1 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 17:04:01.40 ID:
1QBR1hXco シュタゲ×テルマエ・ロマエのクロスです
ガヤガヤ・・
コーン・・・
カーン・・・
コーン・・・
ガヤガヤ・・・
カーン・・・
最近ローマで評判の浴場設計士である、ルシウス・モデストゥスは新たに作成される浴場で頭を抱えていた。
(うーむ…)
彼が考え込むときは険しい顔でうなだれるようにするため、周りの人間を寄せ付けない独特の雰囲気を醸し出す。
4 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 17:08:52.74 ID:
1QBR1hXco (どうしても、どうしてもあの平たい顔族の設計した浴場を越える発想が出てこない・・・)
彼の設計する浴場にはある秘密があった。
ルシウスは風呂を介し、平たい顔族の国に出向いてはそこで発見した平たい顔族の浴場や文化をローマ式浴場に取り入れているのだ。
(確かに名声は得たが、このまま終わっていては私は単なる平たい顔族の模倣者・・・)
平たい顔族-すなわち現代日本人
そう、彼は風呂をつかったタイムトラベラーなのだ。(もちろん本人はその意識はない)
(…こう塞いでいてはいい発想も浮かばないな、浴場にでも赴いて頭をやすめよう。)
5 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 17:10:37.14 ID:
1QBR1hXco -トラヤヌス浴場
ガヤガヤ…
ガヤガヤ…
(いつ来ても騒々しいな、ここは。)
ローマ人にとって浴場は憩いの場であり、休息の場であり、交流の場である。
「おお、ルシウス技師!」
老人が声を掛けてきた
ルシウス「アポロドロス技師、お久しぶりです。」
アポロドロス「最近また新しい浴場を作ってるらしいのう、完成を楽しみにしとるぞ!」
バン、とルシウスの広い背中を叩くアポロドロス
6 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 17:12:59.98 ID:
1QBR1hXco アポロドロス「やはり風呂はいいのう、その日一日の疲れがすうっと消えていくようじゃ」
ルシウス「ええ…」
アポロドロス「なんじゃ、随分元気がないのう?あまり根をつめるなよ?」
そういって励ますアポロドロスの優しさがルシウスの胸に響く
アポロドロス「最近はわしも年を取って、風呂上りの運動も億劫になってきてのう…」
さびしそうに自身の老いて細くなった腕を見つめるアポロドロス
ルシウス「…」
アポロドロス「子供のように走り回ったり、若いのみたく、力比べ興じることもできん。」
深いため息をつく老人は寂しそうに浴場を見回す。
7 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 17:15:30.18 ID:
1QBR1hXco ルシウス(運動、か・・・)
ワー!
子供の声が浴場に響き
ドボン、とルシウスのそばで水柱が上がる
ルシウス「うわっぷ! こら、風呂に入るときは飛び込むんじゃない!」
わー!
そして後背から子供の声が聞こえたと思うと
ルシウスは背中になにかぶつかったと認識し
意識は一反暗闇に消えていった
8 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 17:18:47.04 ID:
1QBR1hXco AD2011 とある熱海の温泉旅館
岡部「フゥーハハハハ!ラボメン諸君、今日は日ごろの疲れを温泉で癒すのだ!」
岡部「この鳳凰院凶真に感謝するがいい!フゥーハハハハ!」
まゆり「んもう、オカリン!温泉旅行をくじ引きで当てたのはルカくんだよ~」
ダル「そうだおオカリン、むしろ感謝すべきはるか氏に対してだろJK」
るか子「あぅ、いいんです、ボクは岡…凶真さんが満足してくれるなら…」
紅莉栖「それにしても随分立派な旅館よね、温泉だなんて何年ぶりだろ…」
萌郁「温泉…楽しみ…」
9 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 17:21:04.12 ID:
1QBR1hXco フェイリス「にゃふふ!みんなで旅行だなんてフェイリスはとっても嬉しいニャン!」
未来ガジェット研究所の面々はいま、熱海の温泉旅館にやってきている。
るかが何気にやってみた福引で団体様温泉旅行券を手に入れたことがきっかけである。
