上条「バレンタインをぶっ飛ばせ!」【後編】

2011-03-14 (月) 12:17  禁書目録SS   14コメント  
前→上条「バレンタインをぶっ飛ばせ!」



148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/23(水) 21:53:33.38 ID:yrZSlJSyo

禁書 「こもえ、メールの内容はなんだったの?」

小萌 「大したことじゃないのですよ。明日のパーティーに私も参加してくれないかってことです」

禁書 「それだけだったら席をはずす理由が分からないんだけど……」

小萌 「いろいろあるのですよ。いろいろ」

禁書 「……はぐらかされてる」

小萌 「そんなことないのですよ? どんなの作るか決めました?」

禁書 「あ、えっと、ちょ、ちょっとまって!」

小萌 「慌てなくてもよいのですよー」

禁書 「もうこうなったら、すごいのを作ってやるんだから……!」



149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/23(水) 21:54:04.97 ID:yrZSlJSyo

小萌 「その意気です! と、いきたいんですが、シスターちゃん。ごめんなさい、緊急事態なのです」

禁書 「――え?」

小萌 「先生、用事ができちゃったのです。急ぎというわけではないですが、
    そっちを済ませてから戻ってきた方が時間がとれると思うので」

禁書 「で、でもこもえ? まだなんにも決まってないんだよ……!」

姫神 「……」

小萌 「シスターちゃん。自分で言ってたでしょう?」

禁書 「な、なにを……?」

小萌 「バレンタインは甘いわたあめみたいな幻想じゃないのです。
    作るところから渡すところまで、自分で決めないと意味がないのですよ。

小萌 「協力するとは言いましたけど……あくまでやり方なんかの問題であって、
    シスターちゃんが自分で決めなきゃいけないところまで介入するつもりはないのですよ」



150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/23(水) 21:54:32.10 ID:yrZSlJSyo

禁書 「で、でも、わたしは……!」

小萌 「…………」

禁書 「材料だってよくわからないし、どんなお店にあるか分からないし、
    お菓子作りにどんなものが必要なのかとか、
    どのくらいの時間がかかるかとか、小さじ四分の一がどのくらいだとか……分からないんだよ! ひとりじゃできないよ!」

小萌 「出来る限り、協力はするのです。シスターちゃん。不安になることはないのですよ」

姫神 「私も。いる」

小萌 「シスターちゃんは、上条ちゃんにどんなチョコを渡したいかだけを考えればいいのです。
    たとえ作るのが難しいものでも、出来る限り力は尽くします。その為には、シスターちゃん。あなたの判断が必要なのですよ」

禁書 「……こ、こもえ……」

小萌 「それと、小さじの「さじ」はスプーンのことです。
    小さじ四分の一は「小さい方のスプーンで四分の一くらい」という意味なのですよ。
    計量スプーンはあるので、迷うことはないのです」



151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/23(水) 21:55:01.57 ID:yrZSlJSyo

 ◆街


禁書 「こもえに言われて、一応どんなのにするかは選んだけど……」

禁書 「……やっぱり不安なんだよ。薄力粉と小麦粉の違いすら分からないのに……」

禁書 「グラニュー糖、卵黄……アーモンドプードル?」

禁書 「……あんなふうに言われたから美味しそうなの選んだけど、やっぱり無謀な気が……!」

姫神 「とにかく。材料を買っておかないと」

禁書 「ど、どんな店に行けば……」

姫神 「いざとなれば。小萌に電話してみればいい」

禁書 「足りないかも知れないからって、こもえがお金おいていったけど……こんなお金持たされたら逆に不安なんだよ……」



152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/23(水) 21:55:30.33 ID:yrZSlJSyo

姫神 「それでも。なんとかしないと」

禁書 「そ、そうだね……!」

禁書 「とりあえず、この時期だったらどこでもバレンタインキャンペーンみたいなのをやってるはず!」

禁書 「売り物のチョコとは別の材料なんかが置かれてる場所もきっとあるはずなんだよ」

姫神 「じゃあ。ひとまずデパート?」

禁書 「う、うん! 見てみないことには分からないし、回ってみよう。
    見つからなければ他のところも行ってみればいいんだよ!」

姫神 「その通り。がんばろう」

禁書 「お、おー!」



153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/23(水) 21:56:06.64 ID:yrZSlJSyo

 ◆百貨店


禁書 「……バレンタインっていう文字がゲシュタルト崩壊を起こしそうなんだけど」

姫神 「流れてる音楽が。バレンタイン・キッス」

禁書 「そういうタイトルなの?」

姫神 「たしか」

禁書 「へえ……まぁそんなことはいいや。まわってみよっか」

姫神 「ついでだし。市販されてるチョコもみてみる?」

禁書 「……つくるのに?」

姫神 「見栄えとか。参考になるかも」

禁書 「……なるほど」



154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/23(水) 21:56:46.77 ID:yrZSlJSyo

禁書 「……あのチョコ、明らかに版権もののキャラクターの形してるんだけど」

姫神 「こういうものは。許可を取っているのでは?」

禁書 「食べるのがもったいないくらいだね。すごく良くできてるかも」

姫神 「ガラスでも陶芸品でも。同じ形してるものはあるのに。食べ物だと精巧に見える」

禁書 「こっちのチョコは、なんだろう……薄い……?」

姫神 「高い」

禁書 「こ、この量でこの値段って……! そんなに美味しいの? これ」

姫神 「庶民な私には。きっと板チョコの方が美味しく感じる」

禁書 「さ、搾取! これが搾取って奴なんだね……!」



155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/23(水) 21:57:18.29 ID:yrZSlJSyo

禁書 「あ、あっちにも何か珍しい形の……」

姫神 「待って。走らないほうが」

禁書 「だいじょーぶだよ、あいさ!」

姫神 「そんなふうに言う人は。必ずといっていいほど」

禁書 「わ、わあッ?!」

姫神 「……転ぶ」

禁書 「い、たた……」

御坂 「ちょっと。大丈夫?」

禁書 「えっ」

姫神 「……?」



156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/23(水) 21:57:44.61 ID:yrZSlJSyo

御坂 「あれ、アンタ……」

禁書 「たんぱつ!」

御坂 「たんぱつって言うなっつーの! 私には御坂美琴ってちゃんとした名前があんのよ!」

姫神 「……知り合い?」

白井 「お姉様ー?」

佐天 「あれ? そっちの人、知り合いですか?」

禁書 「ぞ、ぞろぞろと……キングスライムにでもなるつもり!?」

御坂 「何の話をしてるのよ、アンタは……」



157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/23(水) 21:58:17.46 ID:yrZSlJSyo

禁書 「で、でもこれはひょっとして……幸運?」

禁書 「このタイミングで知り合いに会えるなんて……まさに主の思し召しかも」

御坂 「何の話してるのよ、アンタ」

禁書 「あ、あの! たんぱつ! ……さん!」

御坂 「……あの、なんとか頑張って敬語を使おうとしてるのは分かるけど、バカにされてるようにしか聞こえないわよ?」

禁書 「え、あっ、ご、ごめんなさい! その……た、頼みが……!」

御坂 「……御坂美琴」

禁書 「えっと……みこと!」

白井 (……「さん」が消えてますの、今度は)



158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/23(水) 21:58:44.92 ID:yrZSlJSyo

御坂 「ひょっとして、アンタもチョコ?」

禁書 「……! どうして……!」

御坂 「この時期にこのコーナーにいたら、まぁ予想はつくわよ。相手はあのバカでしょ?」

禁書 「……あのバカって言い方はちょっとないかも」

御坂 「あ、えっと……ごめん」

白井 「見逃してあげてくださいまし。お姉様は本人がいないところでも素直になれないタチですの」

御坂 「アンタも余計なこと言わないッ!」

佐天 「どうでもいいことなんですけど、今、微妙に「タチ」の発音が違っていた気が……」

初春 「気にしたらおしまいですよ、そこは」

佐天 「う、うん……?」

姫神 「……なんか。影が薄くなってる」



159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/23(水) 21:59:15.46 ID:yrZSlJSyo

禁書 「女と見込んで頼みがあるんだよ、みこと……!」

御坂 「……頼み、ね」

白井 「余裕ぶってますけど、お姉様の方も猫の手も借りたい状況では?」

御坂 「アンタ、ちょっと黙ってなさい」

禁書 「あ、その……迷惑なら」

御坂 「いいから言いなさいよ。うだうだしてないで」

禁書 「……チョコを、作りたいんだけど、材料が……」

御坂 「……分からない?」

禁書 「分からないの。作り方も材料もかかる時間も小さじ二杯がどのくらいの量なのかも、どんなふうに渡せばいいのかも……」



160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/23(水) 21:59:42.74 ID:yrZSlJSyo

御坂 「……アンタも、パーティー参加するんでしょ?」

禁書 「そ、そういえば、みことも……!」

御坂 「……え、待って。なんで突然睨むの?」

禁書 「本当なら私がとうまとふたりっきりで十四日を過ごす予定だったのに……!」

姫神 「まだ言ってる……」

御坂 「……えっと、それはその……ごめん?」

禁書 「別に謝らなくてもいいんだよ! みことは悪いことしてないもの……!」

禁書 「悪いとすれば、とうま……! もう。人の気も知らないで!」

御坂 「な、なんか……アンタも苦労してるのね……」

禁書 「あ、それで! チョコのことなんだけど……!」

御坂 「良いわよ。一緒に買い物しましょうか」

禁書 「やった! 心強い味方ゲットなんだよ!」

御坂 「……心強い、ねえ」

白井 「照れてますの?」

御坂 「うるさいのよ、アンタはさっきから」



168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/24(木) 20:44:04.88 ID:uFTToDVOo

 ◆上条当麻行きつけのスーパー


上条 「なみだがおちてー! うみにそそいでー! いつしかそらまでもどるよなー!」

土御門「なにひとつ! のこらなくたってー!」

上条・土御門「きみーがーわらえばーそーれーでー!」

青髪 「歌うなや、食料品売り場で。周りからごっつ見られてるから。迷惑やから」

小萌 「先生は、はやくも一緒に来たことを後悔しはじめているのですよ……」

舞夏 「私は楽しいけどなー」

青髪 「鉄の心やな、つっちーの妹さんは……」

舞夏 「むしろ私も歌いたくなってきた」

小萌 「上条ちゃんたちに近いメンタルの持ち主だっただけなのです……!?」



169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/24(木) 20:44:38.26 ID:uFTToDVOo

上条 「食材を見に来たわけだが……正直明日でよかったんじゃないのか、先生?」

小萌 「確かに、月曜の夕方から準備を始めるわけなので、明日でも遅くないのですが」

舞夏 「まぁ、念のためだなー。明日買いに来て、欲しい材料がなかったら困るだろー?」

青髪 「そらそうやけど……まだ何を作るかも決まっとらんのに」

舞夏 「えっ」

土御門「……にゃー」

小萌 「……行き当たりばったりだったんですね、作りたい料理とか、ないんですか?」

上条 「そういうのよくわからないから、お二人の知恵を拝借しようと……」

小萌 「……はぁ……」

青髪 「センセに呆れられるのも悪くはないんやけど……」

土御門「どう考えてもそういうタイミングじゃないんだにゃー」



170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/24(木) 20:45:09.07 ID:uFTToDVOo

小萌 「計画を変更して、本屋さんに行くのですよ。ただし、デパートみたいなところは避けるのです」

上条 「どうして?」

小萌 「察してください!」

青髪 「……?」

上条 「どういうこと……?」

土御門「とにかく、本屋に行けばいいんだにゃー。まったくもって無駄足だったんだぜい」

舞夏 「なーに他人事みたいな言い方してんだ、兄貴ー?」

土御門「……すまんぜよ」

小萌 「まったくもう。計画性がないんですから……!」

青髪 「でもほら、センセー的には、ダメな子ほどかわいいっていう……」

小萌 「開き直らないでほしいのです!」



171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/24(木) 20:45:37.31 ID:uFTToDVOo

 ◆本屋


小萌 「とりあえず、料理関係の本を見てみるのですよー」

舞夏 「どんなの作るか、イメージが湧きやすいしなー」

上条 「『料理の基本』『誰でも作れる! 簡単レシピ』『お手軽! お弁当レシピ』『猿でも分かる料理の基礎』……」

舞夏 「そういう徐々に慣れていく感じの本じゃなくて、今探すべきなのはパーティー料理のレシピっぽいのだなー」

青髪 「『簡単! パーティーレシピ』……こういうのですかね?」

小萌 「それっぽいものがあったら、手にとって見てみるのです」



172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/24(木) 20:46:06.39 ID:uFTToDVOo

