( ^ω^)極悪ビジネス('A`)のようです

2011-03-21 (月) 14:02  ( ^ω^)(´・ω・`)('A`)   7コメント  
3 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 20:14:44.46 ID:5XgX5um60

 古い家の屋根を、雨が撃ち続けている。
 その中で、若い女の声が響いた。

ξ゚⊿゚)ξ「おばあさん!騙されてるわよ」

 またあの女だ。
 寺産まれのTを名乗る女のせいで、また一つのビジネスを潰された。

(  ω )】「ちっ、ここも撤退だお」

 そう呟く男の足跡は雨音に消えていった。


( ^ω^)極悪ビジネス('A`)のようです



4 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 20:19:37.42 ID:5XgX5um60
 先ほどの男、内藤は狭いマンションの一室にいた。

( ^ω^)「……」

 隣にいる痩せた男は相棒のドクオで、本名は知らされていない。
 相棒と言っても所詮、仕事上の付き合いなのだ。

 本名を聞くつもりもない。

('A`)y―~~「またTか」

 ドクオは眉毛を寄せ、白い煙を吐き出した。
 内藤はその眉を見て、誰かを思い出し、笑った。

( ^ω^)「だお」

('A`)y―~~「ま、あの仕事はそろそろ潮時だったって事さ」

 それはその通りだ。
 そして、仕事はまだたくさんある。

( ^ω^)「それもそうだおね」

('A`)y―~~「じゃあ、行きますか」



5 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 20:24:31.67 ID:5XgX5um60
 東京都、新宿。
 世界でも有数の欲望の集まるこの街で、また一人カモを発見した。

( ´ー`)「ハァ」

 憂鬱そうな顔で出てきたこの男。
 名をシラネーヨという。

 会社を首になっていらい、ネットカフェで寒さを凌いで暮らす40代の男だ。

( ´ー`)「カネガネーヨ」

 ヨレヨレのスーツを着て、今日も仕事を探す。
 やる気はあるのだが、いかんせん年だ。

 現実は厳しかった。

( ´ー`)「腹減ったヨ」

( ^ω^)「すみません」

 にこやかな笑みを浮かべた、恰幅のいい男。
 それは、彼の人生が変わる瞬間。



8 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 20:30:46.59 ID:5XgX5um60

(; ´ー`)「わ!って、なんだーヨ」

( ^ω^)「私、こういう者ですが……」

 そう言って、名刺を差し出す。

(; ´ー`)「営業なら他当たってくれヨ
       金なんてないんだーヨ」

 そう言って切り抜けようとするが、男は道を譲らない。

( ^ω^)「お金、欲しくないですかお?」

(; ´ー`)「は?」

 お金――どうしても反応してしまう。
 それに気づかれたのか、男はにんまりともう一度笑った。

( ^ω^)「お話、させていただけませんかお?」



9 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 20:35:28.81 ID:5XgX5um60

 男が入ったのはどこにでもあるファミリーレストラン。
 決して高い店ではないが、今のシラネーヨにとっては決して安易に入れる店ではなかった。

 男は笑みを崩さない。

( ^ω^)「話の結果がどうなっても、ここの会計は僕が払いますお」

(; ´ー`)「はぁ」

( ^ω^)「もう一度、紹介させてもらいますお」

 そう言って再度差し出してきた名刺。
 今度は仕方なく受け取った。

(; ´ー`)「NPOの方なんですか?」

 NPO……特定非営利活動法人。
 一体そんな人が何のようなのだろう。

( ^ω^)「そうですお、恵まれない子供たちと遊んだり
       家の無い方に住居を提供したり、食事に困ったに炊き出しをしていますお」



11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/08(火) 20:36:09.65 ID:9U0pysm7O
ブーンが悪人面に見えてきた
支援




12 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 20:38:10.01 ID:5XgX5um60

 NPO……特定非営利活動法人。
 一体そんな人が何のようなのだろう。

( ^ω^)「そうですお、恵まれない子供たちと遊んだり
       家の無い方に住居を提供したり、食事に困ったに炊き出しをしていますお」

 簡単に言うとボランティア団体なのだろう。

( ´ー`)「それで、先ほどの話とは……」

( ^ω^)「お?」

 男は何かわからないといった感じで首を捻った。

(; ´ー`)「お金がって話だーヨ」

 そう言うと、そうでしたそうでした、と顔を明るくした。

( ^ω^)「生活保護って知ってますかお?」



13 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 20:44:16.23 ID:5XgX5um60

 生活保護――制度としては知っている。
 しかし、それは何か抵抗があった。

(; ´ー`)「知ってるは知ってるだーヨ」

( ^ω^)「まぁ、そうですおね」

 以外にも男は軽く引き下がり、今度は泊まるところの話を始めた。

( ^ω^)「ネット喫茶は寝にくいでしょう?」

 そりゃそうだ。
 横になることはできないし、毛布は借りれるが寒さ凌ぐには十分ではない。
 おまけに、他人のいびきが睡眠を妨害する。

(; ´ー`)「そりゃ、そうだーヨ」

( ^ω^)「おっお
       今日は私の知り合いの寮で寝ませんかお?」

 それは、願ってもない話だった。
 この生活をして一番の悩みは寝る場所についてだ。
 さらに、寮ならば若干のプライベートスペースも得ることができる。



14 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 20:47:25.42 ID:5XgX5um60
( ^ω^)「立地条件はよくないけど、そこは勘弁して欲しいお」

