前→絹旗「きぬはた荘、あふたー!」白井「あふたー?」その15
まとめ→きぬはた荘シリーズ まとめ
979:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/27(金) 23:35:51.66 ID:MYBaAJ+Ho
~同日 研究所跡 正門~
番外個体 「ヒマそうに携帯いじってる見張りが一人だけか……」
一方通行 「寒い中、ご苦労なこって」
番外個体 「コーヒーでも差し入れてやればよかったかな」
一方通行 「あんなのに施すぐらいなら俺に寄越せ。……暴れた痕跡があるのは、あのガキの仕業か」
番外個体 「クロちゃんか、多分そうだろうね」
一方通行 「さて……時間まであと8分か」
番外個体 「私、なんかワクワクしてきた」
一方通行 「オイ、くれぐれも出過ぎるンじゃねェぞ。やばいと感じたらさっさと」
番外個体 「はいはい。か弱い私は第一位様に隠れるようにしてブルブル震えてようかね」ニヤニヤ
一方通行 「……好きにしろ」
番外個体 「大丈夫だよ。あなただけ死なせたりはしないし、あなた残して死んだりはしない」
一方通行 「……」
番外個体 「約束」
一方通行 「離れるンじゃねェぞ。絶対にな」
番外個体 「ふふ、だったらモヤシなあなたを、お傍でサポートしてあげよう……ずっとね」
980:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/27(金) 23:37:13.64 ID:MYBaAJ+Ho
一方通行 「口は達者だよな、オマエ」
番外個体 「生まれつきだもん、しょうがないじゃん」
一方通行 「塞いでやるか?」
番外個体 「後のお楽しみにとっておきなよ」
一方通行 「……じゃ、後のお楽しみのために頑張って働くとしますかねェ」
番外個体 「いい心がけだね。……21時。よしっ、はじめよっか」
一方通行 「あァ」
番外個体 「確認するよ。私たちの役目は陽動。真正面で大暴れするのがメインな訳だけど」
一方通行 「ついでに、立ち向かってくる勇敢なヤツは必要に応じて排除すりゃいいな」
番外個体 「そういうこと。で、私たちが動き始めたのを合図にみんなも動き始める」
一方通行 「あとは場をもたせておけばいいって訳だ」
番外個体 「完璧♪ さて、まずあの見張りを排除しないとねぇ」
一方通行 「楽勝だ」ヒョイ
番外個体 「小石? 投げるの?」
一方通行 「まァ、見とけって」ON
番外個体 「まあ、見とくけどさ」
981:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/27(金) 23:38:47.45 ID:MYBaAJ+Ho
一方通行 「下っ端くン、任務ご苦労……ゆっくり休め」デコピンッ
<ほげぇ!
番外個体 「お、ナイスヒット……だけど、死んでないよね?」
一方通行 「気を失ってるだけだ。さっさと行くぞ」OFF
:
:
:
番外個体 「これが入り口だけど……まあ、随分大きくて頑丈そうなシャッターだこと」
一方通行 「もとは研究所だからな。気密性確保のために設置されたンだろ」
番外個体 「あなたならどうやって開ける?」
一方通行 「オマエも世間知らずだな。こォいうときにすることは決まってンだよ」ON
番外個体 「へー、何するの?」
一方通行 「覚えとけ。ドアを開けるときはまずノックするのがマナーだ」コンコン
バゴォォン ガランガランッ ガランッ
番外個体 「……ノック強すぎ」
一方通行 「こりゃ失礼」ケラケラ
982:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/27(金) 23:40:37.98 ID:MYBaAJ+Ho
<お、おい、なんだ今の音は!?
<シャッターが吹っ飛んできやがったぞ!?
番外個体 「ざっと見て20人強ってところ?」
一方通行 「外にいたのは一人だってのに、こっちは随分と大袈裟な人数だな……」
番外個体 「守りを固めたい、けど危ないのはイヤ。だからここで、ってことじゃないの?」
一方通行 「ま、どっちだろォとやることに変わりはねェよ」
下っ端A 「なっ、なんだテメェら!?」
番外個体 「どうもこんばんはー☆」
一方通行 「暴力一丁、お届けにあがりましたァ」
下っ端B 「クソ、またカチ込みかよ!」
下っ端A 「ビビってんじゃねぇ! 相手は二人だ! 全員でまとめてかかれ!」
一方通行 「雑魚が群れやがって」
番外個体 「言っとくけど」
一方通行 「分かってる。殺しゃしねェよ。生かさず殺さずブチのめすだけだ」
番外個体 「ならいっか。さて、来るみたいだよ」
<うぉぉぉ!
<いわしたるでぇ!
<当たって砕けたらぁぁぁ!
番外通行 「「」」ニヤー
983:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/27(金) 23:42:05.01 ID:MYBaAJ+Ho
~その頃 研究所跡 東エリア付近~
絹旗 「……」
白井 「21時は回りました。おそらく、そろそろかと」
<ボゴッ ドォォォン
婚后 「音と振動……これは」
白井 「あそこですの。壁の一部が内側から吹き飛んでいます」
絹旗 「超始まったみたいですね」
婚后 「ミサワさんと第一位様が正面から陽動。そしてわたくしたちは内部から奇襲……」
絹旗 「私が超先陣を切ります。正面突破には向いてる能力ですからね」
白井 「くれぐれも無理はなさらないように。大怪我をしては元も子もございませんの」
絹旗 「お二人こそ、前に出過ぎないでくださいよ?」
婚后 「せいぜい気をつけるといたしましょう」
白井 「ではお二人とも。前方、ガラス張りになったロビーが見えますわね?」
絹旗 「あの食堂みたいなところですね」
白井 「まず、あそこの手前まで転位、そこから一気に突入します」
984:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/27(金) 23:43:18.65 ID:MYBaAJ+Ho
婚后 「わたくしはいつでもいけますわよ」
絹旗 「超同じくです」
白井 「では……お手を」スッ
絹旗 「なんか儀式みたいですね」スッ
婚后 「ここで気合を入れ直しておきましょう」スッ
白井 「……奇襲班、参りますの!」
ヒュンッ
絹旗 「よっと」スタッ
婚后 「絹旗さん!」
絹旗 「分かってます! 二人とも、超離れててください!」タッ
絹旗 (窒素装甲、出力全開! これぞ伝家の宝刀の)
絹旗 「超ちっそぱーーんち!」ブォッ
ゴッ ガシャァァァァァン
絹旗 「決まりました!」ピャー
白井 「お見事ですの」
婚后 「さあ、敵陣を掻き乱すといたしましょう」
985:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/27(金) 23:44:55.35 ID:MYBaAJ+Ho
男子A 「なんだ今の音、って……!?」
絹旗 「あ、見つかっちゃいました」
男子A 「て、てきしゅ」
【ソファー】三=- バシュゥゥゥン
男子A 「ふべ!」ボフンッ
白井 「イヤですわ、いきなり大きな声をお出しになるなんて」
婚后 「わたしくびっくりして、つい能力が発動してしまいましたわ」
白井 「あら、婚后さんったら。能力はきちんと制御できてこそですのに」
婚后 「あらあら、わたくしとしたことが。お恥ずかしい」
絹旗 (うっわ、超えげつねー)
<何かあったのか?
<こっちから音がしたぞ。
絹旗 「むむ、超ぞろぞろと集まってくるみたいですよ」
婚后 「幸い、ここは適度な広さと障害物が揃ってますし」
白井 「そうですの。しばしここを基点にするといたしましょう」
986:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/27(金) 23:46:33.41 ID:MYBaAJ+Ho
女子A 「……え!? 何よ、あなたたち!」
男子B 「うわ、ひでぇ。ガラスが粉々じゃないか」
絹旗 「あ、すいません。私が作った入り口からお邪魔させてもらいました」
白井 「スキルアウトには見えませんわね。ということは、無能力者狩り一派の方でしょうか」
婚后 「どちらにしても、振りかかる火の粉は払いませんと」
男子A 「」ピクピク
女子A 「既に一人やられてたなんて……」
男子B 「クソッ、仇はとってやるからな!……うぉぉぉぉぉ!!」グヌヌ
【イス】フヨフヨ
絹旗 「念動力?」
男子B 「くらいやがれぇぇぇ!!」ヒュパァァァ
絹旗 「二人とも、私の後ろに下がって!」
男子B 「うらぁぁぁぁ!!」
絹旗 「てやぁぁぁ!」ゴガン
男子B 「なっ、え、手で弾き返した!?」
絹旗 「もういいですか? さあ、絹旗サマ直々の超おしおきタイムですよ」
987:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/27(金) 23:48:05.52 ID:MYBaAJ+Ho
~その頃 研究所跡 南エリア付近~
結標 「危ないと判断したら、すぐに言いなさい。安全区域まで飛ばすから」
エツァリ 「ご心配なく。自分は普通の人間よりも少々死ににくい体質なので」
結標 「そんなこと言ったって、心配なものは心配じゃない」
エツァリ 「そのお気持ちはありがたいですが、自分だけが逃げると後々まで後悔しそうで」
結標 「……分かったわよ。でも、いい? 無理は禁物だからね」ギュ
エツァリ 「背中に何か当たっているのですが」
結標 「気のせいよ」ギュー
浜面 「」ケッ
<ドォォン
<バゴッ
結標 「そろそろ頃合いかしら。じゃ、はじめましょうか」
エツァリ 「浜面さん、作戦の復唱をお願いできますか」
浜面 「一方チームが陽動、絹旗チームが奇襲、これで相手陣地を掻き乱してる間に俺たちでフレメアを探しだす」
結標 「フレメアを回収したら、速やかに安全圏まで飛ぶから。そのつもりでね」
988:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/27(金) 23:49:15.48 ID:MYBaAJ+Ho
エツァリ 「侵入経路はあそこに見えるドアです。今なら労せずに入り込めそうですね」
結標 「まずドアの前まで飛ばすわ。二人とも、準備はいい?」
浜面 「いつでもいいぜ」
エツァリ 「同じく」
結標 「いいわね。始めるわよ」ブンッ
フッ
結標 「よっ」スタッ
エツァリ 「浜面さん、お願いできますか」
浜面 「任せとけい!」スチャ
エツァリ 「簡単にいけそうですか?」
浜面 「……こりゃ随分旧式だな。サビてなけりゃ楽勝だろ」チャキチャキ
結標 「それにしても、浜面くんって顔に似合わず器用よね。ピッキングまでこなすなんて」
エツァリ 「"一家に一台浜面さん"の時代は遠くないですね」
浜面 「はは、俺のクローンでも造るか。こうきて……こうひねって……おし、どうだ!」ガチョン
結標 「あ、今開いた音がしたわね」
エツァリ 「手早いですね。流石です」
989:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/27(金) 23:50:31.93 ID:MYBaAJ+Ho
結標 「急ぎましょう。陽動班や奇襲班のことを考えるとあまりゆっくりも」ガチャガチャ
結標 「」ガチャガチャ
エツァリ 「おや?」
浜面 「あれ?」
結標 「……もしかして、コレ、最初から開いてたんじゃない?」
エツァリ 「つまりピッキングで閉めてしまったと」
