絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」その20

2011-05-24 (火) 09:02  禁書目録SS   12コメント  
前→絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」その19
まとめ→絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」まとめ

352 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/09(土) 22:40:06.46 ID:8Qhinqtwo

それでは、始めさせて頂きます。
最終日前日、大掃除と最後の晩餐のようです。



352 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/09(土) 22:40:06.46 ID:8Qhinqtwo

それでは、始めさせて頂きます。
最終日前日、大掃除と最後の晩餐のようです。



353 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/09(土) 22:41:41.91 ID:8Qhinqtwo


~3月30日 きぬはた荘 リビング~


絹旗 「……モノが超ないですね」

滝壺 「色々整理しちゃったしね」

白井 「泣いても笑っても、明日で最後ですの」

婚后 「あの、わたくしから提案なのですが」ノ

絹旗 「はい、婚后さん」

婚后 「最後に大掃除などいかがでしょう」

番外個体 「? もう出てくのに?」

海原 「いえ、だからこそでしょう」

結標 「どういうこと?」

婚后 「立つ鳥あとを濁さずと申しましょうか、感謝の気持ちを込めて綺麗にしてから発つのもよろしいのではなくて?」

白井 「一理ございますの」

浜面 「お嬢の言うとおりだな。どうせみんなヒマなんだし、掃除しようぜ」

絹旗 「……ですが」



354 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/09(土) 22:43:48.99 ID:8Qhinqtwo

婚后 「何か心配事が?」

絹旗 「……またアイツが出てきたら、私じゃ対処できないです」

番外個体 「アイツって?」

白井 「人類の敵ですの」

結標 「黒い悪魔よ」

滝壺 「恐怖の具現化だね」

婚后 「?」

番外個体 「??」

浜面 「あれだ、あれ。ごk」

絹旗 「超ちっそニードローーップ!!」グシャァ

浜面 「ホゲッ」

海原 「まあ、口に出すのも憚られるぐらい苦手ということですよ」

番外個体 「ふーん……かといって、何もしないのも」

絹旗 「超分かってます! ただ……ヤツとエンカウントしたときには超助けてください」

海原 (念のため、金星の位置を確認しておきますか)



355 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/09(土) 22:45:32.65 ID:8Qhinqtwo


~同日 きぬはた荘 2階廊下~


白井 「(ツー)まー、こんなにホコリを溜めて!」

婚后 「だからこうやって掃除しているのでしょう。白井さんは窓拭きをお願い致しますわね」

白井 「婚后さんは?」

婚后 「わたくしは床を拭きますので」

白井 「……なんだか、妙にその格好似合いますわね」

婚后 「?」←三角巾+モップ

 :
 :
 :

白井 「思えば、不思議なものですの」ゴシゴシ

婚后 「と申されますと?」

白井 「ある日、寮を壊されたかと思えば、路頭に迷って」

婚后 「そういえば、ここにご厄介になったのも偶然のようなものでしたわね。懐かしいですわ」

白井 「加えて、同居人の方々と離れるのが辛いと感じるまで仲良くなるなんて、想像もできませんでしたの」



356 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/09(土) 22:47:16.55 ID:8Qhinqtwo

婚后 「出会いも別れも繰り返す物、それはいつだって偶然ですわ」

白井 「ならばわたくしはこの偶然に感謝したいものです」

婚后 「こう言ってはなんですが、寮を壊した殿方にも感謝しても良いかもしれませんわね」クスクス

白井 「まぁ、そこまでは……ちょっとだけ思ってますが」

婚后 「犯罪を助長しかねない発言……風紀委員失格ですわ」キリッ

白井 「い、今のは誘導尋問ですのぉぉ!!」

婚后 「しっかりなさってくださいな、支部長候補殿?」

白井 「ぐぬぬ……」

婚后 「ささ、掃除を済ませてしまいましょう。夕飯に間に合わせませんと」

白井 「分かっておりますの」

婚后 「広いのですから、手早くtきゃっ」ツルッ

白井 「あ」


  ドテッ


婚后 「いたたた……わたくしとしたことが……」

白井 「しっかりなさってくださいまし、次期当主殿?」クスクス



357 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/09(土) 22:49:27.76 ID:8Qhinqtwo


~きぬはた荘 バスルーム~


番外個体 「考えてみたら天井近くの壁は掃除したことなかったね」ガッシュガッシュ

結標 「こういうとき、水圧洗浄機とかあれば楽なのにね」ジャバババ

番外個体 「水流操作能力でもいいや。知り合いにいないの?」

結標 「残念ながらね」

番外個体 「結局ホースで水かけながらデッキブラシでこするしかないワケか」ガッシュガッシュ

結標 「思えばこの家、何やるにしてもどこかアナログだったわね」

番外個体 「にしてもなぁ。おフロ掃除となると私たちの能力なんの役にも立たないね」

結標 「相性ってのは何にでも存在するものよ」

番外個体 「相性かぁ……私たちの相性ってよかったのかな」

結標 「なんだかんだで一年生活してきたんだし、悪くはないんじゃない?」

番外個体 「そんなもんなのかねぇ」

結標 「貴女だって、こっちに来る前は誰かと生活してたことあるでしょ? 似たようなものよ」

番外個体 「……いや、こういう風に大人数で生活するのって初めてだったんだよね」



358 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/09(土) 22:51:14.09 ID:8Qhinqtwo

結標 「え? そうだったの?」

番外個体 「言う必要もないし、聞かれなかったら言わなかったけどさ」ガシュガシュ

結標 「……で、どうだったの? この一年」

番外個体 「戸惑うことも多かったけど、すっごい楽しかったよ」

結標 「ならよかったじゃない」

番外個体 「淡希とも知り合えたしね」

結標 「……ねえ」

番外個体 「んー?」ガシュガシュ

結標 「今までと違って離れて生活することになるけど、それでも親友でいてくれる?」

番外個体 「……やだなー、言われなきゃ分かんないの?」ニヤニヤ

結標 「そうね。愚問だったわ」クスクス

番外個体 「よしよし、友情の証にこいつで背中を流してあげよう」スチャ

結標 「やめてよ」

番外個体 「さあ、脱げ脱げ」ツンツン

結標 「やめてって言ってるでしょ」バシャァァァ

番外個体 「うひゃっ、冷たっ!!」



359 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/09(土) 22:53:12.26 ID:8Qhinqtwo


~きぬはた荘 リビング~


海原 「まず、このソファをどかしましょうか」

浜面 「そうだな。ソファの下ってのも全然掃除してねえし」

海原 「ではそちら側をお願いしますね」

浜面 「おし。海原、そっちはいいかー」

海原 「はい、いつでも大丈夫ですよ」

浜面 「じゃ、せーのでいくぞ。せーのっ」

海原 「よっ」

浜面 「そのままそのまま、壁際まで」

海原 「いいですか? 離しますよ」

浜面 「ちょっとだけ待て(ドズン)アッーーー!!」

海原 「? 浜面さん?」

浜面 「ソファの脚が俺の足に乗ってるんだよぉぉ!!」

海原 「あららら」



360 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/09(土) 22:54:55.15 ID:8Qhinqtwo

浜面 「おー、いてて……」

海原 「大丈夫ですか」

浜面 「クソッ、この女所帯でお前だけは味方だと思ってたのに……」

海原 「僕はいつだって浜面さんの味方ですよ」ニコニコ

浜面 「ホントだな? 信じるからな?」

海原 「やだなぁ、これまでも励まし合ってきたじゃないですか」ニコニコ

浜面 「そうだよな! 心の友よ!」

海原 「さてさて、そうと決まれば早く掃除を済ませましょう」

浜面 「そうだな! よーし、張り切って……なんだこりゃ?」

海原 「?」

浜面 「ソファーがあったところに、いろいろと……」

海原 「キーホルダーに、リボンに……これは女性用下着ですか」

浜面 「……たしかよ、このソファーの下ってユリコがよく潜り込んでたよな」

海原 「ユリコさんコレクションという訳ですか。ソファもどかして正解でしたね」

浜面 「持ち主に返さねえとな」



361 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/09(土) 22:56:23.88 ID:8Qhinqtwo


