1 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/12(火) 16:25:00:00 ID:
oAjApoT6ホァン「えっとね、みんなで決めたんだよ」
虎徹「は!? 何を!? ってか近い!! 近い近い!!」
ネイサン「やぁ~ねぇ~、そんなに焦らさないでよん。言わなくても分かるでしょう?」
虎徹「んなもんわかるか!! 近ぇっつってんだろ!! 特にお前は離れろって!! ひっ……!」
アントニオ「だから……、その、なんだ……」
バーナビー「僕達はみんな、虎徹さんが大好きだと言うことです」
カリーナ「あなたがド直球で言わないでよ…… そこはかとなく薔薇の香りが……」
キース「薔薇の香り……か、うむ! 良いものだな!!」
イワン「こっちはこっちでどこかズレてますね……」
2 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/12(火) 17:25:00:00 ID:
oAjApoT6──
虎徹「だからそのぉ……、つまりなんだ」
アントニオ「ああ、ここにいる奴らは少なからず虎徹に好意を持っている」
キース「オフでも君と仲良くしたい!! ってことさ。サシで!!」
虎徹「んあ? なんでだ? みんなまとめて親睦深めりゃ良いじゃねーか」
ネイサン「馬鹿ねぇ、それじゃいつもトレーニングセンターでお話してるのと変わらないじゃない」
ホァン「僕や、折紙さん、バーナビーさん、ブルーローズさんなんかは個人的な恩もあるし」
虎徹「恩? 恩なんてあったか?」
イワン「こくこく」
カリーナ「何で私!?」
ネイサン「アンタなんか筆頭じゃない」
バーナビー「ふっ、照れてるんですね?」
カリーナ「照れてなんかないわよ!」
3 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/12(火) 18:15:00:00 ID:
oAjApoT6虎徹「わあったわあった。みんなと仲良くするんだな? そういうことなら虎徹ちゃんも大賛成だ!」
ホァン「やったぁ!」
イワン「タイガーさんならそう言ってくれると思ってました!」
キース「ありがとう、そして、ありがとう!!」
アントニオ「予定としては、週末毎に2人ずつ。って感じだ」
バーナビー「僕達ヒーローに休日はありません。が、一応土日ということにしました」
虎徹「ういー、じゃあ今週の週末は誰かもう決まってんのか?」
アントニオ「今週は俺とドラゴンキッドだな。今更言うまでもないが、よろしく頼む」
虎徹「お前かー、何かいつもと変わんなさそうだな。あとはホァンか! よろしくな!」
ホァン「えへへ、よろしくね!」
アントニオ「えらい反応が違う気がするんだが……」
虎徹「気のせいだ気のせい」
アントニオ「まったくモウ」
4 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/12(火) 18:25:00:00 ID:
oAjApoT6虎徹「にしてもなんだってこんな企画……、 !! いやまいったな~、やっぱ俺って人気者?」
カリーナ「自惚れんな!」
バーナビー「ええ、虎徹さんは間違いなくみんなの人気者。みんなのヒーローですよ」
虎徹「へ? あ、あそう…… そうなの」
ネイサン「ひどいボケ殺しを見たわ」
カリーナ「本人は素で言ってるのよね。あれ……」
イワン「本当にバーナビーさんは変わりましたね……」
虎徹「んじゃ、今週末な。2人ともよろしく!」
アントニオ「ああ、またな」
ホァン「うん! 楽しみにしてるからねー!」
5 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/12(火) 21:15:00:00 ID:
oAjApoT6──そして週末
虎徹「よっ」
アントニオ「おう」
虎徹「隣座るぜ? ……やーっぱいつも通り飲みじゃねえか」
アントニオとは、いつもの店で飲む事にした。
アントニオ「ま、良いだろ。最近はお前と飲む機会もなかったんだ」
虎徹「んだな。最近メディアだなんだーでヒーローが一層取り上げられるようになったし、忙しくなったな」
アントニオ「まあ、それもそうなんだが、特に虎徹。最近のお前は凄いじゃねえか」
虎徹「……今までに比べて活動を、何かを変えたわけでもないんだがな」
6 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/12(火) 22:45:00:00 ID:
oAjApoT6アントニオ「何言ってんだ。変わったじゃねえか。お前」
虎徹「え?」
アントニオ「バーナビーとコンビ組んで」
虎徹「……あー、まあ、な」
アントニオ「見るからにいきいきしてるぞ」
虎徹「あ、あははー……、そう?」
アントニオ「最初はどうなることかと思ったが、息もピッタリだ」
虎徹「……パートナーがあいつで良かったと思ってる」
アントニオ「バーナビーも同じ事を思ってるだろうよ」
7 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/12(火) 23:20:00:00 ID:
oAjApoT6虎徹「お前は最近どうなんだよ?」
アントニオ「う、俺はあんまり……、でも所属の人達が良くしてくれて助かってる」
虎徹「相変わらず良いとこなのな」
アントニオ「ああ、最近活躍できたから良かったが、スポンサーの存続が危うかったらしくてな」
アントニオ「その時は社長が必死にお願いしに行ってくれたみたいで、何とか……」
アントニオ「俺には『クビなんて話も出ていたとこだったんだよう?』とか言いながら裏で頑張ってくれて」
虎徹「俺のベンさんの頃を思い出すなぁ、もっと酷かったかも……」
アントニオ「ああ! お前ほんっとうにベンさんに迷惑かけてたよな!」
虎徹「い、いやー……、それほどでも……」
アントニオ「ったく、正義の壊し屋が聞いて呆れるぜ。今でもぶっ壊しまくってやがるし」
8 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/12(火) 23:40:00:00 ID:
oAjApoT6虎徹「そ、そりゃ必要な事なんだって! 賠償金とか事件の時に一々気にしてられっかよ!」
アントニオ「他のヒーローはお前ほど物を破壊してないわけだが?」
虎徹「ぐっ、いやでも俺の場合はハンドレットパワーだからさ……」
アントニオ「おかしいな、俺はお前とほぼ一緒の能力をもった凄いヒーローを知ってるぞ?」
虎徹「ぬあっ! いやそれは…… う、……おう」
アントニオ「はぁ……、ま、ほどほどにしておけよ?」
虎徹「おう!!」
アントニオ「それと、たまにはベンさんのとこにも顔出しておけよ?」
虎徹「おうともよ!!」
アントニオ「やれやれ…… 調子の良い奴」
アントニオ「しかし……、せいぜいそのままの、実直なワイルドタイガーでいてくれよ?」
虎徹「ってどっちだよ!! 叱ったりそのままっつったり!」
アントニオ「ハッハッハ! ……確かに矛盾してるんだが、な。そんなとこだ」
虎徹「ふん、言われなくとも俺は俺のヒーローを曲げねーよ」
アントニオ「そーかい」
9 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/13(水) 00:55:00:00 ID:
oAjApoT6アントニオ「んじゃ、そろそろ解散するか」
虎徹「そうだな」
アントニオ「ふー、久しぶりにお前と話せて良かったぞ」
虎徹「こちらこそ、また飲もう…… って本当にいつもと変わらなかったなオイ」
アントニオ「ハッ! まあ良いんじゃねえか?」
虎徹「んーだな。とっておきを用意しておくような間柄でもないし」
アントニオ「おいおい、ひどい言いぐさじゃないか」
虎徹「へっ、だってそーだろー?」
アントニオ「ったくよー…… ウシ、んじゃまた明日」
虎徹「また明日ーい! んじゃなーん!」
10 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/13(水) 01:10:00:00 ID:
oAjApoT6──翌日
ホァン「はっ──、はっ──!」
虎徹「おー! ホァン! こっちだこっち!」
ホァン「はっ──! ごっ、ごめんねっ、ゼェッ、タイガーさんっ! ハァッ」
虎徹「なんだー! 何かあったのかー!」
ホァン「洋服でっ! 悩んでたらっ──、遅刻──、しちゃって──! ニー、ハオ、……ふぅ、ふぅ」
虎徹「ヘイニーハオ! なんつって…… そんなに焦らなくてもまだ5分も過ぎてないぞ? 平気平気」
ホァン「あ、あれ? 思ったより早く着けたのかな? 良かったぁ~……」
虎徹「はは、おじさんの為にわざわざおめかししてきてくれたのか?」
ホァン「ちっ、違うよ! これは外に出るから……! ああっ、急いで来たから髪とか服とか崩れてないかな」
虎徹「んや、大丈夫だと思うぞ? 髪だってちょっと抑えればすぐ戻る。ほれ」ナデナデ
ホァン「わ、あ、ありがと!」
虎徹「なーに、良いってことよ。さてと、ここから少し歩くが大丈夫か?」
ホァン「なんのー! 僕、全然へっちゃらだよ!」
虎徹「ほんとにぃ?」
ホァン「ほ、ほんとだってばあ! ……ふぅ」
虎徹「あのー、まだ息切れてませんー?」
ホァン「切れてないよ!!」
11 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/13(水) 01:30:00:00 ID:
oAjApoT6──
ホァン「うう、予定より遅くなっちゃったね」
虎徹「ま、仕方ないだろ」
ホァン「う"ーーー…… ごめんね……?」
虎徹「良いって良いって。それより今を楽しもうじゃあないかー!」
ホァン「うん!」
ホァンとは、ショッピングモールを見て回ることにした。
ホァン「僕、一度ショッピングモールに来てみたかったんだ!」
虎徹「なんだ、来たことなかったのか?」
ホァン「両親とは行ったことがなくてね、今いる家の人とは行く気にならないし……」
虎徹「なるほどなー、ここは色んなものがいっぱいあって凄いぞー?」
ホァン「うん、すーっごい広いね! 向こう側が見えないよ!」
虎徹「よし、回りきれるかはわからんが、見れるだけ見てみようか」
12 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/13(水) 01:40:00:00 ID:
oAjApoT6ホァン「これなんてどうかな?」
虎徹「むっ?…… 良いとは思うんだが……、もうちょっと女の子っぽいのとかどうだ?」
ホァン「えーー? 例えばどんなの?」
虎徹「んーちょっと待ってな。……例えばこれとか」
ホァン「ス、スカートぉ!? そんなの僕履けないよぉ!!」
虎徹「なーに言ってんのお前は女の子でしょうが、こっちの方が似合うに決まってるって」
ホァン「で、でも……」
虎徹「だーっ、文句は履いてから聞こう! ほれさっさと着る!」
ホァン「わ、わわっ」
ホァン「……どうかな」
虎徹「……… …… ……ビューティフォー」
13 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/13(水) 01:55:00:00 ID:
oAjApoT6ホァン「ほっ、ほんとにそう思ってるの?/// なんだか今間があったような……」
虎徹「今間があったのはそれだけ驚いてたからだ! いやー、変わるもんだなうんうん!」
ホァン「そ、そうかな?」
虎徹「ギャップっつーものを味わったね。うん。とっても可愛いぞー、ホァン」
ホァン「んー、スースーするけど、そこまで言うなら…… これ買っていこうかな」
虎徹「よしきた! なーに、おじさんが買ってあげようじゃないか!」
ホァン「え、良いの?」
虎徹「せっかくこうして2人で買い物に来たんだからな。プレゼントだ」
ホァン「……えへへ! ありがとう!」
虎徹「ふっ……」
ホァン「(男の人2人で……、なんだかこれって……)」
虎徹「(ホァンと2人……か、なんだかこうしてると……)」
ホァン「(デートみたいだ……! いやデートなんじゃないかなこれ!? やば、意識したら…… ど、どうしよう!?)」
虎徹「(娘と買い物に来てるみたいだ……、元気にしてるかなー楓…… ダメなパパでごめんな……)」