 そう言って男が連れてきたのは、いかにも古ぼけたアパートだった。

(; ´ー`)「十分だーヨ」

 鍵を渡され、男はそれでは、と言って立ち去った。

( ´ー`)「思ったより広いーヨ」

 部屋は6畳一間だったが、ネット喫茶に比べたら比べようもない広さだ。
 おまけに、押入れには真新しい布団まで置かれている。

( ´ー`)「本当に、あの人はいい人だーヨ」

 世の中にはああいう人もいるんだな、そう呟いて、シラネーヨは眠りについた。



18 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 20:57:50.68 ID:5XgX5um60
 あっという間に数日が経ち、シラネーヨは一人暮らしを満喫していた。

( ´ー`)「あ、お久しぶりです」

( ^ω^)「それで、決心は固まりました?」

 にこやかな男は、会って早々こう切り出した。

( ´ー`)「生活保護、ですかね?」

( ^ω^)「そうです」

 男は即答する。

( ^ω^)「どうです?続けたくないですか?」

 シラネーヨにはまだ生活保護への抵抗があったが、
 一度この生活を経験してしまったら、もう後へは引き返せなかった。

(; ´ー`)「……わ、わかりました」

( ^ω^)「おっお」

 シラネーヨが同意すると、男は鞄から説明用の資料を取り出し、床に置いた。



19 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 21:00:44.34 ID:5XgX5um60

( ^ω^)「まず、いくつか注意点がありますお」

( ^ω^)「まず、引越しはしないでくださいお」

(; ´ー`)「……わ、わかりました」

( ^ω^)「後、シラネーヨさんみたいな人を救うため
       月に二万円だけ寄付して欲しいお」

( ^ω^)「安心して欲しいお
       生活するのに十分な金額は残るお」

 自分はこの人に救われた。
 一人でも多くの人を救うためなら、それくらいいいだろう。

 なんと言っても、この人に会わなければ自分の収入はずっと0だったのだ。

(; ´ー`)「……はぁ」

( ^ω^)「じゃあ、面接練習を始めるお」

 それから始まった、面接練習。



20 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 21:02:01.50 ID:5XgX5um60

( ^ω^)「働けない理由はなんですかお?」

(; ´ー`)「……やはり、年齢のせいかいつも断られ、自身が無くなってきてしまい」

( ^ω^)「……」

(; ´ー`)「まるで、誰にも必要にされない人間なんじゃないかと思い始めて」

( ^ω^)「……」

(; ´ー`)「面接に行くだけでも……具合が悪く」

 この面接練習を始めると、何故か本当に具合が悪くなるから不思議なものだ。

( ^ω^)「……上出来ですお」

 男はそう言って、にこやかな笑みを浮かべた。




( ^ω^)「……本当に上出来だお」



22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/08(火) 21:04:13.11 ID:7nbfArH/0
こえーよwww



24 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 21:07:38.51 ID:5XgX5um60
J( 'ー`)し「はい。次の人」

(; ´ー`)「は……はい」

( ^ω^)「……私付き添いの内藤と申します」

J( 'ー`)し「NPOの方ね、いつもご苦労様」

J( 'ー`)し「働けない理由はなんですか?」

(; ´ー`)「……やはり、年齢のせいかいつも断られ、自身が無くなってきてしまい」

( ^ω^)「……」

(; ´ー`)「まるで、誰にも必要にされない人間なんじゃないかと思い始めて」

( ^ω^)「……」

(; ´ー`)「面接に行くだけでも……具合が悪く」

J(; 'ー`)し「ごめんなさい、もう無理しなくてもいいわ」

 後は私に任せて、そう言って、女性の担当者は瞳を潤ませた。
 こうして、どこかで落ちればいいと思っていた審査は、本当にあっけなく通過してしまった。



26 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 21:11:03.68 ID:5XgX5um60
( ^ω^)「これで、生活を続けられるお」

( ´ー`)「……そうですね」

( ^ω^)「おっお」

 笑い声を出して、立ち去ろうとする男。

( ´ー`)「……あの」

( ^ω^)「お?」

 シラネーヨには、その笑みが天使のように写っている。

( ´ー`)「ありがとうございました」

( ^ω^)「おっお」

 男は、変わらない笑顔。

( ´ー`)「何か、僕なんかでできることがあったら言ってください」

 精一杯の勇気を持って言った、感謝の言葉。
 どこまでも男は優しかった。

( ^ω^)「じゃあ、今度炊き出しを手伝ってもらいたいお」

( ´ー`)「はい!」



30 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 21:13:32.78 ID:5XgX5um60

 狭いマンションの一室。
 そこに彼らの拠点がある。

('A`)y―~~「遅かったな、成功か?」

( ^ω^)「成功だお」

('A`)y―~~「ちっ、こっちのマルチは潰されちまったぜ」

( ^ω^)「また、Tかお?」

(#'A`)y―~~「あの寺産まれの糞女め!」

( ^ω^)「残念だお」

('A`)y―~~「そういや、そっちの仕組みってどんなのなんだ?」

( ^ω^)「お?」



31 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 21:20:14.40 ID:5XgX5um60
('A`)y―~~「いや、都内でアパートなんて金かかんじゃねぇのか?」