土御門「……んー? よくわからんぜい」

上条 「……パーティーに出てくる料理って、具体的に思い浮かばないよな……」

青髪 「肉系に、サラダに魚……どれもよくわからんなぁ」

舞夏 「というか、本格的なものを作ろうとしてたんだなー……」

上条 「いや、何も考えてなかっただけだけど」

小萌 「……料理はやっぱり、私たちで作りますか?」

青髪 「小萌センセーの手料理はぜひとも食べたいけど、やっぱこれはボクらがやらんとね」

舞夏 「でも、手伝いはさせてもらえるんだよなー?」

上条 「まぁ、必然的にな。頼りにさせてもらうぜ?」



173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/24(木) 20:46:40.51 ID:uFTToDVOo

土御門「……んー。豚肉だの鶏肉だの、こういうのを一皿ずつ乗っけてくのは部屋の大きさ的にキツいものがあると思うが」

上条 「大皿に載せて、小皿に自由に取り分けられる感じになるだろうな、自然と」

青髪 「やっぱりピザとか出前取った方が早かったんじゃ」

上条 「一回やるって決めたもんはやるぞ」

土御門「変なスイッチ入っちゃってるんだぜい……」

青髪 「ローストビーフ、合鴨肉……あ、フライドチキンあったわ。これええんちゃう?」

上条 「んー。現実的に考えるとあんまり準備できないよな、場所的にも」

土御門「ゆっくり飲み食いしてれば腹も膨らむから、量は準備しなくてもいいかもにゃー。財布的な事情も踏まえて」

上条 「かといって少なくても困るだろ。仕方ないから、二、三種類だけ自分たちで準備して、あとは買うか」



174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/24(木) 20:47:14.71 ID:uFTToDVOo

青髪 「さて。じゃあ具体的なメニューやけど……」

小萌 「……なんだか、みんなが唐突に真面目なのです」

舞夏 「こいつら、行動力はあるからー。やる気をだしたらすぐいろいろやっちゃうんだよなー」

小萌 「……授業のときもこうならいいんですけど……」

舞夏 「それを期待するのは、豚に空を飛ぶように命令するほど酷なことだと思うぞー」

小萌 「なんの。空を飛ぶ豚だっているのです」

舞夏 「いや、あの豚はいろいろ特殊だと思うけどー」

小萌 「さてと……シスターちゃんたちはどうなっているんでしょう」



175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/24(木) 20:47:44.92 ID:uFTToDVOo

 ◆百貨店

禁書 「材料を買うんだよ!」

御坂 「……なんだか、テンション高いわよね、アンタ」

禁書 「アンタって言わないで欲しいかも。私にだって禁書目録ってちゃんとした名前があるんだよ」

白井 「……目次、ですの?」

禁書 「この街に来てから何回そう言われたか分からないけど、禁書目録なんだよ!」

御坂 「……まぁ、いいわ。禁書目録。それで、アンタはどんなのを作ろうとしてるわけ?」

禁書 「えっと……このページの……」

御坂 「えっ……こんなの作れるの?」

禁書 「さ、さあ……?」



176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/24(木) 20:48:15.06 ID:uFTToDVOo

姫神 「たいへん。たいへん」

禁書 「どうしたの? あいさ」

姫神 「板チョコ。売り切れてる」

御坂 「えっ!?」

佐天 「は、早すぎませんか……? まだ前々日なのに」

禁書 「勝負は既にはじまっていたんだね……」

初春 「明日作ろうとする人が多いでしょうから、早いってことはないと思いますけど……」

御坂 「バレンタインチョコを手作りしようとする人って、意外と多いの?」

佐天 「意外とっていうか、渡そうとする人は手作りするんじゃないでしょうか」

御坂 「……困ったわね。板チョコ、ないのか……」

初春 「業務用チョコレート、ネットで注文します?」

御坂 「間に合うの? それ。っていうか、店回って探しましょうよ。その方がバレンタインっぽいし」



177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/24(木) 20:48:54.05 ID:uFTToDVOo

禁書 「……? 「ぽい」?」

御坂 「何よ、変な顔して。こういうイベントごとで「それっぽい」っていうのは結構重要でしょ?」

禁書 「……そういうもの?」

御坂 「クリスマスにケーキの代わりに和菓子食べたりしないでしょ。そういう形から入る精神も大事よ、きっと」

白井 「……昨日までバレンタインをいったいどうやって過ごせばいいか悩んでいた人に言われたくはないと思いますけれど」

御坂 「もう! さっきからうるさいわね!」

白井 「お姉様が元気になってくれてなによりですの」

初春 「ですねー」

姫神 「それじゃあ。次はどこに?」



178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/24(木) 20:49:20.26 ID:uFTToDVOo

佐天 「製菓材料専門店みたいなとこってないんですかね?」

姫神 「あったとしても。そっちの方が売り切れてそうだけど」

初春 「ニーズはあるんですから、山ほど在庫があるはずでは?」

姫神 「そんなに在庫を用意するほど売れるなら。こんなデパートの板チョコが売り切れるとは思えないけど」

御坂 「まぁ、そういうところも探してみましょうか。いろいろ回ってみるのも悪くないし」

禁書 「あのあの……そういうところって、値段が張ったりするんじゃ……」



179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/24(木) 20:49:46.61 ID:uFTToDVOo

御坂 「…………」

姫神 「…………」

禁書 「ど、どうして黙るのー!?」

姫神 「まぁ。とりあえず」

御坂 「行ってみてからでも、遅くはないわね。黒子、アンタここらへんの地図は頭に入ってるっていってたっけ?」

白井 「一応入ってますけど、どんな店かは知りませんわよ?」

御坂 「あるにはあるってことだ。じゃあ、案内してくれる?」

佐天 「……なんだか、とんでもない方向に物事が動いているような気がするんですが、市販の板チョコ探してからでも……」

御坂 「まぁまぁ。見てみるだけ、見てみるだけ」

初春 「……フラグですよ、それ……」



180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/24(木) 20:50:24.13 ID:uFTToDVOo

 ◆上条の部屋


上条 「二月十三日……バレンタイン前日」

上条 「学園都市は火に包まれていた。怒号のような音をあげて燃えさかる炎を、冬の冷たい風が煽り、その勢いはとどまることなく強まっていく。ある者は呆然と立ち尽くし、ある者は誰にともなく怒り叫び、ある者は誰かの名前を呼びながら涙を流していた。その有様はまさに地獄。けれどそれは始まりでしかない。学園都市統括理事長、アレイスター=クロウリーが世界に対して宣戦布告した事実を、学園都市のほとんどの住人たちは知る由もない。後にバレンタインの惨劇と呼ばれることになる三日間に渡る地獄の、これは序章に過ぎなかった。発達した科学技術と圧倒的な軍事力。それを前に多くの国家が学園都市に恐怖し、そしてこの場所は戦火に包まれることになった。学生達はその事実を知ることもなく、ただ眼前に広がる光景の圧倒的なリアリティに逃れようのない恐怖を感じずにはいられない。けれど煙が目に沁みても、誰かの死を目撃しても、彼らはそれが現実の光景だとはどうしても信じられなかった。これは悪い夢だ。そう信じようとした上条当麻の目の前で、青髪ピアスが焼ける柱に押しつぶされ右腕を失った。血と煙と死と現実に侵された街で、上条当麻は生き延びることができるのか」

上条 「映画『惨劇の三日間』。2.14。ロードショー」

土御門「カミやんカミやん。することがなくて暇だからって映画の予告編妄想するのはやめとくんだにゃー」

青髪 「主人公がカミやん自身ていうのもなんつーかねえ……。というか、何勝手にボクの右腕潰しとんねん」

上条 「だって暇だし」

青髪 「材料買うのは夕方からでもええしね……確かに暇やわ」



181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/24(木) 20:51:00.99 ID:uFTToDVOo

土御門「ていうかカミやん、何で三日間なんだにゃー?」

青髪 「え、その話引っ張るん?」

上条 「それっぽくない?」

土御門「確かにそれっぽいけど、二日間でもよくね?」

上条 「二日って、初日と次の日ってことだろ。短いじゃん。戦火の中で知り合った少女と一緒に眠るためにもう一晩欲しい」

上条 「ちなみに土御門は裏切りポジションな」

土御門「……なんつーか、妙にリアリティのあるポジションだにゃー」

上条 「なんせリアリティがテーマだからな」

青髪 「まぁ、どうせ暇やし、妄想で映画の設定でも作り込んでみる?」

土御門「平和だにゃー……」



186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/25(金) 14:22:32.38 ID:gwq3A1H3o

 ◆小萌宅


禁書 「なんだか、落ち着かないんだよ……」

姫神 「そわそわしすぎ」

御坂 「まったくもう……」

禁書 「そ、そんなこと言われたって……」

佐天 「おーよしよし」

禁書 「き、気安く触らないでほしいんだよっ!」

佐天 「え、だめ?」

禁書 「だ、だめでは……ないけど」

初春 「ツンデレって奴ですかね?」

白井 「この場合はちょっと違う気がしますの」



187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/25(金) 14:22:58.85 ID:gwq3A1H3o

小萌 「あの、ちょっといいですかー?」

御坂 「はい?」

禁書 「どうしたの? こもえ」

小萌 「あの、どうしたの、というよりはですね」

小萌 「人、増えすぎじゃありません?」

禁書 「あー……」

姫神 「……」

御坂 「……ごめんなさい」

小萌 「いやその、別に悪いとか言ってるわけではなくてですね……!」

小萌 「この人数でお話するには、この部屋はちょっと狭くはないですか?」



188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/25(金) 14:23:25.20 ID:gwq3A1H3o

禁書 「……確かに。灰皿はなぜかバベルの塔の様相を呈しているし、空き缶は部屋中に転がってブービートラップ状態だし」

小萌 「こ、これでも片づけた、のです」

御坂 「……え、片付けてこれなの?」

小萌 「な、なんで先生こんなこと言われてるのです……?」

姫神 「作るのは午後からでもいいし。午前中はちょっと暇」

白井 「何故午後から集まるようにしなかったんですの?」

禁書 「……」

御坂 「何も考えてなかったわけね」

禁書 「そんなことないもん! でも、だって、家にいるととうまがいるわけで……!」

御坂 「……まぁ、同居してたら家にいるのは当たり前よね」

佐天 「……ど、同居……?」



189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/25(金) 14:23:51.20 ID:gwq3A1H3o

初春 「人様の事情に首を突っ込んではいけませんよ、佐天さん」

佐天 「そ、そんなに込み入った事情が……」

禁書 「まぁ、ないんだけどね」

初春 「あ、ないんですか」

小萌 「あの、皆さん、落ち着いてください。なんだか話がずれていってますから」

白井 「そういえば……知らないうちに話題が変わってましたわね。いったいどなたが……」

初春 「佐天さんですね」

佐天 「え、ちょ」

御坂 「ま、まぁまぁ。話を続けましょう。先生、それで?」

小萌 「場所を移しませんか? 朝ご飯がてら」



190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/25(金) 14:24:21.78 ID:gwq3A1H3o
 ◆ファミレス


禁書 「それで、みこと。結局聞き忘れてたんだけど、みことって、とうまとどういう関係なの?」

御坂 「何よ藪から棒に。どういう……カンケイ、って。カンケイって言い方、なんかいやなんだけど」

白井 「カンケイ……ですの」

佐天 「……カンケイ、ですかぁ」

初春 「……カンケイ」

御坂 「なんなのよその反応はっ!」

姫神 「禁煙席で」

小萌 「……!?」

姫神 「まさか。生徒の前で煙草を吸ったりは……」

小萌 「……喫煙者の肩身がどんどん狭くなっていくのです」



191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/25(金) 14:24:48.26 ID:gwq3A1H3o

禁書 「……えっと。どれを頼もうかなぁ」

禁書 「というか、よくよく考えたら、昨日材料を買ったからお金がないんだよ……」

小萌 「ちょっとくらいなら先生が払いますのです」

禁書 「え、でも……」

小萌 「だいじょうぶですよ、シスターちゃん」

禁書 「こもえ……」

小萌 「あとでしっかり上条ちゃんに請求しますから」

禁書 「ありがとう! って、ええ? そ、それじゃダメなんだよ……!」

小萌 「つまり、先生のおごりがいいと……」

禁書 「そ、そういうアレではなくて……!」

姫神 「こもえ。意地悪はあまり」

小萌 「そうですね、ごめんなさい。先生がお支払いするので、頼んで良いですよ。……多少遠慮はして欲しいですけど」



192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/25(金) 14:25:17.15 ID:gwq3A1H3o

禁書 「それで? みことはとうまとどういうカンケイなのかな?」

御坂 「……アンタこそどうなのよ。アイツとどういうカンケイなの?」

初春 「……二股男を取り合う女ふたり、みたいな構図になってますね、会話が」

白井 「実際、似たようなものですの」

小萌 「上条ちゃんも罪な男です」

佐天 「そうなんですか?」

禁書 「違うもん!」

御坂 「そんなんじゃないわよ!」

佐天 「えっ……ご、ごめんなさい」

佐天 「……なんで私が怒られてるんだろう……」

小萌 「佐天ちゃん、ドリンクバー行きます?」

佐天 「あ、はーい」



193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/25(金) 14:25:43.77 ID:gwq3A1H3o