紅莉栖「はいはい、大声で叫ばないの」
さすがにロビーで叫ばれるのはちょっと気まずいのでそこで流れを止める紅莉栖
岡部「む!崇高なる我が演説を遮るとはクリスティーナよ、お前まさか機関に買収でも…」
紅莉栖「だからクリスティーナは禁止といっとろうが!」
ダル「はいはいさっさと爆発しろ、リア充共」
仲居さんが微妙に顔を引きつらせていた為、さっさと部屋に荷物を置きに行く一同
10 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 17:22:15.35 ID:
1QBR1hXco 紅莉栖「な、なんぞこれー!」
大部屋である
まゆり「わぁ~、みんな一緒の部屋なんだね!まゆしぃはなんだか修学旅行みたいでわくわくしてきたよ!」
ダル「キター!!!!」
岡部「もしもし…ああ、機関の連中に嵌められたようだ、…問題ない、これも運命石の扉の選択…」
紅莉栖「駄目!絶対駄目なんだから!こんな野獣二人と一緒の部屋だなんて!」
まゆり「え~、みんな一緒のほうがたのしいよ紅莉栖ちゃん。」
紅莉栖「そういう問題じゃないの!男と女が一緒の部屋で寝るなんて…その、不潔よ!」
11 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 17:30:00.77 ID:
1QBR1hXco 岡部「う、うむ、さすがにこれは問題だな。」
るか子「あ、あのぅ、招待券には大部屋が割り当てられるって書いて…」
紅莉栖「な、なんで早く教えてくれなかったの!?」
るか子「ひぃ!ごめんなさい…修学旅行の時はいつも女の子と一緒の部屋だったから…」
とんでもない事実をさらっと言われた気がするがみんな聞かなかったことにした。
フェイリス「フェイリスはどっちでもいいニャ!」
紅莉栖「ちょ!なんてことを言うのよフェイリスさん!」
フェイリス「だって・・・みんなと一緒にお泊りしてあそぶニャンて、フェイリス初めてだし…やっぱり駄目かニャン?」
13 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 17:33:03.82 ID:
1QBR1hXco 寂しそうな目で紅莉栖を見つめるフェイリス
紅莉栖「う…で、でも…」
涙目になるフェイリス
紅莉栖「うっ、わ、わかったわよ…でも!」
紅莉栖「いい?この屏風からむこうがあんたら野獣のテリトリーなんだからね!」
ずるずると引っ張り出してきた屏風で部屋を二つに区切る紅莉栖
ダル「OKボス」
岡部「や、やれやれ、それで妥協してやるか」
紅莉栖「妥協してるのはこっちのほうだ!勝手に入ってきたら赦さないんだからね!」
15 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 17:38:23.72 ID:
1QBR1hXco フェイリス「ありがとクリスティーニャン☆」
萌郁「賑やかで…楽しそう…」
るか子(ボクはこっち側なんだ…)ションボリ
まゆり「ねぇねぇ!早速温泉入りにいこうよ!」
わいわいと、女子たちのテリトリーが賑やかになって行く(だが一人男だ)
岡部「さて、俺たちも汗を流しに行くか。」
ダル「フヒ、温泉…女湯…フヒヒ」
岡部「ホラ、ダルもトリップしないでさっさと行くぞ。」
鼻血をたらすスーパーハカーをつれて温泉に向かう
~~~~
17 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 17:45:18.78 ID:
1QBR1hXco 岡部「フゥ~~~~~」
ダル「ウェーイ」
るか子「はふぅ・・・」
広い露天風呂でほぼ貸切状態の男湯
るか子「♪~♪」
鼻歌を歌いながら湯につかるるか子はなんとも色っぽいと、岡部は思ってしまう。
岡部(いかん、るか子は男だ・・・男男男…)
るか子「あふぅ・・・」
ダル「 2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31,37,41,43,47,53,
59,61,67,71,73,79,83,89,97,101,103,107,109,113,127,
131,137,139,149,151,157,163,167,173,179,181,191,193,197,199・・・」
18 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 17:46:57.82 ID:
1QBR1hXco もはや風呂どころではない岡部とダルだった、それは甘美な拷問-
