!」ウヘヘ
初春「いやでもホントにびっくりしましたよ! おめでとうございます!」
佐天「…ただ有閑殺しだっけ? がどんな能力なのかは気になるなぁ」ウーン
初春「……確かめてみますか?」ボソッ
佐天「…えっ? それって」ボソボソ
初春「…つまり、適当に誰かを練習台にしてみませんか、ってことです」ボソボソ
佐天「…それマジで言ってる?」ボソボソ
初春「…大マジです。今日は風紀委員に行くまで結構時間があって暇なんですよ」ボソボソ
佐天「……」
佐天「……」ニヘッ
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 22:08:07.14 ID:NhuhWSZZ0
~公園~
佐天「ということで公園に来てみたわけですが」
初春「人居ませんねえ…」
鳩「」クルッポー
佐天「あ、鳩だ」
初春「佐天さん、まずはあの鳩で実験してみませんか?」
佐天「それもそうだね。…じゃあ、行くよ?」
初春「…はい」ゴクリ
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 22:14:59.45 ID:NhuhWSZZ0
佐天「さてと…」スポッ
キュイイイイイイイイ
佐天「…まずはその有閑をブチ殺すッ!! ヒマジンブレイカあああああああ!!!」ギュオオオオオオン
鳩「」ピクッ
鳩「」クルッポー バサッバサッバサッ
初春「あ! 飛んでった!」
佐天「…今更だけど動物相手じゃ効いたかどうか分かんなくない?」
初春「…盲点!! これは盲点!! その発想はありませんでしたよ!!」クソックソッ
佐天「やっぱり人間相手じゃないとダメかー」
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 22:19:33.27 ID:NhuhWSZZ0
初春「こうなったらあそこの茂みに潜り込みましょう」
佐天「え? 茂みに?」
初春「そしてそのまま、茂みの目の前の道に人が来るまで待つんです」
佐天「制服汚れない?」
初春「人に見つかるよりはマシですよ。それにほら、今日は風が強いですから風除けにもなります」
佐天「まぁ他に方法は無いから仕方ないか」
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 22:22:58.80 ID:NhuhWSZZ0
ガサッ ガサガサッ
佐天「…さて、これでオッケー」
初春「後は誰か人が通るのを待ちましょう。直前でためらっちゃいけませんよ?」
佐天「了解」
テクテクテクテク
初春(! 誰か来ましたよ)
佐天(ホントだ!)
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 22:29:46.74 ID:NhuhWSZZ0
絹旗「超困りましたね…まさかフレンダとはぐれるとは思いませんでした…」テクテク
絹旗「何故か昨日から携帯が繋がらないし! 浜面は用事で荷物持ちに来てくれないし!」
絹旗「このままじゃせっかくのショッピングが超台無しです…」
初春(…佐天さん、ゴー)
佐天(容赦無いな! まだ同い年くらいの女の子じゃん!)
初春(いちいち選んでたらあっという間に日が暮れますよ。早く早く)ソワソワ
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 22:36:56.34 ID:NhuhWSZZ0
佐天(おっしゃあああああ!!! やったるわあああああ!!!)スポッ
キュイイイイイイイイ
佐天(…まずはその有閑をブチ殺すッ!! ヒマジンブレイカあああああああ!!!)ギュオオオオオオン
初春(キタアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!)ヒャッホーイ
絹旗「この辺りはいかがわしいお店が多くて危ないという噂も超聞きますし…どうしたものでしょうかね…」スタスタスタスタ
初春(……確かに微妙に急ぎ足になりましたね)
佐天(しょっぱ!! ヒマジンブレイカーしょっぱ!! これで終わり!?)ガーン
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 22:42:51.32 ID:NhuhWSZZ0
???「よしよし…これで目的のモノは全部買えたな…」ガサガサ フヒヒ
佐天(ん? 曲がり角から人が)
???「あとはこっそり帰るだけ…」ヌッ
絹旗「ん? うわっ!?」
???「ん? うおっ!?」
初春(危な…!)
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 22:47:48.00 ID:NhuhWSZZ0
ドシャーン!
