3:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 19:29:45.29 ID:
Zz4XMvS00
魔王「だせー!ここから出せー!」ガタガタッ
トコトコ
側近「その声は......魔王様ですか?」
魔王「おお!お前は......門番か?」
側近「側近です!あーあ、こんな壷に入れられちゃって」
魔王「勇者にやられたのだ!魂だけにされてしまった」
4:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 19:32:35.61 ID:
Zz4XMvS00
側近「それで生きてられるところがすごいですねー」
魔王「ん?そういえばお前は肉体があるな。なんで生き残っている」
側近「そりゃ悪名高い勇者一行が来たと聞いて一目散に逃げ......い、いや......この時のためにここに隠れてたんです!」
魔王「うそつけ!逃げてたんだろうが!」
5:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 19:34:37.18 ID:
Zz4XMvS00
側近「まぁまぁ、この場所ごと私も一緒に封印されちゃったんですからお互い様ってことで」
魔王「なに!?この空間自体が封印されておるのか!?」
側近「ええ、あれはやぶれませんねー」
魔王「うぬぬ......どうしたものか」
6:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 19:36:39.18 ID:
Zz4XMvS00
側近「そこで私はこんなものを作ってみました」ジャーン
魔王「これはキラーマシン!?」
側近「いいえ、タイムマシンです」
魔王「タイムマシンだと?キラーマシンの残骸にしか見えないが」
側近「いっぱい落ちてたので組み合わせてみました」
キラーマシン「ギ......ピ......ピッ......ピー!」
7:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 19:38:40.88 ID:
Zz4XMvS00
魔王「おお!動くのか?」
側近「いえ、魂が入ってませんので」
魔王「じゃあこれでどうしろというのだ!」
側近「ご存知のようにキラーマシンはこの機械に異次元から魔物の魂を入れて動かす機械です」
魔王「そうだな」
側近「そこで、これは逆に中の魂を別の時間に飛ばす機能に改造しました」
8:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 19:40:44.53 ID:
Zz4XMvS00
魔王「別の時間に飛ばす?」
側近「ただし、生身の体は無理です。魂だけです」
魔王「ほほぅ」
側近「しかし魂だけで動ける者など魔王様くらいのもの」
魔王「まぁそうだろうな」
側近「そこでこれを使っていただきたい」
魔王「ふむ......」
9:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 19:42:53.71 ID:
Zz4XMvS00
側近「俗に言うタイムマシンのようなものです」
魔王「しかし、お前が作ったものだろう?」
側近「だいじょぶですって」
魔王「うーむ......どうするか」
側近「ほらほらっ、どうぞ」
魔王「しかし......」
側近「いいから!はよ入れ!」
10:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 19:44:54.60 ID:
Zz4XMvS00
魔王「お前何気に偉そうだな」
側近「あ......ささっ......お入りください」
魔王「あ、ああ......まぁやってみるか」スゥ
側近「じゃ、スイッチオン!」
魔王「ちょっ!早いって!」
側近「えー」
11:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 19:46:56.17 ID:
Zz4XMvS00
魔王「まだ行き先も決めてないではないか」
側近「あ、そういえばそうでした。てへっ」ペロッ
魔王「まぁ、封印がやぶれるであろう1000年後くらいにいけばいいか」
側近「え......だ、だめですよ!」
魔王「はぁ?なんでだ」
側近「それじゃ私がここから出られないじゃないですか!」
魔王「逃げた罰だ。そのくらい我慢しろ」
12:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 19:49:01.91 ID:
Zz4XMvS00
側近「そ、それより勇者達に負けた歴史を変えてしまったほうがいいでしょ」
魔王「あ、それもそうか」
側近「子供の頃の勇者を殺してしまえば、我々の勝利で歴史は終るでしょう」
魔王「とすると10年前くらいか」
側近「では10年前に設定して......と」
キラーマシン「ピピピ......」
13:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 19:51:03.55 ID:
Zz4XMvS00
側近「それから注意点ですが」
魔王「なんだ」
側近「いくら魔王様が魂だけで動けるからといって限界があります。せいぜい一呼吸の間くらいでしょう」
魔王「まぁそうだな」
側近「普通の魔物では一呼吸も持ちませんから過去に飛ばしても意味がないんです」
側近「ですので、過去に行ったらすぐに誰かに憑依してください」
14:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 19:53:07.09 ID:
Zz4XMvS00
魔王「ああ、分かった」
側近「誰にでも憑依できるわけではありませんから気をつけてください。余り強すぎる相手は無理です」
魔王「うむ、弱ければ誰でもいいのか?」
側近「いえ、たぶん勇者は無理でしょう。聖なる力が邪魔をすると思います」
魔王「そうすると、勇者に憑依してその肉体を破壊するというのは無理なのだな」
16:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 19:55:09.44 ID:
Zz4XMvS00
側近「じゃ、いきますよ」
魔王「ああ、任せておけ。未来を変えてやる」
側近「さあいけ!魔王!そして私を助けるのだ!」
魔王「おい、お前呼び捨てにしたな!後で絶対ぶんなぐ......」
ドヒューン
キラーマシン「テンソウ......シュウリョウ......ピピピ」
17:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 19:57:46.63 ID:
Zz4XMvS00
【10年前】
魔王「るからなああああああ!」
魔王(む......ここは......うっ......壷がない......)
魔王(は、はやく!誰か!誰かいなのか!!?)
ガーゴイル「あれぇ?おかしいなぁ。こっちで物音がしたような気が......」
魔王(いた......!今だ!)