ポコっとルカ子のいる辺りから泡だった
ぷっと吹き出す岡部
ルカ子「はわ!ち、違います、違いますよ!」
岡部「な~にが違うんだルカ子よ・・・」
ポコポコ、泡の数が増える
ルカ子「あの!その!ひぃん・・・」
岡部「お前のその股からでているのは、紛れもなくメルヒェンガ~ス、通称オナラ・・・」
19 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 17:49:33.18 ID:
1QBR1hXco 途中まで言いかけると泡から黒い影が水中から飛び出した
外国人と思われる男がルカ子の目の前で顔を真っ赤にしてむせていた
ルシウス「ガホッ…ゲホ…」
あたりを見回し、平たい顔族の男二人が視界に入ってきた
ルシウス「…また平たい顔族の風呂へ来てしまったようだ・・・な」
そして目を正面やや下に向けると
ルシウス「っ!」
目の前には今まで見た平たい顔族の女のだれよりも美しい・・・
可憐な少女が震えながら涙目になっていた。
るか子「ひっ ひゃあああああああん!!」
チョットオカベ!アンタウルシバラサンニナニヲヤッタノ?
23 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 18:35:08.72 ID:
1QBR1hXco ルシウス「す、すまない!とんだ無礼を・・・!」(ラテン語)
岡部「へ、へぇい、キャンユースピークイィングリーッシュ?」
ダル「温泉に浸かってたとおもったら突然ギリシャ彫刻が3次元になって飛び出してきた・・・何を言ってるかわからないと思うが(ry」
ルシウス「すまない、お前達の言葉は分からないんだ…」
ルシウスは必死でジェスチャーで謝罪を試みる
るか子「ぐすっ・・・えぐっ・・・す、すみません、突然でてきたからびっくりして・・・」
岡部「るか子よ、外人相手に日本語は通じないぞ。まあ、むこうもなんだか謝ってるみたいだ。」
25 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 18:38:33.18 ID:
1QBR1hXco ルシウス(とりあえず通じたか・・・?それにしても平たい顔族の風呂で女性に出くわしたなど初めてではないか・・・平たい顔族は特に区別しないのか?)
しばらくして
るか子「あ・・・先に上がりますね、ちょっとのぼせてきちゃった・・・」
ルシウスは見た
その美少女の股間から
立派な剣が生えているのを
ルシウス「jocus・・・」
おもわず呆然とるか子を見送ったルシウスをみて岡部も“気持ちは分かるぞ”という顔をしていた。
26 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 18:40:52.45 ID:
1QBR1hXco 紅莉栖「ふーん、先客がいたんだ。」
先ほどの悲鳴の理由を問い詰めた紅莉栖は内心ほっとしていた
岡部がるか子に手を出していなくてよかった、と
紅莉栖「(あ、あたりまえじゃないっていうかなんで安心しちゃってるの・・!)
岡部「そういうことだ、まあ先客はふざけて風呂にもぐって遊んでいたみたいだがな。」
ふと、岡部は目線をそのお騒がせ外人に向ける
ルシウス(ううむ、やはり平たい顔族の浴場には大きな鏡はどこにでもあるのか、そして
この不思議な木材のような物で編んだ椅子…なにげに座っていたが通気性があって座り続けても
体が熱くならないし、痛くない・・・)
27 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 18:49:06.55 ID:
1QBR1hXco お騒がせ外人は着替え場所に放置されていた浴衣をトーガのように纏い、施設を観察していた。
紅莉栖「ふーん、なんだかギリシャ彫刻みたいな人ね?」
紅莉栖はいぶかしげに外人?を観察する。
岡部「英語で話しかけてみたんだが、どうも英語が通じないみたいでな。」
紅莉栖「それは単にアンタの発音が為ってないからよ、発音は大事よ?」
ドヤ顔で紅莉栖は鼻を鳴らす
紅莉栖「お手本を見せてあげるからちゃんと見てなさいよ?」
紅莉栖は外人?の前に来て得意げに離しかけてた
28 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 18:52:34.54 ID:
1QBR1hXco 紅莉栖「Hello, I’m Makise Chris. Where did you come from?」
ネイティブな発音で話しかける、しかし
外人には‘お前は何を言ってるんだ?’