ホァン「(*ノ∀ノ)」
虎徹「(;゚д゚)」
14 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/13(水) 02:05:00:00 ID:
oAjApoT6ホァン「キャー、キャー…… ってあれ?」
虎徹「……」
ホァン「ちょっと? タイガーさん? も、もしかして僕の姿にまた驚いてたとか……」
虎徹「……あ、いや」
ホァン「いや!?」
虎徹「い、いや違う! そうじゃなくて! ちょっとボーッとしてて……、すまんな」
ホァン「もうっ、……大丈夫?」
虎徹「ああ、大丈夫だ。心配かけて悪かったな」ナデナデ
ホァン「む、……むぅ。もうっ」
15 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/13(水) 07:10:00:00 ID:
oAjApoT6──
虎徹「ったぁー! 買った買った! 」
ホァン「良かったの? こんなに買ってもらっちゃって」
虎徹「いーんだよ、もう欲しいもんはないのか?」
ホァン「うん、十分だよ! ありがとう!」
虎徹「へへーん、また欲しいものがあったらおじさんに言いなさい! 付き合ってやるからさ」
ホァン「はは、うん! なんだか今のセリフ付いて行っちゃいけないおじさんの代表みたいだったね」
虎徹「なっ! んなこたぁないぞ!? 悪いおじさんじゃなく、俺はスーパーヒーローだ!」
ホァン「ふうん……? スーパーヒーローお財布大丈夫なの? スッカラカンじゃない?」
虎徹「なんの! 最近はぎっしり……、いや、いつでもスーパーヒーローはお金持ちなんだぞ?」
ホァン「何か言いかけてた気がするけど……、そういうことにしておこう」
虎徹「ぐっ、ぬぬ……」
ホァン「ふふっ、ほんとにありがとね?」
虎徹「気にすんなって、ホァンぐらいの年の子はこうして可愛がってやんないとな!」
ホァン「ふぇっ……?」
16 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/13(水) 07:25:00:00 ID:
oAjApoT6虎徹「(ホァンは同じ年頃の子に比べて親との触れ合いが少ない。こうして少しでも楽しんでくれたら……)」
ホァン「(か、可愛がるって? それじゃあ大人に成長したらその時は…… どうするの!? 僕わからないよ!? )」
虎徹「( ´ー`)」
ホァン「(*゚∀゚)=3」
ホァン「こ、これからもよろしくお願い、します!!」
虎徹「!? お、おう。なんでい藪から棒に」
ホァン「きょっきょ今日はありがとね!!!!」
虎徹「ああ……、ホァン、どしたの? 顔赤いぞ?」
ホァン「えっ、えっ!? わわ…… じゃ、じゃあね!!」
虎徹「……行っちった。何かやらかしちまったかな?」
<あっ! また明日ー!!
虎徹「おーうまた明日ー!! ……やらかしてないっぽい? 良かった良かったー。じゃ、俺も帰るか」
17 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/13(水) 12:15:00:00 ID:
oAjApoT6──週明け
バーナビー「で、どうでした? 出だしは」
虎徹「いやー良かった! こんなんなら企画なんかしなくても誘ってくれれば行くぜ!?」
カリーナ「ふふっ……、顔がほんとに嬉しそうね」
キース「と、言っているブルーローズくんの顔も嬉しそうなわけだが」
イワン「あっ馬鹿! そういう事を言ったら何されるかわかったもんじゃないでござるよ!?」
ネイサン「何で仕事口調になってるのよアナタ」
イワン「はっ!! 失敬!!」
カリーナ「あんたたちぃ……」
イワン「ひっ!!」
キース「と、言うわけだ。後は任せたよ折紙くん」
イワン「はっ!? いやその理屈はおかしい! おかしいですよ!」
ネイサン「来週はアタシと……」
イワン「わぁっ! ごめんなさい! ごめんなさいいいい!!」
ネイサン「あそこで逃げ回ってる子よ? んふっ、よろしくね"ぇんっ」
虎徹「あ、ああ……」
18 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/13(水) 12:25:00:00 ID:
oAjApoT6──
虎徹「うーっす」
ネイサン「来たわね。乗って」
虎徹「ういーす、失礼しまーす。おーす」
ネイサン「くす、変な口調」
虎徹「ハッ、お前に言われたかぁねえよ」
ネイサン「どういう事よそれ!! んもう!! 発進させるわよ?」
虎徹「あいよっ」
ネイサンとは車で夜のドライブをすることにした。
19 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/13(水) 12:30:00:00 ID:
oAjApoT6ネイサン「……アンタ、最近はどうよ」
虎徹「ああ? まあ、ずっと前からいつも通りだな。絶好調だ」
ネイサン「ふん、口の減らない男ォッ」
虎徹「っだああああ!! 何かにつけてすり寄って来んな!! 運転に集中しろおおお!!」
ネイサン「んふ、ウブねぇ? まいいわ、夜はまだまだ長いもの」
虎徹「もしかして俺は人生で重大な選択ミスをしてしまったんじゃないか……」
ネイサン「もう降りられないわよ?」
虎徹「ぴぃっ!!」
ネイサン「冗談よ」
虎徹「本当かよ……」
20 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/13(水) 12:40:00:00 ID:
oAjApoT6ネイサン「ブルーローズとはうまくやってる?」
虎徹「あん? あいつか? そうだな、最近は波立つこともなく平和かも」
ネイサン「よくいがみ合ってるものね」
虎徹「ああ……、あのぐらいの年頃の子ってのはわからんもんでね、当時の自分はどうだったもんか」
ネイサン「アンタ、子供がいるんだっけ?」
虎徹「9歳の娘がな」
ネイサン「その子もいずれああなるわよ?」
虎徹「はぁっ!? 楓が!? うちの娘に限ってそんなことあるわけが…… ……」
ネイサン「んふっ、ないとは言い切れないのね」
