前→
岡部「このDメールを消したら、まゆりがマッチョになる………」
104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:27:31.26 ID:HtOmSbNl0
岡部(…………?)
岡部(何だ……………?)
岡部「俺は、無事なのか?」
黒紅莉栖「………あきらめちゃ、ダメだよ? 岡部?」ケホッ
岡部「えっ!?」
黒紅莉栖「」ドサッ
岡部「なっ……紅莉栖!?」
岡部(まさか、俺を庇って………)
岡部「どうして………」
105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:28:19.93 ID:HtOmSbNl0
黒紅莉栖「ごめんね、私怖かったんだ」
黒紅莉栖「あの人に逆らって、家族も仲間も、皆殺しにされるのが」
岡部「おい、もう喋るな、傷口が…」
黒紅莉栖「まゆりも同じ、甘えを捨てるためだって言って、冷徹にふるまって……」
黒紅莉栖「お願い岡部、まゆりを助けてあげて」
黒紅莉栖「………それと、フェイリスさんも」
岡部「!?」
黒紅莉栖「今はこんなことになってるけど、私はわかってる」
黒紅莉栖「あの子もきっと、本当は優しい子だから」
黒紅莉栖「だから………」
岡部「………ああ、わかったよ」
106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:29:00.14 ID:HtOmSbNl0
黒紅莉栖「ねえ、岡部?」
岡部「………何だ」
黒紅莉栖「最後に、名前で呼んでいい?」
岡部「…………好きにしろ」
黒紅莉栖「…………倫…」
黒紅莉栖「…………ううん、やっぱり照れ臭いからいいや」
岡部「フン、相変わらずだな、紅莉栖よ」
岡部「だが、俺はお前のそんなところも、好きだったよ」
黒紅莉栖「!!」
黒紅莉栖「………そっか、岡部………私も、岡部の、こと……が…」スッ
黒紅莉栖「」
岡部「紅莉栖………」
107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:30:04.98 ID:HtOmSbNl0
フェイリス「ハァ、最後までクーニャンは使えない存在だったニャ」
岡部「…………黙れ」スッ
フェイリス「!!」
フェイリス「………いや、そうでもにゃかったか」ゴクリ
岡部「紅莉栖、俺は約束は果たすから………」
岡部「だから、俺は!!!」ゴウウウゥゥゥッ
ドオオォォォォォォォン
フェイリス「っ………!!」ビリビリ
鳳凰院凶真「俺は、お前の目を覚まさせてやる。世界の支配者、フェイリス・ニャンニャン!!」
108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:32:07.98 ID:HtOmSbNl0
フェイリス「………まさかここに来て『仲間の死による覚醒』のカードを出すとは」フッ
フェイリス「やはり凶真は最高だニャン!!」バッ
カッ
凶真「なっ!?」
フェイリス・懺†斬「だから、ここからは私も本気で行かせてもらうのニャン」
凶真「『黒幕の真の力』……か。やはりそんな切り札を隠し持っていたか」
凶真「だが、俺はもう退くわけにはいかないんだ!!」バッ
懺†斬「愚かだニャン。我が究極体、フェイリス・懺†斬の前ではもう、この世の全ては許されない」
懺†斬「どんなに懺悔しようとも、全ては我が神の力の前に斬り捨てられるんだニャン!!」
凶真「フッ、上等だ。狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真、参る!!」ゴウッ
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:33:00.91 ID:HtOmSbNl0
ゴシャアアアァッ カッ バガガガガガ
鈴羽「くっ………なんて中二力なの!? これじゃ近づくことも……」
黒まゆり「っ………ここは………?」
鈴羽「!! まゆり、目が覚めたんだね?」
黒まゆり「一体何が………!! おれはオカリ……いや、岡部倫太郎!!」
鈴羽「………もう、いいんだよ。そんな設定をつけなくても」
黒まゆり「………え?」
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:34:11.56 ID:HtOmSbNl0
鈴羽「きっともうすぐ、オカリンおじさんが全部終わらせてくれるから」
鈴羽「だから、そんな無理しなくてもいいんだよ?」
黒まゆり「……そっか、オカリンが………」
黒まゆり「じゃあまゆしぃはもう、戦わなくてもいいんだよね」
鈴羽「うん。きっとオカリンおじさんなら今の間違った世界線を変えてくれるから」
鈴羽「そう、きっと………!!」
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:34:45.85 ID:HtOmSbNl0
「」ゴガガガガ
凶真「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」シュバッ
懺†斬「っ…………」ズキンッ
懺†斬(視覚情報が来る前に攻撃が来る!? そう、遂に凶真も光速……いや、時間の壁を越えたんだニャン!!)
懺†斬「だけど、そのくらいで勝ったつもりに………」
凶真「………ああ、わかってるさ。だから!!」
凶真『無限の幻想(インフィニット・ファントム)!!』カッ
凶真「」フッ
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:35:31.73 ID:HtOmSbNl0
懺†斬「消えた!?」
懺†斬(いや、これは………幻術?)
