前→
男「男同士の語らいでもしようじゃないか」女「何故私とするのだ」
542 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 18:44:09.52 ID:
wjmwi+Is0 女「昨日、別れ際に''また明日''と、言ったが。どうなんだろうな」
女「週末が連休制になってからという物、こう、扱いづらいものがあるな」
女「ま、要するに今日は日曜日なわけだが」
女「二日続けて、遊戯に誘うのも、野暮なものかな」
女「大人しく、今日は家で勤勉に励とするか」
__________________________________
女「む、ノックの音が。・・・・・・・・・・・・・・はい、何方でしょうか。」
男「おはよう、今日は俺のターンだ。迎えに来たよ」
女「やあ、思わぬ。いや、願った来客だよ。昨日の言葉は嘘ではなかったと」
男「当然だ。施しを受けたら、返すのが礼儀さ」
女「ふふっ、そういうと思ったさ」
男「さ、着替えてくるといい。部屋着では、外出はできないだろう?」
女「そうだな、では、御めかししてこよう。」
男「ドレスアップが楽しみだよ」
女「そうか、その御眼鏡に叶うよう、努力するよ」
544 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 18:51:51.23 ID:aPI/vj7w0
きたかこのやろう
まってたぞこのやろう545 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 18:55:10.55 ID:iWjwh2Q70
うっひょー!!!!!!!
おせーぞばかやろう!!!!!
ゆあぺーす書きやがれこのやろう!!!!!!546 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 18:57:06.39 ID:
wjmwi+Is0 ____________________________
男「おお、想像以上だ」
女「そう、か。慣れないものなのだがな」
男「黒ニーソックスに、ふわふわの紫のミニスカート。絶対領域が素晴らしい」
女「絶対領域、か?」
男「それについてはまた今度説明しよう。」
女「ああ、待ってる」
男「それに背中は紐で繋がっているタイプのキャミソールか・・・・・露出し過ぎじゃないのか」
女「暑くなってきたからな。これぐらいでも良いのではないか、と思ってな」
男「男目にはとてつもなく素晴らしい出来だ」
女「光栄だ」
男「今度は自分の私服について語るのもいいかもな」
女「明日、登校時にでも話そうじゃないか」
男「それもいいな。さて、着替えも、講評も済んだことだ。出発しよう」
548 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 19:05:37.63 ID:
wjmwi+Is0 女「何処に行くのか、目的地を聞いてもいいかな」
男「まだ、秘密・・・・ではダメかな」
女「良いだろう。期待に胸を躍らせるのも、また一興さ」
男「そう言われると、大したものを出せなかった時が」
女「それについては気にするな。一緒に出かけることが出来るだけで十分なのだから」
男「そうだったな。俺達の間に、そういう心配は不要だった」
女「気づいておけよ」
男「鈍くて悪かった。さ、て、だ。交通機関はどれで行こうか」
女「なんだ、選択肢が有るのか」
男「あぁ、な。結構な距離がある」
女「ほう。では、どうだ。昨日乗った交通機関以外、という縛りを付けてみては」
男「そうすると、そうだな。電車しか有るまい」
女「電車か。良いな」
男「偶には、な。それでは、駅へ行こう」
女「ああ、承知した」
550 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 19:11:31.75 ID:
wjmwi+Is0 男「く、それなりに人数が多いな」
女「痴漢が出そうだ」
男「なぁに、痴漢など出没したら、八つ裂きにしてくれる」
女「それは、やり過ぎじゃないのか」
男「少なくとも、その手は再起不能だ」
女「頼もしいよ」
男「さ、切符を買おう」
女「この時点で、目的地は大体バレないか」
男「目を瞑っておいてくれよ」
女「仕方がないな」
男「本当に目を瞑るとは。そこまでしないでいいさ」
女「そうか、冗談が通じなくてな」
男「冗談、というより慣用句だがな。よし、こっちのホームだ」
女「こっちの方は、それほど人は多くないな」
男「目的地が、目的地だからな」
556 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 19:19:03.56 ID:
wjmwi+Is0 女「電車が来たようだぞ」
男「この閑散とした様子だと、痴漢など、無縁だな」
女「そうだな。が、すこし残念だ」
男「お前は痴漢をされたかったのか」
女「曲解するな。お前が私を守る様を見たかったのだよ」
男「ははは、ぬかせ」
女「本音さ。自分を守ってくれる、それを現実に目の当たりするときほど、その人物に対して感動できる瞬間だと思うからね」
男「感動、ね。俺はヒーローじゃない。感動できるような行動はできないさ。小汚い真似を使って、戦うだろう。失望するだけだ」
女「そういうものかな」
男「そういうものさ。さて、座席は存分に開いている。何処にでも座り放題だぞ」
女「では、ここに座ろう。さ、隣に座れ」
男「良いだろう。出発するようだ。反動に備えたほうが良い」
女「分かっているさ」
男「念のためだ。・・・・・・・・・・・・・・動き始めた」
女「ふふ、早く着かないかな。非常に楽しみだよ」
557 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 19:25:29.96 ID:
wjmwi+Is0 男「この、レールとレールのつなぎ目の隙間によって発生する、振動。心地良いものだな」
女「赤子は、緩やかな振動で落ち着く、と言われるが、案外私たちの歳になっても、本質は変わらないのだろうな」
男「三つ児の魂百まで、か」
女「それは少し、ニュアンスが違うような気がするが」
男「がたん・・・・・ごとん・・・・ってな。昔ながらの古い電車だから、余計に振動が直に伝わる」
女「本当だ。良いな、心地良い」
男「電車はいいな。色々と、趣深いよ」
女「お前に言わせると、何でも趣深くなる」
男「そう、かもな。何気ないことを楽しむ。そういうのって、良いだろう」
女「同感だよ」
男「では、暫し、到着までこの電車の趣深さを味わおう」
女「ああ」
______________________________________
_____________________________
_____________________
558 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 19:31:26.60 ID:
wjmwi+Is0 男「もう、到着か。予想していたよりも随分早く到着した」
女「そのようだな」
男「さ、降りよう」
女「お手は?」
男「どうぞ、お嬢様」
女「ふふ、有難う」
____________________________________
男「・・・・・・・・・・・気持ちの良い風だ」
女「長閑だな。良い田舎町だ」
男「もう、殆ど目的地はバレているだろうが」
女「目の前に有るものな」
男「ま、そうなのだが。まあいいさ、先へ進もう」
女「ああ」
559 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 19:36:29.94 ID:
wjmwi+Is0 ___________________________________
男「紹介、はしなくても良いか。まぁでも一応、しておこう。海だ」
女「潮の匂いが、良いな」
男「綺麗な海だろう」
女「ああ、凄く透き通った青だ」
男「さ、て。しかし、俺が来ようとしていた場所は、此処ではないのだ」
女「何、違うのか」
男「この砂浜へはあとで来よう。本命はこっちだ」
女「余りそう急がせるな」
男「悪いな。でも日が高いうちに見せたいからな」
女「分かった。急ごう」
男「ああ、転けない程度に走ってくれよ」
570 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 19:48:22.57 ID:
wjmwi+Is0 男「本命だ」
女「わぁ・・・・凄いな」
男「だろう。だれも知らないのだよ。この秘境は」
女「確かに、帰り道も思い出せるか危うい」
男「小さい頃から、祖母、祖父の家へ来ては、此処に通い詰めていたのだよ」
女「通りでスイスイ進めるわけだ」
男「そうさ」
女「それにしても・・・・綺麗だな。海沿いの山など、海のお負けにしか見えないものだが、少し中へ入ってみれば、ここまで素晴らしい渓流が見られるなんて」
男「小さい頃から俺は弄れていてな。皆、海へと足を運んだが、俺は山へ行ったんだ。その時、偶然、な」
女「ふふ、小さいころ、か。見てみたいものだ」
男「写真、は有るが。あまり見せたいものではないな」
女「誰しも幼き自分、というものは、余り見せたいものではないさ」
男「そういうものか」
女「そういうものだ。私も幼き自分は見せたいものじゃない」
男「可愛かったがな」
571 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 19:53:50.64 ID:
wjmwi+Is0 女「何故知っている」
男「玄関に、飾ってあっただろう。写真」
女「ああ、失念していた」
男「いやぁ、可愛かったぞ、本当に」
女「余り褒めるなよ。それに、昔の自分に称賛を貰ったところで、今の自分に影響はない」
男「それは、遠まわしに、今の自分を可愛いと言ってくれ・・・・と言っているのか?」
女「誤解するなよ」
男「安心しろ。十分お前は可愛い。それに美しいさ」
女「誤解だ、と言ったのに」
男「そう言いつつも、顔が少し赤いぞ」
女「照り返しだ。少し、水で遊ぶ」
男「どうぞ、堪能していってくれ」
女「ああ、そうさせてもらう」
男「ふ、やれやれ、だ。」
575 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 20:07:27.38 ID:QiXpoDcaO
なんだろうこのサッパリとしたときめきは572 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 19:59:10.15 ID:
wjmwi+Is0 女「おお、沢ガニが居るぞ」
男「まぁ、ここは淡水だし、水も十分綺麗だからな。居ても不思議じゃないだろう」
女「それもそうだな。・・・・・・おお、魚もいるぞ。キラキラ光って綺麗だ」
男「だろう。俺もそれに魅了されていた」
女「こっちへ来ないのか?」
男「ん、まあ、昔相当遊んだから、な。あまり、積極的には」
女「・・・・・気づけ。誘っているのだ」
男「それは悪い。では、俺も水へ入らせてもらおう」
女「転けるなよ」
男「ベテランだ。そんな些細なミスはしない」
女「そう、か。面白いものが見れそうだったのにな」
男「何だ」
女「男のびしょ濡れ姿、とか」
男「とことん、だな」
女「それは褒めてないことだけは分かったぞ」」
574 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 20:05:37.42 ID:
wjmwi+Is0 男「ところで、お前はニーソックスは何処へ置いたのだ」
女「あそこの石の上だ」
男「そうか、風で飛ばないように気を付けろよ」
女「気を付けたって、飛ぶものは飛ぶだろう」
男「訂正しよう。飛んで、どこかへ行ってしまわないようにするべきだ」
女「了解した。気をつけて見ておく」
男「しかし・・・・、随分と、苔が増えたな」
女「誰も来ないから、だろう」
男「ま、これも陽の光を反射して、綺麗といえば綺麗なのだがな」
女「多少転け易くはなるがな」
男「・・・・聞いてもいいか」
女「なんだ」
男「今のは意図した洒落か」
女「む?・・・・・・・あ、ああ、違う。偶然の産物だ」
男「そうか。しかし、少し水の温度が下がった気がしたよ」
576 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 20:12:53.98 ID:
wjmwi+Is0 女「失敬な。これでも喰らうがいい」
男「っ、冷たいだろう。反撃するぞ。停止を要請する」
女「駄目だ。私の戦意に火をつけたお前が悪い」
男「ならばその攻撃、身を持って応戦しよう。此処で止めなかったことを後悔させてやる」
女「来い、お前の攻撃、全て避けてみせる」
男「その言葉、しかと聞いたぞ。さぁ、喰らえ」
女「う、わ、バケツで水を掛けるような量をお前は掬い上げるのだな」
男「訓練の賜だ。それ、避けてみろ」
女「っ、うわ、半分も避けきれなかった。これでは」
男「それ」
女「っあ、っは。・・・・・・・全身びしょ濡れじゃないか」
男「自業自得だ」
女「これでは、全身興奮促進剤じゃないか・・・・・」
男「ああ、俺は凄く今、満たされた気分だ」
女「意地悪・・・・」
577 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 20:15:36.61 ID:9Rq4Lu590
うおおおおおお578 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 20:17:06.02 ID:F5/Ch1nXP
