62:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 18:10:53.08 ID:
+YuoQqcr0杏子「(今更嘘でしたなんて言えないしなあ……)」
さやか「どうしたって言うの、まさか出来ないなんて言わないよねえ!」
杏子「分かった、やる、やるから! 今日の所は帰ってくれないか?」
さやか「どーして?」
杏子「そりゃオメー、犯人扱いされんだろ? 幼なじみなんだからよ」
さやか「ああ……一応、あんたなりに私の心配してくれてるんだ?」
杏子「そ、そう! さすがの私でもさ、完全犯罪めざしたいじゃん? 要はあんたが邪魔なんだよ」
さやか「分かった、じゃあ家で待ってる。いい方向聞かせてよ?」
杏子「(どうしよう……)」
63:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 18:15:13.69 ID:
+YuoQqcr0ほむら「……何をしているの佐倉杏子」
杏子「見ていたのか?」
ほむら「おおかた挑発して、相手の動きを見るのが目的だったんでしょうけど」
杏子「私の想定が甘かったっていうのか?」
ほむら「……そうね、今回ばかりは私の予想以上に彼女は狂ってしまっている」
杏子「今回?」
ほむら「良いわ、私が許可するから彼の手足をつぶしてみなさい、案外上手に行くかもしれないわ」
杏子「ま、マジで言ってんのか?」
ほむら「ええ……私はあの子が守れればいいの」
杏子「あの子? ……ああ、あの桃髪の?」
ほむら「私の存在価値はあの子に頼っている、それを邪魔するのなら佐倉杏子、あなたと事を構えることも構わない」
杏子「……分かった、とりあえず私は少年の手足をつぶせばいいんだな?」
ほむら「(美樹さやかが魔女化しなければ御の字、上手に行けばこれからのループでは最初から彼の手足を潰すことにしましょう)」
67:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 18:41:11.82 ID:
+BIoHSEqP0杏子「お邪魔しますっと」
上条「誰!?」
杏子「おっと、騒ぐんじゃない……殺すぞ?」
上条「ひっ!」
杏子「身から出た錆だと思って、己の運命を呪いなよ」
上条「……た、助けて……!」
杏子「と、言いたいところだが、相談がある」
上条「相談?」
杏子「ああ、おまえ、幼なじみが居るだろ?」
上条「だ、誰のことだ!」
杏子「……(ここで真っ先にあいつを思い出さない、どういうことだ?)」
上条「お、幼なじみと言ってもたくさんいる、せめて名前を教えてくれないか?」
杏子「……確か、美樹さやかっていったな」
上条「さ、さやかが何を……?」
杏子「あんた、美樹さやかと付き合うつもりは無いかい?」
68:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 18:46:06.61 ID:
+BIoHSEqP0上条「付き合う……? それってつまり?」
杏子「物覚えが悪いねえ、まあだからこそあいつはあんな風になったんだろうけど」
上条「さやかと恋人同士になれってことか!?」
杏子「ああ、私から見ても中々の上玉だし、悪くない話だと思うんだけど」
上条「生憎だけど僕はさやかを異性として意識したことはない!」
杏子「……(こんな奴のためにさやかは願ったってのか……?)」
上条「そ、それに、さやかの方だって」
杏子「ばーか、年頃の女が、異性のためにお見舞いにそう毎度毎度行くわけがないだろ?」
上条「な、何故それを……?」
杏子「それに、あんたのために病院の屋上でちょっとしたお祝いをしたそうじゃないか」
上条「……」
杏子「それが、異性としてみてない、好意を持たない相手がすることだと思うのか?」
上条「まさか、さやかが……」
杏子「かー! 鈍いにもほどがあんだろテメー! そりゃイレギュラーもおまえの手足を潰せって言うわ」
上条「だって、そういうのって自意識過剰っぽいじゃないか!」
69:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 18:51:43.84 ID:
+BIoHSEqP0杏子「まあ良い、話はこうだ、おまえの選択肢は二つ。あいつと付き合うか、この場で私に手足を潰されるかだ」
上条「実質一沢しかないじゃないか!」
杏子「そうだなあ、賢明なぼうやなら、取る選択肢は一つしかねえよなあ?」
上条「く、分かった、さやかと付き合えばいいんだろ?」
杏子「ああ、電話をかけてやんな……ああ、ちゃんと感謝の言葉も忘れんなよ?」
上条「ああ、分かったよ」
杏子「それと、今日私が来たことはさやかも知ってるからな? 約束を違えたらどうなるか分かってるよな?」
・
杏子「なんで私がこんなことを」
ほむら「身から出た錆でしょう?」
杏子「んだよ、聞いてたのか?」
ほむら「いいえ、でも、情に厚いあなたならどんな会話をするのか予想がついただけよ」
杏子「へーへー、事情通ですってな」
ほむら「単刀直入に言う、頼みがあるわ」
杏子「頼み?」
70:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 18:57:31.41 ID:
+BIoHSEqP0ほむら「美樹さやかと上条恭介の二人の様子を常に監視をして欲しいの」
杏子「それも、ワルプルギスの夜の迎撃に必要なことって言うのか?」
ほむら「グリーフシードなら私が回収する、あなたは監視をしているだけで良い」
杏子「そりゃあ、魔女を狩らずにグリーフシードが手に入るって言うんなら楽だけどさ……信用しろって?」
ほむら「どちらにせよ、あなたも私ももう戻れない、あなたが行動しなければ美樹さやかは……」
杏子「あのぼうやの手足を潰すってか」
ほむら「……それよりももっと質の悪いことが」
杏子「ふうん、痴情のもつれで狂ったことが起きるってか、相変わらずぼかしてばかりで信用できねーな」
ほむら「繰り返しになるけど、あなたはもう美樹さやかと関わってしまった、放っておくつもりはないのでしょう?」
杏子「わかったよ、でも、あまりもあいつが馬鹿なことしたら、私はあいつの命を保証しないよ?」
ほむら「構わないわ」
杏子「……あの桃色も、けったいな奴と関わっちゃったもんだねえ、私もだけど」
ほむら「ええ、私もそう思うわ」
杏子「ちったぁ否定しろって」
72:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 19:02:15.56 ID:
+BIoHSEqP0翌日
杏子「(監視と言っても、何を見るんだ……?)」
杏子「(安請け合いしちまったかなあ、でも、あのイレギュラーの実力も未知数だし)」
杏子「(とりあえずあのぼうやの家を張っておくか)」
・
杏子「(さやかが来たか)」
杏子「(どうやら機嫌は良いみたいだな、ということは付き合うことは決まったのか)」
杏子「(さて、ぼうやの方はどう出るかな)」
・
杏子「(出て来た)」
杏子「(車通学か、良いご身分だな……足がまだ治ってないって言うし、当然か)」
杏子「(QBのヤローもあいつの身体を完全に治してくれても良いもんだけどな)」
杏子「(何てか、あいつ言われたことしかやらないもんな、融通の利かないというか)」
杏子「(出発したか、さすがに車の中までは分かんないな、学校に行くか)」
76:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 19:07:06.72 ID:egpWJaB/0
面白い
こういうの好きだ78:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 19:09:42.07 ID:
+BIoHSEqP0杏子「(確か同じクラスだったな、良かった、違うクラスじゃなくて、面倒じゃないし)」
杏子「(あのイレギュラーもいるのか……ならあいつが見てりゃいいんじゃないか……?)」
杏子「(そういえば、コンビニで魔法少女まどクァ☆マギカァ! フェアがやってたな、あんこちゃんグッズでもパクってくるか)」
・
杏子「(あんこちゃんマジあんあん……てと、さやかの様子はっと)」
杏子「(授業は普通に受けてるみたいだな……見てろって言われたけど、ますます私が見る必要性が分からねえ……)」
杏子「(……お? 移動するみたいだな、休み時間ってやつか?)」
杏子「(明らかに他の生徒とは別方向に向かってる……私も移動するか)」
・
さやか「ねえ、恭介、話って何?」
恭介「い、いやあ、ちゃんとお礼を言ってなかったなって思って」
さやか「良いんだよぉ、恭介が良いんなら」
杏子「(のろけか……?)」
恭介「それでさ、昨日なんだけど」
さやか「昨日?」
79:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 19:16:08.54 ID:
+BIoHSEqP0恭介「その、赤い髪の子が来てさ」
杏子「(……!?)」
さやか「……」
恭介「さやかがさ、いっぱい僕のためにしてくれたこと、教えてくれたよ」
さやか「あいつが?」
恭介「僕、無神経だったよね、さやかの気持ちとか全然考えずにさ」
さやか「……あいつに言われたから、付き合おうって決めたの?」
杏子「(あの野郎! 何で女とつきあい始めていきなり別の女の話題を出すんだよ!?)」
恭介「違うんだ、その、言われて初めて、気が付いてさ、その、本当にごめん」
さやか「あは、そっか」
恭介「え?」
さやか「私の気持ちは全然伝わってなかったってことなんだ、それで言われて初めて気が付いたんだ」
杏子「(うわー! やべー! あいつの好感度やべー! イレギュラー! イレギュラー何とかしてくれー!)」
さやか「まったく恭介が鈍いのは今に始まったことじゃないけどさ、少しは人の気持ちを考えなよ?」
杏子「(うわー! やべー! ぼうやの好感度もやべー! お互いに他人の気持ちなんか一切考えてないのがやべー!)」
80:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 19:18:42.89 ID:li1ZH3Go0
ストレスであんこちゃんの寿命がマッハ81:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 19:22:33.57 ID:
+BIoHSEqP0昼休み
杏子「おい、イレギュラー」
ほむら「何かしら」
杏子「あの二人、恋人同士にさせちまって良かったのか? なんか見てるだけで胃が痛いんだけど」
ほむら「変なものでも食べたんじゃないの?」
杏子「どうして私の食生活まで把握してるんだ」
ほむら「勘よ」
杏子「まあ良い、本当にあいつらを監視するだけで良いんだな?」
ほむら「そうよ」
杏子「関わらなくても良いんだな?」
ほむら「どうしたの? 本当に情でも移った?」
杏子「あんたも一度監視してみろよ、あんなギクシャク感いまどきドラマだってないよ?」
ほむら「あら、ドラマ以上にドラマティックで良いじゃない、女の子の憧れよ?」
杏子「あんた、自分が見てないからって好き勝手言って……」
ほむら「私は私ですることがある、あなたもあなたですることがある、それだけでしょう、私は教室に戻るわ」
82:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 19:28:39.18 ID:
+BIoHSEqP0杏子「(良いのかこのままで……)」
杏子「(遅かれ早かれ、あの二人はぜったいに別れる)」
杏子「(それくらい相性的にもまず無い、関係の修復はあり得ない)」
杏子「(まさか冗談で言った、四肢を潰してやることが最善だったとでも言うのか?)」
杏子「(さやかが必要な状況でない限り結ばれないカップルなんて、そんなモノが存在して良いのか……?)」
杏子「(ああ、クソ! 恋愛なんてくたばったマミの専門だろ!)」
杏子「(……いや、あいつに恋愛は無理か、友人付き合いだってままならないし、QB大好きだったし)」
杏子「(仕方ない、私は私でできることからやろう……)」
・
放課後
杏子「(今からさやかとぼうやが会話すると考えただけで胃が痛い)」
杏子「(この胃痛に効く、ハスター10が無かったら、私は今頃のたうち回ってただろうな)」
杏子「(以前関わった奴が、胃痛で病院に行ったらハスター10渡されて病院不振になったって話してたし)」
杏子「(医者も頼るんだから、今後どんな会話を聞こうとも大丈夫だよな……?)」
杏子「(なあ、神様……こんな人生だったんだ……奇跡くらい見させてよ……?)」
84:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 19:36:03.88 ID:
+BIoHSEqP0さやか「ねえ、恭介、車に乗らなくても大丈夫なの?」
