勇者「みんな割とわからない」

2013-02-07 (木) 12:07  魔王・勇者SS   7コメント  
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 13:59:58.80 ID:v7KuZVMl0

【城】

王「さぁ伝説の勇者よ! 今こそ魔王を倒しに行くがよい!」

王「大臣、こんな感じでいいのかの」

大臣「はぁ、おそらく。過去の文献の限りでは……おそらく」

勇者「あの~王様」

王「な、何だ? 勇者よ」

勇者「魔王を倒しにいくって、具体的に何をすればいいんですかね」

王「えっ、それはえー、大臣」

大臣「そ、早急にお調べします」

大臣「おい文官!」

文官「えっ!?」


eval.gifまおゆう魔王勇者 「この我のものとなれ、勇者よ」「断る! 」 (6) (カドカワコミックス・エース)





2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:00:38.96 ID:v7KuZVMl0

【ルイーダの酒場】

勇者「あのう」

ルイーダ「な、何? いまちょっと忙しいんだけど」

勇者「ここで何か……仲間を集められるとか聞いたんですけど……」

ルイーダ「えっ、てことはあなたが勇者?」

勇者「はい」

ルイーダ「も、もう来たの? ちょちょっと待って」

ルイーダ「さっきいきなりお城の人から指示が下って、どうすればいいか分からないの」

勇者「あぁ、そうなんですか」

ルイーダ「あなたは何かやり方聞いてる?」

勇者「いえ何も。いきなり今朝、魔王を倒せとか言われて……」

ルイーダ「そうなの。私もいきなり『勇者様を手助けしろ』とか言われて……」

勇者「手助けってどういう……」

ルイーダ「だからあなた何か聞いてないの?」

勇者「知らないですよ!」



3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:01:43.51 ID:v7KuZVMl0

勇者「なんだかんだで集まったのは二人か」

男賢者「(スー)あーボクは賢者です。よろしくお願いしまス……」

女武道家「自分、武道家です! よろしくお願いします!」

ルイーダ「とりあえずこれでいいのかしら」

勇者「他にも結構人が(遠巻きに様子をうかがって)いるみたいですけど、二人だけなんですか?」

ルイーダ「そうね……みんな勝手がよく分からないから……」

勇者「ええっと、じゃあこれでとりあえず旅に出ていいんですかね」

ルイーダ「きっとそれを決めるのはあなたじゃないかしら」

勇者「そう言われても……」

ルイーダ「でも私にできることは済んだはずよ」

ルイーダ「頑張ってね、勇者様」

勇者「その頑張り方を教えて欲しいんですが」



5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:03:49.04 ID:v7KuZVMl0

【城下町】

勇者「それにしても、いきなり賢者さんが仲間になるなんて頼もしいですね」

男賢者「エッ?」

勇者「魔王を倒すやり方とか分かんないんで、これから色々教えてください」

賢者「いえあのボクは、全然賢者とかじゃないんで」

勇者「えっ?」

賢者「その、魔王を倒すのは手伝いますけど、あんまり頼りにされると困るというか」

勇者「賢者じゃないってどういうこと? もしかして呪文は使えない?」

賢者「いえ……いちお呪文はひと通り使えるんで賢者ってことになってるんすけど」

賢者「ホントそれだけなんです。ちっとも『賢』くなんてないんです。お恥ずかしい限りで」

勇者「ちょっとよく分かんないんですけど、つまり……?」

賢者「つまり……(スー)つまり……とりあえずボクあの酒場を出たかっただけで……」

賢者「ボク全然お酒だめなんで……はい……」

勇者「はい……」



7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:05:34.72 ID:v7KuZVMl0

勇者「武道家ちゃんは?」

女武道家「はい!」

勇者「どうして魔王退治についてきたの?」

武道家「自分は天下一のコブシを極めるためです!」

勇者「なるほど……それでこの旅を、武者修行代わりについてきたと」

武道家「多分そうだと思います!」

勇者「多分?」

武道家「あの自分、田舎者なんで、世の中をよく知りません!」

武道家「ブシツケながら、ご指導ゴベンタツのほど、よろしくお願いします!」

勇者「いやいやちょっと待って、こっちもどうすればいいか分かんないんだけど」

武道家「はい!」

勇者「はいって返事だけ気合入れられても……ねぇ賢者さん」

賢者「エッ、ボクですか。えっと……はい……」

勇者「うん……」



8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:06:37.88 ID:v7KuZVMl0

勇者「とりあえず……魔王の城に行けばいいのかな」

賢者「……」ソワソワ

武道家「……」ウキウキ

勇者「みんなどう思う?」

賢者「エッ……(スー)そうですね……」チラッ

武道家「自分、分かりません!」ドンッ

賢者「魔王の城……自分も自信がないですが……」

賢者「行けばいいんじゃないでしょうか……いやよく分かりませんけどね」

勇者「じゃあ出発しよう」

勇者「で、どの方角だろ」

賢者「分かりません」

武道家「自分も分かりません!」

勇者「いきなり詰まった」



9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:09:07.11 ID:v7KuZVMl0

【フィールド】

勇者「とりあえず町から出てみた」

賢者「どっちに行きましょう」

勇者「どこか行きたいところある?」

賢者「えっ、魔王の城じゃないんですか」

勇者「魔王の城だけどどこにあるか分かんないし」