~第7学区 某所~


絹旗 「で、私たちは掃除を超免除されたワケですが」

滝壺 「家主だからいいって言われちゃったね」

絹旗 「間借りしてる人間の仕事だとも。というか、家主だなんて言われるまで意識してませんでした」

滝壺 「私も」

絹旗 「ただ家でボーッとしてても超邪魔ですし。外に出てきたはいいですが、何しましょうか?」

滝壺 「」ウーン

絹旗 「とりあえず映画でも」

滝壺 「きぬはた印の映画はちょっと……」

絹旗 「ちょっ、いくら滝壺さんでも超ヒドイです!」

滝壺 「なにかすることないかな」

絹旗 「夕飯の買い物でもします?」

滝壺 「あっ」

絹旗 「?」

滝壺 「色々整理しちゃったから、家に食べるものがほとんどない」



362 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/09(土) 22:57:55.77 ID:8Qhinqtwo

絹旗 「なんですと」

滝壺 「」ピコーン

絹旗 「滝壺さん?」

滝壺 「考えてみたら、今日の夜ご飯はあの家で食べる最後の夜ご飯だよね」

絹旗 「言われてみれば……」

滝壺 「だからさ」

絹旗 「だから?」

滝壺 「色々揃えて豪華にしようよ」

絹旗 「いいですね。超パーッとやりましょうか」

滝壺 「何がいいかな」

絹旗 「とりあえずスーパーに行って、超手当たり次第に買ってみてはどうでしょう」

滝壺 「そうだね、まずスーパーから行こうか」

絹旗 「そうと決まれば、早速向かいましょう」



363 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/09(土) 22:59:29.22 ID:8Qhinqtwo


~第7学区 とあるスーパー~


滝壺 「」ポイポイポイポイ

絹旗 「これは焼肉用の肉ですか」

滝壺 「うん、考えてみたら焼肉って随分食べてないなって思って」

絹旗 「あー、いつでしたっけね。温泉施設に行って以来ですか」

滝壺 「多分それぐらい」

絹旗 「あとは何にしましょうかね」

滝壺 「なるべく完成品にしたほうがいいかな。作ろうとするとキッチン汚しちゃうし」

絹旗 「ではお惣菜コーナーにでも」

 :
 :
 :

絹旗 「お、ポテトです。超ポテトがおいしそうです」

滝壺 「ポテトだったらこっちの皮付きのがいいな」

絹旗 「滝壺さんはそっち派でしたね」



364 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/09(土) 23:00:43.49 ID:8Qhinqtwo

滝壺 「マックのポテトよりケンタッキーのポテトのほうが好き」

絹旗 「私は超マック派です。とりあえず、どっちも買っちゃいましょう」ドサドサ

滝壺 「あと何か甘いのがあるといいかな」

絹旗 「焼肉やらなんやらの後だと、冷たくて甘いモノが欲しくなりますよね」

滝壺 「アイスかな?」

絹旗 「あっ、アイスならアレ超食べたいです。あのー……」

滝壺 「?」

絹旗 「ベヨネッタ?」

滝壺 「ビエネッタ?」

絹旗 「あー、それです!」

滝壺 「あれなら大きいから丁度いいかもね」

絹旗 「前に一人で一箱食べちゃいましたよ」

滝壺 「食べ過ぎ」

絹旗 「甘いモノは超別腹です」フンス



365 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/09(土) 23:02:41.20 ID:8Qhinqtwo


~30分後~


滝壺 「こんなもんかな」

絹旗 「明日に持ち越せませんしね。これぐらいにしておきましょうか」

滝壺 「じゃ、お会計に」

店員 (うっわ、なんだこの量……ベテランレジ戦士、腕の見せ所だぜ……)グッ


 ピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッ


絹旗 「これだけあると、精算も超終わりませんね」

滝壺 「仕方ないよ」

店員 (なぁめぇるぅなぁぁぁぁぁぁ!!)ピッピッピッピッピッピッ

店員 「はい! 全部で65536円になります!」

滝壺 「」つ【GOLD】

店員 「はい、カードですね」

絹旗 「あ、袋にも入れてくれると超嬉しいんですが」

店員 「」



366 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/09(土) 23:04:38.84 ID:8Qhinqtwo


~同日夕方 きぬはた荘 リビング~


絹旗 「ただいま戻りましたー」

滝壺 「ただいま」

ユリコ 「(・ω・ )三三三三」ポテテテ

結標 「あら、お帰り」

番外個体 「どうしたの、その大荷物は」

絹旗 「全部今日のディナーです」フンス

白井 「え? これ全部がですの?」

婚后 「今日中に食べきらないといけないのですよ?」

滝壺 「これだけ人数がいれば大丈夫」

浜面 「いざとなれば、俺が片付けてやるぜ!」

海原 「さすが育ち盛りは違いますね」

浜面 「いや、育ち盛りって歳は終わってんけどな」

絹旗 「というワケで、超早速夕食の準備に取り掛かりましょう!」



367 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/09(土) 23:06:51.37 ID:8Qhinqtwo

 :
 :
 :

浜面 「我が家のホットプレートもこれが最後の出番か」

海原 「なんだか感慨深いですね」

浜面 「思い出すな。俺と海原しかいないときはこいつで焼きそばやら
    お好み焼き作ってメシ済ませてたよな」

絹旗 「え、なんですかそれ。私も超食べたかったです」

浜面 「残念だったな。ぐうたらな男の料理ってヤツだ」エヘン

婚后 「あの、お肉やらはお皿等に移さなくてよろしいのですか?」

白井 「洗い物が増えてしまいますし……今日に関しては、後片付けは極力減らしたほうがよろしいですの」

番外個体 「そだね。このままでも大丈夫でしょ」

結標 「あれ? 菜箸はないの?」

滝壺 「あ、しまっちゃったかも」

絹旗 「いいですよ、割り箸で」

浜面 「さあ、じゃんじゃん食おうぜ。ハラ減っちまったよ」



368 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/09(土) 23:09:17.06 ID:8Qhinqtwo

結標 「あっ、このバカ!」ペシッ

番外個体 「いたっ」

結標 「なんでタレから先に焼いてるのよ! 順番ってものがあるでしょ!」

番外個体 「いっ、いーじゃん別に! これぐらい好きに食べさせてよ!」


<ワーワー
<ギャース


浜面 「……なんつうか、この二人のじゃれあいもこれで見納めなのか」モフモフ

絹旗 「ケンカではないんですよね」

滝壺 「多分、この二人が本気でケンカしたらお互いに口きかなくなる」

浜面 「そういや前にもそんなことあったな。後にも先にもあの1回だけか」

番外個体 「もー、いっつも細かいんだから!」

結標 「貴女がアバウトすぎなのよ!」

番外個体 「淡希はアレか!」

結標 「どれよ!」

海原 「はいはい、結標さん。それぐらいにしておきましょう」ナデナデ

白井 「大きいお姉様も。ここは大人の対応を見せて淑女アピールですの」



369 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/09(土) 23:11:06.19 ID:8Qhinqtwo

浜面 「お嬢、この辺もう食べれるぞ?」

婚后 「お気持ちだけ……わたくし、臓物は苦手でして」

浜面 「なんだよ、ウマイのに」グニグニ

絹旗 「私も内蔵は超苦手ですね。どこかの浜面と違って繊細ですので」

浜面 「俺だって繊細だぜ!?」

滝壺 「食べたいのを食べてればいいの。たくさんあるから」

絹旗 「滝壺さーん、ハラミ焼いていいですか? これおいしいんですよ」

白井 「そちらだって臓物みたいなものでしょうに」

絹旗 「えっ」

浜面 「えっ」

滝壺 「えっ」

白井 「えっ?」

絹旗 「そ、そうなんですか!?」

白井 「え、ええ、まあ」

婚后 (今のうちに豚カルビを鉄板に)ポイポイ



370 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/09(土) 23:13:07.50 ID:8Qhinqtwo


~1時間半後~


番外個体 「」ケプッ

結標 「こら、はしたない」

番外個体 「こりゃ失礼」

白井 「まだまだ食材は残ってますの……」

婚后 「お肉以外にも色々ございますわね。お惣菜に、アイスに……」ガサガサ

絹旗 「」クピクピクピ

滝壺 「きぬはた、何飲んでるの?」

絹旗 「さあ? ノドが乾いたので、てき、とうに……」プシュー

白井 「これは、ワイン……」

婚后 「調理用にと買っておいたものですわね」

絹旗 「」

浜面 「おい、大丈夫か? お前飲み慣れてないだろ?」

絹旗 「ヒー(゚∀゚)ハー」

滝壺 「」

結標 「どうするのよこれ……」



371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/04/09(土) 23:14:25.85 ID:8Qhinqtwo