という顔をされてしまった。
岡部「ぷっ・・・くくっ 発音は大事じゃなかったのか、ネラー助手クリスティーナよ?」
紅莉栖「う、うっさい!英語圏の人じゃないなら何で最初からいわないの、この馬鹿岡部!」
ぎゃあぎゃあと賑やかになっていく
ルシウス(さわがしい連中だな。)
そう思ってるとその騒がしい連中の連れと思われる女がやってきた
フェイリス「ニャニャ?またケンカしてるニャ?」
29 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 18:55:01.44 ID:
1QBR1hXco ルシウス(な、何だあの黒い耳はっ!)
ルシウスは驚いた、人間の頭に獣の耳が付いているなど、今まで昔話にしか出てこなかったような人間がいるのだ
ルシウス(いや、あの耳は作り物・・・か、それにしても随分精巧な・・・)
黒く長い耳を見て驚いたような顔をしていたルシウスに気が付くフェイリス
フェイリス「ニャン☆?このカッコいい異人さんはどうしたニャ?」
まじまじとルシウスを見つめるフェイリス
ダル「出たー!フェイリスたんの48ある落とし業、見つめ合ってニャンニャン!うらやましす外人、爆発しろ!」
ルシウス「・・・!そうか、思い出したぞ・・・この大きく長い耳はエジプト属州の民が崇めていたアヌビス神を象っているのではないか…」
30 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 18:58:13.96 ID:
1QBR1hXco ルシウス(アヌビス神の象徴である黒く長い耳をあしらい、あまつさえそれを身に着けている…
この女性は所謂巫女かなにかなのだろうか?
だとすると、異国の地とはいえ神に従属する巫女に失礼があったとすればすなわち
平たい顔族を敵に回すことになる、それは不味い)
ルシウスがどう対応するか考えあぐねていると、巫女のほうから“ニャンニャン☆“という感じで去って行った
ルシウス(しかし・・・いつ来ても平たい顔族の浴場は飽きないな。)
そう、ため息をつきながらルシウスが椅子に腰をかけて休んでいると
まゆり「トゥットルー!温泉気持ちよかったのです~」
萌郁「…ふぅ。」
岡部「ウム、全員そろったようだな。」
ダル「オカリンどうかしたのかお?」
31 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 19:01:07.12 ID:
1QBR1hXco 岡部「スーパーハカーにしてわが右腕ダルよ・・・温泉といえば風呂上りの卓球、よもや世界の常識を忘れるとは情けない。」
ダル「ちょっ、そんな常識初耳だろJK。」
まゆり「わ~、オカリン卓球やるの?」
紅莉栖「卓球・・・」
岡部「フゥーハハハハハ!今日はラボメンの諸君の慰労を兼ねた旅行・・・
このメァーッドサイエンティストゥ鳳凰院凶真が心ばかりの余興を用意したのだ!」
高らかに宣言をするとどこからかトーナメント表を持ち出してきた
岡部「もちろん余興ではあるがちゃんと賞品は用意している!」
32 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 19:04:53.05 ID:
1QBR1hXco まゆり「わぁ!うーぱのぬいぐるみだ~」
優勝賞品はドクぺの景品応募であたった雷ネットのマスコット、うーぱドクペエディション
紅莉栖「ちょ、用意周到じゃない…。」
岡部「ささやかながら賞品がつけばやる気もおきるというものだろう。」
まゆり「あれれー、でもオカリン?このトーナメント表一人余っちゃうよ?」
岡部「なっ!」
現在旅行に参加しているラボメンは7人、トーナメント表の枠は8名分
岡部(しまったぁ~~~!鈴羽の分まで枠を作ってしまっていた…)
岡部(ど、どうする・・・大見栄きってトーナメント表を張り出すんじゃなかった…)
33 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 19:06:53.39 ID:
1QBR1hXco 紅莉栖がぷっと笑う
岡部(…!そうだ、おあつらえ向きのゲストが目の前にいるじゃないか!)
