1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:12:21.96 ID:f/6wtvkh0
玄関
聡「姉ちゃん?おかえr」
律「おっ?聡か。ただいま~」
唯「あっ!こんにちは~!」
梓「おじゃまします」
澪「久しぶりだな、聡」
紬「りっちゃんの弟さん?かわいいわねぇ~♪」
聡「ど、どうも…」
律「今から部活のミーティングするから、うるさいかもしれないけど我慢してくれ」
聡「あっ、うん。皆さん、ごゆっくりどうぞ…」ガチャリ
唯「ありゃ?部屋に行っちゃったね」
律「アイツは人見知りな所があるからなー」
澪「律とは違って繊細なんだよ」
律「なんだとぉー!」
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:13:03.56 ID:f/6wtvkh0
聡の部屋
キャッキャウフフ
聡「姉ちゃんが女子高生を4人も伴って帰って来やがった…」
聡「いつか…そう、いつかこんな日が来るとは思っていたが、まさか今日とは…」
聡「あぁん!俺のテンションフォルテッシモ!」
聡「せめて話しだけでもしたいぃ!」
聡「…いや待て田井中よ。お前の志はそんなに低くていいのか?」
聡「同志である美しい魔闘家鈴木はもっと高みを目指すはずだ…」
聡「奴には負けられない…そうだ、手を握ろう!それっきゃない!」
聡「そうと決まれば情報収集だ!」ガチャリ3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:13:46.95 ID:f/6wtvkh0
キッチン
聡「ヘッヘッヘ…このコップを耳に当て壁につければ、姉ちゃんたちの会話は世界まる見えテレビ特捜部だぜ…」
ガチャリ
律「おっ、丁度いいところに」
聡「ね、姉ちゃん!?なんの用かな?」
律「なにそんなビビってんだよ?」
聡「びびびビビってなんかなないし!ちちちょっとおおお驚いただっだけだし!」
律「お前、ごまかすの下手すぎるだろ…まぁいいや、ちょっと手伝え」
聡「…残念ながら俺にそんな時間はない。田井中聡はクールに去るぜ」バッ
律「オイコラ待て」ガシッ
聡「離せっ!俺を知らないのか!?俺は田井中だぞ!!離せっ!」
律「へーアンタも田井中って言うんだ。って、こんなことしてる場合じゃないんだよ!」4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:14:31.44 ID:f/6wtvkh0
聡「ちくしょう…ちくしょう…」
律「しょぼくれんのも良いけど私の話を聞け!」
聡「なんだよ?」
律「オォウ、急に普通。オホン…いや、ただ私の部屋にジュースを運んでくれってだけだよ」
聡「どうしてそれを早く言わなかった!?」
律「お前が聞かなかったんだろ!で、すんの!?しないの!?」
聡「40秒で支度しな!」
律「それはお前がしろ」
聡「ですよねー」5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:15:13.09 ID:f/6wtvkh0
律の部屋の前
聡(まさかこんな事になろうとは…コップを取りに行ってよかった…)
聡(こ、この扉の奥には一体どんな楽園が…)
コンコン
聡「あ、あの~…」
ガチャリ
澪「あれ?聡じゃないか。律はどうしたんだ?」
聡「姉ちゃんはなんか用事があるみたいで…代わりにジュースを持っていけと…」
澪「そうか、すまないな聡」
聡「いえそんな、滅相もない!それじゃ…おr、ぼ僕はこれで…」
唯「あっ!ねぇねぇ弟くんも一緒にお話しようよ!」
聡(なん…だと…!?)7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:15:54.82 ID:f/6wtvkh0
聡「で、でも皆さん…ミーティングはいいんですか?」
唯「いいよいいよ!ミーティングなんて毎日してるし!」
聡(なんだろう…女神っているんだな…)
唯「みんなも別にいいよね?」
紬「私もりっちゃんの弟さんとお話ししてみたいわ♪」
梓「私は別にどっちでも…」
澪「聡はどうなんだ?」
聡「僕は皆さんがいいと言うなら、ご一緒したいです!」
唯「じゃあ決まりだね~」8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:16:39.40 ID:f/6wtvkh0
律の部屋
唯「じゃあまず自己紹介しないとね!私は平沢唯って言うんだ!」
唯「で、金髪なのがムギちゃんで黒髪なのが澪ちゃんでこのかわいいのがあずにゃんだよ~」
聡(女子高生と同じ空間にいる…こんな嬉しいことは3年振りくらいだ…)
梓「ちょっと唯先輩!ちゃんと説明してくださいよ!」
唯「ちゃんと説明したよぉ~あずにゃ~ん」
紬「ねぇねぇ、かわいいのは梓ちゃんだけなの?」
唯「ううんみんなかわいいよ~」
聡(目の前で女子高生同士がキャッキャッしてるよ…ぼかぁ、幸せだなぁ…)9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:17:21.48 ID:f/6wtvkh0
澪「ごめんな、騒がしくて」
聡「いやっ!そんな騒がしいなんてとんでもない!」
澪「別に…私に緊張することないだろ?」
聡「…そうだね」
聡(しかし…いつ見ても海水をぶっかけたくなる髪だな。澪さんは)
唯「弟くんの名前はなんて言うの?」
聡「えっ?さ、聡です」
紬「聡くんは中学生?」
聡「はい!」
梓「楽器はなにかしてるの?」
聡「楽器はカスタネットくらいしか…」
唯「大丈夫だよ聡くん!カスタネットしか出来なくてもギターは弾けるよ!」
聡「そうなんですか?」10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:18:05.37 ID:f/6wtvkh0
澪「いや、そんなわけないから…」
聡「そうなの?」
澪「ちゃんと練習しないと弾けないぞ」
聡「そうだったのか…」
澪「ていうか当たり前だろ」
紬「さっきから思ってたんだけど、二人はお知り合いなの?」
澪「幼馴染みみたいなもんかな?小さい頃はよく私と律と聡で遊んでたりしたから」