滝壺 「きぬはたが壊れた」

絹旗 「なンだか、身体がちょーアツイです! はまづら! てめーも飲みやがれですゥ!」

浜面 「お、おい、絹旗」

絹旗 「は~まづりゃ~~、私の酒が飲めないっていうンですか~~。
    ちょーはまづらのくせに~~!」

浜面 「絹旗さん! まずは落ち着けください!」

絹旗 「そーれ、いっきいっき!」グイッ

浜面 「モガッ」

海原 「お、ラッパ飲みとは豪快ですね」

浜面 「ゴボゴボゴボゴボゴボゴボ」

絹旗 「あーれー? ちょーカラッポになっちゃいましたよー?」

浜面 「」

滝壺 「はまづら終了」

結標 「ちょ、ちょっと大丈夫?」

番外個体 「ねー、淡希」ツンツン

結標 「なによ、こんなとき……に……」



373 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/09(土) 23:16:34.56 ID:8Qhinqtwo

番外個体 「」ポケー

結標 (呑んだわね……)

番外個体 「海原さん借りるね?」

結標 「はぁ!?」

番外個体 「海原さーん!」ダキッ

海原 「ミ、ミサワさん!? うれし……あ、いや、ダメですよ!」

番外個体 「ホントはあーくンの腕枕がいいんだけど、ここにいないからさー!」

海原 「お、落ち着きましょう、ね?」チラッ

結標 「」ゴゴゴゴゴ

海原 (ひい!)

番外個体 「あれー? これって浮気? もしかしてダブル浮気? きゃははははは☆」

結標 (……この状況に立ち向かうには、これしか)

結標 「」クピクピクピ

海原 「む、結標さん! 身体に障ります! 僕には構わずに!」

結標 「」ポイッ カランカラン



374 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/09(土) 23:18:38.10 ID:8Qhinqtwo

結標 「ちょっとアンタ……」

番外個体 「んー? 邪魔しないでもらえる?」

結標 「アンタには性悪白エノキがいるでしょぉ! 海原に手ださないでよ!」

番外個体 「あァ!? 性悪白エノキ!? あーくンのことバカにしたなァ!?」

結標 「なによ! 海原の方がずっと逞しいし優しいしかっこいいし紳士じゃない!」

番外個体 「あっ、あーくンだって! あァ見えて優しいし目赤いし頭いいし肌キレイだもン!」

海原 「お二人とも! お願いですから正気に戻ってください!」

白井 「……どうしますの、コレ。もう収拾がつきませんの」

婚后 「正気を保った人間で押しとどめるしかないですわね……」

滝壺 「」スピー

白井 「滝壺さんは一瞬で酔いつぶれてしまいましたの」

婚后 「滝壺さん、一升瓶は抱き枕にするには固すぎますわよ」グイ

絹旗 「は~まづら~、何やってるですか! ちょー起きやがれですゥ~!」ブンブン

浜面 「ぐっおえ……頼む、揺らすな……!」

絹旗 「にゃははは☆ はまづら顔ちょー真っ青ですよー☆ ちょーおもしれー☆」



375 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/09(土) 23:20:22.58 ID:8Qhinqtwo


~数時間後~


絹旗 「」スピー

浜面 「」

滝壺 「」スピー

結標 「」プスプス

番外個体 「」プスプス

白井 「ボロ雑巾が5枚ですの……」

婚后 「まあ……今日ばかりは大目に見ましょう」

海原 「羽目も外したくなりますよ、最後の夕食なんですから」ジュワジュワ

白井 「焼肉続行ですの?」

海原 「ええ、少し余ってますし。先程の騒動でお腹も空きましたしね」

婚后 「ご一緒してよろしいですか?」

海原 「どうぞどうぞ」

白井 「はあ、どっと疲れました……あ、おいしいですの」モギュモギュ

ユリコ 「(・ω・)」モシャモシャ



376 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/09(土) 23:21:05.01 ID:8Qhinqtwo

といったところで、今回はここまでです。
きぬはた荘最後の宴も慎ましやかに終了しました。
次回、いよいよきぬはた荘の最終日です。

お付き合い頂き、ありがとうございました。
それでは、これにて。



378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県):2011/04/09(土) 23:23:32.60 ID:8DAtIDAQ0


遂に最終回か




380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/04/09(土) 23:26:21.71 ID:0Tzje2Ur0
ユリコ……間違えて玉葱食ってないよな……心配だ



392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/04/10(日) 01:22:42.57 ID:HUjbx8xIO
お前ら、最終日だってよ。前回言ってたのは最終章。
まだ最終回とは一度も言ってない。




393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州・沖縄):2011/04/10(日) 01:27:09.67 ID:02Qsl/tAO
>>391
そこに気づくとは…



415 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/11(月) 01:36:11.32 ID:DmSH8IQwo

それでは、始めさせて頂きます。
いよいよ最終日です。



416 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/11(月) 01:37:53.70 ID:DmSH8IQwo


~3月31日 きぬはた荘 リビング~


絹旗 「んぅ?」ムク

絹旗 「あれ? なんで私はリビングで寝てるんですか?」

浜面 「」

滝壺 「」スピー

結標 「」プスプス

番外個体 「」プスプス

絹旗 「……な、なんですか。この有様は」


<ゴミはこれで全部ですわね?
<はいですの。
<では、外に出してきますよ。


絹旗 「……こりゃあ、なんかやらかしちゃいましたか」

絹旗 「とりあえず、ノドが超乾きました」トテトテ



417 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/11(月) 01:39:43.62 ID:DmSH8IQwo

白井 「あら? 絹旗さんは?」

婚后 「起きて着替えなりにいったのでは」

白井 「では、他の皆さんも。そろそろ起こしませんと」

婚后 「荷物も纏めないといけませんしね」

白井 「さあさ、皆さん。起きてくださいまし」ユサユサ

滝壺 「?」

婚后 「お二方も。もう朝でございます」ポンポン

番外個体 「あぁ……?」

結標 「あ、あれ……なんで朝……?」

婚后 「昨夜は大盛り上がりでしたし」クスクス

番外個体 「いつの間にか寝ちゃってたんだ」

結標 「ねえ、なんで私あちこちコゲてるの? 貴女、何かした?」

番外個体 「いやぁ……途中から記憶がないんだよねぇ」ガシガシ

白井 「あ、あの……」



418 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/11(月) 01:41:32.96 ID:DmSH8IQwo

婚后 「どうかされましたか?」

白井 「浜面さんが起きない……というか、動かないのですが」

浜面 「」

滝壺 「はまづら、朝だよ」ユサユサ

浜面 「……ふが」

結標 「こりゃ相当深く寝ちゃってるわね」

白井 「どうしましょう。放っておく訳にも」

結標 「真琴、出番よ」

番外個体 「せいや」ビリッ

浜面 「おぉぉぉ!?」ガバッ

滝壺 「はまづら、おはよ」

浜面 「お、おお。おはよう。え? おはよう? もう朝なのか?」

番外個体 「」ファーァ

結標 「欠伸するなら口隠しなさいよ」ペシッ



419 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/11(月) 01:43:18.31 ID:DmSH8IQwo

番外個体 「いてっ……あぁ、とりあえず顔洗いたい」

結標 「あ、私も行く」


<うぇー、口の中ネバネバなんだけど。
<昨日いつから寝てたのかしら……。


滝壺 「いつの間にか寝ちゃってたね」

浜面 「くそ、昨日は最後の夜だから熱く語り尽すつもりだったのによ……」

白井 「それは残念でしたわね」

婚后 「お水をお持ちしましょうか?」

滝壺 「お願いしていい?」

婚后 「少々お待ちくださいな」

絹旗 「持ってきましたよ、ペットボトルのままですけど」

白井 「あら、絹旗さん。大丈夫ですの?」

絹旗 「? 何がですか?」

浜面 「あ! そうだ! お前昨日は大暴れだったじゃねぇか!」

絹旗 「大暴れ!? 私が!?」



420 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/11(月) 01:44:56.72 ID:DmSH8IQwo