恭介「うん、リハビリみたいなものだから」
さやか「そっか、辛かったら言ってね? すぐに救急車呼ぶから!」
恭介「いや、救急車はいいよ……家に連絡するから」
さやか「そっか、あははは、そうだよねえ」
杏子「(……なんだこのお互い距離を探ってます感)」
さやか「そう言えばさ、あの昨日会ったって奴、魔法少女とか何とか言ってなかった?」
杏子「(!?!?!?)」
恭介「言ってなかったけど、そういえば魔法でも使ったみたいに部屋に入ってきたっけ……」
さやか「あいつ野生児でさー、ぶっちゃけ日本語通じませんみたいな感じじゃなかった?」
恭介「(どちらかと言えば、さやかのことや僕のことを深く考えて仕方なくって感じがしたけど……)」
さやか「昨日だってきっと、壁をよじ登ったりしてさー、無理に窓から侵入してきたんだよ」
恭介「そんな知り合いがいるの?」
さやか「何だろう、因縁つけられたって言うかさー、ぶっちゃけ私も困ってるんだよねー」
杏子「(持ってて良かった、ハスター10。持ってて良かったミネラルウォーター)」
85:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 19:42:36.90 ID:
+BIoHSEqP0さやか「ふふ、でも、こうしてまた恭介と二人で帰れるなんて考えもしなかったな……」
恭介「そうだね、子どもの頃は二人で帰ってたのに」
さやか「幼なじみって、お互いに距離が近くって、でも意識しちゃったりして」
恭介「(意識してたのは明らかにさやかの方だったけど……)」
さやか「まあ、また恋人同士になれたんだから、私は嬉しいよ!」
恭介「僕もだよ」
杏子「(うわぁ、ぼうやは一つも嬉しそうじゃねえ……)」
さやか「ねえ、もし良ければなんだけどさ」
恭介「なんだい?」
さやか「遠回り……しない?」
杏子「(さすがに初日に遠回りはないんじゃないか……?)」
恭介「……ああ、良いよ、どこに行くの?」
さやか「公園! あの公園が良い!」
杏子「(公園……? この近所に公園なんてあったか? ぼうやの家があそこだとして、本当にかなり遠回りになるぞ?)」
恭介「良いよ、あの公園だね」
86:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 19:47:00.64 ID:
+BIoHSEqP0公園
杏子「(結局30分くらいかかった……)」
さやか「大丈夫?」
上条「え?」
さやか「いや、何か妙に汗かいてる気がするからさー、もしかして大丈夫じゃなかったかなーって」
杏子「(到着してからそれを言ってどうすんだー!)」
上条「ハハ、さやかは優しいね」
さやか「え?」
上条介「日常生活がある程度大丈夫になったから退院したんだよ? これくらい何ともないよ」
杏子「(明らかに顔色が何かある顔色だー!)」
さやか「あはは、そっかー、恭介はやっぱり男の子だね、私はちょっと疲れたかな」
上条「……そ、そっか、べ、ベンチで休む?」
杏子「(もう良い、休め……! 休め! 恭介……!)」
87:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 19:58:48.59 ID:
+BIoHSEqP0夜
ほむら「……どうしたの、佐倉杏子、アゴがカイジみたくなってるわよ?」
杏子「痩せたわ、すんげー痩せた、すごいね、さやかダイエット、あんたもやってみなよ」
ほむら「お断りするわ」
杏子「そうだよなあ……ってか、アレは何なんだ?」
ほむら「アレ?」
杏子「恭介とさやかの関係だよ、異性間って言うのにまるで脈なしだわ、進展はないわ」
ほむら「だって、美樹さやかだもの」
杏子「あんたそんなに苦労してるの?」
ほむら「……ええ、もう、うんざりするほど、まどかの知り合いでなかったら切り捨ててやってるわ」
杏子「あは……そっか、私もあんな出会いじゃなきゃ、敵同士なら切り捨ててたかもなあ……」
ほむら「(そんなわけ無いでしょう、今回ほど最悪な出会いはないけど切り捨てて無いじゃない)」
ほむら「あなたって、大概お人好しよね」
杏子「そう見える? そうだよねえ、私はお人好しだ……」
ほむら「疲れてるみたいね、グリーフシード食うかい?」
89:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 20:02:52.12 ID:
+BIoHSEqP0杏子「キャラにないようなことすんなよ……」
ほむら「元気づけようとしたんじゃない」
杏子「そっか、ありがと、何か何もしてないのにソウルジェムが黒ずんできてるし、こんな生活してたら……」
ほむら「杏子?」
杏子「いや、このまま黒ずんでって、どうなるんかなって、疲れたら眠ればいいし、ソウルジェムはべつに放って置いても」
ほむら「だめよ」
杏子「だめ?」
ほむら「魔法が使えなくなるわ、魔力も消える、それでもいいの?」
杏子「あー、そりゃ困るわ、とりあえず礼は言わねえよ? それでも足りないと思うし」
ほむら「礼を言われるためにしているんじゃないもの」
杏子「さっきの言葉だけど、あんたも大概良い奴だよね」
ほむら「礼には及ばないわ」
杏子「礼じゃねえよ!?」
・
翌朝
91:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 20:22:38.19 ID:
+BIoHSEqP0杏子「……また新しい朝が来ちまった」
杏子「幸せって何なんだろうな」
杏子「親父は正しいことを言っていた、それでも認められなかった」
杏子「それなら私は裏の世界で正しいことをと思ってやってきた」
杏子「今の私ってすっごい滑稽だな……」
ほむら「重病患者を見てしまったわ」
杏子「うわ! いたのか!」
ほむら「しかも、最初からね」
杏子「はあ、それで、今日もあいつらを見てればいいんだな?」
ほむら「いいわ」
杏子「いい?」
ほむら「今日はまどかと志筑仁美を接触させてみる」
杏子「あんたにできんのか? 出来るんなら何故最初からやらなかった?」
ほむら「(魔女化したとき躊躇いもなく美樹さやかを殺せるようにとは言えないわね)」
ほむら「美樹さやかののろけ話に、まどかも志筑仁美もうんざりしている様子だったからよ」
92:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 20:29:43.70 ID:
+BIoHSEqP0杏子「ふうん? 惚気てんのか? あれで……?」
