キャス狐「冬木の聖杯ですってよ、御主人様!」

2012-04-28 (土) 20:21  Fate SS   3コメント  
まとめ依頼よりまとめさせていただきました。ありがとうございます。

22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/10(火) 22:58:11.77 ID:WDTDoEOWo

キャス狐「御主人様!起きてくださいってば御主人様!」

白野「ん――んん――」

キャス狐「御主人様――ゴクリ。起きませんかー?起きませんよねー。右よーし、左よーし。それでは」

キャス狐「ご主人様をいただきます☆」

白野「って何をしてるかこの駄狐はーー!!」

キャス狐「いやん!またもや逃げられた?つーか今度はグーで殴られたぁん」

白野「ムーンセルの中でくらい大人しくしてよ――ってこれ土―地面?」

キャス狐「御主人様、御主人様」クイクイ

白野「何だよ、裾引っ張るなって」


eval.gifフェイト/エクストラ ビジュアルファンブック




23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/10(火) 22:58:48.77 ID:WDTDoEOWo

キャス狐「上見てください、気づきませんか?あ・れ」

白野「どうしたのさ空何か指―さし―て?え―嘘――だろ――どうして」

キャス狐「私もセラフを問い詰めようとしたんですけどねー、あんの無機質うんともすんとも言いやがりません」

白野「だって――あれって――月?」

キャス狐「そうです月です。どうやら私たち地球に来ちゃったみたいですねー、御主人様?」

白野「いや、ちょっと待って。俺とタマモは――」

キャス狐「シッ!ごめんなさい御主人様。真名で呼んでいただけるのは
     すごーくありがたいんですけど、この場ではいつも通りキャスターでお願いします☆」

白野「っ――わかった」



24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/10(火) 22:59:29.16 ID:WDTDoEOWo

キャス狐「いやーん、話がわかるぅ!さすが私の御主人様ん☆」

白野「ところでここは?見たところお寺みたいだけど――」

キャス狐「そんなことよりぃ、月夜のデートとか行ってみませんか?っていやん、私ったら大胆☆」

白野「そうだね、わかった。とりあえずここから出よう

キャス狐「キャー!!御主人様からデートに誘われちゃったー!」

キャス狐「ささっ、そうと決まれば善は急げ。こんな辛気臭い場所とっとと出ちゃいましょ!」

白野「ちょっと、あんまり引っ張るなって」

キャス狐「こっちですよこっちー!」



25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/10(火) 23:00:24.52 ID:WDTDoEOWo

白野「ちょ、ちょっと階段は危ない。もうちょっとゆっくり降りさせてくれ」

キャス狐「だってぇん、御主人様と月夜の散歩でぇ、あんなことやぁ、こんなことぉ」

キャス狐「したかったんですもん☆」

白野「イラッ」

キャス狐「ああー!御主人様今、こいつって面倒臭い女だぜー。とか思ってますね?」

白野「ははは、何を今更、そんなの昔から思ってますよキャスターサン」

キャス狐「がーん!およよよ、やっぱり私は都合のいい女――最後には毛皮にされちゃうんですねぇ」

白野「フゥ―それよりも、さっきの場所に長くいたくない理由って?」

キャス狐「気付かれていたんですね!?さっすが私の愛すべき旦那様ですぅ!」



26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/10(火) 23:01:10.95 ID:WDTDoEOWo

白野「あの聖杯戦争を生き残ったんだ。キャスターの考えていることはそれなりにわかるよ」

キャス狐「キャー!!御主人様からの俺の嫁宣言第2弾!これもマイリス確定ですぅ!」

キャス狐「まぁ、そのへんのことも歩きながら話していきましょう。
     今はこの場から少しでも離れるのことが先決です」

白野「そうだね。このお寺は何か嫌な感じがする」



27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/10(火) 23:01:47.82 ID:WDTDoEOWo

サスガゴシュジンサマー
      アンマリヒッパルナッテ

???「ふむ、半妖のサーヴァントとそのマスター――か。あの女狐も中々面白いものを召喚する」

???「ちょっとアサシン!今ここをサーヴァントが通らなかった?」

???「おや、キャスターではないか。こんな夜分に何用か?」

???「白々しいわね。何故逃がした?私はお前に門の守りを命じたはずだけど?」

???「俺が命じられたのは、この門を入ろうとする輩の迎撃。出て行く奴のことなど知らぬわ」

???「っ、この、減らず口を――。ハァまぁいい。取り敢えず当初の目的は達成したわ。
    あとのことは追追考えましょう」



28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/10(火) 23:02:46.43 ID:WDTDoEOWo

キャス狐「ふぅ、ここまでくれば一先ずは安心でしょう」

白野「なぁ、それでここは一体どこなんだよ?」

キャス狐「ごめんなさい御主人様、それは私にもわかりません」

白野「そっか。いやいいんだ」

キャス狐「ただ―」

白野「ただ?」

キャス狐「この街の到る所でサーヴァントの気配がします。恐らくはここでも――」

白野「聖杯戦争が―行われてる?」

キャス狐「コクリ」

白野「一体どうなってるんだ?俺達は月でトワイスを倒し聖杯を勝ち取った」

キャス狐「そして私と御主人様はムーンセルに侵入し願いをインプットしデリートを待つ身となった」

白野「そこまでは覚えている。だが気が付くと地上で痴女のサーヴァントに寝込みを襲われた」

キャス狐「イヤン」



29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/10(火) 23:03:59.92 ID:WDTDoEOWo

白野「ここが何処とか、西暦何年とか、俺とキャスターの身体とか――分からないことだらけだ」

キャス狐「御主人様――」

白野「だけど――俺は一人じゃない。キャスターが一緒にいてくれてよかった」

キャス狐「はいっ!一緒に月の戻る手段を考えましょうね、御主人様!」

キャス狐「でも――月に戻るって何だかかぐや姫みたいでドキドキしますねぇ」


白野「それよりも衣食住だ――肉体があるって事はその辺のことも考えて行動しないと」

キャス狐「セラフがぱぱっとマイルームを用意してくれればいいんですけどねぇ」

白野「まさかこんな形でセラフの便利さを実感することになるなんて――」

キャス狐「まずは私と御主人様の愛の巣を――っ!?」

白野「どうしたキャスター?」

キャス狐「まだハッキリとはわかりませんが、サーヴァントの気配が2つ。恐らく戦闘中ですね」

キャス狐「距離はここからそんなに離れていないみたいですねぇ、どうします?」

白野「何か情報が得られるかもしれない、行ってみよう!」

キャス狐「はい!」



30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/10(火) 23:04:56.87 ID:WDTDoEOWo

へっ、弓兵風情が剣士の真似事か!?
              ふっ、それはどうかな?
しゃらくせぇ!!

キャス狐「ここですよ御主人様。大きなお屋敷ですねぇ」

白野「本当だ、ということはここは日本―ん?―あれは――遠坂!?そんな――」


キャス狐「ちょっとちょっと御主人様、あの女と敵対しているサーヴァントも見てください」

白野「あれは確かランサー。遠坂のサーヴァントの筈なのにどうして?」

ランサー「おい、いつまで覗き見してるつもりだ?えぇ!!」

白野「しまった!?」


キャス狐「さすが犬ですね。嗅覚が自慢なだけのことはあります。
     ところで御主人様、聖杯戦争で犬なんてクラスありましたっけ?」

ランサー「てめぇ、聞こえてんぞ!!いきなり出てきて挑発たぁ余裕だな」

キャス狐「べっつにー、事実を言ったまでですし」

ランサー「いい度胸してるじゃねぇか。魔術師如きが俺に勝てるとでも思ってんのか?」



31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/10(火) 23:06:06.23 ID:WDTDoEOWo

キャス狐「まぁ少なくとも開始早々マスターを裏切る忠義も節操も無い犬!に負けるとは思いませんけど?