絹旗「おぎゃあ!?」ドテッ
ヒゲグラサンの男「いって!」ドテッ
佐天(うわー…痛そー…モロにぶつかったよ…)
絹旗「うわわっ! 超すみませんでした! 大丈夫ですか!?」アタフタ
ヒゲグラサンの男「ったくどこに目ぇつけてんだよお前…っておげっ!?」ビクッ
絹旗「あれ? その声…」
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 22:50:09.66 ID:NhuhWSZZ0
ヒゲグラサンの男「」スクッ
ヒゲグラサンの男「」パンパン
ヒゲグラサンの男「」ペコリ
ヒゲグラサンの男「」スタスタ
絹旗「超待ちやがれ」ガシッ
ヒゲグラサン「ああっ」ビクッ
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 22:53:18.25 ID:+gjNZpK+0
ヒゲグラサンwww
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 22:54:17.92 ID:NhuhWSZZ0
絹旗「まさか…」ベリベリ
グラサンの男「やめて! 付けヒゲ取らないで!」ワタワタ
絹旗「まさかまさか…」スチャッ グッシャアー
男「やめて! グラサン壊さないで!」ワタワタ
絹旗「…浜面ああああああああ!!? なななんでこんなところにいるんですか!!? 今日は親友の墓参りだったんじゃ…」
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 22:58:52.26 ID:NhuhWSZZ0
浜面「あ、ああ勿論さ! 今は帰るところだったんだ!」アタフタ
絹旗「…なんですかその紙袋?」
浜面「!!」ビクーン
絹旗「…見せてもらってもいいですよね?」ニッコリ
浜面「駄目だダメダメ!! 絶対駄目だ!! これは俺の親友の大事な大事な形見であっt」
絹旗「ふんっ」パシィ
浜面「やめてええええええええええええええええええ!!!!!!!」ヒイイイイイイイ
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 23:04:37.20 ID:NhuhWSZZ0
絹旗「そぉい!!」バサバサー
浜面「」
絹旗「…え? なんですかこれ。『メガストア』、『快楽天』、『ダンシャク』、『オリンピア』、『真激』…」
浜面「」
絹旗「『PS』、『バスターコミック』、『LO』、『失楽天』、『ペンギンクラブ』……これって…エロマンガ?」
浜面「」
佐天(うわぁ…)
初春(うわぁ…)
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 23:06:39.92 ID:+gjNZpK+0
うわぁ
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 23:09:40.43 ID:NhuhWSZZ0
絹旗「ははぁなるほど。つまり浜面は私たちに超ウソをついてエロマンガを買いに行っていたと…」ニコニコ
浜面「…ち、違うんだ!! それは親友の形見で…」
絹旗「今月号なのに?」ニコニコ
浜面「」
絹旗「これは超由々しき事態ですねぇ…」ユラァ
浜面「待てっ! 聞いてくれっ! ホントに、ホントにそのLOは拾っただけなんだ!」アワアワ
絹旗「LO『は』?」パキポキ
浜面「キャッ」
佐天(あーあ)
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 23:15:30.95 ID:NhuhWSZZ0
浜面「…テヘッ☆」コツン
絹旗「……浜面ああああああああああああああああああああああああ!!!!!」ドバッキイイイイ
浜面「うお危なっ!? 止めろっ!! こんな街中で暴れんじゃねえ!!」
絹旗「知るかあああああああああああああああああああああああああ!!!!!」ベゴオオオン
浜面「ぎゃあああ!! 止めろ!! 落ち着け絹旗ぁ!!」サッ ガサッ サッ ガサッ
絹旗「超ぶっ殺してやります!!! 待てやオラあああああああああ!!!!!」ダダダダダ…
浜面「誰か助けてえええええええええええええええええええええええ!!!!!」ダダダダダ…
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 23:20:06.13 ID:NhuhWSZZ0
初春「行っちゃいましたね…」
佐天「ちゃんと全ての雑誌を回収してから逃げる…あんたのそういうとこ、嫌いじゃないぜ!!」ビッシー
初春「…それにしても今の実験は成功と言えるんですかね?」ウーム
佐天「もう少し実験しよっか。今のだけじゃ足りないや」
初春「賛成です」
テクテクテクテク
初春(! 来ました)
佐天(よーし…)
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 23:26:14.09 ID:NhuhWSZZ0
上条「…しっかし遅いなぁ青ピの奴。いい加減追いついてきてもいい時間じゃないか?」テクテク
土御門「だにゃー。あいつが来ないとせっかくのクーポンが使えないぜい」テクテク
上条「そもそもなんで居残りしてるんだあいつ?」
土御門「どうせ補習か何かだにゃー。『小萌センセーと秘密の課外授業やでー』とかなんとか言ってた」
上条「参ったなー」
初春(…どっちいきます?)
