デーモン小暮閣下「聖杯戦争?」

2013-04-10 (水) 21:01  Fate SS 芸能人   2コメント  
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 20:20:53.05 ID:moZgbUsT0

~魔界~

ダミアン浜田殿下「ああ、聖飢魔?Uが征服したのとは別の地球で行われてるらしいのだ」

デーモン小暮閣下「聖杯とはまた、面倒なものを持ちだしたものである」

ダミアン浜田殿下「まあ、偽物ではあるらしいのだが神や天使どもが嗅ぎつけないとも限らん」

ダミアン浜田殿下「デーモンよ、ぶっ壊してこい」

デーモン小暮閣下「とはいえ、吾輩、相撲の解説やバラエティ出演で忙しいのである」

デーモン小暮閣下「若者の相撲離れが進む今こそ、最も力をいれて角界を応援していかねばならないのである」

ダミアン浜田殿下「さしあたっては、聖杯戦争の参加者の中でも、聖杯を壊してもあんまり怒らなそうな男を一人選んでおいた」

ダミアン浜田殿下「その男のサーヴァントとして聖杯戦争を勝ち抜いて来い」


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2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 20:21:19.68 ID:moZgbUsT0

デーモン小暮閣下「話を聞いて欲しいのである…、というか、悪魔教教祖である吾輩が人間如きに仕えるのであるか!?いーやーでーあーるー」

ダミアン浜田殿下「勝つ自信がないのか?」

デーモン小暮閣下「ふん、である。所詮、参加者はみな人間なのであろう?吾輩が負ける理由がないのである」フンス

ダミアン浜田殿下「じゃあ、よろしく」ポチッ

デーモン小暮閣下「そ、それはゼノン石川和尚特製『悪魔を好きな場所に飛ばせーる君ver.1.16』ではないか!殿下、貴様!」グニャー

ダミアン浜田殿下「詳しい話はお前のマスターになる小僧に聞いてくれ、じゃあ頑張って」

デーモン小暮閣下「ま、待つのである!せめて相撲中継の録画だけはしておいて欲しいのである!」

ダミアン浜田殿下「はいよ~」ヒラヒラ



3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 20:21:59.42 ID:moZgbUsT0

~人間界~

ウェイバー「汝、三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ――!」

デーモン小暮閣下「……」

ウェイバー「できた!…これが、英霊」

デーモン小暮閣下「おい、小僧」

ウェイバー「は、はい!」

デーモン小暮閣下「貴様が、吾輩のマスターであるか?」

ウェイバー「あ、ああ、そうさ、僕はウェイバー・ベルベット、お前のマスターだ!」

デーモン小暮閣下「……」

ウェイバー「な、なんだよ…」

デーモン小暮閣下「ふん、肝っ玉の小さそうな小僧なのである」



4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 20:23:14.40 ID:moZgbUsT0

ウェイバー「なんだと!?おい、お前!言っとくけど僕がマスターなんだからな、僕のほうが偉いんだからな!」

デーモン小暮閣下「吾輩より偉い、だと?フハハハ!地球を征服した吾輩より偉いとは笑わせる人間である!」

ウェイバー「地球を征服って、さすが、一応は征服王イスカンダルってとこか…」

デーモン小暮閣下「イスカンダル?誰であるか、そいつは?」

ウェイバー「え、お前だろ?」

デーモン小暮閣下「いや、違うのである。全くの人違いである」

ウェイバー「ええええええええええええ!!!!????」

ウェイバー「だって、あれは征服王のマントの一部じゃ…、まさか召喚に失敗したのか?」

デーモン小暮閣下「あー、そういうことであるか」

デーモン小暮閣下「大丈夫である、召喚は成功してたのである」

ウェイバー「でも、現に出てきたのはお前じゃないか!」

デーモン小暮閣下「いやまあ、それは諸般の事情があるのである。なんかゴメンである」

ウェイバー「うぅ、馬鹿にしやがって…」



6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 20:28:49.41 ID:moZgbUsT0

ウェイバー「うぅ、馬鹿にしやがって…」

ウェイバー「でも、お前も聖杯に呼ばれたってことは仮にも英霊なんだよな?」

閣下「英霊?フハハハ!吾輩をその辺の人間如きと一緒にしないで欲しいのである!」

ウェイバー「英霊じゃないって…、じゃあお前の真名はなんなんだよ一体!」

閣下「フハハハ、一度しか言わないからよーく聞くのある」

閣下「吾輩こそは、地球を征服した聖飢魔?Uの主宰にして元地獄副大魔王!」

閣下「悪魔教教祖、デーモン小暮である!!フハハハハハハ!!」

ウェイバー「……誰?」



初SSなんで気になるとことかあったら言ってくれ



7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 20:30:05.03 ID:moZgbUsT0

――――――――



閣下「」ズーン

ウェイバー「あ、謝ったじゃないか!機嫌直せって!」

閣下「ふーんである、別に、拗ねてなんかいないのである」ツーンデアル

閣下(ここが吾輩が征服した地球とは別の地球であることを忘れていたのである)

ウェイバー「でも、結局なんで征服王じゃなくてお前が出てきたんだよ」

閣下「それには深ーいわけがあるのである、詳しくはかくかくしかじかである」

ウェイバー「地獄から聖杯を壊しに来た!?」

閣下「である」

ウェイバー「じゃあお前、本物の悪魔なのか!?」

閣下「である」



8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 20:31:18.93 ID:moZgbUsT0

ウェイバー「聖杯の門を無理矢理にこじ開けて来たって、それも無茶苦茶だし…」

閣下「和尚の発明はたまにスゴイのである」

閣下「ところで小僧、吾輩は上述の理由により聖杯戦争についての知識が壊滅的にないのである」

ウェイバー「はあ!?」

デーモン小暮閣下「し、仕方ないであろう」

ウェイバー「完全に外れを引いた…」

閣下「いいから説明するのである」

ウェイバー「…そもそも聖杯戦争ってのは――」



10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 20:33:58.91 ID:moZgbUsT0

――――――――


閣下「なるほど、七人の魔術師と七人の英霊による殺し合い、であるか」

ウェイバー「ああ、そうさ、お前みたいなイレギュラーを除けばな」

閣下「ともすれば、吾輩たちは図らずとも既に有利を得ているな」

ウェイバー「どういうことだよ」

閣下「…わからないのであるか?」

ウェイバー「うるさいなあとっとと話せよ!」

閣下「では、オツムのなってない小僧に教えてやろう」

閣下「吾輩の真名はこの地球の誰も知らん」

ウェイバー「そ、そうか、それじゃあ…」

閣下「その通りである、吾輩が戦闘中いくら宝具とか言うのを使おうと、それによって真名がバレることはないのである」

閣下「逸話も教典もこの世界に存在せぬからな」

ウェイバー「宝具の最大の弱点である真名の露呈の心配がない、それだけでかなりの強みだな」



11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 20:35:13.08 ID:moZgbUsT0

閣下「二つ目は、それに関連するが、吾輩は他の英霊と違い存命中であり、元気満々である」

閣下「これがどういうことかというt」

ウェイバー「英霊が必ず持つ最期、つまり死亡の原因が存在しない」

閣下「吾輩より先に言いおって…、まあそういうことである」

閣下「むしろ真名がバレて困ることが一つもない」

閣下「そもそも、吾輩が人間に遅れを取ることがまずありえないのだがな」

ウェイバー「す、すごいじゃないか!これでお前がまともに戦えれば僕らの勝ちは見えたぞ!」

閣下「うーん、である」

ウェイバー「どうしたんだよ」

閣下「そうは問屋がおろさないみたいでな」



12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 20:36:06.25 ID:moZgbUsT0

閣下「ほら吾輩さあ、無理矢理に聖杯をこじ開けて来たって言ったであろう?」

ウェイバー「ああ」

閣下「そもそも吾輩、悪魔だから聖杯とか概念として天敵だし、向こうもこっちを嫌ってるみたいでなあ」

閣下「更にはこの地球にまで嫌がられる始末なのである」

ウェイバー「つ、つまり…?」

閣下「吾輩、本来の力の半分も出せんのだ」

ウェイバー「こ、この…」

ウェイバー「このおバカあああああああああああああああああ!!!!!!!!!」



14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 20:38:23.95 ID:moZgbUsT0

――――――――



ウェイバー「うう、最悪だ、完全に外れを引かされた…」

閣下「元気を出すのだ小僧、ほら、吾輩の教典あげるのである」

ウェイバー「いるかよ馬鹿!」

閣下「まあ、力を削がれてるとはいえ、戦うにはまだ十分程度の力は残っている」

ウェイバー「本当かよ…」

閣下「ゼウスの妨害に比べれば、この程度なんのことはない」

ウェイバー「ゼウスって、お前、本当に何者なんだよ」

閣下「悪魔である」

閣下「ところで小僧、お前が聖杯にかける願いは何だ?」

閣下「参加している以上は、一つくらいあるのであろう?」



15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 20:39:19.30 ID:moZgbUsT0

ウェイバー「僕の…僕の願いは、ボクのことを見下してる時計塔の奴らを見返してやることだ」

ウェイバー「というか、お前、いつまでボクのことを小僧呼ばわりするつもりだ!」

閣下「小さいのである」

ウェイバー「ああ?」

閣下「小さいと言ったのである!」

閣下「そんなことの為に戦うなんて、やっぱり貴様は小僧で十分だ」

ウェイバー「こ、この悪魔め…」

閣下「まあ、そんなことはともかく、小僧、気づいているであろう?」

ウェイバー「あ、当たり前だろ」

閣下「では、早速いくとしようか」

閣下「吾輩はとっとと帰って殿下が録画した相撲中継を見たいのである」ニヤリ



17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 20:40:34.32 ID:moZgbUsT0

~港~

セイバー「なるほど、フィオナ騎士団の『輝く顔』のディルムッド、まさか手合わせの栄に預かるとは」

ランサー「誉れ高いのは俺の方だ、かの名高き騎士王に一矢報いるとはな」

アイリ「セイバー…」

セイバー「ご安心ください、貴女の身は、必ずや私が守ります」

セイバー「……」

ランサー「……」


~物陰~

切嗣「タイミングでランサーのマスターを撃つ、お前はアサシンを撃て、制圧射撃だ」

舞弥「了解…き、切嗣!」

切嗣「どうした」

舞弥「セイバー達の西方向から飛来物が!」

切嗣「飛来物だと?」

舞弥「あれは、おそらく」

切嗣「悪魔…だと…?」



18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 20:42:03.13 ID:moZgbUsT0

~港~

閣下「待つのである!」ピューン

セイバー・ランサー・アイリ「!?」

閣下「吾輩は元地獄副大魔王デーモン小暮である、フハハハ!」

ウェイバー「ママー、ボクお空飛んだよー」

閣下「ふむ、小僧には悪魔の飛行は刺激が強かったようだな」

ウェイバー「ママー、ママー?」

アイリ「セイバー、彼もサーヴァントよ!しかも、本物の悪魔だわ!」

セイバー「…なんのようだ、悪魔よ」

閣下「いや、せっかく地球に来たから布教をしようと思ってな」

閣下「貴様たち、悪魔教に入らんか?」

ウェイバー「ウン、ソウダヨママー」



21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 20:45:38.36 ID:moZgbUsT0

ランサー「俺は、我が主以外に槍を振るうつもりはない、断じてな」

セイバー「そもそも、私は騎士だ、悪魔の言に耳を貸すなどあり得ないな」

閣下「…今なら大教典を一枚あげるが」

ランサー・セイバー「「くどい!」」

閣下「布教失敗であるか、まあ、聖飢魔?Uも最初はこうだったし気にしないのである」

ウェイバー「ママ、ママドコ?ママー」

セイバー「重ねて言うなら、私はブリテン国を預かる身だ、王が神でなく悪魔を信仰するわけにはいかぬ」

閣下「ブリテンって、貴様、もしかしてアーサー王であるか、まさか伝説の騎士王がこんな小娘だったとはな、フハハハ!」

セイバー「…っ!」

セイバー「ならば、その小娘の一太刀、浴びてみるか大魔王!」

閣下「ふん、吾輩は元副大魔王である、サタンではない。小僧、いい加減に起きるがよい」ペチン

ウェイバー「へぶっ!はっ、僕は何を…」

閣下「ようやく起きたか」



22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 20:47:38.72 ID:moZgbUsT0

閣下「吾輩は行くって言ったもーんである」

ウェイバー「このっ、大体お前h」

ケイネス「そうか、よりによって貴様か」

ウェイバー「……!」

ケイネス「なんのつもりで聖遺物を盗み出したのかと思えば、まさか自ら聖杯戦争に参加するつもりだったとはね」

ケイネス「ウェイバー・ベルベット君?」

ウェイバー「……っ!…ぁ……」

ケイネス「しかし、一体なんだね?そのサーヴァントは」

ケイネス「あれは征服王の遺物のはず、それがまさか醜い悪魔を召喚するとは、まさかここまで愚かだったとは」

ウェイバー「ケイネス・エルメロイ……!」



23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 20:49:34.24 ID:moZgbUsT0

閣下「ちょっと待つのである、どこにいるかは知らないけどちょっと待つのである」

ケイネス「…なんだね?サーヴァント風情がマスター同士の会話に水を指す気か、この薄汚い悪魔め!」

閣下「あ、今のはダメである、長官以外には滅多に怒らない吾輩が完全に怒ったのである」

閣下「聞くに貴様、小僧に本来呼ぶはずだった英霊を盗まれたようだな」

閣下「それに自らのサーヴァントが戦い、相手のマスターまでが姿を見せているにも関わらず隠れている」

閣下「そんな小者が、吾輩を醜く薄汚いと罵るとはいい度胸だ…」



閣下「お前を蝋人形にしてやろうか?」



24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 20:51:39.28 ID:moZgbUsT0

ケイネス「!!!」ビクゥッッッ!!!

閣下「他にもいるであろう、二人の戦いを見てた奴が」

閣下「臆病な小者が最期にどうなるか、コソコソしながらよく見ておくといいの」

閣下「次に蝋人形になるのはお前らだからな」

アーチャー「…ふん」

アイリ「あれは、アサシンを倒したサーヴァント!」

アーチャー「我をおいて王を名乗る不埒者が、一重に二匹も湧くとはな」

セイバー「……」

デーモン小暮閣下「…吾輩はあくまで『元』、だし『副』、なのであるが」

アーチャー「黙れよ悪魔、何であろうと王を名乗った時点で死罪に値する」

アーチャー「それに、言うに事欠いてこの我を小者呼ばわりとは万死すらも生ぬるい!」



25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 20:52:57.32 ID:moZgbUsT0

セイバー「そこまで言うのなら、自身も名乗りを上げたらどうだ、よもや、王たる者が憚りもするまい」

閣下「そうだそうだである」

アーチャー「問いをかけるか、雑種風情が王たる我に対して」

アーチャー「我が拝謁の栄に能くして尚、この面貌を見知らぬと申すなら」

アーチャー「そんな蒙昧は生かしておく価値すらない!」バビローン

アイリ「剣が…」

ウェイバー「アサシンを倒した宝具だ…!」

閣下「ふん、数だけは随分と揃えたものだ」

アーチャー「……」ニヤリ


――殺せ――



27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 20:54:32.64 ID:moZgbUsT0

アーチャー「っ!」

バーサーカー「――――――!!!!」

セイバー「バーサーカーだと!?」

バーサーカー「――――――!!!!」

ランサー「なあ、悪魔よ、アイツには布教しないのか?」

閣下「やってやれないこともなさそうだが、疲れそうなのでパスである」

バーサーカー「……」ジーッ

アーチャー「誰の許しを得て我を見ている、狂犬めが」

アーチャー「せめて散り様で我を興じさせよ、雑種」

バーサーカー「――――――!!!!」

閣下「あの黒いの、人間にしては大したものである」

アーチャー「穢らわしいその手で我が宝物に触れるとは、そこまで死に急ぐか!犬!」

バーサーカー「……」

ウェイバー「そんなバカな!まだ宝具が出てくるってのか!」



28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 20:55:32.46 ID:moZgbUsT0

閣下「無駄だ、あの黒いのには何本出したってきかん」

バーサーカー「――――――!!!!」

アーチャー「もはや肉片一つ残らぬと知れ!……っ!」

アイリ「……?」

アーチャー「貴様如きの諫言で、王たる我に退けと…?大きく出たな、時臣」

アーチャー「ふん、命拾いしたな狂犬」

アーチャー「雑種共、次までに有象無象を間引いておけ、我と見えるのは真の英雄のみで良い」シュウゥゥゥ

ウェイバー「消えた…」

閣下「ふん、傲慢な黄金聖闘士である」

セイバー「……?」

バーサーカー「…………」ジーッ

セイバー「……っ!」

バーサーカー「――――――!!!!」ダッ!

