143:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/07(月) 11:54:56.49
ID:yvQ2HiJo0
羽沢つぐみ「出られない部屋」
※キャラ崩壊してます
144:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/07(月) 11:55:48.47
ID:yvQ2HiJo0
――弦巻邸――
氷川紗夜「……はい?」
羽沢つぐみ「……え?」
弦巻こころ「出られない部屋よ!」
紗夜「あの、急に連れてこられてそんなことを言われても、理解が及ばないのですが」
つぐみ「ど、どういうことなの、こころちゃん?」
こころ「黒服の人たちが作ってくれたのよ! 入った2人がとーっても仲良くなるっていう素敵な部屋を!」
紗夜「えぇと……」
つぐみ「つまり、そこに私と紗夜さんで入ってってこと……?」
こころ「そういうことね!」
145:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/07(月) 11:56:46.70
ID:yvQ2HiJo0
紗夜「……どうしてそんなものに私と羽沢さんが」
こころ「ちょうど2人でいたじゃない? それに花音が言っていたのよ。よく紗夜とつぐみが一緒にお茶してるって」
つぐみ「う、うん、よく一緒にウチでお茶はしてるけど……」
こころ「2人がもっともーっと仲良くなるなら2人も幸せだし、きっと世界中にも笑顔が増えるわ!」
紗夜「そんなバカな……私はともかく、羽沢さんをそれに付き合わせるのは申し訳がないですから、遠慮させていただきます」
つぐみ「そ、そうですね。私は別にいいですけど、紗夜さんに付き合ってもらうのは悪いですし……」
こころ「あら、そうなの?」
紗夜「ええ。私は別に構いませんが、羽沢さんが……」
つぐみ「はい。私は入ってもいいですけど、やっぱり紗夜さんが……」
こころ「んー、2人とも美咲みたいなことを言ってるし、きっと大丈夫ね! それじゃあ、あたしは出て行くわね!」
紗夜「はい?」
つぐみ「え?」
こころ「そこのモニターにお題が出るらしいわよ! それじゃあ!」ガチャ、パタン
146:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/07(月) 11:57:29.32
ID:yvQ2HiJo0
紗夜「え、あの、弦巻さん?」
つぐみ「行っちゃった……」
紗夜「…………」
つぐみ「…………」
紗夜「……何かとても嫌な予感がするわね」
つぐみ「……紗夜さんもですか?」
紗夜「ええ。まさかとは思うけれど……」ガッ、ガッ
つぐみ「そのまさか……ですか」
紗夜「……ドアが開かない、わね……」
つぐみ「そう……なんですね……」
紗夜「…………」
つぐみ「…………」
紗夜「つまりこの部屋が」
つぐみ「何かをしないと出られない部屋……」
147:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/07(月) 11:58:43.95
ID:yvQ2HiJo0
紗夜「はぁ……すみません、羽沢さん。弦巻さんのお願いを安請負したせいで変なことになってしまって」
つぐみ「い、いえいえ……私もこころちゃんに普通についてきちゃいましたし、紗夜さんのせいじゃないですよ」
紗夜「そう言って頂けると助かります」
つぐみ「はい。それよりも何かをしないとってこころちゃんが言ってましたけど、何をすればいいんですかね?」
紗夜「そういえばモニターにお題が出ると言ってたわね……」
つぐみ「モニター……アレかなぁ、なんだかこれ見よがしに目の前にボタンがある……」
紗夜「十中八九それね」
つぐみ「押さないといけない……んですよね、コレ」
紗夜「ええ、恐らく。とりあえずこうしていても仕方がないし、押してみましょうか」
つぐみ「はい」
紗夜「……どうしてこんなことになったのかしらね……せっかく2人で……」ポチ
つぐみ「紗夜さん? 何か言いましたか?」
紗夜「いえ、何でもありません」
148:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/07(月) 11:59:29.94
ID:yvQ2HiJo0
モニター<ブゥン
つぐみ「あ、モニターに電源が入ったみたいですね」
モニター『 … … お題 』
モニター『相手の太ももに10分間顔を挟まないと出られない部屋』
紗夜「!?」
つぐみ「!?」
紗夜「えっ、まさか……これをやれと……!?」
つぐみ「え、えぇ!?」
149:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/07(月) 12:00:16.33
ID:yvQ2HiJo0
紗夜「つ、弦巻さん、ちょっと説明してください!」ドンドン!