御坂 「アイツはただの居候だって言ってたけど……どうも、違うように見えるんだけど?」

禁書 「みことこそ……ただの友だちって言うにはちょっと、とうまとの接し方が不自然なんじゃない?」

小萌 「大奥みたいですねー」

初春 「私、華の乱が好きですよ」

佐天 「どっちが正室でどっちが側室なんですか?」

御坂 「……」

禁書 「……」

佐天 「……私、なんかマズいこと言いました?」

姫神 「大丈夫。このふたりは犬猿の仲に見えて。実は仲が良い」

佐天 「ホントですか?」

姫神 「さあ?」

佐天 「えっ」



194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/25(金) 14:26:10.21 ID:gwq3A1H3o

姫神 「質問に答えると」

佐天 「……?」

姫神 「正室は私。二人は側室」

御坂 「……!?」

禁書 「あ、あいさ……それは少し図々しいかも……」

姫神 「ほっぺが引きつってる。正室になるには。余裕が足りない」

御坂 「……べ、別に私はアイツが誰と何をしていようといいけど……それは本当なわけ?」

姫神 「もちろん」

姫神 「……ふふふ」

御坂 「……!!」

禁書 「……あいさ。私たちは友だちだけど、それ以上はちょっと庇いきれないかも」

禁書 「い、今のうちに訂正するなら、ゆ、許してあげないこともないんだよ」

姫神 「…………」ニヤッ

禁書 「……!!」



195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/25(金) 14:26:36.97 ID:gwq3A1H3o

禁書 「笑った! 今笑ったね!? 何のつもりかなあいさ! それは余裕!?」

御坂 「ひ、姫神さんだっけ? あなた、いったいアイツとどういう……」

姫神 「……にやり」

禁書 「今「にやり」って口で言ったでしょ! あいさ!」

御坂 「べ、別に私はアイツのことなんてどうでもいいんだけど……」

佐天 「……ど、どうすればいいの……この状況」

白井 「放っておけばすぐに収まると思いますの」

初春 「修羅場っぽい空気ですね。見てて楽しいですけど」

佐天 「初春って結構、いい性格してるよね……」

初春 「そうですか? ありがとうございます」

佐天 「いや、あの……ああ、まぁいいや」

白井 「月詠先生? 仲裁に入らなくていいんですの?」

小萌 「先生は非番なのですよー」



196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/25(金) 14:27:03.05 ID:gwq3A1H3o

佐天 「しかし、上条さんって人、そんなにかっこいいんですか?」

初春 「モテモテですねえ」

白井 「……」

佐天 「白井さん? 会ったことあるんですよね?」

白井 「……そうですわね。見た目はちょっと、冴えない感じですの」

禁書 「」ピクッ

御坂 「」ピクッ

白井 「性格は……優柔不断というか、はっきりしないというか」

初春 「話を聞いた印象とは微妙に違うような……」

白井 「あとは鈍感ですの。限りなく」

佐天 「あ、それは何となく分かります」



197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/25(金) 14:27:29.58 ID:gwq3A1H3o

白井 「あとは考えなしで無鉄砲で、ちょっと頭の回転が遅いところもありそうですの」

姫神 「……辛辣」

白井 「印象ですので。申し訳ありませんの」

御坂 (……今までアイツのことを知ってる知り合いが少なかったから何とも思ってなかったけど……)

御坂 (友だちの評価って気になる……すごく!)

禁書 「でもまぁ、半分以上は正解かも。頭の回転はものすごく速いときもあるし」

禁書 「真面目で頑固なところもあるけどいつもは優柔不断だし」

白井 「あとはことあるごとに「不幸だー!」って言ってますの」

初春 「……ん? 訊いてる限り、そんなに好かれるタイプの人とは思えないんですけど」

御坂 「結構はっきり言うわね、初春さん」

初春 「あ、ご、ごめんなさい」



198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/25(金) 14:27:55.58 ID:gwq3A1H3o

御坂 「でもまぁ、確かに……って別に、アイツのこと好きとかそういうんじゃないけど……」

佐天 「……それは無理があるような」

御坂 「何か?」

佐天 「な、なんでもないです……」

初春 「口は災いの門ということわざがありますよ、佐天さん」

佐天 「痛感してる……」

禁書 「まぁ、とうまは人格とか容姿とは別のところで好かれるタイプだから」

姫神 「……」

佐天 「別のところ?」

禁書 「なんだろう。行動?」

初春 「それは人格の一部では……?」

禁書 「まぁ、よくわかんないところなんだよ、そこは」

姫神 「……料理。来た」

禁書 「待ってました!」



203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:22:19.51 ID:LIWb84Yao

 ◆小萌宅


小萌 「先生の部屋のキッチンではさすがに大人数での調理は無理なのですよ」

小萌 「というわけで、二手に分かれましょう」

御坂 「ここから先は別行動ってわけね」

佐天 「どこで作ります? 私の部屋?」

白井 「……ですわね。お世話になりますの」

初春 「腕が鳴りますね……お菓子とか、あんまり作ったことないんですけど」

姫神 「じゃあ。私たちは小萌と」

禁書 「だね! ようし……がんばろう!」



204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:22:45.57 ID:LIWb84Yao

 ◆上条の部屋


青髪 「……っと。ちょっと用事ができたわ」

上条 「……? どっかいくのか?」

土御門「まぁ、時間にも余裕があるし、いいんじゃないかにゃー? 俺もちょっと出掛けてくるんだぜい」

上条 「そうだな。じゃあ時間になったらまた集合ってことで」

土御門「うーい」

青髪 「ほな、また後でな」


上条「……一人になってしまった」

上条「……スマブラでもしてるか……」



205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:23:11.94 ID:LIWb84Yao

 ◆学生寮玄関


青髪 「さてと。カミやん……」

青髪 「料理を作るくらいじゃ、バレンタインはぶっ飛ばせないんやで」

青髪 「まずは協力者を募らな……」

青髪 「つっちーはやめといた方が無難やろな。とすると……」

青髪 「……協力してくれるとは思えんけど……まぁ、なんとかなるやろ」

青髪 「ハッピーバレンタイン、や。カミやん。楽しみにしといてな」



206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:23:39.12 ID:LIWb84Yao
 ◆隣室


土御門「……舞夏、いるか?」

舞夏 「おー」

土御門「出番なんだぜい」

舞夏 「ういうい」

土御門「……やる気あるか?」

舞夏 「そりゃあもう」

土御門「……言葉の省エネしてる?」

舞夏 「いやいやー」

土御門「……まぁいい。行くぞ」

舞夏 「どこへ?」

土御門「下ごしらえだよ」



207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:24:08.80 ID:LIWb84Yao

 ◆小萌宅


小萌 「突然どうしたのですか……先生びっくりしたのですよ」

青髪 「いやあ、すんません。先生もチョコの準備とかあるかなーって思ってはいたんですけど」

小萌 「まったくもう……」

青髪 「甘い匂いがしますね。やっぱ、作っとったんですか?」

小萌 「ま、まぁ……そうなのです」

青髪 「一人で?」

小萌 「はい。私ひとりなのですよ」

青髪 (……ま、そうなるわ)

青髪 「なるほど、ね。ちなみに、どなたに?」

小萌 「どなたにも何も……あなたたちが私をパーティーに誘ったんじゃないですか。先生、気合入れて準備してたのですよ」

青髪 「……へえ」



208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:24:51.70 ID:LIWb84Yao

小萌 「ところで、明日は月曜ですけど……」

青髪 「……はい?」

小萌 「平日でもあるのですよ。課題、やりましたか?」

青髪 「……!!」

青髪 「いやあ、はは……」

小萌 「ダメじゃないですか。ちゃんとやらないと、すけすけみるみるなのですよ?」

青髪 (……これはひょっとして)

青髪 (センセイはボクを追い返そうとしている……? 見られたくない何かがあって……ボクを早々に追い返そうと……)

青髪 (……まだ確証はない)



209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:25:18.93 ID:LIWb84Yao

青髪 「センセイと一緒ならそれも悪くないかなぁ、なんて」

小萌 「先生は、そういうことをする男の人は嫌いです」

青髪 「お、男の人はって」

小萌 「な、なんでもないのですッ……!」

青髪 「な……グッ……!」

青髪 (ど、動揺するな……騙されるな。これは小萌センセイの計画や……普段と違うことを言って……ボクを動揺させようと……)

青髪 (……だがしかし……抗えない……)

小萌 「…………」ニヤリ

青髪 (……!? 今……)



210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:25:45.35 ID:LIWb84Yao

小萌 「ほら、早く帰って課題をしないといけないのですよ? そうじゃないと、先生困っちゃうのです」

青髪 「……はは、そうですね。いやでも、どうしてもセンセイに聞いて欲しい話があるんですよ」

小萌 「……話、ですか?」

小萌 「いったいなに……」

小萌 (……!!)

小萌 (……これはまずい、のです)

小萌 (聞いて欲しい話が何か分かりませんが……相談ごとなら断れません)

小萌 (でも……中に入られるわけにはいかない)

小萌 (あの二人が中でチョコ作りをしていることは……絶対に悟られてはいけないのです。あの二人の為にも……)

小萌 (……でも、聞いて欲しい話がある、なんて言い方をされては……立場的にも心理的にも断れない……)

小萌 「どんなお話なのですか?」

小萌 (一刻も早く……話とやらを終わらせなくては。もしもそれが口実なら、そこに論理性はないはずなのです)

小萌 (いえ……今日は用意で忙しいからと断るべき? ああもう、頭が回りません……!)



211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:26:13.06 ID:LIWb84Yao

青髪 「実は先生、明日のパーティーのことなんですけどね」

小萌 「明日のこと、ですか?」

青髪 「そ。明日のことや。センセ」

青髪 「センセは……カミやんにチョコ渡すん?」

小萌 「……ど、どうして上条ちゃんに……?」

青髪 「センセイは相手によって態度を変えたりしない公平な人やけど……人間や」

青髪 「カミやんが小萌センセイのお気に入りってことくらい、みーんな知っとるで」

小萌 「……もう。そんなことないのですよ?」

青髪 「やからね、センセ。一応聞いとこうと思ったんですわ。チョコを誰に渡すか……?」



212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:26:39.45 ID:LIWb84Yao

小萌 「……マナー違反なのですよ? バレンタインの前日に誰にチョコを渡すかを訊くなんて」

青髪 「あはは。すんません。どうしても気になって……」

小萌 (……まさか、本当にそれだけの用事で……?)

小萌 (……いや……)

小萌 (ありえないのです。この子はそんなことをわざわざ聞きに来る子じゃない)

小萌 (むしろバレンタインが終わるまで、もらえるかもらえないかを一喜一憂して楽しむタイプ……)

小萌 (だとすればやはり……これはなんらかの……)

青髪 「……分かった。誰に渡すかは、訊かんときますわ」

小萌 「……」ホッ

青髪 「でも、いい匂いですね。どんなチョコ作っとるんですか?」

小萌 「……?」

小萌 (……明らかに、態度がおかしい……彼は何かを企んでいる……)



213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:27:05.65 ID:LIWb84Yao

小萌 「……」

青髪 「……ふふ」

小萌 「……?」

青髪 「……センセイ。根負けや」

小萌 「え……?」

青髪 「このまま続けたって、ボロだしてくれそうにないもんな。さすがにこういうのはキツいわ」

青髪 「正直に教えてや。誰かおるんやろ?」

小萌 「……!!」

小萌 「な、なんのことですかー?」

青髪 「二人や」

小萌 「な、なんでっ……!」

小萌 「……!!」



214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:27:48.37 ID:LIWb84Yao

青髪 「……カマかけただけやよ」

青髪 「適当な数字を言えば、センセイは反応してくれるって思ったんや」

青髪 「数字が合っていれば驚くし、数字が合っていなければ安心したはず」

青髪 「……誰もいなければ、そのときは何とも思わないはずなんや。センセイの今の反応は――中でも一番わかりやすいやっちゃな」

小萌 「……どういうつもりなのですか。無粋なのですよ」

青髪 「ごめんな、センセイ。でもね、ボクはそう……無粋。無粋なことをしたいんですよ」

青髪 「バレンタインをね、ぶっ飛ばしたいんです」

小萌 「……ば、バレンタインを……」

青髪 「そう」

青髪 「バレンタインを、ぶっ飛ばすんです」



215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:28:17.21 ID:LIWb84Yao

小萌 「な、何をするつもりですか?」

青髪 「心配せんでも、何も大暴れしたりはしませんよ。ただ、バレンタインをね」

青髪 「こう……ぶっ飛ばしたろ、と」

小萌 「だ、だから。ぶっ飛ばすって一体なんなのです?」

青髪 「分かりませんか、センセイ」

小萌 「え……?」

青髪 「明日のバレンタイン・パーティー。メンバーは、ほとんど全員、カミやんの知り合いなんですわ」

青髪 「姫やんと、あと禁書目録いうシスターさん。小萌センセイは知り合いですけど……それ以外はカミやんの知り合いなんですわ」

青髪 「このままでは「バレンタインをぶっ飛ばせ!」の名目でただのバレンタインに落ちてしまうのは明白……」

青髪 「カミやんが女の子をはべらせてるのを眺めて悔しい思いをするだけになるんですわ」

青髪 「……そんなん楽しくない」

小萌 (……な、なんなんですかこの負のオーラは……)



216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:28:52.23 ID:LIWb84Yao

青髪 「嫉妬!? 嫉妬ですよ! ええ嫉妬です! 妬んでますようらやましいですよ! チクショウ、呪われろ!」

小萌 (え、えええ……?)

