1:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/28(水) 22:32:31.68 ID:
LrWx/HF8O
ダル 「オカリンは正月何して過ごすん?」
岡部 「ん。 いや、特に予定は無いな」
ダル 「そっかそっか。じゃあ――」
僕にも、残念ながら予定はない。
てなわけで、オカリンを誘って、ラボで二人飲み会でもやってやろうじゃん。
そう思っていたわけだが。
岡部 「……あるとすれば、クリスティーナとモンハンをして過ごすくらいか」
どうやらオカリンは牧瀬氏と過ごすらしい。
ダル 「……え? 牧瀬氏って、モンハンやってんの?」
岡部 「ああ。最近始めたのだがな」
紅莉栖「……難しすぎて全然ダメね」
ちょっと意外だ。
牧瀬氏ってゲームやらなそうだし。
“はあ?ゲーム?馬鹿らしい”とか言って一蹴しそうなもんだけど。
……ってか、正月からゲームデートとか羨ましすぎだろ常考。
リア充爆発しろってレベルじゃねーぞ。
岡部 「お前は、ガンガン前に出過ぎるからいけないんじゃないのか?」
紅莉栖「うっさいわね。チマチマしたゲームは苦手なのよ」
4:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/28(水) 22:35:44.79 ID:ms4HLGeFO
オカリンは爆発しなくていい
7:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/28(水) 22:38:43.84 ID:YSIMhr0f0
末永く爆発しやがれ
10:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/28(水) 22:42:37.36 ID:
LrWx/HF8O
岡部 「まあ、そういう事だ」
ダル 「おk。把握した」
この世紀のバカップルを邪魔する訳にはいかんし。
正月は、僕の嫁たちと大人しく過ごそう。
岡部 「そんな事より……」
岡部 「おい、クリスティーナ!もっとそっちに寄れ!狭いではないか!」
さっきからコタツからはみ出していたオカリンが、とうとう文句をいった。
無茶しやがって。
紅莉栖「あ、ちょっ!押さないでよ!」
牧瀬氏も負けじと押し返している。
岡部 「貴様が場所を取りすぎるからだ!」
しかし、やはりオカリン。
弱い者には強いのであって。
紅莉栖「いたっ!やめてって!」
牧瀬氏、涙目になっちゃってんじゃん。
オカリン、おにゃのこ相手でも容赦なさすぎだろ。
12:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/28(水) 22:47:14.87 ID:
LrWx/HF8O
紅莉栖「そ、そんな事言うくらいなら……」
岡部 「え?」
紅莉栖「も、もっと……私に寄ればいいんじゃない?」
岡部 「なに!?」
うは。始まった。
岡部 「い、いいのか……?」
紅莉栖「い、いいけど」
岡部 「じゃあ……」
オカリンが牧瀬氏にひっつくや、黙ってうなだれた。
牧瀬氏も一緒になってうなだれている。
これはいい固有結界。
……完全に気まずい。
僕はここらで撤退すべきだろうか。
13:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/28(水) 22:51:15.66 ID:+y5q5ojRO
ダル目線とは
期待
14:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/28(水) 22:51:50.82 ID:
LrWx/HF8O
岡部 「そ、それよりな。クリスティーナ?」
紅莉栖「な、なによ」
岡部 「まゆりとルカ子も来られるらしいぞ。正月は」
紅莉栖「ホント?それは楽しみね」
え。
今なんて?