つぐみ「ふ、太ももに顔をって……えええ……!?」
紗夜「はぁ、はぁ……どれだけドアを叩いても反応がないわ……」
つぐみ「ええ……でも……それはまだ早いような……」
紗夜「ドアノブもビクともしない……弦巻財閥はこんなことにお金をかけていないでもっと社会貢献をすればいいのに……」
つぐみ「だけど……不可抗力だし……」
紗夜「……羽沢さん?」
つぐみ「はっ、はい!?」
紗夜「呆けていましたけど大丈夫……いや、大丈夫な訳がないわね。変な部屋に取り残されたと思ったらこんなふざけた言葉が出てきて……」
つぐみ「い、いえ……」
紗夜「はぁー……どうすればいいのかしら」
150:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/07(月) 12:01:06.94
ID:yvQ2HiJo0
つぐみ「……あ、あの、紗夜さん」
紗夜「はい?」
つぐみ「その……やらないと出られない……んですよね、きっと」
紗夜「まぁ……ここには弦巻財閥の無駄に高度な技術がふんだんに投入されているでしょうから、恐らくは」
つぐみ「そ、それなら……するしかないですよね」
紗夜「え」
つぐみ「ふっ、不可抗力ですから! これはその、仕方ないことですから! やらないと出られないんじゃ私のせいで紗夜さんにもすっごく迷惑がかかっちゃいますし、仕方ないことですから!」
紗夜「え、いえ……羽沢さんというより弦巻さんに迷惑をかけられていて、私たちは被害者のような……」
つぐみ「細かいことはいいんです! だ、だから、その……」
紗夜「…………」
つぐみ「だ、だめ、ですか……?」
紗夜「……い、いえ……私は別に全然まったく構いもしないけれど、羽沢さんに面倒をかけるのは少し間違っているのではないかと」
つぐみ「大丈夫ですっ、私の方こそ紗夜さんに迷惑をかけてしまってもう申し訳ない気持ちでいっぱいなので気にしないで下さいっ」
紗夜「え、ええ、分かりました。それでは……」
つぐみ「えと……」
紗夜「太ももに顔を挟む……」
つぐみ「…………」
紗夜「…………」
151:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/07(月) 12:02:08.16
ID:yvQ2HiJo0
つぐみ「あっ、あれじゃないですか!? ひ、膝枕みたいな!」
紗夜「ひ、膝枕……?」
つぐみ「流石に太ももに顔をっていうのはまだ早いですし、きっとそういうことですよ!!」
紗夜「そ、そう言われてみればそうねっ」
つぐみ「…………」
紗夜「…………」
つぐみ「あ、あのっ、紗夜さんさえ良かったら……私の膝……使っていいですよ?」
紗夜「え、えぇと、私は嫌な気は全然しないんですが、その、羽沢さんは嫌な」
つぐみ「大丈夫です!!」
紗夜「そっ、そうですか」
つぐみ「いつでも大丈夫です! 紗夜さんがソファに寝転がれるように端に寄りますね!!」
紗夜「ありがとうございます……でいいのかしら? それでは少し……失礼します」
つぐみ「はいっ」
152:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/07(月) 12:02:54.14
ID:yvQ2HiJo0
紗夜(どれくらいの力加減で頭を乗せればいいのかしら……分からないけれど、ゆっくり乗せればいいかしらね)
つぐみ(さ、紗夜さんの綺麗な髪が私の膝をくすぐってる……わわわ、なんだかすごくいけないことしてるみたい……)
紗夜(ソファに身体を横にして……そっと、そっと)コテン
つぐみ「ふわぁ……」
紗夜「あ、ご、ごめんなさい、重かったかしら?」
つぐみ「いえっ、全然そんなことないです!」
紗夜「そ、それならよかった」
つぐみ(紗夜さんの程よい重さと温かさが私の膝に……)
紗夜(羽沢さんの服から微かに珈琲のいい香りが……)
つぐみ「…………」
紗夜「…………」
つぐみ&紗夜(どうしよう、想像以上に心地いい)
153:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/07(月) 12:03:34.03
ID:yvQ2HiJo0
紗夜(何か言うべきかしら……僅かであるけど私の方が先輩ではあるし、ここは気の利いた言葉の1つでも……いや、でもなんて言えば? 羽沢さんの膝、気持ちいいですね……いえ、これだとヘンタイみたいな響きになってしまうわ……)