浜面 「おいおい、不用心にも程があるやな」
結標 「……」
浜面 「めんご」テヘ
結標 「開けて! 開けなさいよ! ほら、さっさと!」ゲシゲシ
浜面 「はい、ただいま!」チャキチャキ
エツァリ 「結標さん、焦りは禁物ですよ」
結標 「焦ってない。ちょっとイラッとしただけよ」
浜面 「ここで……そうそう……よーし、いい子だ……どうだ!」ガチョン
結標 「今度は大丈夫なんでしょうね」
浜面 「大丈夫だ。ほら、開いたぜ」ガチャ
エツァリ 「よし、行きましょう」
990:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/27(金) 23:51:53.11 ID:MYBaAJ+Ho
浜面 「さーて、フレメアはどこだ」タッタッタッ
エツァリ 「虱潰しに探すしかないでしょう」タッタッタッ
結標 「外から見た感じ地上2階だけど、地下はどうなのかしら」タッタッタッ
チンピラ 「ふー、トイレトイレ」ヒョコッ
浜面 「おいバカ危ねぇ」
ドサーン
チンピラ 「いててて、おお悪い悪い……ってなんだテメェら!?」
エツァリ 「おっとお静かに」シャキンッ
チンピラ 「」
浜面 「俺ら、金髪碧眼で12歳ぐらいの女の子探してんだけどよ。なんか知らない?」
チンピラ 「」フルフル
エツァリ 「そうですか……強引な方法で身体に聞くこともできますが」チラッ
浜面 「時間がもったいないな。つう訳で、お休み」ゴスッ
チンピラ 「」バタッ
結標 「へー、首を後ろから叩くと本当に気絶するのね」
エツァリ 「鍛錬が必要ですよ。見よう見まねでできるものでもないかと」
浜面 「とりあえずコイツはトイレの個室にでもしまっておいて、次いこうぜ」
991:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/27(金) 23:53:17.84 ID:MYBaAJ+Ho
~その頃 第7学区 隠れ家的喫茶店(臨時休業)~
ショチトル 「21時15分……もう始まっている頃か」
打ち止め 「」ソワソワ
滝壺 「大丈夫だよ。みんなちゃんと戻ってきてくれる」
打ち止め 「なんで言い切れるの? ってミサカはミサカは疑問をぶつけてみたり」
滝壺 「いつもそうだったから」
打ち止め 「いつも?」
滝壺 「うん。はまづらはいつも、どんなにボロボロになってもどんなに遅刻しても、帰ってきてくれた」
打ち止め 「……」
滝壺 「だから今回も、きっとはまづらもみんなも一緒に帰ってきてくれる」
ショチトル 「他でもない私たちが信じていなければいけない。分かるな?」
打ち止め 「……うん」
ショチトル 「いつ戻ってきてもいいように準備でもしておこう。手伝ってくれるか?」
打ち止め 「分かった! ってミサカはミサカは元気よく立ち上がってみたり」
滝壺 「私も手伝う」フンス
992:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/27(金) 23:54:44.81 ID:MYBaAJ+Ho
~同日 研究所跡 旧所長室~
女子生徒 「……なんだか、騒がしいd、ですね」
いい男 「花火大会でもやってるんじゃないか?」
女子生徒 「そんなまさか。こんな時期に花火大会なんてありえへ……ないです」
いい男 「……おい、さっきからどうしたんだ? いつもの関西弁っぽい言語は?」
女子生徒 「それが……あんさんのチームの人から笑われたりからかわれたりしまして」
いい男 「……なんというか、済まない」
いい男 (とはいえ、言葉の端々やイントネーションは隠しきれていないようだが)
<バーン
モブ男 「申し上げます! 侵入者です!」
女子生徒 「!?」ガタッ
いい男 「何人だ?」
モブ男 「正面から2名、東ブロック方面から3名! いずれも強力な能力者です!」
いい男 「蹴散らせ」
モブ男 「そ、それが……相当な手練れでして……」
993:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/27(金) 23:56:22.00 ID:MYBaAJ+Ho
いい男 「ふむ……仕方ないな。俺が出よう。ところで、侵入者に男はいるか?」
モブ男 「は? あ、あー、正面からの侵入者は1名が男でしたが」
いい男 「よし、俺が正面に回ろうじゃないの。真正面から挑むとは、どんないい男か楽しみだ」
女子生徒 「……今日はこんなことばっか」
いい男 「全くだな。今日は先客万来だ」ハハハ
女子生徒 「笑い事ちゃう!」
いい男 「ともかく、俺は今から正面に出る。東方面の侵入者は任せたぞ」
<バタン
女子生徒 「……はぁ」
モブ男 「……あ、あのー」
女子生徒 「なに?」
モブ男 「そちらのチームにも、結構な被害がでていますが」
女子生徒 「」ビキッ
モブ男 「じゃ、お、お願いします」スタコラ
女子生徒 「…………もう許さへん」ツカツカ
994:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/27(金) 23:56:59.69 ID:MYBaAJ+Ho
といったところで、今回はここまでです。
さあ、勝負の行方はどうなるのでしょうか。
ちょっとスレ立ててきますのでお待ちを。
996:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県):2012/01/27(金) 23:57:42.30 ID:Sea3VmOG0
乙!
998:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/01/28(土) 00:01:13.45 ID:qZK9mDQzo
乙
>>1000なら浜面ではなく黒夜が量産
1000:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2012/01/28(土) 00:03:51.59 ID:6AGV1u5x0
乙梅
2:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/27(金) 23:58:27.13 ID:MYBaAJ+Ho
【主要登場人物】
・絹旗
世界大戦終了後に暗部クビ。復学し、現在は常盤台中学3年。
白井の現ルームメイト。その小動物的可愛さで、学内にファンを増やしつつある。
が、超ナデナデされたり獣耳付けられたりと、本人は正直かなり鬱陶しいらしい。
寮の門限のせいでレイトショーに行けないのが最近の悩みだとか。
・白井
絹旗のルームメイト。常盤台中学3年。敏腕ジャッジメントですの。
奔放な絹旗に振り回され気味。さらに絹旗に巻き込まれる形で寮監から締められ気味。
固法先輩が風紀委員本部へ出向することが決まっているので、
風紀委員177支部の次期支部長殿でもある。
・婚后
長点上機学園1年。高貴な身分の生粋のお嬢様。
濃い面々に存在感を食われがちだが、修学旅行編や大覇星祭編などは
彼女なしには成り立たなかった、影の功労者。
英国への短期留学に赴き、貴重な経験とシェリー製えべっさんを持ち帰る。
・ユリコ
絹旗の飼い猫。人見知りしないお利口さん。
拾われた直後は若猫だったが、今や立派なオトナの女。
この度、3匹の仔猫の母親となった。
絹旗の頭上は仔猫に譲ることにしたらしい。
4:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/27(金) 23:58:53.53 ID:MYBaAJ+Ho
・滝壺
世界大戦終了後に暗部クビ。自分の経験を活かし、同じ境遇の
能力者は生み出させまいという志のもと、能力開発教官を目指す。
いわゆる脱力系女子なのだが、決めたことは簡単には曲げない意志の強さも持つ。
怒らせたら怖い人ナンバーワンとも言われている。
・浜面
自動車整備士の資格目指して勤勉に励んでいる。
安定のイジられキャラだが、本人はこの生活を平穏なものと捉えて楽しんでいる。
意外と子どもの相手が巧みで、また子どもからもよく好かれるとか。
一方通行から打ち止めを預けられるという快挙を遂げた、実はすごい人。
・番外個体
カフェ店員。単なるバイトだったが、店主帰国により店を継ぐ形となった。
ロシア滞在時に通行止めの協力でMNWから強制追放、以来接続していない。
冥土帰しの協力でIDゲットしており、ロシアからの帰国子女として暮らしている。
周りからミサワさんとか真琴とか呼ばれてるのは戸籍上の名前。
・結標
保育士目指して勉強中。化学兵器クラスと謳われたメシマズも改善されつつある。
好きな異性のタイプは年下、加えて性別問わず子ども好き。ショタコンではない。決して。
メインメンバーでは滝壺、番外個体と並び最年長であるため、姉ポジション兼ツッコミ役。
番外個体とはかなり早い段階から打ち解け、お互いファーストネームで呼び合うほど仲良し。
・海原→エツァリ
とうとうその素顔と本性を現したお兄ちゃん。なのだが、演じ続けた敬語キャラは
まだ抜けきっていないようだ。その為、ショチトルがちょっと冷たいとか。
周囲からは受け入れてもらえたどころか、素顔になったことでショチトルと
より兄妹っぽくなったと好印象な様子。
5:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/27(金) 23:59:22.72 ID:MYBaAJ+Ho
【限りなくレギュラーなサブレギュラー】
・19090
冥土帰しのもとで勤労中。控えめな性格で、むぎのんのような女傑に憧れている。
セクハラ患者に容赦なく悲鳴と電撃を浴びせるダーティナース。
・麦野
冥土帰しのもとで勤労中。職場では19090の後輩。ミサカ族からの呼び名は"しずりん"で定着。
不良患者に容赦なく鉄拳制裁を下すバイオレンスナース。
・フレメア
浜面が拾ってきた後、浜面滝壺ペアと同居中。
打ち止めとは旅行で知り合い、今では互いの家を行き来するほど仲良し。
・一方通行
番外止めと同居中。最強の能力者であり、最強の自宅警備員。
打ち止めとフレメアの家庭教師を務める傍ら、在宅ワークの準備も進めているとか。
・打ち止め
番外通行ペアと同居中。IDをゲットし、戸籍上は番外個体の実妹扱い。
最近は家事全般を担当してるそうだ。描写されていないが、結構背伸びた。
・ショチトル
長い長い入院生活も終わり、海原結標ペアと同居中。ちなみに表向きは留学生。
リハビリと穀潰し脱却を兼ねて、番外個体の店でバイトを始めた。
・黒夜
絹旗の幼なじみにして自称ライバル。ちょっとスレててお年頃な不良少女。
この度、7番対決にて絹旗と正式に決着を付けた。
・リック、アスカ、テスラ
ユリコがお腹を痛めて産んだ仔猫たち。
名付け親はそれぞれフレメア、ショチトル、打ち止め。
6:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/27(金) 23:59:54.13 ID:MYBaAJ+Ho
新スレでした。5スレ目です。
何が驚いたって、きぬはた荘というSSを始めてから
>>1は既に2つ歳を重ねたという事実にさっき気付いたことだ。
それでは、お付き合い頂きありがとうございました。
新スレでもよろしくお願い致します。
7:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/01/28(土) 00:01:14.01 ID:wDgCLUX70
すれたて乙です!
11:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/01/28(土) 00:10:29.65 ID:inOF58xYo
乙!
18:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/28(土) 10:00:25.39 ID:Q4zWKW0P0
まとめ作業の合間に判明してる分のアドレス調べてみた。
絹旗 最愛 :notmoai@comodo.ne.jp
滝壺 理后 :hamadu_love@comodo.ne.jp
結標 淡希 :move_point@comodo.ne.jp
黒夜 海鳥 :kuro-iruka@comodo.ne.jp
御坂 美琴 :chaser@mnw.ne.jp
番外個体 :m-worst@comodo.ne.jp
打ち止め :misaka20001@mnw.ne.jp
一方通行 :misaka-love@mnw.ne.jp
インデックス:dedicatus545@comodo.ne.jp
上条 当麻 :kamijo3@comodo.ne.jp
月詠 小萌 :desuyo@comodo.ne.jp
なんというか突っ込みどころ満載だな
番外は個別で契約したからmnwじゃないにしても
一方通行や美琴がmnwになってるとは・・・
あとインデックスさん魔法名を公にして大丈夫なんでしょうか?
20:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/28(土) 13:27:06.29 ID:m+8ONIepo
>>18
一通さんワロタwwwww
23:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/28(土) 16:37:06.23 ID:m+8ONIepo
>>18
一通さんなんでみさわラブじゃないんだよ
24:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方):2012/01/28(土) 17:06:12.12 ID:oIiHNdgio
>>23
打ち止めに勝手に変えられてロックかけられたんじゃなかったか?
39:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/30(月) 00:00:25.92 ID:u8Kzr9w/o
OS入れなおしたら超快適になりました。
>>18
真面目に考えてないのがバレちまう。
40:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/30(月) 00:01:33.73 ID:u8Kzr9w/o
~研究所跡 西エリア付近~
麦野 「ちょっと、どういうことよコレ」
19090 「す、少し、お待ち頂けますか」
麦野 「まさか先客がいるなんて思ってなかったわね」
19090 「……MNWに関連情報がありました」
麦野 「で?」
19090 「今回標的となった少女と近しい人物8名が3手に別れ、21時より突入を開始したようです」
麦野 「近しい人物……あいつらか。先越されちゃったわね」
19090 「ど、どうしましょう」
麦野 「決まってるでしょ。暴れるわよ」
19090 「やはりそうきますか……」
麦野 「ここでさらに私らが加勢すれば4手。こっちが攪乱してやれば向こうにも有利に働くでしょ」
19090 「なるほど」フム
麦野 「あそこに非常階段が見えるな? あそこを使って2階から突入するから」
19090 「ら、了解」
麦野 「よし、いくよ」タッ
41:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/30(月) 00:03:17.93 ID:u8Kzr9w/o
:
:
:
麦野 「ところでアンタ、得物はそれだけ?」
19090 「それといいますと?」チャキッ
麦野 「そのアンチマテリアルライフルのこと言ってんの。それだけじゃ小回りが利かないだろ」
19090 「あとは、太もものホルスターにハンドガンが2丁。スタン警棒が1本ありますが」
麦野 「まあ、それならいいか。でもそれって人間相手に撃っていいシロモノでもないような」
19090 「う、撃ちませんよ!」
麦野 「は? じゃなんでそんなデカイの持ってきたんだよ」
19090 「その、大きいほうが示威効果があるかと思いまして」
麦野 「……そりゃそうだろうけど」
19090 「こんなので撃ったら死んじゃうじゃないですか。アホですか、しずりんは」
麦野 「」ガシッ ミシミシミシ
19090 「痛い! 痛いです! アイアンクローはやめてください!」
麦野 「たまに猛毒吐くわね、アンタは……よし。じゃ、3カウントでいくからな」
19090 「はい。ゴーグル装着」スチャ
麦野 「3、2、1」
42:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/30(月) 00:04:42.40 ID:u8Kzr9w/o
麦野 「」バーン
19090 「」チャキッ
下っ端S 「!?」
下っ端T 「な、なんだ!?」
麦野 「あ、ゴメン。なんか修理中だった?」
19090 「ひどい、バラバラですね」
下っ端U 「クソッ、夕方といいさっきといい、今日はなんなんだ!」
19090 「う、動かないでください!」チャキッ
下っ端U 「」
麦野 「ふーん、どれどれ。これ、キャパシティダウンかな? で、こっちのは?」
下っ端's 「……」
麦野 「こ っ ち の は ?」コンコン
下っ端T 「……ジャ、ジャミング装置だ。とびきり高出力のな。元々はある能力者用の」
下っ端U 「バカ! しゃべりすぎだ!」
麦野 「ま、いいや、どっちでも。おい、やっちまいな」
19090 「修理頑張ってたところ、申し訳ありませんが」カキン
ドカドカドカドカドカドカ
43:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/30(月) 00:06:33.52 ID:u8Kzr9w/o
下っ端U 「あ、あー! それ全部でいくらしたと思ってんだよぉぉ」
下っ端S 「こうなりゃヤケだ! 身体で弁償しやがれ!」ガシッ
下っ端T 「俺の嫁ぇぇ!」グイッ
19090 「!? しずりん!」
19090 (しずりんと相手が近すぎる……撃てない……!)
麦野 「……ふん」
ドカボカスカバキゴキャドカ
麦野 「汚ぇ手でさわんなよ、ウスラバカども」
下っ端's 「「「」」」ピヨピヨ
19090 (い、一瞬で……)ガクブル
麦野 「私はね、職業柄ケガ人を治すのも得意だけど、製造するほうがもっと得意なんだぞ☆」
下っ端U 「な、なんつう怪力だ……」バタッ
下っ端S 「……ターミネーターだ」ガクッ
麦野 「誰がターミネーターだ」ゲシゲシッ
下っ端T 「お、俺は何も……ごふっ」
19090 (絶対敵にまわさないようにしましょう……)
44:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/30(月) 00:08:04.00 ID:u8Kzr9w/o
~研究所跡 正面ロビー~
番外個体 「よっと」ゲシッ
下っ端O 「げほっ」
一方通行 「ワースト、後ろだ!」
下っ端P 「おりゃぁぁぁ!」ブンッ
番外個体 「」ヒョイ
スカッ
下っ端P 「なっ」ヨロッ
番外個体 「やん、ちょうどいい高さに顔面が」ゴキッ
下っ端P 「んごぉ!」
番外個体 「真後ろからこようたってムダ。レーダーには引っかかるんだから」
一方通行 「粗方片付いたか」コキコキ
番外個体 「ざーんねん。撃破数では負けちゃったか」ケラケラ
一方通行 「しっかしまァ、見事な蹴り技じゃねぇか。格闘の心得まであるとはねェ」
番外個体 「私だって元軍用だもん。戦いの"マナー"はいろいろ教え込まれてるんだから」
45:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/30(月) 00:09:24.52 ID:u8Kzr9w/o
一方通行 「最近の学習装置ってなァ気が利いてやがる」
番外個体 「最近でもないけどね。ま、生まれて初めて学習装置に感謝してるよ♪」
<そこまでだ。
番外個体 「おや?」
兄者 「好き勝手に暴れてくれたな。容赦はせんぞ」
弟者 「俺たち兄弟が出てきたからには、お前たちの命運もここまでだ」
一方通行 「……なンだオマエら」
兄者 「人呼んで警棒の兄!」
弟者 「木刀の弟!」
兄弟 「「我ら兄弟二人で一つ! 向かうところ敵はない!」」ドン
番外個体 「おー、息はピッタリ」パチパチ
一方通行 「メンドくさそォな連中だな」ガシガシ
兄者 「決まったな、弟者」
弟者 「あぁ、流石だよな俺ら」
兄者 「さあ、覚悟はできたか!?」ダッ
弟者 「ゆくぞ!」ダッ
46:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/30(月) 00:11:07.55 ID:u8Kzr9w/o
番外個体 「」ピシャーン
兄者 「あbbbbbb」
弟者 「あ、兄者ーー!?」
一方通行 「余所見してンじゃねェよ」ヒュン
弟者 「え、いつのm」
一方通行 「」ズビシッ
弟者 「ぎゃん!」ドサッ
下っ端Q 「うちの幹部クラスが一瞬で……?」
下っ端R 「ばっ、バケモンだ! かないっこねぇ!」ガクブル
いい男 「下がっていろ。後は俺が引き受けよう」ザッ
下っ端Q 「ぼ、ボス!?」
下っ端R 「ボス自らが出なくても、数さえ揃えれば……」
いい男 「いや、お前たちには荷が勝ちすぎている。あの白いのは第一位だ。横の姉さんもかなりの手練れと見える」
下っ端Q 「第一位!?」
下っ端R 「ど、どうりで、デタラメな強さだと……」ヘナヘナ
番外個体 「あなたがボス?」
いい男 「あぁ、そうだ。聞いてた通り、ここからは俺がお相手仕ろう」
47:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/30(月) 00:12:38.77 ID:u8Kzr9w/o
一方通行 「……」
いい男 「お前さんが第一位か。なるほど、想像していたよりもいい男じゃないの」
番外個体 「は?」
一方通行 「あ?」
いい男 「第一位といろんな意味でお相手ができるんだ。この幸運に感謝しないとな」
番外個体 「……え? そっちの趣味の人?」
一方通行 「」ブルッ
番外個体 「やめてよね。この人に手は出させないよ」
いい男 「俺も一組織を束ねる立場だ。ここまでやられて、おいそれと引くわけにはいかないな」
一方通行 「オイ、油断はするなよ」
番外個体 「……そういえばあなた、前にスキルアウトのボスに負けそうになったんだっけね」
一方通行 「ンなことまで知ってンのかよ……」
番外個体 「私が元々何のために生まれたか考えれば分かるでしょうに」
いい男 (そう。過去にそういう男はいた)
いい男 (さて、仕入れた情報通りなら、第一位にはこいつが利くはずだが……)ゴソゴソ
番外個体 「どっ、どこに手突っ込んでんのさ!」
一方通行 「見るな。気にしたら負けだ」
49:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/30(月) 00:13:55.64 ID:u8Kzr9w/o
~研究所跡 東ブロック~
男子C 「ファイアーボール!!」ボンッ
絹旗 「ちゃぶ台返しぃぃ!」ドゴ
ボォォォォン
男子C 「防がれた……!?」
白井 「ちゃぶ台ではなく、テーブルですけどね」ヒュッ
男子C 「え」
白井 「はぁっ!」ゴキッ
男子C 「いだだだだだだ!!」
白井 「風紀委員仕込みの捕縛術、とくと味わってくださいませ」ギリギリギリ
男子D 「こ、この野郎!」
【イス】三=- ヒュドォン
男子D 「うお!」コトン
50:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/30(月) 00:15:47.34 ID:u8Kzr9w/o
婚后 「左右の確認はきちんとしろと、小学校で習いませんでした?」
男子D 「いってぇな……」
婚后 「それにしても頑丈ですこと。直撃を受けて涼しい顔をなさるなんて」
男子D (よく分からねぇけど、あいつは何かの力でモノを飛ばす能力だ)
男子D (今なら、周りに飛ばせそうなものはねぇ!)