( ^ω^)「ああ、あれはほとんど無価値のアパートなんだお」

 自殺者が出た、道に面していない等、訳ありの物件など、いくらでもある。
 そして、持ち主に立て替える金がない場合や、道路に面していないため、立て替えても費用がかかるだけのマンションは、格安で借りることができるのだ。

 持ち主にとっては全く入らずマイナスより、税金分+αでも回収できれば御の字なのだから

( ^ω^)「あそこは月3万で借りれたお
       家賃として月5万もらい、本人から直接2万入るから、毎月4万の儲けだお」

('A`)y―~~「ほ~、なるほどな」

( ^ω^)「ちなみに裏情報だと、僕に3万で貸したショボンは本来の持ち主から二万五千で借りたみたいだお」

 何から何まで自分でやれば多く稼げるが、危険を生む。
 この商売では、他の者にも美味い汁を吸わせるのが、長生きする唯一の方法なのだ。



33 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 21:22:49.81 ID:5XgX5um60
('A`)y―~~「で」

 そう区切り、ドクオは妖しい光を瞳に宿す。

('A`)y―~~「今回のターゲット、これで終わりってわけじゃないよな?」

( ^ω^)「もちろんだお」

 搾り取れるとこは、全部搾り取ってやる。
 一滴だって逃すつもりはない。

 だってあの男には、低く見積もっても500万円以上の価値があるのだから。



( ^ω^)極悪ビジネス('A`)のようです
 第一話 終了



36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/08(火) 21:23:59.43 ID:9U0pysm7O
なーるほど


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/08(火) 21:25:59.68 ID:7nbfArH/0
欝なせぇるすまんなオチかと思ったが違う方向行きそうだな


46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/08(火) 21:32:07.60 ID:9U0pysm7O
シラネーヨに自覚を持たせてないあたりが上手いというか怖いね


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/08(火) 21:26:52.81 ID:RoE9UQqwO
とりあえず乙



42 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 21:27:33.16 ID:5XgX5um60

('A`)y―~~「お、釣れた釣れた」

 そう言ってドクオは携帯を眺める。
 画面には、一万ならいいよと書かれている。

('A`)y―~~「最高の馬鹿だな
      こういう奴ほど楽なんだよ」

 ドクオは気色悪い笑みを隠そうとせず、携帯を見つめた。


( ^ω^)極悪ビジネス('A`)のようです
 第二話 「最悪な出会い」



47 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 21:32:30.35 ID:5XgX5um60
('A`)】「あ、クー?今暇かい?」

 忙しいという女の声を聞き、ドクオは顔をしかめた。

('A`)】「頼むよ、仕事入っちまって」

('A`)】「うん、うん、わかった。わかったって」

( ^ω^)「どうしたんだお?」

('A`)「ん?もう帰りか?」

( ^ω^)「だお」

 少し期限が悪そうに、内藤はドクオを睨みつけた。

('A`)「なんだ?逃げられたか」

( ^ω^)「だお、まだ搾り取れたのに」

 ちぇっと言って、冷蔵庫を開ける。

( ^ω^)「で、どうしたんだお?」



51 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 21:38:43.67 ID:5XgX5um60
('A`)「金のなる木を見つけてな」

 ドクオが指指したのは複数の携帯電話だった。

( ^ω^)「出会い系かお」

 出会い系サイトを利用し、客を集まる。
 そしてエサに食いついた人がいたら、デリやソープで働く女の子に連絡を入れる。
 それだけで、交渉金額の三割をもらう契約になっているのだ。

(*'A`)「今回は大物だぞ」

 そう言って、ドクオは心底嬉しそうな顔をした。

( ^ω^)「どうしたんだお?」

(*'A`)「18歳で返信してきた奴に、実は16だって送ったら乗ってきてよ」

 馬鹿だよなぁ~
 メールに履歴残っちゃったよ~

 そう嬉しそうにしているドクオを横目に、胃に野菜ジュースを流し込む。



53 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 21:41:50.53 ID:5XgX5um60

( ^ω^)「馬鹿だおね」

 そう言いながら、携帯画面を覗き込んだ。

( ^ω^)「お?なんか値段下げられてるお?」

 内藤がそう言うと、ドクオはむっとしたように口を尖らせる。

(*'A`)「馬鹿だなぁ~、ブーンちゃんは~」

(*'A`)「あ、今は内藤だっけか?」

( ^ω^)「何が馬鹿なんだお?」

(*'A`)「問題は18歳以下と知って手を出したことだろうが」

( ^ω^)「?」

(*'A`)「常識的に考えてばらされたくないだろ?」



56 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 21:47:40.39 ID:5XgX5um60

( ^ω^)「確かに」

(*'A`)「じゃ、行ってくるね」

 そう言ってカメラを手にするドクオに、内藤は声をかけた。

( ^ω^)「ドクオ」

(*'A`)「ん?」

( ^ω^)「今日はブーンも行くお」

(*'A`)「お、おお」

 コンビだが、二人行動は久しぶりだ。
 内藤はドクオの車に乗り込んだ。



57 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 21:49:37.14 ID:5XgX5um60
川 ゚ -゚)「モララーさんですか?」

