685 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/22(火) 23:54:11.68
ID:HB/cR3nAO 良くわからない思いつきで投下、オリキャラっぽいのを捏造してます
矛盾等はご容赦下さい
(ここは……海?)
(ああ、そうだ。俺はやるべき事の為に……そっか、海に落ちたのか)
(しかし寒いな……確か北極海、だったっけ? そりゃ寒いよな)
(あれ? 何だか体が楽になって来た……おかしいな……息が出来ないから苦しいはずなのに)
(……もしかして俺、死ぬのかな)
(今まであんだけ無茶してきたんだ、もう限界なのかもしれない……)
上条の意識が段々と薄れていく。
死への恐怖、それが少しずつ上条を蝕んでいった。
その反面極寒の北極海であるにも関わらず、不思議と落ち着いている自分に上条は驚く。
海というのは生命の始まり、そんな言葉がふと頭に浮かんだ。
このまま身を任せてしまえば、きっと楽になれる。
しかし、それはつまり、様々なモノを残してこの世を去るという事だ。
自分を信じてくれた人達、一緒に戦ってきた仲間、そして守りたい存在、
その全てに悲しみを与えてしまう事になる。
それだけは避けたい、避けたいのだが――この海は非常に暖かく、優しい。
上条は葛藤する、生きるべきか死ぬべきか。
だが、その悩む時間も今は軽視してはいけない。それ程今の状況は危ないのである。
海に甘えてもいいのでは、いや、まだ死んではいけない。
否定と肯定が渦巻く上条、そこに聞こえたのは微かな声。
海の中では人間の声が聞こえるはずは無い。
しかし、確かに聞こえる。耳を澄ませ、その声を拾い集める。
(……じょう……ま……では……ない)
686 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/22(火) 23:54:55.61
ID:HB/cR3nAO (何だ……? 今、確かに誰かの声が)
(……みじょ……とう……ではいけな……)
(聞こえる、間違いない。この声は、俺に向けられている)
(上条当麻、死んではいけない)
(……! 誰だ? いったいお前は誰なんだ)
(私は、君をいつも見守っていた者だ)
(俺を見守っていた? そんな事俺は知らない)
(信じられないかもしれない……だが、事実だ。
私は誰よりも近い場所で上条当麻を見守っていた)
(俺の知らない所で誰よりも身近に存在していた?)
(その通りだ。だから私は君の考えている事が全てわかる)
(……そうか、この情けない考えも全部お見通しなのか)
(情けないとは私は言わない。実際君は命をすり減らしてここまで戦ってきた)
(ああ、そうだ。俺は今までどんな相手でも戦ってきたよ。
でも、多分限界なんだと思うんだ)
(……本当にそう思っているのか)
(……一番情けないのは、今の自分が本当にしたい事がわからないって事なんだ)
(このまま楽して死ぬか、苦しむ未来に怯えながらも生きるか、という事だな)
(へえ、さすが俺の近くに居ただけはあるな。多分そんな感じだと思う)
687 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/22(火) 23:56:34.58
ID:HB/cR3nAO (……誰かわからないけど、アンタに相談してもいいか?)
(他でもない君のためだ、何でも聞こう)
(じゃあ聞くけど、俺はどうすればいい? もう俺には決められない、だからアンタに任せるよ)
(私に任せて貰っていいのか?)
(ああ、頼む)
(そうか……ならば先に聞いておくが、本当は死ぬ気なんて無いのだろう?)
(……どうしてそう思うんだ)
(私は最初から意思表明をしていた。その私に任せるという事は……)
(そっか……俺、生きたいんだな)
(そして私は再三言っている通り、君には死んで欲しくないと思っている)
(……わかった。ここでは死なない、絶対に生きてみんなの所に帰る)
(上出来だ、上条当麻)
(ありがとよ。でも、どうやってここから抜け出そうか……)
(それなら心配は要らない、私に任せて貰おうか)
(へえ、益々アンタが何者か知りたくなってきたな)
(なに、学園都市に戻ればすぐに再会出来る。とりあえず今は、私に全てを委ねてくれ)
そこで声は消えた。その後上条は異変に気付く。
息が出来ないはずなのに苦しくない、そして自分の体が浮かび上がっていく。
不思議だ、いったい何故――。
688 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/22(火) 23:57:10.85
ID:HB/cR3nAO その異変の正体を、上条はすぐに知ることとなった。
さっきまでは海に浮かんでいたはずだ。
しかし良く見ると、今は車の上に乗っている。
(そっか、車で運んでくれるって事ね……車!?)