そろそろパンツ脱ぐか580 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 20:21:04.79 ID:
wjmwi+Is0 男「下着まで、ハッキリと分かるレベルで透けてる」
女「誰のせいだ」
男「自業自得だろう」
女「反論できない」
男「まぁ、でもそのままだと風邪を惹く。ほら、タオルだ」
女「・・・・・用意いいな」
男「誘った場所が、誘った場所だからな」
女「ふふ、いい匂いだ」
男「体にやさしい石鹸洗剤だ」
女「環境にも優しいな」
男「環境に優しい、なんてのは、人間の持論だろう。なにが良くて、何が悪いか。基準はすべて人間だ」
女「そうだな、優しい、などと言って、悦に浸るのは良くないこと、、か」
男「敢えて言うなら、人間に優しい、だな」
女「まったくもって、その通りだ」
587 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 20:37:47.46 ID:
wjmwi+Is0 男「しっかり乾くまで、そこの日向にいるといい」
女「ああ、わかったよ」
男「そんな格好じゃ、とても人前には出せないからな」
女「出せない、か。出れないじゃなくて」
男「ま、独占欲とでも言うのかな」
女「私を独り占め、したいのか?」
男「そうかも、な。いや、そうだよ。お前を独り占めしたい」
女「・・・・・・冗談か?」
男「冗談じゃないさ」
女「嬉しい」
男「嫌がらなくて何よりだ」
女「ふふ、変な話だ」
男「そうだな、我ながらおかしな話をしてしまった」
女「らしくない」
男「本当、らしくないな」
589 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 20:50:35.17 ID:
wjmwi+Is0 女「そろそろ、乾いてきたかな」
男「さ、ニーソックスも履いて」
女「やたら、ニーソックスを押すな」
男「今日のファッションの要ではないか」
女「絶対領域、という奴か。気になるな。教えてはくれないか」
男「なあに。そんな大したものじゃない。ソックスとスカートの間にできる領域のことを、そう言っているだけさ」
女「なんだ、それだけか。こんなモノがいいのか」
男「やめろ、めくるな」
女「なんだ、どうした」
男「男というものはな、その、絶対領域の、下着が見えるか見えないか。そこに興奮するんだよ」
女「本当に良く分からないな・・・」
男「男の、もう文化、だな」
女「そのようだな。解するのは時間がかかりそうだ」
男「ま、じっくり解してくれよ」
女「善処する」
591 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 20:53:58.63 ID:6fMHlJFs0
くそっくそっくっそっ!!!596 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/12(日) 21:02:14.89 ID:Me1p/gCN0
壁殴りをお願いしたいんですが、オススメのコースとかありますか?599 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/12(日) 21:06:37.56 ID:PpPbmZVL0
>>596
手軽にすっきり→一時間コース
超痛快な気分になりたい→壁崩壊二時間コース597 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 21:05:48.82 ID:
wjmwi+Is0 男「乾いたようだな」
女「ああ、十分乾燥したよ。これで下着は透けそうにない」
男「安心した」
女「それは良かった。この後のご予定は」
男「そうだな。浜辺で夕日でも眺めるか」
女「ふふ、ロマンティックだな」
男「定番だな。しかし、これもまた、綺麗なのだよ」
女「楽しみだ」
男「しかし、見るだけなのも、手持ちぶたさであれだな。通り道のコンビニで、アイスでも買っていこう」
女「そうしよう」
男「先の償いだ。ここは俺が奢るからな」
女「自業自得だと言っていたのに」
男「ただ奢りたい気分に理由をつけたんだ」
女「素直じゃない」
男「本当に、な」
609 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 21:30:31.91 ID:
wjmwi+Is0 女「リーズナブルな価格の氷アイス、な」
男「商品名は言わずもがな、って奴だ」
女「昔ながらのこの味、私は好きだ」
男「財布にも優しくて一石二鳥だしな」
女「さ、浜辺へ向かおう。日暮れは近いじゃないか」
男「ああ、そうだな。アイスも溶けないうちに」
女「溶けないうちに、ね。しかしどうだ、ここで開封し、食べながら進む、というのは」
男「あまり褒められる行動じゃないな」
女「若さ故の過ち・・・・で見逃しては貰えないかな」
男「そうだな、よし、いいだろう」
女「ふふ、感謝するよ」
男「さ、お前の分だ」
女「有難う」
男「ゴミはこっちへ寄越せよ」
女「ああ、わかった」
610 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 21:33:19.56 ID:GE85TPAj0
そういや久しくガリガリ君食べてないな…
今年の夏は食べるか、一人で612 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 21:33:53.88 ID:EVifgFvl0
ガリガリなのかダブルソ-ダなのか
個人的には二人で割って食べるダブルソーダを推したい615 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 21:36:10.22 ID:su5guLEV0
>>612
で、それを左右の手に持って交互に食べるのだろう
私と一緒だな…616 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 21:39:58.82 ID:EVifgFvl0
>>615
一緒に食おうぜ……617 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 21:40:34.63 ID:
wjmwi+Is0 男「・・・・・・・・・・・・・まだ少し舐めた程度なのだがな。もう着いてしまった」
女「早いな。そして日暮れは・・・・もうすぐか」
男「ああ、じきに、太陽が水平線へ」
女「太陽は、無くなってなど居ないのだがな。しかし、そこはかとなく、物哀しくなるのは、仕方ない勘定なのかな」
男「視界から消え失せるだけだと分かっているのにな。何故だろうな」
女「・・・・・人間の出会いと分かれ、の様なものだろうか」