ほむら「ええ、それと志筑仁美は上条恭介に好意を抱いているから、後は察しなさい」
杏子「……惨劇とか勘弁してよ?」
ほむら「魔法少女が生身の人間にやられるわけがないでしょう?」
杏子「ばっか、オメー、狂気に駆られた人間は周りに人間がいれば誰だって良いんだよ」
ほむら「……経験則?」
杏子「さあてね、しかしまた厄介な話だな、志筑ってあれだろ? ワカメみたいな髪の奴だろ?」
ほむら「食べ物に例えるのはやめなさい、せいぜい……干しワカメにして」
杏子「思いつかなかったな? いいたとえが思いつかなかったな?」
ほむら「……監視は良い、ただ、もしも何かあったときのために近くにはいて」
杏子「それ、昨日とまったく変わらなく無い? まあ、あの会話を聞くよりは良いけどさ……」
94:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 20:35:13.48 ID:
+BIoHSEqP0教室
杏子「ああは言われたけど、やっぱり気になるよな……」
QB「グリーフシードの捜索は良いのかい? 杏子」
杏子「ん? ばっか、乙女はグリーフシードより他人の恋路だよ」
QB「赤くなるくらいなら言わなければ良いんじゃ無いかい?」
杏子「QBには分からないかもしれないけど、私らくらいの年齢の女子にとっては何よりも大切なことなんだよ」
QB「ふうん、そんなものなのかい?」
杏子「特に、さやかにとっては人生で一番と言っても良いんじゃないか?」
QB「僕に聞かれても」
杏子「いいんだよ、女の子ってのは人に話を聞いて欲しいんだよ!」
QB「どうしたんだい、君はそんな人間ではなかった気がするが?」
杏子「……あ、あんたもそう思う?」
QB「まるで別人のようだ」
杏子「何でだろうねえ、さやかって言うのは、私の忘れてた気持ちを随分と思い出させてくれる」
杏子「(何かあったら、この命をかけて……なーんて、まさしく私の柄じゃないか)」
95:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 20:44:16.23 ID:
+BIoHSEqP0杏子「あ、と何か剣呑な様子だな……」
杏子「(いつの間にかQBも居なくなってるし、ゆっくり……)」
杏子「あの桃色はオドオドしてるし、イレギュラーは関わるつもりは無し、か」
杏子「お互い同じ男を好きになって、修羅場の割には」
杏子「(なんともあのぼうやには魅力を感じないんだけどなあ……)」
杏子「まあ、校内だし、特に問題……! さやかが変身したぁ!」
・
杏子「あれ、いない? 教室にはさやかもイレギュラーもいない?」
ほむら「(杏子! 近くにいるの? 今すぐ屋上へ!)」
杏子「(あの不思議な力か? まあいいや、ちょっと待ってな! すぐに駆けつけるかんな!)」
杏子「ほっ……到着……っと、あれ、あの……イレギュラー?」
ほむら「何かしら」
杏子「いや……さすがにそのぐるぐる巻きはやりすぎなんじゃね?」
ほむら「他に方法があったとでも言うのかしら?」
杏子「まあ……分かるけどさ……」
96:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 20:46:28.06 ID:dqQZ4e0o0
何があったんだ97:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 20:50:28.71 ID:
+BIoHSEqP0杏子「おいおい、どうしたよ? 一般人の前で変身するとか正気か?」
さやか「やっぱりあんたたちグルだったのね! 転校生は最初から信用のならない奴だと思ってたわ!」
ほむら「……」
さやか「マミさんを見殺しにして、何の罪もない人を見殺しにして! グリーフシードがそこまで大切なの!?」
杏子「あ、えっと……その、へ、変身した理由をおせーて?」
さやか「え? あ、何かカッと来て」
ほむら「(こいつ殺しても良いのかしら……)」
杏子「ま、まあ、落ち着いて、さすがに変身はまずいよ、好きな男の前なんだろ?」
さやか「恭介なら今日は休み」
杏子「(疲れたんだ……)」
ほむら「(疲れたのね……)」
杏子「恭介以外にも、いるだろ? クラスメートが、そいつらにこいつ人間かって思われても平気なのか?」
さやか「いいもん、恭介以外にはどう思われたって、私には恭介さえいればいいの!」
まどか「そんなのおかしいよ! 変だよ!」
杏子「桃色!」
98:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 20:57:12.41 ID:
+BIoHSEqP0まどか「え、も、桃色……?」
ほむら「あなた、まどかの名前も覚えてないの? そこまで記憶力がないのかしら」
杏子「あ、悪い、えと、まどか?」
まどか「え、と、少し前の子だよね、ごめんね、名前、分からなくて」
ほむら「こいつの名前は田中優美清春香菜よ」
まどか「そ、そうなんだ、優ちゃんって呼べばいいかな?」
杏子「ちげー! 私の名前は佐倉杏子、杏子で良いよ、まどか」
まどか「そうなんだ、よろしくね杏子ちゃん」
さやか「何こいつらと仲良くなろうとしてるの! こいつらはマミさんを見殺しにした奴と私を殺そうとした奴だよ?」
まどか「でも、その、どうにかするなら、私が来る前にどうにか出来たでしょ? まずはお話をお互いに聞こうよ」
さやか「あんたって子は……」
ほむら「私には敵対の意志はないわ、クラスで変身という愚かなことをした奴を止めたまでよ」
さやか「訳分かんない技使って、屋上まで連れてくる奴が敵対の意志がないですって!」
杏子「あ、私にもないから、状況もよく分かんないし……」
まどか「そうなんだ、杏子ちゃん私と一緒だね」
100:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 21:03:19.47 ID:
+BIoHSEqP0さやか「まどかにはこのロープが見えんのかー!」
まどか「だってさやかちゃん、仁美ちゃんに剣振ろうとしたもん! そうされたって仕方ないよ!」
さやか「うぐっ!」
杏子「ま、まあ、何事もなかったんだから良いじゃん、な、イレギュラーも、まどかも、そこまでにしよう」
杏子「(……って、何で私が全体にフォロー入れてるんだよ……)」
まどか「あ、うん」
ほむら「まどかに免じてロープは解いてあげるわ」
さやか「ふん、さっさとしなさいよ!」