ダル「ちょっと待った、オカリン。まゆ氏とるか氏が正月に来るって?」
岡部 「ん? ああ。モンハン仲間で集まろうと呼びかけてあった」
ダル 「マジで?」
岡部 「マジだ」
紅莉栖「橋田、なにキョトンとしてんのよ?」
ダル 「……いやいや、おかしいだろそれは。僕は呼ばれてない件」
16:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/28(水) 22:58:54.55 ID:
LrWx/HF8O
岡部 「え?」
紅莉栖「え?」
二人が、揃ってポカンとした顔を見せた。
ダル 「……え。じゃなくって。なんでまゆ氏とるか氏が呼ばれたのに――」
ダル 「僕は呼ばれなかったわけ?」
岡部 「いや、だってお前……。なあ?」
紅莉栖「うん。てっきり阿万音さんと過ごすのかと」
ダル 「そんなわけないだろ……」
そう。そんな訳がない。
確かに、阿万音氏と過ごせたら最高だけれども。
僕は僕だ。
オカリンみたいに主人公補正はない。
だから、いきなり知り合ったばっかのおにゃのこと、正月をともに過ごすとか。
大体、阿万音氏は家族と温泉に行くらしいし。
19:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/28(水) 23:08:30.09 ID:
LrWx/HF8O
岡部 「そうか……すまなかったな」
紅莉栖「あ。そ、そうだ。橋田も来ればいいんじゃない?ね?」
牧瀬氏がわたわたとし出して、オカリンの肩を叩いている。
岡部 「あ、そうだな!フハッ、フハハハ!」
岡部 「よしダル!貴様も家に招待してやろうではないか!な?」
今度はオカリンが僕の肩をパンパンと叩いてきた。
くそう。
ダル 「い、いやあ? 僕に予定がないといつ錯覚した?」
岡部 「え?」
ダル 「ぼ、僕にだって、正月の予定はあるのだが?」
20:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/28(水) 23:12:55.66 ID:
LrWx/HF8O
岡部 「あ、そうか。 お前、やっぱりコスプレ少女と……」
ダル 「いや、だからそれは違うってば」
ニヤけんなし。
オカリンの野郎……。
紅莉栖「へえ。じゃあどんな用事?」
ダル 「す、スーパーハッカーの腕を生かしたバイトとか……」
岡部 「ほう。さすがダルだな!」
紅莉栖「ちょっ。それ大丈夫なの?クラッキングとか、犯罪なんじゃ……」
岡部 「心配するな、クリスティーナよ。ダルはハードウェアよりソフトウェアと豪語する――」
岡部 「正真正銘のスーパーハカーなのだ。こいつに限ってヘマなどありえん。な、ダル?」
ダル 「あ、あたぼうよ」
そんなわけねーだろ。
でも、この状況からモンハンに誘われて、それにノコノコと乗っちゃうのは悔しいし。
23:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/28(水) 23:20:30.85 ID:
LrWx/HF8O
ってか、モンハンって四人用だろ。 オカリン、牧瀬氏、まゆ氏、るか氏。
4人じゃん。出来上がってんじゃん、もう。
そうなると、僕はどこに入ればいいわけ? 一人でG級を狩りにいけと?
これが巷で噂のスネ夫プレイってやつか……。
ダル 「ま、そういう訳だから」
岡部 「……すまなかったな」
ダル 「え?」
岡部 「いや、お前を最初に誘わなかった事が、だ……」
ダル 「ちょ。もうやめてって。もう気にしてないし」
紅莉栖「本当にごめん」
ダル 「………」
オカリンどころか、牧瀬氏まで深刻な顔をしている。
僕はたまらず、適当な理由をつけてラボを飛び出した。
24:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/28(水) 23:24:11.08 ID:JUt96bys0
これはキツい
25:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/28(水) 23:25:09.92 ID:Mncaqc+10
俺ら目線か
28:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/28(水) 23:32:25.88 ID:YSIMhr0f0
イメージ的には
岡部→太刀
紅莉栖→双剣
ルカ子→太刀
まゆり→ライトボウガン
なイメージ。前線で岡部と紅莉栖がお互いに巻き込みあって
ルカ子は地道に削ってまゆりは採集してそう
29:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/28(水) 23:34:48.33 ID:
LrWx/HF8O
うー、さぶっ。死ぬっ。
おかしいだろ、なんでこんなに寒いんだよ。
飛び出して来たのが間違いだった。
メイクイーンに行こうと思ったけど、よく考えたらフェイリスたん、今日は休みじゃん。
こんな寒いなか、どうやって過ごせっつーんだよ。
ケータイを取り出す。
新着メールは……ない。
由季たん、今何やってんだろう……。
ダル 「へくしっ!」
くしゃみが、アキバの路地裏に響き渡った。
うぐぐ……。これはひどい。
……改めて実感した。
僕には、ラボ以外に行くところがない。
31:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/28(水) 23:39:27.53 ID:
LrWx/HF8O
僕は寒さを紛らわせるため、ひたすらに歩いた。
これが、歩いてみるとなかなかに暖かい。
だんだん楽しくなってきた。
今日は足が軽いお!
