1:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 19:51:30.00
ID:lZYFIYeO0
-ガヴリール宅-
ガヴ「……」カタカタ
ガヴ「……」カチッ
ガヴ「……おっ、よっしゃ」
ガヴ「……」カタカタ
ガヴ「……」カタカタ
<ピンポーン
ガヴ「ん?」
2:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 19:52:11.24
ID:lZYFIYeO0
<………
ガヴ「……」
ガヴ「……」カタカタ
ガヴ「……」カタカタ
<ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポピンポピンポピンポピピピピピピピ
ガヴ「だぁあああああ!! うっさい!! 出る! 出るから待ってろ!」ガタンッ
3:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 19:52:44.52
ID:lZYFIYeO0
<……
ガヴ「はぁ……」パタン
ガヴ「ったく、誰だよこんな(ネトゲに)忙しいときに……」ブツブツ
ガヴ「ヴィーネ……いや、サターニャか?」
ガヴ「どっちにしろ、ドア開けたら文句言って……」
ガチャッ
4:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 19:53:19.37
ID:lZYFIYeO0
黒奈「……」ズォォオオオ
ガヴ「……」
ガヴ「……」
ガヴ(え、誰?)
5:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 19:53:54.68
ID:lZYFIYeO0
黒奈「……」
ガヴ「……」
黒奈「……」
ガヴ「……あの」
黒奈「……」
ガヴ「どっかで会ったことあったっけ?」
黒奈「……」
ガヴ「えっと……」
黒奈「……」
ガヴ「……」
ガヴ(いや、何か言えよ!! 怖いんだけど!!)
6:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 19:54:26.77
ID:lZYFIYeO0
ガヴ「……」
黒奈「……」
ガヴ(マジで誰なんだこいつ……黒いフードとか被ってて、見るからに不審者なんだけど)
ガヴ(なんかどす黒いオーラみたいなのも見えるし……)
ガヴ(まさか、通り魔とかじゃないだろうな)
黒奈「……」
ガヴ「……ん?」
ガヴ(……あれ? というかこいつもしかして……)
7:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 19:55:02.22
ID:lZYFIYeO0
黒奈「あなたが……天真先輩?」
ガヴ「えっ?」
黒奈「……」ジッ
ガヴ「ああ、うん。天真は私だけど……」
黒奈「そう……」
ガヴ「……」
黒奈「それじゃあ……お命……頂戴する」ジャキンッ
ガヴ「なんで!!?」
8:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 19:55:33.28
ID:lZYFIYeO0
黒奈「油断はしない……一撃で決める……」ゴゴゴゴゴ…
ガヴ「ちょっ、待て待て待て!! ストップ!! ストーップ!!」
黒奈「……なに?」
ガヴ「いや、『なに?』じゃないだろ! なにいきなり物騒なことしようとしてんだ!」
黒奈「ダメ?」
ガヴ「ダメだよ! むしろなんで良いと思ったんだよ!」
黒奈「……あ」
黒奈「お命……頂戴……します?」
ガヴ「いや、敬語の問題じゃなくて!」
9:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 19:56:05.69
ID:lZYFIYeO0
黒奈「……」
ガヴ「とりあえずその槍しまえ! 危ないから!」
黒奈「……そうやって油断させたところで……私を倒すつもり……」
ガヴ「しないから! しないからさっさとしまえ!」
黒奈「……」
黒奈「……」スッ
ガヴ「はあ……何なんだよまったく」
10:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 19:56:34.77
ID:lZYFIYeO0
黒奈「……」
ガヴ「……」
黒奈「……」
ガヴ「……えーっと……」
黒奈「……」
ガヴ「……とりあえず、ここで騒がれるのもあれだし、中に入れ」
黒奈「……お邪魔します」ペコリ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
11:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 19:57:09.32
ID:lZYFIYeO0
ガヴ「……それで、お前は誰なんだ?」
黒奈「……」
ガヴ「私はお前のこと知らないし、恨まれる覚えもないんだけど……」
黒奈「私は……舞天高校一年の黒奈……」
ガヴ「黒奈……ってうちの生徒だったのか」
黒奈「……」コクリ
ガヴ(確かによく見たらうちの制服を着てるな……)
ガヴ「で? なんであんな事しようとしたんだよ」
黒奈「千咲に……認めて貰うため……」
ガヴ「千咲? お前タプリスの知り合いなの?」
黒奈「……違う」
ガヴ「違うのかよ。じゃあなん……」
黒奈「……」ズイッ
ガヴ「でっ……!?」ビクッ
12:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 19:57:39.89
ID:lZYFIYeO0
黒奈「千咲と私は友達……知り合いじゃない……間違えないで」ゴゴゴゴゴ…
ガヴ「ちょ、分かった! 分かったから落ち着け!」
黒奈「……そう。分かったならいい」
ガヴ「お、おう」
ガヴ(あーもー! なんだこいつ扱いずらい!)
13:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 19:58:26.90
ID:lZYFIYeO0
黒奈「……」
ガヴ「……で、そのタプリスの友達が、私に何の用だ?」
黒奈「あなたを倒して……千咲に認めて貰う……」
ガヴ(話が全く見えん……)
ガヴ「なんで私を倒す事がタプリスに認めて貰うことになるんだよ」
黒奈「……そう……聞いたから」
ガヴ「聞いた? 誰に?」
黒奈「銀色の……親切な天使……」
ガヴ「銀……」
ガヴ(ってラフィエルかよ!!!)
黒奈「その人に……千咲に認めて貰いたいなら……天真先輩を倒せばいいって……」
ガヴ「待て」
黒奈「え?」
14:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 19:59:02.18
ID:lZYFIYeO0
ガヴ「そいつの話は信じるな」
黒奈「……どうして?」
ガヴ「その天使の話は嘘だからだ」
黒奈「嘘……? でも……嘘を付いてるようには見えなかった……」
ガヴ「騙されるな。そいつは外面だけは良いが、他人を弄るのが大好きなとんでもない天使だぞ」
黒奈「……」
ガヴ「よく考えろ。タプリスの先輩である私と、よく知らない胡散臭い天使、どっちを信じる?」
黒奈「……でも……あなたは何だかボサボサで天使らしくないし……信用出来ない……」
ガヴ「うぐっ」
黒奈「部屋も汚れてるし……」チラッ
ガヴ「そ、それは今関係ないじゃん!」
15:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 19:59:44.12
ID:lZYFIYeO0
黒奈「それに……あなただけじゃなくて……あの銀色の天使も……千咲の先輩なんじゃ……?」
ガヴ「ぐぬぬ……」
ガヴ(くっ……こいつ、サターニャよりは頭が良いみたいだな……)
黒奈「……そもそも……あなたは私が倒すべき敵……」ジャキンッ
ガヴ「いっ!?」ビクッ
黒奈「敵の言葉には……惑わされない」ゴゴゴゴゴ…
ガヴ「だから槍は危ないからやめろって!!」
ガヴ(くそっ、このままじゃ私の部屋がまた壊される! 何とかして話を逸らさないと……)
16:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:00:19.34
ID:lZYFIYeO0
黒奈「……」ゴゴゴゴゴ…
ガヴ「そ、そもそも、なんでお前はタプリスに認めて貰いたいんだ?」
黒奈「……」
ガヴ「お前、悪魔だろ? 天使に認めて貰いたいなんて、よっぽどの理由があるんじゃ……」
黒奈「……知りたい?」
ガヴ「ああ。というか理由も分からずぶっ飛ばされてたまるか」
黒奈「分かった……少し長くなるけど……」
17:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:00:51.41
ID:lZYFIYeO0
黒奈『……』テクテク
黒奈(1ヶ月と13日前の朝……私はいつものように……1人で通学路を歩いていた……)
ヒラッ…
黒奈『……』テクテク
黒奈(フードを被って少し俯き気味に歩いていた私は……ポケットから落ちたハンカチに……気づかなかった……)
18:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:01:43.33
ID:lZYFIYeO0
黒奈『……』テクテク
『あ、あのっ』
黒奈(そのまま歩いて行こうとした私に……後ろから……声がかけられた)
黒奈『……』ピタッ
黒奈(誰かに話しかけられるなんて久しぶりだったから……びっくりしながら私は振り向いた……)
黒奈『……』クルッ
黒奈(するとそこには……)
タプリス『ハンカチ落としましたよ』
黒奈(私の黒いハンカチを拾って……控えめに差し出す1人の天使……千咲が居た……)
19:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:02:17.31
ID:lZYFIYeO0
黒奈『……』
タプリス『ど、どうぞ』ギュッ
黒奈(千咲は驚きで固まる私の手のひらを……包み込むように優しくハンカチを手渡してくれた……)
黒奈『……』
タプリス『それではですっ』ペコリ
タタタ…
黒奈(私は千咲にお礼を言おうとしたけど……千咲は軽くお辞儀をすると……すぐに走り去って行ってしまった……)
20:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:02:50.41
ID:lZYFIYeO0
黒奈『……』
黒奈(私は千咲が見えなくなると……手のひらの上のハンカチを……じっと見つめた)