ランサー「っ!?お前――何を知ってやがる?」

キャス狐「敵であるあなたに教えることなど何一つありませんが、強いて言うなら色色とでも言っておきましょうか」

ランサー「ちっ、了解だマスター。命拾いしたな狐女。今日のところは見逃してやる」


キャス狐「知ってますか、そのセリフ吐くキャラって大体負け犬なんですよ?」

キャス狐「やっぱり根っから負け犬根性が染み込んでるお方は違いますねぇ」

キャス狐「伊達に見ているだけでネガティブになりそうな青タイツを着ているだけのことはあると言いましょうか」

ランサー「殺す!次あったときはその小僧共共殺してやるからな!!」


白野「消えた?」

キャス狐「ふぅ、とりあえず片方は何とかなったみたいですねぇ御主人様」

遠坂「ちょっと貴方達!何てことしてくれたの?おかげで私の計画が台無しじゃない!!」

白野「ち、違うんだ遠坂、これには事情が――」

遠坂「え――なんであなた私の名前知ってるのよ?」



32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/10(火) 23:06:56.11 ID:WDTDoEOWo

???「凛、それどころではない。最悪の状況だ」

遠坂「ちょっとアーチャー黙ってて!何よ最悪の状況――て?」


      ???「問おう。貴方が私のマスターか?」


アーチャー「衛宮士郎がサーヴァントを召喚した」


遠坂「――で?何で私達は衛宮君の家で仲良くお茶を飲んでいるわけ?」

衛宮「仕方ないだろう。いきなりこんな状況になって混乱してるんだ。少しくらい整理させてくれ」

遠坂「まぁ、百歩譲って私は良いとしましょう。何であいつまでここにいるのよ!?」

キャス狐「ずいぶん嫌われちゃいましたねぇ御主人様?」


遠坂「そりゃ嫌うわよ!初対面の男子にいきなり名前呼ばれるとか普通じゃないわよ!貴女もしかしてストーカーか何か?」

キャス狐「はいストップ。これ以上私の旦那様を愚弄するような言葉を言おうものならこの場で呪殺しますよ、小娘?」

遠坂「ばっ、だっ、旦那様ぁ!?サーヴァントが?人間の!?え、ちょ、おもが!」



33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/10(火) 23:07:32.23 ID:WDTDoEOWo

アーチャー「少し落ち着け凛。遠坂家の家訓は常に優雅たれではなかったのか?」

凛「もがもがももが!!んーーんーーー!!ぷはっ!苦しいわよ!」

白野「キャスターもだ。俺達は情報を殆ど持ってないんだ。安易な挑発はやめてくれ」

キャス狐「すいません、御主人様」


アーチャー「うちのマスターが失礼した。話を続けてくれ」

アーチャー「彼はともかく先程から呆けているそこの愚鈍な男は何もわかっていないようだからね」

衛宮「おい、それって俺のことか?」

アーチャー「ふっ、そう聞こえたなら訂正しよう。そこの成り行きでこの戦争に参加した正義の味方などという妄念に囚われた愚かな男と」


衛宮「っ!お前!!」

遠坂「こらアーチャー。あなたまで何熱くなってるのよ」

遠坂「ふぅ――私だけじゃこの状況は如何ともし難いわ。とりあえず協会に行きましょう」

白野「協会?」



34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/10(火) 23:10:13.39 ID:WDTDoEOWo

遠坂「何あなた、マスターのくせに協会もしらないの?いいわ、付いてきなさい。説明するより見せた方が話は早いわ」

遠坂「ほら衛宮君も行くわよ!さっさと準備する」

  協会

遠坂「邪魔するわよ綺礼」

言峰「おや凛ではないか。まさ遠家の長女ともあろう者が序盤で脱落するとは――時臣氏が知ったらさぞや悲しむであろう」


遠坂「うるっさいわね!私が脱落するわけないじゃない!だからここには来たくなかったのよ」

言峰「ふむ、ではなぜこの教会に?マスターが監督役と不用意に接するのはルール違反だと知らない君ではあるまい」

遠坂「用があるのは私じゃないわよ。後ろの冴えない男二人組み」


言峰「ほう、彼らは?」

遠坂「片方は成り行きでマスターになっちゃった衛宮君、もう一人はあーうん、まぁ似たようなものよ」

白野「フランシスコ・ザビ!!じゃなくて岸波白野です」

言峰「衛宮――そうか、君が」



35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/10(火) 23:11:08.03 ID:WDTDoEOWo

言峰「喜べ少年。君の願いは、ようやく叶う」

衛宮「――何がだ?」

言峰「正義の味方には―――

キャス狐「だーー!!うっさいっつーの!さっきからぐだぐだぐだぐだ、ちゃっちゃとシステムだけ説明してください」


キャス狐「こちとらさっさと帰って御主人様との甘い新婚生活を謳歌したいんじゃ、われー!」

白野「あ、おいキャスター!」

言峰「ほう、彼女がザビエル君のサーヴァントか。どうやらキャスターのクラスらしいがおかしいな」

キャス狐「何がですか?私からしたらその陰鬱な表情のほうがおかしいっつーの。瞳に光りいれてから出直して来いってんです」


言峰「すでにキャスターの存在は確認されている」

遠坂「何ですって――それじゃあ彼女は」

言峰「イレギュラークラス否そう決め付けるのは早計か。まぁいいそれは追々調べていくとしよう」

言峰「今日のところは聖杯のシステムを説明するだけに留めておこう。これ以上長引くと彼のサーヴァントに何をされるかわからないのでね」



36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/10(火) 23:11:41.99 ID:WDTDoEOWo

言峰「というわけだ。また何かあったら来るといい。教会は君達を手厚く歓迎しよう」

衛宮「くそ、こんなの間違ってる」

遠坂「受け止めなさい。これが現実よ。岸波君を見てみなさい。ちゃんと受け止めてるわよ」

衛宮「岸波って言ったよな?お前はこの聖杯戦争のことどう思ってるんだ?」


白野「うん――衛宮みたいに成り行きでなったならともかく、他のマスターは確固とした信念の下参加しているんだろ?なら俺達にそれを止める権利は無い」

衛宮「そうか、でも――」

???「こんばんはお兄ちゃん」

白野「アリス!?」

遠坂「誰よ!?彼女はアインツベルン、マスターの一人よ」


セイバー「イリヤスフィール!何故貴女がここに!?」

イリヤ「あらセイバー久しぶりね。ふーん、あなたが士郎のサーヴァントなんだ」

イリヤ「いいわ、やっちゃえバーサーカー!切継に関わるものは全部壊しちゃえ!!」

バーサーカー「ー■■■■■■ー」



37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/10(火) 23:12:36.86 ID:WDTDoEOWo

セイバー「待ってください、イリヤスフィール!どうしたというのですか?」

衛宮「危ない、セイバー避けろ!」

ーガキンー

イリヤ「嘘、バーサーカーの刀を受け止めるなんて」

キャス狐「私を傷つけようなんて100年早いですよ」


遠坂「キャスターがバーサーカーの刀を受け止めた?嘘でしょ?」

アーチャー「凛!これはチャンスだ。キャスターが足止めしてる間にあの狂戦士を叩く!」

キャス狐「御主人様!」

白野「わかってる!奴を燃やせ、キャスター!!」


キャス狐「炎天よ―奔れ!」

バーサーカー「-■■■■■ー」

白野「効いてない!?くっ、キャスター!!」

キャス狐「回避が間に合わない――!?」



38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/10(火) 23:13:15.36 ID:WDTDoEOWo

アーチャー「貫け―カラドボルグ!!」
      ドシュッ
バーサーカー「-■■■■■ー」

イリヤ「何してるのバーサーカー?こんな奴らとっとと片付けちゃいなさい!」

バーサーカー「-■■■■■ー」

遠坂「嘘でしょ?あのバーサーカー不死身なの?」


キャス狐「さすがにあの筋肉だるまと真正面から戦うのは馬鹿らしいですね。手っ取り早くマスターからしとめますか?」

セイバー「待ってください!イリヤスフィールはこのようなことをする方ではありません。まずは話し合いを」

衛宮「俺もセイバーに賛成だ!イリヤ、どうしても戦わなくちゃいけないのか?」


イリヤ「戦う?違うよ、これは一方的な殺戮なの。あなたたちに拒否権は無いわ」

白野「キャスター!!」

キャス狐「了解です御主人様!ほぅら、氷像の出来上がりですよ」

アーチャー「ブロークン・ファンタズム!!」

遠坂「皆、とりあえずこの場は撤退するわよ!」



39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/10(火) 23:13:58.67 ID:WDTDoEOWo

イリヤ「あーあ、逃げられちゃった。バーサーカーも3回殺されちゃったし。いいわ、今日のところは引いてあげる。バイバイお兄ちゃん」

???「な、なんだよあれ!あんな化け物に勝てるわけないじゃないか!そ、そうだ衛宮とチームを組めばいいんだ」

???「衛宮の奴僕だけ仲間外れにするなんてずるいじゃないか!待ってろよ」


衛宮邸

白野「はぁ、はぁ、はぁ、なんとか、逃げ切れたか」

遠坂「こんの馬鹿衛宮!!あんた何考えてんのよ!!」

衛宮「なんでさ?だっておかしいだろ、あんな小さい女の子が戦うなんて」

遠坂「いい?これは戦争なの。参加した以上大人も子供も関係ないわよ」


???「はーっはっはー!面白そうなことしてるじゃないか衛宮ぁ」

キャス狐「みこーん!?御主人様、ワカメが現れましたよ!」

白野「慎二!?」

慎二「誰だ君たちは?僕は君のような影の薄い人間を知り合いに持った覚えはないね」

キャス狐「あはははー、こいつ海に沈めてやろうかなー」



40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/10(火) 23:14:56.62 ID:WDTDoEOWo