唯「幼なじみだったら朝起こしに行ってたりしたの?」
澪「漫画じゃないんだし、そんなことするわけないだろ」
聡(いつか起こしにくるだろう澪さん目当てで、毎朝一時間早く起きてた俺の努力は無駄だったのか!)12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:18:47.49 ID:f/6wtvkh0
梓「にしても、律先輩遅いですね」
聡「じゃあ俺ちょっと姉ちゃん見てきますよ」
梓「あっ、なんかごめんね」
聡「いえ!そんな滅相もない!…それじゃあちょっと失礼して…」ガチャリ
キッチン
聡「姉ちゃんいるかい?」
律「おう、聡どうした?」
聡「あずにゃんって人が姉ちゃんが遅いからって言ってたから」
律「へー梓が…ってなんでお前がその呼び方を!?」
聡「女神が我に味方した…こう言えば解ってもらえるかな?」
律「どうせ唯が「あっ!ねぇねぇ弟くんも一緒にお話しようよ!」とか言ったんだろ?」13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:19:28.80 ID:f/6wtvkh0
聡「どうしてそれを!?」
聡「まさか…姉ちゃんエスパーだったのか!?アギトになるのか!?」
律「いや見てた」
聡「ナズェミデルンディス!?」
律「な~んか面白そうだったし~」
律「変な顔しながら「で、でも皆さん…ミーティングはいいんですか?」とか言っちゃって。なかなか面白かったぞ」
聡「今、俺のことを笑ったかぁ!」
律「まぁまぁそんな怒んなって。結果的に目標達成したんだろ?」
聡「!?どうしてそれを!?」
律「何年姉弟やってると思ってんだよ?お前の魂胆なんてお見通しだ」
聡「え?マジで気付いてたの?」
律「いやお前がデカい声出してたからドアの隙間から見てた」
聡「ヤハリソウイウコトカ」14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:20:11.06 ID:f/6wtvkh0
聡「ていうかそれって他の人にもバレてない?」
律「あー大丈夫大丈夫。ゲームで負けて悔しがってんだろって言っておいたから」
聡「気が利き過ぎるだろ姉ちゃん!」
律「まぁなんにせよ話せてよかっただろ?」
聡「まぁ…うん。それは…」
律「コイツ一人前に照れてやがんぜー!ヘッヘ」
聡「う、うっせーな!それで用事はどうなんだよ!?」
律「用事?あぁ…そんなもの元々ないぞ」
聡「へ?」
律「あれはお前を私の部屋へ行かすための口実だ」
律「それに、上手くいった時に私がいちゃ話しにくいことだってあるだろ?」
聡「姉ちゃん…アンタマジ最高の姉ちゃんだぜ!」
律「ほらほら、早く戻れ。話しする時間が減るぞ?」
聡「姉ちゃんマジありがとう!愛してるよ!」ガチャリ
律「今度から礼は言葉じゃなく物でくれよー」15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:20:53.03 ID:f/6wtvkh0
律の部屋
ガチャリ
聡「姉ちゃん見てきました」
梓「あ、律先輩どうだった?」
聡「なんかまだ時間かかるみたいで…皆さん、なにやってるんですか?」
唯「大富豪だよ~」
聡「大富豪ですか?」
梓「いや大貧民だよ」
聡「へ?大貧民?」
唯「違うよあずにゃん!大富豪だよ!」16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:21:35.71 ID:f/6wtvkh0
梓「いいえ、大貧民です!いくら先輩でもこれは譲れません!」
澪「どっちだっていいだろ…」
聡(トランプか…トランプ…ロイヤルストレートフラッシュ…)
紬「聡くん?どうかしたの?」
聡「あ、いえ大丈夫です」
アータラッシーツヨーサデー ヨーミガッエールオーモイー
聡(鈴木から電話…?なんだこんな忙しいときに!)
聡「すみませんちょっと…」17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:22:17.12 ID:f/6wtvkh0
廊下
聡「はいはい、もしもし」
鈴木『田井中、今なにしてんだ?』
聡「電話してるに決まってんだろ」
鈴木『悪い意味で一休さんも真っ青なとんちだな』
聡(一休さん…?そ、それだ!)
鈴木『どうせ暇なんだろ?今から俺ん家来いよ』
聡「すまないな同志鈴木よ…君のおかげで俺のするべきことが決まったよ」
鈴木『は?なに言ってんだよお前』
聡「鈴木よ、先に大人の階段の上で待っているぞ!」
鈴木『!?た、田井中!お前まさか…!?』
聡「じゃあな鈴木。早く俺の元に来いよ」
鈴木『よせ、はやまるな!やm』ピッ
聡「君の犠牲は無駄にはしない…美しい魔闘家鈴木よ…」19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:22:58.89 ID:f/6wtvkh0
ガチャリ
聡「ただいま戻りました」
唯「聡くんも大富豪やるよね?」
梓「大貧民って言ってるのに…」
聡「あの…それよりも面白いゲームがあるんですけど…それしませんか?」
唯「えっ?なになに?」
聡「一休さんっていうトランプゲームなんですけど…」
澪「あぁ…アレか…」
梓「アレですか…」
唯「なになに?2人とも知ってるの?」
紬「私も知りたい!」
聡「説明をするとですね、一人ずつトランプを引いていって、1か9か3が出たらみんなで一斉にそのカードを叩くんです」
聡「最後に叩いた人とお手つきをした人は、それまでに貯まったカードを全部引き取るんです」
聡「それで、最後に一番持ってるカードが多い人が負けです」20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:23:41.28 ID:f/6wtvkh0
紬「なんかワイルドで面白そうなゲームねぇ~」
唯「そうだね!みんな早くやろ~」
梓「いいですけど…ケガに気を付けてくださいね?」
澪「聡はちゃんと手加減しろよ?」
聡「うん、解ってる。大丈夫」
聡(フッフッフ…これで女子高生の手を握れる…!)