白井 「まあ、大層な乱れっぷりでしたの」

絹旗 「マジですか……途中から記憶が超ないんですけど」


<ギィィィ バタン


海原 「ゴミ出し終わりました。おや、皆さん起きておいででしたか」

婚后 「海原さん、わざわざありがとうございます」

白井 「お手数おかけしてしまいまして」

結標 「あっ、海原どこいってたのよ」

海原 「ちょっとそこまでゴミ捨てに」

結標 「ねえ。昨日私、いつ頃から寝てた?」

海原 「……覚えておられないので?」

結標 「う、うん……」

海原 「……結標さんとミサワさんの名誉のためにも、お話する訳には参りません」

結標 「えっ、ちょ、どういう意味!?」

海原 「で、では、僕は残りの荷物をまとめてきます」



421 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/11(月) 01:46:36.10 ID:DmSH8IQwo

結標 「あっ、待ってよ……もう!」

浜面 「ま、知らないほうが幸せなこともあるってこったな。俺も知らねえけど」

滝壺 「何があったの?」

絹旗 「さあ……私も記憶フッ飛んでますので」

番外個体 「あれ? みんなしてなにしてんの?」

結標 「」ジー

番外個体 「?」

結標 「貴女、一方通行のこと好きなのよね?」

番外個体 「なっ、あ、え、それ今言うことなの!?」

結標 「……いいわ。私も荷物まとめてくる」

番外個体 「??」

白井 「さて、落ち着いたところでわたくしたちも準備致しませんと」

婚后 「そうですわね。後で慌ただしくならないように」

絹旗 「はあ……いよいよなんですね」

滝壺 「いよいよだね」



422 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/11(月) 01:48:31.45 ID:DmSH8IQwo


~同日 きぬはた荘 リビング~


絹旗 「よいしょ……あれ? 私が超最後でしたか」ゴトン

結標 「そのスーツケース、沖縄に行く時に買ったヤツよね」

絹旗 「そうです。確か、白井さんが入れるかどうかが基準に」

白井 「入れたとしても入りませんの!」

番外個体 「なんか、こうやって大荷物持って集まってると、これから旅行に行くみたいだね」

婚后 「考えてみれば、あの時も大荷物を抱えてこの部屋に集まりましたわね」

海原 「なんだかつい最近のことのようですね」

浜面 「……ちくしょぉ」

滝壺 「今年ははまづらも行こうよ」ナデナデ

婚后 「そうですわね。どうにか手配はしたいものですわ」

白井 「婚后さんの手腕に期待ですの」

ユリコ 「ノシ・ω・)ノシ」

絹旗 「おお、ユリコも超楽しみですか」



423 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/11(月) 01:50:29.68 ID:DmSH8IQwo

番外個体 「……ところで。いつ頃出るの?」

絹旗 「それなんですが……」

白井 「何かございますの?」

絹旗 「私はギリギリまで残ります」

浜面 「おい、みんなにも予定ってもんがあるだろ」

滝壺 「はまづら。きぬはたはみんなを見送りたいんだよ」

浜面 「見送る……?」

絹旗 「ええ、みなさんが超後腐れなく出発したのを見届けてから、私も出発したいんです」

滝壺 「私もきぬはたと同じ。だから残るよ」

海原 「なるほど、そういうことでしたか」

婚后 「家主としての責任感でしょうか」

浜面 「……しょうがねぇ、俺も付き合わせてもらうか」

絹旗 「あ、いいですよ、浜面は。超さっさとどっか行ってください」

浜面 「おぃぃぃ!? 今いい場面になりかけてたのに台無し!」

結標 「いつも通りのやりとりね。なんか安心したわ」クスクス



424 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/11(月) 01:52:35.64 ID:DmSH8IQwo

絹旗 「そうだ。私から超提案があります」

海原 「と申されますと?」

絹旗 「今ここで、この家での最後の記念撮影といきましょう」フンス

婚后 「まあ、名案ですわね」

結標 「文字通り、最後になるのよね」

番外個体 「なんかそう言われると……実感が湧いてきちゃうじゃん」

白井 「ちゃんと後で焼き増ししてくださいな」

絹旗 「超勿論ですとも。では、カメラセットです」シャキン

浜面 「おおい、もうちょいそっち寄ってくれ」

滝壺 「じゃ、はまづらはこっちきて」

番外個体 「えい」ダキッ

結標 「ちょ、ちょっと……まあ、最後ぐらいはいいか」

婚后 「ほらほら、絹旗さんは真ん中に入りませんと」

ユリコ 「( ・ω・)ノシ」

絹旗 「ま、待ってくださいよ! 超ギリギリですよ!」トテテ


  ピッ カシャッ



425 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/11(月) 01:54:22.22 ID:DmSH8IQwo

 :
 :
 :

海原 「結標さん、そろそろ……」

結標 「そうね……それじゃ、私たち迎えに行かなきゃいけない人がいるから」

婚后 「あら、そういうことであれば遅れないようにいたしませんと」

浜面 「二人とも気を付けてな!」

絹旗 「超お元気で」

滝壺 「またどっか行けたらいいね」

結標 「貴女ともいろいろあったわね」

白井 「……本当に、不思議な縁ですの」

浜面 「あの二人ってなんかあったのか?」

海原 「まあ、色々とあるんですよ」

結標 「ねえ、真琴」

番外個体 「ん」

結標 「落ち着いたら連絡するわね」



426 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/11(月) 01:56:14.75 ID:DmSH8IQwo

番外個体 「……うん、待ってる」

結標 「じゃ、またね」スッ

番外個体 「またね」パシンッ

浜面 「すれ違いざまにハイタッチか、姐さんたちがやると絵になるな」

海原 「僕らもやっておきましょうか」

浜面 「よし、どんとこい!」スッ

海原 「では失礼して」バチコーン

浜面 「っ……!」

海原 「またその内に。それでは、一旦失礼します」ペコリ


<バタン


浜面 「……いってぇぇぇ! 手加減しろよ、あの野郎!」

番外個体 「フルスイングだったねー」ケラケラ

婚后 「殿方同士の友情というのは素敵ですわね」

白井 「何か違うような……」



427 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/11(月) 01:57:56.08 ID:DmSH8IQwo


~しばらく後~


番外個体 「……よしっ。私もそろそろ行くよ。待たせてるヤツもいるし」

白井 「ああ、大きいお姉様まで行ってしまわれるのですか……」ウルウル

滝壺 「しらい、泣いちゃだめ」

婚后 「念のための確認なのですが、ロシアに帰る訳ではありませんよね?」

番外個体 「うん、第7学区にいるよ。お店もあるしね」

絹旗 「その内遊びにいきますよ」

浜面 「なんとか売上に貢献できるようにしますんで……」

番外個体 「次は皿洗いじゃなくて、現金で払ってよね」ニヤニヤ

絹旗 「浜面……」

白井 「それはどうかと……」

浜面 「返す言葉もございません」orz

滝壺 「大丈夫だよ、なんというか情けない浜面も応援してる」

婚后 (ここまで来ると、少々気の毒ですわね……)



428 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/11(月) 01:59:32.02 ID:DmSH8IQwo

番外個体 「ユリコも。ありがとね、私みたいなのに懐いてくれて」ナデナデ

ユリコ 「ノシ・ω・)ノシ」

番外個体 「……それじゃ」

番外個体 「今まですっごい楽しかったよ」

滝壺 「それはお互い様」

浜面 「思えば、ミサワの姐さんは俺にも優しくしてくれたよな」グスッ

絹旗 「なんですか。私たちだっていつも超優しいじゃないですか」

白井 「大きいお姉様、何卒お達者で」ウルウル

婚后 「今生の別れでもございませんでしょうに」

番外個体 「ホント、白井さんはいつも大袈裟なんだから」

白井 「性分ですので」

番外個体 「……ま、白井らしいっちゃらしいけどね」

番外個体 「喋りすぎたかな……もう行くよ」

番外個体 「んじゃ、またね」


<バタン



429 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/11(月) 02:01:46.59 ID:DmSH8IQwo


~同日夕方~


婚后 「名残惜しいですが、わたくしもそろそろ参りますわね」

白井 「婚后さんは、次の新居はここからでは少々遠いのでは?」

婚后 「ええ。ですからそろそろリミットですわ」

滝壺 「ぎりぎりまで居てくれたんだね」

白井 「……では、途中まで一緒に参りますの」

婚后 「ええ、そういたしましょう」

浜面 「二人とも気をつけてな」

絹旗 「白井さん、私も後から行きますので」

白井 「はい。先に行ってお待ちしておりますの」

婚后 「……嫌ですわ。この期に及んで、色々と思い出してしまいました」

浜面 「そういうのなんて言うんだっけ。走馬灯だっけか」

滝壺 「はまづら、全然違う」



430 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/11(月) 02:03:41.76 ID:DmSH8IQwo