( ・∀・)「クーちゃん?めっちゃかわいいね」

川 ゚ -゚)「……ありがとうございます」

( ・∀・)「ホテルの前になんか飯でも食う?」




( ^ω^)「写真は取らなくていいのかお?」

('A`)「これだから素人は」

(; ^ω^)「……まぁこの分野は確かに素人だお」

('A`)「この写真撮ってどうなる?これじゃ只の青春の1ページじゃないか」



59 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 21:53:40.67 ID:5XgX5um60

 ドクオは二人がホテルに入るのを一枚撮ると、急に冷めたような視線に戻った。

('A`)「よし、帰るぞ」

( ^ω^)「……帰るのかお?」

('A`)「ん?」

( ^ω^)「……接触はしないのかお?」

('A`)「阿呆が」

('A`)「今日やって今日行ってもいくらもとれねぇよ
    後はクーの仕事だ」

 ドクオはにこりと笑うと、内藤を置いて車に向かった。



61 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 21:57:27.03 ID:5XgX5um60
 後日


川 ゚ -゚)「……さて」

('A`)「お仕事の始まりだ」


 ブウウウウンブウウウウン

( ・∀・)「ん?」

( ・∀・)】「はい、モララーです」

「あの、クーですが」

( ・∀・)】「あ、クーちゃん?」

「ちょっとお話が」

( ・∀・)】「話?何かな?」

「電話では……今日会えませんか?」



63 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 22:00:19.07 ID:5XgX5um60

( ・∀・)ooO(はっ!まさか妊娠詐欺?)

( ・∀・)】「……妊娠したとか?ゴムつけたよね?」

「違います……今日会えませんか?」

( ・∀・)ooO(えええええええ、じゃあ何?)

「……会いたくないですか?」

( ・∀・)ooO(はっ!)

( ・∀・)ooO(また会いたいってことか!)

( ・∀・)】「会いたい!会いたいよ!どこ行けばいい?」



65 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 22:09:45.40 ID:5XgX5um60
 ファミレスに着くと、怒った顔の痩せた中年の男と、嗚咽交じりのクーがいた。

('A`)「君がモララー君?」

(; ・∀・)「はぁ」

('A`)「娘に乱暴したそうだね?」

(; ・∀・)「いや、乱暴なんてことは」

川 ; -;)「実は」

 そう言って泣くクーが出したのは、一枚の診断書。

川 ; -;)「あれから、体の様子がおかしくて、調べたら」

(; ・∀・)「性病……ですか」

('A`)「警察に言ってもいいが、できれば娘は穏便に済ませたいと言っている」



67 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 22:13:25.30 ID:5XgX5um60

('A`)「慰謝料としてそうだね、20万払えば、目を瞑ろう」

(; ・∀・)「20万」

 とても払える額ではないが、払わなければ人生が終わってしまう。

('A`)「どっちがいい?」

(; ・∀・)「次のバイト代が入るまで、待ってもらえませんか?」

('A`)「だめだ、逃げる可能性がある、払えないなら警察に行こう」

(; ・∀・)「いや……」

( ^ω^)「……お困りですかお?」

('A`)「なんだね君は?」

( ^ω^)「私、こういうものですお」

 にこやかな顔をして、モララーに差し出す一枚の名刺。



71 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 22:16:40.65 ID:5XgX5um60

( ^ω^)「貸しましょうか」

(; ・∀・)「え?」

( ^ω^)「お金、貸しましょうか」

 モララーが名刺を見つめると、ヴィップ金融と書かれている。

( ^ω^)「必要なのでしょう」

(; ・∀・)「……」

( ^ω^)「利子は、そうですね、来月中でしたら1000円でどうでしょう?」

 混乱した頭には、内藤の言葉は麻薬のように甘く広がる。

(; ・∀・)「……本当に……利子は?」

( ^ω^)「ええ、書類、お作りしますね」



72 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 22:20:28.14 ID:5XgX5um60


('A`)「しっかし、利子1000円かよ?」

( ^ω^)「おっお」

川 ゚ -゚)「……じゃあ10万はもらっていくね」

('A`)「おう、お疲れ様」

( ^ω^)「あれはあれでいいんだお」

('A`)「ん?どういうことだ?」

( ^ω^)「これでモララーはお金を借りることを覚えたお」

('A`)「なるほど」

 そう言って、ドクオはにやっと笑う。

( ^ω^)「一度覚えたら、もう終わりだお」

 借金に抵抗がなくなれば、後はもう貧困の世界に落ちるだけだ。
 その時まだ接点さえ保っていれば、シラネーヨのように利用できるだろう。


( ^ω^)極悪ビジネス('A`)のようです
 第二話 「最悪な出会い」 終



77 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 22:26:52.14 ID:5XgX5um60
( ^ω^)「久しぶりですお」

( ´ー`)「あ、お久しぶりです」

 シラネーヨは笑顔で答え、内藤と握手を交わした。

( ´ー`)「いやー、おかげさまでなんとか暮らしていけてます」



( ^ω^)極悪ビジネス('A`)のようです
 第三話 「薬」



79 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 22:30:18.86 ID:5XgX5um60