男「そうかもな。絶対に会えないわけではない。むしろまた会えるのに。別れはいつも、寂しい」
女「ふふ、その寂しさを無くすために、人間は結婚という制度を創りだしたのかもしれないな」
男「一人では生きて行けないから、ね」
女「なんだ、いきなり」
男「俺の好きな歌の詩だよ。人は皆、誰でも、一人では生きて行けないから、みんな、素敵な友達を、その手を繋ぐのさ。ってね」
女「素敵な友達、ね」
男「さ、そうこうしてるうちに、日が沈み始めた。見るといい」
女「綺麗だ」
男「綺麗だな」
630 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 22:09:33.60 ID:
wjmwi+Is0 女「ああ・・・・・もう沈んでしまう」
男「・・・・・・・・・・・・・・沈んだ、な」
女「儚かった」
男「そんなものさ。さあて、そろそろ帰宅するとしようか」
女「明日は学校だしな」
男「ああ。早めに帰ることを心がけよう」
女「そうだな」
男「幸い駅までの道のりも近い」
女「ふふ、そうだ。追いかけっこでもしてみるか?」
男「やめておけ、お前、その履物じゃ走れないだろ」
女「ほら、置いていくぞ」
男「まったく、人の話を聴くべきだ」
女「説教は電車の中で聞くよ」
男「仕方ない、俺の脚力を甘くみるなよ」
女「分かっているよ、だからフライングしたんだ」
635 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 22:28:24.94 ID:
wjmwi+Is0 男「着いたな」
女「息切れ、しないんだな」
男「お前の走りは、ランニング以下だっただろう」
女「履物の選択を間違えたな」
男「いや、合っているのだがな。」
女「提案した側が出来ないなど、失礼極まりないだろう」
男「いや、そうなのだが。そうなると、お前はいつも運動靴で出かけなければならなくなる」
女「不服か」
男「大いに不服だ。断固拒否だね」
女「そう、運動靴も悪いものではないと思うがな」
男「悪くはないさ。しかしその日のファッションに合わせて欲しいものだ、と言っているんだよ」
女「了解したよ。さ、ホームへ進もう。時刻表によればもうすぐ電車は到着するらしい」
男「それは急がなければならないな」
女「行こうか」
男「ああ」
641 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 22:43:27.49 ID:
wjmwi+Is0 __________________________________
女「先程も言ったが、こういう乗り物の緩やかな揺れ、って言うのは心地良く、そして」
男「眠気を誘う、か」
女「その通りだ。昨日のように寝てしまうかも知れない」
男「その時は俺が責任をもって起こしてやるよ」
女「悪いな。どうも遊び疲れて眠いのだよ」
男「眠たいなら、寝ればいいさ。お前の寝顔は可愛いからな。見てて心が安らぐ」
女「安らぐ、ね」
男「不服か?」
女「接吻を試みようとか思わないのか」
男「さぁ、どうだろうな」
女「ここではぐらかすのか」
男「はぐらかすのだ」
女「全く」
男「そういう質問をしてくるお前にも、俺は溜息をついてやりたいがね」
644 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/12(日) 22:52:29.57 ID:vxGYEcxgI
俺ならこの場で接吻を試みてしまうな。646 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 22:55:49.62 ID:nOxVfMBe0
見てる側が一番ため息物647 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 22:56:05.57 ID:
wjmwi+Is0 女「ふふふ、どういう顔をするか、反応を見たかったんだよ」
男「性悪だな」
女「悪かったよ」
男「反省するならいい」
女「ふぁ・・・・眠くなってきたよ、いけないな。」
男「何がいけないというのだ」
女「何がいけないんだろうな」
男「禅問答か」
女「そうとも言うし、そうじゃないし」
男「曖昧だな」
女「この世に、全てに置いて、ハッキリしたものなど無いさ。全て、まだ未知の部分がある」
男「そうだな。人間の脳に電気信号が走ってると言われても、パッとしないし」
女「そう、そういうものなんだよ。きっと。何でも。」
男「どうした。投げ遣りだな」
女「眠いんだよ。そう、眠いんだ。寝言のような物、さ」
649 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 23:02:54.86 ID:
wjmwi+Is0 男「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・寝たのか」
女「ん・・・・・んん・・・・・・」
男「そんなに安らかな顔で、抱きしめられてもな。そんなに心地の良い胸板じゃない」
男「本当に、な」
男「俺みたいな、胸の内が、もやもやしたような奴の胸板なんか」
男「どうしてそんなに気持よさそうに寝れるかね」
男「・・・・しかし、跳ねた髪が鼻を擽ってくるのは、どうにかならないだろうか」
男「嚔を催しそうだ」
___________________________________
女「んぁ・・・・・・いかんな。案の定寝てしまっていたか」
女「・・・・男が寝ている」
女「というより、私は、また男に体を預けていたのか。しかも今回は、より、多く」
女「・・・・・・・なんか、変な気分だ。」
女「そろそろ到着か、この寝顔を崩すのは、多少忍びないが、仕方ない事だ。起こすとしよう」
女「ほら、もうそろそろ起きるんだ。到着するぞ」
650 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 23:07:29.33 ID:
wjmwi+Is0 男「ん、あぁ、なんだ、俺は寝ていたのか」
女「責任をもって起こす、とか言っていたのは誰だっけか」
男「悪い。逆になってしまったな」
女「良いんだ。逆に、貴重な体験をさせてもらったよ」
男「そんなに俺の寝顔は可笑しかったか」
女「そんなことはない。ただ」
男「ただ、なんだ」
女「ここで、はぐらかす」
男「やり返しか。やめろ、凄く今、胸の内が燻る」
女「はは、悶えるといいさ」
男「鬼畜だな」
女「今度は認めよう」
男「何故だ。あっさりだな」
女「その燻りの苦しさは、知っているから、かな」
男「そうか。ま、辛いことがあるなら、相談してくれよ。言うだけで楽になることもある」
653 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 23:12:51.34 ID:
wjmwi+Is0 女「・・・・・・分かったよ、何かあれば、一番に相談しよう」
男「嬉しい返事だ」
女「電車が駅へ到着したようだ。下車の準備を」
男「万端だ」
女「分かった。行こう」
__________________________________
男「もう、既に、真っ暗だな。分かっていたことだが」
女「そうだな。何故か、街あかりが懐かしく感じるよ」
男「都会人め」
女「それは、お互い様ではないか」
男「俺は、そこまで無いからな」
女「そうか。共通意識が持てなくて残念だよ」
男「ははは、精精、残念がるがいい。先のお返しだ」
女「復讐は何も産まない」
男「今更な話だよ」
655 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 23:18:36.14 ID:
wjmwi+Is0 女「こうして、歩いていると、色々考えてしまうよな」
男「歩く、という運動は適度に脳に酸素を送るからな。その点、非常に考え事をする際、好都合なのかも知れない」
女「ほう。理にかなった説明を有難う」
男「まぁ、そんなのは、理屈でしか無いのだがね」
女「理屈が無いと、何もかも、成り立たないさ」
男「そうかもな」
女「自分たちが思っている以上に、な」
男「本当に、色々考えるな」
女「徒歩中だからな」
男「ははは」
女「ふふっ」
男「・・・・・・・・いいな、こう言うの」
女「ああ、本音で語って、尚且つ笑えるなんて。こんなに幸せなことはないよ」
男「お前にはこれ以上無い幸せが幾つもありそうだ」
女「同列1位さ」
671 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 23:48:32.74 ID:
wjmwi+Is0 女「本当に・・・・幸せだよ」
男「どうした。そんなに真剣になって」
女「真剣さ。真剣に幸せだからな」
男「では俺も。真剣に幸せだ」
女「はは、ははははは」
男「なんだ、人が真剣な顔をしたら笑うとは」
女「いや、な。やはり、いつもの顔のほうがいいよ」
男「失敬な」
女「ふふ・・・、もう、家に到着、か」
男「今日もやっぱり早かったな」
女「ああ、楽しい時間は過ぎるのが早い」
男「相対性理論だっけな。」
女「その辺の難しい話は私は解さないが。でも、そういう法則があるなら。」
男「なんだ」
女「そういう法則が恨めしい」
676 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 23:55:11.42 ID:
wjmwi+Is0 男「そう、だな」
女「楽しい時間は、長くなればいい。苦しい時間は短くなればいい。どうしてそういう風に、人間を作ってくれなかったのだろうな。神は」
男「ああ」
女「神、という存在が、本当にいるのだったら。私よりも、ずっと、ずっと、鬼畜だ」
男「はは、自分が鬼畜と・・・・、認めてはいたか。ま、神なんて、居ても居なくても、俺達には感じられない。それが現実さ」
女「その通りだ。居ないもの、いや、感じられないものに、思いを馳せたって仕方がない。それは時間を無駄にしているのと同じこと、かな」
男「多分、な。・・・・・・・・・ほら、もう遅い。もう家に帰って休もう」
女「そう、だな」
男「また、明日会えるだろう」
女「絶対、会えるか」
男「ああ、絶対だ」
女「絶対だぞ」
男「わかってる。では、また明日」
女「・・・・・・また、明日」
678 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/12(日) 23:57:25.92 ID:ZEZzdS2Y0
切なくなってきたぜ823 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 20:44:46.99 ID:
bHDhVGPY0 男「おはよう。今日は生憎の雨だな」
女「ああ。しかし生憎、というのも少しばかり失礼だろう。恵みの雨だ」
男「だが、如何ともしようがないテンションの下がりは有るからな。生憎、だ」
女「でも、女子生徒が濡れると興奮するのだろう」
男「それとこれとは話は別だ。自分が濡れるのは、嫌だからな。」
女「まあ、そうか。着替えるの面倒だものな」
男「まぁ、本当はそこまで雨も嫌いではないのだが」
女「矛盾しているな」
男「雨のせいだ」
女「雨も、思わぬとばっちりで苦笑していそうだ」
男「苦笑してないさ。泣いているんだよ」
女「ふふ、やはり君はロマンチストだ」
男「そんなことはない。何処かで聞きかじった言葉を並べただけだ」
女「照れてるのか」
男「そんなことはない」
831 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 21:05:10.96 ID:
bHDhVGPY0 女「さて、現在登校中だ」
男「ああ、その通りだ」
女「約束は、忘れていないか」
男「悪い。記憶にない」
女「全く。男談義に花を咲かせると約束しただろう」
男「男談義、ね。それじゃあ、まるで、男について話すようだ。話すのは専ら女についてだよ」
女「分かっているさ。で、会話させて頂けるのかな」
男「雨脚が強い。傘に当たる水の音が鬱陶しい。放課後ではダメ、か」
女「仕方ない。我慢しよう」
男「助かる。では、今日は早めに進もう」
女「何故だ。」
男「靴下が濡れるのが億劫だ」
女「分かったよ。早足で進もう」
男「有難い。しかし、滑らないように頼むよ」
女「それは自分に言い聞かせることだ」
832 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 21:10:21.18 ID:
bHDhVGPY0 男「早歩きは効果覿面だったな。もう到着した」
女「だな。傘はきちんと水を切っておけよ。後続のものに迷惑だ」
男「心得た」
女「では、私は先に教室へ向かう」
男「ああ、それでは、また昼休み」
女「ああ、また、な」
____________________________________
___________________________
______________________
男「月曜日というものは、相変わらず嫌なものだな」
男「気分が常にダウナーだ」
男「しかも今日は雨と来た」
男「雨は嫌いではないが」
男「外に出にくい、というのは難点だな」
男「昼休みが待ち遠しい」
834 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 21:17:04.45 ID:
bHDhVGPY0 男「さ、昼休みだ」
女「迎えに来たよ」
男「っと、なんだ、少し驚いたぞ。何故こんなに来るのが早い」
女「今日は、教師がご機嫌でね。早めに終わらせてくれたのだよ。だから」