岡部「フゥーハハハ、よく気がついたなまゆり!その8番目はゲスト枠なのだ、そこの外人!」
とつぜん肩を叩かれてキョトンとするルシウス
岡部「さあ、異国の漂流者(ドリフター)よ、先ほどの無礼は卓球大会の参加で綺麗さっぱり水に流してやろう!」
紅莉栖「ちょっと、岡部…さすがに失礼でしょ!」
岡部「心配要らないクリスティーナよ、人間とは言葉は通じなくとも心で通じることが出来るのだ!フゥーハハハハ!」
紅莉栖「説明になっていない!ああ、もう!」
34 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 19:09:46.65 ID:
1QBR1hXco ルシウスはさっぱり経緯がわからずなし崩し的に卓球コーナーまで連れて行かれた。
ルシウス(一体何が始まるのだ?それに周りは若い者や老いたものまでなにか必死に球を打ち返している…)
ルシウスの目にはある初老の男性と若者がボールを打ち返しあっている光景が写っていた
ルシウス(何という事だ…年齢差や体格差があっても勝負が成り立っているというのか?)
他の台をみても子供と大人という組み合わせや女性と男性、明らかに体力に
差がある者と同士でも皆楽しそうに球の打ち合いに精をだしていた。
ルシウス(これも平たい顔族の浴場の楽しみ方・・・ローマが思いもつかない方法
で人々が平等に楽しめる方法を編み出していたなんて…)
またしても風呂の文化に関するローマとの隔絶の差を見せ付けられえ膝を付き崩れるルシウス
35 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 19:14:45.46 ID:
1QBR1hXco 岡部「では、早速くじ引きといこうか、ホラ、そこの外人もさっさとくじを引くがいい!」
そういうとルシウスの前にクジを差し出した…
岡部「さあ、勝負の時は来た!」
第1試合
萌郁×ダル
第2試合
ルシウス(ガイジン)×るか子
第3試合
鳳凰院凶真×まゆり
第4試合
紅莉栖×フェイリス
36 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 19:15:52.11 ID:
1QBR1hXco ちょっと小休止
60レスに届かない程度の作品なので終了したら落としますです。
24 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/04(日) 18:37:02.60 ID:3bp6Q17I0
これはやばい面白い37 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/04(日) 19:16:51.35 ID:2erRyzngo
コマ割りまで浮かぶが画風が全く咬み合わないwwww39 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 19:41:52.23 ID:
1QBR1hXco ルシウス(とりあえずこの競技のルールがわからないな、どうやら私の引いたクジの模様を見る限りは2回目
の勝負に参加することになってるらしい…試合に参加する以上ローマ人の気概をみせなければ、平たい顔族に笑われてしまう…!)
ものすごい真剣な眼差しでダルと萌郁の試合を食い入るように見つめるルシウス
岡部(いかん、外人がなにやら不機嫌のようだ…)ビクビク
細身の萌郁と大柄な男であるダル、ローマ式の競技であれば当然有利に思えるのは大柄なダル。しかし結果は萌郁の圧勝。
ルシウス(あのような女性でも軽々と大男を負かしてしまうとは。)
とりあえずルシウスが勝負を見て卓球について理解した点は
打ち返しは長く続いても大丈夫
球は手で受け止めてはいけない
11回相手の陣地に球を打ち込めれば勝ち
空振りした場合も相手に得点が入る
ルシウス(なるほど、概ねは理解できたが…)
40 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 19:47:21.94 ID:
1QBR1hXco ルシウスがなにより驚いたのは打ち返し(ラリー)の速度である
ルシウス(あのようにすばやく動く球を正確に見極めて何度も打ち返しあう・・・これは平たい顔族の戦士の訓練でもあるのか?)