虎徹「……言われてみれば兆候はある気がする」
21 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/13(水) 12:45:00:00 ID:
oAjApoT6ネイサン「仕方ないもの、誰もが通る道よ」
虎徹「そうかねぇ……」
ネイサン「通らないとすれば、家庭に複雑な事情があった子とか、ね」
虎徹「……あいつの事か」
ネイサン「今では復讐の枷も取れて元気そうにしているけれど」
虎徹「……」
ネイサン「アンタが良くしてあげてね? もちろん、あんなハンサムならアタシでも良いけどぉっほん」
虎徹「ぞわぞわっ」
ネイサン「口で言わないでよ。失礼しちゃうわね。んもうっ」
虎徹「はは……、なーんでお前みたいな奴ってことごとく人生相談が上手なんだろうな?」
ネイサン「んふ、大人の女は人生経験が豊富なのよ」
虎徹「女ぁ?」
ネイサン「何か文句あんのか?」
虎徹「いや……、ないです」
22 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/13(水) 12:55:00:00 ID:
oAjApoT6ネイサン「さて、この辺にしておきましょうか」
虎徹「気づけば結構回ってたんだな」
ネイサン「この街は円になってるし、ちょっとしたドライブにはうってつけね。2,3周はしたんじゃないかしら」
虎徹「ドライブねぇ……」
ネイサン「アンタは良い子見つけてドライブなりなんなりしないのかしら?」
虎徹「あー……、考えた事もなかった、な」
ネイサン「キャーッ! 一途な男! ステキぃ"ん"!」
虎徹「ちょっ、見境なさすぎんだろお前っ! 人が感傷に浸ってる時によおお!!」
ネイサン「影ある男は嫌いじゃないけれど、アンタは元気な方が美味しそうよ?」
虎徹「どんな慰め方だよ……ったく、言われなくても騒いでやらあ!」
ネイサン「そのいきよっ、えいえいおーっ!」
虎徹「お、おーッ!」
ネイサン「えいえいおーっ!」
虎徹「おー!!」
ネイサン「オ"ォ"ーゥ"!!」
虎徹「え?……、あの、お前さん?」
ネイサン「何だ!?」
虎徹「あ、いや……、ちょーっと声が野太いかなーって…… あ、やっぱ何でもないです……」
ネイサン「おらばっちこーい!! オ"ォ"ォ"ォ"ウ!!」
虎徹「お……、おおー!!!!」
23 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/13(水) 15:05:00:00 ID:
oAjApoT6──翌日
イワン「あっ、おはようでござる!」
虎徹「ああ……、おはよ」
イワン「おやおや? 元気がないでござるね。どうかなされたか?」
虎徹「昨日……、あいつと夜通し一緒にいたから…… 寝不足なんだ」
イワン「えっ!? まさかタイガーさんその身を委ねて」
虎徹「ねーよふざけんな!!」
イワン「ごごごめんなさい! ごめんなさい!!」
虎徹「はぁ……、いや、そう勘違いしても仕方ないよな。ごめん」
24 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/13(水) 15:30:00:00 ID:
oAjApoT6イワン「で、今現在はこうしてネクストの学校にお呼ばれしているわけでござるが」
虎徹「いつかぜーったいあるとは思ってた。スマン折紙! 今日に限ってヒーローの仕事がかぶっちまって」
イワンとはどこかに出かけようと思っていた。
が、学校にお呼ばれしたため急遽2人で向かうことになった。
イワン「何、構わないでござるよ。なんだかんだで拙者も同行出来てるし」
学生「ワイルドタイガーさん! 私の能力見てもらえませんか!?」
学生「バーナビーさんは!? バーナビーさんは今日来ないんですか!?」
学生「最近見切りの素晴らしさに気づきました!! 折紙さん直々にご高説をお願いします!!」
学生「ワイルドタイガーさん素敵!! おじさまカッコイイ! 抱いて!!」
虎徹「は、はは…… 行ってくる」
イワン「了解したでござる。ではまた後で! トゥッ!!」
虎徹「……かたじけなーい」
25 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/13(水) 16:00:00:00 ID:
oAjApoT6──
イワン「お疲れ様です」
虎徹「ひー、ひー…… あっ、も、だめ」
イワン「タイガーさあああん!!」
虎徹「っくはー、寝っ転がってれば大丈夫。大丈夫。あ"ー…… いつでも寝れるぜコレ」
イワン「ちょっとタイガーさん! こんな姿校長先生に見られたら……」
虎徹「ま、そう堅い事言うなって」
イワン「もう……、どうなっても知りませんよ?」
虎徹「ふいー…… 最近はどうだ? 折紙」
イワン「最近ですか?」
26 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/13(水) 16:05:00:00 ID:
oAjApoT6虎徹「あー、アレだ。あいつとはどうだ? あいつ。えーとなんだっけ」
イワン「エドワードですか?」
虎徹「そう! そいつそいつ! わりぃな。人を覚えるのが苦手で」
イワン「エドワードとは、あれからよく面会に行って話をしてます」
虎徹「仲が戻って良かったな」
イワン「はい。これもタイガーさんのおかげです! ありがとうございます!」
虎徹「へ? 俺何かしたか……?」
イワン「ふふ……、あなたが僕に勇気をくれたおかげで、エドワードと仲直りできたんですよ」
虎徹「そりゃお前が行動した結果だろ。俺は背中を押しただけだ」
イワン「それが大きな事だったんです!…… あの時は本当に…… 僕は……」
虎徹「あーもう! わかったからそんな辛気くせー顔すんなって!」
27 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/13(水) 16:30:00:00 ID:
oAjApoT6イワン「エドワードは本当はヒーローになれた…… 僕なんかよりずっと……」
虎徹「っかー、お前はすぐそのモードになるよな、うりうり」