杏子「(どちらかといえば敵対の意志があるのさやかの方じゃないのかな……言っちゃ駄目なんだろうな……)」
まどか「それとさやかちゃん、上条君をいろいろ付き合わせたって本当?」
さやか「だって、恭介が良いって言うから……」
ほむら「(まどかに任せて良いものかしら……?)」
杏子「(まずは友人の言葉を聞かせてみよう、私らの言うことなんか聞いてくれなさそうだし)」
ほむら「(あなたって本当お人好しよね)」
杏子「(バフ○リンのおかげかな、半分優しさで出来てるって言うし)」
101:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 21:07:21.12 ID:
+BIoHSEqP0ほむら「(バファ○ン?)」
杏子「(ああ、知り合いにはバファ○ンを飲んで引きこもりから社会復帰した人や、平社員から社長になった人もいるらしい)」
ほむら「(それ、バ○ァリン関係あるのかしら?)」
杏子「だって、現に私はちょっと優しくなったろ?」
ほむら「(そんなに言うなら飲ませて貰おうかしら)」
杏子「飲むかい?」
ほむら「ええ」
まどか「二人は何してるの!?」
杏子「え、あ、ちょっと、バファ○ンを……」
ほむら「まどかも飲む?」
まどか「えへへ、私水がないとそういうの飲めなくて」
杏子「あ、水ならあるよ」
まどか「わ、ありがとう!」
ほむら「新品なんでしょうね?」
まどか「そんなの気にしないよー」
102:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 21:07:25.59 ID:ABh7rhlp0
ちょっと待て、ハスター10はどうした104:そろそろさやかが一番好きなキャラといって信用して貰えなくなった気がする :2011/06/07(火) 21:14:39.44 ID:
+BIoHSEqP0さやか「私を! 私を無視スンナー!」
まどか「ああ、ごめんね、さやかちゃんもバファ○ン飲む?」
さやか「だ、誰がそいつの施しなんか!」
杏子「ハスター10もあるよ?」
さやか「飲まないって言ってんでしょ!」
ほむら「……」
さやか「何か言いなさいよ!」
まどか「さて、と、じゃあ本題に戻るよ。上条君はまだ退院したてなんだよ? それなのにあんまり連れ回しちゃ可哀想だよ」
さやか「それは、仁美から聞いただけでしょ?」
まどか「じゃあ、さやかちゃんは仁美ちゃんが嘘をついてるって言うの?」
さやか「そ、そうよ! 私はそこまで連れ回してないし、恭介も平気だって言ってたもの!」
杏子「あー、ごめん、連れ回したの見たよ」
さやか「え!?」
杏子「いや、あんなことした手前、様子が気になってさ……その、ごめん……」
まどか「さやかちゃん……嘘ついたの?」
106:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 21:20:16.26 ID:
+BIoHSEqP0さやか「まどかはそいつのこと信用するの!?」
まどか「仁美ちゃんの言ってること、そして杏子ちゃんの言ってること、今日のさやかちゃんの態度、どう信じればいいの!」
さやか「ううっ!」
ほむら「もう、諦めたら美樹さやか、べつに私もまどかも上条恭介と付き合うことを止めてるわけではない」
さやか「そ、そんな発言が信用できるか!」
まどか「そうだよね、こんな風に言って信じて何ておかしいよね、でも、私から見て上条君とさやかちゃんはお似合いのカップルだよ!」
杏子「(えー……)」
ほむら「(まどか……なんて……)」
さやか「えー、そうかなー、まどかから見てそう見えるー?」
まどか「そう! 誰もが羨むカップル! 邪神も嫉妬する関係!」
さやか「そうだよねー、仁美がおかしいんだよねー?」
まどか「(どうしよう!? 無理をさせちゃだめだっていう仁美ちゃんが正論だって言おうとしたらこんなことに!?)」
まどか「そ、そうだよ!」
さやか「そっか、まどかもそう思うかー、あといい加減このロープ解いてくれない?」
ほむら「(もう何も言うまい……)」
107:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 21:26:56.15 ID:
+BIoHSEqP0昼休み
杏子「今日のお昼は奮発して、駅前の店でそばでも啜るかなあー」
ほむら「ごきげんね佐倉杏子」
杏子「うわっ! 何だよ、あんた学校は!」
ほむら「付き合わせなさいよ、そば食べさせなさいよ」
杏子「(バファ○ンの効果スゲー……)」
杏子「ああ、良いよ、って、あんた監視は?」
ほむら「ふう……」
杏子「どうした?」
ほむら「この週は諦めた」
杏子「何だそれ、週? 相変わらずよく分かんないな」
ほむら「いいのよ、私たちはとにかく来週より少し先に来るワルプルギスの夜を倒せばいい」
杏子「それもあんたの統計次第だろ?」
ほむら「確実に来るわ」
杏子「ま、良いけど」
108:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 21:32:10.40 ID:
+BIoHSEqP0ほむら「……辛い……」
杏子「……それがいいんじゃん」
ほむら「なにタンメンって言ったっけ、この辛いの」
杏子「なんだっていいじゃん、ちなみにあんたの食べてるのは一番辛いのだからな」
ほむら「でも、美味しいわ」
杏子「でしょ?」
ほむら「ええ、わざわざ変身した甲斐があったわ」
杏子「制服で食べてたら、補導されるもんな」
ほむら「ところで、そばを食べに行ったんじゃなかったかしら?」
杏子「中華そばでしょ?」
ほむら「……」
杏子「唇まっかにして睨むなよ……」
・
ほむら「さて、じゃあ、私は魔女を狩ってくるわ」
杏子「おう……って、私今ナチュラルに見送ろうとしてるじゃん!? ってもういねえ!」
110:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 21:36:52.49 ID:
+BIoHSEqP0杏子「私はどうするかなあ……」
QB「やあ」
杏子「お、どうしたんだ?」
QB「随分と暁美ほむらと仲良くなったようだね」
杏子「ああ、なんかさやかのポジティブさ見てると、いがみ合ってるのが馬鹿馬鹿しくなっちゃって」
QB「(あれをポジティブと見るのはさすがに無理があるんじゃないかな)」
QB「少し聞きたいことがあるんだけどさ」
杏子「なに?」