武道家「自分、勇者様についていきます!」

賢者「同じく……」

勇者「そんなこと言われたって……賢者さんリーダー代わりませんか」

賢者「エッ、いやボクなんか賢者の名を被ったバブルスライムですし」

勇者「じゃあ武道家ちゃん……」

武道家「はい! はい! 何でしょうか!」

勇者「やめとこう……」



10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:09:43.53 ID:KOs3Qwhi0

おもしろい



11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:09:59.23 ID:aYut5KR/0

続けて



12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:10:37.27 ID:v7KuZVMl0

魔物が あらわれた! ▼

勇者「うわあ出た!」

賢者「えっとこれどうしますか」

勇者「これって戦ったほうがいいの?」

武道家「どうしますか! 来ます! 来ますよホラ!」

魔物の こうげき! 

勇者は ダメージを うけた! ▼

勇者「痛い!」

賢者「だ、大丈夫ですか? これどうするんですか?」

武道家「勇者様、これやっつけてもいいんですか!?」

勇者「みんなに任せる!」

賢者「エッ!?」

武道家「えっ、えっ! あの!」

魔物の こうげき! ▼



13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:12:50.53 ID:v7KuZVMl0

賢者は 呪文を となえた! ▼

魔物「ギャース!」

魔物を たおした! ▼

勇者「助かった。賢者さんありがとう」

賢者「これで良かったんですかね……」

勇者「さぁ……良かったんじゃないかなと……」

武道家「勇者様! 倒した魔物からお金とアイテムが!」

勇者「あ、本当だ。もらってもいいのかな」

賢者「さあ……多分……ここはリーダーの勇者様が取るべきかと……」

勇者「えっ、でも見つけたのは武道家ちゃんでしょ?」

武道家「えっ、でもでも、魔物を倒したのは賢者さんですよ!」

賢者「エッ?」

勇者「えっ?」

武道家「はい!」



14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:15:09.66 ID:v7KuZVMl0

【隣の村】

勇者「知らない村に着いた」

賢者「ここはどこなんでしょう……」

武道家「何かみんなこっち見てます! こんにちはー!」

村人A「こ、こんにちは」ビクッ

勇者「あのう。ここはどういう村なんですか」

村人A「えっ? どういう村と言われても……なぁ?」

村人B「ううむ……あっ! あんたらこそ、一体どこの誰なんでい」

勇者「勇者です」

賢者「あっ賢者です」

武道家「武道家です! よろしくお願いします!」

村人A「えっと……勇者様?」

村人B「もしかしてあの、魔王を退治するとかなんとか?」

勇者「そうです!」

村人A「あわわわ勇者様だ! どうすれば! 村長!」



16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:18:05.49 ID:v7KuZVMl0

村長「な、なぜワシの家に」

勇者「こんにちは」

村長「こ、こんにちは」

勇者「……」

村長「……」

賢者「……」ソワソワ

武道家「……」ウキウキ

勇者「あの……」

村長「は、はい」

勇者「その……」

勇者「『魔王の城』……とか……ご存じないですかね」

村長「魔王の城……ご、ご存じないとは……?」

勇者「えっ? いや……場所とか……」

村長「そ、それなら……多分あっちの方面かと……はい」

勇者「……あっ、はい……」



15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:16:17.52 ID:D2zwKLa8O

俺も割とわからん



17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:18:10.87 ID:bN9H6BXt0

わからないけどおもしろいとおもう



19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:21:51.02 ID:v7KuZVMl0

【フィールド】

勇者「という訳であっちの方に行きます」

賢者「はい。いいんじゃないでしょうか」

武道家「行きましょー!」

勇者「じゃあ出発」

賢者「……」

武道家「♪」

勇者「……ねえ」

勇者「二人とも、何か意見を出してくれてもいいのよ?」

武道家「特にありません!」

賢者「意見……(スー)意見といっても……特には……」

勇者「……ところでちょっと気になってたんですが」

勇者「その(スー)っていうのは? 息をちょっと吸う音……」

賢者「えっ……(スー)あっ、これですか。癖……ですかね……無意識につい」

賢者「でも世の中には意外といる……気がしないでもないですけどね……」



20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:22:58.13 ID:v7KuZVMl0

魔物のむれが あらわれた! ▼

勇者「出たっ! 今度はたくさん!」

賢者「ど、どうしますか?」

勇者「じゃ、じゃあ……今度は『たたかう』で……」

武道家「はい! やります!」

武道家「あっ、どいつから狙えばいいんですかね!」

賢者「えっと何か呪文の指示は……」

勇者「お好きにどうぞ!」

賢者「じゃあ攻撃呪文……いや数が多いから補助呪文のがいいのかな……」

武道家「じゃ、この手前のから攻撃しますよ! いーですか勇者様!」

勇者「お任せします!」

魔物の こうげき!