イワン「うう……」
虎徹「……でもま、大地のヒーローなんていったら、今いるヒーローと合わせて壮観だったろうな」
虎徹「氷のブルーローズ、雷のドラゴンキッド、炎のファイヤーエンブレム」
虎徹「ヒーローアニメによくいそうな自然の力大集結だ」
イワン「そう、ですよね。やっぱり」
虎徹「だーったらさ!! そのー、エドワード? をとっとと出所させてやれば良いんだよ」
虎徹「で、仲良くヒーローやったら良いじゃねえか」
イワン「……」
虎徹「僕なんかより、じゃなく、お前も一緒にヒーローやるんだ」
虎徹「お前が今やってる事は正しい。友人をそのまましっかり導け。うじうじすんな。胸を張るんだ」
イワン「……はい!!」
28 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/13(水) 17:05:00:00 ID:
oAjApoT6イワン「その……、タイガーさん。僕、今日も勇気をもらっちゃいました」
イワン「ダメですね僕……、あの日から変われたと思ったのに、すぐ気が滅入っちゃって」
虎徹「……」
イワン「っていけない。これじゃまた一緒ですね……。よし!」
イワン「生徒が下校し始めたようですし、僕達もそろそろ帰りましょう」
イワン「僕、帰りにエドワードのところへ行ってきます!! ……ってタイガーさん?」
虎徹「……Zzz」
イワン「……寝てる」
校長「ややっ! タイガーさん!? まだいらっしゃったんですか? そろそろ学校がしまっちゃいますよー?」
虎徹「むにゃ……、ん…… ん? ……ここどこだ?」
29 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/13(水) 21:05:00:00 ID:
oAjApoT6──週明け
虎徹「なーんで起こしてくれなかったんだよ折紙!!」
イワン「す、すみません!! 凄く疲れてそうだったので!」
バーナビー「ふっ、教室で寝るのもどうかと思いますよ? 虎徹さん」
虎徹「あいやそれはだな……」
キース「やっぱり週末に毎回予定を詰め込むのはマズかったかい?」
虎徹「いや、それは大丈夫だ。ただ、ファイヤーエンブレムの時が特別でな」
カリーナ「特別!? ……ごくり」
虎徹「何勘違いしてやんだテメー!」
バーナビー「来週はスカイハイさんと僕ですよ?」
虎徹「おう! 望むところだ! ……ってこりゃまたイケメン揃いで」
カリーナ「ファンの女の子に聞かせたら刺されそうね」
虎徹「お前なんか特にそうだな。美少女で、アイドルで、ヒーローで」
カリーナ「はぁっ!? 急に何言ってんの!?」
虎徹「へ? な、何で怒られてるの俺」
キース「時として! 女性とは理解しがたいものさ!」
虎徹「まったくだ」
バーナビー「この場合、貴方達が鈍いだけかと思いますよ」
30 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/14(木) 06:10:00:00 ID:
oAjApoT6──
虎徹「今日は早めに到着しましたよっと、──ってスカイハイー!」
キース「やあタイガーくん」
虎徹「なんだぁ? えらい早いじゃないの」
キース「ついさっき来て、少しゆっくりしていたところだよ」
虎徹「隣、座っても良いか?」
キース「構わないよ」
キースとは公園でまったりすることにした。
虎徹「しかし、なんだって公園なんだ?」
キース「ここはジョンの散歩コースでね。お気に入りの場所で良く来るんだ。話をするには良いかなと思ってね」
虎徹「ジョンって犬か?」
キース「ああ、そうだよ」
虎徹「大型犬か?」
キース「その通り! どうしてわかったんだい?」
虎徹「や……、何となく、イメージで」
31 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/14(木) 06:20:00:00 ID:
oAjApoT6キース「イメージ?」
虎徹「爽やか好青年ーとか、優男ーとか、なんか、そんな感じ?」
キース「そうか……、意外性があった方が良かったかい?」
虎徹「んにゃ、気にせず自分の好きなことをやりゃ良いんじゃねえの?」
キース「そうか……、うむ、そうだな!」
虎徹「悪いイメージってわけでもないしな。ん、嬉しそうだな?」
キース「あ、いや、あんまりこのような話をしたことがなくてね。なんだか新鮮で」
虎徹「インタビューとかで聞かれてそうなもんだけどな?」
キース「ああ、だがプライベートではあまり、だから素直な意見が聞けて嬉しいよ」
虎徹「そうかい、俺で良かったらいつでも相手するぜ」
キース「ありがとう」
虎徹「よせやい、礼を言われるほどのことじゃねえさ」
32 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/14(木) 06:25:00:00 ID:
oAjApoT6キース「ここを選んだのにはもうひとつ理由があってね」
虎徹「ん? なんだ?」
キース「私が恋についてみんなに相談を持ちかけたことがあっただろう?」
虎徹「あー、あったな」
キース「その、彼女と出会った場所がここなんだ」
虎徹「ほお……?」
キース「しかし、ある日を境に彼女が姿を現さなくなってね」
虎徹「メールなり電話なりすれば良いんじゃないか?」
キース「彼女について私はあまり知らないんだ。接点も公園でのみ、会えたらこのベンチで少し話をするだけで」
虎徹「なんだかドラマみてーな話だな……」
33 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/14(木) 07:40:00:00 ID:
oAjApoT6キース「独特の雰囲気を持つ子でね、髪が短くてこのぐらい。白い髪で真っ直ぐな目をした不思議な子だ」
キース「見覚えとか、ないかな?」
虎徹「わりぃ……、多分、ないと思う」
キース「そうか……」
虎徹「そのー、ある日ってのは、何かあったのか? 例えば喧嘩しちゃったーとか」
キース「悪いようなことはなかった、と思う。むしろ良い雰囲気で、彼女は私を励ましてくれた」
虎徹「ほっほーう? 言うじゃねえかこのこのっ」