懺†斬(なるほど、同一空間に存在する相手の脳に直接作用して……)
懺†斬「だけど………」スッ
「」パアンッ
凶真「…………なっ!?」
懺†斬「」シュバッ
ズゴアアアアアアァァッ
懺†斬「世界の全てを見抜くフェイリスの『猫神の嘲笑(バテスト・バスター)』の前では、もはや小細工は無意味だニャン」
凶真「………バカな、俺の思考と能力が全て解読されている、だと!?」グハッ
114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:36:23.24 ID:HtOmSbNl0
ドッ バシュウウゥゥッ ババババババ
まゆり「オカリン!!」
中鉢「くっ、やはり『黒幕の真の力』は強大すぎるか……」
中鉢「何か、何か奴に対抗できるものはないのか………」
紅莉栖「………それは、厳しいわね」
紅莉栖「多分あの岡部って人は、自分の力を信じきれていない」
紅莉栖「まるで彼の力は、何かのためにつくられた『設定』のような………」
まゆり「設……定………?」ドクン
115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:36:51.89 ID:d1voEGSX0
・・・凄い厨二病だ。
116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:37:21.00 ID:HtOmSbNl0
懺†斬「ふっふっふ、そう、フェイリスの力は自分の持つ本当の力」
懺†斬「それに比べて凶真の力は混沌の狭間(シュタインズゲート)の効果で無理矢理作り出した偽りの力」
懺†斬「所詮は設定に過ぎない凶真の力に、フェイリスが負けるはずがにゃいのだあ!!」バッ
凶真(くっ………やはり、ただの『設定』ではフェイリスには勝てない)
凶真(これが、俺の世界の限界、なのか………)
懺†斬「これで、終わりだニャン!!」キイィィン
凶真「すまないみんな、俺は……」
まゆり「オカリン!!」
凶真「!!」ゴウッ
――――――――――――――――――
――――――――――――
117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:38:10.66 ID:HtOmSbNl0
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岡部「まゆり?」
まゆり「………………」
岡部(どれだけ呼びかけても、まゆりは答えてくれなかった)
岡部(ただひたすらにおばあちゃんの墓の前で空を見上げているまゆりを見ていると)
岡部(まゆりがどこかに行ってしまうような気がして……)
まゆり「」スッ
岡部(何かを考えて行動した訳じゃない)
岡部(ただ、いつの間にか俺はまゆりを抱き寄せていた)
岡部「連れてなんか行かせない………」
岡部「お前は俺の人質なんだ、人体実験の実験体なんだ」
岡部「絶対に………絶対に、逃がさないからな!!」
岡部(気付いたらそんな、自分でも恥ずかしくなるようなことを口にしていた)
119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:39:11.32 ID:HtOmSbNl0
まゆり「…………そっか」
岡部(半年ぶりに聞いたまゆりの声は、かすれていて……)
岡部(手を放したらまたどこかに消えてしまいそうな気がした)
まゆり「じゃあ、しょうがないよね………」グスッ
岡部(………俺はその時決めたんだ)
岡部(俺の中二病はただの『設定』なんかじゃない)
岡部(絶対にまゆりを連れてなんか行かせない)
岡部(何があっても俺の『人質(たいせつなひと)』を護るって)
岡部(そう誓った、俺の『約束』なんだ!!)
岡部「だから………!!」
----------------------------
120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:39:54.92 ID:HtOmSbNl0
パシィッ
懺†斬「!?」
懺†斬(フェイリスの攻撃が消えた!?)
凶真「設定なんかじゃない…………」
凶真「俺はただ、護りたいだけなんだ」
凶真「俺はただ、あいつに笑顔でいてほしいだけなんだああああああ!!」
ボウウウゥゥゥン
懺†斬「なっ………この力は、まさか!!」
121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:40:29.86 ID:HtOmSbNl0
中鉢「…………よく見ておけ、紅莉栖」
中鉢「あれが、中二病患者同士の戦いというやつだ」
紅莉栖「………うん」
まゆり「オカリン………」
凶真「俺はお前の持つ能力にも俺の持つ能力にも興味はない」
凶真「俺には護りたい大切な人が、待っててくれる仲間がいるんだ!!」
凶真「俺は一人じゃない、あいつらがいるから俺は戦えるんだ!!!」ゴオオォォォォォ
凶真「だから………!!」
懺†斬「バ、バカにゃ。ここに来て『秘められた血筋の力』に匹敵するエネルギー……」
懺†斬「『仲間の力が俺の力』を解放したにゃとおおおおおおおおおおおお!?」
122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:41:02.56 ID:HtOmSbNl0
凶真「終わりだ、フェイリス・懺†斬!!」
凶真「友情奥義、『魂の鉄拳(ソウル・ストライカァァァァ)!!!!』」
ズガガガガガガガガガガガガガ
懺†斬「くっ…………」バッ
凶真「っ…………おおおおおおおおおおおおおおおお!!」
ガッ・・・グオアアアアアアアァァッ
懺†斬「にゃっ、フェイリスの力が押し負けて………」
懺†斬「そんにゃ、バカにゃああああああああああああああああ!?」ドッ
ドウウウウウゥゥゥン
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:41:23.58 ID:HtOmSbNl0