婚后 「絹旗さんとも他の皆さんとも知り合えたこと、感謝しておりますので」

白井 「大覇星祭や学校見学、いろいろございましたの」

絹旗 「今だから白状しますが……」

白井 「?」

絹旗 「私が超復学しようと思ったきっかけは、白井さんと婚后さんなんです」

婚后 「まあ、光栄ですわね」

白井 「あと1年ですが、一緒に頑張りますの」

絹旗 「はい、超よろしくお願いします!」

婚后 「……では、色々とお世話になりました」

白井 「また落ち着いたらご連絡します」

浜面 「おう、待ってるぜ!」

滝壺 「二人とも、気をつけてね」

婚后 「またその内に」ペコリ

白井 「お先に失礼致しますの」


<バタン



431 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/11(月) 02:05:05.89 ID:DmSH8IQwo

 :
 :
 :

滝壺 「私たちで最後だね」

絹旗 「……なんていうか」

浜面 「?」

絹旗 「この部屋って、こんなに広かったんですね」

滝壺 「……そうだね」

浜面 「ほんの数時間前まで騒がしかったんだけどなぁ……」

絹旗 「超色々ありましたよね」

滝壺 「うん。もう語り尽くせないぐらい」

絹旗 「超楽しかったです。部屋貸しだしてよかったですね」

滝壺 「私のおかげ」フンス

浜面 「みんな言ってるけど、不思議なもんだよな」

絹旗 「いいじゃないですか、不思議でも」

浜面 「ま、結果良ければ全て良しってな」



432 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/11(月) 02:06:56.32 ID:DmSH8IQwo

滝壺 「日が沈み始めたね」

絹旗 「……ここいらが超限界っぽいですね」

浜面 「それじゃ、名残惜しいが行くとしますか」

絹旗 「そうですね。ユリコ、行きますよ」

ユリコ 「(・ω・)オアーン」

浜面 「さて、家。世話になったな」

滝壺 「お世話になりました」ペコリ

絹旗 「超お世話になりました」


<よいしょ。
<絹旗?スーツケースに乗ってどうすんだ?
<浜面、押してください。
<あぁ、そういうことかい。はいはい、分かりましたよ。
<便利だよね、それ。


<ギィィィ バタン



433 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/11(月) 02:07:37.56 ID:DmSH8IQwo

といったところで、今回はここまでです。
きぬはた荘がなくなりましたので、きぬはた荘というSSも終了となります。
次回、エピローグ。本当に本当の最終回です。

お付き合い頂き、ありがとうございました。
それでは、これにて。



436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/04/11(月) 02:08:54.86 ID:pYq8fsV3o

さて住む場所さがすか




438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北陸地方):2011/04/11(月) 02:09:17.69 ID:YHBs6zKAO

最終回っぽさがでてるね…




444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2011/04/11(月) 02:16:11.57 ID:ld0H97Bk0
ちょろっと目が潤んでしまった……乙



471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/04/11(月) 21:34:32.09 ID:HfMr6I4DO
>>1乙!
いつの間にか生活の一部になってたこのSSともお別れか




441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2011/04/11(月) 02:11:28.58 ID:NDdJYHeO0

番外編で旅行やってくれると信じてる
さみしい




500 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/13(水) 23:23:50.92 ID:/BKndyiBo
それでは、ゆるりと始めさせて頂きます。



502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県):2011/04/13(水) 23:24:42.38 ID:9KzOTW+Oo
ついにきてしまったか……



504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/04/13(水) 23:25:55.64 ID:J5PojOjAO
ガクブルが止まらねぇ…



503 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/13(水) 23:25:40.97 ID:/BKndyiBo




  ――きぬはた荘解散から2ヵ月後...




505 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/13(水) 23:27:54.91 ID:/BKndyiBo


~第7学区 とある病院~


  ポキッ☆


患者A 「んぎゃぁぁぁ! 指が! 俺の指が逆方向に曲がったぁぁぁ!!」

麦野 「もぉ~、いけないんだぁ。ここはそういうお店じゃないんだぞ☆」

19090 「しっ、しずりん! ミサカたちの仕事は患者を癒すことです。患者を製造してどうするのですか!
     とミサカは何度目かも分からない苦言を呈します」オロオロ

麦野 「えー、でもカエル先生だってセクハラ患者には容赦しなくていいって言ってただろ」

19090 「かといってこれはやりすぎではないでしょうか、とミサカは……とりあえず戻しましょう」ポキッ

患者A 「オウフ」

19090 「し、しずりんはいつもいつもそうやっtわっひゃぁぁぁ!?」

患者B 「」ナデナデ

19090 「どこを触っているのですかぁぁぁぁ!!」ビリビリ

患者B 「オウ、あbbbbbb、ミサカさんの電気たまらんでござる!」



冥土帰し 「……やれやれ、今日も騒々しいね?」ハァ

冥土帰し 「しかし、彼女ら目当てに来院する人もいるぐらいだ……世の中、分からないものだね?」



506 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/13(水) 23:28:36.32 ID:/BKndyiBo




  ――日常は終わらない。




509 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/13(水) 23:30:12.41 ID:/BKndyiBo


~第7学区 とある学生寮~


上条 「???」

禁書 「……とうま、そこは昨日みことが教えてくれたのと同じ公式なんだよ」

上条 「そ、そうなのか? 見た目全然違うようだが……」

美琴 「だからなんですぐ見た目に惑わされるのよ! ほら、こことここを入れ替えて……」

上条 「おお! 数字のマジック!」

美琴 「……アンタ、今年受験なんでしょ? 大丈夫なの?」

上条 「大丈夫じゃないから、今からこうやって頑張ってるんでせう」シクシク

禁書 「とうまはバカだから、もっと頑張らないとダメなんだよ! 英単語1200個程度も覚えられないなんて……」ハァ

上条 「あなたとは違うんです!」

美琴 「まあ、なんとかなるわよ。理系は私が」

禁書 「文系は私が」

美琴禁書 「「おはようからおやすみまで付きっきりで見てあげる☆」」

上条 「おはようからおやすみまで勉強づくし……はは、不幸だーーーー!!」



510 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/13(水) 23:31:27.48 ID:/BKndyiBo




  ――愛すべき日常はいつもそこに在り続ける。




512 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/13(水) 23:33:02.53 ID:/BKndyiBo


~第7学区 一方通行邸~


番外個体 「最終信号ー。そろそろ朝ご飯できるから、あの人起こしてきてくれる?」

打ち止め 「はーい! ってミサカはミサカは元気よくお返事してみたり!」トタタタ


<朝だよ起きてー!ってミサカはミサカはラストオーダープレス!
<グシャッ
<げェおうっ!?


番外個体 「さて、今日はどのコーヒーがいいかな」


<どけェ! 起きンからそこどけェ!
<わー怒ったー、ってミサカはミサカはBダッシュ!
<待ちやがれクソガキィ!


番外個体 「マンデリン……やっぱりあなたにはコレだよね」

打ち止め 「起こしたよー! ってミサカはミサカは報告してみたり」

番外個体 「はーい、お疲れさまー」ナデナデ



514 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/13(水) 23:34:56.40 ID:/BKndyiBo

 :
 ;
 :

打ち止め 「ねーねー、今日は何を教えてくれるの? ってミサカはミサカは今日の予定を確認してみたり」wktk

一方通行 「そォだなァ……昨日は物理だったしな。今日はロシア語でもやっておくか」

打ち止め 「りょーかい! じゃ、今の内にお掃除しておくね! ってミサカはミサカは楽しみのあまり駈け出してみたり」ピュー

番外個体 「……あのさ。あまり高度なことやってると、入学してから退屈になるよ?」

一方通行 「準備しておくに越したこたねェだろ」

番外個体 「そもそもさ。その準備が早過ぎるんだよ。入学は来年の春でしょ?」

一方通行 「打ち止めは今まで学校に通ってなかったンだぞ? 遅れを取り戻すためなら、これでも遅ェぐらいだ」

番外個体 「そりゃそうかもしれないけど……なんか、楽しみを奪ってるような気もする」

一方通行 「アイツが望ンでやってることだ。それよりオマエ、そろそろ時間じゃねェのか」

番外個体 「え? あ、やべ。んじゃ店行ってくるから、お皿片付けといてね」

一方通行 「はいよォ」

番外個体 「いってくるよー」


<いってらっしゃーい!ってミサカはミサカは大声で見送ってみたり!