キース「はは、また、ここに来てくれると良いんだが」
虎徹「んー…… 来ないんじゃなくて、来れないとか」
キース「む?……」
虎徹「お前さんとその子はラブラブだったんだろ? だったら、何か来れない理由があるとかさ」
キース「……なるほど」
34 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/14(木) 08:10:00:00 ID:
oAjApoT6キース「よし、決めたよ。私は私なりに行動してみることにする」
虎徹「そうか、頑張れよ」
キース「君の言う通り何か理由があったのかもしれない。もし理由があるのなら、私はそれを知りたい!」
虎徹「ほんっとーにその子のことを想ってるのな。お前」
キース「そうだな……、そうかもしれない。私の頭はいつの間にか彼女の事でいっぱいになっている」
虎徹「恋は人を変える、ってね」
キース「ああ、私は彼女に元気をもらった。──っと、すまない。気づけば終始自分の事ばかり話していたようだ」
虎徹「なーに良いってことよ。こうして人に胸の内を明かすってーのは結構スッキリするもんだ」
キース「おかげさまでこれからどうすべきか考えがついたよ。進展があったら、報告しても良いかな?」
虎徹「おうおう、いつでも待ってるぜ」
キース「それじゃあ、日も傾いてきたことだしそろそろ失礼させてもらうとする」
虎徹「あいよーう、んじゃまた明日」
キース「ああ! また明日!! 明日また!!」
35 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/14(木) 08:20:00:00 ID:
oAjApoT6──翌日
バーナビー「さ、どうぞどうぞ、入ってください」
虎徹「おっじゃまっしまーす。相変わらず殺風景な……、ってあれ? 何か色々増えてない!?」
バーナビー「はい。前にも言いましたが、あれから毎日楽しくって」
虎徹「た、楽しくって?」
バーナビー「スポーツ、アウトドア、ゲーム、自分なりに趣味を増やしてみてるんです」
虎徹「あ、あそう。そうなの」
バーナビーとは久々に家にお邪魔させてもらうことにした。
バーナビー「ふっ……、虎徹さんも良かったらどうですか? 今度一緒に釣りとか!」
虎徹「あー釣りな。俺も一時期やってた時期があって、娘なんか誘って凄いとこ見せてやろうと思ってたんだが」
36 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/14(木) 08:25:00:00 ID:
oAjApoT6バーナビー「だが? 何かあったんですか?」
『釣り? やだ! 行きたくない!! 遊園地の方が良い!!』
『それにパパほんとに帰って来てくれるの? いつもそうやって約束だけじゃん!』
虎徹「ってな……」
バーナビー「……、で、どうなったんですか?」
『ほらね! 約束やぶった! やっぱりパパ嘘つきだ!! パパの馬鹿! もう知らない!!』
虎徹「……」
バーナビー「釣りがどうとか以前に貴方が悪かったんじゃないですか」
虎徹「だぁって! 急にヒーローの仕事が入ってよお……」
バーナビー「ヒーローに急な仕事はつきものです。出来もしない約束は子供としないでください」
虎徹「……おっしゃる通りで」
バーナビー「ふっ、まったく……」
37 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/14(木) 08:35:00:00 ID:
oAjApoT6バーナビー「いいですか? 子供は親の背中を見て育つものです。そんないい加減な態度で接していたら──」
虎徹「ああもうわかった! わかったから! その事ならいつもおふくろから耳が痛くなるほど言われてんだ!」
バーナビー「それでも改善していない。ってことはわかってないじゃないですか」
虎徹「うぐっ……、で、でもまあ、お前も最近変わったよな」
バーナビー「話を逸らさないでください」
虎徹「良いから良いから、……前なら『話かけないでください』とか言ってろくに会話もしてくれなかったんだぜ?」
バーナビー「あ、あれは…… 今思えばとても失礼な事をしていたと思っています」
虎徹「んにゃ、それは良いんだけどさ。どうだ? 他人の世話を焼くってのは、その位置に立ってみてさ」
バーナビー「はい……、相手の事を想っているからこそ、なんだと気づかされました」
虎徹「すっかりキレイなバニーちゃんになっちゃってよーう」
バーナビー「ふふ、バーナビーですよ?」
虎徹「そう呼んだ方が良いか?」
バーナビー「いえ、お任せします」
虎徹「そーかい」
38 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/14(木) 08:45:00:00 ID:
oAjApoT6バーナビー「…… ……!! ってもう! 話を逸らさないでください!!」
虎徹「い"っ!? も、もう良いじゃないのバニーちゅわん……」
バーナビー「バーナビーです!! 良いですか? 子供を大切にしてあげてくださいね!?」
虎徹「はぁい……」
バーナビー「第一に適当に約束はしない!!」
虎徹「へいへい……」
バーナビー「第二にちゃんと帰ってあげてください!!」
虎徹「で、でも仕事が……」
バーナビー「仕事は僕が何とかしますから!!」
虎徹「へ? ……良いの?」
バーナビー「1日ぐらい貴方がいなくても、僕1人でどうとでもなります」
虎徹「……こんっのやろ、言いやがって、やっぱ生意気なところは変わってねーなっ」
バーナビー「はは、だから、お子さんを悲しませないようにしてくださいね?」
虎徹「任せとけ! バニーちゅわわわわわん!!」
バーナビー「ま、まとわりつかないでください……」
39 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/14(木) 12:30:00:00 ID:
oAjApoT6虎徹「お前は良ーい親になれるよ」
バーナビー「貴方と違って、ですか?」
虎徹「余計なお世話だ」
バーナビー「あはは、冗談です。虎徹さんはとても良いパパだと思いますよ」