慎二「ひっ!な、なんだよ止めろよ!僕は話し合いに来んだ」

衛宮「話し合いって、どういうことだよ慎二?」

慎二「実はさぁ、僕もこの聖杯戦争に参加してるんだよね」

衛宮・白野「!?」

遠坂「へぇ、そう。あなたが。意外ね」


慎二「それで提案なんだけどさ。暫くは力を合わせないか?だってさっきみたいな化け物に一人で挑むとか馬鹿みたいじゃないか」

遠坂「私は反対よ。彼都合が悪くなったら絶対裏切るもの」

慎二「ちっ――そそそそんなわけないじゃないか。僕は友達同士で殺し合うなんておかしいと思って――」

白野「俺はその提案乗るよ」

衛宮・遠坂・慎二「!?」


慎二「へぇ、影が薄い君にしては懸命じゃないか、えぇっと――」

白野「岸波白野だよ。間桐慎二」

遠坂「あんた―彼がどういう男か尻もしないくせに何勝手なこと言ってるのよ!?」

白野「大丈夫だよ遠坂。彼は絶対に裏切らない。俺がそうさせない」

遠坂「――あんた一体何者なの?」



41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/10(火) 23:15:34.84 ID:WDTDoEOWo

遠坂「私の名前知ってたり、間桐君の名前知ってたり。最初は聖杯戦争に参加するにあたって事前に調べたのかと思ったけどそうじゃないみたいだし」

遠坂「かと思えばサーヴァントの扱いに慣れてたり―あなた―怪しすぎるわよ?」

白野「――ごめん!俺実は記憶喪失で、よく覚えてないんだ」

遠坂「は?あなたねぇ、そんな都合良く――ハァもういいわ。話すだけ無駄な気がしてきた」


慎二「白野は僕と組むみたいだけど衛宮と遠坂はどうするのさ?早く決めてよね!」

衛宮「ハァ白野が組むなら俺も組むよ。俺だって友だちと殺し合いなんてしたくない」

遠坂「あぁぁああもう!本当にお人好しなんだから!わかったわよ!私も組むわ。ただし、少しでも怪しい動きしたら容赦しないからね」

衛宮「ありがとう、遠坂」

遠坂「うるさい!!」


慎二「じゃあ僕はもう家に帰るよ。明日来るからあの化け物を倒す作戦考えてよね!」

衛宮「ああ、わかったよ。気を付けて帰れよ」

白野「慎二!俺も行くよ、俺も家に帰りたいから」

遠坂「あんた変える家あんの?記憶喪失って言ってたじゃない!」

白野「あ――」



42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/10(火) 23:17:17.19 ID:WDTDoEOWo

遠坂「ハァんなことだろうと思ったわよ。もし帰る家が無いなら衛宮君家使いなさい」

衛宮「え?」

遠坂「彼記憶喪失なのよ、可哀想じゃなぁい衛宮君?それに同じ仲間なんだし一緒にいたほうがいいわよ」

衛宮「それもそうだな。岸波、お前さえよければ俺の家の空いてる部屋使ってくれよ」


白野「ありがとう。お言葉に甘えるとするよ。でも慎二が心配だからそこまで送っていく」

慎二「おい、白野はやくしろよ!僕待たせるとか何様のつもりなんですかー?」

白野「じゃあまたあとで」

遠坂「それじゃあ私も帰るわ。また明日ね衛宮君」



1: ◆cABJvGmFjs:2012/01/10(火) 20:55:26.10 ID:UB6oJeByo

間桐邸

慎二「着いたよ、ここが僕の家だ。てゆーかさ、何で僕についてきたの?」

白野「いや、慎二が心配だったから――」

慎二「はぁ!?バカにしてんの?何で僕がお前に心配されなきゃならないわけ?」

慎二「僕のサーヴァントはお前のその変な耳したサーヴァントの何倍も強いんですけど」

キャス狐「ご主人様~、もう殺っちゃいましょ?このワカメ根元から引きちぎっちゃいましょ?」チャキ

白野「キャスター、目が笑ってないよ。それと鏡しまって」

慎二「ひっ――ととととにかく!お前に心配される理由なんて一つもないの」

白野「そうか。それは申し訳ないことをした」

慎二「ふん、まぁ身の程を弁えてるみたいだし、今回は特別に許してやるよ」



2: ◆cABJvGmFjs:2012/01/10(火) 20:56:14.41 ID:UB6oJeByo

白野「それよりさ慎二のサーヴァントってどんなやつなんだ?これから一緒に戦うんだしみせてくれないか」

慎二「しょうがないな、特別だぞ。ほらついて来いよ」

白野「・・・?何で家に入ろうとしているんだ?」

慎二「はぁ?お前やっぱりバカぁ?外でサーヴァント出して誰かに見られたらどうするんですか?」

慎二「家に上げてやるから早く入ってこいって言ってるんだよ僕は」

白野「ああ、そういうことか。お邪魔します」

慎二「そこの扉開けるとリビングだから、そこで待ってろよ」

白野「慎二は、どうするの?」

慎二「お茶の用意をするんだよ!いくら影が薄くたっていることに違いはないんだからね」

慎二「まぁ間桐家のもてなしを受けるんだ。身に余る光栄と思えよ!アハハハハハ」



3: ◆cABJvGmFjs:2012/01/10(火) 20:56:45.65 ID:UB6oJeByo

キャス狐「あのワカメ何だか楽しそうですね、ご主人様」

白野「この慎二もやっぱり根は悪い奴じゃないみたいだな――失礼しまーす」ガチャリ

白野「へぇ、外観も豪華だったけど、リビングもしっかりしてるんだな」キョロキョロ

キャス狐「げっ!そこに飾ってあるのって狐の毛皮じゃないですか!?」

キャス狐「うわー、あたし信じられなーい。ここの主はどういうセンスしてるんですかね?」

白野「こらキャスター。人の家なんだから大人しくしてないと」

ウルサイヨ!

白野「ほら怒られちゃったじゃないか」

ナンダヨソノメハ!オマエボクニハムカウツモリカ!

キャス狐「これ私たちに対して言ったわけじゃないみたいですよ」



4: ◆cABJvGmFjs:2012/01/10(火) 20:57:18.69 ID:UB6oJeByo

コノグズ!ノロマ!

白野「何だか様子がおかしいな。ちょっと見てくる!」

キャス狐「ああんご主人様、あたしも行きますー」

慎二「お前今日の朝も衛宮ん家行ったんだってなぁ?どうして僕の言うことが聞けないんだお前は!」

桜「ごめんなさい兄さん。でも――」

慎二「でもじゃないんだよ!このっ、このっ!」ガスッ、ゴスッ

白野「どうしたんだ慎二!?」

慎二「ん?ああ、そういえば君を待たせていたんだったね、忘れていたよ」

白野「桜!?慎二、お前桜に何してたんだ?」

慎二「あれ?桜、お前白野と知り合いだったわけ?」

桜「いえ、初対面だと――思います」



5: ◆cABJvGmFjs:2012/01/10(火) 20:58:17.34 ID:UB6oJeByo

慎二「イラッ 思いますって何だよ!?会ったことがあるのか無いのかハッキリしろよな!!」ガスッ

桜「ごめんなさい、ごめんなさい兄さん。蹴らないで」

白野「おい、慎二止めろよ。謝ってるじゃないか」ガシッ

慎二「何だよ、お前また僕に意見するつもり?これは僕と妹の問題だ、部外者は大人しくしてろよ!」

白野「そうはいかない。見てしまった以上放っておけないよ、とにかく落ち着いてくれ」

慎二「はっ!正義の味方のつもり?無理に背伸びしちゃって、無様だねぇ」

慎二「いいよ、お前の滑稽さに免じてやめてやるよ。桜!リビングにいるからお茶の用意しとけよ」

白野「おい慎二!って行っちゃったか。桜、大丈夫かい?」



6: ◆cABJvGmFjs:2012/01/10(火) 20:59:17.80 ID:UB6oJeByo

桜「あの、はい。ありがとうございます」フカブカ

白野「おっぱい――」

桜「え?」

白野「あ、いや、何でもない。それよりもどうして慎二は君にあんな酷い仕打ちを?」

マズハキンテキ!

桜「たぶん、私がここの家の本当の子供じゃないから――」

ツギモキンテキ!

白野「え、それって――」

コレガトドメノキンテキダー!