( ^ω^)「どうですかお?新生活は」

( ´ー`)「やっぱり寝る場所があるのはいいですね」

( ^ω^)「おっお、それは良かったですお」

( ^ω^)「お金は困ってませんかお?」

( ´ー`)「ええ、特に困ってはないですね」

( ^ω^)「おっお、無ければ困るが有っても困らないのがお金だお」

( ´ー`)「ええ、それは……そうですね」

( ^ω^)「今日はシラネーヨさんに、いいビジネスの話があるんだお」

( ´ー`)「ビジネスの話……ですか?」

( ^ω^)「おっお、これは安全で確実に、長期に渡ってお金がもらえる話なんだお」



82 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 22:34:57.28 ID:5XgX5um60

( ´ー`)「それは……そんな夢のような話があるんですか?」

( ^ω^)「それが、あるんですお」

 内藤はもらえる額は小額ですけどねと言って舌を出した。

 小額でも、お金が増えるのはありがたい話だ。
 シラネーヨは周りの住民とボランティアをして過ごしている。

 確かにそれも充実した日々だが、まぁちょっとは楽しみたいという気持ちもあるのだ。

( ´ー`)「それで、何をすればいいんです?」

( ^ω^)「この病院に行って、薬を貰ってきて欲しいんですお」

( ^ω^)「ブーンの紹介でと言えば、薬を出してくれますから」

 それを、内藤さんが買い取ってくれるらしい。



85 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 22:38:21.73 ID:5XgX5um60
 生活保護のシラネーヨは、医療費がかからない。

 医者は医療費を国に請求できる。
 シラネーヨは内藤に薬を売り、小遣いを手にする。
 そして内藤はそれを他者に売るのだそうだ。

( ^ω^)「WIN、WINのビジネスですお」

 内藤はそう言って、にっこりと笑顔を浮かべた。


 それは小さな診療所だった。
 閑散とした住宅街の中にある、白い壁の病院。

 中に入ると、人の良さそうな男が一人、椅子の上に腰掛けていた。

爪'ー`)「いらっしゃい」

 笑顔でシラネーヨを迎える男。
 年齢は上手くつかめなかった。

( ´ー`)「ブーンさんの紹介です」

爪'ー`)「あー、わかった。
    薬出しておくよ」

 たったこれだけのやり取り。



86 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 22:41:42.68 ID:5XgX5um60
( ´ー`)「はい、どうぞ」

( ^ω^)「ありがとうだお」

 内藤は、薬を受け取ると、1500円を手渡しした。

(; ^ω^)「少なくてすまんお、そこまで高値取引できるものじゃないんだお」

 正規な方法より高額にはできないから、と内藤は頭を掻いた。

( ´ー`)「いやぁ、元は無料なんだから気にするなーヨ」

( ^ω^)「ありがとうだお」

( ´ー`)「お礼を言いたいのはこっちの方だーヨ」

( ^ω^)「おっお、またよろしく頼むお」



88 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 22:47:13.42 ID:5XgX5um60
( ^ω^)「二万円だお」

( )・∀・)「二万?ちょっと待ってくれ」

 なんでそんなに値上がりしてるんだ!そう言ってモララーは内藤を睨んだ。

( ^ω^)「入手がなかなかできなくなったんだお」

( ^ω^)「いらないなら、別にかまわないお」

(;)・∀・)「待ってくれ、わかった。払う。払うよ」

 依存度は麻薬ほど高くはないが、それでも依存物質を含んでいるのだ。
 依存してしまえば、それは麻薬と変わらない。
 入手するには手段を選ばなくなるのだ。

( ^ω^)「金は?」

(;)・∀・)「今持ってないんだ。貸してくれ、頼む」

( ^ω^)「かまわないお」

 書類を渡し、サインをさせる。
 すると、書類を見もしないでモララーはサインをはじめた。

( ^ω^)「まいどあり」

 内藤はにこやかに笑いかける。



89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/08(火) 22:48:11.80 ID:7nbfArH/0
モララー終わりすぎた



92 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 22:56:19.15 ID:5XgX5um60

('A`)y―~~「かっかっか、モララー君も見る影がねぇな」

( ^ω^)「見てたのかお」

( ^ω^)「まぁ仕方ないお。薬も依存したら抜け出せないものだお」

( ^ω^)「心療内科が増えすぎたんだおね」

 欝は、薬で治ることはない。
 一時的に忘れることはできるが、今度はその薬を使用していない状態がそれまでより悪くなってしまう。

 それなのに、何故鬱の患者に薬が簡単に処方されるか
 それは、心療内科のシステムに問題があるからだ

( ^ω^)「心療内科は投薬によって点数を稼げるお
       いくらカウンセリングを丁寧にやっても、大したお金は稼げないんだお」

('A`)y―~~「それで一旦薬を処方された人は抜け出せず心療内科に入りびたり
      薬を止められた人は大金を払って薬を買うのか」

( ^ω^)「だお。最近は転売目的の通院も増えているお」

('A`)y―~~「怖いねぇ、患者の味方のはずの先生が、お金のために患者を薬漬けにしてるとは」



94 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 23:00:14.06 ID:5XgX5um60