走ってみようか?
いやいや、ないわ。走るとか。
フヒ、フヒヒ。
と、そんな時、急に声をかけられた。
るか 「あれ?橋田さん」
まゆり「あ、ダルくん。トゥットゥルー♪」
ダル 「うは、まゆ氏にるか氏じゃん。何やってんの?」
36:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/28(水) 23:48:31.25 ID:
LrWx/HF8O
るか 「ボクは、これからまゆりちゃんの家で、モンハンを教えてもらおうと思いまして」
まゆり「るかくんはあんまり上手じゃないからねぇ」
るか 「ひ、ひどいよまゆりちゃん。ボクだって、練習、してるんだからぁ」
まゆり「えっへへー」
ダル 「あ、そう……」
女子が約二名でキャッキャし出してしまった。
ってか、出たよモンハン。
今その話題については触れたくないわけだが。
まゆり「ダルくんはこれからラボに行くのかな?」
ダル 「え?いや……。ちょっと用事があって」
まゆり「そっかぁ、残念」
ダル 「え?」
まゆり「ダルくんが居れば心強かったんだけどなぁ。るかくんと二人で頑張るしかないね」
るか 「……はい、残念です」
ダル 「う、うん。ごめんお」
ちくしょう!またかよ!
40:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 00:04:28.55 ID:EAJ8wHve0
シュタゲアニメとあいぽんのゲームしかやってないにわかなんだけど、由季さんって何で出てくるの?
44:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 00:09:25.33 ID:YkI3a6+P0
>>40
ファンディスクの比翼恋理のだーりんとスピンオフの亡環のリベリオンで出て来るが、ほんのちょっぴりしか出ない
■PSP移植版 STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん(限定版)
■STEINS;GATE 亡環のリベリオン(1)
41:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 00:05:06.09 ID:
9e8wtfxNO
まゆ氏とるか氏が、手をヒラヒラと振りながら行ってしまった。
そんな光景に、ため息しかでない。
もうダメだ。
とうとう、心が折れそうなわけで。
結局僕は、オカリンたちが居ないと、ぼっちでしかない。
ネット上には仲間たちがいるけど、顔を合わせて本音を言い合うような事は出来ない。
改めて、ラボという存在の有り難さに気がついた。
ダル 「はあ……」
阿万音氏からも、メールの返信は無いし。
肩が落ちる。
さっきまで楽しかったウォーキングも、急に虚しくなった。
ダル 「オカリンの誘いに乗っておけばよかったぜ……」
そうやって、しんみりしていると、急にケータイが鳴った。
電話がかかってきたようだ。
ポケットから取り出すと、ディスプレイにはオカリンの番号。
ダル 「……も、もしもし?」
少し戸惑ったものの、僕は、通話ボタンを押した。
49:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 00:12:11.05 ID:
9e8wtfxNO
岡部 『ダルか!急いでラボに戻ってこい!』
ダル 「え?」
岡部 『急遽、忘年会を開くことになったのだ』
ダル 「な、なんぞ?忘年会?」
岡部 『そうだ。まゆりやルカ子も呼んである。フェイリスも来るそうだ』
ダル 「ちょ、待てって。なんで急に忘年会とか言い出したん?」
岡部 『“差し入れ”が届いた。来ればわかる』
ダル 「差し入れ? 誰から?意味がわからんのだが……」
岡部 『ええい、話のわからんやつめ!いいから来いと言っている』
岡部 『貴様に拒否権はない!いいな?フゥーハハハ』
紅莉栖『ちょっ、説明不足もいいとこ――』
ダル 「あ……」
話すだけ話して切られたし。
なんつー横暴な。
でも、僕は思わずニヤけてしまった。
52:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 00:17:31.40 ID:
9e8wtfxNO
僕はケータイをしまうと、ラボに向けて踵を返した。
ゆっくりと歩き出す。
今すぐ来いと言われたところで、この僕が走って帰るわけがないじゃん?