桜「あ、違うんです、忘れてください。初対面の方に私なんてことを――」

フゥ、イイアセカキマシタ



7: ◆cABJvGmFjs:2012/01/10(火) 20:59:52.60 ID:UB6oJeByo

白野「いや、いいんだ。それよりもその話詳しく聞かせてくれないかな?」

桜「そんな、でも――」

キャス狐「みこーん!そうですよご主人様!乙女の秘密を聞くなんてデリカシーに欠けますぅ」

白野「いや、そういうわけじゃないんだ。ただ少しでも力になれればと思って」

オイ、サクラァ!ヒトヲマタセルトカアリエナインデスケドォ!

桜「っ!?いけないお茶の準備しなくちゃ。えっと――」

白野「岸波白野。白野でいいよ」



8: ◆cABJvGmFjs:2012/01/10(火) 21:00:53.72 ID:UB6oJeByo

桜「白野さんも先に行っててください。兄さんあんまり待たせると怒るから」

白野「わかった。いきなり変なこと言ってごめんね」タッタッタ

アレ!?リビングハドコ!?シンジー!

桜「あの人も聖杯戦争の参加者。私から先輩を奪う人」ギリッ



9: ◆cABJvGmFjs:2012/01/10(火) 21:03:51.84 ID:UB6oJeByo

白野「ごめん慎二、迷った」ガチャリ

慎二「はぁ?こんな狭い家で迷うなよ。まぁお前見たところ貧乏人みたいだし、仕方ないんじゃない」ケラケラケラ

キャス狐「このわかめはいちいち人を貶さないと喋れないんですかね?」ボソッ

慎二「そういえばお前僕のサーヴァント見たいんだろ。おいライダー!」

     シューン

ライダー「お呼びですかマスター?」

白野「おっぱい!?」

ライダー「はい?」

白野「いや続けてください」



10: ◆cABJvGmFjs:2012/01/10(火) 21:04:28.35 ID:UB6oJeByo

慎二「話は聞いていただろ?僕はこいつらと同盟を組むことにしたから」

ライダー「わかりました。初めまして、私ライダーのクラスで現界したメドゥーサと申します」

白野・慎二「!?」

慎二「ばっ、お前何勝手に真名話しちゃってるわけ!?」

ライダー「いえ、同盟を組む相手に真名を名乗らないのは失礼かと思いまして」

慎二「ふざけるなよライダー!もしこいつらが裏切ったら僕がまっ先にやられるじゃないか!?」

ライダー「ご安心ください。あなたのサーヴァントは他の誰にも劣ることはありません」

慎二「ちっ、わかったよ。白野ぉ!絶対誰にも言うんじゃないぞ、わかったな!」

白野「ああ、わかった約束する。それと――俺は絶対お前を裏切らないよ」

慎二「はっ!どうだかねぇ。まっ、お前みたいな鈍そうな奴が裏切るとも思えないけどね」



11: ◆cABJvGmFjs:2012/01/10(火) 21:05:16.62 ID:UB6oJeByo

コンコン

桜「失礼します、お茶が入りました」ガチャリ

慎二「遅いぞ桜!!いったい今まで何していたわけぇ?」

桜「ごめんなさい兄さん!お爺様のお手伝いをしてたから――」

慎二「ちっ、そこに置いてさっさと出てけよ!」

桜「はい、失礼しました」

慎二「本当出来の悪い妹持つと兄の僕が迷惑するんだよね」

白野「なぁ慎二。どうしてお前は妹である桜にあそこまで強く当たるんだ?」

慎二「は?そりゃ出来の悪い妹を躾るのは兄である僕の役目だからさ」



49: ◆cABJvGmFjs:2012/01/11(水) 15:51:08.45 ID:w6nAXAh7o

白野「本当にそうか?」

慎二「はぁ?」

白野「何だか桜と接するときのお前は――うまく言えないんだけど怯えてた――気がする」

慎二「っ!?」

ライダー「ピクッ」

白野「本当の理由を教えて欲しい。慎二が桜に冷たくあたる理由を」

慎二「はっ!何でお前にそんなことまで教えなきゃならないわけ?部外者はすっこんでろよ!」

白野「桜が――本当の妹じゃないからか?」

慎二「っ!?くそ、桜め余計なことを」



50: ◆cABJvGmFjs:2012/01/11(水) 15:51:42.24 ID:w6nAXAh7o

白野「血の繋がりだけが家族じゃないだろ?そんなことくらいで――」

慎二「お前に僕の何がわかるって言うんだよ!!」ドンッ

白野「ビクッ」

慎二「ああ、そうだよ。あいつは僕の本当の妹じゃないからね、だから躾ているんだ」

白野「だからどうしてそれくらいのこと――」

慎二「その血の繋がってない人間が間桐の次期当主だと知った時の僕の惨めさがわかるか!?」

白野「!?」

慎二「いきなり遠坂の家から来てちょっと僕より魔術の才能があるからってだけで次期当主だとさ!」

白野「!?桜は元々は遠坂家の人間だったのか?」



51: ◆cABJvGmFjs:2012/01/11(水) 15:52:08.55 ID:w6nAXAh7o

慎二「ああ、そうだよ。まぁ、僕だって最初は同情したさ。いきなり連れてこられて間桐家の魔術を擦込まれるんだ」

慎二「あんなおぞましいこと僕だってやりたくないからね」

慎二「だから僕が当主になったら桜を少しは楽にしてやろうと思ってた」

慎二「僕がこの家の次期当主なんだと疑わなかった、確信してた。だからあらゆる英才教育も我慢してやったさ」

慎二「なのに――いざ蓋を開けてみたらそこに僕の名前は無く変わりに桜の名前があった」

慎二「ふざけるなよ!?じゃあ僕はなんのために英才教育を受けてきたんだ?これじゃあ単なる道化じゃないか!」

慎二「だから身の程を教えてやってるのさ。桜みたいな人間に間桐家の当主が勤まるわけないからね」

白野「どうしてだよ?なら尚更お前が味方になってやるしかないのに」

慎二「もう遅いんだよ!あいつが当主になったら僕はあいつに復讐されるに決まってるだろ!」

白野「どうしてそうなるんだよ?桜は復讐とかそんなことする娘じゃないだろ」

慎二「お前が桜の何をしっているんだよ!?」

ライダー「桜はそのようなことをする人ではありませんよ、マスター」

慎二「お前は黙ってろよ!!」



52: ◆cABJvGmFjs:2012/01/11(水) 15:52:55.19 ID:w6nAXAh7o

白野「落ち着け慎二。なら今からでも接し方を変えればいいだけの話じゃないか」

慎二「ハンッ!なんで僕があいつに媚びるような真似しなきゃならないんだよ?それこそゴメンだね」

白野「だから何でそうなるんだよ?お前は以前、妹が欲しかったけど僕に妹はいない。って、そう言ってたじゃないか!」

慎二「!?――なんの話だよ――それ?」

白野「あ――とにかく!そんなお前が本当に桜を嫌ってるとは俺には思えないんだ」

白野「お前が桜の味方にならないで誰がこの家で桜を守ってやれるんだよ!?」

白野「兄貴だろ!それくらいのことしてみせろよ!!」

慎二「う、うう、うるさい!!何なんだよお前、さっきから僕にでかい態度取りやがって!」

白野「あ、ごめん。ただ俺には家族とかいないから、よくわからないけど、兄貴って妹を守るもんなのかなと思ってさ」