セイバー「アイリスフィール、下がって!」



30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 20:56:33.77 ID:moZgbUsT0

バーサーカー「――――――!!!!」ブォンブォン!

セイバー「くっ!」

バーサーカー「――――――!!!!――っ!?」

ランサー「そこまでだ、バーサーカー、セイバーは俺と先約があるのでな」

バーサーカー「…………」

ケイネス「ランサーよ、令呪を以て命ずる、バーサーカーと共にセイバーを抹殺せよ」

ランサー「っ!?何故だ主よ!」

ケイネス「この機を逃す手はあるまい、そもそも貴様が速やかにセイバーを倒していればこんなことにはならなかったのだ、このグズが」

ランサー「…スマン、セイバー」

セイバー「……」

閣下「ちょっと待つのである」



31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 20:59:28.65 ID:moZgbUsT0

閣下「黒いのも、ランサーのマスターも、ふざけるのも大概にするがいい」

ウェイバー「お、おい、デーモン…」

閣下「特に黒いの、さっきから吾輩を差し置いて目立ち過ぎである」

バーサーカー「…………」

デーモン小暮閣下「ミサで吾輩より目立った長官がその後どうなったか、身をもって教えてやろう、フハハハ!」

バーサーカー「――――――!!!!」ダッ

デーモン小暮閣下「まあ、肩慣らしにはちょうどいいのである」






                『FIRE AFTER FIRE』




32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 21:00:41.04 ID:moZgbUsT0

アイリ「地獄の炎の召喚ですって!?」

セイバー「それに、この歌は…」

閣下「フハハハ、どうやらこれが吾輩の宝具らしい」

閣下「この歌は地球を征服する際に聖飢魔?Uが発布した教典の中の一つ…」

閣下「教典の具現化、それこそがサーヴァント化した吾輩の宝具である!フハハハ!」

ウェイバー「圧倒的じゃないか…」

ランサー「いや、駄目だっ!」

バーサーカー「…………っ!」

アイリ「あの業火を受けても立ち上がるというの!?」

バーサーカー「――――――!!!!」

ウェイバー「おい、どうすんだよ、ダメダメじゃんか!」



33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 21:01:22.94 ID:moZgbUsT0

閣下「そう騒ぐのでない、小僧」

ウェイバー「え?」

閣下「『FIRE AFTER FIRE』それは、悪魔が全てを滅ぼし征服した後、地獄の底まで勝利を告げる狼煙なのだ」

バーサーカー「――――――!!!!」

閣下「さっきのは征服の炎である、よって、今度の炎は桁が違うのである」

閣下「なにせ地上から地獄の底に届かねばならんのだから」ニヤリ



34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 21:01:42.30 ID:moZgbUsT0

                   FIRE AFTER FIRE
              『地平の彼方まで支配を告げる証』



36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 21:02:59.02 ID:moZgbUsT0

セイバー「炎の柱が、回っている…」

閣下「フハハハ!フハハハハハハ!」

バーサーカー「」ドサッ

シュウゥゥゥ……

ウェイバー「こ、今度こそ倒したのか?」

閣下「とどめを刺すところまではいかなかったか」

閣下「ふん、全開の吾輩ならばあの程度、塵も残さなかったのだが…」

アイリ「これでまだ全力ではないというの!?」

閣下「とまあ、目立ちたがりの黒いのにはご退場いただいたわけであるが…」

閣下「ランサーのマスターよ、これ以上コソコソみみっちいことをするのではない」



37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 21:04:54.05 ID:moZgbUsT0

閣下「小娘とランサー、この二人の戦いは悪魔の吾輩でも邪魔立てできるものではない」

閣下「それを貴様如きが汚すというのなら、吾輩は本気で貴様を蝋人形にしてしまう所存である」

閣下「もちろん、小娘と共にランサーを倒した後でな」

ケイネス「……ランサーよ、撤退だ」

ランサー「悪魔の王よ、感謝する」

閣下「なに、悪魔がこの場を征服しようとしただけのことだ、フハハハ!」

ランサー「セイバーよ、この続きは必ず」

セイバー「ああ」

ランサー「では、さらばだ」シュウゥゥゥ



38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 21:05:47.29 ID:moZgbUsT0

セイバー「それで、結局お前は何をしに出てきたのだ、悪魔よ」

閣下「悪魔が地上を荒らすのに理由など必要ないのである」

閣下「それに、貴様が考えるのは吾輩ではなくあのランサーとの決着であろう」

閣下「手負いの小娘を手に掛けては吾輩は地獄で笑い者だ」

閣下「せいぜい吾輩が用意してやった再戦の舞台、無様な戦いで汚すのではないぞ」

閣下「誇りを穢すのは我々悪魔の仕事であるのだからな」ニヤリ

セイバー「ふっ、おかしな悪魔もいたものだ」

セイバー「心配せずとも、ランサーとの決着は貴様を失望させることはない」

閣下「フハハハ!楽しみにしているぞ騎士王よ!」



39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 21:05:56.54 ID:BkT7mp040

いい歳したおっさんが何してんだよ



40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 21:07:15.12 ID:moZgbUsT0

閣下「それと、ご婦人よ」

アイリ「……」

閣下「先に謝っておこう」

閣下「すまぬ」

閣下「恨むのならば恨め、吾輩は悪魔なのだからな」

アイリ「貴方は…」

閣下「今は何も言うべきではない、この時は、貴様はただの美しい人形なのだから」

ウェイバー「お前、何を言って…」



43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 21:07:44.75 ID:moZgbUsT0

閣下「無粋に口を挟むのではない、小僧よ」

閣下「それに、口は閉じていることをオススメするぞ?」ニヤリ

ウェイバー「それってどういうことだよ?」

閣下「ではさらばである、セイバーと美しい人形よ!」ガシッ

ウェイバー「おい!僕を掴むこの手はなんだ!やけに見覚えがあるぞ!」

閣下「フハハハハハハ!」ピューン

ウェイバー「このおバカあああああああああああああああああ…………ママ、ボク、飛べたよ……」



47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 21:10:26.64 ID:moZgbUsT0

~マッケンジー邸~

ウェイバー「……っ!ぼ、僕は一体!?」ガバッ

ウェイバー「そうだ、あの馬鹿悪魔にまた無理矢理に飛ばされて…」

ウェイバー「おい、どこだデーモン!今度という今度は許さないぞ!」

ウェイバー「…いない、だと?」

ウェイバー「嫌な予感がする、正確にはマッケンジー邸リビングから聞こえる騒がしい声から猛烈な負のオーラを感じる…」




~リビング~

老マッケンジー「そこだ!ええい何をやっている!」

閣下「フハハハ!あそこを堪えてこその横綱である!」

老マッケンジー「いいや、まだわからんよ、それ!あっ!まずいぞ!あぁ~!」



48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 21:11:45.56 ID:moZgbUsT0

ウェイバー「…………」

マッケンジー夫人「あら、ウェイバー、ようやく起きたの?」

ウェイバー「なに、あれ」

マッケンジー夫人「あの人ったら、小暮さんが好角家とわかった途端に子供みたいにはしゃいじゃってねえ」

老マッケンジー「いやあ、きっと勝ったと思ったんだがなあ」

閣下「どちらが勝ってもおかしくない素晴らしい取り組みであった!」

閣下「おお、小僧、起きたのであるか」

老マッケンジー「いやあ、ウェイバー、小暮さんは凄い人だよ、解説もプロのようだ」

閣下「よう、ではなく吾輩は本物のプロだからな」



49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 21:12:57.48 ID:moZgbUsT0

ウェイバー「…………」

閣下「ん?どうした小僧」

ウェイバー「お前…」

閣下「うむ」

ウェイバー「なんで和気あいあいとマッケンジー夫婦と相撲観戦してんだよ!」

閣下「相撲を愛することに種族も何も関係ないのである」

ウェイバー「~~!ちょっとお前、こっちに来い!」

閣下「む、では御老体、また後で感想戦をするのである」

老マッケンジー「ああ、ぜひお願いしますよ」

ウェイバー「早く来い!」



50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 21:15:23.56 ID:moZgbUsT0

~ウェイバーの部屋~

ウェイバー「それで?どうして霊体化もせずにウロウロして挙句に見つかってんだよ、この馬鹿悪魔」

閣下「いやな、貴様がいつまでも寝てたから吾輩は暇を持て余してたのだ」

閣下「そこに階下から聞こえる取り組みの音、吾輩たるものが身近に取り組みがあって見逃すわけにもいかん」

閣下「なにせ、吾輩は地獄一の好角家である」

ウェイバー「…………」

閣下「そして、降りてみたら夫婦がいたので、ご一緒させてもらったのである」

ウェイバー「…もうやだ、この悪魔」

閣下「心配せずとも、吾輩の洗脳音波で夫婦は吾輩を小僧の友人だと思っている」

ウェイバー「はあ、頼むから、その怪しげな格好で外に繰り出すのだけはやめてくれよ…」

閣下「吾輩も人間界には慣れっこだ、そんなドジはしない」



51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 21:16:51.73 ID:moZgbUsT0

閣下「そういえば小僧、貴様が寝ている間に聖杯戦争の監督とかいうのから招集がかかってたのである」

ウェイバー「聖堂協会からの招集!?バカ、なんで無理にでも起こさなかった!」

閣下「起こしたが、貴様、いくら呼んでも死んだように寝てたからな」

ウェイバー「うぅ、絶対なんか情報が得られたはずなのに、また僕だけハンデを…」

閣下「按ずるな、吾輩が使い魔を寄越しておいた」

ウェイバー「ほ、本当か!?それで、何だったんだ!?」

閣下「なんでも、全ての参加者は戦闘を一時中断してキャスターを討つように、とのことだ」

ウェイバー「キャスターを?なんで…」

閣下「どうやら、おふざけがすぎたようであるな、無関係の人間を無差別に殺しまくったらしい」

ウェイバー「なるほど、それなら監督権限発動もありえるな…」



53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 21:20:45.91 ID:moZgbUsT0

閣下「キャスターを討伐したマスターには報酬として追加の令呪をくれるらしいぞ」

ウェイバー「ソイツはすごいな、だけど、他のマスターが手にしたら厄介なことになる…」

閣下「令呪というのはそんな価値あるものなのであるか?」

ウェイバー「当たり前だろ?三回限りの絶対命令権ってだけじゃなく聖杯から力を借りて一時的にサーヴァントを補強することだってできるんだ」

ウェイバー「あの単独行動スキル保有のアーチャーが帰ったのだって、令呪があってのことだ」

閣下「なるほど、それは、どのマスターも競ってかかるであろうな」

閣下「無論、吾輩たちもとりにかかるのだろう?」

ウェイバー「ま、お前にどこまで令呪が効くのかはわからないけどな」

閣下「では、早速いくのである」



54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 21:23:09.27 ID:moZgbUsT0

ウェイバー「居場所もわからないのにどうするってんだよ、この馬鹿」

閣下「この街を焼き払えばネズミの一匹や二匹出てくるだろう?」

ウェイバー「この大馬鹿!そんなことしたら聖杯ごと吹っ飛んじゃうだろ!」

ウェイバー「それに僕はまだ世界中から追われる身にはなりたくないね」

閣下「冗談の通じない小僧だ、だが、ではどうする?」

ウェイバー「あいにく、ここじゃ大規模な探査魔術も行使できないからな、ちびちびいくさ」

閣下「であるか、では吾輩はキャスターが見つかるまで御老体と感想戦と洒落こむのである」

ウェイバー「お前にもやることはある、ちょっと待ってろ」



56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 21:28:45.40 ID:moZgbUsT0

~数時間後~

閣下「まさか、小僧の小間使いにされるとは思わなかったぞ…」

ウェイバー「仮にもサーヴァントなら、少しは役に立って貰わないとな」ガチャガチャ

閣下「地上を支配した悪魔教の教祖である吾輩が水汲みなど…」

ウェイバー「やっていることは茶をしばきながら相撲みてるだけじゃないか」ガチャガチャ

閣下「悪魔にも休暇は必要である、それより小僧、それは錬金術か?」

ウェイバー「なんだ、わかるのか?」

閣下「吾輩ほど高位の悪魔ともなればな」

ウェイバー「まあ、これは錬金術とはいえ初歩の初歩だけどな」

閣下「初歩というのは、一番重要という意味だろう」

ウェイバー「全く、口だけは達者な奴…っと、デーモン」

閣下「む?」



57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 21:33:00.59 ID:moZgbUsT0

ウェイバー「川のこの辺、なんかなかったか?用水路とか、そういうの」

閣下「あー、そういえばデカいのがあったなあ」

ウェイバー「それだ、その先にキャスターの工房がある!」

閣下「……」

ウェイバー「ん?どうしたデーモン」

閣下「小僧が輝いているのである」

閣下「小僧、実は結構スゴイ魔術師なのか?」

ウェイバー「優秀な魔術師なら、こんなことはしない」

ウェイバー「魔術の素人でも出来る下策だよ、馬鹿にしてんのか?」

閣下「最良の結果を出すのに下策も上策もない」

閣下「むしろ誰でも出来る手段で誰にも出来ない功績を果たす」

閣下「それは、悪魔にすら簡単ではない、偉業だ」



58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 21:34:50.33 ID:moZgbUsT0

ウェイバー「…ホントに、口だけは達者な奴」

閣下「フハハハ!吾輩は悪魔だからな!」

閣下「さて、では行こうではないか」

ウェイバー「馬鹿、キャスターを相手になんの準備もなしに突っ込む人間がどこにいる」

閣下「なるほど、一理あるな」

ウェイバー「まずはしっかりと地盤を固めてそれから」ガシッ

閣下「しかし、吾輩は悪魔なのでそんな小細工は無用だ」

ウェイバー「おい、まさか、お前…」ダラダラ

閣下「小僧がせっかく輝いたのをみすみす無駄にする訳にはいかないだろう」ニヤリ

ウェイバー「気にしなくていいから!もしかしたら留守かもしれないから!」

閣下「フハハハ!無限の彼方へさあ行こう、である!」ピューン

ウェイバー「このおバカあああああああああああああああああ!!!!!!!……ママ、ボク、大きくなったら飛行機になるよ……」



63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 21:50:54.83 ID:moZgbUsT0

~水路~

閣下「フハハハ!フハハハハハハ!」

ウェイバー「ママー、ボクダヨ、ママー」

海魔「ウコケケクェ!」

閣下「フハハハ!下級悪魔風情がいい度胸だ!」ロウニンギョー

ウェイバー「ママー、コイツ、ボクノトモダチ、ウン、ビームダスンダー」

海魔「」ロウニンギョー

閣下「これでは蝋人形工場はまた大忙しのてんやわんやであるな!フハハハ!」

閣下「だが、これではきりがないな」

閣下「貴様らよ、吾輩は元地獄副大魔王のデーモン小暮である」

閣下「ここで退くのなら追うことはしない…」

閣下「だが、まだ歯向かうならば、貴様ら、一匹残らず蝋人形にしてやろう!」

ウェイバー「ホネツキカルビニシテクレヨー」