ただ、そうは思うものの、気持ちだけは逸り。
さっきからニヤけるのが止まらない。
道行く人が、ギョッとして二度見、三度見してくる。
ダル 「フヒヒ、サーセン」
なんて、独り言を呟きながら。
ラボへの“帰り道”をひた歩く。
57:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 00:23:42.76 ID:
9e8wtfxNO
岡部 「遅いぞダル!貴様、何をやっていた!」
ダル 「いやいや、急に来いとか言われたんだから、しょうがねーだろ」
オカリンが、キッチンから土鍋を運びながら文句を言ってきた。
牧瀬氏は、ガスコンロをテーブルに設置している。
紅莉栖「あ、ガスが無いわ。岡部、買ってきて」
岡部 「なに!?」
紅莉栖「ガスが無い。岡部、買ってきて」
岡部 「き、聞こえていた! クリスティーナ、貴様ぁ……!助手の分際で、この俺を使い走りに――」
紅莉栖「………」
岡部 「あ、ちょっと行ってきます」
さすが牧瀬氏。ひと睨みでオカリンを服従させてるし。
オカリンは絶対尻に敷かれると思ってたけど、まさかここまでとは。
59:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 00:33:10.64 ID:
9e8wtfxNO
オカリンが慌ててラボを飛び出していった。
牧瀬氏が、それを見て笑ってる。
ところで―――。
ダル 「さっきから気になってたんだけどさ」
紅莉栖「え?」
小さな声で牧瀬氏に耳打ちする。
ラボには明らかに違和感があった。
最初見たとき、由季たんが来てるのかと思った。
でも、違う。
ダル 「あのおにゃのこは誰ぞ?」
見知らぬおさげ萌えな少女が、コタツに向かってちょこんと正座していた。
紅莉栖「ああ、彼女は――」
鈴羽 「あ、どもー」
鈴羽 「田村です」
紅莉栖「岡部の知り合いらしい」
ダル 「ほ、ほお~」
63:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 00:37:57.90 ID:Ivt8mJhB0
時空が…
64:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 00:38:15.76 ID:+zyO3ZFj0
な、中の人ネタだと…
68:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 00:51:55.15 ID:
9e8wtfxNO
鈴羽 「えっと。 よ、よろしくね。橋田至」
ダル 「え?」
鈴羽 「えっ?」
鈴羽 「あ……」
いきなり僕をフルネームで呼んだ後で、自分がおかしな事を言った事に気付いたのか、
田村氏は目に見えて動揺しはじめた。
必死に両手をぶんぶんと振っている。
鈴羽 「いやー。あの、キミの名前はさ――」
鈴羽 「オカリンおじ……岡部倫太郎から聞いてたんだよねぇ」
ダル 「……ふーん」
紅莉栖「彼女が差し入れを持ってきてくれたの」
ダル 「マジで?」
なんとなく怪しい少女が、照れくさそうにはにかんでいた。
71:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 01:03:49.35 ID:
9e8wtfxNO
ダル 「うは、なんぞこれ!すごくね?」
差し入れの箱を覗いてみて驚いた。
カニとしらこが山盛りになってる。
ダル 「これ、田村氏が用意してくれたん?」
鈴羽 「え?違うよ。 それはとうさ……あ、知り合いがちょっとね。あはは……」
ダル 「……そうなん?」
鈴羽 「そ、そうそう」
それにしても、すげー知り合いだ。
こんな高価なものを惜しげもなく差し入れる。
そこに痺れる憧れる。
……オカリン、僕らの知らないとこで一体何やってんだよ。
82:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 01:17:13.25 ID:
9e8wtfxNO
ふう。参った参った。
この俺がガスを買うために、こんな寒い中走らされる羽目になるとは。
クリスティーナめ、今に見ているがいい。
まあ、仕返しは今度にするとして――。