青髪 「とにかくこのまま無難なパーティーになんてなったら困るんです! いや! ボクは嫌や!」

小萌 「駄々っ子になっちゃったのです……」

青髪 「どうにかしてカミやんに「してやられた!」と言わせたい!」

小萌 「なぜ「してやられた!」なのかが分からないのですが……」

青髪 「別に「ぎゃふん」でも「うんとかすん」でも良いですそこは!」

小萌 「「うんとかすん」は違うと思うのですよ……」

青髪 「下手なさぐり合いはなしにしましょうセンセイ」

青髪 「ボクのたくらみを全部話します。協力してください。後ろの二人も混ぜて」

禁書・姫神「!!」

青髪 「カミやんのバレンタインを……崩落させたるんです」



217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:30:13.53 ID:LIWb84Yao

 ◆柵川中学学生寮


土御門「……ここかにゃー?」

舞夏 「一応、連絡しといたからー」

土御門「うーす。さて、いくかにゃー。部屋は?」

舞夏 「ついてきてー」

舞夏 「しかし、兄貴ー、青髪は青髪で独自に動いてるんだよなー?」

土御門「……恐らくな。このままだとあちらに有利に物事が展開されてしまうだろう」

舞夏 「あちらに有利って、競合するような計画なのか? あっちとこっち」

土御門「あんまりしない」

舞夏 「ならいいんじゃ……」

土御門「嫌だ」

舞夏 「えっ」

土御門「カミやんに「してやられた!」と言わせるのは……俺の方なんだぜい」

舞夏 「……くだらねー」

土御門「なにをぅ」



218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:30:42.84 ID:LIWb84Yao

舞夏 「ここかな」

土御門「ようし。おじゃましまーす!」

舞夏 「こらバカ兄貴、仮にも女の子の部屋に入る時にそんなに堂々としてる奴があるか」

土御門「な、なんか悪かったかにゃー?」

舞夏 「……いや、もういい」

土御門「……にゃー」

御坂 「……なに?」

土御門「……どうも、学園統括理事会の者です」

御坂 「……は?」

舞夏「言っていい冗談と悪い冗談っていうのがあってな、兄貴ー?」

御坂 「あれ、土御門?」

土御門「にゃー」

舞夏 「愚兄です」

御坂 「え、お兄さん?」



219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:31:15.33 ID:LIWb84Yao

 ◆佐天涙子の部屋

土御門「……さて。今日ここに集まってもらった理由は分かってもらえていると思うが……」

御坂 「すみません、全然分かってないんですけど」

佐天 「……だれ、この人たち」

初春 「さぁ?」

佐天 「……私、部屋に男の人いれるのはじめてなんだけど……」

初春 「大人の階段のぼりましたね」

佐天 「意味がわからないし……」



220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:31:51.12 ID:LIWb84Yao

土御門「……? もう一人いると思っていたんだが?」

御坂 「……どうして?」

土御門「カミやんがな、呼んだ女子は四人だと言っていたものだから……てっきり、な」

御坂 「黒子ならいないわ。用事があるって言って抜けてった」

土御門「……用事、か」

土御門「……まぁいいか」

土御門「さて。俺がここに来た理由を説明させてもらってもいいか?」

御坂 「かまわないわ。さっさと話して」



221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:32:17.97 ID:LIWb84Yao
土御門「……世界は危機に瀕している」

御坂 「……!?」

土御門「明日の十四日。事態は切迫している。俺たちの取る行動如何によっては――」

土御門「――多くの人間が血涙を流しその夜を終えることだろう。大いなる絶望を胸に」

御坂 「……それって、どういう……」

初春 「ココアパウダーって美味しいですよねー」

佐天 「こら、舐めるな!」

御坂 「……ごめんなさい、後ろの二人は気にしないで」

舞夏 「……兄貴、その遊びはまだ続けるのかー?」

土御門「だんだん楽しくなってきたから、もうちょっとだにゃー」

御坂 「……は?」



222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:32:54.94 ID:LIWb84Yao

御坂 「ええと……それで、何の話だったっけ?」

土御門「あ、明日のバレンタインのことなんだぜい……」

舞夏 「はじめから素直に話をしてればよかったのに」

御坂 「ごめんね。感情のコントロールは出来てるつもりなんだけど、最近は不安定で」

御坂 「つい、イラっとくると、こう、ビリビリーっとね?」

土御門「いや、悪ふざけしたこっちが悪かったんだにゃー……」

御坂 「それで、何の用なのよ、結局」



223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:33:51.20 ID:LIWb84Yao

土御門「……他でもないカミやんの話なんだぜい」

御坂 「……カミやん……ていうのは、つまり」

舞夏 「お察しの通り、上条当麻のことだなー」

御坂 「アイツがどうかしたの? それに十四日って……明日のことよね?」

土御門「そう。上条当麻と明日のことだ。なんならちょっと意味ありげに「上条当麻との未来のこと」と言い換えてもいい」

御坂 「いや、別に言い換えなくてもいいから……」

土御門「カミやんはな、アホだ」

御坂 「え、なに? 突然」

土御門「アイツはこの期に及んで……自分が個人的にチョコをもらうことはないと思っている」

御坂 「えっ」

御坂 (……えっ、って思うのも変な話よね、気付かれてない方がいいし……)

御坂 (……でもこの喩えようのないむなしさは何……?)

御坂 (……一切期待されないっていうのも、なんだかんだで悲しいもんなのね……)



224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:35:09.22 ID:LIWb84Yao

土御門「バカにしていやがる……年頃の女が好きでもない男と一緒にバレンタインをすごそうと思うものか……!」

御坂 「ちょろっとー? だいぶ語弊のある言い回ししてるわよ、お兄さん?」

舞夏 「あれ、違うのかー?」

御坂 「……アンタこそどうなのよ」

舞夏 「私はほら。バレンタインもクリスマスも、家族と過ごすものだと思ってるからな」

御坂 「……なんか、悲しくない? 世間じゃ恋人たちの……だのなんだの言ってるのに」

舞夏 「自分の身を顧みてからそういうことを言おうなー、御坂美琴ー。誰と誰が恋人なんだー?」

御坂 「……うぅ……」

舞夏 「それに、結婚しちゃえば家族じゃん。恋人たちのバレンタインも家族のバレンタインもそう変わらないってー」

舞夏 「……け、けっこん……ですか」

土御門「……舞夏? 舞夏ー? お兄ちゃん、結婚の話はちょっと早いと思うんだぜい?」



225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:35:35.95 ID:LIWb84Yao

御坂 「……そ、それで。お兄さん、いったい何をしに来たんでしたっけ?」

土御門「さっき言ったとおり、カミやんはチョコを一切期待していない」

土御門「むしろ絶望的だと思ってるらしい」

御坂 「それホント?」

土御門「本当。期待していないからそわそわしたりすることもなく、普段通りの態度でスマブラ始めてたにゃー」

御坂 「……」

土御門「このままじゃつまらんぜよ。だからって普通にパーティーで盛り上がってチョコを渡すってのも、なんだかにゃー」

御坂 「……つまり?」

土御門「ちょっとした演出を加えようと思うんだぜい。そのために、君たち三人の協力が必要なわけだ」

御坂 「……私たち?」

土御門「そう。――カミやんの幻想をぶち[ピーーー] ためにな」



226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:36:11.39 ID:LIWb84Yao

御坂 「……そ、それで。お兄さん、いったい何をしに来たんでしたっけ?」

土御門「さっき言ったとおり、カミやんはチョコを一切期待していない」

土御門「むしろ絶望的だと思ってるらしい」

御坂 「それホント?」

土御門「本当。期待していないからそわそわしたりすることもなく、普段通りの態度でスマブラ始めてたにゃー」

御坂 「……」

土御門「このままじゃつまらんぜよ。だからって普通にパーティーで盛り上がってチョコを渡すってのも、なんだかにゃー」

御坂 「……つまり?」

土御門「ちょっとした演出を加えようと思うんだぜい。そのために、君たち三人の協力が必要なわけだ」

御坂 「……私たち?」

土御門「そう。――カミやんの幻想をぶち殺すためにな」



227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:36:37.49 ID:LIWb84Yao

 ◆小萌宅


青髪 「してほしいことっていうのは単純や」

青髪 「何も本気でカミやんを悲しませたろ思おとるわけやない」

青髪 「ただね、カタルシスと言いますか……」

青髪 「サプライズとも言うかな……カミやんにね、チョコを渡さないで欲しいんですよ」

姫神 「……ひょっとして。ばかにしてる?」

青髪 「至って真面目や。ちょっと話聞いてな」

姫神 「カミやんに渡す約束とかなんもしてないんやろ? やったら、渡さんでも裏切ったことにはならん」

禁書 「で、でも」

青髪 「わかっとるわかっとる。十四日のバレンタインの日に渡さないだけでええんや」

青髪 「二月十四日が過ぎれば……それはもうボクの知るところやない」

青髪 「それにほら、十四日が過ぎてから渡せば、「そういえばなかったなぁ」ってときに渡せるやん」

青髪 「印象強まるんやないの?」

禁書 「そういうもの……?」

青髪 「そういうものや」

小萌 「……え、なんですかこの状況……」



228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:37:03.59 ID:LIWb84Yao

 ◆町中


白井 「……いましたの」

白井 「早々に写真を撮って……」

白井 「……盗撮ですけど、まぁ悪用するわけではないですしいいですわよね?」

白井 「……これを佐天さんたちのところに持っていって……」

白井 「……あの二人も人使いが荒いですの」

白井 「ふう……まったくもう」



229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:37:45.64 ID:LIWb84Yao

 ◆佐天涙子の部屋


土御門「君たちにしてほしいことはひとつ。カミやんにチョコを渡して欲しいんだぜい」

御坂 「……え?」

佐天 「……?」

初春 「どういうことですか?」

土御門「聞いておきたいんだが、三人はカミやんにチョコを渡す予定はあったかにゃー?」

御坂 「えっと……まぁその、一応」

初春 「私と佐天さんは……ひとまずみんなで食べられるものを持っていくつもりだったんですけど」

土御門「そう、まさにそこなんだぜい」

佐天 「え、どこ?」

土御門「カミやんにチョコを渡して欲しいんだにゃー。個人的に。できるだけムードたっぷりに」

佐天 「……え?」

土御門「つまり……ドッキリって奴だにゃー」

御坂 「え……」

佐天 「ひ……」

初春 (酷すぎるでしょう、それは……)

土御門「チョコは実際にあげるわけだし、問題ないぜよ」

御坂 「そういうものかなぁ……?」

土御門「ちょっと思わせぶりなこと言うだけでいいにゃー。何も好きだーと言えとか言ってない」

御坂 「いや、抵抗があるのはもっと他の部分なんだけど……」



230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:38:13.44 ID:LIWb84Yao

白井 「ただいま戻りましたの」

佐天 「あ、おかえりなさい」

白井 「お姉様は?」

初春 「お客さんとお話ししてますよ」

白井 「……では、今のうちにこれを」

初春 「……見られると何かまずいんですの?」

白井 「盗撮ですので」

初春 「風紀委員です!」

白井 「……貴女も同罪ですのよ、初春」

佐天 「まぁ、ひとまず、写真を」

白井 「こちらですの」

佐天 「…………」

佐天 「……あれ?」

初春 「……このひと、たしか……」

御坂 「なーにみてんのー?」

白井 「……ッ!!」



231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:38:39.61 ID:LIWb84Yao

 ◆街

上条 「……ん?」

一方 「……ン?」

上条・一方「おっ」

上条 「何やってんだ一方通行。打ち止めは?」

一方 「久しぶりだな、三下ァ……。あのクソガキなら今は黄泉川ントコだ」

上条 「……あぁ、おまえの方もか」

一方 「っつゥと……」

上条 「まぁ、お互いもくろみはあるわな」

一方 「だなァ」



232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:39:05.73 ID:LIWb84Yao

上条 「おまえも明日のパーティーくる?」

一方 「……明日? あァ、あれか。土御門から連絡が来てたから何かと思ってたンだが……」

上条 「どうするよ? 結構人数集まるぜ」

一方 「……オリジナルもなンだろ? やめとくわ。どうせ明日は打ち止めに付き合わされるだろうしなァ」

上条 「……で。どうよ、調子は。余裕かましてていいのか?」

一方 「ン? ……ククッ……。テメェこそ大丈夫かよ三下ァ? こんな町中うろついてよォ」

上条 「……生憎とな、こっちにもいろいろ、計画ってもんがあるんだよ。悪いけど俺は負けねえぜ?」

一方 「ふン……。威勢はいいじゃねェの……」



233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 09:39:32.44 ID:LIWb84Yao

上条 「おまえこそ、余裕ぶってほえ面かくんじゃねえぜ?」

一方 「はァ? おいおい三下ァ? それは誰に向かって言ってやがるんですかァ!?」

上条 「とにかく……忘れるなよ、一方通行。明日、バレンタインの日に……」

一方 「忘れちゃいねェよ……。明日の十四日に……」

上条・一方「――より多くのチョコレートをもらった奴が勝つ」

一方 「敗者は勝者のいいなりってなァ!」

上条 「随分余裕じゃねえか。大丈夫か?」

一方 「あァ? そっちこそヤケに自信満々じゃねェか」

上条 「……まぁ、いいだろ。今日のところはここらで別れとくか」

一方 「おォ。楽しみだぜェ? 三下ァ。テメェが俺に跪くのがよォ……!」

上条 「ハッ。好きに言っとけよ、最強」



237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 15:24:08.44 ID:lRKYh1a/o
上条さん本気だしたら一方通行勝てないよ!