( ^ω^)「おっお、次の産業は、麻薬の代わりとしての薬売買だお
       麻薬だと抵抗ある人が簡単に堕ちていくんだお」

('A`)y―~~「更にその薬漬けになった人を利用してビジネスに利用するのか」

 いやらしい笑みを浮かべるドクオを一瞥し、内藤は空を見上げた。

( ^ω^)「そっちはドクオの仕事だお」

('A`)y―~~「ひっひひ、違いねぇ」

( ^ω^)「ブーンは人が人であることを利用したビジネスだけだお」







( ^ω^)極悪ビジネス('A`)のようです
 第四話 「薬」終了



96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/08(火) 23:02:17.95 ID:IQeFGK0z0
マジで患者より金って考えてる医者がいるから困る



102 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/03/08(火) 23:07:46.20 ID:5XgX5um60
( ´∀`)「戸籍を売って欲しいモナ」

( ^ω^)「戸籍、ですかお?」

 たまにくるVIPからの依頼。
 そのほとんどは、実在する戸籍を取得できないかという依頼だ。
 それは、例えば免許の資格失効時に役に立つ。

 もちろん、それは単純に犯罪者のVIPが欲しがるケースも存在する。

( ^ω^)「わかりましたお」

( ^ω^)極悪ビジネス('A`)のようです
 第五話 「戸籍」



109 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/03/08(火) 23:15:00.73 ID:5XgX5um60
 一言に戸籍と言っても、どんな戸籍でもいいというわけではない。
 依頼される戸籍の一番条件は、綺麗な戸籍ということだ。

 その綺麗差は依頼者による。
 犯罪暦さえなければそれでいいという人から、精神病に通院暦がある人はだめ、等の条件を出される。

 次に、年齢がだいたい合っていること。
 20代の人が40代の戸籍を使用することはできない。

 今回の依頼者はモナーの息子。
 どうやら大きな犯罪を侵してしまったらしい。

 まぁ大犯罪者の息子じゃ仕方ないか

( ^ω^)「あいつがいるお」

 内藤は携帯電話を開き、モララーに電話を掛けた。

( ^ω^)】「おっおー、調子はどうだお?」



111 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/03/08(火) 23:21:03.80 ID:5XgX5um60
( ^ω^)「やあ、久しぶりだお」

(;)・∀・)「頼む、早く売ってくれ」

( ^ω^)「金は?」

(;)・∀・)「また、貸してくれ、頼む」

( ^ω^)「貸すのはできないお」

 モララーが怒りを顕わにしたが、内藤はお決まりの笑顔を崩さなかった」

( ^ω^)「でも、渡すのは可能だお」

(;)・∀・)「どういうことだ?」

( ^ω^)「おー?モララーの持ってるものが欲しいんだお」

(;)・∀・)「持ってるもの?もう何もないさ、知ってるだろう?」



113 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 23:23:55.76 ID:5XgX5um60
( ^ω^)「戸籍だお」

 満面の笑みで言った言葉に、モララーは凍りついた。

(;)・∀・)「こ、戸籍?」

( ^ω^)「モララーは車の免許持ってないおね?」

(;)・∀・)「持ってないが、なぜ?」

( ^ω^)「モララーは犯罪暦はないおね」

(;)・∀・)「あ、あんたのおかげで」

( ^ω^)「おっお、200万で買い取るお」

(;)・∀・)「は?」

( ^ω^)「これから海外旅行をしない、免許等資格を取らない、結婚をしない」

( ^ω^)「これだけで、100万だお」



116 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 23:27:58.83 ID:5XgX5um60
( ^ω^)「おっと間違えた200万だお」

(;)・∀・)「……」

(;)・∀・)「……それ、最高額か?」

 意外と簡単に食いついてきた。
 流石にカモされ続けただけはある。

 少しは学習したのだろう。

( ^ω^)「おっお、借金を消した上で200万、これでどうだお?」

 破格の300万の条件に、唾を飲む音が聞こえた。

( ^ω^)「どうするお?」

(;)・∀・)「……戸籍だぞ?足りないな」

 それでいい。
 つまり、金次第では売る決心をしたということなのだから。



117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/08(火) 23:32:42.79 ID:C1o+5ALe0
ブーンはおっちょこちょいだなぁ



118 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 23:33:35.37 ID:5XgX5um60
( ^ω^)「これが上限だお、無理なら他をあたるお」

 わざとらしく足音を立て、立ち去ろうとする。
 モララーが内藤を呼び止めれば、この売買は成立する。

 もし、呼び止められなければ、モナーとの商談は断るしかない。
 20そこらで戸籍を売る気になるほど堕ちた、家族のいないものなど、なかなか探し出せることではない。

(;)・∀・)「待て」

(;)・∀・)「無理とは言ってない」

( ^ω^)「……」

(;)・∀・)「わかった、その条件で手を打とう」

( ^ω^)「……おっお」

( ^ω^)「薬はどうしましかお?一本三万円になりますが」

(;)・∀・)「ははっ、取引の後だぞ?ただでくれたっていいだろう」

 まぁ、少しは華をもたせるか――そんな気持ちで一本、モララーに渡した。



120 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 23:37:22.61 ID:5XgX5um60
( ^ω^)「じゃあ、着いて来てくれお」