海魔「」ムリデス



65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 21:55:51.11 ID:moZgbUsT0

閣下「ふん、根性のない、悪魔の恥さらしだ」フンス

ウェイバー「オマエモロウニンギョーニオーシャンゼリーゼ」

閣下「小僧も起きるのである」ペチン

ウェイバー「ひゃばっ!…はっ!僕は一体!」

閣下「着いたのである」

閣下「キャスターはいないようであるがな」

ウェイバー「貯水槽か何かか…?とりあえず、何か手がかりくらいは」

閣下「あー、それはオススメしないぞ?」

ウェイバー「何言ってんだよ、キャスターがいないならせめて居場所のヒントくらい見つけないと」

閣下「うーん、だがなあ、これは貴様の手に負えるものではないぞ」

ウェイバー「うるさい!バカにしやがって!」パンッ

ウェイバー「悪魔だかなんだか知らないけど偉そうにしやがって…」タッタッタッ

ウェイバー「……っ!」



66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 21:56:29.78 ID:moZgbUsT0

閣下「だから、やめとけといったであろうに」

ウェイバー「っ……うぷっ…ぁっ…うぉぇ……!」

閣下「そこらに転がってる全てが死体である、人の手には余る」

ウェイバー「うるさい!畜生!バカにしやがって!畜生、畜生…!」

閣下「意地を張るところではない、この馬鹿」

閣下「こんなもの人間の見るものではない」

閣下「貴様は正しいのだ、小僧よ」

ウェイバー「畜生、平然として、この悪魔め…!」

閣下「その通り、悪魔である」



68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 21:57:07.58 ID:moZgbUsT0

閣下「だが、吾輩とてこんなところにいつまでもいたくはない」

閣下「キャスターもいないようだ、今日のところは帰るぞ」

ウェイバー「ここは、このまま放っておくのか…?」

閣下「ふん、こんな胸糞悪いとこ、全部ぶち壊してやるのである」

閣下「子供たちよ、吾輩は悪魔なのだ、このような弔い方しかしてやれん」





1999 SECRET OBJECT
        『愚かな星と散れ 輝ける時代の救世主』



69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 21:58:08.31 ID:moZgbUsT0

ウェイバー「……」

閣下「これで、ここの機能は完全に破壊されただろう」

閣下「キャスター達も、次の行動に出ざるを得まい、そこを叩けばいい」

閣下「クヨクヨするな、小僧よ」

ウェイバー「なあ、デーモン」

閣下「む?」

ウェイバー「僕は、お前なんか嫌いだ」

ウェイバー「傲慢で、自分勝手で、わがままで」

閣下「……」



70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 21:58:47.17 ID:moZgbUsT0

ウェイバー「それに、音楽なんていう低俗な娯楽も嫌いだ」

ウェイバー「でも…」

ウェイバー「お前の歌は、嫌いじゃないよ」

閣下「フハハハ!音楽家冥利に尽きるというものである!」

閣下「そうだなあ、小僧よ」

閣下「たまには、歌でも歌いながらのんびりと歩いて帰るのである」

ウェイバー「……ふん」




            『白い奇蹟』



72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:01:39.34 ID:moZgbUsT0

とりあえずここまで出した曲の一覧貼っときます

Fire After Fire



蝋人形の館



1999 secret object



白い奇蹟





73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:04:29.17 ID:moZgbUsT0

~アインツベルン城~

閣下「というわけで、『デーモン小暮の隣の晩ご飯』である~」

アイリ「」

セイバー「」

ウェイバー「どういうわけだ、馬鹿悪魔!それにそのバカでかいシャモジはなんだ!」

閣下「これはこういう仕様なのだ」フンス

閣下「というわけで、セイバー、それにアインツベルンの人形よ」ニヤリ

アイリ「……」

セイバー「……っ」

閣下「今日のオカズはなんであるか?」

ウェイバー「お前、まさか本当に夕飯をたかりに来たのか…?」

閣下「冗談だ、吾輩は立場のある悪魔なので下々に食べ物をもらったりはしない」



74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:07:39.91 ID:moZgbUsT0

セイバー「いい加減にしろ、悪魔よ」

セイバー「突然の襲撃、どういうつもりだ」

閣下「いや、貴様らの城がこの辺にあるという話を聞いたから遊びに来たのだ、フハハハ!」

セイバー「…ふざけるのも大概にしろ」チャキ

セイバー「そうまでして我が剣の露となりたいのであれば…」

閣下「そう興奮するな、今日は戦いに来たのではない」

アイリ「戦う気はないって、それじゃあ…」

閣下「せっかく地獄からはるばる来たんだ、悪魔教教祖たる吾輩がすることは決まっている、セイバー、人形よ」

閣下「今より、恐怖の大黒ミサを行うのである!!」



75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:09:18.12 ID:moZgbUsT0

~アインツベルン城 庭園~

アイリ「英霊が顔をあわせていながらにして矛を交えない、こんなこと、過去の聖杯戦争でもありえないことよ」

セイバー「ええ、アイリスフィール、ですが相手は地獄の副大魔王、なにか裏があるとも限りません、油断は禁物です」

閣下「フハハハ、つねに常識を破ってこその悪魔である!」

閣下「なあ、セイバーよ、吾輩がこの地に降り立ったのには理由がある」

セイバー「……?」

閣下「此度の戦いの勝者に与えられる聖杯が神の聖遺物とは違うものであるのは吾輩も知っている」

閣下「しかし聖杯と名が付き、それに相応しい力を持ったものなら神や天使が欲さんとも限らない」

閣下「故に吾輩は、皇太子直々の命を受け聖杯を破壊しにきたのである」

セイバー「なっ…!」

閣下「だがセイバーよ、貴様も知っての通り、聖杯とはどうやら名の通りの杯ではないようである」

アイリ「……」



76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:10:14.51 ID:moZgbUsT0

閣下「これは吾輩にも予想外であった、神すら欲す力が、よもや意思を持ち言葉を発するとはな」

閣下「吾輩は悪魔である、人と変わらぬ人形を破壊するのになんの躊躇もない」

閣下「しかし、貴様は人間であろう、小娘」

閣下「主とする人間を、自らと同じ作りの友を神の玩具に貶めてまで求める願い」

閣下「吾輩はそれに興味が湧いたのである」

アーチャー「ふん、如何な大事で我を呼びつけたのかと思えば、よもやそのような児戯のためとはな」

セイバー「アーチャー!?」

閣下「他の英霊にも吾輩が声をかけたのである」

閣下「ミサの参拝者は多いほうがいい、もっとも、来たのは奴一人のようであるがな」

アーチャー「それで、王たる我にこのような粗末な場所まで足を運ばせた非礼はどう詫びる、悪魔よ?」



77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:12:14.67 ID:moZgbUsT0

閣下「フハハハ、お固い奴である!まあ座れ」

閣下「貴様も来たからには、話をする気があるのだろう?」

アーチャー「ふん」

閣下「では遅刻した貴様から、聖杯に託す願いを言うがいい」

アーチャー「誰の許しを得てこの場を仕切る、悪魔」

閣下「これは黒ミサだ、教祖たる吾輩が治めるのが理だろう」

アーチャー「だが、それを言うなら、聖杯を奪い合うという前提からして理を外しているのだ」

アーチャー「そもそもにして、あれは我の所有物だ」

アーチャー「全ての宝物はその起源を我が蔵に遡る」

セイバー「……」

アーチャー「聖杯が宝であるというのなら我が財であることは明白だ」



78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:13:37.38 ID:moZgbUsT0

アーチャー「それを、我の許しもなく持ちだそうなど、盗人猛々しいにも程がある」

セイバー「…お前の言は、キャスターの世迷い言と全く変わらない」

セイバー「錯乱したサーヴァントは、奴一人ではないらしい」

閣下「ふむ…」

閣下「吾輩はおそらく、貴様を見知っているぞ、金ピカよ」

アーチャー「ほう?」

アーチャー「我は貴様のような魔に覚えはないがな」

閣下「無論だ、吾輩はその頃ゼウスによって封印されていたのだ」

閣下「だが吾輩は貴様を知っている」

閣下「そして、貴様のただ一人の朋友もな、あ奴は…」

アーチャー「口を閉じよ、悪魔」

アーチャー「今、我は決定した、貴様は我が手ずから殺す」



79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:15:56.92 ID:moZgbUsT0

閣下「貴様にとり、あの人形はそこまでのものであったか…」

閣下「よい、受けて立つのが悪魔としての吾輩の役目だろう」

閣下「とはいえ、ここは黒ミサの場である、今は預けておくのだ英雄王よ」

閣下「…では、セイバーよ、貴様は何を願う」

セイバー「…私は、故国の救済を願う」

セイバー「万能の願望器を以て、ブリテンの滅びの運命を変える」

閣下「……」

アーチャー「……」

閣下「…貴様は今、運命を変える、といったのか」

閣下「歴史を変えると、そういったのであるか」

セイバー「そうだ、聖杯が真に万能の願望器であるのならば、不可能ではないはずだ」

閣下「確かに、それはそうなんだが、なあ…」

アーチャー「…っ……」



81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:17:19.52 ID:moZgbUsT0

セイバー「私の治世で、我が国ブリテンは滅んだ、それを私は悔やむのだ!」

セイバー「故国の滅亡は私の責だ、だからこそ、私が変えねばならぬのだ!」

閣下「……」

アーチャー「……ッ…クッ……クハハハハ!」

セイバー「アーチャー!貴様、何がおかしい!」

アーチャー「自ら王を名乗り!皆から王と讃えられて!そんな輩が悔やむだと!?」

アーチャー「ハッハッハ!これが笑わずにいられるか!」

閣下「…なあ、セイバーよ、貴様はそれが自らが刻んだ行いを否定するとわかっているのだろうな?」

セイバー「もちろんだ!剣を預かり身命を捧げた故国が滅んだのだ、それを悼むのがどうしておかしい!」

アーチャー「おいおい、聞いたか?この騎士王と名乗る小娘はよりにもよって…」

アーチャー「故国に身命を捧げたのだとさ!ハハハハハ!」

閣下「……」



82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:19:29.00 ID:moZgbUsT0

セイバー「笑われる筋合いがどこにある!王たる者なら、治める国の繁栄を願うはず!」

閣下「…そうして、貴様の国は滅んだのであろう?」

セイバー「…なんだと?」

閣下「吾輩は悪魔だ、貴様ら人間の治世は知らぬ」

閣下「きっと貴様はさぞ高潔な王であり、真に身命を捧げ国に尽くしたのであろう」

アーチャー「ククッ……カカカッ…!」

閣下「アーチャーも笑ってやるな、この小娘は、それしか知らんのだ」

閣下「セイバーよ、貴様が仮に聖杯をその手に掴み滅びる故国の運命を変え、臣民を救ったとしよう」

閣下「だが、貴様はその先、一体いつまで救い続けるつもりだ?」

セイバー「いつまで…」

閣下「選定の剣を抜いた貴様に老衰はない、ならばその身が、その国が、千の剣、万の矢に貫かれるまで守り続けることであろうな」

デーモン小暮閣下「そして、その身を焼かれた貴様はまた聖杯を求めるのであろう」

デーモン小暮閣下「『故国を守ることこそ王の使命』、とな」



83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:20:59.02 ID:moZgbUsT0

セイバー「…っ!聖杯が真に万能の願望器であるのならば、我が国に滅びは齎されないはずだろう!」

閣下「滅ばぬものなどこの世にはない!神すら、悪魔でさえ、まして人間の及ぶものなら尚更である!」

閣下「海の彼方からやって来る敵を滅ぼし、その後もあらゆる脅威を切り捨て、残るのは内に閉じ餌を入れる口も無く衰退を待つ鳥籠ただひとつだ!」

セイバー「ならば、我が宿願は万能の器ですら叶わぬとでも言うのか!」

閣下「滅びの運命を変える、その願いだけなら叶うだろう」

閣下「変えた先に待つのは、形を変えて現れる那由多の滅びだろうがな」

セイバー「そんな――」

セイバー「ならば、どうしろというのだ、滅びに向かう愛する国を、指を咥えて見ていろというのか!」

閣下「その通りだ」

セイバー「――この、悪魔め」

閣下「その通り、悪魔である」

セイバー「…そうだ、貴様は悪魔ではないか」

セイバー「神を信仰する私が、悪魔の言を信用する謂われは、一つもない…!」



84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:23:01.07 ID:moZgbUsT0

閣下「…全く、頑固な小娘である」

セイバー「黙れ悪魔っ!」

セイバー「私を惑わすな!それ以上、私の国を、私の夢を誑かすな!」

閣下「貴様も夢も神への信仰も吾輩にはどうでも良い」

閣下「だが聞け、娘よ」

閣下「滅びは全てに起きる、だが、尚立ち上がるからこそ、人間は素晴らしいのである」

閣下「ブリテンは滅んだ、しかし、人は、その魂は、決して滅びることはない」

閣下「滅びてのち、人間は立ち上がる、今度こそ滅びないようにと」

閣下「間違いを探し、見つけ、次に進む者が同じ道を歩まぬように伝えていく」

閣下「そうして人は少し前より先へ進む、また挫けても、後の者がその先を行く」

閣下「幾千年果てしなき夢と希望を、途切れることなく求め続ける」

閣下「セイバーよ、貴様は確かに滅びた」

閣下「だが貴様は後に続く者に、間違いなく道を示したのである」



85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:23:31.83 ID:moZgbUsT0

閣下「次に同じ道を行く全ての人間が貴様をライバルとし、貴様に追いつき、追い越さんとしたのである」

閣下「今度こそ、真の黄金の都に辿り着かん、と!」

閣下「騎士道の誉たる王よ、そろそろそこを退くが良い」

閣下「いつまでも貴様が突っ立っていては、後に続く者の邪魔になるだけである」

セイバー「――では、私は、私の願いは…っ!」

アーチャー「…クククカカっ!」

セイバー「何を笑う、アーチャー!」

アーチャー「何、貴様の苦悩する顔が見ものだったというだけだ」

アーチャー「まるで褥で花を散らされる処女のような顔、実に我好みだ」

セイバー「……貴様っ!」ジャキ! 


   「うわあああ!」



86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:25:16.29 ID:moZgbUsT0

セイバー「っ!?」

アサシンs「「「「「…………」」」」」

アーチャー「時臣め、下衆な真似を」

ウェイバー「無茶苦茶だ!アサシンは倒されたはずじゃあ!?」

アサシンC「我らは分断された個」

アサシンD「軍にして個のサーヴァント」

アサシンE「されど個にして軍」

アサシンs「「「「「――影」」」」」

アイリ「多重人格の英霊が、自我の数だけ実体化しているというの…?」

ウェイバー「なあ、デーモン、おい…」

デーモン小暮閣下「騒ぐのでない、小僧」

デーモン小暮閣下「これは黒ミサ、参拝者が多いことは喜ばしいことである、フハハハ!」



88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:26:43.44 ID:moZgbUsT0

アーチャー「あんな奴原までも迎えいれるというのか?」

デーモン小暮閣下「むしろ御魔の手直触の儀をやってもいいくらいだ」

デーモン小暮閣下「さあ貴様らよ、とりあえず1箇所に集まるのだ、ここは武道館じゃないんだぞ?」

デーモン小暮閣下「まだ信者ではないという者は、期間限定入会特典の教典を一枚持っていくがよい」ヒラヒラ

アサシンs「「「「「……」」」」」クスクス

――ヒュッ!