黒奈(千咲が拾ってくれた黒いハンカチには……まだ千咲の温もりが残っている気がして……)
ガヴ「ストップ」
黒奈「……なに? ここから良い所なのに……」
ガヴ「この話あとどれくらいかかる?」
黒奈「これはまだプロローグ……これから第1章お礼とお昼ご飯編が始まる……」
21:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:03:26.89
ID:lZYFIYeO0
黒奈「全部話すと……だいたい5時間くらいかかると思う……」
ガヴ「長すぎるだろ! 日が暮れるわ!」
黒奈「でも……私と千咲の全てを話すには……それでも全然足りない……」
ガヴ「いや、そんなに語らなくていいから。要点だけ簡潔に話せよ」
黒奈「……ぶー」プク
ガヴ「そんな顔してもダメだ」
黒奈「……」
ガヴ「私だって(ネトゲで)暇じゃないんだよ。何時間も付き合ってられるか」
黒奈「……仕方ない……断腸の思いで……要点だけ話す……」
ガヴ「はいはい。さっさとしろ」
22:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:03:56.87
ID:lZYFIYeO0
黒奈『千咲の……先輩?』
タプリス『はい! 天真先輩と言って、私の憧れの先輩なんです』
黒奈(3日前のお昼休み……私は千咲の……天界時代の話を聞いていた)
黒奈(初めは天使学校の話とか家族の話をしていたけど……そのうち……千咲の先輩の話になった……)
23:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:04:29.08
ID:lZYFIYeO0
タプリス『天使学校を首席で卒業するくらい優秀な天使で、それにすごく優しいんです! 天真先輩は天界に居た頃、雨の日に傘を忘れた私を傘に入れてくれた事があって……』
黒奈『……』
黒奈(「天真先輩」との思い出を話す千咲の表情は……今までで一番明るくて……楽しそうだった……)
黒奈(普段の私には絶対に見せない顔……そう思うと少しだけ……胸が苦しくなった)
タプリス『……ただ、最近の天真先輩は悪魔に誑かされたせいで、駄天してしまっているんです。引きこもりのような生活を送っていて、以前の素敵な姿は見る影もありません』
黒奈『……』
黒奈(千咲はそう言うと……視線を足元に落として……寂しげな顔をした……)
24:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:04:57.95
ID:lZYFIYeO0
タプリス『……あ、でも! 私が天真先輩のお部屋でうっかり寝てしまったとき、先輩は私に布団を掛けてくれたんです! そういう優しい所はやっぱり昔と変わっていなくて、だからいつか、元の天真先輩に……』
黒奈『……』
黒奈(それからも……コロコロと表情を変えて「天真先輩」の話をする千咲を眺めながら……チャイムが鳴るまで……私はお弁当を食べていた……)
黒奈『……』
黒奈(いつもは美味しいはずのお弁当も……その日だけは……味が全く分からなかった……)
25:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:05:39.27
ID:lZYFIYeO0
ガヴ「……」
黒奈「私は……千咲のあんな楽しそうな顔も……悲しそうな顔も……見たことがなかった……」
黒奈「千咲にそんな顔をさせるあなたが……私は羨ましくて……許せなかった」
黒奈「だから私は……あなたに勝って……私なら千咲をもっと……ずっと笑顔にさせられるって……そう認めて貰いたかった……」
ガヴ「……そうか」
黒奈「千咲を……あんなに良い子を悲しませるなんて……あなたは駄目な先輩……あなたに千咲は任せられない……」
ガヴ「いや、別に任せられた覚えはないんだけど……」
黒奈「つべこべ言わない……」グサッ
ガヴ「うおっ!」ビクッ
26:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:06:20.59
ID:lZYFIYeO0
黒奈「……」
ガヴ「お前なー……槍は危ないからやめろって何回言えば分かるんだよ」
黒奈「……」
ガヴ「大体、私を力づくで倒した所でタプリスが喜ぶとは限らんぞ」
黒奈「分かってる……本当は言葉で……あなたを……説得するべきだって」グサ
ガヴ「だったら……」
黒奈「でも……私は喋るのが得意じゃないから……だから……行動で示すしか……」グサグサ
ガヴ「……」
黒奈「私があなたを倒して……千咲に認めて貰うしかない……」グサグサグサ
ガヴ「あの、分かったから話しながら床に槍刺すの止めてくれない?」
27:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:06:53.54
ID:lZYFIYeO0
黒奈「……」
ガヴ「このままだと私の部屋が穴だらけになるんだけど」
黒奈「……じゃあ……勝負してくれる……?」
ガヴ「いや、だからそれは……」
黒奈「……」ジーッ
ガヴ「……」
ガヴ(……どうする? このまま追い返すのは……流石にマズいだろうな。なんか色々勘違いしてるし)
ガヴ(でも、かと言って馬鹿正直に相手したら私の部屋が消滅する……)
ガヴ(あー、くそ……めんどくせぇ。何だって私がこんなこと……)
28:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:07:29.69
ID:lZYFIYeO0
黒奈「……」ジィィィッ…
ガヴ「……」ダラダラ
ガヴ(あー、やばい……めっちゃこっち見てる……)
ガヴ(何か……何かないか? こいつが納得するような方法は……)
ガヴ「……あ」
黒奈「……?」
ガヴ(そうだ。これなら……)
29:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:08:05.76
ID:lZYFIYeO0
ガヴ「なあ黒奈」
黒奈「……何?」
ガヴ「私を倒すって、要は私と勝負出来れば良いんだよな?」
黒奈「……」コクリ
ガヴ「そうか。それなら……」
黒奈「……何か考えがあるの?」
ガヴ「ああ」
ガヴ「私に良い考えがある」ニヤリ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
30:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:08:43.31
ID:lZYFIYeO0
-ガヴリールの家の前-
タプリス「……」
タプリス(白羽先輩に言われて来たは良いものの……天真先輩の家に一体何があるんでしょう?)
タプリス(確か白羽先輩は「面白いものが見れる」と言っていましたが……)
『……!』
『……』
タプリス「……あれ? 中から話し声が……誰か居るんでしょうか」
『……』
『……』
タプリス「……って、この声はまさか!?」ガチャッ
31:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:09:32.81
ID:lZYFIYeO0
ガヴ「くっ、お前中々やるじゃないか……」カチャカチャ
黒奈「当然……私は人形遣い……『操作』はお手の物……」カチャカチャ
ガヴ「何だよ人形遣いって……」カチャカチャ
タプリス「黒奈さん!! なんで天真先輩の家に居るんですか!?」バンッ
ガヴ「って、うわっ!? タプリス!?」ビクッ
黒奈「……スキあり」ガガガッ
ガヴ「ちょっ、待っ!」\ドゴォォオオオン/
TV『ゲームセット!』
ガヴ「……」
黒奈「……ぶい」ピッ
タプリス「……え? 格闘ゲーム?」
32:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:10:12.30
ID:lZYFIYeO0
黒奈「……」
タプリス「えっと、何故お2人はゲームを……」
ガヴ「タ~プ~リ~ス~……」ギロッ
タプリス「ひっ!?」
ガヴ「真剣勝負に水を差すとはいい度胸だなぁ……?」ゴゴゴゴゴ…
タプリス「あ、あわわわわ……何かは知りませんが申し訳ありませ……!」ガタガタ
黒奈「……」シュバッ
ガヴ「むっ」
タプリス「え、く、黒奈さん!?」
33:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:10:48.22
ID:lZYFIYeO0
黒奈「私は勝った……約束通り……千咲にはもう近付かないで……」
ガヴ「いや、流石に今のはノーカンだろ! あそこでタプリスが来てなければ私が勝ってたし!」
黒奈「往生際の悪い……運も実力の内……潔く負けを認めるべき……」
タプリス「約束? あの、それってどういう……」
ガヴ「そんなの認められるか! 格闘ゲームは自力で勝ってこそだろ!」
黒奈「何を言おうと……千咲が私に勝利を運んで来てくれた……その事実は変わらない」
タプリス「あ、あの。お2人とも、これは何の……」
ガヴ「じゃあ3回勝負だ! 3回勝負! それで決着を付けるぞ!」
黒奈「意地汚い……あなた本当に千咲の先輩なの……?」
ガヴ「うっさい! このまま引き下がれるか!」
タプリス「あの、説明を……」
34:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:11:24.56
ID:lZYFIYeO0
黒奈「何回やろうと結果は同じ……素直に諦めるべき」