スゥ
19:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 20:00:14.37 ID:
Zz4XMvS00
ガーゴイル(魔)「ふぅ......間に合った......。そばにこいつがいなかったら危なかったな......」
ガーゴイル(魔)「危ない真似させおって、側近め」
ガーロイル(魔)「とりあえず、ここがいつか確認しないとな」
テクテク
ガーゴイル(魔)「♪Time is on my side~~~~♪」
ガーゴイル(魔)「♪yes it is!!」
20:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 20:02:33.84 ID:
Zz4XMvS00
ガーゴイル(魔)「ふふっ、乗ってきたぞ。イケる!」
門番「んっ?お前配置ここじゃないだろ?どうしたんだ?」
ガーゴイル(魔)「おお!門番ではないか!元気か!」
門番「はぁ?どうしたんだ?まぁ元気だけどよ」
ガーゴイル(魔)「そうか!元気か......!あんな最後を迎えてしまったお前だが......元気な姿がまた見られてうれしいぞ!」
22:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 20:04:38.82 ID:
Zz4XMvS00
門番「どうしたんだよ。まじでお前」
ガーゴイル魔「おっと、喜んでいる場合ではなかった。おい、門番。今、魔王歴何年だ?」
門番「420年だけど......大丈夫か?医務室行くか?」
ガーゴイル(魔)(間違いない。10年前だ......っとすると勇者は5歳......。ふふっ、容易いな)
23:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 20:06:39.74 ID:
Zz4XMvS00
ガーゴイル(魔)「ふははははは!待っていろ!勇者!今から行くぞ!」
バサバサッ
門番「お......おい、どこに飛んでいくんだよ」
ガーゴイル(魔)「はーっはっはっは!待っていろ門番!我らの未来は明るいぞ!!」
24:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 20:08:48.19 ID:
Zz4XMvS00
【王国】
ガーゴイル(魔)「よし......ここだな。どこだ......?勇者の家は......」
バサバサッ
兵士A「ん?あれは......」
ガーゴイル(魔)「え?」
兵士A「モ......モ......モモモモンスターだああああああああああ!」
25:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 20:10:50.54 ID:
Zz4XMvS00
兵士B「な、なんだと!?」
兵士C[出あえ、出あえ!町に入れるな!!」
兵士D「これでも食らえ!メラ!」
ボボゥ
ガーゴイル(魔)「ぐぁ!」
兵士E「空だ!弓か魔法で攻撃するんだ!」
シュンシュンッ
26:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 20:12:52.10 ID:
Zz4XMvS00
ガーゴイル(魔)「いてっ、や、やばいぞ......どんどん増える」
兵士F「応援を呼べー!」
ガーゴイル(魔)「く、くっそー」
バサバサッ
兵士G「逃げたぞ!追えー!」
27:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 20:14:54.46 ID:
Zz4XMvS00
ガーゴイル(魔)「ふぅ......まいたか」
ガーゴイル(魔)「うかつであった......つい元の体のノリで来てしまった......」
ガーゴイル(魔)「この姿では町に入れないな......どうするか......」
ガーゴイル(魔)(んっ......あれは......)
旅人A「ふぅ......やれやれ、もうすぐ王国か。ちょっと一休みしていくか」
28:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 20:16:56.53 ID:
Zz4XMvS00
旅人B「そうだな。飯でも食おうぜ」
ガーゴイル(魔)(あいつの姿なら怪しまれずに町にはいれるな......よし!)
スゥ
ガーゴイル「んっ?あれ?ここどこ!?」
フヨフヨ
魔王(お体......いただきます!)
29:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 20:18:56.99 ID:
Zz4XMvS00
スゥ
旅人A「うっ......」
旅人B「どうした?飯が喉につまったか?」
旅人A(魔)「♪Time is on my side~~~~♪」
旅人A(魔)「♪yes it is!!」ビシッ
旅人B「え?え?な、なんだよ。突然」
旅人A(魔)「ふむ、人間の大人の体か......まぁよいか」
30:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 20:21:10.16 ID:
Zz4XMvS00
旅人B「ちょ、ちょっと......」
旅人A(魔)「勇者は子供であろうし、十分だろう」
スタスタ
旅人B「おい、休憩するんじゃなかったのかよ」
旅人A(魔)「ふふふっ、はーっはっは。勇者、お前の命もこれまでだ」
ダダダッ
旅人B「おーい!」
旅人A(魔)「いっくぞー!ひゃっはー!」
31:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 20:23:11.15 ID:
Zz4XMvS00
【王国】
旅人A(魔)(ここが勇者の生まれた町......ふんっ、私の魔王城ほどではないな)
旅人A(魔)(とりあえず勇者の家を聞いてみるか)
旅人A(魔)「おい、そこのお前」
子供A「え?僕?」
旅人A(魔)「そうだ。ちょっとこっちへ来い」
子供A「え?え?なに?」
33:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 20:25:15.22 ID:
Zz4XMvS00
旅人A(魔)「勇者の家を知っているか?」
子供A「うっ......うん......」
旅人A(魔)「教えろ!」
グイィ
子供A「く......苦しい......そこの教会からちょっと北に行った所だよ。表札が......」
旅人A(魔)「本当だろうな!人間。もし、ウソだったら貴様をやつざきにし......」
35:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 20:27:19.41 ID:
Zz4XMvS00
子供A「う......う......うわああああああああああああん!」
衛兵「おい!ちょっと君!」
旅人A(魔)「え?」
クルッ
衛兵「子供に何をしている!はなしなさい!」
子供A「うっ......ううっ......くるしいよお」
36:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 20:29:21.92 ID:
Zz4XMvS00
旅人A(魔)「うるさい!私に指図するでない!」
衛兵「ちょっと署までご同行いただこうか」
ガチャッ
旅人A(魔)「手錠!?え?え?」
衛兵「さあ!来い!」
旅人A(魔)(な、なんだと......ここでは子供に乱暴すると捕まるのか!?)
37:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 20:31:22.15 ID:
Zz4XMvS00
旅人A(魔)(魔界ではしつけで済まされるのに......なんとしたこと......)
旅人A(魔)(これでは大人に憑依して勇者を襲ったら捕まってしまうではないか!?)
旅人A(魔)(んっ?そうか......では子供ならよいのではないか?)
旅人A(魔)(子供同士なら......ふっふっ、では......)
衛兵「どうした!歩け!」
38:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 20:33:25.88 ID:
Zz4XMvS00
スゥ
旅人A「いたっ......え?」
衛兵「早くしろ!」
旅人A「な、なんで......俺の飯は......?」
衛兵「臭い飯ならいくらでもくわしてやる。来い!」
魔王(よし......移動するぞ!)
39:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 20:35:43.88 ID:
Zz4XMvS00
スゥ
子供A「うわああああああああああああん!うわああああああああん!うっ......」
子供A(魔)「♪Time is on my side~~~~♪」
子供A(魔)「♪yes it is!!」ビシッ
子供A(魔)「ふっふ、これでよし!ふむ、この体じゃ少し心もとないな......」
子供A(魔)「ナイフくらい手に入れて来ないとな......。待っていろ。勇者」
42:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 20:36:50.39 ID:
Zz4XMvS00
【勇者の家】
勇者「いってきまーす!」
勇者母「気をつけて遊んでくるのよ」
勇者「はぁい!」
トコトコ
子供A(魔)(あいつが勇者か......。ただの子供だな)
子供A(魔)(ふふっ......お前には残酷な未来しか待っていないがな)
子供A(魔)(遊びにいくとか言ってたな。んっ公園にいくのか?)
子供A(魔)(これは利用できるな......)
43:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 20:38:30.55 ID:
Zz4XMvS00
【公園】
勇者「ねぇねぇ、みんなー僕も仲間にいれてよー」
子供B「うわっ......勇者だ」
子供C「僕あの子と遊んじゃだめってママが......」
子供B「だよなぁ......うっ」
スゥ
子供B(魔)「......」ギランッ
ボカッ
勇者「いたっ!な、なんで殴るんだよ!」
ドンッ
44:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 20:41:07.29 ID:
Zz4XMvS00
子供B「あうっ......え?勇者!突き飛ばすなんてひどいよ!」
子供C(魔)「そうだぞ!この乱暴者!」
ガッ
勇者「ぐっ......お腹が......このぉ!」
ポカッ
子供C「うっ......勇者が殴ったぁ!うわあああん」
ポカポカ
勇者「き、君が先に......」
子供D(魔)「このぉ!」
ポカッ
45:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 20:44:02.79 ID:
Zz4XMvS00
勇者「ううっ!もう!なんだよ!」
ポカッ
子供D「いたっ!やったなぁ!」
グイッ
子供E(魔)「なんでみんなの邪魔するんだよ!勇者め!みんなやっちまおぜ!」
子供F「そうだそうだ!」
子供G「僕達の公園を守れ!」
46:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 20:46:14.96 ID:
Zz4XMvS00
ワイワイ
子供B(魔)「♪Time is」
ボカボカ
子供C(魔)「♪on my side~~~~♪」
ゲシゲシ
子供D(魔)「♪yes it is!!」
勇者「やめて......やめてよぉ......」
スゥ
子供A(魔)「ふっふっふ、この混乱に紛れて......このナイフで......」
47:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 20:50:09.02 ID:
Zz4XMvS00
ザッ
勇者「や......やめて......こ......このぉ!」
ゴゴゴゴゴゴゴ
子供A(魔)「なっ......!?魔力!?」
勇者「この......このぉ......」
ゴゴゴゴゴゴゴ
勇者母「やめなさい!!!勇者!!」
49:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 20:53:23.78 ID:
Zz4XMvS00
勇者「え......」
勇者母「あなた!!今、何をしようとしたの!!」
勇者「だ......だって......」
勇者母「何をしようとしたの!!!」
グイッ
勇者「ううっ......だってこいつらが......」
バシッ!!
勇者「あぅ......」
50:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 20:56:59.54 ID:
Zz4XMvS00
勇者母「君達......この子のしたことは私の責任です......ごめんなさい」
ズッ
子供B「うわっ......土下座だぜ」
子供C「だっせー」
勇者「か、母さん......」
勇者母「本当にごめんなさい......私が責任を取って殴るなりなんなりしていいですから......」
子供D「もういいや。いこうぜー」
子供E「う、うん......」
ザッ......ザッ......
51:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 21:00:23.59 ID:
Zz4XMvS00
勇者「かあさん......」
勇者母「『力』は使っちゃ駄目っていつもいってるでしょ」
勇者「......ごめんなさい」
勇者母「その力はとっても危険なものなの、分かる?」
グイッ
勇者「で、でも......あいつら酷いんだ......」
勇者母「あなはたあの子達を殺そうとしたのよ」
勇者「!?」
53:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 21:03:23.82 ID:
Zz4XMvS00
勇者「勇者、あなた私が死んじゃったら悲しいでしょ?」
勇者「うん......」
勇者母「あなたはそれと同じことをしようとしたのよ。あの子達が死んじゃったらたくさんの人が悲しむわ」
勇者「......」
勇者母「それに、友達が死んじゃったらあなただって悲しいでしょ?」
勇者「うっ......うぇぇえええ、ご、ごめんなざいいいいい、ごめんなざいいい!」
勇者母「さ、今日はあなたの好物を作ってあげるから、帰りましょ」スッ
54:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 21:07:47.34 ID:
Zz4XMvS00
子供A(魔)(どうしてこうなった!?どうしてこうなった!?)
子供A(魔)(くっそー。なんだこの心のもやもやは......)
子供A(魔)(嫌なもの見せやがって......おのれ!)
子供A(魔)(あああーーー!もぅ!!勇者が殺しにくくなってしまったではないか!)
子供A(魔)(ちっ......仕方ない。暗殺はやめておいてやるか)
55:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 21:09:50.10 ID:
Zz4XMvS00
子供A(魔)(正々堂々正面から勝負で倒して、殺してやる!)
子供A(魔)(しかし、この体では......無理か。あの歳であの魔力......)
子供A(魔)(私もこの体でも多少の魔力は使えるし、強化はされておるが......むぅ......)
子供A(魔)(そういえば、戦士が同じ町にいたはず......まだ子供だろうが......)