QB「あの暁美ほむらが鹿目まどかと契約して良いって言ってるんだけど、何か聞いて無いかい?」
杏子「あ?」
QB「いや、彼女はどうやら鹿目まどかに魔法少女になって欲しくないようなんだ、それなのに変じゃないか」
杏子「いいんじゃね? QBもまどかに魔法少女になって欲しいんでしょ?」
QB「腑に落ちないんだ」
杏子「私は特に聞いてないな、変なことも言ってなかったよ」
QB「そうか、杏子が知らないって言うんならしょうがないね」
111:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 21:37:13.28 ID:x432gWkQO
あれ? 湯麺じゃなくて担々麺じゃね?112:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 21:43:01.78 ID:
+BIoHSEqP0>>111
蒙古タンメンっていう辛いラーメンがあるんだ。
んまいよ。
杏子「さて、私はさやかの様子でも見てくるかな」
QB「あれ? もう気にしなくて良いんじゃなかったのかい?」
杏子「あの不安定さ放っておけないんだよ、もう、ここまで関わっちまったし」
QB「お人好しにもほどがあるよ」
杏子「そりゃあんたにはわかんないでしょ、じゃね」
・
杏子「ふいぃ……さやかはぼうやの家にお見舞いか」
杏子「これで少しは関係が改善してくれると良いんだけどね」
ほむら「そうね」
杏子「うわ!? いきなり現れんなよ!」
まどか「私もいるよ!」
杏子「あれ、あんたその格好、QBと契約したのか?」
まどか「えへ、可愛い……かな?」
113:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 21:48:10.94 ID:
+BIoHSEqP0マミ「こらこら、のぞき見なんて趣味が悪いぞ?」
杏子「マミ……!? くたばったんじゃなかったのか?」
マミ「そうだと思ったんだけれど……」
まどか「えへ、お願い事思いつかなかったから、そうだ、マミさんが居たらさやかちゃんと上条君の関係を何とかしてくれるかなって」
ほむら「……」
杏子「……」
マミ「それにしても、私が死んでる間に随分と険が取れたのね、別人のようだわ」
杏子「ま、いろいろあったんだよ」
ほむら「ええ、いろいろあったわ」
マミ「個人的にはまだ暁美さんについては信用ならないんだけど……」
まどか「そんなことないってちゃんと説明したじゃないですか」
マミ「そうだけど……」
杏子「なんで、こいつ目の敵にしてるんだ?」
ほむら「QBを屠ろうとしたのが気に入らなかったようね」
マミ「私の友達を傷つけようとするなんて我慢ならないわ」
114:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 21:54:11.35 ID:
+BIoHSEqP0まどか「それもまた行き違いがあったの、こうして再び出会って仲良くなる機会が生まれたんだから」
マミ「……そうね、QBに手は出さないという言質も取れたし」
ほむら「ええ、もう、あいつを狙う理由はないわ、もちろんあなたと敵対する理由もね」
杏子「ふうん、まあ、グリーフシードの取り分がちょっと心配だけど」
マミ「平気よ、この町は特別魔女が多いし、分け合えば問題ないはずよ」
杏子「そして、分け合える関係になったと、はは! 確かに一昔前の私じゃ考えられないわ」
ほむら「そうね」
まどか「それで杏子ちゃん、どうやったらさやかちゃんの様子を見られるの?」
杏子「ああ、この望遠鏡を覗いてみ?」
ほむら「まどか、このイヤホンをしてみなさい、中の音声が聞こえてくるわ」
杏子「え、なんであんたそんなの持ってんの?」
ほむら「家庭の事情よ」
マミ「……どんな事情なの?」
まどか「えへ、じゃあ、ほむらちゃん、杏子ちゃん、借りるね?」
マミ「あ、ちょっと、私にも見せて」
115:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 22:00:21.65 ID:
+BIoHSEqP0さやか「昨日はごめんね、まったく恭介のこと考えられなくって」
上条「はは、良いんだよ、僕も自分の体調を過剰に良い方向に見てたから」
さやか「そういうとこ気が付いてあげられないとだめだよね? ほんとーにごめん!」
まどか「(さやかちゃんさっきから謝り通してるみたいだね」
ほむら「(相変わらず反省がないのね)」
マミ「(どうして? 自分に非がある時に謝罪するのは当然でしょ?)」
杏子「(時と場合があるんじゃね? それに相手は病人なんだから気を遣わせてもしょうがないだろ)」
まどか「(そうだね、杏子ちゃんの言うとおりだと思う)」
上条「さやか、帰る時間は大丈夫? 暗くなったら女の子の一人歩きは危ないよ?」
杏子「(あちゃー)」
まどか「(あー)」
ほむら「(……)」
マミ「(あら、あの男の子きちんと美樹さんの心配をしているのね、良い子じゃない)」
さやか「だいじょうぶだいじょうぶ、私、腕っ節強くなったからさ」
上条「本当にだいじょうぶ?」
116:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 22:07:04.72 ID:
+BIoHSEqP0さやか「なんだー? 私に帰って欲しいのかー?」
上条「あ、ごめん、そういうわけじゃないんだ、ただ、さやかは可愛いから心配でさ……」
まどか「(わわ、来たよ! 逆転ホームラン来たよ!)」
ほむら「(代打北川の逆転サヨナラ満塁釣り銭無し本塁打!)」
杏子「(……まだ分かんないと思うけど)」
マミ「(も、もしかしてちゅーしちゃうのかしら! ちゅー!)」
さやか「ば、か、かわいいとか、なーんで、こう油断してるときに言うかな」
上条「いや、だって事実だし」
さやか「本当に? 女の子としてみれる?」
上条「え、うん、もちろんだよ」
まどか「(そこは即答しないとだめだよ上条くゥン!)」
さやか「えっへっへ、嬉しいなあ、恭介からそんな台詞が聞けるなんて」
上条「そうだね、こういう台詞恥ずかしくてさ、なかなか言えなかった」
杏子「(頭の中で何て考えてるんだろうなあ……異性としてみたこと無かったって言ってたからなあ……)」
杏子「(なんかすっごいボロが出るような気がする……)」
117:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 22:11:33.45 ID:
+BIoHSEqP0上条「それでさ、さやか」
さやか「うん? なあに?」
上条「聞いて欲しいことがあるんだ」
ほむら「(風向きが変わった……?)」
杏子「(何かまずそうな雰囲気じゃないか?)」
まどか「(そうだね、上条君深刻な顔をしてる……)」
マミ「(ちゅー! ちゅー!)」
上条「僕ね、リハビリが終了して、歩くのにも不自由が無くなったら、海外に行くかもしれないんだ」
さやか「え……?」
ほむら「(うわ)」
まどか「(あちゃー)」
杏子「(あらら)」
マミ「(遠距離恋愛フラグ!?)」
上条「待ってて、なんて虫の良いことは言えない、さやか、僕のことなんか忘れて……」
さやか「……」
118:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 22:14:40.17 ID:ABh7rhlp0
マミェ・・・119:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 22:17:50.46 ID:
+BIoHSEqP0さやか「……そっか、恭介……私と別れたかったんだ」
上条「違う! 本当にしばらく帰って来られそうもないから!」
さやか「だって、手紙だって書けるでしょ、電話だって出来るよ、私がそっちの大学に進学とかだって頑張るよ!」
上条「……」
さやか「最初から、最初から別れようみたいに言われて、疑うなって言う方が無理……!」
ほむら「(まずい!)」
まどか「ほむらちゃん! どこ行くの!」
杏子「まどかはここに居ろ、私たちはさやかを止める!」
マミ「え、え、な、何があったの? ちゅ、ちゅーは?」
ほむら「美樹さやかぁぁぁぁぁ!」
杏子「さやかぁぁぁぁ!」
上条「ぎゃぁぁぁぁ! 何か入ってきたぁ!」
さやか「なによあんたたち、まさか、覗いてたの? 会話も全部聞いてたって言うの!」
ほむら「ええ、その通りよ」
さやか「なによそれ! 寄ってたかって私を馬鹿にしてるの! ……っ、殺してやる! 恭介ともども全員殺してやる!」
120:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 22:20:39.57 ID:gaszFM+kO
安定の121:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 22:22:51.66 ID:ABh7rhlp0
さやかす123:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 22:24:09.65 ID:
+BIoHSEqP0ほむら「巴マミ!」
マミ「ええ! 未来の後輩に、殺人なんて犯させるわけ行かないものね!」
杏子「(はや! スタートで出遅れたと思ったのに……)」
まどか「さやかちゃん駄目だよ! そんなことぜったい間違ってる!」
さやか「うわぁぁ! うるさい! うるさいってんだよぉ! 離せってんだよぉ!」
上条「わ、わわ……」
杏子「すまんぼうや、ちょっと眠っててくれ!」
マミ「い、今彼から変な音したわよ!?」
杏子「あ、ごめん、何かムカついて全力で蹴っちゃった……」
ほむら「美樹さやか、落ち着きなさい、怒りに我を忘れて最愛の人間を殺そうとしたのよ!」
さやか「その最愛の人間から受けた恥辱と、あんたたちから受けた屈辱の方が軽く超えるんだよぉ!」
ほむら「(うぐ、まったくもって正論じゃない……)」
まどか「ど、どうすればいいの!」
マミ「美樹さん! お願い、優しかった頃のあなたに戻って!」
杏子「優しい!? おいマミ、さやかの口を開かせてくれ!」
127:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 22:32:13.27 ID:
+BIoHSEqP0さやか「げげごごぐぼぁ!」
杏子「へへ、怒ってんだろ……? 解るよ、好きなだけ暴れなよ、付き合ってやるからさ」
ほむら「策があるんならはやくしなさい佐倉杏子!」
杏子「心配するなよさやか、あんただけを置き去りにはしないって」
まどか「杏子ちゃん! さやかちゃんの口が渇いちゃう!」
杏子「独りぼっちは……寂しいもんな!」
マミ「(私だけなにもツっこめなかった……)」
ほむら「あれは!」
まどか「バフ○リン!?」
杏子「いいよ、好きなだけ飲ませてやるよ……それで気が済んだのなら、はやく目を覚ましなよ?」
まどか「薬は用法用量を守って 正しく服用しましょう!!!」
ほむら「杏子! 水よ! 水を飲ませなさい!」
杏子「へへ、解ってるよ、こういうときのために2リッターのペットボトルがあるんだもんな」
まどか「さ、さやかちゃーん!」
さやか「ぐぐごぼぼっぼぼぼぼぼぼ!」
129:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 22:37:38.12 ID:
+BIoHSEqP0杏子「ハァ……ハァ……やったか?」
まどか「さ、さやかちゃん……ぐったりしてる……」
マミ「大丈夫よ、気を失ってるだけだわ」
ほむら「ええ、これで目を覚ましたら」
ほむら「(魔女化するんじゃないかしら……?)」
まどか「こ、これで大丈夫なのかな……」
杏子「だいじょうぶさ、ありったけのバファ○ンを飲ませたからな」
マミ「あ、そうだ、私は上条君を治療するわね?」
ほむら「すっかり忘れたわ」
まどか「……大丈夫かなあ、さやかちゃん……」
・
さやか「ん……ここ、は?」
杏子「目を覚ましたかい?」
さやか「なんだろ……嫌な、とても嫌な夢を見ていた気がする……」
ほむら「(嘘ぉ……本当に効いちゃってるよ……!)」
130:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 22:43:27.47 ID:
+BIoHSEqP0まどか「私の家だよ、大丈夫さやかちゃん」
さやか「うん……なんか、とてもどうしようもないことで怒っていた気がする……」
杏子「気にするなよ、もう、怒る気はないだろ?」
さやか「迷惑かけちゃったね……恭介にも、みんなにも」
ほむら「構わないわ(え……バファ○ンすごくね……?)」
まどか「いいんだよ今は、ゆっくり休んで」
さやか「そっか、ごめんね、ちょっと寝るから」
マミ「……○ファリンをあれだけ飲んだんだもの、優しさで身を包まれているような心持ちのはずよ」
まどか「そうだね、すごくすっきりとした顔をしてる……」