慎二「もういい、興醒めだよ。帰ってくれ、僕はもう寝る!」

白野「慎二――でも――」

慎二「帰れよ!!僕は眠いんだ!!話があるなら明日衛宮の家で聞いてやるからさっさと帰れよ!」

白野「!?――ああ、わかった。また明日」ガチャリバタン



53: ◆cABJvGmFjs:2012/01/11(水) 15:56:12.83 ID:w6nAXAh7o

慎二「ふん、わけのわからない奴だな。おい桜ぁ!」

桜「はい、何ですか兄さん」ガチャリ

慎二「僕は寝るからこれ片しておけよ」

桜「はい、わかりました」

慎二「それと!」

桜「ビクッ」

慎二「たまに――なら衛宮んとこ行くの許してやらないこともない」

桜「え?」

慎二「ハンッ!お前みたいな出来の悪い妹はたまにいないくらいが丁度良いんだよ!」

桜「クスクス」

慎二「っ、何笑ってるんだよ!たまにだからな!おやすみ!」ガチャリバタン

ライダー「良かったですね、桜」

桜「はい。兄さんがあんなこと言うなんて意外だったからびっくりしちゃった」

ライダー「彼―岸波白野の影響なのかもしれませんね」

桜「不思議な人、初めて会うのに何故かそんな気がしない」

ライダー「彼が桜に馴れ馴れしいからではないのですか?」

桜「クスクスそうかもね」



54: ◆cABJvGmFjs:2012/01/11(水) 15:57:38.69 ID:w6nAXAh7o

臓硯「桜、ちょいといいかの?」ガチャリ

桜「!?お爺様――なんでしょうか?」

臓硯「いや何また蟲蔵に入ってもらおうと思うてな」

桜「そんな!?今日の分は終わったはずじゃ――」

臓硯「ふぇふぇふぇ気が変わったんじゃよ。では蟲蔵でな――儂の可愛い孫娘よ」ガチャリバタン

桜「はい、お爺様」

ライダー「桜――」

桜「大丈夫よライダー。心配しないで」



55: ◆cABJvGmFjs:2012/01/11(水) 15:58:28.71 ID:w6nAXAh7o

   帰り道

キャス狐「ご主人様~とってもかっこよかったですぅ!」ダキッ

白野「うわっ!後ろから抱きつくなって。当ってる!当ってるって!」

キャス狐「ふふふふ当ててるんですよ。ご主人様のラセンエロチカー」ウリウリ

白野「いや意味が分からないって。いきなりどうしたのさ?」

キャス狐「私は先程のわかめに激昂するご主人様の姿に心を奪われてしまいました!」

白野「ああ、慎二の奴大丈夫かな?」

キャス狐「どうでしょうね?月に居たわかめとこのわかめは別人みたいですし、どうなるかは彼次第じゃないですか?」

白野「そうだな。別人――なんだよな」

キャス狐「ご主人様?ご主人様は月でのことを悔やんでおられるのですか?」



56: ◆cABJvGmFjs:2012/01/11(水) 16:00:33.69 ID:w6nAXAh7o

白野「いや、そんなことはないさ。あの一人しか生き残る聖杯戦争は間違ってると思うし、彼らも負けたら死ぬと分かって参加していたんだ」

白野「今更その結果を悔やむことは負けていった人たちを辱めることに他ならないと思う」

白野「でも――慎二のことは贖罪のつもりなのかな?仮初でも俺が始めて殺した友達だったから」

キャス狐「そうですか――まぁ今のところあのわかめに害は無さそうですし私は何も言いません」

キャス狐「それよりも害があるとすれば――」ギュゥ

白野「痛い!?キャスターさん?痛い痛い!首!首しまってるから!」

キャス狐「あら、どうされましたかご主人様?いやー、世の中には嫁の目の前で他の女の胸に反応する男の人がいるみたいですねー」ギュゥ

白野「ごめんなさい!ごめんなさい!悪気は無かったんです!」

キャス狐「しかも一度では飽き足らず二度も!なんか――ちょっとした天罰とか――与えたい気分です」プイッ

白野「キャスター?」



57: ◆cABJvGmFjs:2012/01/11(水) 16:02:06.81 ID:w6nAXAh7o

キャス狐「私だって、右も左もわからない状態で、いきなりこんなところに呼び出されて不安なんですよ?」

キャス狐「少しは――構ってくれてもいいじゃないですか」ボソッ

白野「キャスター――」

キャス狐「なーんて!ちょっと構ってちゃん演じてみただけです!私なんかよりも今はこの状況をどうするか考えましょう!」

白野「タマモ!!」

キャス狐「ビクッ!ご主人様?」

白野「遠慮することなんて無い。俺はお前のマスターなんだ、甘えたければ好きなだけ甘えればいい」

白野「俺にもお前が必要なんだ」ナデリナデリ

キャス狐「ご主人様――ご主人様ーー!!」ダキッ

キャス狐「タマモはタマモは嬉しゅうございます!あなたのようなマスターに出会えて幸せですぅ」フリフリ

白野「ごめんな、目の前のことでいっぱいいっぱいになっててお前のことを考えてやれなかった」ヨシヨシ

白野「さっ、取り合えず衛宮の家に戻ろう」

キャス狐「はいっ!」



58:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/11(水) 16:03:24.84 ID:QDgbNgYIO

いっぱいいっぱいでもおっぱいの事は考えられるんn



60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/11(水) 16:04:21.93 ID:jqCA905jo

>>58
だっていっぱいいっぱいじゃなくて


おっぱい!おっぱい!だもんな!



63:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/11(水) 17:04:22.28 ID:eSOGzeZho


ここでおっぱいに反応したからCCCで大きくなってたんだな
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B005LM0PP2/




64:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/11(水) 19:09:34.07 ID:WK3ioEEDO

くそ…キャス狐可愛すぎだろ…



46:名無しNIPPER:2012/01/11(水) 09:22:18.84 ID:byVzUB5DO


そう言えばキャス狐ってどっちかて言うと英霊よりも神霊の類だよな?
それをサーヴァントとして召喚してるから宝具に制限かかってたり弱体化してたんだっけ?
それとも単にセラフの再現したサーヴァントだからだっけ?



47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県):2012/01/11(水) 11:13:47.76 ID:JD85p3SHo

神霊、悪霊の類らしかったはず
本来なら毛一本で英霊ぶち殺せるとかなんとか



48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/11(水) 13:31:27.14 ID:QDgbNgYIO