聡(これで互いの手が触れ合って「あっ…」みたいな展開になって!淡い恋が始まる!みたいな!)
聡(まさに計画通り…!笑いが止まらねぇよ!フハッハッハッハ!)
聡「フフフ…フハッ…フハッハッハッハ…」
澪「さ、聡…?」
聡「へっ!?な、なんでもない!大丈夫大丈夫!」
澪「そ、そうか…」
聡(あっぶねぇー!声に出てたよ…気を付けなきゃな…)22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:24:23.33 ID:f/6wtvkh0
聡「準備できましたよ」
唯「誰からする?」
紬「ハイ!私、私からがいい!」
聡「じゃあムギさんからで…」
ガチャリ
律「おーお前らなにやってんだ?」
聡(ね、姉ちゃん!?そんなバカな…!)
唯「りっちゃん、用事は終わったの?」
律「あーうん。終わった終わった」
梓「結構時間かかってたみたいですけど、なにしてたんですか?」
律「晩飯の下ごしらえをな。ていうか一休さんするのか?」
澪「あぁ。聡の提案でな」
律「そうか、じゃあ私もやろっかな?」24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:25:04.67 ID:f/6wtvkh0
聡「姉ちゃんちょっと…」コソコソ
律「なんだ、どうした?」コソコソ
聡「戻って来ないんじゃねぇのかよ!?」コソコソ
律「お前の魂胆なんてお見通しつったろ?」コソコソ
聡「それ見越して野に放ったんじゃなかったのか!?」コソコソ
律「そうだけどさー…お前、やり方が姑息なんだよ」コソコソ
聡「し、仕方ねーだろ!?俺は卑怯もラッキョウも大好きなんだよ!」コソコソ
律「だけどいい加減見過ごせねーって」コソコソ
聡「…邪魔する気か?」コソコソ
律「あぁ、全力でな」コソコソ
聡「解った…受けて立つ!」コソコソ
律「姉の全力…見せてやんよ…!」コソコソ25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:25:46.32 ID:f/6wtvkh0
唯「ねぇ、もう始めるよ~?」
律「すまんすまん!始めてくれ」
聡(くそぉ~!こんなことになるなんて!)
聡(この勝負、負けるわけにはいかない!)
紬「じゃあ始めるわね!えいっ♪」ペラリ3
聡(なにっ!?いきなり3だと!?)
聡(だが焦るな!俺が望みさえすれば、運命は絶えず俺に味方する!)
「えいっ!」ペシッ
「やあっ!」ペシッ
「とうっ!」ペシッ
「たあっ!」ペシッ
聡(もう4人だと!?今しかない!)
聡「ウェイ!!」ペシッ
聡(どうだっ!?これは誰の手だ!?)26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:26:27.55 ID:f/6wtvkh0
律「ふぅ~…ギリギリセーフだな」
聡(!?そ、そんなバカな!?)
聡(姉ちゃん、マジか!?)
律「残念だったなぁー聡」ニヤリ
聡「お、おぅ…」
聡(オンドゥルルラギッタンディスカー!?)
唯「じゃあこのカードは聡くんのだね~」
聡「あ、はい…」
紬「このゲームなかなか白熱するわね!」28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:27:08.82 ID:f/6wtvkh0
30分後
聡(なぜだ!?なぜ姉ちゃんの手しか掴めないんだ!)
聡(ちくしょー!姉ちゃん以外の手を握れないままカードだけが貯まっていくぅ!)
澪「なぁ、まだするのか?」
唯「うぅ~…手が痛くなってきたよ…」
紬「それに日もすっかり暮れちゃったものね」
梓「お腹も減ってきましたしね」
律「聡、お前負け確定だけどどうする?」ニヤリ
聡(この姉はちくしょー…!手ぇ貸してくれるんじゃなかったのか!?)
聡(だがまだだ!まだ勝負を終わらせてはいけない!)
聡「もう1回…もう1回だけお願いします!」
澪「聡がそこまで言うなら、まぁ1回くらいは…」
唯「聡くんって、負けず嫌いなんだね!」
聡「そうです!俺は負けられないんです!」
唯「おぉー!熱いねぇー!」29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:27:51.36 ID:f/6wtvkh0
聡(ここは作戦を変えて一番を取りに行こう…)
聡(もう誰かに俺の手を握ってもらうしかない!)
聡(名護さん…俺に力を貸してください!)
梓「じゃあ、私からですね」ペラリ8
紬「えいっ♪」ペラリ13
唯「よいしょー!」ペラリ2
律「そろそろかなー?」ペラリ10
聡「来い…来い…来い…来い…」ペラリ4
澪「やめろ聡!なんか怖いぞ…」ペラリ6
聡「あぁ、すみません…」30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:28:32.58 ID:f/6wtvkh0
梓「これで一周ですね」ペラリ11
紬「そうねぇ~」ペラリ1
聡(来た!ニゴリーエースハオレノモノダー!!)
聡「ウェイ!!」ペシッ
聡(!?この柔らかさ…まさか!?)ニギニギ
紬「やったー!私が1番♪」
律「たぁー!やられた…」
聡(ここに来てやっと…やっと手を握れた!イヤッッホォォォオオォオウ!)
