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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/02/18(火) 23:24:38.80
ID:5ksJ/A01O
「読者は私がたくさんの冒険をしたとお思いだろう。何より偉大で輝かしい冒険がこれから私を待っています」ーーアーサー・コナン・ドイルーー
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/02/18(火) 23:27:10.69
ID:5ksJ/A01O
黒の組織との決着がつき、私は自身が開発したAPTX4869の解毒薬によって宮野志穂へと戻ることが出来た。無論、彼も本来の姿に戻った。
「宮野、そこの資料を取ってくれ」
「そこのって、どれよ?」
資料を取るように頼まれたが、乱雑に散らかる机の上て目当ての物を見つけることは困難だ。
残念ながら私はそこまで推理が得意ではない。
「あ、わりぃ。手元にあったわ」
「バカね。灯台下暗しとはよく言ったものよ」
資料は彼の目の前で発見されたらしく私が皮肉を言うと、彼は資料を読みながらこう返した。
「灯台はたしかに遠くまで光を届けて明るく照らすけど、真実までを見通すことは出来ない」
まるでうわごとのようにそう呟く彼が、正しくその意味を理解しているのか判断がつかない。
ただひとつ言えるのは、熱心に資料を読み耽るこの歳若い青年は、そんじょそこらの灯台よりもよっぽど光量があり、真実を照らし出す能力を備えた、名探偵だと言うことだけだ。
「よーし、だいたいわかったぞ……あ、もしもし、目暮警部。犯人の目星がつきましたので、最優先でそちらを当たってみてください」
今日もまた、彼は迷宮入りの事件を解決した。