ガヴ「マグレ勝ちがそう何度も続くと思うなよ!」
ガヴ&黒奈「ギャーギャー」
タプリス「……」
タプリス「……い」プルプル
タプリス「いい加減にしてくださーーーーい!!!」ドカァァアアアン
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
35:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:12:06.32
ID:lZYFIYeO0
ガヴ「……」
黒奈「……」
タプリス「……なるほど。話は分かりました」
ガヴ「……」
黒奈「……」
タプリス「黒奈さんがここに来ていた理由も、お2人が勝負していた理由も」
ガヴ「……」
黒奈「……」
タプリス「その上で、お2人に言いたいことがあります」
タプリス「バカなんですか!!?」ダァンッ
ガヴ&黒奈「」ビクッ
36:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:12:50.06
ID:lZYFIYeO0
タプリス「まず黒奈さん!」
黒奈「……はい」
タプリス「あなたは1人で色々と突っ走り過ぎです! 何ですか私の為に天真先輩を倒すって! 何をどうしたらそんな話になるんですか!」
黒奈「わ……私は……千咲の笑顔が見たくて……」
タプリス「言い訳無用です! 私が一度でもこんなことして欲しいと言いましたか!?」
黒奈「……」
タプリス「大体あなたは初めて会った時から紛らわしい行動ばかりして……!」ガミガミ
黒奈「……っ」プルプル
ガヴ「お、おいタプリス。もうその辺に……」
タプリス「天真先輩もです!!」ダンッ
ガヴ「」ビクッ
37:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:13:24.75
ID:lZYFIYeO0
タプリス「なんで勝負を受けちゃったんですか!? しかも負けたら私に近付かないって……もっと後先をよく考えてください!」
ガヴ「いや、でも、そうでもしないと納得しそうになかったから……」
タプリス「だとしても! せめて私を呼んでからにしてください!」
ガヴ「……」
タプリス「大体、知らない悪魔を家に上げるなんて無用心にも程があります! いいですか? そもそも天真先輩は悪魔に誑かされたから……!」ガミガミ
ガヴ&黒奈「……」
・
・
・
・
・
・
38:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:13:58.04
ID:lZYFIYeO0
タプリス「はぁ……はぁ……お2人とも、反省しましたか?」
黒奈「……ハイ……ゴメンナサイ」グッタリ
ガヴ「ハンセイシマシタ……」グッタリ
タプリス「まったく……もうこんなことはしないでくださいね!」
ガヴ&黒奈「ハイ……」
タプリス「本当にもう……!」プンスカ
黒奈「……」
39:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:14:34.37
ID:lZYFIYeO0
黒奈「……千咲」
タプリス「何ですか黒奈さん」
黒奈「私じゃ……ダメ?」
タプリス「え?」
黒奈「私じゃ……天真先輩の代わりには……なれない……?」
タプリス「……はあ」
タプリス「あのですね……そんなの当たり前じゃないですか」
黒奈「……っ」グサッ
40:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:15:03.67
ID:lZYFIYeO0
タプリス「黒奈さんは悪魔です。悪魔なんかが天使の代わりになれるはずありませんし、黒奈さんは黒奈さんでしかありませんよ」
黒奈「……」
タプリス「それに、天真先輩は優秀で、優しくて、とても素敵な天使なんです! そんな先輩の代わりになれる人なんて、悪魔はおろか天使ですら存在しません!」フンス
黒奈「……」
タプリス「……そもそも! あなたと天真先輩では一緒に過ごしてきた時間も全然違います!」
黒奈「……」ピクッ
41:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:15:51.07
ID:lZYFIYeO0
タプリス「片や天使学校の頃からの先輩、片やこの前知り合ったばかりの友達ですよ? そんなの、比ぶべくもないじゃないですか」
黒奈「……」
タプリス「だいたい私はまだあなたのことをよく知りませんし、今回のように思い込みで暴走する前にもっとお互いのことを……いえ、悪魔と馴れ合うつもりはありませんが……」
黒奈「それなら……もっと……」
タプリス「それでも……え?」
黒奈「もっと……いっぱい時間をかければ……天真先輩と同じくらい……ううん……それ以上に……千咲と仲良く……なれる?」