聡「ムギさん!」ニギニギ
紬「は、はい!」ニギニギ
聡「おかげで夢が叶いました!ありがとうございます!」ニギニギ
紬「そんな、私はなにも…」ニギニギ
聡「俺もう一生手洗いません!」ニギニギ
紬「それは不潔だからダメよ?」ニギニギ31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:29:13.93 ID:f/6wtvkh0
澪「お前ら、いい加減手を離したらどうだ!見てるこっちが恥ずかしい…」
聡「あっ!ごめんなさい…いつまでも握ってて…」パッ
紬「ううん、謝る必要なんてないのよ?」
紬「聡くんも男の子だもの…女の子に興味があるのは当然よ♪」
聡「ムギさん…!」ズッキューン
聡(ムギさんがマキシマムドライブで俺のハートにトリガーフルバーストォォオオオォオォォオ!)
唯「おぉー!これが二人だけの世界ってヤツだね!」
梓「私もこんなの初めて見ました…」
澪「お、おい律!聡とムギをなんとかしろ!」
律「なんとかしろっつったってなー…ていうかなんでそんなイラついてんだよ?」
澪「い、イラついてなんてない!」ブンッ
ゴンッ
律「いっ…てぇっー!殴ることないだろ!?」
澪「う、うるさい!律が変なこと言うからだろ!?」32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:29:55.50 ID:f/6wtvkh0
唯「ゲームは聡くんの負けだね」
梓「1人だけカードだらけですもんね…」
律「罰ゲームは…そうだなぁ…」
聡「え?罰ゲームあんの?」
律「当たり前だろ」
聡(うぉー!一難去ってまた一難ぶっちゃけありえないぃー!)
聡(姉ちゃんの罰ゲームエグいから嫌なのにぃー!)
聡(前は確か…ディケイドライバーとお面つけて散歩して、道行く人に「通りすがりの仮面ライダーだ!」って言えだったな…)
聡(次はなんだ!?ダブルで散歩しながら、道行く人に「さぁ、お前の罪を数えろ!」って言うのか!?)
律「あー…聡」
聡「な、なにかな…?」
律「お前、澪送ってけ。それが罰ゲーム」
聡「へ?」
澪「えぇ!?」34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:30:36.18 ID:f/6wtvkh0
唯「澪ちゃんだけズルいよ!私も送ってほしい!」
紬「私も!私も送ってほしい!」
澪「な、なんで私なんだよ!?」
律「はいはいわがまま言わない!何も言ってない梓を見習え!」
聡「姉ちゃんちょっと…」コソコソ
律「あ?なんだよもう…」コソコソ
聡「姉ちゃん…もしかしてワームか?」コソコソ
律「は?そんなわけないだろ。なんで私が擬態されなきゃいけないんだ」コソコソ
聡「だって罰ゲームって…そんなんでいいの?」コソコソ
律「嫌なのか?じゃあ街中で、マジでガタックゼクター来るまで「来い!ガタックゼクター!」って叫ばせるぞ?」コソコソ
聡「そんなっ!嫌なわけないじゃないですかぁ!むしろ嬉しいくらいですよ!」コソコソ
律「ならいいだろ?澪、なんか機嫌わりぃみたいだし、それ直してこい」コソコソ
聡「おぉう…解った…」コソコソ35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:31:17.83 ID:f/6wtvkh0
玄関
律「じゃあまた学校でな」
紬「おじゃましたわね、りっちゃん」
唯「うー!澪ちゃんだけずるいよー!」
梓「先輩、もういいじゃないですか…おじゃましました、律先輩」
律「気ぃつけて帰れよー」
梓「はい、それじゃあ失礼します」ガチャリ
聡「じゃあ…行きましょうか、澪さん」
澪「へっ!?あ…うん…」
律「うまいことやれよーみおー。ヘヘッ」
澪「う、うまいことってなんだよ!?」
律「ほらほらもう行け。悩むより動け!」
澪「お、おぅ…」
聡「じゃあ行ってくるわ、姉ちゃん」ガチャリ
律「おう、達者でな」36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:31:59.70 ID:f/6wtvkh0
夜道
聡「…こうやって歩くのも久しぶりですね」
澪「そう…だな…」
聡(えっ?この感じ…俺、邪魔じゃない?)
聡「そ、それにしても!今夜は星が綺麗ですねー!」
澪「そう…だな…」
聡(オイ、俺完璧に邪魔じゃねぇかよ!ちくしょう…罰ゲームってこういうことか!)
聡「…………」
澪「…………」
聡(沈黙も沈黙でツレーなオイ!)
澪「…喋らないのか?」
聡「えっ!?…いや、俺うるさいのかなーって…」
澪「そ、そんなことないぞ!喋っててくれたほうがいい…」
聡「へっ?あ、そーですか!なんかすいません…」
澪「謝るなよ!それと…今更敬語なんていいよ」38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:32:41.12 ID:f/6wtvkh0
聡「いやっ!あの、ですね…」
澪「昔はタメ口だったんだし…それに今日もほとんどタメ口だっただろ?」
澪「なんか改まって、敬語使われるのは寂しいな…」
聡(Oh…なんだこれ?予想外の反応なんですが…)
聡「じゃあ…タメ口でいいの…?」
澪「うん、そっちのほうが嬉しい」
聡(嬉しい…?嬉しいってなんだ!?これは…あらぬことを期待していいのか!?)
聡「そ、そう?ならいいんだけど…」
澪「前会った時はタメ口だったのに、どうして敬語にしたんだ?」
聡「いやーまぁー、さすがに中学になったら敬語使わなきゃいけないかなって」
澪「別にそんなの気にする必要ないだろ?私たちは幼馴染みなんだから」
聡「にしては、朝起こされたことないけどね。ハハッ」
澪「お、起こされたかったのか…?」
聡「えっ!?いやまぁ、それなりには…」
澪「そ、そうか…起こされたかったのか…」40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:33:23.19 ID:f/6wtvkh0
聡(なにこの雰囲気?マジで俺ちょっと期待しちゃうよ?これは…)
聡「澪さんの家って、ここだよね?」
澪「あっ、うん。…聡、手貸して」
聡「手?いいけど…なにすんの?」
澪「こ、こうする!」ニギニギ
聡「!?な、なんとこれは…!?」ニギニギ
聡(ま、マジかよぉー!?この予想は裏切られたけど、期待は裏切られなかったパターン!)