佐天(黒い方で!)
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 23:32:23.31 ID:+gjNZpK+0
青ピは相変わらずだな
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 23:31:00.59 ID:NhuhWSZZ0
キュイイイイイイイイ
佐天(…まずはその有閑をブチ殺すッ!! ヒマジンブレイカあああああああ!!!)ギュオオオオオオン
初春(どうだっ!?)
上条「誰か呼ぼうにも携帯使えないしなぁ」テクテク
土御門「上やん家のシスターは?」
上条「神裂とステイルと3人でカラオケ。迷惑掛けてないといいけどな」
土御門「舞夏も居ないし…困ったぜい」
佐天(あれ? おかしいな…当たったはずなのに)
初春(…変化無し、ですね…)
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 23:37:13.96 ID:NhuhWSZZ0
???「ふふーふ」ニヤニヤ スタスタ
佐天(!? また曲がり角から人が!)
初春(しかも微妙に早足じゃないですか!?)
???「あと少しでゲコ太が私のモノに! ンッン~♪」ヌッ
上条「え? おわっ…」
???「え? ちょっ…」
初春(また!?)
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 23:43:27.49 ID:NhuhWSZZ0
ドシャーン!
上条「どあ!?」ドテッ
美琴「おひゃ!?」ドテッ
土御門「うおおっ!? 大丈夫か二人とも!?」ワタワタ
佐天(うわー…まただよ…ってあれ? あの人って)
美琴「ごめん、不注意で…って」
上条「ビリビリじゃねえか! 大丈夫か?」ヤッホー
美琴「ビリビリって言うな!私には御坂美琴っていう立派な名前があるのよ!」ムキー
初春(ああっ! 御坂さんじゃないですか!!)
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 23:50:13.47 ID:NhuhWSZZ0
美琴「とにかくここで会ったが百年目! 今日こそアンタを倒す!」バリバリバリバリ
土御門「おいおい、こんなところで能力を使うのは非常識だにゃー」
上条「そうだぜ。 それに昨日お前が電波塔をぶっ壊したせいでこの辺一帯で携帯が使えなくてみんな困ってるんだよ…」
美琴「う…。分かった…ごめん…」シュウウウウウ
上条「うん! 分かればいいんだビリビリ!」ビッシィー
美琴「だーかーらー!! ビリビリ言うなって言ってんでしょーが!!! 私は御坂美琴だって何度言えば分かるのよ!!?」
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/01(金) 23:57:00.24 ID:NhuhWSZZ0
土御門「その御坂美琴がこんなところでなにしてるんだにゃー?」
美琴「え? ふふん、よくぞ聞いてくれました!」スッ
上条「なんだこれ? チケット?」
美琴「そう! ゲコ太スナックを買うとごくまれに入ってる、ものすごく貴重な当たり券なのよ!!」
美琴「これをはがきに張って送るとゲコ太の巨大ぬいぐるみが貰えるって訳!!」ババーン
上条「へーそうなんだー」
土御門「すごーい」
美琴「絶対思ってないでしょ!? オークションで15万を軽く超えるくらい貴重なのよ!?」
佐天(あ、それはすごいわ)
初春(売ればいいのに)
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 00:02:19.89 ID:yaonX39H0
美琴「とにかく、今はこれを送るために切手と封筒を買いに来t」ピラピラ
鳩「」クルッポー バサバサ プリッ
ベッチャァー
美琴「」
上条「ああっ!! 当たり券がフンまみれに!!」ガーン
ビュオオオオオオオ
美琴「」
土御門「ああっ!! さらに当たり券が突風に煽られてどっかに行っちまった!!」ガーン
佐天(ぎゃあああああああああああああああああ!!!??)
