1:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/24(月) 23:42:54.47
ID:er5lmpuYo
阿笠「光彦君、光彦君」
光彦「なんですか、博士?」
阿笠「君だけにとっておきの話があるんじゃが、家に来てくれんか?」
光彦「とっておきの話!? 行きます、行きます!」
阿笠「ほっほっほ、きっと喜んでくれると思うぞ」
2:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/24(月) 23:44:38.28
ID:er5lmpuYo
光彦「とっておきの話というのは?」
阿笠「これがなにか分かるかのう?」
阿笠「ジャン!」
光彦「あっ、これは……! 任天堂の……!」
阿笠「そう、任天堂の最新ゲーム機、ニンテンドースイッチじゃ!」
光彦「すごい! 実物を生で見たのは初めてです!」
阿笠「そうじゃろう、そうじゃろう」
3:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/24(月) 23:47:09.67
ID:er5lmpuYo
阿笠「発明家仲間のツテで、どうにか一台手に入れたんじゃが……」
阿笠「光彦君、これを欲しくないかね?」
光彦「欲しいです、欲しいです! やりたいゲームもいっぱいあるんです!」
阿笠「むろん、ワシはこれを君に受け取ってもらうために、ここに呼んだわけじゃが……」
阿笠「タダというわけにはいかん」
光彦「分かってますよ! すぐお年玉を下ろしてきますね!」
4:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/24(月) 23:48:57.85
ID:er5lmpuYo
光彦「下ろしてきました!」
阿笠「いくらじゃ?」
光彦「3万円です!」
阿笠「3万ン?」
光彦「え?」
阿笠「なんでたった3万ぽっちなんじゃ?」
光彦「だって、たしかスイッチの定価は3万円ぐらい……でしたよね?」
阿笠「光彦君、今ニンテンドースイッチは大変品薄なのは知ってるじゃろ?」
光彦「は、はい……転売や詐欺が横行してるとか……」
阿笠「そんなレアなゲーム機をたった3万で手に入れようなんてムシがよすぎるんじゃないかね?」
光彦「そ、そうでした! すぐもっとお金を持ってきます!」
5:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/24(月) 23:50:37.67
ID:er5lmpuYo
光彦「ボクの通帳のお金を全部下ろしてきました!」
阿笠「いくら?」
光彦「10万です!」
阿笠「10万ン? たったの?」
阿笠「それはちと誠意が足りないんじゃないかね? 光彦ォ……」
光彦「す、すみません! でもボクに用意できるお金はこれが精一杯で……」
阿笠「親」
光彦「え?」
阿笠「親の財布とかがあるじゃろぉ~……ン?」
光彦「なるほど!」
阿笠「走れっ!」
光彦「はいっ!」ダッ
6:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/24(月) 23:52:31.73
ID:er5lmpuYo
光彦「父と母の財布や金庫からお金を抜き取ってきました!」
光彦「50万です!」
阿笠「50万ねえ……」
光彦「……まだ足りませんか!?」
阿笠「足りんのう……全然足りん」
阿笠「光の字……お前さん、ちょいとスイッチの価値をなめすぎじゃないかね?」
阿笠「50万程度で買えたら苦労しないんじゃよ! 誰も詐欺になんかあわないんじゃよ!」
光彦「その通りです! もっともっとお金を用意します!」
7:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/24(月) 23:54:21.99
ID:er5lmpuYo
光彦「これでどうですか!? ――1000万円!」
阿笠「ほぉ……どこから工面したんじゃ?」
光彦「家の通帳を持ち出して、全額下ろしてきました!」
阿笠「ほっほっほ、光彦君にしては上出来じゃ。じゃが……」
光彦「じゃが?」
阿笠「もう一声欲しいとこじゃのぉ~……」チラッチラッ
光彦「分かりました! こうなったらなんとしてもスイッチを手に入れてみせます!」
8:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/24(月) 23:56:25.02
ID:er5lmpuYo
光彦「3000万円です!」
阿笠「どうやってこれだけの大金を?」
光彦「家を売りました! さぁ、今度こそスイッチを――」
阿笠「いや……」
光彦「!?」
阿笠「まだじゃな……君ならまだいけるはず! 君はまだ全力を出しておらん!」
光彦「その通りです! ボクはまだやれます! ボクが全力を出せば、コナン君にだって勝てます!」
阿笠「ゆけい、光彦!」
光彦「はいっ!」
9:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/24(月) 23:58:13.16
ID:er5lmpuYo
光彦「ハァハァ……お待たせしました、博士……」
阿笠「待っておったよ、お金は集まったかの?」
光彦「はいっ、1億持ってきました!」
光彦「あちこちの闇金から、全身の内蔵を担保に借金したんです!」
阿笠「見事じゃ、光彦君!」
阿笠「その熱意に免じて、このニンテンドースイッチは君にプレゼントしよう!」
光彦「博士、ありがとうございます!」
阿笠「ゲームをプレイする時には、時々休みを入れるんじゃぞ~」
光彦「はいっ!」
10:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/24(月) 23:59:05.95
ID:er5lmpuYo
光彦「よぉ~し、さっそくプレイしましょう!」
光彦「ん……? あれ……? おかしいですねぇ……?」
光彦「なにをどうやっても全く作動しない……!」
光彦「!」ハッ
光彦「このニンテンドースイッチ、ダンボールで作ったニセモノ!?」
光彦「そ、そんなっ!?」
11:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/25(火) 00:00:41.21
ID:lPbBN2K+o
ドンドンドン! ドンドンドン!
「オラァァァ! 円谷ァァァァァ!」
「内蔵取り立てに来たでぇぇぇ!」
「出てこんかぁぁぁい! この家にまだいるのは分かってるんや!」
「工藤ォォォォォ! 勝負やぁぁぁぁ!」
ドンドンドンドンドンドン!!!
光彦「あわわわ……闇金の人たちがもうやってきました……!」
光彦「博士っ! 博士ぇぇぇぇぇっ!」
12:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/25(火) 00:04:32.97
ID:lPbBN2K+o
――
――
コナン「博士……家にみんなを呼び出して、なんの用だよ?」
元太「もしかして、うな重食わせてくれんのか?」
歩美「それともどこか遊びに連れてってくれるの?」
灰原「ふぁぁ……どうせ新しい発明品でしょ?」
阿笠「ふっふっふ……とっておきのサプライズがあるのじゃ!」
13:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/25(火) 00:06:54.86
ID:lPbBN2K+o
阿笠「ジャン!」
コナン「こ、これは……!」
元太「任天堂のスイッチじゃんか!」
歩美「すっごーい!」
阿笠「ちゃんと一人一台、みんなの分を用意しておるぞ」
灰原「品薄だって聞いてるけど、よくこんなに入手できたわね、博士」
阿笠「発明家にはそういうツテもあるもんなんじゃよ」
コナン「へぇ~、見直したぜ、博士!」
14:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/25(火) 00:08:40.09
ID:lPbBN2K+o
元太「だけどオレ、お金持ってきてないぜ? スイッチって3万ぐらいすんだろ?」
歩美「歩美も……」
阿笠「なにをいう! 子供からお金なんか取らんよ! プレゼントじゃ!」
元太「ホントか!?」
歩美「やったーっ!」
コナン「おいおい博士、ずいぶん太っ腹だな……」
阿笠「ほっほっほ、ちょっとした臨時収入があったからのう」
灰原「発明の特許料かしら?」
阿笠「ん~……ま、そんなところじゃ」
15:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/25(火) 00:09:46.39
ID:lPbBN2K+o
コナン「ところで灰原、さっき光彦んちの前を通りがかったら、なぜか家が売約済になってて」
コナン「物騒な連中がドアをドンドン叩いてたんだが、なんか知ってるか?」
灰原「さぁ……」
阿笠「まあまあ、辛気臭い話はその辺にしておくのじゃ」
阿笠「さ、みんなでニンテンドースイッチで遊ぼう!」
わーいっ!!!
おわり
19:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/25(火) 15:48:41.18 ID:H0/CsVru0
笑った
17:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/25(火) 01:45:58.43 ID:eOdl+cwb0
段ボールでもないよりはマシさ
16:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/25(火) 01:30:14.91 ID:QrVx2oIT0
乙
やはり光彦はこうなる運命
元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1500907374/
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