ルシウスは一人納得して関心してしまう
岡部「さぁ、次の試合はガイジンとるか子だな!」
まゆり「ねぇねぇ、オカリン、そろそろ名前で呼んであげないとかわいそうだよ~」
岡部「し、しかし言葉が通じなくてはだなまゆりよ・・・」
すうっとまゆりはルシウスの前に立つ
41 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 19:49:35.96 ID:
1QBR1hXco まゆり「ねぇねぇ、あなたのお名前教えて欲しいな!わたしは椎名まゆりだよ~」
にこにこと自分を指差し自己紹介を試みるまゆり
まゆり「“まゆり”だよ~えへへ。」
ルシウス(もしかして名を名乗ってるのか?マユリ?…そういえば平たい顔族には名乗ったことがなかったな。)
すくっと立ち上がって
ルシウス「私の名はルシウス、ルシウス・クイントゥス・モデストゥスだ!」(ラテン語)
まゆり「え~~と、ルシウス・・・さん?」
ルシウスは自分の名前を聞き取り、うなずく。
42 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 19:51:52.94 ID:
1QBR1hXco 紅莉栖「“紅莉栖”よ!」
萌郁「“萌郁”・・・」
ダル「橋田至だお、“ダル”ってよんでもいいんだからね!」
るか「あのう、“るか”です…」
フェイリス「フェイリスにゃん☆」
岡部「我が名は鳳凰院凶・・・」
まゆり「“おかりん”☆だよ~」
岡部「なっちょ、まゆり!」
ルシウス「マユリ・クリス・モエカ・ダル・ルカ・フェイリス・オカリーン?」
ひとりひとり指を挿しながら名前を呼ぶルシウス
43 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 19:57:50.97 ID:
1QBR1hXco 紅莉栖「ぷっ!ははは!オカリーンだって!オカリー↑ン↓☆」
岡部「な、ガイジン取り消せ!オカリーンではなく鳳凰院凶…」
まゆり「よろしくね、ルシウスさん!」
ルシウス(どうやら敵意はまったくないようで安心した… それにしても平たい顔族の名前はやはりローマや周辺の属州とは法則が違うようだな、それほど遠く離れた地ということか…)
岡部「ぐぬぬ、気を取り直して試合を始めようではないか」
るか「あっ・・・あの!よろしくおねがいします!」ペコリ
お辞儀をするるか子
ルシウス「正々堂々勝負をしよう」(ラテン語)
44 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 20:01:46.03 ID:
1QBR1hXco 試合開始早々激しいラリーが繰り広げられた
ルシウスは戦士としての経験を生かし、打ち返される球にすばやく反応する
型はなってはいないが、戦士の経験がカバーをする。
ダル「す、すごいお…」
紅莉栖「漆原さんも凄いけど、ルシウスさんも相当ね・・・」
ルシウス(くっ、甘くみていた…、このひ弱な男ならば簡単に倒せるとおもったが・・・)
るか子「はぁ!はぁ!えい!」
想像していたよりずっとすばやく反応するるか子に押され気味のルシウス。
るか子が汗を散らすたびに試合をみているギャラリーが生唾を飲む
だが男だ。
45 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 20:07:33.48 ID:
1QBR1hXco ルシウス(技巧はあの男が完全に上、いちかばちか、持久戦で・・・!)
・
・
・
結局試合は20分近くに及ぶ全力ラリー戦となり、るか子のスタミナ切れに助けられかろうじてルシウスが勝利
ルシウス(か、勝った・・・のか?)ハァハァ
るか子「はぁ・・・はぁ・・・んっ・・・けほっ」
汗だくで息を切らするか子とルシウスを熱視線でみつめる紅莉栖とまゆり
紅莉栖(なんだかいけないものを見てしまった気がする…)チラッ
まゆり「えへへー」ニッコリ
萌郁「カシャ…カシャ…」
ダル「ふう、ちょっとトイレいってくるお。」
るか「ううっ、まけちゃった・・・」
ルシウスはるか子の前に立ちはだかり肩をつかみ
ルシウス「素晴らしい勝負だった、お前は将来かならず立派な戦士になることだろう。」ニコリ(ラテン語)
46 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 20:10:41.74 ID:
1QBR1hXco るか「あ・・・うぅ(わ、ちょっと恥ずかしい)」
ルシウス(?なぜ顔を赤らめる??)