子供A(魔)(行ってみるか)
56:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 21:14:02.19 ID:
Zz4XMvS00
戦士「いよっしゃー!また俺の勝ちー!」
ガキA「くっそー。お前強すぎだっての!」
戦士「ははは!毎日道場かよってっからな!」
ガキB「さすがガキ大将だぜ!」
戦士「ガキ大将って呼ぶな、かっこわるい!ははは!」
子供A(魔)(あいつだな......うむ、なかなかだ。あれなら勇者に対抗できるやも)
57:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 21:18:01.81 ID:
Zz4XMvS00
トコトコ
戦士「ん?どうした?迷子か?」
子供A(魔)「う、うん......ちょっとこっち来て......」
戦士「ちっ、しっかたねぇなぁ、みんな探してやろうぜ」
ガキA「戦士はお人よしだなー」
ガキB「そこがいいんすけどねー」
戦士「どこからきたん......うっ......」
58:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 21:22:11.48 ID:
Zz4XMvS00
スゥ
子供A「あれ?ここ......どこ......」
ガキA「だからそれを今から探してやるんだよ」
ガキB「そうそう」
戦士(魔)「♪Time is on my side~~~~♪」
戦士(魔)「♪yes it is!!」ビシッ
ガキA「ど、どうしたんだ?」
60:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 21:25:41.45 ID:
Zz4XMvS00
戦士(魔)「お......おおお!」
ガキB「また変なものでも拾い食いしたんすか?」
戦士(魔)「この歳でこの力強いからだ......イケる!!」
戦士(魔)「はぁーっはっはは!今度こそ待ってろ!勇者!」
ダダダッ
ガキA「この迷子どうするんだよー!」
61:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 21:28:45.39 ID:
Zz4XMvS00
【数日後】
勇者「いってきまーす」
戦士(魔)(よし、やっと出てきたぞ)
トコトコ
戦士(魔)(ここじゃちょっと人目があるか......)
戦士(魔)(ん?また公園にいくのか?)
勇者「み......みんな......この間はその......ごめ......」
62:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 21:32:14.97 ID:
Zz4XMvS00
子供B「うわ、またあいつだ」
子供C「お母さんがあいつ危ないから近寄るなって言ってた」
子供D「僕達を丸めて食べちゃう力があるんだって!」
子供E「うわー怖いよー」
子供G「にげろー!」
ダダダッ
勇者「あ......」
63:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 21:36:15.41 ID:
Zz4XMvS00
勇者「うっ......ううっ......うぇぇぇ」
勇者「ぼ、僕そんなことしないよぉ......」
ポタポタッ
戦士(魔)(よし、人目がなくなったな!)
戦士(魔)「おい!!貴様!!」
勇者「え?僕?」
戦士(魔)「貴様以外に誰がおる!貴様強いらしいな。私と勝負しろ!」
64:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 21:40:14.33 ID:
Zz4XMvS00
勇者「しょ、勝負?」
戦士(魔)「ほらっ!ひのきの棒だ!受け取れ!」
カランッ
勇者「えっ......こ、これで殴りあうの?」
戦士(魔)「ふっふ!貴様自分が一番強いとでも思っているだろう!」
勇者「そ、そんなこと......」
戦士(魔)「うそをつけ!私を殺したお前はそういう男だった!」
ブンッ
65:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 21:44:45.74 ID:
Zz4XMvS00
勇者「うわっ!」ガッ
ギリギリギリッ......
戦士(魔)「ふふっ!それでいい!お前を倒して私は私の世界を救う!」
ドガッ
勇者「うぐっ......な、何わけのわからないこと言ってるのさ!!このぉ!」
シュバッ
戦士(魔)「おおう!さすがに速いな!」ガッ
67:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 21:48:33.93 ID:
Zz4XMvS00
勇者「このっ!このっ!」
ガッガッ
戦士(魔)「お前の力はそんなものか!」
ドガッ
勇者「うわっ!す......すごい!」
ジンジン......・
戦士(魔)「本気でかかってこい!魔法も使ってな!それでなくては意味がない!」
68:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 21:51:26.89 ID:
Zz4XMvS00
勇者「本気......!?本気で......」
戦士(魔)「所詮子供か!?ならばこのまま......」グッ
勇者「はあぁぁぁ!」
ゴゴゴゴゴッ
勇者「灼熱!!」
ボボゥ!
69:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 21:54:38.41 ID:
Zz4XMvS00
戦士(魔)「ふんっ!こんなもの!」
ガシッ
シュウ......
勇者「す......素手で消し飛ばした!?」
戦士(魔)「ふっふ、それでこそ倒しがいがあるというものだ!いくぞ!」ググッ
勇者「う......うわあああああああああああああ!!」
カッ
70:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 21:57:52.13 ID:
Zz4XMvS00
【夕方】
戦士(魔)「ぜぃ......ぜぃ......」フラフラッ
勇者「はぁ......はぁ......も、もう終わりか......」
戦士(魔)「お......おまえこそ......」ガクガクッ
勇者「ひ、膝が笑ってるよ......」ガクッ
戦士(魔)「お......お前こそ......」
勇者「あはは......あはははははははは!」
戦士(魔)「な、何がおかしい」
71:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 22:01:35.26 ID:
Zz4XMvS00
勇者「ぼ......僕こんなに誰かと本気で喧嘩したのはじめてだよ!」
戦士(魔)「喧嘩じゃない!決闘だ!」
勇者「ふふっ、じゃあ決闘は引き分けだね」
戦士(魔)「く......くそっ!次は倒す!」
勇者「え?ま、また会ってくれるの?」
戦士(魔)「当たり前だ!お前を倒すのだ!」
勇者「ありがとう......」
戦士(魔)「なんで礼を言われるのだ。わけがわからん」
72:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 22:07:49.80 ID:
Zz4XMvS00
勇者「ね、ねぇ......あのさ......僕こんなに楽しかったの生まれて初めてだよ」
戦士(魔)「ほぅ」
勇者「みんなに勇者ってだけで怖がられちゃってさ......」
戦士(魔)「ああ......」
勇者「ねぇ、君、僕の友達になってよ......」
戦士(魔)「お......おぅ......」
勇者「やった!!ねぇ、僕は勇者。君の名前は?」
戦士(魔)「ま......いや......戦士だ」
73:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 22:13:40.47 ID:
Zz4XMvS00
戦士(魔)(どうしたこうなった!?どうしてこうなった!?)
戦士(魔)(なんで勇者と友達になってるんだ、私はああああああああ!)
戦士(魔)(いや、そうだ!友と書いて強敵と読む!勝負を挑んで隙をついて殺してしまえばいいのだ!)
戦士(魔)(まだ何度でも試合うことになるんだ。チャンスはいくらでもある!)
戦士(魔)(この体ももっと鍛えなければな......勇者に勝つには......)
戦士(魔)(もっと強く......もっと速く......!がんばるぞ!)
戦士(魔)(見ててくれ!魔界のみんな!私は......勇者を超えるぞ!)
74:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 22:17:02.57 ID:
Zz4XMvS00
【10年後】
勇者「これから魔王討伐に向かうよ。よろしく!」
魔法使い「あたし魔法使い。よろしくね」
僧侶「よ......よろしくおねがいします......勇者様。お会いできて......その......うれしいです」
勇者「あ、それからこいつが俺の親友の戦士」
戦士(魔)「......」
戦士(魔)(あれ?)
78:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 22:23:41.51 ID:
Zz4XMvS00
魔法使い「よろしくねー」
戦士(魔)「ああ......」
勇者「無愛想なやつだけど、ほんっといいやつだからさ。仲良くしてよ」
戦士(魔)(あれー?あれー?)
魔法使い「えー。親友?二人なんか怪しいー?」
勇者「そんなんじゃないよ。でも......戦士がいなかったら今の俺はなかったと思っている」
79:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 22:25:19.52 ID:
Zz4XMvS00
勇者「こいつがいたから俺は心が折れずに魔王を倒しにいけるんだ!」
魔法使い「ま、男同士の友情ってやつね。よかったね。僧侶!」
僧侶「え......?え......?そ......そんな......私は......」
魔法使い「そんな奥手だと私が勇者様とっちゃうわよー」
僧侶「あう......」
勇者「?」
80:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 22:28:38.99 ID:
Zz4XMvS00
戦士(魔)(な、なんで私が過去の自分を討伐に行かなければならないんだぁああああ!)
戦士(魔)(くそー!10年間一度も勝てなかった!!)
戦士(魔)(暗殺に切り替えようにも家に帰ってしまったら無理だったし!)
戦士(魔)(ま、まだだ......この旅なら......宿は一緒になるはず......)
戦士(魔)(そこで寝首をかいてくれる......)
戦士(魔)(もうなりふり構っていられん......時間がない!!)
81:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 22:33:14.55 ID:
Zz4XMvS00
勇者「どうしたの?戦士。難しい顔しちゃって」
戦士(魔)「なんでもない。くだらない話をしてないで行こう」
魔法使い「ちょっと、何よ。あんたくだらない話って」
僧侶「ちょ......ちょっと魔法使い」
魔法使い「自分がモテないからってひがんじゃってるんじゃない?」
戦士(魔)「ふんっ」
戦士(魔)(人間の雌など知ったことか......)
魔法使い「ちょっと何とかいいなさいよ、硬派きどっちゃってんの?」
勇者「まぁまぁ。そろそろ行こうか」
僧侶「は......はい!」
82:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 22:38:01.63 ID:
Zz4XMvS00
【宿屋】
魔法使い「あ、あんた結構強いじゃない......」
戦士(魔)「......」
戦士(魔)(今夜が最初のチャンス......勇者......必ず仕留める!)
魔法使い「町でのことまだ怒ってんの?」
戦士(魔)「......」
戦士(魔)(眠っている時なら......隙があるはず......)
魔法使い「あ......その......町ではちょっと言い過ぎたっていうかぁ」
83:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 22:43:53.88 ID:
Zz4XMvS00
戦士(魔)「......」
戦士(魔)(一撃でしとめないと......反撃されたら厄介だな、仲間も駆けつけてくる)
魔法使い「ちょっ、ちょっと聞いてるの!?」
戦士(魔)「ん?」
魔法使い「もういい!」
勇者「二部屋で部屋を取ったから、俺と戦士、魔法使いと僧侶でね。じゃあ、また明日」
僧侶「は、はい。勇者様......///」
84:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 22:49:46.56 ID:
Zz4XMvS00
【勇者の部屋】
勇者「くーっ......くーっ......」スヤスヤッ
戦士(魔)(寝たか!?むっ......)
戦士(魔)(こいつ......剣を手の届くところに......)
戦士(魔)(だが、寝ていれば......)
戦士(魔)(いや......試してみるか......)
戦士(魔)(ふっ!!)
ゴゴゴッ
勇者「うう~ん......」スゥ
戦士(魔)(私の殺気に反応して手が剣に......)
85:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 22:54:43.64 ID:
Zz4XMvS00
戦士(魔)(こいつ......どう見ても寝てるよな......)
戦士(魔)(なんてやつだ......寝てても隙がないとは......)
戦士(魔)(だが......やるしか......ない!!)
ジャキンッ
戦士(魔)(いくぞ......勇者!!)
ギィィ
戦士(魔)「!!!!?」
ビクゥ!!
魔法使い「起きてる?」
86:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 22:59:47.54 ID:
Zz4XMvS00
戦士(魔)(ビビった!まじビビった!)ダラダラダラッ
魔法使い「ちょっとこっち来て」
戦士(魔)「......」
ギィ......パタンッ
戦士(魔)「な、なんか用か」
魔法使い「くっくっく......あんたでもあんな驚いた顔するのね。ぷぷぷっ」
戦士(魔)「......」
魔法使い「案外かわいいとこあんじゃない」
87:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 23:02:37.37 ID:
Zz4XMvS00
戦士(魔)「用がないならさっさと寝ろ」
魔法使い「あ、怒った?ごめんごめん。ちょっと相談」
戦士(魔)「なんだ」イライラ
戦士(魔)(こんな時にやめてくれ......)
魔法使い「この子のことなんだけど......ほらっ、こっちおいで」
僧侶「......」トコトコ
戦士(魔)「なんで枕なんて抱きしめてるんだ?」
魔法使い「いやぁ、この子恥ずかしがっちゃって」
88:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 23:06:03.71 ID:
Zz4XMvS00
戦士(魔)「なにがだ」
僧侶「そ......それは......」カァ......
魔法使い「まぁ、要するにこの子は今夜勇者様と仲良くなりたいわけよ。分かるでしょ」
僧侶「そ、そんなはっきり言わないで......恥ずかしくて死んじゃう......///」
戦士(魔)「それで私に出て行けと?」
戦士(魔)(なんだ、人間同士の交尾か。くだらん)
89:
◆5ya24jCeIk :2012/02/17(金) 23:12:09.51 ID:
Zz4XMvS00
魔法使い「そそ、そーゆーこと。お願い」パチッ
戦士(魔)(はぁ......どうせこの調子じゃ勇者は殺せないか......)
戦士(魔)「分かった」
戦士(魔)(あの隙のなさ......むぅ......もう面倒だな)
戦士(魔)(こいつら殺して勇者と正面からやってやるか......)