澪「お、送ってくれたお礼だ!恥ずかしいけど…」ニギニギ
聡「お礼って…でもなん…で?」ニギニギ
澪「…手、繋ぎたかったんだろ?」ニギニギ
聡「どうしてそれを!?」ニギニギ
澪「声…聞こえてたぞ…」ニギニギ
聡(姉ちゃんごまかしたんじゃなかったのか!?でも、叫んでてよかったー!)
澪「まぁ…私じゃ聡も不満かもしれないけど…」ニギニギ
聡「いや!そんなことない!すっごい嬉しい!」ニギニギ42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:34:05.12 ID:f/6wtvkh0
澪「そう…か。そうなら私も嬉しいな…」ニギニギ
聡「み、澪さーん!」ニギニギズッキューン
聡(澪さんがファイナルアタックライドで俺のハートにディメンションシュートォォオオオォオォォオ!)
澪「な、なんだ!?いきなり叫んだりして…」ニギニギ
聡「あっ、ごめん!嬉しくてつい…」ニギニギ
澪「そうなのか?でも…もう離さないと…」ニギニギ
聡「あ、あぁ、そうだよね。ごめん」パッ
澪「聡が謝ることないぞ。私からしたんだし…」
聡「でも、ホント嬉しかった!ありがとう!」
澪「ふふっ、私も今日は送ってくれて嬉しかった。ありがとう」
聡「いやそんな、お礼なんて…もう十分してもらったよ」
澪「そっか…じゃあ…またな、聡」
聡「うん、またね澪さん」
ガチャリ
聡「今日は…今日はなんて良い日なんだ!」44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:34:46.86 ID:f/6wtvkh0
次の日
聡「なんていい朝なんだ…こんなに朝が清々しいと感じたことはない…」
聡「昨日はひと夏の甘い経験もしたしぃ!」
聡「バラ色の人生とはこのことだったのか!」
ピンポーン ピンポーン
聡「おう、誰だい誰だい?出ちゃうよぉ~、少し大人になった田井中聡が出ちゃうよぉ~!」ガチャリ
梓「あ、どうも」
聡「ど、どうも…」
聡(あれ?この人…梓って人だよな?)
聡「あの…姉ちゃんに用ですか?姉ちゃんならまだ寝てますけど…」
梓「いや、律先輩じゃなくて君に用があるの」
聡「へ?俺に?」45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:35:28.28 ID:f/6wtvkh0
聡(俺に用…だと?なんだ…俺昨日この人に何かしたか?)
聡(ま、まさか!この人も俺に!?…ハッハッハまったくもう…モテ期が本格的に始まってるじゃないか!)
聡(これじゃあ、体がいくつあっても足りないな。ハッハッハ!)
聡「ハハッ…ハッハ…フハハハハ…」
梓「ねぇ、ちょっと大丈夫?」
聡「えっ?あ、はい!…とりあえずどうぞ」
梓「うん、おじゃまします」
リビング
聡「オロナミンCでいいですか?」
梓「あ、そんなお構いなく」
聡「いえいえそんな…それで俺に用って、なんですか?」
梓「そのことなんだけど…君ならこれのこと解るかなって…」コト
聡「!?」
聡(これは紛れもない…カードデッキじゃないか!)46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:36:10.32 ID:f/6wtvkh0
梓「これがなにか解る?」
聡「これは…カードデッキです」
梓「カードデッキって?」
聡「神崎士郎が作った、バトルロイヤルへの招待状です」
梓「それって…どういうこと?」
聡「あなたは仮面ライダーとなって、モンスターや自分と同じライダーと戦うことになったんです」
梓「そんな…私、聞いてない!」
聡「もう決められたことなんです…カードデッキを渡された以上、この運命からは逃げられません」
梓「そんな…私、戦うなんてイヤ!そんな危ないこと出来ない!」
聡「それにしても…このコントいつまで続けるんですか?」
梓「え?もういいの?私はまだまだ出来るけど…」
聡「ノリノリですね…」47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:36:52.70 ID:f/6wtvkh0
聡(まさか…姉ちゃんの友達にライダーが好きな人がいるとは…)
梓「ノリノリって、君もノリノリだったじゃない」
聡「なんか乗らなきゃいけない雰囲気だったじゃないですか」
聡(でもよく乗れたよな俺も…俺は俺にご褒美を与えてやりたい!)
梓「私はてっきり普通に反応されて終わりだと思ってたよ」
聡「一応、普通に反応したつもりなんですけど…」
梓「まぁ楽しかったからいいけどね」
聡「でも…なんでいきなり来たんですか?」
梓「私の周りにライダーで話せる人がいなくてね」
梓「君なら一緒に話せるかなって」
聡(ライダー見てて良かったー!ありがとー!高岩さーん!)49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:37:38.31 ID:f/6wtvkh0
聡「あ、でもどうして俺がライダー好きだって…」
梓「着メロとかけ声かな?…ウェイ!!なんてライダー知ってる人じゃないと使わないよ」
聡「あぁ、それで…」
梓「ねぇ、部屋見せてよ」
聡「へ、部屋!?そんな…心の準備がまだ…」
梓「…君が期待してるようなことはないから、安心して」
聡「あ、そっすか…」
聡の部屋
聡「散らかってますけど、どうぞ」
梓「おじゃまします。へぇー…いっぱいベルトあるね」
聡「主人公のヤツだけですけどね」
梓「あ、ロストドライバー!…映画見たの?」
聡「ジョーカーが反則級のかっこよさだったんで…」
梓「面白かったよねー。…今からまた見に行く?」50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:38:19.09 ID:f/6wtvkh0
聡「えぇっ!?2人っきりで!?」
梓「親睦も兼ねて、ね?」
聡「俺は全然かまわないですけど…」
聡(Oh…これは完璧にデートのお誘いじゃねぇか! 俺は今、未来を掴んだ気がする!)