パリンッ!

デーモン小暮閣下「」

アーチャー「クク、手酷く振られたな、悪魔よ?」

デーモン小暮閣下「……と…る」

ウェイバー「お、おい、デーモン…」

デーモン小暮閣下「ちょっと待つのである、貴様ら…」



89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:27:19.95 ID:moZgbUsT0

セイバー「…?」

デーモン小暮閣下「セイバー、アーチャーよ、残念ながら御魔の手直触の儀はなしである」

デーモン小暮閣下「吾輩は上機嫌ではなくなってしまった」

アーチャー「クククッ…」

デーモン小暮閣下「アサシン共よ、貴様らが今壊したのは聖飢魔?Uの大教典である」

デーモン小暮閣下「吾輩と共に黄金郷を目指した仲間との、血より濃い絆である」

デーモン小暮閣下「それを踏みにじられた吾輩の怒り、貴様ら凡百の魂で鎮められると思うなよ?」

デーモン小暮閣下「普段の吾輩ならば、怒った時は蝋人形と相場が決まっているのであるが…」

デーモン小暮閣下「貴様らにはその価値すら有りはしない、よって貴様ら全員…」




デーモン小暮閣下「――蝋人形には、してやらない」



90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:28:43.02 ID:moZgbUsT0

閣下「人間如きでは味わえぬ破壊をくれてやろう!」

閣下「それはそうと、吾輩としたことが黒ミサに最も欠かせないものを忘れていた!」

閣下「それは信者!それは仲魔!」

閣下「そして、聖飢魔?Uである!!」ゴォォッ!!

アイリ「世界が…」

ウェイバー「歪んでいく…!」

アサシンA「これは…!」

アイリ「固有結界ですって!?」

閣下「これこそ、聖飢魔?Uが支配する大黒ミサの舞台!」

閣下「まあもっとも、現世の吾輩は力を抑えられているため、具現化には少々他の力を借りたがな」ニヤリ

閣下「お前達、準備は出来ているだろうな?」

セイバー「っ!アイリスフィール、あれは!?」

アイリ「そんな、バカな…」



91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:29:29.30 ID:moZgbUsT0

Sgt.ルーク篁?V世参謀「もちろんだよ!」

怪人松崎様「御無沙汰しております、閣下」

ライデン湯沢殿下「こっちは大丈夫だよ~」

ジェイル大橋代官「というか待ちくたびれたよwww」

ゼノン石川和尚「いえ~い」

エース清水長官「うおっ、何あのドクロ面!怖っ!」



93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:30:56.52 ID:moZgbUsT0

アイリ「上位の悪魔ばかり、それに雷神まで…!?」

閣下「あれは皆、聖飢魔?Uの構成員である!」

アサシンs「「「「「」」」」」

閣下「聖飢魔?Uと彼らの力を借りた吾輩の力は、聖杯の干渉をも退け、今や全開だ!」

ウェイバー「彼らって……っ!?」

信者s「「「「「「「「「「「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

閣下「共に地球を征服した彼らとの絆こそ、ゼウスにも破ることの出来ない宝!!」

閣下「これこそが吾輩が掲げる神をも殺す大宝具!!」





         THE END OF CENTURY
閣下「『聖なるものに飢えている悪魔が?Uび蘇る』である!!!!!」



94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:32:09.30 ID:moZgbUsT0

信者s「「「「「「「「「「「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

閣下「諸君、久しぶりであるな!」

ライデン「おおww懐かしい顔がいっぱいいるねwwww」

ゼノン「久しぶりの黒ミサだしね~」

ルーク「ICBMから結構たったもんな~」

アサシン「「「「「」」」」」

セイバー「」

アイリ「」

ウェイバー「」

閣下「諸君、相変わらず元気そうで何よりだ!フハハハ!」

信者s「「「「「「「「「「「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」



95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:33:24.41 ID:moZgbUsT0

閣下「ところで諸君!」

閣下「どうやらこの中には、この期に及んで我々のミサの雰囲気に乗りきれていない奴がいるようだ」ニヤリ

閣下「そういう奴を、どうしたらいい!?」

信者s「「「「「「「「「「「「「「「「「殺せ!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

閣下「どうしたらいい!!」

信者s「「「「「「「「「「「「「「「「「殺せ!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

閣下「どうしたらいい~?」

信者s「「「「「「「「「「「「「「「「「殺せ!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

閣下「フハハハ!フハハハハハ!」

閣下「……」スッ

アサシンA「……?」

デーモン小暮閣下「――お前を殺す」

信者s「「「「「「「「「「「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

アサシンA「」



96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:34:04.34 ID:moZgbUsT0

デーモン小暮閣下「お前も殺す」

アサシンB「」

デーモン小暮閣下「お前も」

アサシンC「」

デーモン小暮閣下「お前も」

アサシンD「」

デーモン小暮閣下「お前も」

アサシンE「」

デーモン小暮閣下「お前も、お前も、お前も、お前もお前もお前もお前もお前もお前もお前もお前も、お前もお前もお前もお前もお前もお前もお前もお前もお前もお前もお前もお前もお前もお前も!!!!!!!」

デーモン小暮閣下「お前も、お前も殺す!!!!!!!フハハハハハ!!!!!!!」

デーモン小暮閣下「――My name is」





             JACK THE RIPPER
         『叫べ!呪え!吠えろ!怒れ!殺せ!』



98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:35:20.82 ID:moZgbUsT0

ウェイバー「宙から無数のナイフが…」

アイリ「ただのナイフじゃない、あの一本一本が死の概念を持つ宝具だわ…」

デーモン小暮閣下「おおっと、吾輩としたことが、ナイフはいくらでも出せるが腕は二本しかないのを忘れていた!」

デーモン小暮閣下「では、腕の数も増やさなければ…」ニヤリ




              STAINLESS NIGHT
         『悲しみさえ手探りで拾い集める夜』





セイバー「ゴーレムの大軍勢…!」

アイリ「3つの宝具の同時展開、あの悪魔、一体どれほどの魔力を持っているというの!?」

デーモン小暮閣下「ゴーレムではない、アンドロイドである!!そしてこれは吾輩のみの力ではない!!」

デーモン小暮閣下「ここにいる全ての吾輩と志を同じくする者が吾輩に力を与えるのである!!」



99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:36:43.07 ID:moZgbUsT0

セイバー「ゴーレムの大軍勢…!」

アイリ「3つの宝具の同時展開、あの悪魔、一体どれほどの魔力を持っているというの!?」

閣下「ゴーレムではない、アンドロイドである!!そしてこれは吾輩のみの力ではない!」

閣下「ここにいる全ての吾輩と志を同じくする者が吾輩に力を与えるのだ!!」

閣下「さて、アサシン共よ、舞台は整った」

閣下「貴様らの相手をするのは地平を埋めるアンドロイド達である」

閣下「せめて、一曲分くらいは楽しませてくれよ?」ニヤリ

アサシンs「「「「「」」」」」

閣下「――殺せ」

アンドロイド「「「「「「「「「「「「「「「――――っ!」」」」」」」」」」」」」」」」」
  
閣下「殺せ!   殺せ!!!     お前も殺す!!!!   殺せ!!!

           殺せ!!             フハハハ!!!

                     殺せ殺せ!!!           殺せ!

             お前も殺す!!!           殺せ!!!

       殺せ!!     フハハ!      殺せ!!!!!     フハハハハハハ!!!!!」



100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:38:49.00 ID:moZgbUsT0

――――――――――





閣下「フハハハ!素晴らしいミサであった!」

ジェイル「お疲れ様~!」

松崎様「やはり聖飢魔?Uは良いですねえ」

エース「で、結局あのドクロは何だったの?あwwwもしかして閣下ってああいう子が好みなんすかwwwww?」

閣下「ふん!」ロウニンギョー

エース「」カチンコチン

ライデン「じゃあ、俺達はこれで」

閣下「うむ、助かった、ありがとう!」

ルーク「ほら、行くぞ…って重たっ!ゼノンそっち持って!」

ゼノン「は~い」

エース「」

ライデン「あ~、カツ丼食いてぇ」



101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:40:13.80 ID:moZgbUsT0

――――――――――





閣下「――全く、長官は相変わらずであるな」

閣下「ともあれ、今宵のミサもそろそろお開きの時間であろう」

セイバー「待て、悪魔よ!私はまだ…!」

閣下「これ以上何を言うつもりだ、小娘よ」

セイバー「何…?」

閣下「吾輩が貴様にいうことは、もう唯一つ…」

閣下「騎士王の名を負わされた愚かな娘よ、ここが最後の機会である」



102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:40:51.35 ID:moZgbUsT0

閣下「せめて人としての最期を得るか、神の力の玩具として惨めに果てるか」

閣下「せいぜい、よく考えろ、小娘」

セイバー「――そんなものは、選定の剣を抜いた時に決まっている…!」

セイバー「王として生きる以上、人としての在り方など望みはしない!」

閣下「……行くぞ、小僧」

ウェイバー「お、おう…」

閣下「――また逢おう」バッ

セイバー「私は……私は…!」





アーチャー「――クカカッ」



103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:41:49.33 ID:moZgbUsT0

――――――――――




――――その日、夢をみた



すべての始まりは、遥か十万年前にも遡る、世界を神が支配していた時代



雷光と共にあらわれたデーモン一族は、天上天下の万物を粉砕し、神すらも処刑した



全能の神ゼウスによってヨツンハイムに封印されるまで、地上はその果てまで地獄であった



――――これは、一匹の悪魔の物語



105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:42:20.69 ID:moZgbUsT0

――ただ、見たい景色があった

悲しみの暗黒より発生した身には決して届くはずのない黄金色の光
しかし、確かに胸の内にある光輝く原風景

地獄の底、地上の果て、天上の彼方まで征服し尽くし、尚も見つからぬ不滅の国
側にいた誰もが、幻であろうと、一夜の夢であったに違いないと口を揃えた

だが、彼は知っていた
列をなし茜さす太陽の木漏れ日  悩ましい面影を照らす艶やかな波の音
運命の狭間で煌くあの尊くも美しい金色の城は、確かに存在するのだと

深い暗闇の中に閉じ込められても、決して両目だけは閉ざさなかった
永遠の孤独も、永劫の破滅も、恐怖には値しない
ただ、胸の奥に刻まれた輝きを時の濁流に攫われ見失うことが恐ろしかった

十万年の歳月を経ても今尚、夢の大海に浮かび続ける未知なる島
すべての仲間と再会を誓いし約束の都

かの黄金郷の名は――







ウェイバー「…………夢、か」

ウェイバー「あれは、アイツの…」



109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:48:35.97 ID:moZgbUsT0

――――――――――



ウェイバー「なあ、デーモン」

閣下「なんだ?」

ウェイバー「お前ってさ、なんで地球を征服したんだ?」

閣下「それはもちろん、吾輩は悪魔であるからな、と言いたいところだが…」

閣下「封印から蘇った後、地球の征服を最初に始めたのは吾輩ではないのだ」

ウェイバー「そうなのか?」

閣下「無論、吾輩も悪魔の端くれ、地上を荒らそうとはしていたがな」

閣下「地球征服作戦を宣言したのはダミアン浜田殿下、要するに、地獄の皇太子だな」

ウェイバー「皇太子って…次期サタンってことか!?」

閣下「まあ、地球征服の功績により、まもなく大魔王に即位されるという話もあるが、それはともかく」

閣下「殿下が魔世復古の大号令を発し、地球征服を目的とした宗教団体『聖飢魔?U』を御結成されたのである」



110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:49:49.41 ID:moZgbUsT0

ウェイバー「じゃあ、聖飢魔?Uのリーダーはお前じゃなくて皇太子だったのか?」

閣下「うむ、その通り」

ウェイバー「でもそれだと、あの大層な教典も、担い手はソイツってことにならないか?なんでお前が偉そうに使ってんだよ」

閣下「……まあ、その辺りも色々あって、殿下は地球デビューを前に帰獄されてな、吾輩が主宰の名を預かることになったのだ」

ウェイバー「……ふうん、じゃあお前は次期サタンに乗っかっただけで、そのまま勢いで征服できただけなのか」

閣下「そういう言い方をされると腹が立つのだが、まあ、殿下の力は大きかったな」

ウェイバー「なあ、もし次期サタンに声をかけられなかったら何をしてたんだ?」

閣下「相撲」

ウェイバー「即答かよ…、そうじゃなくって、十万年も封印されてたんだ、やりたいことの一つや二つあっただろ」

閣下「そうだなあ、聖飢魔?Uにいる間はそれどころではなかったから、考えたこともなかったのである」

閣下「でもおそらく、最終的には吾輩も、地球を征服しようとしたであろうな」

ウェイバー「それは、なんで」



111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:50:24.12 ID:moZgbUsT0

閣下「行かねばならない場所があるのだ、どこにあるのかもわからないから、地球を丸ごと掘り起こしでもしないと見つからないのである」

ウェイバー「……天上天下を更地にしても見つからないもんを、まだ信じてるのかよ、お前は」

閣下「――知っているのであるか、あの黄金郷のことを」

ウェイバー「夢で見たんだよ、実在するのかもわからない幻の島を十万年も探し続ける馬鹿の、な」

ウェイバー「それで?地球を征服して見つかったのかよ」

閣下「察しの通りである」

ウェイバー「それでも、まだ探すのかよ」

ウェイバー「天の上から地の底まで探し続けて、まだ諦めないのか、お前は…」

デーモン小暮閣下「それが可笑しなものでな」

デーモン小暮閣下「探せば探すほどに!見つからねば見つからぬほどに!」

デーモン小暮閣下「諦める理由は消えていき、更なる欲ばかりが湧いてくるのである!フハハハ!」



112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:52:27.80 ID:moZgbUsT0

ウェイバー「――なんでだよ」

ウェイバー「諦めたほうが楽じゃないかよ、全部妄想でしたって言っちまえば、終わる話じゃないかよ!」

閣下「約束したのからだ!」

閣下「魔暦元年12月31日、聖飢魔?Uの最後の黒ミサで我々は誓ったのだ」

閣下「聖飢魔?Uという偉大なグループと共に時代を駆け抜けた仲間達」

閣下「我々全員が聖飢魔?Uという存在を超えよう、と」

閣下「それこそが聖飢魔?Uに対する我々の礼儀である」

ウェイバー「それが何の関係があるんだよ」

閣下「吾輩は確信しているのだ!」

閣下「我々全員が聖飢魔?Uに追いつき、追い越すことを達成した時…」

閣下「必ずや、真の黄金の都は築かれるであろうことを!!」



113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:53:46.65 ID:moZgbUsT0

ウェイバー「……」

閣下「だからな、吾輩は諦めるわけにはいかんのだ」

閣下「遥かな野望のため、苦楽を共にした構成員、信者諸君のため」

閣下「そして、聖飢魔?Uという未だ高みに聳え立つ我が最大の好敵手のために!!」

閣下「笑わば笑え!たかが十万年である!まだそれっぽっちしか経っておらん駆け出しの夢である!」

閣下「未だ障害も謎も那由多ほどにある!ほうら、まだまだこれからではないか!」

ウェイバー「……やっぱり馬鹿だよ、お前は」

閣下「夢を削るくらいなら馬鹿で結構である!」

閣下「小僧よ、いつか貴様にもわかるであろう」

閣下「周りに合わせて生きていく、なるほど美しい」

閣下「自らの思いを抑えるのは知的だ」

閣下「だが、ただそれだけだ」



115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:54:55.75 ID:moZgbUsT0

閣下「馬鹿にされることを恐れて、悲しい時に泣き、怒った時に叫び、楽しい時に笑うことも出来ない」

閣下「巨大な集団の優秀な歯車として動くことが、いかに愚かで虚しいことであろうかな」

ウェイバー「……」

閣下「例えば、そうだな……魔術師の最終目的は『根源への到達』だったか、だがな」

閣下「それが必ずしも、貴様の目的ではなくても良いではないか」

閣下「貴様は魔術師である前に、一人の男であるのだから」

デ閣下「まあ、こんなところであるか」

ウェイバー「知ったような口を聞きやがって…」



――――っ!