魔法使い「ありがと!!あんた話わかるじゃない!」ギュッ
戦士(魔)「おい、こらくっつくな」
91:
◆5ya24jCeIk :2012/02/17(金) 23:24:16.54 ID:
Zz4XMvS00
魔法使い「ふふふっ、うれしいくせにー、このむっつり!」
僧侶「じゃ、じゃあ私......」
魔法使い「うんっ、がんばって、僧侶」
僧侶「は......はい......」
ギィ......バタンッ
戦士(魔)「それで私はどうするのだ」
魔法使い「あたしの部屋にくればいいじゃん」
92:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/17(金) 23:24:52.26 ID:qwEshTh30
パンツ輸出した
93:
◆5ya24jCeIk :2012/02/17(金) 23:28:20.40 ID:
Zz4XMvS00
【魔法使いの部屋】
魔法使い「さ、座って座って」
戦士(魔)「ああ」トスッ
魔法使い「あ......あのさ......」
戦士(魔)「なんだ」
魔法使い「さ......さっきは言いそびれちゃったけど、ごめんなさい......」
戦士(魔)「なんのことだ」
魔法使い「いやいやいや、気にしてないならいい!」
戦士(魔)「?」
94:
◆5ya24jCeIk :2012/02/17(金) 23:31:05.34 ID:
Zz4XMvS00
魔法使い「で、でも戦士ってさ。よく見たらいい男だよ」
戦士(魔)「そうかぁ?」
戦士(魔)(人間の趣味はわからん......)
魔法使い「勇者に話聞いたけどさ......あんたってめっちゃいい奴じゃん」
戦士(魔)「違う」
戦士(魔)(殺そうとしかしてないし、しかも失敗ばっかだ......くそ!)
魔法使い「そんなところもいいなぁって......」スルスルッ
戦士(魔)「何を脱いでいる」
95:
◆5ya24jCeIk :2012/02/17(金) 23:34:39.66 ID:
Zz4XMvS00
魔法使い「戦士......お願い......」キュッ
戦士(魔)「はぁ......どうしようもないな」
魔法使い「え......?」
戦士(魔)「杖はどうした......」
魔法使い「杖?」
戦士(魔)「今のお前は隙だらけだ!誰かに襲われたらどうする!」
魔法使い「でも戦士はそんなひどいことは......」
戦士(魔)「私が酷いことをしないとなぜ言える?」
魔法使い「戦士......」
戦士(魔)「いつ誰に襲われるかもしれない旅だろう。武器を手の届かないところに置くとはどういうつもりだ」
96:
◆5ya24jCeIk :2012/02/17(金) 23:37:35.23 ID:
Zz4XMvS00
魔法使い「そ、そんなこと......」
戦士(魔)「私はもちろん携帯している。勇者も寝てても警戒している」
魔法使い「ううぅ......」
戦士(魔)「私は外で寝る......」
魔法使い「ま......待って......」
戦士(魔)「後......そんな簡単に男に肌を晒すな」
魔法使い「えっ......」
バタンッ
魔法使い「へぇ......いまどきいるんだ......ああいうの......」
魔法使い「いいじゃん!」
98:
◆5ya24jCeIk :2012/02/17(金) 23:41:26.72 ID:
Zz4XMvS00
戦士(魔)(まったく馬鹿馬鹿しい。人間の雌が......)
ブンッ
戦士(魔)(勇者も隙がないし......もっと強くならねばな......)
ブンッ
戦士(魔)(からなず......!かならず隙は見つかるはず......!!)
99:
◆5ya24jCeIk :2012/02/17(金) 23:45:37.26 ID:
Zz4XMvS00
【魔王城】
勇者「今だ!!俺ごと魔王を貫け!!」
戦士(魔)(隙見つからなかった!!隙見つからなかった!!)
魔王「は......はなせええええ!」ジタバタ
僧侶「勇者様!!そんな!」
魔法使い「で......でも......勇者様の気持ちを考えたら......」
勇者「は......はやくしろ!戦士!!俺ごとその剣で!!」
戦士(魔)「駄目だ!!」
戦士(魔)(なんで自分で自分を殺さなきゃいけないんだ!!出来るわけないだろう!!)
102:
◆5ya24jCeIk :2012/02/17(金) 23:49:59.97 ID:
Zz4XMvS00
戦士(魔)「だめだ!!絶対に死なせたくない!!」
魔法使い「せ......戦士......」
戦士(魔)「ずっと......ずっと死なせたくないって思ってきたんだ!!」
戦士(魔)「お前は......俺と一心同体だろおおおおお!!」
戦士(魔)(魔王!!助かってくれえええ!!)
僧侶「戦士さんがこんなに饒舌になるなんて......」
勇者「戦士......ありがとう......でも......」
戦士(魔)(とりあえず、ひきはがさないと......)