239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 18:08:42.05 ID:LIWb84Yao


 ◆二月十四日 朝 教室


上条 「ハッピーバレンタイン!」

青髪 「ハッピーバレンタイン!」

土御門「ハッピーバレンタインだにゃー!」

吹寄 「……何をやってるのよ、貴様らは」

上条 「……何をやってるの、ですか」

上条 「これですよ……これだから男心を分かっていない女の子は……」

吹寄 「……」イラッ

上条 「青髪くん。説明してあげて」

青髪 「ぼ、ボクかいな!?」

土御門「にゃー」



240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 18:09:08.32 ID:LIWb84Yao

青髪 「えっと……」

上条 「……」

吹寄 「……」

青髪 「……すまんカミやん、ボクには無理や……」

上条 「だらしがない!」

青髪 (……いつのまにか立場が逆転しとる……)

上条 「つまりなあ!」

上条 「バレンタインバレンタインって周囲に騒がれて、期待値ゼロの非モテ系男子はもう疲れ果ててるんですよ!」

土御門(どの口が期待値ゼロだなんて言ってるんだ……)

上条 「チョコをもらえるのはどうせほんの一握り……だったら最初からそいつらだけでやれって話じゃねえか!」

上条 「あんまりにもムカついたんで、クラス全員にチロルチョコを配ってたところだ」

吹寄 「……ん? ちょっとまてちょっとまて。途中まで理解できてたんだけど、今まったく分からなくなったわ」

吹寄 「悪いけどもう一回言ってもらえる?」

上条 「だから」

上条 「ムカつくからチロルチョコを……!」

土御門「悪いことは言わないから、理解しようとするのはやめておいた方がいいぜい」

吹寄 「……そうね」



241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 18:09:39.96 ID:LIWb84Yao

上条 「ハッピーバレンタイン! ハッピーバレンタイン!」

吹寄 「……」

上条 「ハッピーバレ……ゲフッ、ゲホッ、ゲホッ……!」

土御門「か、カミやん……大丈夫か?」

上条 「だ、だいじょうぶ……ゲホッ……! 大丈夫だ……問題ない」

青髪 「な……なに、この空気」

吹寄 「上条当麻?」

上条 「なんだよ? ああそうか! まだチロルチョコ渡してなかったな! ほらハッピーバレンタイン!」

吹寄 「あ、いやえっと……それはいただこう。でもそうではなくて……」

上条 「何だ?」

吹寄 「……チョコ、欲しいの?」

上条 「……」

土御門「……」

青髪 「……」

上条 「欲しい」

青髪 「うわあ……あっさりヘタれたわこの人」



242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 18:10:03.68 ID:LIWb84Yao

吹寄 「だったら、ほら」

上条 「……え?」

青髪 「……んなッ……」

土御門「……にゃー」

吹寄 「……別に特別な意味なんてないわよ。ただちょっと、糖分が足りてないような顔してたから、ちょっと気になっただけ」

吹寄 「ほら、そっちの二人にも」

青髪 「えっ」

土御門「おぉ、サンキュー」

吹寄 「……こら、上条当麻。貴様、何をニヤついてる……!」

上条 「いや、ありがとう吹寄。すっげえ嬉しいよ!」

吹寄 「……っ!」

吹寄 「はあ……。まあいいわ。それじゃ」



243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 18:10:31.65 ID:LIWb84Yao

上条 「……へへ」

上条 (……まずはひとつゲット。一方通行とのこととは別に、チョコをもらうのはやっぱり嬉しいもんだなぁ)

上条 (にしても、まさか吹寄からもらえるとは)

上条 「ハッピーバレンタイン!」

土御門「ハッピーバレンタインー!」

青髪 「は、ハッピーバレンタイン!」

吹寄 「騒ぐなっ!」

青髪 「……風」

土御門「ん?」

青髪 「風が吹いとる……ボクたちの方に」

土御門「……にゃー」



244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 18:11:00.12 ID:LIWb84Yao

小萌 「なにしてるのですかー?」

青髪 「!!」

上条 「ハッピーバレンタイン、小萌先生。はい、チロルチョコ」

小萌 「お菓子の持ち込みは……まぁいいのです。いただきます、チロルチョコ」

小萌 「席につくのですよー。チャイムもう鳴りましたよー」

上条 (……小萌先生からはナシか……安いチョコくらい配ると思ったんだが……アテがはずれたな)

上条 (……いや。予想外の吹寄のチョコを喜んでいよう。嬉しいし)

上条 (一方通行との勝負の賞品は……負けた方が勝った方の言うことを、ひとつだけなんでもきくこと)

上条 「やってやる……やってやるぞ!」

小萌 「上条ちゃーん? 授業はじめますよー?」



245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 18:11:24.28 ID:LIWb84Yao

 ◆放課後


上条 (……収穫は……十五個か。予想以上だな。
    クラスメイトの女子八人、面白がってた男子三人、吹寄に、見知らぬ後輩から二つ、見知らぬ先輩から一つ)

上条 (……しかし。いくらバレンタインだからって、適当な男子にまでチョコを配るもんなのかね?)

上条 (嬉しいことではあるからいいんだけど……知り合い以外からももらえるとは思ってなかったなぁ)

上条 (……まぁ、いいか。お返しも考えとかないとな。一ヶ月後までに)

青髪 (……チョコ、もらってもうた)

青髪 (カミやんのついでに、やけど……おこぼれやけど……でも……)

青髪 (……ええやん。バレンタイン)

土御門「にゃー。早く移動しようぜい」

上条 「そうだな。時間はいくらあっても足りないし」



246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 18:11:50.70 ID:LIWb84Yao

 ◆上条の部屋

上条 「さて。気持ちを切り替えて準備を始めるか。禁書目録はまだ出掛けてるし」

土御門「出前の注文しとくんだにゃー」

青髪 「さてと……過酷やね、こっからは」

上条 「というところで悪いんだが……」

青髪 「どったの? カミやん」

上条 「……飲み物買い込んでくるの忘れた」

青髪 「え、えええ……?」

上条 「ちょっと買ってくるわ」

青髪 「え、ええ? カミやん、ちょっとー?」

上条 「大丈夫大丈夫、すぐ戻るから」



247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 18:12:17.04 ID:LIWb84Yao

 ◆街

上条 「昨日ちゃんと確認したつもりだったんだけどなぁ……」

上条 「買い忘れたものは仕方ない。行くか……」

10032 「どこにですか? とミサカは若干荒くなった息を整えながら貴方の背中に声をかけます」

上条 「御坂妹? 久しぶりだな。元気か?」

10032 「走ってきたので少し息が苦しいですが、問題はありません、とミサカは問いかけに答えます」

上条 「なんだって走ってきたんだ?」

10032 「貴方の姿を見かけたからです、とミサカは鈍感な貴方でもわかりやすいように直球に思いの丈をぶつけます」

上条 「……?」



248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 18:12:42.95 ID:LIWb84Yao

10032 「今日は二月十四日ですね、とミサカは遠回しにミサカの目的を伝えようと試みます」

上条 「ああ、バレンタインだな」

10032 「その通りです、とミサカは意外にも貴方の理解が早いことに驚きを隠せません」

上条 「あ、そうだ……これ食べる?」

10032 「……チロルチョコですか? とミサカは首を傾げながら貴方の手から慎重にチョコレートと思しきものを受け取ります」

上条 「チロルチョコだ。バレンタインだからな」

10032 「なるほど。バレンタインですからね、とミサカは事態の都合の良さに動揺しながらも内心ガッツポーズを天高く掲げます」

10032 「これを受け取ってください、とミサカは自らの努力の結晶をいささか緊張しながら差し出しました」



249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 18:13:13.22 ID:LIWb84Yao

上条 「……これ、チョコか?」

10032 「はい、とミサカは肯定しますが、
    その疑問よりも先に受け取ってもらわなければ緊張で逃げ出してしまいそうです、と内心を吐露します」

上条 「……俺に?」

10032 「察してください、とミサカは口数少なくなりながらも震える膝に力を入れて正面を向きます」

上条 「あ、ああ。その……」

上条 「ありがとう……」

10032 「いえ。バレンタインですから、と、ミサカは意味不明の言い訳をしてから踵を返します」

上条 「もういくのか?」

10032 「はい。目的は達成しましたので、とミサカは宣言します」

上条 「じゃあな」

10032 「それでは、とミサカは頭を下げて立ち去ります」


上条 「………」

上条 「……バレンタイン、だもんな」



250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 18:13:46.28 ID:LIWb84Yao

 ◆上条の部屋


上条 「……ふぅ」

青髪 「カミやん、ジュースは?」

上条 「……あ」

土御門「……」

上条 「もう一回行って来るわ……」

青髪 「頼むでホンマに。つっちーの妹さんと小萌先生はもう来てくれたから、手は足りてるんやけど」

上条 「ま、待て! 俺が作業するぶんも残しておけよ! 絶対だからなっ!」

青髪 「作業を残すって、どういう状況やねん……」

上条 「と、とにかく! 俺が帰ってくるまで待ってろよ!」

青髪 「いや、何を……?」



251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 18:14:31.17 ID:LIWb84Yao

 ◆上条の部屋


上条 「……近くのコンビニの飲み物、ほとんど売り切れてた。……不幸だ」

佐天 「あ、おかえりなさい。おじゃましてます。スリッパもお借りしてますね?」

上条 「あ、うん。どうぞどうぞ。数足りるかな……?」

佐天 「大丈夫でしたよ。足りない分は土御門さんが持ってきてくれました。あ、ジュース、冷蔵庫にいれときます」

上条 「ああ、ありがとう。そっかそっか。よし、準備がんばるぞー!」

佐天 「ほとんど終わっちゃってるんですけどね。ていうか、初心者がいきなりローストビーフって何考えてたんですか」

上条 「あ、いや。何も考えてなかったんだよね。切って焼けばできるかな、なんて」

上条 「それはそうと、エプロンがすごく似合ってるな。いいお嫁さんになれるよ」

佐天 「え、そ……そうですかね? ありがとうございます。でもこの場合、セクハラ! って叫ぶべきですか?」

上条 「いやぁ、ははは。それは困るなぁそれは……どう考えてもセクハラじゃないと思うし」

上条 「……ってあれっ!? なぜ上条さんの部屋に新妻がっ!?」

佐天 「あの、新妻ではないです。新妻ではないですから……!」ブンブン



252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 18:14:55.05 ID:LIWb84Yao

上条 「来るの早すぎだろ……いや、俺が遅かったのか……」

佐天 「そうですね、私が来たときにはもう、いろいろとハチャメチャで」

上条 「え……どんなふうに?」

佐天 「キッチンではメイドさんと小さな女の子が料理漫画並の派手な調理をしてて……」

佐天 「リビングでは男の人ふたりが全身を揺らしながらスマブラを……」

上条 「……なにそれこわい」

佐天 「怖かったんです、ホントに」

佐天 「で、今は……」

佐天 「私と一緒に来た御坂さんと白井さんと初春とシスターさんと巫女さんが、ベッドの下とかを漁ってます」

上条 「え、ちょ、ま、なにそれちょっとまて!」

佐天 「わ、私に言われても……」

上条 「禁書目録ー!! おまえ何やってんだー!!」



253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 18:15:48.00 ID:LIWb84Yao