早速お目当ての商品を見つけた俺は、レジを済ませてそそくさと店を出た。
外には、しんしんと雪が降り始めていて。
乾いた、冷たい空気が肌を刺してくる。
ふと、遠くから手を振ってくる少女の姿が視界の端をかすめた。
まゆり「おーい!オカリーン」
岡部 「おお、まゆり!それにルカ子も」
るか 「凶真さん、ラボに居たんじゃないんですか?」
まゆり「あ、もしかして買い出しかなぁ?何買ったの?」
まゆりが微笑みながら、レジ袋をのぞき込んでくる。
岡部 「ガスだ」
るか 「そ、そんな。お使いならボクに言ってくれれば……」
岡部 「おっ、お使いなどではない!」
冗談じゃない。狂気のマッドサイエンティストがお使いなど。
88:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 01:24:26.12 ID:
9e8wtfxNO
岡部 「このガスは……我がラボの理念達成に欠かせない鍵といっても過言ではない」
岡部 「そのような重要なもの、この俺自らが出向かずになんとする」
るか 「そ、そうだったんですか」
るか 「出過ぎた事を言ってしまって、すみません」
ルカ子がうなだれてしまった。
素直すぎる。
こいつは、ちょっと人を疑う事を覚えた方がいい。
でないとそのうち、連れ去られてしまったりするんじゃないだろうか。
っていうか、自分からホイホイついて行ってしまうのでは……。
まゆり「もう、るかくんも、いちいち落ち込まなくてもいいよぉ」
るか 「え?でも……」
まゆり「それも、オカリンの設定だもんね?えっへへ」
岡部 「ぐぬっ……」
なんだか最近、まゆりにまで頭が上がらなくなってきた。
91:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 01:31:21.57 ID:
9e8wtfxNO
まゆり「それにしてもねぇ、嬉しいなぁ♪えっへへ」
岡部 「え?」
まゆりが俺の後ろを歩きながら呟いた。
まゆり「ラボメンのみんなで忘年会が出来るなんてね、まゆしぃ、とっても幸せだなぁって思って」
るか 「うん。そうだね、まゆりちゃん。ボクも嬉しいよ」
まゆり「ねー」
二人揃って脳天気に笑っている。
岡部 「思わぬ差し入れがあったからな。今日の忘年会は、言わばそいつのおかげだ」
94:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 01:38:06.29 ID:
9e8wtfxNO
ラボまで、あと二、三分あれば着くだろうか。
バイト戦士のやつ、うっかり口を滑らせていなければいいが。
まゆり「あ、そういえば、誰からの差し入れだったのかな?」
岡部 「え?」
岡部 「あ……いや、知り合いだ」
こっちもこっちで、発言には気をつけないと。
まゆり「知り合い?」
岡部 「ああ。結構親しいやつでな……。いろいろと世話になってるよ」
そう言うと、まゆりが目を見開いた。
まゆり「へぇー。オカリンにそんなお友達がいたなんて、知らなかったなぁ」
るか 「ま、まゆりちゃん。その言い方はマズいよぅ」
岡部 「………」
まゆり「あっ……ごめんね、オカリン」
謝るなよ。余計に惨めになるだろ。
96:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 01:40:03.66 ID:0yqUdyvOO
まゆしぃナチュラル外道www
97:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 01:41:11.70 ID:YWW6GxFR0
フンッ!
支援
101:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 01:45:09.83 ID:
9e8wtfxNO
鈴羽 「あ、おかえり。オカリンおじ……岡部倫太郎」
岡部 「……」
鈴羽 「あはは…」
ラボに戻った俺たちを、まず鈴羽が出迎えた。
早速口を滑らせかけて、頭を掻いている。
ダル 「……なあ、田村氏って、オカリンの姪とかなん?」
すかさず、研究室から出てきたダルが割って入ってきた。
鈴羽 「へっ?」
ダル 「さっきからオカリンの事、おじさんおじさんって言ってるじゃん」
なに!?