梓「うん、それじゃあ行こっか」
聡「はい!行きましょう!すぐ行きましょう!」
梓「そんな焦らなくても…」
玄関
律「あれ…?なんで梓がウチにいんだよ!?」
梓「あ、律先輩おはようございます」
律「お、おはよう…」
梓「受験生なんですから、こんな時間まで寝てたらダメですよ?じゃあちょっと聡くん借りていきます」
聡「行ってくるぜ、姉ちゃん」
梓「おじゃましました。律先輩、失礼します」ガチャリ
律「…なんだぁ?まだ寝ぼけてんのかな、私…」53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:39:01.24 ID:f/6wtvkh0
映画館からの帰り道
聡「いやー!やっぱかっこいいなー!ジョーカーは!」
梓「私はタトバのリズムが頭から離れないよ…」
聡「でもそのリズムも強くてイケメンも…」
梓「嫌いじゃないわ!」
聡「やっぱノリ良いですねー、梓さん」
梓「聡くんが振るからだよ。ふふふっ」
聡(あ、笑ってる!これは…これはかわいい…)54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:39:42.51 ID:f/6wtvkh0
梓「そろそろ、私帰ろうかな…」
聡「あ、なら送りますよ!」
梓「いいよ、私のわがままに付き合わせたのに、送らせるなんて悪いし」
聡「それじゃあ…今度は俺のわがままに付き合うってことでどうですか?」
梓「そういうことならまぁ…」
聡(よっしゃキター!ここぞで意外と機転が効くな俺!)
梓「関係ないけど、さっきのは結構イケメンが言うセリフだったね」
聡「…俺が言っちゃダメでしたか?」
梓「いや別にそんなことないけど…」
聡(背伸びしすぎたのか…?あれはもっと、北岡先生みたいな人が言うセリフだったのか?)
梓「それじゃあ行こっか。はい」
聡「はい、って?これは…」55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:40:23.92 ID:f/6wtvkh0
梓「送ってくれるんでしょ?だから離れないように、手握ってねって」
聡「オォウ…はい…」ニギニギ
聡(これは…自然だ!自然なスタイルなんて解んないけど多分これが自然だよ!so naturally!!)
家までの帰り道
梓「なんか…不思議だね」ニギニギ
聡「な、なにがですか?」ニギニギ
梓「昨日初めて会った男の子とデートして、手を握りながら帰ってるって…」ニギニギ
聡「デートって…解ってたんですか!?」ニギニギ
梓「解ってるよそれくらい。…もしかしてバカにしてる?」ニギニギ
聡「いえ!そんな滅相もない!」ニギニギ56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:41:05.60 ID:f/6wtvkh0
聡(じゃあ梓さんも、行きや映画館や…今もドキドキしてるのか!?)
梓「まぁデートって意識しても、そんなドキドキしなかったけど」ニギニギ
聡(俺だけで浮かれて舞い上がってたよちくしょー!)
聡(いや待て田井中よ…ここで退いていけない!)
聡「で、でも!少しは…?」ニギニギ
梓「全然。今も普通の心拍数」ニギニギ
聡「マジかよ…俺だけ…」ニギニギ
梓「聡くんはドキドキしたの?」ニギニギ
聡「も、もちろんですよ!前も今もずーっとしっぱなしですよ!」ニギニギ
梓「そっか…」ニギニギ
梓「聡くんって、素直な子だね」ニギニギ
聡「素直?あんまり言われたことないですね」ニギニギ
梓「私も…素直になってみようかな…」ニギニギ57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:41:47.21 ID:f/6wtvkh0
聡(ん?これは…どういうことなんだ?)
聡「素直になるって、どういうことですか?」ニギニギ
梓「…聞いちゃうの?」ニギニギ
聡「す、すみません…解らないので…」ニギニギ
梓「女心も解ってないね」ニギニギ
聡(お、女心…だと…!?)
聡「経験が少ないもので…ハハ」ニギニギ
梓「はぁ…仕方ないから教えてあげる」ニギニギ
聡「お願いします…」ニギニギ
梓「私ね…さっき嘘ついたの」ニギニギ
聡「嘘ですか?」ニギニギ
梓「ホントはね…私もドキドキしてる…」ニギニギ
聡「な、なんと!?」ニギニギ59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:42:28.58 ID:f/6wtvkh0
梓「2人っきりになったときから、今も…ずーっとね」ニギニギ
梓「全部…聡くんのせいだよ?」ニギニギ
聡「梓…さん!」ニギニギズッキューン
聡(梓さんがファイナルベルトで俺のハートにエンドオブワールドォォオオオォオォォオ!)
梓「それじゃあ、私の家こっちだから」パッ
聡「あ!…はい」
聡(あぁ、手が…俺の右手が…放たれてしまった…)
梓「もう私行くね?いい加減恥ずかしいし…」
聡「あっ、あの!また一緒にデートしましょう!」
梓「いいけど…あんまり調子に乗っちゃダメだよ?…じゃあバイバイ」
聡「はい!バイバイ…」
トコトコ
聡「行ってしまわれた…最後の最後に釘を刺して…」60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:43:10.70 ID:f/6wtvkh0
唯「あっ、いた!」
聡「ゆ、唯…さん?」
聡(な、なんだ!?いたって…どういうことだ?)