「おお、目覚めたか。君の持つ力は非常に厄介だな。
仕方ないからこの様な形で助けさせて貰う事にしたよ」
緑を基調とした車を運転するのは、黒い帽子を被った何者か。
この者が、先程から登場していた声の主だ。
「えっ!? あ、アンタが俺の身近に居た人?」
「ああ、そうだよ」
「運転中に悪いんですが、お顔を見せて貰ってもよろしいでせうか……?」
「いいだろう……さあ、どうだい?」
そういうと運転手はこちらを振り返った。その顔を見て上条は声を失う。
見覚えのある顔だった。確かに身近に居た。だが、そんな訳は無い。
「はっはっは、驚かせてしまったかな?」
「な、な、ななーっ!?」
「おやおや、少しショックだ。せっかくこうやって対面出来たのに」
何とかこの状況を受け入れようとするが、やはり出来ない。
上条はこの驚きを表す為に、その者の名前を叫んでみることにした。
「げ、げげ、ゲコ太ぁぁぁぁぁ!!?」
689 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/22(火) 23:58:21.86
ID:HB/cR3nAO 上条が驚いている間に車は海を抜けた。
おそらく上条の人生において最も有り得ない乗車時間だったであろう。
しかし否定は出来ない。
何故なら、目の前にまだその緑色の紳士は存在しているからだ。
「さすがの上条さんもこれは予想出来ませんでしたよ……」
「まあ無理も無いだろう。私も信じられないからね」
「でも助けてくれたのは他でもないアンタだ。ありがとう、それだけは言わせてくれ」
「はっはっは、礼を言うなら私以外に言うべきだろう」
「どういう事だ?」
「私はこの世にこんな形で存在しては居ない。あくまでもただのキャラクターだ。
しかし、誰かが祈ったのさ。君が生きて戻る事を、君を助けて欲しいと」
「その祈りが、アンタを今存在させているって言いたいのか?」
「そういう事だ。信じてくれなくて結構、君が生きていればそれでいい」
「……いや、俺は信じるよ。ゲコ太は間違いなく存在していた。
その事実を俺は絶対に忘れない」
「ありがとう、そう言ってくれるだけで私は満足だ。
さあ、直に他の助けが来る。それまではここに居るんだ」
「行っちまうのか?」
690 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/22(火) 23:58:50.18
ID:HB/cR3nAO 「ああ、私は現実に存在しないキャラクターだからね」
「そっか……そうだよな」
「……最後に一つだけいいかな。
私を大切にしてくれているあの娘が、君のストラップを持っている。だから」
「受け取ってまた携帯に付ける。それでいいか?」
「嬉しいよ、これでこれからも君を見守る事が出来る」
「……じゃあな、また会おう」
「必ず、生き続けるんだぞ」
そういうとゲコ太は再び車に乗り、車は走り出す。
だが、少し進むと止まってしまった。
見るとゲコ太は苦しそうな顔をしている。
「ど、どうしたんだ?」
「……私は乗り物で酔いやすいんだ……ううっ……ゲコゲコ」
「……忠実に再現されてるのね」
691 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/22(火) 23:59:32.26
ID:HB/cR3nAO 以上です、自分で書いててよくわからん…
色々失礼しました
692 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/23(水) 00:00:03.62 ID:rfgq8VzJo
ゲコ太△ 693 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/23(水) 01:11:09.43 ID:QJCahxAK0
ゲコ太ww
その発想は出てこないww 694 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/23(水) 01:31:17.25 ID:/TgJRoxAO
こんな伏線が張ってあったのか……これも☆の手の内なのか……?
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