516 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/13(水) 23:36:23.83 ID:/BKndyiBo


~第7学区 隠れ家的喫茶店~


<ガチャガチャ バタン


番外個体 「おはよーございまーす……って誰もいないんだけどね」

番外個体 「マスターの巨体がなくなったから、店も広く感じるなぁ」

番外個体 「……まさかこんなことになるなんて、人生何があるか分からないもんだ」

番外個体 「とりあえず自分用の一杯」コポコポ

 :
 :
 :

番外個体 「いけね、もう時間だ」


  【Open】カタン


番外個体 「よーし、今日も適度にダラけきっていきましょ」



519 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/13(水) 23:38:20.11 ID:/BKndyiBo


~第18学区 長点上機学園~


婚后 「……ですから、そのお話はお断りした筈です」

婚后 「先方に合わせる顔が? 元より、そのような顔持ち合わせておりませんわ」

婚后 「そもそも、お母様は急ぎ過ぎなのです!」ムキー

婚后 「……どうぞ考え直して下さい。では、失礼致します」ピッ

女子A 「お母さんから?」

婚后 「ええ。お見苦しいところをお見せしてしまいまして……」

女子B 「婚后さんが声張り上げるなんて逆にレアだよね。いいもん拝ませてもらいました」

婚后 「からかわないでくださいな。わたくしだって逃げるのに必死ですのよ」

女子A 「逃げる?」

婚后 「ああ……今の電話はお見合いの話なのです。全く、気の早いこと」ハァ

女子A 「お見合いって……生粋のお嬢様は違うねー」

女子B 「でも、婚后さんのお相手になるぐらいの人でしょ? 断るぐらいなら私にまわしてよ」

婚后 「考えておきますわね」



521 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/13(水) 23:40:18.54 ID:/BKndyiBo

女子A 「でも、私ら高1だよ。早すぎだよね」

婚后 「お母様も若く結婚した方ですから……その感覚なのでしょうね」


 [[携帯電話]]<~~~~♪


女子A 「あ、電話鳴ってるよ」

女子B (着メロにヴィヴァルディなんて、高尚な趣味してるなぁ)

婚后 「ちょっと失礼しますわね……(ピッ)しつこい!」

執事 『はて。しつこいと言われるほどお電話さし上げた覚えは……私も耄碌しましたかな』

婚后 「はっ、あ、いいえ、その」ワタワタ

執事 『お困りのようですな。奥方様には私からも申し伝えておきましょう』

婚后 「も、申し訳ありません。損な役割を押し付けてしまいまして」

執事 『これも務めでございます故』

婚后 「世話になりっぱなしですわね」

執事 『お気になさらず。時にお嬢様。夏のご予定は決まっておりますかな?』

婚后 「夏の? 貴方まで随分と気の早いことを言うのですね」

執事 『歳をとるとせっかちになるものでございます。それで、夏なのですが――』



522 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/13(水) 23:42:37.93 ID:/BKndyiBo


~第18学区 とあるマンション~


女子AB 「「お邪魔しまーす」」

婚后 「どうぞ、楽になさってください」

女子A 「ゴメンね、突然押しかけちゃって」

女子B 「婚后さんが溺愛してるってペット、見てみたかったからさー」

婚后 「今連れてまいりますので、適当に座っていて下さいな」パタパタ

女子A 「なんだろうね、ペットって」

女子B 「きっとアレよ。血統書付きのシャム猫とか、そういうのじゃない?」


<お待たせしました。


婚后 「紹介致しますわね。ニシキヘビのエカテリーナちゃんですわ♪」

エカ 「( ゚-゚)」ヘロゥ

女子B 「ひゃぁぁぁぁぁぁぁ!?」

女子A 「かっ、カワイイーー!」キラキラ

エカ 「(゚-゚)」



523 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/13(水) 23:44:26.78 ID:/BKndyiBo


~第7学区 とあるマンション~


結標 「ええと、焼き色がついたら塩、でいいのよね?」

ショチトル 「ま、待った! それは砂糖だ!」

結標 「え? 砂糖は青いフタのじゃないの?」

ショチトル 「? 青いフタは塩ではないのか?」

結標 「塩は赤いフタのでしょ?」

ショチトル 「?」

結標 「?」

ショチトル 「……な、舐めてみれば分かる」

結標 「そ、そうよね。じゃ、お願いしていい?」

ショチトル 「」ペロペロ

結標 「どう?」

ショチトル 「……甘い」

結標 「ほら、あってたじゃない」

ショチトル 「うー……」



524 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/13(水) 23:45:41.43 ID:/BKndyiBo

結標 「じゃ、改めて塩……あ!」

ショチトル 「?」

結標 「コゲちゃってる……」

ショチトル 「……また、やり直しなのか」

結標 「しょうがないじゃない。あいつにはなるべくちゃんとしたの食べさせたいし」

ショチトル 「だがさっきから……どちらかの過失で失敗してばかりだ」

結標 「だからって、やらないと何もできないままよ」

ショチトル 「それはそうなのだけど……」

結標 「ほら、気を取り直して。次いきましょ」

 :
 :
 :


<ガチャ バタン


ショチトル 「!」ピクッ

海原 「ただいま戻りました」



525 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/13(水) 23:47:24.86 ID:/BKndyiBo

結標 「おかえりなさい」

ショチトル 「遅かったじゃないか」

海原 「いやぁ、探すのに手間取ってしまいまして」

結標 「とりあえず着替えてきたら?」

海原 「そうさせて頂きます。あ、これ頼まれてた本です」つ【mina】

ショチトル 「あ、ありがと……」


<バタン


ショチトル 「」ペラペラ...

結標 「貴女もそういうのに興味持つようになったのね?」

ショチトル 「悪いか……義姉さんを見てると、つい……」

結標 「いいんじゃない? 色々したい年頃でしょ?」クスクス

ショチトル 「むむ……」

エツァリ 「おや、何の話ですか?」

ショチトル 「なんでもない!」



526 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/13(水) 23:48:47.35 ID:/BKndyiBo


~第7学区 とあるマンション~


浜面 「……ここってなんだっけか」カリカリ

滝壺 「」ポケー

浜面 「ん? 間違ったかな?」

滝壺 「」ウトウト

浜面 「繰り上がって……あれ? おっかしいなぁ」

滝壺 「」スピー

浜面 「……」ブツブツ

滝壺 「」スピー

浜面 「……あー疲れた! 今日は終わり!」

滝壺 「あ、はまづら。今日の勉強は終わりなの?」

浜面 「終わりだ終わり、今日は頭が疲れちまった」

滝壺 「うん。あまり一辺に頭使い過ぎないほうがいいよね」

浜面 「どーせばかですよーだ」



527 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/13(水) 23:50:33.69 ID:/BKndyiBo

滝壺 「大丈夫だよ。お馬鹿なはまづらも応援してる」ナデナデ

浜面 「へーへー……しっかし、資格とるのも楽じゃねぇな」

滝壺 「受かるまで何度でもチャレンジすればいいよ」

浜面 「いや、教材代も試験代もタダじゃねぇし……」

滝壺 「その心配はしなくていいよ」フンス

浜面 (俺情けねぇぇぇぇぇぇぇ!!)

 :
 :
 :

滝壺 「あれ?」

浜面 「どうした?」

滝壺 「夕飯の準備しようと思ったんだけど、材料が足りない」

浜面 「なんだ、そんなことか。ひとっ走り、買いに行ってくるぞ」

滝壺 「ゴメンね。じゃあ、ハムとトマトとちくわと水菜と」

浜面 「大変申し訳ございませんが、メモにして頂けると助かります」

滝壺 「うん」カキカキ



528 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/13(水) 23:52:09.42 ID:/BKndyiBo


~30分後~


<ガチャ


滝壺 「あ、はまづら。お帰り」

浜面 「……」

滝壺 「?」

浜面 「すまん、滝壺!」orz

滝壺 「??」

浜面 「拾ってきちまった……」orz

滝壺 「拾ってきたって……猫とか?」

浜面 「猫っちゃ猫みたいなものかもしれないが……」

滝壺 「猫みたいなもの?」

浜面 「見てもらったほうが早いな……おい、入ってこい」

フレメア 「にゃあ」ヒョコッ

滝壺 「」



529 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/13(水) 23:53:36.02 ID:/BKndyiBo


~第7学区 とある路地~


 タッタッタッタッタッタッ


絹旗 「はあっ………はあっ………」

絹旗 「う、はあ……ここまで、長距離を全力、疾走する、のもっ……けほっ……」

絹旗 「超久しぶり、ですね……」

絹旗 「」チラッ

絹旗 「くっ……!」ダッ


 タッタッタッタッタッタッ


絹旗 (面倒なのに目を付けられちゃいましたね……超不幸です……)

絹旗 (にしても超マズイですね、このままじゃ……)

絹旗 (……死にたくなんか、ないですっ……!)カチカチ


 Prrrr Prrrr Prrrr Prrrr


絹旗 (出てください、超お願いですから……!)