賢者はダメージを受けた! ▼

賢者「ものすごくいたい!」

賢者は 回復呪文を となえた! ▼



21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:28:09.53 ID:v7KuZVMl0

武道家の こうげき! かいしんの いちげき!

魔物を たおした! ▼

武道家の こうげき! かいしんの いちげき!

魔物を たおした! ▼

魔物のむれを たおした! ▼

武道家「オス! 次!」

勇者「えっ? あっ、ストップ!」

武道家の こうげき! もれなくかいしんの いちげき!

勇者に大ダメージを あたえた! ▼

勇者「ぎゃあああ!」

武道家「あっ勇者様!」

賢者「終わり! 戦いは終わりです!」

武道家「えっ、もう終わったんですか!?」

賢者「エッ、まだ終わってないんですか!?」

勇者「痛い死にそう」



22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:28:53.73 ID:v7KuZVMl0

賢者は 回復呪文を となえた! 

勇者の キズが 回復した! ▼

勇者「ふう。ありがとう賢者さん」

賢者「あっいえ、どういたしまして」

武道家「ほんっとーに申し訳ないです! 勇者様! いつもの組み手のクセで!」

勇者「分かったからいいよ。そんな土下座しておでこを土塗れにしなくていいよ」

武道家「ごめんなさい! すみません! 面目ない! かたじけない!」

勇者「これからはちゃんと戦いが終わったら、終わったって言った方がいいのかな……」

賢者「あ、それは分かりやすいと思います」

勇者「ほんとに?」

賢者「あ、いえ、実際のところどうなんですかね……」

勇者「さあ……」

武道家「ごめんなさい! ごめんなさい!」

勇者「おーい武道家ちゃん、おいてくよー」



23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:30:25.86 ID:v7KuZVMl0

勇者「それにしても、みんなちゃんと実力あるんだね」

賢者「エッ?」

武道家「はい! え、えっ?」

勇者「賢者さんは呪文のエキスパートだし、武道家ちゃんは普通にめちゃくちゃ強いし」

勇者「それに比べて何もできないリーダー。もう降板したい」

賢者「えっ、ちょ、ちょっとそれは困ります」

武道家「そ、そうですよ! 勇者様がいなくなったらどうすれば!」

勇者「いや、現時点でもどうすればいいのかよく分からないし……」

賢者「この先を進めば魔王の城に着く、ですよね」

武道家「そうです! そこまで導いたのは勇者様ですよ!」

勇者「でもそんなのは漠然とし過ぎてて……ちょっとリーダー的には……」

賢者「……(スー)とにかく先、進みましょう」

武道家「そうですね! ほら、行きましょう勇者様!」 グイッ

勇者「ちょっと痛い。あーもうどうなっても知らないよ」



25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:43:59.08 ID:v7KuZVMl0

【洞窟入り口】

勇者「こ、これは……」

賢者「洞窟ですね……」

勇者「村長の言った方角をまっすぐ進んだら、どうしてもここにぶち当たるけど……」

賢者「じゃあ……(スー)どうすればいいんですかね……」

武道家「あ、あの」

勇者「な、なに、武道家ちゃん! 何か意見ある?」

武道家「自分、暗いトコとかちょっと苦手なんですケド」

勇者「あー……それなら、やっぱやめようか……」

賢者「はぁ……でもこの山岳地帯……洞窟以外に進めそうな場所は……」

賢者「あっ、いえ何でもありません! ボクは勇者様のご判断に従いますから」

武道家「自分も、みんなで行くなら平気ですから、お気になさらず!」

勇者「えええ。じゃあ……入る?」

賢者「はい」

武道家「ハイ……はい!」



27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:46:30.63 ID:v7KuZVMl0

【洞窟】

勇者「あ、意外と明るい。あ、タイマツがついてる。なんで?」

賢者「さあ……」

武道家「は、はは。思ったより大したことなかったですね」

勇者「じゃあ、先頭任せていい? 武道家ちゃん強いし……」

武道家「えっ!? いえ! ごめんなさい!!」

勇者「じゃあ」

賢者「いえあのボクは勇者様についていきますんで」

勇者「えー……。だってどっちに向かったらいいか分からないんだもの」

武道家「と、とりあえず明るい方に向かって行きましょうよ」

賢者「なるほど。タイマツに沿って歩けば迷わないのでは」

勇者「ホントに!?」

賢者「あいえ、ちょっと間違ってるかも……よく分からなイス……」

武道家「と、とにかくこんなところ早く抜けちゃいましょう! ハイ!」



28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:47:12.50 ID:v7KuZVMl0

魔物が あらわれた! ▼

勇者「ああ出た!」

賢者「ど、どうしますか?」

武道家「わー! わー!」

勇者「武道家ちゃん! 落ち着いて! パニックにならないで」

武道家「は、はひ!」

勇者「あそこに魔物がいるんだけど、見える?」

武道家「はい!」

勇者「攻撃するなら、あれだけを攻撃してね。いい?」

武道家「は、はい! あれ、倒していいんですね!?」

勇者「えっ? じゃあ一応賢者さんの意見を……」

賢者「エッ? ボクはそんな分かりませんけど……」

魔物の こうげき!

勇者は ダメージを うけた! ▼

勇者「いたい!」



29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:47:53.49 ID:v7KuZVMl0

【洞窟・出口】

勇者「出口だ!」

賢者「ほっ」

武道家「外だぁ!」

勇者「やった! 抜けたぞ!」

賢者「お見事、さすが勇者様。」

武道家「勇者様のおかげで、無事に難所を抜けられました!」

賢者「もう勇者様以外にリーダーは考えられませんね」

武道家「ありがとうございます! 自分、最後までついていきます!」

勇者「あの何もしてない、本当に何もしてないからね」

勇者「それに……この後どっちに行けばいいか分かんないし」

賢者「えっ? 確か……たぶんあっち方面じゃ……」

武道家「えっ? 自分、こっちと思ってました!」

勇者「ほら……洞窟の中で方向ズレちゃってるでしょ」

勇者「太陽の向きも覚えてないし……もうこれどの方角に抜けたのか分かんないよ……」



30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:48:25.59 ID:v7KuZVMl0

【隣の隣町】

勇者「奇跡的にどこかに着いた」

賢者「おお……お見事」

武道家「オス! 勇者様さすがです!」

勇者「ひたすら洞窟から離れただけなんだけど」

賢者「あ……人がたくさんこっち見てますね……」

武道家「こんにちはぁー!!」

町人A「こ、こんにちは」ビクッ

勇者「あのう。ここはどういう町なんですか」

町人A「えっ? どういう町と言われても……なぁ?」

町人B「ううむ……あっ! あんたらこそ、一体どこの誰なんでい」

勇者「勇者です」

賢者「あっ賢者です」

武道家「武道家です! よろしくお願いします!」



31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:49:40.89 ID:v7KuZVMl0

町長「――な、なぜワシの家に」

勇者「こんにちは」

町長「こ、こんにちは」

勇者「……」

町長「……」

賢者「……」ソワソワ

武道家「……」ウキウキ

勇者「あの……」

町長「は、はい」

勇者「その……」

勇者「『魔王の城』って――」

 