 そして、ブーンと一緒にモナーの屋敷に連れてこられたモララーは黒服の男にさらわれた。

( ´∀`)「ほっほ、ありがとうございます」

( ^ω^)「彼は?」

( ´∀`)「いやいや、重複した戸籍持ちが、この世に二人いても厄介です」

( ^ω^)「それは、確かにそうですお」

 にこやかに頷き、しかししっかりと用件は伝える。

( ^ω^)「代金のほうは?」

( ´∀`)「私は思うのですよ」

 モナーはお茶をすすり、柔和な笑みを浮かべる。
 対する内藤も笑顔だ。



122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/08(火) 23:39:35.23 ID:9U0pysm7O
モララーは消されたか…



123 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 23:43:08.12 ID:5XgX5um60

( ´∀`)「ほら、秘密を知られてる関係ってのは、あまり良くないんじゃないかって」

( ^ω^)「おっお」

( ^ω^)「他言はしませんお」

 内藤も出されたお茶をすすった。
 後ろには黒服が待機している。

( ´∀`)「すごい方だ。怖くないのですか?」

( ^ω^)「お?」

 気づかない振りをして、笑みを返した。

( ´∀`)「死ぬことですよ」

( ^ω^)「怖いですお」

( ^ω^)「でも、無駄死にはしないと思いますお」



128 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 23:49:08.81 ID:5XgX5um60

 その言葉に、周りの者は少しの距離をとった。
 動かない内藤に対し、銃を構えるモナー。

( ´∀`)「入った時に武器の確認はしたはずですが?」

( ^ω^)「武器は持ってませんお」

 ならどうやっても無駄死にではないか?

( ^ω^)「この商売、金を踏み倒せると思ったら終わりなわけです」

( ´∀`)「ほお」

( ^ω^)「だから、僕は仲間にここ来ることを伝えた」

( ^ω^)「まぁ、僕の仲間はそこまで優秀じゃないお」

 にこやかな笑みを浮かべる両者は真っ直ぐに対峙する。

( ^ω^)「でも、金を払わなかったことを後悔させるだけの力はあるはずだお」

( ´∀`)「アサピー」

 突如、モナーは黒服の一人の名前を呼んだ。



130 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 23:50:27.08 ID:5XgX5um60


( ´∀`)「お金を準備しなさい」

 そして、内藤は解放された。
 モララーと共に


( ^ω^)極悪ビジネス('A`)のようです
 第五話 「戸籍」 終了



131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/08(火) 23:52:32.23 ID:LXY/lQZIO
おかえりモララー


133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/08(火) 23:53:40.14 ID:9U0pysm7O
危ない渡世ですこと



132 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 23:53:16.55 ID:5XgX5um60

(・ ∀・)「そんな……」

 顔の形が変形したモララーがドクオを見た最初の感想はそんな言葉だった。

( ^ω^)「おっお、新しい戸籍を用意してあげたお
       今日から君はまたんきだお」

('A`)y―~~「かっかっか、よろしくな」




( ^ω^)極悪ビジネス('A`)のようです
 最終話 「カード」



134 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/08(火) 23:57:21.10 ID:5XgX5um60
 三ヶ月もするとモララー、いやまたんきもこの生活に慣れた様子で、徐々に内藤とドクオの仕事に興味を覚えていた。

(・ ∀・)「次は何をやってるんですか?」

('A`)y―~~「あん、次はカードショッピングを使った金貸しだ
      効率いいぞ」

( ^ω^)「じゃ、行ってくるお」

(・ ∀・)「あ、行ってらっしゃい兄貴」

('A`)y―~~「カッカッカ、そういやお前もブーンに救われたんだってな」

(・ ∀・)「はい、俺の商品だから処分するなら金払えって」

('A`)y―~~「カッカッカ、やくざ相手によく言うねぇ」



135 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/09(水) 00:00:43.84 ID:+LVDL1Gq0

(・ ∀・)「それで今何やってるか教えてくださいよ」

('A`)y―~~「あん?だからカード使ったネットショッピング使って金貸ししてるんだよ」

(・ ∀・)「どういうことですか?」

('A`)y―~~「例えば、封筒を5万で売るんだ」

(・ ∀・)「はぁ」

('A`)y―~~「注文が入ると、俺は封筒に4万5千を入れて送るんだな」

(・ ∀・)「回収はどうするんですか?」

('A`)y―~~「簡単だよ。カード会社が立て替えてくれるから、何にもしなくていい」

(;・ ∀・)「まじっすか」



140 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/09(水) 00:05:07.83 ID:+LVDL1Gq0
('A`)y―~~「ああ、お前も騙される立場だったら騙されてたかもな」

(;・ ∀・)「いやー、笑い事じゃないっすよ」

('A`)y―~~「カッカッカ」

('A`)y―~~「まあ、月で一割も儲かるんだから楽だよな
      しかも債権のリスクも無しだ」

(;・ ∀・)「なるほどー勉強になります」

(;・ ∀・)「ドクオさんは裏DVDや出会い系等のネットビジネス
       ブーンさんは実際に人と会うビジネスをやっているんすねぇ」

('A`)y―~~「ああ、適材適所って奴だ」

('A`)y―~~「お、10万も借りてやがる」

(;・ ∀・)「馬鹿っすねー」

('A`)y―~~「お前に言われたくないだろうよ」



141 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/09(水) 00:10:04.33 ID:+LVDL1Gq0