103:
◆5ya24jCeIk :2012/02/17(金) 23:53:14.47 ID:
Zz4XMvS00
戦士(魔)「おおおおおおお!!」ドガッ
勇者「うわっ......」
クルッ
魔王「ぐぇ!!」
勇者「い......今だ!!みんな!!」
僧侶「疾風大魔法!!」ザクッ
魔法使い「炎熱極大魔法!!」ゴゴゴゴゥ
勇者「とどめだあああああああ!」
ザグゥ
魔王「おおおおおおおおおおおお!」ガクッ
戦士(魔)「NOOOOOOOOOOOOOOO!」
104:
◆5ya24jCeIk :2012/02/17(金) 23:56:48.81 ID:
Zz4XMvS00
勇者「さてと、封印もすんだし、帰ろうか」
キュッ
僧侶「あ......勇者様......」
勇者「帰ったら......幸せにする......」
僧侶「は......はい......」
106:
◆5ya24jCeIk :2012/02/18(土) 00:02:32.44 ID:
Zz4XMvS00
魔法使い「せ......せせせせせ戦士!!」
戦士(魔)「な......なんだ......私はこれから行くところがあるのだが......はぁ......」
魔法使い「何か元気ないわね......」
戦士(魔)「ほうっておいてくれ......」ショボーン
トボトボ
魔法使い「待って!あ......あああああの......魔王を倒したら言おうと思ってたことがあって......」
戦士(魔)「なんだ......はやくしてくれ......」
107:
◆5ya24jCeIk :2012/02/18(土) 00:05:41.01 ID:uJYqMUzv0
魔法使い「あ......あたし......あたしは......」
魔法使い「あ......あたしあんたが好き!!」
戦士(魔)「は?」
魔法使い「最初みたいないい加減な気持ちじゃない!!ホントに......ホントに好きだから!」
チュッ
戦士(魔)「!?」
108:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/18(土) 00:07:54.69 ID:vYqG05a+0
\エンダァァァァァァァァ/
109:
◆5ya24jCeIk :2012/02/18(土) 00:09:26.45 ID:uJYqMUzv0
魔法使い「んっー!」
チュッ......チュッ
戦士(魔)「わかった、わかったから」
魔法使い「ほ......ほんと!?」
戦士(魔)「ああ......だからちょっと待っててくれ」
魔法使い「う......うん......!」
110:
◆5ya24jCeIk :2012/02/18(土) 00:12:50.35 ID:uJYqMUzv0
【封印の間】
戦士(魔)「しっかり封印しおって......」
戦士(魔)「だが、外からなら......」
戦士(魔)「よっと」
ビリビリッ
戦士(魔)「ここを壊して......」
ドガッ
シュウウウウ
戦士(魔)「よし!いける!」
ギギィ
111:
◆5ya24jCeIk :2012/02/18(土) 00:15:14.15 ID:uJYqMUzv0
側近「さあいけ!魔王!そして私を助けるのだ!」
魔王「おい、お前呼び捨てにしたな!後で絶対ぶんなぐ......」
ドヒューン
キラーマシン「テンソウ......シュウリョウ......ピピピ」
戦士(魔)「......」
スタスタッ
側近「ったく、偉そうにしやがって、魂だけのくせに......」
側近「もっと感謝しろっての」
側近「ちゃんと歴史変えてこいよ。まったく、さて、ゴロゴロしよっと」
ゴローン
112:
◆5ya24jCeIk :2012/02/18(土) 00:19:45.11 ID:uJYqMUzv0
戦士(魔)「うおりゃぁ!」
ボゴッ
側近「ぶげっ!」
ズザザー
戦士(魔)「私は帰ってきた!!」
側近「あ......あわわわ......戦士......」
側近「ど......どうか命だけは......わ......わたしは魔王様の命令に従ってただけで...…あんな足の臭い馬鹿に忠誠なんてちかってなかったんです!ホントですから!」
113:
◆5ya24jCeIk :2012/02/18(土) 00:24:17.52 ID:uJYqMUzv0
戦士(魔)「わたしだ。魔王だ!」
側近「ん?あ......ほんとだ!その魂の色は魔王様!」
戦士(魔)「いないと思ってすき放題言ってくれたなぁ、おい」
ズイッ
側近「え......あの......あはは、じょ、冗談ですよぉ」
戦士(魔)「お前は一人で冗談を言うか?」
側近「え、ええ!もちろん。ふとんがふっとんだぁ、なんてね、ははは......」
114:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/18(土) 00:25:15.89 ID:YMZom/hk0
側近可愛い
115:
◆5ya24jCeIk :2012/02/18(土) 00:28:33.39 ID:uJYqMUzv0
戦士(魔)「ふんっ、まぁいい」
側近「あ、そうえいばどうしてそんな姿で?」
戦士(魔)「それは......」
側近「実はタイムスリップ失敗しちゃってました?」
戦士(魔)「それはしっかり10年前に行くことができた」
側近「あ、ほんとにいけたんだ!へぇ......」
戦士(魔)「お......おい!!まさか確信もないのにやったのか!?」
側近「あ......いけねっ。てへっ」ペロッ
116:
◆5ya24jCeIk :2012/02/18(土) 00:29:36.69 ID:uJYqMUzv0
戦士(魔)「こ......こいつは......」
側近「じゃあ、なんでここにいるんです?」
戦士(魔)「実は......」
117:
◆5ya24jCeIk :2012/02/18(土) 00:33:17.98 ID:uJYqMUzv0
側近「なるほど......やっぱり勇者は倒せませんでしたか」
戦士(魔)「やっぱり?」
側近「歴史の改編は大変難しいものだと昔から言われてます。歴史の修正力といいますか、運命の強制力といいますか」
戦士(魔)「運命の強制力?」
側近「ま、がんばらないと元通りの歴史になっちゃうぞって感じです」
戦士(魔)「私ががんばらなかったといいたいのか!?」
側近「そうじゃなくてですねー。がんばる方向が違うといいますか......真正面からぶつかっても勝ち目は薄いですよ」
戦士(魔)「くっ......確かに......」
121:
◆5ya24jCeIk :2012/02/18(土) 00:37:10.07 ID:uJYqMUzv0
側近「とりあえず、もう一回いってみますか」
戦士(魔)「そうだな......いや......今度は......」
側近「どうしました?」
戦士(魔)「くっくっく、私としたことがなんでこんなことを思いつかなかったのだ」
側近「?」
戦士(魔)「勇者が倒せないなら勇者が生まれてこなければいいんじゃないか!」
側近「おお!」
戦士(魔)「はーっはっは!いくぞ!勇者の両親の若い時代へ!」
122:
◆5ya24jCeIk :2012/02/18(土) 00:40:21.64 ID:uJYqMUzv0
側近「それならいけるかもしれませんね。あ、その前にその体、ここで解放されると怖いんでどっかに捨ててきてくれませんか?」
戦士(魔)「捨てるっていっても、一息でここまで来れる距離のところだな」
側近「それでいいですから、私隠れますんで」
戦士(魔)「わかった。じゃあ、こんなところか......」
スゥ
戦士「ありゃ?どこだ......ここ......」
123:
◆5ya24jCeIk :2012/02/18(土) 00:45:05.73 ID:uJYqMUzv0
魔王(急げ......)