タプリス「……それは」
42:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:16:23.74
ID:lZYFIYeO0
黒奈「……」
タプリス「……」
黒奈「……千咲?」
タプリス「えっと、その……」
黒奈「……」ジーッ
タプリス「……」
タプリス「……な」
タプリス「なれませんよ! 私は、悪魔とは必要以上に仲良くする気はありません!」
黒奈「……」
43:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:16:53.71
ID:lZYFIYeO0
タプリス「悪魔は天使の倒すべき敵です! それだけは、いくら時間をかけようとも変わりません!」
黒奈「……そう」シュン
タプリス「……」
黒奈「……」
タプリス「……と、言いたいところですが!」
黒奈「え?」
44:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:17:27.80
ID:lZYFIYeO0
タプリス「あいにくと、私には未来は分かりません!」
黒奈「……」
タプリス「ですから、未来のことはそのときになるまで、何も確かな事は言えないんです!」
黒奈「……つまり?」
タプリス「……つ、つまり! えっと、だからその……」
黒奈「……」
タプリス「可能性は……0%じゃないということです。あなたの言ってることは」
黒奈「……!」
45:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:18:10.79
ID:lZYFIYeO0
タプリス「た、ただし! 言っておきますが限りなく0%に近いですからね! 普通に考えたらありえないんですから!」
黒奈「千咲……」
タプリス「私が言っているのは、万が一ということです! ……いえ、万ではありません! 億が一、兆が一です!」
黒奈「……」
タプリス「ほんとに、本当~~~にちょっとだけの確率なんです! ほとんど0なんですからね!」
黒奈「……ふふっ」
タプリス「なっ、何を笑ってるんですか!」
黒奈「いい……今は……それで十分」
タプリス「え?」
黒奈「0じゃないなら……望みがある……」
タプリス「……」
46:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:19:06.83
ID:lZYFIYeO0
黒奈「今はダメでも……いつか……きっと……」
タプリス「……ありえませんよ。そんなの」
黒奈「ううん……ありえる……絶対はないから……」
タプリス「……」
黒奈「だから……これからも……よろしくね? 千咲」
タプリス「っ……勝手にしてください! もう知りません!」プイッ
黒奈「……うん……頑張る」
タプリス「……」カァァ
黒奈「……」
ガヴ「あのー……」
タプリス「はっ! て、天真先輩!?」
黒奈「む……」
47:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:19:48.89
ID:lZYFIYeO0
ガヴ「えっと、話終わった?」
タプリス「は、はい! 終わりました!」
ガヴ「そ。ならいいけど」
黒奈「終わってない……千咲との話は……まだこれから……」
タプリス「ダメです! 今は天真先輩が優先です!」
黒奈「……」ムスッ
タプリス「な、なんですかその顔は!」
ガヴ「あー仲良いのはいいんだけどさ、そういうのは出来れば余所でやって……」
タプリス「ち、違います! 仲良くなんてありません!!」
黒奈「違わない……私と千咲は……仲良し……」
ガヴ「はいはい」
48:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:20:19.65
ID:lZYFIYeO0
ガヴ「とりあえず、ほれ」ポイッ
タプリス「わっ!?」ビクッ
黒奈「……」パシッ
タプリス「っとと……コントローラー?」パシッ
ガヴ「うむ」
黒奈「……なに……まだやる気?」
ガヴ「あー違う違う。もう『勝負』は関係ないから」
ガヴ「普通にプレイしよう。3人で」
タプリス「え?」
黒奈「……」
49:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:21:02.67
ID:lZYFIYeO0
ガヴ「これ4人までプレイ出来るし、タプリスも居るから丁度いいだろ?」
タプリス「えっと、それは構いませんが……私、こういうゲームはやったことがなくて……」
ガヴ「大丈夫大丈夫。やり方なんてやってる内に覚えるでしょ」
タプリス「そうでしょうか……?」