ゴオオオォォォォ
鈴羽「やった…………?」
黒まゆり「あっ、煙が晴れていくのです」
岡部「…………」ハァハァ
鈴羽「オカリンおじさん!!」
黒まゆり「…………いや、それだけじゃない!!」
「…………」ハァハァ
鈴羽「そんな………まだ生きていたの!?」
黒まゆり「いや………あれは!!」
124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:42:03.06 ID:HtOmSbNl0
留未穂「………………凶真……」シュウウゥゥ
岡部「なっ………お前は留未穂か?」
留未穂「………うん」
留未穂「ごめんね、私は皆を傷つけた……」
岡部「………ああ、そうだな」
岡部「どうしてこんなことをしたんだ?」
留未穂「………私ね、世界線がこうなった後にある人にこんなことを言われたんだ」
留未穂「君には素質がある。私に協力するのなら」
留未穂「君のお父さんに会わせてあげるよ………ってね」
岡部「なっ………そんなことができる訳…」
留未穂「うん、そんなことはわかってるよ」
留未穂「…………でも私ね、どうしてももう一度パパに会いたかったんだ」
留未穂「会って、ちゃんと謝りたかった」
125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:42:39.90 ID:HtOmSbNl0
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留未穂「………ねえ、どういうこと?」
留未穂パパ「………ごめんな、留未穂」
留未穂「パパは明日は一緒に遊びに行こうって約束してくれたでしょ?」
留未穂「なのに、どうして!!」
パパ「すまない、どうしても抜けられない仕事なんだ」
パパ「そうだ、ほら、留未穂の欲しいもの何だって買ってくるから、だから……」
留未穂「………そんなものいらない!!」バッ
パパ「留未穂!?」
留未穂「パパのことなんかもう知らない!! パパなんか死んじゃえ!」ダッ
パパ「待ちなさい、留未穂!!」
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126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:43:06.46 ID:HtOmSbNl0
留未穂「…………私は何もいらなかった」
留未穂「ただ、パパと一緒にいられる時間が欲しかった」
留未穂「なのに、私はあんな心にもないことを言って」
留未穂「それがパパとの最後の会話になるなんてことも知らずに……」
岡部「……………」
留未穂「でも、ちょっと考えればパパに会える訳なんてないことはわかってた」
留未穂「なのに、そんな変な誘いに乗っちゃって」
留未穂「私は結局、ただ皆にひどいことをしてただけ」
留未穂「こんな私なんて、もう死んだ方が………」ポロポロ
「違う!!」
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:43:39.48 ID:HtOmSbNl0
留未穂「!?」
紅莉栖「…………父親と仲直りしたい気持ちの、何が悪いの!?」
凶真「紅莉栖………?」
紅莉栖「たしかにあなたはひどいことをしたのかもしれない」
紅莉栖「でも、あなただって辛かったんでしょ?」
紅莉栖「あなたは悪くない」
紅莉栖「ただ、ちょっと不器用だっただけなの」
紅莉栖「ただ自分の父親に会いたかっただけの子を許さないほど」
紅莉栖「この世界は冷たくはできてないんだぜ!」
留未穂「クーニャン………」ジワッ
128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:44:13.09 ID:HtOmSbNl0
岡部「やっぱりお前は根っこのところは変わらないんだな、紅莉栖…………」
紅莉栖「?」
岡部「………フッ、すまない、今のお前に言っても何のことかわからないよな」
紅莉栖「…………クスッ」
岡部「??」
紅莉栖「相変わらずね、岡部は」
岡部「!?」
岡部「なっ、お前どうして………」
紅莉栖「わかってるよ、私は」
紅莉栖「だって、岡部はずっと私を護ってくれたんだもんね」
岡部「紅莉栖、やはりお前、リーディングシュタイナーが………」
129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:44:53.71 ID:HtOmSbNl0
留未穂「うっ、きゃああああああああああ………」ズキン
紅莉栖「!?」
岡部「どうしたんだ、留未穂、おい!!」
留未穂「また、あいつが暴れ始めようとしてるみたい」ズキズキ
留未穂「やだよ、私もう誰も傷つけたくないよ………」ガタガタ
岡部「大丈夫だ、何があっても俺が絶対護りきるから、だから………」
中鉢「無理だな」
岡部「なっ………貴様は、ドクター中鉢!?」
130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:45:19.77 ID:HtOmSbNl0
中鉢「『復活した黒幕』の力は恐らく今までの比ではない」
中鉢「今のままでは犠牲は避けられないだろう」
岡部「だが、しかし!!」
留未穂「…………もう、いいよ」
留未穂「私もわかってる。多分もう一度暴走すれば、私はもう戻れないことくらい」
岡部「そんな…………」
留未穂「みんな、こんな私に優しくしてくれて本当にありがとう」
留未穂「だから、このまま私ごと…」
中鉢「何を勘違いしてるんだ?」
131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:45:48.13 ID:HtOmSbNl0
留未穂「えっ………?」
中鉢「確かに奴をこのままもう一度復活させればこの世界は終わりだろう」
中鉢「だが、それを避ける方法が無いわけではない」