鈴羽 「あ、いやー?何だろうね?知らないなぁ……」
こういう時だけめざといダルに、鈴羽は苦笑いしながら、
俺に向けてゴメンのジェスチャーを飛ばしてきた。
こいつ……。
岡部 「……姪ではない」
ダル 「そうなんだ」
106:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 01:54:34.70 ID:
9e8wtfxNO
キッチンでは紅莉栖が、不機嫌そうに野菜を切って……切り刻んでいる。
包丁使いが危なっかしい。
どうしたというのだ。
岡部 「どうしたんだ?クリスティーナ?」
紅莉栖「……え?」
岡部 「うおっ!」
紅莉栖から、振り返りながら包丁を向けられてしまった。
加えてその表情の迫力に、思わず飛びずさってしまう。
紅莉栖「あ……ごめん。 あのさ、岡部……」
包丁を置いた紅莉栖が、力なく声を発した。
ただ事ではない。まさか鈴羽の正体がバレたとでも―――。
紅莉栖「私って、そんなに老けて見えるのかな?」
岡部 「……え?」
108:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 01:58:02.89 ID:
9e8wtfxNO
紅莉栖「田村さんに、おばさんって言われた……」
紅莉栖「年も一個しか違わないのに……」
岡部 「………」
鈴羽 「………」
また、ごめんのジェスチャー。
いやいやこんなの、取り返しがつかないだろう。
ドジな未来人は、この際放っておく。
岡部 「多分聞き間違えだろう」
紅莉栖「え?」
岡部 「お、お前が老けて見えるはずがないではないか……」
岡部 「お前は……あの、その」
紅莉栖「ちょっ、えっ?」
ダル 「うは、ちょっと待ってて!今テレコ用意するから」
113:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 02:09:08.32 ID:
9e8wtfxNO
岡部 「やめろバカダル!」
ダル 「ほれ、続けて続けて」
紅莉栖「橋田ぁ……」
紅莉栖がギリリと歯噛みしている。
気付くと、他の連中もこちらに視線を送っていた。
……危なかった。思わず、また黒歴史を刻むところだったではないか。
大きな声に加えて、腕を振り回して連中の視線を追い払う。
まったく、鈴羽が来てからというもの、調子が狂いっぱなしだ。
……世話の焼ける親子め。
実際、鈴羽がラボに飛び込んできた時点でかなり焦った。
時間跳躍を行うほどの理由を持ってきた。
また面倒事に巻き込まれる。
そう思った。
だが、真実は実にくだらない……いや、やっぱりくだらないものだったのだ。
鈴羽 「父さんがさ、あの時どうしてもモンハン?の会に参加したかったんだ、って言ってて」
鈴羽 「“そういうわけだから鈴たん。手ぶらじゃアレだから差し入れ持って行ってきて”ってな感じで」
岡部 「このバカ!」
鈴羽 「あはは……」
ってな感じで。
115:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 02:11:36.65 ID:vFzBHf3V0
ダルwww
116:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 02:12:34.45 ID:o41CtMl60
助手と仲良くなりたいです・・・
118:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 02:19:37.00 ID:z17cREOh0
なんだ普通のSSか…
フンッ!
うわっ熱っ!
良SS!?良SSだ!!
117:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 02:16:06.96 ID:
9e8wtfxNO
ダル 「ちぇっ、なんだよ言わないのかよ。金かえせ!」
岡部 「うるさい!」
ダル 「いってぇ!」
頭をはたかれた。
っていうか、今のは結構力が入っていた件について。
死ぬかと思ったず。
オカリンは、肩を怒らせながら、ガスコンロのセットに行ってしまった。
ダル 「なあ、牧瀬氏。今のはいかんのでない?結構キツかったぜ、今の」
紅莉栖「うるさい!」
ダル 「お、おおう……」
二人ともこええ。
まあ、面白いけどな。
罵られたとしても、なんでか笑える。
心地いいのだぜ。すごく。
忘年会の準備が着々と進み、いよいよ鍋にカニが投入された。
120:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 02:22:17.04 ID:
9e8wtfxNO
ダル 「ひょおーっ!カニが一段と赤くなって行くお!」
ダル 「オカリンと居るときの牧瀬氏みたいで萌えるわー」
紅莉栖「はあ?なにそれ!死ね!このHENTAI!」
まゆり「あ、クリスちゃん、カニみたいだよー」
紅莉栖「ひゃっ、やめてよ、まゆりまで!」
まゆ氏の脳天気発言も萌えるし。
るか 「ふふっ……あ、す、すみません!」