男「俺のところへ、か。ご苦労な事だ」
女「ところで、今日は何処で食事をしようか」
男「うーむ。いつも通りで良いのではないか」
女「了解した。さ、行こう」
男「ああ」
_______________________________________
女「意外と階段が足に来る」
男「疲れが取れてないのさ。俺も同じだ。さすがに疲れた」
女「しかし、どうもここは落ち着くな。文化棟の最上階の踊り場、ね。いつも通りで安心したよ」
男「ここまで足を運んで食事を取る生徒など、そう居ないさ。というより、俺等以外には居ない。」
女「ああ。さぁ、食べるとしようじゃないか。昼休みは短い」
837 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 21:22:34.86 ID:
bHDhVGPY0 男「今日は、きちんと弁当持参だ」
女「コンビニ弁当か。身体に悪いぞ」
男「そういうなよ。お前の弁当が恋しくなる」
女「欲しければ、分けてやるぞ?」
男「では、そのジャガイモを頂こう」
女「肉じゃがの、肉ではなく、ジャガイモか。」
男「ああ、味が一番染みて、美味だからな。・・・・・・・・・・・・ああ、やはり美味い」
女「そうか、喜んでもらえたなら幸いだ。」
男「また弁当を忘れたくなる」
女「偶に、なら忘れてもいいぞ」
男「ああ、その前に日に、きちんと伝えよう」
女「ふふふ、ああ、待っているよ」
男「明日は忘れるぞ」
女「いきなりか。まぁ、良いだろう」
男「よし、そうと決まれば今日のコンビニ弁当の味を良く確かめて、明日の美味さを更に確信の物としようじゃないか」
841 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 21:32:35.71 ID:
bHDhVGPY0 女「どうだ、コンビニ弁当の味はよく味わえたか」
男「ああ、有難いほどにな。この後、どうする」
女「どうする、と言われてもな」
男「図書館、でも行くか」
女「良い提案だ」
男「・・・・・・・・・・・階段を降りるのというのは、何か、不思議な感じがするな」
女「そうか? 別に何も感じないが」
男「というより、怖い。恐怖を感じる」
女「本音が出たな。まぁ、確かに怖い物はある」
男「だろう。怖い、という感情は、人間を急変させる」
女「いきなりだな」
男「怖いのだよ。急変したのだ」
女「例えば、だ。私が、有り体な女の子のように、こう」
男「やめろ、抱きつくな、いきなり」
女「きゃ、怖いよ」
843 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 21:37:50.86 ID:
bHDhVGPY0 男「・・・・・・っ」
女「というようにするのが、恐怖による急変か」
男「脅かすな」
女「脅かしてなどいないさ。実演したまでだ」
男「それが驚いた、と言っているのだ。しかし、なんだ」
女「どうした」
男「非常に可愛かった。いつもあの様にしていれば、男はいくらでも寄ってこよう」
女「ふふふ、嬉しいことを言ってくれるじゃあないか」
男「事実だ、事実」
女「むむ」
男「とりあえず、その掴んでいる腕は、危ないから離して欲しいのだが」
女「嫌だ。話すと私が危ない。手摺側にいるのは、そっちだ」
男「仕方がない奴だ」
女「隣を歩きたいんだよ。不満か」
男「いや、全然、な。」
845 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 21:44:30.28 ID:
bHDhVGPY0 女「さて、階段を降りたら、すぐ図書館か」
男「行き際に、いつも見ているだろう」
女「あまり利用しないからな。つい邪見に扱ってしまっていた」
男「今日は雨だからな。利用客が多いかも知れないな」
女「さ、とりあえず入ろう」
男「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・閑散としているな」
女「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そのようだな」
男「というか、司書の先生すら居ないじゃないか」
女「なんだ、今日は会議でもあっているのか」
男「ん、なんだこの机に置いてあるのは。何、今日は閉館するとの書き置きか」
女「扉に貼るのを忘れていたようだな」
男「後、鍵を掛けるのも忘れているようだ。年配の方だ。仕方有るまい」
女「そうだな。・・・・・いや、しかし。良いな。独占だ」
男「こう言う広い部屋を、二人で独占できるとはな。何故か気持ちが良い」
女「独占欲、という奴か」
847 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 21:51:52.51 ID:
bHDhVGPY0 男「そうだ。独占だ。他に誰も来ないよう、鍵を閉めておこう。張り紙も貼っておこう」
女「意地悪だ」
男「こう言いかえればいいか?お前と二人っきりで話せる広い空間を保持したい、とな」
女「冗談の上手い奴だ」
男「・・・・・・お褒めに預かり光栄だよ」
女「光栄の割に、浮かない顔だな」
男「気のせいさ。さぁ、どんな本でも読み放題だ。とくと、読んでいってくれ」
女「ふふ、自分の本ではないのに、恰も保有物のような言い方だな」
男「言ってみたくなるものだろう?」
女「分からないでもない」
男「では、言うとおり、何か本でも読もう」
女「・・・・・・・・・・・・む、こんなのはどうだ」
男「冒険物、か」
女「冒険物は、心が弾む。私はこういう者に憧れるよ」
男「誰でもそうさ」
849 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 22:00:55.27 ID:
bHDhVGPY0 女「これ、なんかどうだ」
男「随分高い位置の本を取ろうとするな。怪我をするなよ」
女「心配は無用だ。本棚はそう簡単に倒れない」
男「いや、そうじゃなくてだな」
女「む、なん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ」
男「ほら、言ったとおり。怪我しそうになる。」
女「有難う・・・・助けてもらった」
男「今日は結露が酷いからな。滑ると思って準備しておいて正解だった。大事に至らなくて安心したよ」
女「ところで。意図しているか意図していないかは分からないが、少し、強く抱きしめ過ぎではないか。」
男「準備していたからと言って、驚いていないわけではない。悪いな、筋肉が強ばったんだよ」
女「ふふふ、本当。優しいな」
男「さ、立てるか」
女「腰を抜かしたりする訳・・・・・・・・・・・・済まない。」
男「抜かしたのだな」
853 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 22:06:27.81 ID:
bHDhVGPY0 女「悪い・・・・椅子まで運んでくれないか」
男「お安い御用だ」
女「下着も少し濡れてしまった」
男「漏らしたのか」
女「ち、違う。結露で濡れたのだ」
男「ほら、座れ」
女「有難う・・・・もう時期立てる」
男「無理はするな」
女「ああ、大丈夫だ」
_____________________________________
男「どうだ。もう大丈夫か」
女「ああ、心配かけたな」
男「じゃあ、教室へ行けるな。では、また放課後、だな」
女「ああ、また、放課後」
857 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 22:12:20.24 ID:
bHDhVGPY0 _________________________________
女「さ、て。興味を余り持てない授業は、過ぎるのが一層遅い。やっと放課後だ」
女「男のところへ、参りますか」
男「その必要はないぞ」
女「来たのか」
男「交代交代だ。悪いことじゃないだろう」
女「ああ、むしろ嬉しい」
男「そうか、ならば良かった。行こうか」
女「ああ、行こう」
男「・・・・・・・・・・・・・・それにしても」
女「なんだ」
男「行きつけのあの空き教室。何故、誰も来ないのだろうな」
女「空き、だからだろう」
男「しかし、誰か来てもいいような雰囲気は有るがな」
女「だから私たちが居るのだろう」
858 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 22:17:55.21 ID:
bHDhVGPY0 男「そうだな。その、誰か、は俺達か」
女「その通りだ。他に来たとしても、私たちがいて入りにくいからな」
男「しかし。ああいう教室に入ると、ハプニングなど、起こってもいい気がしてくるよな」
女「例えば何だ」
男「女子が着替えていたりしてな」
女「私は着替えたがな」
男「あれはハプニングではない」
女「私にとっては十分想定外だったのだが」
男「あくまでも、俺の視点だ」
女「そうか」
男「そうだ」
女「想定外、ね。しかしそんなことが起こったとしても、そこまで嬉しい物なのか」
男「ハプニング、と言うだけで、興奮度合いが激増だ」
女「不思議な法則だ」
男「必然的な現象だ」
859 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 22:23:29.72 ID:
bHDhVGPY0 女「何、何故そこまで興奮度合いが上がるのだ」
男「何故って、吃驚したという心臓の鼓動と、同時に、興奮したものによって起きる心臓の鼓動。」
女「ああ」
男「それを、脳が勘違いして、両方を興奮と捉えるんだ。よって、必然的に興奮度合いは増す」
女「脳の勘違い、ね」
男「空想なのだがな」
女「なんだ、妄想か」
男「違う、空想だ」
女「そこに差異は有るのか・・・・?」
男「分からない。が、何故か譲る気はしない」
女「分かったよ、空想でいいさ。さ、教室に入ろう」
男「ああ、今からが本題かな」
女「私が、待った、な」
男「そこまでヤケになって話す話題か?」
女「ふふふ、どうだろうな」
860 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 22:29:38.70 ID:
bHDhVGPY0 男「只、何となく、何気無しに振った話題だったのだがな」
女「男を知りたいのだよ、敢えて言えばな」
男「じゃあ大いに知ってもらおう。さて、何について話すかな」
女「今日は予習してきたぞ。私が話題を提示しよう」
男「何。期待だ」
女「水着について、だ」
男「水着か」
女「ああ、そうだ」
男「では、お前の意見から話してみるがいい」
女「そうさせてもらおう。・・・そうだな。先の話から考えるに、露出だけが、水着の興奮素材じゃないと思うのだ」
男「ほうほう。さっそく興奮云々に入ったか」
女「ああ。それで私は考えた。スカートの様なタイプのものがいいのではないかと、ね」
男「その心は」
女「そうだな。普段のスカート、というものは中の下着は見せづらい。恥ずかしいからな。しかし、水着なら話は別だろう」
男「と言うと」
863 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 22:34:44.42 ID:
bHDhVGPY0 女「スカートの中が見放題、という利点がある、ということを主張したい」
男「良い線だ。しかし惜しいな」
女「またダメだったか」
男「一つ、お前は見逃している。それは、スカートではない。スカート型の、水着だ」
女「何か問題があるか?」
男「全くもって違う。前に言わなかったか。普段見えない物こそ、興奮するんだと。」
女「言っていたっけか」
男「忘れた。しかし、だ。お前の言う水着は、普段見えているものを、隠しているだけなのではないか」
女「そう・・・・なるのか」
男「なるのだ」
女「残念だ」
男「次に期待だ」
女「ところで、お前の言う、一番の水着は何なのだ」
男「スクール水着だ」
女「あれが、か?理解出来ないな」
864 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 22:40:57.34 ID:
bHDhVGPY0 男「上下別々の奴ではないぞ。ワンピース型だ」
女「ああ、あれか。ご不浄の際、肩紐を降ろし、ほぼ裸状態で用を足さないといけなかったからな。いい思い出はない」
男「しかし、男にはいい思い出があるのだ。というより、あの肌の露出度は素晴らしい」
女「そうか?」
男「ああ、黄金比と言っても過言ではない」
女「そこまでか」
男「それに、あの何とも言えない、紺色。肌の色を強調していて、素晴らしかった」
女「確かにな。女子の肌は、皆透けるように白い者ばかりだ。」
男「お前もな」
女「そうだろうか」
男「そうだ」
女「・・・・・・・・・・それにしても、スクール水着、か」
男「是非来ていただきたかったのだが、生憎サイズがなかった」
女「買いに行ったのか。この話題を予知していたと」
男「なぁに。大型量販店に行ったときの話しさ」
868 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 22:53:49.26 ID:Monoo/r/0
ワンピーススク水を画像検索したのは俺だけで良い870 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/13(月) 22:57:21.88 ID:X00qfJ0J0
>>868
奇遇だなブラザー、俺もだ872 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 22:58:43.81 ID:
bHDhVGPY0 女「そこで、お前はスクール水着を吟味していたのか」
男「誤解するな。特設コーナーで、サイズ表があってな」
女「しかし、私の身長は、小学生の最長のものよりも小さいと思うのだが」
男「自分の胸に手を当てて考えてみろ」
女「・・・・・・わからない」
男「じゃあ揉め」
女「そういうことか、理解した」
男「そういう事だ。お前じゃ確実に入らないと思ってな。購入を断念した」
女「買う予定だったのか」
男「ああ、見たかったからな。水着姿」
女「普通の水着で頼むよ・・・」
男「考えておく」
女「・・・・・・・・・・・・む、雨脚が弱まってきたな」
男「なんだ、そろそろ帰宅にも丁度いい時間だな。帰ることにするか」
女「ああ、そうしよう」
880 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 23:04:51.93 ID:
bHDhVGPY0 __________________________________
男「む、また強くなってきたみたいだな」
女「どうする、引き返すか?」
男「いいさ、偶には濡れるのも良いかもれない」
女「私はちょっと、遠慮したいが」
男「透かせ」
女「それが嫌だと言うんだ」
男「恥ずかしいか」
女「まぁ、な」
男「俺には、諸に見られても平気だったのにか」
女「・・・・お前だから、な」
男「また冗談か」
女「冗談じゃ・・・・・ない」
男「おい、どうした」
女「聞いてくれ。私は、いまから、とても。いや、今までで一番、らしくない事をいう」
887 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 23:12:11.44 ID:
bHDhVGPY0 男「・・・・・ああ、わかった。聴こう」
女「有難う。私は、な。お前にだけ、特別に抱いてる感情が、あるんだ。それが何だかは、自分でも分からない」
男「自分の感情なんて、そんなものさ」
女「でもな、でも、だ。私は、お前と、ずっと、一緒に居たい。居たいんだ」
男「突然、どうしたんだよ」
女「遊園地で、観覧車の時も、昨日、電車の中でも、ずっと、ずっと言いたかったんだ」
男「俺は言ったじゃないか。ずっと一緒に居たいって。それじゃあ無かったのか」
女「多分、それじゃないんだ。それよりも、もっと、強いものだ」
男「じゃあなんだ」
女「分からない、と言っているだろう」
男「滅茶苦茶だな」
女「だから、らしくないことを言う、って言っただろう」
男「ああ、言ったな」
女「私は、ただ、私の中の感情をお前に伝えたいんだ。それだけ、なんだ」
男「きちんと傘をさせよ。濡れるぞ」
895 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 23:18:20.23 ID:
bHDhVGPY0 女「濡れてもいい。お願いだ。一つ、約束をしてくれ」
男「なんだ」
女「私が、病気の時でも、気が狂った時でも、危ないことに巻き込まれた時でも、楽しい時でも、嬉しい時でも、ずっと、ずっと、ずっと・・・・一緒にいてくれ」
男「・・・・・まるで結婚じゃないか」
女「ふふ・・・意図せずして、そうなってしまった。でも、本気だ」
男「そうか」
女「・・・・・・答えは、くれないのか?」
男「やるよ。少し、目を瞑れ」
女「ああ。・・・・・・・・・っ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っぷは」
男「これが、返事だ」
女「・・・・・・・・・・大胆だな」
男「お前にはこれくらいで丁度いいだろうと思ってな」
女「過大評価し過ぎだよ。もう」
男「はは、ほら。傘をさせ」
女「駄目だ。きちんとした返事が欲しい」
901 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 23:20:49.22 ID:
bHDhVGPY0 男「これ以上追求するとは。此処は格好良く締めくくらせてくれよ」
女「始めりが滅茶苦茶なんだ。終わりも滅茶苦茶が丁度いい」
男「仕方がないな」
男「では、一番嫌いな言葉を使おう。滅茶苦茶にするためにな」
男「大好きだ」
~fin~
892 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/13(月) 23:15:38.82 ID:yvt5/FsQ0
えんだああああああああああああああ888 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 23:12:35.29 ID:fn7WRu6SO
いあぁぁぁっぁぁぁぁっっっっぁ!!!!!!898 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 23:19:56.16 ID:Monoo/r/0
ぷはって・・・
ぷはってそんな長い間やりやがってコンチクショオォオオオ899 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 23:20:15.66 ID:eTp2T5ILP
確実にディーーーープだったな889 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 23:13:01.19 ID:50CcGShN0
傍から見れば何を今更っていう902 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 23:20:58.66 ID:OWx+ZLYiI
壁崩壊二時間コースでたのむ!
急いでくれ!!!!!!!!!!!904 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 23:21:07.87 ID:dVbYFdtx0
911 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 23:24:36.37 ID:50CcGShN0
代行が力尽きたか・・・913 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/13(月) 23:26:49.55 ID:NFXHcj+S0
いやあちょっとドキドキしたぞ乙
こんな恋がしてえええええええええええぇっぇぇええうえ914 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 23:27:05.17 ID:Ay4b0a7m0
よかったなぁ
よかったよ続編→
女「クリスマス、が近づいているらしい」男「ほう」
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