メイドA「お、お茶を出してもいいのかしら。でも勇者様にこんなお茶でもいいのかしら」ヒソヒソ

メイドB「ま、待って。ここは町長様の指示を待ってから……あーうー……」オロオロ



32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:53:00.59 ID:2c48ShCrO

コミュ障しかいねえ



33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:53:07.90 ID:J9ZS4yaP0

魔王もこんな感じなのかと思うと



35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:54:44.97 ID:v7KuZVMl0

勇者「えっ、海の向こう側!?」

町長「わ、私は直接行ったわけではありませんよ!? ただそう聞いてるだけで……」

勇者「じゃあどうすれば……」

賢者「……(スー)泳ぎ……ですかね……別にボク泳げませんけど……」

武道家「あっ、自分水泳なら得意です!」

勇者「いやまさか武道家ちゃんの上に二人乗っけるわけにも……」

賢者「あっ勇者様も泳げないんすね」

町長「あっ、それでしたら……」

勇者「はいっ?」

賢者「……」

武道家「……」

町長「あっ、そんな急に静かにならなくても……」

勇者「いえいえどうぞどうぞ」

町長「いえそんな、勇者様からどうぞ」

勇者「いえいえ、町長さんの話が聞きたいのですどうぞ」



36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:55:35.06 ID:v7KuZVMl0

勇者「――船があるんですか!?」

町長「はい、まぁ一応所有しておりますが」

賢者「じゃあ……」

勇者「……」

賢者「あ、いえ、お構いなく」

勇者「えっ、じゃあ……」

町長「はい……」

勇者「船がある……ということで……ええっと……」

町長「いやでも、大した船ではないですし……事故とか起きたら……」

勇者「あ……そうですか……」

町長「ええ……いえ、別に……まぁ……」

勇者「……」

賢者「……」

武道家「船。乗ってみたいですねっ」ボソッ

町長「!」



38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:56:09.73 ID:v7KuZVMl0

【海上】

勇者「船を借りてしまった」

武道家「うわぁすごい! 自分カンドーです!」

賢者「すごい……風が気持ちいい……」

勇者「うん。気持ちいいね」

勇者「で」

勇者「操舵っていうんだっけ? これ」

勇者「誰か動かし方知ってる?」

賢者「いえ……」

武道家「あっ! 動かし方教えてください!」

勇者「えっ、違う。知らない。どうしよう」

賢者「あの……ボク、町長さんにいちお聞いておいたんですけど」

勇者「おおっ、さすが賢者様」

賢者「いえあの、自分もよく分からないと……」



40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:58:08.85 ID:v7KuZVMl0

勇者「どっちの方向に行けばいいんだろう」

賢者「あー……引き返しますか……?」

武道家「ダメです! もう陸地が見えなくなってます!」ウキウキ

勇者「困った。遭難した。漂流だ」

賢者「……はい……」

武道家「勇者様! とりあえず」

勇者「なに?」

武道家「まっすぐ進んじゃいましょー!」

勇者「うん」

勇者「そのまっすぐもどっちか分かんないんだ」

賢者「ああー……はい……」

武道家「……あ、自分、もうそれ以上のことは考え付けないので!」

勇者「そう……。どうしよう。何かやることでもあれば……」

魔物が あらわれた!

勇者「あっ、やった!」



41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 14:58:59.75 ID:v7KuZVMl0

武道家の こうげき! かいしんの いちげき!

賢者は 攻撃呪文を となえた! 

魔物を たおした! ▼

武道家「終わりましたー!」

賢者「船の中まで魔物が入ってくるなんて……」

勇者「でもこれ」

勇者は まものを さばいた! ▼