つぐみ(わー、わーっ、膝の上に紗夜さんの頭があるだけなのになんでこんなに幸せな気持ちになるんだろ!? すごくドキドキしてるし、なんだかクセになりそう……。紗夜さんはどう思ってるのかなぁ、あっちじゃなくてこっちに顔向けてくれないかなぁ)
154:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/07(月) 12:04:03.34
ID:yvQ2HiJo0
紗夜(そもそも、そもそもの話、後輩に膝枕をしてもらうということが色々と間違っている気がしてならない。だけどなんだか懐かしい気持ちというか、母の胸に抱かれた気持ちというか父の背におぶさった気持ちというか、まるで春に吹く風のようにどこかノスタルジックで心地のいい爽やかな懐かしさが胸に去来しているから、少しくらい間違えてもいいのではないかという思いがないでもないわ)
つぐみ(紗夜さんは何を考えてるのかな。あれかなぁ、髪の毛撫でたりしたらやっぱり怒られるっていうか嫌な気分になっちゃうかな? でも撫でたいなぁ、紗夜さんに無防備に横顔を晒されて何もしないでいなさいなんて言われても無理だし、今ここにめん棒と耳かきがあれば絶対に私は耳かきしてただろうなぁ。こころちゃんに言えば用意してくれたりしないかなぁ)
155:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/07(月) 12:04:51.64
ID:yvQ2HiJo0
紗夜(だけどやっぱり、こう、先輩として、風紀委員として、やっていいことと悪いことの判断はまだしっかり出来るわ。もしもこの状態で何か優しい響きの言葉を囁かれたり髪を梳かれたりなんかしたらもう理性がどこかへ旅立ってしまうだろうことは痛いほど分かるけれど、まだ大丈夫。流石に羽沢さんだってそんなことをしようだなんて微塵も考えてはいないだろうし、きっと私の理性はこの部屋を出るための10分の間で崩壊することはないはず。だからこのまま黙っていればいいんだ。この、心を解きほぐすような緩やかな温もりと珈琲の微かな優しい香りに身を委ねていていいんだ。不可抗力だから仕方のないことよね)
つぐみ(撫でたい。すごく撫でたい。緩いウェーブのかかった髪に指を通したい。柔らかくて気持ちいいだろうなぁ。膝にちょっと触れただけであんなにくすぐったくて気持ちよかったんだから、手でそれに触れられたら絶対にもっと気持ちいいだろうなぁ。でも流石に私が気持ちよくなるためだけに紗夜さんに触れるだなんてよくないことだし、そんなことを言って幻滅されたりなんかしたら今年一杯は立ち直れないだろうからちょっとなぁ。……でもこの情況がもう既に色々とよくないことだし、今ならちょっとくらいよくないことを重ねても神様は見逃してくれるんじゃないかな)
156:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/07(月) 12:05:21.05
ID:yvQ2HiJo0
紗夜(ああ……一度仕方がないと受け入れてしまうとダメだ……なんだか瞼が重くなってきてしまった……マズイ、このままでは眠ってしまうわ。羽沢さんに膝枕されて眠るだなんて威厳や体面的な部分からしてあまり好ましくないことは間違いないけれど、それ以上にこの心地よさを与えてくれる時間を眠って過ごすことがものすごくもったいない。機会損失だ。仕方のないことなのだからいっそもうこの時間を楽しんでしまえという気持ちがあるから眠りたくない。それにあっさりと眠りに落ちる私を羽沢さんが見たらどう思うだろうか。きっと『部屋から出るために仕方なくやっていることなのに一人で眠るなんて、勝手な人だ』と思われてしまうに違いない。ここは耐え忍ばなければならない)
つぐみ(いっそ紗夜さん、寝てくれないかなぁ。もしも紗夜さんが瞳を閉じて穏やかな寝息を漏らしたなら……あー、やっぱりダメかも。うん、ダメだよ。私に身を預けて眠る紗夜さんが目の前にいたら、絶対髪の毛を撫でるだけじゃ終わらないもん。余すことなく髪の毛先までその感触を堪能したあと、そーっと紗夜さんの顔を動かして、私の方に向けちゃうもん。紗夜さんの無防備で可愛い寝顔を独り占めしちゃうよ、絶対。それは流石にマズイと思う。そんな顔を見せられたら私は何をしちゃうのか……想像できない。とりあえず写真撮っちゃうし、それで済めばいいけど、もしかしたらもしかしちゃう可能性がすごく大きい。高校生にそれはまだ早い……あ、でもひまりちゃんが「今時の女の子はそーいうものなの!」みたいなこと言ってたなぁ。じゃあいいのかな? いいんじゃないかな?)
157:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/07(月) 12:05:57.25
ID:yvQ2HiJo0
ドア<カチャ
紗夜「おや……?」
つぐみ「うん……?」
紗夜「ドアから音がした……わね」
つぐみ「しました……ね」
紗夜「……気付かないうちに10分が経っていたのかしら」
つぐみ「……たぶん?」
紗夜「開いた……のかしらね」
つぐみ「もしかしたら……」
紗夜「…………」
つぐみ「…………」
158:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/07(月) 12:06:37.57
ID:yvQ2HiJo0
紗夜「……一応、様子を見てきま」
つぐみ「いえ私が行きます」
紗夜「え、ですが」
つぐみ「大丈夫です。ちょっと紗夜さん、頭持ち上げてもらってもいいですか」
紗夜「あ、はい」
つぐみ「ありがとうございます。それでは……」スッ、スタスタ、ガチャパタン
紗夜「え」
つぐみ「…………」ガッ、ガッ
紗夜「あの」
つぐみ「ごめんなさい紗夜さん。開いてたんですけど、うっかりまた閉めちゃいました。開けて閉めちゃったんで、また鍵がかかっちゃいました」
紗夜「…………」
つぐみ「……だから、その……」
159:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/07(月) 12:07:24.48
ID:yvQ2HiJo0
紗夜「……し、」
つぐみ「し……?」
紗夜「し、仕方がないですね。弦巻さんのお宅はドアもいい素材を使っていますからどれも重たいでしょうし、そういう時もあるわよね」
つぐみ「そ、そうなんです。ついうっかり」
紗夜「間違いというものは誰にでも存在しますからそれを責めるだなんてことは私には出来ません。これも不可抗力というものね」
つぐみ「そうです不可抗力ですこれは仕方のないことだったんです本当にごめんなさい紗夜さん」
紗夜「羽沢さんが謝る必要なんて微塵もありませんよこれは不可抗力であって致し方のないことですしそもそもの原因は弦巻さんにありますから私と羽沢さんがこの部屋で膝枕をするのも何も悪いことではありません」
つぐみ「ですよね!」
紗夜「ええ」
つぐみ「それじゃあ、紗夜さん」
紗夜「はい。また少し失礼します」
160:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/07(月) 12:08:13.73
ID:yvQ2HiJo0
つぐみ「……あの、他意はないんですけど……今度はこっち側に顔を向けませんか?」
紗夜「……そうね。同じ体勢だと正式にカウントされないという可能性が非常に大きいからこれも不可抗力というものですから」
つぐみ「ですよね!」
紗夜「ええ」
つぐみ「それと、紗夜さんの髪を撫でてもいいですか?」
紗夜「私は羽沢さんに身を預けている立場ですから、羽沢さんの好きなようにしていただいて結構ですよ」
つぐみ「分かりました!」
紗夜「だけど……」
つぐみ「だけど?」
紗夜「……出来ればでいいので……優しくしてください」
つぐみ「任せてください!!」
その後、紗夜さんとつぐみさんがその部屋から出てきたのはもう陽が沈もうかという時間だったとさ
おわり
161:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/07(月) 12:09:02.47
ID:yvQ2HiJo0
参考にしたつもりでした
診断メーカー
さよつぐは『相手の太ももに10分顔を挟まないと出られない部屋』に入ってしまいました。
50分以内に実行してください。
https://shindanmaker.com/525269
お誕生日おめでとうございます、つぐみさん。そしてごめんなさい。
○○しないと出られない部屋、という話を書いてみたいと前々から思っていました。
いざ書いてみたら何かが違う気がしました。いつかリベンジ出来たらいいなと思います。
162:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/08(火) 13:16:56.35 ID:QX1JXOjgo
良き
元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1544965078/
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