九尾の狐だけど一尾しか現界してない



79: ◆cABJvGmFjs:2012/01/13(金) 22:22:48.82 ID:B1um+8rKo

--------衛宮邸---------

キャス狐「たのもー。あなたの街の良妻狐デリバリー、旦那様を連れて只今参上しました☆」

白野「こら、人の家なんだし夜も遅いんだから静かにしないと」

キャス狐「てへぺろ☆」

白野「ふぅ――にしても広いな。衛宮は何処にいるんだろう?」

キャス狐「おや?あちらの縁側で腰掛けているのは青い方のセイバーさんじゃありませんか?」

白野「本当だ。衛宮も一緒か、何してるんだ?」

キャス狐「何やら深刻な顔してますねぇ。どーにも声を掛けにくい雰囲気ですけど――どうします?」

白野「何か悩んでいるのかもしれない。声をかけてみよう」

キャス狐「にゃんと!?ご主人様って変なところで大胆なんですねぇ」

白野「衛宮ーー!」タッタッタ



80: ◆cABJvGmFjs:2012/01/13(金) 22:23:22.86 ID:B1um+8rKo

衛宮「ああ、岸波。戻ってたのか」

白野「ああ、今戻ったところだ。それより何かあったのか?深刻な顔をしていたけど――」

衛宮「いや、セイバーから前の聖杯戦争のことを聞いていたんだ」

白野「前の――ってこの地で行われている聖杯戦争が既に5回目とは言峰神父から聞いていたけどセイバーは前回の聖杯戦争にも参加していたのか?」

衛宮「ああ、どうやらそうらしいんだ」

白野「そっか――なぁ、よかったらその話俺にも聞かせてくれないか?俺も聖杯戦争のことをもっと知りたいんだ」

衛宮「ああ、別に構わないよ。いいよな、セイバー?」

セイバー「ええ、それくらいでしたら問題はありません」

セイバー「こちらの世界ではもう10年も時が経っているのですね。あれは――」



81: ◆cABJvGmFjs:2012/01/13(金) 22:24:34.02 ID:B1um+8rKo

衛宮「そっか、じいさんはセイバーに令呪で聖杯の破壊を――」

セイバー「はい。私には今でも切嗣の考えていることが理解できません。なぜ彼は聖杯を手に入れる直前であんなことを――」

キャス狐「何か理由があったんじゃないですか?だって聖杯って万能の願望器なんですよね。それを壊すなんて普通じゃありませんよ」

セイバー「よっぽどのこととは?」

キャス狐「そんなの私は知りません。だって私その場にいませんもん」

衛宮「俺も何か理由があったんだと思う。じゃなければあの切嗣がそんな真似するとは到底思えない」

セイバー「そうですか――」

白野「ところでさ、セイバーは前回の聖杯戦争に最後まで勝ち残ったって言ってたけど、他の英霊は強かったの?」

セイバー「たしかに前回戦った英霊たちは強者揃いでしたが前回は今回のように制約がありませんでしたから私は私本来の力を使うことができました。故に」

白野「故に?」

セイバー「苦はありませんでした。はっきり言えば無敵です」

白野「oh」



82: ◆cABJvGmFjs:2012/01/13(金) 22:25:28.38 ID:B1um+8rKo

キャス狐「ご主人様ー、私つまーんない。それに眠くなっちゃいましたー」ダキッ

白野「うわっ、こらキャスター」

キャス狐「一つのお布団でー身を寄せ合って暖め合いましょ☆」ギュッ

セイバー「キャスター、先程から気になっていたのですが、あなたは己のマスターに何をしているのかわかっているのですか?」

キャス狐「何って――愛情表現ですけど?」

セイバー「そんなことはわかっています!何故私や士郎の目の前でするのかと聞いているのです!」

キャス狐「ははーん。あなた――もしかして羨ましいんですか?」

セイバー「なっ――どうしてそうなるのですか!私は女であることを捨て騎士として生きることを選んだ身、そのような娼婦の真似事断じてしたいわけがありません!」

キャス狐「かっちーん。今のちょーっと耳にきたんですけど?私の何処がINRANなんですか!?何処からどう見ても純朴系癒やし巫女じゃないですか!!」

セイバー「そ、そんなこと一言も言っていません!そもそも貴女の何処が巫女なのですか!!」

キャス狐「はぁ!?あなた巫女のなんたるかを知らないからそう言えるんですー!あなたこそ何処が騎士なんですか?騎士(笑)の間違いじゃないんですか?」

セイバー「貴女は私だけではなく私の在り方まで愚弄する気ですか!?士郎!私はこのような礼も尽くせぬサーヴァントと手を組むなんて反対です!!」プイ



83: ◆cABJvGmFjs:2012/01/13(金) 22:26:00.69 ID:B1um+8rKo

衛宮「ちょ、ちょっとセイバー落ち着けって」

キャス狐「何であなたに礼を尽くさなきゃぁいけないんですか!?私が尽くす相手はご主人様ただ一人と決まっているんです!!」

キャス狐「ご主人様!私もこんな勘違い騎士様(笑)と手を組むなんてまっぴらゴメンです!」プイ

白野「おい、キャスター」

衛宮「取り敢えずさ――今日はもう寝ないか?」

白野「賛成だ――うちの駄狐が迷惑をかけるな」

衛宮「いやお互い様だよ。まさかセイバーがこんな感情を露にするなんて思わなかったよ。何だかんだ言ってもやっぱり女の子なんだな」

セイバー「士郎!聞こえていますよ!私を女性扱いするのはやめてください!」

キャス狐「おや、そこの青い騎士様何か顔赤くありませんか?女の子扱いされて照れるなんてまだまだお子ちゃまですねー」

セイバー「照れていません!!もういい、私は寝ます!士郎、床の準備を!」

衛宮「はいはい。ああ、そうだ岸波。そこの部屋空いているから好きに使ってくれて構わない」

白野「ああ、今日初めて会ったのに何から何まで済まないな」

衛宮「気にするなよ。困ったときはお互い様だ。それじゃ、おやすみ」

白野「ああ、おやすみ。ほら行くぞキャスター」ズルズル

キャス狐「あーん、ご主人様引っ張らないでください」



84: ◆cABJvGmFjs:2012/01/13(金) 22:26:47.97 ID:B1um+8rKo

-------同時刻遠坂邸-----------

アーチャー「どうした凛。眠れないのか?」

遠坂「ねぇ、アーチャー。あの男とサーヴァント、どう思う?」

アーチャー「ああ、岸波白野とキャスターのコンビか。どうとは?」

遠坂「怪しすぎないかってことよ」

アーチャー「ふむ、確かにな。だがキャスターの方はともかくあのマスターが何かを企んでいるとは私には到底思えないが?」

遠坂「そうなのよねー。人畜無害っていうか、雨に濡れそぼったロバというか、とにかく悪い奴には見えないのよね」

アーチャー「同時に影も薄いがな。だが記憶喪失という点は気になるな。あきらかに嘘を吐いている」

遠坂「あら?記憶喪失者同士何か思うところがあるのかしらね?」

アーチャー「ふっ、そんなことはない。ただあの瞬間だけ、あいつは見慣れない顔をした。恐らく嘘を吐きなれていないのだろうな」

遠坂「まっ、彼が嘘を吐いていることぐらい私もわかっていたわよ。嘘を吐くってことは何かしら理由があるんでしょうけど冬木のセカンドオーナーとしては見過ごせないわね」

アーチャー「ならばどうする?夜襲でもかけるか?今なら衛宮士郎諸共始末することができるぞ」



85: ◆cABJvGmFjs:2012/01/13(金) 22:27:31.22 ID:B1um+8rKo

遠坂「今そんなことしたって私たちに利はないわよ。彼のこと少し調べてみるだけ」

アーチャー「ほう、君に調べ事ができるとは意外だな」

遠坂「あんたねぇ、私をなんだと思ってるのよ?捜し物が得意な知り合いに頼むだけよ。この人」

アーチャー「やれやれ、結局はそれか。」

遠坂「しょうがないじゃない!学校休んで怪しまれたら意味ないでしょう」

アーチャー「彼は凛たちとは違う制服を着ていたのだから学校が違うのだろう?なら問題ないじゃないか」

遠坂「それもそうなんだけど――ま、念の為よ。彼のことを調べるのももしもの時の保険ってやつ」

アーチャー「ほう。なら君は彼のことを信用していると?」

遠坂「さぁ、どうかしらね。何にせよ使える駒は使うだけ。情けとか信頼とかそんなもの心の贅肉だわ」

アーチャー「ふっ、そうか」

遠坂「さ、私はもう寝るから。アーチャー、あなたは部屋から出なさい。覗いたらぶっ殺すからね!」

アーチャー「了解だ、マスター」

遠坂「あ、ちゃんと朝には起こしなさいよね!」

アーチャー「やれやれ、注文の多いマスターだ」



86: ◆cABJvGmFjs:2012/01/13(金) 22:28:06.03 ID:B1um+8rKo

-------------場所は再び衛宮邸のとある一室--------------------

キャス狐「いやー、和室はやっぱり落ち着きますねーマスター?」ゴロゴロ

白野「そうなのか?俺にはよくわからないよ」

キャス狐「月での聖杯戦争の時セラフは碌なもの用意しませんでしたからね」

キャス狐「ほら、私って和風な英霊じゃないですか?だから畳が似合うっていうかー、私の良さが引き立つって言うかー、巫女的に?」

白野「巫女関係あるのかそれ?まぁ、借り物とはいえプライベートが守られる空間は落ち着くな。月のマイルームを思い出すよ」

キャス狐「あ、マイルームと言えばご主人様。ここでならー私のことをーた・ま・もって呼んでいただいてもいいですよ?きゃっ私ったらだいたーん☆」

白野「まだ油断はできそうもないし、誰が聞き耳立ててるかわからないけど、タマモが良いって言うならそうするよ」



87: ◆cABJvGmFjs:2012/01/13(金) 22:28:37.51 ID:B1um+8rKo

キャス狐「ていうーかご主人様さっき大声で私の真名叫んでましたしね」

白野「いや、ほらあれはやむにやまれぬと言うかそういう空気だったというか――」アセアセ

キャス狐「いいんですよ、ご主人様。タマモはご主人様の愛が感じられて嬉しゅうございましたから」ギュッ

白野「タマモ――」

キャス狐「これからのことは明日また考えましょう。今日は色々あって疲れましたでしょう?さぁ、このタマモのふっさふさな尻尾で存分に御休みなさい!」フリフリ

白野「ああ、そうだね。今日は疲れた」ボスッ

キャス狐「ご主人様?いやーん、ツッコミ無しとかタマモ放置プレイー」

白野「タマモ」

キャス狐「はい?」

白野「ありがとう」

キャス狐「はい。おやすみなさいご主人様」



88: ◆cABJvGmFjs:2012/01/13(金) 22:32:35.82 ID:B1um+8rKo

ふぅ、取り敢えず今日の書き溜め分は以上となります。
ただちょっと書き足りない感じはするのでもしかしたらもうちょっと継ぎ足すかもしれません。

いやーでも皆さんから反応が返ってくると嬉しいですね。
そしてEXTRAをやり直していて思いましたがやっぱりキャス狐はかわいい。

でも赤セイバーはまだごった煮宗教のところまでしかいってないっていう――



90:名無しNIPPER:2012/01/13(金) 22:35:58.44 ID:dV5guIuDO

乙!
キャス狐可愛いよキャス狐。
ところでキャス狐の宝具の解釈が気になるところ。
文章化するには難しい効果だからな、あれ



93: ◆cABJvGmFjs:2012/01/13(金) 22:43:09.67 ID:B1um+8rKo

>>90
キャス狐の宝具ですが一応ゲームでの性能を元に自己解釈を交えて進めていこうかと思っております。
あの宝具って解釈が難しいんですよね。以前別のスレであの宝具は固有結界だって仰る方がいましたし。



92:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/13(金) 22:36:59.89 ID:ySvNC0EDo

セイバー「苦はありませんでした。はっきり言えば無敵です」

おい



99:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県):2012/01/14(土) 02:51:17.19 ID:xl35UjPio