禁書 「あ、とうま。遅いんだよ」

御坂 「……ベッドの下には何もないみたいね」

白井 「他の場所にあるかもしれませんわね。シスターさん、あの殿方が何かを隠すとしたらどこですの?」

禁書 「思いつかないけど、とうまは基本的にお風呂で睡眠を取ってるから、そっちかもね」

姫神 「寝床。可能性は高い」

上条 「あの……もしもーし、何をされているのでせう?」

御坂 「……ッ!!」ギクッ

白井 「あ、あら……意外と早かったですわね」

上条 「どちらかというとこっちのセリフなんですが……」

初春 「どうも。お招きいただいてありがとうございます。お邪魔してますね」

上条 「あ、いえいえご丁寧に。狭いところで申し訳ないですけど、くつろいでってください」

初春 「それで、さっそくなんですけど、洗面所と浴室見せて頂いてよろしいでしょうか?」

上条 「いやいや! 何でだよ?」

姫神 「……強い拒絶。可能性が高い」

上条 「え、なにこの状況……」



254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 18:16:19.17 ID:LIWb84Yao

上条 「御坂さん……? 念のために聞きたいんですけど、いったい何を……?」

御坂 「え、えっと……」

白井 「……決まってますの」

御坂 「ちょっと黒子」

白井 「年頃の殿方の部屋に来てすることなんて……」

白井 「エロ本探しに決まって――」

御坂 「直接的な表現はやめてええ!!」

上条 「い、いや……正直何が起こってるかさっぱり理解できないんだが」

御坂 「……えっと」

御坂 「……桃色図書探しを」

上条 「言い方の問題じゃないからなッ!?」



255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 18:16:46.58 ID:LIWb84Yao

上条 「部屋に入って早々いったい何してるんですかアンタらは……」

御坂 「ご、ごめんなさい……」シュン

白井 「……」

上条 「あ、えっと……」

上条 「だ、第一、人の部屋を漁るなんて……!」

初春 「桃色図書、発見です」

上条 「え、ちょっ……!」

佐天 「どれどれー?」

御坂 「あっ、私にも……」

上条 「ちょ、ちょっと君たち。プライバシーとか人格の尊厳とか言う言葉知ってる? ねえ、ちょっと返事してくれよ」



256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 18:17:14.30 ID:LIWb84Yao

初春 「結構すごいですねえ……」

佐天 「う、うわあ……」ドキドキ

御坂 「こ、これって……」ドキドキ

白井 「……アブノーマルなのもドサッとありますの。ロリ女教師、シスター、妹メイド……これはコスプレ系ですの?」

上条 「それは俺の趣味じゃねええ! 青髪と土御門のだ! 青髪のだああああああああ!!」

白井 「……『生意気な年下の女を強引に』……DVDまでありますの」

上条 「……!!」

初春 「こっちは『生意気な年下の女のいいなり』……『生意気な年下シリーズ』ですか?」

御坂 「……」ドキドキ

佐天 「……」ドキドキ

上条 「な、なんだこの絶望的な環境は……なんだか分からないがこのままだと名誉とかいろいろまずい気がする……!」



257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 18:17:40.53 ID:LIWb84Yao

上条 「っていうか! 中学生がそんなもの見ちゃいけません!」

小萌 「高校生でもダメなのですよ?」

上条 「!!」ビクッ

佐天 「あ、あの……」ドキドキ

上条 「は、はい?」

佐天 「……生意気なのが、いいんですか?」カァァァ

御坂 「…………」カァァァ

上条 「……」

上条 「……なんだこれ」



258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 18:18:08.14 ID:LIWb84Yao

土御門「青ピ、ピット使って勝ったくらいで調子に乗るなよ……」

青髪 「いややわあ、連戦連勝だったからって余裕かまして慣れないクッパ使ったのは自分やん」

青髪 「減らず口は! 勝って叩けや!」

土御門「……ハッ」

舞夏 「ぴかちゅうー♪」

青髪 「なんで妹さんは雷連打しかしないん?」

舞夏 「ぴっかっちゅー!」

土御門「かわいいだろ?」

青髪 「……う、うん……?」

禁書 「ねえねえ! 私も混ぜて欲しいんだよ!」

土御門「お、やるか。じゃあコントローラーを差してっと」

禁書 「……えーっと、じゃあ……なにこの緑色の変なの」

舞夏 「ヨッシーだなー」

禁書 「……ねえねえ、何でヨッシーって名前なの?」

舞夏 「……さぁ?」



259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 18:18:44.08 ID:LIWb84Yao

上条 (まずい……)

上条 (本格的にバレンタインが遥か彼方にぶっ飛んでしまっている……)

上条 (っていうか、この部屋の人間が例外なくぶっ飛んでしまっている……!)

上条 (気付けばテーブルの上には紙コップ……宣言すらなくパーティーが既に始まってるし)

上条 (がしかし……このテンションで夜まで持つの? 大丈夫? あと青ピてめえエロ本回収しとけよこの野郎……!)ガシガシッ

青髪 「え、ちょ、何で蹴るん? あ、まって、ピット落ちる! 落ちる!」

土御門「スマッシュボールはもらったああ!」

青髪 「え、あ、ちょ、つっちー待てや! リアル大乱闘起こってるから!」



260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 18:19:13.17 ID:LIWb84Yao

土御門「……ッ! しまった……ッ!」

禁書 「……なにこれ?」

青髪 「あ、あああ!!」

舞夏 「っふふ……もらった!」

土御門「ま、舞夏ァアア――!?」

舞夏 「ピッ……カァアアアアアアア!!」

土御門「あ、死んだ」

上条 「なんだこれ……」



261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 18:19:38.96 ID:LIWb84Yao
姫神 「まぁまぁ。落ち着いて」

上条 「……何で巫女服?」

姫神 「……気分? あとこれ。私の正装」

上条 「正装してきたのか……」

姫神 「バレンタインだから」

上条 「なるほど……」

上条 「……姫神は比較的冷静だな?」

姫神 「うん。わたし、冷静」



262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 18:20:05.66 ID:LIWb84Yao

姫神 「冷静だから……」

姫神 「ちゅーして?」

上条 「は?」

姫紙 「ちゅー」

上条 「待ておまえこら右手に持った紙コップをただちにこちらに渡しなさいあとすり寄るな、すり寄るなー!」

上条 「あ、案の定チューハイじゃねえか……誰だ持ち込んだのッ!」

小萌 「先生ですよー。こういう席では必要かと思って」

上条 「何生徒に酒のませてるんですか!!

小萌 「いやですねー、上条ちゃん……」

小萌 「チューハイは……お酒に入らないのですよ?」

上条 「オッサンかアンタは! 酒に強いのを自慢したいオッサンか!」

小萌 「先生、監督の名目で来たんですけど、あくまで名目ですからお酒飲んでますねー?」

上条 「え、ちょ、いいんですかそれで。いつもの教育熱心な先生はどこへ?」

小萌 「いいから。お酌お酌」

上条 「ああもう! 収拾つかねえええええ!!」



263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 18:20:36.31 ID:LIWb84Yao
書きため尽きた
投下終わり



264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 19:49:03.03 ID:W8UTLpEjo
なんか凄いことになってるなw


265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 21:19:50.29 ID:aZjfU0/Eo
一方さんがチョコもらえるとしたら黄泉川家からしか想像つかんのだが
お情けで妹達からもらえるかもしれんけど



267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 08:23:11.69 ID:of3+x85AO

今のところ、当初の目的は達成されてるなww




269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:44:41.18 ID:ZxzJvw2Xo

小萌 「上条ちゃん。お酒の席であんまり大声を出すものじゃありませんよ」

小萌 「お酒は静かにたしなむものです。さ、座って。まだ何も食べてませんよね?」

上条 「え、ええ。まぁ、今帰ってきたばかりですし」

小萌 「……」ポンポン

上条 「……えっと? 座れと?」

小萌 「……」ポンポン

上条 「は、はぁ……」

小萌 「よいしょっと」

上条 「……」

小萌 「……ぷはあ。今日のお酒は格別なのです」

上条 「……あの、何で俺の膝の上に座るんでせうか?」

小萌 「……てへ?」

上条 「ただの酔っぱらいじゃねえか……!!」



270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:45:06.61 ID:ZxzJvw2Xo

上条 「集合! 集合! おまえら席につけ! こら禁書目録! がっつくな! ピザもうなくなってんじゃねえか!」

禁書 「味見兼毒味だよとうま……何が起こるか分からないからね」

青髪 「んじゃあボクも」

土御門「まぁまぁカミやん、足りなくなったらまた頼めばいいぜよ」

上条 「そういうもんだいじゃ……! いや、そういう問題か?」

佐天 「……」ドキドキ

御坂 「……」ドキドキ

上条 「そこのふたりはいつまで顔赤くしてるんだ……! さっきあったことは忘れなさい! 忘却の彼方に追いやりなさい!」

初春 「あんな衝撃的な趣味を見せられて忘れろっていうほうが無茶だと……」

上条 「あれ? 見つけたの君だよね!? 君が原因だよね!?」

初春 「あ、名乗り遅れましたね。私、初春飾利と言って……」

上条 「あ、どうもご丁寧に」

初春 「風紀委員です。青少年保護条例違反でしょっ引きます」

上条 「えっ」

初春 「冗談です」

上条 「……なにこの子、怖い」

姫神 「ちゅー」

小萌 「ひ、姫神ちゃん! 先生は食べてもおいしくないのですよー!」

上条 「……アレは自業自得だから放っとこう」



271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:45:36.12 ID:ZxzJvw2Xo

上条 「いかん……このままではぐだぐだなまま十四日が終わってしまう」

上条 「一方通行が万が一にも十個以上のチョコをもらえるとは思えないが……」

上条 「……って、もう五時か。途中報告の時間だな……」

上条 「メールチェックっと……」

上条 「……」

上条 「は……」

上条 「……十九個?」

上条 「…………待て待て待て」

上条 (学校の知り合い全員で十五個、御坂妹から一つで十六個)

上条 (ここにいるのは禁書目録、小萌先生、姫神に、舞夏、御坂、白井、初春さんと佐天さん)