勇者「ほら。おいしい」

賢者「おお……さすが勇者様、そんな技能をお持ちで」

武道家「海のサチ! おいしー! さすが勇者様!」

勇者「うん」

勇者「家事全般は得意だから任せて」

勇者「でもあとのことはちょっと……よく分かんないから……任せた」

賢者「エッ! いえーちょっと無理です」

武道家「イカ焼きおいひい」ハフハフ



44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 15:00:07.44 ID:v7KuZVMl0

【陸地】

勇者「どこかに漂着してしまった」

賢者「どこなんでしょうね……」

武道家「あっ、もう船から下りていーんですか!?」

勇者「いいと……思う。あっ」

勇者「この船どうすればいいんだろ」

賢者「えっ……たぶんそれはイカリを下ろすとか……」

勇者「賢者さん任せました!」

武道家「力仕事は自分やります! どうすればいいんですか!」

賢者「いえあの、ボクもよく知らない……っていうか聞いたことあるだけで……」

賢者「(スー)ホントに下ろした方がいいとか。下ろし方とか。……いやさっぱりで」

勇者「じゃあ……ん?」

勇者「ちょっとこの船、沖の方に流れてない?」

武道家「えっ! 早く陸地に飛び移らないと!」

勇者「いやそうじゃない、そうじゃないんだけどコレどうすればいいの」



45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 15:01:42.23 ID:v7KuZVMl0

【フィールド】

勇者「船は2時間かけて何とかなりました。さて」

勇者「ここはどこだろう。どっちに進めばいいんだろう」

賢者「さあ……」

武道家「あっ!」

勇者「えっ?」

武道家「なんかあそこにあるの、もしかして! ……」

賢者「魔王の城?」

武道家「それです! それではないでしょうか!」

勇者「おお……」

勇者「武道家ちゃん」

武道家「はい!」

勇者「リーダー代わろう」

武道家「はい! えっ? いいえ!!」



47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 15:03:27.59 ID:+vifHb4CP

武闘家アホの子かわいい支援



48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 15:05:04.88 ID:v7KuZVMl0

【魔王の城・門】

勇者「ああ、ついに着いてしまった」

勇者「やるべきことがまた止まってしまった……」

門番「誰だ!」

勇者「あっ! 魔物だ!」

賢者「ど、どうすればいいですかね」

武道家「やっちゃっていいんですか!」

門番「人間め! ここは誰も通してはいかんことになってるのだ!」

勇者「えっ? でも……」

勇者「それじゃあ……お前も中に入れないんじゃ……」

門番「それは……ん? そう……なのか……?」

賢者「……(スー)でもボクらここ通らないと……あれですよね……」

勇者「うん……そんな感じだから……」

武道家「♪ ♪」

門番「うむ……ぬう……?」



49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 15:06:07.40 ID:v7KuZVMl0

勇者「だからつまり……整理すると」

勇者「ここを入らないといけない人が3人いて……」

勇者「ここを通したくない魔物が1匹いるわけだから……」

門番「……ぬ……」

勇者「ほら……さっきもお前、自分のことも忘れて『誰も通してはいかん』とか間違ってたし……」

勇者「だから……あーもうよく分かんなくなってきたけど……」

門番「……ぬう……」

賢者「それに……あっ、失礼……それに」

賢者「多数決の原理というか……ほら」

賢者「こっちは3人いるわけで……そういう流れだったら……」

門番「ぐぬぬ……」

武道家「おじゃましまーす!」 バンッ

門番「あっ」

勇者「あ、という訳で失礼します……」

賢者「あ、失礼します……」



50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 15:06:43.31 ID:v7KuZVMl0

【魔王の城】

強い魔物のむれが あらわれた!