虎徹「そ、そうか!? やっぱり!?」
バーナビー「適当なところをのぞけば、ね」
虎徹「……」
バーナビー「僕の良き先輩でもあります」
虎徹「持ち上げて落とされた後だからあんまり嬉しくない……」
バーナビー「頼りにしてますよ? 先輩」
虎徹「はぁー……、何だかなぁ」
40 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/14(木) 12:45:00:00 ID:
oAjApoT6虎徹「うし、今日はこの辺で退散するわー」
バーナビー「はい、お気をつけて」
虎徹「ガキじゃねえんだから大丈夫に決まってんだろっ」
バーナビー「そうですか?」
虎徹「ったりめーだ! 俺はワイルドタイガーだぞ」
バーナビー「また気軽にうちへ来てください。飲み明かすのも悪くはなかったので」
虎徹「なんか華麗に流されたが……、あの市長のー、えーと、子供の時のか」
バーナビー「ええ、ちなみに赤ちゃんの名前はサムです」
虎徹「そうそうサムねサム! やー、あの子ホァンじゃないとすぐだだこねやがってよー」
バーナビー「しかもNEXTだから大変でしたね」
虎徹「やー、お前ん家で良かったわ。あれがうちだったらと思うと……」
バーナビー「うちでも勘弁してください。……いや待てよ? 虎徹さんの事だから何か素晴らしい意図が……?」
虎徹「あのぉー? もしもぉーし?」
41 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/14(木) 17:05:00:00 ID:
oAjApoT6バーナビー「はっ!! 失礼しました」
虎徹「最近よくトリップしてるよな。何かあったのか?」
バーナビー「いえ……、虎徹さんの言動に素晴らしい意図があるのかと思って考えていました」
虎徹「はぁっ!? ねえよんなもん!!」
バーナビー「何を言ってるんですか、虎徹さんは一見ダメに見えて周囲にしっかり配慮している人です」
バーナビー「僕も最初はそれに気づけませんでしたが、次々と周囲の人を惹きつける貴方を見て確信しました」
バーナビー「虎徹さんは素晴らしい人だと!!!!」
虎徹「え、…… ……? ……また今度飲もうね?」
バーナビー「はい!!!! 是非!!!!」
虎徹「……じゃあね?」
バーナビー「明日もよろしくお願いします! 虎徹さん!!」
虎徹「あ……、うん。こちらこそ」
42 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/14(木) 17:15:00:00 ID:
oAjApoT6──週明け
虎徹「……ってな事があってな、よく分からないから逃げてきた」
カリーナ「タイガー信者と言っても過言ではないレベルね。同情するわ」
虎徹「ああもうっ! 最近の若い奴らはわからん!」
カリーナ「あら、私だって若い奴よ?」
虎徹「そうだな、プリプリのムチムチの10代だな」
カリーナ「ちょっ、何よそれ!! 今のセクハラよ!?」
虎徹「良いじゃねーか……、ちょーっと言っただけで今時の子はすぐセクハラセクハラって……」
カリーナ「ちょっとじゃないじゃない!!」
虎徹「じゃないじゃないじゃない!!」
カリーナ「ふざけないで!」
虎徹「へいへーい」
カリーナ「もう……、残る1人は私よ?」
虎徹「なんというかあっという間だったな。よろしく頼むぜ?」
カリーナ「あ……、よ、よろしくねっ!」
43 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/14(木) 17:30:00:00 ID:
oAjApoT6──
虎徹「うまいな」
カリーナ「でしょでしょ? ここ一度来てみたかったんだ!」
虎徹「うまいんだが……、なんでここ? おかしくね?」
カリーナ「良いじゃない! ジャパニーズスシ!」
カリーナとはなぜかお寿司を食べに来ることになった。
虎徹「いや良いんだけどさ……」
カリーナ「ほらっ、私のマグロあげるっ」
虎徹「あ、あはは、そりゃどうも……」
カリーナ「んふっ…… おいひぃ」
虎徹「そーかそーか、そいつは良かったな。はは……」
44 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/14(木) 17:40:00:00 ID:
oAjApoT6カリーナ「ハシもあるけど、私使えなくて……」
虎徹「ん? ハシはな、こうやって持つんだ」
カリーナ「えっ、……えっ!? 凄いタイガー、ハシ持てるの?」
虎徹「ああ、うちのおふくろは日本人だからな」
カリーナ「ああ……! だからコテツ、カブラギ、なるほど」
虎徹「良かったらハシの持ち方教えてやろうか?」
カリーナ「良いの!?」
虎徹「お安い御用さ、いいか? 中指をこうして人差し指がこうで……」
虎徹「親指で抑えてこうだ!!」
カリーナ「こうこうこうじゃわかんないー!!」
虎徹「あ、だめ?」
45 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/14(木) 17:45:00:00 ID:
oAjApoT6虎徹「しょうがねえなーったく……、ちょっとそっちの席行くぞ」
カリーナ「え?」
虎徹「手を取って教えてやる。良いか? まず最初に中指に乗せてこう!」
カリーナ「あ、あ……」
虎徹「んで次に人差し指で抑えてこう!!」
カリーナ「あわわわわ……」
虎徹「最後に親指で抑えてこうだ!! どうだ? わかったか……ってどうしたの、お前」
カリーナ「手……、手が…… あ……な、なんでもないっ!」
虎徹「うおっ! 何だよ急にでかい声出して」
カリーナ「あ……、なんでもない。えと……教えてくれ……て……ありが……とう」
虎徹「はいはいどういたしましてーっと、んじゃ席戻るぜ?」
カリーナ「う、うん…… えへへ」
46 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/14(木) 18:05:00:00 ID:
oAjApoT6カリーナ「凄い、持てた……」
ぷるぷるぷるぷるぷる......