男子D 「頑丈しか取り柄がねぇんだ。そういう能力なんでな」
婚后 (飛ばしたイスが彼にぶつかった瞬間、静かに落ちた……これは……)
男子D 「うぉぉぉ!」ダダダダ
婚后 「!」
男子D 「うぉらぁ!」ブンッ
婚后 「くっ」タンッ
男子D (避けられた……!)
婚后 「チェックメイトですわ」タッチ
男子D 「!?」
婚后 「貴方の能力は、"衝撃吸収"<ショックアブソーバー>。違いまして?」
男子D 「な、んで」
婚后 「ならば手加減はいりませんわね!」ヒュパッ
51:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/30(月) 00:17:05.89 ID:u8Kzr9w/o
男子D 「風!? それでモノを飛ばしてたのか!」
婚后 「ご名答。快適な空の旅をお楽しみになって」
<ちくしょぉぉぉぉぉ!
絹旗 「……どこまで飛んでったんですか」
婚后 「おそらくは4~50メートルほど……まぁ、彼なら大丈夫でしょう」
白井 「容赦ないですの」ギリギリ
男子C 「」ブクブク
絹旗 「白井さん、白井さん。それ以上は超マズイですよ」
白井 「あ、あら。わたくしとしたことが」パッ
男子C 「……くっ……クセに、なる、かも……」バタッ
女子B (どっ、どうすればいいの、コレ! どうしようもないよぉ!)
女子B (私の能力はテレパスだから、何の役にも立たないしぃ……)グス
[[携帯電話]]<Prrrr Prrrr
女子B 「は、はい、もしもし……」
女子B 「あ、クイーン! 助けてくださいよ! あいつら強すぎですよぉ!」ウェーン
52:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/30(月) 00:18:14.90 ID:u8Kzr9w/o
女子B 「……え? は、はい。そこまで誘い出せばいいんですね?」
女子B 「うぅぅ、怖いけどやってみます」
女子B 「あっ、アンタたち! いい気にな、なるな!」ビシィ
絹旗 「あれ? まだいたんですか?」
女子B 「ふーんだ! アンタたちみたいなチビばっか来たってなんも怖くないもんねー!」ベー
絹旗 「チビ!? 誰が超チビですか!」
女子B 「バーカチービバーカ! 悔しかったらこっち来てみろー!」ダダダダ
絹旗 「まっ、まてー!」ダダダダ
白井 「絹旗さん!……あぁ、もう」ハァ
婚后 「仕方ございませんわね。この辺の敵は片付けたようですし、後を追いましょう」
:
:
:
女子B 「た、確かここです」
絹旗 「ようやく追いつきましたよ。覚悟は超できてますか」
白井 「絹旗さん! 先行はしないでくださいまし!」
婚后 「突出しては何があるかわかりませんわよ」
女子B (クイーン、早くしてくれないと私の本陣が陥落しちゃいますよぉぉ!)
53:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/30(月) 00:19:29.59 ID:u8Kzr9w/o
ガタンッ
絹旗 「……今何か」
婚后 「!? ゆ、床が!」
白井 「沈んでる!? これは……!」
ゴォォォォン
婚后 「ひゃぁっ!?」
白井 「あっ……!」
絹旗 「お、落ちっ」
\ヒューーー/
女子生徒 「お勤めご苦労さん」コツッ コツッ
女子B 「クイーン、私を囮にするなんてひどいじゃないですかぁ!」プンスコ
女子生徒 「ごめんなぁ」ナデナデ
女子B 「」フニャー
女子生徒 「……さぁて。彼女らにはちいとお仕置きせんと」
54:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/30(月) 00:20:35.78 ID:u8Kzr9w/o
~研究所跡 西ブロック~
結標 「ダメか……そっちは!?」
エツァリ 「こちらの部屋にはいらっしゃいません」
浜面 「こっちもダメだ」
結標 「次行きましょう」ダッ
浜面 「分かってたことだけど、そう簡単には見つからないな」カンカンカン
エツァリ 「浜面さん、もう少し静かに走ってくださいよ」
結標 「そうよ、見つかっちゃうでしょ」
浜面 「あぁ、悪い。気を付けるわ」
結標 「あと1階で探してないのは……」
エツァリ 「あちらのフロアです」
浜面 「おそらくだが、ドンパチやってるところを除けばそこが最後だ」
結標 「急ぎましょう」
浜面 「……あ、ちょっと待ってくれ。あのドアは調べたか?」
55:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/30(月) 00:21:50.84 ID:u8Kzr9w/o
結標 「私はまだ」
エツァリ 「自分もです」
浜面 「見てこうぜ」
結標 「そうね、何があるかわからないし」
エツァリ 「開けますよ」ガチャ
結標 「うっ……!?」
浜面 「ヒデェな、これ……」
エツァリ 「閉鎖するなら、後始末もしっかりしてほしいものですね……」
結標 「こんなところにはいないでしょ……さっさと行きましょ……」
浜面 「あぁ、賛成だ」
エツァリ 「しかし本当にひどい……」バタン
:
:
:
浜面 「ここにもいない、か……」バタン
エツァリ 「一階はほぼ探し尽くしましたね」
浜面 「後は上に行くか、下に行くかだが……」
結標 「……地下にいきましょう。逃げづらい場所にするとしたらそっちでしょうし」
56:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/30(月) 00:23:37.07 ID:u8Kzr9w/o
エツァリ 「そうですね。では、下に行くルートを探しましょうか」
浜面 「エレベータは使えないっぽいから、非常階段でもなんでも」
スパーーン
浜面 「いってぇ!? おい、ツッコミをもらうようことはしてないだろ!」
エツァリ 「え? いや、自分は何もしていませんよ?」
浜面 「でもたしかに、お前がいた方向から」
結標 「ちょっと何やってるのよ。内輪揉めしてる場合じゃないでしょ」
浜面 「そ、そうだな。すまん……うお!?」ブシュー
エツァリ 「む、結標さん!? 何を……!?」
結標 「?」
浜面 「下! 下!」
結標 「下? って……キャァァ!?」バッ
エツァリ 「浜面さん、見ましたね……?」ゴゴゴゴ
浜面 「み、見てねぇ!」ポタポタ
結標 「だからやめなさい! もう、なんで風もないのにスカートが持ち上がってるのよ!」
浜面 「てっきり自分でつまみ上げてるもんだと……風のせいっていうには、上がったまま動いてなかったし」
57:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/30(月) 00:25:55.59 ID:u8Kzr9w/o
エツァリ 「やっぱり見てたんじゃないですか」
浜面 「し、仕方ないだろ」
結標 「自分からそんなことするわけないじゃない!」
浜面 「いや、暑いのかなー、とか」
結標 「暑くてもあんなことしないわよバカ!」ムキー
エツァリ 「……まさか、誰かいる?」
浜面 「俺たちの他に、か? だけどよ」キョロキョロ
「あらら。もう気づいちゃったですか」
結標 「!?」
エツァリ 「やはり……今のはあなたの仕業ですか」
「せっかく仲間割れに持ち込もうとしたのに、失敗ですね」
浜面 「おい、卑怯だぞ! 姿見せやがれ!」
「イヤですよ。そしたらやられちゃいますもん」
結標 「光学系能力者? 初めて見るわね。見えないけど」
エツァリ (参りましたね。声が反響していて方向もつかめない)
「自分の姿を消すぐらいしかできることないですから。でも、十分ですよね?」
「ともかく、これ以上先に進ませる訳にはいかないです」
58:
◆8GNB4AEvC.:2012/01/30(月) 00:27:02.03 ID:u8Kzr9w/o
といったところで、今回はここまでです。
モブ祭りですいませんでした。次回からはボス戦なので緩和されるかと思います。
そういえば自分を消せる光学系能力者ってテレポ屋さんよりレアなんですよね。
書いてから気付いた。
次回投下は3日以内の予定です。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
59:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/30(月) 00:28:19.02 ID:rvABLGQDO
乙です
60:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方):2012/01/30(月) 00:28:48.00 ID:Ayo5Ms/M0
乙
浜面は役得だなww
67:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/30(月) 04:01:41.80 ID:EPu5CWmDO
乙だね
でも、そんなはまづらは応援できないかも
68:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県):2012/01/30(月) 11:10:02.57 ID:GGRjqB7p0
乙
テレポーターは実用の域にない人まで含めて58人
光学操作は実用の域にある人、おそらくレベル3以上だけで47人
だからテレポーターの方がレアで間違ってないよ
74:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/02(木) 00:50:56.22 ID:ePdpk7i4o
>>68
読み違えてました。光学系能力という区分でいれば
たしかにもっといそうですね。
少々遅くなりましたが、始めさせて頂きます。
前回の続きより。今回からボスモブ戦に入るようです。
しずりんチームだけは別行動ですが。
75:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/02(木) 00:52:25.40 ID:ePdpk7i4o
~研究所跡 西ブロック2階~
麦野 「ねー、つまんにゃい」
19090 「ミサカに言われましても」
麦野 「なんでエンカウントしないのよー、せっかく乗り込んできたのに……」バシバシバシバシ
19090 「痛いっ、痛いですからっ! ミサカに八つ当たりしないでください!」
麦野 「私らが戦ったの、最初に出会った3人だけじゃん。どうなってるのよ」
19090 「おそらく、敵主力は1階の戦闘に割かれているのではないでしょうか」
麦野 「はー、くそ。なんていうか、なんかこうウズウズする」
19090 「抑えてください」
麦野 「もっとさー、なんていうか、こう」
19090 「?」
麦野 「敵に捕らえられて、複数人の豚どもに今まさに犯られる直前のアンタを助ける! とか」
19090 「イヤですよそんなの!」
麦野 「私に魅せ場があってもいいと思わない?」
19090 「気持ちはわかりますが」
76:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/02(木) 00:53:50.92 ID:ePdpk7i4o
麦野 「つうわけだ。アンタ、武器と服を私に預けて敵陣に飛び込んで捕まってこい」
19090 「いっ、イヤですってば!」
麦野 「大丈夫大丈夫。アンタが快感に屈しそうになる手前ぐらいで助けてやるから」
19090 「完全に手遅れじゃないですか!」
麦野 「その頃にはレイプ目になってるかもね」
19090 「元からです!……だっ、大体、ミサカたちがここまで来た目的を忘れないでくださいよ!」
麦野 「分かってるよ。フレメアだろ? でも探した感じ、2階にはいないっぽいよね」
19090 「閉じ込めるなら地下と相場が決まってますから」
麦野 「あー、私としたことが完全にミスったな……最初から地下行っときゃよかった」ガシガシ
19090 「……?」
麦野 「どうした?」
19090 「しー……人の話し声が聞こえませんか?」
麦野 「……あぁ、向こうだな。行ってみるか」
19090 「用心しましょう」チャキッ
:
:
:
77:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/02(木) 00:54:59.61 ID:ePdpk7i4o
麦野 「この部屋だな」コソコソ
19090 「……なにか、すごく馴染みのある匂いが」コソコソ
<血が!血が出てる!俺死んじゃう!