杏子「まあ、薬は用法用量を守って正しく服用しないとね」
ほむら「……(でも、これならワルプルギスの夜も越えられるかもしれない……)」
ほむら「!?(しまったぁ! まどかが魔法少女化したら超えてもまったく意味ないじゃーん!)」
ほむら「杏子、バファ○ンを貰えるかしら」
杏子「いいよ、好きなだけ飲みなよ」
ほむら「容量は守るわ……」
132:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 22:46:11.90 ID:DNM4RyVS0
ちょっとバファリン飲んでくるわ133:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 22:48:44.65 ID:
+BIoHSEqP0ワルプルギスの夜 当日
さやか「あれが……ワルプルギスの夜……!」
杏子「魔法少女が5人も居るんだ、何の問題もないさ」
ほむら「(この戦いが終わったら私は時間を巻き戻すしかない……!)」
まどか「倒そう! 町を守るために!」
マミ「ええ、みんな、散開! フォーメーション! カエサル!」
「「「「了解!」」」」
・
さやか「ふう……倒せたね……」
杏子「ああ、特にまどかは大活躍だったな」
マミ「……? 鹿目さん?」
ほむら「まどか!」
まどか「う……ぅぐ……! どうして! ワルプルギス……! たおしたのにぃ!」
杏子「な、なんだ! どうした! まどか!」
ほむら「ソウルジェムが濁り黒く染まれば、私たちはグリーフシードとなり魔女として生まれ変わるの」
135:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 22:53:47.46 ID:
+BIoHSEqP0杏子「なん……だよ……じゃあ、私ら、全員……?」
マミ「嘘でしょ?」
さやか「そのうち魔女になっちゃうの!?」
ほむら「ええ、とりわけまどかは高い資質を持っている、私たちが束になっても敵わない魔女が生まれるわ」
さやか「も、もしかして、今戦ったのが全然笑えるくらい?」
杏子「……」
マミ「そんな、私たち……死ぬしかないの?」
ほむら「みんな、ありがとう、楽しかったわ。良い思い出を残せた」
ほむら「美樹さやかと巴マミとも和解できた佐倉杏子とも友人になれた、こんなに嬉しいことはないわ」
杏子「なに、言ってるんだ?」
ほむら「私は過去に戻り、今度こそまどか……いえ、あなたたち全員を救ってみせる!」
ほむら「それまで……待っていて……」
まどか「ぐ……ぐぐ…きょ、きょうこ………ちゃん……」
杏子「な、なんだ?」
まどか「ば……ば○……ァ……りん……!」
138:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 22:58:47.82 ID:
+BIoHSEqP0杏子「そうか! バファリ○なら!」
さやか「そうだよほむら! バファ○ンならなんとかしてくれるよ!」
ほむら「馬鹿なこと言わないで! そんな市販薬でソウルジェムの汚れが取れるわけ無い!」
マミ「いいえ、バファ○ンはただの市販薬じゃないわ」
杏子「そうだ! 優しさで出来てるバファリ○なら!」
さやか「ほむら、持ってるんでしょう?」
ほむら「……ぐ、ま、まどかの望みだものね……」
ほむら「(それでほんの少しでも痛みが和らぐのなら……)」
マミ「ミネラルウォーターはちゃんと持ってるわ!」
さやか「すごいマミさん! おっぱいの間からペットボトルが!」
杏子「まどか、口、あけな?」
まどか「ぁ……ぁぁ!」
ほむら「うぅ! 行かないで! 行かないでまどかぁぁぁぁぁ!」
まどか「……ぅ……ぅ……すぅ……すぅ……」
ほむら「う……そ……!?」
139:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 23:03:54.27 ID:
+BIoHSEqP0さやか「ソウルジェムの汚れが取れていく……」
ほむら「そんな、いくらやってもグリーフシードでしか取れなかった汚れが……!」
杏子「へへ、解ってたんだろ、ほむら」
さやか「そうだよ、ほむら」
マミ「ええ、解ってたんでしょう?」
「「「優しさは……世界を救うって!」」」
・
ほむら「魔女が人に戻っていく……」
まどか「これも、バファリ○の力なんだよ」
マミ「元は人だったんだもの、優しささえあれば」
杏子「……」
さやか「杏子?」
杏子「いや、今まで戦った魔女も、バファリ○があれば、救うことが出来たのかなって」
まどか「そうだね、でも、それはどうしようもないことだから……」
140:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 23:07:31.27 ID:
+BIoHSEqP0ほむら「ええ、私たちは新しい魔法少女を生み出さず、魔女を癒していく」
さやか「そうだよ杏子、いくらやっても戻れない過去を悔やんでも仕方ないよ?」
マミ「ええ、バファリ○……飲む?」
杏子「いいや、飲まない!」
だって、さっき飲んだもんな!
薬は用法用量を守って、正しく服用しないと殺すぞ?
FIN
ちなみに自分はバファリ○じゃなくてナロ○派です。
一度も飲んだことはないはずですが、もしかしたら飲んでいたのかもしれません。
……優しくないから違うかな。
こんなバカSSにお付き合いありがとうございました。
141:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 23:11:27.86 ID:65unkHaqP
バファリンが品薄になるのか。。。
乙!144:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 23:14:32.88 ID:NPfvmELu0
乙。
バファリ○すげー。でもバファリンはなかなかに劇物だから滅多なことでは服用しないほうがいいぜ145:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/06/07(火) 23:16:12.47 ID:ABh7rhlp0
乙
わかさ生活の次はライオンの回し者か・・・わかさってなんだ?→
さやか「ブルブルブルブルアイアイwwwwブルベリアイwwww」
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