虎徹「おまっ! あぶなっかしいからお皿を口の前に持ってきて食べなさい!!」
カリーナ「ふふ、はあーい」
虎徹「見てるこっちがヒヤヒヤするぜ……、でもま、最初はそんなもんか」
カリーナ「ねえ! 今の見てた!? ちゃんと綺麗に食べれたよ私!!」
虎徹「あ? あーうん、見てたぞー。凄かったなー」
カリーナ「……ほんとに見てたの?」
虎徹「うん見てた見てた! こう、スシが口の中に綺麗に入っていくのをな、こうスルーッと」
カリーナ「嘘っぽい……」
虎徹「う、嘘じゃないよ! おじさん嘘つかない! ね!?」
カリーナ「んー信じられない! 信じられないから今度はちゃんと見ててよね!」
虎徹「あーもうバッチリ。携帯で写メ撮っても良いぞ?」
カリーナ「それはやめて」
47 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/14(木) 18:10:00:00 ID:
oAjApoT6──
カリーナ「美味しかったー!」
虎徹「結構食ったもんな。意外に食うのな」
カリーナ「途中から全部ハシで食べれたからつい嬉しくって! ねえねえ凄くない!?」
虎徹「おーおー、凄いぞー」ナデナデ
カリーナ「えへへ……」
虎徹「お前、最近よく笑うようになったよなー」
カリーナ「へ? そう?」
虎徹「良いことだと思うぞ? 前まではよくムスーッとしてたし」
カリーナ「そんな顔してないし!!」
虎徹「自分の顔は自分じゃわからんだろ」
カリーナ「そりゃ、そうだけど……」
48 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/14(木) 18:20:00:00 ID:
oAjApoT6虎徹「んじゃ、そろそろ帰るとするか」
カリーナ「うそっ、もうそんな時間!?」
虎徹「なんだ、何かしたい事あったのか?」
カリーナ「いや……、特にあるってわけじゃないけど」
虎徹「そうか、ま、どっか行きたいとこがあったらまた付き合うからさ」
カリーナ「うん……、ありがとう」
虎徹「な、なんだ? お前にしては随分素直だな」
カリーナ「人をひねくれ者みたいに言わないでよ」
虎徹「へいへいすみませんでしたー。っと、また明日な」
カリーナ「ええ、また明日……」
カリーナ「……よし!」
カリーナ「(少しずつ、近づければ良いよね……!)」
49 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/14(木) 18:35:00:00 ID:
oAjApoT6──
虎徹「っかぁー終わった終わった。スッゲー楽しかったなー」
虎徹「なんだ、みんな良い奴じゃねえか、分かってた事だけど」
虎徹「ライバルとか言っちゃってさー、全然素直じゃないんだから……」
虎徹「……明日も休日だが、きっとヒーローの仕事とかあるんだろうなぁ」
虎徹「取材ーとか特集ーとか、そんなヒーローじゃない事ばっかでよー」
虎徹「……早速あいつに頼んでみるか」
50 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/14(木) 18:40:00:00 ID:
oAjApoT6──
虎徹「ただいまー!」
虎徹「って誰も気づかねーでやんの」
虎徹「……一気にリビングまで走ってみっか」
ドタドタドタドタドタ!!
虎徹「ただいまあー!!!!」
楓「きゃ、きゃああああああああああああ!? ……ってパパ!? なんで!? 急にどうしたの!?」
虎徹「ふっふっふ……、お前を驚かせようと思ってな。内緒で来ちった」
楓「え、え、お仕事は良いの!?」
虎徹「ああー心配いらないよ、明日までは仕事はなしだ!!」
51 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/14(木) 18:45:00:00 ID:
oAjApoT6楓「ほんとに!?」
虎徹「ああ、本当だ。パパ嘘つかない!」
楓「いっつもっ……、嘘ばっか……、じゃんっ……! パパのバカっ!」
虎徹「わりいな楓……、でも今日はほんとのほんとだ。そうだ。明日どっか行くか? 楓の行きたかった遊園地とか」
楓「ううんっ! いっつもお仕事で疲れてるでしょ? 家でゆっくりしようよ!」
虎徹「楓……」
安寿「あんた……! いつの間に帰ったんだい!?」
虎徹「よっおふくろ、ちょっとしたサプライズをしようと思ってな」
安寿「こんのバカ息子が……! 全然帰って来ないと思えば突然フラッと帰ってきて……」
虎徹「ごめんごめん」
安寿「急に帰って来たもんだから大したもの作れないよ? あーもう、冷蔵庫に何かあったかしら……」
楓「今日はご馳走?」
安寿「んー、ご馳走、したいけどねぇ……」
52 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/14(木) 18:50:00:00 ID:
oAjApoT6虎徹「俺、買い物行って来ようか?」
安寿「ああ、頼んでも良いかい?」
楓「パパ買い物行くの!?」
虎徹「急に帰って来ちまったからな。これぐらいはしようと思って。楓も来るか?」
楓「うん!! パパと一緒に行く!!」
虎徹「そーかそーか、楓はいいこだなぁ」
楓「えへへ! 早く行こう!」
虎徹「わっ、ちょっ、危ないから引っ張んな。わかった、わかったから」
楓「はーやーくー!! せっかくの時間がもったいないよ!」
安寿「じゃあメモしておいたから、これ買ってきてくれる?」
虎徹「りょーかい、んじゃ行こっか、楓」
楓「しゅっぱーつ!!」
【虎徹「なっ、なんなんだよお前達!!」】
おしまい
53 :
以下、VIPにかわりましてホライゾーンがお送りします :2011/07/14(木) 18:55:00:00 ID:
oAjApoT6ここまで読んでいただきありがとうございました。管理人のホライゾンです。
久々にSSを書けてとても楽しかったです。それではまた!
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