<あほか!そんなん怪我の内に入らねぇよ!
麦野 「何やってんだ、あいつら」
19090 「どうやら、傷の手当をしているようです」
麦野 「野戦病院かっての」
19090 「似たようなものかと」
麦野 「……」
19090 「しかし、ざっと見た感じ急を要するレベルの怪我人はいないようですね」
麦野 「突入した連中も、ある程度は手加減してやったんだろ」
19090 「なるほど」フム
麦野 「……しっかしまぁ、なってないな。小学校の保健委員かよ、こいつら」
19090 「無理もないかと。処置や施術に慣れてる人間の方が少ないと思います」
麦野 「……」ウズウズ
19090 「しずりん、まさか」
麦野 「行くぞ」カツッ
78:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/02(木) 00:56:13.86 ID:ePdpk7i4o
19090 「ちょ、ちょっと!」
麦野 「おい、そこの!」
下っ端G 「なっ、この期に及んで増援だと!?」
下っ端F 「お、おい、もう十分だろ!? こいつケガしてんだ、見逃してやってくれよ!」
麦野 「そうじゃねぇ。そうじゃねぇんだよ」カツカツ
下っ端F 「?」
麦野 「なんなんだよ、この包帯の巻き方。こんなんじゃすぐ外れるだろ」
19090 「確かに、雑とかいうレベルじゃないですね」
麦野 「あ、おいコラ! ガーゼ貼るより前に消毒だろうが!」ゲシッ
女子A 「いたっ! ご、ごめんなさいっ!」
19090 (あー、しずりんの特性が……先程の突入ポイントをミスと判断、そのミスをこっちでカバーしようとしてますね)
19090 (こうなってしまうと猪突猛進ですし。黙ってお付き合いするとしましょう)ウム
下っ端G 「なんなんだ、あんたたち」
19090 「え、ええと、通りすがりの看護師見習いです」ハイ
下っ端F (看護師見習いがなんでM82A1を担いで通りすがってんだよ……)
麦野 「もー、見てらんない! 重傷のやつから順番に並べ! ほら、手伝う!」
19090 「は、はいっ」
79:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/02(木) 00:57:56.45 ID:ePdpk7i4o
~研究所跡 正面ロビー~
いい男 「おお、あったあった」スチャ
番外個体 「……?」
一方通行 「! オマエ」
いい男 「ほいよ、っと」ポイポイポイ
パァン キラキラキラキラキラ
番外個体 「!? チャフグレネード!?」
一方通行 「ッ……」ガクッ
番外個体 「一方通行!」ガシッ
いい男 「ほう。こんなオモチャでも効果はあるか」
一方通行 「ク、ソッ……」プルプル
番外個体 「……」
いい男 「本当はもっと上等なジャミング装置があったんだが……生憎とそっちは破壊されてしまってな」
番外個体 「……一方通行。あなたはあっちで休んでて。そんな状態でウロチョロされても邪魔なだけだから」シッシッ
一方通行 「オ、オイ……」
80:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/02(木) 00:59:17.62 ID:ePdpk7i4o
番外個体 「大丈夫だよ。……信じて」
一方通行 「……」
いい男 「姉さんが相手をしてくれるのかい? 悪いが、俺は女に興味は」
番外個体 「動かないで」チャリ
いい男 「……ほう」
番外個体 「ちょっとでも動けば、音速の2倍であなたを貫くよ」
いい男 「そうか。音速の2倍で後ろから貫かれたら、さぞ快感かもしれんな」
番外個体 (調子狂うなぁもぉぉぉ!!)
いい男 「だが、お前さんは一つ思い違いをしていないか?」
番外個体 「……なにさ」
いい男 「俺がその釘を避けるのに、なにも音速の2倍以上の速度で動く必要はない」
番外個体 「……」
いい男 「せいぜいお前さんの知覚を超える速度で動ければ十分だ。そうだろ?」グッ
番外個体 「ま、それもそっか。でもそんなことができるなら」
いい男 「やってみろ、か?」ヒュドッ
番外個体 「え?」
いい男 「ふんっ」ゴスッ
81:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/02(木) 01:01:06.87 ID:ePdpk7i4o
番外個体 「がぁっ!?」ゴキャ
バラバラバラッ
番外個体 「なっ、なんでっ……!?」タンッ
番外個体 (何いまの!? 普通の人間が出せるスピードじゃ……つっ)ズキッ
番外個体 (左手首折れたな……ただのチョップなのに、鉄板で殴られたのかと思ったよ……)
いい男 「……お前さんも、根は優しいのだろう」
番外個体 「なに……?」
いい男 「動くななどと言わずに、有無を言わさず貫けばよかったんだ。そうすれば、既に勝負も決していただろうに」
番外個体 (……たしかにね。こっちに来てからの生活で私も極甘になったもんだよ。でも……)
番外個体 「私は……それを悪いこととは思ってないから」
いい男 「ほう」
番外個体 「だから、あなたは倒す。私の大切な人たちのためにも」
一方通行 「……」
いい男 「その意義やよし。ならば俺も全力でヤらせてもらおうじゃないの」
番外個体 「」バチバチ
いい男 「!」
番外個体 「くらえ!」ピシャーン
82:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/02(木) 01:02:33.62 ID:ePdpk7i4o
いい男 「はっ」ダンッ
番外個体 「! そっち!」ピシャーン
いい男 「ではないぞ!」ダンッ
番外個体 「なんなの!? 雷撃を跳んで避けるって、どんなバケモノ!?」ピシャーン
いい男 「掌から雷を出すほうがよっぽどバケモノだと俺は思うがね!」ダンッ ダンッ ダンッ
番外個体 (こいつの身体能力、反射速度……人間離れしすぎてる……!)
番外個体 (全方位に無差別雷撃なら……でもそんなことしたら、一方通行まで巻き添え……)
いい男 (動きが鈍ったな……どれ、一発入れておくとするかい)ダッ
いい男 「はぁっ!」ゴッ
番外個体 「!?」
ドキャッ
番外個体 「っ……!!ズシャァァ
いい男 「うむ、確かな手応え」
番外個体 「ぐ……う、げほっ……ごっ……うぅっ……」
番外個体 (車に撥ねられたみたい……ただの膝蹴りなのに……)
いい男 「無理はおすすめしないぞ? あとはそのまま休んでおけ」
番外個体 「……冗談」ヨロヨロ
83:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/02(木) 01:04:52.13 ID:ePdpk7i4o
いい男 「……正直驚いている。アレを喰らっておいてまだ立つか」
番外個体 「あなたがそうであるように、私にだって引けないだけの理由はあるんだよ……!」
いい男 「大したもんだ……お前さんが男なら放っておかなかったのにな」
番外個体 「そりゃどうも。……ねぇ、あなたは一体なんなの? 本当に無能力者?」
いい男 「そうだな……知ったところで今のお前さんでは対処のしようもない、か」
番外個体 「……」
いい男 「発条包帯。聞いたことはあるか? 俺はそいつを全身にめぐらせることで身体能力を引き上げている」
番外個体 「ば、バカじゃないの……? そんなことしたら、骨と筋肉が耐えられない……!」
いい男 「その通りだ。その痛みと負荷に耐えるために、かなりきつめのドーピングも常用している」
番外個体 「……!」
いい男 「副作用と後遺症も強烈だがね。新陳代謝を早める作用もあるから、歳を取るのも早い。ついでに性欲も持て余す」
番外個体 「……なんで……そうまでして……」
いい男 「決まっているだろう? 無能力者の敵である能力者を駆逐するためだ」
番外個体 「……」
いい男 「もういいだろう。お前さんにはしばらく眠っていてもらうぞ。第一位が俺を待っているのでな」コキコキ
番外個体 (……今の私だと、あいつに攻撃をヒットさせる方法は一つだけ)
番外個体 (せめて、相討ちぐらいには持ち込まないとね……ゴメンね、一方通行)
84:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/02(木) 01:06:19.27 ID:ePdpk7i4o
~研究所跡 東ブロック地下1階~
婚后 「いたたたた……」
白井 「お二人とも、ご無事で?」
絹旗 「いきなり床が抜けるとか、超何事ですか」
白井 「……あそこから落ちてきたのですね」
婚后 「困りましたわね。とりあえず上に戻りませんと」
絹旗 「ジャンプして……届きませんよね」ピョンピョン
白井 「ここはわたくしが」
<まあまあ、待ってくださいな。
絹白婚 「「「!?」」」バッ
女子生徒 「折角こないなとこまで来たんですから、うちとも遊んでもらわんと」ジャリッ ジャリッ
婚后 (この制服は、霧ヶ丘女学院……何者でしょうか)
絹旗 (登場の仕方といい、雰囲気といい、ボスに超違いないです)
白井 「貴女は何者ですの?」
女子生徒 「さっき上で打ちのめされた能力者たちのリーダー、と言えば分かる?」
85:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/02(木) 01:08:02.32 ID:ePdpk7i4o
婚后 「では貴女が無能力者狩りの……!」
女子生徒 「そういうこと」クスクス
白井 「なぜそんなことを!」
女子生徒 「あー、口喧嘩しにきたん? 上での戦いぶりを見ると、そうは思わへんかったけどなぁ」
絹旗 「超上等じゃないですか。そこまで言うのなら、あなたが泣くまで殴るのをやめないですからね」
女子生徒 「おチビちゃんに殴られても、あまり痛そやないなぁ」
絹旗 「」ムカッ
絹旗 「だったら試してみますか!?」ダダダダ
女子生徒 (さてさて、相手は3人……一辺に片づけてもええんやけど、それじゃお仕置きにならへんし)
絹旗 「超ちっそぱーんち!」ブンッ
女子生徒 「」ヒョイ
スカッ
絹旗 「!?」
女子生徒 「んな真正面から来られても」
女子生徒 (減らせるなら減らしたほうが楽、となると厄介なのは……やっぱりあいつやな)
女子生徒 (よし……)
86:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/02(木) 01:09:25.91 ID:ePdpk7i4o
絹旗 「このっ!」ブンッ
女子生徒 「よっ」スカッ
絹旗 「あー、もー、フラフラとー!」ムキー
女子生徒 「ほらほら、こっちこっち」タンッ
絹旗 「おちょくってんですかぁ!」ダッ
ボゴッ
絹旗 「えっ!?」ストン
婚后 「絹旗さん!?」
女子生徒 「ひっかかりよった」クスクス
\落とし穴とか超卑怯ですよー!/
婚后 (……? あそこは、あちらの方も通っていた筈……)
白井 「油断なりませんわ。あの方、戦闘慣れしておられますの」
婚后 「え、ええ。困りましたわね、ここにはわたくしの能力で飛ばせそうなものが」
白井 「いえ、短期決戦で参りましょう。長引けばあちらの思う壺ですの」
婚后 「確かに。そうですわね」
87:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/02(木) 01:10:40.50 ID:ePdpk7i4o
絹旗 「もー、超土まみれじゃないですか……」ヨイショ
女子生徒 「足元がお留守やから、こんな簡単な罠に引っかかるんです」
ヒュンッ
白井 「そういう貴女は後ろがお留守ですわね」パシッ
女子生徒 「……あらあらぁ」
ヒュンッ ヒュンッヒュンッヒュンッヒュンッヒュンッ
女子生徒 「……」ガッチリ
白井 「風紀委員ですの。どうぞそのまま大人しくしておいてくださいまし」
女子生徒 「困りましたなぁ。これじゃうち、昆虫標本やないですか」
絹旗 「地面に転位→釘で固定、白井さんの黄金コンボが超決まりましたね!」ピャー
婚后 (……あまりにもあっけない。こんなものなのでしょうか……?)