期待してます

キャスターの宝具って固有結界ではなかったはず……
ただ、効果が疲れ知らずになる様なもんでしかないから
本来は味方が軍隊とかで大勢な時に使うとか聞いた事がある



106: ◆cABJvGmFjs:2012/01/14(土) 15:07:23.85 ID:XDSSQl+Ro

---翌日衛宮邸のとある一室---

キャス狐「ご主人様ー!!」ボスッ

白野「グエッ!」

キャス狐「起きてください、ご主人様ー。朝ですよ」ゴロゴロ

白野「や、やめ、俺の上で転がら、ないで――」

キャス狐「何言ってるんですか。早く起きないとご飯冷めちゃいますよ?」ダキッ

白野「――ご飯?」

キャス狐「はい、私が作ったんですよー。ご主人様の胃袋を鷲掴みです☆」

白野「え、タマモって料理作れたんだっけ?ていうかその冗談笑えない」

キャス狐「ふふふ、その辺は抜かりありません。何と言っても今回は強力なアドバイザーがついているのです!」

白野「へぇ、それは楽しみだ。ところでさタマモ」

キャス狐「はい?」

白野「取り敢えず、そこどいてくれない?上に乗っかられると起きられない」

キャス狐「いやん☆」



107: ◆cABJvGmFjs:2012/01/14(土) 15:08:11.36 ID:XDSSQl+Ro

白野「おはよー」ガラッ

衛宮「お、やっと起きてきたか。昨日はよく眠れたみたいだな」

セイバー「遅いですよ。せっかくの朝食が冷めてしまうではないですか」ソワソワ

桜「おはようございます、岸波さん」

白野「あれ、ここって保健室だっけ?」

桜「フフッまだ寝ぼけているんですか?朝食の準備が出来ていますから、そこに座ってください」

白野「うん、わかった。それより俺までご馳走になっちゃっていいのかな?」

衛宮「気にするなよ。食事は皆で食べたほうが楽しいさ」

白野「本当に何から何までありがとう。このお礼はいつか必ず――したいな」

衛宮「ああ、期待しておくよ」

キャス狐「ご主人様、ご主人様!この卵焼きとお味噌汁は私が作ったんですよ」フリフリ

白野「へぇ、美味しそうだな。すごいよキャスター」

キャス狐「えへへー。褒められちゃいました☆」

桜「良かったですね、キャスターさん」



108: ◆cABJvGmFjs:2012/01/14(土) 15:08:40.71 ID:XDSSQl+Ro

キャス狐「旦那様の胃袋鷲掴み作戦第一段階成功です。これも桜さんのおかげです」ヒソヒソ

桜「気にしないでください。それよりも――」ヒソヒソ

キャス狐「ええ、任せてください。私の呪術であのツンツンヘアーを桜さん無しでは生きていけない体にしてあげますよ☆」ヒソヒソ

キャス狐「恋する乙女同盟ファイッ」ヒソヒソ

桜「オー」ヒソヒソ

衛宮「二人で何こそこそ話しているんだ?」

桜「い、いえ何でもありませんよ先輩」

白野「というかいつの間に二人は仲良くなったんだ?」

キャス狐「ふふふ、そいつぁ企業秘密です。いくらご主人様とはいえ簡単には教えられませんね」

白野「さいですか」

セイバー「――ご飯」グー

大河「おっはよー!士郎に桜ちゃん、今日も朝から元気かなー!?」ガラッ

士郎「ああ、おはよう藤ねぇ。今日も朝から元気だな」

桜「おはようございます。藤村先生」

白野「げっ、藤村!?」

大河「ってぎゃー!知らない人が三人も増えてるー!?切嗣さーん、私の居場所がなくなるよー」

衛宮「藤ねぇ、実は」カクカクシカジカ



109: ◆cABJvGmFjs:2012/01/14(土) 15:09:08.19 ID:XDSSQl+Ro

大河「ふーん。切嗣さんの遠い親戚とその弟夫婦かー」

キャス狐「いやん☆夫婦だなんてキャスター嬉しい」

大河「そっか、外国の人だから耳と尻尾が変わってるのねー。ねぇねぇ、ちょっと触ってみてもいい?」ウズウズ

キャス狐「仕方がありませんねー。本当はご主人様専用ですが私たちは居候の身――ご主人様の居場所を作るために身を粉にして働く私――なんて健気なんでしょう!」

大河「いやーん、気持ちいーい」スリスリ

キャス狐「ってもう触ってる!?ああ、ご主人様のためとはいえ行きずりでこんな目に会うなんて――なんて悲劇なのでしょう!?」

白野「あの――キャスターさん?何だか俺が居た堪れなくなるんでその小芝居やめていただけません?」

セイバー「ガウェイン、ランスロット、私は罪深き王で――」グー

キャス狐「――」ピクッ

士郎「うわああ、セイバーが倒れた!と、とにかく時間も押しているし食べよう!」

士郎・桜・大河・白野・キャスター・セイバー「「「「「「いただきます!」」」」」」

キャス狐「ふーん、ガウェイン、ランスロット――ですか」ボソッ



110: ◆cABJvGmFjs:2012/01/14(土) 15:09:57.21 ID:XDSSQl+Ro

白野「ふぅ、美味しかった。久しぶりに手料理を食べた気がするよ」

桜「そうですか、お口にあったようでよかったです」

セイバー「士郎、オヤツはまだですか?」キリッ

大河「ほらほら、士郎も桜ちゃんも急がないと朝練遅れちゃうよ?」

士郎「いっけね、のんびりしすぎた。洗い物まだ終わってないんだよな――」

キャス狐「洗いものでしたら私がやっておきますので、お気になさらないでください」

士郎「ごめん、助かる。岸波はどうするんだ?」

白野「俺は学校休んだから今日一日この街のことを調べてみるよ」

士郎「そっか、気を付けろよ。それじゃあ行ってくるから、セイバーは家で大人しくしていてくれ」

セイバー「いえ、私も付いていきます。マスターを守るのは騎士として当然の役目です」

士郎「大丈夫だよ。昼間の学校で襲ってくる奴なんて居ないし、同盟を組んでいる遠坂や慎二もいるんだ」



111: ◆cABJvGmFjs:2012/01/14(土) 15:10:26.06 ID:XDSSQl+Ro

セイバー「しかしっ!」

士郎「いざとなったら令呪を使うから。なっ?」

セイバー「わかりました。しかし貴方は魔術師としては半人前以下なのです。無理せず少しでも危ないと思ったら私を呼んでください、わかりましたね?」

士郎「わかったよ。ただ、セイバーは女の子なんだ。戦いは極力俺がするさ」

セイバー「士郎っ!!」

シローハヤクシナイトオイテイクヨー

士郎「今いくよ藤ねぇ!それじゃあ行ってくる!」ガラガラピシャッ

セイバー「士郎――」



112: ◆cABJvGmFjs:2012/01/14(土) 15:11:22.78 ID:XDSSQl+Ro

キャス狐「あーあ、振られちゃいましたねぇ。騎士王さん?」

セイバー「なんの用ですかキャスター?あいにくですが私は貴女の言葉を聞く耳を持ち合わせておりません」プイ

キャス狐「私だってあなたみたいな高慢ちきと話すのはまっぴらゴメンです」

セイバー「なら放っておいてください。今私は虫の居所が悪いのです」

キャス狐「はいはい。噂に名高いアーサー王がどんな人物かと思いましたが――こんなんじゃあ国が滅びるのも頷けますねぇ」

セイバー「っ!?どうして貴女がそれを!?」

キャス狐「ふぅ、あなた先程空腹のあまり円卓の騎士の名前を口にしたじゃないですか。それでもしやと思って鎌をかけてみたんですけど――」

セイバー「くっ、私の言葉を盗み聞きするとは何と卑劣な」ギリッ

キャス狐「私だって半信半疑でした。でもあなたが腹芸の通じない方で助かりましたよ。生前はさぞ潔白な王だったのでしょうね」

セイバー「それで私の真名を知ってどうしようと言うのですか?私をこの場で討ちますか?」

キャス狐「べっつにー。先ほども言ったじゃありませんか。ただアーサー王がどういう人物か確かめたかっただけです」

オーイキャスター

キャス狐「はーい!今行きますね、ご主人様ー!」

キャス狐「ああ、そうそう。あなたが何を聖杯に望むか私は知りませんし興味もありませんが――あなたを慕っていた人たちの思いを裏切る行為だけはやめてくださいね?」

セイバー「知った風な口を――」



113: ◆cABJvGmFjs:2012/01/14(土) 15:12:44.35 ID:XDSSQl+Ro

---同時刻遠坂邸---

アーチャー「いい加減起きないか、凛。学校に遅れてしまうぞ」

遠坂「うー?あー」

アーチャー「やれやれ。君の寝起きの悪さはいつ見ても変わらないな。仕方ない、些か乱暴だが怒るなよ?」ヨイセッ

遠坂「あー?アーチャーに抱っこされてるー」

アーチャー「顔を洗い、朝食を済ませろ。それで少しは目が覚めるだろう?」

遠坂「うー?―――いやぁあああ!!え、ちょっと!あんた何人のこと担いでるのよ!!」

アーチャー「ふぅ、やっとお目覚めか。しかし声が大きすぎやしないか?」

遠坂「はぁ?いいから降ろしなさいよ。これじゃ私子供みたいじゃない!」

アーチャー「私から見れば君など尻の青い子供だよ。それに起こせといったのは君ではないか?」

遠坂「もう少しまともな起こしなさいよね!早く降ろさないと令呪使うわよ!」

アーチャー「やれやれ、うちのマスターはどうしてこう乱暴なのかな」