唯「私の名前覚えててくれてたんだ!嬉しいなぁ」
聡「いやそりゃまぁ…」
唯「探したんだよー、聡くん」
聡(探した…?俺をか?なぜ?Why?でもなんだろう…良い気しかしない!)
唯「じゃあ早速レッツゴーだよ、聡くん!」
聡「ちょっ、レッツゴーってどこ行くんですか!?」
唯「えへへっ、楽しい所だよ!」
聡(楽しい所…だと…?まさか!?そんな…心の準備がまだ…)61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:43:54.61 ID:f/6wtvkh0
公園
唯「さぁ、着いたよ聡くん!」
聡「…着いたって、ここ公園ですよね?」
唯「そーだよ?どうかしたの?」
聡(ってことは…公園で!?素晴らしき青空の会なのか!?…いや、いやいやそんなまさか…)
唯「こっちだよ、ほらほら早く!」
聡(こっちって…そっちは草むらですよ!?マジで…?ついに俺も素晴らしき青空の会の一員になるのか!?)
唯「ねぇほら見てー。かわいいよーこの猫さん!」
聡「え…ね、猫?」
唯「うん!かわいいよねー」
聡「な、なんだ…猫だったんですか…」
聡(Oh…猫かよ…けどまぁこれが普通だよな…)62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:44:36.97 ID:f/6wtvkh0
唯「聡くんは猫さん嫌い?」
聡「いや、そんなことないですよ。かわいいですね」
唯「だよねー。えへへ」
聡(…なんで俺はここで「あなたのほうがかわいいですよ。フハッハッハッハ」って言えないんだろう…)
唯「さて、猫さんも見たしちょっとお話ししよっか」
聡「お話し…ですか?」
唯「うん、聡くんに言いたいことがあるの!そのために探してたんだし!」
聡(この感じ…告白か!?ついに俺の人生初告られなのか!?)
聡「なんでしょうか、唯さん!」
唯「聡くん…私だけ仲間はずれにしてるでしょ!?」ビシッ
聡「へ?な、仲間はずれ?そんなつもりはないんですけど…」
唯「えぇー!仲間はずれにしてるよー!」63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:45:18.72 ID:f/6wtvkh0
唯「昨日だってムギちゃんとラブラブしたあと、澪ちゃんと帰ってたじゃん!」
聡「そ、そんなこと言われましても…」
唯「それに今日だってあずにゃんとデートしてた!」
聡「見てたんですか!?」
聡(今日の見られてたのか…!これは…梓さん恥ずかしいだろうな…)
唯「見てたっていうか、あずにゃんがいて声かけようとしたら聡くんと一緒だったの」
唯「私だけなにもされてないよー!」
聡「じ、じゃあなにかしてほしいことあるんですか…?」
唯「してほしいこと?んー…そう言われるとないかなぁ?」
聡「ないんですか?」
唯「いま、今考えるからちょっと待って!うー…」64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:46:00.91 ID:f/6wtvkh0
聡(なんか必死に考えてるな…これは胸が熱くなるな!)
唯「あっ、あったよ聡くん!一緒にお散歩しよ!」
聡「お、お散歩…?お散歩ですか?」
聡(思ってたのと違う!もっとこう…甘酸っぱい感じのじゃないのか!?)
唯「うん!そうと決まれば早速レッツゴーだね!」
聡「はぁ…行きましょうか…」
散歩道
唯「いやーでもまだまだ暑いねー」
聡「そうですね…もう8月も終わりなのに」
唯「夏休みももう終わりかぁ…あっ!」
聡「唯さん、どうかしましたか?」
唯「ほらほら、セミが倒れてるよ!」
聡「そういうのは、あんまり近づかない方が…」65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:46:42.67 ID:f/6wtvkh0
唯「かわいそうだけど…これも自然の厳しさなんだね!」
セミ「ジージージージー」ブーンブンシャカブブンブーン
唯「おっ!飛んでったよ聡くん!…あれ?聡くんなんでそんな遠くにいるの?」
聡「い、いやぁー…なんででしょうね!」
聡(オイ、ダメだろあれは!あれは卑怯すぎるだろセミめ!)
唯「あれぇー?聡くん、もしかして怖いかったの?」ニヤリ
聡「そ、そんなわけないじゃないですか!俺だって男なんだし、セミくらいでそんな…」
唯「あっ!聡くんの後ろにセミが!」
聡「うおっ!?…う、嘘つくのは卑怯ですよ!」
唯「いやいやごめんねー。えへへっ」
聡(なんか…思ってたのと違うけどこういうのもいいな…こう自然体な感じが清涼感を与えてくれて…)67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:47:23.97 ID:f/6wtvkh0
唯「そうだ、手繋ごう?」
聡「えっ!?い、いきなり!?」
聡(唯さんって、なにもかも突然だな…思い付きで行動してるのか…?)
唯「ん?ダメだった?」
聡「いや、滅相もない!…ですけど、いいんですか?」
唯「うん、いいよー。ほら!」
聡「じぁあ…失礼して…」ニギニギ
聡(Oh…唯さんが全然どんな人か掴めない…でも、唯さんの手は掴んじゃう的な!)
唯「あれ?聡くん、どうしたの?」ニギニギ
唯「もしかして…照れてるの?」ニギニギ
聡「そりゃあ照れますよ!俺…唯さんみたいなかわいい人と手繋いだことないし…」ニギニギ
唯「へっ!?かわいい!?…そんなこと言われちゃうと、私も照れちゃうな…えへへ」ニギニギ69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:48:06.48 ID:f/6wtvkh0
唯「けど、嘘ついちゃダメだよ聡くん!」ニギニギ
聡「へ?嘘?」ニギニギ
唯「だって昨日はムギちゃんの手握ってたし、今日はあずにゃんの手も握ってたでしょ?」ニギニギ
聡(そうだ昨日も今日も見られてた!嘘ついたつもりはないけどこれはマズい!)