530 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/13(水) 23:55:13.22 ID:/BKndyiBo


 Prrピッ


白井 『はい、白井ですの』

絹旗 「白井さーん! お願いです! 超お願いです!」

白井 『絹旗さん!? 今どちらに!?』

絹旗 「もう、ちょいで……はあっ……寮ですっ……あの、手引きを、ですね……」

白井 『……わたくしとしてもどうにかしてあげたいのですが、どうにもなりませんの』

絹旗 「そこをなんとか!」

白井 『常盤台新寮には能力に反応して作動する新型AIMジャマーが設置されてるのはご存知でしょう?』

絹旗 「うー……」

白井 『絹旗さん』

絹旗 「?」

白井 『ご武運を』ピッ

絹旗 「」ツーツーツー

絹旗 「白井さんの超ケチー!!」ダンダン



531 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/13(水) 23:57:06.81 ID:/BKndyiBo


~第7学区 常盤台新寮~


絹旗 「」ソォー

絹旗 (誰もいませんね、帰るなら今のうち……)


<おかえり、絹旗


絹旗 「」ビックゥ

寮監 「ところで、今は21時5分だ」

絹旗 「は、はい……」ダラダラ

寮監 「門限は何時だ?」

絹旗 「に、ににに、にっ、20時20分です」

寮監 「よろしい。では、何分オーバーだ?」

絹旗 「45分デス」ガクブル

寮監 「よく分かっているじゃないか」ガシッ

絹旗 「ひっ……! た、たた、たす、たすけっ」



532 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/13(水) 23:58:29.47 ID:/BKndyiBo


<ゴキンッ ドサッ


白井 「絹旗さん……常盤台撫子はこうやって鍛えられてゆきますの」ホロリ

ユリコ 「( ・ω・)っ」

白井 「あ、ユリコ。その写真立てにイタズラしたら怒られますの」

白井 「……あの日の写真。絹旗さんも、大人びているようで可愛いところもございますのね」クスクス

ユリコ 「(・ω・)?」


<ガチャ


絹旗 「ただいま戻りました……あいてて」

白井 「おかえりなさいませ。絹旗さんも懲りませんわね」

絹旗 「超不可抗力ですよ……」ゲンナリ

白井 「またあの方ですの?」

絹旗 「何度追い払っても超付きまとってきて……どうしたもんでしょうか」

白井 「今は忍耐強く応対するしかございませんの」

絹旗 「だー、超めんどくせー」



533 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/14(木) 00:00:35.86 ID:dFlIe7Ldo


小さな偶然から集った七人の大能力者(と一人と一匹)。

彼らは喜びを分かち合い、悲しみを共有し、時として妥協なき衝突をし、
何があろうとも最後には認め合える。

縁あるいは絆と呼ばれるそれは、離れたからといって消えるものでもない。

一年という期間が長いのか短いのかは分からない。
だが、この一年が彼らにとってかけがえのないものだったことは確かだ。

一年を共に過ごした彼らだからこそ、進む道が分岐していこうとも
互いを信頼し尊敬し合うことができるだろう。

彼らのお話はここで一先ずの終了を迎える。
だが、彼らの日常は終わらない。
愉快に、穏やかで、騒々しく、どこか清々しい、そんな日常は――



536 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/14(木) 00:03:04.33 ID:dFlIe7Ldo


~6月中旬 第7学区 某所~


絹旗 「……超暑いです」トテトテ

白井 「夏も近づいておりますし」コツコツ

絹旗 「あ、アイス屋さんですよ。食べましょうよ食べましょうよ」

白井 「ダメですの。今寄り道したら待ち合わせの時間ギリギリですの」

絹旗 「何のための白井さんですか」

白井 「人を転送装置か何かみたいに言わないでくださいまし!」ムキー

絹旗 「ちぇー、超つれな……あれ? あそこでアイス買ってる人って」

白井 「あら、大きいお姉様」

絹旗 「ミサワさーん」トテテテ

番外個体 「あれ? 絹旗さんと白井さんじゃん」

白井 「大きいお姉様ー、お久しぶりですの」

番外個体 「二人とも今行くところ?」

絹旗 「はい」



539 :もうちょっとだけ続くよ ◆r462iqU2Ag:2011/04/14(木) 00:04:19.18 ID:dFlIe7Ldo

白井 「大きいお姉様、ここでゆるりとしておられては時間が……」

番外個体 「いや、ゆるりとはしないよ。歩きながら食べればいいじゃん」

絹旗 「そうですよ、それでいいじゃないですか」

白井 「まあ……これ以上口出しする権利もございませんわね」

絹旗 「すいませーん、ビターキャラメル一つください」

白井 「わたくしはストロベリーを」

絹旗 「なんだ、食べるんじゃないですか」

白井 「折角ですので」

店員 「はい、お待たせ致しましたー」

白井 「ありがとうございますの」

絹旗 「……ミサワさんのそれって何味ですか?」

番外個体 「んー? コーヒー」

絹旗 「超一口味見させてくださいよ」

番外個体 「一口だからね」

絹旗 「」バクッ



541 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/14(木) 00:05:34.73 ID:dFlIe7Ldo

番外個体 「あっ」

絹旗 「」シャクシャク

番外個体 「おい」

絹旗 「超ありがとうございました! さあ、先を急ぎましょう!」ピュー

番外個体 「……やりやがった」

白井 「一口だけ残したのは絹旗さんの良心でしょうか……」ペロペロ

 :
 :
 :

浜面 「お? あのちっこい人影は」

滝壺 「きぬはただ」

絹旗 「すいません、お待たせしちゃいましたか」

婚后 「いえ、わたくしたちもつい先ほど到着したばかりです」

滝壺 「きぬはた、制服なんだね」

絹旗 「ええまあ、規則らしいので」

浜面 「お前だったら"規則は超破るためにあります"とか言いそうだけどな」ケラケラ



542 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/14(木) 00:07:09.09 ID:dFlIe7Ldo

絹旗 「……怒らせると、あ、いや、怒らせなくても超怖い人がいるんですよ」ガクブル

婚后 (相当な指導を受けたようですわね……)

滝壺 「そういえば、しらいは一緒じゃないの?」

浜面 「だな。一緒に来るもんだと思ってたが」

絹旗 「すぐ追いつきますよ。あ、ほら」

白井 「みなさんお待たせしてしまいまして」

番外個体 「やっほう。2週間ぶりかな?」

浜面 「お、なんだ。姐さんも一緒だったのか」

番外個体 「途中で出くわしたんだよね」

滝壺 「あと二人?」

婚后 「ええ、あとお二方が……」


<ドサッ


絹旗 「?」

海原 「あいたたた……おや、皆さんお揃いで」



543 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/14(木) 00:08:41.47 ID:dFlIe7Ldo

滝壺 「空からうなばらが降ってきた」

白井 「斬新な登場方法ですの」

婚后 「貴女が言いますか」

番外個体 「淡希も……もうちっと優しくしてあげればいいのに」

結標 「あら。私はいつも優しいじゃない」

絹旗 「うひゃぁ!?」ビクッ

結標 「遅れそうだったから、急いじゃったわ」クスクス

海原 「急いじゃいましたよ」ニコニコ

浜面 「ま、まあ。ともかく、これで全員だな」

滝壺 「それじゃ行こっか。まずお昼ごはん?」

白井 「そうですわね。ちょうどお昼も近いですし」

 :
 :
 :

婚后 「あ、そうですわ。先日、執事から連絡がありまして」

白井 「何かございましたの?」



544 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/14(木) 00:10:07.21 ID:dFlIe7Ldo