上条 「……ぜってえズルだろ! 絶対なんか卑怯なことしてるだろアイツ! チクショウ……このままじゃマズい!」

上条 「……ん? メールの下の方に内訳が……」

上条 「……学園都市料理教室の生徒十人、同受付一人、同講師一人、計十二個……」

上条 「……学園都市パソコン教室生徒二人、同講師二人、同受付二人……計六個」

上条 「……黄泉川愛穂……現状合計……十九個?」

上条 「アイツまさか……」



272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:46:06.43 ID:ZxzJvw2Xo

 ◆街


一方 「……クククッ……」

一方 「まさかテメエの相手をするのに、俺が何の用意もしてなかったとは思ってないよなァ、三下ァ……」

一方 「一万人以上の女とフラグを建てるような怪人相手にマトモな勝負するはずねえだろ……」

一方 「あはぎゃはっ! 次は打ち止めのチョコでも受け取りにいくかァ……!」


 ◆上条の部屋


上条 「あの野郎……」

上条 「駅前留学で一人だけ若い奴がいると年上の人からやたらかわいがられるノリで愛嬌振りまいて……」

上条 「……二月十四日にチョコをもらうためにわざわざこういう教室に……?」

上条 「そんなバカな……っていうか料理教室とかめちゃくちゃ似合わねえ……パソコン教室とか絶対必要ない……」

上条 「してやられた……! 保険をかけるのはアイツの方が上手だった!」

上条 「つーか受付からもってどういうことだよ! どんだけかわいがられてるんだよ!」

上条 「まだ俺は十五個なのにあっちは十八個だと……? しかも打ち止めが入ってない……!?」

上条 「まずい……このままだと……今一緒にいるのは八人……プラス二人男子。強引な手に出ても合計十個」

上条 「ただでさえこっちはチョコを受け取れる空気じゃなくなってるのにこのままじゃ……敗色濃厚……!」

上条 「くそ……なんとかしなきゃ……でも一応メールは返信しとこう。十六個……内訳……学校の知り合い、御坂妹、と」

上条 「余裕があるからどうにでもなると思ったが……このままではマズい」

上条 「なんとしてもここにいる全員から……今日の内にチョコを受け取らなければ……!!」

土御門「カミやん? カミやーん? 集合かけといて何ブツブツいっとるんだぜい?」



273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:46:33.61 ID:ZxzJvw2Xo

青髪 「カミやん? どうかしたん? なんでもないならスマブラ再開したいんやけど」

上条 「あ、悪い。でもスマブラはやめろ。あとほら座れ。着席!」

初春 「隣、いいですか?」

上条 「あ、どうぞどうぞ」

佐天 「じ、じゃあ私は左隣に」

上条 「あ、はいどうぞどうぞ」

御坂 「……むう。じゃあ私は正面に」

上条 「……何を基準に正面?」

小萌 「先生の席は上条ちゃんの膝なのですよ?」

禁書 「それはだめなんだよ小萌。マナー的に」

姫神 「……めぼしいところは。すべてとられてしまった」

白井 「なんですの、この光景」

青髪 「……なんやのんこれ。何この状況」

上条 「……ん? なんで取り囲まれてるんだ?」

舞夏 「ぴっかーあ!」

上条 「あーほら、コントローラー離せ」



274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:47:35.34 ID:ZxzJvw2Xo

御坂 「それで、なに?」

上条 「なに? じゃない。開始早々好き勝手やってたら集まった意味がないでしょう」

上条 「あと潤んだ目でこっちを見ないで御坂さん。ほっぺたも赤いです。目逸らすな。っつうか泣き出したいのはこっちだ」

御坂 「……あ、あんなのを見ちゃったら……その」

上条 「いいからそういうのホントに。分かった分かった。で、はい。紙コップが空の人並べて」

佐天 「あ、冷蔵庫から飲み物とってきますね」

上条 「さすが新妻。こら姫神、隙をついて場所を変えようとするのをやめろ」

姫神 「……けち」

上条 「……なんか俺が悪いような気がしてきた」

佐天 「ダメですよ? ダメですからねっ? あと新妻ではないです」

上条 「はい、好きなの注いで」

上条 「……行き渡ったな? それじゃあひとまず。乾杯!」

全員 「かんぱーい!」



275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:48:13.84 ID:ZxzJvw2Xo

上条 「いやぁなんとか始めることが出来た。何の意味もないけどひとまず安心だ」

佐天 「かんぱーい」

上条 「おー、かんぱーい」

御坂 「かんぱい」

上条 「おーっす」

上条 「さて食うか……」

青髪 「え、乾杯のためだけに集めたん?」

上条 「ためだけにってなんだ。重要だろ、乾杯」

土御門「形から入るタイプだにゃー」



276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:48:44.76 ID:ZxzJvw2Xo

初春 「上条さん」

上条 「はい?」

初春 「結婚しましょう」

上条 「……紙コップの中身は?」

初春 「やだなぁ、ちょっと甘いだけの水ですよ?」

上条 「……小萌先生……」

初春 「今夜は無礼講ですよ、上条さん」

上条 「は、はぁ……」

初春 「というわけで膝枕してください」

上条 「は?」

初春 「なんだかポーッとしてきちゃって……」

上条 「早すぎだろ酒回るの……!」



277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:49:35.92 ID:ZxzJvw2Xo

初春 「してくれないんですか?」

上条 「当たり前ですよ……第一何が嬉しいんだ、膝枕」

初春 「とても幸せな気持ちになれると思います。ほら、早く椅子降りて。床に、何ならベッドでも」

上条 「ベッドは個人的にまずいので、せめて床でお願いします。ていうかダメだって」

初春 「いいじゃないですか。猫が丸くなってるものだと思ってください。さ、あぐら掻いて」

上条 「あ、あぐらですか……」

禁書 「…………」ジーッ

御坂 「…………」ジーッ

佐天 「あ、もうウーロン茶なくなっちゃいましたね。追加の出しておきます」

上条 「……甲斐甲斐しいな、新妻」

初春 「嫁にするなら断然、せわしないより穏やかな方ですよね」

上条 「君、酔ってるね」

初春 「ほら、ぺったんしてください」

上条 「やめろ、幼児語で着座要求すんな!」

初春 「こういうのも好きなんですか? さっき似たようなDVDが……赤ちゃんプレイ?」

上条 「忘れようそのことは」



278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:50:13.08 ID:ZxzJvw2Xo

初春 「よいしょっと……」

上条 (……ホントに膝枕してるし)

初春 「はー……いい気持ちです。寝てもいいですか?」

上条 「いきなりかよ……君まだ何もしてないじゃん……」

佐天 「……」

御坂 「……」

白井 「……」

上条 (別に膝枕自体はいいんだけど……すごく褪めた目で見られてる気がする……)

舞夏 「あ、そうだ。上条当麻ー!」

上条 「はい?」

舞夏 「パース!」

上条 「えっ、うわっ!」

上条 「……なにこれ」

舞夏 「チョコ」

土御門「……」

御坂 「……」

上条 (……すごく怖い目で見られてる気がする)



279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:50:42.21 ID:ZxzJvw2Xo

舞夏 「私の愛情がたっぷり入ってるから、ちゃんと一人で全部食べるんだぞー」

土御門「……」

上条 「ああ……でも、その発言はどっちかっていうと唐辛子が入っているフラグでは……」

舞夏 「……」チッ

上条 「まじかよ」

舞夏 「じょーだん」

上条 「……ありがとな」

舞夏 「お、おお」

舞夏 「へへ。よきにはからえー」

上条 「……それはいろいろ、間違ってないか?」

土御門「舞夏! スマブラやろうぜい!」

舞夏 「お、おぉ? う、うん」

上条 (……今、土御門と目が合った瞬間……悪寒が、悪寒が……)



280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:51:10.87 ID:ZxzJvw2Xo

初春 「あ、そうだ。上条さん上条さん」

上条 「なに? 膝の上で喋られると落ち着かないんだけど」

初春 「はいこれ。私からもチョコです。喜べ喜べ。ていてい」

上条 「角で叩くな、角で叩くな! いやでもありがとう。でも何で?」

初春 「いやだなぁ、命の恩人さんですよ、上条さんは」

上条 「は?」

初春 「以前、虚空爆破事件のときに私を助けてくれた方ですよね? 御坂さんから聞いてたんです」

初春 「それ以来、ずっと感謝してたんですけど、お会いする機会がなかったので……」

初春 「嬉しかったんです。助かりました。本当にありがとうございます」

上条 「……うん。なんか言ってることは分かるんだけど、ごめん。膝の上からだとシリアスな感じが薄れるね」

初春 「私はこんなに真剣に話をしてるのに!?」

上条 「え、なんで驚くの? 普通、真面目な話をするときに相手の膝に頭を乗せないよね?」

初春 「私なりの照れ隠しですよ!」

上条 「え、えええ。なにそれ」

初春 「……ふんっ。もういいです。上条さんのばーか。ばーかばーか」

上条 「あ、あれ……? なんでこの子、ほとんど初対面の相手に対してナチュラルにこういう態度とれるの……?」

上条 「でも、ありがとうな」

初春 「……つーん」

上条 「……拗ねてるし」



281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:51:37.57 ID:ZxzJvw2Xo

小萌 「上条ちゃん、上条ちゃん。私からもはい。チョコ」

上条 「え、チロルチョコですか……いや、それ俺があげた奴じゃないですか!」

小萌 「間違えました。こっちです」

上条 「先生、それスルメ。ていうか、酒のつまみ持ってきてたんですか。最初から飲む気だったんですね」

小萌 「あれー? えっと、どこに置いたんでしたっけ……」

小萌 「はい、これ」

上条 「あ、ありがとうございます」

上条 「……あれ? 今までの流れだと何かツッコミどころがあるはずなんだけど」

小萌 「別に用意してませんよ、ツッコミどころは」

青髪 (……結局、カミやんにチョコを渡さんといてーって頼んでも、聞き入れてもらえんかったなぁ」

姫神 「はい。私からも。これ」

上条 「あ、えっと……ありがとう」

姫神 「うれしい?」

上条 「あ……ああ」

姫神 「そっか。なら。ちゅう」

上条 「誰か、姫神を介抱してあげて」



282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:52:04.98 ID:ZxzJvw2Xo

上条 (しかし……なんだ、このチョコの大盤振る舞い)

上条 (……罠? 罠か? これは誰かが俺にかけた罠だな……)

上条 (考えられるのはひとつ……)

上条 (青髪ピアスと土御門の罠……!)

上条 (女子と結託して上条さんにドッキリを仕掛けようという腹に違いない……)

上条 「……」

土御門「……」ニヤッ

上条 「……!!」

上条 (間違いない……土御門の策略……! これは……まさか)

上条 (最悪の場合……全員からチョコを渡されたあげく、大成功ー!のプラカードを目の当たりにするはめに……)

上条 (……だが、一方通行との勝負に勝つ為には都合がいい)

上条 (舞夏、初春さん、先生、姫神……四つ。二十個に到達……。ひとまずは一方通行を追い抜いた計算になるが)

上条 (……打ち止めを計算にいれるとようやく互角。もし奴が他にも何か策を準備するとすれば……)

上条 (……禁書目録、御坂、佐天さん、白井の四人からもなんとかしてチョコを受けとらなければ……負ける……!)

上条 (……いいぜ、土御門。乗ってやるよ、おまえの策にな……!)

上条 (すべては、そう……一方通行に勝って、命令権をひとつ手に入れ……)

上条 (打ち止めのチョコを少しだけ分けてもらうため……!)

上条 (打ち止めの奴、一方通行に夢中で俺にチョコくれないっぽいし。そもそも面識ないんだけど)

上条 (俺も打ち止めからのチョコ欲しい! あの野郎、今に見てろよ……!)

上条 (絶対打ち止めのチョコを手に入れてやる……!)



283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:52:33.18 ID:ZxzJvw2Xo

上条 「ジュース、足りなくなったな。ペース早すぎだろ」

青髪 「ボクが買ってくる?」

上条 「いいよ、スマブラしてて。俺が行って来るから」

佐天 「私、ついていきましょうか?」

上条 「あ、お願い」

青髪 「……カミやん、男女で態度違わない?」

上条 「そ、そんなことねえよ」

上条 (……がっつきすぎたか?)

佐天 「あ、それじゃ行きましょうか」

上条 「あ、ああ。うん」

上条 「……あのさ、佐天さん」

佐天 「はい、なんですか?」

上条 「……エプロン、つけたままだけどいいの?」

佐天 「あ、ああ、忘れてたっ!」



284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:53:02.82 ID:ZxzJvw2Xo

佐天 「……」

上条 「……」

上条 (……会話がない)

上条 (……何で佐天さん、ついてきたんだろう)

佐天 「あ、あの……」

上条 「はい?」

佐天 「その……忘れちゃってるのも知れないですけど……」

佐天 「以前……助けてくれた方ですよね?」

上条 「……え?」

佐天 「私が……柄の悪い人たちに絡まれてるときに……」

佐天 「……ですよね?」

上条 「……えっと」

上条 (……そんなことあったっけ?)



285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:53:32.38 ID:ZxzJvw2Xo

佐天 「それで、その……ずっとお礼を言いたかったんですけど……」

佐天 「……あの……」

佐天 「……チョコを……」カァァァ

上条 (あ、土御門の作戦か)

佐天 「……あ、あの……」

上条 「え、あ……ああ」

佐天 「……あの。なんかまずかったでしょーか」

上条 「いや……」

上条 「……なんだろうね……」

佐天 「こ、これを……。あの、まずかったら捨てていいですから! ほんとに!」

上条 「…………」

上条 (……もう騙されててもいいや。かわいいから)

上条 「あ、えっと……ありがとう」

佐天 「い、いえ……」

上条 (……耳までまっかだ)

上条 (…………なんでだろうね? 胸が痛くなってきたぞー)



286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:54:05.18 ID:ZxzJvw2Xo

 ◆上条の部屋

佐天 「ただいまー」

上条 「土御門ー! ちょっとこい!」

土御門「……ん?」

上条 「ちょっと外出てくるわ」

佐天 「あ、はい。いってらっしゃい」

上条 (……なにこの新妻)

土御門「なんだっていうんだにゃー」



 ◆とある学生寮・通路


上条 「おまえ、何か仕組んだな?」

土御門「なんのことだかさっぱり……」

上条 「……」

土御門「……にゃー」

土御門「……白状すると、ちょっぴりな」

上条 「ちょっぴり?」

土御門「常盤台グループに、カミやんにチョコを渡すようにいったんだぜい」

上条 「……やっぱりか」

土御門「ちょっとドッキリでも仕組もうと思ってにゃー」

上条 「……いや、もう十分すぎるくらいの演出だったよ」

土御門「……ん?」

上条 「え?」

土御門「……確かに仕組もうとしたけど、結局断られたんだぜい?」

上条 「えっ」

白井 「すみません、ちょっとお話があるんですけれど」

上条 「……!」

土御門「俺、先に戻るぜい?」

上条 「おいおい……ちょ、待てよ土御門」

土御門「さぁって、スマブラスマブラ」

上条 (お、おい……)

白井 「あ、いらっしゃいましたわね」



287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:54:35.59 ID:ZxzJvw2Xo

上条 「なんだ? 白井」

白井 「……なんだもなにも……なんでそんなに後退っているんですの?」

上条 「気にしないでくれ」

白井 「……まぁ、いいですの。はい、これ。受け取ってくださいまし」

上条 「……まさかと思うが、チョコか?」

白井 「……まさかと思わなくてもチョコですの。わたくしからのチョコはいらないとでも?」

上条 「あ、いや……すごく嬉しいことは嬉しいんだが……」

上条 「……ドッキリ、とかではないよな?」

白井 「……わたくしだからいいですけど、他の方にそんなことを仰るのはやめてくださいますわよね?」

上条 「あ、ええと……」

白井 「……一応、わたくしも感謝してるんですの。お姉様のこと、助けてくれたのは、結局貴方ですから」

上条 「……」

白井 「だからといって? お姉様と貴方の交際を認めるかと聞かれれば? まぁそれとこれとは話が別なのですけれどね?」

上条 「……交際?」

白井 「……まぁ、いいですの」

白井 「あんまり外に長居すると寒いですわよ。わたくし、先に戻りますの」



288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:55:02.20 ID:ZxzJvw2Xo

上条 「……」

上条 「……あー」

上条 (……どうしてこうなった)


上条 (……整理をしよう)

上条 (俺と一方通行はバレンタインの今日、どちらがより多くのチョコレートをもらえるかを競い合うことになっていた)

上条 (ちなみに喧嘩をふっかけたのは俺。目的は打ち止めのチョコレート。小さい子ってかわいいし。性的な意味とは別に)

上条 (その為、青髪ピアスに何気なくバレンタインの話題を振り、彼が何かイベントを提案するのを待った)

上条 (結果的に小規模のパーティーに誘導することが出来……なんとかチョコレートを入手するアテを作った)

上条 (学校では十五個、御坂妹から一個、現段階ではパーティー中にもらったチョコレートが六個の合計二十二個)

上条 (パーティー中のチョコはあまりの都合の良さに土御門の策略かと思ったが……実はそうではなく……)

上条 (……つまり、初春さんの「虚空爆破のとき助けてもらった」も……)

上条 (「柄の悪い連中から助けてもらった」という佐天さんの言葉も……)

上条 (ついでに「一応感謝している」という白井の言葉もドッキリではなく……)

御坂 「ねえ、いつまで外にいるのよ?」

上条 (……マジで?)