岡部「どういうことだ?」
中鉢「それは………」
鈴羽「それは私が説明するよ」
中鉢「なっ………あなたはまさか、橋田教授!?」
132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:46:42.26 ID:HtOmSbNl0
鈴羽「………久しぶりだね、中鉢くん」
岡部「鈴羽、ドクター中鉢を知っているのか!?」
鈴羽「うん。中鉢くんは私の研究を手伝ってくれてたんだ」
鈴羽「究極能力、『天使の祝福(エンジェル・ブレス)』開発のね」
岡部「『天使の祝福』……?」
中鉢「ああ、全ての混沌を整然とさせる究極奥義だ」
中鉢「それさえあれば、この状況も打破できる!!」
岡部「!!」
岡部「そうか………流石だな、鈴羽! それは今すぐできるのか!?」
鈴羽「………残念だけどそれは私たちがどうこうできることじゃない」
鈴羽「所有者が覚醒していなければいけない。『天使の祝福』継承者…」
鈴羽「牧瀬紅莉栖がね」
133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:47:22.37 ID:HtOmSbNl0
紅莉栖「!?」
紅莉栖「私が………?」
鈴羽「そう。中鉢くんの娘である君がその継承者となった」
鈴羽「この状況が変えられるとしたら君しかいないんだ。牧瀬紅莉栖!!」
紅莉栖「そんな!! そんなこと言われても私は……」
中鉢「来るぞっ!!」バッ
留未穂「きゃあああああああああああああああああああ」
カッ
スーパーフェイリス・懺†斬「待たせたニャン!!」ゴオオオォォォォ
134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:48:04.12 ID:HtOmSbNl0
岡部「くっ、なんて力だ…………立っているのがやっとなくらいの」
懺†斬「フェイリスの復活を止められなかった時点で終わりなんだニャン」
懺†斬「今の凶真の力なんて取るに足らないニャン!!」シュバッ
岡部(しまった、変身を怠った!! 岡部倫太郎のままでは……)
懺†斬「終わりだニャン!!」バッ
キィン
岡部「っ……………何だ?」
スーパー懺†斬「にゃっ!? フェイリスの攻撃を………受け止めた!?」
「……………ふぅ」
ドクター中鉢「こういうのはもう、引退したつもりだったんだがね………」ゴオオォォォ
135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:49:12.06 ID:HtOmSbNl0
岡部「ドクター中鉢……!?」
ドクター「さあ、貴様もさっさとしろ。こいつはこんな老兵一人で抑え切れるものではない!!」
岡部「!! ああ」ボゥン
鳳凰院凶真「やってやるさ、相手が誰だろうと!!」バッ
スーパー鈴覇王「私も及ばずながら力になるよ」ボゥン
懺†斬「そう………やっと面白くなってきたニャン!!」コオオォォ
ドクター「紅莉栖!!」
紅莉栖「!!」
ドクター「お前の根源を信じろ、お前のこの世界における存在の理を理解しろ」
ドクター「その先に未来がある!! …………頼んだぞ、紅莉栖」バッ
ズガアアアアアアアアッッ
136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:49:49.86 ID:HtOmSbNl0
凶真「無限の光にて裁かれよ、『断罪の烈光(ジャッジメント・レイ)!!』」キュイィン
ドクター「死への旋律を奏でよ、『冥府の鎮魂歌(デス・レクイエム)!!』」キィイィィン
鈴覇王「はああああああっっ」グッ
懺†斬「………………………まだまだ甘いニャン!!」スッ
バギュオオオオァァッ
中鉢「バカな…………技も、使わずに………」ドサッ
鈴羽「そん、な…………」ドサッ
凶真「鈴羽、ドクター!!」ハァハァ
懺†斬「残るは凶真だけだニャン!」
凶真(紅莉栖…………)
137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:50:22.31 ID:HtOmSbNl0
紅莉栖「………………」
紅莉栖「私の根源? 私の存在の理?」
紅莉栖「………何のことかわからないよ、パパ」
紅莉栖「皆が苦しんでるのに私は何もできない」
紅莉栖「私はこの世界に、必要ない存在………」
「「違うよ、紅莉栖ちゃん」」
紅莉栖「!?」
紅莉栖「まゆり…………?」
138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:50:57.55 ID:HtOmSbNl0
まゆり「………ねえ、どうして紅莉栖ちゃんは今、ラボにいるの?」
紅莉栖「えっ?」
黒まゆり「とぼけなくてもいいよ。発動してるんだよね? りーでぃんぐ………なんとかが」
黒まゆり「こんな、筋肉化なんてない世界の思い出がある………違う?」
紅莉栖「………そうね」
まゆり「実はまゆしぃもなんだ。知らないはずの紅莉栖ちゃんとの思い出が頭の中にあるの」
まゆり「多分、それはまゆしぃと同じ記憶なんだよね」
紅莉栖「………うん」
まゆり「…………だったら、聞かせてほしいな。紅莉栖ちゃんの本当の気持ちを」
139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:51:30.85 ID:HtOmSbNl0
紅莉栖「そうね………最初はただの興味本位だったわ」
紅莉栖「電話レンジの変な効果に科学者としての血が騒いだだけ」
紅莉栖「でも、今は………」
黒まゆり「今は、何?」
紅莉栖「私は、あのラボが好きなの」
紅莉栖「皆がいるあのラボにずっといたい」
まゆり「………うん、まゆしぃもだよ」
まゆり「でも、聞きたいのはそういうことじゃない」
まゆり「紅莉栖ちゃんは、オカリンのことどう思ってるの?」
140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:52:14.00 ID:HtOmSbNl0