聡「いや!あのですね…それは…」ニギニギ
唯「嘘ついた聡くんには罰を与えなきゃいけないね!」ニギニギ
聡「罰!?…ですか?」ニギニギ
唯「うん!だから…もう手を繋ぐのは終わり!」パッ
聡「え?罰って…これですか?」
唯「そうだよー。私と手を繋ぐのは今度までおあずけね」
聡(今度…だと…!?つ、次があるのか!?)
聡「あの、今度っていつですか!?」
唯「うーん…いつだろ?聡くん次第だからねー」
聡「俺次第ってどういうことですか?」
唯「聡くんが、ちゃんと私を選んでくれたらってことかな?」70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:48:48.16 ID:f/6wtvkh0
聡「そ、それはもしや!?」
唯「告白…とかかな?」
聡「えっ?告白!?」
唯「…待ってるからね」
聡「…唯さん!」ズッキューン
聡(唯さんがフルチャージで俺のハートにワイルドショットォォオオオォオォォオ!)
唯「あっ、でも今はまだダメだよ?」
聡「な、なんでですか!?」
唯「こういうことはよく考えて選ばなきゃダメだからね」
聡「そういうことでしたら…」
唯「じゃあそろそろ帰らないと、憂に怒られちゃうから帰るね」
唯「聡くんももう帰らないとりっちゃんが心配するよ?それじゃあね!」スタコラサッサ
聡「あ、はい!それじゃあ…」
聡「天然だと思ってたけど、意外と小悪魔だな唯さん…」
聡「とにかく嵐のような人だった…」71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:49:29.82 ID:f/6wtvkh0
田井中家
ガチャリ
聡「ただいま」
律「おう、聡。お前今まで梓とデートしてたのか?」
聡「いや、梓さんとは夕方くらいに別れたよ」
律「ん?じゃあこんな時間までなにしてたんだよ?」
聡「なにって…まぁ、いろいろありまして…」
律「なに?隠してんの?」
聡「べべ別にかっかか隠してなんかなないし!」
律「だからごまかすの下手すぎるだろ…まぁいいけど」
聡(しかし…最近の俺は色んな人にときめきすぎだ…まさにときめきメモリアルだ)
聡(もしかして俺は女だったら誰でもいいのか!?そうなら…まさか…)
律「ん?なに見てんだよ…」
聡「…姉ちゃん、手握らせてくれ」
律「ブフォォッ!!」
聡「あ~あ…ちゃんと拭いといてくれよな」74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:50:11.42 ID:f/6wtvkh0
律「はぁ!?な、なんだよいきなり…気持ち悪い…」
聡「気持ち悪いとか言うなよ!…俺だって望んでやってるわけじゃない」
律「じゃあしないでいいだろ」
聡「いやダメだ!これは俺の男としてのノブレスオブリージュに関わるんだ!」
律「なんだよそれ…仕方ねぇなぁ、ほら」
聡「お、おぉう…ありがとう」ニギニギ
律「…………」ニギニギ
聡「…………」ニギニギ
律「そ、それで…どうなんだよ?」ニギニギ
聡「…まったくドキドキしない…」ニギニギ
律「こ、こんなことやらせて結果それかよ!?」ニギニギ75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:50:53.85 ID:f/6wtvkh0
聡「俺のテンションが全然フォルテッシモしない…」ニギニギ
聡「もはやこれは握手だ」ニギニギ
律「お前…そうまでして私を怒らせたいのか?」ニギニギ
聡「!?い、いやぁー!姉ちゃんと手握れてぼかぁ幸せだなぁー!」ニギニギ
律「いまさら白々しいんだよ!」パッ
聡(ヤバい!これはヤバい!姉ちゃんがこうなったときはなにをされるか解らない!と、とりあえず落ち着かせないと…)
聡「あ、あのー…女はクールであるべき、沸騰したお湯は蒸発するだけだってばあちゃんが言ってたから、ここは抑えて…」
律「…じいちゃんは、女は燃えるもの、火薬に火をつけなきゃ花火は上がらねぇって言ってたんだよ」
聡(ちくしょー!そう返してきたか…姉ちゃんめ、カブトだけ全話見やがって…)
聡(かくなる上は…!)77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:51:38.31 ID:f/6wtvkh0
聡「諦めない!運命に負けたくないんだ!」ダッ
律「オイコラ待て」ガシッ
聡「あぁ、こんな早く負けるなんて!」
律「お前の魂胆なんてお見通しって何回言わせんだよ」
聡「ま、待ってくれ姉ちゃん!話せば解るはずだ!」
律「今更もう遅い!さぁて…お前にはなにをしてもらおうかなー?」
聡「や、やめろ!そんなことではなにも解決しないぞ!」
律「私の気持ちが晴れればそれでいいんだよ」
聡「あ、悪魔だ…ゴルゴムの方がまだ許される…」
律「まだ言うか!…その様子じゃよっぽどキツいおしおきをされたいみたいだな」
聡「これで終わりだ…」
終わり78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:52:20.48 ID:bzvkCPnM0
ソッカー
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:53:59.53 ID:bzvkCPnM0
いいや、乙だね
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 03:56:51.02 ID:wuGcPCzK0
まあ乙
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 04:27:50.56 ID:3cwoaO0N0
ほのぼのした
おかげでよく寝れそうだ
おやすm
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08 /28(土) 04:32:46.55 ID:VHseaFpIP
まあ良かったようん
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