キャー、と女性から黄色い悲鳴があがるがまあいいだろう。
ルシウスは汗だくになって椅子に腰を掛けた
ルシウス(やはり平たい顔族は侮れないな…)
そう考えながら体を休めているとるか子が近づく
るか子「あのっ!・・・ルシウスさん・・・これ、どうぞ…」
るか子がドクペを差し出す
47 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 20:13:26.26 ID:
1QBR1hXco ルシウス(な、なんだこの黒い液体は・・・?それにこの容器、ガラスとはまた違うな…)
プシュっとペットボトルの蓋を開けて見せるるか子
ルシウス(な、なるほど、蓋を“ひねれば”いいのか)
プシュっといい音がでる
ルシウス(なんという精密な細工・・・)
るか子が同じものを飲んでいるので、これは飲み物なのだろうと理解したルシウス
ルシウスがドクペを口に含む
ルシウス(こ…これは!)
口に広がる今まで味わったことのない刺激
飲み込む際に鼻を駆け巡る芳香
そしてこの冷たさ
美味い!
48 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 20:15:54.48 ID:
1QBR1hXco ルシウス(ひ、平たい顔族はこんな・・・こんな美味しい飲み物を持っているのかっ!)
おもわず涙を流すルシウス
ルシウス(負けてる・・・ローマが何百年もかけても手にすることのなかったものを平たい顔ぞくはなぜ容易く手にすることが出来るんだ・・・!)
おもわず目頭を押さえるルシウス
るか「あっご、ごめんなさい!・・・お口にあいませんでした・・・か?」
オロオロするるか子だったがどうやら不味いというわけではないと気がついた。
ルシウスは涙を流しながらドクペを飲み干す
ルシウス「ゲェープ」
るか「ケプ・・・」
・
・
・
50 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 20:21:31.31 ID:
1QBR1hXco その後の試合でルシウスは萌郁を破り決勝まで進んだが紅莉栖との激闘の末僅差で敗れた。
ルシウス(負けてしまったが・・・なんともすがすがしい気持ちだ・・・)
勝利こそ逃したがすくなくともローマ人の恥にはならない戦いができたとルシウスは思った。
岡部「フゥーハハハハ!さすがは我が助手…よくぞ優勝したっ!」
紅莉栖「ま、まあ当然よね!」(ほんとギリギリだったけど・・・)
岡部「でぇーわぁ、賞品のドクペうーぱだ、ホレ、うけとれ。」
紅莉栖「ふふっ、かわいいわね。」
まゆり「わぁ~、紅莉栖ちゃんいいなぁ~うらやましいよ~」
51 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 20:23:34.70 ID:
1QBR1hXco 岡部「そして!惜しくも助手に敗れた漂流者(ドリフター)ルシウスよ!」
名を呼ばれたかとおもい、顔をあげるルシウス
岡部「賞として、ドクペと名誉ラボメンの称号をあたえる!」
ダル「オカリン、外人さんにラボメンにしてやるといっても意味つうじないだろJK」
岡部「まあよいではないか、一時の縁とは言え彼も仲間として交流があったのだ!それにこやつはどうやらドクペが気に入ったらしい、
知的飲料であるドクペが好きな人間は見所があるものだ、フゥーハハハハ!」
ルシウス(よくわからないが、この飲み物は絶対ローマに持ち帰ろう・・・!)
まゆり「じゃーねー!ルシウスさん!」
競技も終わり、あの集団はどこかへ行ってしまった
ルシウス(騒々しかったな…、汗もかいてしまった事だしもう一度平たい顔族の風呂に浸かろう・・・)
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52 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 20:25:08.37 ID:
1QBR1hXco AD135 トラヤヌス浴場
「ウス…」
うっと眩暈がした
風呂に浸かりながらあの不思議な飲み物を眺めていると容器の黒がだんだんと視界に広がっていった。
「ルシウス…」
(だれだ、私の名を呼ぶのは・・・?)