閣下「河、であるな」

ウェイバー「……ああ」



116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:56:34.27 ID:moZgbUsT0

――――――――――



セイバー「――っ!」

閣下「おう、既に着いていたか」

セイバー「悪魔っ!」

閣下「血気盛んなのは結構だが、あれは放っておくつもりか?」

巨大海魔「――――――――!」

セイバー「クッ……!」

閣下「全く、出来の悪い悪魔だな、喚んだ奴の程度が知れる」

ウェイバー「セイバー、アインツベルン、今日のところは一時休戦だ、いいな?」

アイリ「ええ、あんなものがいては、聖杯戦争どころじゃないわ」

ウェイバー「ランサーのとこにはさっき伝えておいた、しばらくすれば着くはずだ」

セイバー「了解した、ではしばし、共に戦おう」

ウェイバー「アインツベルン、そっちに策はあるか?」



117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:57:37.26 ID:moZgbUsT0

アイリ「とにかく、速攻でキャスターを倒すしかないわ、あの怪物が陸に出て自給自足を始めるまでにね」

閣下「しかし、キャスターは腹の中であろう?どうする」

ランサー「引きずり出す、それしかなかろう」

閣下「ふん、ようやく来たか」

ランサー「申し訳ないが、俺は空は飛べんのでな」

ランサー「ともかく、奴の宝具さえむき出しに出来れば、我が宝具で術式を粉砕できる」

閣下「なら、話は簡単だな」




                   FIRE AFTER FIRE
              『地平の彼方まで支配を告げる証』



119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 22:58:38.15 ID:moZgbUsT0

ウェイバー「ちょっ、デーモン!いきなり宝具を使うやつがあるか!」

閣下「フハハハ!悪魔としての格の差を思い知るがいい!」

セイバー「無茶苦茶だが、確かにこれならば…」

巨大海魔「――――――――!」

閣下「……あっれええええ?である」

ランサー「どういうことだ、デーモンよ」

閣下「いや、確かに直撃したはずだが、あっれええええ?である」

セイバー「悪魔としての格の差が、なんだったか」

閣下「あ、今、小娘、吾輩に喧嘩を売ったな?」

アイリ「そ、そんなことより、こっちに向かってきてるわよ!?」

巨大海魔「――――――――!」

ウェイバー「おい、デーモン、どう責任とるんだよ!!」

閣下「いやあ、イケる気がしたんだが、すまんかったのである」

ウェイバー「謝んな馬鹿あああああああああああ!!!!!」



120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:00:16.79 ID:moZgbUsT0

ランサー「ふむ、デーモンよ、どうやら貴様の炎がまったく効かなかったというわけではないらしい」

閣下「む?」

ランサー「あの怪物め、燃える側から修復していたようだな、厄介なことだ」

閣下「なるほど、あれしきの火力では焼ききれないということか」

ウェイバー「じ、じゃあ『THE END OF CENTURY』だ!あれを使えば!」

閣下「却下だ」

ウェイバー「なんでさ!」

閣下「あれは吾輩と仲間たちの宝、あんな下級悪魔にはもったいない代物だ」

ウェイバー「んなこと言ってる場合か!」

アイリ「彼の言う通りよ!このままじゃあ策を思いつく前にここまで来るわ!」

閣下「む?」

ランサー「切ってもたちどころに増殖・修復し、また河の中にいて近づくこともできない、か」

閣下「おい」



121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:00:46.37 ID:moZgbUsT0

セイバー「アイリスフィール、僅かですが私が時間を稼ぎます、私なら水上の敵とも戦える」

デーモン小暮閣下「ちょっと待つのである」

ウェイバー「さっきからなんだ!この無能悪魔!」

デーモン小暮閣下「小僧よ、後で覚えておくのである」

デーモン小暮閣下「それより、人形よ」

アイリ「えっ?わ、私?」

デーモン小暮閣下「貴様である、貴様、時間さえあれば奴を倒す方法を思いつくのであるか?」

アイリ「え、ええ、きっと」

デーモン小暮閣下「なら、話は簡単であるな」ピポパポ

ウェイバー「なんだそれ?」

デーモン小暮閣下「あの下級悪魔にミサはもったいないが、あ奴なら呼んでも構わんだろう、……それ、来るぞ」

ウェイバー「…?」



?「ちょっ、ゴメンって!殴んなよ!俺が何したってんだチクショウ!……って、あれ?」



122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:02:01.24 ID:moZgbUsT0

ウェイバー「こ、コイツは……!」

?「ここどこ?なんで俺、河原にいんの?」

閣下「長官よ、貴様、また人間如きに遅れを取ったのか……」

エース「あー!閣下じゃないっすか!どうしたんですか急に?」

閣下「長官、この前のミサを覚えているな?」

エース「あったりまえでしょ~!いやあ、相変わらずカッコ良かったね、俺!なんちゃってwwwwwwww」

閣下「……」ドゴッ

エース「えふぉっ!……じょ、冗談なのに」

閣下「ふん!調子に乗りやがって」

閣下「まあいい、それでな、前回のミサでこちらのお嬢さん達が長官に一目惚れしたそうだ」

アイリ「」

セイバー「」

エース「えっ!?マジでwwww?うわっ、二人ともめっちゃ可愛いじゃんwwwwwwwwww」



123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:03:49.53 ID:moZgbUsT0

アイリ「い、いや、私は……」

セイバー「ど、どういうことだ、悪魔よ……」

閣下「で、だ」

閣下「差し当たり長官よ、ここいらでもう一ついいところを見せてはどうかな?」

閣下「舞台は吾輩が整えておいてやったから」

エース「いやあwwwwwやりますwwwwwwww」

エース「閣下が俺のためにここまでしてくれたなんて感動www」

エース「で、何をしましょう」キリッ

閣下「あれの足止め」

巨大海魔「――――――――!!!!!」

エース「」



125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:05:06.66 ID:moZgbUsT0

閣下「では、頼んだのである」

エース「ちょっと待ってくださいよ!なんすかあれ!?」

閣下「ここらの淡水に生息するイカの親戚だ」

エース「絶対ウソでしょ!悪魔じゃん!完璧に悪魔じゃん!」

閣下「そんなことはどうでも良い」

閣下「お前に与えられた選択肢は二つ」



1、巨大イカとの触れ合い

2、蝋人形



エース「イカ大好き!!」



126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:06:03.92 ID:moZgbUsT0

閣下「うむ!では時間稼ぎよろしく頼む!」

エース「了解!……でも、閣下?」

閣下「なんであるか?」

エース「時間を稼ぐのはいいけど――」





エース「別に、アレを倒してしまっても構わんのだろう?」



127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:07:02.92 ID:jwh1JzdL0

見事な死亡フラグ立てwww
http://www.amazon.co.jp/dp/4063752917/




128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:07:25.19 ID:moZgbUsT0

閣下「……なんでもいいから、さっさといくのである」

エース「イエッサー!うおりゃあああああああああああ!!!」ピューン

閣下「うむ、これでひとまず時間を稼いだのである」

ウェイバー「大丈夫なのか、アイツ……?」

閣下「あれで一応、高位の悪魔である、見るがいい」




エース「うわ……ホントにデカいなあ、食えんのかなあ、こいつ?」

エース「ゾッドあたりなら喜んで食べそうだけど……って、こっち来たあ!!??」

エース「お前絶対に脳みそとかないじゃん!なんで一心不乱にこっち来んだよ!」

エース「もう怒ったかんな!変身!」ズズズ…



130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:08:14.96 ID:moZgbUsT0

アイリ「巨大化したあ!?」

ランサー「なんというか、悪魔という連中はもうなんでもありだな……」




エース「おらあ!行くぞコラァ!」ズーン

エース「これは下っ端悪魔にまで喧嘩を売られる俺の分!」

エース「これは地上に出るたび人間に絡まれる俺の分!」

エース「そしてこれは……」

エース「こっちの方が年長者なのに階級が上なだけのマザコン相撲馬鹿に毎日蝋人形にされる可哀想な俺の分だああああああああああああ!!!!!!!!!」

エース「って、再生したあああああああああああああああ!!!!!!」



131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:09:29.49 ID:moZgbUsT0

閣下「……長官、あとで蝋人形であるな」

セイバー「……一応、凄まじい勢いで敵を引きつけてますね」

閣下「さて、では長官が大活躍している間に我々は作戦会議といこうではないか」

閣下「……」ジーッ

アイリ「や、やっぱり私…?」

閣下「言い出しっぺの法則だ」

セイバー「大丈夫です、貴女なら必ずやあの魔物を倒すすべを見いだせるはず」

アイリ(うぅ、どうしよう…あんなのどうしろっていうのよ…)

閣下「さ~て、どうするのであるか?吾輩はいくら待っても構わんが、長官がいつまで保つのかはわからんぞ?」ニヤニヤ

ランサー(この状況で明らかに楽しんでいるな、やはり悪魔か)