勇者「いまだかつてないピンチ!」

賢者「ど、どうしますか。帰りますか」

武道家「やっちゃっていいんでしょうか!?」

魔物A「な、なんだ貴様らは」

魔物B「門を抜けてきたのか!?」

勇者「あ、言葉が通じるんですか」

勇者「みんなちょっとまって。ストップ!」

「……」

「……」

勇者「えっ。こんないきなり静かにならなくても……」

魔物A「な、なんなのだ一体」

勇者「だから勇者なんです」

魔物B「何ぃ!?」



51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 15:07:17.45 ID:v7KuZVMl0

魔物A「お、おい。どうすればいいのだ。来たぞ、勇者」

魔物B「し、知らんわ。まだ何の準備も整ってないぞ」

魔物C「側近様に相談した方がいいのでは」」

魔物A「えっ、奥に通そうというのか」

魔物B「知らんわ! お前側近様から何か聞いているのか?」

魔物C「近々勇者が来るかもしれない……とだけ」

魔物A「たわけそれは皆同じだ!」

 

勇者「あのー……」

魔物A「!? ま、待て。まだ相談中だ」

勇者「あ、待てばいいんですね。お願いします」

賢者「あ、お願いします」

武道家「よろしくお願いしまーす!」

魔物A「えっ……あ……くそ、どうすればよいのだ……」



52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 15:09:08.18 ID:v7KuZVMl0

【側近の間】

側近「何、もう来たというのか!?」

勇者「あ、どうも」

賢者「話の分かる相手で助かりましたね」

武道家「ちょ、ちょっと勇者様、ここ暗い」 ぎゅっ

側近「お前達は何をやっておるのだ!?」

魔物A「申し訳ございません」

魔物B「すみません」

魔物C「同上」

側近「こ、こんなに早く来るなど……聞いてないぞ」

側近「どうしたものか……」

勇者「あのう。あなたは?」

側近「ワ、ワシか? ワシは魔王様の側近じゃ!」

勇者「そうですか……。……」

側近「おい、そこで言葉を切るな!」



53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 15:11:49.34 ID:v7KuZVMl0

魔物A「あのう」

側近「何だ!?」

魔物A「我々はどうすれば……」

側近「くっ……なぜこんな状況になっておるのだ……」

勇者「こっちもどうすれば……」

賢者「エッ……(スー)それはもちろん、魔王を……」

側近「ま、魔王を?」

むれ「……」

勇者「……」

武道家「……」コソコソ

賢者「あ、ダメです、ボクにはこの場は荷が重過ぎる!」

勇者「えええ……そこまで言ったんだから……」

側近「ま、魔王様をどうするつもりだ!?」

勇者「あ、ちょっと倒しに」

側近「者共、こやつらを八つ裂きにせよ!」   勇者「ええっ!?」



56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 15:16:19.51 ID:v7KuZVMl0

魔物A「え、やっつけていんですか!?」

側近「無論だ! こやつらは魔王様に仇なす敵だぞ!」

魔物B「え……それじゃあ」

魔物C「ギャ、ギャース?」

勇者「うわあ来た!」

賢者「ちょ、これ、レベルが違うみたいなんですけどちょっと」

勇者「武道家ちゃん!」

武道家「は、はひ!?」

勇者「いつまでもそこにしがみついてないで、こいつらやっつけて」

武道家「あ、えっ? やっつけていいんですか?」

勇者「いいと思うから!」

武道家「ゆ、勇者様が言うなら……チェストォ!!」

武道家の こうげき! かいしんのいちげき!

魔物Aは 音速でふきとび カベに激突した! ▼

魔物B「あっ!?」



57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 15:16:53.21 ID:v7KuZVMl0

武道家の こうげき! かいしんの いちげき!

魔物Bは うむをいわさず 地面に めりこんだ! ▼

勇者「よし! その調子!」

武道家の こうげき! かいしんの いちげき!

魔物Cは 問答無用で 天井をつきぬけた! ▼

賢者「ええっと……呪文唱えたほうがいいのかな……」

武道家の こうげき! かいしんの いちげき!

側近は くの字に折れ曲がり 奥の間へ つきぬけた! ▼

勇者「――!」

武道家の こうげき! もれなくかいしんの いちげき!