スゥ
キラーマシン「タマシイ ニュウリョク カンリョウ」
側近「おっけーです。では、勇者の生まれる前ですから......20年くらい前でしょうか」
魔王「もうちょっと25年くらい前にしよう。確かあいつの両親がまだ出合ってなかったはずだ」
側近「なるほど、出会い自体がなけれは勇者は生まれない」
魔王「その通り!イケるぞ!これは!はーはっは!」
側近「では25年前に、いってるのだ!今度こそ魔界を救うのだ!魔王よ!」
魔王「だから貴様!その決め台詞で呼び捨てにするんじゃない!ぜったいまた殴......」
ドヒューン
キラーマシン「テンソウ......シュウリョウ......ピピピ」
側近「さぁーてゴロゴロしようっと」ゴロゴロ
124:
◆5ya24jCeIk :2012/02/18(土) 00:48:13.02 ID:uJYqMUzv0
戦士「んー、ほんとにここどこだ......?」
トコトコ
魔法使い「あ......戦士......待ってたよ!!」ギュッ
チュッ
戦士「んーっ」
魔法使い「戦士ぃ......好きぃ......好きなのぉ......」
チュッ......チュウ......
126:
◆5ya24jCeIk :2012/02/18(土) 00:52:34.78 ID:uJYqMUzv0
【25年前】
魔王(急げ!!魔物!!いや......動物でもいい!!早く......早く......)
フヨフヨ
魔王(いないのか......うううっ......意識が......)
魔王(し......城の外には......いた!!?」
スライム「ピッ......!」
スライム(魔)「♪ピ~ピ~ピピピキキピ~♪」
スライム(魔)「♪ピーピッピピー♪」ビシッ
スライム(魔)(くぅ......喋れん)
ピョンッピョンッ
スライム(魔)(早いところちゃんとした魔物に憑依せねば)
127:
◆5ya24jCeIk :2012/02/18(土) 00:56:03.95 ID:uJYqMUzv0
ビョンビョンッ
スライム(魔)(なかなかいないな......うーん......そういえば、25年前は魔王城の全員連れて旅行いってたな......)
ピョンッ
スライム(魔)(移動せねば......)
スライムベス「ピキー」フリフリ
スライム(魔)(むっ......いた......ってベスか......こいつと大して変わらんな......」
スライムベス「ピーピー」スリスリッ
スライム(魔)(な......何をする......体をこすり付けて......)
128:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/18(土) 00:58:04.18 ID:MXUu8dmZ0
……ふぅ
129:
◆5ya24jCeIk :2012/02/18(土) 01:00:15.18 ID:uJYqMUzv0
スライムベス「ピー!」グイッ
スライム(魔)(なっ......押さえつけられた......)
スライムベス「ピーピ」
ズッ......
スライム(魔)(ま......まさか......こいつ......交尾する気か......)
スライムベス「///」
ズルズルッ
スライム(魔)(こ......こいつ......雌雄同体のくせに......逃げないと......)
スライムベス「ピゥ!」ガッ
スライム(魔)(ガッチリと捕まれてる......憑依しようにも他に魔物はいないし......ううっ)
130:
◆5ya24jCeIk :2012/02/18(土) 01:03:31.10 ID:uJYqMUzv0
スライムベス「......」
ズルゥ......
スライム(魔)(な......なんだ......体の中に何かが......ああああぁーっ!!)
スライム(魔)「ピキイイイイイイイイイイイ!」
ボコン......ボコンッ......
スライムベス「フーッフーッ」
スライム(魔)(あ......あ......卵を産み付けられてる......///)
スライム(魔)(や......やめろ......やめろ......やめろおおおおおおおおおおおお!!!アッー!)
スライム(魔)「ピキキキイイイイイイイイイ!」
131:
◆5ya24jCeIk :2012/02/18(土) 01:11:28.02 ID:uJYqMUzv0
【事後】
スライム(魔)(ううっ......ちくしょー!)
ズリズリッ
スライム(魔)(丸一日かけてじっくり交尾しやがって......)
ズリズリッ
スライム(魔)(ベスめ......元に戻ったら八つ裂きにしてくれる......)
ズリズリッ
スライム(魔)(や......やっと人里に来られたな......)
村人「あんらま......スライムだべ......」
133:
◆5ya24jCeIk :2012/02/18(土) 01:15:26.33 ID:uJYqMUzv0
スライム(魔)(ま......とりあえずこいつに憑依して......王国へ!)
スゥ
村人(魔)「♪Time is on my side~~~~♪」
村人(魔)「♪yes it is!!」ビシッ
スライム「ピ?ピピィ?」
村人(魔)「いくぞ!!」
ダダダッ
135:
◆5ya24jCeIk :2012/02/18(土) 01:19:13.81 ID:uJYqMUzv0
【王国】
村人(魔)「ふっふ、よし、あそこが勇者の家だったな......」
村人(魔)「とりあえず勇者父に憑依して......くっくっく......」
バタッ
勇者父「いってきます。よし、今日もいっちょ働くか」
村人(魔)(うっわ!勇者父わかっ!めっちゃ好青年じゃねーか)
村人(魔)(ま、当然か。よーし......)
村人(魔)「いくぞぉ......」
トコトコ
136:
◆5ya24jCeIk :2012/02/18(土) 01:22:01.91 ID:uJYqMUzv0
勇者父「おりゃ!」
ボコッ
村人(魔)「ぐぇ!」
勇者父「あれ?なんか邪な気配がしたようなきがしたんだけど......ありゃ!おっさん大丈夫?」
村人(魔)「な......なんで......」
勇者父「悪い悪い。気のせいだった......ほらっ、捕まって」
137:
◆5ya24jCeIk :2012/02/18(土) 01:24:19.05 ID:uJYqMUzv0
村人(魔)(いまだ!)
スゥ
勇者父「うっ!!?」
魔王(くっ......なかなか入り込めぬ......負けるかああああああ!!)
勇者父(魔)「ふっ......ふはははははは!!」
勇者父(魔)「まぁ、さすがは勇者父といったところだが、何とか成功したな」
勇者父(魔)「まったく、抵抗しおって......魔力を消費してしまったわ」
村人「あんりゃあ......ここはどこだべぇ......」
勇者父(魔)「Time is on my side~~~~♪」
勇者父(魔)「♪yes it is!!」ビシッ
勇者父(魔)「さてっ!この町から逃げれば勇者母に会うこともあるまい!」
ザッ......ザッ......
152:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/18(土) 03:28:52.78 ID:0Erw8adJO
戦士の精神が心配で夜も眠れない
153:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/18(土) 03:30:38.73 ID:CV8OyfMX0
久々の良作
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魔王「これはキラーマシン!?」側近「いいえ、タイムマシンです」【後編】
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