紅莉栖「!?」
まゆり「紅莉栖ちゃん?」
紅莉栖「………ハッ、あのバカでめんどくさい中二病患者のこと?」
紅莉栖「別に、何とも思ってないわよ」
まゆり「…………そっか」
まゆり「………まゆしぃはね、オカリンのことが大好きだよ」
紅莉栖「!?」
141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:53:01.45 ID:HtOmSbNl0
まゆり「ずっとオカリンと一緒に過ごして、そのうちに、家も一緒に住むようになるの」
まゆり「それでいつか子供とかができてね、オカリンは変な名前をつけるけど、まゆしぃはもっとかわいい名前がいいって言って」
まゆり「ずっとオカリンは文句を言うけどね、最後にはわかってくれるんだ」
まゆり「それでね、一緒にその子と、その子の子と過ごしてね、オカリンもおじいちゃんになるんだけどね」
まゆり「それでもオカリンは今みたいな笑い方を、しててね、そんな……」ジワッ
まゆり「そんな夢をね、最近よく見るの」グスッ
紅莉栖「まゆり…………?」
142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:53:53.95 ID:HtOmSbNl0
まゆり「でもね、それは全部まゆしぃの夢なんだ」ポロポロ
まゆり「まゆしぃじゃ、だめみたいなんだ…………」ポロポロ
まゆり「まゆしぃじゃ、オカリンの人質にはなれても、オカリンの一番にはなれないんだ………」ヒック
紅莉栖「………………」
まゆり「………ごめんね、紅莉栖ちゃん。こんな話聞かせちゃって」
まゆり「でも、まゆしぃは………」
紅莉栖「ううん。……………私こそごめんね、まゆり」ギュッ
まゆり「えっ?」
143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:54:23.01 ID:HtOmSbNl0
紅莉栖「本当はね、気づいてたよ。まゆりが岡部のことが好きだって」
紅莉栖「でもね、それに触れないようにしてた。本当に気付いてしまうのが怖かったから」
紅莉栖「自分の気持ちと向き合うのが怖かったから………」
まゆり「………………」
紅莉栖「私が弱かっただけだってわかってる、卑怯だってわかってる…………でも」
紅莉栖「それでも…………それでも私は………」
紅莉栖「岡部のことが、好きなんだ」
144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:54:54.02 ID:HtOmSbNl0
紅莉栖「だから…………」
まゆり「…………そっか」
まゆり「じゃあ、しょうがないよね………」ギュッ
紅莉栖「!!」
まゆり「まゆしぃじゃもう、オカリンを助けることはできないからさ………だから」ポロポロ
まゆり「オカリンをよろしくね、紅莉栖ちゃん………」ポロポロ
紅莉栖「…………うん。ごめんね………ありがとうね、まゆり」スッ
145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:55:41.48 ID:HtOmSbNl0
中鉢「」
鈴羽「」
凶真「くそっ…………」ハァハァ
懺†斬「ここまで持ちこたえるなんて、さすが凶真だニャン!!」
懺†斬「でも、これでもう終わりだニャン」
懺†斬「命乞いしてフェイリスの下につくのなら、許してあげてもいいニャン」
凶真「…………俺は諦めない、絶対にだ!」
懺†斬「………それは残念だニャン」スッ
凶真(紅莉栖……………)
懺†斬「蒼天の空を漆黒に染め上げよ、『崩落する世界(エンド・オブ・ワールド)!!』」キイィィィィィン
凶真「紅莉栖ううううううううううううううううう!!!!!!!!!」
カッ
146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:56:17.49 ID:HtOmSbNl0
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
紅莉栖(………………………)
紅莉栖(私はずっと一人でカッコつけてた)
紅莉栖(まゆりの気持ちを知ってるくせに、自分のことは絶対言わないイヤな奴だった)
紅莉栖(でも、それじゃダメなんだ)
紅莉栖(パパは私の根源を信じろって言った。岡部が好きだっていう、私の心を)
紅莉栖(そして私のこの世界における存在の理を理解しろって)
紅莉栖(……………まゆりは自分じゃダメなんだって言ってた)
紅莉栖(まゆりを差し置いてこんなことを思うのは卑怯なのかもしれない…………だけど)
紅莉栖(私は、前に進まなきゃいけないんだ………そう)
紅莉栖「この物語の、ヒロインとして!!」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:56:48.86 ID:HtOmSbNl0
懺†斬「なっ…………」
凶真「フェイリスの攻撃が、止んだ!?」
紅莉栖「」バサッ
懺†斬「あれは…………」
凶真「紅莉栖!!」
紅莉栖「…………」
149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:57:25.49 ID:HtOmSbNl0
凶真「おい、どうしたんだ、紅莉栖?」
--------------------
紅莉栖「岡部のことが、好きなんだ」
--------------------
紅莉栖「っ ――――――― 」
紅莉栖「う、うるさいわね、岡部のくせにっ!!」
凶真「? どうしたんだ、顔が赤…」
紅莉栖「本当にうるさいわね、放っときなさいよ!!」
150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:57:59.94 ID:HtOmSbNl0
懺†斬(今のは一体………?)