勇者は 奥の間に ふきとんだ! ▼

賢者「じゃ、じゃあここは補助呪文――」

武道家の こうげき! もれなくかいしんの いちげき!

賢者は バブルスライムに なった! ▼

魔物のむれと 勇者たちを たおした



58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 15:17:25.20 ID:v7KuZVMl0

【魔王の間】

勇者「う……まだ生きてる……」

側近「ぐあ……おのれ……」

勇者「こ、ここは……?」

側近「ふっ……ここは……魔王の間だ……」

側近「ただし……無人のな」

勇者「えっ? ど、どういうこと?」

側近「魔王様は……」

側近「まだ顕現されておらぬのだ。あの玉座が埋まるのは……まだ先だ」

勇者「えっ……先ってどのくらい……」

側近「あと1000万年はかかる」

勇者「1000万年」

側近「そうだ……だから言ったでろう」

側近「来るのが早すぎると……」

勇者「なんてこった」



60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 15:18:17.67 ID:v7KuZVMl0

武道家「勇者様ー!」

勇者「あ、武道家ちゃん。起こして」

武道家「ごめんなさい! 自分、暗くて怖くてパニックで!」

勇者「いたた! ちょっともうちょっとゆっくり!」

武道家「ごめんなさい!」

側近「……ふっ。万事休すか」

側近「良かろう、ワシにとどめを刺すがよい……」

勇者「えっ、とどめを刺して欲しいんですか?」

側近「これが魔物の生き様よ……だが忘れるな」

側近「1000万年の後、現界なされた魔王様が、必ずやお前たちを葬り去るぞ!」

勇者「えっ……でも多分、そんなに経ったら子孫も生きちゃいないと思うんですけど……」

側近「な、何。どういうことだ?」

勇者「えっとだから……人の寿命なんて、たかだか80年も生きれば長生きな方で……」

側近「何!? し、知らなかった……てっきり魔族と同じぐらいかと……」

勇者「はぁ……なんかすみません……」



61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 15:19:12.58 ID:v7KuZVMl0

勇者「というわけで魔王もいなかったことですし」

勇者「帰ります」

武道家「オス!」

側近「ま、待て」

勇者「はい何ですか?」

側近「このまま命を助けられたままとあっては、我が一生に残る汚名不覚」

側近「ここは何か返礼をさせてくれ」

勇者「じゃあ……何にしようかな……あ、こういうのはどうかな」

勇者「とりあえず一万年くらい大人しくしておいて、みたいな……」

側近「な、何?」

勇者「そのくらいの間、人間が住むところにはちょっかい出さないで……って感じで」

側近「たった一万年でよいのか?」

勇者「えっ? はい」

側近「心得た。ワシの名誉にかけて遵守しよう!」

勇者「あはい、ありがとうございます」



62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 15:20:47.57 ID:v7KuZVMl0

賢者「死ぬかと思った……」

勇者「あっ賢者さん、ご無事で」

賢者「ええ……残りの魔力でぎりぎり命が繋がりました……」

武道家「賢者さん! 申し訳ありませんでした!!」

賢者「いえ、ボクもぼけっとしてたから……うん……うん? うん……」

勇者「それじゃあ帰ろう」

側近「気をつけてな」

勇者「どうも。さようなら」

武道家「さようならー!」

賢者「えっ。さ、さよなら。えっ? あれ魔物の……」

 

門番「――お。おう?」

武道家「お邪魔しましたー!」ゾロゾロ

勇者「どうも。で、帰り道は門から出てどっちだっけ」ゾロゾロ

賢者「さぁ……」ピタ…



63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 15:20:54.16 ID:dta0LFujO

武道家は既に天下一なんじゃなかろうか



64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 15:23:32.77 ID:X6MUehQ40

武闘家強すぎだろwww



66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 15:24:44.95 ID:v7KuZVMl0

【城】

勇者「――と。以上がここ一ヶ月間のあらましです」

王「うむ! 実にご苦労であった!」

勇者「はい」

王「……」

勇者「……」

王「うむ! ご苦労!」

勇者「はい」

王「……」

王「で、これからどうすればよいのじゃ大臣」ボソボソ

大臣「ううん……戦勝パーティーなどするのですかな……」ボソボソ

大臣「いやでも、魔王を倒したわけではない……しかし平和は守られて……ううん」

勇者「ええっと……」

賢者「……」ソワソワ

武道家「……」ウキウキ



67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 15:25:44.62 ID:v7KuZVMl0

文官「あ、あのう大臣……あ、いま取り込み中ですか……」

大臣「な、何じゃ? いい、申してみよ」

文官「は、はい……蔵書を漁ってたら、こんなものが……」

大臣「なになに……ぬおっ! これは!」

王「どうしたのじゃ? 余を仲間外れにするでない!」

大臣「王様、これからやるべきことが分かりましたぞ!」

王「なに、でかした!」

大臣「まずはこの文献にお目通りを」

王「なになに。ふむ! ほう、そういうことか……」

 