女子生徒 「まあ、こうなってしもた以上は……」
婚后 「白井さん。くれぐれも油断……?」ジャリ
婚后 (そういえば……どうしてここは屋内にも関わらず、剥き出しの地面が……?)
白井 「さて……貴女は何者で、何が目的なのか。聞かせて頂きますの」
88:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/02(木) 01:12:11.74 ID:ePdpk7i4o
女子生徒 「……白井黒子。ほんに、空間移動というのは厄介な能力やわぁ」
白井 「!? 貴女、いったい……!」
女子生徒 「だからこそ、わざわざこうやって……」
婚后 (……まさか、彼女の能力は!)
婚后 「白井さん! そこから離れて!!」
白井 「え?」
絹旗 「婚后さん、急にどうし」
女子生徒 「」クス
ザシュザシュザシュザシュザシュザシュッ
白井 「え? あ……」ブシャァァ
絹旗 「えっ」
婚后 「白井さん!」
婚后 (地面から土の刃が……やはり彼女は)
白井 「な、にが……」ドサッ
女子生徒 「よっこらしょ……ふふ、下から上に串刺しするも簡単やけど、流石に殺しは嫌やし」スッ
婚后 「絹旗さん、わたくしが彼女の気を引きます。その間に白井さんを」
89:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/02(木) 01:14:24.54 ID:ePdpk7i4o
絹旗 「え、でも」
婚后 「頼みましたわよ!」ヒュパッ
婚后 (背中に噴射点を形成、このまま彼女の懐まで)
婚后 「推して参ります!」ゴォォォ
女子生徒 (速い!?)
婚后 「はぁぁぁ!」ブンッ
女子生徒 「この!」ザッ
ガキィィィン
婚后 「……土を腕に貼り付けて盾に? 存外器用ですのね」ギリギリギリ
女子生徒 「さっきから優雅に扇いでるその扇子、まさか鉄扇やったなんて……おっかないわぁ」ギリギリギリ
絹旗 「白井さん、しっかりしてください! 白井さん!」
白井 「……も、申し訳ございません……肝心なところで……ミスを……」
絹旗 (出血がひどい……このままじゃ……とりあえず隅っこに)ズルズル
白井 「絹旗さん……」
絹旗 「喋らないで下さい。まだ止血してませんから」
白井 「それでも……これだけは……」
絹旗 「……?」
90:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/02(木) 01:15:49.87 ID:ePdpk7i4o
~研究所跡 南ブロック~
結標 「参ったわね……」
エツァリ 「相手が見えないのでは手の出しようもないですね。それに……」
バッシーン
浜面 「いってぇぇ!? クソ、こっちか!」
スパーン
浜面 「あいたぁ! こっちか!」
結標 「なんで浜面くんばっかり狙われてるの?」
エツァリ 「結標さんだって、たまに思い出したようにスカート捲られてるじゃないですか」
結標 「」ギロリ
エツァリ 「なんでもないです」
結標 「ともかく、厄介なことに変わりはないわ」
エツァリ (しかし妙だ)
91:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/02(木) 01:17:57.79 ID:ePdpk7i4o
浜面 「クソッ、だったらこっちも動き回って、おぉ!?」コケッ
浜面 「」ズコー
浜面 「テメェ、足ひっかけやがったなぁ!?」
エツァリ (姿が見えないというのは、シンプルな能力でありながら圧倒的有利)
エツァリ (防御を考えず、攻撃に専念できるというのはとてつもないアドバンテージだ)
エツァリ (にも関わらず)
バサァァァ
結標 「……!? だから捲るなっての!」バッ
エツァリ (やってることはまるで子どもの悪戯だ)
エツァリ (本当に決するつもりなら、他にやりようはあるでしょうに)
浜面 「この……どうしろってんだ。姐さん、なんとかしてくれよぉ!」
結標 「そんなこと言ったって……どうにかして居場所が分かればなんとかなるけど」
「無駄ですよ? ボクの"完全迷彩"<ミラクルステルス>は発動したが最後、
ボクだけではなく服や持ち物まで隠してしまいますから」
結標 「っ……貴方は何か妙案はないの?」
エツァリ 「そうですね……」
92:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/02(木) 01:19:10.57 ID:ePdpk7i4o
「さて、そろそろ終わらせましょうか。大丈夫です、死にはしないですから」
浜面 「くるかっ!?」
エツァリ 「とりあえず散開しましょう! 固まっていては危険です!」
結標 「そうね」ダッ
浜面 「厄介なヤツにあたっちまったもんだ」
エツァリ (さあ……どうきますか)
カチカチカチカチ...
浜面 「……なんの音だ」
結標 「さあ……」
エツァリ (……この音はもしや……一か八か、やってみますか)
エツァリ 「どうしました? 銃を持つ手が震えているようですが」
「!? ふ、震えてなんかないです!」
エツァリ 「やはりそうですか……先ほどから思っていたことですが」
浜面 「?」
エツァリ 「あなたはなぜここにいるのですか?」
93:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/02(木) 01:21:09.40 ID:ePdpk7i4o
「む……無能力者を排除するためですよ」
エツァリ 「ならばどうぞ。自分は能力を持っていません。さあ、よく狙ってくださいよ」
浜面 「お、おい!?」
結標 「何やってるのよ!」
「……」
エツァリ 「撃てませんか? そうでしょう。あなたはまだ、人を傷つける覚悟ができていないのでしょう」
「そんなこと……ボクだって、その気になれば……!」チャキッ
エツァリ 「……どうして、そこまでしなければいけないのですか?」
「…………ボクの居場所はここだけだからです。姿が見えないボクには、他の居場所なんてありません」
結標 (……もしかして、思ってたより子どもなのかしら)
浜面 (拗ねたガキか?……なんつうか、やりきれねぇな)
「だから、あなたたちの足止めは成功させなければ……ここからも捨てられてしまいます」
エツァリ 「なるほど」
「もういいでしょう。撃ちますよ? 本当に撃ちますよ?」
浜面 (何か、何か手はないのか……)
結標 「……」
エツァリ (さて、困りました。説得できればと思ったのですが、彼か彼女か、その心は想像以上に固まっているようですね)
94:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/02(木) 01:22:57.99 ID:ePdpk7i4o
浜面 (どうにかしてやりたいが……話し合うにも、まず顔が見えねぇとな)
浜面 (能力を解除させることはできないか……)
浜面 (……お、そうだ)ピコーン
浜面 「なあ、ちょっといいか?」
エツァリ 「浜面さん、こんなときに」
浜面 (俺に考えがある。乗ってくれないか?)ヒソヒソ
エツァリ (考え?)ヒソヒソ
浜面 (説明してる余裕はねぇ。頼む)ヒソヒソ
エツァリ (……分かりました。乗りましょう)
浜面 「おい、姿が見えないんじゃ相手にしてもしょうがねぇよ。行こうぜ」タッ
結標 「え? ちょっと?」
エツァリ 「さ、結標さんも」グイ
結標 「痛いってば! 強くひっぱらないでよ!」
「!? ま、待ちなさい! 行かせませんよ!」
浜面 (そうだそうだ、そうやって追ってこい)タッタッタッ
エツァリ (さて、浜面さんはどうでるのでしょうか)タッタッタッ
結標 「もう、なんだっていうのよ」タッタッタッ
95:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/02(木) 01:23:43.87 ID:ePdpk7i4o
といったところで、今回はここまでです。
さすがに全員無傷で帰投とはいかなかったようです。
人生はときに厳しい。
次回投下は3日以内の予定です。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
97:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2012/02/02(木) 01:42:45.73 ID:oA7AHpIr0
おつ~
絹旗ちゃんは元暗部なんだからもうちょい警戒心を…
103:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県):2012/02/02(木) 07:13:40.02 ID:GBn7/ncto
>>97
その警戒心がなくなったことはいいことなんじゃね?
101:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/02/02(木) 02:45:26.69 ID:8RrpvHNT0
乙。
しかし、むぎのんも敵・即・殺だったのに…。ずいぶんと丸くなってしまった。
104:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/02/02(木) 07:14:09.27 ID:F6AYLzUSO
浜面サイドは上条さんがいたら楽だったろうに
得意の説教で改心?させることが出来るだろうしなww
絹旗も黒子もうかつすぎるだろ元暗部に風紀委員なんだからもっと警戒しろよ…
123:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/05(日) 00:13:02.20 ID:onUEJev+o
>>104
人質がいるという焦りと、雑魚戦が思いのほか楽だったという無自覚の慢心が
油断に繋がりました。……としたかったんですが、読み返してみると単にアホの子ですね。
118:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/02/04(土) 21:33:22.11 ID:iMa+lSqf0
麦野がしずりんしずりん言われてるが
打ち止めの仮の名前って静琴だからそっちもしずりんになるんじゃなかろうか
119:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/02/04(土) 21:37:17.62 ID:849Q4HaAo
>>118
しずきんじゃなくてか?
122:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/02/04(土) 22:45:20.94 ID:iMa+lSqf0
>>119
そういえば誰も打ち止めのことを静琴とか呼んでないよな・・・
呼ばれ方は小さい姐さんとかみさわ妹とかガキとかかな?
123:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/05(日) 00:13:02.20 ID:onUEJev+o
>>122
打ち止め「」のままなのに、みんなからの呼称だけ名前だと
ややこしいかな?と考えて、思い思いに呼ばせてます。小さい方の姐さんとか。
それでは始めさせて頂きます。
前回の続きからです。
124:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/05(日) 00:14:20.46 ID:onUEJev+o
~研究所跡 西ブロック2階~
19090 「これより消毒を開始します。あ、あの、もし沁みたらですね」
男子A 「はい」
19090 「我慢してください」プシュー
男子A 「ひょわぁぁぁぁぁ」
麦野 「何情けねぇ声だしてんだよ、男だろ。……ま、こんなもんか。後は自分でやりな」
下っ端A 「いや、あの、できれば最後まで……」
麦野 「あとコレ貼るだけでしょうが。それとも、その口に貼って塞いでやるか?」
下っ端A 「はい、後は自分でやるであります」
19090 「それにしてもあなたたちは実に幸運です」
下っ端B 「あ、ああ、まったく。アンタ方みたいなのが来てくれるなんてな」
厨二 (荒れ狂う"戦場"<いくさば>に舞い降りた天使というのはこういうのをいうのかもしれないな)
19090 「いえ、そうではなく」
下っ端B 「?」
125:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/05(日) 00:15:51.31 ID:onUEJev+o
19090 「あなたたちが交戦したであろう相手が本気を出していれば、こんなものでは済まなかったかと」
麦野 「つまり相当手加減してもらってたってことね」ケラケラ
下っ端B 「た、確かにあいつらバケモンだ……20人相手にしても平然としてやがったし……」
厨二 「こ、こちらも選りすぐった精鋭がまる濡れ紙の如く……」
麦野 「アンタたちも、他の連中もだけどさぁ、これに懲りてもうこんなことやめたら?」
他全員 「……」
麦野 「いずれ後悔する日が必ず来るわよ。……必ず、ね」
19090 (しずりんも、かつては毎晩のようにうなされていましたね)
麦野 「ま、決めるのはアンタたちだし、どうするかもアンタたちの勝手だけどね」
下っ端B 「……俺、決めました。姐さん、舎弟にしてください!」ガバッ
麦野 「イラネ」ゲシッ
下っ端B 「んほぅ」
<お、俺も!俺も舎弟に!
<じゃ俺は嫁に!
<お姉様と呼ばせてください!
<じゃ俺はお館様と!
<全員いらねぇぇぇぇ!!
19090 「しずりん、大人気ですね」
126:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/05(日) 00:17:34.73 ID:onUEJev+o
麦野 「まったく……にしても空気悪いな、ここ。換気しろよ」
19090 「窓はありませんし、排気システムも動作していないようです」
麦野 「んー……あ、なんかコンパネあるじゃん」ツカツカ
19090 「でもここ閉鎖されているんですよ? 電力は供給されているのでしょうか」
麦野 「アンタがいるじゃん。いざとなったら頼むからね」
19090 「こんな大きな建物を賄えるほどの出力はありません!」
知恵者 「あっしらスキルアウト組が持ち込んだ発電機と大容量バッテリがあるんで、心配ないでやんすよ」
麦野 「これの使い方は?」
知恵者 「そこまではちっと……ご覧の通り、文字盤のプリントもかすれてしやってるんで」
麦野 「ふーん。ま、いいや。適当にいじりゃわかるでしょ」ポチポチ
19090 「し、しずりん!」
麦野 「大丈夫だろ。自爆スイッチがあるわけでもなし」ポチポチ
19090 「それはそうですけども」
知恵者 「大丈夫でやんすよ。ミサイル発射ボタンとか毒ガス噴射ボタンとかはなさそうなんで」
19090 「あったら困ります!」
下っ端IH 「「……」」
127:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/05(日) 00:18:35.76 ID:onUEJev+o
下っ端I 「……な、なあ、さっきから気になってるんだけどさ」
下っ端H 「みなまで言うな。俺にはわかるぞ」
下っ端I 「あの髪が長い方って……あの、リーダーだった女だよな」
下っ端H 「あぁ……俺たち、下部組織合流組のリクでボスが標的に加えてくれたんだよな」
下っ端I 「……あんな優しそうな顔してたっけ」
下っ端H 「……解散から2年経ってんだ。色々あったんじゃねぇのかな」
下っ端I 「……傷の手当てしてもらった」
下っ端H 「……あぁ、俺もだ」
下っ端IH 「「……」」
下っ端I 「なんかさ、もういいんじゃねぇかなって気分になってきちゃったわ」
下っ端H 「奇遇だな。俺もだ」
下っ端I 「……暗部の女王だったあの人でも、ああなれるんだな」
下っ端H 「……あぁ」
下っ端I 「……俺たち、まだやり直せんのかな」
下っ端H 「……やってみなきゃわからんな」
下っ端I 「そうだよな……ならやってみるか」
下っ端H 「そうだな……あ、きれてる。悪い、煙草あるか?」
下っ端I 「ほら、全部やるよ。とりあえず禁煙から始めてみるわ」
128:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/05(日) 00:19:45.68 ID:onUEJev+o
~研究所跡 正面ロビー~
いい男 「ふんっ」ブォ
番外個体 「くっ……!」タンッ
いい男 「そら、次だ!」ゴッ
番外個体 「ッ!」ダンッ
いい男 「……ふむ、なかなか身軽だな。実はまだ余裕なんじゃないか?」
番外個体 「そう見える? さっきからイヤな汗が止まらないんだけどねぇ」ポタッ
番外個体 (磁力操作で移動力はカバーできてるけど、反撃の余裕がない……)
番外個体 (なにより……)ズキッ
番外個体 (アバラも折れてるなぁ……いつまで保つことやら)
いい男 「まあ、お前さんはよく頑張った方だよ。そろそろ」
ビキッ
いい男 「ぐぬっ……!」
番外個体 「ははっ、やっぱりね。限界が近いのはあなたも同じでしょ?」
いい男 「……」
129:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/05(日) 00:21:03.27 ID:onUEJev+o
番外個体 「発条包帯なんて無茶するからだよ。私、さっき言ったよね? 骨と筋肉がもたないって」
いい男 「……あぁ、そうだ。俺に残された時間は多くない。次で決めさせてもらうぞ」メキメキメキ
番外個体 「へぇ、伝家の宝刀ってヤツ?」
いい男 「それは下にあるこっちの方だ。安心しろ、こっちの宝刀を抜くのはいい男限定だからな」
番外個体 「ハッ、それ聞いて安心したよ」
いい男 「……ゆくぞっ!」ヒュドッ
番外個体 (磁力操作で!)
いい男 「ぬぉぉ!」ブォッ
番外個体 「」フワッ
いい男 「!? またそれか! 時間稼ぎもいつまでもつかね!」ダンッ
番外個体 「さて、ね」タンッ
いい男 (だが見誤ったな! そちらは壁際だ!)
いい男 「終わりにしようじゃないの!」ゴッ
番外個体 (来るっ!)
いい男 「はぁぁぁぁ!!」
バゴォォォン
130:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/05(日) 00:22:34.69 ID:onUEJev+o
番外個体 「……」パラッ
いい男 「……!?」
番外個体 「伝家の宝刀って左ストレートのことだったんだね。壁ブチ抜いて肩まで埋まるなんて、すっごい威力」
いい男 (しゃがんで避けられた!? まさか狙って)
番外個体 「」ダキッ
いい男 「!?」
番外個体 「つーかまえーたー」バチンッ
いい男 「しまっ」
番外個体 「うらぁぁぁぁぁぁぁ!!」バチバチバチバチ
いい男 「ぬうおおおぁぁぁぁぁぁぁl!??」ビビビビ
ドサッ
いい男 「」プスプス
番外個体 「……ざまーみろ」
番外個体 「さて……」ヨロッ
番外個体 「一方通行ー、生きてるー?」
一方通行 「」
131:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/05(日) 00:24:32.05 ID:onUEJev+o
番外個体 「返事がない……さすがにチャフでばら撒かれた粒子が濃かったかな?」
一方通行 「」
番外個体 「ちょっと待っててね。換気でもすれば」
ガスンッ
番外個体 「いっ……!?」ドサッ
いい男 「まったく、お互いに油断大敵だな」シュゥゥゥ...
番外個体 「な、んで……?」
いい男 「いや、危なかったさ……事実、まだ痺れて思うように動かん」
いい男 「だが俺もタフネスさには自信と定評があるのでね」
番外個体 (そんなの、って……一方通行……ゴメン、わた、し……)ガクン
いい男 「……顔面ではなくこめかみを狙ったのは俺のせめてもの騎士道精神だ」
いい男 「さて、お待たせしてしまったな、第一位。お楽しみタイムといこうじゃないの」
ゴゴンッ
いい男 「? なんだ?」
132:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/05(日) 00:25:51.11 ID:onUEJev+o
~研究所跡 東ブロック地下1階~
女子生徒 「はっ!」ブォン
婚后 「くっ!」ザッ
女子生徒 「なんや、暗器振りかざして迫ってくるさかい、どれほどの心得もんかと思うたら」
婚后 (体術まで扱うなんて……一体何者……!?)
女子生徒 「せいぜい素人に毛が生えたぐらいやなんて」クスクス
婚后 (土でコーティングされた両拳で殴られたら、一撃ですわね……ここは回避に徹して……)タッ
ドン
婚后 「ッ!?」
婚后 (土の壁!? しまった、退路を……)
女子生徒 「こんなときに余所見なんて、えらい余裕やないですか」
婚后 「まだです、まだこれk」
女子生徒 「うるさい」ゴスッ
婚后 「ご、はぁっ……!」
女子生徒 「女のよしみで、顔だけは勘弁してボディ狙いにしといたります」クスクス
133:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/05(日) 00:28:05.28 ID:onUEJev+o
<そこまでです。
女子生徒 「うん?」ピタッ
婚后 「絹、旗さん……」
絹旗 「婚后さん、白井さんを超お願いします。後は私が」
女子生徒 「おチビちゃん、えらい自信やな」
絹旗 「"岩槍隆起"<アップヒーバル>、強度は4。超簡単に言うと"自分が立っている地面を操る能力"。
ま、能力名の通り、相性が一番いいのは土みたいですけどね」
女子生徒 「!?」
絹旗 「あなたの能力については超聞かせてもらいましたよ」
女子生徒 「……ふぅん」
絹旗 「それと、あなたが元風紀委員だったということも」
婚后 「なっ……」
絹旗 「かつて最強の風紀委員と呼ばれていたあなたが、度を越えた暴力を繰り返して追放されたということも」
女子生徒 「またえらい懐かしい話を」
絹旗 「ええまあ、元風紀委員とかは今となっては重要じゃないです」
絹旗 「……あなたは」チラッ
134:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/05(日) 00:29:22.10 ID:onUEJev+o
婚后 「白井さん、今止血を……う、げほっ」
白井 「お互いに……不甲斐ないですわね……」クスクス
絹旗 「あなたは、もォ絶対に許さないですからねェ!」ギンッ
女子生徒 「おお、怖い……これはうちもゆるりとしてはしてられへん」
絹旗 「そこを動くなァァァァ!」ダダダダ
女子生徒 「」クス
ドカドカドカドカドカ
絹旗 「土の槍……!? 超ヌルイですね、こンな程度で」ゴッ
バゴッ
絹旗 「私が止められると超本気で思ってンですかァァァ!」
女子生徒 (あのおチビちゃん、どうみても生身……どういう能力?)