紅莉栖「…………まぁいいわ、ちょっと変な感じがするかもしれないけど、我慢してね、岡部…………」スッ
パアアアアァァァッ
鈴羽「うーん………?」
中鉢「ここは………?」
凶真「!? 二人が生き返った!? それに、俺の傷も…………」
懺†斬「ば、ばかにゃ、そんなことフェイリスでもできニャいのに…」
紅莉栖「あら、あなたのものさしで私を測らないでくれない?」クスッ
鈴羽「あれは…………まさか!!」
中鉢「フッ、どうやら紅莉栖は理解したようだな」
中鉢「『天使の祝福』会得のために必要な力、『ヒロイン補正』を!!」
151:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:58:37.52 ID:HtOmSbNl0
凶真「紅莉栖、お前は一体…………?」
紅莉栖「もう大丈夫よ岡部、後は私に任せて」
紅莉栖「私の能力、『天使の祝福(エンジェル・ブレス)』は全ての混沌を整然とさせる」
紅莉栖「全てが混沌によって構成される彼女の能力も攻撃も、全て普遍的な事象に書きかれられる」スッ
凶真「!!」
懺†斬「バカな、『天使の祝福』が本当に完成していたというのか!?」
紅莉栖「口調が変わってるわよ、フェイリスさん?」
懺†斬「っ ―――― !?」
紅莉栖「いや、あなたはフェイリスさんじゃないわね」
152:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:59:12.66 ID:HtOmSbNl0
凶真「!? どういうことだ?」
紅莉栖「復活したときに、フェイリスさんのことを完全に乗っ取ったみたいね」
懺†斬「…………クククク、そうさ、その通りだ」
ブワッ
凶真「なっ………フェイリスから何か出て…」
懺†斬「我が名は時空の神、懺†斬。狂った時間軸を駆逐するための存在だ」
凶真「そうか、貴様のせいでフェイリスが…………」
懺†斬「そうだ。だが、こんな小娘はもう必要ない」
懺†斬「目の前に『天使の祝福』継承者という最高の器がいるのだからな!!」シュバッ
紅莉栖「!?」
凶真「しまっ………」
カッ
153:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 23:59:37.51 ID:HtOmSbNl0
紅莉栖「……………」
凶真「紅莉栖…………?」
紅莉栖・懺†斬「フフフフ、フフフフフフハハハハハハハハハハハハ」
凶真「!?」
凶真「まさか、紅莉栖の体を乗っ取ったのか!?」
中鉢「くっ、ぬかった………」
中鉢「ヒロイン補正を手にした者が乗っ取り、人質にあうのは自明の理だというのに!!」
懺†斬「これで私を脅かすものは存在しない………これで!!」ドクン
懺†斬「っ!?」
154:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/18(金) 00:00:10.75 ID:9R8yQK6h0
凶真「何だ…………?」
懺†斬「そんな、バカな………ああああああああああ」
紅莉栖「…………岡部」
凶真「紅莉栖!?」
紅莉栖「ごめん………ちょっと油断したみたい」ハァハァ
紅莉栖「まだ奴が私の中にいる……」
凶真「そんな……………」
紅莉栖「でも大丈夫」
紅莉栖「これから私ごと、この世界の混沌を全て書き換える」
155:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/18(金) 00:00:37.65 ID:9R8yQK6h0
凶真「!?」
紅莉栖「そうすれば、こいつを滅ぼして、世界線も元に戻れるはず」
凶真「だが、そんなことをすれば、お前は…」
紅莉栖「信じて!!」
凶真「!!」
紅莉栖「私を信じて、岡部………」
凶真「紅莉栖………」
156:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/18(金) 00:01:05.50 ID:9R8yQK6h0
凶真「わかったよ、紅莉栖…………だが」
「」ガシッ
紅莉栖「!!」
岡部「俺も一緒にだ、紅莉栖」
紅莉栖「…………うん、ありがとう、岡部」
紅莉栖「っ!? ………あああああああああああ」
岡部「!?」
懺†斬「そんナコト、サせるカ……」グググ
岡部(しまった、今は岡部モードに戻って……)
懺†斬「死ネ」グッ
ガシッ
157:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/18(金) 00:01:35.11 ID:9R8yQK6h0
懺†斬「!?」
鈴覇王「させないよ………」グググググ
まっちょしぃ「まゆしぃだって、オカリンの役に立つんだ」グググググググ
黒まっちょしぃ「絶対に、させない!!」ググググググ
ドクター中鉢「さあ行け、少年よ!! 紅莉栖を頼む!」ググググググ
岡部「!!」
岡部「ああ…………皆、ありがとう」スッ
懺†斬「フン、私を押さえつけたところで一体何が…………!?」
岡部「卍…………解………」ゴウッ
岡部『無明解奪丸!!』ジャキン
ファッッ・・・・・・・・
158:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/18(金) 00:02:12.78 ID:9R8yQK6h0
懺†斬「なっ…………まさか、奪ったというのか、『天使の祝福』を!?」シュウゥゥ
岡部「ああ。俺が終わりにする、この混沌の世界を」スッ
岡部「観念しろ、時空の神、懺†斬!!」バッ
懺†斬「やめろおおおおおおおおおおおおお!!」
中鉢「やれええええええええええええええええ!!」
岡部「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」グッ
懺†斬「待て、そんなあああああああああああああああああああああああ!?」
岡部『天使の祝福(エンジェェェル・ブレェェェェェェスッ!!!!!!!!)』
カッ
160:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/18(金) 00:02:50.17 ID:HtOmSbNl0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