289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:55:39.07 ID:ZxzJvw2Xo

上条 (今日という日は何かおかしい……)

上条 (吹寄からチョコをもらうし……小萌先生が生徒に酒を飲ませるし……)

上条 (初対面同然の佐天さんが新妻で、御坂がエロ本を漁って、初春さんが膝枕。舞夏がピカチュウで、姫神が酔っぱらい)

上条 (……何かの前触れ? やはりドッキリではないように見せかけたドッキリ?)

御坂 「ねえ、おい。ちょっとー? 聞いてるー?」

上条 「え、あ、ああ」

御坂 「聞いてなかったでしょ」

上条 「……あ、ごめん」

御坂 「あ、いや、別にいいんだけどさ……」

上条 「……」

御坂 「……」

御坂 「あのさ」

上条 「……ん?」

御坂 「はい、これ」

上条 「……あ」



290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:56:16.57 ID:ZxzJvw2Xo

御坂 「一応、ね。……じゃないや。えっと……」

御坂 「……別に特別な意味なんて……」

御坂 「ないことはないんだけど……そういうアレじゃなくて……」

御坂 「なんていえばいいかな……」

上条 「……これ、チョコ?」

御坂 「……そう。見りゃわかんでしょ」

上条 「いや、包装されてたらわかんないよ」

御坂 「……察しなさいよ」

上条 「……すまん」

御坂 「あのさ、私さ……結構、感謝してるのよ、アンタに。だからほら」

御坂 「……こういう機会でもないと、上手く伝えられる気がしなかったから」

御坂 「……えっと……こういう機会でも、しっかりは伝えられないんだけど……」

御坂 「その、さ」

上条 「……うん」

御坂 「……ありがと」

上条 「……あ、いや。こっちこそ」

御坂 「……」

上条 「……そうだ、チロルチョコいる?」

御坂 「……なにそれ」

上条 「ハッピーバレンタイン」

御坂 「……ハッピーバレンタイン」



291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:56:42.91 ID:ZxzJvw2Xo

上条 (禁書目録以外の女性からは、チョコレートを受け取った)

上条 (……やっぱり都合良すぎない?)

上条 「……ん? メールか?」

上条 (気付けば既に七時半……時間経つの早すぎだろ……まだ何もしてないのに)

上条 「……一方通行から……」

上条 (……先ほどの十九プラス……芳川桔梗、……結標淡希?)

上条 (……打ち止めを計算に含めると二十二……こっちの方が多くなるな)

上条 (一方通行にチョコをもらうアテが他にあるとは考えにくい……俺の勝ち、か)

上条 (……アイツ、チョコくれるかなぁ……)

上条 「……そろそろ戻るか」



292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:57:09.50 ID:ZxzJvw2Xo

上条 「……」

土御門「カミやん。このプレートなーんだ?」

上条 「大成功……?」

土御門「にゃー」

上条 「……ふう」

土御門「ごめんにゃー、カミやん。どうしてもやらずにはいられなかったんだぜい」

上条 「土御門、振り返ってみろよ」

土御門「……にゃー?」

上条 「……そう、舞夏が持ってるプレート。なんて書いてある?」

土御門「……大成功」

上条 「仕掛け人ドッキリって、定番だよな」

土御門「……マジかよ」

上条 「……でも、つまりどういうこと? そのプレート」

舞夏 「つまり……」

舞夏 「兄貴の協力者たちはドッキリだなんて考えてなかったってことだなー」

上条 (……え、ガチってこと?)

佐天 「……えへへ」

初春 「なんか眠くなってきました……」

白井 「飲み過ぎですの。横になりなさいな」

上条 (でも告白されたわけじゃあるまいし、義理だからガチもなにもないな)



293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:57:38.34 ID:ZxzJvw2Xo

上条 「……宴もたけなわ、だな」

上条 「……ホントに何もしてないけど」

禁書 「とうまー」

上条 「ん?」

禁書 「はい、これ」

上条 「……」

禁書 「チョコだよ! 一応手作り! 自信作なんだよ。あとで一緒に食べさせてね!」

禁書 「結構大変だったんだよ、それ作るの! ラッピングまで自分でやったんだからね」

禁書 「褒めて褒めて!」

上条 「……」

禁書 「とうま?」

上条 「……よしよし」

禁書 「……どうして頭を撫でるのかな?」

上条 「だめ?」

禁書 「……ダメではないけど」

上条 (……なんかもう、幸せだからいいや)

禁書 「…………」

禁書 「いつもありがとね、とうま」

上条 「……いや」

上条 「こっちこそ、ありがとな」



294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:58:08.46 ID:ZxzJvw2Xo

上条 「よし、もう一回乾杯するか!」

初春 「やりましょう!」

白井 「初春、貴女、急に身体をあげたら具合悪くなりますわよ……!」

御坂 「私! 炭酸!」

姫神 「……頭痛い」

禁書 「とうま、とうまー。ピザもう一枚ないの?」

舞夏 「そういえば、料理に全然手つけてなかったな……」

上条 「そういや、ビンゴカードある。ビンゴする?」

土御門「この人数でかにゃー?」

小萌 「青春ですねえ……」

上条 「景品は青髪のエロDVDな」

佐天 「だ、誰が喜ぶんですか、それ……」

上条 「よし、ハッピーバレンタイン!」

全員 「ハッピーバレンタイン!」

青髪 「……で、バレンタインって何?」



295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:58:34.22 ID:ZxzJvw2Xo


 ◆その後


上条 (……どうなることかと思ったけど……)

上条 (……結局どうにもならなかったな、男共は終始スマブラしてたし、監督は酒盛り、女たちは部屋漁り……)

上条 「……メール、するか。こっちの勝ちだろうけど」

上条 (何はともあれ……打ち止めのチョコが食える)

上条 (……なんとかなったな。二十四個、か……。知り合いからもらえるのも結構嬉しいもんだ)

上条 「……メール来た」

上条 「……は」

上条 「……二十五個?」

上条 「どういうことだ……?」

上条 「……内訳」

上条 「打ち止め……妹達三人。……妹達三人?」

上条 「……ど、どういう……ことだ……?」



296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 21:59:03.87 ID:ZxzJvw2Xo

 ◆翌日・公園


一方 「実はなァ、打ち止めからチョコをもらえるように、ボソッと誘導してたわけなンだが……」

一方 「手作りチョコがいいって言っといたら、あのクソガキ、自分だけで作るとか言い出して……」

上条 (……子供に「手作りチョコがいい」ってワガママを言う第一位って……)

一方 「黄泉川と芳川も頼らずにいたンだが……さすがにあのナリだろ、一人じゃ無理だわ」

一方 「しょうがねえからって学園都市にいる妹達に世話頼んだンだわ。頭下げて」

一方 「そしたらなンかもらった」

上条 「……まじかよ」

一方 「マジですよォ、二十四個の上条くゥン?」

上条 「……くそ……一個差で負けるなんて……しかも翌日になってからいろんなとこからチョコが届くし……」

一方 「ッハ……。喚いてろ三下ァ。どう言っても俺の勝ちだがなァ」



297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 22:00:01.73 ID:ZxzJvw2Xo

上条 「……いいさ。言えよ、何でも好きに命令しろよ……」

一方 「お、結構すぐに覚悟を決めるンだなァ」

一方 「ンじゃあまァ……」

上条 「おう……」

一方 「これから昨日もらったチョコ山分けしねえ?」

上条 「……は?」

一方 「いやァ、どうせ食うならいろンなの食えた方いいじゃン。料理教室通ってたら舌肥えちまってさァ」

上条 「……お、おう」

一方 「……すげえンだぜ? 打ち止めとか。超うまそうなンだよ」

上条 「ま、まじか!」

一方 「うっし。俺ンち来いよ。あ、その前にオマエの部屋よってチョコ回収な」

上条 「おまえ……なんて良い奴なんだ……ッ!」

一方 「褒めンなよ三下……鼻血出すンじゃねえぞ……?」

上条 「よし。そうと決まればいくか!」

一方 「おう」




end



298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 22:00:43.28 ID:ZxzJvw2Xo
おしまい

日数かけすぎた
今は反省している


299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 22:08:21.68 ID:j/CXan2Go
もっと堂々としろよ。もっと堂々としろよ>>1!!!
乙だよ!!



301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 22:29:32.57 ID:Gjo4KfPJo

面白かったよ



303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/28(月) 00:26:32.26 ID:5PmxBbvio
乙!
上条さんにグラビトン事件の記憶はないぞ!



304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/28(月) 00:38:10.74 ID:YpmRXRAp0
乙!よかったよ

翌日届いたチョコの中身が気になるなww



305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/28(月) 06:07:17.96 ID:TJZ0URxt0
乙。
1週間でこの量とペースは誇っていい、内容も面白かったよ



307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/01(火) 14:47:31.75 ID:qnQACibIO
面白かった!
また違う作品書いてくれること切に願うよ





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禁書目録SS   コメント:14   このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント一覧
4705. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/03/14(月) 18:18 ▼このコメントに返信する
>>304
学園都市組から話を聞いた海外組から届いたんだろう。
4709. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/03/14(月) 19:16 ▼このコメントに返信する
なんか無駄な情報多すぎて超長く感じた
4711. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/03/14(月) 19:35 ▼このコメントに返信する
橙は名曲だよな!
4716. 名前 : 名無し@SS好き◆pwutJTUc 投稿日 : 2011/03/15(火) 00:09 ▼このコメントに返信する
無駄な話が多すぎでダレる。
話が進むの遅すぎてダレる。
話が長いわりにテンポもない

これはないわ
4721. 名前 : 名無しさん◆- 投稿日 : 2011/03/15(火) 01:54 ▼このコメントに返信する
でも普通に最後まで読めた
4725. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/03/15(火) 02:31 ▼このコメントに返信する
姫神が可愛くて歓喜した
4727. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/03/15(火) 03:42 ▼このコメントに返信する
大分読み飛ばしたけど面白かった。
ただ、KJさんと打ち止めは原作でもアニメでもがっつり面識有るんだが…
この>>1、一体何を読んでたんだろう。
4737. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/03/15(火) 11:18 ▼このコメントに返信する
とりあえず新妻の佐天さんが良かった。
4738. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/03/15(火) 11:25 ▼このコメントに返信する
佐天さんの新妻ぶりに歓喜した
4760. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/03/15(火) 14:17 ▼このコメントに返信する
ねーちんを呼んでいれば引き分けだったんだぜぃ

バレンタインだけに考えが「甘かった」ようだな
4832. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/03/16(水) 23:35 ▼このコメントに返信する
タイトル的に上条さん暴走ものかと思ったけど一応まともな話だったw
9640. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/07/21(木) 18:21 ▼このコメントに返信する
青ピが不憫でw


なかなかおもしろかったw
10160. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/08/03(水) 17:38 ▼このコメントに返信する
色々言いたいことがあったはずなんだが、やはり読み終わった後一番最初に出てくる感想は>>1乙だな
そして二言目を口に出そうとしてつまるっていうね。とりあえず面白かったよ
29793. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2012/12/14(金) 08:03 ▼このコメントに返信する
いい話だった。
タイトル見た時は上条サンの暴走モノかと思ってしまったwww
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