遠坂「う、ぅう、うるさいわね!このセクハラサーヴァント!」

アーチャー「とにかく、朝食を摂れ。今日は登校前に連絡をする所があるのだろう?」

遠坂「はぁ、私朝食は摂らない派なんだけど――折角用意してくれたみたいだし、いただくわ」



118: ◆cABJvGmFjs:2012/01/14(土) 18:43:08.22 ID:XDSSQl+Ro

遠坂「ふぅ、ごちそうさま」

アーチャー「なんだ、朝食はいらないと言っておきながらよく食べたじゃないか」

遠坂「うっさいわね。ていうかあんた本当に何者よ?家事のうまいサーヴァントなんて聞いたことないわよ」

アーチャー「何者と言われてもな――私は私だよ。それよりのんびりしていていいのかね?」

遠坂「そうだった、電話しなきゃ」タッタッタ

アーチャー「やれやれ、落ち着きのないマスターだ」

遠坂「えぇと番号は――これ、これと――あぁもう!面倒臭いわね!アーチャー!私が番号言うから貴方が掛けなさい!」

アーチャー「電話一つでこれとは――情けないなマスター」

遠坂「いいから!ほら早くしなさい!」

アーチャー「了解だ。ふむ、成程これか。詩人のような苗字だな」

遠坂「それは旧姓よ。今は結婚して相手方の姓を名乗ってるみたいだけど」

アーチャー「成程、それは目出度い。ほら、つながったぞ」

遠坂「ありがと。――あ、どうもお久しぶりですー。遠坂と申します。はい、はい、その節は大変お世話になりまして」

アーチャー「外面だけはいいのだがな」

遠坂「幹也さんはご在宅ですか?はい、はい。―――あ、幹也さんですか?お久しぶりですー。はい、はい。そうなんですよ、ちょっと調べて欲しいことがありまして。――ええ、ええ」

遠坂「はい、それではよろしくお願いします。はい、はい、失礼いたします――」ガチャン

遠坂「さ、学校へ行くわよ。付いてきなさいアーチャー」



119: ◆cABJvGmFjs:2012/01/14(土) 18:43:51.02 ID:XDSSQl+Ro

---衛宮邸---

キャス狐「洗い物も、お掃除も終わりました!」

白野「すごいな。俺何もしてないよ――」

キャス狐「家事をそつなくこなしてこその良妻ですから!というわけで褒めてくださいご主人様☆」ウズウズ

白野「さすがだな。正直予想外だったよ」ナデナデ

キャス狐「えへへー☆予想外って言葉は気になりますけど、褒めてもらったのでチャラにします」

白野「さて、やることも終わったみたいだし、今日はちょっと街を歩いてみるか」

キャス狐「デートですか!?」

白野「違うよ、この街がどういう場所なのか調べるだけだ」

キャス狐「それでも私にとってはデートなんです。ご主人様とお出かけする機会なんて月にいるときはゼロでしたから――」

白野「そっか――そうだな。それじゃあデートに行こう」

キャス狐「はいっ!じゃあちょーっと待ってて下さいね。私お着替えしてきますから」タッタッタ

白野「ふぅ。楽しそうだな」

セイバー「貴方は着替えなくてよろしいのですか?」

白野「ああ、あいにくこの学ランしか持ってないんだ」



120: ◆cABJvGmFjs:2012/01/14(土) 18:44:19.81 ID:XDSSQl+Ro

セイバー「そうですか。ますます貴方がわかりません。何故着の身着のままこのような街へ――」

白野「いや、まぁ、その――ねぇ?それよりセイバーはどうするんだ?」

セイバー「私はここで士郎の帰りを待ちます。私は他のサーヴァントとは違い霊体化ができませんので」

白野「そっか。退屈だと思うけど大丈夫?」

セイバー「心配には及びません。このテレビという機械があれば時間を潰す程度造作もないことです」ムン

白野「そ、そう。それはよかった」

セイバー「貴方はキャスターのように私を敵視したりはしないのですか?同盟を組んでいるとはいえライバルなのですよ」

白野「あー、まぁ特にセイバーを嫌う要素が無いからね。それに誰かと殺し合い傷つけ合う戦いはなるべくならしたくないから」

セイバー「貴方も士郎みたいな人ですね。その優しさは身を滅ぼしますよ」

白野「ああ、わかっているよ。それと、キャスターはああ言ってるけど、別にセイバーのことを敵視しているわけじゃ無いと思う」

セイバー「そうなのですか?私は彼女に嫌われているのだと思っていましたが――」



121: ◆cABJvGmFjs:2012/01/14(土) 18:44:50.50 ID:XDSSQl+Ro

白野「うーん、何て言うか――悪友、とはちょっと違うな。悪口を言い合える仲?うーん――うまく言えないけど嫌ってるってことは絶対にないから」

セイバー「貴方は――キャスターのことをとても信頼しているのですね」

白野「?うん、そうだね。今の俺が在るのも彼女のおかげだから。ある意味、あいつ無しでは生きていけない体ってやつかな」

セイバー「そうですか。――正直貴方が羨ましい。私も臣下たちとそのような信頼関係を結ぶことが出来たならブリテンは滅びなかったのでしょう」

白野「―――」

キャス狐「ご主人様ー!!お待たせしましたー!!さぁ張り切って行きましょう!」タッタッタ

白野「キャスター!?随分様変わりしたな」

キャス狐「ふっふっふ。尻尾を隠し耳を人間と同じものに変化させました!服はそのままですけど――」

キャス狐「本当はあんまり使いたくなかったんですけどー、ご主人様とデートというなら話は別です!月では死にスキルだった変化の真髄とくとご覧あれ!!」

白野「いや、耳や尻尾もそうだけどその格好目立ちすぎじゃない?露出とか――さ」



122: ◆cABJvGmFjs:2012/01/14(土) 18:45:34.55 ID:XDSSQl+Ro

キャス狐「いやーん、ご主人様もしかして嫉妬ですか?俺のキャスターの肢体を他の男共に見せるなんてできるかー!ってやつですか?」

白野「うーん――まぁ、そう」

キャス狐「へ?あ、いや、えっと――えへへー☆」

キャス狐「じゃ、じゃあベージュの和服にメイド風のエプロンなんてどうですか?これならどうですか?」シャラン

白野「うーん、まぁそれなら露出は少ないからいいと思うよ」

キャス狐「ほら私って服のバリエーションが一種類しかないじゃないですか?だから文章だけでイメージさせるのって大変なんですよ」

白野「――何の話?」

キャス狐「でもこれなら何処かのそっくりさんと被るからイメージし安いかなって思いまして」

白野「またそうやって、よくわからないことを――」

キャス狐「とにかく!時間だって無限にあるわけじゃないんですからデートですよデート!」グイグイ

白野「わかった、わかったから押すなって。それじゃセイバー行ってくるね」

セイバー「ええ、留守は私に任せて楽しんできてください」

キャス狐「それじゃあ行ってきまーす」ガラガラッピシャン

セイバー「あ、私のお昼は――」グー



124:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/14(土) 19:16:04.49 ID:KPpADC8DO

乙。
キャス狐琥珀さんスタイルか。
和風にエプロンって良いよな。



126:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/14(土) 19:46:06.86 ID:eNyHI2uDO

裸エプロンは確かに最高だな



131:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2012/01/14(土) 21:16:14.26 ID:lXi2Lxsw0

アホ全開と思いきや細かく状況確認整理してるキャス狐良妻すぎる



次→キャス狐「冬木の聖杯ですってよ、御主人様!」【中編】

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Fate SS   コメント:3   このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント一覧
21099. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2012/04/29(日) 02:50 ▼このコメントに返信する
なんだ(・∀・)ニヤニヤSSかw
21122. 名前 : 名無しさん@ニュース2ちゃん◆- 投稿日 : 2012/04/29(日) 19:09 ▼このコメントに返信する
らっきょとの繋がりもあるっていいね。
25206. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2012/08/14(火) 09:19 ▼このコメントに返信する
琥珀さんは割烹着だろ!いい加減にしろ!

extra始めた頃は英霊化した琥珀さんだと信じて疑わなかった
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