岡部「………………」
岡部「………………ここは?」
「シュタインズゲートの中心部だよ」
岡部「鈴羽!? それに、まゆりとフェイリスも!!」
鈴羽「まぁ、この感じだと懺†斬はもう消えたのかな」
留未穂「もう、今は留未穂って呼んでほしいな」
黒まゆり「オカリン大丈夫?」
岡部「ああ…………他の奴らはどうした?」
162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/18(金) 00:03:30.70 ID:9R8yQK6h0
鈴羽「…………ここは世界創世の場所、創造者以外の生ける者が立ち入ってはいけないんだ」
岡部「!? じゃあ、どうしてお前たちは………」
鈴羽「……………ごめんね」スウゥゥゥ
岡部「なっ、三人とも体が透けて………?」
黒まゆり「まゆしぃたちはこれから移行する世界線にはいるべきじゃないんだ」
岡部「待て、どういうことだ、お前たちは…」
「」スッ
岡部「留未穂………?」
留未穂「それ以上は言わないで」
163:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/18(金) 00:03:57.60 ID:9R8yQK6h0
留未穂「私ね、さっきパパに会えたんだよ? 凶真の能力のおかげで」
留未穂「言いたいこともやっと言えた。ずいぶん時間がかかっちゃったけどね」
留未穂「だからさ、私にはもう、思い残すことはないんだ」
岡部「思い残すことって、何だよ…………」
鈴羽「………短い間だったけど、あたしたちは楽しかったよ? オカリンおじさんと一緒にいて」
鈴羽「だけど、あたしたちは混沌の狭間によってつくられた幻の存在」
黒まゆり「うん。だから、まゆしぃたちはもう行かなきゃならないのです」
岡部「そんな、なんで…………」
164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/18(金) 00:05:00.38 ID:HtOmSbNl0
鈴羽「あっれれ~? オカリンおじさん、もしかして寂しいのぉ?」ウリウリ
岡部「………当たり前だろう」
鈴羽「……………そっか」
鈴羽「でも大丈夫だよ、移行した世界線にはきっとその世界線のあたしたちがいる」
鈴羽「あたしはまだ生まれてないだろうけど、やっとあたしの思い描いていた未来に行けるんだ」
鈴羽「戦闘訓練なんてしなくていい、普通の女の子みたいに笑って、恋をして、そんな世界が待ってるから」
岡部「鈴羽…………」
165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/18(金) 00:05:29.36 ID:HtOmSbNl0
鈴羽「それよりも、問題はオカリンおじさんの方だよ」
岡部「なに?」
鈴羽「これから世界を再構築するために、オカリンおじさんはまた長い戦いに身を投じることになる」
鈴羽「時の速さの違う空間で何百年、下手すると何千、何万年もの月日をかけて………」
岡部「…………かまわないさ。それで皆が幸せに過ごせる世界が来るなら」
鈴羽「………そっか」フフッ
鈴羽「じゃあ、あたしから一つだけプレゼントをあげる」
岡部「プレゼント…………?」
167:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/18(金) 00:06:13.97 ID:9R8yQK6h0
鈴羽「次にいつ会えるかわからないからね、言いたいことは言っておくといいよ」スウッ
岡部「待て、一体何を………」
鈴羽「じゃあね、オカリンおじさん」フッ
黒まゆり「あっちのまゆしぃをよろしくなのです」フッ
留未穂「いろいろとありがとうね、凶真」フッ
岡部「あっ…………」
「」シーン
岡部「まゆり、鈴羽、留未穂………」
「岡部…………」
岡部「!!」
168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/18(金) 00:06:49.82 ID:9R8yQK6h0
紅莉栖(私はもう迷わない)
紅莉栖(まゆりが私に勇気をくれたから)
紅莉栖(だから、私は…………)
岡部「紅莉栖………?」
紅莉栖「私は………岡部のことが好き」
岡部「!?」
紅莉栖「いつもバカみたいなことしてるけど、優しくて、一緒にいて楽しくて……」
岡部「紅莉栖………」
169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/18(金) 00:08:03.96 ID:9R8yQK6h0
紅莉栖「…………私は、ずっと待ってるから」
岡部「!!」
紅莉栖「いつかあんたが戻ってくるまで、私はずっと待ってるから」
岡部「………だが、俺はいつ帰って来れるかわからない」
岡部「それに、成功する保証もないんだ、だから、お前は俺なんかに囚われずに……」
紅莉栖「だが断る!!」
岡部「!?」
紅莉栖「私が保証してあげる、岡部は絶対に成功するって、絶対に帰ってくるって」
岡部「そんな、どうしてそんなことが……」
紅莉栖「わかるよ。だってここは混沌の狭間。岡部と私が願ったのなら…………」
紅莉栖「そこには必ず、『主人公補正』と『ヒロイン補正』が入るから」
紅莉栖「だから、岡部の目的は100%叶う!!」
岡部「!!」
170:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/18(金) 00:08:39.09 ID:9R8yQK6h0
岡部「…………そうか、わかったよ。ありがとう、紅莉栖………」
岡部「俺を待っててくれ。俺も、お前のことが…」
「」スッ
岡部「??」
紅莉栖「…………その先は、言わないで」
紅莉栖「その答えは、いつかあんたが帰ってきたとき、ちゃんと伝えて?」
岡部「…………ああ、わかったよ」
岡部「いつか絶対伝えるから。俺のこの気持ちを」
紅莉栖「うん…………行ってらっしゃい、岡部」
岡部「ああ。行ってきます、紅莉栖」スッ
カッ
――――――――――――――
―――――――