るか氏のわたわたっぷりも超萌える。
岡部 「まったく、お前たち。カニくらいではしゃぎすぎではないのか?」
ダル 「いやいや、オカリンが一番嬉しそうな顔してるんだが?」
岡部 「なっ!そんなわけが無いだろう!この俺が――」
オカリンには、まあ、萌えはしないけど面白いし。
122:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 02:34:31.37 ID:
9e8wtfxNO
岡部 「こほん。それではこれより、ラボメンの忘年会を執り行う!」
オカリンが立ち上がって、大きな声をあげた。
ダル 「いよっ、待ってました!」
まゆり「すごいねぇ、るかくん。カニ食べ放題だよぉ♪」
るか 「こんなにたくさんのカニ、ボク、初めてです」
まゆ氏とるか氏が、身を乗り出して鍋をのぞき込んでいる。
オカリンがそこに割って入って、メインのカニを箸でよけた。
岡部 「カニだけでなく白子も入っているのだ!フゥーハハハ!」
えらいはしゃぎようだ。
紅莉栖「こら岡部!危ないからはしゃぐな!」
牧瀬氏に叱られてるし。
そういやオカリン、しらこが大好物だとか言ってたっけ。
確か、見た目的に、実にマッドサイエンティストらしい食べ物だとかなんとか。
ちなみに、フェイリスたんと桐生氏は仕事の関係で一時間ほど遅れるらしい。
残念すぐるお。
127:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 02:45:33.81 ID:
9e8wtfxNO
岡部 「それではお前たち……」
紅莉栖「もう食べれるんじゃない?」
岡部 「あ、おう」
紅莉栖「みんな、もういいわよ」
岡部 「……」
牧瀬氏が声をかけると、みんながワイワイと鍋をつつき出した。
すごく楽しそうに、みんな笑っている。
そして僕も、この愉快な仲間の一員としてここに居られる。
うは、僕ってなんというリア充。
幸せものだお。
128:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 02:50:51.08 ID:ofRVlHmu0
これを自分で仕組んだんだから泣けてくる
129:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 02:51:12.46 ID:XydXuDhz0
フェイリスと萌郁が来る頃には鍋の中は空っぽだな
130:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 02:53:28.22 ID:
9e8wtfxNO
岡部 「あー、ダル?」
鍋から上がる湯気の向こうから、オカリンがしらこを食いながら話しかけてきた。
ダル 「なんぞ?」
岡部 「正月の事なんだが……」
ダル 「え?」
岡部 「やっぱりお前、家に来い」
ダル 「は? え? で、でも僕には用事が……」
岡部 「き、貴様の用事など知った事か!」
ダル 「うは。どこのガキ大将だよ」
岡部 「うるさい。いいからモンハンを持って来いと言っている」
131:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 02:54:52.78 ID:
9e8wtfxNO
ダル 「………」
僕は、ニヤけそうになるのを必死でこらえた。
ダル 「ま、オカリンがそこまで言うならしょうがないお」
よかった。本当はスゲー行きたかったんだ。
岡部 「ぐぬぬ……」
ダル 「……サンキュ、オカリン」
岡部 「え?」
ダル 「あいや? なんぞ?また幻聴でも聞こえたん?」
岡部 「貴様……とことん俺をコケにしたいようだな!」
紅莉栖「うるさい岡部。ハサミぶっ刺すぞ」
岡部 「あ、すみません……」
牧瀬氏に脅されたオカリン、が黙ってカニを食い始めた。
情けなぁ。
先が思いやられるお。
……でも、本当にありがとな、オカリン。
憎まれ口ばかりだけど、これでも心から感謝してるのだぜ?
まあ、言わないけどな。
おわり。
133:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 02:58:11.01 ID:DD2NWcQ00
乙
136:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 03:02:18.50 ID:nSiYaQ0pO
クソッ
明日も仕事なんだぜ
面白かった乙
140:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 03:05:15.06 ID:jZcJCRTi0
いい奴だなあ…
143:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/29(木) 03:08:55.73 ID:R3BXO1WO0
乙乙
このダルとアンダーリンダルの中間くらいが俺の理想のダル
- 関連記事
-
Amazonの新着おすすめ
おすすめサイトの最新記事