初春(うわぁ…)
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 00:08:55.25 ID:EgWIgUcL0
美琴「」
美琴「」ジワッ
上条「大丈夫か御坂!? 気を落とすな!!」アタフタ
美琴「」パクパク
美琴「」
上条「駄目だ土御門…! かなり重症だ」アタフタ
土御門「ど、どうするぜよ…!? ……あ、そうだ!」
上条「どうした!? なにか案でもあるのか?」
土御門「このクーポンがあるんだぜい!」ピラピラ
上条「なるほど!」
64:眠いぜ頭が動かんぜ畜生:2011/07/02(土) 00:17:41.05 ID:EgWIgUcL0
上条「聞いてくれ御坂! 俺たちとバイキングを食いに行こう! 8割引クーポンがあるんだ!」
美琴「!?」
土御門「もともと3人で行く予定だったんだが、あとひとりがいまだに来なくて困ってたんだにゃー」
美琴「」パクパク
上条「なに? 『もしその人が来たらどうするの?』だって?」
土御門「え? …ああ、これは3人以上5人以下で使えるファミリークーポンだから問題ないんだぜい」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 00:25:35.93 ID:EgWIgUcL0
美琴「」パクパク
上条「よし! そうと決まればさっさと行こう」テクテク
土御門「…まぁ丸く収まったならなんでもいいぜよ」テクテク
美琴「」フラフラ
上条「…大丈夫か御坂? ほら、おぶってやるよ」サッ
美琴「!!」ピョーン ガシッ
上条「よっ…と。それにしても遅いな青ピ」テクテク
土御門「もう来ない気もするにゃー。まぁ帰る直前にいきなり呼び止められたらしいから仕方ないぜい」テクテク
上条「予告無しの補習か。小萌先生もエグいなー。どんだけ課題出してないんだアイツ…」
佐天「……行ったか」
初春「……なんだか良く分かんないうちに行っちゃいましたね」
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 00:36:00.41 ID:+ML7usVb0
おんぶされた美琴かわいい
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 00:32:25.33 ID:/U5Z8sVs0
スレタイでネタバレしてるだけに、そこにたどりつくまでが楽しみだな
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 00:32:41.28 ID:EgWIgUcL0
初春「それにしても…さっきの有閑殺しは成功してたんですかね?」ウーン
佐天「たぶんね。ウニ頭の人には変化は無かったけど御坂さんは明らかに微妙に早足になってた」
佐天「だから、何らかの理由で有閑殺しの力がウニ頭の人から御坂さんの方へ流れたんじゃないかな」
初春「はぁー。なるほど」
佐天「ま、あくまで仮説だけどね」フフン
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 00:39:06.83 ID:EgWIgUcL0
佐天「いやー、それにしても2回とも同じようなことになるなんてすごい偶然だね」アハハ
初春「確かにそうで…」ハッ
初春「…………」
初春「……ねぇ佐天さん。あくまで、あくまで仮説なんですけど」
佐天「どうしたの? 随分もったいぶるね」
初春「ホントは有閑殺しの効果は微妙に人を早足にすることなんかじゃなくて」
初春「佐天さんの言う、そのすごい偶然こそが。それこそが有閑殺しの真の能力だったりとか、しないですかね?」
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 00:52:28.95 ID:EgWIgUcL0
佐天「…どういうこと?」
初春「佐天さんがあの女の子に使った有閑殺しは、あの子と金髪の人との不和をもたらしましたよね?」
初春「おそらくあそこでぶつからなければ、すれ違うだけではあんなことにはならなかった」
初春「つまりあの女の子の運命はほんの少しだけマイナスの方向へと変わった訳です」
佐天「…御坂さんたちも同じ、ってこと?」
初春「はい。御坂さんに当たった有閑殺し、それとあの鳩によって、あの場でもやはりほんの少しだけ運命が変わった」
初春「あれはプラスなのかマイナスなのか、あるいはどちらでもないのか。それは分かりませんけどね」
佐天「な、なるほど…」オォウ
75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 00:58:26.91 ID:EgWIgUcL0
初春「あくまでも仮説、ですけどね。研究所が調査してもいまだに分からないくらいなんですから」
佐天「いや、なんだかそんな気がしてきたよ。なんでレベル2程度の能力で研究所から学校へ連絡があったのか疑問だったんだ」
初春「どうなんでしょうね? そもそも運命、という表現が正しいかすら分かりませんしね」
佐天「…あと1回。あと1回だけ試してみよう。またもや同じようなことが起きたなら、それは」
初春「そういうことなのかも知れない、ってことですね。分かりました」
テクテクテクテク
初春(! 行きましょう)
佐天(これで…最後だ!)
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 01:09:51.64 ID:EgWIgUcL0
フレンダ「くっそー。まだ携帯使えないのか…」ガサガサ テクテク
フレンダ「結局絹旗が見つからないって訳よ…もう帰ったのかなぁ」
フレンダ「おまけにサバ缶は売り切れで買えないし代わりのこの缶は重いしで超キツい…」
初春(最後です、佐天さん!)