171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/18(金) 00:09:22.22 ID:9R8yQK6h0
…………あの日からそろそろ一か月が経とうとしていた
ラボは今、これまでより騒がしくて、とても研究所とは呼べない場所と化しているが
まゆり「ルカくんルカくん、次はこのコスを着てほしいのです」
ルカ「ええっ!? そんな、こんなの僕にはちょっと………」
まゆり「ええーっ、似合うと思うけどなぁ」
フェイリス「フェイリスも自信を持ってお勧めするのニャン」
フェイリス「ルカニャンがこれを着て町に出れば、フェイリスと並ぶアイドルに変身だニャン!」
ルカ「そんな………だって僕は男で……」
ダル「だが、それがいい」
172:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/18(金) 00:10:07.91 ID:9R8yQK6h0
ルカ子とフェイリスと、あとラボに顔は出さないがミスターブラウンの元で働いている萌郁がラボメンに入った
別に驚きはしない。世界線は集束していくからだ
「」ガチャ
紅莉栖「Good Morning.」
まゆり「あっ、紅莉栖ちゃん、トゥットゥルー」
ルカ「紅莉栖さーん、助けてくださいーっ」
紅莉栖(私より女らしい……だと………)
紅莉栖「くやしいのう、くやしいのう」
ルカ「いや、そうじゃなくてぇ………」
紅莉栖「…………ああ、そういえば岡部のことなんだけど」
一同「!!」
173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/18(金) 00:11:08.17 ID:9R8yQK6h0
あれから、俺はずっと病院で眠っている
別に何か体に異常がある訳じゃないが、目を覚ますことは無い
だって、俺はまだ世界構築の途中だから
紅莉栖「多分、明日には目を覚ますだろうってさ」
まゆり「そっか……………」
フェイリス「なら、明日は例の儀式の準備が必要だニャン………」クックック
ルカ「ええっ!? そんな、一体何を……」
ダル「フェイリスたんのそれはツッコんだら負けだお」
フェイリス「くっ、しかし凶真ほどの相手にこのメンバーだけで行けるのかニャ? それとも……」
まゆり「じゃあ、明日はオカリンオカエリンパーティーなのです!」
174:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/18(金) 00:11:50.81 ID:9R8yQK6h0
簡単に言ってくれるな、まゆりよ
お前にとってはあと一日でも、俺の体感時間では数十年かかる道なんだ
この世界を、完全に戻すためには…………
ダル「あっ、じゃあ今日はそろそろ僕は用事があるのでこれで……」
まゆり「あーっ、ダルくんもしかして阿万音さんとデート?」
フェイリス「ニャニャッ!? フェイリスがいるというのに他の女の元へと行こうというのかニャン?」
ダル「………い、行ってくるお」ダッ
フェイリス「くっ、ルカニャン、ダルニャンを追うニャン!!」バッ
ルカ「えっ? は、はい!」ダッ
紅莉栖(ああ、あの格好のままで………)
175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/18(金) 00:12:24.93 ID:9R8yQK6h0
だけど、数十年なんて時間は俺には何の苦でもない
だって、この仕事が終わったら ――――――
ダル「きょ、今日は許してほしいお、今日は僕の人生初デートの日なんだお!」ダッダッ
ルカ(何か周りの視線が痛い…………)タッタッ
フェイリス「さすがルカニャン、皆の視線を釘づけだニャン!」
まゆり「まゆしぃはルカくんがその気になってくれて嬉しいのです」
紅莉栖(ああ、実際は誰も橋田のデートには興味無いのか…………哀れ橋田)
176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/18(金) 00:13:04.88 ID:9R8yQK6h0
―――――――――― 待ってるから
紅莉栖「……………?」バサッ
紅莉栖「…………そっか」フフッ
まゆり「どうしたの、紅莉栖ちゃん?」
紅莉栖「何でもないわ、行くわよ、まゆり」ダッ
大好きなあいつらとの日常が待ってるから ――――――
岡部「中二病ですから」
Fin
177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/18(金) 00:13:55.74 ID:BpT8C5oA0
おつかれさん
178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/18(金) 00:14:06.89 ID:9R8yQK6h0
…………いや、もう本当に反省しています
これを最後にそろそろ中二病を脱却しようと、思いつくままにやっちゃいました
最後まで見てくれた人はこんなもの読ませてすみません。ありがとう、そしてお疲れ様でした
182:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/18(金) 00:16:24.84 ID:PZ2l0sRz0
激しく乙
面白かった
184:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/18(金) 00:18:04.90 ID:utYiUauf0
乙
もしも、出てきた全ての厨二病セリフが、即興で考えられたものだったとしたら、もはや尊敬レベルだな・・・
185:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/18(金) 00:23:18.31 ID:8mrO3k580
これは、いいものだ。
186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/18(金) 00:24:48.28 ID:2CfHQN2F0
厨二病乙
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