ガヴ「まーどうしても不安なら、黒奈にやり方を教えてもらいなよ」
タプリス「えっ?」
ガヴ「こいつ結構上手いし」
黒奈「……」
タプリス「……えーっと」チラッ
黒奈「……千咲」
タプリス「な、何ですか?」ビクッ
50:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:21:34.25
ID:lZYFIYeO0
黒奈「……かもん」スッ
タプリス「なんで両腕を広げてるんですか!?」
ガヴ「じゃあ私はネトゲしてるから、覚え終わったら呼んでくれ」スチャッ
タプリス「あっ、て、天真先輩!?」
ガヴ「……」カタカタ
タプリス「せ、先輩……」
黒奈「安心して……優しく教えてあげるから……」
タプリス「うっ……結構です! この程度、悪魔の手を借りるまでもありません!」
51:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:22:16.94
ID:lZYFIYeO0
黒奈「……本当?」
タプリス「はい! ほら、このスティックを倒せば右に……あ、あれ? なんで左に……」カチャカチャ
黒奈「それ……持ち方逆……」
タプリス「あっ」
黒奈「……」
タプリス「……だ、大丈夫です。まだ持ち方を間違えたくらいで、これくらい……」
黒奈「……」
タプリス「ジャンプはこれでしょうか? ……あれ? 変な構えをして……」ポチポチ
黒奈「それはガード……ジャンプは……ここ」
タプリス「え? あ、なるほど……」ポチ
黒奈「……」
タプリス「……」
52:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:22:57.09
ID:lZYFIYeO0
黒奈「……千咲」
タプリス「……な、何ですか?」
黒奈「私に教わるのは……嫌?」
タプリス「うっ……」
黒奈「……」
タプリス「い、嫌という訳ではありませんが……その」
黒奈「……その?」
タプリス「天使が悪魔に借りを作るのは……」
黒奈「気にしないでいい……千咲と私は……友達だから……」
タプリス「……」
53:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:23:40.45
ID:lZYFIYeO0
黒奈「私は千咲に教えてあげたい……それじゃ……ダメ?」
タプリス「……えっと」
黒奈「……」
タプリス「……」
タプリス「……し、仕方ないですね! 今回だけは、あなたの力を借りてあげます!」
黒奈「!」
54:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:24:19.25
ID:lZYFIYeO0
タプリス「その代わり、ちゃんと教えてください! 悪魔だからって手を抜いたら許しませんよ!」
黒奈「うん……任せて」
タプリス「そ、それで! 攻撃するときはどのボタンを押せばいいんですか?」
黒奈「弱攻撃はここ……強攻撃はこれ……あと空中攻撃したいときは……」
タプリス「じゃ、弱攻撃、強……? あの、もう少し分かりやすく……」
黒奈「ごめん……急ぎすぎた……」
タプリス「い、いえ。大丈夫です!」
55:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:25:01.09
ID:lZYFIYeO0
黒奈「まずは……弱攻撃から教える……ここのボタンを押して」
タプリス「はい。弱攻撃ですね……出来ました!」ポチ
黒奈「うん……これは威力が低いけど……隙の小さい技で……」
ワイワイ……
ガヴ「……」
ガヴ「……はあ」
ガヴ「私はキューピッドじゃなくて、エンジェルなんだけどな」
-おしまい-
56:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:26:34.74
ID:lZYFIYeO0
黒奈と2年組の絡みを見たいなーと思う今日この頃。
HTML化依頼出してきます。
57:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 20:40:16.95 ID:/2FmzJ140
乙
タプリス大好きな黒奈ちゃん良かった
58:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 21:33:21.71 ID:RkYNFdvc0
乙乙
もっと原作でこの二人出してほしい
元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1509101489/
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