佐天(何か…起きるか!?)
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 01:12:27.25 ID:EgWIgUcL0
キュイイイイイイイイ
佐天(…まずはその有閑をブチ殺すッ!! ヒマジンブレイカあああああああ!!!)ギュオオオオオオン
初春(…!!)
フレンダ「おーもーいー!!」 ガサガサ スタスタ
佐天(効いた! 微妙に早足になった!)
初春(あとは…どうだ!?)
84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 01:19:17.68 ID:EgWIgUcL0
???「参ったな…まさかこの僕がおつかいすら満足にこなせないとは」スタスタ ガサガサ
???「しかしどういうことだ? そうそう売り切れるようなものでも無いだろうに」
佐天(来た! 来たよ!)
初春(いや、それよりなぜか向こうも早足になってます。どうしてだろう)
???「やれやれ、どこかで一服しようかな」ヌッ
フレンダ「え? ふわっ…」
???「え? うわっ…」
初春(来た!!)
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 01:27:13.10 ID:EgWIgUcL0
ドゴッシャーン!!
フレンダ「ふぎゃあっ!?」ドガァン ドシャアアー
ステイル「ぐおあっ!?」 ドガァン ドシャアアー
ガラガラガラガラー
佐天(もう確定だ…!! これこそが!! 有閑殺しの真の力なんだっ!!!)
初春(…って結構な惨事になってますね。今までの2倍くらいのダメージって感じだ)
フレンダ「……っつあー! いったい! ぐおおおう!」ジタジタ
ステイル「……ぐぅ…! 効いた…! …っと大丈夫かい?」サスサス
フレンダ「なんとか……というかぶつかってごめんなさい」
ステイル「いや、僕こそ悪かったよ。それより…」
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 01:38:08.70 ID:EgWIgUcL0
ガラガラガラガラー
フレンダ「あー! あーあー」
ステイル「荷物が混ざっちゃったね。分けよう」ヒョイッ ヒョイッ
フレンダ「全部缶詰かぁ。あんたも缶詰好きな訳?」ヒョイッ ヒョイッ
ステイル「いや、これはある子が急にみかん缶を食べたくなったそうでね。それでみかん缶を買いに出たんだが何故かどこにも売っていない」ヒョイッ ヒョイッ
ステイル「しかたなくサバ缶をたくさん買ったんだがやっぱり何か違う気がしたんだ。それで再びみかん缶を探してる、って訳さ」ヒョイッ ヒョイッ
フレンダ「……サバ缶?」ピクッ
ステイル「そうだよ。っと、これは君の缶詰だね。…って」ヒョイッ
ステイル「……みかん缶?」
フレンダ・ステイル「……ん?」
佐天(お?)
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 01:44:48.45 ID:EgWIgUcL0
ステイル「――いや、本当に助かったよ! ありがとう!」
フレンダ「いやいや、結局こっちこそ感謝してもしきれないって訳よ!」ニヘー
ステイル「じゃ、そろそろ失礼するよ」
フレンダ「うん。じゃあ」
ステイル「…ああそうだ、僕の名前はステイル=マグヌス。君の名前は?」
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 01:49:47.79 ID:EgWIgUcL0
フレンダ「フレンダ。フレンダ=セイヴェルン」
ステイル「いい名だね。君とはまた会えるような気がする。では今度こそ失礼するよ」
フレンダ「会えるといいね。じゃあ気を付けて」
ステイル「ああ。僕の大事なLOはとうとう無くしてしまったが、それでも今日はいい日だよ。では幸運を」テクテク…
フレンダ「ん? える…? まぁとにかく幸運を」テクテク…
初春「……行っちゃいましたね」
佐天「ふおお…! 何だかいい感じに終わった…!」
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 01:40:26.26 ID:uu8gMKlD0
バタフライ効果すげぇ…
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 00:07:26.56 ID:ylaskX3Z0
結構プランに影響出そうな能力だな
116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 07:01:13.76 ID:sH6CSNRc0
………
佐天「――まさかあたしにこんな力が眠っているとはね。…さて、有閑殺し専用リストバンドをせねば」スポッ
初春「でもビックリですねえ。ホントにすごいですよ!」
佐天「うん。今までのあたしはダメ人間だったけどこれがあれば何とかなるかも。この力が無かったら、と思うとゾッとするよ」アハハ
初春「……佐天さん。私は、有閑殺しじゃなくて、佐天さんがすごいって言ったんです」ニコッ
佐天「…あたし、が?」
117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 07:06:10.71 ID:sH6CSNRc0