132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:10:37.94 ID:moZgbUsT0

アイリ「ちょ、うるさい、今考えてるんだから邪魔しないで!!」

閣下「あと十秒である~、きゅう~、はち~、ななろくご~」

アイリ「あっ!いきなりはやくするなんてズルいわよ!この悪魔!」

閣下「だって吾輩、悪魔だも~ん」ニヤニヤ

アイリ「え、え~っと……」

――――ピリリリリ

アイリ「っ!切嗣、愛してるわ!」

閣下「こんな時に電話とは随分と余裕じゃあないか」

アイリ「なんとでも言いなさい、この人なら、こんな状況簡単に乗り越えるんだから!」フフン



133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:11:22.74 ID:moZgbUsT0

――――ピリリリリ

閣下「……」

――――ピリリリリ

アイリ「……」

――――ピリリリリ

閣下「……で、出てやったらどうだ?」

アイリ「……つ、使い方が、わからない」

閣下「はあ……貸してみろ」ピッ

閣下「もしもし?吾輩、吾輩である」

切嗣『――その声は、なるほど、例の悪魔か』

閣下「そういう貴様は誰であるか?」

切嗣『今はそんなことはどうでもいい』

切嗣『あの魔物を倒したかったら、黙ってこちらの話をk』ブチッ

――――ツー ツー ツー



134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:12:32.77 ID:moZgbUsT0

ウェイバー「ど、どうしたんだ?」

閣下「初対面の相手に名も名乗らぬとは無礼な奴だ、吾輩は礼儀を重んじる悪魔なのである」

ウェイバー「そんな理由で切ったのか!?この馬鹿!」

――――ピリリリリ

閣下「しつこい男だな」ピッ

切嗣『話の途中で切r「バーカ」』ブチッ

――――ツー ツー ツー

ウェイバー「馬鹿はお前だ!!貸せ!!」ピポパポ

切嗣『……っ……』グスッ

ウェイバー「お、おい、……大丈夫か?」



137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:13:36.23 ID:moZgbUsT0

切嗣『! あ、悪魔じゃないのか…?』

ウェイバー「あ、ああ、アイツのマスターだよ」

切嗣『なるほど、わかった、僕は泣いてなどいない』キリッ

切嗣『そちらにセイバー、ランサー、そして、あ、悪魔はいるか?』

ウェイバー「ああ、いるよ」

切嗣『……やっぱり悪魔もまだいるのか』ボソッ

ウェイバー「? どうかしたのか?」

切嗣『いや、なんでもない、アイリには僕は泣いてなどいなかったと伝えろ』キリッ

切嗣『悪魔のマスター、あの悪魔の宝具の中に、あの海魔を任意の場所に移動させられるようなものはあるか?』

ウェイバー「アイツの宝具は多すぎて把握しきれてないけど、最悪、物理的に動かすことならおそらく可能だと思う、巨大化したし」

切嗣『なるほど、ではこちらが合図を出す、そしたらその場所まで奴を運べ、いいな?』

ウェイバー「ああ、でも、そっからはどうするんだよ」

切嗣『ランサーに伝えろ、セイバーの左手には、『対城宝具』が眠っている、とな』

切嗣『おそらく、それで伝わるはずだ』ブチッ



138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:15:21.60 ID:moZgbUsT0

ウェイバー「……」

アイリ「あの人は、なんて?」

ウェイバー「デーモン、あの魔物を指定された場所まで移動させることはできるか?」

アイリ「っ!やっぱり切嗣は作戦を思いついていたのね!どう、すごいでしょうこの悪m」

デーモン小暮閣下「あー、うるさいのであるー」ガシッ

アイリ「~~~~っ!」ジタバタ

デーモン小暮閣下「だが、そりゃあ無理矢理に運ぶことはできるがなあ」

デーモン小暮閣下「おーい、長官、そいつを持ち上げられるかー?」



エース清水長官「余裕っすよwwwwwwwwwってちょっ、足掴むのはズルいだろっ!!な、内臓が飛び出るぅ~!」



デーモン小暮閣下「てな具合である、いくら吾輩とはいえ、悪魔を好きな場所に飛ばす……など…と」



139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:16:37.29 ID:moZgbUsT0

ウェイバー「どうした?」

閣下「いや、出来るぞ、それも簡単に、ボタン一つで」

閣下「ちょっと待っていろ」ピポパポ

閣下「あ、もしもし?吾輩、吾輩だけど、今ヒマ?」

アイリ「こんな時に電話とは悠長なことね」

閣下「ふん、減らず口を…ほれ、来るぞ?」

セイバー「また悪魔か……」



ゼノン石川和尚「いえ~い」



141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:18:39.88 ID:moZgbUsT0

デーモン小暮閣下「おお、和尚、すまんな忙しいところを!」

ゼノン「まあ大丈夫だよwwで、どうしたの?」

閣下「いや、和尚の発明品の『悪魔を好きな場所に飛ばせーる君ver.1.16』を借りたいんだよ」

ゼノン「ああ、いいよー、はい」

閣下「これであるこれである!だが、少々見た目が変わったようだが?」

ゼノン「ああ、ちょっと改良してね、半径10m以内の悪魔も一緒に飛ばせるようになったんだよ~」

閣下「さすがは和尚、素晴らしい頭脳だ!」

ゼノン「でも閣下、そんなの何に使うの?」

閣下「あれを飛ばすのだ」



エース「あれ?なんでゼノンがいんの?つうかいるなら手伝えよ!!」

巨大海魔「――――――――!」



ゼノン「あ、ルークだ、いえ~い」

閣下「では、これでこちらの準備は整ったわけだな…」



142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:19:56.79 ID:moZgbUsT0

――――その頃、上空





アーチャー「フハハハ!どうした狂犬!ほうら、もっと必死に逃げて見せよ!」ズガガガガ

バーサーカー「――――――――!!」ドガガガガ

アーチャー「ふん、所詮はこの程度か――っ!?なんだあれは!?」

バーサーカー「――――――――!?」

エース「お前らさっきからうるせええええええええ!!!!!」バチーン

アーチャー「何っ!?グアアアアア!!」ピューン

エース「ったく、悪魔の耳元をブンブン飛び回りやがって……なっ!?おい、鼻と口はマズイ!息がっ…!」



143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:20:47.33 ID:moZgbUsT0

――――――――



ウェイバー「ああ、そうだ、ランサー、アンタにも伝言だ」

ランサー「ん?」

ウェイバー「セイバーの左手には、対城宝具が眠っている……とか」

ランサー「なんだと!?セイバー、それは本当か?」

ランサー「それは、あの怪物を一撃で仕留め得るものなのか?」

セイバー「……」コク

閣下「だが、小娘は今、剣を自由に振るえんのであろう?」

セイバー「我が剣の重さは誇りの重さ、この傷は誉れであっても枷ではない」

ランサー「……どう思う、悪魔よ?」

閣下「好きにしたらいい、吾輩、騎士道とやらはわからんのである」

ランサー「……フッ」スッ

セイバー「な、ランサー、いけない!」



144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:22:04.38 ID:moZgbUsT0

ランサー「それが、我らが騎士道の勝利のためであるならば――」


――パキッ


セイバー「ランサー……」

閣下「吾輩、騎士道とやらはわからんのである、だが…」

閣下「貴様の心意気は、よく知っている」

閣下「苦難を恐れず前進する、素晴らしき人間の心だ」ニヤリ

ランサー「我が勝利の悲願――騎士王の一刀に託す」

ランサー「頼んだぞ、セイバー」

セイバー「――請け合おう、ランサー」チャキ

セイバー「今こそ我が剣に勝利を誓う!」

ランサー「おお……!」

ウェイバー「あれが、アーサー王伝説の……!」

閣下「…………」



145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:23:11.57 ID:moZgbUsT0

セイバー「では、征きます、アイリスフィール」

アイリ「セイバー、私に勝利を!」

セイバー「はい!」ダッ

アイリ「…………」

閣下「さて、あとは合図を待つのみだな」

ゼノン「ねえ、閣下、あの剣って…」

閣下「ああ、間違いなく、神の創ったものに違いあるまい」

ゼノン「そっか、じゃあやっぱりあの娘がアーサー王なんだね」

閣下「そんな大層なものではない、あれはただの小娘である」

閣下「ジャンヌ・ダルク、そしてマリア、彼女らと同じ神に愛された娘」

閣下「偶然、幸運にも神に選ばれてしまった、哀れな小娘である」

ウェイバー「おい、デーモン、来たぞ合図だ!」



147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:25:07.74 ID:moZgbUsT0

エース「なんか敵増えてるんだけど!さっき叩き飛ばしたちっちゃい奴ら、めっちゃピュンピュン撃ってくるんだけど!」

アーチャー「薄汚い悪魔風情が、王たる我を見下ろすか!その罪、万死に値する!」ドガガガガ

バーサーカー「――――――――!」ズガガガガ

巨大海魔「――――――――!」ギチギチ

エース「痛い痛い!さっきまでお前ら二人戦ってたじゃん!なんで揃って俺を狙ってくんだよ!」ペチンペチン

エース「閣下あああああああ!!!!!!まだですかあああああああああ!!!!!!」

閣下「おう、ご苦労だったな長官よ」

エース「もう終わり!?やったあああああああああ!!」

閣下「では、最後の任務である」

エース「へ?」

閣下「その悪魔、逃げないように捕まえておくのである」ポチッ


――――シュッ


エース「あれ?ちょっとだけ移動した?あっ、さっきの可愛い娘だ、お~い、危ないよ~」



148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:26:22.47 ID:moZgbUsT0

セイバー「……」

エース「お~い、聞こえてる~?っていうかなんで水の上に立ってんの?」

アーチャー「あれは、セイバー?……ふっ、なるほど」ピューン

エース「あ、金ピカ飛んでった、まあいいや、お~い」ヒラヒラ

エース「ん?あの剣光ってねえか?というより、あの剣って確か……」

セイバー「終わりだ、キャスター……!」

エース「嘘だろ……?いや、あの剣は、間違いない……!!」




         『約束された勝利の剣』




エース「って、こっち来たああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

巨大海魔「――――――――!!!!!」



――――ドゴオオオオオオオオオオオオッッッ!!!!!!!!!!