勇者「あのう帰っていいですか」

王「しばし待たれい!」

勇者「待ちますとも!」



69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 15:27:29.56 ID:v7KuZVMl0

王「――待たせたな。では、勇者よ」

勇者「はい」

王「文献によると、どうも別の地にて新たな魔王が復活するらしい!」

王「さぁ、今こそ魔王を倒しに行くがよい!」

勇者「何ですって、まだいるんですか?」

王「ふむ……そのようだ。すまぬ勇者よ、また旅立ってくれるか?」

勇者「はい。まぁそういうことなら仕方ないので、行きます」

王「おお、助かる」

勇者「あー……その代わり……あの差し出がましいんですが」

勇者「今度は……その……剣とか盾とか……お金を用意してくれたら、ありがたいかなと」

王「ぬう!?」

賢者「おー」

武道家「んぇ?」



70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 15:28:44.94 ID:v7KuZVMl0

【城下町】

勇者「よし。剣だ。これで戦える」

武道家「勇者様! かっこいーです!」

賢者「勇者様、またどうして……あっ、別に無理に知りたいわけじゃないですが……」

勇者「うん。えっと、前の旅をして思ったんだけど」

勇者「やっぱり、戦闘は武道家ちゃんに頼りっぱなしじゃ悪いし」

武道家「え! そんなことないですよ! 勇者様はガンバってますよ!」

勇者「いやでも、自分でも何かできないかなって……とか……」

賢者「おお……すごくレベルが上がってるみたいな……」

勇者「だから賢者さんも、今度呪文を教えてください」

賢者「エッ? あ、はい……でも教え方なんて……(スー)あでもボクもいちお頑張りますから」

賢者「ていうかボク、次の旅もやっぱり……?」

勇者「あ、もちろんです。あ、嫌だったら全然……」

賢者「あ、いえ……嫌っていうか……大丈夫ですかねぇ……。あでも大丈夫かな……」

勇者「これからもよろしくお願いします」



72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 15:29:44.20 ID:v7KuZVMl0

勇者「武道家ちゃんも、いざとなったらこの剣で守ってあげるからね」

武道家「えっ? ……はい! では今度、守られ方を教えてくださいね!」

勇者「守られ方? んーと」

勇者「よしよしなでなで」

武道家「あっえっ? えっ??」

勇者「はは。ところで武道家ちゃんは、次の旅にもついてくる?」

武道家「は、はい! もちろんです! 自分、勇者様についていきますので!」

勇者「うん。これからもよろしくね」

武道家「はい! よろしくお願いします!!」

勇者「それじゃあみんな、行こっか」

武道家「オス!」

賢者「はいっ」

勇者「よし。なんか少しわかってきたかも」



END



75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 15:30:41.97 ID:2THizsE10

追いついたと思ったら終わった
面白かった乙



76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 15:31:20.44 ID:v7KuZVMl0

くぅ~これにて完結です。ではまた



82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 15:58:32.14 ID:aYut5KR/0

乙であった



87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 17:11:32.35 ID:Raxy4qeP0

お、乙…でいいんですかね…



83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 16:05:30.11 ID:hDacAf960

いいものみた



84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/05(火) 16:35:10.62 ID:/nOuYbA2O


もやもやした



4047286486まおゆう4コマ 「向いてませんよ、魔王様」(2) (マジキューコミックス)

エンターブレイン 七積ろんち, (原作)橙乃ままれ, (キャラクター原案)水玉蛍之丞、toi8 2013/1/25

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魔王・勇者SS   コメント:7   このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント一覧
31296. 名前 : 名無しさん◆- 投稿日 : 2013/02/07(木) 17:01 ▼このコメントに返信する
面白いのか割とわからない
でも読んじゃった
31297. 名前 : 名無しさん@ニュース2ちゃん◆- 投稿日 : 2013/02/07(木) 17:31 ▼このコメントに返信する
とっくの昔に別のまとめブログがまとめてんのに、何故今更まとめてんの?
31299. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2013/02/07(木) 17:56 ▼このコメントに返信する
※31297
他のまとめブログは見ない俺みたいな奴にはありがたいからいいんだよ
31303. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2013/02/07(木) 20:14 ▼このコメントに返信する
まぁ実際こうなるよな 勇者とか出てきてもわからんし
31304. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2013/02/07(木) 20:59 ▼このコメントに返信する
これはイライラする
31339. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2013/02/09(土) 09:05 ▼このコメントに返信する
反応とか顔色をリアルに想像するとかなり笑えたわ
独特のセンスあるな、漫画とかでも読みたい。
49151. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2019/10/18(金) 01:14 ▼このコメントに返信する
モヤッモヤッモヤッ・・・・・・
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