初春「だって佐天さんは、ちゃんと自分の力で微妙に運命を変えて見せたじゃないですか」
佐天「…自分の力で、か…」
初春「そうです。佐天さんが有閑殺しを使えるようになったのは、ただただひたすら努力を積み重ねていったからでしょう?」
初春「無能な佐天さんが、それでも先生が心配になるくらいしつこく努力をし続けたからでしょう?」
佐天「…うん」
初春「高い望みを叶えるのはとても難しいことだけれど、それを叶えようと手を伸ばす事なら誰にでもできる」
初春「ほんの僅かな可能性に、みっともなく縋り付くことなら誰にでもできる」
118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 07:11:38.58 ID:sH6CSNRc0
初春「どんな人でも、微妙に運命を変える力を持っている」
初春「しかしそれは誰しもが持っているがゆえにひどく扱い辛い。そんな力を使ってみせた佐天さんは本当にすごいと思います」
佐天「微妙に運命を変える力かぁ…」
佐天「…そっか。そうだよね」
初春「だから佐天さん! 有閑殺しが無かったら、だなんてそんな悲しいこと言わないでください!」ニッコリ
初春「あなたは前を向いていればそれでいいんです。超能力が有っても無くても、どの佐天さんでも私は大好きですよ」
佐天「…うん。ありがとう初春」
121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 07:16:04.26 ID:sH6CSNRc0
………
初春「――さて、じゃあ私は風紀委員に行ってきますね」
佐天「はいはーい。気ぃ付けてね。じゃーねー!」フリフリ
初春「はい。ではまた明日ー!」フリフリ
タッタッタッタッタッ…
佐天「…さて、あたしも帰ろう」
122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 07:21:37.27 ID:sH6CSNRc0
テクテク
佐天(……そうだよね。初春の言う通りだ。何で気付かなかったんだろう)クスッ
佐天(運命なんて――いや、自分とその周りなんて、いくらでも変えようとすることはできるんだ)
佐天(ささやかで、ありふれていて、それでいてとても強い、そんな力を誰もが持っている。それはとても素敵なことだ)
佐天(その力の強さと言ったら、きっと有閑殺しなんて目じゃない)
佐天(……いろいろ考えてたらお腹空いたなぁ。今日は何かたくさん食べて帰ろう!)スタスタスタスタ
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 07:25:18.96 ID:sH6CSNRc0
???「…うわぁ!? もうこんな時間!? ついつい調子に乗って時間かけ過ぎてもうた!!」スタスタスタスタ
???「練習に精を出し過ぎてもうたよー……今行くから待っててくれー上やん!! ツッチー!! 美少女ぉ―!!」ヌッ
佐天「…え? なっ…」
???「…ん? うわっ…」
125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 07:30:21.99 ID:sH6CSNRc0
ドゴッシャアアアアアン!!!!
佐天「……っつあああ!! 痛ああああ!?」ゴロゴロ
青ピ「……っくうううう~…! ぐうう~…!」ジンジン
青ピ「…っと」スクッ パンパン
青ピ「カンニンな君! 大丈夫? 立てる?」スッ
佐天「あ、ごめんなさいこちらこそ…って」ガシッ
青ピ「ホントにカンニンなー…って」グイッ
126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 07:35:37.66 ID:sH6CSNRc0
佐天「…あれ。その手首に着けてる黒いのって」
青ピ「…あれ。その手首のリストバンドって」
佐天・青ピ「「……同じ、リストバンド?」」
佐天・青ピ「「……」」
佐天・青ピ「「…………」」
佐天・青ピ「「…………えっ?」」
おわり
130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 07:45:00.49 ID:EFEaehut0
一乙!!!
短編小説的でおもしろかったぜ!!!
135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 08:59:48.96 ID:GNA0/LZHO
佐天さんが能力かけた人に対して
もう一人づつ早足な人が出てきたのはそういうことか
一瞬わかんなかったわwww
129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 07:44:00.38 ID:PSUMvqUh0
ステイルのだったのかこのロリコンめ
76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/02(土) 01:01:26.21 ID:QIXU10i10
やっぱ佐天さんには微妙にすごくてくだらない能力が似合うな。
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