アポロドロス「ルシウス技師!しっかりせんか!」
はっと目を覚ます
53 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 20:27:16.84 ID:
1QBR1hXco アポロドロス「おお、気がついたか!」
眩暈からさめるとそこはいつものトラヤヌス浴場の景色だった
ぼーっとルシウスがあたりを見回すと不思議な飲み物のことをおもいだす。
ルシウス「はっ!あ、あの黒い飲み物は?」
アポロドロス「あん?お主なにを手に握ってるんじゃ?」
ルシウス「お・・・おお…!」
いても立ってもいられず、ルシウスは浴場を飛び出した・・・
裸で。-
54 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 20:30:29.86 ID:
1QBR1hXco ―数ヵ月後
新たに完成した浴場ではルシウスが考案した(ということになっている)競技が話題になっていた。
-オカリーン-
木の板でコルクで作られた球を打ちかえしあうだけの競技だが大人も子供も楽しめるとして人気となっていた。
アポロドロス「いょっしゃあああ~、今月はワシが“ラボメン”じゃ~!」
月に一度開かれる大会に勝ち残ると、ラボメンという称号と一ヶ月間浴場内で提供される
黒くて甘い飲み物がタダになるという特典がついてくる。
黒くて甘い飲み物は”ドクペ・ルカ”と名づけられ癖があるものの老若男女とわず人気だ。
そしてこの浴場を象徴するのがララリウムに飾っているルシウスが指示して作らせた丸い人形-
この浴場の守り神として「ウパ神」と名づけられている。
55 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 20:31:55.40 ID:
1QBR1hXco しかし浴場の人気にも関わらずルシウスの表情は硬い
ルシウス(結局はこの競技もあの平たい顔族のアイディアを使ったに過ぎない・・・)
ルシウス(そしてあの不思議な飲み物と容器も再現できなかった・・・
属州で黒い甘味としてしられる甘草をつかってみたがあの不思議な刺激と香りがどうしても・・・)
ルシウス(恐るべし、平たい顔族!)
拳を強く握り締め悔しそうな顔をするルシウス
彼の悩みはおそらくこの時代では解決は出来ないことだろう。
56 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 20:33:19.23 ID:
1QBR1hXco AD2011 秋葉原・未来ガジェット研究所
まゆり「あ、おかりん、トゥットゥルゥー☆」
岡部「オカリンではないといっているだろう。」
ダル「」カチカチ…
温泉旅行以来また日常がもどってきていた。
あの不思議な外人はあの後会うこともなかった。
ダル「ほー?フーン?」
岡部「どうしたダルよ?」
ダル「オカリン、この学KENMouMouのサイトみてたんだけどさ」
岡部「ああ、オカルト専門のサイトか。」
57 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 20:36:58.09 ID:
1QBR1hXco ダル「ローマ時代の浴場の遺跡からドクペのペットボトルが発掘されたって話題になっているお」
岡部「ははっ、そんなわけないだろう。おおかた観光客のいたずらだろ。」
ダル「ですよねー」
ハハハ、と二人は笑い飛ばす
結局その後発掘されたとされるドクペの容器は日本語表記されていたこともあり
だれかのいたずらであるということで人々の記憶からも抹消されていった。
ローマに伝わった卓球競技も、不思議な飲み物もローマ帝国が滅び、
結局は十数世紀後に再び世に出るまで歴史の闇へと消えて去った、そう…世界は収束する-
文明交差のララリウム END
59 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/04(日) 20:39:21.34 ID:J/SPsOd4o
GJ!タイムトラベラーつながりか!49 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/04(日) 20:20:21.29 ID:WY08gLGSO
乙。面白い。
最近テルマエ読み始めといてマジで良かった。 67 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/04(日) 21:26:18.35 ID:TcSbRWsCo
ルシウスにまったく違和感がないwwwwww n
63 :
KRK ◆hUHoLGUAN2 :2011/09/04(日) 20:45:47.12 ID:
1QBR1hXco ありがとうございます、ローマ人も知的飲料であるドクペが気に入るはず!っておもったのと
汗だくのるか子が妄想できればいいなとおもって書きました。
60 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/04(日) 20:39:33.60 ID:WY08gLGSO
乙。面白かったよ。
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