(;・ ∀・)「ひどいっすよ」

('A`)y―~~「なぁ、またんき」

(;・ ∀・)「何スか?」

('A`)y―~~「お前、ちゃんと飯食ってるのか?」

(;・ ∀・)「あー、一応ブーンさんから一日1000円渡されてるんで」

('A`)y―~~「1000円か、これとっとけよ」

(;・ ∀・)「ちょwww一万じゃないですか」

('A`)y―~~「その代わり」

(;・ ∀・)「何ですか?」

('A`)y―~~「今日は手伝ってもらうからな」



143 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/09(水) 00:12:26.41 ID:+LVDL1Gq0

(;・ ∀・)「何すればいいんですか?」

 モラrまたんきがそう尋ねると、ドクオは笑顔でお留守番と答えた。

(;・ ∀・)「わかりました、あざーす」

 ドクオは手を振ると、外へ飛び出していく。
 モラrまたんきはその様子を羨ましそうに眺めていた。






( ^ω^)「どう、思うかお?」

('A`)y―~~「裏切ってるな、確実に」



146 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/09(水) 00:18:43.94 ID:+LVDL1Gq0
 ドクオの言葉を聞いて、内藤は久しぶりに本当に嬉しそうな顔をした。

( ^ω^)「そうかお」

 きっと、これなら彼もやっていけると思っているのだろう。
 その強かさが、下流の世界では必要なのだ。

( ^ω^)「そういや、例の仕組みはどうなってるんだお?」

('A`)「あ?」

( ^ω^)「カード使ったネットショッピング使った金貸しだお」

('A`)「ああ、あれか」

 ブーンの基本方針はWIN、WINだ。

 もし、違ってもドクオの仕事にケチはつけないが、気になるのであろう。

('A`)「WIN、WINだぞ」

 カード会社は売り上げがあがればそれでいいし
 本人は借りれないはずの金を借りることができる。
 そして、俺は単純に儲かる。



147 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/09(水) 00:23:09.27 ID:+LVDL1Gq0
( ^ω^)「そうかお、すまんお」

('A`)「まぁ、あれはあいつへの置き土産だから」

 そう言って、ドクオは照れくさそうに笑った。

 長くアジトとして使った部屋に、別れを告げる。

('A`)「世話になったな、達者でやれよ、またんき」

 自分達が沈めた、もう上流には戻れない若者に別れをいい、二人はこの街を後にした。







ξ゚⊿゚)ξ「それで、いつ戻ってくるの?」

(;・ ∀・)「あれ?おかしいな?」


( ^ω^)極悪ビジネス('A`)のようです
 最終話 「カード」 終了



148 : ◆Ymtt.Y6YOc :2011/03/09(水) 00:23:47.79 ID:+LVDL1Gq0

安心のながらクオリティ
鼓舞は一切してないです

質問あったら答えます


149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/09(水) 00:24:09.80 ID:Y8X+HJMc0
Tさんで始まりTさんで終わった


>>149
そうですね
今回はそれをテーマに書きました。

やはり、一番好きなのはツンなので、そこは強調しておきたいとこのひとつでした。
伝わったみたいで良かったです


150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/09(水) 00:25:16.84 ID:DxWMgUo00
久々にこういうダークなの読んだ
面白かったよ

乙!



152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/09(水) 00:26:05.73 ID:I9O1RItS0
おおおお乙!

でも最後のカード会社は全然WINじゃない気がするんだけど・・・



>>152
あれ?
本人以外はWINかと思ったけど妄想の手口だから不可能かも


154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/09(水) 00:26:38.29 ID:lSrp0QCXO

たしかに極悪だった
色んな手口があったけど、まさか自分で考えた?



>>154
全てソースは2chです。
多分全部捕まりますね


156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/09(水) 00:34:58.21 ID:9NiejCYt0

唐突に終わったな
でもなんか印象深い



164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/09(水) 02:09:34.06 ID:yWv4G6vv0
もっと読みたいなー


159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/09(水) 00:41:46.44 ID:D5+ZXNNgO
乙!
いい極悪だった





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( ^ω^)(´・ω・`)('A`)   コメント:7   このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント一覧
5007. 名前 : こーいうのを読むと◆4ARdecsc 投稿日 : 2011/03/21(月) 15:00 ▼このコメントに返信する
今安定していて、そこそこの給与を貰っている自分の地位が失われる悪寒がする。
ので、やめて欲しい。
今年50歳になった独身、婿の貰い手がない漏れ。
5012. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/03/21(月) 17:17 ▼このコメントに返信する
やめてほしいって何様だよ…
5013. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/03/21(月) 17:43 ▼このコメントに返信する
アリエッティワロタwww
5015. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/03/21(月) 19:16 ▼このコメントに返信する
こういうのなんかいいね
5031. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/03/22(火) 01:05 ▼このコメントに返信する
読みやすくてとても面白かった
5044. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/03/22(火) 09:34 ▼このコメントに返信する
最後でやられたwww

気付かないなら別に不幸でもないしいいか、と思ってしまった
11292. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/08/27(土) 21:03 ▼このコメントに返信する
やめて欲しいって別に見なければいいんじゃ・・
こういう系は面白いね・・・自分も書けるようになりたい
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