149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:28:30.91 ID:moZgbUsT0

――――――――橋上



アーチャー「……見届けたか、教祖よ?あれがセイバーの輝きだ」

アーチャー「あれだけの光を見せられて尚、お前は奴を認めぬのか?」

閣下「国を愛し、神を信じ、それらを守るために得た神の力……」

閣下「美しいが故に腹立たしい」

閣下「あれは、夢見る小娘を面白がった神が落とした祝福という名の鎖だ」

閣下「神の玩具にされたことに気づきもせず、己が運命すらも弄ばれて」

閣下「そんな小娘が、口先だけは一人前に王を名乗り理想を語る」

閣下「人間達は口々に讃える、神に選ばれた王だと、永遠を征く騎士道の体現者であると」

閣下「禄に愛の詩の一つさえも知らぬ小娘が、だ」

閣下「これを怒らずして何に吠えろというのだ」

アーチャー「なればこそ憂いではないか」

アーチャー「あれが抱いた理想は、最期には抱いた当人さえも焼き尽くしたに違いない」

アーチャー「その散り際の涙――舐めればさぞ、甘かったであろうな」



150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:29:53.87 ID:moZgbUsT0

閣下「そう考えるのは、貴様が人間であり、そして同時に神であるからであろうな、ギルガメッシュ」

アーチャー「……ふん」

閣下「あのような小娘、吾輩のような悪魔にはとても愛せん」

アーチャー「ならば座して見ているがいい、あれは、我の腕の中でこそ映える花だ」

閣下「そういうわけにもいかん、吾輩は悪魔として、まだやるべきことが残っているのでな」

アーチャー「そうか、ではどうする?ここで我を下すか?」

閣下「あんなのを見た後では興が乗らん、今日のところは預けておこう」

閣下「だがギルガメッシュよ、あの小娘を貴様の思い通りになどさせはしない、覚えておけ」

アーチャー「今日の我は気分が良い、特別に反逆を許すぞ?全力を以て立ち向かえ悪魔」

閣下「ふん、口の減らん奴である」

閣下「では、また逢おう!」バッ

アーチャー「――クククッ、聖杯戦争、存外に興じさせるではないか、嗚呼、それでよい、実によい……」



151:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:31:37.01 ID:moZgbUsT0

――――――――



ゼノン「あ、閣下、おかえりー」

ウェイバー「デ、デデデ、デーモン!お前、マスターをこんな悪魔の集会所に置き去りにするとはどういうつもりだ!」

ゼノン「何もしないってば」

エース「」チーン

閣下「うむ、ただいま諸君!ところで長官、いい加減起きんか」バシッ

エース「……はっ!こ、ここは一体!?」

ゼノン「ようやく起きたね」

閣下「全く、あれしきのことでなさけない」

エース「ちょっと閣下!なんすかあれ!なんであんな娘がエクスカリバーなんて持ってるんすか!」

閣下「やっぱりお前にもあれがかの聖剣とわかったか」

エース「一応、これでも元地獄中央情報局長官ですから、あんなヤバい剣、忘れたくても忘れられないですよ」



152:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:33:06.84 ID:moZgbUsT0

ウェイバー「エクスカリバーって、そんなにスゴイのか?」

エース「きみ誰?……まあいいや、あれは人々の願いによって生み出された、聖剣の頂点に立つ最強の神造兵装だからね」

エース「正直、俺達みたいな悪魔には下手な神よりよっぽど強力だね、まともに受けたら閣下でもやばいっすよ、あれ」

閣下「なるほどな、だがそれにしては貴様はやけにピンピンしているが?」

エース「気づいた瞬間逃げましたから、それにいつも閣下にボコボコにされてるから慣れてるっつうかwwwwwwwww」

エース「で、なんであの娘があんなもんを?」

閣下「奴が正真正銘、本物のアーサー王であるからだ」

エース「そんな馬鹿なwwwwwwwwwだってあれ男じゃんwwwwwwwwwwww」

エース「……マジで?」

ゼノン「うん、そうみたいだね」

エース「ゼノンがそういうってことはマジなんだろうなあ……、閣下、一体なにがどうなってるんですか?」

閣下「うむ、かくかくしかじかである」



153:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:35:07.98 ID:moZgbUsT0

エース「聖杯戦争、ねえ……」

閣下「殿下も、厄介なことを任せてくれたものだ」

閣下「杯一つ壊すだけかと思いきや、我侭金ピカの相手に小娘の面倒まで見なきゃならん」

ゼノン「閣下の場合、面倒に自分から突っ込んでる気もするけどね」

閣下「ふん、吾輩も地球に来て丸くなったものだなあ」

閣下「長官、和尚、頼みがある」

エース「なんすか?……え、ああ……まあそれぐらいなら……」

ゼノン「おっけー、任せてよ」

閣下「お前達がそれをやっている間に、吾輩はもう一仕事せねばならんようだ」

ウェイバー「……セイバーと、アーチャーか」

デーモン小暮閣下「貴様にもわかってきたか、だが、英雄王もそうだが、本命はセイバーだ」

ウェイバー「どうするんだ?」

デーモン小暮閣下「あの娘は、些か幸せ過ぎる」



154:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:36:22.77 ID:moZgbUsT0

閣下「ただの島国の田舎娘が、伝説の剣に選ばれ、愛する臣民に王と崇められ、神と精霊の祝福を余すところ無く注がれたのだ」

閣下「夢見る小娘には、荷が勝ちすぎる幸福である」

閣下「あ奴は、吾輩が不幸にしてやらねばならん」

閣下「その背に負った幸を一片残らず奪ってやらねば、もはやあの娘は立ち上がることもできん」

閣下「アルトリアという少女には、それまで得た幸福と同じだけの不幸が必要だ」

閣下「それを与えてやるのは、悪魔たる吾輩の役目である」

閣下「なあ、和尚、長官、そして小僧よ」

閣下「人というのは幸福にさえ滅ぼされる生き物なのだな」

ゼノン「……」

エース「……」

ウェイバー「……なに感傷的になってんだよ、馬鹿悪魔」

閣下「…小僧?」



156:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:37:43.37 ID:moZgbUsT0

ウェイバー「お前、悪魔なんだろ?人間の不幸を蜜として、神をも貶める地獄の荒くれ者」

ウェイバー「それが、たかだか一人の人間相手に悩んでんじゃない、キャラじゃないんだよ、この馬鹿」

ウェイバー「忘れがちだけど、お前は僕のサーヴァントなんだからな、お前がウジウジしてると、マスターである僕が迷惑を被るんだ」

閣下「…………フハハ、……フハハハハハ!そうだ!その通りであったな!」

閣下「お前の言う通り、吾輩はデーモン小暮閣下である!聖飢魔?Uを統率する、悪魔教の教祖、デーモン小暮閣下である!」

閣下「よもやこの吾輩が人間に説教をされるとは!いや、実によい!やはり人間は素晴らしい!」

閣下「長官!和尚!休むヒマはないぞ!こうしている間に人間共は幸福になってしまう、フハハハ!」

ゼノン「そうだね、じゃあちょっと頑張って動こうかな~」

エース「いっちょやったるか!」

閣下「フハハハ!我ら悪魔の真の進撃は今より始まる!フハハハハハ!」

閣下「……では、我がマスターよ」スッ



157:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:38:58.65 ID:moZgbUsT0

閣下「貴公の従僕たる悪魔は、これより全ての英雄を、無限の勇者を、果てなき豪傑を、恐怖と絶望の業火でその遺伝子の一片まで焼き尽くそうと思う次第」

閣下「御命令を」

ウェイバー「我が従僕に、ウェイバー・ベルベットが令呪を以て命ず、デーモンよ、聖杯戦争に参加した全ての幸福を望む者には汚泥の如き不幸を与えろ」

ウェイバー「第二の令呪を以て重ねて命ず、デーモンよ、希望の象徴たる聖杯には濁流の如き絶望を与えろ」

ウェイバー「更に第三の令呪を以て最後に命ず、その身に……」

ウェイバー「――――最低最悪の栄光を!」

閣下「――ああ、了解した、我が主であった男よ」

エース「ちょ、大丈夫なの?一度に全部使っちゃって、それが無いと閣下と契約できないんじゃ……」

ウェイバー「大丈夫、コイツは他のサーヴァントとは違ってマスターからの魔力供給なしでも現界できるから」

エース「そりゃそうかもだけどさ……」

ゼノン「……」スッ

ゼノン「ねえ、君?」

ウェイバー「なんだよ」

ゼノン「いえ~い」グッ

ウェイバー「……?」



158:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:40:05.81 ID:moZgbUsT0

ウェイバー「で?どうするんだ、お前ら、これから攻めこむのか?」

閣下「いや、今宵はセイバーも消耗しており万全ではない、それに和尚たちに頼んだ事の方が先決だ」

閣下「決戦はそれからである」

ウェイバー「そうか、じゃあ、頑張ってくれよな」

閣下「ちょっと待つのである、どこへ行く気だ」

ウェイバー「僕はもう令呪もないし、お前のマスターでもない、僕の聖杯戦争は終わった」

ウェイバー「あとは、お前達の戦いだ」

閣下「ふむ、道理はわかった、だがそういうわけにもいかんなあ」

ウェイバー「なんでだよ、僕なんかいたって、戦いの邪魔になるだけだろ」

閣下「吾輩は、我がマスターから命じられた」

閣下「聖杯戦争に参加した全ての者に汚泥の如き不幸を与えよ、とな」

閣下「無論、お前も例外ではないぞ?」ニヤリ



159:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:40:53.55 ID:moZgbUsT0

ウェイバー「な、何いってんだ!僕は外すに決まってるだろ!不幸になんかなってたまるか!」

閣下「フハハハ!吾輩、ただの人間の指図など受けん!」

閣下「吾輩が戦っている間に逃げられては敵わん、吾輩の目の届くところにいてもらうぞ?」

閣下「そして、吾輩の戦いを見届けよ、そして知れ、戦うとはどういうことかを」

閣下「それを知った時、お前はもうそれまでの自分には、歯車の一つには二度と戻れない」

閣下「それこそが、吾輩がお前に与える不幸である」

ウェイバー「……っ…、この……馬鹿悪魔…っ!」



160:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:41:56.28 ID:moZgbUsT0

――――――――――二日後






閣下「ふむ、やはりな…」

ウェイバー「エースからか?」

閣下「ああ、和尚の準備も整ったそうだ」

ウェイバー「じゃあ、今夜が最後の戦いか…」

閣下「うむ、小僧よ、残っているサーヴァントは?」

ウェイバー「セイバー、アーチャー、バーサーカーの三人だ」

閣下「なるほど、ランサーは墜ちたか…」

ウェイバー「やったのは、セイバー陣営だと思う、たぶん」

閣下「ほう……では、我々も行くか」

ウェイバー「……ああ」



161:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:43:05.49 ID:moZgbUsT0

~港~



閣下「逃げずに来たようだな」

セイバー「……」

閣下「あの人形は、もう成ったか?」

セイバー「ああ」

閣下「なるほど、セイバーよ、残ったサーヴァントはあと半分」

閣下「最早、誰が誰を討つともわからん大詰めである」

閣下「ならば、我らの雌雄も決する時であろう」

セイバー「その意見には賛成だ、悪魔よ、貴様との縁もここで切らせてもらおう」

閣下「騎士王よ、わかっているだろうが、この戦い勝敗とは即ち、己の貫く意志の勝敗である」

セイバー「無論だ、私は騎士として、王として、貴様を打ち破る」

閣下「……ならば、これ以上は、互いの刃で語るしかあるまい」



162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:44:00.94 ID:moZgbUsT0

セイバー「無論だ、私は騎士として、王として、貴様を打ち破る」

閣下「……ならば、これ以上は、互いの刃で語るしかあるまい」

デーモン小暮閣下「来るがいい、騎士王!死んだ目の勝利者よ!栄光の剣で、吾輩を切り捨ててみせろ!」

デーモン小暮閣下「吾輩が歌うのは貴様を追い越さんとした全ての人間たちの想い、例え死んでも残る貴様ら人間の魂である!」

デーモン小暮閣下「貴様が歴史を変えたいと望むなら、自らの手で切り裂いてみせろ!『我こそ真の王なり』と!」

セイバー「言われるまでもない!私は、ブリテンを、我が夢をこの手で救うのだ!他の誰でもない私の力で!」

セイバー「






                           『約束された勝利の剣』






                                                               」



163:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:45:09.88 ID:moZgbUsT0

閣下「――なるほど、これ程美しい光を、貴様は背負っていたのか」

閣下「目の前にこんなものがあっては、後ろに続く者達の列など、目には入るまい」

閣下「だがアルトリアよ、目は光に潰れ、両の手で剣を握っても、その耳だけは聞こえるであろう」

閣下「ならば吾輩が聞かせてやろう、貴様を追う人間の足音を」

閣下「アーサー王が死して尚、消えること無く燃えさかる想いの炎を――!」









May be lost,but the soul will never die
                  『敗れざる者たち』



165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:46:34.94 ID:moZgbUsT0

閣下「どうだ、アルトリア、この炎は、到底貴様の抱く理想には敵わんか?」

セイバー「――この、輝きは、知っている」

閣下「それがどこにあったか、今の貴様にはわかるであろう」

セイバー「嗚呼、そうだ、選定の剣を抜くことを決めた時、我が胸の内はこの炎が照らしていた」


――シュウウゥゥゥ…


セイバー「――そうか、そうなのですね、我が理想の炎は、確かに燃え広がっていたのですね」

セイバー「それならば、最早、私はいったい何をすれば……」

閣下「天より祈るがよい、と言いたいところであるが、貴様にはまだやるべきことが残っているのである」

セイバー「どういうことだ?」

閣下「どうやら、貴様は真に優れた王であったようだ」

セイバー「馬鹿を言え、悪魔に膝を屈した王が、優れているものか」

閣下「だが、こんなところまで貴様を慕って追ってくるような家来がいるようだぞ?」

セイバー「なんだと……?」



166:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:48:33.74 ID:moZgbUsT0

閣下「早くいけ、アルトリアよ、王としての最後の務めを果たすのだ」

閣下「魔道に堕ちた家臣を、今度こそ導いてやるがいい」

セイバー「……ここで私を見逃してもいいのか?」

閣下「我が命は、貴様らに不幸を与えることである!」

閣下「狂った部下の面倒を無理矢理に見させる、これが吾輩が貴様に与える不幸である!フハハハ!」

セイバー「ふん、まったく可笑しな悪魔だ……礼は言わぬぞ」

閣下「そんなものはいらん、さあ、早くいけ、早くいけ、アーサー王よ」

閣下「今尚、貴様の背を見るものの姿を、見失わないうちに!

セイバー「――御免!」ダッ

閣下「最後まで、世話のやける小娘であった」

ウェイバー「デーモン、終わったのか?」

閣下「ああ、もう迷うまい、奴は人間なのだから」

閣下「では、行こうではないか」

閣下「ギルガメッシュが待っている」



167:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:49:05.21 ID:moZgbUsT0

――――――――



セイバー「そうか、貴方だったのか、サー・ランスロット」

バーサーカー「……Ar………thur…!」

セイバー「私が、導くことをしなかったから、私の理想が、私という王が、貴方をそんなにも、追い詰めてしまったのか……」

バーサーカー「………Ar…thur………!」

セイバー「だが、すまない友よ、私は王として、やはりこの理想を捨てることはできぬようだ」

セイバー「恨むのならば恨むがいい!私は王として貴方を導くことはしない!」

セイバー「私は最後まで王として貴方を救おう!そして見るがいい、サー・ランスロットよ!」

セイバー「私が歩んだ理想の道程を!貴方が仕えた王の軌跡を!」

バーサーカー「…………Arthur……!」

セイバー「この期に及んでついて来い、などとは言わぬ」

セイバー「ただ、見届けよ、そして進め、我が友よ」

バーサーカー「AAAAAAAAAArrrrrrrthuuuuuuuuurrrrrrrrrrrrrrr!!!!!!」

セイバー「来い、最も誉れ高き騎士よ!アーサー・ペンドラゴンが受けて立とう!」



168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:50:37.38 ID:moZgbUsT0

~大橋~

ウェイバー「なあ、デーモン、バーサーカーの相手をセイバーに任せてよかったのか?」

閣下「よい、長官の持ってきた情報によれば、バーサーカーの願いはアーサー王から裁かれることだ」

閣下「それもかなわず、自らが仕えた王の手で最後まで救われる、これ以上の不幸はあるまい」

ウェイバー「なるほどな」

閣下「うむ……待たせたな、ギルガメッシュよ」

アーチャー「良い、その代わり、全霊を以て我を興じさせよ」

閣下「無論だ、これは、神代に置き去りにした我らが戦いである」

アーチャー「だが、他の悪魔共はどうした?貴様、よもやこの我に手加減などと戯けたことを…」

閣下「勘違いするな、これは吾輩と貴様の戦いである、余人の介入など興醒めなだけであろう」

アーチャー「ふん、ならば、少なくとも勝算はあろうな?我を退屈させるでないぞ?」

閣下「それこそ無用の心配である、貴様を降す道はもう決まっている」



169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:51:40.21 ID:moZgbUsT0

閣下「見るがいい、地上を総べし王よ、吾輩こそ地獄より来たる征服者」

閣下「そして、これこそが吾輩が掲げる永遠の夢、無限の幻である!」

アーチャー「来い、征服者よ、化物は人間の手で裁かれるのが道理、そして侵略者は王の手で裁かれるのが道理だ」

アーチャー「貴様を滅ぼすのは天上天下にただ一人、このギルガメッシュをおいて他にはない」

閣下「黄金を纏いし王よ、仰ぐがいい!これが、神も悪魔も人間も超えた大地の姿である!!」











  夢にまで見た黄金郷
                    『EL DORADO』



170:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:52:20.54 ID:moZgbUsT0

閣下「ここは吾輩の夢、いつか辿り着くべき黄金の都を描いた固有結界――」

閣下「十万年の時を経て尚、霞むことなき我が理想である」

アーチャー「……美しい」

アーチャー「我が世界に劣ることなき素晴らしい世界だ、教祖よ」

アーチャー「だが、夢とはことごとくして、儚く覚めるが道理であろう」

アーチャー「目覚めよ、エア」

アーチャー「あの気高き悪魔めに、元居た地獄の姿を思い出させてやるがいい――!」










                『天地乖離す開闢の星』



172:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:53:16.23 ID:moZgbUsT0

閣下「天が裂けていく……なるほど、混沌を天と地に分けた創星の剣であるか」

閣下「懐かしい景色であるな――嗚呼、そうか、なるほど」





            「――また、届かなかった」





閣下「だが、ギルガメッシュよ、この固有結界はその一撃で崩れよう…」

閣下「しかし、我が理想は、我が夢は、未だ果てることはない」

アーチャー「……何?」



173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:54:10.38 ID:moZgbUsT0

閣下「『人』の『夢』と書いて『儚い』、なるほど、よく出来ている」

閣下「だがな、『悪魔』の『夢』と書けばそれは『悪夢』である!」

閣下「悪夢は覚めない!永劫に繰り返すからこそ悪夢である!」

閣下「見るがいい、デーモン小暮の悪夢を!」






                   夢にまで見た黄金郷
                    『EL DORADO』



174:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:55:21.09 ID:moZgbUsT0

アーチャー「これは……世界が再び、蘇っただと……そんな馬鹿なことがあるか!」

閣下「この身のある限り、吾輩の夢は決して潰えることはない!」

アーチャー「巫山戯るなっ……ならば、貴様を滅ぼし、その夢の終焉とするのみよっ!」ズガガガガ

閣下「無駄である」

閣下「ここは、吾輩の記憶に存在する泡沫の国」

閣下「この黄金郷にある全てのものは幻、貴様の宝物も、吾輩自身もな」

アーチャー「つくづく馬鹿にしおって……!だが、貴様とて我を打ち破ることはできんのだろう」

アーチャー「まさか引き分けなどと、この我に泥を被せるつもりか!」

閣下「ああ、貴様の言う通り、ここでは貴様を滅ぼすことはできん」

閣下「よって、貴様には、我が幻想から出て行ってもらおう」シュウウゥゥゥ



175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:56:03.69 ID:moZgbUsT0

~大橋~

アーチャー「ふん、戻ったか……」

デーモン小暮閣下「…………」

アーチャー「下らぬ手品で王の戦を怪我した罪、その身で償うが良い!」ズガガガガ

デーモン小暮閣下「…………」


――――シュッ


アーチャー「何だ……?」


――――シュッ、ヒュッ


アーチャー「何が起きている……」


――――ヒュヒュッ


アーチャー「何故――貴様には何一つ当たらない!?」



176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:56:54.93 ID:moZgbUsT0

閣下「吾輩が、未だ夢を見ているからである」

閣下「吾輩の体は、今尚、黄金郷と共にある」

閣下「貴様は素晴らしき王だ、ギルガメッシュ」

閣下「地上の全てを治めるに相応しい男である」

閣下「よって、吾輩もそれを讃え、尊敬を込めてこの地上を征服しよう」










               『悪魔の讃美歌』



177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:57:59.20 ID:moZgbUsT0

――――――――



アーチャー「――ああ、負けた、負けた、随分と久しい感覚よ」

閣下「満足したか、英雄王よ」

アーチャー「応、だが悪魔よ、貴様が我が領土を真に侵そうというのならば、その時はまた存分に戦おうぞ」

閣下「待っているがいい、地獄より精鋭を率いてやって来ようではないか」

アーチャー「それは良い、実に良い、久方振りに胸躍る賊となりそうだ」

アーチャー「そろそろ行くとしよう」

アーチャー「エルキドゥが声がする――あの馬鹿め、友の敗北を笑いおって」

閣下「――また逢おう」

アーチャー「ああ、必ずな――いや、中々に愉しかったぞ」



178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 23:59:10.82 ID:moZgbUsT0

――――――――


~大ホール 駐車場~

セイバー「なあ、友よ、私は、後に続く者達に、正しく道を示せただろうか…」

バーサーカー「貴方は……常に正しかった…常に、輝いていた」

バーサーカー「…貴方の後ろには、我ら円卓の騎士がいた、ブリテンの臣民が……いた」

バーサーカー「私達は、等しく同じ道を、貴方の後を歩いていた……その道に、間違いなど、あり得ましょうか…」

バーサーカー「そして、貴方の光は……狂気の道に走った愚かなこの身にさえ、救いを齎した…」

バーサーカー「その威光に、未だ気づかぬとは…」

バーサーカー「本当に――困ったお方だ」

バーサーカー「アーサー王――貴方こそが、最高の王であった」

バーサーカー「貴方に仕えて――本当に、良かった」

セイバー「――ありがとう、サー・ランスロット」

セイバー「私も、貴方の王であって、本当に良かった」

セイバー「私はまだ征かねばならない、さらばだ、我が友よ」

バーサーカー「いってらっしゃいませ、御武運を、我が王よ」



198:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/31(日) 00:36:28.33 ID:vBsl+4Jf0

――――――――




エース「閣下~!遅いっすよ~!」

閣下「すまんな、連戦はさすがに堪えるものである」

閣下「和尚はどうした?」

エース「もうすぐ着くはずです、俺らも早くしないと!」

ウェイバー「もう聖杯は完成してるのか?」

エース「ああ、ついさっきね、残ってるサーヴァントは閣下を除けばもうセイバーちゃんだけだ」

閣下「アンリマユ、『この世全ての悪』か、そんなものが聖杯とは、最後までつくづくとんでもない」

エース「しかも今、アンリマユの呪いで聖杯は満ちていて迂闊に壊しでもしたら…」

ウェイバー「容れ物を失った呪いが冬木に溢れ出る、ってわけか…」

閣下「では、行くとしよう、聖杯は大ホールにあるのだったか」

閣下「聖飢魔?Uを抜いてホールを盛り上げるなど、あの娘には荷が重いであろう」



199:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/31(日) 00:37:21.17 ID:vBsl+4Jf0

――――――――


~大ホール~


セイバー「これが……聖杯…」

セイバー「……アイリスフィール、貴女の夢は、私が叶えましょう」

切嗣「…………」

セイバー「切嗣、もう来ていたのですか」

セイバー「――さあ、貴方とアイリスフィールの悲願を…」

切嗣「……こんなものがあってはいけない」

セイバー「切、嗣……?」

切嗣「――衛宮切嗣が、令呪を以て命ずる」

――タッタッタッ

ウェイバー「……あれが、聖杯」

閣下「しかし、呑気に見物している場合でもなさそうだな」

エース「閣下たち、早すぎ……」ゼエゼエ



200:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/31(日) 00:38:29.88 ID:vBsl+4Jf0

セイバー「あれは、悪魔……?」

切嗣「セイバーよ…」

ウェイバー「誰だ、あれ…?」

閣下「奴がセイバーの真のマスターである、それより、聖杯の下の穴はなんであるか、長官?」

エース「聖杯が形を成した時。呪いが少し漏れたんですよ、軽く漏れただけであの程度です」

セイバー「呪いだと…?悪魔よ、それは一体どういう……」

切嗣「宝具にて聖杯を――」

閣下「っ!説明は後である!あの男を止めねば――」




――破壊しろ――



201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/31(日) 00:40:11.84 ID:vBsl+4Jf0

セイバー「なんだと!?」

閣下「いかん!長官よ、セイバーを抑えよ、吾輩は聖杯を!」

エース「言われなくても!」ダッ

――バンッ!

エース「うおっ!」

切嗣「邪魔をするな悪魔」

切嗣「お前達の好きには、決してさせない!」

エース「あのおっさん、なんか勘違いしてねえか!?」

セイバー「どういうことだ、切嗣、なぜ貴方が!」ググッ

切嗣「第三の令呪を以て重ねて命ずる、セイバーよ、聖杯を――」

閣下「やめるのだ!それがどういうことかわかっているのか!」

切嗣「――破壊しろ!」

セイバー「何故だ……あれは、貴方とアイリスフィールの……」グググッ

閣下「間に……合わん…!」


――――ズドオオオオオオオオオオン!!!!!!



202:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/31(日) 00:41:36.85 ID:vBsl+4Jf0

――――――――



セイバー「何故だ……切嗣…」

切嗣「これで、良かったんだ…」

切嗣「僕は、アイリ、君を殺して、世界を――!」


――許さない――


切嗣「――何…?」


――呪ってやる――


切嗣「そんな……そんな馬鹿な……!」


――絶対に、許さない!――




ゴオオオオオオオオオオッッッ!!!



204:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/31(日) 00:44:35.92 ID:vBsl+4Jf0

切嗣「馬鹿な!聖杯は……破壊したはずだ……!」

閣下「聖杯は、確かに破壊されたのである」

切嗣「――!悪魔っ!」ジャキッ

閣下「だが、その中身までは破壊しきれなかったのだ」

切嗣「そ、そんな……」

切嗣「じゃあ、僕は、何のために……」

閣下「狼狽えるなっ!」

切嗣「っ!……だが、どうしろというんだ!」

切嗣「もうアンリマユは冬木を飲み込んでいる!」

切嗣「何が正義の味方だ!この町の人々は、全て僕が殺したも同然だ!」

閣下「その通り、零れた水は戻らない、だが!」

閣下「これ以上の水を零さぬ努力は出来る!」

閣下「早くいけ、早くいけ、貴様の助けを待つ者がまだいる内に、ここは我らが請け負おう」

閣下「早くいけ、早くいけ!見失わないうちに!!」



205:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/31(日) 00:46:05.81 ID:vBsl+4Jf0

切嗣「――っ!」ダッ

閣下「アルトリアよ、貴様も行け、貴様のマスターなんだろう?」

セイバー「ああ――すまない」

閣下「フハハハ!気にするな!」

セイバー「任せても良いのか?」

閣下「これ程の呪い、貴様ら人間には荷が重いであろう」

セイバー「すまない!」ダッ

閣下「全く、人間とは世話のやけるものである」

閣下「そう思うであろう?なあ、人形よ」

ウェイバー「で?どうするんだ?相手は『この世全ての悪』、ここがダメなら、この街は一面焼け野原だ」

閣下「フハハハ!人間の掲げる悪など、たかが知れている!」

閣下「この程度の呪い、吾輩にとってはビールと同じである!」

閣下「だがな、覚えておくがよい」



207:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/31(日) 00:46:51.72 ID:vBsl+4Jf0

ウェイバー「……?」

閣下「ビールとは、皆で飲むのが一番美味いのだ!よって……」

閣下「ここにTHE SATAN ALL STARSを開催するのである!!」



ダミアン浜田殿下「は~い、悪魔総進撃軍は集まれ~、各パート点呼~」

エース清水長官 & Sgt.ルーク篁?V世参謀 & ジェイル大橋代官 & ジャントニオババヤシ & ガンダーラ・サンゲリア・チグリス・ユーフラテス金子
「「「「うーい」」」」

ゼノン石川和尚 & ゾッド星島親分
 「いえ~い」  「ゾッドだぁ~!」

ライデン湯沢殿下 & ジード飯島大将 & ジャギ古川CAP
「「「せーのっ、ぶっひょ!!」」」

怪人松崎様 & レクター・H伯爵 & 魔女RYO子嬢
「「「キーボード揃っております」」」



209:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/31(日) 00:50:11.11 ID:vBsl+4Jf0

閣下「フハハハ!よく集まってくれたな!そして、みんなを集めてくれた和尚、ありがとう!」

ゼノン「ここ数年で一番動いた気がするよー」

ライデン「まあ、ゼノンに言われて実際に構成員集めたのは俺だけどな」

ジェイル「ライデンに言われて元構成員を集めたのは俺だし、準構成員とかRYO子は松崎様の仕事だけどな」

松崎様「皆さんのお役に立てて何よりです」

ゾッド「ゾッドだぁ~!」

閣下「だが、『悪魔を好きな場所に飛ばせーる君ver.1.17』がこんなところでも役に立つとはな!」

ゼノン「『ver.1.16』じゃ、構成員を全員一度には飛ばせなかったからねー、色々やってみるもんだよー」

ゾッド「ゾッドだぁ~!」

閣下「そして、もう一つの頼みの方はどうであるか?」

ルーク「冬木全域に対呪術用の防護結界を設置済みだよ~」

ジェイル「急ごしらえだから完璧に守ることは出来ないけど、被害はかなり抑えられるはずだぜ」

松崎様「何せ、RYO子様の力作でございますからね」



210:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/31(日) 00:51:23.08 ID:vBsl+4Jf0

RYO子「あと半日あれば、完全なものが用意出来たのですが……」

ゾッド「ゾッドだぁ~!」

閣下「いや、十分だ」

閣下「人を守るのは人の役目…」

閣下「あとは、正義の味方に任せようではないか」

殿下「それで、デーモン、これがアンリマユか?」

閣下「うむ、聖杯に溜まっていた呪い、『この世全ての悪』である」

殿下「あんまり美味そうではないな」

閣下「まあ、要は膿のようなものだからなあ」

ウェイバー「お、おい、デーモン」

閣下「ん?なんであるか?」

ウェイバー「ここにいる悪魔達って……」

閣下「聖飢魔?Uの歴代構成員である!」

ウェイバー「これだけの悪魔、時計塔の魔術師を全て集めても封印しきれないぞ……」



211:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/31(日) 00:52:00.95 ID:vBsl+4Jf0

殿下「デーモン、その小僧は誰だ?」

閣下「誰だって……殿下が此奴を吾輩のマスターに選んだのだろう?」

殿下「ああ、そう言えばこんな人間だったな」

ウェイバー「で、殿下?ってことはコイツが……」

閣下「うむ、地獄の皇太子ダミアン浜田殿下である」

殿下「よろしく」

ウェイバー「じ、次期サタン……目の前に悪魔の大将が…」

ジード「呼んだ?」

ルーク「閣下ー、もう始めませんかー?もうゾッドが辛抱の限界がきてるんだけどー」

ゾッド「早く飲ませろー!ぶっ殺すぞー!ゾッドだぁ~!」

閣下「フハハハ!ではここに、『聖飢魔?U SATAN ALL STARS'大宴会』を開催する!」

閣下「あまり美味い酒とは言えんが、存分に飲むといい!」

構成員's「いええええええええええええええええええええええええええええい!!!!!」

ウェイバー「」



214:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/31(日) 00:53:05.81 ID:vBsl+4Jf0

――――――――



切嗣「誰か……誰か……!」

セイバー「思ったよりも被害が少ない、切嗣、これならば!」

切嗣「ああ、生きている者は必ずいる……!一人でも多く救い出すんだ!」

セイバー「私は瓦礫を退けて行きます、切嗣は生存者を探してください!」ダッ

切嗣「誰か……誰かいないのか!」


――――パラッ……


切嗣「っ!誰か……いるのか…?」

?「……ぅ…」

切嗣「……生…き……てる」

?「……だ…れ…?」

切嗣「生きてる!生きてる!良かった…良かった……!」

切嗣「ありがとう……ありがとう…!」



217:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/31(日) 00:54:05.96 ID:vBsl+4Jf0

――――――――




~???~

閣下「これで、よかったのであろう?」

アイリ「ええ、ありがとう」

閣下「気にするな、吾輩はただ、自らの役目を果たしただけである」

アイリ「アンリマユに染まった私は、もはや万能の願望器としての役目は果たせない」

アイリ「ただの、殺戮という呪いを振りまくだけの存在、それではあの人の願いは叶えられない」

閣下「だが、吾輩の行った方法では、あの男の中にある呪いまでは取り除けん」

閣下「すまないな、人形よ」

アイリ「……いいのよ、貴方がいなければ、あの人は本当に壊れてしまっていた」

アイリ「貴方は、あの人を救ってくれた」

閣下「不幸の中に、奴が救いを見出しただけである」



218:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/31(日) 00:54:47.58 ID:vBsl+4Jf0

アイリ「それでもよ、だけど、もしも貴方が済まないと思うのならば、一つお願いをしてもいいかしら?」

閣下「頼まれよう」

アイリ「今ではない、十年後か、二十年後か、必ずまた聖杯戦争は行われる……」

アイリ「その時は、私の娘を助けてあげて」

アイリ「聖杯という因果に囚われるのは、私だけでいい」

アイリ「どうか、イリヤを助けて」

アイリ「そして、イリヤに、私が見られなかったものを見せてあげて――」

閣下「ああ、わかった、約束しよう」

閣下「だから安心して逝くがいい、美しき母親よ」

アイリ「――ありがとう」



220:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/31(日) 00:55:57.75 ID:vBsl+4Jf0

――――――――



閣下「…………」

ウェイバー「本当に、アンリマユを全部飲んじまった……」

閣下「……フハハハ!腹八分目といったところであるか!」

殿下「おい、デーモン、もう無いのか?」

閣下「うむ、あれで全部だ」

殿下「そうか、じゃあ、我々は先に帰るぞ」

閣下「ああ、助かった」

構成員's「「「「「「「「「ばいば~い」」」」」」」」」

ウェイバー「でも、これで、本当に全部終わったんだな」

閣下「うむ、思えば短い戦いであった」

ウェイバー「――お前も、行くのか?」

閣下「ああ、今更、小娘達に挨拶する必要もあるまい」

ウェイバー「じゃあ、さっさと行っちまえよ」



221:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/31(日) 00:57:17.63 ID:vBsl+4Jf0

ウェイバー「よく考えてみればさ、僕は結局、何一つ自分の力で成せなかった」

ウェイバー「お前が一人で活躍しただけで、僕は、何もしていない」

ウェイバー「何度も死の危険に直面しただけで、僕もまんまと、お前に不幸にされたわけだ」

ウェイバー「さあ、役目を果たした悪魔は、さっさと地獄に帰れよ」

閣下「――うむ、それは勿論そうさせて貰うが、その前に、一つだけ仕事が残っているのである」

ウェイバー「まだ何かあるのかよ」

閣下「ああ、何度も言うが吾輩は悪魔教教祖であるからな」

ウェイバー「この期に及んで布教する相手がどこにいるんだよ」

閣下「お前だ、ウェイバー・ベルベットよ」

ウェイバー「……な」

閣下「ウェイバー・ベルベットよ、お前に聖飢魔?Uの準構成員、ウェイバー宣教師の名を授ける」

閣下「吾輩は必ずや、聖飢魔?Uを率いてこの地球を征服しに来る」

閣下「お前は悪魔教の宣教師として、我らが来るまでに一人でも多くの人間を信者として洗脳しておくのだ」

閣下「聖飢魔?Uの地上デビュー初黒ミサの成功は貴様の腕にかかっている、心して励めよ」



222:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/31(日) 00:59:00.26 ID:vBsl+4Jf0

ウェイバー「――いい、のか」

ウェイバー「僕なんかが、本当に、いいのか」

閣下「お前は、この地上で行われた吾輩の悪魔的活動を全て見ていた唯一の人間である」

閣下「胸を張れ、ウェイバー宣教師よ」

ウェイバー「――見てろよ」

ウェイバー「お前らが地上に来た時、もう洗脳する人間なんて一人も残ってないんだからな――!」

閣下「フハハハ!楽しみにしておこう!」

閣下「では、最後に、この地上にいる全ての者達に吾輩からのプレゼントである!!」






         『BRAND NEW SONG』





閣下「フハハハハハハ!では人類諸君、楽しい時間をありがとう!また逢おう!」



224:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/31(日) 01:01:27.41 ID:vBsl+4Jf0

――――恐怖のEpilogue ~side hell~



閣下「今戻ったのである~」

殿下「おお、デーモン、遅かったではないか」

閣下「もう疲れたのである~、殿下、相撲中継の録画はちゃんとしてくれただろうな?」

殿下「何のことだ?」

閣下「」

?「ハッハッハ、お前達は変わらんなあ」

殿下「来ていたのか、ゼルレッチ」

ゼルレッチ「ああ、私の頼み事をデーモンが完遂させたと聞いてな、顔を出しに来たのだ」

閣下「悪魔の城に単身で忍びこむ人間など、貴様か赤髪娘くらいだろう」

閣下「というか、貴様が黒幕だったのか」

ゼルレッチ「ああ、聖杯が汚れるのも街が一つなくなるのも気にせんが、それで私の名が汚れるのは腹立たしかったのでな」



225:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/31(日) 01:02:59.77 ID:vBsl+4Jf0

閣下「だったら貴様が自分で行けばよかったではないか」

ゼルレッチ「アレへの興味は大聖杯敷設儀式で既に失せている」

閣下「悪魔を使い魔代わりとは、偉くなったものだな」

閣下「そう言えば、真祖の娘はどうしている?」

ゼルレッチ「ああ、彼女なら、今は目覚めてその生を謳歌している、ちょうど君がいたあの世界でね」

閣下「呑気なものだ、かつて暴走した時には地獄の悪魔が総出で宥めたのが昨日のようである」

ゼルレッチ「だが、内心ホッとしているんじゃないか?君は彼女のことを昔から気にかけていたからね」

閣下「ふん、吸血鬼なんて下級種族に興味など無い」

ゼルレッチ「それで、どうだったね、私の故郷は」

閣下「悪くはなかったのである、アレならば、吾輩が自ら征服してやっても構わん、フハハハ!」

ゼルレッチ「そうか、ならよかった」



226:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/31(日) 01:03:30.11 ID:vBsl+4Jf0

ゼルレッチ「では、久しぶりに顔を出すとするか」

閣下「行くのなら早くした方がいいぞ?」

ゼルレッチ「おや、どうしてだ?」

閣下「あそこは既に、聖飢魔?Uによる征服活動が行われているのである」

閣下「優秀な我が友が、悪魔教を広めているのだ!フハハハ!」

ゼルレッチ「なら、確かに急いだほうが良さそうだ」

閣下「なあ、ウェイバーよ」

閣下「我らは共に辿り着くのだ――夢にまで見た、黄金郷に」



228:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/31(日) 01:04:20.93 ID:vBsl+4Jf0

――――――――恐怖のEpilogue ~side earth~




ロード・エルメロイ?U世「なあ、君、ちょっといいかな」

事務員「は、はいっ、何でしょう!?」

ロード・エルメロイ?U世「来週から一週間ほど黒魔術の講義を休講したいんだが……」

事務員「かしこまりましたっ!……な、何かご用事が?」

ロード・エルメロイ?U世「……そうだとして、君に関係あるのか?」

事務員「い、いえ、すみません!!」

ロード・エルメロイ?U世「……古い知り合いが日本で音楽家としてデビューするそうでね、久しぶりに会ってくるんだ」

ロード・エルメロイ?U世「あの馬鹿、やるならこっちでやれってんだ、何だってわざわざ日本なんかに行かなきゃいけないんだ!」

事務員「は、はあ……」

ロード・エルメロイ?U世「そうだ、せっかくだし彼らの教典をあげよう、君も聞いてみるといい」



229:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/31(日) 01:06:21.18 ID:vBsl+4Jf0

事務員「ありがとうございます……?でも、私、CDなんて再生するもの持ってないので……」

ロード・エルメロイ?U世「……これだから時代遅れの魔術師共は」

事務員「ヒィッ!すすす、すみませんすみません!!」

ロード・エルメロイ?U世「時計塔の事務室宛に再生機器一式を一緒に送っておくから、聞くといい」

事務員「ど、どうも……でも、ロードも音楽なんて聞かれるんですね、どんな人達なんですか?」

ロード・エルメロイ?U世「僕が音楽を聞くことに何か問題でもあるのか?」

事務員「ヒィッ!ない!ないです!」

ロード・エルメロイ?U世「……これが彼らの写真だ、先日送られてきた」

事務員「へ、へえ~」(な、何これ、メイク……?)

ロード・エルメロイ?U世「あと、先ほどの君の発言を訂正しておこう」

事務員「ななな、何か不備がありましたでしょうか!?」

ロード・エルメロイ?U世「ああ、重要な問題だ、彼らは人間ではない」

ロード・エルメロイ?U世「――悪魔である」


――完――
Say Banzai to His Majesty Damian Hamada!



232:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/31(日) 01:08:19.92 ID:vBsl+4Jf0

以上で終了です

保守、支援ありがとうございました
読んでくれた人もありがとう

最後に、出てきた曲のurlだけ

BRAND NEW SONG



SATAN ALL STERSの動画





ダミアン浜田陛下万歳!



235:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/31(日) 01:10:07.30 ID:LJLw+WTwO


最初から見てたが面白かったぜ



236:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/31(日) 01:10:16.19 ID:w5/Aw0E60

乙乙
やはり閣下は最強であったか



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コメント一覧
33225. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2013/04/12(金) 16:54 ▼このコメントに返信する
まとめ乙。
>閣下「人というのは幸福にさえ滅ぼされる生き物なのだな」
シーンと相まって名言だわ。
最大級の評価を。
……イリヤに閣下が召喚されたのか、アルクと閣下の力関係がどうなのかが気になる。
45384. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2015/03/29(日) 22:41 ▼このコメントに返信する
この愛しか感じないSSが良いんだよ
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