女子生徒 (どちらにせよ、迂闊には近づけへんな)
絹旗 「」ダッ
女子生徒 (だったら足止めしつつ、遠距離戦に切り替えるのみ)タッ
絹旗 「ッ……逃げるしか能がないンですかねェ」
135:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/05(日) 00:30:42.76 ID:onUEJev+o
女子生徒 「相手によって遠近切り替えるんが賢いやり方。おチビちゃんみたいに突っ込むばかりじゃあかんで?」
絹旗 「……」
女子生徒 「それと、うちの能力を聞いたんなら、足を止めるのがいかに危険なのか分かりそうなもんやけどな」
絹旗 「……」
ザンッ
絹旗 「白井さンを切り刻んだ土の刃ですか……お気の毒。私には超通じませんンよ」バラッ
女子生徒 (これも効かない……? なんなん? 皮膚の表面を硬質化とか?)
絹旗 「……同じ風紀委員で、同じ大能力者の白井さンとはエライ違いですね。なンていうか、超しょぼいです」
女子生徒 「」ピクッ
絹旗 「ま、だからこそこンな穴倉でせこせこと 「うるさい」
女子生徒 「おチビちゃんにぐちゃぐちゃ言われとうない」ゴゴゴゴ
絹旗 「……」
女子生徒 「それにな、うちは風紀委員なんて称号に未練はないの。追い出されてむしろスッキリしたわ」
絹旗 「それで次に行き着く先が無能力者狩りだなンて、超底がしれてますね」
女子生徒 「……だって、そっちの方が有意義やん」
絹旗 「はァ?」
136:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/05(日) 00:32:22.33 ID:onUEJev+o
女子生徒 「うちかて、頑張って頑張ってLEVEL4まで昇り詰めた。でもそれ以上に頑張ってもLEVEL5は全然見えへん」
絹旗 「……」
女子生徒 「風紀委員の活動を頑張っても、スキルアウトどもが起こす犯罪はなかなか減らへんし」
女子生徒 「能力開発を続けるのも、風紀委員として頑張るのも、もう何もかもアホらしい」
絹旗 「……」
女子生徒 「うちの持つ力をアホらしいことに消費するよりも有意義に使うべき、そうは思わへん?」
絹旗 「それが無能力者狩りだと……?」
女子生徒 「そゆこと。いわば犯罪の芽を事前に摘むボランティア」
絹旗 「……」
女子生徒 「うちも好きなように能力を行使できて快感やし。一石二鳥やね」クスクス
絹旗 「バッカじゃねェ?」
女子生徒 「あぁ?」
絹旗 「ま、あなたが超どォしようもないバカだってことはよくわかりましたよ。もォ喋らないでください」ハァ
女子生徒 「……」
絹旗 「そこまでの超バカになると殴っても治りそォにはないですけど」
絹旗 「それじゃ私の気が超済まないンで。これからこの絹旗サマ直々に超鉄拳制裁といきましょォか」ジャリ ジャリ
137:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/05(日) 00:33:19.57 ID:onUEJev+o
~研究所跡 南ブロック~
浜面 「」カンカンカン
エツァリ 「」カンカンカン
結標 「ちょ、ちょっと……!」タッタッタッ
浜面 「あいつは来てるか?」
エツァリ 「えぇ」
<カンカンカン
エツァリ 「足音がすごく響く床というのも捨てたものじゃないですね」
結標 「どこまで行くつもりなのよ。そろそろ聞かせてよ」
浜面 「もいちょいだ、もうちょい!」
エツァリ 「見えてきましたよ」
結標 「……え? ちょっと、あのドアって!」
浜面 「ただいま、ってな!」ガチャ
エツァリ 「結標さんは隅っこに」
結標 「う……やっぱりヒドイ匂いね……」
138:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/05(日) 00:34:35.94 ID:onUEJev+o
「……逃げる先を間違えましたか? 行き止まりみたいですけど」
浜面 (来おったな!)
浜面 「エっツァん! 手伝え!」ガシッ
エツァリ 「……なるほど、そういうことですか!」
「? なにを」
浜面 「まずは赤だ!」バシャァ
エツァリ 「では自分は青の塗料を」バシャァ
結標 「ちょ、ちょっと! 私にかけたら怒るからね! ただでさえシンナーの匂いに参ってるんだから!」
浜面 「緑なんてどうだ!」バシャァ
エツァリ 「黒などシックでよろしいかと」バシャァ
「何をしているのやら……廃材の塗料を床に流したところで」
浜面 「バッチリ見えてるぜ。お前の足跡がな」
エツァリ 「そこの床だけ、塗料がついていない……なぜか靴底の形でくり抜かれたかのように」
「!?」
浜面 「おぉっと、銃は撃つなよ? 絶対撃つなよ?」
エツァリ 「気化したシンナーに万が一にも引火してしまえば、貴方もただでは済みませんよ?」
「……」
139:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/05(日) 00:36:21.94 ID:onUEJev+o
結標 「動かないで……位置さえ分かってしまえば、私の能力が使えるんだからね……」スチャ
「……くそ……くそぉ!」
エツァリ 「チェックメイトです」
浜面 「なあ、そろそろ顔ぐらいは拝ませてくれてもいいんじゃねぇか?」
「……」
結標 「最後ぐらいは潔くしたら?」
完全迷彩 「どうやら……ここまでですね」スゥー
浜面 「……なんだ、ガキじゃねぇか」
エツァリ 「声が高いので女性かと思ってました」
完全迷彩 「こっ、こう見えても中学生なんですからね!」
浜面 (あー、なんかデジャヴを感じると思ったらアレだ。絹旗だ)
結標 「……ねぇ、なんでこんなことをしてるの?」
完全迷彩 「さっきも言ったじゃないですか……」
結標 「今ならまだやり直せるわよ。後悔する前に足を洗いなさい」
完全迷彩 「……」
結標 「せっかくそんな希少な能力を持ってるのに。それを犯罪の手助けに使うなんて悲しいと思わない?」
完全迷彩 「……でも、いまさら学校にも戻れないですよ」
140:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/05(日) 00:38:26.37 ID:onUEJev+o
結標 「そんなことない」
完全迷彩 「……」
結標 「私も、過去に色々やったからね。相応のペナルティはあったけど」
完全迷彩 「……」
結標 「捨てる神がいれば、拾う神もいるの。貴方がちゃんとしようっていうのなら、必ず差し伸べる手もあるわよ」
完全迷彩 「この学園都市で神どうこう言うなんて、変なお姉さんですね」
結標 「そうかもね」クスッ
完全迷彩 「……金髪の女の子は地下2階です。ドアの前に見張りがいるんで、すぐ分かるハズです」
浜面 「そ、そうか!」
エツァリ 「情報の提供、感謝します」ペコリ
結標 「一緒に来る?」
完全迷彩 「……いえ、これから警備員のところにいきます。だから、ここでお別れです」
結標 「……そ」
完全迷彩 「あの、おこがましいのは承知なんですけど……警備員のところに行く決心がつかなくて」
結標 「?」
完全迷彩 「一回だけでいいんで……ぎゅーってしてもらえませんか?」
結標 「……仕方ない子ね」ムギュー
エツァ面 ((こんのクソガキィィィィィ!!))
141:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/05(日) 00:38:57.53 ID:onUEJev+o
といったところで、今回はここまでです。
フレメア奪還大作戦もいよいよ大詰めですよ。
次回投下は3日以内の予定です。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
147:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/02/05(日) 02:21:23.42 ID:GvH49ndho
茶番劇って感じだな
よくある話になってきて面白味減ってるわ
148:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/02/05(日) 02:55:01.87 ID:34jot6Ayo
>>147
登場人物の関係性をよりいっそう深めるためのイベントだから
ハートフルな展開が好きならゆっくりと先を待とう
151:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2012/02/05(日) 09:06:10.19 ID:8PgNS9Ygo
なんか小物が善戦してんのも腹立つし、ガキがいいキャラつくろうとしてんのも腹立つな
個人的にはフルボッコにして欲しい奴らだけど、優しいきぬはた荘の連中はやらないなぁ
186:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/09(木) 23:11:30.91 ID:PCnyLOAqo
>>151
完全迷彩については、他二人のようなちっせェ悪党ではなく、
言われるまま動くガキにしたかったっていうのがあります。
そこをうまく表現できなかったのは単に>>1の実力不足です。申し訳ない。
155:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/02/05(日) 10:30:02.98 ID:GKcgFTzJ0
乙!
浜面の 「エっツァん!」で吹いたww
169:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北):2012/02/08(水) 18:21:42.02 ID:Uzzp/gZAO
きぬはた荘で世界観ぶち壊しの濃密なバトル描写があったら逆に戸惑うだろ
こんぐらい生温くて丁度よ
170:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/02/08(水) 19:23:32.73 ID:gvo/fXaDO
そもそも台本形式で濃密な戦闘なんて書けないだろ
ってか書いても読みづらいだけだし
171:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2012/02/08(水) 21:37:55.51 ID:LFOmH7Qfo
濃度がどうとというより展開に不満があんじゃね
シリアスでもほのぼのでもない半端な感じが
181:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県):2012/02/09(木) 16:51:26.55 ID:MCoyB4o9o
批判が出るのは悪いことではないのにな
ただ「つまらない」じゃなくて「ここがつまらない」って結構具体的に言ってるし
そういうのはマンセーしかしない信者だけの環境でやってるより書き手にとってプラスになると思うけどなぁ
186:
◆8GNB4AEvC.:2012/02/09(木) 23:11:30.91 ID:PCnyLOAqo
>>181
仰る通りかと。>>1も勉強させて頂いています。
至らない点ばかりで申し訳ないです。
#8も大詰めですので、今少しお付き合い頂ければと存じます。
それでは、始めさせて頂きます。
前回の続きからです。
次→
絹旗「きぬはた荘、あふたー!」白井「あふたー?」その17
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