婚后 「今年も南の島でお待ちしております、だそうですわよ」

滝壺 「え? また沖縄に行けるの?」

絹旗 「また執事さんに会えるんですか!?」wktk

海原 「これは朗報ですね」

番外個体 「沖縄もいいし、また温泉にも行きたいなぁ」

結標 「いいわね。あそこの温泉、肌にいいらしいし」

婚后 「迷うぐらいなら、全部行ってしまえばいいですわ」クスクス

白井 「そうですの。また予定を合わせて全員で行きましょう」

滝壺 「今度はみんなも妹とか連れてくるといいかも。私も連れていきたいし」

番外個体 「そりゃ結構な人数になりそうだねぇ」

絹旗 「♪」

浜面 「お? 絹旗ご機嫌だな。今から楽しみなのか?」

絹旗 「決まってるじゃないですか。温泉でも旅行でも、このメンバーが集まれるなら」



絹旗 「全部、超っ楽しみです!!」



545 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/14(木) 00:11:16.96 ID:dFlIe7Ldo





  ――そんな日常は終わらない。



                          ☆超おしまい☆



546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/04/14(木) 00:11:18.06 ID:b/W8HCHAO
目から金星の光が…



556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank):2011/04/14(木) 00:14:25.54 ID:BNcXGNsP0
最高だったぜ
今までありがとう。そして乙




548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/04/14(木) 00:11:40.25 ID:0ndVK5vA0
おい・・・待てよ・・・



558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/04/14(木) 00:14:37.80 ID:cXvifkYK0
超乙でした!
こんな神スレの最後に立ち会えるなんて超幸せです!




566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/04/14(木) 00:16:44.55 ID:sDXoqfGAO
いちおつ!
いつも楽しく読ませてもらってたよ!




562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank):2011/04/14(木) 00:15:35.85 ID:CFpt6ru70
楽しかったです……
次スレも楽しみです……




578 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/04/14(木) 00:28:32.59 ID:UCOzVhlDO
超大作乙でした!
すごく名残惜しいけど、あまりにも綺麗に終わったから続編は欲しくないと思える
最高の作品でした!またなにか良いものを書いてくれると期待してます。




580 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/14(木) 00:30:45.16 ID:dFlIe7Ldo

といったところで、終了です。
以下、後書きもどき。



『LEVEL5 の SS は割と見るのに、LEVEL4 のは見ないな』というのが出発点で、
なんとなく書いてみた14レスの短編からここまで広がるとは予想外です。
まさかこんなに長くなるとは思っていませんでした。
約8ヶ月に渡り続けてこれたのも、ご支援頂いた皆さんのお陰です。

大した動機もなく"書きたいから"で始めたSSですが、
お楽しみ頂けたでしょうか。そこだけが今でも不安です。

全体を通してほのぼの感を出そうと可能な限り台本形式にこだわった為、
色々と分かりづらい・伝わりづらい部分もあったかと思います。
その点に関しては、>>1の力量不足です。いや、ホントすいません。

続編にしろ別なお話にしろ、やり残したことや浮かんだネタもありますので、
ほとぼりが冷めたころにまた何か始めようかと思っています。
その時にまた出会うことがありましたら、気長にお付き合い下さい。

今後このトリで書き込むのも、おそらく数えるほどしかないと思います。
HTML依頼は数日後を目処に出すつもりです。

それでは、長らくお付き合い頂き、ありがとうございました。



あ、番外個体は俺の嫁だからな。



581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県):2011/04/14(木) 00:32:43.35 ID:G7rwER3Wo
そげぶ



584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/04/14(木) 00:37:36.17 ID:YvDUz8wa0
お疲れ様でしたあああああぁぁぁぁぁぁ!!

またどこかで会えると信じてますよ!




591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/04/14(木) 00:55:44.50 ID:QqlqkOWSO
フレメア登場に謎の感動

>>1さんお疲れ様でした




593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府):2011/04/14(木) 00:57:58.03 ID:o96VQczeo
おつ!!!ずっと見てたけど8ヶ月にもなるのか

ホンマにありがとう!




602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2011/04/14(木) 02:22:46.32 ID:FrS/sg+/o
>>580
最高だった!

まぁミサワなら隣で寝てるけどね!!!
一方通行のね!!!




611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/04/14(木) 08:34:19.70 ID:I8qV18Ql0
お疲れ様。更新の度にニヤニヤしてたよ



623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/04/14(木) 20:25:53.07 ID:p61Vo/uv0
乙!
レベル4を集める斬新さが好きでした




629 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東):2011/04/14(木) 23:11:12.21 ID:YjdIHggAO
おれがSSを読み始めたきっかけがこのきぬはた荘だった
マジありがとう




634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県):2011/04/15(金) 15:13:36.73 ID:Wr7iOzAC0
おまえら乙しか言えないのか。
つーかさ、
なんか終わり方最高じゃなかった?
んーこのスレは最高だった。
だい好きだ!!
ようなし




645 : ◆r462iqU2Ag:2011/04/16(土) 03:29:48.07 ID:iOZ3iYBxo

>>1です。
色々後始末も済みましたので、このトリで書き込むのもこれが最後です。
盛大な乙の嵐、改めてありがとうございました。
書いて良かったと心より実感しています。

何人かの方が書いておられる沖縄編ですが、なんか面白そうなので書いてみたくなりました。
ここだと残りレス量が微妙なので、別な機会にということになりそうですが。

その内、沖縄に行く番外編か正当な続編か全くの新作を始めるかと思います。
そこでまた出会えましたら、気長にお付き合い下さい。

では、最後に。
番外個体とお前らが大好きだぜ!



650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/04/16(土) 13:42:22.76 ID:i3+YxnsIO
やったぁー!!沖縄編!
書いてみるもんだね!
..とにかく楽しみにしております




653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県):2011/04/16(土) 18:08:17.75 ID:4XG3IFZ60
いつになったら脱げばいいんだ?



654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/04/16(土) 18:11:31.98 ID:YdPy/Lyho
>>653
服を着終わったら




661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県):2011/04/17(日) 22:11:43.16 ID:iSL2iWWD0
よし、もう三度一から読み直すか



665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県):2011/04/20(水) 21:32:11.75 ID:ObSKpEKb0
それにしても乙の嵐だな。まったく。


乙!




外伝→絹旗「……超暑いです」白井「沖縄ですし」

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禁書目録SS   コメント:12   このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント一覧
7227. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/05/24(火) 13:53 ▼このコメントに返信する
作者にも、まとめてくれた管理人さんにも感謝を!
7229. 名前 : 名無し◆- 投稿日 : 2011/05/24(火) 14:33 ▼このコメントに返信する


一から見てくる
7232. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/05/24(火) 18:50 ▼このコメントに返信する
感動の名作です!!

絹旗可愛すぎ
7233. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/05/24(火) 19:08 ▼このコメントに返信する
ここまでお疲れさンでしたァ
7248. 名前 : 名無し◆- 投稿日 : 2011/05/25(水) 02:07 ▼このコメントに返信する
ここまでの名作に出会えるとは… きぬはた荘最高
7250. 名前 : 名無し@SS好き◆VBuD5iCI 投稿日 : 2011/05/25(水) 03:42 ▼このコメントに返信する
超感動しました!
7832. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/06/08(水) 22:10 ▼このコメントに返信する
最後に絹旗追いかけてたのは誰だろう
8069. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/06/13(月) 17:47 ▼このコメントに返信する
青ピだろう
11831. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/09/09(金) 18:50 ▼このコメントに返信する
絹旗追いかけてるやつだけど、番外編の最初のほうで

 絹旗 「いつもいつも私を超追い掛け回してるヤツに送りつけてやるんです」カチカチ

 白井 「あの黒髪の方ですの?……ははぁ、ささやかな仕返しということですわね」

って会話があるから、黒髪で絹旗と接点ある人ってことかな?
そうなると黒夜とかかなぁ
13374. 名前 : 名無しさん@ニュース2ちゃん◆- 投稿日 : 2011/10/16(日) 02:44 ▼このコメントに返信する
いやぁ最高でしたなぁ・・・・


乙!
18889. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2012/03/05(月) 16:39 ▼このコメントに返信する
ナイスSSでした
根性さん
45282. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2015/03/05(木) 05:43 ▼このコメントに返信する
超乙

最高に楽しませて貰いました。
卒業編のあたりから読むのが辛くて、度々休憩を挟まないと読めなかった…

作者さんとまとめてくれた管理人さん、それに8人と一匹。
本当にありがとう!
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